【新型肺炎】WHO<緊急事態宣言>高笑いする✍米国のホンネ
新型コロナウイルスを“歓迎”する米国
JBpress 2020年2月2日(日)6時00分配信
■「これが本当のイエローぺリル」
世界保健機関(WHO)が新型コロナウイルス(以下新型ウイルス)による肺炎の感染拡大に対処するとして「緊急事態」を宣言した。
米国政府は、これを受けて、米国人の中国全土への渡航警戒レベルを4段階のうちの最高レベルの「渡航禁止」とした。
(https://travel.state.gov/content/travel/en/traveladvisories/traveladvisories/china-travel-advisory.html)
米国務省は、在中国米大使館、成都、広州、上海、瀋陽各領事館で勤務する外交官のうち、「緊急対応要員」を除く外交官とその家族の国外退避を認めた。
米国政府は、1月28日、武漢にチャーター機を飛ばし、武漢駐在の米外交官とその家族195人を米国に連れ戻した。帰国と同時に全員をカリフォルニア州オンタリオの米州兵基地に隔離している。
中国で事業展開しているアマゾン・ドットコムやマイクロソフトも社員の中国出張を中止。中国全土に3000店舗を持つマクドナルドは湖北省の店舗を全店営業停止にした。中国各地に4100店舗を持つスターバックスも同省の店舗を営業停止した。
米国と中国を結ぶユナイテッド、アメリカン、デルタ航空各社も1月31日から3月末あるいは4月末まで運行を休止する。
武漢にかって駐在したことのある元ビジネスマンのCさん(70)は筆者に皮肉っぽくこう言う。
「新型ウイルスはまさに21世紀のイエローぺリル(黄禍)だね。
「アメリカを抜き、超大国になると自負してきた中国だが、ひと皮剥くと、国内の衛生管理や感染防止は後進国並み、新型ウイルスの感染封じ込みに完全に失敗してそのことを天下にされしてしまった」
「(中国は今や)軍事大国、経済大国だと、聞いて呆れる。世界中に有害ウイルスををまき散らして大国面されても・・・」
「習近平国家主席はいまだに釈明も謝罪もしていない」
4月に習近平国家主席を国賓として迎える日本政府や日本の主要メディアには言えない「ホンネ」がポンポン出てくる。
■ 批判を封印のトランプ大統領
今回の新型ウイルスについて米国人はどう反応したか。
感染は米国内でも広がっている。日本は新型ウイルス一色だが、米国にも一歩遅れて火がついた格好だ。
1月28日までに5人の感染が確認された。そのほか26州で計110人が感染の恐れがあるとして監視下に置かれている。
この時点で武漢からの渡航者や帰国者約2400人を検査している。
ドナルド・トランプ大統領は、習近平国家主席が新型ウイルスの蔓延阻止を指示したのを受けて「必要な支援」を申し出た。
ツイッターには「わが国の専門家は並外れている」とも書き込んだ。
この人のことだから、他人が困った時には悪口の一つを言ってもおかしくないところだが、今のところ習近平国家氏に対する批判がましいことは一切口にしていない。
米中関係と北朝鮮の非核化がどうなるかは、トランプ氏にとっては再選を果たすためには重要なセールスポイント。
その意味では習近平氏も金正恩朝鮮労働党委員長についての批判は常に避けている。
トランプ大統領は、自分の対中、対北朝鮮外交は「成功だ」と言い続けている手前、悪口は言えないのだ。
新型ウイルス感染阻止で窮地に立たされた習近平氏には「寛大さ」を示しておかねばならないのだろう。
■ 徹底した防疫体制のエリート官僚集団
しかし米外交はトランプ大統領の一存だけで動いているわけではない。
国務省はじめ国益のために働いてきたプロのエリート官僚集団は、今回のウイルス・クライシスに迅速に動いている。
米政府は、1月29日に武漢から連れ戻した外交官とその家族195人を直ちにカリフォルニア州オンタリオにある米州兵基地の施設に移動させ、14日間強制的に隔離する。
国家安全保障という大義名分があると判断すれば、米政府は「個人の人権を尊重する」などといったきれいごとは言わない。
国家を新型ウイルス感染拡大から守るためには個々人の権利も意思も完全に無視するのだ。
武漢から連れ帰った自国民を一時的に隔離する施設周辺の住民が政府職員に卵をぶつけて抗議するような騒ぎは米国では起こらない。
トランプ政権のエリート官僚たちは対中スタンスではどうか。
前述のように、米国は、中国政府の要請を受けて、疾病対策センター(CDC)の専門家チームを中国に派遣した。
司令塔として、ホワイトハウスにはアレックス・アザー厚生長官やロバート・オブライエン大統領補佐官(国家安全保障担当)らで構成される新型ウイルス対策本部が設置された。
物事は淡々と進んでいるかに見える。
後述するトランプ大統領がポリティカルアポインティーとして選んだ政府高官を除いては、官僚たちは中国政府のドタバタぶりについては一切コメントしていない。
外交的政治的配慮というものだ。
だが、一般の米国人の対中観は聞くに堪えないものがある。
米一般庶民は元々、中国に対しては潜在的に人種的、文化習慣的な偏見を持っている。それが今回のウイルス・クライシスで顕在化した感すらする。
保守派反中派のカリフォルニア州サンディエゴ在住のVさん(55=自営業の白人)は電話口で筆者にこう語っている。
「中国人は日頃から自分たちこそ世界一だ、と豪語しているくせにこのざまは何だ」
「1月初めにウイルスを発見したのに、その後2週間も習近平氏はいったい何をしていたのか。彼は独裁者だろ。何でもできるはずなのに」
「自分の国で大勢の中国人が感染したり、死んだりしてもそれはあなたの勝手。でもわが国にまでウイルスを持ち込むとはどういうことだ。中国人はやはり昔も今も中国人だな(欧米に比べ衛生管理が不備だということか)」
■「習近平氏にとって最大の危機」
感情的な一般庶民の中国人観は脇に置くとして、米中関係を大所高所から論じてきた米専門家たちはどう見ているのか。
親中国系の学者たちは沈黙を守っている。ところがトランプ政権の対中政策形成に関わり合っている専門家の一部からはショッキングなコメントが出始めている。
一言で言うと、「新型ウイルスは中国共産党の頭目、習近平氏にとっては最大の国内政治危機だ」という受け止めだ。
保守系シンクタンク・ハドソン研究所のロブ・スポルディング研究員(退役空軍大将)はこう指摘している。
「新型ウイルスは中国にとっては最も大切な春節(旧正月)という祝いの最中に発生した。習近平氏にとっては最悪の一撃だった」
「この結果、中国共産党が崩壊するなどは言わないが、習近平氏を批判することを封じ込まれてきた『隠れ反対勢力』が蠢動する可能性は避けられないだろう。そうなれば習近平一辺倒の共産党内にも亀裂が生じる」
同じく保守系シンクタンク・ヘリテージ財団のディーン・チェン研究員はこう述べている。
「習近平氏には物凄い政治的プレッシャーがかかるだろう。だからと言って、直ちに習近平政権の存続が危ぶまれるというわけではない」
(https://www.washingtonexaminer.com/policy/defense-national-security/a-terrible-blow-coronavirus-hits-china-with-one-of-the-worst-domestic-problems-of-xi-jinpings-tenure)
憲法を改正して終身国家主席となった習近平氏だが、今や「米帝」からの外圧を受けてたじろぐのではなく、自然発生的な新型ウイルスという内圧でぐらつき始めたのだ。
その兆候がすでに出始めている。
武漢の周先旺市長は、1月28日、こう言い訳に終始した。
「地方自治体の長として(新型ウイルス発生についての)情報はそれなりに得ていた。何か手を打とうとするにも中央からの許可を待たざるを得なかった」
ところが、同市長は3日後の31日には同市長の「上司」である武漢市トップの馬国強・共産党委員会書記は初動の遅れを認めて謝罪した。
「今は恥じ入り、自責の念を感じる。早く厳格な措置を取れば、結果は今よりよく、全国各地への影響も小さく、党中央や国務院を心配させることも少なくなかった」
だがたとえ初動が遅れたとはいえ、専門家チームが新型ウイルスによる肺炎と判断したのは1月9日。初の死者が出たのは11日。
習近平国家主席が「蔓延の阻止」を指示したのは20日。武漢市を交通遮断して「封鎖」したのは23日。
24日に春節が始まったとはいえ、共産党指導部が緊急対策本部を開いたのは25日。
ジュネーブのWHO関係筋によると、その間、習近平国家主席がやったことは、親中国のWHOのテドロス・アドハノム事務局長(エチオピア出身)に「緊急事態宣言」をさせないように圧力をかけていただけだとも言われている。
これが事実かどうか、は今後明らかになってくるだろう。
新型コロナウイルス、退院した患者が体に起きた異変を明かす「動くにも動けない状態だった」
HUFFPOST 2020年1月22日(水)12時52分配信
「隔離治療で、医療従事者は肌を少しも見せない防護服を身にまとっていた」
中国の武漢市を中心に広がりを見せている新型コロナウイルスによる肺炎で、隔離治療を受けた男性が退院後、自身の症状や入院生活をメディアに明かしている。
男性は最初はただの風邪と考えていたが、徐々に症状は悪化し、入院中は食事の介助を必要とするなど「動くにも動けない状態だった」と話している。
最初は風邪だと思っていた
男性の名は、メディアによって「王康」や「李」など違った仮名で報じられているが、内容や動画などから同じ23歳の男性だと思われる。
最初に違和感を覚えたのは2019年の12月24日。仕事を終えた際、体調が悪いと感じたため、友人と会う約束をキャンセルし帰宅した。男性はこのときの症状を「めまい、頭痛、それに四肢が少し痛みました」と振り返る。
翌朝出勤しようとしたが、「症状はひどくなっていた。全身の力が抜けるような感じがした」といい、急いで休みを取り地元の病院に向かったという。この時はまだただの風邪だと考えていたといい、熱も出ていなかった。
熱が出たのは12月27日。点滴を受けたが体調は良くならず、「力が抜けてほとんど動けなくなった」と振り返っている。
病院で検査したところ、血液検査では異常はなかったというが、肝機能検査で「正常ではない点があった」という男性。大学に付設されている病院でようやく「肺炎」の診断が下される。このとき、熱は40度を上回ることもあったという。男性は当時を次のように回想する。
「たくさん質問をされました。仕事場はどこかとか、(関係者が多く感染した)華南海鮮市場に行ったかとか...。仕事場が市場から直線距離で数百メートルだと告げました」
その後、専門家と、感染者の隔離治療が行われている別の病院がビデオ会議を開き、男性はその病院に移送されることが決まった。
隔離治療の様子は
治療そのものは「通常の肺炎と同じではないか」と話す男性。治療中の様子を克明に覚えている。
「1つの病室に何人かいましたが、4人を超えることはなかった。医療従事者は肌を少しも見せない防護服を身にまとっていました」
男性を支えたのは姉の献身的な看護だったという。
「医者や警備員が止めましたが、姉が病室に入ってきて、私の世話をしてくれると。当時は動くにも動けず、食事も喉を通らなかった。姉は一口、一口、食べさせてくれた」
男性の体調は徐々に回復し、1月15日に無事退院を果たした。自身が一早く快復した理由については「23歳と自分が一番若かったからだろう」と話している。
現在は消化不良に悩みつつも、道を歩いたり、運動したりするには問題ないという。看護をした姉もその後体調不良を訴えたが、肺炎ではなく風邪と診断されたという。
男性は闘病を通して10キロ以上痩せたというが「他人から見分けがつかないくらい。顔は大きいままだけど、腹のあたりは痩せたんだ」と冗談を言えるほどになった。動画の最後では、医療関係者への感謝の言葉を述べつつ「できるだけ外出を控えて、人の多いところには行かないでください」などと呼びかけている。
「禁止にしてくれれば行かなくてすむのに」…渡航制限に不安の声
毎日新聞 2020年1月31日(金)20時49分配信
新型コロナウイルスによる肺炎の感染拡大で世界保健機関(WHO)が緊急事態を宣言したのを受けて、中国への渡航を制限する動きが加速している。そんな中、政府は現時点で渡航禁止までは踏み込んでいない。中国で働く日本人は多く、春節(旧正月)に合わせた一時帰国から中国へ戻る時期を迎えた日本人からは不安の声が聞かれた。
31日午後、中国との直行便がある福岡空港(福岡市)の国際線ターミナルでは、中国に向かうマスクを着けた日本人の姿があった。
「国が渡航禁止にしてくれれば行かなくてすむのに」と話すのは、北九州市小倉南区の会社員男性(39)だ。外務省から届くメールで現地の感染者数が増えているのは分かるが、工場の操業再開を前に戻らなければならないという。バッグには買いためたマスクや除菌シートを入るだけ詰め込んできた。
3月からは妻子を呼んで現地で同居する予定だったが、新型肺炎で白紙状態になった。「妻からは『こんな時になぜ戻らなきゃいけないの』と不満をぶつけられましたよ」。男性は力なく語り、搭乗手続きに向かった。
福岡県太宰府市に帰省していた会社員男性(43)は、ともに中国で働く妻が先に帰るため、空港に見送りに来ていた。自身も1週間後には戻らなければならない。「さらに感染が広がれば、日本に帰れなくなるのではないか」とマスクから漏れる声は不安げだ。
中国山東省の工場に赴任する予定の福岡県内の男性(46)は「感染拡大が落ち着くまでは行きたいとは思えない」と嘆いた。
旅行客の中国への渡航も影響が出ている。
旅行大手エイチ・アイ・エス(HIS)では現在、新型肺炎の感染拡大で閉鎖となった上海ディズニーランドや北京の故宮博物院(紫禁城)を行程に含む中国行きのツアーを2月10日出発分まで中止にした。例年2~3月は卒業旅行などの需要が増えるが「今後も状況を見ながら判断していくしかない」と話した。
一方、中国からのクルーズ船の博多港入港を拒否すべきだとブログに書き込んだ福岡市の高島宗一郎市長は31日、記者団の取材に応じ「クルーズがきっかけでコロナウイルスが広まったとなると、港としても大きく信頼を損ねる。短期的に見れば『入港拒否』は強い言葉だと思うが、非常事態の中での対応」と理解を求めた。
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