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2020年11月15日 (日)

【RCEP】15カ国「東アジア地域包括的経済連携協定」署名✍世界最大の自由貿易圏か

 日中など15カ国✍RCEP署名、世界最大の自由貿易圏が誕生 

ロイター 2020年11月15日(日)15時41分配信

 日本や中国、韓国、東南アジア諸国連合(ASEAN)加盟国など15カ国は15日、東アジア地域包括的経済連携(RCEP)協定に署名した。世界最大の自由貿易圏が誕生する。

 署名したのは日中韓とASEAN10カ国のほか、オーストラリア、ニュージーランドの合わせて15カ国。米国は参加していない。インドは昨年11月に交渉から離脱したが、ASEANは、復帰への扉は開かれているとしている。

 RCEP協定は向こう数年間に、多くの分野で関税の段階的な引き下げを目指す。議長国ベトナムは、RCEPは世界経済の30%、世界の人口の30%に相当し、22億人の消費者をカバーすると強調した。

 ベトナム商工省の高官は、RCEPは「工業製品や農産物の関税の引き下げもしくは撤廃、データ送信に関するルール策定につながる」と説明した。

 米政府がアジアにどの程度関与する意向なのか不透明な中、今回のRCEP協定署名により、東南アジアや日韓の経済パートナーとしての中国の地位がさらに強化されるとみられる。中国が今後、域内の通商ルール形成を主導する可能性もある。

 対中貿易赤字拡大懸念離脱も、将来の参加に含み 

聯合ニュース 2020年11月15日(日)16時35分配信

 韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領は15日、世界最大規模の自由貿易協定(FTA)となる東アジア地域包括的経済連携(RCEP)について、「地域を超え、多国間主義の回復と自由貿易発展に寄与すると確信する」と述べた。青瓦台(大統領府)の康珉碩(カン・ミンソク)報道官が会見で伝えた。

 文大統領はオンライン形式で開かれたRCEP首脳会合で、「新型コロナウイルスや保護貿易の拡散、多国間貿易体制の危機の中で、若くて力動的な東南アジア諸国連合(ASEAN)が中心となり、自由貿易の価値の守護を行動に移した」と評価した。「歴史的な瞬間」とも表現した。

 韓中日やオーストラリア、ニュージーランドなど15カ国の首脳はこの日、RCEPに署名し、その意義を盛り込んだ共同宣言を採択した。

 RCEPは当初、インドを含め16カ国で交渉を開始したが、同国は対中国の貿易赤字拡大を懸念し、昨年交渉から離脱した。

 これについて、文大統領は「長い間、交渉を続けてきたインドの迅速な加盟を望み、加盟国の積極的な努力を期待する」とコメントした。

中国にらみ日本主導、インド参加に「RCEP特別文書採択

産経新聞 2020年11月10日(火)20時57分配信

 日中韓や東南アジア諸国連合(ASEAN)などでつくる東アジア地域包括的経済連携(RCEP)をめぐり、交渉から離脱したインドがほぼ無条件で即時加入できることを規定した特別文書を採択することが分かった。15日に予定するRCEPの首脳会合で正式に発表される見通し。中国の台頭をにらみ日本が主導した。複数の政府関係者が10日、明らかにした。

 RCEPは2012年に16カ国で協議を始めたが、安価な中国製品の流入などを警戒したインドが最終局面で離脱した。インドを除く15カ国は、今月11日にオンラインで開く閣僚会合を経て、15日の首脳会合で協定への署名を行う方向だ。

 日本は、インドがRCEPにとどまるよう説得を続けてきた。離脱が決まってからは、インドが参加しやすいよう協定とは別に特別文書の策定を提唱。RCEPは一定期間、新規加入を認めない方針だが、インドは例外とすることなどを明記した。外務省幹部は「市場アクセスなど最低限の交渉は必要だが、インドが望めば即時参加できる環境を整えた」と語る。

 日本がインドの参加にこだわるのは、中国を見据えた外交戦略の一環でもある。RCEP参加国のうち、1割のGDP(国内総生産)と4割の人口を誇るインドの離脱は、参加国の中で中国の存在感が相対的に増すことを意味する。一方、インドが将来的に参加しやすい道を残せば、中国の台頭を抑えることにもつながる。

 インドは米国やオーストラリアと並び、日本が提唱する「自由で開かれたインド太平洋」(FOIP)の主軸の一角でもある。政府はRCEPにインドが加入すれば、自由貿易の推進を柱とする「FOIPの発展」(外務省幹部)にもつながると判断している。

 RCEP署名、インド復帰にらみ始動する“巨大経済圏 TPPとの重複解消カギ 

産経新聞 2020年11月15日(日)23時38分配信

 地域的な包括的経済連携(RCEP)交渉は15日、インドを除く15カ国の枠組みでまとまった。インドを通じて中国の影響力拡大を抑え込みたい日本は、インドを含む16カ国での署名を目指したが、交渉の席に引き戻すことはできなかった。特例措置でインド復帰の可能性を残しつつ、15カ国による新たな巨大経済圏が動き出す。

 インドは昨年11月の首脳会合で離脱を表明して以降、交渉の舞台から遠ざかってきた。RCEP交渉国11カ国に対して貿易赤字を抱え、特に対中貿易赤字は2019年時点で約487億ドル(約5兆1千億円)と巨額。RCEPへの参加により中国などからの輸入増大を懸念する声が国内に広がっていた。そこに、新型コロナウイルスの感染拡大が追い打ちをかけた。

 インド離脱で懸念されるのが中国の影響力拡大だ。インドはRCEP参加国のうち、GDPで約1割、人口で約4割を占める。民主主義や法の支配の価値観を共有する「自由で開かれたインド太平洋(FOIP)」の実現を、外交・安全保障戦略の柱とする日本にとって、価値観を共有するインドは対中国の牽制役との期待があった。

 16カ国の枠組みの中でサプライチェーンを構築しようとしていた日本企業への影響も少なくない。日本政府が中心となり、ぎりぎりまでインドに交渉復帰を働きかけてきたが、署名式にインドの姿はなかった。

 一方、複数の自由貿易協定(FTA)が重複することで、それぞれの関税や規則などが絡み合い、貿易が混乱する可能性があるとの見方もある。現にオーストラリアなど7カ国はRCEPと環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)に重複参加する形になる。

 キヤノングローバル戦略研究所の山下一仁研究主幹は「重複の問題を避けるには、将来的に一つの大きなFTAに関係国すべてが参加することが望ましい」と話す。RCEPには中国が参加することから、国有企業など中国の経済活動を規律するようなレベルの高いルール作りは期待できない。このため山下氏は「国有企業などですでに高い規律を持つTPPにまずは米国が復帰し、中国などの参加を促すことが有益だ」と指摘する。

 民主党内の反対意見などもあり、米国のTPP早期復帰は厳しいといった見方もあるが、この点で来年、TPP議長国を務める日本のリーダーシップが求められそうだ。

 RCEP合意 台湾への影響「限定的」中国不参加TPP加入目指す 

フォーカス台湾 2020年11月15日(日)19時18分配信

 東アジア地域包括的経済連携(RCEP)の交渉に15カ国が合意し、署名したことについて、鄧振中(とうしんちゅう)行政院政務委員(無任所大臣に相当)は15日、中央社の取材に応じ、台湾への影響は限定的だとの見方を示した。また、中国が参加していない環太平洋経済連携協定(TPP)への加入こそが蔡英文(さいえいぶん)政権の目標だとも語った。

 台湾への影響が限定的である理由として、RCEPの貿易自由化の水準がTPPより低いこと、既存の貿易協定が土台となっていること、インドが交渉から離脱したことを鄧氏は挙げた。

 また、RCEP に署名した15カ国に台湾が輸出している製品のうち、7割がゼロ関税の対象であるICT製品であることにも言及。残り3割の機械や鉄鋼、紡績などの産業が影響を受けるとしつつ、打撃はそこまで大きくならないとした。ただ、これまで自由貿易協定を結んでいなかった日中間や日韓間などの市場で、台湾企業にどれだけの影響があるかについては観察する必要があると分析した。

 鄧氏は、初期は台湾もRCEP参加を模索していたが、中国の圧力が背景にあったことを指摘。蔡政権が2016年に発足してからはTPPへの参加と東南アジアや南アジア諸国との関係強化を目指す「新南向政策」の推進を目標としてきたと紹介した。中国が未参加のTPPには加入できる可能性が高い上、複数の参加国がRCEPと重複していることや、TPPが高い水準の自由化を掲げていることなどから、台湾にとってより利益が大きいとの考えを示した。

 王美花(おうびか)経済部長(経済相)は同日、経済部(経済省)でメディアの取材に応じ、他国が自由貿易協定を結んできた中で、台湾はすでに長年のプレッシャーに耐えてきたと言及。今後は台湾の競争力をさらに向上させていく方針を示し、TPP参加に向けても引き続き努力を続けていくとした。

 日本AIIB削除要求、中国インド太平洋反対ASEAN声明応酬 

産経新聞 2020年11月12日(木)21時16分配信

 日本政府が東南アジア諸国連合(ASEAN)関連の首脳会議でまとめられる成果文書をめぐり、中国主導のアジアインフラ投資銀行(AIIB)や巨大経済圏構想「一帯一路」に関する文言の削除を求めていることが12日、分かった。一方、中国は日本が主導する「自由で開かれたインド太平洋(FOIP)」を念頭に、地理的概念を含む「インド太平洋」を盛り込むことに反対しており、日中両国がASEANを舞台に牽制(けんせい)し合っている形だ。

 ASEAN外交筋が明らかにした。それによると、中国政府は14日にテレビ会議形式で開かれるASEANと日中韓3カ国(ASEANプラス3)の首脳会議、米露も含む東アジア首脳会議(EAS)などでまとめる声明で、AIIBに言及するよう主張。日本は「特定の国がイニシアチブ(主導権)を持つ内容を入れるのは不適切だ」と反対し、米政府なども同様の立場を取っているという。

 昨年11月のASEANプラス3では交通インフラの整備などを盛り込んだ「連結性イニシアチブ」に関する共同声明でAIIBに言及した。だが、AIIBなどを活用したインフラ投資の結果、中国が返済に窮した発展途上国に政治的要求を突き付ける「債務の罠(わな)」が関係国の懸念を招いており、日本による削除要求はこうした動きを牽制する意味もある。

 一方、中国側は日本主導のFOIPを連想させる文言を成果文書の草案から削除するよう要求。ASEANが昨年6月に採択した「インド太平洋に関するASEAN・アウトルック(AOIP)」にも反対している。中国は昨年のEAS議長声明などでAOIPへの言及を認めたが、日米が主導する対中封じ込めにつながる恐れがあると警戒を強めたとみられる。

中国の「RCEP締結」推進は「外交的クーデター

WoW!Korea 2020年11月13日(金)12時16分配信

 中国を含めたアジア・太平洋地域の15か国が、今週末 東アジア地域包括的経済連携(RCEP)を締結すると、米国のブルームバーグ通信が12日(現地時間)報道した。

 全世界の総生産および人口の約3分の1を占めるRCEPは、中国がここ10年近く 積極的に推進してきた協定である。日本からオーストラリアとニュージーランドにまで至る参加国たちを対象に、関税引き下げ、共通原産地規定による供給網強化、新たな電子商取引の条項などを目標にしている。一時はインドも参加していたが、昨年 対中貿易赤字への憂慮から不参加を宣言した。

 RCEPの15か国は今月15日、ベトナムが主催するASEAN(東南アジア諸国連合)のTV会議で、協定に署名する。RCEP協定が通過すれば、米国およびその他の多国籍企業にとって不利に作用する可能性があると、ブルームバーグ通信は説明した。ドナルド・トランプ米大統領は去る2017年に環太平洋パートナーシップ協定(TPP)を脱退している。

 中国は米国との摩擦が激化する中、RCEPを貿易関係が多角化できる機会とみなしてきた。RCEP協定の進展は、TPP脱退により この地域で中国とその隣国たちとの経済的バランスをとろうとする米国の影響力が、どれほど縮小されたのかを表している。

 ただ トランプ大統領とは異なり、ジョー・バイデン氏はTPPに再び加入する可能性が高い。

 S&Pグローバル・レーティングのアジア太平洋担当チーフエコノミストのショーン・ローチェ氏は「中国はRCEP推進により、一線を越える外交的クーデターを起こした」とし「RCEPはTPPと比べて浅いが広範囲であり、最近のような保護貿易主義時代には珍しく、多くの経済と商品を合わせもっている」と語った。

 ビル・クリントン米行政府当時 貿易を担当していたウィリアム・ラインシュ 国際戦略研究所(CSIS)上級顧問は「RCEPが地域的な力動性を中国に有利に変えるかは、米国の対応にかかっている」とし「もし 米国がその国々を無視しつづけ むやみに対するなら、振り子は中国の方に向かうだろう」と語った。

 バイデン勝利文在寅特使派遣日韓関係修復を焦る理由 

現代ビジネス 2020年11月16日(月)6時31分配信/武藤 正敏(元駐韓国特命全権大使)

文在寅の特使がやってきた

 11月8日、朴智元(パク・チウォン)国家情報院長が訪日した。

 今回の朴氏の訪日は行き詰っている日韓関係の突破口を作ることが任務で、事実上の文在寅大統領の特使という扱いである。菅義偉総理との面談を求め、文在寅大統領の意見を口頭で伝えたという。

 朴氏は菅総理及び二階幹事長との会談で、小渕総理と金大中大統領(いずれも当時)が発表した「日韓共同宣言…21世紀に向けた新たな日韓パートナーシップ」に続く新たな首脳同士の政治宣言で日韓関係を解決して行こうと提案した由である。

 これまで韓国側からは、徴用工問題解決のため、様々な形の財団設立案などが提案されてきたが、いずれも日本側として受け入れられる案ではなかった。

 今回韓国側から提案され政治宣言案に関し、与党民主党の尹建永(ユン・ゴンョン)議員はMBCのラジオインタビューで「実現の可能性があるかは別として」「文・菅宣言は一度首脳間においてビッグディール方式でやってみようというもので十分に検討のできる案」と述べた。

 尹議員は4月15日の総選挙で初当選した議員であるが、それまで青瓦台の国政状況企画室長をしていた文在寅氏の腹心であり、この案は文在寅氏の了承を得たものと考えていいだろう。

 徴用工問題が両国で直ちに解決することは難しいことから、まず指導者が大きな枠組みで未来志向的に進んでいこうという約束、すなわち政治宣言をすることで関係改善の転換点とみなすことができるようにしようという趣旨だと韓国側は説明している。

 これに対し、毎日新聞は、日本政府は「非現実的」という立場を表した、と伝えている。朝日新聞も「徴用工問題がある中で現実的ではない」と報じている。

 また、時事通信によれば、徴用工の問題について菅総理は「非常に厳しい状況にある日韓関係を健全に戻していくきっかけを韓国側が作ってほしい」と応じたという。徴用工問題で日韓請求権協定に違反する状況を韓国側から作っておきながら、それを棚上げして、日韓関係を未来志向的に進めていこうという考えに日本側が同意できないのは当然である。

 いずれにせよ、この提案によって日韓関係改善のため前進したとは言えないだろう。

韓日議員連盟も動き出す

 韓国からは11月12日、韓日議員連盟の金振杓(キム・ジンピョウ)会長ほか7人の議員も日本を訪問、成田空港で会長は「韓日間の懸案に対し両国首脳が会って政治的決断をする時期になった。議員連盟が中心となって友好的な環境になるよう努力したい」と述べた。

 議員団は同日日本側と合同幹事会を開催。同会長は冒頭、「政界がすべきことはこのように韓日の懸案が難しい時こそ発想を少し変えること」と訴えた。

 韓国の報道によれば、日本側の額賀会長は「日韓共同宣言」に触れたうえで、「大局的見地で新たな日韓関係が作れるよう互いに努力できればうれしい」と応じた由である。

韓国が日韓修復を急ぐわけ

 韓国側の言う発想の転換が「政治宣言」のことか。徴用工という日韓間の懸案を避けて関係を改善する方策として、どのような意味があるのか。

 韓国側が「政治宣言」で問題を解決しようというならば、徴用工問題に対する文在寅氏の認識が変わらなければならない。

 これまで私の長い外交官生活の中で、日韓関係が膠着した時に、日韓の議連には問題解決の根回し、環境整備の面で大変お世話になった。しかし、議員連盟が日韓間の間で調整に入るのであれば、より具体的かつ率直な議論を経る必要があり、それに耐える人間関係が必要である。現在の文政権に近い韓国側の議連幹部とそのような人間関係を築くのは難しいであろうし、文在寅氏に対する影響力もないだろう。

 日韓の議連の努力には敬意を表するが、本当に関係改善に成果を上げるのであれば、お互い儀礼的な発言を繰り返すのではなく、率直で厳しいやり取りがあってもいいのではないか。

 文在寅氏は、バイデン氏が大統領に就任すれば日韓の関係修復を求めてくると予測している。

 しかし、政府間では先般の外務省局長レベルの会合が平行線に終わり、日中韓首脳会談のソウル開催の道筋もつかないことから、政治家レベル、議員外交を通じて糸口を模索しているのであろう。

 韓国とすれば、バイデン政権に一番期待していることは北朝鮮との対話、関係改善、北朝鮮への制裁緩和である。これの障害となる状況は少しでも取り除いておきたいのであろう。そのためには、日韓関係の改善は不可欠である。

 日韓関係を改善したいのであれば、単に窓口を変えるのではなく、徴用工問題の抜本的な解決に向けて韓国政府の実質をともなう大胆な決断が必要である。

小渕金大中宣言の認識

 日韓友好を政治宣言で確立しようという韓国側の考え方が非現実的なのは、その環境が整っていないということである。

 小渕・金大中両首脳でまとめられた98年の共同宣言は、小渕総理が「日本が韓国に」という具体的な国名を入れて、「過去の植民地支配に対する日本の反省とお詫び」を文書化する一方、金大中氏は「(小渕総理の」歴史認識の表明を真摯に受け止め、これを評価する」「両国が過去の不幸な歴史を乗り越えていこう」と宣言したものである。

 この宣言の起草に関わった崔相龍(元駐日大使)によれば、金大中氏が「過去を乗り越える」というには大きな決断が必要だったが、それができたのは金大中氏が「日本は第2次大戦後変わった」「日本国民は汗と涙を捧げて平和民主主義の発展」に尽力してきたことを認めたからだという。

 日本人の感覚から見れば、「日本が民主主義国である」というのは当たり前のことであるが、韓国では「日本が右傾化・保守化している、軍国主義が復活しないか心配」という見方が一般的である、というより政治家やマスコミがそのように煽っていると見た方がいいだろう。

 それを否定し、日本が民主主義国になったというのは勇気のいることであるという。それをできたのは、金大中氏が民主主義の旗頭だったからだろう。

 金大中氏は、言葉だけで日韓関係改善を言ったのではない。金大中氏の日韓関係に果たした大きな業績の一つが、日本文化を韓国で広めることを認めたことである。それは日本にとって好ましいことであった。同時に韓国の大衆文化が急速に発展し、「韓流ブーム」を引き起こす土台となった。金大中氏が行ったことは日韓にとってウィン・ウィンだったのである。

文在寅の歴史認識は金大中とは真逆

 しかるに文在寅氏はどうか。日本は「歴史問題で謙虚であるべき」「日本は歴史問題を政治利用している」と歴代政権の中で最も過去の日本にこだわっている大統領である。日本の自衛隊機に韓国軍レーザー照射をしながら、自衛隊機が低空飛行してきたからだと偽りの言い訳をしており、自衛艦が旭日旗を掲揚して韓国に来ることを拒否している人である。

 日本が民主主義国だと認めていればこのようなことは起きないだろう。要するに金大中氏とは日本に対する認識が180度違うのである。

 徴用工の問題を解決しようというのであれば、文在寅氏の歴史認識から改めてもらう必要がある。しかし、文在寅氏は国内でも「漢江の奇跡」の否定、「光州事件の歴史」の修正など、一方的な歴史認識を韓国国民に求めている人である。

 このように歴史の事実を自分の都合のいいように変える人とどのような政治宣言ができるのだろうか。

文政権になって以降の政治宣言

 韓国元老知識人67人(市民団体「東アジア平和会議」座長李洪九)は2019年8月12日、日韓関係の平和的解決方法を求める声明を発表した。声明は「日本政府は韓国人に与えた苦痛と悲劇に対する深い理解と謝罪の姿勢を、韓国政府は日本人の戦後の経済発展と東アジアへの平和寄与を認めて和解の心を持つことが重要」と述べている。

 朴智元氏が持ってきた構想は、こうした知識人の考えがベースにあるのかもしれない。

 この考えは小渕・金大中宣言に近いものであるが、日本にして見れば「なぜまた過去の歴史を反省し謝罪しなければならないのか」との思いがある。金大中氏の時に「過去の歴史を乗り越えた」のではないのか。韓国側が歴史を持ち出すたびに「反省と謝罪」を述べなければならないのか。

 また、「日本が韓国の発展に多大な貢献をした」ことも認めて欲しい。それは日本に感謝しろという趣旨で言うのではなく、それを認めることにより、いつまでも反省だ、謝罪だ、と言わなくて済むようになるからである。

 この声明には、両国が遵守すべき行動要領が示されている。

韓日間の葛藤拡大姿勢の自制

日本政府の報復姿勢撤回

多方面の直接対話を直ちに再開

過去の協定及び約束と関連する両政府の持続的な交渉

 この行動要領には賛成できるものもあるが、日本側として納得いかないものがある。

 ◇「日本の報復姿勢の撤回」というが、戦略物資の個別許可制導入は、韓国側の管理に問題があったためである。◇「協定及び約束斗関連する両政府の持続的交渉」とあるが、日本としては「交渉」ではなく「遵守」を求めたい。仮にそこに解釈の疑義があるのであれば、それは「仲裁」によって解決すべき事項である。

日本には徴用工の問題でできることはない

 この韓国側の声明は、7月25日、日本の和田春樹氏など日本の各界指導者77人から「韓国は敵なのか」というタイトルで出された知識人宣言への回答として出されたものである。その内容は、日韓間の葛藤中断及び協力再開を求める内容の声明であるという。

 日韓の問題は政治宣言を出したからと言って解決できるものではない。それは韓国側、特に文在寅氏の歴史認識、政治姿勢が変わらないと難しい。

 文在寅氏は11月11日、青瓦台で外交安保分野の元老や・特別補佐官らと昼食懇談会をおこなった。それはバイデン氏との電話会談を控えての意見交換だったという。そこでは北朝鮮の核問題への対応が中心であったが、日韓関係についても話が及んだ。

 その中で文在寅氏は「韓日関係の解決は日帝被害者の同意と合意が先決条件で、韓国と日本の立場の隔たりが大きすぎて克服することが容易ではない」と述べた。出席者によれば「文大統領は韓日関係をどのように解決していくか苦心しているように見えた」という。

 文在寅氏の言うように徴用工問題に関する日韓の隔たりは大きい。しかし誰が大きくしているかと言えば文在寅氏である。金大中氏は日韓の歴史問題を乗り越えていこうといった。文在寅氏は歴史問題を新たに作り上げ、それに執着している。

 文在寅氏は被害者中心主義を言うが、日韓の間では個人の請求権の問題は解決している。問題が残っているとすれば、韓国政府と被害者の関係である。日本は国交正常化交渉の際、個人補償も打診したが、韓国政府はこれを断り、被害者への手当は韓国側ですると言い切った。今更日本に何を求めるのか。日韓の隔たりが大きいというのは、その大前提を受け入れていないからである。

文在寅氏の対日姿勢の転換が必要

 文在寅氏は日本とは徴用工の問題は対話で解決するといった。しかし、対話で解決するのであれば、請求権協定に見解の相違があれえば「仲裁」で解決すると規定されている。

 なぜ「仲裁」を拒むのか。文在寅氏にとって都合のいい、大法院判決を前提とする対話に固執するからである。これは日本側にとって話し合いの前提とはならない考え方である。

 日本としても、日米韓の連携強化のためには日韓関係改善を進めたい。特に長年日韓関係に携わってきた人間としてはなおさらである。しかし、これを妨げているのは文在寅氏その人である。文在寅氏が日韓関係に対する姿勢を転換するのが最善かつ唯一の方策である。

 海図の「日本海表記継続、韓国要求の「東海」併記却下 

読売新聞オンライン 2020年11月17日(火)5時01分配信

 韓国が日本海の呼称に「東海(トンヘ)」の併記などを求めている問題について、国際水路機関(IHO)の総会は17日未明、日本海と単独表記する指針の継続を暫定承認した。各海域を名称ではなく、数字で表記するデジタル版の海図を新たに作成する方針も合わせて暫定承認とした。

 日本政府関係者が明らかにした。オンライン形式による総会は16~18日の日程で開催され、IHOの事務局長案として日本海単独表記の指針継続とデジタル版海図の作成が提案された。総会は出席国による全会一致が原則で、日本政府関係者によると、韓国を含め加盟国から明確な反対は出なかった。IHOが総会の報告書を月内にまとめ、正式に承認される。

 IHOは各国が公式の海図を作成する際に参考にする指針「大洋と海の境界」を作成している。指針には各海域の名称が記載されており、日本海の海域は1928年の初版から現行版の第3版(53年作成)まで「Japan Sea」と記され、日本海単独表記の根拠の一つとなっている。

 

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