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2020年2月

2020年2月29日 (土)

【日経平均】5日続落<NYダウ✍過去最大の週間下落率>リスク回避加速

〔米株式〕NYダウ、357ドル安=週間下落率金融危機以来最大

時事通信 2020年2月29日(土)7時30分配信

 週末28日のニューヨーク株式相場は、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大に歯止めがかからない中、7営業日続落した。優良株で構成するダウ工業株30種平均の終値は前日比357.28ドル安の2万5409.36ドル。米メディアによると、週間ベースでの下げ幅は3583.05ドルと過去最大で、下落率は12.4%と2008年の世界金融危機以来の大きさという。

 ハイテク株中心のナスダック総合指数は0.89ポイント高の8567.37で引けた。

 ニューヨーク証券取引所の出来高は前日比7億2901万株増の26億3310万株。

 28日時点の新型コロナウイルスの感染者は世界で8万3000人を超え、死者は約2900人に達した。世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長はジュネーブで記者会見し、世界全体での新型コロナウイルスのリスク評価について、従来の「高い」から「非常に高い」に引き上げたと発表した。

 感染拡大に収束の兆しが見えない中、市場ではこの日もリスク回避の動きが加速。ダウの下げ幅は一時1085ドルに達し、心理的な節目となる2万5000ドルを割り込んだ。世界経済の減速で需要が減退するとの見方から、米原油先物相場も1年2カ月ぶりの安値を付ける一方、安全資産とされる円は買われ、円相場は一時1ドル=107円台半ばまで上伸した。

 午後に入ると、米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長が緊急声明を発表。「景気を下支えするため適切に行動する」と表明し、利下げの可能性を示唆した。これを受けてダウはいったん持ち直しの動きを見せたものの、再び1000ドル安近辺まで失速。値動きの荒い展開となる中、ダウは取引終了間際に急速に下げ幅を縮めた。

 個別銘柄(暫定値)では、ボーイングが4.4%安、JPモルガン・チェースが4.3%安、トラベラーズが3.4%安。ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)は3.3%安、ホーム・デポは3.1%安、マクドナルドは2.8%安だった。一方、エクソンモービルは3.3%高マイクロソフトは2.4%高化学大手ダウは2.2%高と買われた。

新型コロナ“神対応”連発で、支持率爆上げの台湾・蔡英文総統

IQ180の38歳👤天才大臣の対策に世界が注目

AERAdot. 2020年2月29日(土)7時00分配信

 安倍晋三内閣の新型コロナウイルスの感染拡大対策に、国民から厳しい批判の目が向けられている。共同通信が15、16日に実施した世論調査では、前回から8.3ポイント下落の41.0%、不支持率は前回から9.4ポイント増の46.1%となった。他社の調査も同様の傾向で、産経新聞とフジテレビが22、23日に実施した調査では支持率36.2%(前回比8.4ポイント減)で、不支持率の方が10ポイント以上高くなった。

 一方、世界的な感染拡大が続くなか、支持率が“爆上げ”した政治家もいる。台湾の蔡英文総統だ。24日に公表された台湾民意基金会の調査によると、支持率は68.5%。先月調査から11.8ポイントも上昇した。特に高い評価を得ているのが防疫対策で、75.3%が「80点以上」と回答している。

 たしかに、台湾の対応の早さは他国と比較しても際立っている。日本では1月16日にはじめて国内の感染者発生が公表されたが、新型コロナウイルスを「指定感染症」として閣議決定したのは1月28日。台湾は感染者が一人も出ていない1月15日の時点で「法定感染症」に定めていた。

 安倍首相は2月27日、全国の小中高校や特別支援学校に休校要請することを発表した。だが、台湾ではすでに学校の休校は原則終了している。旧正月(春節)の冬休みを2週間延長して24日まで休みにしていたのを、現在は、教職員や生徒で感染者が1人出れば学級閉鎖、2人以上なら学校閉鎖するという基準を設け、授業を再開している。

 共働き家庭への配慮も評価されている。休校中に小学生の世話が必要になる保護者は、看護休暇を申請できるようにした。また、中学生以上でも障害を持つ子供の保護者であれば、同じ制度が適用されるようにした。もし、企業が有給休暇の取得を拒否した場合、法律にのっとって処罰することも表明。「休校」という方針だけが発表された日本とは、大きな違いだ。

 日本では今、経済対策として新規の補正予算を組む声が高まっている。26日には自民・公明の両党が安倍政権に経済対策の策定を求める方針を決定。では、台湾はどうか。台湾立法院(国会)は25日、600億台湾ドル(約2200億円)を上限とする経済対策の特別予算案を可決した。大きな打撃を受けている観光産業への支援などが柱になる予定だ。

 そのほかにも中国へのマスク輸出禁止や厳しい渡航制限など、蔡政権が次々と打ち出す方針に当初は批判もあった。それでも、28日現在で感染者数が34人に抑えられていることから、批判は少なくなっている。台湾では、2003年に起きたSARS(重症急性呼吸器症候群)で84人の死者を出した。その時との違いも、高い評価を得ている理由だ。検査体制が異なるため単純な比較はできないが、日本の感染者数210人(クルーズ船の陽性反応者705人を除く)、韓国の2000人以上(いずれも28日現在)と比較しても、現時点での封じ込め対策は一定の成果を出しているといえるだろう。

 台湾在住のノンフィクションライターの近藤弥生子さんは、こう話す。

「一般の人々が不安に感じていることについて常に先回りした対応をしていること、そして蔡総統や蘇貞昌行政院長(首相に相当)が寝る間を惜しんで必死に感染症拡大に奮闘している姿が伝わってきます。武漢からチャーター機で帰国した台湾人から一人の感染が確認された時は、陳時中衛生福利部長(保健相)が記者会見で涙を流しながら『患者の数は増えてほしくない。だが、逆に考えると命を救うことができる』と訴え、その真剣な姿に台湾人から称賛の声が相次ぎました」

 “神対応”を連発する蔡政権のなかで、世界から注目されているのがデジタル担当政務委員(大臣に相当)のオードリー・タン(唐鳳)氏だ。タン氏は世界的に有名なプログラマーで、現在38歳。8歳からプログラミングを学び、14歳で中学を中退。15歳でIT企業を起業した。その後にトランスジェンダーであることを明かし、36歳で入閣した時は性別欄に「無」と記入した。タン氏はIQ180ともいわれる天才で、台湾の人々は「彼女の存在は私たちの希望」と慕う。

 台湾が誇る天才が、感染症対策でも活躍している。

 日本と同じく台湾でも、1月後半からマスクの在庫不足が問題になっていた。まずは輸出や持ち出し、転売が禁止され、2月6日にはマスクの購入が実名制になり、7日間で2枚しか買えないようにした。厳しい供給規制に反発がおきる可能性もあったが、タン氏は衛生福利部(保健省)中央健康保険署と協力して、台湾国内の薬局にあるマスクの在庫データをインターネット上に公開。すると、民間のITエンジニアがそのデータを地図上に落とし込み、在庫状況がひと目でわかるアプリを開発して無償配布した。

 それだけではない。緊急時に発生するデマ情報の拡散を防ぐため、ラインなどの通信アプリを通じて間違った情報を信じないよう注意するメールを配信。また、新型コロナウイルスに感染しやすいタクシー運転手やバス運転手にマスクが優先的に届くように求める情報を発信すると、フェイスブック上では、本当に必要な人にマスクを譲ろうという声があふれた。

 台湾の新型コロナウイルス発生状況のホームページはグラフや地図を効果的に使用していて、どの地域にどれくらいの感染者が出たかわかりやすい。台湾にも寄港した国際クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」の乗客については、下船してから訪れた場所をすべて公開した。こういったテクノロジーを使用した危機管理に、米国をはじめ世界から注目が集まっている。

 タン氏にインタビューした経験がある前出の近藤さんは、こう話す。

「両親の職業がジャーナリストということもあり、彼女は『情報』が人々にどのような影響を与えるかをとても理解しています。一方で、現役の閣僚でありながらも特定の政治的立場に立つのではなく、むしろ意見の対立をIT技術で可視化して、解決につなげることを考えている。入閣した時に『公僕の中の公僕になる』と宣言したとおり、特定団体の利益のために動くのではなく、テクノロジーを駆使して台湾の人々と行政院をつなぐ“パイプ”になっています」

 台湾に防疫や衛生管理を根付かせて伝染病の撲滅に貢献したのは、日本統治時代の1898年に台湾総督府で民生長官を務めた医師出身の後藤新平だ。それから120年以上がたった今、立場は逆転した。日本は、感染症の流行対策について台湾に学ばなければならない。

感染者ゼロ」の北朝鮮、新型コロナで「異例」の対策

AFPBB NEWS 2020年2月28日(金)8時01分配信

 拡声器から鳴り響く衛生管理を呼び掛ける声、敷地内に閉じ込められた外交官、保健当局への「絶対的服従」を求める国営メディア――北朝鮮は新型コロナウイルス感染症「COVID-19」の流行を防ぐため数々の対策を講じており、外交官からは「異例」との声も上がっている。

 中国で新型コロナウイルスが発生すると、独裁国家である北朝鮮は直ちに国境を封鎖し、外の世界との接触を断った。外交官やアナリストは、医療インフラが脆弱な北朝鮮にとって、これが自国を守るための最善の策だったと指摘する。

 北朝鮮は新たに入国した人を30日間隔離し、国内での対策も強化している。国営朝鮮中央通信(KCNA)によると政府は、戸別訪問による検診や、拡声器を取り付けた自動車で市民に衛生指導をするなど「反ウイルス運動」に力を入れている。

 さらに北朝鮮在住の外国人は全員2月初めから各自の敷地内にとどまらなければいけないことになっており、外国人にも厳しい制限が課されている。

 在北朝鮮ロシア大使館のアレクサンドル・マツェゴラ(Alexander Matsegora)大使は、平壌にいる外交官は市内に出ることができず、「精神的に厳しい」状況に置かれていると話す。

 同大使はロシア国営タス通信(TASS)に対し、「外交文書を受け取れず(中略)、応急手当てのための医薬品や物資も手に入れられない」と語った。外交業務は事実上、停止しており、北朝鮮当局者や諸外国の大使館との会合や対話、交渉なども行われていないという。

 現在の状況は「異常」だが、「国の重要問題」に対処するためこのような決定を下し実行できるのは、北朝鮮のような「独自」国家だけだと同大使は話す。

「もちろん物質的な面では、孤立は北朝鮮にとって非常に高くつく」が、いつでも喜んでそのような代償を払うだろうと指摘する。「国家の安全保障、イデオロギー、国の誇りが経済よりも、常に例外なく優先されるということを理解するのが重要だ」

感染者ゼロ

 中国・武漢(Wuhan)で発生したCOVID-19は、世界に広がっているが、北朝鮮政府は中国の近隣諸国の中で唯一、感染者がいないと主張し続けている。しかし、専門家らはこの主張に懐疑的だ。

 朝鮮労働党の機関紙「労働新聞(Rodong Sinmun)」は、市民に対し保健当局と国の指示に「絶対的に服従」するよう呼び掛けている。「われわれは、一瞬の油断が取り返しのつかない破滅的な結果を生むことを忘れてはならない。常に厳戒態勢をとるべきだ」

 さらに今週初め、一人でも新型コロナウイルス感染者が出れば「悲惨な結果」になると警告し、レストランを含め大勢が集まる場に行かないよう国民に求めた。

 だが、国家行事にはこの制限は当てはまらないようだ。

 北朝鮮は26日、国会に当たる最高人民会議の議員らが、金正恩(キム・ジョンウン、Kim Jong-Un)朝鮮労働党委員長の父親である金正日(キム・ジョンイル、Kim Jong-il)総書記の生誕の地とされる白頭山(Mount Paektu)を訪れるため列をなしている写真を多数公開した。全員マスクを着用していた。

台湾が新型コロナの感染拡大抑制できている理由

Wedge 2020年2月29日(土)12時32分配信/井上雄介(台湾ライター)

 不安倍増……。日本での新型コロナウイルスの感染拡大は台湾で大きく報道され、「安倍」晋三首相の名をもじった見出しが新聞やテレビに踊る。同ウイルスの人から人への感染が、日本が水際での阻止に失敗して経路不明な市中感染の段階に入ったのに対し、台湾は、まだ家族同士の感染の段階にとどまっている。累計患者数が30人(死者1人)ほどを維持(2月27日現在)し、急激な増加は起きていない。

 台北の有名私立病院の男性医師(60歳)は「今回も、SARSを思い出してぞっとした」と話している。この医師によると、SARSの時は、患者が触った壁からも感染したそうだ。台湾の病院では今回も、エレベーターのボタンを拭うティッシュが置かれている。台湾の病院は現在、マスクなしでは立ち入りを拒否される。 台湾が今回、感染拡大を効果的に抑制できているのは、2003年に流行した重症急性呼吸器症候群(SARS)の教訓が生きているという見方が一般的だ。SARSでは73人もの死者が出た。当時の恐怖は今なお鮮明で、思い出が今も語り継がれている。

打てば響くような対応の速さ

 確かに今回の台湾政府の対応は、打てば響くような速さだった。衛生福利省の疾病管制署(CDC、疾病対策センター)は、1月15日に早くも同肺炎を法定伝染病に指定。20日にはCDCに専門の指揮所を開設した。月26日には中国本土観光客の台湾入りを躊躇なく禁止。2月6日には中国人全員の入国を禁止したほか、中国から戻った台湾人には、14日間の自宅待機を求めた。なお、CDCは米国にもあるが、日本にはないことも台湾で不思議がられている。

 台湾・基隆に1月31日に寄港した国際クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」から同肺炎の患者が出たことが2月1日に分かると、6日には国際クルーズ船の寄港を一切禁じた。8日夜には、台北などの住民約700万人の携帯端末に警報のショートメッセージを一斉発信。乗客約2700人の全遊覧先51カ所を赤丸で示した地図をつけ、乗客と接触した台湾人に、14日間の自己観察を求めた。

 なお、陳時中・衛生福利相が毎日、出動服姿で記者会見を続けていることは、国民に安心感を与えている。台湾民意基金会が2月24日に発表した世論調査結果だと、蔡英文政権の感染対策を信頼する台湾人は85.6%に上っている。

台湾はイメージほどヤワな国家ではない

 また、台湾の強力な個人管理システムも、感染拡大防止に一役買っている。台湾は国民皆保険制度で、誰もがICチップ入りの保険証を持つ。個人の番号は、医療保険や身分証明書など公的書類に共通で、海外渡航や治療履歴がすぐに分かる。

 隔離を免れようとしても困難だ。湖北省などに滞在していた台湾人は、発熱などがあれば直ちに隔離される。密かに台湾に戻っても、当局が捕まえにくるそうだ。法務部調査局など台湾の情報機関が、スマートフォンを経由して個人の動向を詳しく把握しているとのうわさもある。末端行政機関で日本の町内会ぐらいの規模を管轄する「里」も、住民の動向に目を光らせている。国民管理は日本より厳しい。台湾はイメージほどヤワな国家ではない。

 このほか、今年1月の台湾総統選で蔡英文総統が圧勝し、中国当局が嫌がらせのため、中国人の台湾観光旅行を規制していたことも、かえって幸いだった。この見方は、反政権側の国民もしぶしぶ認めている。国民党の対立候補、韓国瑜氏は観光を含む中国との交流強化を訴えていた。ある市民は「韓氏が当選して、中国の観光客が押し寄せていたら、今ごろどうなっていたか」と話している。

 なおSARSは重症化すると肺に後遺症が残り、治癒後も激しい運動ができなくるという知識も、台湾人に共有されている。新型コロナウイルス肺炎も同じという。男性医師は「インフルエンザと同じと思うのは禁物」と話している。

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2020年2月28日 (金)

【新型肺炎】3月2日から<小中高・特支✍学校閉鎖>全国一斉実施へ

新型肺炎で「臨時休校」緊急措置に、現場困惑

神奈川新聞 2020年2月28日(金)5時00分配信

 新型コロナウイルスの感染拡大を受け、安倍晋三首相が27日に打ち出した全国の小中高校や特別支援学校の臨時休校。実施に踏み切る3月2日からわずか4日前の表明に、県内の教育現場や関係者に衝撃と動揺が広がった。「あまりに時間がない」「卒業式だけの影響ではなくなった」。子どもたちを守る緊急措置とはいえ、担当者は困惑を隠せずにいた。

 「えーっ」。首相発言のニュース速報が流れると、横浜市にある公立小の職員室では教員から驚きの声が上がった。男性教諭は「児童と歩んできた1年間がいきなり最終日を迎えることになるのだろうか。教育委員会の連絡を待ちたい」と話すのがやっとだった。

 同市教委や県教委は、感染拡大防止に向けた独自の取り組み方針を前日の26日に示したばかり。卒業式や入学式は保護者らの出席自粛を求めながらも、規模を縮小して実施する予定だった。しかし、政府方針はこれを覆すかもしれない踏み込んだ内容だ。

 市教委の担当者は「困惑している」と吐露。全市立学校500超の一斉休校による影響は計り知れないとし、「共働き家庭などでは子どもを日中どこに預けるのか、手配するにも時間がかかる」と懸念した。県教委でも職員が情報収集に追われ、担当者は「国からの通知はまだ来ていない。まずは情報を集め、それから対応を協議していく」と話した。

 一方、川崎市教委の担当者は「報道を見てびっくりした」。市は27日午前に市立学校の卒業式で保護者の出席も認める方針を示したばかり。担当者は「春休みまでの臨時休校で卒業式だけの話ではなくなった。学童保育なども関係してくるので、全庁的な協議が必要だ」と話した。学習指導要領に基づく教育課程(カリキュラム)が消化できない問題もあるとし、「今後、何らかの判断を国が示すだろうが、それを待つしかない。通知がいつになるのか、あまり時間がないのでじりじりした気持ちでいる」と困惑気味に語った。

 相模原市教委は新たな感染確認の会見の場で、小中学校の対応方針も発表する予定だったが、直前の首相表明で急きょ取りやめた。

「マスコミは騒ぎ過ぎだ…!」新型コロナ“対策慎重派の本音

現代ビジネス 2020年2月25日(火)7時01分配信/町田 徹(経済ジャーナリスト)

報じられることのない“異端”の声

 新型コロナウイルスの感染拡大が続き、世界がその対応に頭を悩ませている。

 世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長が、新型ウイルスの世界的な感染拡大の封じ込めに向けた「絶好の機会」が狭まっていると悲観的なメッセージを発したのは、先週末(2月21日)のことだ。

 国際通貨基金(IMF)が中国の2020年の国内総生産(GDP)の成長率予測を0.4ポイント低い5.6%に下方修正したことを受けて、サウジアラビアで開催されたG20(20ヵ国・地域)財務大臣・中央銀行総裁会議は23日の閉幕にあたって、世界的なリスクの監視を強化するとの共同声明を採択した。各国が財政出動など「すべての利用可能な政策手段」を実行し、景気を下支えすることで一致したというのである。

 確かに、国内でも感染の拡大確認はとどまるところを知らない。2月24日0時現在、直前の24時間に新たに14人の感染が確認され、これまでに国内で感染が確認された人は835人に達したという。内訳は、日本で感染した人や中国からの旅行者などが129人、クルーズ船の乗客・乗員が692人、チャーター便で帰国した人が14人となっている。都道府県別では、東京都が29人、北海道が26人、愛知県が17人、神奈川県が13人、和歌山県13人となっている。

 しかし、筆者が取材した専門家の中には、匿名を条件に「関係者やマスコミは騒ぎ過ぎだ」「数年経てば、過剰対応で経済まで駄目にしたと言われる顛末になりかねない」「隔離や感染防止を名目に社会がおかしくなりかねない」と本音を吐露する向きもいる。今の騒ぎを憂う“対策慎重派”も、少なからず存在するのだ。

 はっきり言って、マスメディアではこうした“異端”の声が取り上げられることがなかなかない。彼らは、いったい何が騒ぎ過ぎで、何を必要と考えているのだろうか。今週は、そうした専門家たちの声を紹介しておこう。

批判が相次いだ「クルーズ船隔離」

 まずは、海外の日本に対する見方である。

 台湾の衛生福利部の中央感染症指揮センターは22日、日本の感染症渡航情報のレベルを「2」(警戒)に引き上げた。その理由は、「(日本の感染者数の)多くで感染源が分かっていない」ことにある。

 すでに14日の段階で最も低い「1」(注意)に指定していたが、22日には感染者が急増した韓国とともに「2」に引き上げた。台湾の感染症渡航情報は3段階あり、渡航自粛を求める最高レベルの「3」(警告)には現在、香港やマカオを含む中国を指定しているという。日本への渡航を計画している人には、渡航自粛ではなく、現地での感染防止策の強化を求めると説明している。

 アメリカの国務省も同じ22日、米国人の日本と韓国への渡航警戒レベルを4段階のうち下から2番目の「警戒強化を」に引き上げた。これまでの最も低い「通常の注意を」から1段階アップしたのだ。

 引き上げ理由は、やはり「感染経路が不明なまま感染が広がっている」ことで、高齢者や持病のある人の場合、リスクが高まるとして、不要不急の日韓両国への渡航は延期の検討をすべきだと自国民に呼びかけた。

 こうした対応に少なからぬ影響を与えたとみられるのは、新型コロナウイルスの集団感染が起きたクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」の隔離について、外国メディアが2月17日以降相次いで報じた日本政府批判である。

 米経済紙ウォール・ストリート・ジャーナルが17日付で、船内で感染が拡大した点を問題視して「2週間も船内に大勢を押し込めた日本政府の方針に、日本国外の専門家からは疑問の声が上がっている」と酷評。それを皮切りに、米全国紙USAトゥデイは同日、アメリカ国立アレルギー・感染症研究所のアンソニー・ファウチ所長のコメントを引用する形で、「隔離は失敗した」「船の中でどんどん感染した。船内で隔離が甘かったからだ」と批判した。

日本政府の対応は間違いだったのか

 2月18日には、英大衆紙サンがダイヤモンド・プリンセスは「疫病船」という見出しを付けて「隔離計画にしくじって、中国本土以外で最大の感染拡大を引き起こした」と日本政府の責任を追及した。同日、英紙ガーディアンもダイヤモンド・プリンセスは「感染で煮え立っている鍋だ」と語る専門家の言葉を紹介した。

 さらに翌19日、米通信社ブルームバーグは、日本が「世界で最も危険な場所の一つになりつつある」と表現、中国と変わらない危機にあると報道した。

 客観的に見て、こうした外国メディアの批判は一面的なものに過ぎないだろう。実際、23日には、NHKの報道で、クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」への対応に関し、日本政府が当初、米国人乗客の早期帰国を提案したのに対し、米国政府が「乗客の移動は感染リスクが高まる」との理由から乗客を船内にとどめるよう要請した事実が明らかになっている。

 結果的に、船内感染が起き、隔離失敗が明らかになる中で、乗客の精神的、体力的消耗への配慮が働いた。帰国を希望した米国人乗客330人は17日、2週間の観察期間の終了を前にチャーター便2機に分乗して日本をあとにした。 

 筆者は、換気のダクトなどが入り組み、隔離をしにくい大型客船の中で隔離を試みたことが賢明だったとは思わない。が、これといった国際ルールがない中で、受け入れを拒否するのはあまりにも非人道的だ。

 とはいえ、乗客・乗員3700名を収容・隔離できる陸上施設やスタッフの確保も容易ではない。加えて、早期に上陸・帰国させるにも、当の乗客の母国の体制が整っていなかったのだから、他に選択肢はなかったというのが現実なのだろう。

 日本への乗客・乗員の船内留め置き要請という米政府の意思決定に関わったとされる米疾病対策センター(CDC)は、多少はそうした事情を説明したかったのだろう。18日の声明で、日本の隔離について「船内の人々の間で感染を防ぐには不十分だったかもしれない」と指摘しつつも、「隔離のための日本政府の途方もない努力を称賛する」と強調した。

ビジネスの現場にも広がる不安

 とはいえ、23日も、「ダイヤモンド・プリンセス」の乗客・乗員で新たに感染が確認された人が57人おり、通算は691人に達した。この数字は中国本土、韓国に次ぐ水準だけに、日本国民が不安心理を掻き立てられるのも無理はない。

 沖縄県で先月20日にコールセンターが開設された時や、厚生労働省が検査対象の拡大を打ち出した2月4日、あるいは国内初の新型コロナウイルス感染者の死亡が確認された日の翌日にあたる2月14日など、各地の保健所に設けられた相談センターや医療機関には、朝から問い合わせの電話や外来患者が殺到する傾向があるという。

 「心配なので検査を受けたい」「マスクが手に入らない」といった漠然とした不安も多く、対応にあたるスタッフの繁忙さに拍車をかける原因の一つになっているというのだ。

 一方、ビジネスの現場で多いのが、それなりの人数が集まるセミナーや会議、行事の中止と延期だ。政府は公式に中止や延期を求めていないが、忖度する民間企業は多い。

 中でも、ある大手の代理店が20人以上が参加するセミナーやイベントは自社の主催だけではなく、他社主催のものも参加・出席を禁じている情報が流れたことから、多くの大手企業が追随しているという。中国、韓国といった東アジア諸国だけでなく、インドや中東、東南アジアも含めてアジア地区への社員の海外出張をほぼ一律禁じた企業が少なくない。

 中国人観光客で賑わっていた東京・銀座や大阪ミナミは以前の賑わいはないし、東京・大手町や丸の内のビジネス街のランチ時も、テレワークや時差出勤の影響かどこのレストランも閑散としているという。

 内閣府が17日に発表した2019年10~12月期のGDP(国内総生産)の速報値は、物価変動の影響を除いた季節調整済みの前期比で6.3%減(年率換算)に落ち込んだ。マイナス成長に沈んだのは、5四半期ぶりの異常事態とあって大きく報じられた。

“対策慎重派”の主張とは何か

 この実質で年率6.3%というマイナス幅は、民間エコノミストの事前予測の中心値である年率3.9%マイナスを大きく上回ったばかりか、深刻な冷え込みと言われた、前回の消費税率引き上げ直後にあたる2014年4~6月期の7.4%減少に迫るものだけに大きく報じられたのは当たり前だろう。

 去年10月の消費増税や大型台風の影響が出て、内需の柱である個人消費が縮小したほか、世界経済の減速で自動車や機械などの輸出低迷も続いており、経済の足が引っ張られた格好だった。

 問題は先行きだ。新型コロナウイルスの感染問題を巡る今のような状況が続けば、2020年1~3月期はもちろん、2020年4~6月期もマイナス成長が続きかねない。そうなれば、今年後半に期待されていた景気の回復が大きく遅れるのは確実だ。

 こうした中で耳を傾けたいのが、いたずらに新型コロナウイルスの脅威を煽る向きとはひと味違う“対策慎重派”の声だ。

 まず、共通するのは、新型コロナウイルスの感染が拡大し易い状況は、中国人観光客が多く、人込みを闊歩したり、大勢で公共交通機関や観光地に繰り出していた昨年暮れまでと比べて圧倒的に低下、改善したという見解だ。

 また、新型コロナウイルスは決して毒性が高くなく、現状でも感染によって肺炎などの重篤な症状に陥る人は全体のせいぜい2割程度、死亡率は2%程度とされており、これらは他のインフルエンザと比べても脅威として決して大きくはないという。

 さらに、連日、10人前後の感染者が国内で確認されて、マスメディアが大きく報じているが、この数字には意味がないとの指摘もある。

 というのは、この数字は、遺伝子の特徴的な部分を増幅するPCRという検査による判定を必要とするもので、手間がかかるうえ、現状では検査できる機関が国立感染症研究所と地方衛生研究所に限定されており、処理できる数が圧倒的に少ないからだ。しかも、一般に考えられるよりもはるかに誤差が大きいという。

「本当のこと」を叫んでも利益にならない

 実際のところは、「すでに国内に数十万人の感染者がいても不思議はないが、そのほとんどが重症化せず、出ても軽い風邪程度の症状で治癒していると考えられる」ということである。それゆえ、騒ぎ過ぎだというわけだ。

 もちろん、咳が出る人がマスクをするとか、帰宅後は丁寧な手洗いやうがいをするといったことは、寒くて乾燥している「風邪の季節」の対応として当たり前にやるべきことだが、横行するセミナーや会議、イベントなどの中止はほとんどの人にとって便益よりも弊害の方が大きい可能性があると強調している。自粛などして注意すべきは、高齢者や基礎疾患のある人などごく一部だけだというのである。

 厚生労働省が医療機関などへの相談の目安として、かぜの症状や37度5分以上の発熱が4日以上続いていることなどをあげ、さもないと検査などを受け付けないことがあるのを不満に感じている人は多いが、それらは本当に医療サービスを必要としている人を受け入れる余地を確保するためのやむにやまれぬ措置と言わざるを得ない。

 専門家と言われる人たちはもちろん、政治家やマスコミも本当のことを言ったり報じたりして批判されるよりは、リスクを強調して対策に熱心なふりをする方が得策と判断して口をつぐむことが多い現実にも、“対策慎重派”は多くの人の個人の利益にも公共の利益にもならないと考えている。

 ただ、彼らでさえ多くが世論の反発を恐れ、こうしたことを自ら公言するのは時期尚早と話している。早ければ3月下旬から4月にかけて気温が上がり始めて感染拡大の勢いが弱まればとか、7、8月とみられるWHOの終息宣言が出れば、とタイミングを見て発言するのが賢明というのである。

 もう一つ、感染症を巡る政府の対応で批判されるべきは、今回の新型コロナウイルスの感染拡大が中国で確認された後の対応ではなく、日頃の感染症対策、予防接種の問題だという指摘も見逃せない。

「ワクチン後進国」と呼ばれないために

 クルーズ船問題を別にすれば、感染拡大確認後の対応については、早期にチャーター機を5機送って中国から法人を帰国させた措置や、彼らを隔離した措置、水際対策から感染拡大(感染経路特定)に対策の重点を切り替えた措置など、どれもそれなりに機動的であり、強く批判されるような落ち度はなかったのではないだろうか。

 その反面で、「喉元を過ぎれば熱さを忘れる」というパターンを繰り返してきた日頃の感染症対策は落第だ。特にひどいのが、副作用を巡る訴訟リスクを嫌い、国際的には「ワクチン後進国」と呼ばれながら、予防接種の普及拡大を怠ってきた問題がある。

 2018年に、台湾からの旅行客をきっかけに麻疹(はしか)が大流行した “事件”も若い世代を中心に予防接種が不十分だった時代があるからだし、1970年代以降、いくつかのワクチンの予防接種後の副作用を巡る集団訴訟などを機に、国が予防接種に消極的になり、ワクチン政策が長期にわたって停滞しているのは放置できない問題だ。唯一予防できる癌とされる子宮頸がんの予防接種の普及でも国は消極姿勢に転換した。

 このままでは近い将来、今回の新型コロナウイルスのワクチンが開発されても、政府が積極的に推奨する予防接種のメニューに加えることはないだろう。だが、「100万人とか500万人に1人」と言われる重篤な副作用に見舞われた人の補償のための積立制度を整備したうえで予防接種を普及させるのは、いわば、世界の常識と聞く。

 予防接種が普及すれば、感染症に苦しむ人が激減するばかりか、本人や家族、社会が巨額の治療費を節約できるメリットもある。それゆえ、日頃から、ワクチン後進国と言う汚名の返上に努めることこそ、日本の最大の課題だろう。

 今、我々に求められているのは、揚げ足取りや無い物ねだりではなく、一人ひとりがアンテナを高く張り、冷静かつクレバーにできることを見つけて、感染と被害を最小限に抑えることのはずである。そう言った意味で、新型コロナウイルスの感染予防で個人個人が自身に必要な予防策を問い直してみることは、大きな意味があるはずである。

〔米株式〕NYダウ大暴落=新型肺炎懸念過去最大1190ドル

時事通信 2020年2月28日(金)7時00分配信

 27日のニューヨーク株式相場は、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大への懸念が強まり、急落した。優良株で構成するダウ工業株30種平均は前日終値比1190.95ドル安の2万5766.64ドルと、昨年8月中旬以来約6カ月ぶりの安値で終了した。下げ幅は2018年2月(1175ドル)を上回り過去最大。ハイテク株中心のナスダック総合指数は414.29ポイント安の8566.48で終わった。

 今週に入り、ダウ平均の下げ幅が1000ドルを超えたのは2日目。今週だけで3000ドル超下落した。ニューヨーク証券取引所の出来高は前日比4億7383万株増の19億0409万株。

 中国で発生した新型コロナウイルスによる肺炎は世界各地に拡大。米ジョンズ・ホプキンス大学システム科学工学センター(CSSE)の集計では50カ国・地域に広がり、死者は2800人以上に上る。米国内でもカリフォルニア州を中心に感染拡大の懸念が広がっている。27日は取引開始後にダウ平均が急落。その後、値ごろ感の出た銘柄に押し目買いの動きもみられ、下げ幅を縮小する場面もあったが限定的だった。

 米金融大手ゴールドマン・サックスは27日、顧客向けに新型肺炎が拡大すれば、2020年の米主要企業の利益の伸び率が横ばいになるとの見通しを提示。米マイクロソフトが1~3月期のパソコン関連部門の売上高が会社予想を下回ると発表するなど、新型肺炎の影響が企業業績を下押しする可能性が高まり、投資家はリスク回避の姿勢を強めた。

 金利低下から利ざや縮小による収益悪化が懸念された金融株が売られた。アップルやグーグルの持ち株会社アルファベット、アマゾン・ドット・コムなどのハイテク株も値を下げた。

 個別銘柄では、フォード・モーターが3.3%安、インテルが6.4%安、ゼネラル・エレクトリック(GE)が5.1%安、マイクロソフトが7.1%安、アップルが6.5%安、ウーバー・テクノロジーズが5.8%安、AT&Tが3.8%安、エクソンモービルが6.0%安、アメリカン航空グループが7.7%安、テスラが12.8%安、メーシーズが5.1%安だった。一方、スリーエム(3M)は0.8%高だった。

 

2020年2月27日 (木)

【新型肺炎】政府<確定申告『4月16日まで』>延長示唆!?

新型コロナ対策で確定申告4月16日まで延長か 国税庁ノーコメント

ねとらば 2020年2月27日(木)12時23分配信

 政府は2月27日、新型コロナウイルスの影響を受け、当初2020年3月16日までとしていた確定申告の期限を、4月16日まで伸ばす方針を決定したと、一部メディアが報じています。

 報道では、所得税の3月16日と、消費税の3月31日の期限を、共に1カ月後の4月16日まで延長する予定とのこと。

 これについて、編集部で国税庁に問い合わせたところ「一部報道は出ているが、事実かどうかを含めてコメントする立場にない」との回答でした。

 期限延長は、申告会場などに多数の人が集まることを避ける目的と見られます。前日の2月26日には、国内での感染拡大を抑えるため、コンサートなどの大規模イベントについて今後2週間自粛し、中止や延期、規模縮小などを求める要請が政府から出されていました。

 国税庁は公式サイトで、感染症の感染拡大防止について、「確定申告相談会場は、多数の方が来場されます。国税庁では、確定申告会場に出向くことなく、ご自宅等からスマホやパソコンなどでインターネットにより申告(e-Tax)」することを勧めています。

日本発「世界を救う薬」日中韓で採用される新型コロナ治療薬の実力

現代ビジネス 2020年2月27日(木)6時01分配信

急がれる治療薬開発

 政府は、新型コロナウイルス感染症対策として、時差出勤、テレワーク、休校、イベントの縮小や延期など、「やれることはなんでもやる」という方針を固めた。

 「今後の患者増加のイメージ図」を示され、対策を取らなかった場合の急激な山の高さを見せられた国民は、素直に納得、電通、資生堂は在宅勤務を決め、Jリーグは公式戦を延期、巨人オープン戦は無観客となった。

 放置すれば数万人は確実というだけに、こうした対策は当然だが、急がれているのが治療薬である。予防薬としてのワクチンが1年8ヵ月後だとしても、症状を抑制する薬が欲しい。

 その治療薬として、今、期待されているのが富士フイルム富山化学の抗インフルエンザウイルス薬「アビガン」(一般名はファビピラビル)である。

 政府は、21日、感染者を対象にアビガンの投与を推奨する方針を固めたことを加藤勝信厚生労働相が明らかにした。同日、神奈川県の黒岩祐治知事は、アビガンの投与を認めるよう政府に要望書を提出した。

ようやく出番を迎えたアビガン

 知る人ぞ知る抗インフルエンザ治療薬だった。

 ただ、動物実験の段階で胎児に奇形が生じる催奇形性の可能性が認められ、「新型または再興型インフルエンザ感染症」で、「他の抗インフルエンザウイルス薬が効果不十分な場合」という条件が付けられた。

 それでもタミフル、リレンザなどの治療薬が、増殖するウイルスを細胞内に閉じ込めるのに対し、アビガンはウイルスの複製そのものを阻害して増殖を、直接、押えられる。つまりメカニズムが違うわけで、それが「条件付き承認」の理由だった。

 市販されないのだから現実的な用途は、「イザ」という時の政府備蓄用のみ。17年3月、200万人分の備蓄が決まった。アビガンはようやく出番を迎えたことになる。

 もっとも、先行したのは中国である。中国は、新型コロナウイルスの感染者に対し、各種治療薬の臨床試験を行いつつある。

 その結果、ファビピラビル、リン酸クロロキン、レムデシビルに治療効果があるとされ、高い治療効果と副作用の少なさで、ファビピラビルが中国で抗インフルエンザ薬として販売許可を得た。

 コロナウイルス患者への有効性は、引き続き他の薬剤を交えて臨床試験で検証するが、まず使えるようにした。製造するのは浙江省の浙江海正薬業で、16日から本格的に生産を開始した。製品名は法維拉韋である。

 日本の製薬技術と医薬品が、「感染拡大は建国以来、最も押さえ込むのが難しい重大な公衆衛生事件」(習近平国家主席)という中国の危機に役立っている。

世界を救う薬が開発されるまで

 アビガンが注目されたのは、今回だけではない。

 14年夏頃から西アフリカを中心に、爆発的に流行したエボラ出血熱に対する治療薬として期待され、同年8月、米ペンタゴンがアビガンを「エボラに効く可能性のある治療薬」の候補として発表。緊急措置としてスペインで2次感染した女性看護師に投与され、完治した。

 他の国でも治療薬としての薬効が確認され、致死率が50%と高いエボラ出血熱だけに、期待が高まり、ギニアでは数百人のエボラ患者に投与する臨床試験が実施された。

 『週刊現代』では、「富士フイルム『エボラから世界を救う薬』を開発するまでの苦闘16年」(14年11月29日号)と題して特集を組み、本サイトでも掲載している。

 98年頃から抗ウイルス薬の開発に取り組んだ冨山化学は、2万回以上の失敗を重ねた末、現在のアビガンにつながる「T-705」を発見した。

 そこからマウスでの有効性が確認され、学会で発表したものの、既にタミフルやリレンザの発売もあって医薬界の反応は薄く、富山医科薬科大学医学部の白木公康教授(ウイルス学)も加わって、各種ウイルスへの効き目を実験で調べてきた。

 05年、鳥インフルエンザでスポットライトを浴びて、臨床試験を開始するも、今度は経営危機に陥って08年2月、富士フイルムの傘下に入り、さらに臨床試験を重ね、14年3月、「条件付き承認」を得た。

 そこに至るまでのエピソードは、治療薬が開発され承認されるのが、いかにたいへんかを伝える。

有効であるという確実なデータはないが…

 だが、前述のようにアビガンは承認されても「条件付き」で売り先は政府の備蓄用のみ。

 商業的にはうまくいかなかったが、新型コロナウイルス発祥の地である中国では、ジェネリックの法維拉韋が急場をしのぐ薬となり、感染者が急増している韓国でも、李儀卿・食品医薬品安全処長が、25日の記者会見で、「アビガンの日本からの輸入を検討している」と、明らかにした。

 日本では政府の推奨により、今後、臨床研究による投与が本格化。加藤厚労相は冨山化学にアビガンの増産を求める方針だ。

 「現段階で、アビガンがコロナウイルスに有効であるという確実なデータはなく、政府による推奨を当社からコメントする立場にはありません」と、同社広報担当者は慎重な姿勢を崩さない。

 だが、最悪シナリオで数万人の感染者も予測されるなか、アビガンの存在は、「治療薬がある」という安心感につながり、その効能効果によっては、日中韓だけでなく、世界に広がる可能性を秘めている。

新型コロナ、急拡大の背景に排泄物を介した「糞口感染」の可能性

Newsweek日本版 2020年2月21日(金)15時06分配信

<中国の研究チームが感染者の便からウイルスを検出したと報告、「糞口ルート」の感染可能性を指摘>

世界で2000人を超える死者を出している新型コロナウイルス感染症(COVID-19)について、科学者たちは、排泄物を介して感染が広がる可能性があると考えている。

中国の保健当局が新型コロナウイルスの存在に気づいたのは2019年12月上旬。湖北省・武漢市の市場で働いていた複数の人が原因不明の肺炎を発症したことがきっかけだった。WHO(世界保健機関)が報告を受けたのは12月末で、その後、専門家たちが研究を行っているものの、いまだ感染経路は完全には解明されていない。

同ウイルスに感染すると熱や乾いた咳、息切れなどの症状を発症し、重症化すると死に至る場合もある。これまでに7万5000人を超える感染が確認されており、その大部分が中国本土に集中しているが、ほかにもアメリカをはじめ25を超える国や地域に感染が拡大している。WHOはこの新型コロナウイルスについて、SARS(重症急性呼吸器症候群)やMERS(中東呼吸器症候群)といったその他のコロナウイルス同様に、咳やくしゃみの飛沫や、感染者およびウイルスが付着した表面との濃厚接触を介して広まるものと考えている。

だが一部の専門家は、これらに加えて感染者の排泄物を介してウイルスが広まる可能性もあると考えている。

<感染者の便からウイルスを検出>

中国疾病対策予防センターは2月15日に報告書を発表。この中で、黒竜江省北東部の19人の感染者の便から新型コロナウイルスが検出されたと明らかにした。報告書を執筆した研究者たちはこれを受けて、同ウイルスが「経口感染(糞口感染)する潜在的可能性がある」と考えている。経口感染とは、ウイルスが汚染された手指、食べ物や水を介して鼻や口、目から体内に入る感染ルートで、特にウイルスを含む糞便が手指を介して口に入る経路を糞口感染という。

研究者たちは、最も多いのは飛沫や濃厚接触を介した感染だが、それでは全ての感染例や「急速な感染拡大」の説明がつかないと主張。「このウイルスには数多くの感染経路があり、それが感染力の強さや急速な感染拡大の一因だと考えることができる」と指摘した。

17日には別の研究者たちが、論文審査のある学術誌「Emerging Microbes & Infections」に論文を発表。これも同様に、同ウイルスを含む糞便が口から体内に入ることで感染する可能性があることを示唆する内容だった。研究チームが同ウイルスの発生源とされる武漢市の病院で感染者178人の肛門から検体を採取したところ、ウイルスが検出されたという。

集合住宅の配管経由で感染か>

「口腔と肛門から採取した検体、および血液サンプルから、ウイルスが検出された。つまり新型コロナウイルスは、呼吸や糞便、体液を介して感染する可能性があるということだ」と研究者たちは書いている。

さらに19日には、ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル(BMJ)に掲載された論説の中で、「糞便を介した感染の可能性を提起した」1月下旬の研究報告が紹介された。

この研究報告は、論文審査を受けていない原稿の段階で論文サイトbioRxivが発表した。新型コロナウイルスの感染が急速に拡大するなか、専門家たちがいちはやく論文原稿を読んで新たな所見について議論できるようにするためだ。

研究チームは、感染者の体の複数カ所から検体を採取して、ウイルスが細胞に入り込むのを手助けする酵素が活発かどうかを分析した。その結果、この酵素が肺だけでなく消化器官にもあることが分かった。このことは、COVID-19が消化器官に潜んでいる可能性もあることを示していると彼らは指摘した。

COVID-19が排泄物を介して広まる可能性について懸念が高まったきっかけは、香港で同じマンションの別々の階に住む2人(2人の部屋は10階も離れている)の感染が確認されたことだった。2003年のSARS流行時にも同じようなことがあり、この時は香港にある集合住宅の入居者329人が劣悪な配管を通じて感染し、42人が死亡した。香港当局は、建物の条件やウイルスの性質が異なるためSARSの時と今回のケースを比べることはできないと指摘。その後、ほかの住民101人から採取したサンプルの検査を行ったところ、いずれも陰性だったと声明を出した。

中国 退院した人の再検査で、14%から陽性反応

FNN PRIMEonline 2020年2月27日(木)17時05分配信

 中国・広東省の衛生当局は、新型コロナウイルスの治療を受けて退院した人の再検査で、14%から陽性反応が出たと発表した。

「若者の場合は2週間以内に抗体ができるため、陽性反応が出ても感染を広げるリスクは非常に低い」とする一方で、「高齢者の一部は抗体を作るのに時間がかかるため、ウイルスを排出し続け、感染源になり得る」としている。

27日朝-NY外為〕ドル円=109円台後半

時事通信 2020年2月27日(木)23時30分配信

 27日午前のニューヨーク外国為替市場では、新型コロナウイルスの感染拡大懸念を背景とした円買い・ドル売りの流れが継続し、円相場は1ドル=109円台後半に上昇している。午前8時50分現在は109円80~90銭と、前日午後5時(110円37~47銭)比57銭の円高・ドル安。

 感染が世界的に拡大する中、投資家のリスク回避姿勢が継続し、安全資産とされる円が引き続き買われている。さらにトランプ米大統領が26日、感染拡大に伴う経済の混乱が「米国の国内総生産(GDP)に影響する」として連邦準備制度理事会(FRB)に利下げを促したことから、追加利下げ観測が台頭。円買い・ドル売りの流れが強まった。米長期金利が低下を続けていることも円の押し上げ要因。

 米商務省が発表した2019年10~12月期の実質GDP(国内総生産)改定値は、年率換算で前期比2.1%増と、速報値から横ばいとなったが、相場の反応は今のところ限定的。

 ユーロは同時刻現在、対ドルで1ユーロ=1.0970~0980ドル(前日午後5時は1.0875~0885ドル)、対円では同120円50~60銭(同120円09~19銭)。

 

2020年2月26日 (水)

【日経平均】3日続落<NY株✍4日続落>世界株安の連鎖止まらず

米国株続落、CDC(米疾病対策センター)が米国への感染拡大を警告

ロイター 2020年2月26日(水)9時09分配信

 米疾病対策センター(CDC)は25日、新型コロナウイルスの感染が米国に広がるのは避けられない状況であり、米国民は日常生活に影響が出る可能性に備えるべきだと警告した。この発表を受けて25日、米国株式市場は4日続落した。

 米保健当局は25日、新型コロナウイルスの感染が世界に拡大して以降、最も深刻な警告を国民に発した。CDCは、米国に感染が広がるのは避けられない状況であり、米国民は日常生活に影響が出る可能性に備えるべきだと警告した。

 この発表を受けて25日、米国株式市場は4日続落した。投資家の資金は比較的安全とされる米国債に流れた。指標となる米10年債利回りは過去最低水準を更新した。

 トランプ米大統領は訪問先のインドで、封じ込めに向けて各国政府と協力するとともに、いかなる事態にも備えていることを強調した。

 だが仮に米国内でウイルスの拡散を抑制することに成功しても、世界での感染拡大にウォール街は懸念を強めている。世界経済への影響は避けられず、長期化する可能性すらある。

 ダウ平均株価は24日に2年ぶりの大幅下落を記録したのに続き、25日午後の取引でさらに約3%下落した。

ついに株式市場けの」ががれめた

東洋経済オンライン 2020年2月26日(水)5時25分配信/小幡 績(大学准教授)

 2月24日、日本は3連休で株式市場は閉まっていたが、世界的な株式の急落が始まった。アメリカのNYダウ平均株価は史上3番目の1031ドルという大幅な下落(下落率は約3.6%)となり、ナスダックはさらに大きく下げ、約3.7%の急落となった。欧州の主要指数も軒並み下落し、新型肺炎の感染者が拡大したイタリアは5%以上、ドイツも4%を超える大幅な下落となった。

今まで下落しなかった方がおかしかった

 当然だ。これまで暴落していなかったのがおかしいのだ。新型肺炎の医学的な脅威はどこまでなのかはまだわからないが、経済的ダメージは明白だ。株式投資家は新型肺炎に「過小反応」だったが、一般の人々は異常なほどの過剰反応を見せている。
 もはや、中国経済は機能停止していると言っても過言ではない。学校の授業などはほとんどすべてがオンラインで行われているように、多くの人々は家から出ない、出られない。工場にも出勤してこない人も多い。これでは消費ももちろんだが、世界の生産機能の大半がストップしてしまう。

 こうした話を毎日ニュースで聞かされているのだから、生産活動や消費動向の指標を見なくたって、企業収益は短期的には落ち込むに決まっているし、株価はリスクシナリオでとりあえず、いったん大きく調整するに決まっている。

 それなのに、なぜ株価はこれまで下がらなかったのか。これまでは「押し目買いのチャンス」、「一時的な不安だからファクトを見れば買いだ」、という「嘘の情報」が流れたのだろうか。

 それは、株式を持ってしまっている投資家の都合である。

 今、売られてしまっては、含み損が出てしまって困る。あるいは自分が売り逃げることができなくなる。だから、売り場を作るために、相場を短期的に持続させ、あるいは持続するような情報を流し、あるいは、意識的にまたは無意識的に、悪い情報を軽視し、良い情報だけを受け入れ、投げ売りをせずに来たのである。まさに、期待の自己実現を図ったのであり、超短期的には成功したのである。

 その化けの皮がはがれただけである。このような「インチキ」ともいえる化けの皮のことを、普通はポジショントークというが、これを見抜く方法は簡単である。

 それは、株式市場を信じないことであり、為替、金利市場を信じることであり、原油市場を注視することである。

 なぜか。

 まず、債券市場は、株式市場が理屈抜きのギャンブラー、狩人が多いのに対して、債券市場は合理的で理屈っぽい分析的な投資家が多いからである。これは、前者がキャピタルゲイン狙いで、後者がインカムゲイン狙いであることが大きく関係している。
 前者はリスクをとって何ぼ、後者はリスクコントロールを最優先にする投資手法であるからである。インカムゲイン(保有資産に応じてもらえる利益)狙いなので、大きく元本が下落してしまっては元も子もないから、「下方リスクシナリオ」に対しては、正確に、時には過敏に反応するのである。

株式市場を信用せず、為替や金利市場を信じよ

 しかし、より重要で、本質的、直接的な理由は、原油、為替はほとんどが先物市場であり、株式(部分的に債券も)は現物市場が少なくとも半分を占めるからである。

 つまり、長期保有の投資ではなく、ポジションを取ることによって将来を予想するトレーダーであるからである。現物でないからポジションの整理、転換は簡単である。だから、危機が来れば直ちに危機に合わせてポジションをチェンジすることができる。損失が出ることよりも、すぐに次のポジションで利益を出すことが優先される。これにより、先物トレーダーが支配する市場では、情報は直ちに正確に、厳密に言えば、投資家、トレーダーたちのこれまでのポジションとは独立に投資行動が取られる割合が高い、ということだ。

 サンクコスト(=回収できない費用)に縛られる、買った値段に縛られて塩漬けにしてしまう、という行動ファイナンスにおける個人投資家のノイズ的な行動と同じであるが、ここでのプロ(機関投資家など)の株式投資家としては、そのバイアスが間違っていると分かっていても、すぐには現物のポジションを落とせない(売り切れない)ために、ダメージを少なくするために、情報を短期にはあえて反映させないように、あるいは反省しないように願うのだ。

 今後しばらくは、株式市場は信じず、為替市場や金利市場や、原油市場を注視する。もし、金利と株式が理論とは逆に動いた場合には、金利、債券市場を信じるのが正しい戦略だ。

新型コロナ感染者なぜ急増?「町ごと封鎖したイタリアの徹底ぶり

MONEY PLUS 2020年2月26日(水)18時03分配信

イタリアで、新型コロナウイルスの感染者が急増しています。これまで、ヨーロッパの国々における感染者数は多くても十数人程度だっただけに、今回の感染拡大でイタリア国内に大きな動揺が広がっています。

イタリアの感染者はなぜ急増したのでしょうか。また勢いを増すコロナウイルスに対して、現在はどのような対策が取られているのでしょうか。現地からのレポートをお届けします。(本記事は原稿執筆時である2月25日23:00時点の情報をもとにしています。)

スーパーへ食料品の買いだめに殺到

2月25日23:00現在、イタリアの新型コロナウイルス感染者数は322人と発表されています。ミラノを州都とするロンバルディア州を中心に、ヴェネト州、ピエモンテ州、エミリア=ロマーナ州など、感染者は複数の州にまたがって増えています。

また、中部のトスカーナ州や南部のシチリア州でも感染者が確認されており、イタリア全土に広がるのは避けられない事態となってきました。

イタリア国内の感染者数は、2月20日までわずか3人でした。つまりたった5日間のうちに107倍にも膨れ上がったことになり、国内はちょっとしたパニックになっています。ミラノでは街中の様子こそ普段と変わらないものの、スーパーには市民が食料品の買いだめに殺到したり、学校や美術館、映画館などが閉鎖される事態になっています。

イタリアの感染者急増はなぜ起きた?

短期間のうちに非常に多くの感染者が発見されたイタリア。こうした事態はなぜ引き起こされたのでしょうか。その理由について、国家市民保護局のアンジェロ・ボレッリ局長は「医師の知識不足により、どのような症状を疑うべきかが認知されていなかった」と発言しています。

イタリアにはもともと新型コロナウイルスの二次感染症例がなく(それまでに確認されていた感染者は、いずれも中国人旅行者など国外での感染が疑われる人々)、重症ではない人に対して検査は行われていませんでした。そのため、最初に確認された患者が入院したコドーニョの病院では、少なくとも5人の医師や看護師が感染したままだったことが分かっています。

「医師が感染するということは、ウイルスの拡大だけでなく、適切な対応が行われていないことを意味する」というボレッリ氏の言葉通り、病院が感染の苗床になっていた可能性も否定できません。これは、ちょうど1ヵ月前の中国の状況と非常に似ていると指摘されています。

イタリアが中国と異なったのは「中国は新しいウイルスを公開することを躊躇したが、イタリアでは即座にすべてのデータを公開した」ことであると、ミラノ大学のウイルス学研究者のファブリツィオ・プレリアスコ氏は指摘しています。

また、イタリアのその後の対応について、保健省副大臣のピエルパオロ・シエリ氏は「徹底的なスクリーニング検査を行った。短期間で3000件以上の検査を行ったため感染者が急増しているように見えるが、この数字は広範囲に徹底した検査が可能であることの裏返しでもある」とFacebookのタイムラインに投稿しています。

つまり、イタリアの感染者が急増した背景には、感染の疑いがある人に対して徹底した検査が行われたことがあげられるでしょう。実際、こうしたスクリーニング検査の中には、走行中の電車を停めて接触者を探し出し、その場で医師が診断をしたケースもあったといいます。

コロナウイルス封じ込めの取り組み

シエリ氏の言葉の通り、イタリアでは最初の感染者が確認された翌日には、直接接触のあった人物を割り出し、150人に対してウイルス検査を行っています。また同時に、感染者が住んでいた町をまるごと隔離し、公共施設やレストラン、バールなど人の集まる場所を閉鎖。住民には不要不急の外出をしないよう呼びかけました。

少し厳しすぎると感じる点もありますが、ウイルスを封じ込めるという意味では、そのスピード感や決断は見事と言えるでしょう。

現在、この自治体では住民の出入り禁止のほか、以下のような措置が行われており、違反者には罰則が設けられています。

・あらゆるイベントの開催を禁止
・全ての経済活動の中断(公益事業や生活に不可欠なサービスを除く)
・リモートワークができる場合を除き、全ての労働活動を中断
・オンラインを除き、教育サービスの中断
・電車、バスなどすべての公共交通機関を一時休止

つまり、薬局や食料品店以外の店は閉鎖し、学校や仕事もすべて休業。電車やバスもすべてストップしているという状況です。

これらの取り組みに関しては、少しやりすぎの感もあり、パニックを引き起こしているという意見もあります。ただその一方で、ここまでやることで一定の安心感があるのも確かです。この対応が正解かどうか、その答えが出るのは数ヵ月後のことになるでしょう。その頃には、世界的な感染拡大が少しでも落ち着いていることを願うばかりです。

日米中が同時に「韓国人封じ込め」…26日現在28か国が入国制限

中央日報 2020年2月26日(水)19時13分配信

米国、中国、日本、ロシアが新型コロナウイルスによる肺炎の感染拡大が続く韓国に対する統制を同時に強化している。

米疾病予防管理センター(CDC)は22日に韓国に対する旅行警報を第1段階から第2段階に上げてから2日ぶりに最高等級である第3段階の「警告」に引き上げた。中国では地方政府が韓国発の航空機の搭乗客を事前予告なく隔離措置する事例が報告されている。日本は26日に新型肺炎感染者が急増した大邱(テグ)と慶尚北道(キョンサンブクド)を入国拒否対象地域に公式指定した。

ロシアの保健衛生検疫当局である消費者権利保護・福祉監督庁も26日にホームページの公示を通じ、自国民に対し韓国、イラン、イタリアへの旅行自制を注文した。この旅行自制勧告が出ると該当国への観光商品を購入した旅行客は手数料なく予約をキャンセルできる。韓国と密接な関係を結んでいる米中日露4大国が韓国との交流を制限する動きを見せているのだ。

注目すべきは米国の動きだ。米国は中国や日本と違い、まだ韓国訪問者に対する入国制限措置は取っていない。米国は2日から、過去2週間に中国訪問歴のある外国国籍者の入国を禁止している。

米CDCは25日、新型肺炎がパンデミック(世界的流行)に発展する恐れがあるとの見通しを出すなど状況が急変しかねないという立場を明らかにした。CDCは、米国内の感染者は57人だが地域社会感染が予想されるとし、新型肺炎の急速な拡散に備えるべきと注文した。

トランプ米大統領は25日にツイッターへの投稿で、拡散初期段階で中国に対する入国禁止措置を下したことに言及し、「民主党は『とても早い』として反対したが正しい決定だったことがわかった」との考えを示した。

もし米国が韓国に対する入国制限措置に出る場合、堰を切るように他の国が一斉に加勢するのは時間の問題という見通しも出ている。外交部当局者はこれと関連し、「韓国人の入国禁止または制限などに対する可能性を現在では予断できない」と話した。

中国の場合、地方政府を中心に韓国訪問者に対する隔離措置事例が繰り返され公式な方針にならないかとの懸念が出ている。特に韓国と近く交流が頻繁な吉林省延辺や山東省威海、遼寧省瀋陽などで韓国から入国した旅行客を隔離し感染の有無を検査する事例が発生している。

外交部は26日、事前協議なく韓国人入国者が隔離される事例が相次いでいることから、これに抗議する次元でケイ海明駐韓中国大使を呼んだりもした。外交部はまだ中国中央政府次元の入国制限措置は検討されていないと説明している。

日本はこの日安倍晋三首相が主宰した新型コロナウイルス感染症対策本部会議で過去14日以内に大邱と清道(チョンド)を訪れた履歴のある外国人の入国を拒否することに決めた。日本が中国湖北省と浙江省など中国以外の地域を入国制限したのは今回が初めて。外交部の趙世暎(チョ・セヨン)第1次官もこの日午後に富田浩司駐韓日本大使を呼び、日本の入国制限措置に対し議論した。

外交部によると、26日午前10時30分基準で韓国訪問者に対し入国を禁止する国は17カ国だ。前日と比べ日本、ベトナム、シンガポール、イラクの4カ国が増えた。

ベトナムとシンガポールも日本のように大邱や清道を訪問した人の入国を禁止した。イラクは韓国、日本、イタリアなどから出発したすべての外国人の入国を禁止した。入国手続きが強化された国は11カ国で、中央アジアのタジキスタンが追加された。

外交部が集計した28カ国に中国は含まれていない。外交部は「政府次元」で公式発表した国だけ集計しているという立場だ。

再浮上した「GSOMIA破棄論文在寅総選挙向け反日カード」に批判

BUSINESS INSIDER 2020年2月26日(水)8時10分配信/李敦煕(時事インサイド編集局長)

「GSOMIA破棄論、青瓦台で再浮上」

2月12日、韓国の青瓦台(大統領府)と外交部の記者室、そして与野党の政界全体が早朝から大騒ぎになった。有力紙・中央日報が同日付の1面トップで、青瓦台の内部で「日韓軍事情報包括保護協定(GSOMIA)」の破棄を再検討していると報じたからである。

中央日報は政府消息筋の話として、「2019年11月、韓日産業当局間の交渉再開を条件に、終了を猶予したGSOMIAを破棄させるべきだという主張が青瓦台内部で再浮上している」とし、「この問題で韓日間だけでなく、韓米間でも外交問題が再燃する可能性がある」と伝えた。

この報道が出て、記事の事実関係を確認するために青瓦台や外交部の記者室は、朝から大混乱に陥った。GSOMIA問題はわずか3カ月ほど前に一段落し、記者たちの間には、少なくとも当分の間はこの問題を取材することはないと安堵が広がっていたのに、突然の「破棄」報道に不意打ちを食らった形だ。

「文政権のポピュリズム政策にうんざり」

しかし、中央日報の報道に最も敏感に反応したのは政界だった。この日だけは、新型コロナウイルスを忘れさせるほど政治家らを興奮と緊張状態に陥れた。

韓国では、4月15日に国会議員選挙を控えている。

野党は一斉に「選挙用ポピュリズム」と強く批判をしながら、「総選挙を控えて文在寅政権が再び反日カードを取り出した」と反発した。特に最大野党である自由韓国党は、「無条件で総選挙で勝つための焦りから、文在寅政権がGSOMIAカードを振りかざしている」と強く批判した。

GSOMIA問題はこの日、インターネット上でも大話題になった。

「GSOMIA」という単語が検索語の上位を占め、ネット上では激しい議論が交わされたが、ほとんどの書き込みは突然の文政権のポピュリズム政策を批判する内容だった。

ある書き込みは、「青瓦台の反日扇動が文在寅政権と(与党の)『共に民主党(以下、民主党)』には有利に働くかもしれないが、国益の観点から見れば、決して望ましい方向ではない。文在寅政権のポピュリズム政策は、もううんざり」と批判していた。

総選挙で与党惨敗という報告書

韓国政府は2019年8月、日本政府が韓国に対して取った輸出規制措置の対抗策として、同年11月に終了するGSOMIAをこれ以上延長しないと日本政府に通知した。しかし韓国政府は、協定の期限満了直前の11月22日、日本が輸出規制問題を解決するための対話に応じることを条件に、「終了通知の効力停止」という前例のない用語を持ち出して、GSOMIA終了の猶予を決定した。

文在寅政権がそれからわずか3カ月で、日韓、米韓の外国問題にまで発展する可能性のあるGSOMIA破棄を再検討しているのはなぜか。

2月10日、韓国金融界の中心地である汝矣島(ヨイド)証券街では、正体不明の世論調査報告書が出回った。

4月15日の総選挙の253の地域区(議員定数は300、うち地域議席数は253、比例議席数は47)を対象にした世論調査で、与党の民主党が惨敗し、最大野党の自由韓国党が圧勝するという内容だった。報告書の出所は不明だとはいえ、最近、急速に悪化した文政権への支持率から見るとかなり説得力がある、というのがこの報告書を読んだ人々の反応だった。

実際に、4月の総選挙を2カ月前にした最近の韓国の世論は急速に変化している。

2月14日、韓国ギャラップ社は総選挙に関する世論調査の結果を発表した。調査によると、「現政権牽制のために野党候補が多く当選するべき」との回答が45%で、「現政権を支援するために与党候補が多く当選するべき」(43%)より2ポイント高かった。わずか1カ月前の調査で「文在寅政権の安定への期待」(49%)が「牽制」(37%)よりも12ポイント高かったことを考えると、世論に大きな変化があったと言える。

コロナ騒動で見せた中国への配慮

このように現政権への世論が急速に悪化した背景にはいくつかの理由がある。

最大の理由は、文政権の失政。曺國(チョ・グク)前法相一家の不正疑惑に対して検察が捜査に乗り出そうとすると、政権は検察を「積弊勢力」と規定、逆に検察を改革の対象にする、二重規範の態度を取り、世論は冷え込んだ。

他にも青瓦台関係者など政府関係者13人が起訴された、2018年に大統領の友人が当選した蔚山(ウルサン)市長選挙介入事件については、朴槿恵(パク・クネ)前大統領の弾劾の時よりも深刻な弾劾の要素を抱えているとされる。同事件は今後の韓国政治の「台風の目」になる可能性がある。

野党の自由韓国党はすでに「今回の総選挙で圧勝し、国政を乱した文在寅大統領を必ず弾劾しなければならない」と意気込んでいる。

また、最近の新型コロナウイルスによる感染拡大を受け、「中国人全面入国禁止」を求める国民の声に対して、青瓦台自ら記者団に、「『武漢肺炎』という用語は特定国家に対する嫌悪を引き起こすので『新型コロナ』を使ってほしい」と中国に配慮する態度を取った。

これに対し、ネット掲示板などには「アフリカ豚熱や日本脳炎の時には何も言ってないのに中国にはあまりにも低姿勢」「国民の安全より中国の顔色だけ気にしている文在寅政権」と政府を非難する意見が相次いだ。

消えた金氏と習氏の訪韓カード

政界のある消息筋は、こう話す。

「昨年までは青瓦台と(与党)民主党は、野党の分裂、大統領の高い支持率などで総選挙での圧勝を確信していた。当時は、選挙直前に北朝鮮の金正恩委員長の初のソウル訪問実現という最高のビッグカードを準備していた。

しかし、今の南北関係では金委員長の訪韓は期待できない。THAAD(終末高高度防衛ミサイル)配置を巡って、中国政府が禁止している韓国への団体旅行も、習近平主席が3月に訪韓して解除するという構想を用意していたが、新型コロナで習主席の訪韓は延期される見通しだ」

悪化する状況を逆転するカードは全て消えた。このままでは総選挙で惨敗し、任期後半には弾劾など、野党から猛攻を受けざるを得ない。

焦りと不安感から文政権が最後のビッグカードであるGSOMIA破棄を頼った可能性は否定できない。支持層結集に最高のカードであるGSOMIA破棄を通じて、総選挙で有権者を親日vs反日に二分して勝利するという狙いだ。

「反日感情は選挙のビッグカード」と分析

文政権は2019年夏、反日感情カードで多くの政治的利益を享受した。

元徴用工判決と関連し、日本の輸出規制報復がなされ、韓国では反日感情が沸騰した。当時、文大統領の週間支持率は一気に4.0ポイント、民主党は3.6ポイントも上昇した。一方、野党の支持率は3.2ポイント落ちた。

文大統領の最側近が率いている、民主党のシンクタンク「民主研究院」は、2019年7月30日、「韓日葛藤局面は次期総選挙で与党に肯定的な影響を与える」と予想した報告書を所属議員全員に回覧させたことがある。ある政治コンサルティング専門家は、「反日感情は選挙の過程で、民主党のビッグカードであることが確認された」と分析した。

しかし、このような文政権の思惑には多くの障害がある。

ある野党議員は、「新型コロナウイルスの感染が全国に打撃を与えている中で、大統領が再びGSOMIA破棄カードを取り出したら、すごい逆風を浴びる可能性がある。不況の中で国民の生活が厳しいのに、『また反日カードか』という反発が起きる」と指摘した。

一番の障害はアメリカだ。アメリカは2019年11月、韓国のGSOMIA破棄の動きを強力に阻止した経緯がある。最近は在韓米軍防衛費分担金の問題、THAAD配置問題などを巡り、米韓間は緊張関係にある。ここでまたGSOMIA破棄問題が再浮上したら、米韓関係はそれこそ「おしまい」という懸念の声が大きい。

青瓦台の金鉉宗(キム・ヒョンジョン)国家安保室次長は、2月6日から3日間、極秘裏に米ワシントンを訪問し、カウンターパートであるホワイトハウスのマット・ポティンガ国家安保副補佐官と会って、米韓の懸案問題とGSOMIA問題を協議した。

米韓関係に詳しい韓国の外交消息筋は、こう断言する。

「ポティンガ副補佐官は改めて『GSOMIA維持がアメリカの確固たる立場』という点を明らかにした。アメリカの立場を無視し、GSOMIAを破棄した場合、韓米関係は再生不能状態に陥るだろう」

多くのリスクが予想される中でもGSOMIAカードをちらつかせている文政権は、果たしてどんな選択をするだろうか。そしてそれで総選挙で本当に勝てるのだろうか。

明らかなのは、今のアメリカは韓国に対してこれまでのように好意的ではないということだ。そして何よりも、韓国の政治状況と世論が2019年とは大きく変わっている。

匿名を条件に取材に応じてくれた野党議員は、次のように意味深い言葉を残した。

「文政権の相次ぐ失政で世論は極度に悪化、経済も最悪だ。特に最近は、新型コロナウイルスで世論はまさに爆発寸前だ。こういう状況の中でも、文政権が国益を考えずに、再びGSOMIAカードを取り出したら、これは政権交代を早めるオウンゴールになるだろう」

李敦煕:1988年、ソウル五輪大会組織委員会の記者に。その後、読売新聞ソウル支局、朝日新聞ソウル支局の記者を経て、現在、時事インサイド編集局長。

 

2020年2月25日 (火)

【日経平均】大幅続落✍今年最大<一時1000円超>新型肺炎の警戒感拡大

米国株大幅下落中国のマイナス成長を予測する専門家も

ロイター 2020年2月25日(火)12時59分配信

 中国国外で新型コロナウイルスの感染が広がったことを受けて、24日の米国株式市場は大幅下落。

 ダウとS&P500種は2年ぶりの下げ幅。ダウは1000ドル超の急落、S&Pは3%以上下落した。

 一方、ハイテク銘柄の多いナスダックの終値は4%近く下落した。

 イタリアと韓国で感染者数が急増したことを受け、投資家は株式市場から逃げ出し、金のような安全な場所に殺到した。

 クレイマー・キャピタル・リサーチのヒラリー・クレイマー氏は、世界経済の成長はリスクにさらされていると話す。

 「新型コロナウイルスは世界経済を深刻なマイナス成長に追い込む可能性がある。これは本当に深刻だ。 世界は日々工場が稼働し、商品が出荷され、製品が購入されることで成り立っている。それが減速あるいは停滞すれば、こうしたシステム全体に波及する。減速は広範囲に広がり、私は中国経済はマイナス成長に陥るとみている。」

 また米民主党の大統領候補指名争いで、サンダース氏が浮上したことも影響か。民間保険の廃止を主張する同氏がネバダ州で勝利したことを受けて、ヘルスケア関連株が急落した。

 しかし、この日の急落を主導したのはハイテクと半導体だった。中国に大きく依存している銘柄は大きく下落。アップルは、1月の中国におけるスマホ販売台数が約36%減少したことが嫌気された。

東証、午前終値700円安一時1000円超下落 新型コロナ拡大懸念

毎日新聞 2020年2月25日(火)12時02分配信

 週明け25日の東京株式市場は、新型コロナウイルスの感染拡大による世界経済悪化への懸念が強まり、大幅続落した。日経平均株価の午前の終値は、前週末終値比700円13銭安の2万2686円61銭。幅広い銘柄が売られる全面安の展開で下げ幅は一時、2018年12月25日以来の1000円を超えた。24日の米ニューヨーク株式市場、欧州株式市場も大幅に下落し、世界同時株安となった。

 25日の東京市場は、前週末終値比437円37銭安の2万2949円37銭で取引が始まった。取引時間中に2万3000円を割るのは2月4日以来となった。25日の東京外国為替市場では円相場が急上昇。1ドル=110円台後半と、21日の午後5時時点と比べると、一時1円近い大幅な円高・ドル安となった。安全資産とされる円にリスク回避を目的とした買いが先行した。

 イタリアや韓国など中国以外で新型肺炎の患者が急増しており、東京市場では、問題の長期化による世界経済への影響を懸念して運用リスクを回避する売りが広がった。

 みずほ証券の上野泰也チーフマーケットエコノミストは「(リスクを取る動きを控える)典型的なリスクオフの状況だ。仮に中国で終息宣言が出たとしても、他の地域で感染拡大が続くことは十分考えられ、市場に警戒感が広がっている」と分析。楽天証券の窪田真之チーフ・ストラテジストは「市場では少なくとも5月以降は新型肺炎の拡大が鈍化していくという見方が強く、感染の拡大がピークアウトすれば株は底打ちするはず。2万2000円前後で推移できるかがポイントになるだろう」と予測する。

 東京市場の株安は、米欧市場での株価大幅下落の流れを引き継いだ。24日のニューヨーク株式市場ではダウ工業30種平均が急落し、前週末比1031・61ドル(3・56%)安の2万7960・80ドルと、1日の下げ幅としては史上3番目の大きさを記録した。米企業の景況感の悪化も重荷となり、上場銘柄の大半が下落。株高を主導していたIT企業が急落したほか、製造業や金融株も大幅に下げた。欧州市場もイタリアが5・4%下落、ドイツや英国も大幅下落した。

 国際通貨基金(IMF)は22日、新型肺炎の感染拡大を受け、20年の世界成長見通しを3・2%と従来より0・1ポイント下方修正。ゲオルギエバ専務理事は「経済対策に支えられて中国経済は20年4~6月期には回復する。新型肺炎の世界経済への影響は比較的小さく、短期的」と楽観的な見方を示していた。

 しかし、新型肺炎が欧州や中東に急拡大し、「もはやアジアだけの話ではない」(欧州金融関係者)との警戒感が強まった。現時点で新型肺炎の影響が読み切れないことも投資家心理を冷やしており、市場では「世界的なサプライチェーン(部品供給網)の混乱や、企業活動の停滞、消費の低迷が長期化するとの見方が広がっている」(米銀大手)との声が出た。

新型コロナで、初の経営破綻 愛知県の観光旅館(株)富士見荘が倒産

東京商工リサーチ 2020年2月25日(火)12時11分配信

中国からの団体ツアーのキャンセルが相次いだ

 (株)冨士見荘(TSR企業コード:510067255、法人番号:9180301011281、蒲郡市西浦町大山17、設立1956(昭和31)年2月、資本金9600万円、伊藤剛社長)は2月21日までに事業を停止し、名古屋地裁豊橋支部への破産申請を小林輝征弁護士ほか1名(弁護士法人中部法律事務所、名古屋市中村区名駅3-23-6、電話052-562-0775)に一任した。

 負債は現在調査中。

 蒲郡市の西浦温泉で観光旅館「冨士見荘」を経営していた。三河湾を望む景観と新鮮な魚介類を売りに、2005年12月期には約5億5000万円の売上高を計上していたが、その後の業績不振により再度の資金ショートを起こし2013年8月に行き詰まりを表面化した。

 その後も事業を継続し、特に近年は需要が高まる中国人ツアーの受け入れに注力。多くの中国人観光客が利用していた。こうしたなか、2020年1月、中国で急拡大した新型コロナウイルスの影響で中国からの団体ツアーのキャンセルが相次いだ。春節の大型連休と重なることもあって、盛り上がりを見込んでいた需要が確保できなくなったため、先行きの見通しが立たなくなり、事業継続を断念した。

厚労省を揺るがす事態 からへ変化🏢2つの可能性

朝日新聞デジタル 2020年2月23日(日)19時38分配信

 新型コロナウイルスの検査で陰性となり、大型クルーズ船ダイヤモンド・プリンセス号を下船した乗客から感染が確認された。

 船内のウイルス検査で陰性だった乗客が、下船後に陽性になったのには二つの可能性がある。

 一つは、感染直後だった場合だ。ウイルスに感染して間もなくは体内のウイルスの量が少なく、検出できず陰性となることがある。もう一つは、検査後に感染した可能性だ。栃木県の60代女性は船内で検査を受けた14日の時点で、感染していなかった、あるいは感染直後だったと考えられる。

 加藤勝信厚生労働相は23日の会見で「現時点で分析しうるものはもちあわせていない。ただ、下船後に陽性者が出た現実を重く受け止めている」と述べるにとどまった。

 厚労省は5日以降は、乗客に客室内で待機するよう指示して感染防止対策をとったことから、多くの乗客の感染は5日より前に出たと考えていた。国立感染症研究所も乗客の感染の拡大は5日より前に起き、7日をピークに発症者は減少していると説明。鈴木基・感染症疫学センター長は「隔離で感染拡大が抑えられた」としていた。

 厚労省は、こうしたことからウイルスの潜伏期間にあたる14日間の健康観察期間に症状がなければ「問題ない」として、19日からの乗客の下船を始めた。しかし、船内での検査で陰性で感染者との濃厚接触がなかった豪州人2人も帰国後に陽性が確認された。また、香港ではチャーター機で帰国した男性(68)の感染が確認された。日本では陰性だったが、香港で隔離中に体調不良を訴え、検査したところ陽性だったという。

 陰性だった下船者の感染が相次ぐ事態になれば、厚労省がとってきた対策の妥当性が揺らぐ事態になる。

 長崎大の安田二朗教授(ウイルス学)は、検疫官や船内で業務にあたっていた政府職員の感染が確認されていることから「船内で最初の感染者から他の人、さらにその先の人へと5日以降も感染が拡大していた可能性が高い」とみる。

 豪州や米国では帰国した乗客をさらに2週間隔離している。ただ、同様に残る乗客をさらに船内にとどめおけば、高齢者も多いことから感染以外の健康上のリスクが生じる恐れもある。外に移すにも乗客を収容できる施設の確保は難しかった。厚労省の担当者は「乗客は船内で過酷な状況で過ごしており、早く下船させるべきだという声もあった。感染のリスクとのバランスをどうとるかは難しい」と話した。

中国、日本に武漢肺炎検査キット提供「ウイルスとの戦いに国境ない」

毎日新聞 2020年2月25日(火)18時03分配信

 在日中国大使館は、日本国内での新型コロナウイルスの感染拡大を受け、中国が日本に検査キットを支援したとホームページで明らかにした。大使館によると、14日に1万2500人の検査キット250箱を国立感染症研究所に無償提供した。

 検査キットが不足する日本国民の健康と安全に役立つとして支援したという。中国外務省の華春瑩報道局長は20日、ツイッターで検査キットの支援について「中日両国は一衣帯水の隣国同士であり、ウイルスとの戦いに国境はありません」と日本語のメッセージを出した。

 日本政府は中国湖北省の日本人らを退避させるチャーター機を派遣した際、中国側に防護服やマスクなどを輸送して提供。中国が感謝を示していた。

米国韓国の旅行警報を中国と同じ最高段階に引き上げ「旅行控えよ

中央日報 2020年2月25日(火)18時54分配信

新型肺炎感染者が大邱市で大量に発生したことで医療機関はパニック状態になった。高陽市の一山病院は20日、病院出入口を玄関1カ所だけ残し閉鎖した上で病院訪問者全員を対象に問診票を作成した後、体熱検査、手への消毒剤噴霧後に確認リボンを手首に巻いて出入り監視を強化した。問診票には中国旅行、感染者との接触、発熱、解熱剤服用の有無などを尋ねる項目とともに、連絡先電話番号、住民登録番号などを記入する。シン・インソプ記者

米疾病予防管理センター(CDC)が新型コロナウイルスの感染拡大と関連し、韓国に対する旅行警報を最高等級である3段階に引き上げた。

CDCは24日にホームページを通じ、韓国に対する旅行警報を第3段階である「警告」(Warning)に引き上げ、「広範囲な地域社会感染」を理由に米国国民に「不必要な旅行を自制せよ」と勧告した。

CDCは「新型コロナウイルスにより誘発された呼吸器疾患発生が広範囲に進んでいる。高齢者と慢性疾患者は深刻な疾病にかかる危険がさらに高くなる恐れがある」と話した。

CDCはコロナウイルスの感染レベルにより自国民に旅行警告を出している。旅行警告は3段階に分けられる。第1段階は「注意」(Watch)、第2段階は「警戒」(Alert)、第3段階は「警告」(Warning)だ。第1段階では通常の予防措置が求められ、第2段階では予防措置が強化される。第3段階では不必要な旅行は控えることを勧告する。

現在中国が第3段階である「警告」の状態だ。「中国への不必要な旅行は控えよ」ということだ。ここに韓国が含まれることになった。

現在第1段階の「注意」が発令されているのは香港、イラン、イタリアだ。第1段階の場合、CDCは患者との接触を避け、石けんと水で20秒以上頻繁に手を洗うこととアルコールが60~95%含まれる消毒剤を利用することを勧告した。

第2段階である「警戒」の等級を受けた国は日本だ。

地域社会で感染が発生したが、まだ「旅行注意」までは下されていない国は台湾、シンガポール、タイ、ベトナムがある。これらの国は「明白な地域社会感染が発生した目的地(Destinations with Apparent Community Spread)」とされている。

地域社会感染は海外から来た患者と、この患者と接触した2次感染者を中心に感染者が出ている段階を超え、地域社会で疫学的なつながりを追跡するのが難しい感染者が出ている段階だ。

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東証4カ月ぶり安値 新型コロナ感染拡大 景気の先行き懸念強まる

毎日新聞 2020年2月25日(火)22時22分配信

 連休明け25日の東京株式市場は、新型コロナウイルスの感染拡大による景気の先行き懸念が強まったことで、全面安の展開となった。日経平均株価の前週末終値比の下げ幅は、一時1000円を突破。同781円33銭安の2万2605円41銭で取引を終えた。24日は震源地のアジアに加え、米欧市場でも株価が急落しており、リスク回避姿勢が急速に世界に広がっている。

 ◇ 終値は781円安の2万2605円

 世界的な株安は、イタリアでの感染者拡大が引き金となった。24日の欧州市場では、前週末比5・4%下落したイタリアをはじめ、英独仏の株価が軒並み下落。アジア以外の地域への影響拡大が意識され、同日のニューヨーク株式市場では、ダウ工業株30種平均が1日の下げ幅としては過去3番目となる前週末比1031・61ドル安の2万7960・80ドルに急落した。

 25日の東京市場はこの流れを受けて取引開始直後から売り一色となり、日経平均は午前の取引で一時1051円安を記録した。日経平均の下げ幅が取引時間中に1000円を超えるのは、米国の株価暴落のあおりを受けた2018年12月25日以来。東証1部上場銘柄の98%が下落し、終値は2万3000円の大台を割って19年10月21日以来の安値となった。

 25日のアジア株式市場は、上海総合指数が前日比0・59%安。24日に大きく値を下げた韓国の総合株価指数は反発した。

 25日の東京外国為替市場は、比較的安全とされる円が買われ、円相場は21日午後5時時点より1円以上円高・ドル安の1ドル=110円台前半で推移した。債券市場でも安全資産とされる国債が買われ、長期金利が低下(価格は上昇)。指標となる新発10年物国債の利回りは一時マイナス0・105%と昨年11月下旬以来の水準に下がった。

 安全資産とされる金も買われた。東京商品取引所の金先物価格は一時1グラム=5905円と過去最高値を更新。終値は前週末比2円高の5856円だった。

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金価格1グラム6484円、過去最高に迫る 新型肺炎影響

産経新聞 2020年2月25日(火)18時05分配信

 地金大手、田中貴金属工業は連休明け25日、金を1グラム当たり前週末よりも42円高い6484円で販売した。40年前に記録した小売価格の最高水準6495円に迫る過去2番目の値段となった。新型コロナウイルス感染の終息が見えない不安から需要が増えた。

 金は株式や社債と異なり、そのもの自体に価値がある。不況や国際危機に強い「安全資産」とされ、今年は米国とイランの軍事衝突不安や新型肺炎拡大を背景に投資資金を集めた。

 東京商品取引所の金先物の指標価格(税抜き)は前週末の夜間取引で一時5913円まで上昇したが、連休明け25日は利益確定売りが出たため清算値は5856円に下落した。

 

2020年2月24日 (月)

【新型肺炎】武漢<=ラクーンシティ>説に関する記事を追う

新型コロナは「人工的に作られた可能性あり」=台湾の学者

フォーカス台湾 2020年2月22日(土)19時44分配信

 台湾大公共衛生学院の方啓泰教授が22日、新型コロナウイルスについて、学術的には人工的に作られた可能性があるとの見方を示した。結論に至るには詳細な調査が必要だとしている。もし事実であった場合、自然界で存続することは難しく、全ての患者が治癒すれば消失するという。

この日は、新型コロナウイルスや公衆衛生をテーマにした台湾公共衛生学会主催の講座が台北市内で開かれ、方氏は講師の一人として講演した。

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新型コロナウイルスをめぐっては、中国の研究所で人工的に作られ、それが外部に流出したことを疑う声が上がっている。方氏はこれについて、中国科学院武漢ウイルス研究所には危険性の高いウイルスが保管されているが、所内の管理状況には多くの欧米の学者が前々から疑問を抱いていたと指摘した。

その上で新型コロナウイルスに言及し、コウモリの身体に見られるコロナウイルス(RaTG13)と96%一致することがこれまでの研究で判明しているが、ウイルス学の観点に立てば99%以上でなければ一致とは見なせないとした。

また、他のコロナウイルスにはない4つのアミノ酸残基が含まれていることをフランスの研究チームが発見したと述べ、進化における突然変異でこうなる確率は非常に低く、実験室の中で人為的に加えられた可能性が考えられるとの見解を示した。

方氏はこの見解について、今は学術上の理論でしかないと強調。これを証明するためには実験室で証拠を探すなど内部調査が必要であり、短期間には答えは出ないだろうとしている。

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新型コロナウイルスは生物兵器になり得るのか?

JBpress 2020年2月23日(日)6時00分配信/数多 久遠(軍事評論家)

 新型コロナウイルスは生物兵器なのではないか、という言説は、日本での感染が広がり始める前から目にするようになり、それは今も続いています。

 その大きな理由とされるのは、危険度が高い病原体を扱うことができるBLS-4(バイオセーフティーレベル4)」の研究施設が武漢に存在しているから、というものです。ウイルス兵器を開発するならば、BLS-4施設は必須です。

 そして、この事実に加えて、中国共産党政府の隠蔽体質と研究者を含めた中国人全体の衛生意識が低いというイメージから、新型コロナが生物兵器なのではないか、それが管理体制の不備で漏れ出してしまったのではないか、という疑念が沸き起こったのではないかと思います。

 私は医療やウイルスの専門家ではないので、医学的見地からこの問題を語ることはできません。しかし、自衛隊在職時に特に弾道ミサイル防衛に携わる中で、その弾頭としてNBC(Nuclear=核、Biological=生物、Chemical=化学)兵器が使われる可能性が高いことから、自衛隊内で教育も受け、独自に研究もしてきました。

 そこで以下では、新型コロナウイルスが生物兵器として価値があるのか否か、という点から、この問題を考察してみます。

生物兵器として威力・効果は十分か? 

 新型コロナウイルスが生物兵器であることに否定的な論拠は、その致死率が兵器として考えた場合に低いという点にあります。

 生物兵器として警戒されている病原体、2001年に発生したアメリカ炭疽菌事件で使用された炭疽菌や、エボラ出血熱、それに以前、筆者が小説(『半島へ 陸自山岳連隊』祥伝社)で取り上げた天然痘などは、致死率が50%を超える可能性もある極めて毒性の強い病原体です。

 致死率は、母数となる罹患者の認定や医療レベルによる救命率によって変動します。また中国政府が発表する数値に信用が乏しいため、新型コロナウイルスは、現時点で言われている2%程度という数字よりも高い致死率である可能性が高そうです。とはいえ、それでも上記の警戒すべき病原体と比べれば、かなり低い致死率であることは間違いなさそうです。従来の考え方に則れば、致死率の低い新型コロナは生物兵器とは考え難い、と言わざるをえません。

 しかし、戦争のあり方も、そこで使用される兵器も、変わってきています。生物兵器に関しても、致死率が低くても有効な兵器になり得るケースがあります。

 ベトナム戦争時、アメリカが小銃弾を威力の大きな7.62mm弾から、小口径の5.56mm弾に変更した理由は、携行弾数の増加や連射時の精度向上が大きな理由でした。威力が低下することで致死性が下がっても、軍事行動においては、それがメリットにもなることもあるのです。たとえば、敵兵を銃撃した際に死亡させてしまうよりも負傷に留まらせた場合の方が、応急治療、後送に手間をかけさせることができます。つまり、銃弾の致死性を下げることで、敵側の前線の戦力を効率的に低下させることができるというわけです。

 生物兵器による攻撃でもこれと同じことが言えます。致死率の高い病原体を用いるよりも、致死性が必ずしも高くない病原体の方が、長期にわたって大量の患者が存在することになるため、医療リソースを食いつぶし、敵に負荷をかけることができます。新型コロナウイルスが、こうした企図を持って開発されたものだとすれば、致死率が高くないことをもって生物兵器ではないと結論してしまうのは誤りだということになります。

 ただし、そのような、そこそこの致死率と高い感染力をもつ病原体を用いた生物兵器は、戦場を選んで使用する必要があります。これは化学兵器でも同じようなことが言えますが、効果の持続性が長すぎるNBC兵器は前線では使用しにくいのです。理由は、眼前にいる敵部隊を化学兵器や生物兵器で打倒しても、その効果が残っている間は部隊を前進させることができないためです。

 化学兵器は一般的には毒ガスと呼ばれているため、空気のようなモノだと思っている方が多いかもしれません。しかし、ほとんどの化学兵器は、ミスト状に散布された液体です。サリンのように、単体では揮発して拡散してしまいやすい化学兵器は、添加物を加えて容易に拡散してしまわないように作られます。そして、この添加剤を調整することで、化学兵器の場合は持続性をコントロールすることができます。敵兵を殺傷した後、すばやく前進したければ持続性を抑えます。一方、後方地域の活動を長期間にわたって低下させたければ、持続性を高く調整した化学兵器を使うということです。

 生物兵器の場合、この持続性のコントロールが極めて困難です。それは基本的に使用される病原体に依存してしまうためです。また、敵の医療能力によっても持続力が大きく変動してしまいます。このため生物兵器が使用された実例は少なく、使われたケースでも、炭疽菌のように人から人には感染せず、持続力が低いものが使いやすい生物兵器となります。この点からみると、新型コロナウイルスは生物兵器としては極めて不適なものと言わざるを得ません。感染力が高いため、影響が及ぶ範囲が、時間的にも空間的にも、コントロールしにくいためです。

 しかし、武漢をはじめとした大都市が封鎖されるなど、今回の影響力の大きさを見ると、従来の考え方に基づいた、戦争におけるNBC兵器の使用とは異質な使用方法を想定することができます。つまり、平時において、敵の首都など経済活動の中心地で使用し、敵の国力を削り取るために使用するものだと考えれば、極めて効果的な兵器と言えるのです。

 2001年に発生したアメリカ同時多発テロ事件の死者は2996人、負傷者は6000人以上でしたが、新型コロナウイルスでは中国での死者が2300人(2月22日現在)を超えたことを考えれば、直接的な人的被害が同時多発テロを上回るのは確実でしょう。同時多発テロの物理的損害額は、100億ドルを超えますが、中国だけを考えても、今回の新型コロナウイルスの被害額は、これを余裕で超えそうです。効果という点では、極めて優秀であると言えます。中国だけでなく、水際阻止が不十分であった日本でも2020年のGDPは大幅に低下することになりそうです。

 以上のことから、新型コロナウイルスの生物兵器としての可能性については以下のように整理できるかと思います。

 (1)その性能においては、従来型の戦争で使用することを考えた生物兵器だとは考え難い。

 (2)ただし、平時を含めて対象国の政経中枢で使用することにより、対象国の国力疲弊を目的とする(国力漸減型)、テロ的な使用をされる生物兵器にはなり得る。

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生物兵器としてオペレーションは容易か? 

 次に、新型コロナウイルスが生物兵器だと考えた場合の運用性、つまりオペレーションの容易さを考えてみたいと思います。

 兵器としての生物兵器の運用を考えた場合、問題は「投射能力」(兵器を攻撃対象にまで到達させる能力)です。核であれば弾道ミサイルなどが投射能力と呼ばれますし、戦略的な観点では空母の保有数・能力が投射能力と言われることもあります。

 生物兵器をテロ的に使用する場合、まずは攻撃対象に接近する必要性、ありていに言えば、ウイルスを携行して入国する必要性があります。ウイルスはX線検査にも金属探知機に引っかかることもないため、保安検査をくぐり抜けるのは容易です。つまり、警戒網を突破することは容易です。

 次は、パンデミックに至らせることができるかどうかが問題となります。

 新型コロナウイルスをテロ用生物兵器として考えた場合、発症前にも感染力を持つという特質は、とても効果的です。

 自著のネタバレになってしまいますが、生還を意図しなければ、テロ実行犯自身がウイルスに感染して入国し、発病前に攻撃対象国内をスプレッダーとして動き回ることで、感染を一気に広めることさえ可能です。

 ウイルスは、初期の感染部位で増殖したウイルスが、血液によって全身に広まる1次ウイルス血症という状態になります。この後、それぞれのウイルスにとって増殖しやすい部位(自然宿主細胞)でさらに増殖し、正常な細胞を破壊、ウイルスによっては毒物を放出するため、病気として発症します。

 従来のウイルス性肺炎を起こすコロナウイルス(SARSなど)の場合は、肺で増殖し呼吸を困難にします。狂犬病では中枢神経系で増殖し、精神錯乱などの神経症状を呈します。この自然宿主細胞において、ウイルスは活発に増殖するため、血中、さらにはリンパ液などにもウイルスが大量に放出される2次ウイルス血症の状態になります。多くのウイルスでは、この段階で体外にウイルスが大量排出され、感染力を持つということになります。

 インフルエンザの感染力が強いのは、病気の治りかけから治った後だと言われます。それは、初期の感染部位(粘膜)でのウイルス増殖では、体外に排出されるウイルスが多くないためです。新型コロナウイルスの場合、初期の感染段階ですでに体外への排出が多くなるのでしょう。すなわち、ウイルスが自然宿主細胞での大量増殖を始める前の初期感染部位での増殖と、一次ウイルス血症での段階で、ウイルスの体外放出が始まるのだろうと思われます。この点は今後の研究で明らかになるでしょう。

 新型コロナウイルスでの生物兵器テロを考えた場合、この点は非常に重要です。誰もが、スプレッダーとなってしまい、無警戒の場合は、容易にパンデミックを引き起こすことになるからです。

 感染拡大という観点で、もう1つ注目すべき点は、前述した新型コロナウイルスの致死率の低さです。

 生物兵器として使用される可能性が高く、極めて致死率の高いエボラウイルスは、最近でもアフリカでたびたび発生しています。WHOなどの努力もあって、世界的な流行となることなく封じ込めに成功していますが、エボラの感染は、医療技術が低かった過去においても発生していたと思われます。それでも感染が世界的に広がらなかったのは、感染力に比較してエボラの致死率が高かったからだという推測があります。つまり、感染力に比して致死率が高いウイルスは、宿主である感染者を死亡ないしは重篤な状態にしてしまうため、感染が広がらない結果になるためです。

 新型コロナウイルスの場合、「致死率が低く、感染者が2次ウイルス血症となって大量のウイルスを体外に放出させつつ、医療機関での受診を求めて動き回った」ことが、感染を広めたのだと思われます。

生物兵器として開発は容易か? 

 病原体を用いて生物兵器テロを企てる場合、困難が予想されるのは病原体の開発です。新型コロナウイルスの場合はどうでしょうか。

 BLS-4施設のような高度な研究施設の建設維持は、ISIS(いわゆるイスラム国)のような組織には不可能でしょう。ただし、ネズミなどの実験動物を使用して、自然発生的、あるいは放射線などを使用して変異ウイルスができることを期待する手法は可能です。

 信憑性に欠ける情報ですが、今回の新型コロナウイルスでも、似たような事象があった可能性が懸念されています。中国では、過去に研究施設の関係者が実験動物を食用として不正に横流ししていた事件があったそうです。今回も、武漢病毒研究所から病原体を宿したままのネズミ等が市場に流れたのではないかとの見方があります。こうした手法であれば、費用対効果には疑問が残りますが、テロ組織でも開発は可能です。

 この場合、研究場所が感染源となってしまう可能性もありますが、逆に攻撃対象国内でこうした意図的な病原体の発生を期待して、動物を感染させることはできるでしょう。たとえば鳥インフルエンザウイルスを、攻撃対象国の養鶏場に意図的に散布することは、極めて容易で効果的だろうと思われます。また、自然に生息しているネズミやコウモリに、元となる病原体入りの飼料を与え、意図的な繁殖と変異病原体の発生を期待することも可能です。人への感染を作為するには、現地の人間が食べるなど何らかの接触をする動物である必要がありますが、ペットともなるハムスターが宿主になれそうなウイルスであれば、日本などでは使える手法かもしれません。

 このように考えると、極端なことを言えば、毎年のようにアメリカで季節性インフルエンザが流行するのは、誰かが意図的に流行を作り出している可能性もあり得るわけです。

国としての防疫体制の強化が必要

 以上のように、新型コロナウイルスは、従来考えられてきた“戦場で使用される生物兵器”とは考えられませんが、攻撃対象国の経済・国力にダメージを与えることを目的とするテロ的兵器としては、可能性を排除することはできないでしょう。

 今後、世界各国は、そうした国力漸減型生物兵器を開発・使用しようとする国家やテロ組織が出てくることを警戒する必要に迫られます。もちろん日本も、厚生労働省はもとより、自衛隊の防疫能力の強化が必要でしょう。医療従事者だけでなく、防疫の知識と装備を持った”動ける人間”を多数準備しておくことが求められます。

 幸か不幸か、自衛隊は、鳥インフルのような人には脅威の低い病原体で経験を積んでいたため、今回、それほど混乱もなく対応しているようですが、外には聞こえてきていない問題も発生しているでしょう。

 新型コロナウイルスとの戦いは、これからが本番だと思いますが、まだ準備のできていない部隊にも早急に教育を施すなどして、緊急の体制強化が必要です。

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新型コロナ「バイオ兵器」の裏にされているもの

JBpress 2020年2月24日(月)6時00分配信/安田 峰俊(ルポライター)

 昨年(2019年)12月に中国武漢市で発生した新型コロナウイルスCOVID-19は、中国政府の懸命の抑え込みにもかかわらず流行が内外に拡散。2月なかばからは日本国内で感染経路が判然としない感染者が続々と見つかるなど、すでに日本も流行地に飲み込まれつつある。

 COVID-19については、中国の習近平政権が事態をおおやけにした1月20日すぎから囁かれている噂がある。すなわち、このウイルスは人為的に作られたもので、武漢市に設けられた世界レベルのバイオ研究施設「武漢ウイルス研究所」から流出した“バイオ兵器”であるという説だ。同研究所は人民解放軍と関係が深いともみられている。

 ・・・もっとも、この説はまず事実ではないと考えていい。たとえば世界で最も権威がある査読制の医学雑誌のひとつ『The Lanset』が2月19日に発表した「COVID-19と闘う中国の科学者、公衆衛生専門家、および医療専門家を支援する声明」を読むだけでもそれは明らかだ。

 この声明は、COVID-19が人為的に作られたとする説を、恐怖とデマと偏見を広めるだけの「陰謀論」だと強く非難し、ウイルスが野生生物に由来することを論じた学術論文のリンクを多数提示している。

 この問題は高度に専門的な分野なので、(私を含めた)素人は学術的知見を尊重して判断をおこなうべきだろう。すくなくとも2月23日現在において、COVID-19がバイオ兵器であることを示す有力な根拠は見つかっていない。

「バイオ兵器」説のソースは怪しい

 そもそも、COVID-19バイオ兵器説に初期に言及したのは、統一教会系のアメリカの新聞『ワシントン・タイムス』(有名な『ワシントン・ポスト』とは別)や、アメリカ亡命中の中国人大富豪・郭文貴の自前のメディア『GUO MEDIA(郭媒体)』などだった。

 さらに2月上旬から熱心にこの説を伝えたのが、中国共産党と対立する新宗教・法輪功系の『大紀元』『新唐人』といった媒体である。

 統一教会と法輪功はいずれも反共的な政治色の強い新宗教で、必ずしも客観的に正確な情報を出すとは限らない。また、郭文貴は2017年にYouTubeを通じて中国共産党高官のスキャンダルを次々と暴露して話題になった人物だが、その情報が虚々実々なのは関係者の間では有名だ。しかも2018年に入るころから「ネタ切れ」ゆえの飛ばし情報がいっそう増えている。

 (なお、私は2017年12月にニューヨークで郭文貴本人に会ってインタビューをおこなったほか、2018年5月から翌年1月までは『SAPIO』誌上で郭文貴の連載を編訳していた。詳しくは拙著『もっとさいはての中国』をお読みいただきたい。)

 いずれにせよ、COVID-19のバイオ兵器説はかなり怪しいメディアばかりが出所で、情報の受け手のリテラシーが問われる試金石だとすらいえる。日本ではそうしたソースをもとにバイオ兵器説を肯定的に論じる政治家やジャーナリストが何人かいるが、彼らの名前はよく覚えておいたほうがいいだろう。

陰謀論を必死で否定する不思議

 もっとも、世間の陰謀論には2種類がある。すなわち「アポロは月に行かなかった」「東日本大震災は未知の地震兵器のしわざ」といった完全に荒唐無稽なトンデモ説と、「ケネディの暗殺者は複数犯だった」「オウム真理教は北朝鮮と協力関係があった」など、すくなくとも状況証拠としてはつじつまが合う部分があったり、当事者の証言などが出ればひとつの解釈として検討可能だったりする仮説のふたつだ。

 正直なところ、私は今回のCOVID-19のバイオ兵器説について、当初は前者の立場だったが、最近はすこしだけ後者に傾いた。つまり陰謀論である点は揺るがないとはいえ、話に「尾ひれ」がつくに至ったなんらかの元事情くらいは存在するかもしれないと想像するのだ。

 理由は、他ならぬ中国側が妙に、バイオ兵器説やウイルス漏洩説の否定に躍起になっているからである。

 たとえば2月2日、党機関紙『人民日報』の傘下紙『環球時報』は、アメリカでバイオ兵器説を主張していた上院議員のトム・コットンの言動に猛烈に反論する記事を掲載。さらに数日後にもバイオ兵器説を否定する内容の長文の社説を掲載した。

 もっとも、1~2回くらいデマを否定するだけならば理解ができる話だ。むしろ気になるのは、その後の動きである。やがて2月15日前後に、中国ではなぜか武漢ウイルス研究所やバイオ兵器にかかわる話題が妙に増え、当局の影響が強いメディアが必死で火消しに回る光景がしばしば見られたのだ。

 仮に荒唐無稽なトンデモ説ならば、最初にガツンと1回否定したあとは放置して一笑に付せばいい。なのに、それをスルーできずに神経質に潰して回る様子が、どうも不自然さを感じさせるのである。

真の感染者第1号についての噂

 たとえば2月なかばには「新型コロナウイルスの第一の感染者」とされる人物の名前がネット上で囁かれる騒ぎがあった。

 フランスの政府系国際放送局『ラジオ・フランス・アンテルナショナル』中国語版によると、この人物は武漢ウイルス研究所に所属する「黄燕玲」という名前の女性研究員で、実験室での研究中にウイルス漏れ事故により感染死。遺体を火葬する際に葬儀関係者にウイルスが感染していった――、と噂されていたという。

 また、中国国内のネットユーザーは武漢ウイルス研究所のホームページ上に黄燕玲の名前が見られたにもかかわらず、なぜか細かいプロフィールが削除されていることも確認している。黄燕玲は2012年に同研究所の修士課程に入学した人物だったのだ(中国でこの手の研究所の研究員は本来、修士課程入学者でもそのまま同じ研究所で勤務を続ける例が多い)。

 いっぽう、北京の夕刊紙『新京報』が2月15日夜に武漢ウイルス研究所研究員の石正麗と陳全姣に対しておこなった電話取材では、2人はともに黄燕玲という名の研究員の存在について「把握していない」と説明。反面、「現時点では研究所関係者で誰ひとり新型コロナウイルス肺炎に感染していない」と回答していた。

異常にナーバスな武漢ウイルス研

 さらに奇妙なのはここからだ。武漢ウイルス研究所は2月16日に声明を発表し、前日の石正麗たちの証言をひるがえす形で、黄燕玲が「2015年に」修士課程に属し、バクテリオファージ溶解素の機能及び抗菌広域スペクトルを研究分野とする研究員だったことを認めたが、彼女は他の省ですでに職を得て武漢には戻っていないとした。

 武漢ウイルス研究所からのデマ訂正メッセージは、あまりにも素早く出されたうえ、中国国内における報道の扱いも大きい(例えば2月17日には『中国網』日本語版で、日本語に訳された内容まで出ている)。中国の報道をウォッチし慣れた者の目にはかえって不自然な印象も与えなくもない。

 すくなくとも、当局が武漢ウイルス研究所に疑いを持たれることにかなりナーバスであることはわかるだろう。

 ちなみに研究所が2月16日に出した声明は「感染対策の重要な時期におけるデマは、当方の科学研究活動を強く妨害した。当方は法に基づき法的責任を追及する権利を留保する」といった文言で締めくくられており、ずいぶんものものしい雰囲気である。

なぜか生物災害防止分野を諜報機関へ

 さらに、これに先立つ2月14日には、習近平がトップを務める中央全面深化改革委員会の会議上でも動きがあった。

 習近平が講話のなかで、バイオセーフティ(バイオハザード [=生物災害] の防止対策)関連の法整備と、バイオセーフティ分野を国家安全部の管轄下に置くように講話をおこなったのだ。国家安全部は主に対外諜報を担うインテリジェンス機関であり、ずいぶんきな臭いところにバイオ研究機関の舵取りを任せることになったのである。

 習近平はなぜわざわざ、COVID-19についての陰謀論が流れる時期にこんなことを言いはじめたのか。中国内外のネットユーザーを中心に、不思議がる声は小さくない。

別の研究所がCOVID-19の発生源? 

 こうした騒ぎの極めつけは、華南理工大学生物科学・工程学院教授の肖波涛が2月6日、国際的な学術情報シェアサイト『Research Gate』上に投稿した「新型コロナウイルスの考えられる原因」と題するレポートにまつわる顛末である。内容は今回のCOVID-19の発生源が武漢市内の海鮮市場であるとする従来の通説に疑義を呈したものだ。

 今回のウイルスはコウモリが宿主とされるが、肖のレポートによれば、武漢にはコウモリを食べる習慣がなく海鮮市場でコウモリを取引していた形跡もない。おそらくその原因は海鮮市場からたった280メートルの距離にある「武漢市疾病予防コントロールセンター」であろうという。

 レポートによれば、このセンターは動物実験を目的に、湖北省で155匹、浙江省で450匹のコウモリを捕獲していた。捕獲に携わる研究員は2017年から2019年にかけてさまざまなメディアの取材を受けており、そのなかで、捕獲の際にコウモリの血液を浴びたことがあり、感染症の危険性があることから2週間の自主隔離をおこなった経験があること、さらに別のときにはコウモリの尿を浴び、やはり自主隔離をおこなったことなどを述べていた。

 ゆえに肖は、武漢市疾病予防コントロールセンターから、こうしたコウモリにかかわるサンプルや汚染物質が適切ではない形で遺棄されたことが、今回の新型コロナウイルス発生の真の原因ではないかという仮説を立てたのである。

発表者は失踪、レポートは削除

 もちろん肖のレポートは『Research Gate』上の投稿に過ぎず、専門家による査読を経た学術論文ではない。現在はCOVID-19について、全世界でかなり怪しげな論文やレポートの発表が横行しており、肖のレポートを無批判に信じることは危険である(そもそもCOVID-19がバイオ兵器だとする説も、インドの研究者による粗雑な論文が根拠のひとつとなったものだ)。

 ただ、現在までにほぼ確定したCOVID-19の特徴――。すなわち、「人為的に作られたウイルスでは“ない”」「コウモリが宿主だったとみられる」「人口1100万人の大都市・武漢のほぼ中心部(漢口)に突然あらわれた」といったファクターを合理的に説明するうえでは、肖レポートの仮説はかなり説得力がある。

 野生のコウモリを捕獲して実験をおこなう機関が市内にあったから、天然物のウイルスであるCOVID-19が、農村部や近隣の小都市を経ずにいきなり大都市のどまんなかに出現することになったのだ。

 もっとも香港や韓国・ドイツなどの各メディアによると、論文発表者の肖はすくなくとも2月15日ごろまでに連絡が取れなくなり、該当のレポートも『Research Gate』から削除されてしまったようだ。

 この時期はちょうど、上記の「真の第1感染者」デマが生じたり、習近平がバイオセーフティ関連の講話をおこなった時期と一致する。もしかすると中国当局が異常なほどセンシティブになっているのは、荒唐無稽なバイオ兵器説が広まると困るからではなく、武漢市疾病予防コントロールセンターの実験廃棄物からウイルスが漏れてバイオハザードに至ったという、COVID-19の「真の裏事情」を知られたくないからかもしれない。

フェイクニュースに騙されないために

 もっとも、仮に肖レポートの推測が正しかったところで、中国共産党の支配体制が崩壊でもしない限り、真実は永遠に明かされることはない。現在もっと重要なのは、すでに日本社会をも飲み込みつつある未知のウイルスの性質をより正確に理解して適切な警戒心を持ち、感染の予防と社会混乱の阻止に務めることだ。

 「正しく理解し正しく怖がる」行為とは、マスク着用や手洗いの徹底、医療機関のキャパシティへの配慮や感染者への差別の抑制といった部分のみにとどまらず、明らかに事実とは異なる(しかも特定の宗教的信念や政治的イデオロギーに基づいて流布されている)フェイクニュースの拡散に加担しないことも含まれている。

 今後も混乱が予測される情勢だからこそ、可能な範囲で冷静に対処していきたいところだ。

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2020年2月23日 (日)

【新型肺炎】横浜港停泊のクルーズ船<ホット・スポット>になったワケ

ダイヤモンドプリンセスが、新型コロナウイルスの危険地帯になったつの理由= 旗国主義 

WIRED 2020年2月21日(金)19時11分配信

大型クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」が日本の横浜港を出港した1月20日、2,666人の乗客は、中国、ヴェトナム、台湾への旅でくつろごうとしていた。ところが2週間後、乗客たちは船室に閉じ込められ、1日に数時間しか船室を出ることを許されなくなった。そして乗員乗客542人が、世界で75,000人以上が感染した新型コロナウイルスに陽性の反応を示したのである。

新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)のアウトブレイク(集団感染)の拡大は中国の国外では緩やかだが、ダイヤモンド・プリンセス号は感染のホットスポットとなっている。中国の国外で確認された感染者のうち、半数以上がこのクルーズ船の人々だった。

その次に感染者が多いシンガポールでも、感染者数は77人にとどまっている。東アジアへの観光旅行が、いかに人を死に至らしめる伝染病と戦う“戦場”へと転じたのか。

乗客の大半はさらなる忍耐の日々に

ダイヤモンド・プリンセス号の乗客は2週間以上にわたり、フルコースの食事の代わりに、マスクと手袋をした乗務員によってボックスに入った食事が1日3回届けられている。普段は自然災害時に食事を提供している慈善団体が、陸上に設置した仮設キッチンでつくったものだ。

船内のカジノは閉鎖されたが、不安定なWi-Fiはまだ使えるし、アマゾンは船内へも配達していると伝えられている。ただし、隔離期間半ばでアルコール飲料は底を尽き始めた。

ウイルス検査で陰性が出た乗客への隔離措置は2月19日で終了したが、乗客の大半はさらなる忍耐を要求されそうだ。それぞれの母国へ帰ってからもさらに2週間隔離され、不運にも新型コロナウイルスに感染した人々は病院に入院することになる。

2月1日には、その5日前に香港で下船した乗客のひとりが、新型コロナウイルスに感染していると診断された。これを受けて日本の厚生労働省は2月4日、検疫のためにダイヤモンド・プリンセス号の航海を24時間差し止めた。

船を運営するプリンセス・クルーズはただちにその後の日程をすべて中止し、時間をかけて乗員乗客を検査するために横浜港に停泊した。10人の乗客の感染が確認され、感染者は治療のため陸上へと移送された。

増え続けた感染者

その2日後、感染者数は41人に増加した。しかし厚生労働省は、その時点ではそれ以上の検査は必要ないと考えた。残りの乗客は船内にとどまるように要請されたのだ。

プリンセス・クルーズは無料のインターネットアクセスを提供したほか、衛星テレビのチャンネルを増やし、窓がない部屋の乗客がときどきデッキに出て新鮮な空気を吸えるようにした。乗客は乗務員からもらった花やチョコレート、子どものためのゲームやトランプといったプレゼントの写真をツイートした。

このときプリンセス・クルーズ副社長のライ・カルオリは、「大変なときですが、こうしたことが乗客の皆さまの気持ちを明るくするうえで役立ってくれればと思います」と、文書による近況報告で述べている。公式の近況報告はプリントアウトしたメモとして船室のドアの下に差し込まれ、乗客は乗務員への感謝のメッセージをドアに貼りながらも、退屈や不満や不安を語るためにSNSも利用していた。

こうしたなか、2月8日になって新に6人の感染者が発見され、その1日後にはさらに66人の感染が確認された。プリンセス・クルーズは乗客に対し、航空券の代金を含むすべての費用を払い戻すこと、隔離中の船上サーヴィスには一切課金しないこと、希望者には今後1回分のクルーズを無料で提供することを伝えた。

さらにプリンセス・クルーズは、陸上での検疫という選択肢も乗客に示した。ただし、同社には医療スタッフがいないうえ、食事はすべて日本風の弁当になり、下船に際してウイルス検査を受けることになると強調していた。

感染拡大の防止という点では「隔離は成功」

その後ほどなく、米国が自国の乗客を帰国させると発表した。船に残ることを選んだある乗客によると、迎えが到着した際には「USA!」と繰り返し叫ぶ声や、「船から降ろして!」と言う声を聞いたという。

その後も感染者は増え続け、2月18日には169人の新たな感染者が確認された。あるオーストラリア人医師は、隔離されている船に乗船している両親について次のように語った。「父は閉じ込められた時点の検査では陰性だったのに、いまは陽性になっています。閉じ込めることは功を奏していません」

船内で隔離されたにもかかわらず、計542人が感染した。これは隔離作戦がうまくいかなかったことを意味するのだろうか。

隔離の主な理由は、感染しているかもしれない人が休暇を続けて世界各地へと出かけたり、家に帰ったりして感染を広げることを阻止することだ。この点に関して今回の隔離措置はこれまでのところ成功していると、イースト・アングリア大学医学部教授のポール・ハンターは「サイエンス・メディア・センター」を通じてコメントしている。

カンボジアに停泊したクルーズ船「ウエステルダム」は乗客の下船を許可し、感染者が発見されたのは乗客が家に向かって散っていったあとだった。ダイヤモンド・プリンセス号の場合、これまでのところウイルスを遠くまでまき散らしてはいない。「この数日に報告された感染者数の多さから、隔離後の乗員乗客間の感染を防ぐ方策は効果がなかったように見えます」と、ハンターは言う。

豪華客船にとどまった人々は、こんな言葉は聞きたくないはずだ。チャーター機で救助に来てほしいとYouTubeやFacebookを使って政府に訴えていたデイヴィッド・エイベルと妻のサリーのような英国人にしてみれば、なおさらだろう。

エイベル夫妻には、いまではコロナウイルス陽性の診断が下っている。こうした状況を受けて英国の外務省は、次のように説明している。「船内の状況を考慮し、ダイヤモンド・プリンセス号に乗船している英国人を早急に退避させるため、航空便を手配しているところです」

隔離下の船内でウイルスが拡散した可能性

乗船者の隔離が失敗に終わった可能性は3通り考えられると、エクセター大学で公衆衛生の講師であるバーラト・パンカニアは言う。ひとつ目は、船が隔離される前にウイルスに接触した人がいた可能性だ。香港で下船した乗客のなかに少なくとも1人の患者がおり、その数日後にはさらに10人の患者がいた。「そこからゆっくりと時間をかけて感染していったのです」と、パンカニアは推測する。

ふたつ目は、隔離したにもかかわらずウイルスが拡散した可能性だ。乗客を船室に閉じ込め、乗務員はマスクを着けて食事を運ぶといった予防策をとったことを思えば、これは考えにくいと思いたいところである。

だが、1,045人の乗務員の大半は寝室を共有し、14人が座れるテーブルで食事をとっていた。『TIME』の報道によると、プリンセス・クルーズは2週間の隔離期間が始まってから10日後になって、ようやく乗務員に隣の人との間に席をひとつ置いて座るよう指示したという。

高熱を出したある乗務員は、仕事を休んで船室から出ないように言われたという。しかし、その船室は仕事を続けていた別の乗務員と共有していた。そのルームメイトにも、のちに新型コロナウイルスの陽性という診断が下った。

空調を通じて感染が拡大?

規則を守らない乗客によって感染が拡大した可能性もある。「USA!」と繰り返し叫んでいたのはバルコニーに立っていた女性と思われるが、彼女はほんの数メートルしか離れていない隣のバルコニーの乗客とマスクをせずにしゃべっていたという。乗客のひとりであるマシュー・スミスは、「船内で2次感染が起きているとすれば、これがその理由だ。常識をわきまえない愚か者のせい」と、ツイートしている。

3番目の感染ルートは、先例があるとはいえ推論にすぎないとパンカニアは言うが、憂慮されるべきものだ。それは、船室同士をつないでいる空調システムである。

この視点は、SARS(重症急性呼吸器症候群)のアウトブレイク後に、直接の接触がなかったホテルの宿泊客同士で感染が広まった理由を研究者が解明しようとした際に浮上した。「感染は建物の下部から空調システムを介して建物内の離れた場所まで移動し、互いに非常に離れた場所にいた人々に感染しました」と、パンカニアは言う。

新しいコロナウイルスについては、まだわかっていないことが多い。このため問題が複雑になっているが、いくつかの注意点がある。SARS-CoV-2は、いまのところ飛沫感染するとみられている。せきやくしゃみによって出る飛沫だ。ウイルスの拡散には「濃厚な接触」が必要という前提で衛生当局が取り組んでいるのは、このためである。

ここでいう濃厚な接触とは、相手と15分にわたって2m以内の距離にいたことを意味する。例えば、感染した女性がUberのクルマで5分かけて病院に行ったとしても、ドライヴァーに危険は及ばないはずとされる。

今回もこのケースと同じ可能性がある。船室は狭く、乗客は一日中その中で過ごしているため、部屋にウイルスがごくわずかしかなかったとしても長時間さらされている。

「人々は非常に狭い船室に閉じこもっており、そこには空気の動きがあまりありません。とりわけ隔離指示を守っている場合は、なおさらです」と、パンカニアは言う。「新鮮な空気への交換は、適切なフィルターを備えているとは限らない空調設備のみなのです」

ホテルでの隔離にも感染拡大リスク

船外への退避は、乗客にとってありがたいことかもしれない。だが、感染している可能性のある旅行者をホテルに詰め込むことは、船内と同じリスクになるとパンカニアは警告する。というのも、完全な隔離にはホテルにも弱点があるうえ、同じように空調の問題もあるからだ。

このため、船内でウイルスに長時間さらされた可能性のある人々のように深刻な感染リスクを負っている人々は、症状が出ないか全員を慎重に見守るべきだとパンカニアは言う。もし症状が現れたら感染を避けるために、ホテルへの滞在を許可せずに病院へ移送すべきだろう。「ホテルへの滞在は、はっきり言って船にいるのと同じようなものです。部屋が少々広いくらいでしょう」と、彼は言う。

ダイヤモンド・プリンセス号でアウトブレイクが続いている原因は、以上のいずれか、あるいは3つすべての可能性がある。いまだに解明できていない疑問は、なぜ乗客をクルーズ船という、疾患を広めることで悪名高い場所に隔離しようと考えたのか、ということだろう。

米疾病予防管理センター(CDC)のデータによると、クルーズ船においては昨年、10件のアウトブレイクが発生している。そのうち8件はノロウイルスだった。

「クルーズ船は、ありふれた風邪と嘔吐ウイルス、つまりノロウイルスのアウトブレイクが非常に起きやすいのです」と、クイーン・メアリー大学のウイルス学教授であるジョン・オックスフォードは、サイエンス・メディア・センターから出したコメントで指摘している。「船は必ず混雑していますし、乗客があれだけ多いと衛生レヴェルも落ちることがあります。実際に船上で適切に人々を隔離するのは不可能かもしれません。乗客は家に帰った時点で適切に隔離される必要があると、わたしは確信しています」

「この施策は間違っている」

ダイヤモンド・プリンセス号を所有・運航しているプリンセス・クルーズはノーコメントを通している。クルーズ船の業界団体であるクルーズライン国際協会(CLIA)で英国とアイルランドのディレクターを務めるアンディ・ハーマーは、こうした船には乗員乗客の健康チェックがあるほか、医療スタッフも乗り込んでいるなど特定の衛生基準が設けられていると語っている。

「乗務員は全員、船と乗客と乗務員の衛生をいかに保つかについて多岐にわたる訓練を受けています。船舶衛生プログラム(VSP)のメンバーが船を訪問し、クルーズ船がVSPのオペレーションマニュアルの衛生基準を満たしているか調査する公衆衛生検査を実施しています。さらにCLIAのクルーズ船は、乗員乗客の健康監視を維持することにおいて豊富な知識と経験をもっています」

しかし、乗船している人々の努力や隔離が失敗した特定の理由がどうであれ、うまくいかなかったという明白な事実は、当局が進路を変更すべきだったことを意味しているとパンカニアは言う。

「当局は感染のコントロールと封じ込めに必要な施策を導入しましたが、結果として新たな感染者が出ました。わたしなら『これはうまくいっていない。別の対策を考える必要がある』と言わざるをえなかったでしょう」と、ハーマーは言う。「わたしは船がウイルスによる感染を拡大していると思います。わたしなら、乗客や乗員たちを閉じ込めておきたいとは思いません。間違っています」

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高須院長、ドクター中松開発マスクで外出「一般でも買える?」と反響

しらべぇ 2020年2月23日(日)14時30分配信

高須クリニック院長・高須克弥が1日、自身のツイッターを更新。新開発されたというコロナ対策のマスクを装着した姿を投稿した。

ドクター中松氏が開発

右手でグーをつくりながら、「外出なう」とつぶやいた高須院長。顔には見慣れないものがついているが、これはコロナ対策のマスク「ドクター中松スーパーメン SUPER M.E.N」だ。

インパクトの強いこのマスクは発明家のドクター中松が開発したもので、透明な板で口、目、鼻を防ぐようにできている。顎のあたりに空間があるが、ドクター中松は「飛沫感染なので問題ない。そこから飛沫が入りますか?」と回答している。

高須院長は、20日にも「武漢肺炎ウイルス完全防御マスク手にいれたぜ。今日から装着なう」と嬉しそうな投稿をしていた。

外出なう pic.twitter.com/kNcFpqtXnv — 高須克弥 (@katsuyatakasu) February 22, 2020

一般でも買えますか?

新発明のスーパーメンにフォロワーの人々も興味津津だった様子。「一般でも買えますか?」「インパクトすごいですね。どこで手に入れるんだろう」といった質問コメントが相次いだ。ちなみに、ドクター中松の公式オンラインショップで誰でも購入可能となっている。
また、高須院長の後ろで笑顔の妻・西原理恵子が写っていることから、「外出デートですか? 楽しんでくださいね」「奥様もご一緒なんですね」といったコメントも多くみられた。

約2割が常にマスクを着用

コロナウイルスやインフルエンザ、花粉症といった病への対策として用いられるマスク。海外と比較してもマスクをつけている人の割合が高いと言われる日本だが、どの程度の人がマスクを常につけているのだろうか。

しらべぇ編集部が全国の20代~60代の男女1,357名を対象に「マスク」に関する意識調査を実施したところ、全体で約2割の人が「常にマスクを着用している」と回答した。

一見するとサイズも大きいため、使いづらそうにも見えるスーパーメン。高須院長が使い心地について感想を綴ってくれるのだろうか。

 

2020年2月22日 (土)

【新型肺炎】まとめ<感染者が確認された国と地域>“中間”報告

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新型コロナウイルス、感染者が確認された国と地域(21日22時40分現在)

AFPBB News 2020年2月22日(土)3時37分配信

 中国での新型コロナウイルスの感染者数(紫の線グラフ)と1日当たりの死者数(灰色の棒グラフ)の推移を示した図。下段は中国本土以外の国や地域で確認された感染者数(2020年2月21日午後10時40分現在)。

日本を知る外国人が指摘する「日本で感染症が広がりやすいと思う訳

HARBOR BUSINESS Online 2020年2月23日(日)8時33分配信

日本国内でも「次のフェーズ」に写ったCOVID-19

 新型肺炎COVI-19の感染拡大がいよいよ本格的に始まった。

 2月21日時点の世界28か国の感染者は7万5000人超。死者は2000人を超えてる。

 そのうち日本国内で確認された感染者は728人(参照:日テレNEWS)。初めて死亡者が出たという報道が流れた時は、日本中が一瞬にして緊張感に包まれた。

 以降、感染経路が不明な患者が確認される日々に鑑みても、流行度におけるフェーズは一段上がったと捉えて間違いないだろう。

 そんな中、各地・各団体で広まっているのが、国内での行事やイベントなどの「自粛」や「キャンセル」だ。

 即位後初となる天皇誕生日(2月23日)に予定されていた皇居での一般参賀が中止となったほか、街中を歩く外国人観光客も目に見えて減少。中国からの旅行者だけなく、アジア全体を敬遠する欧米系の外国人も日本にやって来なくなっている。

 国内の宿泊施設には、海外からだけではなく日本からもキャンセルが後を絶たず、ある県では宿泊キャンセルが3万件を超えたという。
 タクシードライバーの「夜の乗客が激減した」との話から、仕事の帰りのサラリーマンたちも不要不急の飲み会や会食を避けていることが想像できる。

 また、日本語学校関係者らに話を聞くと、4月期から入学予定だった学生からのキャンセルが出たり、自国の家族や友人から一時帰国を勧められる学生もいるとのことだった。

 こうした「自粛」の中でもとりわけ、国内はもとより海外に動揺が広がったのは、「東京マラソンの一般参加者中止」だ。それは何より、5か月後に迫った東京オリンピック開催への懸念がチラつくからに他ならない。

 SNS上には海外から、

「東京マラソンの一般参加が新型肺炎で中止になったと聞いて驚いた。そのほうが安全だって分かるけど、4か月半後に同地でオリンピックあるんだよね」(原文ママ訳)

「東京マラソンがキャンセルになったと。次は東京オリンピックか……」

「東京マラソンの中止はオリンピックが脅威に晒される可能性を助長している」

などといった声が多く漏れ聞こえてくる。

 また、アメリカのメディアCNNが「東京オリンピック コロナ流行の中対策もなく“万事順調”」 といった皮肉満載なタイトルを付け報じているのをはじめ、海外では国内以上に「日本の災害対策」を懸念する声も高まっている。

外国人が、日本は感染拡大を防ぎにくいと思うワケ

 一方、日本を知る外国人からは「日本は感染が広まりやすい」と推測する声もある。

 先日、日本に滞在歴のあるニューヨーク在住の外国人ジャーナリストたちとテレビ電話で打ち合わせをしていた時、こんな話になった。

「日本は一度広まったら文化的背景からも感染を食い止めにくいのでは」

 彼らが指摘するように、日本にはこれらのような文化的生活習慣がある。

1.病院にすぐ通う

 医療費の安さも手伝い、軽度の症状でもすぐに医療機関にかかろうとする日本の「念のため精神」は、今回のような病気の感染拡大には悪く作用する可能性がある。

 現在、次のフェーズへと移った日本において、もはや軽度の症状で病院へ行き受診することは、他人にウィルスを移したり、逆にただの風邪だった状態からウィルスを移されたりする危険性をはらむ。

 実際に国内の感染者を見ると、院内でヒトヒト感染したと思われる医師や看護師、患者も多い。受診するタイミングを誤れば、病院は「病を治す」ところから、「ウィルスをもらいに行ってしまう」ところへと様変わりしてしまうのだ。

 とりわけ病院には基礎疾患を持った病人、抵抗力の弱い子どもや高齢者が多いため、感染すれば重症化する危険性も高まる。

2.「正装」を求める現場

 日本には、「客の手前や公共の面前では“正装”でいなければならない」という謎な感覚がある。百貨店などでのマスク着用禁止や、「Ku Too運動」への反発などがそのいい例だ。

 マスクにおいては、2年ほど前にハーバー・ビジネス・オンラインでも「日本人の”マスク愛”の根源は何なのか? その周辺にある感情を探ってみた」なる記事を書いたが、今回の新型肺炎騒動以降、マスクに対する感覚は若干変わったように感じる。

 中でも思うのが、黒をはじめとする「色付きマスク」に対する抵抗感が若者を中心に大きく減ったことだ。「自分は黒マスクはしない」としても、他人の装着を受け入れる人は確実に増えた。もはや現在はマスクの色にこだわっている場合でもなくなったと言えるだろう。

 しかし、不特定多数の客と接する店員やスタッフのために「マスク装着にご理解ください」なる断りの掲示板が貼られたり、この期に及んで「マスクの色は白以外着用禁止」とする教育機関や団体が存在することに鑑みると、いまだ「予防」より「見た目」が大事なのかと思わずにはいられない。

休まない企業風土がパンデミックに繋がる!

3.微熱や咳程度で休まない

 今回話をしたジャーナリストたちが「日本人の最も改善すべき点」としたのが、「病気をしても休まない働き方」だった。

 体調不良を押してまで出社することを「美徳」とすら捉える日本の感覚は、そろそろ本気で直した方がいい。

 今回感染が確認されたNTTデータの協力会社社員である20代の男性は、発熱後に肺炎と診断されて入院するまでの数日間、東京都内の勤務先まで電車で通勤。また別の感染者も、せきや発熱の症状が出た後に新幹線で出張している。

 政府はこのほど「風邪症状なら学校・会社休んで」と呼びかけたが、学校はともかく仕事になれば恐らくそう簡単には休まない・休めないのが日本の“働き方”の現状だ。

 実際、共同通信によると、2月上旬に取った民間アンケートでは実に83%の人たちが「体調不良でも出社する」と回答している。

成果よりも「皆勤」や「協調性」を重んじる精神

 一方、2019年4月から順次施行されている「働き方改革関連法」には、働く時間や場所にとらわれない「テレワーク」の推進が盛り込まれているが、現状は多くの企業で上手く活用されているようには思えない。

 それには、労務管理やセキュリティ上の問題以上に、個人的に日本には「成果」よりも「皆勤」をよしとする風潮や、「協調性」、「同調性」といった“過度なワンチーム精神”が根強くあるのが一因だと感じる。

 会社は思っている以上に弱くない。自分がいなくても世の中は順調に回るもので、体調が少しでも悪いと思えば周囲の人のためにも念のため休み、必要ならば家でのテレワークで業務を続ければいい。

 早めに休むことはこの時世、もはや「エチケット」でもある。

 止まらない国内でのヒトヒト感染。5か月後、東京の沿道や競技場は、無事に世界中の人でいっぱいになっているのだろうか。

 日本のウィルス対策は今、全世界から注目を浴びている。

米国、日本への渡航警戒レベル段階引き

共同通信 2020年2月23日(日)5時35分配信

米国務省は22日、新型コロナウイルスによる肺炎拡大を受け、4段階中最低の1だった日本への渡航警戒レベルを2の「注意を強化」に引き上げた。高齢者や持病のある人に、不要不急の渡航の延期検討を要請した。

 

2020年2月21日 (金)

【新型肺炎】中国代表ら<日本のキャンプ地✍長期合宿の方針>帰国せず

東京五輪・中国代表ら帰国せず 直接、日本のキャンプ地へ

テレ朝news 2020年2月21日(金)12時21分配信

 新型コロナウイルスの感染拡大を受け、中国政府は東京オリンピックに向けて、卓球などの代表チームが予定より早く、日本などでトレーニングを始めると明らかにした。

 中国の国家体育総局は21日、東京オリンピックに参加する各競技の代表チームについて、「早期に出国してトレーニングを開始し、重要な選手に影響が出ないようにする」と発表。現在、国外にいる卓球やバドミントン、体操、ボクシング、女子サッカーなどの代表選手については、中国に戻らずに直接、日本などのキャンプ地に向かう方針を明らかにした。

 中国では大勢の人が集まることなどが禁止され、五輪代表チームの準備にも影響が出始めている。

日本の新型コロナ、中国人が驚いた「1カ月前の武漢のよう…」マスク盗難に「中国なら10倍の値段

withnews 2020年2月21日(金)7時00分配信

新型コロナウイルスの感染が広がる中、中国のSNSでは「病院から盗まれたマスク」「クルーズ船での集団感染」など、日本のニュースも大きな注目を集めています。「1カ月前の中国のようだ」など、中国での経験を踏まえて日本の状況を心配する声が寄せられています。

「安倍加油」の声

2月18日に、中国版ツイッターの微博では「安倍首相」が「ホットな話題」にランクインしました。「安倍」がハッシュタグ付きで、関連ニュースには2.6億のビューと、2.5万のコメントが集まりました。

きっかけは、共同通信の職員が自宅待機になったというニュースでした。様々な情報が広がるなか、いつの間にか、「もし安倍首相が感染されたら、内閣も危ない」という声まで投稿される事態になりました。

これに対して、中国のネットユーザーは次のような意見を発表しました。

「安倍首相も、やはり隔離したほうがいい」

「『武漢加油(がんばれ)』だけでなく、『安倍加油』も言わないと」

「これで、日本がコロナウイルスのことをもっと重視するだろう」

「私たちもきちんと支援物資に使えそうな漢詩を考えないと行けない。これから使えるかもしれないし…」

一方、日本の出来事を「ネタ」のように扱うことへの違和感も。

「新型コロナウイルスを娯楽のようにしてほしくない。命はみんな平等なのだから」

神戸のマスク盗難「1ヶ月前の中国のよう」

微博では、神戸赤十字病院で6千枚のマスクが盗まれたことも、ホットな話題にランクインしました。合計で2.3億のページビューと7000以上のコメントが集まりました。

「6千個が盗まれたことがしっかりと分かった、日本のチェック体制は中国の某会よりよいです」

(※「某会」とは湖北省の赤十字会のことで、赤十字会の倉庫から直接マスクを取り出し幹部のところへ送ろうとしたドライバーがいたという不祥事を指していると思われます)

「マスクも、国際ニュースになることは考えもしなかっただろう」

「中国に売られたら、おそらく10倍以上の値段だろう」

「ウイルスが拡大しているなか、マスクを盗む人はひどすぎる」

「1カ月前の中国のような……」

「かつては強盗がマスクをかけてお金を奪うが、現在はお金を持ってマスクを奪う時代のようだ」

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ダイヤモンド・プリンセス号に注目

中でも特に注目を集めたのは、2月19日にダイヤモンド・プリンセス号から約500人が下船したニュースです。

微博では、「鑽石公主号首批約500名乘客下船(ダイヤモンド・プリンセス号の約500人の乗客が下船)」とハッシュタグ付きで、数時間の間に、6千万のビューと1万以上のコメントが集まりました。

「運航会社が用意したバスや公共交通機関で帰途」などの報道に対し、SNSでは不安を覚える意見が寄せられました。

「公共交通機関?? 知らざる者は恐れず(何も分からない者は、何も恐れないですね)」

「下船してもしっかりと隔離したほうがいいですよ」

「このクルーズ船は恐怖です」

「海で隔離されたというより、海で相互伝染しているような気がします……」

「日本政府! 1ヶ月前の武漢市と湖北省政府の宿題を、そのまま写してはいけないよ」

動画の医師を「勇者」と称賛

また、感染症を専門とする岩田健太郎・神戸大教授が、大型クルーズ船のダイヤモンド・プリンセス号内の様子を語る動画は、中国でも大きな関心を集めました。

新型コロナウイルスの感染対策が不十分だと指摘する内容は、中国語の説明文、あるいは字幕が一部についた形で拡散しました。

岩田教授に対し、中国のSNSでは、「勇者だ」「事実を話すことは勇気が必要だ」と称賛の声が寄せられました。

中国のSNSでは、日本から送られている支援物資などに感謝を示し、日本での感染拡大を心配する声が投稿されています。日本から発信される新型コロナウイルスのニュースに関心を寄せながら、日本の無事を願う姿からは、発生源となった自分たちの経験をいかしてほしいという思いが伝わってきます。

新型肺炎、中国からの入国規制拡大 日本を入国制限する国も…

毎日新聞 2020年2月21日(金)16時01分配信

 新型コロナウイルスの感染による肺炎が拡大の一途をたどる中、自国への感染者流入を防ぐため、新型肺炎の「震源地」となった中国からの入国規制が広がっているほか、それ以外の感染者が出た国からも入国を制限する動きが出ている。世界保健機関(WHO)は11日に「国際的な人の移動や貿易の制限は勧めていない」との意見を公表しているが、人の移動を制限する措置は強化されているのが実情だ。

 中国国家移民管理局によると13日時点で、世界130カ国が中国人の入国停止や健康状況の申告義務づけなどの入国規制措置を実施。各国の報道などによると、米国やオーストラリア、シンガポールなどは自国民を除き、直近2週間以内に中国本土に滞在歴がある人については、原則として入国を拒否する措置を実施した。

 インドは中国のパスポート保持者と1月15日以降に中国本土を訪れた旅行者の入国を原則、拒否している。感染が集中する中国湖北省に滞在歴がある外国人の入国を受け入れない措置は、日本を含め韓国、マレーシアなども取っている。東欧のチェコは中国人旅行客向けのビザ(査証)発行を中止しており、同様の動きはロシアなどにも広がる。

 中国だけでなく、感染者の出ている国・地域に滞在した人の動きを制限する動きが出てきている。太平洋諸国など一部の国では、日本を含む新型コロナウイルスの感染が確認されている国・地域からの入国を制限。ミクロネシア連邦は3日から感染者が確認された全ての国・地域からの入国制限を開始。サモア政府も、日本やシンガポールを含む7カ国・地域から入国する場合、入国前の少なくとも2週間を感染者の出ていない国・地域で過ごし、渡航する3日前までに医師の診断を受ける必要があるとしている。

 外務省などによると、ミクロネシア連邦、ツバル、サモア、キリバス、コモロ、ソロモン諸島が日本からの入国を制限している。また、タイ保健省も17日に、日本からの渡航者に対し、空港での検疫を強化すると発表した。

 ただ、専門家の間では移動制限を行うことで、むしろ正確な情報が各国保健当局やWHOなどに入りにくくなるとの指摘もある。WHOのテドロス事務局長は3日、「全ての国に(疫学的な)根拠に基づいた決定を行うよう呼びかける」と述べた。また、現段階ではウイルスの拡散抑止に中国からの入国や輸入の禁止措置は必要ないとの認識も示した。

 ◇ 新型肺炎に関連した各国の入国制限措置

<アジア>

日本 14日以内に中国湖北省と浙江省の滞在歴がある外国人の入国不可

韓国 14日以内に湖北省への渡航歴がある外国人の入国不可

インドネシア 14日以内に中国への渡航歴がある外国人の入国不可

<欧州>

チェコ 中国籍へのビザ発給を停止

コソボ 中国籍の入国不可

<中東>

イラク 14日以内に中国への渡航歴がある外国人の入国不可、中国籍の入国不可

ヨルダン 14日以内に中国への渡航歴がある外国人の入国不可

<オセアニア>

オーストラリア 14日以内に中国への渡航歴がある外国人の入国不可

<アフリカ>

ソマリア 20日以内に中国への渡航歴がある人の入国不可

コモロ 14日以内に感染が発生した国に渡航歴がある人は発生していない国での14日間の検疫が必要

<米州>

米国 14日以内に中国への渡航歴がある外国人は入国不可

パラグアイ 中国籍への発行済みビザは無効

グアテマラ 15日以内に中国渡航歴がある外国人の入国不可

(各国の発表や報道による)

コウモリ由来のウイルスは駆逐困難か、タイでは排泄物が肥料に…

Bloomberg 2020年2月21日(金)16時38分配信

 タイの首都バンコクから西に約60マイル(約97キロ)離れたラチャブリ県では毎週土曜日の朝、コウモリが住む洞窟に10人余りの村人が入って行く。貴重なコウモリの排泄物をかき集めるためだ。

 彼らは3時間でバケツ500杯ほどの排泄物を集める。それらを肥料として近くの寺院に持って行けば7万5000バーツ(約27万円)強で売れる。わずか1キロで1日当たり最低賃金並みの稼ぎになる。

 アジアやミクロネシアでは、野生のコウモリの肉が市場で販売されたり、家庭で調理されたりすることもある。コウモリ肉の消費はまれで特定の地域社会に限られるが、他の哺乳類が比較的少ないインドネシアの一部地域や太平洋の島国パラオでは地元の珍味と考えられている。

 ニパウイルス感染症や重症急性呼吸器症候群(SARS)、そして今回の新型肺炎などコウモリ由来が疑われるウイルスに対する認識が高まるにつれ、人間とコウモリとの接触やその排泄物に厳しい監視の目が向けられている。

 デューク・シンガポール国立大学医科大学院で感染症プログラムの責任者を務めるリンファ・ワン氏は「コウモリは非常に多くのウイルスを運ぶことがわかっているため、理論上、コウモリに関する全てにウイルス感染の可能性が伴う」と指摘する。

 科学誌ネイチャーに2017年に掲載された疾病生態学者ピーター・ダシャック氏の調査報告によると、、哺乳類が感染するウイルスのうち、ヒトにも感染する恐れがあるウイルスを最も高い割合で持っているのがコウモリだ。

 タイで感染が35件報告された後も、洞窟でコウモリの排泄物を採取する人々にとって新型コロナウイルスは最大の懸念にはなっていない。

「われわれは長年、何世代にもわたりこうしてきた」とこのビジネスを管理するシンハー・シティクル氏は話す。

 コウモリはラチャブリ県では貴重な生物と受け止められている。肥料の原料になるだけではなく、授粉や害虫駆除の役割もあることから、コウモリの洞窟は保護され禁猟区域とされている。

 

2020年2月20日 (木)

【仮想通貨】<デジタル通貨戦争>各国中央銀行✍覇権争いの行方

日本人が知らない、スウェーデンの「デジタル通貨」のヤバすぎる実力

現代ビジネス 2020年2月20日(木)8時01分配信/砂川洋介(ジャーナリスト)

デジタル通貨「覇権争い」が始まった…!

 2020年は「中央銀行が発行するデジタル通貨元年」になるだろう。

 実際には、ビットコインが普及する前から各国中央銀行を中心にデジタル通貨に関する研究はスタートしており、実証実験を行うと「決定」している国も存在している。

 その目的は、自国通貨にペッグしたデジタル通貨を発行して関係諸国に流通させたり、新たな決済手段として用いることだったりする。基軸通貨ドルに対抗する手段にデジタル通貨を利用するなど、世界の覇権争いにも絡む思惑が、各国様々に存在しているのだ。

 本稿では主だった中央銀行のデジタル通貨に対する考えや取り組み状況を見ていこう。

 まずは、昨年から様々な話題を振りまいている中国の動向を確認しよう。

 2019年12月、中国人民銀行のデジタル通貨研究所長は、金融フォーラムにおいて「デジタル人民元は、投資商品のような使い道ではなく使用するために存在し、投資対象としてのイメージが先行しているビットコインとは根本的に違う」と述べている。

 「法定通貨に連動するステーブルコインとも異なる」とも述べていることから、デジタル人民元は暗号資産で最大の時価総額を誇るビットコインや、Facebookが発行を目指しているリブラのようなステーブルコインとも異なる方式であることが判明した。

 デジタル人民元は、2020年の早い段階で深圳と蘇州での運用が試験的に実施されると伝わっている。デジタル人民元発行の目的は、ビットコインやリブラへの対抗が分かりやすい説明となっているが、実際のところは「一帯一路」戦略の一つと考えることができる。

中国vs米国vs欧州

 一帯一路で出来上がりつつある巨大な市場にてデジタル人民元を流通させることができれば、デジタル人民元の一大流通市場が容易にできあがることとなる。

 このような中国の野望を警戒しているのが、既存の通貨を有する米国や欧州であることは明白だ。

 基軸通貨ドルをコントロールする米国政府のムニューシン米財務長官は昨年末、「今後、5年間は公的なデジタル通貨を発行しないだろう」と述べたと伝わっているが、パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル理事は「デジタル通貨について注目している」とも話していることから全く無視しているわけではない。

 一方、欧州のユーロ側は、今年1月に欧州中央銀行(ECB)が、日本銀行、イングランド銀行、カナダ銀行、スウェーデンのリクスバンク、スイス国民銀行、国際決済銀行(BIS)が参加するグループにて、各国・地域における中央銀行デジタル通貨の活用可能性の評価に関する知見を共有すると発表した。

 同グループは、「中央銀行デジタル通貨の活用のあり方、クロスボーダーの相互運用性を含む経済面、機能面、技術面での設計の選択肢を評価するとともに先端的な技術について知見を共有する」と説明している。

 ECBはすでに独自のデジタル通貨が実現した場合の解決策などを検討していたほか、イングランド銀行も以前からデジタル通貨への関心を高めていた背景がある。

 じつは、日本も出遅れているわけではない。

じつは「日本」もなかなかやる

 日本銀行は昨年、雨宮正佳副総裁が、デジタル通貨について近い将来に発行する計画はないとの従来見解を示しながらも、技術革新が急速に進むなか、発行の必要性が高まる可能性があるとの認識を示している。

 日銀は、ビットコインの価格が高騰し知名度が一気に高まる前の2016年、決済機構局内にFin Techセンターを設置した経緯がある。

 2018年9月に日銀が発表した「キャッシュレス決裁の現状」における生活意識アンケートによれば、日本での民間最終消費支出に占めるキャッシュレス決済の比率は約2割にとどまっている。アンケート回答者の約8割がキャッシュレス決裁を利用しているにもかかわらず、実際の最終消費支出の割合が2割にとどまっていることは、キャッシュレス決済を利用している人々も、用途に応じて現金決済を利用し続けていることを示している。

 現金つまり紙幣に対する信頼感が日本は非常に高いという考えもあるが、地方でキャッシュレス決裁ができないため、現金決済しかないというインフラ事情も影響している。

 同じく現金志向の強いドイツのバイトマン連銀総裁が、熟考せずに中央銀行がデジタル通貨を発行することを警告していることを考慮すると、現状の日銀のデジタル通貨への動きは「柔軟である」と評価することもできるだろう。

 とはいえ、ECBや英国の動きに日本も遅れてはならないといった構図はある。日本、イングランド、カナダ、スウェーデン、スイス国民銀行、国際決済銀行(BIS)の6カ国・地域の中央銀行のなかでは、目立っているのはスウェーデンのリクスバンクの動きだ。

スウェーデンの知られざる実力

 リクスバンクは2016年に、キャッシュレス社会を推進するため、法定通貨クローナのデジタル通貨である「eクローナ」の開発を検討し、翌年からそのプロジェクトに着手した。

 発行するかどうかの決定はまだ行っていないものの、2020年からは、コンサルティング大手のアクセンチュアと組んで、eクローナの試験運用を開始する方針であることを発表している。

 アクセンチュアは幅広いモバイル・プラットフォームでの用途など、eクローナの消費者向け機能を構築し、模擬店舗を使ったテスト環境で運用するとのことだ。試験運用が噂されるデジタル人民元と比較すると、eクローナは既に試験運用を行う方針を明らかにしている分、中国より一歩先を進んでいるとの見方もできよう。

 2020年の年末までこの試験運用を続け、最短では2021年にeクローナを発行する可能性も考えられるとのことだ。

 リクスバンクが2019年に公表した調査によると、2018年時点で現金を使用したスウェーデン人の比率はわずか13%と、2010年時点の39%から大幅に低下している。

米中欧のデジタル覇権争いが始まった

 正直、中央銀行がデジタル通貨を発行することで、ビットコインを筆頭とした暗号資産の価値が高まるかは微妙なところだ。

 そもそもデジタル通貨は、既存の自国通貨の利便性を高めるために発行し、自国通貨の経済圏を狭まることを防ぐといった意味合いが大きいと考える。つまり通貨の覇権争いの新たなステージといったところだ。

 デジタル人民元の試験運用がいつからスタートするかに注目が集まっている一方、静観を貫いているFRB=米国が基軸通貨ドルを守るためにどのような手段を取るのかも関心を高めておきたい。

 こうした通貨の覇権争いは米中貿易戦争の行く末にも深く絡んでくるはずである。

新型肺炎💢感染拡大は「仮想通貨追い風になる」?

ForbesJAPAN 2020年2月18日(火)8時30分配信

アジアの仮想通貨市場は、今や世界の取引量の80%を占める。仮想通貨に特化した米国の大手投資会社であるパンテラ・キャピタルやパラダイム、ポリーチェーン・キャピタル、コインベース、ドラゴンフライは、拡大を続けるアジア市場に商機を見出し、香港に本拠を置く仮想通貨取引企業「Amber」に総額2800万ドル(約30億円)を出資したことが明らかになった。このラウンドでのAmberの評価額は1億ドルに達した。

Amberを創業したのは20代の若者5人で、そのうち4人は元モルガン・スタンレーのトレーダーだ。同社は、設立当初「Amber AI」という社名で、人工知能を使って中国の株式や債券を取引きしていた。しかし、彼らは仮想通貨の価格が取引所ごとに大きく異なることに気付き、アービトラージ(裁定取引)で儲けるために2017年の夏に仮想通貨取引に事業を転換した。

当時は今より価格差が大きく、例えばある取引所でビットコインを7300ドルで購入し、すぐに別の取引所で7700ドルで販売し、5%の利益を得ることができたという。「かつて扱っていた社債では0.01%の差でも大きいため、最初は信じられなかった」とAmber のCFOを務める28歳のTiantian Kullanderは話す。

Kullander によると、2017年10月から12月の間に月間100~200%の利益を得たが、当時の運用資産は数百万ドルに過ぎなかったという。Amberは自己資金だけでなく、他の仮想通貨スタートアップの資金も運用して利益を稼いでいる。

多くの仮想通貨スタートアップはICO(イニシャル・コイン・オファリング)で数千万ドルを調達し、余剰のデジタル資産をAmberで運用している。Kullanderによると、2018年にビットコイン価格が70%下落して3800ドルになった際、Amberは500億ドルを運用して平均40%のリターンを得たという。

Amberは、18カ月前からテクノロジー企業への脱却を目指してきた。仮想通貨市場はまだ歴史が浅く、洗練された戦略を取りたいトレーダーが求めるツールが存在しない。

Amberは独自のソフトウェアを作成し、大手プロ投資家向けに取引きプラットフォームを作ろうとしている。同社は、10を超える取引所を繋ぎ、最も条件の良い取引所で顧客の注文を約定させている。今後は、融資やオプションなどのサービスを追加するほか、顧客がよりレバレッジを高めたり、予め設定した価格で資産を売買できる金融商品の提供を行う予定だという。Amberは、当初予定していた人工知能の活用が実現しなかったため、昨年社名から「AI」を削除した。

Amberの売上高と純利益率

純利益率は50%以上

Kullanderによると、同社の2019年の売上高は1000万から2000万ドルの間で、純利益率は50%を超えるという。2020年には売上高を倍増させる計画だ。

Amberの現在の従業員数は105名だ。同社が香港を拠点とする上で大きな利点が2つある。1つは、シンガポールの「Binance」や北京の「Huobi」、香港の仮想通貨デリバティブ取引所「BitMEX」など世界最大規模の取引所がすぐ近くにあるため、良好な関係を築いてテクノロジーを統合しやすいことだ。

もう1つは、香港の仮想通貨規制が米国に比べて緩いことだ。米国では、SEC(証券取引委員会)が一部の仮想通貨を「未登録有価証券」と見なしており、先行きが不透明だ。一方、香港では2018年に証券先物事務監察委員会が「仮想通貨は有価証券に該当しない」と宣言し、投資家はより安心して仮想通貨を購入できるようになった。

現在、Amberの顧客は、30カ所の取引所で700以上の仮想通貨を取引きすることができる。同社の顧客の80%はアジアに拠点を置いている。これに対し、米国最大の取引所であるコインベースでは、取引きできる仮想通貨の種類は30に満たない。

Kullanderの規制に対する考え方は、米国の起業家や投資家に比べてリベラルだ。かつて、仮想通貨スタートアップ「Origin X Capital」の幹部は、Amberが売買双方の当事者となる仮想売買を行い、特定の仮想通貨の人気が高まっているように見せかけたとして同社を非難したことがあった。

感染拡大は仮想通貨ビジネスに追い風

これに対し、Kullanderは仮想売買を一度もしたことがないと否定しつつも、「仮想売買が悪だとは思わない。従来の金融商品では仮想取引きは違法だが、仮想通貨の世界では注目を集めるために行われている」と述べている。

「我々は、規制に対して反対でもなければ、賛成でもない。規制よりも重要なのは、社会的な信用を得ることだ。正しいことをしていれば何も心配することはない」とKullanderは話す。これまでのところ、同社の戦略は当たっているように見える。規制の抜け穴を突くことで有名なBinanceも順調に事業を拡大している。

現状、アジアに本拠を置くリスクの1つがコロナウィルスの感染拡大だ。Amberでは、全従業員が在宅勤務となっている。「顧客を訪問するばかりが仕事ではない」とKullanderは述べ、コミュニケーション効率が多少落ちても業績への悪影響はほとんどないという。

「仮想通貨ビジネスの良い点は、年中無休で市場にアクセスできることだ。感染拡大を受けて家で退屈に過ごしている人が増加したため、仮想通貨取引きは停滞するどころかますます活況だ」と彼は語った。

関連エントリ 2019/02/19 ⇒ 【新型肺炎】東京マラソン強行<一般参加者✍出走禁止>沿道の観戦自粛へ
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2020年2月19日 (水)

【新型肺炎】東京マラソン強行<一般参加者✍出走禁止>沿道の観戦自粛へ

新型肺炎💣感染拡大の影響で規模縮小開催💨東京マラソンへ アジア王者・井上大仁「がっかりさせない」

毎日新聞 2020年2月19日(水)14時03分配信

 東京五輪の男子マラソン代表選考会を兼ねた東京マラソン(3月1日)に出場する2018年アジア大会金メダリスト、井上大仁(ひろと)(MHPS)が19日、長崎市内で取材に応じ「日本記録を目標として、優勝争いに絡んでいければと思う」と抱負を述べた。

 大会には約3万8000人が出場予定だったが、新型コロナウイルスによる肺炎の感染拡大を受けて一般参加者の出場が取りやめになった。エリート選手のみ200人規模の出場となる見通しで、井上は「すごく大変なことになっているんだと感じる。楽しみにされていた方がいる中で出させてもらうことをしっかり受け止めてレースをしないといけないと思う。自分たちも体調を崩さないようにして、そういうところでがっかりさせないようにしたい」と述べた。

 日本歴代5位の2時間6分54秒の自己記録を持つ27歳の井上。同じく今大会に出場する大迫傑(ナイキ)の日本記録2時間5分50秒を上回る2時間5分49秒以内で日本選手最上位になれば、五輪代表3枠目の有力候補になる。

一般参加者返金ナシ」で波紋…東京マラソン財団の懐事情

日刊ゲンダイDIGITAL 2020年2月19日(水)12時00分配信

「ハイ、そうですか」と言えるほど安い金額ではない。

 3万8000人が出場を予定していた3月1日の東京マラソンは、新型コロナウイルスによる肺炎の感染拡大を受けて、一般参加者の出場を取りやめた。大会は東京五輪代表選考会を兼ねているため、主催の東京マラソン財団はエリート選手のみで実施するという。

 一方で、ランナーの参加料(フルマラソン国内1万6200円、海外1万8200円)は返金されず、来年の出走権が与えられることになったのだが、再度、参加料が必要になる。

 新型コロナウイルスの感染者は日に日に増えている。スタートしても、すし詰め状態の大会だ。「中止は英断」との声は多い。

 一方で抽選倍率11倍以上の「難関レース」に当たった市民ランナーたちの「走れないなら参加料は返してほしい」という声も理解できる。

収益の柱

「その通りですが……」と主要マラソン大会の関係者がこう語る。

「東京マラソンは4万人近いランナーが参加する世界屈指の大会です。準備する側はそれこそ1年がかりで取り組む。警備計画の作成、警察や消防、鉄道会社などとの連携だけでも大変です。ボランティアには危機管理の講習会を行い、救護体制もしっかりしている。財団は東京マラソン以外にもトライアルハーフマラソンやリレーハーフマラソンなどのイベントもやっている。当然、もろもろの仕事をこなす職員がいるわけで、給料を支払わなければならない。事務所の家賃や光熱費、イベントの広告費もある。財団は利益を追求する団体ではありませんが、マラソン大会の参加料は企業協賛金とともに収益の柱。エントリー規約にあるように、積雪や大地震、落雷、竜巻、コース周辺の火事などによりコースが通行不能になるなどの理由がなければ参加料を返金することはありません」

 2020大会の「一般財団法人東京マラソン財団事業計画及び予算書」によれば、今回の参加料収益は昨年より5400円増額(10キロ除く)したので1億9030万3000円増の6億7260万円。協賛金収益は同1億4137万円増の26億5205万円。財団職員(34人=都からの派遣職員4人を含む)の給料手当は同3650万円増の1億7350万円となっていた。

 新型コロナウイルスは天変地異ではないものの、緊急災害には違いない。走れないランナーたちが納得できないのはよくわかる。

コロナウイルスなのにマラソンなんて中国SNSで「心配の声」続出「武漢よりマズい」「正解捨てた」

withnews 2020年2月19日(水)7時00分配信

新型コロナウイルスの感染が広まる中、中国のSNSでは、週末に日本各地でマラソン大会が開催されたことが注目を集めました。武漢での経験から、「日本はこのままだったら、やばい」といった声も出ています。3月1日開催の東京マラソンでは、一般参加の中止が発表されたばかり。中国のSNSでは、日本の危機管理がどのように見えているのでしょうか。

「日本で50万人がマラソンに参加した」

2月17日に、「日本50万人参加馬拉松(日本で50万人がマラソンに参加した)」という言葉が中国版ツイッター微博にランクインしました。

2月16日の日曜日に日本各地でマラソン大会が開催され、多くの人が参加したことを伝える内容です。2.2億のページビューと1.8万のコメントを集めました。

3月1日に開催される東京マラソンでは一般参加者枠の取りやめが発表されましたが、2月15日と16日にあった熊本や京都などのマラソン大会は、マスク姿のランナーが姿が写真とともに拡散しました。

微博では、そんな日本の状況を心配する声が相次ぎました。

「日本の状況は、最初に新型コロナウィルスが発見されたときの武漢と同じだ」

「日本式の『万家宴』だ。日本はこのままだったら、やばい」

※「万家宴」は春節の前にたくさんの人が集まって食事をする行事。武漢では4万世帯を超える人たちが料理を持ち寄って集まったことで、感染拡大に拍車をかけたとされている。

「日本は中国のように『隔離』することは、ほぼ不可能。日本は高齢化社会ですし、本当に感染拡大したら、中国より大きな問題に発展するでしょう」

「マラソン? これは武漢よりもマズい。すでに完全に正解を捨てた感じ」

「日本はまだ新型コロナウイルスの強さを知らないようです」

「日本政府の気持ちも分かりますよ。今年はオリンピックもあるし、社会の安定を維持させたいし、経済も発展させたい……」

 在日華人たちが心配する「マスク」

中国では、日本は中国の次に感染者数が多い国として関心を集めています。感染者数、感染ルート、そしてダイヤモンド・プリンセス号(中国語:鑽石公主号)の検査結果などは、中国メディアも盛んに報道しています。

有名人が参加した聖火リレーの動画や、ドラッグストアの前に列を作ってマスクを買う日本の人々の写真なども微博に投稿されています。

中国版LINEの微信にある在日華人が参加するグループでも、新型コロナウイルスは話題になっています。

筆者が参加するグループでは、以下のような意見が投稿されました。

「(月曜日に通勤してみたら)駅員はみんなマスクしている。しかし乗客はまだ半分ぐらいはマスクをしていない」

「電車にマスクをしない人が多い。おそらくマスクを買えない人たちですね」

「電車にいると、周りは『人間』というより、ひとかたまり、ひとつの群れにように感じてしまいます(涙)」

「日本に長くいると、マスクはある意味でトイレットペーパーのような感覚で、家には備蓄があるはずですね。マスクをかけていない人たちは、普段から緊張感がないかもしれません……」

 電車の代わりに、電動スクーター? 

注目されているマラソンに関しても議論が交わされています。

「東京がすぐ武漢になるのではないか、心配です」

「来月の東京マラソンは参加者人数の縮小案を考えているようですね。東京都知事にとって試練の時が来ました」

そして、華人たちが一番、関心を持っているのは、出勤と子どもの勉強です。

「電車が一番危ない」

「電動スクーターを一緒に買いませんか」という提案には「電動スクーターは高速道路が走れない」という声も。

子どもをもつ母親からは「来週から子どもたちを学校に行かせないことも考えていますが、子どもは2人とも3月に卒業するので、できれば先生やお友達と一緒にいる時間を長くさせたい。かなり悩んでいます。今年の卒業式をどうすればよいのか、まだ分かりません」。

「政府がまだ『休校』のような話を全然していないし、政策があっても、公立学校にしか届かないでしょう……。政府も学校もまだ連絡がないので、保護者も自己判断がしづらいですね」

 SNSから伝わる「心配」と「応援」

中国では、国の「命令」で一斉に「在宅隔離」になり、会社も学校も「在宅形式」を取りましたが、日本で同じような対応がとりにくいのも事実です。

新型コロナウイルスを巡っては、日本から中国に支援物資が届けられたことが、ネット上で何度も話題になっています。

中国のSNSからは、日本の状況がわかった上で、「日本を応援したい」という気持ちと心配する声が伝わってきます。

一般中止の東京マラソン 財団が返金ナシに理解求める「費用の多くは準備段階で必要

デイリー 2020年2月19日(水)18時17分配信

 東京マラソン財団は19日までに財団のホームページに「参加料の仕組みについて」という文書を掲載。新型コロナウイルスによる肺炎の感染拡大により、一般参加が中止となったが、参加費(国内1万6200円、海外1万8200円)が返金されず、来年出場する場合は再び参加費が必要となることへの批判が巻き起こる中で、その理由を説明した。

 文書の中で財団は「一日にわたり東京の中心部において長時間にわたり主要道路を止め、ランニングイベントを実施するために、競技運営だけでなく、交通規制計画や警備安全対策、医療救護体制の構築、コース沿道対策などの事前準備に膨大な時間と労力を要します」と説明。18年大会の実績で運営に「約19・7億円の経費(EXPOや関連イベントは除く)。ランナー1人あたり約5万4800円」が掛かるとし、「この費用のうち多くの部分は準備段階に必要になる」「開催に向けた1年間の準備にかかるものも含め、多くの部分が大会開催の直前の段階で履行や制作済みである、もしくは発注や手配済みのものです」と、強調した。

 その上で「このため多くのマラソン大会では参加規約の中に、大会中止の場合にも参加料を返金しない旨を明記し、ランナーの皆さんに同意いただいており、東京マラソンにおいても、原則として参加料は返金しないこととしております」と、財団の対応への理解を求めた。

 文書に掲載されている1人当たりの費用換算は次のとおり

 競技・運営費 1万6970円(ナンバーカード、計測チップ作成、医薬品購入、給食物購入、道路占用・使用許可申請手続き、更衣施設借用など)

 設営関係費 1万3820円(運営、更衣テント、交通規制資機材など)

 警備・安全対策費 1万3360円(沿道警備員確保、監視カメラ設置、警備資機材レンタルなど)

 広報費 6860円(交通規制広報・チラシ、大会開催告知、大会プログラムなど)

 エントリー関連経費 3790円(エントリーシステム運用、参加案内など)


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2020年2月18日 (火)

【新型肺炎】可能性が指摘されている<エアロゾル感染>とは何か

新型コロナウイルスで可能性が指摘されたエアロゾル感染」とは?

日経グッデイ 2020年2月18日(火)10時48分配信/大西淳子(医療ジャーナリスト)

 2020年2月8日、上海市政府が開いた新型コロナウイルス(COVID-19)の感染予防と管理に関する記者会見で、上海市民政局副局長のZeng Qun(曽群)氏が、「このウイルスの感染は、主に直接伝播、エアロゾル伝播、および接触伝播によって広がっている」と述べました。突如として現れた「エアロゾル伝播(感染)」という耳慣れない言葉に、不安を覚えた人も多かったのではないでしょうか。実際、最も感染力の高い「空気感染」と同一のものととらえる人も少なくなかったようです。

中国CDCは「エアロゾルを介して伝染する証拠はない」との見解

 会見でZeng氏は、「エアロゾル伝播は、空気中でウイルスと液滴が混じって形成され、吸入すると感染が生じる状態」とし、「エアロゾルは長時間空気中に漂う」と説明しました。また、直接伝播は「目の前の人の咳やくしゃみを吸い込むことによる感染」、接触伝播は「ウイルスを含む飛沫に汚染された表面を触った手で、口や鼻、目を触ることによる感染」と解説しました(*1)。

 ちなみにZeng氏は、医師や研究者ではなく、社会福祉、公共政策などを専門としてきた人です。 

 しかしこの記者会見の翌日、中国疾病対策予防センター(CDC)が記者会見を開き、感染症を専門とする医師でWHO戦略諮問グループ(SAGE)のメンバーでもあるFeng Luzhao氏が、「新型ウイルスがエアロゾルを介して伝染するという証拠はない。このウイルスは主に接触感染と飛沫感染によって感染している」と述べ、前日の上海市政府の会見で述べられたエアロゾル感染の事実を否定しました。ただしFeng氏は、エアロゾル感染は、医療現場で気管挿管などの専門的な医療処置を行う場合など、特定の特殊な条件下で発生する場合があることを認めています(*2)。

*1 https://www.thepaper.cn/newsDetail_forward_5856308
*2 https://language.chinadaily.com.cn/a/202002/10/WS5e40c505a310128217276446.html

そもそも「エアロゾル」とは?

 そもそも「エアロゾル」とは何なのでしょうか? 日本エアロゾル学会(*3)は、以下のように解説しています。

 「気体中に浮遊する微小な液体または固体の粒子をエアロゾル(aerosol)といいます。エアロゾルは,その生成過程の違いから粉じん(dust)とかフューム(fume)、ミスト(mist)、ばいじん(smokedust)などと呼ばれ、また気象学的には、視程や色の違いなどから、霧(fog )、もや(mist )、煙霧(haze )、スモッグ(smog )などと呼ばれることもあります。エアロゾル粒子の性状は、粒径や化学組成、形状、光学的・電気的特性など多くの因子によって表され、きわめて複雑です。(中略)例えば粒径についていえば、分子やイオンとほぼ等しい0.001μm=1nm程度から花粉のような100μm程度まで約5桁にわたる広い範囲が対象となり(後略)」

 つまり、エアロゾルは、空気中に浮遊する、直径が0.001μmから100μmの粒子、ということになります。

*3 https://www.jaast.jp/hanashi/

エアロゾル感染の定義は世界的にもあいまい

 実は、今回真偽が問題になっているエアロゾル感染について、世界的に統一された定義は存在しません。日本では、感染症は「接触感染」、「飛沫感染」、「空気感染(飛沫核感染)」、「媒介物感染(水や食品、血液、虫などを媒介した感染)」という4通りの方法で広がると見なしており、エアロゾル感染は感染経路として定義されていません(*4)。

 日本において、飛沫感染と飛沫核感染は、粒子径が5μm以上か、5μm未満かで区別されています。飛沫から水分が蒸発したものを飛沫核と呼び、すぐに地面に落ちる飛沫とは異なり、空気中に長く浮遊して吸入した人を感染させる(空気感染)と考えられています(*5の図参照)。

 WHO(世界保健機関)も、ほぼ同様の定義を示しています(*6)。ここでは、

・Droplets(飛沫):Respiratory aerosols > 5 μm in diameter(呼吸性エアロゾルで、直径は5μm超)
・Droplet nuclei(飛沫核):Respiratory aerosols ≦ 5 μm in diameter(呼吸性エアロゾルで、直径は5μm以下)

 としており、直径5μm超か5μm以下かで両者を区別しています。ただし、WHOは飛沫も飛沫核もエアロゾルと認識しているようです。確かにこれら粒子はいずれも、サイズからいうとエアロゾルに該当します。

 また、WHOの定義が世界中で用いられているかと言えば、そうではありません。欧州の論文の一部は、飛沫を吸引性(inspirable)飛沫(直径10~100µm)と吸入性(respirable)飛沫(直径10 µm未満)に分け、「前者が気道上部の粘膜に付着して発生する感染を飛沫感染、後者が呼吸により気道に入るために生じる感染をエアロゾル感染(飛沫核感染とも呼ぶ)」、としています(*7、8)。

 つまり、空気中に存在する様々な直径の粒子が、サイズからいえばエアロゾルに該当し、飛沫も飛沫核も、エアロゾルと呼ばれることがあり、国際的には、飛沫感染と飛沫核感染の境界となる粒子径さえも統一されていない、ということになります。

 ただし、世界中で認識が一致しているのは、咳やくしゃみとともに放出される大きな粒子は、短い距離しか飛ばず、短時間で床に落ちるが、小さくなった粒子は長時間空気中に留まり続け、部屋中に広がって空気感染を引き起こす、という点です。

*4 http://amr.ncgm.go.jp/general/1-1-1.html
*5 http://www.showa-u.ac.jp/sch/pharm/frdi8b0000001sb0-att/a1437547184715.pdf
*6 https://www.who.int/csr/resources/publications/WHO_CDS_EPR_2007_6c.pdf
*7 https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC2894888/
*8 https://www.nature.com/articles/s41598-019-38825-y

新型コロナの飛沫核感染は未確認、感染経路はSARSと同じ?

 名称はどうあれ、中国CDCが述べているように、これまで、新型コロナウイルスの飛沫核感染、あるいはエアロゾル感染の発生は確認されていません。それでも、インフルエンザ予防策と同様、室内の換気は、感染リスクを減らすために役立つと考えられています(*9)。

 新型コロナウイルスが、人に感染する際に利用する受容体は、SARSコロナウイルスと同じであることが既に示されています。したがって、感染経路はSARSと同様である可能性が高いと考えられています。SARSの場合には「特別な条件下での空気感染なども完全に否定することはできませんが、可能性はかなり低いと考えられています」とされていました(*10)。

*9 http://idsc.tokyo-eiken.go.jp/assets/diseases/respiratory/ncov/disin.pdf
*10 http://idsc.nih.go.jp/disease/sars/QA/QAver2G002.html

医療現場ではエアロゾル感染のリスクが高い

 前述したように、医療現場では、気道吸引や気管内挿管、検体採取などの医療行為の最中に、さまざまな粒子径の飛沫が生じる可能性があります。したがって、新型コロナウイルスと闘う医療従事者は、医療行為の最中に発生する可能性のある、ウイルスを含んだエアロゾルの発生を想定して細心の注意を払っています(*11)。

 WHOが2013年に発表した「新型コロナウイルス感染症の疑い例と確定例に対する医療における感染予防と感染管理」(*12)には、「エアロゾル発生手技とは5μmより小さい粒子を含むさまざまなサイズのエアロゾルが発生する全ての手技と定義される。現在のエビデンス、なかでも最良のエビデンスはSARSコロナウイルス感染症の研究から得られたものだが、気管内挿管によって病原体が伝播していることについては一貫性があることを示している」とあり、医療従事者はそうした場面でN95マスクを含めた対応をしています。

*11 https://www.niid.go.jp/niid/images/epi/corona/2019nCoV-01-200210.pdf
*12 http://www.kansensho.or.jp/uploads/files/topics/1305_coronavirus_who_j.pdf

患者の嘔吐と下痢の際のエアロゾル発生には注意が必要

 私たちの日常生活においても、ウイルスを含むさまざまな粒子径のエアロゾルが発生する危険性がある場面が2つあります。それは、新型コロナウイルス感染患者が嘔吐した場合と、下痢をしている場合です。嘔吐物、便にコロナウイルスが含まれている可能性は高いです。

 嘔吐物の処理は、ノロウイルス感染者が嘔吐した場合と同様に行う必要があります。

 また、患者が排便後に、便器に蓋をかぶせずに流すと、ウイルスを含むエアロゾルが舞い上がり、しばらく空気中に漂う可能性があります(*13)。もし、洗面台も同じ空間にあるなら、歯ブラシやうがい用のコップに付着する可能性さえあります。

 トイレを含む家庭内や施設内の消毒方法については、東京都健康安全研究センター(*14)などのページを参考にしてください。

*13 https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4692156/
*14 http://idsc.tokyo-eiken.go.jp/assets/diseases/respiratory/ncov/disin.pdf

日本でエアロゾル感染する病気といえば「レジオネラ症」

 ちなみに、日本でエアロゾル感染する病気といえば「レジオネラ症」が有名です。温泉施設などでの「レジオネラ症」の患者発生に関するニュースを耳にしたことがある人も多いと思います。レジオネラ症は、河川、湖水、温泉や土壌などに生息しているレジオネラ属菌による細菌感染症で、重症の肺炎(レジオネラ肺炎)を引き起こすことがあります。

 厚生労働省のサイト(*15)では、以下のように説明しています。

レジオネラ症は、主にレジオネラ属菌に汚染されたエアロゾル(細かい霧やしぶき)の吸入などによって、細菌が感染して発症します。レジオネラ属菌はヒトからヒトへ感染することはありません。1.エアロゾル感染 レジオネラ属菌に汚染されたエアロゾルを吸入することによって感染します。代表的なエアロゾル感染源としては、冷却塔水、加湿器や循環式浴槽などが報告されています。

 レジオネラ症の病原体はレジオネラ属の細菌で、ウイルスではありません。肺の奥の肺胞までこの細菌が達した場合に、肺炎を引き起こすため、エアロゾルの直径がおおよそ5µm以下になると感染すると考えられています(*16)。

 上記の厚生労働省のサイトでは、感染予防策として「超音波振動などの加湿器を使用するときには、毎日水を入れ替えて容器を洗浄しましょう」と述べています。

*15 https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_00393.html
*16 https://www.jstage.jst.go.jp/article/naika1913/86/11/86_11_2039/_pdf

手洗いや消毒に加え、換気にも注意が必要

 新型コロナウイルス感染症は、現時点では先が見えないために、SNSでは、悲観的な情報ばかりが大きく取り上げられる状況になっています。しかし、不確かな情報にあわてることなく、持病があればしっかり治療をし、免疫力を落とさないよう健康的な生活を続けながら、感染する可能性がある場面をできるだけ避け、正しく予防することが大切です。今回のエアロゾル感染に関する報道は、インフルエンザ予防策のひとつとして換気が大切だったことを思い出させてくれました。これまでの手洗いや消毒に加えて、換気も適切に実施していくことが大切です。

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抗ウイルス薬、サルでMERS予防&治療効果 COVID-19にも使える可能性

時事通信 2020年2月18日(火)14時08分配信

 米国立アレルギー・感染症研究所の研究チームは18日までに、開発段階の抗ウイルス薬「レムデシビル」をサルに投与する実験で、中東呼吸器症候群(MERS)の予防・治療効果があったと米科学アカデミー紀要電子版に発表した。患者を対象とする臨床試験に進むことができるという。

 レムデシビルは米製薬会社ギリアド・サイエンシズが開発し、エボラ出血熱患者への投与では安全性やある程度の治療効果が示されている。研究チームはさらに、レムデシビルがMERSコロナウイルスに近い新型コロナウイルス感染の治療にも使える可能性を指摘した。

 中国科学院武漢ウイルス研究所のチームはサルや人の培養細胞を使った実験で、レムデシビルが新型コロナウイルスの感染を阻害したと4日付の科学誌「セル・リサーチ」電子版に発表。中国では6日から重症患者を対象とする臨床試験が始まった。

 米国立アレルギー・感染症研究所チームの実験では、アカゲザル6匹にレムデシビルをあらかじめ投与し、24時間後にMERSコロナウイルスに感染させてからも毎日投与したところ、息切れや呼吸困難などの症状が出なかった。別の6匹をウイルスに感染させ、12時間後からレムデシビルを毎日投与する実験では治療効果が見られた。 

「飛行機も安全ではなかった」新型肺炎、帰国者に想定外の感染者

時事通信 2020年2月18日(火)14時30分配信

 新型コロナウイルスの集団感染が発生したクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」から米政府のチャーター機で退避した米国人らの帰国は、米各メディアも関心を持って取り上げた。

 帰国者の一部に感染者が含まれていたため、ニューヨーク・タイムズ(電子版)は見出しで「感染船を脱出したが、帰国のフライトも安全ではなかった」と伝えている。

 米政府は当初、感染者はチャーター機に乗せない方針だった。しかし、乗客らが下船し搭乗機に向かうバスに乗った際に、帰国予定者のうち14人にウイルスの陽性反応が出たことが判明。米政府は14人の帰国を認めた。

 同紙によると、感染者は機内の後方に座り、高さ約3メートルのプラスチックのシートで他の乗客と区切られた。チャーター機に乗った女性は同紙に「(帰国者に感染者がいることを)上空に至るまで知らなかった」と説明。

 同紙は「(帰国者は)12日間船に閉じ込められた後、必死に避けてきた病原体の保有者と飛行機を共有することになった」と報じた。帰国者は米国でも14日間の隔離措置が取られる。

 米国に帰国せず船にとどまった男性はFOXニュースに「残って良かった」と話していた。 

 

2020年2月17日 (月)

【日経平均】3日続落<GDP下振れ✍材料交錯で軟調>経済活動の鈍化懸念

黒田日銀総裁「世界経済に下方リスク大」新型肺炎、3経路から日本へ波及懸念

産経新聞 2020年2月17日(月)17時01分配信

 日本銀行の黒田東彦総裁は産経新聞との単独インタビューで、新型コロナウイルスの感染拡大などで世界経済は「下方リスクが大きい」と強調した。感染拡大の日本経済への波及経路として、中国向け輸出、サプライチェーン(供給網)、訪日中国人の動向の3つをあげて懸念を示した。黒田総裁は「実体経済への影響を注視する」と述べたが、問題が長期化すれば日本経済に大きな逆風となる。

 昨年10~12月期の実質国内総生産(GDP)は消費税増税や自然災害の影響などで、5四半期ぶりのマイナスになった。それでも黒田総裁は、堅調な雇用や消費動向などをあげ、「今年の成長率は順調な1%程度ではないか」と指摘。世界経済についても、米中貿易協議の第1段階の合意や、英国の欧州連合(EU)からの合意なき離脱の回避、半導体などIT関連の景気循環の好転などをあげ、「少し良くなったと思っていた」と説明した。

 だが、そこにリスク要因として突然浮上したのが、新型コロナウイルスの感染拡大だ。中国や世界経済が低迷すれば対中国輸出や国内設備投資の減少が見込まれ、中国からの部品供給の停滞は国内生産にも影響する。訪日中国人の支出減少もマイナスだ。市場の一部では、すでに今年1~3月期の実質GDPもマイナス成長が予想されている。

 焦点は、黒田総裁が指摘するように感染拡大が「どこで峠を越えるか」だ。

 大和総研によれば、感染拡大が3カ月程度で収束する標準的なシナリオでは、実質GDPを押し下げる効果は年0・2%程度にとどまる。滞っていた生産や設備投資が、収束以降に増えるとみられ、影響は軽微にとどまるとの見方だ。これに対し感染拡大が1年以上続くシナリオでは、GDPの押し下げ効果が1%以上に達すると試算する。

 黒田総裁は現時点で「成長率が大きく落ちる可能性は少ない」と説明し、追加的な金融緩和策について「今の時点でそういう状況には至っていない」と指摘した。だが、感染拡大が想定以上に深刻化すれば、追加的な金融緩和策を求められる場面も出てきそうだ。

日本経済リセッション入りか、GDP2期連続マイナス

時事通信 2020年2月18日(火)7時14分配信

 2019年10~12月期の実質GDP(国内総生産)は前期比1.6%減と5四半期ぶりにマイナスとなった。

 今年1~3月期は拡大を続ける新型肺炎が新たな下押し要因となり、先行き懸念は増すばかり。2四半期連続のマイナス成長となれば、国際的には「テクニカル・リセッション(技術的な景気後退)」と定義される。戦後最長と言われる第2次安倍政権発足時からの景気拡大は風前のともしびだ。

 GDPの大幅マイナスを受けて、17日に記者会見した西村康稔経済財政担当相は「本来であれば緩やかな回復が続くはずだった」と指摘。政府の経済対策により1~3月期から景気回復が進むという見通しが、新型肺炎の影響で狂ったとの認識を示した。

 ニッセイ基礎研究所の斎藤太郎経済調査部長は1~3月期の実質GDPについて、中国からの訪日客数や同国向け輸出の減少により、年率換算で1.6%下押しされると予想。産業界からは「部品供給網(サプライチェーン)に影響が出てくる」(宮本勝弘日本製鉄副社長)などと新型肺炎の影響を懸念する声が多く聞かれた。

 新型肺炎をめぐっては、02~03年に拡大した重症急性呼吸器症候群(SARS)が夏には収まった事例を念頭に、4~6月期までの事態終息を期待する声もある。だが、その通りになる保証はなく、黒田東彦日銀総裁は当時と比べて大きくなった中国経済を踏まえ、「影響が大きくなる可能性も意識する必要がある」と警鐘を鳴らしている。

 新型肺炎の拡大が止まらず経済への影響が長期化した場合、政府・日銀に対して、景気を下支えする政策対応を求める声が強まるのは必至だ。

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ゴーン容疑者逃亡先レバノンヤバすぎる現状

東洋経済オンライン 2020年1月17日(月)5時25分配信

 カルロス・ゴーン元日産会長が、自らの「母国」に逃亡してから約2カ月。ゴーンは、2022年ごろ引退した後、コンサルタントとして世界中の裕福な顧客を相手に商売する未来を思い描いていたが、そううまくいきそうもない。それどころか、実際には四国の半分程度の大きさしかない国を出られないまま一生を終える可能性もある。(レジス・アルノー :『フランス・ジャポン・エコー』編集長、仏フィガロ東京特派員)

 しかも、目下レバノンはまさに崖っぷち状態にある。レバノンに住むエコノミストで弁護士のカリム・ダーハーに言わせると、「デフォルトまで秒読み状態」だ。レバノンは3月9日までに返済期限を迎える債務12億ドルを抱えており、目下の焦点は求められている利息を無事に返済できるかどうか。大手格付機関は債務不履行の可能性も鑑みて、相次いでレバノンの国債格付けを引き下げている。

 一部ではロシアによる救済も取り沙汰されているが、レバノンの有力シンクタンクの1つクルナ・イラダは、レバノンの財政はもはや壊滅的で一刻も早く債務不履行を経て、一大リストラを敢行しなければいけない状況にある、と訴えている。

 「多くのエコノミストは口をそろえて、レバノンの現在の状況は過去に債務不履行に陥ったアルゼンチンやギリシャ、アイスランドなどと比べてもはるかにひどいと言っている」と、レバノンの有力シンクタンク、クルナ・イラダのポリシーディレクター、シビル・リスク氏は話す。

「この国は今すぐにも債務不履行に陥るかもしれないうえ、ベネズエラのように貨幣価値が急落してハイパーインフレに襲われ、失業者があふれ、預金封鎖に至るかもしれない」。

 「いずれにせよレバノンは、年内に債務の金利40億ドルを支払わなければならないのに、ドル建ての外貨準備高は100億ドルしかない。この外貨準備はレバノンの生命線だ。レバノンは製造業も輸出も盛んでない一方、輸入額は大きい。ドルが底をつけば、即座に食料や衣料品が不足することになる」(リスク氏)

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かつては「中東のパリ」と呼ばれたが…

 「中東のパリ」と呼ばれるレバノンはかつて活気にあふれていた。が、いまでは人々が夜な夜な集まったクラブやレストランには誰もいない。昼間にもかかわらず、通りにも人はまばらだ。国立競技場を当初デザインしたザハ・ハディット氏がデザインした高級ショッピングモールにいたっては恐ろしいほどガラガラである。

 長年の失策と縁故主義による癒着もあり、公的債務額はGDPの152%に上るなど、レバノン経済は厳しい状況にある。カーネギー研究所の最近の調査によると、レバノンの人口の40%以上が間もなく貧困ラインを下回り、多くの人が中流階級から転落する可能性があるという。ダーハーによると、「法学生の40%が今年授業料を支払うことができない状態」だ。

 レバノン人のディアスポラはかつて、海外で稼いだお金をレバノンに送金した。外国人投資家は、レバノン中央銀行が提示する非常に高い金利や、ベイルートで加熱する不動産市場における不動産価格の上昇を享受することができた。

 しかし現在、こうしてレバノン経済を「支援」してきた人たちが次々と、自らのドルを引き出している。国の経済状態、シリアの内戦の影響、イランとアメリカとの間の戦争のリスクを恐れ、海外に住んでいるレバノン人は自らのドルは母国ではもはや安全ではないと考えているのだ。そのため、国の外貨準備は縮小している。

 レバノン・リラも急落している。銀行は1500レバノン・リラを1ドルで両替しているが、街の両替商のレートは2300レバノン・リラで1ドルだ。ドルが非常に不足しており、ほとんどの銀行は1週間の引き出し上限を200ドルに制限している。

 こうした行為は、財産権の侵害にあたる。「銀行がやっていることは違法だ。第一に、裁判所はレバノンの人々が預けたドルを返還するように銀行に命じることができる。そうなると、銀行は破綻を余儀なくされる。しかし、裁判所はそうしない。これによって銀行ではなく、人々が破産に追い込まれている」と、アラブ経済学者協会の会長サミル・アイタは説明する。

 他国政府や金融機関は、NGOトランスペアレンシー・インターナショナルによる腐敗指数で138位のレバノンを財政的に支援することにうんざりしている。

 「レバノンの政治家がプライベートジェットでパリに到着後、経済的支援を求めるのを見ると、少しうんざりする」とそっけなくコメントするのは、フランスとレバノンの外交関係者であるフランスの官僚だ。

 レバノン政府は昨年9月30日、ドルでの輸入を石油、小麦、医薬品に制限することを決定した。これは、国が現在輸入する品目を必需品に制限しているからであり、必需品以外は輸入できないことを意味する。車を輸入するだけでも困難になっている。

 レバノンが経済的地獄へと転落したことは、同国の銀行システムを使用して必需品を輸入してきた隣国のシリアの状況が劇的に変化していることも意味する。「シリアでは間もなく飢餓も起こるかもしれない」と、アイタは警告する。

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国民にとってゴーンは「腐敗の象徴」

 経済の急速な悪化は、レバノン人にとって恐ろしいものだ。レバノン人は、歴史上何度も極度の貧困に苦しんできた。20世紀初頭にゴーンの祖父であるビシャラ・ゴーンがブラジルに逃亡せざるをえなくなったのも貧困が原因だ。ベイルートから車で30分のところにある彼の出身地、マウント・レバノンは、これまで人類史上最悪の飢餓の1つを経験している。

 1975年に内戦に入ったとき、レバノンは再び困窮した。当時、ゴーンは21歳。「1975年の内戦は基本的に、非常に裕福なキリスト教徒と、パレスチナ人を含む非常に貧しいアラブ人との間の格差が原因で起こった。若く裕福な私の元妻が馬に乗っていると、彼女が馬に与えようとしている砂糖を掴み取ろうと子供たちが彼女に向かって走ってきたそうだ」と、アイタは打ち明ける。

 当時も今も、ゴーンの出身地である裕福なマロナイト派キリスト教徒の社会と、貧しいイスラム教徒のアラブ社会の間には、同じ敵意が深く横たわっている。「口座保有者の1%がレバノンの預金の60%を保有している」と、アイタは主張する。

 レバノンでは、人口約600万人に対し、受け入れた難民の数は100万人以上に上る。こうした中、ゴーンはエリート層の腐敗の象徴と目されている。彼が住む家から800メートル離れた殉教者広場に集まるデモ隊は、ゴーンについて意見を求められると、「彼は泥棒だ」と答える。ゴーンが“余生”を送ることになったレバノンは、ゴーン同様これから何が起こるかわからない。

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2020年2月16日 (日)

【耳学】本を読んでも「理解できない」人は・・・・

んでも📖理解できない典型的パターン

東洋経済オンライン 2020年2月12日(水)8時01分配信/尾藤 克之(著述家)

 「本は最初から最後まで全部読むべきでしょうか?」。

 現在、私はコラムニストとして、多くのニュースサイトに記事を投稿していますが、得意とするジャンルの一つが書評記事のため、このような質問をいただくことがあります。

拙著『頭がいい人の読書術』でも詳しく解説していますが、結論から言うと、つまらなかったら、途中で読むのをやめてもいいのです。読書は楽しむものです。つまらない本を読む時間は極力減らし、あなたが楽しむことができる本を読むことをおすすめします。

 ビジネス書や実用書は、多くの場合、キラーコンテンツ(著者にとって、最も伝えたいこと)を、最初に持ってくる傾向が強いです。つまり、第1章を読めば、おおむね、その本のクオリティや、内容、著者の主張は理解できることになります。逆に第1章を読んでつまらない本は、そのあとの章もつまらないことが多いのです。

 また、ビジネス書や実用書の場合、「はじめに」「おわりに」「第1章」を読めば、内容の7割はつかめることがほとんどです。「はじめに」「おわりに」「第1章」を読んだ時点で、興味や楽しみ、必要性を感じなければ、途中で読むのをやめてしまってもかまわないと思います。最後まで読むと時間のムダになることが多いからです。

理解できないとアウトプットできない

 読書はアウトプットできるようになってはじめて、完結します。アウトプットできるようになるためには、本の内容を理解することが必要です。では、本の内容を理解するためにはどうしたらいいのか。その前に、なぜ本を読んでも理解できないことがあるのでしょうか。本を読んでも理解できない理由は、次の3つのことが考えられます。

 1つめは、読書のスキルが確立されていないことです。読書には、スキルがあります。そのスキルのひとつが、最近流行っているメモ術です。メモのとり方ひとつで本を読むときの理解力と記憶力が大きく変わります。

 2つめは、読む本が、自分の理解力を上回った場合です。自分の理解力以上の、リテラシーが必要とされる本に挑戦することは悪いことではありません。しかし、自分の理解力より、はるかに高い本を読むことは、初心者のうちはおすすめしません。

 英検4級の人が、英検3級の本を理解することは可能でしょうが、いきなり英検1級の本を理解しようとしても無理が生じるでしょう。早々と挫折して英語が嫌いになるかもしれません。もちろん、高いレベルにチャレンジすることは否定しませんが、少しずつ階段を上っていったほうが楽しく読書に取り組むことができるでしょう。

 私の場合は、読んだ本を記事やニュースとして紹介しています。ジャーナリズム記事などを書く場合は、ノートをとりながら読書をしていますが、ノートをとりながら読書をすると理解力が深まることがあります。

 本から情報を吸い上げて活かしていくには相応の時間が必要です。本を読む人には即効性を求める人が多いですが、なかなか手応えを感じられなくても、焦らずに根気よく継続することが大切です。

 3つめは、本そのもののクオリティが低い場合です。あまたある本のなかには、残念ながら、ありきたりのエッセイを寄せ集めた本、テーマがはっきりせずに軸が定まっていない本が少なからず存在します。こういう本は読んでも印象に残りません。印象に残りませんから、記憶に定着することもありません。記憶に定着しませんから、もちろん、アウトプットすることもできないでしょう。

 あなたの大切な時間をムダにしないためにも、読書する前の段階で、どの本を読むか、選ぶ必要があります。どの本を読むか選ぶ方法はいくつかありますが、書店さんに行って、実際に手に取ることをおすすめします。書店員さんに聞くのもいいでしょう。

 本当に本が好きで、そのジャンルに精通している書店員さんが見つかれば、あなたの強い味方になります。なかには、識者よりも専門性が高い書店員さんがいる場合もあります。書店さんの売り場には世相が反映されています。売り場を見てまわるだけでも有益なインプットになります。

インプット&アウトプットの繰り返しで成長できる

 本をたくさん読むことで、インプット量は圧倒的に増えます。それと同時に、意識的にアウトプットすることをおすすめします。読んだ本をアウトプットできるようになることで、あなたは、飛躍的な自己成長を実感できるようになるはずです。

 もちろん、本を読み、さまざまな情報をインプットするだけでも、楽しいですし、成長を実感することはできます。しかし、インプットばかりで、アウトプットが増えていかないと、現実的な変化は起こりにくいかもしれません。本を100冊読んだとしても、まったくアウトプットしなければ、現実の世界はなかなか変わっていかないでしょう。

 アウトプットとは、「情報発信」であり、「行動」です。大前提は「読書を楽しむ」ことですが、それと同時に、あなたが少しでも「成長」するために、本を読んだあとは、アウトプットすることをおすすめします。ぜひインプット&アウトプットのサイクルをまわしていきましょう。

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野村克也さん死去、追いやった冬の風呂急激な老化妻との死別

日刊ゲンダイDIGITAL 2020年2月15日(土)9時26分配信

 プロ野球で万年Bクラスのヤクルトを3度日本一に導いた元監督の野村克也さん(84)が亡くなった。自宅の浴槽内でぐったりしているところを発見され、病院に搬送されたが助からなかった。死因は3年前に他界した妻の沙知代さんと同じ虚血性心不全だった。

 虚血性心不全とは心臓に酸素と栄養を送る冠動脈が狭くなって血液の供給不足が起こり(虚血)、心臓の働きが悪くなる病気だ。冠動脈が急に詰まる病気は心筋梗塞と呼ばれるが、虚血性心不全は、心筋梗塞と明確に特定できないものの、虚血により心臓の働きが悪くなる場合に付けられることが多い。

 実は野村さんのように浴室で倒れ、虚血性心不全などで急死する人は珍しくない。循環器内科が専門で平成横浜病院健診センター長の東丸貴信・東邦大学名誉教授が言う。

「冬は温かい居間から寒い脱衣所へ移動することで、血管が縮まり血圧が急上昇します。熱いお湯に漬かると、血圧がさらに上がります。お湯で温まると血管が広がり血圧が急に下がります。こうした心臓や血管への『ヒートショック』によるストレスが脳卒中や心筋梗塞のリスクを上げているのです」

 2015年の統計によると日本では入浴中の死亡が年間1万9000人ほどいて、交通事故の死者数の4倍以上に当たる。そのうち9割は65歳以上の高齢者だ。

「高齢者は糖尿病や高血圧などの持病により動脈硬化が進行して血管の柔軟性を失っているからです。それに拍車をかけているのが温度センサーの衰えです。多くの中高年はそれに気づいていません。夏に暑さに気づかずに熱中症になるのと同じで、冬の寒さを感じにくいために血管や心臓に負担をかけているのです」

 中には「寒さを感じないのは健康な証し」と勘違いする人もいる。しかし、本人が気づいていないだけで、血管や心臓に低温によるストレスをかけ続けている。

 気をつけたいのは老化は実は一気に進むことだ。昨年末、世界的な学術雑誌「ネイチャーメディスン」に掲載された論文によると、血液中の老化に関係するタンパク質量の増減から「34歳」「60歳」「78歳」に老化は急激に進むことが報告されている。

 しかも高齢者は一人暮らしが多い。内閣府の調査によると、17年には65歳以上の一人暮らしは627万4000人。13年後には795万9000人になると推計されている。妻や夫に先立たれているケースでは周りが気づかないうちに体に衝撃を受けているから要注意だ。

 妻に先立たれた夫のダメージは想像以上で、「何でオレなんかが生き残り、あいつが先に逝くんだ……」という絶望感にさいなまれる。妻との死別後、半年以内の死亡率が独身者に比べて40%も上昇。死別後1年でうつ病を発症する率は15%アップし、1年以内の自殺率も66倍に跳ね上がるというデータもある。

打ち勝つにはどうすれば?

 野村さんも3年前に妻の沙知代さんを亡くして以降は、見るからに元気を失っていたという。1月21日には金田正一さんの「お別れの会」に出席して「オレももう長くない」と漏らしており、寂寥感があったはずだ。

 孤独は複数の身体機能に影響を与えていて、肥満よりも死亡リスクが高いといわれている。慢性的な孤独は、代表的なストレスホルモンであるコルチゾールの増加に加え、血圧の上昇と重要臓器への血流を減らす恐れがあることがわかっている。また、孤独が白血球の生成にも影響を与えることが報告されており、免疫システムが弱くなり、感染症への抵抗力が低下することもわかっている。

「冬のお風呂場」「急激な老化」「孤独感」に打ち勝つにはどうしたらいいのか。

「冬のお風呂でヒートショックを起こさないためには、居間、脱衣所、お風呂での寒暖差をなくすことが大切です。脱衣所には小型の温風式の暖房器を入れ、お風呂のお湯はシャワーでためることで、蒸気により浴室を温めましょう。沸かし湯なら、ふたを外して沸かすといいでしょう。風呂場の床にスノコやマットを敷くのも手です」

 高齢者にはぬるめのお湯がよく、長風呂しないことが原則だが、50代くらいまでは熱いお風呂に入るのも手だ。一時的に熱ストレスを加えることで「ヒートショックプロテイン」というストレスから身を守るタンパク質が分泌される。

 入浴中は手すりや浴槽のふちを持ってゆっくり立ち上がる。急に立ち上がると体にかかる水圧がなくなった分、一気に血管が拡張し、脳への血流が減って貧血になり、転倒リスクが高まる。

 外出がおっくうになったら無理せず、貧乏ゆすりなどで体を動かすことだ。

 孤独解消で一番いいのは家族との同居。事情が許せばそれとなく話し合うべきだ。もちろん、友達づくりも必要で、周りにいなければ、ネットで探すのもよい。

「そんな心配は先のこと」なんて思っていても、不幸は待ってくれない。

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2020年2月15日 (土)

【新型肺炎】既に感染率6%超<停泊クルーズ船内✍集団感染>世界から心配される「日本」

WTO専門家「いま一番、世界が心配しているのが日本

読売新聞オンライン 2020年2月14日(金)12時29分配信

 新型コロナウイルスの感染が広がっている問題で、進藤奈邦子・世界保健機関(WHO)シニアアドバイザーは14日、横浜市で開かれた日本環境感染学会の緊急セミナーで講演した。中国では新たな感染者が減りつつあるとして、「今一番、世界中が心配しているのが日本だ。ここで頑張って食い止めてほしい」と述べ、感染拡大防止に全力で取り組むよう訴えた。

 進藤氏は新型コロナウイルスについて、「感染力は季節性インフルエンザよりも高いというデータがある。軽症者は発症から3日までがウイルスの排出量が多い」などと特徴を説明し、注意を促した。その上で、「日本でワクチンや治療薬の治験ができないはずがない。いいデータを出して世界に提供してほしい」と話した。

ホット💢スポットを作った」新型コロナ、日本政府の対応米メディアから批判相次ぐ

HUFFPOST 2020年2月15時(土)13時11分配信

新型コロナウイルスの集団感染が発生している大型クルーズ船ダイヤモンド・プリンセス号への日本政府の対応に、「感染拡大の第二の震源地を作った」などと海外メディアから批判が向けられている。

横浜港に停泊中のダイヤモンド・プリンセス号は乗員乗客3711人のうち、2月15日までに計218人の感染者が確認された。乗客のうち400人以上はアメリカ国籍といい、アメリカのメディアもこのニュースに注目している。

アメリカのTIMEは「乗員乗客の約6%が感染しているこのクルーズ船は、世界中のどこよりもコロナウイルスの感染率が高い」と指摘し、「現在の検疫手順が船内での感染拡大を防げていないばかりか、感染していない健康な乗客の感染リスクが高まる可能性もある」という感染症の専門家の言葉を紹介。

新たな感染を防ぐためには、「検査結果が陰性である人を下船させ、潜伏期間中は感染リスクの低い代替措置の下で経過を観察することが理想的」としている。

また、ダイヤモンド・プリンセス号の内部で起きていることは「私たちが何をすべきか、明確で明白な前例がない」として、「不完全な情報で最善を尽くしている可能性が高い」と懸念を示す公衆衛生の研究者の声も紹介した。

ABCニュースは「クルーズ船の検疫は、利益よりも害をもたらしているのではないかと疑問視する専門家もいる」と指摘。

専門家のコメントを引用し、「このように閉鎖された環境で感染拡大を防ぐための対策を続けるには、現在の検疫手順では不十分だ」として、「(感染者の)数が劇的に増加していることは、船内でウイルスが拡散し続けていることを意味している可能性があります。日本の港で感染の第2の震源地が作り出されている懸念がある」と伝えた。

また、ニューヨークタイムズは『乗客には多くの疑問がある。日本はほとんど回答がない』と題し、日本政府が情報発信に消極的だとして「新型コロナウイルスをめぐる状況を悪化させている」と批判する記事を公開。

危機管理の専門家の言葉を引用し、日本政府の対応を「公衆衛生の危機対応で『こうしてはいけません』という教科書の見本のような対応」と評した。

高齢の乗客の下船についても報道が先行した際にも「政府はコメントを拒否した」となどと指摘。「日本の当局は、見通しがないまま疫学的な課題にあたっているため、自分たちの考えていることを十分に説明できていない。日本政府の広報戦略に対する信頼は損なわれ、噂や憶測が広がっている」と批判する評論家の言葉を紹介している。

中共一党独裁の病巣が、感染拡大を助長する

Newsweek日本版 2020年2月15日(土)15時22分配信

17年前のSARS危機の教訓を生かさず悲劇を繰り返す根本的な原因は、硬直した共産党体制と官僚主義にある......本誌「新型肺炎:どこまで広がるのか」特集より

共産主義の父カール・マルクスは言った。「歴史は繰り返す。1度目は悲劇として、2度目は茶番劇として」――。

中国で猛威を振るっている新型コロナウイルスは、中国国内の死者数が、17年前に大流行したSARS(重症急性呼吸器症候群)を既に超えている。

もちろん、数千人の命を奪うことになりそうな緊急事態を茶番劇と呼ぶのは、悪趣味だし冷酷だろう。しかし、呼び方はともかく、SARSで学んだはずの悲劇の教訓を、中国政府が理解していないことは確かだ。

SARSのときと違って今回は隠蔽していないと、擁護する声もあるかもしれない。1月末に感染拡大が明らかになった後は、複数の大都市を事実上封鎖して3500万人以上を隔離するなど、迅速かつ思い切った措置を取っている、と。

もっとも、そうした措置もむなしく響くだけで、国際社会や中国の国民を納得させることはできそうにない。今回のアウトブレイクの経緯と当局の対応を振り返れば、初動のまずさは一目瞭然だ。

12月上旬に湖北省武漢市で原因不明の肺炎患者が相次いで報告された当初、市当局の対応は不十分だった。ウイルスの大流行の深刻さと危険性を、故意に隠蔽しないまでも、軽視していたようだ。おまけに、ソーシャルメディアの微信(ウィーチャット)で感染拡大に警鐘を鳴らそうとした医療従事者を、警察に捜査させて黙らせようとした。

12月末に感染拡大を知ったとされる中央政府も、非難は免れない。国家衛生健康委員会は12月末に武漢に専門家を派遣したが、その報告を共産党指導部に速やかに上げなかったはずはない。彼らの武漢視察を国営テレビ局の中国中央電視台(CCTV)が夜のニュースで報じた後に党指導部が何もしなかったことも、同じくらい理解し難い。

習近平(シー・チンピン)国家主席が、感染拡大の阻止や社会の安定を守ることなどを求める「重要指示」を出したのは1月20日。既に新型コロナウイルスは中国全土を暴走していた。

武漢での感染拡大が12月上旬から1月半ばまで全くと言えるほど報道されなかったことと、中国のソーシャルメディアやインターネットでこの惨事に言及すると検閲に引っ掛かったことから、中国政府が口封じをしていたことは想像に難くない。特定の話題に関する全国規模の検閲を指示して実行できるのは、共産党中央宣伝部だけだ。

武漢当局がもっと積極的に行動し中国政府がもっと早くに感染拡大をメディアに報道させていれば、これほどまでに悲惨な状況にはならなかっただろう。中国式の一党独裁国家に組み込まれた制度的な欠陥のために、新型コロナウイルスを封じ込める機会は不幸にも失われてしまった。

蔓延する秘密主義

17年前のSARS危機でぶざまな対応を見せた中国が、なぜ進歩していないのかという厳しい疑問も出てくるだろう。2002~03年にSARSが中国本土と香港を襲った後、中国政府は同様の危機を繰り返さないために、さまざまな対策を講じてきたはずだ。

ただし、これらは基本的に、中国社会の「ハードの欠陥」に対処するものだった。例えば、疾病の管理と予防における技術的な能力を改善する予算を増やし、緊急対応の法律を制定して、監視体制を構築した。

こうした対策は、中国政府がウイルス性の感染症に効果的かつ積極的に対応する能力を、本当の意味で向上させることはなかった。期待外れなだけでなく、むしろ中国政府に誤った安心感を与えてしまったかもしれない。

そうなった理由は明らかだ。予算の増加や専門家の育成、設備の増強は、確かに役に立つだろう。しかし、技術的な能力の向上を最優先させたことで、中国の官僚制度の最も弱い部分、すなわち「ソフトの欠陥」が見過ごされてきた。

中国全土に最新の研究医療施設が整えられたかもしれないが、実際に公衆衛生の緊急事態に対応する仕組みとしては、スーパーコンピューターを時代遅れで低性能のオペレーションシステム(OS)で動かしているようなものだ。その結果は――見てのとおりだ。

迅速な判断を避ける官僚

中国という一党独裁国家の「ソフトの欠陥」は、政治システムを根本から変えない限り修正できない。秘密主義が蔓延していて、報道の自由や国民に対する説明責任がなく、地方の硬直した官僚制度は、危機に直面しても迅速な判断を下すことを恐れる。

こうした制度的な欠陥は、言うまでもなく、いくらカネをつぎ込んでも直せない。SARSや今回の新型ウイルスのような公衆衛生の危機が起きると、これらの欠陥に阻まれて、中国政府は十分かつタイムリーな行動が取れなくなる。

実際、ウイルスの感染拡大を監視して管理する中国のシステムは、かなり以前から深刻な問題点が指摘されている。

例えば、18年8月に中国でアフリカ豚コレラ(ASF)の発生が確認された際のこと。致死率ほぼ100%という強力なウイルスで、感染した豚を迅速に処分しなければならないが、中国政府はその費用を十分に手当てせず、地方自治体は従来の非効率的な処分を続けた。その結果、感染拡大は制御不能になり、中国の豚の飼育頭数は4割近く減った。

ASFのお粗末な対応について中国政府が責任を問われるべき点は、今回、武漢で感染が拡大し始めた当初の最も重要なタイミングで迅速かつ効果的な対策が取れなかった理由と、ほぼ重なる。

当初ヒト・ヒト感染ではないと主張

こうした公衆衛生上の緊急事態に対処する際、中国の行政機関が従う標準的な手順は非公式なのに硬直し、秘密主義に貫かれている。その一義的な目的は、中国の現体制の面目と地元当局者のキャリアを守ることだ。

SARS危機の重要な教訓の1つは、透明性の欠如が重篤な肺炎を起こすウイルスの隠蔽につながり、結果的に感染の拡大を招いたこと。それに全く学ばなかったのか、今回も武漢の当局者はSARSの情報を隠蔽した広東省当局と同様、ほとんど本能的にコロナウイルスの危険性を軽く見せようとした。目の前にある証拠を無視して、ヒトからヒトには感染せず、医療従事者も感染していないと主張したのだ。

国民の安全よりも党の威光

迅速かつ有効な対応を妨げる中国の行政機関のもう1つの制度的な欠陥は、国家の緊急事態に当たって中央集権型の意思決定がなされることだ。大して政治的な影響がない事柄(例えば商業開発のために個人の住宅を取り壊すなど)では、地方当局に裁量権がある。だが重大な公衆衛生上の危機では地方にはほとんど何の権限もない。武漢の市長が弁明したように、感染症の発生については上層部の許可を得るまで市当局は完全な情報公開には踏み切れなかった。

習政権発足後に中央集権が強化され、こうした状況は悪化した。今や公衆衛生上の緊急事態を宣言するなど重大な決定は、習が直々に認めなければほぼ不可能だ。1月半ばの決定的な時期に当局者が習の指示を待ったため貴重な時間が失われた。

中国の疾病予防控制度センターは1月6日にBクラスの緊急対応手順を内部的に発動させた。なぜそれを発動時に公表しなかったのか理解に苦しむが、政権の最上層部が最終的に公表を決断するまで待たざるを得なかったようだ。

中央の指導部が多忙だったのか、決定権があるのは習だけだったのか、指示はなかなか下りなかった。習も過密スケジュールに追われている。1月17日には2日間の予定でミャンマー訪問に出発。北京に帰った翌々日の20日にようやく情報開示の指示を出した。国家衛生健康委員会を管轄する李克強(リー・コーチアン)首相が先に公衆衛生上の緊急事態を宣言していれば、こうした遅れは避けられたはずだ。

秘密主義と上意下達に加え、国民の安全より政治的な配慮を優先させることも中国の官僚制度の欠陥だ。SARSの感染が広がり始めた02年11月、中国共産党は新たな指導部を選出するため第16回全国代表大会(党大会)を開催していた。謎に包まれた重篤な感染症の情報を公開すれば、大会に水を差すばかりか、不安定化を招きかねないと上層部は案じた。

衛生管理を徹底できない理由

08年の北京五輪を目前に控えた時期にも、中国当局は有害な化学物質メラミンが混入した粉ミルクで健康被害が出たことをひた隠しにした。五輪を前に中国の面目が丸つぶれになるのを恐れたのだ。

武漢のコロナウイルスでも同様の政治的配慮が働いた。中国では毎年、全国人民代表大会(全人代)と全国政治協商会議の2つの会議(「全国両会」と呼ばれる)の前に、地方のあらゆるレベルで「両会」が開催されることになっている。これは重要な政治イベントなので、当局者は市民に成功を印象付けようとする。

今年、武漢の両会は謎のウイルスについて市当局が報告した直後の1月6日から10日まで行われた。会期中、市の保健当局は感染症に関する注意喚起などを一切行わなかった。武漢は湖北省の省都でもあり、間の悪いことに1月12日から17日まで省レベルの両会が開催された。この間には市当局は感染症についての発表は行ったが、新たな感染者数は明らかにしなかった。

現体制の維持が最優先課題

さらに中国の公衆衛生システムの最も深刻な欠陥は、予防の重要性が十分に認識されていないことだ。SARS禍から学べる教訓があるとすれば、何よりもまず予防が大事、ということだろう。SARSと同様、今回のコロナウイルスも、生きた野生動物をその場で解体して売る不衛生な海鮮市場でヒトにうつった可能性が高い。こうした病原体による感染症の発生を防ぐには、何よりもまず食品取り扱いの衛生基準を設け、業者にそれを守らせる必要がある。地方当局が頻繁に検査を実施し、違法行為を厳しく取り締まらなければ衛生管理は徹底できない。

残念ながら中国の官僚機構はこうした任務を得意としていない。検閲をしたり、反政府分子を抑え込んだり、壮大な事業や行事で威光を示すなど、権力維持のための職務では驚くほどの有能ぶりを発揮するが、食品の安全性を守り、大気汚染に対処するなど国民のための日常的な業務を行う能力は驚くほど低い。

理由は至って単純だ。共産党の最優先課題はどんな状況になろうと現体制を維持すること。その目的のためにのみ、どんな代償を払おうと、あらゆる資源を注ぎ込む。

中国の官僚、特に地方当局者には、市民のために働くインセンティブがほとんど働かない。彼らは市民に説明責任を負っていない(お粗末な仕事ぶりでも、よほど重大な危機が起きない限り、市民の怒りを買って地位を失う心配はない)。

公共の利益が守られるには、公務員が高い職業意識を持ち、汚職の誘惑に負けずに規制を徹底すること、その仕事ぶりが市民の監視下に置かれることが必要だが、今の中国にはそうした条件は欠けている。

新型肺炎の感染拡大で中国はいま大きな代償を払っている。習政権は死力を尽くして事態を収束させるだろう。その点はまずまず楽観視していいが、中国の現体制が抱える根深い欠陥を見れば悲観的にならざるを得ない。習政権が今回の災禍に学び、再び同じ過ちを繰り返さないとは思えない。悲しいかな、中国では歴史は1度だけではなく、ほぼ例外なしに何度でも繰り返される。

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関連エントリ 2020/02/14 ⇒ 【新型肺炎】スペイン風邪なみ<COVID―19>✍世界の3分の2が感染する可能性!?
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2020年2月14日 (金)

【新型肺炎】スペイン風邪なみ<COVID―19>✍世界の3分の2が感染する可能性!?

新型コロナウイルス、世界の3分の2が感染する可能性も―専門家

Bloomberg 2020年2月14日(金)3時05分配信

中国で劇的に感染症例が増加している新型コロナウイルス。状況ははるかに悪化する可能性があると、世界保健機関(WHO)の非常勤顧問を務める感染症の権威、アイラ・ロンジーニ氏は警告する。

フロリダ大学で感染症を統計・定量的に分析する研究所の共同所長を務めるロンジーニ氏は、中国における新型コロナウイルス感染拡大の研究を調査。同氏の試算によると、最終的な感染者数は数十億人に達する可能性がある。現在の公式発表は約6万人。

ウイルスがこの規模にまで広がれば、数千万人の居住地隔離など中国が採用した厳しい封じ込め策にも限界があったことを浮き彫りにする。WHOのテドロス事務局長は、中国の隔離措置はその他の地域や国に準備するための猶予を与えたとして、称賛している。

隔離措置は感染拡大を遅らせるかもしれないが、隔離前の時点で既にウイルスは中国内外に広がる機会があったと、ロンジーニ氏は指摘。感染拡大を半分に抑えたとしても、世界のおよそ3分の1が感染することになると論じた。

爆発的な流行の可能性を警告するのは、ロンジーニ氏だけではない。インペリアル・カレッジ・ロンドンのニール・ファーガソン氏は、中国では毎日5万人が新たに感染している可能性があると見積もる。香港大学のガブリエル・レオン教授(公衆衛生学)も、このまま放置すれば世界の3分の2近くがウイルスに感染する恐れがあると述べていた。

一方、2003年にWHOの重症急性呼吸器症候群(SARS)対応を監督したデービッド・ヘイマン氏は、ウイルスの拡大規模を的確に予想するにはさらなるデータが必要だと論じる。ロンドン大学衛生熱帯医学大学院の同氏は、「中国以外の国々は極めて効果的に流行を抑え込んでいる」と語った。

新型コロナウイルス症状は、かくして「COVID-19」と名付けられた

WIRED 2020年2月14日(金)8時11分配信

世界最大規模のAV機器見本市「ISE(Integrated Systems Europe)」が、いまオランダのアムステルダムで開かれている。ノーム・カーソンにとって今年のイヴェントは、非常に“有意義”なものになっているはずだった。

カーソンはアリゾナ州テンピでAV機器メーカーを経営している。主力商品は、末端にさまざまなコネクターがついた高品質なHDMIケーブルだ。カンファレンスは例年より参加者が少なかったものの、カーソンはそこで得た成果に満足していた。

ところが、2月11日の正午過ぎになって、いきなりカーソンの携帯電話が鳴り始めた。本社にも恐ろしい勢いで電話が殺到し始めたという。なんとカーソンの会社の名前が「Covid」だったからだ。あろうことか、新型コロナウイルスによって発症するあの病気の名称が「COVID-19」に決まったと発表されたのである。

名称にまつわる波紋

世界保健機関(WHO)によると、シリアル番号のようで呼びづらかった「2019-nCoV」という呼称を今後は使用しない。世界中で40,000万人以上の感染者と1,000人以上の死者を出したこの病気には、「COVID-19」という正式名称が付くことになった。

「COVID-19」という名称には、「CoronaVirus Disease, 2019」(2019年にコロナウイルスにより発生した病気)を意味する。また、国際ウイルス分類委員会のコロナウイルス研究部会は、発表した論文(まだ審査前の草稿の段階だが、通過する見込み)のなかで、病原体となったウイルスの名称を「SARS-CoV-2」(Severe Acute Respiratory Syndrome Coronavirus 2=重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2)と定めている。

これでも、あまり呼びやすくはないかもしれない。確かにこの新しい名前には、「SARS」や「鳥インフルエンザ」のように、口になじむ感覚がない。カーソンとCovid社にとってもいい迷惑だろう。

「わたしたちは商業市場向けにハイエンドなコンセントやケーブルを製造販売しています。懸命な努力を重ねてブランドを育て、また良質な製品を開発してきました」と、カーソンは言う。「そうした意味で、世界規模のパンデミックと当社が関連づけられてしまうことを、かなり危惧しています」

まったくその通りだろう。大手飲料メーカーのアンハイザー・ブッシュ・インベブのマーケティング担当に聞いてみてもいい。なにしろ、あの「コロナビール」をつくっているのだ。

「AIDS」を巡る混乱

ウイルスの分類は、記事の見出しを考える人々やWikipediaの執筆者の便宜を図るためではない。ウイルスの名称決定には真剣に取り組まなければならない。病気の呼び方次第で、その病気の患者が重い烙印を背負わされることもあるのだ。

かつてAIDS(エイズ、後天性免疫不全症候群)は、ウイルス分類学者が介入する前には、非公式に「GRID(Gay-Related Immune Deficiency=ゲイ関連の免疫不全)」と呼ばれていた。この名は同性愛嫌悪をかき立て、デマを拡散する一方で、注射器でドラッグを打つ依存症患者や輸血を受ける人もこの病気にかかる可能性がある点が見過ごされる結果を生んだ。

こうして、原因となるウイルスを発見して名付ける“戦い”が起き(最終的にHIV=ヒト免疫不全ウイルスと呼ばれることになった)、病気の特定や命名(AIDS=後天性免疫不全症候群)でも争いが起きた。結果的にこの問題を巡り、世界のウイルス学コミュニティは数十年にも渡り混乱することになったのだ。

名前を付けることの難しさ

名称をつけることは、昔もいまも難しい。WHOは2015年、新たに発生した感染症の名称決定に関するガイドラインを発表している。それまでの数十年間、世界各国の事情や文化をまるで考慮せずに名前を決めていたという反省の上に立ったものだ。世間で呼び名が生まれて流通し始める前に、科学者が早く名前を決められるようにする意図も含まれていた。

もちろん、決め方にはルールがある。名称は病気の症状や重さといった科学的な基準に沿って、その病態を表す普遍的な単語を含んでいる必要がある。地名(スペイン風邪)や人物(クロイツフェルト・ヤコブ病)、動物(鳥インフルエンザ)にちなんだ名前は使えなくなっている。

医療情報サイト「Stat」に1月に掲載された記事によると、香港市民は2003年当時、「SARS」という名称を嫌っていた。SARSは「Special Administrative Region in China」つまり「中国の特別行政区」の頭文字をとった略称の一部を含み、香港に対する皮肉のようにも感じられたからだ。

その10年後の事例では、オランダの研究者が病原体のコロナウイルスを「HCoV-KSA1」と名付けた。今度はサウジアラビアの指導層がお気に召さなかった。「Human Coronavirus, Kingdom of Saudi Arabia」つまり「ヒトコロナウイルス、サウジアラビア王国産」と読み取ることができたからだ。この病気は結局、「MERS(中東呼吸器症候群)」と呼ばれることになったが、これでもまだ中東全体を非難しているようにも聞こえてしまう。

病名「COVID-19」が示唆する未来

こうしたさまざまなルールに従った上で、政治的に微妙な問題を回避した結果として生まれたのが、味気ない「COVID-19」という名称だ。

「地名でなく、動物名でもなく、個人名や集団名でもない名前を見つける必要がありました。同時に、発音しやすく、病気と関連性がある名前です」と、WHO事務局長のテドロス・アダノム・ゲブレイェススは2月11日の記者会見で語った。「今後コロナウイルスのアウトブレイクが起きた際には、このフォーマットに沿って名前を決めていくことになります」

結果としてどうなったかと言うと、ニール・カーソンのCovid社は不愉快な思いをし、早とちりして「Corvid」(カラス科)と読んでしまったカラスやワタリガラスの愛好家も嫌な気持ちになった。「covid」はまた、17世紀にマカオや中国本土で使われていた長さの単位でもあるが、さすがにもう使っている人はいないだろう。

不気味に思えるのは、「COVID-19」が病名のひな形となっていくことだ。末尾に付いている数字は、世界が今後の数十年でさらに多くのコロナウイルスに直面する可能性を暗示している。この17年で3種類もヒトに感染するコロナウイルスが出現した事実からも、同様の未来が予測できる。

ウイルスに「SARS-CoV-2」という名が付く理由

ウイルスの名前をそれが引き起こす病気の名前と異なるものにしておくことも、将来的な命名問題を避けるうえで役立つ。これまでは病気を引き起こして初めて、そのウイルスの存在が科学者に知られていた。この場合、ウイルスの名前と病気の名前とに相関性があったとしても、不思議ではない。

しかし、この10年に限ってみると、科学者が発見したウイルスの大部分は特定の病気と結びついていなかった。ライデン大学医療センターの名誉ウイルス学者で、コロナウイルス研究部会に長らく所属してきたアレクサンダー・ゴルバレニヤは、「いまでは病気を引き起こしたことで発見されるウイルスのほうが、かなり珍しくなってきています」と話す。

そうなると今回のウイルス「SARS-CoV-2」は珍しい部類ということになる。「ウイルスと病気の名前がどの程度重なり、どの程度の情報が名前に反映されるかは、その時々の歴史的状況により変わってきます」と、ゴルバレニヤは言う。「今回の新型ウイルスは名前に『SARS Coronavirus(SARSコロナウイルス)』を含んでいます。非常に近縁で、同じ種に属しているからです」

このあたりの事情は少しややこしい。SARSという病名が2003年に付いたのは、ウイルスに名前が付くよりも先だった。科学者は結局その病気にちなみ、「SARS-CoV」という名をウイルスに付けた。新型コロナウイルスの名称「SARS-CoV-2」は、2003年のその病原体から来ている。遺伝子的に近縁だからだ。

候補名はほかにも存在していた

別の名前が付く可能性もあった。中国の国家衛生健康委員会は2月7日、病気の名称を「新型コロナウイルス肺炎」(NCP)とすることに決定したと発表している。また、医療情報サイト「Stat」の1月の記事によると、候補名はほかにも存在していた。

ところが、「South East Asia Respiratory Syndrome」(東南アジア呼吸器症候群)も、「Chinese Acute Respiratory Syndrome」(中国急性呼吸器症候群)も、頭文字をとった略称には問題があった。

「ほかのウイルスがどのように名付けられているか見ていくと、この種に属するウイルスは名称がさまざまであっても、どれも名前に『SARS Coronavirus』という単語を含んでいることがわかりました。そうとわかってみれば、新型ウイルスも『SARS Coronavirus』と呼ぶのが妥当ではないかと思えるようになりました」と、ライデン大学のゴルバレニヤは言う。「非常に単純な発想です」

その結果として、たまたま少し複雑に見える名前となっただけだ。それでも今後も長く通用するように、しっかりと考えて付けられた名前なのである。

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2020年2月13日 (木)

【新型肺炎】インフルやエボラと比べ<COVID―19>✍どの程度に危険なのか

新型コロナウイルス、インフルやエボラと比べた危険度は?

NATIONAL GEOGRAPHIC 2020年2月12日(水)17時04分配信

単純ではない感染症のリスクの比較

 中国の湖北省武漢市で発生した新型コロナウイルスは、世界中で4万人以上の感染者を出している。しかし、この新しいウイルスは、他の感染症ウイルスよりも危険なのだろうか? おそらく多くの人が気にしていることだろう。

 感染症が流行するたびに、こうした話題が持ち上がるのも無理はない。衛生当局も一般市民も、公衆への総合的なリスクに基づいて自らの優先順位を決定する。例えば、世界保健機関(WHO)は2月5日、流行発生からわずか1カ月余りの新型コロナウイルス対策に、6億7500万ドル(約740億円)を支出する計画を立ち上げたと発表し、加盟国に資金援助を要請した。それに対して、2018年8月からアフリカ中央部で猛威を振るっているエボラ熱の対策費用に関しては、WHOが加盟国から集めた金額は、この3分の1ほどだ。

症状の重さや社会的・経済的な影響も勘案

 こうした感染症の危険度を互いに比較するには、複雑な計算が必要だ。感染のしやすさ、致死率、症状の重さ、地域の封鎖に伴う社会的・経済的な影響の大きさなどを勘案することになるからだ。

 単純に致死率を比較するだけでは、どれが最悪の感染症かを判断しがたい場合もある。例えばインフルエンザは、従来型のものであれH1N1のような新型のものであれ、感染者は何百万人にも上りうるが、死亡に至る割合は比較的低く、そのうち0.1%ほどだ。対して、SARS(重症急性呼吸器症候群)、MERS(中東呼吸器症候群)、そして今回の新型コロナウイルス感染症「COVID―19」は、致死率の点でははるかに深刻だ。ただし、SARSは致死率が10%ほどに上ったが、感染が確認されたのはわずか8000例ほどだった。

 現時点で、新型コロナウイルスの感染者数はSARSを大きく上回っている。そのうち死亡に至るのは2%ほどだ。致死率でいえばインフルエンザの20倍ほどということになる。新型ウイルスの脅威は早期に終息するだろうと予測する科学者もいる一方、中東で2012年から流行が続いているMERSではそうなっていない。 

「過去2日間、中国国内で新たな感染者数が減っているのは朗報ですが、この数字を深読みすべきではありません」。WHOのテドロス事務局長は7日の記者会見でそう述べた。「新規感染者数は再び増加する可能性があります」

 もし新型コロナウイルスの感染が何百万人という単位に拡大すると、非常に危険な事態になる恐れがある。インフルエンザと違い、新型コロナウイルスのワクチンや特効薬はまだない。ただし、抗HIV薬「ロピナビル」と「リトナビル」を混合投与する治療法の臨床試験が、うまくいけば1カ月以内に完了するだろうと、WHOの健康危機管理プログラムで技術リーダーを務めるマリア・ファン・ケルクホーフェ氏は記者会見で付け加えた。氏はMERSの流行対策にも取り組んだ感染症疫学者だ。

SARSによる中国の経済損失は400億ドル

 今はまだ、新型コロナウイルスの感染がどこまで広がるかは予断を許さない。だからこそ、検疫や感染者の移動制限に重点が置かれている。

 過酷で古臭いと思われるかもしれないが、今でも検疫は、感染拡大を抑え込むのに最も有効な方法の1つだ。WHOはSARSの終息を検疫と隔離の成果だとしている。コロナウイルスはインフルエンザと同じく、感染者の近くにいることで伝染するため、他者と物理的に距離を置くことは、それなりに理にかなっている。

 その効果は、検疫や隔離の状況で異なる。研究によると、病院での患者の隔離は費用対効果が高いが、自宅での隔離や、対人距離の確保、そして移動制限は、低・中所得国においてさえ経済へのダメージが大きい。米ウォール・ストリート・ジャーナル紙によれば、中国は2009年のH1N1型インフルエンザの流行で550億ドル、SARSの流行で400億ドルの経済損失を被ったという。また、これらの厳格な対策によって、例えば感染者が病院に行くことを妨げられるなどすれば、流行の実態や社会的・経済的なコストを把握しにくくなるという難点もある。

 新型コロナウイルス対策には、人から人への感染防止と、感染者の早期の特定と隔離を優先すべきだとファン・ケルクホーフェ氏は強調する。また現在、治療は症状の重さに応じて行われているが、最悪のケースでは病院での酸素吸入、人工呼吸器の使用、蘇生処置などが必要だという。

「世界中の臨床専門家たちが、新型コロナウイルス感染症の治療方法を向上させるのに必要な研究について話し合うことになっています」と、11~12日に開かれる会合について氏は述べる。「病院で最適な治療が行われるよう、WHOは加盟国や関係者の皆さんと協力していくことが大切です」

COVID-19死者・確診患者数、増加の勢いおさまる=中国

WoW!Korea 2020年2月12日(水)22時27分配信

中国内の新型コロナウイルスの新規確診患者の数と一日単位の死者数の両方が、その前日よりも多少少なくなった。これによって新型コロナウイルスの拡散の勢いが頂点に達し下降するのではないかという希望的な見方が出ている。

中国国家衛生健康委員会(衛健委)は12日午前0時(現地時間)基準で中国全国31の省・市・自治区で報告された新型コロナウイルスによる死者数は97人で、中国本土内の累積死者数が1113人に達したと発表された。

衛健委によると、この日までの累積確診患者は前日より2015人増加の4万4653人と集計された。

一日ごとの新規の確診患者数でみた場合、この日の確診患者数は先月の1月30日以後最も低い2015人となった。

新規の確診患者数は去る9日に3062人、その後の10日は2478人、そしてこの日2015人に減少した。

範囲を湖北省に限定すると、新規の確診患者は1638人で、これは去る1月31日以来の日ごとの確診患者数の中で最低値となった。

この日の死者数は前日の108人よりも11人減った97人となり、死者数も同じく前日対比で多少減少した。

この日の死者数97人のうち湖北省での死者が94人となっていて、全体死者数のほとんどを占めていた。

また疑いのある患者数も去る8日に2万8942人から減少しながら12日0時基準で1万6067人にまで減っている。

COVID-19ロシア国内で感染者が全く出ない理由

JBpress 2020年2月13日(木)6時00分配信

 「カオスで、混沌としている。大いに疑問を感じる」

 ロシア外務省のザハロワ報道官は、横浜に停泊中のクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」における新型コロナウイルスをめぐる日本の対応について、こう手厳しく批判した。

 感染者が搬送されたが、船内には子供2人を含む24人のロシア人客がいるため、ロシアも事態を注視しているのである。

 ザハロワ報道官の批判が的を射たものかどうか、日露のアプローチの違いについて考えてみたい。

 ロシアにおける感染者は非常に少ない。この原稿を書いている2月11日時点でわずか2人、いずれも中国籍だ。

 1月31日にこの2人の感染が確認されてから、新たな感染者は一人も出ていない。

 ロシアは中国と約4200キロにわたって国境を接している上、人や物の往来がとても活発だったので、筆者はこの数字には正直なところ驚いている。

 ロシアは、中国と非常に近しい関係にありながらも、中国人の入国制限や陸路国境の閉鎖など厳しい措置を取った。

 ロシア新首相によってこれらの措置が発表されたのが1月30日。日本も同じくらいの時期に対策本部を設置している。

 しかし、自国民の退避という点では日本とロシアでかなり差があり、日本の方が親切だった。

 日本の場合、対策本部が設置される以前の1月28日に、既に第1便のチャーター機を飛ばしている。

 ロシアの場合、自国民避難のための軍用機が武漢を飛び立ったのは2月4日深夜から5日にかけて。なんと日本に比べて1週間も退避が遅れたのである。

 日本や韓国、米国などが先を争うようにチャーターを飛ばしているのに、武漢や周辺都市に取り残されたロシア人は、自分たちがどうなってしまうのか、全く情報がないまま不安な日々を過ごした。

 とうとう軍用機での退避が決まり、2週間の隔離に同意するという条件で、第1便で80人、第2便で64人が脱出した。

 一行が向かったのはチュメニという西シベリアの町だ。

 隔離施設はチュメニ市の中心部から30キロほど離れた村にある。ここはもともと結核患者の隔離に使われていた建物で、市民と避難者が接触しないという点で最適だったため選ばれた。

 施設は2重の柵で全周を囲まれており、さらにその外周を国家親衛隊が警備するという徹底ぶりである。

 旅客機ではないので、旅の快適は一切保証されていない。機内の様子は、混雑している駅の待合室に似ている。

 新幹線のように進行方向を向いて座るのではなく、地下鉄のように横向きに木のベンチに腰かけるようになっている。

 隣同士、身体がぴったりと接しているので、もし隣の人が感染していたら確実に自分も感染しそうだ。

 そしてトイレがない。人々は搭乗の2時間前から何も飲まないように言い渡された。

 どうしても必要な場合は、大人1人がやっと入れる大きさのテントの中にバケツを置き、そこで用を足すのである。

 このような「簡易トイレ」が1機につき2つ用意された。

 軍用機は給油のため、東シベリアのウラン・ウデに立ち寄った。

 この日の気温はマイナス30度。野外テントで人々に用意されたのは冷たい紅茶と半冷凍状態のピロシキだった。

 厨房から滑走路の近くまで運ぶ間に、一瞬で冷え切ってしまったと思われる。

 実は軍用機が離陸した時点では誰も、これからどこへ飛ぶのか知らず、シベリアの冬を想定した上着を着ていなかった。

 これでは新型肺炎以前に、普通に風邪をひいてしまいそうだ。

 ともかく、チュメニに着くまで様々な困難がありながらも、人々は12時間以上の飛行を乗り切った。

 隔離施設の部屋は2人部屋。自由に廊下に出ることもできない。幸いワイファイがあるため、多くの人が暇つぶしに動画を撮ってアップしており、現地の詳細な情報を知ることができる。

 窓から見えるシベリアの冬景色はなかなか綺麗だ。

 「食事が1日4回も出るし、美味しい」「職員は少ない数で対応してくれている。ありがたい」という感謝のメッセージも次々と寄せられている。

 今のところ、避難してきた144人のうち、新型ウイルスの感染が明らかになった人はいない。

 こうしたロシア人の脱出劇を見ていると、日本では早々に全日空のチャーターで帰ったうえに、検査を拒否したり、隔離の条件に文句をつける人までいたと聞いて、驚きを隠せない。

 さらにはクレーム対応のせいで自殺者まで出ているというのだから、衝撃である。

 中国との国境を封鎖した影響は、市民生活にも及んでいる。

 陸路で野菜が入ってこなくなっただけでなく、大手チェーンのスーパーが、自主的に中国産食品を控え始めたのだ。

 ロシア農業銀行がインターファクス通信の取材に語ったところによると、中国産なくしては、極東ロシアにおける野菜の需要を満たすのはかなり厳しいという。

 極東では野菜の値段が日増しに上がっている。

 極東でレストランを営む筆者の知人は、1キログラムあたりの冷凍カニとトマトの仕入れ値が同じだったことにショックを受けている。

 特にこれから値上がりしそうなのは、ニンニクだ。ロシアで売られているニンニクの8割は中国産である。

 これを契機に、中国に依存する食卓を見直そうという声も上がっているが、それには温室栽培の拡大以外に、野菜を保管する倉庫の老朽化問題も解決しなければいけないため、一朝一夕にはいきそうもない。

 ロシアの観光産業はつい先日まで中国人の団体旅行者のおかげで非常に賑わっていたが、今では彼らを全く見かけなくなった。

 ビザなし観光ツアーができなくなったからである。

 モスクワの大型ホテルの中には常に宿泊客の7割ほどがツアーの中国人というところもあった。

 ロシアの厳しい対応は、自国に痛みをもたらした。

 ロシアでは中国人観光客しか使わないモバイル決済「Alipay」を使った支払額が、2月の第1週で、前年の同時期に比べて73パーセントも激減した。

 サンクトペテルブルクの観光名所、エルミタージュ美術館は、2月4日から外国人用チケットの値上げに踏み切った。

 美術館側は値上げの理由を明示していないが、値上げの数日前、同美術館のピオトロフスキー館長が「中国人観光客の減少による収入減を非常に懸念する」とインタビューで答えていた。

 このため、新型コロナウイルスが間接的に値上げの原因になったと見られている。

 中国人は就労ビザの申請・受け取りや、労働許可証の発行もしてもらえなくなった。

 ビジネスへの影響を考えると、これはちょっとやりすぎのような気もするくらい厳しい対応である。

 冒頭の話に戻ると、観光産業を破壊してまで新型ウイルスを排除したいロシア人の目には、日本がみすみすと集団感染を見過ごしているように映るのだろう。

 しかも船内でロシア国籍の感染者が出れば、ロシア人として初の感染者になってしまう。

 ザハロワ報道官は、日本には「イノベーションの奇跡」を期待していたのに・・・という捨てゼリフを述べている。

 イノベーションの奇跡が、治療薬開発を意味するのか、一般のロシア人が日本に抱く「技術大国の日本はロボットで何でも解決できる」という類のイメージのことなのか分からない。

 しかし、日本は今回の対応で株を下げてしまったことは確かなようだ。

日本が拒否したクルーズ船カンボジア入港…約20人が腹痛発熱

読売新聞オンライン 2020年2月13日(木)21時49分配信

 新型コロナウイルスに関連し、日本に入港できなかった香港発のクルーズ船「ウエステルダム」が13日、カンボジア政府の許可を得て南部シアヌークビルに入港した。カンボジア保健省によると、腹痛や発熱などの症状を訴えている約20人の感染がないと確認できれば、乗客を降ろす見通しだという。

 クルーズ船には日本人5人を含む乗客乗員約2000人が乗っている。シアヌークビルの地元当局者によると、乗客らのうち航空券を既に購入した約500人が最初に下船する予定で、下船後は首都プノンペンに移動し、飛行機でそれぞれの目的地に向かうという。

 クルーズ船は、新型コロナウイルスの感染者が乗船している可能性があるとして、日本や台湾、フィリピン、タイなどから入港を拒否されていた。

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2020年2月12日 (水)

【新型肺炎】WHO<「COVID―19」✍命名>「武漢」使わず

新型肺炎は「COVID―19」 WHO命名、「武漢使わず

2020年2月12日(水)0時36分配信

 世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長は11日、新型コロナウイルスによる肺炎を「COVID―19」と名付けたと発表した。「コロナウイルス病」の英語表記を略した「COVID(コビッド)」と、感染が報告された2019年を組み合わせて命名された。

 テドロス氏は、国連食糧農業機関(FAO)などとの合意に基づき、風評被害などを避けるため地名、動物名、人名、組織名などを盛り込むことはしなかったと説明。一部メディアはこれまで、被害が最も深刻な中国湖北省武漢市の名を冠して「武漢ウイルス」などと報じていた。

COVID-19で…クルーズ船内“不満爆発”寸前!豪華船旅、人気も“沈没危機 過去にインフルやノロ集団感染、乗客トラブルも

夕刊フジ 2020年2月10日(月)16時56分配信

 新型コロナウイルスの集団感染が起きたクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」。隔離生活を続ける乗客乗員の間では不満やストレスが限界に達しようとしている。日本人のクルーズ人口が過去最多を更新するなど人気の豪華な船旅だが、過去にも集団感染の例があるほか、事故やトラブルも生じているという。

 NBCテレビ(電子版)は7日、夫婦で旅行中の米国人乗客ゲイ・コーターさん(75)の「今すぐ下船したい。米政府が米国人乗客のために何らかの移動手段を用意してくれることを期待している」との声を伝えた。コーターさんの娘はツイッターなどで「汚染された空気が船内で循環することで、感染が拡大しているのではないか」と疑念を呈し、「船内では薬や食料も不足している。両親を早く下船させてほしい」と訴えた。

 「くすり ふそく しんこく」。船首には、日の丸の白地部分に手書きされた旗が掲げられた。厚生労働省は6~7日に147人分の薬を搬入したが、まだ約300人分は届けられていない。

 7日には乗船していた米国籍の女性(83)が横浜市内の病院に搬送された。ウイルス検査は陰性だったが、心不全の疑いがもたれている。

 国土交通省の統計によると、2018年に船内1泊以上の外航および国内クルーズを利用した日本人乗客は約32万人で過去最多を更新するなど人気が高まっていたが、思わぬ落とし穴もある。

 2000年9月にはオーストラリア・シドニー発のクルーズ船内でインフルエンザの集団感染が発生。海外の論文によると、乗客約1100人に対する調査で少なくとも310人の感染が確認された。40人が入院、2人は死亡したという。ノロウイルスの集団食中毒の発生例もある。

 最近では1月26日、長崎県の御床島(みとこしま)沖を航行中のクルーズ客船「コスタ・アトランチカ」から、乗客が海中に転落する事故があった。旅行ジャーナリストの大川原明氏は、「船のデッキ部分は思いのほか風が強く、自撮りのために柵のあたりにいると風にあおられてしまうことがある。酒を飲んだら外に出ないなど十分な警戒が必要だ」と指摘する。

 船内での行動が大半のクルーズ旅では、乗客同士のトラブルもあるという。大川原氏は「他の乗客と険悪になれば、従業員に相談して食事の時間をずらしてもらう必要もある」と話す。客室内の湯が出にくい、水が少し茶色っぽいなどの不満が出ることもあるようだ。

 「代わり映えしない景色に飽きるという不満を持つ人もいる」と大川原氏。通常の船旅でもそうなのだから、自由に行動できない「ダイヤモンド・プリンセス」の乗客のつらさは察するに余りある。

クルーズ船の食事が高評価🍴食材は日本で調達、チケット代🚢全額返金停泊後の費用負担もなし

JCASTニュース 2020年2月10日(月)19時06分配信

 新型コロナウイルスの集団感染が確認され、横浜市内の港で停泊中のクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」では、日本で調達された食材を使った食事が乗客らにふるまわれている。

 乗客らからは、給食のようだとの声も当初はあったと報じられた。しかし、ここに来て、食事を高く評価する声も外国人客らのツイートで相次ぐようになっている。

「トランプの助けはいらない」

 タイ風ビーフサラダとみられる皿やスープ風料理などのほか、ケーキとみられるデザートもある。

 クルーズ船で過ごしているというShannonさんは2020年2月8日、部屋に運ばれたこんな夕食を英文のツイッターで披露した。そのボリュームから、家族3人分を含んでいるらしい。

 ダイヤモンド・プリンセスは、米国の船会社「プリンセス・クルーズ」が保有する英国籍の船だ。Shannonさんは、食事などの内容に感動したようで、日本語での激励にも反応し、「船は、我々のためにいい仕事をしてくれている」と感謝の意を示した。

 「トランプの助けはいらないよ」。そのサービスに満足してか、米大統領がわざわざ動き出さなくても大丈夫だとツイートしていた。

 ツイッター上では、外国人客らからも、ハッシュタグ「#DiamondPrincess」などを使って、船内の様子が次々に実況中継されている。

 別の外国人とみられる人は7日、フードサービスがステップアップしているなどと英文でツイートし、船から離れがたくなった思いを明かした。初めて食べたという日本のアロエヨーグルトも悪くないと評価していた。

 クルーズ船では、2月5日に部屋から出られなくなったため、ビュッフェなどの食事から部屋への配給に変わっている。さらに、翌6日からは、乗客の要望などを受けて、メイン料理を3種類から選べるようになった。

「日本で食材を手配して、船内で調理しています」

 それだけに、ツイッター上では、船の配給システムが劇的に改善されていると明かす外国人客らもいた。

 こうしたツイートは、大きな反響を呼び、英文でも多くのコメントが寄せられている。

 クルーズ船の長期停泊が決まった当初は、乗客ら約3700人からは、薬もなく会話もできないと不満が相次いだと報じられた。配給制になった食事については、「給食のようだ」と嘆く人もいたという。半数以上が外国人客だといい、異国での慣れない生活にストレスを訴える人もいると伝えられている。

 そんな中で、食事などのサービスを高く評価する外国人客らが続出したことに、ネット掲示板などでは、「飯って大事なんだ」「見た目は豪華に見えないけど美味しいのかな」といった声が上がっていた。

 プリンセス・クルーズの日本オフィス「カーニバル・ジャパン」は2月10日、船内の食事について、J-CASTニュースの取材に次のように説明した。

  「クルーズ船が日本で食材を手配して、船内で調理しています。毎日メニューを変えていると聞いています。どこで仕入れているかなど詳しい情報は、船が主導して行っていますので、こちらではつかんでいないです」

 今回のクルーズ代は全額返金するとしたうえで、停泊後の食事についても、乗客の費用負担はないと説明した。

感染リスクまっても、マスクしない日本人が多い理由

Diamond online 2020年1月31日(金)6時01分配信/鈴木貴博(経済評論家)

日本人のマスク着用状況に見る 「新型肺炎パニック」への恐怖耐性

 新型肺炎がパンデミックになりそうな勢いで、拡散しています。1月30日段階の発表では、日本国内で確認された感染者は14人にのぼり、今回の震源地となっている中国・武漢に滞在歴がない日本人への感染があったことも、発表されています。

 言い換えると、国内でも人から人への感染が確認されたということです。同時に、新型肺炎を指定感染症にすることも閣議決定されました。

 予めお断りしておきますが、今回の記事は医療関係ではなく、行動経済学の記事です。私は、新型肺炎のリスクが高まっているにもかかわらず、マスクを着用している日本人がまだそれほど多くないのではないかと感じています。それはなぜか、ということから話を始めたいと思います。

 私は1月23日に武漢市が封鎖されて以降、外出の際には必ずマスクを着用しています。もちろん、理由は新型肺炎が怖いからです。グローバル都市・新宿に住み、世界中から集まった人々と触れ合う可能性が高い環境で、「発症したら苦しいうえに致死率が高いという病気に、もしも感染したら……」と思うと、マスク着用は必須だと思っています。

 しかし不思議なのは、周囲に同じ考えの人がまだ少ないこと。新型肺炎の深刻なニュースが大量に報道されるようになった直近はさすがに増えたものの、つい先日まで、街を歩いていてもマスク着用者はまだ少数派でした。JR山手線に乗ったときなど、同じ車両の中でマスクをつけずに咳こんでいる乗客が2人もいたにもかかわらず、車両内のマスク着用者は目視した限り、3割程度でした。2003年に発生したSARS騒動、2005年の鳥インフルエンザ騒動などを思い起こすと、世の中はまだ様子見的な状況に見えます。

 一方日本では、マスクが品不足で買えないという問題が起きていると報じられています。それらの「パニック買い」されたマスクはいったいどこで使われているのかと不思議になりますが、中国人による「マスク爆買い」の影響もあり、マスクが欲しくても手に入らず、仕方なく着用せずに外出している日本人も、少なくないのかもしれません。

 話を戻すと、過去の記事でも述べた通り、21世紀に入ってから、これまで5年おきくらいの頻度で、「新しいウイルスによる病気のパンデミックが来るぞ」という騒動は3~4回起きています。そのため、日本人の「恐怖耐性」が徐々に強まっているということはあるのかもしれません。

 「恐怖耐性」というのは、恐ろしいことが身に迫っていても動じない能力なので、それが強まっているとしたら、本当はよいことではないでしょうか。恐怖耐性の側面から見れば、日本人の心理はまだパニックには至っていない状況なのでしょう。

マスクと自動車のシートベルト 着用しないと危険なのはどちら?

 それでは行動経済学の側面から、こうした状況がなぜ起きているのかを考えてみましょう。

 行動経済学というのは、皮肉をもって定義すれば「人間の行動は経済合理的ではない」という前提に基づいて、人の行動を分析する学問です。わかりやすい例が、「人間は自分が自動車事故で死ぬとは思わない一方で、自分は宝くじには当たるかもしれないと思う」という話があります。自動車事故で死ぬ確率のほうがちょっとだけ高いのに、1億円が当たる宝くじは買うけれど、1億円の死亡保険金が出る生命保険には入らない。それは経済合理的ではないという、人間行動の一例です。

 こうした行動経済学的な洞察をするために、今回はあえて新型肺炎と人間の行動についての問題提起ができそうな話題を、いくつか質問形式で提示したいと思います。まず最初にお訊ねしたいのは、「新型肺炎の予防のためにマスクをつけるのと、車に乗るときにシートベルトをつけるのは、どちらがより重要だと感じるか」という質問です。

 「そんなの、どちらもしてるよ」という人にはピンと来ない質問かもしれません。また「そんなの、どちらもしてないよ」という人は法律違反になりますが、ここはそういう話ではなく、「あえて比較すると、どちらを重要に感じるか」という質問です。

 こうした問題は、数字をきちんと調べると経済合理的に判断しやすくなるものです。たとえば、令和元年の交通事故の件数は合計で38万件、うち交通事故の死亡者は3215人です。事故に遭う人は人口の0.3%程度で、事故に遭った場合1%弱の確率で死亡する計算です。これは搭乗者にも歩行者にも同様に起こり得る、リスクの合計数値です。

 交通事故の確率は、数字としては微妙に現実味のある低さです。過去10年間で合計すれば、その10倍の3%の人が事故に遭遇しているということは、職場の誰か、学校のクラスの誰か、法事で集まった親戚の誰かが、身内の交通事故のエピソードを語れるくらいの頻度で起きています。

 だから、交通事故に遭う「万が一」はそれなりに現実味があることになり、その結果、シートベルトの着用率は高くなる。まずはこれを基準に考えて、新型肺炎と比べてみましょう。

 新型肺炎については、まだその恐ろしさが十分にはわかっていません。しかしリスクを考えるという観点では、同種のコロナウイルスが引き起こした2002年から2003年にかけてのSARSの流行が参考になるでしょう。SARSについてはこの時期、香港を中心に8096人が感染し、774人が死亡したとされています。

SARS発生時の香港では 死亡リスクが自動車事故より高かった

 まさに大流行だったわけですが、香港の人口は700万人なので、実は感染率は交通事故ほど高くはなく、0.1%程度だと見積もることができます。一方でSARSは、一度発症したら死亡率が10%程度ととても高い。この2つの数字をかけ合わせると、当時の香港においては自動車事故で死ぬリスクより、SARSで死ぬリスクのほうが、実は高かったことになります。そうした理屈でいえば、車に乗るときにシートベルトをすべきだと思う人は、外出時のマスクの着用も必ずすべきでした。

 ちなみに今回の新型肺炎も、人口1000万人の武漢市で4000人が発症し、100人超がすでに死亡しています。数字的にはまだSARSほどではないように見えますが、これから感染が拡大することを考えると、同程度の心構えが必要ではないかと私には思えます。

 前述のように、まだマスクをしていない日本人が多いということは、「私たちは経済合理的に行動していない」という1つの例なのです。

漢からの帰国者を隔離する 必要性についての意外な結論

 さて、批判を覚悟で次の問題を考えてみましょう。武漢から帰国したチャーター機の乗客の扱いについて、日本政府は発熱のあった人を除き自宅で経過観察をするように指示し、フランス政府は全員を14日間の隔離対応としています。これは、どちらが正しい対応なのでしょか。

 今回の新型肺炎は、最新の情報では潜伏期間が最長14日間だといわれています。これが、今回の新型肺炎がパンデミックを引き起こすと考えられる、大きなリスク要因といわれるゆえんです。最初にそう述べると、多くの読者の方は不安に思うかもしれません。「彼らを隔離しなくていいのか?」と。

 しかし、そのような世論は経済合理的なのでしょうか。 1月23日以前には武漢からの観光客は当たり前のように日本に入国していたし、新型肺炎が確認されている中国の他の都市からは今もたくさんの訪日客が訪れています。その人数とチャーター機の204人を比較してみて、はじめて経済合理的な議論ができるのではないでしょうか。

 これについても、数字を計算してみましょう。令和元年の訪日中国人は合計で959万人。つまり1日あたり2.6万人がわが国に入国しています。経済合理的に考えるということは、この2.6万人のリスクとチャーター機で帰国した乗客のリスクのどちらが高いかを、考えることでもあります。

 ここで考慮しなければならないことは、コロナウイルスによる新たな病気は、潜伏期間が長い一方で、人口あたりの発症率が0.1%とインフルエンザと比べてかなり低いことです。そして武漢封鎖前にすでに中国各地に人の移動が起きていて、他の都市でも発症が報告されています。あくまで確率の問題として考えると、チャーター機の帰国客から病気が広まるリスクよりも、今毎日入国している訪日観光客から発症者が出るリスクのほうが、ずっと大きいのです。

 さらにいえば、発症前の観光客をすべて隔離することは物理的にできないし、経済合理的に考えてもワリに合わない。チャーター機の乗客も同じことで、政府の自宅待機という措置は、経済合理的な判断だということです。

 ならば、フランス政府が隔離を決めたのはなぜでしょうか。それは、経済合理性とは別に、政治リスクがあるからです。

 もし帰国客の中から1名でも感染者が出て、その人がうっかり通勤ラッシュのパリの地下鉄に乗り、職場に出社していたら、政府は世論の猛攻撃を受けることになります。それを防ぐための経済合理性としては、「お金がかかっても隔離はあり」だというのが、フランス政府の考えだと私は思います。

 帰国便の乗客をきちんと追跡すると言っていたわりには、日本政府は帰国便から感染者が3人出たにもかかわらず、別の発熱をしている乗客から新型肺炎の検査を拒否されて困っていました。管理できるはずのものが実際はできていないことから、政治リスク的には判断が間違っていたようです。

株価は不吉な予測ではなく 人々の不安で暴落する

 さて、最後にもう1つ問題です。アメリカの株式市場は23日の武漢市の閉鎖を受け、27日に暴落劇を演じます。しかし、翌28日には急騰して元に戻りました。このとき、株を売るのと買うのと、どちらが正しい選択だったと思いますか。

 もし世界的に新型肺炎のパンデミックが起きれば、それによって世界の観光需要や外食需要、外出需要が停滞することから、株価の暴落が起きることは必定だといわれています。では、なぜ28日にアメリカの株式市場が戻したのか。理由は、株価はこれから実際に起こることについての予測によって動くのではなく、「人々がどう考えるか」によって動くからです。

 23日の武漢市閉鎖で「どうやらパニックが起こりそうだぞ」と思っていたところで、株が売られに売られ、27日の株式市場は暴落しました。一方、翌日になって「どうやら、まだパニックは起きていない」と思った人たちが買いに回ったところ、その買いが買いを呼んで、市場は回復した。このとき起きたのはそういうことだと思いますが、問題はその先です。

 新型肺炎の潜伏期間は14日。武漢市が閉鎖された直後の1月25日に中国の旧正月である春節が始まり、世界中に観光客が移動を始めました。パンデミックが起きて大問題になるとすれば、それは来月、2月5日から10日までの状況次第です。

 そしてその直前、「どうやらパンデミックになりそうだぞ」と株式市場の参加者が考えた瞬間、世界の株価は再び大きく動くリスクがあるでしょう。株価というのは、実は行動経済学的に見れば、経済合理的に形成されるものの象徴なのです。

 さて、いかがでしょうか。行動経済学的な視点から見ると、今回の新型肺炎騒動をどう見据え、どのように行動すべきかという、いくばくかの参考になるかと思います。いずれにせよ、今この時点で言えることは、マスクをなるべく早く手に入れて着用することが望ましい、ということでしょう。

 

2020年2月11日 (火)

【新型肺炎】検疫中のクルーズ船<スーパースプレッダーか>船内感染✍急拡大中

スーパースプレッダーを懸念、中国は100億ドル投じ感染拡大阻止へ

Bloomberg 2020年2月9日(日)7時39分配信

WHO事務局長、中国渡航歴ない人々からの新型ウイルス拡大懸念

新型コロナウイルスによる世界の死者数は910人となった。中国国家衛生健康委員会の10日の発表によれば、同国での感染症例は累計で4万171件、死者は908人に上っている。

感染が拡大する中国は、100億ドル(約1兆1000億円)以上を投じて感染拡大を阻止し、医療物資を各地に送る。世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長は、中国への渡航歴がない人々から新型ウイルスが広がった懸念されるケースがあると指摘した。

欧州では、フランスとスペイン、英国で感染が確認された。これらの感染者はシンガポールでの会議から帰国した英国人とフランスのスキーリゾートで接触しており、他者への感染力が極めて強い「スーパースプレッダー」の懸念が強まっている。この英国人が出席した会議は1月に企業が主催したもので、90人余りの外国人が出席していたという。

新型コロナウイルス、シンガポール会議参加者から欧州3カ国に拡散か

横浜港に停泊中のクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」号では約60人の新型ウイルス感染が新たに確認され、感染者は計約130人に達したとTBSが報じた。一方、香港に停泊していたクルーズ船「ワールドドリーム」号は9日、検疫で感染者がいなかったとして乗客乗員全員に下船の許可が下りた。

新型肺炎、クルーズ船で新たに約60人が感染、計約130人に-報道

中国湖北省武漢でのウイルス感染拡大を分析する英ロンドン・スクール・オブ・ハイジーン&トロピカル・メディスンの科学者によると、今月が感染のピークになる可能性がある。

WHOのブルース・エイルワード事務局長補率いる医療専門家チームが中国に向かう。テドロス事務局長は9日にツイッターでエイルワード事務局長補が過去の公衆衛生上の緊急事態に対応したベテランだと指摘。先遣隊が9日にジュネーブを出発し中国に向かったことも明らかにした。

同事務局長によると、WHOは新型コロナウイルスの研究を加速させるため11日と12日にジュネーブで国際フォーラムを開く。

中国の崔天凱駐米大使はCBSの番組「フェース・ザ・ネーション」で、WHOの関与を支持。「多くのことがWHOの援助で行われているため、われわれはWHOと協力している。WHOを世界で最も専門的な政府間機関だと尊敬している」とコメントした。

一方で同大使は、新型ウイルスが中国にある軍の研究施設や生物兵器研究の中から発生したとの臆測を一蹴。「疑念やうわさをかきたて広めることは極めて有害で危険だ。一つにはパニックを生じさせるからだ。さらに、それは人種差別や排外主義をあおる」と述べた。

コットン米上院議員(共和)は先月のツイートで、流行の中心となっている武漢には中国で唯一、コロナウイルスを含む致死的病原体を扱う研究施設があると指摘していた。

中国国営新華社通信が劉昆財政相の話を引用して伝えたところによると、新型ウイルスの感染対策に配分する718億5000万人民元(約1兆1260億円)のうちこれまでに315億5000万元を費やしている。

感染しても症状ナシ!? 新型肺炎ウイルス感染者は身近にいる

FRIDAY DIGITAL 2020年2月9日(日)6時02分配信

外務省医務官としてSARS(重症急性呼吸器症候群)に対処した経験を持つ関西福祉大学教授の勝田吉彰氏が話す。

「今回の新型コロナウイルスについて我々が危惧しているのは、一人で10人以上に感染を拡げてしまう『スーパースプレッダー』の出現です。’03年のSARS大流行の際にも、その存在が複数確認されています。なぜスーパースプレッダーが出現するのか、そのメカニズムはまだ解明できていませんが、’15年には韓国でMERS(中東呼吸器症候群)が大流行した原因にもなりました。危機管理の原則として、今回もスーパースプレッダーが出るという最悪のケースを前提に対応する必要があります」

ウイルスを爆発的に拡散させるスーパースプレッダー。それがついに日本にも現れたのか――。1月28日、厚生労働省は中国・武漢への渡航歴のない60代の日本人男性が新型コロナウイルスに感染したことを明らかにした。男性は奈良県在住のバス運転手で、今年1月に2度、武漢から来た中国人観光客をツアー客として乗せていた。日本国内において、ヒトからヒトへの感染が確認されたのは初めてのことである。

「恐ろしいのは、感染源と見られる中国人観光客と、感染した日本人男性が潜伏期間中に自覚なくウイルスを拡げていた可能性があることです。今回のコロナウイルスは潜伏期間が最短1日、最長で14日あると中国当局が発表しており、発熱していない状態でも他人に感染するため、すでに感染者となっている人がたくさんいるかもしれない。厚労省は男性の家族や医療従事者を濃厚接触者として18人ピックアップしており、彼らの状態を注視しています」(全国紙厚労省担当記者)

昨年末、初めてWHO(世界保健機関)に発生が報告された新型コロナウイルス。感染の拡大は、’03年のSARSのときと比べて圧倒的に早い。長崎大学・熱帯医学研究所教授の山本太郎氏は話す。

「中国人の海外進出が進んだことで、日本を始めとした外国に来る機会が多くなったことも一因です。実際、SARSが流行った頃と比べて、日本に来る中国人は20倍以上も増加していますから。今後、ヒトからヒトへ感染していく過程で、ウイルスが感染力の高いものに変異すると、大流行につながる可能性もあります」

中国政府による封じ込めが功を奏すれば、今回の流行は春までに収束すると見られている。しかし、目に見える流行が収まっても、再び感染拡大が起こる危険性もあるという。

「7月から始まる東京オリンピックでは警戒が必要です。大勢の人が特定の期間に1ヵ所に集まることを『マスギャザリング』と言うのですが、群衆を媒介して感染症が広がったことは歴史的に何度もある。最近では米カリフォルニアのディズニーランドから『はしか』が全米に拡がったという例もありますし、メッカの巡礼で侵襲性髄膜炎が流行したこともありました」(前出・勝田氏)

今回の新型肺炎には、いまだ有効なワクチンや治療法が発見されていない。感染はいったい、どこまで拡がるのか――。

横浜港クルーズ船に韓国人客14人 韓国政府「国内に運ぶ計画ない

聯合ニュース 2020年2月11日(火)15時55分配信

 肺炎を引き起こす新型コロナウイルスの集団感染が発生し、日本の横浜港で検疫中のクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」について、韓国政府は11日、乗船している国民を韓国に運ぶ計画はないと明らかにした。

 同船の感染者は130人を超える。韓国人は乗客9人、乗員5人の計14人が乗船している。

 新型肺炎に対する中央対策本部の副本部長を務める金剛立(キム・ガンリプ)保健福祉部次官は記者会見で、横浜にある総領事館を通じて韓国国民14人の安否を確認していると説明。クルーズ船の問題は日本内で発生している事案であり、原則的に日本当局が治療などの措置を取るべきだとの認識を示し、現段階で国民の移送計画はないと伝えた。必要な医薬品や物資を届けるなど、適切な支援を行うため最大限努力するという。

 金氏は、新型肺炎が発生した中国・湖北省武漢市から韓国人をチャーター機で帰国させたことについては、「中国政府が(武漢)地域そのものを封鎖したため、国民を保護するため例外的な措置を取ったものだ」と述べ、横浜港で検疫中のクルーズ船とは状況が異なると説明した。

「これでは日本が入国禁止対象国になってしまう」統計に“クルーズ船の感染者を含めるな”という外務省

中央日報 2020年2月11日(火)13時51分配信

「中国と同様に日本に対しても入国制限措置を取る国が広がりかねない」

毎日新聞が11日に報じた日本外務省の幹部の言葉だ。

11日午前10時現在で135人のコロナウイルス感染が確認されたクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」に関連し、「クルーズ船で感染した人々は日本感染者数に含めるべきではない」という趣旨から出た発言だという。

同紙の報道によると、日本政府は現在、「クルーズ船の感染者を『日本上陸前だ』として日本の感染者数に含めないよう報道機関への周知に躍起」だという。

クルーズ船内感染者135人に別の経路で感染が確認された国内分26人を合わせると、国別感染者は日本が161人で中国に次いで多い。

同紙は「(日本政府は)世界で日本での感染拡大のイメージが広まり、観光や経済に打撃が出かねないと警戒している」とした。

実際、世界保健機関(WHO)も今月6日からクルーズ船内の感染者は日本国内感染者と分離して発表している。「その他」という別途のカテゴリーに含めて発表しているが、同紙によるとこれも日本政府がWHOに先に提案したものだ。

だが、日本国内の多くの報道機関の対応はこれとは異なる。

もちろんクルーズ船内感染者数も別途報道はしているものの、ほとんどは国内分の感染者と合算した総感染者数中心に報道している。これを受けて茂木敏充外相まで前に出て、10日記者会見で「報道各社はWHOの方針も踏まえ、日本国内の感染者とクルーズ船の感染者を区別し、より適切な事実関係を発信していただきたい」と要請した。

日本政府内からは「クルーズ船は日本にたまたま寄港しただけだ。日本の感染者数に含めるなら船を受け入れる国はなくなる」という不満も出ている。

同紙はしかし、「日本国内分には中国湖北省からチャーター機で帰国し、日本上陸前に感染したと思われる日本人らも多く含まれており、整合性が取れていないとの指摘もある」とした。

日本政府がクルーズ船の乗員乗客に対するウイルス検査を「物理的検査能力に限界がある」という理由で敬遠していることをめぐっても「感染者の急増を懸念して意図的にしていないのではないか」との見方も出ている。

日本が拒否したクルーズ船・ウエステルダム号、タイも入港拒否

朝日新聞デジタル 2020年2月11日(火)19時12分配信

 新型コロナウイルス感染の疑いで日本政府などから入港を拒否されたクルーズ船ウエステルダム号が11日、タイ政府からも入港を拒否された。

 日本政府によると、ウエステルダム号には乗員乗客約2300人が乗っており、うち5人が日本人という。

 ウエステルダム号の運航会社は10日、公式ホームページでタイ中部のレムチャバン港で13日に乗客を降ろす意向を表明。乗客はバンコクに移動して帰国の途に就くとの見通しを示した。

 しかし、タイのプラユット首相は11日、記者団に「船から要望があれば燃料の提供などはできるが、下船は許可できない」との考えを示した。

 ウエステルダム号に夫妻で乗船しているカナダ在住のスティーブン・ハンセンさんによると、船内では全乗客に体温検査が実施されたが、新型肺炎が疑われる事例は見つかっていないとの説明を受けているという。そのため現在も、マスクの着用は求められず、船内の移動は自由だという。

 ハンセンさんはメールでの取材に「次に船がどこに向かうのかは全く分からず、乗客の不安はいよいよ日ごとに高まっている。一体いつになったら帰れるのか」と答えた。

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関連エントリ 2020/02/10 ⇒ 【日経平均】2日続落<米雇用統計良好✍材料出尽くし>新型肺炎の警戒感継続

 

2020年2月10日 (月)

【日経平均】2日続落<米雇用統計良好✍材料出尽くし>新型肺炎の警戒感継続

<外為>ドル円109円台後半=新型肺炎警戒で上値重い

時事通信 2020年2月10日(月)15時30分配信

 10日午後の東京外国為替市場のドルの対円相場(気配値)は上値が重く、1ドル=109円台後半で推移している。午後3時現在は109円77~77銭と前週末(午後5時、109円92~93銭)比15銭のドル安・円高。

 ドル円は前週末の海外市場で、米株安・金利低下を受け、109円70銭台に下落。週明け東京時間の早朝は109円60銭台に小緩んだ。午前9時以降は一時109円80銭台まで買い戻されたものの、午後は新型肺炎への警戒感が根強く、109円70銭台を中心とした水準に押し戻された。

 市場では「前週末の米雇用統計は悪くなかったが、米株価は上がらず、当面の好材料が出尽くした感がある」(FX会社)との声が聞かれる。

 こうした中、「今週はパウエルFRB議長の議会証言があるほか、米消費者物価指数をはじめとする主要な米経済指標があり、注目だ」(信託銀行)との見方が出ていた。

 ユーロは正午に比べ、対円でもみ合い、対ドルで強含んでいる。午後3時現在は1ユーロ=120円26~26銭(前週末午後5時、120円56~56銭)、対ドルで1.0955~0955ドル(同1.0966~0966ドル)。

武漢肺炎日経平均は最悪どこまで下がるか

東洋経済オンライン 2020年2月2日(日)13時01分配信/山崎元(経済評論家)

 中国の湖北省武漢市で発生したとされている新型肺炎の感染が急増している。中国政府は、消費や力などの経済活動が活発化する春節の時期であるにもかかわらず、武漢市からの人の移動をほぼ禁じて同市を事実上封鎖し、また団体旅行の取り止めを指示している。事態はかなり深刻なのだろう。

 現在、「新型肺炎」と報じられていて、まだ正式な呼び名はないようだが、本稿ではこの新しい感染症を便宜上「武漢肺炎」と呼ぶことにする。

「武漢肺炎」はかなり厄介な相手かもしれない

 武漢肺炎は、現在、感染者数も死者数も毎日急拡大しているが、現段階では、感染の拡大及び病気の脅威がどの程度のものなのか、また、その経済的影響がどの程度のものなのか、評価することが極めて難しい。

 ただ、中国政府の動きから見ても、感染力はかなり強いのだろう。人の移動が高速になっていることや、潜伏期間が長かったり、感染しても症状が出ない人がいたりすることを考慮すると、封じ込めは簡単ではなかろうし、どこまで拡大するのかが見通しにくい。

 致死率から見ると、現在報じられている数字から計算すると3%程度のようで、かつてのSARS(重症急性呼吸器症候群)やエボラ出血熱と較べるとマイルドに見えるが、流行性のインフルエンザの致死率が0.1%程度であることから考えると、相当に「怖い病気」だと考えるべきだろう。

「感染力」×「致死率」で総合評価するなら、SARSやエボラ出血熱よりも厄介な相手なのかも知れない。

 一方、株式市場はすでにこの事態に反応しており、武漢肺炎のニュースの前に2万4000円前後にあった日経平均株価は、1月30日終値では2万2977円と1000円以上の下落に見舞われた。同31日はいったん2万3000円台を回復したが、2月3日以降は再び下落する可能性がある。

 そもそも中国経済自体が以前よりも巨大化していて、世界経済に与える影響が、需要の面でも供給の面でも大きい。また、日本の経済は世界景気の影響を受けやすく、平均的に見て日本株は産業構造的に「世界景気敏感株」化している。加えて、需要面で外国人旅行者、とりわけ中国人旅行者の影響が大きい。

 もちろん、世界景気への悪影響から、武漢肺炎は、アメリカ株も含めた世界の株価に対する悪影響をもたらすだろうが、日本の株価は特に影響を受けやすいと考えることが妥当だ。

それでも、基本的には「一過性」の悪材料

 「中国経済の減速が、世界景気に悪影響を与えるだろう」というストーリーで物事を大きく考えると、株式投資の観点では、悪いシナリオばかりが頭に浮かぶが、悲観的材料ばかりではない。あるいは、悲観に一定の限界を設定すべきである。

 武漢肺炎は、基本的には一過性の悪材料だと考えられる。インフルエンザに近い感染症だとすると、暖かい季節になると流行が下火になるだろうし、中国をはじめとする各国政府による武漢肺炎の封じ込め作が功を奏することがあり得るし、ワクチンの開発も進むかも知れない。「絶対に」と言えないところがもどかしいが、過去の感染症の例を見ると、武漢肺炎については、終息ないし、一定数の感染者で安定する状況が遠からず訪れる公算が大きいのではないか。

 問題が終息すると、経済活動は元に戻ると考えられるので、株価も概ね元のように形成されると期待できる。経済活動の停滞が長期にわたって継続する可能性は大きくあるまい。

 人々の予想が下振れし過ぎた場合、下げすぎた株価が割合短期間に元に戻るような状況が想像できる。

 もう一点指摘すると、世界の株価が下落して経済にも悪影響を及ぼしそうな場合、米国のFRB(米連邦準備制度理事会)はまだ利下げによる金融緩和の余地を持っている。

 悲観しすぎて株式を売りすぎる状況は避けたいし、あわよくば下げすぎた株価で投資するチャンスを見つけたい。投資家なら、こう考えるのが普通だ。

 武漢肺炎は、明らかに株価に影響する大きな「材料」だ。だが、悲観・楽観のいずれに傾くとしても、現時点で分かっていることが少ない。

 しかし、情報が乏しい中で、それでも時々に意思決定をしなければいけないのが「投資」であり、もう少し広く見ると「お金」というゲームだ。付け加えると、自分では参加していないつもりでも、例えばお金を預金に置いていても、預金以外の資産に置いているのだとしても、あなたはこのゲームに参加している。

最悪のケースは日経平均2万0600円程度

 さて、武漢肺炎の全貌が見通せないときに、現在株式を持っているにせよ、いないにせよ、あなたはどうするのが正解だろうか。もちろん、時々に情報を集めるとして、「今の時点で」どう考えたらいいか。

 最初に行うべきことは、悪材料としての武漢肺炎の最大値を見積もることだろう。例えば、武漢肺炎の報道前の日経平均2万4000円時点での東証1部の平均PER(株価収益率)は16.3倍で、益利回りは6.13%である。これを妥当だと考えて、仮に武漢肺炎によって永続的な利益成長率が1%低下するとした場合、益利回りは1%上昇しなければならない。この益利回りの変化を日経平均に換算すると、約2万0600円である。

 筆者は、このあたりを武漢肺炎問題の最悪ケースと想定する。長期的な利益成長率をマイナス1%に想定するということは、長期的なGDP成長率が1%下がるくらいの大きな変化なので、基本的に「一過性」と思われる武漢肺炎の影響に対しては、多分過大な見積もりだろう。

 仮にバランス・ファンドを運用しているとして、下限が2万0600円という材料をもとに例えば2万2000円台の株価で株式の組み入れ率をいったん落として、後で買い戻すことでリターンを改善する賭けに出ようとは思わない。取引コストと、予想の信頼度を考えると、全く自信が持てない。

 株式のポジションを落として、下がった株価で買い直すことは、想像以上に難しい。個人投資家ばかりでなくプロの投資家も、よほどの確信と大きな下落の見通しがない限り、やらない方が無難だ。また、個人の場合は特に、ポジションを落とした後に見通しに反して株価が上昇して、その後に株式を買い直す機会を見つけ損なう失敗が少なくない。

 他方、もちろん、武漢肺炎以外にも株価に影響する要因は多々あるが、仮にこの影響だけで2万0600円程度まで株価が下がるなら、これをチャンスと見て株式の組み入れ率を引き上げることは、個人投資家の場合でも、検討に値するだろう。本編はここで終了です。次ページは競馬好きの筆者が週末のレースを予想するコーナーです。あらかじめご了承ください)。

 2日は、府中のダート1400mで根岸ステークス(東京競馬場11R、G3)が行われる。同コースの1600メートルで行われるフェブラリーステークス(2月23日、G1)のトライアルレース的な位置づけだ。

 このレースで好走できない馬はファブラリーステークスで苦戦するが、後者を狙っている馬がこのレースで完調に仕上げてくるかというと、そうでもない場合がある。

根岸Sの本命は前走が強かったミッキーワイルド

 さて、本命には、前走で同コース・距離の霜月ステークスで強い勝ち方だったミッキーワイルドを採りたい。2枠3番なのでミルコ・デムーロ騎手のスタートでの出遅れが少しだけ心配だが、無難に出てくれたら勝ち負け出来るのではないか。

 対抗には、昨年のこのレースの覇者、コパノキッキングが明らかに実力上位だ。ただし、この馬の狙っているのは次走かも知れない。

 単穴は、8歳と高齢だがこの条件が合うカフジテイクを買いたい。以下、初ダートだが芝のG1を制するスピードがあるモズアスコット、距離短縮で条件が好転するワンダーリーデルを押さえる。

日本入国拒否されたクルーズ船タイでも入国拒否

日テレNEWS24 2020年2月11日(火)14時06分配信

日本が入港を認めなかったクルーズ船「ウエステルダム号」について、運航会社は10日、タイのバンコク近郊の港に向かっていると発表したが、タイ政府は入港を認めない方針を固めた。

ウエステルダム号の運航会社は船がタイのバンコク近郊の港に向かっていて、13日に入港する予定と発表していた。その上で、日本人5人を含む乗客全員はバンコク近郊で下船し、空港からそれぞれの国に帰るとの見通しを示していた。

しかし、タイの保健相は11日、自身のFacebookに「入港の許可は出せない」と投稿した。

またタイの政府系メディアも、港を管轄する運輸省が入港を拒否する決定をしたと報じていて、フィリピンや台湾に続き、タイでも入港は認められない見通し。

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関連エントリ 2020/02/03 ⇒ 【日経平均】NY株✍暴落<半年ぶりの下げ幅>世界経済の悪化懸念

 

2020年2月 9日 (日)

【羽生結弦】四大陸選手権<4Lz転倒も…✍初優勝>男子初“スーパースラム”達成

羽生結弦男子初スーパースラムへの歩み

スポニチアネックス 2020年2月9日(日)15時32分配信

 男子の羽生結弦(ANA)が合計299・42点で、初優勝を飾った。ジュニアGPファイナル、世界ジュニア選手権、GPファイナル、世界選手権、五輪を制した黄金キャリアに唯一、足りなかったタイトルが加わった。男子初となる、ジュニアも含めた主要国際大会完全制覇の“スーパースラム”達成の歩みを振り返る。

 ▽ ジュニアGPファイナル 09年12月、国立代々木競技場で戴冠。SPは69・85点で3位だったが、フリーで136・92点をマークして逆転を果たした。日本男子としては05年大会の小塚崇彦以来、2人目の優勝だった。

 ▽ 世界ジュニア選手権 初出場の09年大会は12位。1年で急成長を遂げ、10年大会で金メダルを獲得した。SPは68・75点の3位も、フリー1位の147・35点で逆襲。日本男子としては高橋大輔、織田信成、小塚崇彦に次いで4人目のジュニア世界王者となった。

 ▽ GPファイナル ソチ五輪開幕を約2カ月後に控えた13年12月、黄金のポテンシャルを見せつけた。SPで99・84点の世界最高得点(当時)をマークして首位に立つと誕生日前日、18歳最後の演技となったフリーも1位で合計293・25点は世界歴代2位(当時)。世界選手権3連覇中のチャン(カナダ)に勝利し、頂点に立った。日本男子としては12年大会の高橋大輔に続いた。羽生は16年大会まで史上初となる4連覇を飾る。

 ▽ 世界選手権 初出場の12年大会でいきなり銅メダルを獲得。14年3月、五輪王者として、さいたまスーパーアリーナで黄金の勲章を手に入れた。SPは91・24点の3位だったが、フリー1位の191・35点で合計を282・59点とした。日本男子は10年大会の高橋大輔以来となる優勝で、羽生は17年大会はSP5位から大逆転して2度目の優勝を飾った。

 ▽ 五輪 初出場の14年2月のソチ五輪では団体のSPで好演技を披露。個人戦ではSPで101・45点と国際大会公認では史上初の100点超えで首位発進。フリーも1位の178・64点で合計280・09点とし、日本男子初の金メダルを獲得。18年2月の平昌五輪は右足首負傷のため約4カ月ぶりの実戦となったが、SP111・68点、フリー206・17点、合計317・85点で66年ぶりに連覇を達成した。

 ▽ 四大陸選手権 11、13、17年と全て2位。20年2月の今大会ではSP「バラード第1番」、フリー「SEIMEI」と平昌五輪の黄金プログラムに戻し、合計299・42点で初優勝。主要国際大会コンプリートで、フィギュア史に金字塔を打ち立てた。

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羽生結弦、シニア主要国際4大会完全制覇、ヤグディン、プルシェンコ、ライサチェックに次ぐ男子4人目

中日スポーツ 2020年2月9日(日)16時35分配信

◇ 9日 フィギュアスケート四大陸選手権最終日・男子フリー(ソウル)

 ショートプログラム(SP)1位で五輪連覇の羽生結弦(25)=ANA=はフリー1位の187・60点、合計299・42点で初優勝し、シニアの主要国際4大会にジュニア2大会を加えた6冠の「スーパースラム」を男子史上初めて達成。また、冬季五輪、世界選手権、グランプリ(GP)ファイナル、四大陸選手権もしくは欧州選手権のシニア主要国際4大会の“完全制覇”は男子では史上4人目となった。

 最初に達成したのは2002年ソルトレークシティー五輪王者のアレクセイ・ヤグディン(ロシア)で、1998年欧州選手権、98年世界選手権、98年GPファイナル、02年五輪の順。2人目は06年トリノ五輪王者のエフゲニー・プルシェンコ(ロシア)で、99年GPファイナル、00年欧州選手権、01年世界選手権、06年五輪の順で達成した。3人目は10年バンクーバー五輪王者のエヴァン・ライサチェク(米国)で、こちらは05年四大陸選手権、09年世界選手権、09年GPファイナル、10年五輪の順だった。

 過去3人はすべて4年に1度の五輪で“完全制覇”を達成しただけに、13年GPファイナル、14年五輪、14年世界選手権、そして今回の四大陸選手権で達成した羽生は異例か。なお、世界選手権2連覇中のネーサン・チェン(米国)は17年四大陸選手権、17年GPファイナル、18年世界選手権の順で制しており、五輪を残して王手をかけている。また、世界ジュニアとジュニアGPファイナルを含めた6冠は羽生が男子史上初めてだが、ヤグディン、プルシェンコのジュニア時代にはジュニアGPファイナルは開催されていなかった。

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羽生結弦“スーパースラム”達成に中国ネット=彼の時代は終わらない

Record China 2020年2月10日(月)16時50分配信

 フィギュアスケート男子の羽生結弦が9日、ソウルで行われた四大陸選手権で初優勝し、主要国際大会を完全制覇した。中国メディアも大きく報じ、ネットユーザーの間でも話題になっている。

 羽生は7日の男子ショートプログラム(SP)で世界最高得点となる111.82点をマークし、首位に立った。最終日(9日)のフリーでも1位の187.60点を記録。合計299.42点で同選手権初優勝を飾り、男子で初めてジュニアとシニアの主要国際大会を完全制覇する“スーパースラム”を達成した。

 羽生ファンの多い中国でも大きな反響を呼んでいる。中国メディアの新浪体育の中国版ツイッター・微博(ウェイボー)の公式アカウントは、SPの演技後、「ついに羽生結弦が完全復活!」と題し、「羽生結弦は最高の状態を取り戻した」「氷上の芸術家がまた戻ってきた!」と伝えた。同じく中国メディアの新浪娯楽の微博公式アカウントは優勝が決まった後、「ミスはあったものの、二つのプログラムで1位」と投稿し、初優勝とスーパースラム達成を伝えた。

 中国のネットユーザーからは、「おめでとう!。最高の羽生結弦が帰ってきた!」「スーパースラム達成おめでとう」「本当に才能がある」「羽生結弦の時代は永遠に終わらない」「変わらず王者だ」「(彼の演技は)オルゴールの中の小人に命が宿ったようだ」「毎回彼の演技を見ると幻想の世界へいざなわれてしまう」「本当に泣きました。永遠のヒーロー」などと祝福と絶賛の声が寄せられている。

 また、「本当にかっこよすぎる」「美しい」「イケメンだ」「氷上の王子だ」と容姿を称える声も少なくない。

 このほか、世界的な新型コロナウイルス流行の中での大会開催であったため、「観客が全員マスクをしている」「放送を見ると、休憩時間に会場内でさまざまな言語でマスク着用を促しているのが聞こえる」という指摘もあった。

 会場では新型コロナウイルスへの感染防止のため、観客や報道陣は中国・湖北省への渡航歴などについてのチェックシート記入とマスク着用が義務付けられたほか、入口にサーモグラフィーカメラが設置される厳戒態勢だった。優勝インタビューで羽生は「大会ができたのは、(新型コロナウイルスに警戒して配慮した)皆さんのおかげ」と感謝した。

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2020年2月 8日 (土)

【羽生結弦】四大陸選手権<バラ1✍再演>圧巻のSP世界最高得点更新!!

25羽生結弦運命感じたショパンと「バラード第1番

日刊スポーツ 2020年2月8日(土)10時36分配信

 フィギュアスケート4大陸選手権(韓国)の男子ショートプログラム(SP)で、羽生結弦選手(25=ANA)がSPの世界最高記録となる111・82点をマークしました。冬季オリンピック(五輪)2連覇を達成した18年平昌大会のショパン「バラード第1番」に今大会から回帰。2年ぶりの再演で、自身が持っていた110・53点(18年ロシア杯)という歴代最高得点を1・29ポイント更新したのです。

 そのタイミングが運命的でした。憧れのジョニー・ウィアーさんが滑った「秋によせて」から「バラ1」に戻したことは、今月1日の国際スケート連盟(ISU)バイオグラフィー更新であったり、本人の口から次々と思いが語られて話題になってきましたが、ドラマチックな一致があった、と思うのは年齢です。

「バラ1」はポーランド出身のショパンが1835年、25歳の時に完成させたと伝えられる作品。くしくも、羽生選手が同じ25歳になったシーズンによみがえらせたのでした。

 常に上を目指す演目に完成はないのでしょうが、異次元のGOE(出来栄え点)や演技構成点など、高い完成度で世界最高得点を塗り替えることは確かです。何か縁を感じずにはいられません。

 世界新を3度も出してきた「バラ1」が再演によって進化。「これまでのバラ1で最も良かったんじゃないかと。今日やってみて思ったんですけど、やっぱり違うものになるなと。(2年前の平昌五輪とは)経験値が違いますし、音の感じ方とか間の取り方、どういう風に表現したいかという部分が全然違うので」と成長を実感しました。25歳になったからこそ、です。

 また、ショパンは「バラ1」を4~5年かけて完成させたと言われています。羽生選手も、通算4季目の導入となった同曲について「ワインやチーズみたいなもの。滑れば滑るほど、時間をかければかけるほど、熟成されていって深みが出てくるプログラム。とても自分らしい。心から曲に乗せてジャンプしたり、ステップしたりすることができた」と語っていた点も、勝手ながらショパンと結びつけたくなります。

 荘厳な低音の序奏から始まり、美しい旋律、強い音など起承転結のあるドラマをパッセージ(つなぎの旋律)で紡いだ曲想。英雄的であり、神秘的というバラードは見事に演技と調和していました。

「すごく気持ち良く滑れました。曲に気持ちを乗せることができて。『フィギュアスケートって楽しいな』って思いながら滑ることができました」

「自分って思えるプログラム。自分の中から出せるという感覚があります」

「曲をすごく感じることをしながらも、クオリティーの高いジャンプを跳べたのは、このプログラムならでは」

「(練習では転倒していた4回転サルコーを完璧に降り)本番になったら、音と跳びにいくフォームが一緒に記憶されているんだろうなと。曲自体を信じて跳べたのが大きい」

「何の雑音もなく滑り切れて。最後まで1つ1つの気持ちの流れみたいなものを、最後の音が終わって、自分が手を下ろすまで、つなげられた…心地よかった」

 演技後の取材であふれた「バラ1」への愛。それが再会を呼び込んだかのようでした。

◇  ◇  ◇  ◇ 

 ここからは余談ですが…筆者は、こんな偶然にも期待していました。羽生選手が「バラ1」を舞うのは、平昌五輪のSPが行われた18年2月16日以来。721日ぶり、つまり1年11カ月22日ぶりでした。

「1(年)11(カ月)22(日)」すなわち「111・22点」で世界最高得点を更新しないかな、なんて安い語呂合わせを演技前は考えていましたが、そんなことを一瞬で忘れさせてくれる衝撃の111・82点。0・60ポイント、うまくも根拠もない空想の上をいかれました。

 SPの直後は原稿に追われ、一夜明けて思い出しただけで、こちらに意味はありません。今年、サッカー担当→フィギュアスケート担当になったばかりでも、初めて生で見た「バラ1」は次元の違いが分かりました。コメントを通して「やっぱりジャンプと音楽の融合が好き」という羽生選手の曲への理解度、こだわりも強く感じられました。だからこそ、ともに25歳という巡り合わせを「運命」と書いてしまった次第です。語呂合わせは個人的な好みです。

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羽生結弦、SP歴代世界最高111.82点!圧倒的首位発進で“スーパースラムに大きく前進

スポニチアネックス 2020年2月8日(土)5時30分配信

 ◇ フィギュアスケート 四大陸選手権第2日(2020年2月7日 韓国・ソウル

 男子ショートプログラム(SP)が行われ、14年ソチ、18年平昌五輪連覇の羽生結弦(25=ANA)は自身が持つ世界最高得点を更新する111・82点で首位発進した。今大会から演目を変更した平昌五輪の伝説プログラム「バラード第1番」を完璧に滑り切り、四大陸のタイトルとジュニア、シニアの主要国際大会を総なめにする“スーパースラム”に大きく前進した。8日は女子フリーが行われる。

 これが羽生結弦だ。緑をあしらった新衣装でフィニッシュポーズを決めると、凜(りん)とした表情で大歓声を受け止める。「これまでのバラード第1番の中で本当に一番よかったんじゃないかな」。5度、手を叩きながら喜びをかみしめ、降り注いだプーさんシャワーを集めるフラワーガールを手伝う気遣いも見せた。

 18年11月のGPロシア杯、「秋によせて」でマークした自身の世界最高110・53点を1・29点も更新。2位の金博洋と15・99点の大差をつけた。この演目でルール改正前には、自らの世界記録を3度更新。平昌五輪でも力強く舞い、五輪連覇の偉業へつなげた。自らが歩んだ歴史の一部でもある「バラード第1番」について羽生は独特の表現で語る。

 「自分の中ではワインとかチーズみたいなもの。滑れば滑るほど、時間をかければかけるほど熟成されていって、いろんな深みが出るプログラム。それがとても自分らしいというか、心から曲に乗せてジャンプしたりステップしたりできる一番の理由

 音楽とスケートの融合。厳かな曲調にジャンプと表現力で、深みと強弱をつけた。冒頭の4回転サルコーを完璧に決め、出来栄え評価(GOE)で4・43点を引き出した。曲のリズムに合わせ、平昌五輪から順番を入れ替えたトーループの4回転―3回転、トリプルアクセルも美しい軌道で成功。レベル4でそろえたスピン、ステップの細部にも羽生の思いが宿った。「何の雑音もなく滑り切れた」と言い、「音と跳べるフォームが一緒に記憶されている」と笑った。

 昨年12月の全日本選手権後、身も心もボロボロだった羽生は考えた。「フィギュアスケートって何だろう」。平昌五輪後、憧れのジョニー・ウィアー氏やエフゲニー・プルシェンコ氏へのオマージュ曲で表現の幅を広げ、難度の高いジャンプにも果敢に挑戦した。1シーズン半、悩み、苦しみ抜いて、たどり着いた新境地。他人ではなく、羽生が羽生を舞った。「やっぱり自分って思える。やっと、自分にストンって戻ってきた感じ」。アスリートであり、表現者でもある王者こそ出せる勇気ある決断だった。

 名曲の調べに身を委ねた2分40秒。「曲を感じることをしながらも、凄く質の高いジャンプを跳べたのは、このプログラムならでは」。その旋律は、何度でも羽生をよみがえらせる。

 《こちらも伝説の「SEIMEI」》 羽生は9日にフリーで24選手中22番目、午後3時に登場する。プログラムは昨年末のアイスショー「メダリスト・オン・アイス」で演じ「ものすごく自分らしくいられる」と感じた「SEIMEI」だ。平昌五輪フリーで戴冠した黄金プログラム。「フリーは(SPとは)違ったストーリーのプログラムなので、また違ったフィギュアスケートをできたらいいな」と4分間の演技を見据えた。

 《過去シーズンの「バラード第1番」》

 ★14~15年 SP曲に初採用。中国杯で中国選手と正面衝突して負傷した影響もあり、序盤こそスコアを伸ばせなかった。それでも、GPファイナル、世界選手権、世界国別対抗戦でシーズンベストを挙げ、完成度を高めていった。

 ★15~16年 先シーズンから持ち越し、自身の世界記録を2度更新。GP・NHK杯、GPファイナルと2戦連続で「SEIMEI」でのフリー、合計点とも全ての世界記録を塗り替えた。世界選手権は準優勝だったが、SPでは世界記録に肉薄する好スコア。

 ★17~18年 五輪シーズンのため2季ぶりに戻し、初戦のオータム・クラシックでいきなり自身が持つ当時の世界最高得点を更新。右足首の負傷で118日ぶりの実戦となった平昌五輪では、自身の世界記録に迫る好演技で五輪連覇へ弾みをつけた。

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 ▽ スーパースラム シニアの五輪、世界選手権、GPファイナル、大陸選手権(四大陸選手権または欧州選手権)、ジュニアの世界選手権、GPファイナルの合計6冠を完全制覇した際の呼称。女子では韓国の金妍児(キムヨナ)とアリーナ・ザギトワ(ロシア)が達成している。羽生が四大陸選手権で初優勝すれば男子初の快挙になる。

新型肺炎ウイルス手洗い予防が最も効果的

熊本日日新聞 2020年2月7日(金)12時07分配信

 新型コロナウイルスの感染拡大が続くが、私たちは日常、どんな点に注意して生活すればよいのだろうか。県健康危機管理課課長補佐の小山宏美医師(45)に、現段階の情報を基に複数のケースを想定して聞いた。(聞き手・太路秀紀)

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【ケース1】熱があり、のどが痛く、せきも出る。中国湖北省の人と接触した覚えはないが、外国人観光客が多い観光地に行った。市販の風邪薬を飲んでも大丈夫? 近くの医院を受診してもいい?

 「市販薬を飲んでも問題はありません。新型ウイルス感染症患者への対応も、現在は症状に応じて既存の薬を使う対症療法です」

 「国が示す感染疑い例は、(1)37・5度以上の発熱とせきや鼻水などの呼吸器症状(2)発症から2週間以内の湖北省への渡航歴、または発熱と呼吸器症状がある同じ渡航歴の人との接触、の二つに当てはまる例です。該当するなら最寄りの保健所に連絡を。違うなら近くの医療機関を受診してください。インフルエンザや風邪の流行期でもあり、熱がある間は学校や会社は休みましょう」

【ケース2】家族が欧州への海外旅行から帰国した。飛行機内でせきをする人もいた。家族に症状はないが、注意点は。

 「感染につながる濃厚接触は、閉鎖空間で、2メートル程度の距離で一定時間を過ごす場合です。国は明示していませんが、一定時間は秒・分単位ではありません。念のため家族の健康状態には注意を。感染を防ぐには手洗いが最も効果的です。家庭内でも正しい方法で励行してください」

【ケース3】北京から来日した人との商談がある。湖北省に支社もあるので滞在歴もあるかもしれない。

 「相手に発熱や呼吸器症状があるかがポイントです。マスクの着用は主に、せきやくしゃみをする側が感染を広げないために効果的ですが、予防にも一定の効果はあります。商談後は、きちんと手洗いを」

【ケース4】スーパーで中国産の野菜を買った。

 「心配ありません。ウイルスが野菜の表面に付着していたとしても時間と共に死滅します。熱に弱いので、十分に加熱すればさらに安心でしょう」

【ケース5】県内で疑い例が発生した場合はどうなるの。

 「疑い例に当てはまる場合は、患者から採取した検体を、宇土市にある県保健環境科学研究所(熊本市の場合は市環境総合センター)に運んで遺伝子検査をします。検査には10~12時間かかり、陽性の場合は厚生労働省と協議の上で公表。患者の立ち寄り先まで発表するかは、現段階では未定です。疑い例に当てはまらない人は、希望しても検査は受けられません」

 

2020年2月 7日 (金)

【新型肺炎】最初に警告✍一時「拘束された中国人医師」入院先で死去

武漢肺炎ウイルス、最初に警告した医師が死去 中国・武漢市

AFPBB NEWS 2020年2月7日(金)6時32分配信

 中国で多数の死者を出している新型コロナウイルスの流行について最初に公に警告した人物の一人で、その行為によって当局から戒告を受けた中国の医師が7日未明、ウイルス感染が原因で死去した。勤務先の病院が明らかにした。

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 武漢市中心医院(Wuhan Central Hospital)は中国版ツイッター(Twitter)「微博(ウェイボー、Weibo)」の公式アカウントへの投稿で、李文亮(Li Wenliang)医師(34)がウイルス感染により午前2時58分(日本時間同3時58分)に息を引き取ったと発表した。

 新型ウイルス流行の中心地である武漢(Wuhan)で眼科医として働いていた李医師は、2002~03年に流行し多数の死者を出した重症急性呼吸器症候群(SARS)に似た症状を示す患者がいることに気付いた。

 李医師は12月30日、同僚らに送ったメッセージでこのことを伝えたが、後に他の告発者7人と共に警察当局から「うわさの流布」の疑いで出頭を求められた。

 李医師はその後、患者の治療中に新型ウイルスに感染。中国のインターネットユーザーの間で英雄視されていた。

新型肺炎を武漢で真っ先に告発した医師悲運

東洋経済オンライン 2020年2月7日(金)5時01分配信

 新型肺炎の感染が拡大した2019年末、武漢では現地の医師による注意喚起が早くから行われていた。だが当局は“デマを流布したもの”に対する処罰を発表、医師も含む8名に処分を下している。中国の独立系メディア「財新」の取材班は、内部告発者として注目を集めた李文亮医師へのインタビューを敢行している。

【2020年2月7日8時00分追記】李医師は治療を続けていたが、2月7日未明に亡くなったため、記事末尾に経緯を追加しました。

 李文亮医師は現在も武漢市中心医院の集中治療室に隔離され治療を受け続けている。生活を送るには同僚の助けが必要な状態だ。

 李医師は新型コロナウイルスの感染の疑いがあるとされていたが、すぐには正確な結果が出ず、“原因不明の肺炎”という名目で治療を受けていた。2月1日午前、李医師は核酸増幅検査によって陽性という結果が出て、すでに新型コロナウイルスに感染したと診断された。

 李医師は武漢市中心医院の眼科医であり、ウイルスの“ヒトからヒト”へ感染するという特性の有無がまだ不明確であった頃、職務上知り得た情報をもとに友人らに対しその危険性を伝えようと試みた。彼は“違法行為”を行いたいと思っていたわけではなかった。

 1カ月前の12月30日17時48分頃、李医師は約150人が参加するグループチャットにおいて「華南海鮮市場で7名がSARS(重症急性呼吸器症候群)に罹り、我々の病院の救急科に隔離されている」という情報を発信した。

 同日、武漢市衛生健康委員会は『原因不明の肺炎に対する適切な治療についての緊急通知』をネット上に発表し、その中で厳格な情報報告を行うことを要求した。さらに「いかなる機関及び個人も、許可を得ずみだりに治療情報を外部に発信してはならない」と強調した。

 李医師が微信(ウィーチャット)のグループにおいて行った注意喚起のスクリーンショットを、グループに参加していた1人がインターネット上に投稿した。この時、最も重要な情報である李医師の名前と職業を隠さずに投稿したのだ。

 これによりそのスクリーンショットを目にした人物が李医師を見つけ出し、彼はすぐに病院の監察科による事情聴取を受け、1月3日には管轄区域の派出所に出向き“違法問題”に対する「訓戒書」に署名をした。

内部告発者となった李文亮医師

 1月20日以降、新型コロナウイルスの急速な感染拡大に伴い、警察から不正確な情報を流布したと認定されたこの人物が、今回のアウトブレイクの最前線で戦う医療関係者の一人であったということが明らかになり、人々に認識され始めた。そしてその後、彼自身も診察を行っている際に感染し、病状の悪化により一度はICUに入った。この他、彼の多くの同僚や両親も新型コロナウイルスに感染し肺炎を発症している。

 人々がウイルスの原因を探り始めると、早くから警告を行っていた人物がいたことが明るみになった。李医師はスクリーンショット上の実名により、探し出すことができる“内部告発者”となった。李医師は、当時は友人達に注意喚起をしたかっただけで、深い意味はなかった。

 スクリーンショットが広まったことに憤りもあったが、「人々が公共の衛生状況に対して心配するのも理解出来る。自分にとって今重要なのは汚名を返上することではない。本当に重要なのはその真相だからだ。健全な社会に必要なのは様々な声だ」と話している。

 李医師と共に注目を集めたのは武漢警察からデマを流布したと報告をされた8名の人物だ。彼らが調査を受けたという情報はすぐに中国中央テレビのニュースに取り上げられた。李医師は自分がその8人のうちの1人に入っているのかどうかは定かではないと話す。

 財新記者は武漢公安当局の公式微博アカウント「平安武漢」による違法行為を行った8名を召喚したことに関する報告が、1月1日17時38分に行われていたのを発見した。

 李医師が初めて派出所に出向いたのは1月3日午前だった。1月29日、武漢警察がこの件について2度目の報告を行った際も、李医師が訓戒の処罰を受けたということには触れていない。

 李医師の他、財新記者はもう1人、微信のグループチャットにて警告を発し、スクリーンショットを転載された人物に連絡を取った。彼女もまた医師だ。この女性は氏名を知られたくないとの理由で財新記者のインタビューを拒んでおり、李医師と同様、“デマを流布した8名”の1人であるかどうかは判断できない。彼女は、「今大切なのは病院に物資を調達すること、この件については話したくない」と言う。

 1月30日、李医師は実名で財新記者によるインタビューを受けてくれた。彼は遼寧省出身で、今年34歳になる。知り合いばかりのコミュニティや世渡りが好きではないとの理由で、南方の地方大学に通いたかったと言う。2004年に大学を受験し、「安定感のある分野を専攻したい」と、武漢大学の七年制の臨床医学学科に出願した。卒業後はアモイで3年間働いた後、2014年に武漢に戻り武漢市中心医院で働き始めて今に至る。

 以下は、李医師と財新記者のインタビューだ。

ヒトからヒトへの感染は明らかに存在する

 財新記者:現在の状況はいかがですか? 

 李医師:現在は集中治療室で治療を受けています。4人用の隔離部屋ですが、今は2人しか入院していません。外部とは携帯電話を使って連絡を取ることが出来ます。普段は医師と看護師が面倒を見てくれ、毎日看護師が顔や体を拭いてくれます。

 今日(1月30日)、医師からの報告で核酸増幅検査の結果が陰性に転じていると聞きました。しかしこれは喉を検査しただけのものなので、肺胞の状況を判断できるものだとは思いません。肺機能が回復するにはある程度の時間が必要です。呼吸困難が起こる可能性があるだけでも高流量の酸素が常に必要ですし、食事もあまり多くは摂れません。

 財新記者:みんな李さんがグループチャット内で言及した「7人のSARS患者」について注目しているようですが、当時の状況はどういったものでしたか? 

 李医師:約150人が参加している同級生間のグループチャットに送ったものです。その時は「他言しないように」とも強調しましたが、重視していたのは臨床業務に就いている人に予防を心がけるよう注意喚起することでした。私も同級生とのやりとりでこの件について知ったので、当時は患者がここまで多くありませんでしたが、アウトブレイクを起こすのが怖かったんです。このウイルスとSARSはとても似ていましたから。

 財新記者:SARSと同じように“ヒトからヒト”へ感染するということですか? 

 李医師:ヒトからヒトへ感染するということは明らかです。1月8日頃、私もこのウイルスの患者の治療を行いました。当時われわれの眼科には閉塞隅角緑内障で入院している患者が1名いました。彼女はその日、体温は正常なのにも関わらず、食欲が無かったんです。

 その頃はわれわれも体の他の部分の不調だとは思っていなかったのですが、眼圧が正常に戻っても翌日はやはり食欲がなく、昼頃には発熱を起こしてしまいました。その後肺部分のCT検査を行うと“ウイルス性肺炎”ということが明らかになりました。その他の数値が原因不明の肺炎である基準を満たしていたんです。

 当日彼女の世話をした娘さんも発熱を起こしました。これは明らかなヒトからヒトへの感染です。そこで我々はすぐに医務所とオフィスに報告を行いました。院内の専門医による診察を行い、診察後に我々の科で隔離して治療が出来るようにお願いしたのです。

 3日後、われわれは再び前述の女性にCT検査を実施したのですが、結果はやはり“ウイルス性肺炎”でした。更に感染範囲も拡大しており、状況は深刻になっていました。当該患者はすぐに呼吸内科の隔離室に移動させたのですが、その後の状況を私は知りません。

当初、なぜ確定症例は少なかったのか

 財新記者:当時すでに“ヒトからヒトへの感染”が起こっていたにも関わらず、なぜ確定した病例はあんなに少なかったのでしょうか? 

 李医師:当時確定を行うには難度が高かったのです。検査キットもありませんでした。ただ検査キットが無ければ核酸増幅検査に回すことも出来たのですが、その場合かなり時間がかかってしまうようです。詳しいプロセスは私もよく分かりません。当時われわれの病院の専門医チームでも、診察を行った時に検査を行う必要があるのかどうか決定することが出来なかったようです。

 

2020年2月 6日 (木)

【日経平均】3日続伸<年初来最大✍上げ幅一時600円超>新型肺炎の警戒感後退

<日経平均>東証急伸、終値554円高 上げ幅は今年最大

共同通信 2020年2月6日(木)15時18分配信

 6日の東京株式市場は、中国の対米関税引き下げやトヨタ自動車の業績上方修正が好感され、日経平均株価(225種)が急伸する展開となった。終値は前日比554円03銭高の2万3873円59銭で、約2週間ぶりの高値を付けた。上げ幅は今年最大。外国為替市場で円安ドル高が進行したことも追い風となった。

 東証株価指数(TOPIX)は35.15ポイント高の1736.98。出来高は約16億5400万株。新型コロナウイルスによる肺炎の治療薬を巡る報道や堅調な米経済指標を背景に、前日のニューヨーク株式市場でダウ工業株30種平均が大幅高となった流れを引き継いだ。

新型肺炎が猛威ふるう中国で、日本の対応がやたらと称賛されるワケ

ダイヤモンドオンライン 2020年2月6日(木)6時01分配信/王青(日中福祉プランニング代表)

 新型肺炎が猛威を振るっている中国では、人々は家に閉じ込もり、ひたすらスマホをいじる生活を強いられている。そんな中、中国のSNSやネットメディアでは、やたらと日本を称賛するニュースやコメントが目立つ。そんな中国人の心情や本音とは。中国・上海出身で日本在住の筆者が考察してみた。

ネット上にあふれる 日本を称賛する声

 新型肺炎は中国にとどまらず、世界への拡散の勢いが止まらない。感染者がどんどん増えつつあり、死亡者数も増加する一方である。

 中国では、旧正月(春節)の期間が終わっても、政府から休暇延期や在宅勤務などの通知が出て、人々は自宅に閉じ込もり、不安な日々を過ごしている。

 そのため、人々はスマホでSNSやネットサーフィンをして過ごしている。結果、SNSへのアクセスは劇的に増え、さまざまな情報が飛び交っている。

 その中でも、特に目を引くのが、日本を称賛する声。「日本、ありがとう!」とのコメントがあふれ、日本にまつわる美談が次から次へと拡散されているのだ。

 これは一体、どういうことだろうか。

 まず、日本は世界中で最も早く中国に支援の手を差し伸べた国である。1月27日時点で、外相や自民党幹事長ら政治家が中国へ「支援物資」を送り、「できるだけのことを国を挙げて行い、全力で支援する」と表明した。そして「親戚が病になった、こういう思いで日本人はみんな思っております。中国の皆さんが一日も早く奮起して、元気になってもらいたいと思っています」と語ったことなどが中国で報道された。

 日本が国と民間を挙げて素早く中国への支援活動を始めたことに対して、中国のネットユーザーが相次いで反応したのだ。

 ほぼ同じ時期に、北朝鮮やフィリピンが「中国人の入国拒否をした」と報じられ、また韓国では数十万人規模の中国人入国拒否の署名活動が行われていることが大きく報じられた。このため、日本はこれらの国々とは大きく一線を画す格好となった。

 SNS上では、特に中国経済に依存してきた北朝鮮や韓国、かつて同じイデオロギーで結ばれていたロシアに対して「恨み節」ともいえる厳しい声が多く見られる。象徴的なのは、次のようなコメントである。

 「日ごろ『兄弟』と称し、さんざんわが国からお金を吸い取る国、そして自国の経済があれだけわが国に依存している国、この困難な時期にこのような行動をとるのが、まさに『落井下石』だ(井戸に落ちた人を助けないばかりか石を投げ込む。人の危急につけこんで打撃を加えること)、本性が表れた!」

日本からの支援物資到着のニュースが 次々と報道

 日本に対する感謝の声で最も象徴的なのが、下記のコメントであると思う。

 「日本は『雪中送炭』だ(困窮している人に物資を送ったりして助けること)。誰が真の友人か、見分けることができた。民度の違いが一目瞭然だ!」

 こうした声が上がるきっかけになったのは、中国と姉妹都市になっている日本の地方自治体や政府、企業から早々に救援物資が届けられたというニュースだ。

 武漢と姉妹都市の大分市は、さっそく3万枚のマスク含む支援物資を武漢に送った。「武漢、加油!」(武漢、頑張れ!)とのメッセージを添えていた。続いて、茨城県水戸市も重慶に5万枚のマスクを寄贈した。そのほか、イトーヨーカドーやその他の日系企業が、マスクや防護服などの支援物資を次から次へと送った。

 また、日本政府が対策本部を設置、安倍首相が自ら指揮を執る姿がテレビで流れ、そして、武漢へチャーター便を出すときに支援物資をいっぱい積んで飛ばしたことなど、日本からの一連の支援活動がマスコミに大々的に報道され、拡散された。

 SNS上では、瞬時におびただしいコメントが寄せられた。

 「本当に感動した!ありがとう!の一言に尽きる」

 「この恩を忘れません!いつかお返ししたいと思う」

 「自ら真剣に取り組む安倍首相がカッコいい!」

 「これに対して武漢の人は自粛が足らず、日本へ旅行に行くなど、極めて自己中心の行為だ。日本に迷惑をかけて、申し訳ないと思っている」

 「マスクの値上がりに便乗してもうけようとしているわが同胞よ、日本を見習え!」

 などなど…。

 一方、「日本では既にマスクが全然売っていない。特にこれから花粉症の時期なのに、日本の人たちには申し訳ない」といった声もある。

多くの中国人の心をとらえた 8文字のメッセージ

 とりわけ話題となり、人々に感動を与えた出来事がある。あるネットニュースには7000以上コメントが寄せられ、31万超の「いいね」がついていたほどだ。このニュースは、中国中に拡散されている。

 それは、漢語水平考試(HSK)日本事務局が、中国湖北省に送る支援物資の段ボールに添えた1枚のメッセージ。「山川異域、風月同天」(山と川は違っても、同じ風が吹いて同じ月を見る。場所は違っても同じ自然や志でつながっているという意味)の8文字であった。

 この言葉の由来は、中国の唐の時代の高僧である鑑真和上の伝記「唐大和上東征伝」によると、日本の長屋王が唐に送った千着の袈裟(けさ)に刺しゅうされていた一文のようだ。その刺しゅうでは山川異域 風月同天 寄諸仏子 共結来縁と縫われており、これに心を動かされた鑑真和上が、苦難と死を覚悟で日本に行く決意を決めたと言われている。

 この文学的で詩のようなメッセージは、たちまち多くの中国人の心をとらえた。

 「なんとも優雅で、教養があり、文化的だ!」

 「適切すぎる、愛に国境なし!まさに、今の日中関係を表している」

 「山川異域、風月同天は、今の言葉でいうと、運命共同体であろう」

 「美しい!山河は違えど、同じ風が吹き同じ月を見る一瞬涙が出た…」

 「ある意味では、きちんと中国の文化を伝承しているのが日本だ!」

 今は、世界への感染流行が拡大している、世界各国の政府がこれまでにとったさまざまな水際対策による入国拒否、航空便中止、ビザ発給中止、アジア人差別などの動きも多く報道されている。

 ほかにも、中国のSNSで大フィーバーとなって称賛されているのが、「日本の小学校から保護者への一通の手紙」とされるプリントの写真だ。

 それは、「新型コロナウイルスに関連する人権問題への配慮についてのお願い」であった。プリントには、うがいや手洗いなどのウイルスの感染予防の注意事項が書かれた後、次のような一文が続いていた。

 「ニュースやネットでの情報が広がるに従い、中華人民共和国や武漢市という地域、ここにかかわりのある人々へのいわれなき差別発言等が懸念されます。ご家庭におかれましては、お子さんとの語らいの中で、正しい人権意識が育つようにご配慮願います」

 この手紙の内容は中国語に翻訳され、中国の人々に感動を呼んだ。

 SNSでは、

 「これが日本の教育というものだ。心が温まった!」

 「われわれが他国に迷惑をかけて、そして武漢の人々を差別しているのに、日本の小学校でさえ、このような人権を尊重する教育している。本当に恥ずかしい!」

 「先が見えない中で、このようなニュースを見て、なんか一抹の希望が見えた」

 「何と言えばいいのかわからない、泣けた!」

 などの感動するコメントがたくさんつづられた。

 ただし、このプリント自体の真偽は不明である。筆者が見たSNSで出回っている写真は、誰かが翻訳した中国語が併記されている。小学校名などは隠されているので確認できないが、大元となっているプリントの写真らしきものを、日本のSNSやまとめサイトから発見できた。どうやら、もともとは日本のSNSから発信されたようではあるが、その投稿者は逆の意図で中国の現在の体制や甘い対応をする日本の小学校と日教組を批判する材料としてアップしたようである。つまり、その写真が本当に大元なのであれば、最初の投稿者の意に反する格好で、好意的に中国で拡散されているということになる。

中国のさまざまな事情への 不満の表れもある

 いつの時代にも、どこの国にも、差別的な考えをする人々は少なからずいる。

 そもそも中国人もすべての日本人が好意的ではないことは承知している。当初は、日本の一部の飲食店が中国人の入店を拒否したとのニュースも流れた。

 それでも「肌感覚」ではあるが、新型肺炎をめぐっては「日本と日本人は冷静な対応をしている」という日本への好意的なニュースが多い。

 正直なところ、中国の国民の気持ちとしてはやや複雑であるようだ。

 日本のような文明国家が人道的な支援を行い、首相が自ら積極的に取り組む姿勢を見て、感謝をしているのは、自国で情報の隠蔽や国の遅れた対策など、中国のさまざまな事情への不満の表れでもあるといえよう。

 懐疑的な見方をすれば、習近平国家主席の訪日が近いために、中国政府が日本に対するネガティブなニュースをあまり流していないという事情もあるのかもしれない。

 とはいえ、実際に日本人から親切にされたという中国人の声も少なくないようだ。世界から冷たい視線を注がれる中国の人たちにとっては、こういう困難の時期こそ、少しでも助けてくれる相手には心を打たれ、感謝の気持ちが高まる。

 筆者も先日フェイスブックで、知人が運営する中国の高齢者介護施設が感染予防のため外出禁止にし、介護スタッフが自分の家庭を顧みず、施設に泊まり込みで入居者を見守る中で、マスクが大変不足して困っている…という内容の投稿をした。

 すると、日本人の多くの方々からご心配やご協力をいただき、胸がいっぱいになった。

 それは中国にいる人たちも同じであろう。いろいろな臆測や情報が飛び交い、先が見ない不安や恐怖を抱えている中で、日本からの気遣いがどんなに心の慰めとなり、救われたことだろう。

多くの自然災害を経験した 日本人だから他人の痛みがわかる

 これはそもそも日本人が地震や洪水など多くの自然災害を体験し、相互に助け合う精神が養われているからではないだろうか。

 例えば、2011年の東日本大震災のときに、原発事故で日本が経験したことは、日本人にとって忘れることのできない記憶であろう。当時、福島県民だけではなく、日本全体が世界中から原発事故の風評被害や差別を受けたことは記憶に新しい。

 今の中国で起きていることと似たような体験として、思い起こした方々も多いのかもしれない。そのときも「あれは天災ではなく人災だ」といわれ、今の中国の人々と同様に、多くの日本人も同じ痛みを味わったに違いない。

 災害が起きたとき、最も厳しい立場に置かれるのは一般市民である。そのようなときにこそ、SNSや自動翻訳の技術革新は、誤った情報を拡散するという負の役割を果たす半面、人々に大きな希望を与えるという素晴らしい役割も果たす。国境を越えた市民同士の助け合いにより、共に乗り越えようという姿勢が今後ますます強まってくるに違いない。

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2020年2月 5日 (水)

【ナショジオ】骨や肉まで<真っ黒>そんなの🐔いる!?

まで真っなニワトリ🐓ここまで黒いのは何故??

NIKKEI STYLE 2020年2月1日(土)9時33分配信/JASON BITTEL(作家)

 インドネシア原産のニワトリ品種「アヤム・セマニ」は、地球上でもっとも色の濃い生物かもしれない。羽だけでなく、くちばし、とさか、骨、そして肉までもが真っ黒なのだ。

 ほかにも「烏骨鶏(うこっけい)」や、ベトナムの「フモン」、スウェーデンの「スウェディッシュ・ブラック・チキン」も同様に黒い皮膚や組織をもつ。これは黒色色素が過剰に沈着している状態で、科学的に「ファイブロメラノーシス」と呼ばれている。

 なぜ、このように黒いニワトリが誕生したのか。

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黒いニワトリアヤム・セマニ」。皮膚から内臓まで真っ黒だ。フランスのロレーヌ地方で撮影した(PHOTOGRAPH BY BIOSPHOTO, ALAMY)

「ゲノムで複雑な並び替えが起こっていることがわかっています」と、家畜の遺伝子について研究しているスウェーデン、ウプサラ大学の遺伝学者リーフ・アンデション氏は語る。

 同氏によると、前述の4つのニワトリはいずれも、数百年前、あるいは数千年前に生きていた1羽の鳥にさかのぼることができるという。「ファイブロメラノーシスの原因となった突然変異はあまりにも特異なので、これが起きたのは1度しかないと確信しています」

肉や骨まで黒くなる理由

 インターネットで探せば、黒いヒョウやサーバル、黒いフラミンゴ、黒いウロコのヤモリやヘビなど、さまざまな黒い動物を見つけることができる。だが、アンデション氏が研究しているニワトリは、色素の沈着がまったく違うレベルで起きているという。

 ほとんどの脊椎動物は、エンドセリン3(EDN3)という遺伝子を持っている。この遺伝子の大きな役割は、皮膚の色を決めることだ。通常のニワトリの場合、発達の過程で皮膚や羽嚢(うのう)などの一部の細胞でEDN3が発現し、色を作成するメラニン芽細胞の移動が始まる。

 しかし、色素過剰沈着が起こるニワトリでは、体中のほぼすべての細胞でEDN3が発現する。そのため最大10倍のメラニン芽細胞が生成され、骨や内臓まで真っ黒になる。

「つまり、行き先がおかしくなるのです」とアンデション氏は言う。「たくさんのエンドセリン3が間違った場所で発現すれば、色素細胞も間違った場所に移動してしまいます」

 幸運にも、この変異には健康面での副作用はなかったようだ。

 それどころか、黒いニワトリはブリーダーや美食家に珍重されるようになった。彼らの間では、黒い肉や骨には独特で豊かな風味があると言われている。

黒いニワトリの過去と現在

 黒いニワトリの謎は科学的に解明されたが、これらの品種の歴史はまだ解き明かされてはいない。

 黒いニワトリについて初めて記したのは、マルコ・ポーロだと言われている。1298年、アジアを旅行していたマルコ・ポーロは、「ネコのような黒い毛を持ち、最高の卵を産む」と記している。確かなところはわからないが、この説明は烏骨鶏を指すものと考えられている。

 その後、この珍しい色のニワトリは珍重され、世界に広まったものとアンデション氏は考えている。ある船員が東アジアの交易から戻ってきたときに黒いニワトリを持ってきたという逸話もある。黒いニワトリがヨーロッパにもいるのは、そのためかもしれない。

「人間が多様な家畜を好むのは間違いないと思います」とアンデション氏は話す。同氏は烏骨鶏の羽の遺伝子の由来についても研究しており、現在はニワトリのとさかの成長について研究している。

 黒いニワトリが生まれたのは何世紀も前のことだが、このニワトリが珍しいことには変わりない。

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ショー用に育種された烏骨鶏の品種。アヤム・セマニと同じく皮膚も内臓も黒い。米テキサス州にあるフォートワース動物園で撮影(PHOTOGRAPH BY JOEL SARTORE, NATIONAL GEOGRAPHIC PHOTO ARK)

 たとえば、先に紹介した4種のうち、烏骨鶏だけはアメリカ家禽協会(APA)の品種標準に掲載されており、ショーに出展することができる。APAの理事長であるジョン・モナコ氏によると、この標準に掲載するために必要な手続きには数年かかることもあるという。

「アヤム・セマニは古くから存在する種ではなく、知られ始めたのも最近のことです」とモナコ氏は言う。「しかし、烏骨鶏はあちこちにいます。さまざまな変種が存在し、ショーで優勝する鳥もいます」

 アンデション氏は、黒いニワトリ品種はすべて「勝者」だと、著書で述べている。これほどの色になるのは一般的にとても珍しい。「ふつうは不完全な部分があって、白い斑点や色素の不足などが生じるものです」

 黒いニワトリが生まれたのは、偶然のたまものだ。しかし、それを育てて広めたのは、人間の選んだ道だ。「ほんとうに面白いのは、その点だと思います」とアンデション氏は語る。

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山羊🐐に荒らされ「にゆく」の自然が劇的に再生、一体

NATIONAL GEOGRAPHIC 2020年2月5日(水)7時13分配信/MICHAEL HINGSTON(作家)

外来種のヤギやネズミに100年以上荒らされ続けたレドンダ島、カリブ海

 カリブ海西インド諸島に位置するレドンダ島は、周囲を高い断崖に囲まれた小さな火山島だ。島を覆う草むらにはカツオドリやグンカンドリの巣が点在し、その主たちが何十羽も頭上を飛び交うなか、島の固有種であるアノールトカゲの仲間(Anolis nubilis)や体長3cmにも満たないヤモリが、近くの日陰をうろついている。レドンダグラウンドドラゴン(Pholidoscelis atratus)と呼ばれる、体長15センチの希少な黒いトカゲはもっと大胆だ。こちらが数秒間足を止めている間に、スニーカーの上を群れが横切って走っていく。

 島の固有種のトカゲに出会うのにも、島をほんの2分も散策すれば十分だが、この島の自然はずっとこれほど豊かだったわけではない。わずか数年前まで、近くに浮かぶアンティグア島(レドンダ島は、アンティグア島など複数の島からなる国家アンティグア・バーブーダに属する)の島民たちからは、いずれは海に消える「死にゆく島」と見られていた。

 19世紀末から20世紀にかけての50年間、レドンダ島はにぎやかな鉱山として栄え、大規模な滑車装置が、肥料として使われるグアノ(海鳥などの糞の堆積物)を海岸線まで運び降ろしていた。最盛期には100人以上の作業員が雇われ、その大半は島に住み着いて働いていた。

 しかし、鉱山が第一次世界大戦の勃発で閉鎖されると、人々はこの島の自然に重大な影響を与える2種類の生き物を残して去っていった。ヤギとネズミだ。それからの100年間で、外来種であるヤギとネズミは、目にとまるものすべてを食い尽くし、この島に残るものは砂埃と古い装置の残骸のみとなった。

 ところが近年、レドンダ島では、信じられないほどのスピードで自然環境が改善されつつある。「自然再生(再自然化)」という言葉を聞くと、たいていの人は、たとえば庭園を立ち入り禁止にして自然の雑草が復活するのを待つといった、穏やかで受け身のプロセスを連想するだろう。しかし「レドンダ島自然再生プロジェクト」で採用された再生の方策は、もっと込み入ったものだった。

元の姿に戻すのは不可能とされていた

 長年の間、レドンダ島を元の姿に戻すのは不可能だと考えられてきた。動物による被害が大きいうえ、島へのアクセスが悪く、さらには自然保護という概念が、地元になかなか受け入れられなかったからだ。

「アンティグアでは一般に、自然保護はエリート主義的なものと考えられています」。レドンダ島の自然再生プロジェクトを監督するNPO「エンヴァイロメンタル・アウェアネス・グループ(EAG)」のコーディネーター、ナタルヤ・ローレンス氏はそう語る。「お金がある人には、樹木やトカゲを気にかける余裕があるでしょう。しかし自分の子供に食べさせるために今1ドルが必要な人に、長期的な影響まで考える時間はないのです」

 1980年代末の設立以来、EAGはアンティグアとその周辺地域で多くの自然再生プロジェクトを実施してきた。その数十年の間に、彼らは地域の十数の島々でネズミの一掃に成功している。そしてついに2016年、幾度にもわたる利害関係者との協議や実現可能性に関する調査を経て、レドンダ島での作業が開始された。

 最初のステップは、レドンダ島にいる約60頭の野生ヤギの群れを移動させることだった。ボランティアたちが計画をもとに作業を進めたものの、2カ月たっても捕獲できたヤギはたったの1頭だった。

「あのヤギたちはとても賢いのです」。レドンダ島自然再生プロジェクトのコーディネーターであるシャナ・チャレンジャー氏はそう言って笑った。「わたしたちが仕掛けた罠を見ると、飛び越えてしまうんですから」

 食べ物や新鮮な水でおびき寄せる作戦もうまくいかず、最終的には、さらに多くの人手を集めて直接ヤギを追い詰め、ヘリコプターで島から運び出すというやり方が功を奏した。ヤギが興奮して暴れないよう、ビニール袋で1頭ずつ体を首まで包み、使い古しのヨガパンツで作ったフードで目隠しをし、さらに角はプールヌードル(大きなマカロニ状のプール用玩具)を巻いて保護。そのうえで、アンティグア島まで20分かけて空輸した。

 ヤギの空輸と並行して、島の隅々にまではびこっている約6000匹のクマネズミの駆除も進められた。ネズミの体は大きく、作業員が毒を仕掛けた罠の様子を見に戻ると、死んだ仲間の体にほかのネズミがかじりついているほど食欲旺盛だった。また、レドンダ島の大部分はアクセスが非常に困難なため、EAGは英国登山協会の登山家たちを雇い入れて島の隅々にまで毒入りのえさを置いた。

 ヤギとネズミが完全にいなくなったことを確認した後、EAGは次の行動を起こす前に、まずは人の手を入れずに自然がどのように再生するのかを観察することにした。そしてわかったのは、人間が何かをする必要はほとんどないということだった。

 1年もしないうちに、陸鳥の数は10倍になり、ツリートカゲやグラウンドドラゴンなどの希少な固有種もまた、急速に増加した。自生の草木が予想よりも早く成長したおかげで、茶色だった島は緑色になった。2012年の研究では、レドンダ島に自生する植物は17種だったが、2019年の調査ではその数は88種となった。

「少し手を貸すだけで、自然は回復できるのです」

 大半の自然保護プロジェクトがそうであるように、レドンダ島の自然再生プロジェクトにも、決まった完了日があるわけではない。訪れる人のほとんどいないこの島の自然が順調に再生し、ネズミなどの外来種が突然復活することのないよう、EAGは今も監視を続けている。また現在、レドンダ島とその周辺の海を恒久的な自然保護区域にする計画が、アンティグア・バーブーダ政府に提出されている。

 いずれにせよ、EAGにとってレドンダ島は、数十年間にわたる自然再生の取り組みにおける最も大きな成功事例となった。島の再生のスピードは、保護活動の有効性のみならず、どんなに不毛に見える土地でも再生が可能であることを示している。「少し手を貸すだけで、自然は回復できるのです」と、チャレンジャー氏は言う。

 ローレンス氏の望みは、レドンダ島の事例が世界の人々から評価されると同時に、これだけの規模の自然再生プロジェクトを支える裏方の作業が理解され、称えられることだという。「島の美しさに驚くだけなら簡単です」と、ローレンス氏は言う。「しかし、それを維持するために必要な作業については、あまり知られていないのです」

 

2020年2月 4日 (火)

【新型肺炎】WHO<緊急事態宣言>パンデミック必至「封じ込めは無理」米国の専門家

武漢肺炎パンデミックほぼ確実」「封じ込められない」米専門家が悲観発言

Yahoo!ブログ 2020年2月4日(火)11時08分配信

 感染者数が2万人、死者数が400人を超え、新型肺炎の感染拡大が止まらない中、11人の感染者が確認されているアメリカ(米国時間2月3日時点)でもヒトヒト感染が確実に進んでいる。

米国では夫婦間でヒトヒト感染

 2月2日(米国時間)、新型コロナウイルスによる2番目のヒトヒト感染が、カリフォルニア州サン・ベニート群で確認された。最近、武漢に旅行した男性とその妻が新型コロナウイルスに感染していることがわかったのだ。妻は武漢には行かなかったので、妻は武漢から戻ってきた夫からうつされたことになる。夫妻はともに57歳。入院してはいないが、自宅隔離している状況だ。

 アメリカでの最初のヒトヒト感染は、先週、イリノイ州シカゴで発生したが、それも夫妻間で起きたものだった。イリノイ州在住の男性が、最近、武漢を訪問した妻から新型コロナウイルスをうつされ、2人とも入院した。

 また、フィリピンでもパートナー間での感染が起きた。2月1日、フィリピンで中国国外で初めて新型肺炎による死者が出たが、亡くなった44歳の男性は、一緒に武漢を旅行した38歳の女性から感染。その女性はフィリピンで最初に感染が確認された人物だったという。ちなみに、この2人は、武漢から香港経由で、1月21日にフィリピンに入っている。

ほぼ確実にパンデミックになる

 ヒトヒト感染が増え、中国国外での死者も出る中、アメリカの専門家が米紙ニューヨーク・タイムズで何とも悲観的な発言をしている。
 感染症研究の世界的権威として知られる、アメリカ国立アレルギー・感染症研究所所長のアンソニー・フォーシ博士が、パンデミックという言葉に言及したのだ。

「コロナウイルスは、非常に、非常に伝染力がある。パンデミックになるのはほぼ確実だ。しかし、カタストロフィック(壊滅的)になるか? それはわからない」

 ちなみに、パンデミックとは、インフルエンザのように、地球のほとんど全土に拡大する疾病のこと。WHO(世界保健機関)は疾病についてフェーズ1〜6の6つの警戒段階を設けているが、パンデミックは最も警戒しなければならないフェーズ6の段階に当たる。20世紀では、1968年の“香港インフルエンザ”、1957年の“アジアインフルエンザ”、1918年の“スペインインフルエンザ”がパンデミックとされている。

2009年に流行した新型インフルエンザについては、WHOはパンデミック宣言を行ったものの実際の被害は小さかったという。

 CDC(アメリカ疾病予防管理センター)の前ディレクター、トーマス・フリーデン博士も、封じ込めの難しさに言及。

「ウイルスはいよいよ封じ込められなくなりそうだ。だから、インフルエンザや他の微生物のように感染が拡大するだろう。しかし、どこまで拡大し、どれだけの人が亡くなるかはまだわからない」

 両者の見解を合わせると、伝染力があるため、封じ込めが難しいほど感染が拡大し、パンデミックになるのはほぼ間違いないが、どの程度深刻な状況まで行くかはわからないということになる。

中国から到着する訪問者を入国拒否する国続々

 先が読めない新型肺炎に対し、アメリカは「非常事態宣言」を出し、迅速に厳格な予防策をとった。米国民に中国全土への渡航禁止を勧告し、実質的に中国から到着した訪問者を入国禁止にする措置をとったのだ。具体的には、

1. 到着前14日間の間に中国に滞在した外国人の入国を拒否。

2. 中国本土の他の地域を訪ねた米国民は指定された11の空港でスクリーニングを受け、14日間自宅観察をする。

3. 湖北省を訪ねた米国民は、入国後、潜伏期間の14日間強制隔離する。

とした。

 アメリカ以外でも、中国から到着する訪問者の入国を禁じる措置が次々取られ始めている。

 フィリピンは中国国外で新型肺炎による初めての死者が出たことをうけ、香港やマカオを含めて、中国から来る訪問者の入国を禁止した。

 ニュージーランドは2月3日から、中国から到着する旅行者の入国を拒否し、国に戻って来たニュージーランド国民を14日間自主隔離させる措置をとる。

 インドネシアは到着前14日間の間に中国に滞在していた訪問者の入国を禁止すると発表した。

 イラクは中国から到着するすべての外国人の入国を禁止すると発表。

 シンガポールは中国人訪問者と到着前14日間の間に中国に滞在した外国人の入国を禁止している。

 ベトナムは5月1日まで、中国、香港、マカオから来るフライトの乗り入れを禁止にした。 

 モンゴルは3月2日まで、中国との国境を閉鎖した。

 韓国では、中国からの訪問者の入国禁止を求める嘆願書への署名が進み、署名者数が54万を超えた。

 アジアの国々が次々と厳格な予防策へと移行する中、日本は「湖北省に日本到着前14日以内に滞在した外国人と、湖北省発行の中国旅券所持者の入国を、2月1日から当面禁止する」に踏み留まっている。

 感染症研究の権威がパンデミックとまで言及した今、日本政府はもっと厳格な措置を講じるべきではないか。

武漢の新型肺炎専門病院建設10日間」の軌跡

東洋経済オンライン 2020年2月3日(月)20時01分配信

 新型肺炎の発生源である武漢では、急増する患者を受け入れるための医院が10日間ほどで完成した。その驚くべきプロセスを生々しい写真で追う。撮影したのは、武漢から特報を連発して世界から注目されている独立系メディア、「財新」の取材班だ。

 2月2日、新型コロナウイルスによる肺炎の患者を専門的に受け入れる武漢市の「火神山医院」がおおむね完成。

 翌3日から感染者を受け入れはじめた。建設が始まったのは1月25日。工期は10日間ほどと驚異的な短さだ。

 火神山医院の建築面積は約3.4万平方メートルで、1000台のベッドを収容できる。感染拡大を防ぐため、雨水や汚水の処理システムや、病室から出る空気を消毒するシステムを備えている。

 1400人の医療スタッフは人民解放軍のさまざまな専門チームから派遣される。このほかに政府の疾病予防控制センターや軍事科学院軍事医学研究院から15人の専門家が特別チームを組織し、現地で指導に当たる。

雷神山医院も2月5日引き渡しで建設中

 火神山医院に加えて「雷神山医院」も、武漢市内の別の地区で建設中だ。建築面積は約7.5万平方メートルで、最大1600台のベッドを収容できる。引き渡し予定日は2月5日だ。

 この2つの病院のモデルとなったのは、SARS(重症急性呼吸器症候群)が大流行するさなかの2003年4月に北京郊外で建設された「小湯山医院」だ。

 わずか7日間で完成し、その後2カ月間で当時の中国国内の患者の7分の1を受け入れた。

 2月に入ってからも新型コロナウイルスの感染者は、1日3000人近いペースで増え続けている。中国全体の半数近い感染者を抱える武漢市で、病魔の拡大を防ぐ取り組みが急ピッチで進む。

中国人40万人訪日中止…春節期間の百貨店 前年比売上3~4割減

読売新聞オンライン 2020年2月3日(月)22時51分配信

 新型コロナウイルスによる肺炎の感染拡大を受け、団体旅行で日本を訪れる予定だった中国人旅行者のキャンセルが、3月末までの約2か月間で少なくとも約40万人に及ぶ可能性があることがわかった。

 中国人が日本へ団体旅行をする場合、日本の旅行会社が「身元保証書」を作成する。日本旅行業協会によると、中国当局が海外への団体旅行を禁止した1月27日から3月末までに訪日予定の保証書が約40万人分あり、大半がキャンセルになる可能性が高いという。クルーズ船を利用した団体旅行やビジネス客は40万人に含まれておらず、中国人旅行者全体のキャンセルはさらに膨らむとみられる。

 一方、百貨店各社が3日発表した1月の売上高速報によると、三越伊勢丹と高島屋、J・フロントリテイリングの3社で、春節期間中の免税品の売上高が前年に比べ、1割程度減少した。各社によると、春節の大型連休が始まった24日以降の1週間では、中国当局が海外への団体旅行を禁止した27日よりも前の売り上げは好調だったが、その後は厳しさが目立つ。高島屋は29日以降、免税品の売り上げが前年の春節よりも3~4割減ったという。

 

2020年2月 3日 (月)

【日経平均】NY株✍暴落<半年ぶりの下げ幅>世界経済の悪化懸念

NY株ダウ603ドル安=新型肺炎の感染拡大懸念 8月以来の下げ幅

時事通信 2020年2月1日(土)7時00分配信

 週末31日のニューヨーク株式相場は、中国で発生した新型肺炎の感染拡大による世界経済への悪影響を懸念し、大幅下落した。下げ幅は一時、690ドル近くに達した。優良株で構成するダウ工業株30種平均は前日終値比603.41ドル安の2万8256.03ドルで終了した。終値では昨年8月23日以来、約5カ月ぶりの下げ幅となった。

 ハイテク株中心のナスダック総合指数は同147.99ポイント安の9150.94で引けた。

 ニューヨーク証券取引所の出来高は前日比4億5088万株増の13億9247万株。

 新型肺炎の感染者は、中国国内で1万人に迫る勢いになっている。世界保健機関(WHO)は30日、「緊急事態」を宣言した。31日には、英国やロシアでも感染者が明らかになり、世界各地に広がっている。米政府は中国本土への渡航中止を勧告。アメリカン航空グループやデルタ航空など米航空大手は、当面の間、中国本土線全便の運航を停止する措置を発表した。

 市場では、新型肺炎が、サプライチェーン(部品供給網)や観光、個人消費などに悪影響を及ぼし、米経済の成長鈍化を招くとの懸念が強まり、リスク回避の株売りの動きが進んだ。中国経済減速からエネルギー需要が減少するとの見方が強まり、原油価格が下落。エネルギー関連銘柄も売られた。

 個別銘柄では、アメリカン航空が3.2%安、デルタが2.4%安、アップルは4.4%安、シェブロンが3.9%安、キャタピラーが3.0%安、フェイスブックが3.6%安、インテルが3.8%安、シティグループが3.3%安、メイシーズが5.2%安だった。一方、決算が市場予想を上回ったアマゾン・ドット・コムは7.4%高、IBMも5.1%高だった。

新型肺炎」は株価下落の「本当の要因ではない

東洋経済オンライン 2020年2月3日(月)5時40分配信/馬渕 治好(米国CFA協会認定証券アナリスト)

 中国の武漢市から広がったとみられる新型肺炎(新型コロナウイルスによる呼吸器疾患)は、世界の人々の健康、さらには人命を考えるうえで、深刻な問題だ。すでに中国では多くの方が亡くなっており、フィリピンでも死者が出た。中国以外で初のことだ。

 死者は高齢者や元々持病がある方に集中しているとされているが、逆に言えば、そうした基礎体力の弱い方々にとって、命の危機を感じる事態だと言える。こうした点で、今回の新型肺炎を決して楽観すべきではない。

新型肺炎が2つの点で株価下落要因になる理由

 だが、ここから先は、そうした観点ではなく、あくまでも「株価に対する新型肺炎の影響がどうか」、という点に限って述べれば、「過大視すべきではない」と考える。

 新型肺炎が株価下落要因だ、と考えられるのは、経済等の実態面では、主として次の2点だ。

 (1) 中国における需要の減退

 中国で、感染を恐れて人の移動が不活発になる、あるいは政府による移動の制限などによって、外出が控えられ小売りの売り上げが落ち、旅行・行楽需要も減退するなど、内需への悪影響が懸念される。中国の景気が悪化すれば、他国から中国への輸出減という形で、世界経済に悪影響を与えるだろう。また中国から海外への旅行者の減少が、各国のインバウンド需要を減少させる。

 (2)中国における供給の混乱

 中国で新型肺炎にかかり、春節休暇明けでも出勤できない人が増えれば、同国内での生産が減少する。海外向けの部品生産が落ちることで、中国産の部品を使っている国々の生産に支障が生じるし、中国産の製品を他国で販売している他国企業の売り上げが落ちて、企業収益に悪影響となるだろう。

 世界的に株価が下落するのは、上記の(1)(2)に加えて、さらに(3)状況が不透明で投資家が不安心理に襲われ、よく事態がわからないがとりあえず株式を売っておこう、との動きが強まる、という面もあるだろう。

 (1)(2)のような、経済実態の悪化は、ある程度生じるだろう。その点で、仮に新型肺炎が広がらなかった場合に比べれば、現実に株価に押し下げ圧力が働いているとは言える。

 ただ、今回のケースとの比較対象として、SARS(重症急性呼吸器症候群)が2002年11月から2003年7月に流行した局面が挙げられるが、SARSの致死率が10%程度だとされているのに対し、今回の新型肺炎は致死率が3%前後だと伝えられている。この数値は、現時点で判明している患者数で死亡者数を割ったものなので、今後事態が進むにつれて、致死率が変わってくる可能性はある。それでも、今のところはSARSほど致死率が高いようではない模様だ。

 また、2003年当時より医療関係の技術が進み、すでに新しいコロナウイルスの遺伝子解析などが進んでいる、との報道も目にする。中国以外でも多くの国で、人の移動を制限するなどの政府の対応がなされており、加えて世界の人々の自己防衛も早く、マスクの着用や手洗いの励行なども広がっている。そもそも、インフルエンザウイルスと性質が類似だとすれば、新型肺炎のコロナウイルスは高温多湿に弱いはずなので、流行は当面の冬場から春先にとどまる公算が高い。

 とすれば、経済成長が抑制されるとしても、主に1~3月に限られるのではないだろうか。当面の世界の株式市況は、前述3)の不安心理の亢進や沈静化により、短期的には上下に振れ続けると懸念されるが、新型肺炎が、何カ月も主要国の株価を押し下げ続ける要因になるとは、考えていない。

新型コロナが収まっても、今後の株価は下落基調になる

 では、新型肺炎が中長期的な株価下落要因ではないとして、この先新型肺炎の流行が沈静化すれば、株価は力強い上昇基調に転じるかと言えば、そうは考えてない。

 これまで当コラムで繰り返し述べてきたように、今後の株価を予想する筆者の最も「背骨」になる考え方は、世界の景気や企業収益が低迷しているにもかかわらず、アメリカを中心に株価が高過ぎるため、現在の株価が大きく下がって実態に沿った水準にサヤ寄せすることになるだろう、といったものだ。

 つまり、新型肺炎の流行が、拡大しようと収束しようと、主要国の株価は年央辺りにかけて大幅に下落すると見込んでいる。

 先週のアメリカの株価はさすがに大きく下落した。だが、先々週(1月24日に終わる週)の時点で、S&P500の予想PER(株価収益率、企業の収益予想値は米ファクトセット集計、アナリストの12カ月先までの予想平均値)は18.6倍に達していた。

 これは近年の最高値である、2018年1月の18.7倍にほぼ並ぶ水準だった。当時は、2016年11月に当選したドナルド・トランプ大統領の経済政策に対する期待が、過度に盛り上がり続けた局面の終盤に当たり、その買われ過ぎが維持不能になって、2018年2月からの株価下落に突入していった時期だ。今回も、新型肺炎騒ぎがなかったとしても、アメリカの株価が自律的な下落に入っていってもおかしくなかったと言える。

一部の銘柄への買いも「限界」に

 そうした全体の相場付き以外にも、アメリカの株式市況の「変調」は明らかに生じている。たとえば、フェイスブックは1月29日(水)の引け後に2019年10~12月の四半期決算を発表し、純利益は前年比7%増と、四半期ベースで過去最高利益を更新した。だがこうした好決算にもかかわらず、時間外から翌30日(木)にかけての同社の株価は、5%以上下落した。

 この下落について、株価下落を見た後で、「想定ほど売り上げが伸びていない」「費用が思ったより嵩んでいる」という「言い訳」が報じられているが、そうではなく、好決算でも株価が下落した、と解釈すべきではないのか。つまり、同社の収益がよい、という点を過度に事前に織り込んで株価が上がってしまっていたため、その無理が表れた、ということなのだろう。

 別の解釈としては、全般的に企業収益が冴えないため、買える銘柄が少なく、フェイスブックなど一部の銘柄に資金が集中して、買うから上がる、上がるから買う、という「うすら寒い」物色が進んでいたが、そうした相場付きが限界に達したのかもしれない。

 投資家の期待が集中し、買い上げられた業種としては、半導体関連も挙げられる。実態面で「世界の半導体出荷額が底入れ持ち直しに転じている」、という裏付けはある。だが、株式市場は緩やかにとどまる出荷の持ち直しを過度に好感した面もあったのではないか。先週は、ニューヨークダウは2.53%、ナスダック総合指数は1.76%下落したが、半導体銘柄から算出されるSOX指数は、6.97%もの下落となっている。

 この背景には、個別材料として、1月28日(火)に決算を発表したAMDの、企業側の1~3月期の売上高見通しが市場の期待を下回った、といった要因もある。だが、やはりこれまで過度に持ち上げられてきた銘柄群の株価に、きしみが生じてきたと言える。このように、個別物色をみても、新型肺炎抜きに、アメリカの株価は曲がり角を曲がったようだ。

日本経済の不振は「天気のせい」なのか? 

 日本でも、低迷する鉱工業生産と高水準の在庫、小売売上の不振、下方修正が優勢な企業自身の収益見通しなど、株価下落材料が多い。しかし多くの専門家が「生産などの落ち込みは、昨年10月の大型台風襲来のせいだ」「同12月の衣料品売上の不振は、暖冬のせいだ」と天気のせいにしている。きっと今年1~3月の景気が落ち込めば、新型肺炎だけのせいだと主張するのだろう。

 そうした専門家はともかく、黒田東彦日銀総裁も、1月のダボス会議で、「昨年10~12月の日本経済はマイナス成長に陥った可能性があるが、それは天候のせいだ」と、パネルディスカッションで述べている。すべて天候のせいだと考えると、基調としての日本経済の悪化を、見落とすのではないだろうか。

 さて今週は、日本では労働力調査や家計調査など、労働、家計所得、消費に関する経済統計が公表され、アメリカでもISM指数(製造業と非製造業)や雇用統計など、市場の注目度が高い統計の発表が予定されている。日米ともに、2019年12月までの企業決算の発表が引き続き行われ、市場が注視するだろう。

 こうした材料は、全て新型肺炎騒ぎが大きく広がる前の統計や決算であるため、とりわけ内外株価を上下に振らせるとは想定しがたい。当面の主要国の株価は、新型肺炎に対する不安心理の台頭と剥落に振り回されよう。ただ、すぐでないとしても、実体と株価の乖離は、株価下落という方向で解消に向かうと予想している。

 もしかすると、後から振り返れば、偶然、新型肺炎騒ぎがそのきっかけになった、ということになるのかもしれない。こうした流れの中で、今週の日経平均株価は、2万2000~2万3000円を見込む。

 

2020年2月 2日 (日)

【新型肺炎】WHO<緊急事態宣言>高笑いする✍米国のホンネ

新型コロナウイルスを“歓迎する米国

JBpress 2020年2月2日(日)6時00分配信

「これが本当のイエローぺリル」

 世界保健機関(WHO)が新型コロナウイルス(以下新型ウイルス)による肺炎の感染拡大に対処するとして「緊急事態」を宣言した。

 米国政府は、これを受けて、米国人の中国全土への渡航警戒レベルを4段階のうちの最高レベルの「渡航禁止」とした。

 (https://travel.state.gov/content/travel/en/traveladvisories/traveladvisories/china-travel-advisory.html)

 米国務省は、在中国米大使館、成都、広州、上海、瀋陽各領事館で勤務する外交官のうち、「緊急対応要員」を除く外交官とその家族の国外退避を認めた。

 米国政府は、1月28日、武漢にチャーター機を飛ばし、武漢駐在の米外交官とその家族195人を米国に連れ戻した。帰国と同時に全員をカリフォルニア州オンタリオの米州兵基地に隔離している。

 中国で事業展開しているアマゾン・ドットコムやマイクロソフトも社員の中国出張を中止。中国全土に3000店舗を持つマクドナルドは湖北省の店舗を全店営業停止にした。中国各地に4100店舗を持つスターバックスも同省の店舗を営業停止した。

 米国と中国を結ぶユナイテッド、アメリカン、デルタ航空各社も1月31日から3月末あるいは4月末まで運行を休止する。

 武漢にかって駐在したことのある元ビジネスマンのCさん(70)は筆者に皮肉っぽくこう言う。

 「新型ウイルスはまさに21世紀のイエローぺリル(黄禍)だね。

 「アメリカを抜き、超大国になると自負してきた中国だが、ひと皮剥くと、国内の衛生管理や感染防止は後進国並み、新型ウイルスの感染封じ込みに完全に失敗してそのことを天下にされしてしまった」

 「(中国は今や)軍事大国、経済大国だと、聞いて呆れる。世界中に有害ウイルスををまき散らして大国面されても・・・」

 「習近平国家主席はいまだに釈明も謝罪もしていない」

 4月に習近平国家主席を国賓として迎える日本政府や日本の主要メディアには言えない「ホンネ」がポンポン出てくる。

批判を封印のトランプ大統領

 今回の新型ウイルスについて米国人はどう反応したか。

 感染は米国内でも広がっている。日本は新型ウイルス一色だが、米国にも一歩遅れて火がついた格好だ。

 1月28日までに5人の感染が確認された。そのほか26州で計110人が感染の恐れがあるとして監視下に置かれている。

 この時点で武漢からの渡航者や帰国者約2400人を検査している。

 ドナルド・トランプ大統領は、習近平国家主席が新型ウイルスの蔓延阻止を指示したのを受けて「必要な支援」を申し出た。

 ツイッターには「わが国の専門家は並外れている」とも書き込んだ。

 この人のことだから、他人が困った時には悪口の一つを言ってもおかしくないところだが、今のところ習近平国家氏に対する批判がましいことは一切口にしていない。

 米中関係と北朝鮮の非核化がどうなるかは、トランプ氏にとっては再選を果たすためには重要なセールスポイント。

 その意味では習近平氏も金正恩朝鮮労働党委員長についての批判は常に避けている。

 トランプ大統領は、自分の対中、対北朝鮮外交は「成功だ」と言い続けている手前、悪口は言えないのだ。

 新型ウイルス感染阻止で窮地に立たされた習近平氏には「寛大さ」を示しておかねばならないのだろう。

徹底した防疫体制のエリート官僚集団

 しかし米外交はトランプ大統領の一存だけで動いているわけではない。

 国務省はじめ国益のために働いてきたプロのエリート官僚集団は、今回のウイルス・クライシスに迅速に動いている。

 米政府は、1月29日に武漢から連れ戻した外交官とその家族195人を直ちにカリフォルニア州オンタリオにある米州兵基地の施設に移動させ、14日間強制的に隔離する。

 国家安全保障という大義名分があると判断すれば、米政府は「個人の人権を尊重する」などといったきれいごとは言わない。

 国家を新型ウイルス感染拡大から守るためには個々人の権利も意思も完全に無視するのだ。

 武漢から連れ帰った自国民を一時的に隔離する施設周辺の住民が政府職員に卵をぶつけて抗議するような騒ぎは米国では起こらない。

 トランプ政権のエリート官僚たちは対中スタンスではどうか。

 前述のように、米国は、中国政府の要請を受けて、疾病対策センター(CDC)の専門家チームを中国に派遣した。

 司令塔として、ホワイトハウスにはアレックス・アザー厚生長官やロバート・オブライエン大統領補佐官(国家安全保障担当)らで構成される新型ウイルス対策本部が設置された。

 物事は淡々と進んでいるかに見える。

 後述するトランプ大統領がポリティカルアポインティーとして選んだ政府高官を除いては、官僚たちは中国政府のドタバタぶりについては一切コメントしていない。

 外交的政治的配慮というものだ。

 だが、一般の米国人の対中観は聞くに堪えないものがある。

 米一般庶民は元々、中国に対しては潜在的に人種的、文化習慣的な偏見を持っている。それが今回のウイルス・クライシスで顕在化した感すらする。

 保守派反中派のカリフォルニア州サンディエゴ在住のVさん(55=自営業の白人)は電話口で筆者にこう語っている。

 「中国人は日頃から自分たちこそ世界一だ、と豪語しているくせにこのざまは何だ」

 「1月初めにウイルスを発見したのに、その後2週間も習近平氏はいったい何をしていたのか。彼は独裁者だろ。何でもできるはずなのに」

 「自分の国で大勢の中国人が感染したり、死んだりしてもそれはあなたの勝手。でもわが国にまでウイルスを持ち込むとはどういうことだ。中国人はやはり昔も今も中国人だな(欧米に比べ衛生管理が不備だということか)」

「習近平氏にとって最大の危機」

 感情的な一般庶民の中国人観は脇に置くとして、米中関係を大所高所から論じてきた米専門家たちはどう見ているのか。

 親中国系の学者たちは沈黙を守っている。ところがトランプ政権の対中政策形成に関わり合っている専門家の一部からはショッキングなコメントが出始めている。

 一言で言うと、「新型ウイルスは中国共産党の頭目、習近平氏にとっては最大の国内政治危機だ」という受け止めだ。

 保守系シンクタンク・ハドソン研究所のロブ・スポルディング研究員(退役空軍大将)はこう指摘している。

 「新型ウイルスは中国にとっては最も大切な春節(旧正月)という祝いの最中に発生した。習近平氏にとっては最悪の一撃だった」

 「この結果、中国共産党が崩壊するなどは言わないが、習近平氏を批判することを封じ込まれてきた『隠れ反対勢力』が蠢動する可能性は避けられないだろう。そうなれば習近平一辺倒の共産党内にも亀裂が生じる」

 同じく保守系シンクタンク・ヘリテージ財団のディーン・チェン研究員はこう述べている。

 「習近平氏には物凄い政治的プレッシャーがかかるだろう。だからと言って、直ちに習近平政権の存続が危ぶまれるというわけではない」

 (https://www.washingtonexaminer.com/policy/defense-national-security/a-terrible-blow-coronavirus-hits-china-with-one-of-the-worst-domestic-problems-of-xi-jinpings-tenure)

 憲法を改正して終身国家主席となった習近平氏だが、今や「米帝」からの外圧を受けてたじろぐのではなく、自然発生的な新型ウイルスという内圧でぐらつき始めたのだ。

 その兆候がすでに出始めている。

 武漢の周先旺市長は、1月28日、こう言い訳に終始した。

 「地方自治体の長として(新型ウイルス発生についての)情報はそれなりに得ていた。何か手を打とうとするにも中央からの許可を待たざるを得なかった」

 ところが、同市長は3日後の31日には同市長の「上司」である武漢市トップの馬国強・共産党委員会書記は初動の遅れを認めて謝罪した。

 「今は恥じ入り、自責の念を感じる。早く厳格な措置を取れば、結果は今よりよく、全国各地への影響も小さく、党中央や国務院を心配させることも少なくなかった」

 だがたとえ初動が遅れたとはいえ、専門家チームが新型ウイルスによる肺炎と判断したのは1月9日。初の死者が出たのは11日。

 習近平国家主席が「蔓延の阻止」を指示したのは20日。武漢市を交通遮断して「封鎖」したのは23日。

 24日に春節が始まったとはいえ、共産党指導部が緊急対策本部を開いたのは25日。

 ジュネーブのWHO関係筋によると、その間、習近平国家主席がやったことは、親中国のWHOのテドロス・アドハノム事務局長(エチオピア出身)に「緊急事態宣言」をさせないように圧力をかけていただけだとも言われている。

 これが事実かどうか、は今後明らかになってくるだろう。

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新型コロナウイルス、退院した患者が体に起きた異変を明かす「動くにも動けない状態だった

HUFFPOST 2020年1月22日(水)12時52分配信

「隔離治療で、医療従事者は肌を少しも見せない防護服を身にまとっていた」

中国の武漢市を中心に広がりを見せている新型コロナウイルスによる肺炎で、隔離治療を受けた男性が退院後、自身の症状や入院生活をメディアに明かしている。

男性は最初はただの風邪と考えていたが、徐々に症状は悪化し、入院中は食事の介助を必要とするなど「動くにも動けない状態だった」と話している。

最初は風邪だと思っていた

男性の名は、メディアによって「王康」や「李」など違った仮名で報じられているが、内容や動画などから同じ23歳の男性だと思われる。

最初に違和感を覚えたのは2019年の12月24日。仕事を終えた際、体調が悪いと感じたため、友人と会う約束をキャンセルし帰宅した。男性はこのときの症状を「めまい、頭痛、それに四肢が少し痛みました」と振り返る。

翌朝出勤しようとしたが、「症状はひどくなっていた。全身の力が抜けるような感じがした」といい、急いで休みを取り地元の病院に向かったという。この時はまだただの風邪だと考えていたといい、熱も出ていなかった。

熱が出たのは12月27日。点滴を受けたが体調は良くならず、「力が抜けてほとんど動けなくなった」と振り返っている。

病院で検査したところ、血液検査では異常はなかったというが、肝機能検査で「正常ではない点があった」という男性。大学に付設されている病院でようやく「肺炎」の診断が下される。このとき、熱は40度を上回ることもあったという。男性は当時を次のように回想する。

「たくさん質問をされました。仕事場はどこかとか、(関係者が多く感染した)華南海鮮市場に行ったかとか...。仕事場が市場から直線距離で数百メートルだと告げました」

その後、専門家と、感染者の隔離治療が行われている別の病院がビデオ会議を開き、男性はその病院に移送されることが決まった。

隔離治療の様子は

治療そのものは「通常の肺炎と同じではないか」と話す男性。治療中の様子を克明に覚えている。

「1つの病室に何人かいましたが、4人を超えることはなかった。医療従事者は肌を少しも見せない防護服を身にまとっていました」

男性を支えたのは姉の献身的な看護だったという。

「医者や警備員が止めましたが、姉が病室に入ってきて、私の世話をしてくれると。当時は動くにも動けず、食事も喉を通らなかった。姉は一口、一口、食べさせてくれた」

男性の体調は徐々に回復し、1月15日に無事退院を果たした。自身が一早く快復した理由については「23歳と自分が一番若かったからだろう」と話している。

現在は消化不良に悩みつつも、道を歩いたり、運動したりするには問題ないという。看護をした姉もその後体調不良を訴えたが、肺炎ではなく風邪と診断されたという。

男性は闘病を通して10キロ以上痩せたというが「他人から見分けがつかないくらい。顔は大きいままだけど、腹のあたりは痩せたんだ」と冗談を言えるほどになった。動画の最後では、医療関係者への感謝の言葉を述べつつ「できるだけ外出を控えて、人の多いところには行かないでください」などと呼びかけている。

禁止にしてくれれば行かなくてすむのに」…渡航制限に不安の声

毎日新聞 2020年1月31日(金)20時49分配信

 新型コロナウイルスによる肺炎の感染拡大で世界保健機関(WHO)が緊急事態を宣言したのを受けて、中国への渡航を制限する動きが加速している。そんな中、政府は現時点で渡航禁止までは踏み込んでいない。中国で働く日本人は多く、春節(旧正月)に合わせた一時帰国から中国へ戻る時期を迎えた日本人からは不安の声が聞かれた。

 31日午後、中国との直行便がある福岡空港(福岡市)の国際線ターミナルでは、中国に向かうマスクを着けた日本人の姿があった。

 「国が渡航禁止にしてくれれば行かなくてすむのに」と話すのは、北九州市小倉南区の会社員男性(39)だ。外務省から届くメールで現地の感染者数が増えているのは分かるが、工場の操業再開を前に戻らなければならないという。バッグには買いためたマスクや除菌シートを入るだけ詰め込んできた。

 3月からは妻子を呼んで現地で同居する予定だったが、新型肺炎で白紙状態になった。「妻からは『こんな時になぜ戻らなきゃいけないの』と不満をぶつけられましたよ」。男性は力なく語り、搭乗手続きに向かった。

 福岡県太宰府市に帰省していた会社員男性(43)は、ともに中国で働く妻が先に帰るため、空港に見送りに来ていた。自身も1週間後には戻らなければならない。「さらに感染が広がれば、日本に帰れなくなるのではないか」とマスクから漏れる声は不安げだ。

 中国山東省の工場に赴任する予定の福岡県内の男性(46)は「感染拡大が落ち着くまでは行きたいとは思えない」と嘆いた。

 旅行客の中国への渡航も影響が出ている。

 旅行大手エイチ・アイ・エス(HIS)では現在、新型肺炎の感染拡大で閉鎖となった上海ディズニーランドや北京の故宮博物院(紫禁城)を行程に含む中国行きのツアーを2月10日出発分まで中止にした。例年2~3月は卒業旅行などの需要が増えるが「今後も状況を見ながら判断していくしかない」と話した。

 一方、中国からのクルーズ船の博多港入港を拒否すべきだとブログに書き込んだ福岡市の高島宗一郎市長は31日、記者団の取材に応じ「クルーズがきっかけでコロナウイルスが広まったとなると、港としても大きく信頼を損ねる。短期的に見れば『入港拒否』は強い言葉だと思うが、非常事態の中での対応」と理解を求めた。

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関連エントリ 2020/01/31 ⇒ 【新型肺炎】ついに✍WTO<緊急事態宣言>中国経済に大打撃

 

2020年2月 1日 (土)

【落日の英国】移行期間1年<合意なき離脱>回避✍今日午前8時EU離脱

日英EPAの早期締結急ぐ 英EU離脱

産経新聞 2020年2月1日(土)17時45分配信

 英国の欧州連合(EU)離脱を受け、日英両政府は経済連携協定(EPA)の早期締結を目指す。昨年2月に発効した日本とEUのEPAによる関税引き下げなどの優遇措置は、英国の離脱で日英間の効力は移行期間である今年末に失われる。日英両政府はEPAの来年1月の発効も視野に、両国の貿易への影響を最小限に抑える狙いだ。

 「新たな経済的パートナーシップの構築に速やかに取り組む」

 茂木敏充外相は1日、英国のEU離脱を受け、談話を発表。経済の混乱を招く「合意なき離脱」が回避されたことに関し「英国とEU双方のリーダーシップ、特に英国でジョンソン政権が誕生以降、離脱プロセスが大きく進展したことを評価する」と表明した。

 安倍晋三首相と英国のジョンソン首相は昨年12月、英国のEU離脱などをめぐって電話で会談。安倍首相が「野心的な経済パートナーシップの構築に迅速に取り組みたい」と日英EPAの早期妥結に意欲を示すと、ジョンソン氏も「EU離脱後、可及的速やかに議論したい」と応じた。

 EPA交渉の妥結には、数年かかるのが一般的だ。このため日英両政府は、日欧EPAの関税引き下げ水準をベースに交渉を進めることで早期妥結を目指す。

 それでも、「年末の移行期間終了まで時間がない」(外務省幹部)のも事実だ。英国は移行期間前に他国との本格的な貿易交渉はできないが、日英は妥結を急ぐため今年1月から非公式協議に入っている。英国がEUを離脱した後、本格的な交渉に移行する。

 仮に今年末までに日英EPAが妥結できず、また移行期間の延長もできなければ、来年1月以降は日英間の関税が、日欧EPA発効前の税率に戻ってしまう。

 例えば、日本からEU域内への輸出では、10%だった自動車の関税が8年目に撤廃される。1年目は8・8%、2年目からは7・5%に引き下げられるが、EU離脱に伴い英国向けは10%の関税に戻る。

 また、日本のEUからの輸入では、衣類の関税(4・4%~13・4%)は即時撤廃されている。これもEU離脱で英国からの輸入関税は元に戻る。

 英政府は環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)への参加も検討しており、日本政府も支持している。ただ、TPPに参加するには日本以外の他の10カ国とも交渉が必要となり、さらに時間を要する。このため、日英両政府はまずは2国間のEPA交渉に注力する。

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EU離脱イギリスが歩む道は…

日テレNEWS24 2020年2月1日(土)17時36分配信

イギリスは日本時間の1日午前8時、EU(=ヨーロッパ連合)から離脱した。イギリスは今後、どの様な道を歩むのか。山田智也記者がリポート。

3年半にわたった混乱の末、ようやく離脱の日を迎えたイギリス。ロンドンの町は、さながらお祭りムードに包まれた。

ジョンソン首相もビデオメッセージで新たな時代の幕開けを高らかに宣言した。

ジョンソン首相「今夜、最も伝えたいことは“終わりではなく始まり”だということだ」

そして、ついにそのときを迎えると、イギリス国民は──

イギリス国民「今や自由になった。ヨーロッパから口出しされることはもうない」「EUから離脱して、とてもうれしい。ようやく片がついた」

歓喜の一方で、今後の課題は山積みだ。

離脱をめぐる長い対立の末、離脱派・残留派の間には深い溝が残されたまま。最新の世論調査で「離脱に反対」と答えた人は、依然4割近くにのぼる。

これから始まるEUとの貿易交渉は難航するとの見方もあるが、イギリスは国内の分断を抱えたまま、この難しい交渉に臨まなくてはならない。

EUからの離脱は吉と出るのか、凶とでるのか。イギリスにとって本当の正念場はこれからだ。

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米商務長官「新型コロナウイルスの発生で雇用は中国からアメリカに戻ってくる

Newsweek日本版 2020年1月31日(金)14時08分配信

感染症は企業が中国に進出する際の深刻なリスク要因だということがはっきりした、とロスは言う

アメリカのウィルバー・ロス商務長官は1月30日、インタビューに答えて、中国発の新型コロナウイルスの感染拡大のおかげで、北米に雇用が戻ってくるかもしれない、と語った。

トランプ政権発足直後から商務長官の職にあるロスは、FOXビジネスの番組で、新型コロナウイルスが中国経済に及ぼす影響について問われた。世界各国は現在、ウイルスの侵入を食い止めるため、中国に出入りする渡航に制限をかけている。

ロスはまず、ウイルスの被害に遭った人たちへの同情を表した。「まず何よりも、アメリカ国民は新型コロナウイルスの犠牲者に対して追悼の気持ちを持たなければならない」

さらに「とても不幸でとても悪質な感染症が、(自分たちに)幸いしたなどとは語りたくはない。しかし事実として、外国企業は部品調達網の見直しを行う際、感染症のリスクを考慮せずにはいられないだろう」と続けた。

「まずはSARS(重症急性呼吸器症候群)、そしてアフリカ豚コレラもあった。今回は新型コロナウイルスで、これは人々が考慮せざるをえない新たなリスク要因だ。結果として、北米への雇用回帰は加速すると思う。アメリカだけでなく、メキシコにも雇用は戻るだろう」と語った。

中国の感染者数は1万人近くにまで増加

今回の新型コロナウイルスは、昨年12月に人口約1100万人の中国湖北省・武漢で発生し、中国本土を中心に世界各国へと拡大している。

米疾病対策センター(CDC)が公表した情報によると、新型ウイルスは肺炎による重度の呼吸器症状を引き起こす可能性がある。当初、感染源は武漢の海鮮市場と言われていたが、市場や、そもそも武漢に行っていない人からも感染者が出始めたことから、今ではウイルスは人から人への感染力を持ったと見られている。

中国当局は、1月24日から30日までの春節(旧正月)の期間に感染が拡大することを恐れていた。春節には、武漢の住民を含む多くの中国人が、故郷に帰ろうと大移動をするからだ。

中国当局の発表によると、31日時点で確認された新型コロナウイルスの中国国内の感染者数は9692人、死亡者数は213人に上っている。また、ウイルス感染はすでに日本を始め、韓国、アメリカ、カナダ、フランス、ドイツなど世界約20カ国・地域に拡大している。

米商務長官、新型肺炎で「米国の雇用が拡大」と発言し炎上

ForbesJAPAN 2020年1月31日(金)14時30分配信

米国商務長官のウィルバー・ロスは1月30日、中国での新型コロナウイルスの感染拡大が、米国の雇用拡大に前向きな効果をもたらす可能性があると発言した。このコメントに対し、あまりにも無神経な発言だとの反発があがった。

中国での感染者が7000人を超えた新型ウイルスで150人以上の人が亡くなり、感染地域は海外にも拡大している。

ロス長官はFOXビジネスの番組で「感染拡大により、北米に雇用が戻ってくる効果が期待できる。メキシコもその恩恵を受けるかもしれない」と述べた。彼のコメントは、番組ホストのMaria Bartiromoが「新型ウイルスの感染拡大は、世界経済にどのような影響を及ぼすことになるか」との質問に答えたものだった。

ロスは「中国を襲った非常に不運な災難から、利益を得るような話をするつもりはない」と述べつつ、サプライチェーンに与える影響を考慮した場合、「実際問題として、この事態が経済活動に別の要素をもたらすことになる」と述べた。

彼はまた、2003年のSARSが世界経済に与えた打撃を引き合いに出し、今回の新型ウイルスが「考慮すべき新たなリスク要因になり得る」と話した。ロスはさらに、中国でのオペレーションを一時停止した米国企業が別の選択肢を探る必要を迫られると述べ、「結果的に、製造業の雇用を米国に回帰させる要因が増えることになる」と指摘した。

「アップルは既に、中国に置いている製造拠点の移転を検討している。同様の動きを進める企業は他にもある」とロスは話した。

新型ウイルスの感染拡大の懸念の高まりを受け、30日には世界の株式市場に動揺が広がった。アジアでは香港ハンセン株価指数が2.5%以上の下落となり、欧州や米国市場においても株価は下落した。

トランプ政権は以前から中国で製造を行う米国企業に対し、オペレーションを米国に戻すよう呼びかけてきた。1月中旬に米中両国が署名した、包括的な貿易協定の第1段階にも、米国に製造拠点を戻す企業に対するインセンティブが盛り込まれていた。

ロス長官はトランプの長年の親友として知られている。フォーブスは彼の保有資産を直近で、6億ドル(約650億円)と試算している。

中国報道官の渡航中止勧告薄情と非難

産経新聞 2020年2月1日(土)10時46分配信

 中国共産党機関紙、人民日報によると、肺炎を引き起こす新型コロナウイルスの感染者は、1日夕までに中国本土で1万1847人に上った。うち死者は259人。中国本土の発症者は、当局が原因不明の肺炎の発生を昨年末に公表してから1カ月で1万人を超えた。

 中国国家衛生健康委員会によると、1日午前0時(日本時間同1時)までの24時間で、中国本土の患者は2102人、死者は46人それぞれ増え、感染拡大が加速している。中国の各地方政府は春節(旧正月)の連休最終日となる2日を前に、一般企業の仕事始めを10日に遅らせるなど、Uターンラッシュの分散措置をとっている。

 一方、中国外務省は1月31日夜、米国が中国全土への渡航中止勧告を出したことについて「率先して悪い前例をつくった。本当に薄情だ」と批判する報道官談話を発表した。

 談話は、ロス米商務長官が新型肺炎を機に「北米に雇用が戻る動きが加速する」と発言したり、米高官が中国側の対応への不満を漏らしたりしたことを「非友好的な言説」と表現。「困難な時こそ人の本心がわかる。米側の言行は事実に合わず時宜にかなわない」と不快感を示した。

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