【NTT】<NTTドコモを完全子会社化>TOB(公開買い付け)実施へ
NTTがドコモ完全子会社化、TOB過去最大4.3兆円 競争力強化図る
SankeiBiz 2020年9月30日(水)9時15分配信
NTTは29日、NTTドコモの完全子会社化に向け、株式公開買い付け(TOB)を実施すると発表した。激変するデジタル社会に対応するため、ドコモの競争力強化を図るとともに、NTTグループ全体の成長のため、迅速な意思決定を可能にする。
NTTはドコモ株の66.2%を保有しており、残り約34%をTOBで取得する。TOBにかかる費用は4兆3000億円で、国内企業に対するTOBとしては過去最大となる。
菅義偉内閣は、海外と比較して高額な携帯電話料金の引き下げを業界に求めているが、記者会見したNTTの澤田純社長は「(完全子会社化の)結果としてそういう余力も生まれる」と述べ、値下げにも前向きに対応する意向を示した。
NTTはドコモを完全子会社化することで、第5世代(5G)移動通信システムやモノのインターネット(IoT)など、先端技術にグループ全体として投資、国際競争力も強化する。
固定通信とモバイル通信を融合させるため、ドコモを完全子会社に移行した後に、NTT傘下のNTTコミュニケーションズやNTTコムウェアをドコモに移管することを検討することも明らかにした。
TOB期間は今月30日~11月16日とし、買い付け価格は1株3900円。一方、NTTドコモは吉沢社長が12月1日付で取締役に退き、井伊基之副社長が社長に昇格する人事を発表した。
■ NTTとNTTドコモをめぐる経過
1985年4月
・日本電信電話公社の民営化でNTTが誕生
92年7月
・NTTが移動通信事業を分離しドコモの所管に
98年10月
・ドコモが東京証券取引所第1部に上場
99年7月
・NTTが分割再編。NTT東日本と西日本、NTTコミュニケーションズが営業開始
2018年6月
・NTT社長に澤田純氏が就任
20年6月
・NTTが第5世代(5G)移動通信システム分野などでNECと資本業務提携することを発表
20年9月10日
・ドコモの丸山誠治副社長が記者会見で「ドコモ口座」をめぐる不正な預貯金引き出し問題について謝罪
20年9月18日
・菅義偉首相が携帯電話料金の引き下げに向けた検討を武田良太総務相に指示
20年9月29日
・NTTが株式公開買い付け(TOB)を通じてドコモを完全子会社化すると発表
NTT、ドコモ完全子会社化 4兆円TOB検討 グループで5GやIoT促進
毎日新聞 2020年9月29日(火)0時25分配信
NTTは、携帯電話事業を手がけるNTTドコモを完全子会社化する検討に入った。投資額は約4兆円で株式の公開買い付け(TOB)を実施する。通信事業を巡る世界的な競争が激化する中で、次世代通信規格「5G」やIoT(モノのインターネット)など成長事業の展開に向け、グループ一体の経営を推し進める。週内の取締役会で決定する見通し。
TOBが実現すればドコモは上場廃止となる。
菅義偉首相は携帯電話料金の値下げを目玉政策の一つに掲げている。NTTがドコモを完全子会社化し、経営効率化が進めば、料金値下げに向けたコスト削減にもつながる。
NTTのドコモ子会社化を機に総務相が議論すべきこと
日刊工業新聞 2020年9月30日(水)15時09分配信
改めてNTT規制のあり方を
上場子会社のNTTドコモを完全子会社化するNTT。一般株主が持つ約34%の株式をTOB(株式公開買い付け)で取得する。買収額は約4兆2500億円。完全子会社化により意思決定を速め、経営の効率向上や海外事業強化などを図る。
TOB期間は30日から11月16日。必要な資金の大部分は金融機関からの借り入れでまかなう。完全子会社化の完了時期はTOBの結果により異なるが、早ければ年内の見通し。
ドコモは海外の通信事業者などと組み、第5世代通信(5G)をはじめとする無線ネットワークのオープン化や高度化を図る「O―RANアライアンス」を推進してきた。NTTはこうした海外展開の加速を狙う。またNTTコミュニケーションズやNTTコムウェア(東京都港区)の機能のドコモへの移管を検討し、グループ会社間の連携強化も模索する。現在上場しているNTTデータの完全子会社化はしない。
29日に会見した澤田純NTT社長は「世界規模での研究開発推進が必要。それにはグループ横断での意思決定迅速化が不可欠」と話す。
<専門家の見方>
NTTがドコモの吸収を決めたのは、ドコモの動きの鈍さに危機感を持ったからだろう。2040年代には日本の人口が1億人を割り込むことが予想されている中で、国内リテールばかり見ているドコモにNTT幹部は苛立っていた。
実際、私も直接、幹部からその手の不満を聞いたことがある。賃金の大幅な上昇がなければ、第5世代通信(5G)でも第6世代通信(6G)でも、ネットワークの構築にかかったコストを料金に反映させることは難しい。5G、6Gと設備投資は続くのに通信料金は上げられない。
しかも人口は減少していくという通信会社にとっては厳しい将来が待ち受けている。この状況を打開するには、海外の成長を取り組むとともに、BtoB(企業間取引)やBtoBtoC(企業と消費者の間で取引のサポートを行う)にも積極的に打って出る必要がある。NTTコミュニケーションズやNTTコムウェアとの統合に言及したのはその布石だろう。
ここで総務省に注文がある。これを機に、NTT規制のあり方を改めて議論してはどうか。固定電話のユニバーサルサービス義務など時代にそぐわない制度が未だ残っている。実態に合わせ、競争環境を整備していくことが重要だ。
「携帯電話4割値下げ」で開くパンドラの箱 メディア支配・天下り・電波利権…政官財三つ巴の戦いが始まる
デイリー新潮 2020年9月30日(水)6時05分配信
根深い官民の癒着
菅義偉総理大臣の実力をはかる試金石となりつつあるのが、携帯電話料金の値下げである。就任早々の担当大臣が「1割値下げ程度では改革にならない」「100%やる」とまで断言した以上、「できませんでした」では済まないだろう。
当然、この件についてテレビも報道しているものの、実はあまり彼らが触れたくない問題がある。電波の割り当て問題だ。この件は複雑なうえに、テレビ局自体が当事者ということもあって番組では扱われることが少ない。
元NTTグループ役員の山田明氏は新著『スマホ料金はなぜ高いのか』で、この問題を詳述している。そこから伝わってくるのは、官民の癒着の根深さだ。以下、同書をもとに見てみよう(引用はすべて『スマホ料金はなぜ高いのか』第8章「旧態依然の電波行政」より)。
言うまでもなく、電波は私企業が自由にできるものではなく国の公共財。その電波資源を管理している担当省庁が総務省だ。
その総務省が電波帯域を民間業者に割り当てる際に採用してきたのが「比較審査方式」。俗に「美人コンテスト」と呼ばれている。
この方式では総務省が割り当てを予定している帯域について、使用を希望する民間業者が使用計画や基地局整備計画などを提案するところからスタートする。
「提案を受けた総務省の官僚は提案内容を電波監理審議会に審査させ、その答申に基づき提案に優先順位をつけて電波の配給先を決めていく。審議会の答申は尊重するが、最終的な判断は総務省の官僚が行うという裁量権限を持たせた方式で、最終的に決まるまでのプロセスが不透明になる」
この方式を採用しているのは、先進国では日本だけだ。普通は「オークション方式」が採用されている。こちらの場合、入札価格が最も高い業者が落札して、電波が割り当てられる。
「オークションにかける電波帯域は通常いくつかのスロットに分割されるので特定の事業者に偏って落札されることはない。入札プロセスが透明で、恣意的な操作が入る余地もない」
しかもこの方式では、業者から数千億~数兆円が国に支払われることとなる。
「言い換えると、比較審査方式は、電波官僚が携帯会社に補助金をバラまいているのと同じだ。しかも、バラマキ先は日本企業の中でも指折りの超高収益企業なのだ」
「天下り先」を確保したい総務省
なぜこのようなバラマキが続くのか。山田氏はこう解説する。
「官僚が電波の経済的価値を勘案して優劣をつけ、事業者に割り当てる方式は裁量権限が大きく、政治的な介入も受けやすい。その裁量にすがりつくドコモやKDDIと、その言い分を聞くことで天下り先を確保したい総務省の思いが重なり、阿吽(あうん)の呼吸で大量の天下りが行われた」
山田氏によれば、郵政省、総務省からはNTTグループ企業に数多くの元官僚が天下りしてきたという。この状況を彼は「官民サラリーマン共同体」が存在している、と厳しく批判する。
そして、総務省の天下り先としてもう一つ見過ごせないのが放送局だ。
「総務省と放送・新聞などマスメディアの間には通信業界とは異なる関係があり、世の中にはほとんど知られていない。しかし、マスメディアが日本の電波行政の近代化を遅らせ、民主主義の危機とも言える状況を作り出している側面があるのだ」
破綻した「NOTTV」にみる深い闇
ここで山田氏が挙げた官民癒着を象徴的に示すエピソードが、携帯端末向けのマルチメディア放送「NOTTV」の失敗に関するものだ。2011年、地上デジタル放送の開始に伴って、余ることになったVHF帯の電波をマルチメディア放送に割り当てることになった。
この時手を挙げたのはNTTドコモと民放連のグループと、外資系企業とKDDIのグループだ。しかし総務省は外資系に割り当てたくなかった。そして当然、NTTドコモと民放連グループに免許が与えられた。
こうして始まった「NOTTV」だが、2016年には1千億円の累計損失を計上して破綻し、サービス廃止に追い込まれた。
「廃止時の契約数は約150万台で、総務省に提出した計画のわずか3%だった。普通の企業経営であれば、これだけの損失を出せば大騒ぎになるところだが、ドコモとNTTグループは全く動じる気配がなかった。総務省もまた同様だった」
総務省が「審査」したうえで割り当てた事業がここまで失敗したのならば、大問題になりそうなものだ。半沢直樹ならずとも審査の甘さを非難したくなるというもの。ところが、この件はほとんど世の関心を集めなかった。
「新聞やテレビなどマスメディアでは箝口令が敷かれたようで、このNOTTV破綻はまったくと言っていいほど報じられなかった。NTTやドコモは高収益企業のランキングでも常に上位に顔を出す。それはマスコミにとっては新聞広告やテレビ広告の大スポンサーでもあることを意味する。その機嫌を損ねることは、彼らが毎年支払う数十億~数百億円の広告宣伝費を失うことにつながる。
放送事業を左右する電波の割り当て権限を持つ総務省の機嫌を損ねれば、恣意的電波行政を通じてテレビ局の首を絞められることにつながりかねない。NOTTVの件が示すように、テレビ局が日本のテレビ業界への新規参入を恐れていることはよく知られており、総務省に競争を促進する電波配分に動かれてしまうことはタブーなのだ。
総務省の電波行政が、自民党のメディア支配力の源泉になっていることはよく知られている。自民党から政権を奪取した民主党政権は、電波法を改正して周波数オークションを導入しようとしたが、再び政権の座に就いた安倍内閣は民主党の路線を引っ繰り返して恣意的電波行政に戻してしまった」
携帯料金の4割値下げは十分可能
もちろん、こうした事情を官房長官だった菅総理は熟知している。割り当て方式以外にも日本の電波行政には数多くのムダが放置されたままで、そのツケを払わされているのは国民だというのが山田氏の解説だ。ちなみに菅氏が、山田氏の著書を手にしていた姿を番記者が目にしたという情報もある。
この問題に斬り込もうとした場合、官僚はもちろんのこと既存メディアをも敵に回すかもしれない。今は高い支持率に遠慮して、比較的穏やかな報道が目立つが、いつそれが逆になるかはわからない。
安倍政権時代とは別の形での「官邸vs.テレビ」の抗争が始まるのだろうか。
菅総理が総務副大臣や総務大臣だった当時、同省のシンクタンクで情報通信研究部長を務めていた山田氏に改めて話を聞いてみた。
「携帯事業者にとって、総務省から割り当てられる電波の帯域は経営上、死活問題なのです。通信基地局の建設を短期間かつ低コストで実現でき、経営に大きく貢献する価値の高い電波をプラチナバンドと呼んでいます。放送業界にはプラチナバンドを含めて低周波で使い勝手のいい電波が割り当てられていますが、そのうち有効に活用されているのは2割程度という分析もあります。使われていない8割の電波を通信業界向けに転用できれば、携帯料金の4割値下げは十分可能なはず。まずは総務省にテレビ用電波の活用状況を情報公開させることですが、菅総理にはあの粘り強い仕事ぶりで、今度こそ大幅値下げの壁を突破してほしいと思います」
1株3,900円TOBのドコモ株爆騰、NTT株は大幅下落 !
LIMO 2020年10月1日(木)7時21分配信
NTTドコモがTOB価格サヤ寄せで爆騰、KDDIとソフトバンクとNTTが年初来安値更新
前日の引け後に日本電信電話 <9432> による1株3,900円のTOBが正式発表されたNTTドコモ <9437> が、そのTOB価格にサヤ寄せする形で+21%高へ爆騰しました。
また、このTOB事案と、それに伴う携帯通信大手の収益悪化懸念により、最後発参入で苦戦必至だった楽天 <4755> が逆に評価され、堅調に推移しています。
NTTによるNTTドコモの完全子会社化の正式発表を受け、NTTの財務体質悪化が不可避となり、▲4%安に迫る大幅下落(安値引け)で年初来安値を更新しました。
また、携帯料金値下げ圧力によるKDDI <9433> とソフトバンク <9434> 両社に対する収益悪化懸念が続き、揃って取引時間中に年初来安値更新となってます。
『半沢直樹』出演者たちはロスではなく“後遺症” 香川照之には「大和田暁」が憑依!
東スポWeb 2020年9月30日(水)6時15分配信
国民的人気ドラマ「半沢直樹」(TBS)が27日の最終回で平均視聴率32・7%という有終の美を飾った。ドラマが終了したことで、視聴者の間では「半沢ロス」の声が湧き起こっている。だが、出演した俳優陣には、とんでもない〝後遺症〟に悩まされる者がいる――。
半沢の「3人まとめて1000倍返しだぁ!」や、香川照之が演じる大和田常務の「お・し・ま・いDEATH!(です)」をはじめ出演者のセリフが大きな話題となった今回の作品。「『日曜の夜9時が楽しみだったのに…。見るものがなくなってしまった』との嘆きや、『半沢が終わると会社に行けなくなる』といったよく分からない声まで、とにかくドラマを惜しむ声があちこちで飛び交っているんです」(テレビ誌記者)
しかし、こうした熱狂的な視聴者以上にイラ立ちを隠せないのが、ドラマに出演していた俳優陣だという。視聴者とともに「半沢ロス」を嘆いているのかと思いきや…。
「全く違いますよ。『半沢――』で演じた役が余りのインパクトで、私生活や他の仕事に影響を及ぼし始めているんです」(芸能プロ関係者)
特に重症なのが大和田暁取締役を演じた香川照之だという。
「ドラマで演じていた大和田口調が抜けずに、他の役柄まで全てあの口調になってしまうそうなんです。すぐに『君は』と『お前なんか…』とか必要以上に強くセリフを言ってしまう。最悪なのは台本を読んで熱が入ると自然に『…DEATH(デス)!』と、口角泡を飛ばして怒鳴ってしまう時があるとか。香川は『大和田取締役が乗り移っている』と頭を抱えています」(同関係者)
この「お・し・ま・いDEATH!」は、今年の流行語大賞になるのでは?と言われているほど人気を博しているが、役者の頭にまで残るほど強烈だったということだろう。
他にもセリフの言い回しが、普段からついつい口に出てしまう衝動にかられているというのが金融庁検査官・黒崎駿一を演じた片岡愛之助だ。
「仕事ができない部下に対し『アタシがお仕置きしてあ・げ・る♡』などとオネエ言葉になっていますが、私生活でもつい出てしまうんだとか。そもそも愛之助は歌舞伎で女形もできる役者だから、かまわないのでしょうけども」(事情通)
高視聴率の陰で出演者たちは〝半沢後遺症〟に悩まされているようだ。(視聴率は関東地区、ビデオリサーチ調べ)