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2020年11月 9日 (月)

【ナショジオ】2000年前<ベスビオ火山✍大噴火>災害大量死の謎

 ベスビオ火山災害の死因高熱で脳が沸騰しガラス化、窯焼きも 

NATIONAL GEOGRAPHIC 2020年11月8日(日)18時09分配信/Frank Viviano&Robin George Andrews

2000年前の遺体から読み解く死の真相、現代に活かす研究続く

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 西暦79年に起きたベスビオ火山の噴火は、猛烈な火山灰と高温の噴出物によって、古代ローマの都市ポンペイやヘルクラネウムを埋め尽くした。2000年近く前の噴火の甚大な被害に疑問を呈する専門家はいない。だが、多くの犠牲者がどのように死んでいったかは、多くの謎に包まれている。

 長い歳月の間にはっきりした証拠がほとんど失われてしまったため、彼らの死の真相をすべて知ることはおそらく不可能だ。しかし、謎解きに挑む価値はある。同じような噴火を起こす火山は世界にたくさんある。つまり、歴史は繰り返すということだ。過去の噴火が人々を傷つけた仕組みが解明されれば、火山の被害に遭った人々の治療に役立つだろう。

 以前は、噴火に巻き込まれて亡くなった多くの人々の死因は、火山灰や有毒ガスによる窒息死、高温による内臓のヒートショックなどと考えられていた。だが、今年発表された2つのグループの研究成果により、より複雑なヘルクラネウムの悲劇の物語が明らかになった。

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 1つめの研究グループは、犠牲者の脳がガラス質になっており、その中に無傷の脳組織も発見した。まるで魔法だ。これらの研究成果は学術誌「New England Journal of Medicine」と「PLOS ONE」に続けて発表された。

 別の研究グループは、石造りのボート小屋に隠れていた人々の死因について、それまで指摘されていた直接のやけどではなく、石窯の中で蒸し焼きにされたようになって死亡したと結論づけている。こちらの論文は「Antiquity」に掲載された。

 はたして、彼らはどのような状況で死亡したのだろうか。それぞれを詳しくみていこう。

脳内で液体が沸騰して頭骨が爆発

 西暦79年の夏、ベスビオ火山から噴出した高温の火山灰と火山ガスは時速80kmの猛スピードで山肌を流れ下った。この現象は火砕流と呼ばれることが多いが、ヘルクラネウムを襲ったような火山ガスの比率が高いものは火砕サージと呼ばれている。

 2018年、フェデリコ二世ナポリ大学病院の古生物学者ピエル・パオロ・ペトローネ氏らは、犠牲者の体内で液体が蒸発していたという論文を発表した。骨にこびりついた赤黒い残留物が、体内の組織が蒸発してできた赤血球の残骸であるというのがその根拠だ。また同時に、脳内の液体が沸騰して頭骨を爆発させたとも主張した。

 一方で、こうした主張に疑問を投げかける専門家もいた。遺体を火葬するときには、もっと高温で焼いても、蒸発することはないという。

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 そこでペトローネ氏らが、1960年代に発見された1人の犠牲者を詳しく調べてみると、ひび割れた頭骨の中からガラス質の物質が見つかった。ベスビオ火山の噴火自体でガラス質の物質は生じず、これは意外な発見だった。

 頭骨の中のガラス質には、脳組織によく見られる物質が含まれていた。こうした物質を作り出すようなほかの生物は、近くには見当たらない。そのため、ペトローネ氏は、脳組織が一気に加熱され、液体になった直後に急冷されたことによりガラス質になり、またその結果、中に無傷の脳組織が保存されたと結論を下した。

 遺体の近くの炭化した木から、温度は約520℃まで上昇したことがわかっている。これは体脂肪に火をつけ、軟組織を蒸発させ、脳組織を溶かすのに十分な高温だ。脳の物質はそれから急冷されたことになるが、そのときどんなことが起きたのかはまだわからないとペトローネ氏は言う。

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「脳がガラスになるほどの高熱が発生したと考えるのは非常に面白いですが、恐ろしくもあります」と、ナショナル ジオグラフィック協会の自然人類学者ミゲル・ビラール氏は語る。とはいえ、ここで提案されたガラス化の過程はまだ十分に解明されておらず、多くの犠牲者の中で(今のところ)この人物の脳だけが特殊な運命をたどった理由はわからない。

直火ではなく天火のように

 もう1つの研究では、ヘルクラネウムの海岸地域で死亡した犠牲者たちの死因が調べられた。男たちはおそらく海上に避難する準備をしようと海岸に集まっていて、女性と子どもの多くは石造りのボート小屋に隠れていた。この地区では現時点で340体の遺体が発掘されている。

 犠牲者たちの骨は長らくただの燃え残りと考えられてきた。しかし、この10年間の科学的手法の進歩により、焼けた破片から彼らの死の前後の状況がわかるようになってきた。

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「火葬された遺体からは、その人物の生涯について多くのことがわかります」と、研究を行った英国ティーズサイド大学の応用自然人類学者ティム・トンプソン氏は言う。そこで、この手法をベスビオ火山の犠牲者に応用したらどうかと考えた。

 研究チームは6つのボート小屋で見つかった152人の肋骨を調べた。なかでも重点を置いたのはコラーゲンだ。コラーゲンは長い年月にわたって保存される頑丈なタンパク質だが、高温の下では分解する。

 152人のうち、コラーゲンが激しく分解していたのは12人だけで、その大半が子どもだった。一方、高温にさらされるほど結晶化が進む骨の主成分ヒドロキシアパタイトは、あまり結晶化していなかったことを研究チームはつきとめた。

 どちらの発見も、ボート小屋の犠牲者が死亡時またはその直後に、超高温の火砕サージにはさらされていなかったことを示唆していると、ポーランド、ワルシャワ大学の骨考古学者エルズビエタ・ヤスクルスカ氏は認める。

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 漆喰、木材、モルタルなどの損傷や物質の磁気特性の変化から、ベスビオ火山の火砕サージの温度は240℃~800℃だったと見積もられている。今回の研究では、見積もりの下限の数字が妥当だったことになる。しかしこの温度でも、犠牲者の骨はもっと損傷されていたはずなので、なにかが遺体を火砕サージから保護していたことになる。

 熱による損傷が少なかったのは、近くに堅牢な小屋の壁があったからだろう。体表の組織が膨張し、体内の水が手足の長い骨のまわりに集まっていたことは、骨格が直火ではなく天火のような状態で焼かれたことを意味している。

 犠牲者たちの体は、じかに火がついたのではなく、火砕サージによって周囲の空気が高温になったことで焼かれたのだ。

現代社会にそっくりだった古代都市

 恐ろしい災害に見舞われたとき、古代ローマ帝国は全盛期だった。火山の噴火で一瞬にして失われたヘルクラネウムやポンペイは、はたしてどんな都市だったのだろうか。

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 大規模な修復プロジェクト「グレート・ポンペイ・プロジェクト」の陣頭指揮をとった考古学者のマッシモ・オサンナ氏が、山のようなデータをさらって浮かび上がってきたのは、現代の私たちの生活に驚くほどよく似た社会だった。紀元1世紀のポンペイには、多様な文化が混在し、さまざまな言語が飛び交い、人々はファストフード店でランチをとり、高級輸入食材を自宅で楽しんでいたという。

 食生活は健康的で、未精製の小麦、オート麦、大麦、それにひよこ豆や果物、木の実など、現代なら栄養士お勧めの健康食品店で売られているような食べ物が多かった。味の引き締め役である高価な輸入香辛料、さらにエジプトからはレンズ豆、アラビア半島からはナツメヤシなどの珍しい食材も入ってきていた。「彼らの食生活を見ると、とても商業的な文化だったことが分かります」と、オサンナ氏は語る。

 その一方で、ファストフードのような軽食を出す店も市民から人気を得ていたことが、遺跡からうかがえる。「どの地区にも、地元の人々がランチを楽しめる『テルモポリウム』と呼ばれる飲食店がありました」と、40年前から遺跡のガイドを務める歴史家のマッティア・ボンドンノ氏は説明する。小さな食堂には、料理を入れる素焼きの器が並んだ石のカウンターがあった。「これがポンペイ人のファストフード店です」

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 今日でいえばロンドンやニューヨークに匹敵する人種のるつぼとして、ポンペイにはローマ市民、帰化した外国人、奴隷の身分から解放されて職人や商人になった人々が集まり、豊かな社会を築いていたという。

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ポンペイで発見された『首なし遺体』本当の死因

NATIONAL GEOGRAPHIC 2018年7月3日(火)配信/ERIN BLAKEMORE

 西暦79年、イタリアのベスビオ火山の噴火で灰に埋まった古代都市ポンペイ。2018年5月の調査で、頭部のない男性の白骨遺体が発掘された。当初は噴火から逃れる途中で、巨石に押しつぶされたと考えられていたが、その後、頭部も発見。ポンペイ考古学公園は、新たな死因を発表した。(参考記事:「古代都市ポンペイは、現代社会にそっくりだった」)

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 頭部が発見されたのは、遺体の近くで、口は大きく開かれていた。ポンペイ考古学公園は、「岩による圧迫死ではなく、火砕流に巻き込まれて窒息死したものと考えられます」とフェイスブックで発表した。

 2000年前に大噴火したベスビオ火山は、巨大な柱のような噴煙を噴き上げ、翌日には火砕流が山の斜面を駆け下った。(参考記事:「【動画】ポンペイの馬、馬具を付けていた理由は?」)

 火砕流は、火口から出た火山ガス、火山灰、石や岩が混じり合って山の斜面を高速で流れ下る現象。「岩や灰を含んだ熱風で、風速はハリケーン級。熱風の通り道にあるものはすべて破壊します」と、米スミソニアン協会の世界火山学プログラムGVPのディレクター、ベンジャミン・アンドルーズ氏は火砕流の恐ろしさを語る。アンドルーズ氏は火砕流を、野球やボウリングのボール大の岩石が混じる非常に高温のサンドブラスト(研磨材を吹き付ける加工法)にたとえた。

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「火砕流に巻き込まれたら、人はまず死んでしまいます」と、アンドルーズ氏は続ける。ポンペイで発見された、頭骨がなかった男性の足の骨には感染症に侵された跡があり、速くは歩けなかったと推定されている。その彼に、猛スピードで迫る摂氏500度を超える高温の火砕流から逃げ切れるチャンスはなかっただろう。

 今回見つかった頭部は、遺体があったところより低い場所で見つかっている。ポンペイが初めて発掘されたのは1740年代。その後、掘られた地下道が崩れ、遺体の頭部が流されたと考えられている。

 18世紀と比べ、現在の発掘技術ははるかに向上している。例えば、ポンペイ北部にある発掘場レッジョ5は、発掘が始まってからまだ日が浅いため、さらなる発見が見込まれる。現場の発掘責任者がイタリアの通信社に語った話によると、レーザーやドローン、VR(仮想現実)映像技術などの最新技術も駆使されるそうだ。(参考記事:「2000年前の美女の肖像を復元、ベスビオ火山で埋没」)

 ベスビオ火山の噴火を再現することはできないが、今回明らかになったことから、この不運な男性が火山を見上げたときに目にした光景を思い描くことはできる。「山頂付近から大きく不気味な雲が下へと下りて迫ってくる様子を想像してください」とアンドルーズ氏は言う。それこそ、この男性が最期の瞬間に見たものだろう。

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 2000年以上前のベスビオ火山 💥 噴火の犠牲者の頭蓋骨から完璧な保存状態の脳細胞が発見される 

カラパイア 2020年10月9日(金)配信

 西暦79年8月24日に始まった、イタリア、ヴェスヴィオ(ベスビオ)火山の大噴火により、ヘルクラネウム、ポンペイなどの古代都市に高温の火砕流や火山灰が大量に降り注ぎ、多くの人々が犠牲となった。

 急速に高温にさらされたせいで、犠牲者の頭蓋骨にガラス化した脳組織が見つかっているが、今年の始め、この驚くべき脳組織のサンプルについて、イタリアの研究者から詳しい説明があった。

 この希少な脳組織の中に脳細胞や神経細胞が痕跡が"完璧に"残っていることを突きとめたという。

犠牲者男性の頭蓋骨のガラス化した脳から神経細胞を発見

『PLOS One』誌に発表された研究によると、フェデリコ2世・ナポリ大学のピエル・パオロ・ペトローネが主導する研究グループは、犠牲者男性の頭蓋骨のガラス化した脳から脳組織と神経細胞を発見した。

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 2000年以上前に亡くなった人間の遺体から中枢神経系組織が完全な状態で発見された最高の例ではないかという。

 走査電子顕微鏡(SEM)や先進画像処理ツールを使って、このガラス化した脳組織を詳しく調べたところ、人の脳や脊髄の痕跡から、神経や軸索だとはっきりわかる奇跡的に保存状態のいい部分を発見したという。

 ガラス化した脳の発見自体も稀有なことだが、中枢神経系全体の中からそれを構成する神経や軸索が発見されるとは、驚きとしか言いようがない、とペトローネは語る。

脳組織に存在するタンパク質も発見

 さらに、人間の脳組織に存在するタンパク質もいくつか発見されており、これによりこの黒い塊が単なる光沢のある黒い石ではないことを確認したという。

 特定のタンパク質が確認できたことによって、このサンプルが脳のどこの部位なのかも判明した。

ガラス化したこの黒い物質を分析した結果、大脳皮質、脳幹神経節、中脳、下垂体、扁桃、小脳、海馬、視床下部、脊髄といった人間の脳のさまざまな部位にそれぞれ存在する特定のタンパク質が保存されていることがわかりました(ペトローネ)

脳疾患のある患者に、これらタンパク質の遺伝子変異が見つかっているため、神経機能にとって非常に重要なものです。例えば、ガラス化したこの脳組織から見つかったMED13Lというタンパク質は、成人の小脳にとくにたくさんあり、その変異は知的障害を引き起こすのです(ペトローネ)

史上最悪の自然災害の1つ、ヴェスヴィオ火山の噴火

 紀元79年のヴェスヴィオ火山の噴火は、史上最悪の自然災害のひとつで、近隣のポンペイやヘルクラネウムの町が壊滅し、何千という人が死んだ。

 犠牲者のほとんどは降り注ぐ火山灰に埋もれて亡くなったため、のちに考古学者たちが、遺体のあった窪みに漆喰を注いで型をとり、犠牲者たちがどのような状態で亡くなったのか、最期の瞬間の様子を明らかにすることができた。噴火の熱で焼かれ、急激に冷やされた犠牲者もいた。

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 今回分析したガラス化した脳もそうしたプロセスをたどったようだ。おそらく、この犠牲者の脳は、摂氏520℃もの高温でいきなり焼かれ、その後急速に冷やされたに違いない。

 第二次世界大戦のドレスデン爆撃のときの犠牲者に似たような現象が起こっていたことがこれまで確認されているが、このような例は極めて稀だ。

 

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