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2020年2月 3日 (月)

【日経平均】NY株✍暴落<半年ぶりの下げ幅>世界経済の悪化懸念

NY株ダウ603ドル安=新型肺炎の感染拡大懸念 8月以来の下げ幅

時事通信 2020年2月1日(土)7時00分配信

 週末31日のニューヨーク株式相場は、中国で発生した新型肺炎の感染拡大による世界経済への悪影響を懸念し、大幅下落した。下げ幅は一時、690ドル近くに達した。優良株で構成するダウ工業株30種平均は前日終値比603.41ドル安の2万8256.03ドルで終了した。終値では昨年8月23日以来、約5カ月ぶりの下げ幅となった。

 ハイテク株中心のナスダック総合指数は同147.99ポイント安の9150.94で引けた。

 ニューヨーク証券取引所の出来高は前日比4億5088万株増の13億9247万株。

 新型肺炎の感染者は、中国国内で1万人に迫る勢いになっている。世界保健機関(WHO)は30日、「緊急事態」を宣言した。31日には、英国やロシアでも感染者が明らかになり、世界各地に広がっている。米政府は中国本土への渡航中止を勧告。アメリカン航空グループやデルタ航空など米航空大手は、当面の間、中国本土線全便の運航を停止する措置を発表した。

 市場では、新型肺炎が、サプライチェーン(部品供給網)や観光、個人消費などに悪影響を及ぼし、米経済の成長鈍化を招くとの懸念が強まり、リスク回避の株売りの動きが進んだ。中国経済減速からエネルギー需要が減少するとの見方が強まり、原油価格が下落。エネルギー関連銘柄も売られた。

 個別銘柄では、アメリカン航空が3.2%安、デルタが2.4%安、アップルは4.4%安、シェブロンが3.9%安、キャタピラーが3.0%安、フェイスブックが3.6%安、インテルが3.8%安、シティグループが3.3%安、メイシーズが5.2%安だった。一方、決算が市場予想を上回ったアマゾン・ドット・コムは7.4%高、IBMも5.1%高だった。

新型肺炎」は株価下落の「本当の要因ではない

東洋経済オンライン 2020年2月3日(月)5時40分配信/馬渕 治好(米国CFA協会認定証券アナリスト)

 中国の武漢市から広がったとみられる新型肺炎(新型コロナウイルスによる呼吸器疾患)は、世界の人々の健康、さらには人命を考えるうえで、深刻な問題だ。すでに中国では多くの方が亡くなっており、フィリピンでも死者が出た。中国以外で初のことだ。

 死者は高齢者や元々持病がある方に集中しているとされているが、逆に言えば、そうした基礎体力の弱い方々にとって、命の危機を感じる事態だと言える。こうした点で、今回の新型肺炎を決して楽観すべきではない。

新型肺炎が2つの点で株価下落要因になる理由

 だが、ここから先は、そうした観点ではなく、あくまでも「株価に対する新型肺炎の影響がどうか」、という点に限って述べれば、「過大視すべきではない」と考える。

 新型肺炎が株価下落要因だ、と考えられるのは、経済等の実態面では、主として次の2点だ。

 (1) 中国における需要の減退

 中国で、感染を恐れて人の移動が不活発になる、あるいは政府による移動の制限などによって、外出が控えられ小売りの売り上げが落ち、旅行・行楽需要も減退するなど、内需への悪影響が懸念される。中国の景気が悪化すれば、他国から中国への輸出減という形で、世界経済に悪影響を与えるだろう。また中国から海外への旅行者の減少が、各国のインバウンド需要を減少させる。

 (2)中国における供給の混乱

 中国で新型肺炎にかかり、春節休暇明けでも出勤できない人が増えれば、同国内での生産が減少する。海外向けの部品生産が落ちることで、中国産の部品を使っている国々の生産に支障が生じるし、中国産の製品を他国で販売している他国企業の売り上げが落ちて、企業収益に悪影響となるだろう。

 世界的に株価が下落するのは、上記の(1)(2)に加えて、さらに(3)状況が不透明で投資家が不安心理に襲われ、よく事態がわからないがとりあえず株式を売っておこう、との動きが強まる、という面もあるだろう。

 (1)(2)のような、経済実態の悪化は、ある程度生じるだろう。その点で、仮に新型肺炎が広がらなかった場合に比べれば、現実に株価に押し下げ圧力が働いているとは言える。

 ただ、今回のケースとの比較対象として、SARS(重症急性呼吸器症候群)が2002年11月から2003年7月に流行した局面が挙げられるが、SARSの致死率が10%程度だとされているのに対し、今回の新型肺炎は致死率が3%前後だと伝えられている。この数値は、現時点で判明している患者数で死亡者数を割ったものなので、今後事態が進むにつれて、致死率が変わってくる可能性はある。それでも、今のところはSARSほど致死率が高いようではない模様だ。

 また、2003年当時より医療関係の技術が進み、すでに新しいコロナウイルスの遺伝子解析などが進んでいる、との報道も目にする。中国以外でも多くの国で、人の移動を制限するなどの政府の対応がなされており、加えて世界の人々の自己防衛も早く、マスクの着用や手洗いの励行なども広がっている。そもそも、インフルエンザウイルスと性質が類似だとすれば、新型肺炎のコロナウイルスは高温多湿に弱いはずなので、流行は当面の冬場から春先にとどまる公算が高い。

 とすれば、経済成長が抑制されるとしても、主に1~3月に限られるのではないだろうか。当面の世界の株式市況は、前述3)の不安心理の亢進や沈静化により、短期的には上下に振れ続けると懸念されるが、新型肺炎が、何カ月も主要国の株価を押し下げ続ける要因になるとは、考えていない。

新型コロナが収まっても、今後の株価は下落基調になる

 では、新型肺炎が中長期的な株価下落要因ではないとして、この先新型肺炎の流行が沈静化すれば、株価は力強い上昇基調に転じるかと言えば、そうは考えてない。

 これまで当コラムで繰り返し述べてきたように、今後の株価を予想する筆者の最も「背骨」になる考え方は、世界の景気や企業収益が低迷しているにもかかわらず、アメリカを中心に株価が高過ぎるため、現在の株価が大きく下がって実態に沿った水準にサヤ寄せすることになるだろう、といったものだ。

 つまり、新型肺炎の流行が、拡大しようと収束しようと、主要国の株価は年央辺りにかけて大幅に下落すると見込んでいる。

 先週のアメリカの株価はさすがに大きく下落した。だが、先々週(1月24日に終わる週)の時点で、S&P500の予想PER(株価収益率、企業の収益予想値は米ファクトセット集計、アナリストの12カ月先までの予想平均値)は18.6倍に達していた。

 これは近年の最高値である、2018年1月の18.7倍にほぼ並ぶ水準だった。当時は、2016年11月に当選したドナルド・トランプ大統領の経済政策に対する期待が、過度に盛り上がり続けた局面の終盤に当たり、その買われ過ぎが維持不能になって、2018年2月からの株価下落に突入していった時期だ。今回も、新型肺炎騒ぎがなかったとしても、アメリカの株価が自律的な下落に入っていってもおかしくなかったと言える。

一部の銘柄への買いも「限界」に

 そうした全体の相場付き以外にも、アメリカの株式市況の「変調」は明らかに生じている。たとえば、フェイスブックは1月29日(水)の引け後に2019年10~12月の四半期決算を発表し、純利益は前年比7%増と、四半期ベースで過去最高利益を更新した。だがこうした好決算にもかかわらず、時間外から翌30日(木)にかけての同社の株価は、5%以上下落した。

 この下落について、株価下落を見た後で、「想定ほど売り上げが伸びていない」「費用が思ったより嵩んでいる」という「言い訳」が報じられているが、そうではなく、好決算でも株価が下落した、と解釈すべきではないのか。つまり、同社の収益がよい、という点を過度に事前に織り込んで株価が上がってしまっていたため、その無理が表れた、ということなのだろう。

 別の解釈としては、全般的に企業収益が冴えないため、買える銘柄が少なく、フェイスブックなど一部の銘柄に資金が集中して、買うから上がる、上がるから買う、という「うすら寒い」物色が進んでいたが、そうした相場付きが限界に達したのかもしれない。

 投資家の期待が集中し、買い上げられた業種としては、半導体関連も挙げられる。実態面で「世界の半導体出荷額が底入れ持ち直しに転じている」、という裏付けはある。だが、株式市場は緩やかにとどまる出荷の持ち直しを過度に好感した面もあったのではないか。先週は、ニューヨークダウは2.53%、ナスダック総合指数は1.76%下落したが、半導体銘柄から算出されるSOX指数は、6.97%もの下落となっている。

 この背景には、個別材料として、1月28日(火)に決算を発表したAMDの、企業側の1~3月期の売上高見通しが市場の期待を下回った、といった要因もある。だが、やはりこれまで過度に持ち上げられてきた銘柄群の株価に、きしみが生じてきたと言える。このように、個別物色をみても、新型肺炎抜きに、アメリカの株価は曲がり角を曲がったようだ。

日本経済の不振は「天気のせい」なのか? 

 日本でも、低迷する鉱工業生産と高水準の在庫、小売売上の不振、下方修正が優勢な企業自身の収益見通しなど、株価下落材料が多い。しかし多くの専門家が「生産などの落ち込みは、昨年10月の大型台風襲来のせいだ」「同12月の衣料品売上の不振は、暖冬のせいだ」と天気のせいにしている。きっと今年1~3月の景気が落ち込めば、新型肺炎だけのせいだと主張するのだろう。

 そうした専門家はともかく、黒田東彦日銀総裁も、1月のダボス会議で、「昨年10~12月の日本経済はマイナス成長に陥った可能性があるが、それは天候のせいだ」と、パネルディスカッションで述べている。すべて天候のせいだと考えると、基調としての日本経済の悪化を、見落とすのではないだろうか。

 さて今週は、日本では労働力調査や家計調査など、労働、家計所得、消費に関する経済統計が公表され、アメリカでもISM指数(製造業と非製造業)や雇用統計など、市場の注目度が高い統計の発表が予定されている。日米ともに、2019年12月までの企業決算の発表が引き続き行われ、市場が注視するだろう。

 こうした材料は、全て新型肺炎騒ぎが大きく広がる前の統計や決算であるため、とりわけ内外株価を上下に振らせるとは想定しがたい。当面の主要国の株価は、新型肺炎に対する不安心理の台頭と剥落に振り回されよう。ただ、すぐでないとしても、実体と株価の乖離は、株価下落という方向で解消に向かうと予想している。

 もしかすると、後から振り返れば、偶然、新型肺炎騒ぎがそのきっかけになった、ということになるのかもしれない。こうした流れの中で、今週の日経平均株価は、2万2000~2万3000円を見込む。

 

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