« 【日経平均】3日続落<GDP下振れ✍材料交錯で軟調>経済活動の鈍化懸念 | トップページ | 【新型肺炎】東京マラソン強行<一般参加者✍出走禁止>沿道の観戦自粛へ »

2020年2月18日 (火)

【新型肺炎】可能性が指摘されている<エアロゾル感染>とは何か

新型コロナウイルスで可能性が指摘されたエアロゾル感染」とは?

日経グッデイ 2020年2月18日(火)10時48分配信/大西淳子(医療ジャーナリスト)

 2020年2月8日、上海市政府が開いた新型コロナウイルス(COVID-19)の感染予防と管理に関する記者会見で、上海市民政局副局長のZeng Qun(曽群)氏が、「このウイルスの感染は、主に直接伝播、エアロゾル伝播、および接触伝播によって広がっている」と述べました。突如として現れた「エアロゾル伝播(感染)」という耳慣れない言葉に、不安を覚えた人も多かったのではないでしょうか。実際、最も感染力の高い「空気感染」と同一のものととらえる人も少なくなかったようです。

中国CDCは「エアロゾルを介して伝染する証拠はない」との見解

 会見でZeng氏は、「エアロゾル伝播は、空気中でウイルスと液滴が混じって形成され、吸入すると感染が生じる状態」とし、「エアロゾルは長時間空気中に漂う」と説明しました。また、直接伝播は「目の前の人の咳やくしゃみを吸い込むことによる感染」、接触伝播は「ウイルスを含む飛沫に汚染された表面を触った手で、口や鼻、目を触ることによる感染」と解説しました(*1)。

 ちなみにZeng氏は、医師や研究者ではなく、社会福祉、公共政策などを専門としてきた人です。 

 しかしこの記者会見の翌日、中国疾病対策予防センター(CDC)が記者会見を開き、感染症を専門とする医師でWHO戦略諮問グループ(SAGE)のメンバーでもあるFeng Luzhao氏が、「新型ウイルスがエアロゾルを介して伝染するという証拠はない。このウイルスは主に接触感染と飛沫感染によって感染している」と述べ、前日の上海市政府の会見で述べられたエアロゾル感染の事実を否定しました。ただしFeng氏は、エアロゾル感染は、医療現場で気管挿管などの専門的な医療処置を行う場合など、特定の特殊な条件下で発生する場合があることを認めています(*2)。

*1 https://www.thepaper.cn/newsDetail_forward_5856308
*2 https://language.chinadaily.com.cn/a/202002/10/WS5e40c505a310128217276446.html

そもそも「エアロゾル」とは?

 そもそも「エアロゾル」とは何なのでしょうか? 日本エアロゾル学会(*3)は、以下のように解説しています。

 「気体中に浮遊する微小な液体または固体の粒子をエアロゾル(aerosol)といいます。エアロゾルは,その生成過程の違いから粉じん(dust)とかフューム(fume)、ミスト(mist)、ばいじん(smokedust)などと呼ばれ、また気象学的には、視程や色の違いなどから、霧(fog )、もや(mist )、煙霧(haze )、スモッグ(smog )などと呼ばれることもあります。エアロゾル粒子の性状は、粒径や化学組成、形状、光学的・電気的特性など多くの因子によって表され、きわめて複雑です。(中略)例えば粒径についていえば、分子やイオンとほぼ等しい0.001μm=1nm程度から花粉のような100μm程度まで約5桁にわたる広い範囲が対象となり(後略)」

 つまり、エアロゾルは、空気中に浮遊する、直径が0.001μmから100μmの粒子、ということになります。

*3 https://www.jaast.jp/hanashi/

エアロゾル感染の定義は世界的にもあいまい

 実は、今回真偽が問題になっているエアロゾル感染について、世界的に統一された定義は存在しません。日本では、感染症は「接触感染」、「飛沫感染」、「空気感染(飛沫核感染)」、「媒介物感染(水や食品、血液、虫などを媒介した感染)」という4通りの方法で広がると見なしており、エアロゾル感染は感染経路として定義されていません(*4)。

 日本において、飛沫感染と飛沫核感染は、粒子径が5μm以上か、5μm未満かで区別されています。飛沫から水分が蒸発したものを飛沫核と呼び、すぐに地面に落ちる飛沫とは異なり、空気中に長く浮遊して吸入した人を感染させる(空気感染)と考えられています(*5の図参照)。

 WHO(世界保健機関)も、ほぼ同様の定義を示しています(*6)。ここでは、

・Droplets(飛沫):Respiratory aerosols > 5 μm in diameter(呼吸性エアロゾルで、直径は5μm超)
・Droplet nuclei(飛沫核):Respiratory aerosols ≦ 5 μm in diameter(呼吸性エアロゾルで、直径は5μm以下)

 としており、直径5μm超か5μm以下かで両者を区別しています。ただし、WHOは飛沫も飛沫核もエアロゾルと認識しているようです。確かにこれら粒子はいずれも、サイズからいうとエアロゾルに該当します。

 また、WHOの定義が世界中で用いられているかと言えば、そうではありません。欧州の論文の一部は、飛沫を吸引性(inspirable)飛沫(直径10~100µm)と吸入性(respirable)飛沫(直径10 µm未満)に分け、「前者が気道上部の粘膜に付着して発生する感染を飛沫感染、後者が呼吸により気道に入るために生じる感染をエアロゾル感染(飛沫核感染とも呼ぶ)」、としています(*7、8)。

 つまり、空気中に存在する様々な直径の粒子が、サイズからいえばエアロゾルに該当し、飛沫も飛沫核も、エアロゾルと呼ばれることがあり、国際的には、飛沫感染と飛沫核感染の境界となる粒子径さえも統一されていない、ということになります。

 ただし、世界中で認識が一致しているのは、咳やくしゃみとともに放出される大きな粒子は、短い距離しか飛ばず、短時間で床に落ちるが、小さくなった粒子は長時間空気中に留まり続け、部屋中に広がって空気感染を引き起こす、という点です。

*4 http://amr.ncgm.go.jp/general/1-1-1.html
*5 http://www.showa-u.ac.jp/sch/pharm/frdi8b0000001sb0-att/a1437547184715.pdf
*6 https://www.who.int/csr/resources/publications/WHO_CDS_EPR_2007_6c.pdf
*7 https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC2894888/
*8 https://www.nature.com/articles/s41598-019-38825-y

新型コロナの飛沫核感染は未確認、感染経路はSARSと同じ?

 名称はどうあれ、中国CDCが述べているように、これまで、新型コロナウイルスの飛沫核感染、あるいはエアロゾル感染の発生は確認されていません。それでも、インフルエンザ予防策と同様、室内の換気は、感染リスクを減らすために役立つと考えられています(*9)。

 新型コロナウイルスが、人に感染する際に利用する受容体は、SARSコロナウイルスと同じであることが既に示されています。したがって、感染経路はSARSと同様である可能性が高いと考えられています。SARSの場合には「特別な条件下での空気感染なども完全に否定することはできませんが、可能性はかなり低いと考えられています」とされていました(*10)。

*9 http://idsc.tokyo-eiken.go.jp/assets/diseases/respiratory/ncov/disin.pdf
*10 http://idsc.nih.go.jp/disease/sars/QA/QAver2G002.html

医療現場ではエアロゾル感染のリスクが高い

 前述したように、医療現場では、気道吸引や気管内挿管、検体採取などの医療行為の最中に、さまざまな粒子径の飛沫が生じる可能性があります。したがって、新型コロナウイルスと闘う医療従事者は、医療行為の最中に発生する可能性のある、ウイルスを含んだエアロゾルの発生を想定して細心の注意を払っています(*11)。

 WHOが2013年に発表した「新型コロナウイルス感染症の疑い例と確定例に対する医療における感染予防と感染管理」(*12)には、「エアロゾル発生手技とは5μmより小さい粒子を含むさまざまなサイズのエアロゾルが発生する全ての手技と定義される。現在のエビデンス、なかでも最良のエビデンスはSARSコロナウイルス感染症の研究から得られたものだが、気管内挿管によって病原体が伝播していることについては一貫性があることを示している」とあり、医療従事者はそうした場面でN95マスクを含めた対応をしています。

*11 https://www.niid.go.jp/niid/images/epi/corona/2019nCoV-01-200210.pdf
*12 http://www.kansensho.or.jp/uploads/files/topics/1305_coronavirus_who_j.pdf

患者の嘔吐と下痢の際のエアロゾル発生には注意が必要

 私たちの日常生活においても、ウイルスを含むさまざまな粒子径のエアロゾルが発生する危険性がある場面が2つあります。それは、新型コロナウイルス感染患者が嘔吐した場合と、下痢をしている場合です。嘔吐物、便にコロナウイルスが含まれている可能性は高いです。

 嘔吐物の処理は、ノロウイルス感染者が嘔吐した場合と同様に行う必要があります。

 また、患者が排便後に、便器に蓋をかぶせずに流すと、ウイルスを含むエアロゾルが舞い上がり、しばらく空気中に漂う可能性があります(*13)。もし、洗面台も同じ空間にあるなら、歯ブラシやうがい用のコップに付着する可能性さえあります。

 トイレを含む家庭内や施設内の消毒方法については、東京都健康安全研究センター(*14)などのページを参考にしてください。

*13 https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4692156/
*14 http://idsc.tokyo-eiken.go.jp/assets/diseases/respiratory/ncov/disin.pdf

日本でエアロゾル感染する病気といえば「レジオネラ症」

 ちなみに、日本でエアロゾル感染する病気といえば「レジオネラ症」が有名です。温泉施設などでの「レジオネラ症」の患者発生に関するニュースを耳にしたことがある人も多いと思います。レジオネラ症は、河川、湖水、温泉や土壌などに生息しているレジオネラ属菌による細菌感染症で、重症の肺炎(レジオネラ肺炎)を引き起こすことがあります。

 厚生労働省のサイト(*15)では、以下のように説明しています。

レジオネラ症は、主にレジオネラ属菌に汚染されたエアロゾル(細かい霧やしぶき)の吸入などによって、細菌が感染して発症します。レジオネラ属菌はヒトからヒトへ感染することはありません。1.エアロゾル感染 レジオネラ属菌に汚染されたエアロゾルを吸入することによって感染します。代表的なエアロゾル感染源としては、冷却塔水、加湿器や循環式浴槽などが報告されています。

 レジオネラ症の病原体はレジオネラ属の細菌で、ウイルスではありません。肺の奥の肺胞までこの細菌が達した場合に、肺炎を引き起こすため、エアロゾルの直径がおおよそ5µm以下になると感染すると考えられています(*16)。

 上記の厚生労働省のサイトでは、感染予防策として「超音波振動などの加湿器を使用するときには、毎日水を入れ替えて容器を洗浄しましょう」と述べています。

*15 https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_00393.html
*16 https://www.jstage.jst.go.jp/article/naika1913/86/11/86_11_2039/_pdf

手洗いや消毒に加え、換気にも注意が必要

 新型コロナウイルス感染症は、現時点では先が見えないために、SNSでは、悲観的な情報ばかりが大きく取り上げられる状況になっています。しかし、不確かな情報にあわてることなく、持病があればしっかり治療をし、免疫力を落とさないよう健康的な生活を続けながら、感染する可能性がある場面をできるだけ避け、正しく予防することが大切です。今回のエアロゾル感染に関する報道は、インフルエンザ予防策のひとつとして換気が大切だったことを思い出させてくれました。これまでの手洗いや消毒に加えて、換気も適切に実施していくことが大切です。

Photo_20200218155601

抗ウイルス薬、サルでMERS予防&治療効果 COVID-19にも使える可能性

時事通信 2020年2月18日(火)14時08分配信

 米国立アレルギー・感染症研究所の研究チームは18日までに、開発段階の抗ウイルス薬「レムデシビル」をサルに投与する実験で、中東呼吸器症候群(MERS)の予防・治療効果があったと米科学アカデミー紀要電子版に発表した。患者を対象とする臨床試験に進むことができるという。

 レムデシビルは米製薬会社ギリアド・サイエンシズが開発し、エボラ出血熱患者への投与では安全性やある程度の治療効果が示されている。研究チームはさらに、レムデシビルがMERSコロナウイルスに近い新型コロナウイルス感染の治療にも使える可能性を指摘した。

 中国科学院武漢ウイルス研究所のチームはサルや人の培養細胞を使った実験で、レムデシビルが新型コロナウイルスの感染を阻害したと4日付の科学誌「セル・リサーチ」電子版に発表。中国では6日から重症患者を対象とする臨床試験が始まった。

 米国立アレルギー・感染症研究所チームの実験では、アカゲザル6匹にレムデシビルをあらかじめ投与し、24時間後にMERSコロナウイルスに感染させてからも毎日投与したところ、息切れや呼吸困難などの症状が出なかった。別の6匹をウイルスに感染させ、12時間後からレムデシビルを毎日投与する実験では治療効果が見られた。 

「飛行機も安全ではなかった」新型肺炎、帰国者に想定外の感染者

時事通信 2020年2月18日(火)14時30分配信

 新型コロナウイルスの集団感染が発生したクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」から米政府のチャーター機で退避した米国人らの帰国は、米各メディアも関心を持って取り上げた。

 帰国者の一部に感染者が含まれていたため、ニューヨーク・タイムズ(電子版)は見出しで「感染船を脱出したが、帰国のフライトも安全ではなかった」と伝えている。

 米政府は当初、感染者はチャーター機に乗せない方針だった。しかし、乗客らが下船し搭乗機に向かうバスに乗った際に、帰国予定者のうち14人にウイルスの陽性反応が出たことが判明。米政府は14人の帰国を認めた。

 同紙によると、感染者は機内の後方に座り、高さ約3メートルのプラスチックのシートで他の乗客と区切られた。チャーター機に乗った女性は同紙に「(帰国者に感染者がいることを)上空に至るまで知らなかった」と説明。

 同紙は「(帰国者は)12日間船に閉じ込められた後、必死に避けてきた病原体の保有者と飛行機を共有することになった」と報じた。帰国者は米国でも14日間の隔離措置が取られる。

 米国に帰国せず船にとどまった男性はFOXニュースに「残って良かった」と話していた。 

 

« 【日経平均】3日続落<GDP下振れ✍材料交錯で軟調>経済活動の鈍化懸念 | トップページ | 【新型肺炎】東京マラソン強行<一般参加者✍出走禁止>沿道の観戦自粛へ »

健康オタク談義」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

« 【日経平均】3日続落<GDP下振れ✍材料交錯で軟調>経済活動の鈍化懸念 | トップページ | 【新型肺炎】東京マラソン強行<一般参加者✍出走禁止>沿道の観戦自粛へ »

無料ブログはココログ
2021年3月
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31