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2020年10月 6日 (火)

【第45代大統領】<スピード退院>陽性のまま“不死身”アピール

 <解説>トランプ大統領に投与、モノクローナル抗体とは 

NATIONAL GEOGRAPHIC 2020年10月6日(火)17時10分配信

未承認の抗体医薬品を異例の投与、その効果や安全性は

 トランプ米大統領の新型コロナウイルス感染は、ホワイトハウスのトップに起こった健康危機としてはここ数十年で最大だった。これまで米国では何百万人もの感染者が確認されており、トランプ氏自身もその1人に加わったことになる。

 トランプ氏は10月2日に首都ワシントン郊外のウォルター・リード軍医療センターに入院。同日の入院前にはホワイトハウスで酸素吸入を受けていたと報じられた。その後、症状が改善し、米東部時間10月5日午後6時40分頃(日本時間6日午前7時40分頃)に退院した。ただし主治医による経過観察と治療はしばらく継続されるという。

 トランプ氏の主治医らは様々な薬剤を用いて治療に当たった。その1つが「モノクローナル抗体(中和抗体)カクテル」と呼ばれる臨床試験段階の未承認薬だ。この薬については、安全性や効果がまだ十分に立証されていないため、使用には不安の声も上がっていた。

「私たちは、国家の危機と人1人の生命の危機が交わるところをリアルタイムで目撃しています」。トランプ氏が入院していた当時、米ボストン市ブリガム・アンド・ウィメンズ病院のジェレミー・ファウスト医師はそう話していた。

 モノクローナル抗体は、新型コロナウイルスに対する素早い反応を免疫系に促すと期待されている。考え方としては新型コロナ回復者の血漿を用いる治療法と似ているが、モノクローナル抗体は単なる血液からの抽出物ではなく、バイオエンジニアリング技術によって精密に作られる点が異なる。しかしトランプ氏に投与された米バイオテクノロジー企業リジェネロンの「REGN-COV2」は、まだ臨床試験のデータが出そろっていない。

 リジェネロン社がナショナル ジオグラフィックに述べたところによると、人道的見地からの特例措置としてREGN-COV2の投与を受けた人はトランプ氏だけではない。同社の広報担当者アレクサンドラ・ボウイ氏によれば、これまでに「まれで特例的な状況」にあった10人未満がこの治療薬を投与された。

 医療上のプライバシーのため、同じく新型コロナ陽性と判定されたメラニア・トランプ大統領夫人や政府高官らがREGN-COV2を投与されたかどうかは明かせないとし、「今後も個別の要求についてはその都度判断してまいります」とボウイ氏は答えた。

モロクローナル抗体とは?

 抗体は、免疫系が病原体に反応して作り出すY字型のたんぱく質だ。重要な役割は2つある。1つは、ウイルスに取り付き、ウイルスが細胞に侵入して複製するのを防ぐこと。もう1つは、病原体に目印を付け、免疫を担う他の細胞やたんぱく質が退治できるようにすることだ。

 ワクチンは体に抗体を作らせる。一方、モノクローナル抗体や回復者の血漿を用いた治療は、患者の体内に直接、抗体を送り込む。どちらも感染症と闘う免疫系にアドバンテージを与えるのが目的だ。

「トランプ氏の免疫系は今、ウイルスと闘っていて、もしウイルスが勝てば悲惨な結果になりえます」。リジェネロン社のレオナルド・シュライファー最高経営責任者(CEO)はトランプ氏が入院した10月2日の夜、CNNにそう語っていた。「私たちが作る抗体は、その闘いで免疫系が有利になるようにするのです」

 新型コロナ回復者の血液から抽出する血漿には、様々な種類の抗体が含まれる可能性があるのに対して、モノクローナル抗体は特定の対象を攻撃するようにできている。新型コロナウイルスを対象としたモノクローナル抗体は、鼻や口でウイルスが生存できないようにし、肺に到達して深刻な症状を引き起こすのを防ぐ。

「理論的には、『そもそも肺に行けるようなウイルスがいない』という状態を作りたいわけです」。米ノースカロライナ大学チャペルヒル校の感染症専門医であり、COVID-19予防試験ネットワーク(CoVPN)を率いるマイロン・コーエン氏はそう説明する。「心配すべきは鼻への感染ではなく、下気道への感染です」

 米製薬大手イーライリリーをはじめとする多くの企業は、新型コロナ回復者の血液を調べて抗体の開発に役立てようとしている。リジェネロン社の場合は、ヒトの免疫系を持たせたいわゆるヒト化マウスに新型コロナウイルスを感染させ、抗体を作り出すヒトの免疫細胞を抽出した。

 その中から、新型コロナウイルスのスパイクたんぱく質に最もよく結合する抗体を作れる細胞がどれかを調べる。スパイクたんぱく質は、ウイルスがヒトの細胞に侵入する際に鍵の役割を果たす。

 こうした選別過程を経て、特定の1種類(モノ)の抗体のみを作るクローン細胞の株が生み出される。それを使って作られるのが「モノクローナル」抗体だ。

 先日、米紙ワシントン・ポストのキャロリン・ジョンソン氏が伝えたように、リジェネロン社ではハムスターの卵巣由来の細胞を用いて抗体を大量に生産している。巨大なタンクの中で細胞を培養し、そこから抗体を抽出する。

 最終的にでき上がるREGN-COV2には、新型コロナウイルスへの結合のしかたが少しずつ異なる2種類のモノクローナル抗体が含まれる。エイズウイルス(HIV)に対して複数の抗ウイルス薬を併用する「カクテル」療法と同じように、この抗体の「デュオ」もウイルスに対してより効果的だと考えられている。

効果と安全性は?

 REGN-COV2は効果と安全性の確認がまだ取れていないため、試験段階にある治療薬ということになる。米食品医薬品局(FDA)は、回復者の血漿や抗ウイルス薬「レムデシビル」と違い、REGN-COV2に対しては緊急使用許可を出していない。

 あらゆる治療法は、臨床試験において検証が行われるのが原則だ。患者を、その薬を投与するグループと、効果がないとされるプラセボ薬を与えるグループにランダムに振り分け、結果を比較する。リジェネロン社のREGN-COV2は、こうした試験の初期段階にある。完全な結果がまだ公表されていないこともあり、この治療薬の使用を懸念した医療関係者もいた。まして大国のリーダーに使うとなるとなおさらだ。

 しかしトランプ氏の医師団は、それでも投与したほうがいいと考えるほど大統領の状態を憂慮したのだとブリガム・アンド・ウィメンズ病院のファウスト氏は話す。

 リジェネロン社は9月29日に投資家およびメディア向けの会見を開き、最初の275人の患者に実施した臨床試験の暫定的な結果を発表した。それによると、自分自身の抗体が十分に作られていなかった患者に対し、REGN-COV2を8グラム投与(血管に注入)したところ、鼻の中のウイルス量が減少した。また、症状が軽減する傾向も見られたが、統計的に有意な差が出るには至っていないという。同社はなるべく早い時期に正式な結果を発表したいとしている。

 リジェネロン社と提携してREGN-COV2の予防的治療薬としての効果を検証しているCoVPNのコーエン氏は、今のところモノクローナル抗体の安全性に問題はなく、「安全でないと考えるべき理由もありません」と話す。「ウイルスのスパイクたんぱく質を攻撃するものですので、どう考えてもヒトの組織には干渉しません」

 しかし、抗体治療には懸念材料がつきまとう。その1つが、特定の状況下ではかえってウイルスがヒトの細胞と結合する能力を高めてしまい、病状を深刻化させる可能性だ。

 抗体依存性感染増強(ADE)と呼ばれるこの現象は、少なくともREGN-COV2を用いた動物実験では見られていない。ただし、この結果を記した論文はまだ査読を終えていない。

 リジェネロン社のボウイ氏によれば、これまでに2000人以上が臨床試験に参加し、データを追跡している独立した委員会で安全性への懸念が示されたこともないという。「安全性は私たちの最大の関心事であり、常に注意深く見守っていますが、今のところ問題は起きていません」

 とはいえ、トランプ氏に投与すべきだったかどうかについては疑問が残る。1つには、リジェネロン社が結果を公表した初期の臨床試験は、トランプ氏より30歳も若い平均年齢44歳の患者に対して行われたという点だ。年齢層によってREGN-COV2への反応が異なるかどうかについて、同社ではまだ十分なデータを得られていないという。ただし、免疫系が弱っている高年齢者のほうが、得られるメリットは大きい可能性があるとコーエン氏は指摘する。

他にトランプ氏が用いた薬は?

 トランプ氏の主治医のショーン・コンリー氏は10月2日の記者会見で、大統領がREGN-COV2の他にも様々なサプリメントや薬を使用していると話した。

 それは、一般的に免疫を強化するとされるビタミンDや亜鉛などだ。ただし亜鉛は、新型コロナの治療法として効果が否定された抗マラリア薬のヒドロキシクロロキンとも関係する。併用すると効果があると報じられたことがあるからだ。

 トランプ氏はさらに、高齢男性における心臓病予防に効果的とされているため、低用量のアスピリンを毎日服用している。心臓病は新型コロナ感染症を重症化させる既往症であり、トランプ氏は少なくとも2018年の健康診断以降、アスピリンを服用している。

 緊急治療にはREGN-COV2以外にも、臨床試験段階にある治療薬が少なくとも3つ用いられた。そのうち、睡眠薬のメラトニンと胸やけ治療薬のファモチジンの2つは、新型コロナ感染症で併発しやすい炎症を軽減する効果が期待される。

 トランプ氏はさらに、当初エボラ熱のために開発された抗ウイルス薬レムデシビルをFDAの緊急使用許可を受けて投与された。これまでのところレムデシビルには、回復までの時間をやや短縮する効果があることが臨床データで示されている。

 トランプ大統領退院力強さ演出―有権者の疑念深まる 

Bloomberg 2020年10月6日(火)18時20分配信

 トランプ米大統領とその支持者は、新型コロナウイルス感染で治療を受けた大統領の退院を好機と捉え、ホワイトハウスに5日戻ったトランプ氏の姿を来月の大統領選に向けた力強さと活力を象徴する勝利のイベントとして演出することを狙った。

 大統領が選挙遊説に復帰すれば「無敵のヒーロー」になるとした支持者の言葉をトランプ氏自身が持ち上げて見せた。また、トランプ陣営の広報担当は民主党の大統領候補、バイデン前副大統領について、新型コロナに感染したこともそれを打ち負かした経験もないと難癖をつけ、共和党のレフラー上院議員は大統領就任以前のトランプ氏の動画を細工し、同氏がウイルスを相手にプロレスの技をかけているかのような様子をツイッターで配信した。

 トランプ氏は退院の直前、自身の経験を引き合いに出し、新型コロナを恐れることのないよう国民に呼び掛け、その後、ホワイトハウスではあえてマスクを外し、カメラに向かってポーズを取った。

 トランプ氏の振る舞いは最も熱狂的な支持者の感情を高ぶらせるかもしれない一方で、同氏が感染拡大とその脅威にあまりにも無頓着であるという一般の受け止め方を一層強固にする恐れがある。こうした脅威は、マクナニー大統領報道官を含めて大統領の側近さらに3人の感染が5日、新たに伝えられたことで鮮明となった。

 ABCニュースとイプソスが大統領の陽性判明後に実施した世論調査では、有権者の72%がトランプ氏について、感染の脅威を十分真剣に捉えていないと考えていることが分かった。

 トランプ氏が入院してからと、ホワイトハウスに戻ってきてからツイートした一連の動画からは、自分が米大統領として世界のほとんど誰もが望むべくもないような治療を受けられたことを認識している様子はうかがわれない。米国では2月以降、約21万人が新型コロナで死亡している。

 民主党のマーフィー上院議員は5日のツイートで、献身的な医師団による治療や治験薬の投与、専用ヘリコプターでの送迎など米国民の大半が経験することのないような扱いを大統領が受けたことに言及するとともに、トランプ氏がウイルスを恐れることがないよう国民に呼び掛けたことで、さらに数千人が命を落とすことになるのではないかと批判した。

 トランプ氏は、全米ネットワークの夕方のニュースの時間帯に周到にタイミングを合わせ、退院のイベントが注目を浴びるように仕立てた。

 ホワイトハウスのバルコニーに立ち、トランプ氏はマスクを外して両手の親指を立てるしぐさを見て、ホワイトハウスのサウスローンを飛び立つ大統領専用ヘリコプターに敬礼した。トランプ氏と政治的に対立する人々からは、大統領は息が荒いように見えたとの声が上がり、ツイッターでは「gasping(あえいでいる)」という単語がトレンドとなり始めた。

 トランプ氏は自身の回復が続くと賭けている形だが、病院に戻るようなことがあれば、健康不安をかき立てるとともに、ウイルス感染に翻弄されているという一般の見方が強まることになるだろう。

 大統領の主治医のショーン・コンリー氏はトランプ氏の5日時点の回復具合を心強く感じているとしつつも、医療スタッフが「安堵できる」ようになるには1週間を要すると述べ、「まだ完全に安心できる状態ではない可能性がある」ことを認めた。

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 評価値ディストピア藤井2冠に立ち塞がる豊島竜王 

NumberWeb 2020年10月6日(火)13時31分配信

 第70期王将戦の挑戦者決定リーグ2回戦、豊島将之竜王(叡王と合わせて二冠=30)と藤井聡太二冠(王位・棋聖=18)の対局は、終盤の逆転劇によって豊島竜王が勝利し、リーグ戦連勝を飾った。

 一方で藤井二冠は豊島竜王相手にまたしても敗戦し、通算対戦成績が6戦全敗に。また同リーグ戦でも「三冠」挑戦が厳しくなる連敗となった。

 戦型は「相掛かり」で進んだ今局、衝撃的な終盤戦となった。一時は藤井二冠が寄せの過程に入り、豊島竜王相手の初勝利が確実かと思われた。

豊川七段秒読みは魔物なんですよね

 しかし藤井二冠が勝機を逃すと、対局を中継した「囲碁将棋チャンネル」のAIによる評価値は豊島竜王、藤井二冠が一手指すたびに大きく揺れ動く状態に。両者持ち時間が限られる中で将棋の難しさを凝縮した大激闘になった。

 この対局を解説し、数々の“オヤジギャグ”で将棋ファンから愛される豊川孝弘七段が「秒読みは魔物なんですよね」とつぶやいたひと言は棋士としての実感がこもったものだった。

 最後は豊島竜王が辛抱強く自玉を守り、藤井二冠の攻めをかわして勝利をもぎ取った。藤井二冠はまたしても“豊島竜王の壁”を超えられなかったものの、171手の攻防には数多くのファンが固唾を呑んで見守ったことだろう。

貴族こと佐藤天彦九段が語ったこと

 Number1010号の将棋特集での佐藤天彦九段(32)と中村太地七段(32)の対談の未公開部分をWebで記事にしたが、そのなかで興味深いのは評価値に対して棋士が持つ印象だ。<例えば、ある対局でお互いに「9割くらい、これは詰まない」という認識を抱いていたとしましょう。ところが、AIがある一瞬だけは詰む可能性があったと数値で示したとする。それによって「あそこでこうしていれば勝てたじゃないか」と終わった後で批判はできるんですけど、それは2人の世界の理の外にある選択なんです。(中略)人が築き上げた世界において、価値観を転覆しろと言われているようなものです>

 AIが示す最善手が常に画面に現れる状況について「評価値ディストピア」という表現も広まりつつある。豊島竜王と藤井二冠という超トップ棋士でも、そういったことが起こりうる――将棋の難しさを改めて示す対局となった。

 AI予想99%対%から逆転負 藤井2冠、3冠挑戦は絶望的 

スポニチアネックス 2020年10月6日(火)5時30分配信

 ◇ 第70期王将戦 挑戦者決定リーグ

 将棋の第70期王将戦(スポーツニッポン新聞社、毎日新聞社主催)7番勝負で渡辺明王将(36)=名人、棋王含め3冠=の対戦相手を決める挑戦者決定リーグが5日、大阪市の関西将棋会館で行われ、藤井聡太2冠(18)=王位と棋聖=が、豊島将之竜王(30)=叡王と2冠=に171手で大逆転負けを喫した。過去の対戦成績が全敗の天敵に6連敗。リーグ戦も2連敗スタートとなり、崖っ縁に立たされた。

 藤井でもこんなことがあるのか。90手目△5六で成った角を切って勝負に出る。寄せる過程で、中継に映し出されたAI形勢判断は豊島1に対し圧倒的有利な99。だが、まさかの失敗で大逆転負け。終局後はあまりのショックからか呼吸は乱れ気味で、天を仰ぎながら「結果的に見切り発車になってしまった」とうなだれた。

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 対豊島で序・中盤戦の行く末が勝敗を左右するというAI研究での分析からか、いきなりアクセル全開。開局早々、スーツの上着を脱ぎ捨て、終盤戦のように前傾姿勢で体を揺らしながら盤上を凝視する姿からは初勝利への執念がうかがえた。

 プロ入りからこの一戦まで約4年間の通算勝率は8割3分7厘(4日現在)。30戦すれば25回は勝つ計算で、この数字は“レジェンド”羽生善治九段(同約7割強)ですら及ばない驚異的なものだ。

 にもかかわらず渡辺、永瀬拓矢王座と並んで棋界3強と認める豊島だけにはなぜか歯が立たない。格の違いのあった時期ならいざしらず、同じ冠保持者となった9月の対戦でも完敗。6戦して勝ち星なしという事実は、はたから見れば不思議以外の何ものでもないが、本人は「実力が足りないのかなと思います」と語るのみ。手数の171が前期王将戦挑戦者リーグ2戦目で敗れたときと全く同じなのも皮肉な結果だった。

 挑戦者を目指すリーグ戦でも、もう負けが許されない崖っ縁に追い込まれた。最終成績が並ぶ者がいたケースでは上位2人でのプレーオフとなるが、藤井があと1敗して3勝3敗になった場合でも規定により3位以下になるため残れない。

 もしも残る4戦全てに勝っても、道のりは厳しい。リーグ戦が現在の7人総当たり制になった第31期以降の計39期で4勝2敗で挑戦者になったのは延べ14人いるが、そのうちプレーオフなしは2人だけ。藤井が挑戦者になるためには4連勝+1勝の5連勝が必要となる可能性が高い。

 「厳しいスコアになってしまいましたが、最後まで頑張りたい」と前を向いた藤井。次戦は26日の永瀬戦。年度内3冠に向けた厳しい戦いが続く。

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渡辺明3冠‐豊島竜王の粘り藤井2冠ミスった108手目

スポニチアネックス 2020年10月6日(火)5時30分配信

 将棋の第70期王将戦(スポーツニッポン新聞社、毎日新聞社主催)7番勝負で渡辺明王将(36)=名人、棋王含め3冠=の対戦相手を決める挑戦者決定リーグが5日、大阪市の関西将棋会館で行われ、藤井聡太2冠(18)=王位と棋聖=が、豊島将之竜王(30)=叡王と2冠=に171手で大逆転負けを喫した。過去の対戦成績が全敗の天敵に6連敗。リーグ戦も2連敗スタートとなり、崖っ縁に立たされた。

 リーグ唯一の複数冠同士対決を渡辺明王将(36)=名人、棋王の3冠=が解説した。勝負の分かれ目として藤井優勢で進めた終盤、豊島の粘りに誤った藤井の寄せを挙げた。

 熱戦でした。特に中盤は内容が濃く、52手目の△8五歩が藤井2冠らしい強手で流れを引き寄せました。あのまま藤井2冠が勝っていたら、この一手を挙げるつもりでした。

 60手目あたりから藤井2冠が優勢で、決め手がありそうな局面。詰将棋解答選手権5連覇の実績が示す終盤力を誇る藤井2冠です。ところがなかなか土俵を割らない豊島竜王の粘りに焦ってきた。

 そのこと自体、あまり見たことがない。少なくとも、私との対局では見なかった藤井2冠の姿でした。

 勝負の分かれ目として挙げたいのが107手目▲1五角(A図)の直後。藤井2冠は△1九金と豊島陣の香を取りましたが、ここは△3九飛が有力で以下、先手にも▲3七歩の粘りがあって簡単ではないものの、後手の勝ち筋でした。

 ▲1五角の時点で藤井2冠には3分、残り時間がありましたから、読み切るのだろうと思って見ていました。終盤で抜け出したらそのまま押し切ることが多いですし、苦手意識というのもあるのでしょうか。

 特に注目度の高い藤井2冠の対局ですから、皆さん連敗していることは報じる。過去5連敗はインパクトのある数字だし、本人も気にしていたと思う。それを払拭するためにも早く1勝を挙げたかったでしょう。いつか途切れるのでしょうが、続いている間はプロ同士でも、相性は気になるものです。

 

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