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2020年11月24日 (火)

【第45代大統領】✍共和党内から「『バナナ共和国(政情不安な小国)』のように見られる」と批判

 バナナ共和国」「恥さらし」…共和党内からトランプ氏を批判の声 

AFPBB News 2020年11月23日(月)19時35分配信

 米共和党内で大統領選の結果をめぐり、民主党のジョー・バイデン(Joe Biden)前副大統領の勝利を認めたり、少なくとも政権移行に向けて連邦資金を拠出するよう一般調達局(GSA)に求めたりする声が広がりつつある。

 ドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領が選挙結果を認めず、根拠のない不正の主張を繰り返す中、バイデン陣営は機密情報の絡んだ国内外の政策問題に関するブリーフィングを受けられずにいる。中でも急を要するのは、米国で猛威を振るう新型コロナウイルス流行への対応だ。

 こうした中、2016年大統領選後にトランプ氏の政権移行チームに携わったクリス・クリスティー(Chris Christie)前ニュージャージー州知事は、米ABCテレビの番組で、トランプ氏の弁護団を「国民的恥さらし」と批判。もはやGSAが政権移行資金を拠出すべき時だと述べた。

 また、CNNに出演したメリーランド州のラリー・ホーガン(Larry Hogan)知事は、トランプ氏の振る舞いのせいで米国が「バナナ共和国」のように見られつつあると述べ、政情が不安定で指導層が腐敗した途上国をやゆする表現を用いて非難。その後ツイッター(Twitter)に、「(トランプ氏は)ゴルフをやめて敗北を認めよ」と投稿した。

 下院共和党ナンバー3のリズ・チェイニー(Liz Cheney)議員は、大統領選で不正があったとの主張を弁護団が証明できなければトランプ氏は「選挙プロセスの神聖さを尊重」すべきだと主張。

 熱心なトランプ氏支持者として知られるデビン・ニューネス(Devin Nunes)下院議員さえも、バイデン氏について「大統領選で成功を収めた」とFOXニュース(Fox News)に語り、遠回しにトランプ氏の敗北を認めた。

 バイデン氏は、大統領選の結果を覆そうとのトランプ氏の試みをよそに、来年1月20日の大統領就任へ向けた準備を進めている。バイデン氏が首席補佐官に指名したロン・クレイン(Ron Klain)氏は22日、ABCの番組「ディス・ウイーク(This Week)」の中で、バイデン氏が24日に閣僚人事を発表すると明らかにした。

 【米大統領選2020】トランプ氏支持者敗北認めるよう呼びかけ 

BBC News JAPAN 2020年11月23日(月)12時20分配信

 米大統領選で民主党のジョー・バイデン次期大統領に敗れたことを認めず不正選挙だと主張し続けるドナルド・トランプ米大統領に対して、与党・共和党の中から徐々に、負けを認めるよう呼びかける声が上がっている。トランプ氏を長年支持してきたクリス・クリスティー前ニュージャージー州知事は22日、トランプ陣営の弁護団を「国民的な恥さらし」と厳しく批判した。

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 共和党のクリスティー前知事は米ABCニュースの番組で、「正直に言って、大統領の弁護団のふるまいは国民的な恥さらしだ」と述べた。

 クリスティー氏は、トランプ氏の弁護団が「不正選挙があったと法廷の外ではしきりに主張するが、いざ法廷に入ると、不正選挙だと主張しないし、不正選挙だと陳述しない」と批判した。

「私は大統領を支持してきた。2度にわたり、大統領に投票した。けれども選挙には結果というものがある。実際に起きていないことが起きたかのようなまねをし続けるわけにはいかない」と、前知事は述べた。

 クリスティー氏は2016年大統領選で、現職州知事としては真っ先にトランプ氏を大統領候補として表立って支持した。今回の選挙では、大統領候補討論会に向けての準備を手伝った。ただし、11月4日未明の時点でまだ開票が続いているにもかかわらずトランプ氏が勝利を宣言した際には、時期尚早だと述べていた。

 トランプ氏の弁護団のうち、クリスティー氏はとりわけ、シドニー・パウエル弁護士を厳しく批判した。

 パウエル弁護士は、弁護団が19日に共和党全国委員会本部で行った記者発表で登壇。弁護団を率いるルディ・ジュリアーニ氏らと並び、不正選挙があったと具体的な証拠を示すことなく力説した。特にパウエル弁護士は、投票機が数百万もの票をトランプ票からバイデン票に切り替えたと、裏づけを示さずに主張。ヴェネズエラや「共産主義の資金」などの介入があったなど、さまざまな陰謀論を、声を震わせながら強調していた。

 しかし、トランプ陣営は22日、パウエル弁護士と距離を置く声明を発表。パウエル氏は「独自に法律家として活動」しており、「トランプ弁護団の一員ではない」と述べた。

 一方で、トランプ氏は今月初めのツイートで、パウエル弁護士は自分の弁護団の一員だと明記していた。

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 パウエル弁護士は米CBSニュースへの声明で、自分が「トランプ弁護団の一員ではない」という陣営の声明は理解しているとした上で、「トランプ氏や他の共和党候補に投票ながらその票を奪われた大勢の有権者」のために近く提訴するとコメントした。投票機による不正投票があったとしているが、その根拠は示していない。パウエル氏は保守派の活動家で、元連邦検事。

 22日にはほかにも、複数の共和党関係者の間から、トランプ氏に負けを認めるよう呼びかける動きが続いた。

 メリーランド州のラリー・ホーガン州知事が米CNNに対して、トランプ陣営が選挙結果を覆そうと様々な形で画策する様子から、「まるでこの国がバナナ・リパブリック(独裁政権が汚職まみれの政情不安定な途上国の意味)みたいに見えてきた」と述べた。ホーガン知事はさらにツイッターで、トランプ氏が「ゴルフをやめて負けを認めるべきだ」と書いた。

 ミシガン州選出のフレッド・アップトン下院議員はCNNに対して、自分の州はバイデン氏を選ぶと意思表示したと発言。ノースダコタ州選出のケヴィン・クレイマー上院議員は米NBCニュースに対して、バイデン氏の勝利を認めるとは発言しなかったものの、「政権移行手続きをとっくの昔に開始するべきだった」と述べた。

 アラスカ州選出の穏健派、リーサ・マーコウスキ上院議員は、「すべての州は自由で公平な選挙プロセスを確保するために取り組んだ。トランプ大統領は主張を法廷で争う機会を得たが、裁判所はこれまでのところ、いずれも根拠がないと判断している。選挙結果を変える目的で、多くの州議会議員に圧力をかける作戦など、前例がないだけでなく、この国の民主手続きと相容れない。もはや、正式な政権移行手続きを全面的に開始すべき時だ」と声明を発表した。

 トランプ陣営や支持者たちは、トランプ氏が負けた複数の州で票の無効化などを求めて提訴してきたが、そのほとんどの訴えが棄却されたり、原告側が取り下げたりしている。

 同陣営は激戦州ペンシルヴェニア州では数百万票の郵便票を無効にするよう提訴していたが、連邦地裁は21日、この訴えを棄却した。

 共和党支持者のマシュー・ブラン連邦判事は判決文で、トランプ陣営が「700万人近い有権者の権利を奪おうとした」と指摘。トランプ陣営の主張は「手当たり次第に雑につなぎ合わせた」「フランケンシュタインの怪物」のようで、「アメリカ合衆国において、これでは、たった1人の有権者の権利を奪う理由にさえならない。ましてや、人口6番目の州の有権者全員となれば、なおさらだ」と書き、この判決の結果、同陣営による同じ内容の再提訴を認めないという意味の表現を使い、強く批判した。

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 陣営の法廷戦略を指揮するジュリアーニ弁護士は、控訴する方針を示している。

 連邦地裁の判断を受けて、選挙人20人を擁するペンシルヴェニア州は23日にも、バイデン氏の同州での勝利を認定する見通し。バイデン氏は同州で、8万1000票以上の差で勝ったとされる。

バイデン陣営は組閣作業

 トランプ氏が負けを認めず、通常の政権移行手続きの開始を認めないことから、バイデン陣営は通常ならば政権移行チームが利用できるはずの連邦政府の施設や予算を使えずにいる。また、次期大統領をはじめ次期政権チームに共有されるはずの機密情報など重要情報を得られずにいる。新型コロナウイルスのワクチン供給計画に関する情報も得られていないとして、バイデン氏は人命にかかわりかねない事態だと批判している。

 そうした中で、バイデン氏は24日にも閣僚候補の第一弾を発表する方針という。すでに大統領首席補佐官に選ばれているロン・クレイン氏が22日、ABCニュースに明らかにした。

 クレイン次期首席補佐官は、「記録的な人数のアメリカ人がトランプ政権を拒絶した。それ以来、ドナルド・トランプは民主主義を拒絶している」と述べた。

 さらにクレイン氏は、来年1月20日の就任式について、バイデン陣営は新型コロナウイルスの感染拡大が国内でまた急激に悪化している状況から、「規模を縮小」した式典を計画していると話した。

アメリカの選挙人制度

 全国的な得票数ではバイデン氏が約600万票リードしているが、アメリカの大統領は全国的な得票数では決まらない。

 各州の人口などをもとに割り当てられた選挙人計538人(連邦上下両院の定数合計に、首都ワシントンの代表3人を加えたもの)が大統領候補に直接投票し、過半数270人の票を獲得した候補が当選する。バイデン氏が今月3日の選挙で獲得した選挙人は306人、トランプ氏は232人となっている。

 各州がそれぞれの選挙結果を認定する最終期限は、12月8日。

 これを受けて各州の選挙人が12月14日、それぞれの州で集まり、大統領候補に直接投票する。通常ならば11月3日の選挙の結果を受けて、選挙人538人のうち、306人がバイデン氏、232人がトランプ氏に投票する。この投票結果を1月6日に連邦議会の上下両院合同本会議が開票し、その時点で次期大統領が正式に決まる。

 各州の選挙人は11月3日の選挙の結果に沿って、自分の州で勝った候補に投票するのが通常の手続き。選挙結果を受けて、勝った側の党が選挙人を決める州もあれば、選挙前に各党が選挙人候補を指名し、選挙結果を受けて州知事が任命する場合もある。通常の手続きでは、たとえばミシガン州の選挙人16人は全員がバイデン氏に投票する。

 しかし、トランプ陣営が選挙結果を法廷で争うかたわら、共和党が多数のミシガンやペンシルヴェニアなどの州議会に働きかけ、選挙人の選定に影響力を行使しようとしているとみられる。

 連邦法によると、もしも州の有権者が「選択をしなかった」場合は、州議会が選挙人を選ぶことができることになっている。

 ただし、有権者が「選択をしなかった」と立証するのは困難で、トランプ陣営はこれまでのところ大規模な不正があったと法廷で立証できずにいる。

トランプ盟友「トランプ氏弁護団国家の恥」痛烈批判

CNN.co.jp 2020年11月23日(月)14時20分配信

 米国のトランプ大統領が大統領選の結果を覆そうとし続けていることについて、大統領の盟友だったニュージャージー州のクリス・クリスティー前知事が22日、無益な策略はもうやめるべき時だと進言した。

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 クリスティー前知事は、選挙に不正があったという証拠をトランプ大統領は何も示すことができず、弁護団は混乱状態にあると指摘、今は国家を優先させるべき時だと訴えている。

 ABCの番組に出演したクリスティー氏は「もし不正の証拠があるのなら出すべきだ」と述べ、投票に不正があったという大統領の主張に同調しない共和党の知事を大統領の弁護団が中傷しているとして非難。「率直に言って、大統領の弁護団の振る舞いは国家の恥だ」と断じ、トランプ陣営のシドニー・パウエル弁護士が、共和党のブライアン・ケンプ・ジョージア州知事を非難している行為をやり玉に挙げた。

 ジョージア州は20日に最終集計結果を確定させ、バイデン前副大統領が勝利したと発表した。これに対してトランプ陣営は21日、再度の集計を行うよう申し立てていた。

「これは弁護士として言語道断の行為だ」とクリスティー氏は述べ、「私はこれまでずっと大統領の支持者だった。私は大統領のために2度投票した。だが選挙には結果がある。まるで起きなかったことが起きたかのように行動し続けることはできない」と強調。「もしも証拠を出すことができないのであれば、それは証拠が存在しないということだ。最も大切にしなければならないのは国家だ。私が共和党員であり、自分の党を愛しているのと同じくらい、国家を優先しなければならない」と力説した。

 共和党のメリーランド州知事ラリー・ホーガン氏も22日、CNNの番組の中でトランプ陣営を手厳しく批判し、「党内でもっと多くの人が声を上げないことを恥ずかしく思う」と語った。

「我々はかつて、世界中の選挙監視を行い、選挙に関しては最も尊敬されている国だった。それが今ではまるでバナナ共和国(訳注:政情が不安定な貧しい小国の意味)のように見え始めている。馬鹿げたことはもうやめるべき時だ」とホーガン氏は述べている。

 この発言に対してトランプ大統領は22日、ホーガン知事は「RINO(「名ばかり共和党員」の意味)」だとツイートした。対するホーガン知事は大統領に対し「ゴルフをやめて敗北を認めよ」と迫った。

 ホーガン知事は以前からトランプ大統領に対して批判的で、今年の大統領選挙では投票用紙に「ロナルド・レーガン」と記入すると宣言していた。

 ホーガン知事やクリスティー前知事に加え、ポール・ミッチェル下院議員やスーザン・コリンズ上院議員、リサ・マコウスキー上院議員といった多くの共和党の大物議員が、正式な政権移行プロセスの開始を支持すると表明している。共和党のフレッド・アプトン下院議員も22日、円滑な政権移行プロセスの必要性を強調した。

 中韓が「RCEPに込めた真の狙い”」日本どう振る舞うべきか 

ダイヤモンドオンライン 2020年11月24日(火)6時03分配信/真壁昭夫(法政大学大学院教授)

わが国を含め15カ国がRCEP協定に署名

 11月15日、日本、中国、韓国、オーストラリア、ニュージーランド、およびアセアン10カ国(ブルネイ、カンボジア、インドネシア、ラオス、マレーシア、ミャンマー、フィリピン、シンガポール、タイ、ベトナム)の計15カ国が「東アジア地域包括的経済連携(RCEP)協定」に署名した。

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 インドは国内事情から参加しなかったものの、世界のGDPの約30%を占める大貿易圏構想が形になったことの意義は大きい。特に、わが国にとって最大の輸出先である中国、第3位の韓国を含む大型の自由貿易協定(FTA)が合意に至ったことは重要だ。

 今回のRCEP形成の陰には中国の思惑が強く影響している。国際社会において孤立が目立つ中国は、RCEPを一つのきっかけにアジア地域での存在感を高め、米国に対抗する力をつけたいと考えているはずだ。中国にとってRCEPは自国経済の成長を目指し、共産党政権の体制を強化する有力な手段だ。

 また、経済面で中国を重視してきた文在寅(ムン・ジェイン)大統領にとって、中国が関税撤廃を重視することは都合がよい。韓国はTPPには参加せず、中国が重視するRCEPには参加する。RCEP署名によって文政権は、米中に対してうまく振る舞い、より有利なポジション取りを華南が得ているのだろう。韓国にはRCEPを通してわが国に接近する意図もあるだろう。

 今後、わが国に求められることは、RCEPを足掛かりにして世界経済の成長の源泉として重要性高まるアジア新興国との関係を強化することだ。それは、わが国が、RCEP参加を見送ったEUや米国、インドとの経済連携を強化するために欠かせない。中長期的に考えた場合、わが国が自力で親日国を増やし経済連携の強化を目指すことが国益に合致する。

RCEPの全体像と署名成立の重要性

 わが国をはじめ中韓など15カ国が参加するRCEPの意義は、アジア地域に世界最大規模の自由貿易経済圏が誕生することだ。まず、その全体像を把握しよう。RCEPはGDPだけでなく、貿易総額や人口の約3割、わが国の貿易総額のうち約5割を占める地域をカバーする。その規模は世界のGDPの約13%をカバーする「TPP11」を上回る。わが国の工業製品の輸出に関して、14カ国で約92%の品目の関税が段階的に撤廃される。

 米国とEUはRCEP参加を見送った。その一方、わが国は米国とはFTAを、EUとはEPA(経済連携協定)を結んでいる。

 RCEP署名によって、わが国には世界の自由貿易を促進する“ハブ”としての機能を発揮することへの期待が高まったといってよい。英国の経済学者であったリカードは比較優位の理論を提唱して自由貿易の促進が経済成長に資すると説いた。その理論に基づいて世界経済は成長してきた。わが国はより多くの国・地域を巻き込んだFTAおよびEPAを目指すべきだ。

 足元の世界経済の環境を踏まえると、米中対立が激化し、米国の大統領選挙が終了したタイミングでRCEP署名が行われたインパクトは大きい。

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 そう考える要因の一つとして、米国のトランプ政権の政策がある。2017年1月20日にドナルド・トランプ氏が米国の大統領に就任した後、米国は対中制裁関税などを発動し、世界のサプライチェーンは混乱し、貿易量は減少した。また、トランプ大統領は点数稼ぎ(トランプ・ファーストの政策)のために中東政策を重視し、アジア地域を軽視したといえる。

 2020年11月の米大統領選挙で国際協調を重視する民主党のジョー・バイデン氏が当選を確実とした直後のタイミングでのRCEP署名は、今後の米国の通商政策に無視できない影響を与えるだろう。バイデン氏はインド太平洋地域の安定を重視し、アジア政策を強化するとみられる。

 そして制裁関税とは異なる方策(人権問題や知的財産と技術の保護強化)などによって、対中強硬姿勢を強めるだろう。安全保障や経済運営面で、米国にとってアジア地域の重要性は高まる。バイデン氏がTPP復帰に言及していない中、RCEPが米国の外交・通商政策とどのような化学反応を起こすかが注目される。

RCEPに込められた中国と韓国の思惑

 また、わが国とFTAを締結してこなかった中国と韓国がRCEPに参加することも重要だ。これまで、中国は貿易の自由化に積極的ではなかった。本来であれば中国は、関税引き下げが伴う自由貿易よりも、補助金政策などの強化によって自国産業を保護し、その競争力の向上を優先しなければならない。

 しかし、足元の中国は、米中対立に加えて、インド、台湾、オーストラリア、EUなどとの関係の冷え込みに直面し、国際社会から孤立している。中国は関税引き下げを受け入れることでRCEP参加国にある意味で譲歩し、孤立を食い止め、アジア地域での存在感を高めたい。中国のRCEP参加は、共産党指導部の焦りの裏返しといえる。

 中国のメガFTA参加は、国際通商体制が大きな転換点を迎えたことを意味する。RCEPによって、わが国の工業製品の対中輸出にかかる関税の86%が撤廃される見込みだ。アジア地域における中国経済の重要性は一段と高まるだろう。

 それと引き換えに、中国は様々な要求を参加国に突き付け、アジア地域での足場を固めようとするはずだ。長めの目線で考えると、RCEP加盟国の一部において中国の“デジタル人民元”を用いた資金の決済が行われるなどし、米ドルの信認に支えられた国際通貨体制に揺らぎが生じる展開は排除できない。

 国家資本主義体制を強化して一党支配体制をつづけるために、共産党政権がRCEPをどう活用するかは重要な論点だ。対中輸出の増加は重要な一方で、RCEP参加国における中国の影響力拡大のリスクをどう防ぐか、わが国は方策を各国と練らなければならない。

 経済面で中国との関係を重視してきた、韓国の文在寅大統領にとってRCEPの意義は大きい。それによって文大統領は、中小企業などに対中輸出増加の活路を提供したいだろう。また、韓国はわが国との貿易に関しては産業への打撃を警戒し、自動車や機械の関税撤廃は見送った。

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 その一方で、韓国にはRCEPによってわが国の高純度素材などを輸入しやすくなるとの目論見もあるだろう。そう考えると、RCEPは韓国が経済面での中国への依存を一段と高めるとともに、わが国に近づく重要な契機になる可能性がある。わが国は韓国に対して引き続き毅然とした態度で臨めばよい。

自由貿易推進に向けたわが国の役割期待

 ワクチンの国際供給体制の確立を含めコロナショックから世界経済が立ち直るために、FTAやEPA推進の重要性は高まっている。それによって各国は自国の得意な分野を伸ばし、雇用の創出などを目指すことができる。

 わが国はTPP11、日米貿易協定、日・EU、日印のEPA、さらにはRCEPなどを通して、直接的、間接的に各国と国際貿易体制の強化に取り組んでいる。自由貿易の推進によって経済の安定と成長を目指すという点において、国際社会の中でわが国の立場は相対的に良いといえる。RCEPが署名された今、自由貿易推進の旗手としてのわが国の役割、期待は高まっていると考えるべきだ。

 今後、わが国に求められるのは、中国の進出に直面するアジア新興国との連携強化だ。公衆衛生や環境、安全な上水道の整備といったインフラ整備支援などをわが国は迅速に実行し、アジア新興国の信頼を獲得しなければならない。

 そのためには、着実な実行力が欠かせない。インドとの関係強化も重要だ。経済成長の限界を迎え労働コストが上昇する中国からインドなどに生産拠点を移す各国企業は増えている。

 このように、世界経済のダイナミズムの源泉として、アジア新興国地域の重要性は一段と高まっている。わが国がアジア新興国との関係を強化することは、わが国と欧州各国との関係強化に不可欠だ。それができれば、わが国が米国のバイデン次期政権にTPP復帰を促すことも可能だろう。

 つまり、わが国は自力で国際世論を味方につけ、自由資本主義の考えに則った、より高次元の(競争やデータ管理などのルールの統一化を伴った)経済連携を目指し、それに米国を巻き込むべきだ。突き詰めて考えれば、それが、わが国が自力で自国経済の安定を目指し、国家資本主義体制の強化のために海外進出を目指す中国への包囲網を形成することにつながる。

 わが国政府は国内企業の強み(精密な製造技術や高品位の素材開発力)の向上をより積極的にサポートし、アジア新興国や米中から必要とされる存在を目指すべきだ。政府がRCEP署名成立をアジア新興国向けの経済外交の推進に生かすことを期待したい。

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