【耳学】感染症対策の本丸=「免疫力」を高めること。
新型コロナ対策で注目の「免疫力」その働きは?医師が解説
TOKYO HEADLINE web 2020年5月31日(日)17時02分配信
いまだに有効な治療法や予防法が確立されていない新型コロナウイルス。「免疫力」を高めることが感染症対策に重要とされているが、そもそも「免疫力」とはどのようなもので、どうすれば高めることができるのだろうか。「つなぐクリニックTOKYO」院長の渡邊康夫先生に解説してもらった。
新型コロナウイルス感染症の予防に「免疫力」が注目されています。そもそも「免疫」とはどういった仕組みですか?
渡邊康夫(以下、渡邊)「免疫とは、体内に侵入した細菌やウイルスなどの微生物や異物を、体外へ排除してくれる防御機能のことです。体内に生じた異常物質や老廃物、病的細胞なども排除してくれます。体内には『ホメオスタシス』と呼ばれる恒常性(生物の体内の状態を一定に保つ性質)を維持しようとする働きがあります。人によって正常時の体温は異なりますが、皆さんの健康な時に体温が一定に保たれているのも、ホメオスタシスが働いているからです。この生体防御の仕組みこそが、免疫ということになります。免疫が正常に働かないとどうなるかというと、病気になってしまうのです。たとえば、免疫不全状態になると感染症やがんなどの悪性腫瘍になる可能性が高くなります」
新型コロナウイルスのような未知のウイルスに感染した場合、「免疫」はどう作用するのでしょうか?
渡邊「免疫は、大きく二つの免疫に分けられます。一つ目が『自然免疫』です。『自然免疫』とは、私たちが生まれつき持っている免疫系のことで、たとえば、体内に微生物が侵入すると白血球の一種である好中球やマクロファージには攻撃する働きがあります。未知のウイルスに感染した場合は、この自然免疫が働くことになります。
二つ目が『獲得免疫』です。『獲得免疫』とは、さまざまな抗原(病気のもととなるもの)を体に取り込むことで獲得していく免疫のことをいい、自然免疫では対処できなかった場合に発動します。過去に体の中で起こった免疫反応の特徴を、特定の細胞が記憶することによって新たな免疫機能を獲得し、次に同じ抗原が体の中に侵入した時に防御反応をするようになります。この獲得免疫の仕組みを上手に応用したものが予防接種(ワクチン)です」
では、どのような状態を「免疫力」が高いというのでしょうか?
渡邊「免疫力が高いということは、体が若々しく健康に保たれている状態だと言えます。しかし、ストレスが過剰になったり生活習慣が乱れたりすると、免疫の機能が正常に働かなくなります。 免疫が正常に機能するための鍵となるのが自律神経で、自律神経には交感神経と副交感神経があります。全身の活動力を高める交感神経は、血圧や血糖を上げ、血液を筋肉や脳に集める働きがあり、主に日中の活動している時に優位になります。体を回復させる副交感神経は、内臓の機能を高め、免疫機能を正常にする作用があり、主に夜間のリラックスしている時に優位に働きます」
「免疫力」を高めるにはどうすれば良いのでしょうか?
渡邊「免疫力を高めるには、良い生活習慣を送ることが重要です。良い生活習慣の人ほど長生きであるという研究結果があって、『喫煙をしない』『飲酒は適度か全くしない』『定期的に運動する』『適正体重を保つ』『(個人差はあるが)7~8時間程度の睡眠をとる』『適量の食事を摂る』といった良い習慣が多くある人ほど、身体的・精神的な健康度が高くなっています。また、若い頃から良い習慣を身につけている人が健康であるのはもちろんですが、高齢になってから生活習慣を改善した場合でも、健康上の効果があることが分かっています。
生活習慣を改善する時期は早いに越したことはありませんが、いつから始めても遅すぎるということはないのです」
「創価学会」と「幸福の科学」 2大新宗教の対照的すぎる感染対策
NEWSポストセブン 2020年3月25日(水)7時00分配信/小川寛大(雑誌『宗教問題』編集長)
キリスト教徒は教会に、仏教徒は寺にと、宗教は「集う」ことでその信仰心を深めてきた。数々のイベントが自粛になるなか、彼らは現在どう活動しているのだろうか。新宗教を代表する2団体の取り組みは対照的だった。雑誌『宗教問題』編集長の小川寛大氏がレポートする。
◆ 小単位の会合もやらない
日本以上に感染が拡大し、3月18日現在で8413人の感染者を出している韓国でクラスター(感染者の小規模集団)となったのは宗教団体だった。
1984年に設立されたキリスト教系新興宗教団体「新天地イエス教会」。信者同士が、体が触れるほど密着して床に座り、1時間半以上「アーメン」と叫ぶ礼拝をしていたことから、その教会の中で感染が広がったと見られている。2月下旬時点での韓国の感染者のうち約半数が同教会関係者だったという報道もある。
そんな隣国の騒動があるなかで、日本の宗教団体は新型コロナウイルスにどう対処しているのか。
東京にみぞれが降った3月14日土曜日、新宿区信濃町は静寂に包まれていた。信濃町と言えば、公称会員827万世帯を誇る創価学会の本部所在地。広宣流布大誓堂や創価文化センターなど、数多くの教団関連施設が立ち並び、休日ともなれば全国、全世界から創価学会員が訪れ、ごった返す。しかし、JR信濃町駅そばの商店主はこう語る。
「2月下旬ごろから本部での行事はすべて自粛だそうです。この町を訪れる方々も激減しました」
立ち並ぶ創価学会関係の施設に出入りする人の姿は、ほとんど確認できなかった。創価学会広報室に問い合わせると、
「2月17日に、本部の諸施設(創価学会総本部)の利用中止と諸行事の中止、全国各地域のすべての学会施設の利用中止、『座談会』を含めた個人宅で行なう小単位の会合も行なわないと決定しました」
とのこと。この活動停止に近い“自粛”を3月末まで続ける予定だという。
2月20日には機関紙『聖教新聞』が、原田稔・会長ら幹部による紙上座談会を掲載。手洗いや不要不急の外出を控えることの重要性を説いたうえで、「御書(日蓮の著作)を徹底して研さんするチャンスであり、小説『人間革命』『新・人間革命』(池田大作・名誉会長の著書)を読み深める好機であると捉え、取り組んでいきたいと思います」(志賀昭靖・青年部長)と決意を述べていた。
◆ 選挙に影響が出る?
学会員たちは現在、どのように過ごしているのだろうか。
「僕は日頃から不まじめな2世会員ですから、大した影響はありません。ただ、昔から熱心に信心してきた母親は、学会の活動がほぼ全部なくなってしまったことで、手持ち無沙汰になっています」
そう語るのは、東京在住の男性学会員だ。
「母は、空いた時間のほとんどを学会の活動に捧げていました。地域で行なわれる座談会や御書の勉強会などで、休日のスケジュールはびっしり。創立記念日などには信濃町本部の記念行事に参加し、選挙があれば公明党候補の事務所に詰めてずっと応援していました。それがなくなり、生きがいを失ってしまったようになっている」(同前)
別の若手学会員はこう言う。
「私の祖母もそうですが、生涯を創価学会に捧げてきた古参信者には、“学会仲間”以外に友人・知人が少ない人も多いんです。座談会などは中止になっていますが、地域の学会員たちが公園や喫茶店などで集まることもあるらしい」
「この自粛が長期化するとまずい」と危惧する学会員もいる。静岡県在住の古参学会員は言う。
「4月26日に投開票の衆議院静岡4区補選では、公明党も推薦する自民党の深澤陽一氏(元静岡県議)と、野党統一候補・田中健氏(元東京都議)の一騎打ちという構図になってきた。
公明党として絶対に落とせない選挙だが、創価学会が事実上活動停止しているこの状況下では、選挙準備にどうしても影響が出てしまう」
団体の今後を心配する声もある。
「若い会員たちの多くは単に『親が学会員だったから』という理由で入会した2世や3世で、活動に熱心な人はそれほど多くない。池田名誉会長の指導を直接受けた熱心な世代の会員たちは、ほとんどが高齢者です。今回の“自粛”で古参学会員の学会行事に関わるモチベーションが切れてしまったら、大げさでなく将来的な影響が出てくるかもしれない」(別の古参学会員)
◆ ウイルスを死滅させる
一方、この状況下でも普段と変わらない活動を続けている教団が、大川隆法・総裁率いる幸福の科学だ(公称会員数は1100万人)。
教団のニュースサイト「ザ・リバティWeb」によれば、大川氏は2月22日に香川県で、3月14日に宮城県で、会員らを前に講演。それぞれ約1300人、約1200人が詰めかけたという。
とくに2月22日の講演会で大川氏は、聴衆にマスク姿が多いことを見て、
「(マスクは)実際全然要りません。(中略)コロナウイルスを死滅させることも可能です。そういう法力を持っております。だから全然気にしないで、治しに来たと思ったほうがむしろいいかもしれません」
などと語ったことが、「ザ・リバティWeb」で報じられている。
また、2月18日に発行された大川氏の霊言本『中国発・新型コロナウィルス感染 霊査』では、新型コロナを撃退する免疫として、「神への信仰」を挙げた。教団本部広報局は次のように説明する。
「今回の感染は“中国発”であり、神を信じない共産主義独裁国家・中国による人権弾圧と覇権主義の魔手が世界に広がる危険性に対する神の警告と考えております。(教団の)行事の開催は、支部や精舎(教団施設)での(大川氏の)法話映像の拝聴や祈願等が中心で、特に制限しておりませんが、アルコール消毒等の感染予防や衛生管理には充分配慮しています」
さらに、「信者の方々から(新型コロナに対する)不安の声は聞いておりません」という。
「大川氏の法話を聞けば、新型コロナに感染することはないのか」という質問に対しては、「『信仰すれば感染しない』と断定するものではなく、祈願や法話を通して、恐怖心を取り除き、信仰心を高めることで、免疫力が向上し、結果として感染の予防に繋がると考えます」との回答だった。
教団関係者は幸福の科学会員の日常をこう話す。
「基本的には大川総裁や教団幹部らの話を聞いたり、教団からの出版物を読んだりといった“静かな活動”が多い。みんなで集まってワイワイ騒ぐといった活動はメインではなく、幸福の科学の行事がクラスターになる可能性は低いのではないか」
しかし、1000人以上が集まる講演会で、“信仰の力”がどこまで防波堤になるものなのか。
宗教には、疫病や飢饉などの際に聖職者が積極的に街頭に出て民衆を励ましてきた歴史もある。各団体の社会への向き合い方が問われている。
ポストコロナの暮らしは「微生物との共生関係」
Forbes JAPAN 2020年5月31日(日)11時30分配信
微生物についてどんなイメージがあるだろうか。
乳酸菌、ビフィズス菌などの細菌類、話題の真核生物ミドリムシ(ユーグレナ)など、食品として取り込むことで人体に良い影響を与えてくれるものから、新型コロナウイルスのようなウイルスも微生物のうちに分類される。要するに、目には見えない小さな生物をまとめて微生物と言う。
新型コロナウイルス (SARS-CoV-2)の感染症拡大により、あらゆる場所で頻繁に除菌が行われるようになるなど、微生物自体に悪い印象がつきまとっているが、そもそもウイルスには感染症を引き起こす病原性ウイルスの他にも人体に悪影響を及ぼさないものもたくさんいる。
また、私たちの周りからあらゆる微生物を排除しようとしたところで、それは不可能だろう。なぜならヒトの細胞数は37兆個程度であるのに対し、ヒト常在微生物の細胞数は細菌だけで38兆個にものぼるからだ。微生物は私たちの手にも、顔にも腸内にも、至る所に常にいる。そして彼らは独自のコミュニティを築き、様々な営みを行うことで、私たち人間に影響を与え続けている。このように身近な存在の微生物に、私たちは正しい知識をもち合わせているだろうか。
「都市環境微生物」という学問分野に身を置く伊藤光平は、微生物と人間の関係に着目することで人々の健康や生活を発展させるべく研究を行なっている。伊藤が代表を務める微生物調査プロジェクト「GoSWAB」では「微生物と人が共生する社会の実現」を掲げ、微生物を用いた都市環境デザインを目指している。
新型コロナウイルスの流行によって、目に見えない極小の世界との関わり方を考えざるを得ない状況になっている昨今。微生物と人間が良い関係を構築し共生していくにはどうしたら良いのだろうか──。
<室内の微生物の多様性が院内感染を防ぐかもしれない>
伊藤たちの取り組みは、都市や室内環境での微生物の多様性とバランスを保つことに重点を置いている。微生物の多様性が保たれた環境は、人間にとっても良い環境であるからだ。微生物の多様性が上がると拮抗現象により、人間にとって悪い微生物が独占的に増殖することを防ぐことができるからだと言われている。動植物の生態系が一部でも欠けると、生態系全体が崩れていくのと同じように、微生物のコミュニティ(マイクロバイオーム)もその多様性を保つことで適切な均衡を保ち、ひいては人間にとっても良い環境であると言える。
実際に都市と比べて多様な微生物が生息する農地で育った子どもは、喘息など自己免疫疾患の重症度が比較的に軽度であることもわかっており、幼児期までに多様な微生物に触れることが免疫を上げることにも繋がると言われている。
では、都市で暮らす上で多様な微生物と関わるにはどうすればよいのだろうか。伊藤は最も簡単な方法として「自然換気」を推奨する。室内には滞在している人間から落ちたヒト常在微生物などが多いが、窓を開けて換気することで室内の有害物質の濃度が下がるだけではなく、土壌など自然環境に生息する微生物が室内に入ってくるため室内の微生物の多様性を手軽に上げることができるのだ。
「たとえば、病院では機械換気が行われているのですが、機械換気だと自然換気に比べて室内の微生物の多様性が下がり、さらに病原性の微生物の割合が高まることがわかっています。これが院内感染の原因の1つになっているのではないかとの指摘もあります」
その除菌は本当に有効なのか?
<過度な除菌・殺菌は禁物、なぜ?>
さらに伊藤は、過度に除菌・殺菌を行うことに警鐘を鳴らしている。細菌を抗菌薬などで除去しようとすると、一定数死なない細菌が出てくることがある。これを薬剤耐性菌という。抗菌作用のあるものを恒常的に使用することによって耐性がある細菌が生き残って増殖するようになり、結果として薬では太刀打ちできない細菌の数が増えてしまうのだ。
こういった薬剤耐性のある細菌がもし病原性をもっていた場合、私たちはその細菌に感染しても薬による治療ができない。2050年にはガン死亡者数を薬剤耐性微生物による感染症死者数が上回るのではないかとも予測されており、今後大きな社会問題の1つになる可能性があるという。
「GoSWAB」活動の様子。都市のあらゆる所を綿棒でこすり、ゲノム解析をして場所ごとの微生物を明らかにする
除菌・殺菌の徹底が叫ばれるこの時世だが、意外な落とし穴があった。通常の石鹸などで消毒する分には薬剤耐性菌は出ないとされているが、一部の抗菌グッズや歯磨き粉などの抗生剤を使用した日用品が室内に残留し、耐性菌の増殖を助長することもわかっているという。
微生物を一概に排除するのでなく、多様性やそのバランスを崩さないまま関わっていくことの妥当性がわかる。
伊藤は今回の新型コロナウイルスの感染拡大について、「微生物は目には見えない生物なのでどのように対策をしたらいいかわからず、過度な除菌をしてしまったり、逆に効果がなさそうな製品を使ってしまったりと、未知との恐怖が目を曇らせている可能性があります。もちろん感染拡大防止のために専門家が推奨している範囲で適切な衛生対策はすべきですが、必要以上に怖がっている人が多いなという印象を受けました」と語る。
では適度な除菌とは何なのか。難しくも思えるが、例えばドアノブや玄関など室内でも多数が触れる箇所を意識的に除菌をするなど、場所ごとの住み分けを行うのがいいのではないかと言う。
実際、室内にいる微生物で人間に有害なものは2割程とも言われており、むやみにそれら除去しようとすると残り8割の無害な微生物まで殺してしまい、多様性が下がる。健康でいるために目に見えない微生物を取り除こうとしがちだが、状況に応じては多くの微生物を取り込んだほうが良いとは、なんとも皮肉な事実だ。
室内に微生物を「放出」
しかし、その微生物の特性を人間の生活に活かそうとする取り組みもある。空気中や人間が接触するエリアなど、場所特有の微生物コミュニティの種類やその働きを研究し、空間づくりに活用することで、最適な環境をデザインしようというものだ。住環境だけでなく、仕事の能率が上がるオフィス、院内感染が起こりにくい病棟、食中毒の危険性を低減させる食品加工施設など、こういった空間づくりが環境問題解決の鍵になるのではないかという研究が世界中で行われている。
<室内に微生物を放出し、森林のような空気をつくる>
伊藤はこのような微生物を除去するアプローチの反対に、プロバイオティクスという有益で無害な微生物を環境中に加えるアプローチに可能性を見出している。伊藤が率いるGoSWABの活動では、室内に森林のような良い空気を作り出す「GreenAir」というデバイスを開発中だ。
「GreenAir」は1日に数回、森林由来の増殖力が強く無害な細菌を室内に放出。空気中や家具の表面など至る所に付着した細菌は病原菌の栄養源となる有機物を代謝して、有害な微生物が増殖するのを防いだり、花粉やダニなどのアレルゲンや不快な匂いを消費してくれる。高層ビルや大きな道路による排気ガス、騒音などの問題により、換気をすることが難しい都市の住居で用いられることが想定されている。
このデバイスを置くことにより、微生物コミュニティのバランスを適切に保ち、健康に暮らせる室内環境を実現する。微生物を用いた都市デザインを目指す伊藤が実用化するサービス第1弾と言えるだろう。
今後は微生物コミュニティのゲノム情報と、都市や室内から取った温度、湿度、建築材質、人口などの様々な環境データを統合的に解析しながら、都市に住む微生物と人間との相互作用を明らかにして研究を重ねていくという。また、都市における緑化が微生物の多様性を回復させ、人間の健康に寄与する可能性があることもわかっていることなどから、ゆくゆくはデベロッパーや行政、建築家などとも協業して微生物の多様性が高くなるような次世代の都市づくりを目指したいと話す。
私たちは普段から、ヨーグルトや納豆などの発酵食品を食べたり、微生物を活用した創薬による治療を受けるなど、意識せずとも微生物の恩恵を受けている。目に見えないものとの関わりであるため注目されにくいが、多様な微生物との「共生」は新しい概念ではなく、人間が生きる上で前提としてあるものなのだ。
<綿棒で採取したものをゲノム解析する>
伊藤は今後の微生物による都市デザインはどのように変化していくとみているのだろうか。
「Withコロナ時代と言われ始めていますが、ウイルスを始めとした微生物が身近にあるまま人間が生きているというのは、新型コロナウイルス以前からのことです。いま公衆衛生が話題になっているのもあって、微生物の話題はどんどん増えていくと思います。抗生剤で過剰に殺菌するようなことを続けていくと人間にも不利益になってしまうので、今すぐに微生物との戦いをやめなくてはいけないという雰囲気になっていくのかな。ウイルスに対して正しい知識を持って向き合い、共生を模索していかなくてはいけません」
新型コロナウイルスの世界的なパンデミックにより、いっそう明確になった世界の国々との「共生」。そして、ウイルスとの「共生」。これは、アフターコロナ時代のキーワードとなっていくだろう。マイクロスコピックな世界との共生に目を向けてみると、そこには無限の可能性があることを感じるのではないだろうか。