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2020年10月27日 (火)

【座間9人殺害】公判✍被害者遺族「“殺害同意”あり得ない」

 娘のために」埼玉春日部の26歳遺族主張殺害同意あり得ない 

毎日新聞 2020年10月26日(月)20時53分配信

 神奈川県座間市のアパートで2017年に9人の遺体が見つかった事件で、強盗・強制性交等殺人罪などに問われた白石隆浩被告(30)の裁判員裁判は26日、東京地裁立川支部(矢野直邦裁判長)で、5人目の被害者とされる埼玉県春日部市の女性(当時26歳)の事件の審理が始まった。元夫が証人出廷し、女性との間には9歳になる娘がおり、「子どものことを第一に考える人だった。(殺害に同意することは)あり得ない」と答えた。

 検察側の質問に答えた元夫は「裕福でなかったので、食べ物や着る物も娘を優先させていた」と振り返った。娘は今も事件のことを知らず、元夫に「ママはどこに行ったの」と問いかけるという。昨年、墓参りをした際に伝えようとしたが、「勇気がなくて言えなかった」と声を詰まらせた。

 検察側は、女性は一時同居していた義理の両親と関係が悪くなり、精神的に不安定になったと指摘。17年8月に離婚し、同年9月23日にツイッターで被告と知り合うと、24日に被告宅に向かって被害に遭ったとしている。殺害への承諾があったとする弁護側の主張について、「離婚後も一緒にいたいと本人から聞いており、あり得ない」と語った。過去には「自殺を止めてほしい」と伝えられたこともあったと述べた。

 女性の母も出廷。「もう二度と娘に会えないと思うと生きていくのも苦しい」と涙声で語った。「そばにいてあげればこうはならなかったのか」と自分を責めたこともあるといい、白石被告に対しては「ずっと苦しい気持ちで生きていかねばならないことを分かってほしい」と訴えた。元夫と母はともに死刑を求めた。

 法廷では傍聴人や被告から証人の姿が見えないよう、ついたてが立てられた。

 白石隆浩被告(30)「普通の状態を襲うこと快感に 

産経新聞 2020年10月26日(月)18時57分配信

 神奈川県座間市のアパートで平成29年、男女9人が殺害された事件で、強盗強制性交殺人などの罪に問われた無職、白石隆浩被告(30)の裁判員裁判の第11回公判が26日、東京地裁立川支部(矢野直邦裁判長)で開かれた。白石被告は被告人質問で、4番目に犠牲となった大学2年の女子学生=当時(19)=について、直接会ってから具体的な自殺の話題は「一切出なかった」とし、殺害時は突然襲ったと振り返った。

 被告は一緒に自殺する口実で学生と連絡を取ったが、直接会ってからは具体的な自殺方法などの話題は出ず、悩みも「聞けなかった」と説明。殺害時の記憶は「断片的」としつつ、「相手が普通にしている状態を襲うことが快感につながった」と述べた。殺害直前に自殺を勧めたり、殺害の同意を得たりしなかったとの認識も示した。

 また、5番目に犠牲となった無職女性=同(26)の事件に関する証拠調べも行われ、女性の元夫と母親が証人として出廷。女性は生前、首にロープをかけるなど自殺未遂をしていたが、元夫は「死にたくないし、止めてほしかったと聞いていた。本気で自殺しない確信はあった」とし、「殺害の承諾はあり得ないと思う」と証言。2人とも被告に死刑を望むとした。

 この日の被告人質問では、犠牲者らと同時期にSNS(会員制交流サイト)で出会い、10日間ほどアパートに滞在した女性についても触れられた。

 被告は、仕事や身なりから収入があると感じ、飲食や生活費に3万円程度の支払いをさせていたと言及。金が得られなければ殺害したか問われると「関係は良好と思っていたので(殺そうという)考えはなかった」とし、殺害するかどうかは「状況によりけりで、収入がなくても私に対して分かりやすい好意を示すなら付き合うことなどを考えていた」と述べた。

 女性は後に、親が心配しているとの理由で被告の元を去ったという。

 座間9人殺害事件公判で振り返る「死にたい若者たち 

文春オンライン 2020年10月23日(金)21時18分配信/渋井哲也(ジャーナリスト)

「腕や足を切り落とし、胴体解体に入ろうと…」白石被告の遺体解体を目撃していた女性がいた

「まだ募集していますでしょうか?」

 2017年に神奈川県座間市のアパートで男女9人の遺体が発見された事件について、裁判員裁判が東京地裁立川支部で行われている。10月21日には、4人目に殺害された大学生Dさん(埼玉県所沢市、当時19、女性)に関する被告人質問が行われた。

白石被告は「37アカウント」とやりとりしていた

 Dさんは大学の成績悪化と、それに関する母親の叱責の後で、Twitterにて一緒に自殺する相手を募集するツイートをした。その投稿を見た白石隆浩被告(30)がダイレクトメール(DM)を送ることで接点ができたという。冒頭の言葉は、白石被告が最初にDさんに送ったDMの内容だった。しかも、このDさん殺害後の遺体解体作業を目撃していた女性がいたことも明らかになった。

 白石被告は、2017年8月22日、「@_」や「@死にたい」というTwitterアカウントを開設した。それまでと同じように、女性のヒモになるか、ならなければ強制性交をした後、殺害し、所持金を奪おうとしていた。8月30日、9月4日にはホームセンターで遺体解体に必要な道具を購入している。ちなみに、これらのアカウントで「数十のアカウントとやりとりした」と白石被告は言うが、検察官は捜査段階の確認作業から「37アカウント」と示した。

 そんな中で、白石被告は4人目に殺害するDさんと会う前、Yさんと知り合っていた。YさんもTwitterで希死念慮を表明するツイートをしていた。DMのやりとりをした後、LINEのIDを交換し、やりとりを始めていた。以下は9月12日のLINEのメッセージだ。

白石 Yさん?

Yさん そうです。

白石 よろしくお願いします。何時ごろになりますか?

Yさん こちらこそよろしくお願いします。車で行こうと思いますが、何時ごろまでに行けばよいですか?

白石 駐車場がないんですよ。放置しますか?

Yさん 駐車場がないのですね。放置でもいいです。

白石 電車でもいいですよ。

Yさん 名前と年齢、性別を聞いていいですか。

白石 リョウ、24歳、男性です。首吊りするだけにロフト付きの部屋にしました(笑)

 このとき、「24歳」と称していたが、白石被告は「相手に近い年齢のほうが信用される」と思っていたようだ。さらに、9月13日から14日にかけて、次のようなやりとりをしていた。

Yさん 本当に死にますか?

白石 縄、薬、首吊りするための台、準備があります。現場を見てからでもかまいません。

Yさん リョウさん、信じて向かいます。今日は、お昼頃に出ます。

Yさん さっき出ました。早くて17時15分に到着します。

白石 到着したら連絡ください

(LINE通話)

 そして「一緒に死ぬ」という目的で、9月14日17時27分、最寄りの小田急線相武台駅で合流する。

「Yさんは、性行為をしないほうが親密になれる」

「合流した後、部屋に連れてきましたが、Yさんからお金をひっぱれるかどうかを見極めるためでした。その結果、お金をひっぱれると判断しました。収入がありそうでした」

 検察官から「なぜ、そう思ったのか?」「相手の職業はなんなのか?」と聞かれると、白石被告は最初、「個人情報なので」と職業を明かさなかった。しかし、検察官に「特定されない形で」と言われて、「夜の商売」と答えた。飲食業なのか、性風俗業かは曖昧にしていたが、実は、これがYさんが殺されなかった理由にもつながる。

「Yさんとは性行為をしていません。性行為をしたほうが親密になれる女性と、しないほうが親密になれる女性がいます。Yさんは、しないほうが親密になれると思いました。なぜなら、Yさんは夜の仕事をしていました。仕事で体を求められる女性はしないほうがいいと思ったんです。スカウト時代にそういう女性を見てきました」

LINEで「手ぶらで大丈夫です」

 親密になった白石被告とYさんは、9月23日までの10日間を、殺害された女性の遺体がある部屋の中で過ごしたことになる。しかも、その間、4人目の被害者Dさんが、白石被告の部屋に来ることになる。Yさんと会ったその日に、Dさんともやりとりしている。

「死にたい」 フォロー、ありがとうございます。まだ募集していますでしょうか?

Dさん まだ募集しています、2、3日中に実行しようと思っています。

「死にたい」 薬、縄を準備しています。

Dさん 方法や名前、性別、年齢をお願いします。

「死にたい」 ショウ、24歳の男性です。立ち姿勢、正座姿勢で首吊り自殺をするためにロフト付きの部屋を借りました。

Dさん ありがとうございます。ご都合が良ければ、今週の金曜日の夜でいかがでしょうか。

「死にたい」 わかりました。

Dさん 疑うわけではないですが、連絡先をお願いしてよろしいでしょうか。

「死にたい」 カカオやLINEでもよいでしょうか? 個人情報がわかってしまいますので。

Dさん LINEでお願いします。

「死にたい」 IDかQRコードでお願いします。

Dさん IDは×××です。

「死にたい」 送らせていただきました。

 その後のやりとりはLINEに移る。そして具体的な日程を決めた。

Dさん 日が沈む前ではなく、遅くなってしまいますが、大丈夫でしょうか。

白石 遅くなっても大丈夫です。

Dさん お手数かけます。

白石 万全を期すつもりです。

Dさん こちらこそ、よろしくお願いします。

白石 不安なことや不明なことがあれば、いつでも聞いてください。

Dさん こちらから用意したり、もちよったほうがいいものはありますか?

白石 手ぶらで大丈夫です。

Dさん 終わりが近づいたことで、少しだけ落ち着いて過ごせています。

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大学の「親子面談」を避けるために……

 こうしたやりとりを見ていると、Dさんが自殺相手を募集し、「9月16日」を指定している。なぜ、この日だったのか。それは弁護側が明らかにしている。実は、Dさんは大学の成績が振るわず、留年の心配をした大学側が、「親子面談」を指定してきたのだ。その日は「9月16日」だった。親子面談を避けるために、Dさんは白石に会う選択をしていることになる。

 9月16日は、Dさんはイタリアン料理の店でのアルバイトを終えて、22時30分ごろ、座間市へ向かった。実はこのとき、連絡が取れなくなった母親が、バイト先まで車で迎えに来ている。LINEでメッセージを送っても、電話をしても、Dさんからの応答はなかった。そして、深夜の0時26分に相武台駅の改札を出ている。

 このとき、白石被告は、防犯カメラがあると思われる、改札前で待ち合わせをしている。そして、それまでの被害者については失踪を装う工作をしていたが、Dさんのときはしていない。このとき、白石被告は「Twitterの友人がくる」といい、Yさんを駅前のカラオケ店に行かせている。

「この段階で3人の女性を殺害したが、警察の捜査が自分に及ばなかったことで心の中で油断しました。失踪を装うことも考えましたが、Yさんを待たせていたので、工作せずにやってしまおうと思いました」

「腕や足を切り落とし、胴体の解体に入ろうとしていた」

 それまでの3人の殺害は、悩みを深掘りし、長い時間話をしたところで、殺害に及んでいる。しかし、Dさんは部屋に呼んで1時間も経たないうちに殺害している。筆者との拘置所での面会時には「3人目以降はあまり覚えていない」と語っていたが、たしかに法廷での返答にも「記憶がない」「覚えてない」がそれまでよりも多くなった印象を受けた。Dさんのときも、これまでと同じように、背後から襲い、失神させ、レイプして、殺害している。

 しかし、このときの遺体の解体は時間がかかっていた。長い時間がかかったため、朝を迎えてしまう。Yさんから翌朝、「何かありました?」とのLINEのメッセージが届く。しかし、白石被告は眠くなって、寝てしまっていた。このとき、まだ解体が終わっていないものの、Yさんが部屋まで戻ってきた。玄関先でYさんを迎えた白石被告は、部屋に入れる。

「まだ解体中でした。腕や足を切り落とし、胴体の解体に入ろうとしていたところでした。そのため、トイレは見ないでと言い、ロフトにあげたのです。このとき、解体の場面を見せているということは、事前に『Twitterの人と会って、自殺の手伝いをして、解体するかもしれない』と言っていたと思います。Yさんが警察に通報するかもしれないとも考えましたが、大丈夫だと思いました。知り合って、時間も経っていたし、信用、信頼、恋愛、依存のいずれかの感じがありました。私が逮捕されたら、Yさん自身が困るのではないかと思っていました」

案の定、Yさんは警察に通報しない

 そもそも、レイプをした後に生かして帰すと犯罪が発覚する。もし、発覚すれば、執行猶予中だったために、確実に実刑になる。それを避けるために殺害を繰り返した。にもかかわらず、Yさんを帰しても、警察に通報しないと確信していたようだ。案の定、Yさんは警察に通報しない。「信用、信頼、恋愛、依存のいずれかの感じ」があったという、この2人の関係性も不思議なものだ。

 とはいえ、2人が完全に密接な関係になったわけではない。遺体が多くなってきたため、白石被告は、Yさんに「部屋に遺体の数が増えていったので、どこかに隠したい。レンタルルームを、Yさんの名義で借りてほしい」とお願いをした。しかし、Yさんが断った。どこまでも一緒というほどの関係ではない。

 白石被告はその後、Yさんに「生活費が足りないから、5万円を送ってくれないか?」と要求していた。Yさんも「振り込む」と応じていたという。

 この日の法廷でも、白石被告は当初、弁護側質問に「答えるつもりはありません」と拒否していた。しかし、検察側からの質問に答えた後の、弁護側質問には応じた。この中でわかったのは、Yさんは結局、5万円を白石被告に振り込んでいないことだ。なぜなら、白石被告が生活費を要求したのが10月26日。逮捕された10月31日の5日前のことで、Yさんは報道で白石被告の逮捕を知り、振り込まなかったのだ。

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 絵画の穴からスマホで…性行為隠し撮り、被害に気付かぬ人も 

朝日新聞デジタル 2020年10月26日(月)13時20分配信

 女性らとの性行為を隠し撮りし、その動画のネット投稿を繰り返していた30代の男が今年3月、わいせつ電磁的記録記録媒体陳列とリベンジポルノ防止法違反の罪で有罪判決を受けた。兵庫県警は判決確定後も、さらに8人分の被害を裏付けた。量刑は重くならないが、立件した訳とは――。

 神戸地裁判決によると、男は2017~19年、10~30代だった女性8人との性行為の様子を撮影し、その動画を女性の顔がわかる状態で動画投稿サイトに投稿した。判決は今年3月9日付。男は控訴せず、懲役3年執行猶予5年、罰金100万円の有罪判決が確定した。

 県警によると、被害に遭ったのは、出会い系アプリを通じて男と知り合い、ホテルに呼び出された女性たち。男はホテル室の壁に小さな絵画を掛けておき、絵画に開けた小さな穴からスマートフォンで隠し撮りしていた。近くで注視しないと、スマホのカメラに気づかないほど巧妙だったという。

 県警は判決が確定した後も捜査を続けた。無料通信アプリ「LINE(ライン)」「カカオトーク」のやりとりを解析するなどし、さらに8人の被害を裏付け、書類送検したという。

 新たに複数の被害が発覚しても、すでに判決が出ていることや全体として一つの罪として考えられるため、新たに罪に問われたり量刑に影響したりしないとされる。

 ある捜査関係者は「容疑者をより重く処罰するためではなく、被害者保護のための捜査だった」。隠し撮りされた動画がネット上にさらされていることに気づかない被害者も多い。「被害を知らせてあげれば、サイトに削除要請するなどの対策もとれる」と話す。

 

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