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2020年2月17日 (月)

【日経平均】3日続落<GDP下振れ✍材料交錯で軟調>経済活動の鈍化懸念

黒田日銀総裁「世界経済に下方リスク大」新型肺炎、3経路から日本へ波及懸念

産経新聞 2020年2月17日(月)17時01分配信

 日本銀行の黒田東彦総裁は産経新聞との単独インタビューで、新型コロナウイルスの感染拡大などで世界経済は「下方リスクが大きい」と強調した。感染拡大の日本経済への波及経路として、中国向け輸出、サプライチェーン(供給網)、訪日中国人の動向の3つをあげて懸念を示した。黒田総裁は「実体経済への影響を注視する」と述べたが、問題が長期化すれば日本経済に大きな逆風となる。

 昨年10~12月期の実質国内総生産(GDP)は消費税増税や自然災害の影響などで、5四半期ぶりのマイナスになった。それでも黒田総裁は、堅調な雇用や消費動向などをあげ、「今年の成長率は順調な1%程度ではないか」と指摘。世界経済についても、米中貿易協議の第1段階の合意や、英国の欧州連合(EU)からの合意なき離脱の回避、半導体などIT関連の景気循環の好転などをあげ、「少し良くなったと思っていた」と説明した。

 だが、そこにリスク要因として突然浮上したのが、新型コロナウイルスの感染拡大だ。中国や世界経済が低迷すれば対中国輸出や国内設備投資の減少が見込まれ、中国からの部品供給の停滞は国内生産にも影響する。訪日中国人の支出減少もマイナスだ。市場の一部では、すでに今年1~3月期の実質GDPもマイナス成長が予想されている。

 焦点は、黒田総裁が指摘するように感染拡大が「どこで峠を越えるか」だ。

 大和総研によれば、感染拡大が3カ月程度で収束する標準的なシナリオでは、実質GDPを押し下げる効果は年0・2%程度にとどまる。滞っていた生産や設備投資が、収束以降に増えるとみられ、影響は軽微にとどまるとの見方だ。これに対し感染拡大が1年以上続くシナリオでは、GDPの押し下げ効果が1%以上に達すると試算する。

 黒田総裁は現時点で「成長率が大きく落ちる可能性は少ない」と説明し、追加的な金融緩和策について「今の時点でそういう状況には至っていない」と指摘した。だが、感染拡大が想定以上に深刻化すれば、追加的な金融緩和策を求められる場面も出てきそうだ。

日本経済リセッション入りか、GDP2期連続マイナス

時事通信 2020年2月18日(火)7時14分配信

 2019年10~12月期の実質GDP(国内総生産)は前期比1.6%減と5四半期ぶりにマイナスとなった。

 今年1~3月期は拡大を続ける新型肺炎が新たな下押し要因となり、先行き懸念は増すばかり。2四半期連続のマイナス成長となれば、国際的には「テクニカル・リセッション(技術的な景気後退)」と定義される。戦後最長と言われる第2次安倍政権発足時からの景気拡大は風前のともしびだ。

 GDPの大幅マイナスを受けて、17日に記者会見した西村康稔経済財政担当相は「本来であれば緩やかな回復が続くはずだった」と指摘。政府の経済対策により1~3月期から景気回復が進むという見通しが、新型肺炎の影響で狂ったとの認識を示した。

 ニッセイ基礎研究所の斎藤太郎経済調査部長は1~3月期の実質GDPについて、中国からの訪日客数や同国向け輸出の減少により、年率換算で1.6%下押しされると予想。産業界からは「部品供給網(サプライチェーン)に影響が出てくる」(宮本勝弘日本製鉄副社長)などと新型肺炎の影響を懸念する声が多く聞かれた。

 新型肺炎をめぐっては、02~03年に拡大した重症急性呼吸器症候群(SARS)が夏には収まった事例を念頭に、4~6月期までの事態終息を期待する声もある。だが、その通りになる保証はなく、黒田東彦日銀総裁は当時と比べて大きくなった中国経済を踏まえ、「影響が大きくなる可能性も意識する必要がある」と警鐘を鳴らしている。

 新型肺炎の拡大が止まらず経済への影響が長期化した場合、政府・日銀に対して、景気を下支えする政策対応を求める声が強まるのは必至だ。

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ゴーン容疑者逃亡先レバノンヤバすぎる現状

東洋経済オンライン 2020年1月17日(月)5時25分配信

 カルロス・ゴーン元日産会長が、自らの「母国」に逃亡してから約2カ月。ゴーンは、2022年ごろ引退した後、コンサルタントとして世界中の裕福な顧客を相手に商売する未来を思い描いていたが、そううまくいきそうもない。それどころか、実際には四国の半分程度の大きさしかない国を出られないまま一生を終える可能性もある。(レジス・アルノー :『フランス・ジャポン・エコー』編集長、仏フィガロ東京特派員)

 しかも、目下レバノンはまさに崖っぷち状態にある。レバノンに住むエコノミストで弁護士のカリム・ダーハーに言わせると、「デフォルトまで秒読み状態」だ。レバノンは3月9日までに返済期限を迎える債務12億ドルを抱えており、目下の焦点は求められている利息を無事に返済できるかどうか。大手格付機関は債務不履行の可能性も鑑みて、相次いでレバノンの国債格付けを引き下げている。

 一部ではロシアによる救済も取り沙汰されているが、レバノンの有力シンクタンクの1つクルナ・イラダは、レバノンの財政はもはや壊滅的で一刻も早く債務不履行を経て、一大リストラを敢行しなければいけない状況にある、と訴えている。

 「多くのエコノミストは口をそろえて、レバノンの現在の状況は過去に債務不履行に陥ったアルゼンチンやギリシャ、アイスランドなどと比べてもはるかにひどいと言っている」と、レバノンの有力シンクタンク、クルナ・イラダのポリシーディレクター、シビル・リスク氏は話す。

「この国は今すぐにも債務不履行に陥るかもしれないうえ、ベネズエラのように貨幣価値が急落してハイパーインフレに襲われ、失業者があふれ、預金封鎖に至るかもしれない」。

 「いずれにせよレバノンは、年内に債務の金利40億ドルを支払わなければならないのに、ドル建ての外貨準備高は100億ドルしかない。この外貨準備はレバノンの生命線だ。レバノンは製造業も輸出も盛んでない一方、輸入額は大きい。ドルが底をつけば、即座に食料や衣料品が不足することになる」(リスク氏)

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かつては「中東のパリ」と呼ばれたが…

 「中東のパリ」と呼ばれるレバノンはかつて活気にあふれていた。が、いまでは人々が夜な夜な集まったクラブやレストランには誰もいない。昼間にもかかわらず、通りにも人はまばらだ。国立競技場を当初デザインしたザハ・ハディット氏がデザインした高級ショッピングモールにいたっては恐ろしいほどガラガラである。

 長年の失策と縁故主義による癒着もあり、公的債務額はGDPの152%に上るなど、レバノン経済は厳しい状況にある。カーネギー研究所の最近の調査によると、レバノンの人口の40%以上が間もなく貧困ラインを下回り、多くの人が中流階級から転落する可能性があるという。ダーハーによると、「法学生の40%が今年授業料を支払うことができない状態」だ。

 レバノン人のディアスポラはかつて、海外で稼いだお金をレバノンに送金した。外国人投資家は、レバノン中央銀行が提示する非常に高い金利や、ベイルートで加熱する不動産市場における不動産価格の上昇を享受することができた。

 しかし現在、こうしてレバノン経済を「支援」してきた人たちが次々と、自らのドルを引き出している。国の経済状態、シリアの内戦の影響、イランとアメリカとの間の戦争のリスクを恐れ、海外に住んでいるレバノン人は自らのドルは母国ではもはや安全ではないと考えているのだ。そのため、国の外貨準備は縮小している。

 レバノン・リラも急落している。銀行は1500レバノン・リラを1ドルで両替しているが、街の両替商のレートは2300レバノン・リラで1ドルだ。ドルが非常に不足しており、ほとんどの銀行は1週間の引き出し上限を200ドルに制限している。

 こうした行為は、財産権の侵害にあたる。「銀行がやっていることは違法だ。第一に、裁判所はレバノンの人々が預けたドルを返還するように銀行に命じることができる。そうなると、銀行は破綻を余儀なくされる。しかし、裁判所はそうしない。これによって銀行ではなく、人々が破産に追い込まれている」と、アラブ経済学者協会の会長サミル・アイタは説明する。

 他国政府や金融機関は、NGOトランスペアレンシー・インターナショナルによる腐敗指数で138位のレバノンを財政的に支援することにうんざりしている。

 「レバノンの政治家がプライベートジェットでパリに到着後、経済的支援を求めるのを見ると、少しうんざりする」とそっけなくコメントするのは、フランスとレバノンの外交関係者であるフランスの官僚だ。

 レバノン政府は昨年9月30日、ドルでの輸入を石油、小麦、医薬品に制限することを決定した。これは、国が現在輸入する品目を必需品に制限しているからであり、必需品以外は輸入できないことを意味する。車を輸入するだけでも困難になっている。

 レバノンが経済的地獄へと転落したことは、同国の銀行システムを使用して必需品を輸入してきた隣国のシリアの状況が劇的に変化していることも意味する。「シリアでは間もなく飢餓も起こるかもしれない」と、アイタは警告する。

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国民にとってゴーンは「腐敗の象徴」

 経済の急速な悪化は、レバノン人にとって恐ろしいものだ。レバノン人は、歴史上何度も極度の貧困に苦しんできた。20世紀初頭にゴーンの祖父であるビシャラ・ゴーンがブラジルに逃亡せざるをえなくなったのも貧困が原因だ。ベイルートから車で30分のところにある彼の出身地、マウント・レバノンは、これまで人類史上最悪の飢餓の1つを経験している。

 1975年に内戦に入ったとき、レバノンは再び困窮した。当時、ゴーンは21歳。「1975年の内戦は基本的に、非常に裕福なキリスト教徒と、パレスチナ人を含む非常に貧しいアラブ人との間の格差が原因で起こった。若く裕福な私の元妻が馬に乗っていると、彼女が馬に与えようとしている砂糖を掴み取ろうと子供たちが彼女に向かって走ってきたそうだ」と、アイタは打ち明ける。

 当時も今も、ゴーンの出身地である裕福なマロナイト派キリスト教徒の社会と、貧しいイスラム教徒のアラブ社会の間には、同じ敵意が深く横たわっている。「口座保有者の1%がレバノンの預金の60%を保有している」と、アイタは主張する。

 レバノンでは、人口約600万人に対し、受け入れた難民の数は100万人以上に上る。こうした中、ゴーンはエリート層の腐敗の象徴と目されている。彼が住む家から800メートル離れた殉教者広場に集まるデモ隊は、ゴーンについて意見を求められると、「彼は泥棒だ」と答える。ゴーンが“余生”を送ることになったレバノンは、ゴーン同様これから何が起こるかわからない。

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