菅義偉首相会見「デジタル庁は来秋始動で作業」
産経新聞 2020年12月4日(金)18時21分配信
菅義偉首相は4日午後、記者会見に臨み、「ポスト第5世代(5G)移動通信システム、いわゆる6Gの技術も世界をリードできるように政府が先頭に立って研究開発を行う。デジタル庁は来年秋の始動を目指して急ピッチで作業進めている」と述べた。
高橋参与「公共放送に見合うNHK受信料せいぜい月300円」
マネーポストWEB 2020年12月7日(月)7時00分配信/高橋洋一(内閣官房参与)
NHKが受信料の徴収をさらに強化する方針だという。総務省の有識者会議(公共放送の在り方に関する検討分科会)は11月19日、テレビを持っているのに受信契約に応じない世帯に「割増金」、いわば“罰金”を課す方針を打ち出した。来年1月の通常国会に提出する放送法改正案に盛り込む方針だ。
受信料徴収に対する国民の不満も高まっているが、そうしたなか、菅義偉首相のブレーンが、大胆なNHK改革案をブチ上げた。内閣官房参与に起用された高橋洋一・嘉悦大学教授だ。
高橋氏がNHK改革の具体策としてまず挙げるのが、教育放送「Eテレ」のチャンネル売却だ。視聴率の低いEテレが占有していたチャンネル(周波数帯)を売却して携帯(通信)用に利用すれば、通話だけではなく多種多様の映像コンテンツを同時に配信できるというプランだ。
そして、Eテレ売却の先にあるのが、BSの分離・民営化だ。NHKは地上波のほか、「BSプレミアム」「BS1」「BS4K」「BS8K」の4つの衛星チャンネルを持ち、月額2220円のBS受信料を取っている。
「NHKは地上波もBSもすべての番組が公共放送だという前提で受信料を取っている。しかし公共経済学では、ある分野での公費支出が正当化されるかどうかの基準は、一般的に『国民の納得、了解があるか』で判断される。
NHKのドラマ、スポーツ中継、音楽、ワイドショーから、ドキュメンタリーやニュースなど民放が商業放送しているような番組まで、受信料というかたちで公費を支出することに国民が納得しているとは思えない。
とくにBS放送は音楽やスポーツなどエンタメばかりで、コンテンツも地上波と重複しているのに別に受信料を取っている。これは受信料の二重取りに近い。BSはNHK本体から分割・民営化して独立採算の商業放送にすべきです。英国の公共放送BBCも国際ニュースとドキュメンタリーの専門局を別会社にして商業放送化している」(高橋氏)
BSを民営化すれば残るのは「NHK総合」の地上波1チャンネルとラジオだけになる。
「NHKの番組で真の公共放送と呼べるのは災害情報と選挙の政見放送くらい。公共放送分に見合う受信料はせいぜい月額200~300円でしょう。その金額なら国民も納得できる。足りない財源は、総合テレビも公共放送分野と商業分野を分離し、放送法を改正して娯楽番組にCMを流せるようにすることで賄えばいい。
NHKは受信料にしがみつこうとしているが、むしろ受信料依存から脱することで生き残る道が拓ける。通信で番組を提供すれば設備投資のコストが減り、経営をスリム化しやすくなる。しかも、NHKはアーカイブスなど価値が高い豊富なコンテンツ資産を持っているから、映像コンテンツの販売をビジネスの一つの柱にすることが可能だ。
Eテレ売却から始まる改革は、国民には受信料を大きく引き下げるメリットがあり、NHKもスリム化で必要な投資が減る。そうした前向きの改革を促すきっかけになるはずです」(高橋氏)
実は、菅首相は総務大臣時代、「受信料2割値下げ」を要求してNHKにバトルを挑み、一敗地にまみれた経験がある。以来、ひそかに受信料値下げとNHK改革を狙っているという見方がある。
高橋氏は内閣官房参与として腹案を菅首相に提案したのだろうか。
「菅さんがどう思うか知らないよ。Eテレ売却なんて聞いたら、菅さんに呼び出されて、“高橋さん、スゴイこと言ってるね”と言われるかもしれないが、NHK改革の要点は、地上波の周波数帯を通信に移すということ。
菅内閣の政策であるデジタル庁をつくって電子政府にしたとき、通信の周波数帯を増やしておかないと、そこでスタック(回線が動かなくなる)してしまう。この改革は携帯料金値下げにもつながるし、理屈は通っている」
果たして、菅首相はNHKの膨張に大ナタを振るい、受信料を下げることができるのだろうか。
高橋参与“Eテレ売却論”に反対の声「受信料はEテレの為」
HUFFPOST 2020年12月3日(木)19時41分配信
菅義偉首相のブレーンがNHK改革の一環として、Eテレを民間に売却することを訴えている。しかし、SNS上では茂木健一郎氏や堀潤さんら著名人も含めて反対する続出。12月3日午後には「#Eテレのために受信料払ってる」というハッシュタグが日本のTwitterトレンドで上位に入る事態になった。
高橋洋一氏のEテレ売却論とは?
「Eテレ売却」を主張しているのは、菅政権の内閣官房参与に起用された高橋洋一・嘉悦大学教授だ。
高橋氏は11月30日に「現代ビジネス」に寄稿したコラムの中で、Eテレの周波数帯を売却して携帯電話の通信に利用すれば「通話だけではなく、多種多類の映像コンテンツを同時に配信できる」と主張した。国民に対しても「受信料を大きく引き下げるメリット」があるという。
これまで「全国でみると、コンテンツのいい教育放送を地上波しか利用できない地域はなくはなかった」と必要性は認めた上で、小中学生に1人1台の情報端末を配る政府の「GIGAスクール構想」で状況は変わってきているという。Eテレには質の良い番組も多いが、それは「ネット配信に回せば良い」とした。
さらに12月3日、高橋氏は「マネーポスト」の記事に掲載されたインタビューの中で、「NHKが経営資源を無駄にしているのがEテレです」として同様の主張をした。記事タイトルには「Eテレ売却で受信料は半額にできる」の文字が躍った。
著名人からEテレ売却に反発する声が相次ぐ
このマネーポストの記事が3日にSNS上で話題となった。@jptrendによると、「Eテレ売却」が午前中から正午にかけて日本のTwitterトレンドの1位になった。SNS上では売却に反対する声が多く見られた。
著名人のTwitterをみると、脳科学者の茂木健一郎さんはEテレ売却を「間違った方向」とした上で、「むしろチャンネルを確保して番組の多様性を増やすべき」と提言した。
また、元NHKアナウンサーでジャーナリストの堀潤さんは「最も公共放送らしいEテレ売却なんて馬鹿げてる」と非難した。
日本文学研究者のロバート キャンベルさんも「体のいい取り潰し案にわたくしは反対」とした上で「Eテレは、色んな年齢や状況の人々に文化へのアクセスを提供する大切なインフラ。視聴率だけでは評価などできません」と訴えた。
「#Eテレのために受信料払ってる」がトレンド入り
こうした中で、午後5時ごろから日本のTwitterトレンドで2位に入ったのが「#Eテレのために受信料払ってる」というハッシュタグだった。以下のような、Eテレ売却に反発する声が集まっている。
「わざわざ受信料払ってるのは本当にEテレのため」
「Eテレが本体くらいに思ってる」
「子育て世代を敵に回すのは、やめてください」
「Eテレがあるおかげで育児が助かってるし、私の癒しでもある。これが今の形と違って放送されたりしたら、もうテレビを捨てる」
「広告なしで良質なコンテンツをこれでもか!って見せてくれる。それもスマホやPCにアクセスが難しい子どもでも“2”押すだけで観れるんだよ」
「もし、ネット配信にしたら、こどもはスマホで良質コンテンツよりYouTubeをみてしまう」
「大地震でどこの局も特番の時に、Eテレだけはいつもの時間に『おかあさんといっしょ』の“ぼよよん行進曲”が流れて、子供たちがその日常感で落ち着いた」
「PTSDを持った被虐待児の前で安心して流せるチャンネルはここだけだと思う」
Eテレ売却論を“番組全廃止”に摩り替える、マスコミの常套手段
現代ビジネス 2020年12月7日(月)6時01分配信
さまざまな反論を受けて
11月末、筆者は先週の本コラムのほか、週刊誌のインタビューに応じて、NHK改革私案を出した。これは、本コラムに書いたように、最近の文科省による「GIGAスクール構想」に応じて、従来からNHK改革をアップデートし、Eテレ周波数の売却を軸にしたものだ。
12月1日、総務省は、受信料見直し、NHKがいうBSとラジオの波数整理、子会社業務の見直しやガバナンス(企業統治)改革などの意見書を国会に提出した。
高市早苗前総務大臣は、NHKの持つ波数を整理し、NHKのスリム化、受信料引き下げに持っていくという改革案を出している。高市氏が総務大臣を辞めてから、その発言は増えている。なお、高市氏の在任中に出されたNHKの令和3-5年度の次期経営計画案には、受信料引き下げは盛り込まれなかった。
総務省による意見書の国会提出にあわせて、1日のネット番組で、改めて波数整理対象としてEテレという筆者の私案を紹介したところ、ネットで反響が出て、ツイッターで筆者の名前がトレンド入りした。
3日の前田NHK会長の記者会見では、「その雑誌を見ていないので、申し訳ないが、わからない」としつつ、「教育テレビはNHKらしさの一つの象徴だと思う。それを資産売却すればいいという話には全くならないと思う」と反論した。
朝日新聞は、この反論とともに、「Eテレが最も公共放送として能力を発揮している」「子育てで何度も助けられたから(売却論は)信じられない」とのネット上の意見を引用し、筆者の私案を否定的に紹介した。
4日の夜、テレビ朝日系ネット番組に出演し、NHK出身の堀潤氏らとも対論した。
堀潤氏は、3日のツイッターで「最も公共放送らしいEテレ売却なんて馬鹿げてる」と前田会長の反論と同趣旨を書いていた。4日は、そうした議論ではなく、「なぜNHKだけなのか」「電波周波数オークションは賛成で、民放も含めて議論すべき」と語った。
GIGAスクール構想と矛盾しはじめた
筆者は、15年ほど前に総務大臣補佐官として総務省勤務があり、そのときNHK改革を経験している。当時と周囲の反応がまったく同じなのは驚く。
まず、筆者は週刊誌のインタビューを受けているが、その前後に本コラムを含めてネット上で一次情報も出している。それらの中で、Eテレの売却とは、Eテレの周波数帯の売却であり、Eテレの番組制作コンテンツの売却ではないとはっきり書いている。
その上で、Eテレ周波数帯を通信として売却しても、Eテレの番組をインターネットで提供でき、これは、文科省が進めるインターネットを活用した「GIGAスクール」と整合的になる。
NHK改革は、まず波数の整理から入る。これは、高市氏の改革案でも同じであるが、高市氏の場合には波数整理がシャビーだったので、その後のNHKの本格的なスリム化につながっていないのが難点だ。
なぜシャビーなのかというと、波数整理対象の中に地上波のEテレが含まれていないからだ。これまでEテレの帯域の話はまったく出てこなかったわけではないが、全国で地上波による教育放送が見られなくなるのとまずいと、NHK側に反論されると再反論できにくかった。
ところが、今回のコロナで、文科省が「GIGAスクール構想」を主張しはじめており、それを前提とすると、従来のNHKの反論の根拠が崩れたと言える。構想どおり、児童ひとりに1台端末が配布されれば、ネット配信になっても不公平感は少ない。
高市氏は、それなりに頑張ったのだと思うが、改革案の中には、「GIGAスクール構想」との関係は出てこない。コロナ以前、「GIGAスクール構想」以前の前提なのだろう。その意味で、コロナ後の世界で、NHK改革を考えると、Eテレの周波数帯の売却は自然に導かれる改革だ。
NHKは変われるのか
というのは、NHKは、地上波で2波(総合、Eテレ)、衛星で4波(BS1、BSプレミアム、BS4K、BS8K)、ラジオで3波(AM第1、AM第2、FM)もある。
15年前も似たような状況であったが、波数の整理をNHK改革反対者は酷く嫌う。そのため、周波数帯の売却と番組制作コンテンツの売却を意図的に混同した反論をする。
前田会長も堀潤氏も同じだった。前田会長や堀潤氏が筆者の意図を理解できないはずはない。もっとも、前田会長は元資料を読んでいないと言っていたが、この反論が「NHKの作法通り」だとすれば、そもそもNHK改革は無理だろう。
そもそも、一般の人は、電波や周波数なんて興味がない。Eテレの周波数帯を売却して携帯電話で使う、と発言してもピンとこない人も多いかもしれない。つまり、NHK関係者の使う、「Eテレは必要だ」という反論は、一般の人を混乱させるのにうってつけの論法なのだ。
朝日新聞が引用していた一般人のネット上のコメントも、多くは周波数帯と番組制作コンテンツを混同したものだ。先週の本コラムを読めば、筆者がEテレのコンテンツを評価し、それを地上波ではなくネットで流せばいいといっているのがわかるはずだ。
ネット販売の「2号店」という位置付けはどうか
この種の議論では、売るのは周波数帯であって、番組制作コンテンツ等ではないというと、NHKは、「なぜ民放をやらないのか」とくる。15年前も同じだったが、今回もまったく同じだ。
繰り返しになるが、まずNHKから手を付けるべきなのは、NHKのみが地上波を2つ持っており、そのうち1つでも帯域を携帯に割り当てれば、携帯電話の料金値下げも期待できるからだ。
ある地上波の番組で、「NHKは1号店と2号店をもっているが、2号店ではネット販売という案。2号店の実店舗の場所は携帯会社が使うので、携帯会社の値下げになる」と例えた。実を言うと、この例えはある頭のいい芸人さんからヒントを得たものだ。
番組では時間切れだったが、例えをさらに続けると、以下の通りである。
2号店はネット販売を続けるが、場所は立ち退くので、NHKに立ち退き料も入ってくる。これで、NHKのスリム化ひいては受信料値下げ、しかも2号店のネット販売で教育効果アップ、携帯会社も業務拡大で携帯料金値下げ、それで国民もハッピーだ、と。
菅首相「デジタル化環境投資に2兆円基金創設」臨時国会事実上閉幕
THE PAGE 2020年12月5日(土)10時47分配信
菅義偉(よしひで)首相は4日夕、官邸で記者会見を行った。
◇ ◇
極めて警戒すべき状況が続く
司会:ただ今より菅内閣総理大臣の記者会見を行います。初めに菅総理からご発言がございます。その後、皆さまから質問をいただきます。それでは総理、よろしくお願いいたします。
菅:菅内閣として初めて臨んだ臨時国会があす閉会をします。現在、新型コロナウイルスの新規感染者数や重症者数が過去最多となり、極めて警戒すべき状況が続いています。すでに先週から重症者向けの病床が逼迫し始めており、強い危機感を持って対応しています。コロナウイルスとの戦いの最前線に立ち続ける医療、介護の現場の皆さんの献身的なご尽力に深い敬意とともに心から感謝を申し上げる次第でございます。
これまでも申し上げていますように、国民の命と暮らしを守る、それが政府としての最大の責務です。新型コロナの分科会が感染リスクの高い場面として指摘するのが飲食です。お店の時間短縮は極めて重要と考えております。短期集中の対策として先週末から各地で時間短縮要請が行われており、協力いただいた全ての店舗に対して、国としてもしっかりと支援をしてまいります。
Go To Eatについては新規発行の停止、人数制限などを要請し、Go To トラベルについては一時的に札幌市、大阪市に向けた旅行は対象外とし、これらの地域からの旅行、また東京都の高齢者、基礎疾患をお持ちの方々については利用を控えるように呼び掛けをいたしております。空きベッドに対する収入保障をはじめ、医療機関、高齢者施設などのコロナ対策について最大限の支援を行います。
これまでの経験を踏まえ、検査や感染者への対応を行う保健所、軽症者のホテル、重症者用の病床、それぞれについてさらに体制を整えてまいります。各地の保健所に派遣する専門医、これまでの倍の1200名確保いたしております。この国会ではワクチンの無料接種のための法案が設立をしました。ワクチンについては国内外において治験が複数進められており、すでに最終段階に到達しているものもあります。安全性、有効性を最優先としつつ、承認されたワクチンを直ちに必要な方に接種できるよう、事前の準備に万全を尽くしております。
基本的な感染対策の徹底を
これから年末、また年始を迎えます。高齢者はもちろんのこと、若者をはじめ国民の皆さまにおかれては、科学的にも効果が立証されているマスクの着用、手洗い、3密の回避といった基本的な感染対策を徹底していただくよう、あらためてお願いを申し上げます。
国民の命と暮らしを守る、そのために雇用を維持し、事業を継続し、経済を回復させ、あらたな成長の突破口を切り開くべく、来週早々には経済対策を決定します。雇用調整助成金はパートや非正規の方々も含めて日額1万5000円の助成を行っており、こうした特例の延長に必要な予算を手当ていたします。さらに公庫による最大4000万円の無利子・無担保融資も来年前半まで今の仕組みを続けます。手元資金に困っている方々のための緊急小口資金については3月以来、約5000億円が利用されており、所得の減少が続いている場合には返済も免除しておりますが、これらの措置の延長も行います。
さらに緊急的な手当てとして、一人親世帯については来週予備費の使用決定をし、所得が低い世帯は1世帯5万円。さらに2人目以降の子供については3万円ずつの支給を年内をめどに行います。各自治体の事業者の支援など独自の事業に加え、営業時間短縮を要請した場合の、いわゆる協力金を国として支援するために、地方創生臨時交付金を1.5兆円確保します。これらの措置によって、現在の厳しい状況をなんとか乗り越えていただき、経済回復の足がかりとしたい。このように思います。
必要なのはポストコロナにおける成長の源泉
その上でわが国に必要なものはポストコロナにおける成長の源泉です。その軸となるのがグリーン、デジタルです。8年近くにわたるアベノミクスによって日本経済は最悪の状態を脱し、もはやデフレではない状況をつくり出し、人口減少の中で雇用者数を増やし、観光や農業の改革は地方経済に大きく貢献をしました。私が所信表明演説で申し上げた2050年カーボンニュートラルはわが国は世界の流れに追い付き、一歩先んじるためにどうしても実現をしなければならない目標であります。環境対応がもはや経済成長の制約ではありません。むしろわが国の企業が将来に向けた投資を促し、生産性を向上させるとともに、経済社会全体の変革を後押しし、大きな成長を生み出すものであります。
こうした環境と成長の好循環に向けて発想の転換を行うために、今回の経済対策ではまずは政府が環境投資で一歩大きく踏み込みます。過去に例のない2兆円の基金を創設し、野心的なイノベーションに挑戦する企業を今後10年間継続して支援をしていきます。無尽蔵にある水素を新たな電源として位置づけ、大規模で低コストな水素製造装置を実現します。水素飛行機や水素の運搬船も開発します。脱炭素の鍵となる【電化 00:16:05】にどうしても必要なのが蓄電池です。電気自動車や再生可能エネルギーの普及に必要な低コストの蓄電池を開発します。
排出した二酸化炭素もいわゆるカーボンリサイクルの技術を使って、プラスチックや燃料として再利用します。これらを政府が率先して支援することで民間投資を後押しし、240兆円の現預金の活用を促し、ひいては300兆円ともいわれる世界中の環境関連の投資資金をわが国に呼び込み、雇用と成長を生み出します。また自動車から排出されるCO2をゼロにすることを目指し、このため電気自動車などを最大限導入していくための制度や規制を構築します。
◇ ◇
マイナポイントの期限を半年間延長
菅:デジタル化にも、かつて指摘された課題を一挙に解決します。マイナンバーカードの普及のため、カードを年度末までに申請していただいた方には、マイナポイントの期限を半年間延長します。カードと保険証の一体化を来年3月にスタートし、5年後までには運転免許証との一体により、更新時の講習や書類の提出がオンラインでできるようになります。今回の経済対策で、これらを一挙に措置をします。
5Gを強化した、いわゆるポスト5G、さらには次世代の技術である、いわゆる6Gの技術についても次の技術で世界をリードできるよう、政府が先頭に立って研究開発を行います。今回の経済対策では、これらを含めたデジタル関係で約1兆円を超える規模を確保します。デジタル化の司令塔となるデジタル庁は、来年秋の始動を目指して現在、急ピッチで作業を進めています。情報システムの関係の予算を一元的に所管し、各省庁に対して勧告是正ができる強い権限を持たせます。民間から100名規模の高度な専門人材を迎え、官民を行き来しながら、キャリアアップできるモデルをつくります
いまだ新型コロナウイルスの感染が続く中で、今大事なのは安心感、そして将来への希望です。当面は何が起きても対応できるように、十分な額の予備費を確保します。これらの措置により国民生活の安心を確保し、将来の成長の基盤を作ります。
さまざまな外交課題に全力で取り組む
先月中旬から下旬にかけて出席したASEAN関連、APEC、G20といった、一連の首脳会議においてもグリーンとデジタルが私の政権の最優先課題であることを積極的に発信いたしました。同時に世界的なパワーバランスの変化により、国際秩序の在り方が大きく影響を受ける中、基本的価値と、法の支配に根ざした、自由で開かれたインド太平洋を実現していくことの決意を重ねて強調し、関係諸国との間で具体的な協力を進めることで一致をいたしています。
特に今国会で承認をいただいた英国との包括経済連携協定、さらには先月に中国、韓国を含む15カ国が署名したRCEPも重要な成果であると思います。これらの協定、また来年、わが国が議長国となるTPP11の着実な実施と拡大に努め、自由で公正なルールに基づく経済圏のさらなる進展を目指してまいります。
先月中旬には政権発足後、初めての外国首脳の訪日として、豪州のモリソン首相をお迎えしました。同首相との間では、自由で開かれたインド太平洋の実現という共通目標を確認した上で、経済分野での協力に加え、安全保障、防衛協力、新たな次元に引き上げる日豪円滑化協定の大枠合意に至ることができました。首脳間の個人的な信頼関係を深めるとともに、日豪の特別な戦略的パートナーシップを大きく進展させることができました。
また、米国のバイデン次期大統領との初めての電話会談では、日米安全保障条約第5条の尖閣諸島への適用、日米同盟の強化、自由で開かれたインド太平洋の実現に向けた協力を確認し、大変意義のあるやりとりができました。
これらの一連の首脳外交では、政権の最重要課題である拉致問題の解決に向けた協力も要請し、数多くの首脳から理解と協力の意向を示していただきました。コロナ対応の中に高まった自国中心主義や、内向き思考などとも相まって、これまで以上に予見しにくい国際情勢であるからこそ、わが国としては多国間主義を重視しており、国際社会の団結と具体的な協力を主導していく決意であります。
そして人類が団結してウイルスに勝った証として、来年、東京オリンピック・パラリンピックを開催する、私の強い決意についても、各国首脳から共感と支持をいただきました。これからも首脳外交を積極的に展開しながら、国際社会に対して、わが国の立場をしっかりと発信していくとともに、さまざまな外交課題に全力で取り組んでまいります。
不妊治療は男性も対象に
所信表明演説では、これまでお約束した改革についてはできるものからすぐ着手し、結果を出して成果を実感していただきたい。このように申し上げました。不妊治療については保険適用を2022年度からスタートし、男性の不妊も対象にしたいと考えます。それまでの間は助成制度の所得制限を撤廃した上で、助成額の上限を2回目以降も今までの倍の一律30万円で6回まで、2人目以降の子供も同様といたします。これらを来年すぐに実施できるよう、補正予算に盛り込みます。不育症の検査や、がん治療に伴う不妊についても新たな支援を行います。
2年前に携帯電話については4割は下げられる。講演で申し上げました。国民の財産である電波の提供を受けながら、大手3社が9割の寡占状態を長年維持し、世界的に見ても高い料金、不透明な料金体系、しかも20%もの営業利益を上げ続けている。このような、国民として当たり前の感覚からすれば大きく懸け離れている事実に問題意識を持ってきました。今回、大手のうちの1社が大容量プランについて、20ギガで2980円という料金プランをメインブランドの中で実現するとの発表がありました。本格的な競争に向けて1つの節目を迎えたと思います。本当の改革はこれからです。個々人の料金負担が本当に下がっているのか、サブブランドに移行する場合の手数料など、残された障害がないか、見ていきながら必要に応じてさらなる対応を取っていきたいと思います。
菅内閣において重要なのは、変化に対応するスピードと国民目線の改革です。まずは新型コロナウイルスをなんとしても乗り越え、経済を回復させていきます。国民のため働く内閣として全力で取り組んでまいります。私からは以上であります。
特措法改正案を来年の通常国会に提出する考えは
司会:それでは、これから皆さまからご質問いただきます。最初は慣例に従いまして幹事社2社から質問をいただきますので、指名を受けられました方は近くのスタンドマイクにお進みいただきまして、所属とお名前を明らかにしていただいた上で質問をお願いいたします。それでは幹事社の方、どうぞ。まずTBS、後藤さん、お願いします。
TBSテレビ:幹事社、TBSテレビの後藤と申します。よろしくお願いします。総理は今、会見でも、今、大事なのは安心と将来への希望とおっしゃいました。それに関わるテーマについてお尋ねします。Go To トラベル事業についてなんですけれども、感染の拡大に伴い事業継続に対してリスクを指摘する声が上がっています。政府は現在、感染状況のステージの判断を各都道府県の知事に委ね、その判断に基づいて最終的に政府が運用の見直しなどについて決定すると説明しています。今後、より迅速な対応を行うためにも、政府が感染状況の判断等も含め、より主体的に関わるよう意思決定のプロセスを見直すお考えはありませんか。
またそれに関連してさらに、政府ですとか自治体の権限や責任をより明確にするため、また休業要請する際の財政補償などをより明確にすることなどの目的の観点から、新型コロナウイルスの特措法改正案を来年の通常国会に提出する、そういったお考えはありませんか。以上です。
菅:まずGo To トラベルの見直しですけれども、地域の感染状況を踏まえて、各都道府県知事の意見を伺いながら国が最終的に判断する、このようになっています。今回の11月21日にコロナ対策本部でGo To トラベルの運用見直しを決定して、そののちに札幌、大阪市において到着分を対象外とした対応をいたしました。また、27日から出発便についても控えていただくよう呼び掛けることにしました。
また先般は東京都知事からの要請を受けまして、東京都の到着、出発、両方について高齢者の方や基礎疾患をお持ちの方のご利用を控えさせていただいた。こうしたことを今、呼びかけを行ったところです。
特措法の見直しでありますけども、新型コロナの分科会において強制力を伴う措置を認めるかどうか、これについては罰則を含めて規制強化すべきという意見だとか、あるいは私権を制限すべきではない、慎重なご意見もありました。じっくり腰を据えた議論が必要だということでありましたけれども、今後はこれまでの知見を参考にし、事業者や個人の権利に十分配慮しつつ、感染防止、拡大防止、どのような法的措置が必要なのかという点について、分科会でご議論いただく中で、政府として必要な見直しは迅速に行っていきたいと、こういうふうに思います。
学術会議は政府から独立した組織にすべきか
司会:それでは幹事社の方、もう1社どうぞ。毎日さん、お願いします。
毎日新聞:毎日新聞の【オイタ 00:22:18】と申します、よろしくお願いします。総理の説明責任に関連してお伺いしたいと思います。日本学術会議の会員6名を任命されなかった問題を巡って、今国会でも説明不足を指摘する声が相次いでいました。会員任命後、国内で総理が記者会見されるのは今日が初めてとなりますので、6人を任命しなかった理由と今後の対応、また、6人の方は具体的にどのような活動が認められれば、将来的に任命される可能性があるのかご説明いただけますでしょうか。
また、学術会議の在り方の見直しについて、政府から独立した組織にすべきとお考えでしょうか。いつまでに結論を出し、いつから適用するお考えかお聞かせください。また、その説明責任の関連で、説明不足を指摘する声は「桜を見る会」の前夜祭で安倍前総理側が費用負担していた問題に対しても強まっています。
検察は前総理を聴取する方針で、安倍前総理も今日、聴取があれば応じる考えをお示しになりましたが、当時の官房長官として前総理本人を含めて、事実関係を確認した上で国民にご説明するお考えはありますでしょうか。総理は過去の国会答弁については、当然をした責任は私にあり、事実が違った場合は対応すると今国会で答弁されました。誰の、どういった判断を基に事実と異なるかどうかをご確認されて、具体的にどのような対応を取るお考えでしょうか。ご説明ください。
任命権者として適切な判断を行った
菅:まず私の会見の話でありますけども、日本学術会議の任命について、国会で何回となく質問を受けて、そこは丁寧にお答えをさせていただいています。学術会議法にのっとって、学術会議に求められる役割も踏まえて、任命権者として適切な判断を行ったものです。
また憲法第15条に基づいて、必ず推薦をされたとおりに任命しなければならないわけではないというようについては、これは内閣法制局の了解を得た政府としての一貫した考え方であります。そして、いずれにしろ会員の皆さんを任命しますと公務員になるわけであります。公務員と同様でありますので、その理由については、やはり人事に関することでお答えを差し控えさせていただく。ぜひこのことはご理解をいただきたいというふうに思います。
また一連の手続きは終わっておりますので、新たに任命を行う場合には、学術会議から推薦をいただくという必要があるというふうに思います。また私、梶田会長とお会いして、今後は学術会議として国民から理解をされる存在としてより良いものをつくっていきたい、こういうことで合意しました。
そして今後、どのように行っていくかについては井上担当大臣の下で、梶田会長をはじめ学術会議の皆さんとコミュニケーションを取って議論をしているところであります。その方向性というのは、その議論の中で出てくるだろうと思います。
また「桜を見る会」の中で参議院予算委員会において私の答弁がありました。私は国会で答弁したことについて責任を持つことは当然である、そういう意味合いで私自身申し上げたことであります。また、安倍前総理の関係団体の行事に関する私のこれまでの答弁については、安倍前総理が国会で答弁されたこと、あるいは必要があれば私自身が安倍前総理に確認をしながら答弁を行ってきた、そういうことであります。
司会:それではこれから幹事社以外の方からご質問いただきます。質問を希望される方、意思表示は声でなく、挙手でお願いいたします。私が指名いたしますので、近くのマイクにお進みいただいて、所属とお名前を明らかにした上でご質問をお願いします。希望される方、多いと思います。できるだけ、といいますか必ずお一方1問でお願いをしたいと思います。それではご希望の方、挙手をお願いいたします。それでは、時事の【オオツカ 00:25:59】さん。
ワクチン接種はいつから始めるのか
時事通信:時事通信のオオツカです。新型コロナウイルスのワクチンについてお伺いします。ワクチンの接種については、いつごろから始めるような目標でしょうか。また、総理ご自身は接種されるご予定はありますでしょうか。
菅:まずワクチンについては、安全性だとか有効性を最優先とすることがこれは大前提だと思います。すでに先ほど申し上げましたように、国内でも治験が行われておりますが、今後こうした治験のデータ、これを最新の科学的知見に基づいてしっかり審査した上で、承認したものについて全額、国の負担で接種を行わさせていただきます。
必要な方に、直ちにそうしたワクチンが接種できるように、いろんな準備や自治体における迅速な体制というのに今、準備をしているところであります。また具体的な接種の時期についてでありますけれども安全性、有効性を、これをしっかり確認した上でありますので、現時点において政府のほうから予断をもってその時期を明確にすることは控えたいと思います。
また私のことでありますけども、最初、医療関係者とか、そうしたいろいろな準備が、高齢者だとか、これからそうした順番を決めるわけであります。そういう中で自分に順番が回ってきたら接種したいと思います。
司会:それでは次、じゃあNHK、長内さん。
カーボンニュートラル、国民の理解を得るには?
NHK:NHKの長内と申します。2050年、カーボンニュートラルについてお伺いします。先ほど総理、2兆円の基金にも言及されましたが技術革新、非常に大事だと思いますけれども、やはりいろいろハードルがある中で何より国民の理解、協力というのが一番大事なんではないかと思います。国民が具体的にイメージしやすいようにするためにも、どのように理解を得ていくお考えでしょうか。
菅:2050年、カーボンニュートラルを実現するために、環境への投資を飛躍的に増やして、先ほど申し上げましたように、世界最先端のイノベーションを生み出すべく2兆円の基金を今回、創設する予定です。わが国の産業構造だとかあるいは経済社会変革発展につなげていく。このことを実行に移すにはやはり国民の皆さんの理解、今の質問にありましたように、必要だというふうに思っています。
さまざまな世代や分野の方に参画をして意見交換をする会議や、あるいは国と自治体の間で議論を行う会議、こうしたものを早期に開催をし、先進的な取り組みを広げていきたいというふうに思います。
こうした会議も含めて今後、さまざま広報活動を行いながら2050年カーボンニュートラル、これに向けた理解を促すと同時に機運向上に取り組んでいきたい。全国的な地方の市町村を巻き込んだ、そうした会議も開きたい。こういうふうに思っています。
司会:それでは次の質問にいきたいと思います。では産経、杉本さん。
防衛費を増額する考えは
産経新聞:産経新聞の杉本と申します。よろしくお願いいたします。安全保障の政策についてお伺いいたします。臨時国会が終わりますと、令和3年度予選編成に向けて動きが本格化すると思うんですけれども、政府はこれまで防衛費は8年連続で増額をしております。一方で新型コロナウイルスの対策等で、財政状況は非常に厳しい状況にありますけれども、総理は現在の安全保障環境は、厳しさを増しているという認識を示されております。総理として今度の予算で、また増額をするというお考えはございますでしょうか。
関連しまして、安倍内閣では敵基地攻撃能力を含むミサイル阻止について年内までにあるべき方策を示すという談話を出しております。この年内の結論というのがもう厳しいんじゃないかという観測もありますけれども、敵基地攻撃能力を持つのか持たないのか、この結論をいつまでに出したいというふうに総理としてはお考えになっていますでしょうか。よろしくお願いします。
菅:まず来年度の防衛費でありますけども、中期防を踏まえて現在、政府内において今検討中でありますけれども、厳しさを増す安全保障環境の下で、国民の命と平和な暮らしを守る、そのために必要な防衛力の整備、これは着実に推進をしていきたい、このように思います。
そして抑止力強化の在り方であります。これについては国家安全保障会議での議論を踏まえて引き続き検討して、調整をしていきたいというふうに思います。現時点において、その検討について、予断をもって答弁させていただくことは控えさせていただきたい。このように思います。
司会:それでは次のご質問にいきたいと思います。外国プレスの方からもご質問いただきたいと思いますので、ロイターさんお願いします。
第3次補正予算の規模感は
ロイター:ロイター通信の竹中です。来週の経済対策の規模と、その裏付けとなる第3次の補正の規模感についてなんですが、この時点での総理のお考えをお伺いできますでしょうか。
菅:冒頭申し上げましたように、新型コロナ対策としての医療機関などの支援、雇用調整金や企業の資金繰りなどの支援、さらに雇用と事業の支援、地方向け交付金1.5兆円、グリーン投資の基金2兆円、デジタルで1兆円を予定しております。そして、当面何が起きるか分からない状況でありますので、予備費、これもしっかり確保したいと思ってます。
こうした措置によって、当面のコロナ対策に万全を尽くし、国民生活の安全・安心をしっかり守っていきたい。このように思います。現在、総額も含めて政府内で検討していますので、来週には閣議決定をしたいというふうに思ってます。いずれにしろ今、最終段階でありますので、この場でお答えすることは控えたいと思います。
司会:それでは次の質問にいきたいと思いますが。それでは日経の【スギタ 00:35:04】さん。
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75歳以上の医療費負担、先送り圧力にどう対応する?
日本経済新聞:よろしくお願いします。75歳以上の医療費負担についてお伺いいたします。総理は目指す社会像としまして自助・共助・公助を掲げておられます。一定の収入のある高齢者の負担を2割とし、負担を分かち合う改革はこの理念と整合的であるように思います。与党からは先送りの圧力や対象者をより限定するよう求める声が上がりますが、これに対してどのように対応されますでしょうか。
菅:少子高齢者社会が急速に進み、2022年には団塊の世代が後期高齢者になるわけであります。その分、当然、現役の世代の皆さんの負担も増えてくるわけでありますから、そうしたことを考えたときに幅広く全世代型社会保障制度という中でご負担できる方を増やしていって、将来のそうした若い世代の負担を少しでも減らしていくという、こうしたことは大事だというふうに思います。次の世代にそうした社会保障制度、全世代のものを引き継いでいくのが、これは私たちの役割ではないかというふうに思います。
先日、全世代、また社会保障制度の会議の中で関係大臣に対して私は与党との調整も十分に図って取りまとめるよう、具体的な検討を進めるよう指示をいたしました。政府・与党においても最終的な調整が行われているだろうというふうに思います。政府としては私、冒頭申し上げましたように少子高齢化が急速に進んで、もう団塊世代が後期高齢者になるのが目前でありますから、そうした中でわが国の将来を考えたときに、多くの方に少しずつでもご負担をして、安心・安全の社会保障制度というのを作っていくことは大事だというふうに思います。
司会:はい。それでは次の質問にいきたいと思います。では共同の吉浦さん。
訪米や会談の時期をどう考えているのか
共同通信:共同通信の吉浦です。よろしくお願いします。日米関係についてお伺いします。来年1月20日に米国ではバイデン新大統領が就任する予定です。日米の首脳同士の個人的なさらなる関係構築や、菅政権が外交の基軸に掲げる日米同盟の強化に向けて、早期の日米の首脳会談を検討されていると思います。現時点で具体的な訪米や会談の時期についてどのようにお考えでしょうか。よろしくお願いします。
菅:まず日米同盟というのは申し上げるまでもなく日本外交、安全保障の基軸であって、インド・太平洋地域と国際社会の平和と繁栄の、まさに基盤となるものであります。わが国としては日米関係をさらに強固なものにして、自由で開かれたインド太平洋の実現に向けて、バイデン大統領といっそう緊密な連携をしていきたい。これが基本的な考え方です。
先月、バイデン次期大統領との電話会談において、日米安全保障条約第5条の尖閣諸島への適用、日米同盟の強化、そして自由で開かれたインド太平洋の実現に向けた協力、これは電話会談で確認することができました。
また私の訪米についてでありますけども、コロナ感染状況も見つつ、できる限り早い時期に会おうということで一致をしているところでありますので、具体的に今はなんら決まっておりませんけれども、今後しかるべきタイミングで調整をしたいと、このように思います。
司会:はい。それではフリーランスの方も今日おいでいただいていますので、安積さん、お願いいたします。
国民に言葉を掛ける機会が少なくないか
安積:フリーランスの安積です。すいません。総理、今年10月の国民の自殺者数というのが5年ぶりに2100人を超えました。特に9月と比較しまして女性の自殺者数の割合、増加割合が83%増となっております。これはコロナについて女性に非常にしわ寄せが来てるのではないかということが想定されるんですけども、総理は長官時代には国民に寄り添うということをしばしば口にされ、先ほどもまた国民の命と暮らしを守ることが政府の責務だというふうにおっしゃいました。ただ、この2カ月間、総理は国民に対して直接もう少し頑張ってくれとか、そういった励ましの言葉を掛けられることはありませんでした。これからなお、まだ厳しい状態が続くと思いますけども、これからやはり国民に対してそういう言葉を掛けてくださるのか、それともやはり今までのように例えば会見、国会が終わるとか、そういった節目節目しかされないのか。どちらなんでしょうか。お答えください。
菅:菅内閣の方針については官房長官は1日2回、記者会見をさせていただいています。これは世界主要国でも現職の閣僚が記者会見するというのは日本だけと言ってもいいと思います。そういう中で政権としての考え方を、官房長官の記者会見を通じて国民の皆さんに理解をしてもらうと。また、閣議、議会ある中で関係閣僚も記者会見をしております。ただ、私自身についてでありますけども、今のご質問、私自身も機会があるときにそこはぶら下がりなどでメッセージを発させていただいております。そうしたことも含めてこれから政権としてのそうしたコロナをはじめとする対応策というのは、もっとしっかりと発信できるようにしていきたい、こういうふうに思います。
司会:それでは次の質問にいきたいと思います。じゃあ読売の黒見さん、お願いします。
衆議院解散、総選挙の時期はどう考えているのか
読売新聞:読売新聞の黒見です。総理、新型コロナウイルスの感染拡大が続いておりますが、一方で衆議院議員の任期も来年秋に迫っております。衆議院解散、総選挙の時期については現状どのようにお考えでしょうか。
菅:まず新型コロナウイルスの感染拡大を阻止して、そして経済の再生、これが最優先であります。ここに全力でまずは取り組んでいきたい。しかし、とはいえ私の衆議院議員の任期も来年の秋まででありますので、そこの中でいつか選挙を行う必要があるわけでありますので、時間的な制約、そうしたことも考えながら、そこはよくよく考えていきたい、こういうふうに思います。
司会:それでは次のご質問にいきたいと思います。それでは、じゃあ京都の国貞さん。
学術会議人事、アカデミズムの反発をどう思うか
京都新聞:すみません、京都新聞の国貞と申します。日本学術会議のことで、関連でお伺いします。先日人文社会系の310の学協会が任命拒否を撤回するように声明を出したんですけれども、総理は先ほども国会で丁寧に説明をされているということもおっしゃったわけですけれども、アカデミズムからの反発っていうものは現状では止まっていないと思うんです。率直に任命見送りを判断されたときに、これほどまで反発が広がると思っていたのかどうか。また、これほどまでアカデミズムのほうが反発をしているということに関して、どう思われているか認識をよろしくお願いします。
菅:まず私自身が、この任命の問題でありますけども、先ほど申し上げましたように任命権者として内閣法制局の了解を得た政府としての一貫した考え方というのは、必ずしも推薦どおり任命しなければならないというわけではないということが、まずは大前提です。
そういう中で、学術会議そのものについて、これでいいのかどうかということを私は官房長官のときから考えてきました。それは日本に研究者といわれる方が90万人いらっしゃいます。その中で学術会議に入られる方というのは、まさに現職の会員の方が210人おります。またそれを、連携会員の方が2000名おります。そうした方の推薦がなければ、これ、なれないわけでありますから。これは1949年ですか、この組織ができてから。
ですから多くの関係者の方がたくさんいて、新しい方がなかなか入れないというのも、これは現実だというふうに思っています。そういう中で私自身は縦割り、あるいは既得権益、あしき前例主義、そうしたものを打破したい。こうしたことを掲げて自民党総裁選挙も当選をさせていただきました。
そういう中で、この学術会議もまた新しい方向に向かったほうがいいのではないかなという、そうした意味合いの中で、この内閣法制局の了解を得ている一貫した考えの下で、ここは自ら判断をさせていただいたと、そういうことであります。それで、声が大きくなるかどうかということでありますけれども、私はかなりなるんじゃないかなというふうには思っていました。
司会:それでは大変恐縮ですが、次の日程もございまして、次の質問で最後にさせていただきます。では、西村さん。西村カリンさん。
二階幹事長が全旅協会長だから旅行業界を優遇するのか?
ラジオ・フランス:フランスの公共ラジオ局の、ラジオ・フランスの特派員西村と申します。Go To トラベルについての質問をします。Go To トラベル関係には、を強く推進する自民党の二階幹事長は、全国旅行業協会の会長として務めていますが、結果的にほかの業界に比べて自民党は、このトラベル業界を優遇するのではないかと思う国民がいると思われます。その点について、総理のご意見を聞かせてください。
菅:Go To トラベルでありますけれども、そもそも日本には観光関連の方が約900万人おります。全国にホテルや旅館、さらにはホテルや旅館で働く従業員の方、そしてお土産を製造する、あるいは販売をされる方、農林水産品を納入する方、そうした地域で活躍されてる方が観光を支えているということも、観光に従事される方が地域をしっかりと支えていただいてるということも、これ、事実だというふうに思っています。そういう中で、このGo To トラベルを政府としては実行に移してきているところであります。
そういう中で、地域の中でそうした生活をしている人が、このGo To トラベルによって、当時は5月、6月は稼働率が1割とか2割だったんです。そうした人たちが、もうこのままいったら、まさにもう事業を継続することができないというような状況の中で、私どもはこのGo To トラベルをさせていただいて今に至っていることであります。二階幹事長が特別ということではなくて、何がこの地域の経済を支えるのに一番役立つのかなという中で、判断させていただいているということであります。
司会:それでは次の日程、ございます。大変申し訳ございません。会見を終了させていただきます。現在挙手されている方でご希望がありましたら、各1問を、メールなどでお送りいただければ後ほど総理のお答えを書面で返させていただきますので、ご理解いただくようにお願いいたします。それでは以上をもちまして、本日の総理記者会見を結ばせていただきます。皆さまのご協力に感謝申し上げます。ありがとうございました。