【コロナ第3波】新型コロナウイルス「国内確認から1年」感染ペース加速
新型コロナ国内確認から1年 感染ペース加速 22日間で10万人増
産経新聞 2021年1月15日(金)21時41分配信
新型コロナウイルスの感染者が国内で初めて確認されてから15日で1年がたった。現在も第3波の流行のまっただ中にあり、収束のめどは立っていない。全国の累計感染者数は30万人を突破。厚生労働省の集計では10万人を超えたのは昨年10月31日だったが、52日後の同12月22日に20万人を超え、さらに10万人増えるのに22日しかかからず、増加ペースが加速している。
性別の内訳は、男性が55%、女性が45%で、男性の方がやや多い。年代別では、20代が最多で全体の24%を占め、30代16%、40代15%と続いた。若年層では症状のない人も少なくない。60代以上は23%。
3密(密閉・密集・密接)の環境で飛沫感染のリスクが高く、医療機関や福祉施設、飲食店、職場など多様なクラスター(感染者集団)の発生が感染拡大の要因となっている。
14日時点で都道府県別では、東京都の8万68人が最多。大阪府3万6434人、神奈川県3万691人、愛知県2万66人、埼玉県1万9281人と続き、大都市圏ほど感染者が多い。最も少ないのは鳥取県の170人で、次いで秋田県181人、島根県230人だった。
国内では昨年3月下旬からの第1波、6月下旬からの第2波を経て、11月からの第3波に直面している。第2波が完全に収まらない中で始まった第3波は感染拡大に拍車がかかり、医療現場が窮地に陥っている。11都府県に再発令された緊急事態宣言で感染者数を減少に転じられるか、正念場を迎えている。
■ 第1波 五輪延期
昨年1月15日に国内で初めて新型コロナウイルスへの感染が確認されたのは、神奈川県の男性。年末年始に発生源とされる中国・武漢市に滞在し、現地で感染したとみられる。その後もしばらく中国由来のウイルスによる感染が続いた。
3月以降は欧州由来のウイルスが持ち込まれ、全国で同時多発的にクラスター(感染者集団)が発生。第1波が押し寄せ、国内でもオーバーシュート(爆発的急増)への危機感が高まった。世界保健機関(WHO)がパンデミック(世界的大流行)を表明し、東京五輪の延期も決まった。
4月7日~5月25日に発令された最初の緊急事態宣言では「最低7割、極力8割」の接触削減が求められ、全国の1日当たりの新規感染者は5月25日に20人まで減った。
■ 第2波 GoTo
ただ同じ頃、東京都では新宿を中心に接待を伴うホストクラブなどで感染の再拡大が進行。国立感染症研究所が行ったウイルスのゲノム(全遺伝情報)解析によると、第2波となった7月以降の感染拡大は東京都から首都圏、地方に伝播(でんぱ)したものと、大阪府から西日本へと広がったものの2系統に集約されるという。
第1波ではPCR検査の能力不足が指摘されたが、5月中旬の1日2・2万件から8月上旬には5・2万件に拡充。結果的に若年層で無症状の感染者が多く見つかり、感染拡大につながった。全国の累計感染者は3~5月が1万6749人だったのに対し、7~9月は6万4458人と4倍近くに上った。一方で、政府は経済の立て直しに向けた動きを強化。7月には観光支援事業「Go To トラベル」が東京都を除いてスタートし、イベントの人数制限は上限5千人か収容率50%以内に緩和、9月には条件をさらに緩和した。
■ 第3波 異変確認
自治体独自の緊急事態宣言などで全国の新規感染者は200人台まで抑えたが、高止まりのまま第3波に突入。都がトラベル事業に加わった後の11月以降は増加傾向が強まり、首都圏にしみ出すように感染が波及していることが明らかになり、トラベル事業の一時停止に追い込まれた。
新規感染者は今年1月8日に7800人超と過去最多を更新。昨年12月下旬以降、英国や南アフリカなどに由来する変異ウイルスの感染者が相次いで見つかり、国内で広がった場合には、さらに感染者が爆発的に増える恐れもある。
「大都市における感染を早急に抑制しなければ、地方での感染を抑えることも困難になる」。厚生労働省の専門家組織は今月13日、強い表現でこう提言した。
新型コロナウイルスはクラスターの発生を端緒に、地域内で急激に感染拡大するのが特徴だ。政府の分科会の分析では、歓楽街や飲食店で起きたクラスターの感染者がウイルスを家庭内に持ち運び、その後医療機関や福祉施設に広がる傾向がみられた。このため飲食店を感染抑止の「急所」と位置付け、緊急事態宣言の再発令でも時短営業などの対策に力点が置かれた。
厚生労働省が2人以上の感染者が出たクラスター事例を集計したところ、今月12日時点で3987件が確認され、昨年10月12日時点の1601件から3カ月で約2・5倍に急増した。
分科会メンバーの押谷仁・東北大教授は、昨年12月以降に報告があった5人以上のクラスター事例807件を分析。医療機関や福祉施設での発生が45%を占めた。飲食関連は19%で、約半数が接待を伴う飲食店だった。123件の教育施設では高校が41件と目立ち、部活動関連が11件あった。
厚労省に助言する専門家組織は、第3波の流行要因のクラスターについて「地方都市の歓楽街に加え、会食や職場、外国人コミュニティー、大学生などの若者、医療機関や高齢者施設などにおける事例など多様化や地域への広がりがみられる」と指摘している。
宣言の再発令では、飲食店対策以外にテレワークの徹底やイベントの人数制限も求められる。尾身茂・分科会長は「飲食店対策だけで流行は沈静化できない。人と人との接触を抑えるのが重要だ」と強調する。
■ 日本感染症学会・舘田一博理事長
新型コロナウイルスが冬場に急拡大したのは、気温と湿度が影響しているのだろう。ウイルスは夏場の高温の環境では死滅しやすいが、低温では生き延びやすい。冬場は湿度の低下で飛沫が空気中で蒸発し、細かい粒子となって広範囲に飛散しやすくなる。
この感染症は接触のみならず、会話による飛沫で広がるのが特徴。特に飲食を伴う会食の場が「急所」として見え始めた今、ウイルスが活発化するこの1~2月をどう乗り切るかが、今後の感染抑止対策を考える上で重要な意味を持つ。
治療に特効薬はなく、第1波と比べ、第2波、第3波は低下したとはいえ、致死率は全体で約1~1・5%に上る。全国で1日5千~7千人の新規感染者が出れば1日50~70人以上の死者が出るという状況を誰もが重く受け止めるべきだ。
感染力が強いとされる変異ウイルスが確認され、不安が広がっている。だが一般的に変異を繰り返す中で生き残るために広がりやすくなれば、病原性は低くなっていてもおかしくない。水際対策などに万全を期すべきだが、冷静な動向分析も必要になる。
収束に向けてはワクチンが鍵を握る。集団免疫の獲得には人口の半数ほどの接種が必要とみられるが、有効性や副作用の有無など不明な点は多い。まずは緊急事態宣言下で新規感染者をいかに抑えられるかが重要だ。東京都で今後も2千人台の感染者が確認されるようなら、さらに強い対策、メッセージを打ち出す必要がある。(談)
コロナ第4波“3月襲来”か…変異種主流で1日1万人感染あり得る
日刊ゲンダイDIGITAL 2021年1月18日(月)15時00分配信
連日、数千人の新型コロナの感染者が確認されている。この先、心配されるのが、変異種ウイルスの蔓延である。足元の第3波の感染拡大は従来型のウイルスによるもので、変異種の影響が出るのはこれからだ。英国では変異種の出現によって一気に感染者が増えている。感染力が強い変異種が主流となれば、強烈な“第4波”が猛威を振るう恐れがある。
◇ ◇ ◇
米疾病対策センター(CDC)は15日、英国などで蔓延している変異種ウイルスが、3月にも主流ウイルスになる可能性があると発表した。米国では昨年12月末に初めて変異種ウイルスが確認され、これまでに計76人の変異ウイルス感染が判明している。
英国での変異種ウイルスが最初に見つかったのは9月だった。その後、ロンドンでは、11月に約4分の1が、12月中旬には3分の2近くが変異種になった。出現判明から2~3カ月後に主流ウイルスに躍り出ているのだ。CDCも、3カ月後に変異種が主流になると予測している。
日本では昨年12月25日にはじめて変異種の感染者が判明し、これまでに40人以上の変異種感染が確認されている。人口を考えれば、米国の76人と遜色ない。英国の実例やCDCの報告を参考にすれば、日本でも2~3カ月後に変異種が猛威を振るっていてもおかしくない。
東大大学院の飯野雄一教授(生物化学)が衝撃の試算を行っている。変異種の流入時に従来型が300人、変異型が10人と仮定すると、最悪のケースでは、3カ月後には1日当たりの新規感染者数は約30倍の1万人を超えるという。
従来型の免疫が効かない恐れも
ハーバード大学院卒で医学博士・作家の左門新氏(元WHO専門委員)がこう言う。
「英国の変異種ウイルスは感染力が1.7倍とされ、いったん感染が広がり始めれば、従来型よりも蔓延するのは自然です。また、従来型のウイルスに感染した人は、免疫ができるので、同じ従来型ウイルスには感染しにくくなりますが、変異種ウイルスの場合、ものによっては、一度従来型に感染した人にも、感染させることがあります。南アフリカの変異種にその可能性があります。感染させるターゲットが広がれば、それだけ感染を広げることができるのです」
3月に第3波超の感染爆発が起きてもおかしくない。
コロナワクチン『3つの副反応』リスク、免疫学の権威が警鐘
ダイヤモンドオンライン 2021年1月11日(月)6時01分配信
新型コロナウイルス対策の切り札とされるワクチン。英米など海外では接種も始まった。免疫学の第一人者である宮坂昌之氏が、新型コロナワクチンはどこまで期待していいのか、心すべきは何なのかを語る。
● ワクチン接種がより広まって 初めて見えてくる副反応リスク
新型コロナウイルスのワクチンに注目が集まっています。
日本政府が供給を受けることで合意している、あるいは契約を結んでいるのは、米ファイザーと米モデルナのメッセンジャーRNA(mRNA)ワクチン、それから英アストラゼネカのウイルスベクター(アデノウイルス)ワクチンの三つがあります。
ファイザーと独ビオンテックが開発したワクチンが95%の有効性とうたうのをはじめ、いずれも90%以上の有効率があるとします。
普通のワクチンの有効率は、例えばインフルエンザでは30%から良くても60%ぐらいですから、この数字はすこぶる高い。
ただし、分析データを見てみると、注意する必要があることが分かります。問題は安全性です。
ワクチンの場合は副作用ではなくて副反応という言葉を使います。ワクチンによる健康被害の多くは、免疫反応そのものによって起きるものだからです。
その副反応には大きく分けると3種類ある。一つ目は即時に、接種して数日以内に出てくるもの、二つ目は2週間から4週間たってから出てくるもの、三つ目はワクチン接種者が感染した場合に出てくるものです。
一つ目の早い方の典型は「アナフィラキシー」という、全身に現れるひどいアレルギーです。海産物などの食べ物でも引き起こされるので、よくご存じでしょう。
当初、皮膚がかゆい、目まいがするといった症状から始まって、さらに血圧が低下して意識障害、失神に至り、命を落とすこともあります。
ただし、ワクチンによるアナフィラキシーの頻度は、これまで開発されたワクチンでは100万回に数回というレベルでした。
例えば、ファイザーは第3相臨床試験に4万3000人を超える人が参加したとしていますが、ワクチン接種群とプラセボ(偽薬)接種群がそれぞれ何人感染、発症したかを見ているので、実は半数の2万1000人超しかワクチンを接種していません。
100万回に数回しか現れないような副反応は、2万人超では見えない可能性があるのです。この点で少し心配なのは、英国で接種開始直後に、すでに2例のアナフィラキシーショック様の症状が見られていることです。このリスクについてはもっと時間がたたないと分からないと思いますが、慎重な判断が必要です。
二つ目の遅い方の副反応の典型は、脳炎などの神経障害、それから末梢神経がまひするギランバレー症候群などがあります。
例えば脳炎については、おたふくかぜのワクチンだと、100万回の接種に対して10回ぐらい起こる可能性があるといわれている。
● 重篤な副反応の頻度は 100万回に数回程度
多いように感じられますが、おたふくかぜのウイルスに感染すると、その約10倍の頻度で脳炎が起こり得る。ワクチンによって脳炎にかかるリスクを下げるわけですから、リスクがあっても接種した方がいいということになります。今回のワクチンでは2回目接種の2カ月後ぐらいまでは調べていて、脳炎、神経障害などは見られていないようです。
三つ目の副反応はADE(抗体依存性感染増強)と呼ばれ、ワクチン接種後に抗体ができ、その抗体のために新型コロナ感染症が悪化するというものです。
せっかく獲得した抗体が、再び感染した際に悪く作用し、重篤化につながってしまう。
今回の臨床試験では、ワクチン接種群で10人以内の感染者しか出ていないので、ADEのリスクを判断するのは困難です。この現象は感染の拡大、ワクチン接種の増加によって初めて見えてくるものなのです。
ワクチンによる重篤な副反応の頻度は100万回に数回程度。現段階ではそのリスクについて早計に判断すべきではありません。
ワクチンについてまだ分かっていないことは結構あります。
そもそもウイルス疾患と免疫の関係は非常に複雑です。例えば、おたふくかぜやはしかは、2回ワクチンを接種するか、一度病気にかかれば20年、30年と免疫が続く。それに対して、インフルエンザなどは4カ月ぐらいしか免疫が持続しません。
なぜそのような違いが出てくるのか。本当のところはまだ分かっておらず、この謎を解いたらノーベル賞級です。
● ワクチンはおそらく 毎年接種せざるを得ない
新型コロナに関しては、免疫学者から見ると、さまざまなことがインフルエンザと似通っている。ワクチンができても、インフルエンザ程度の期間しか免疫が持続しない可能性もあります。少なくとも20年、30年続くタイプではありません。おそらく半年とか1年ではないかという気がしています。
インフルエンザのように毎年違う型が出現するわけではないにしても、おそらく毎年ワクチンを接種せざるを得ないでしょう。そうすると、やはり心配は副反応になります。
日本の感染状況では、東京や大阪などの新規感染者数は10万人当たり20人から50人くらいです。しかもその中で、他の人にうつすのは1割から2割といわれている。要は、私たちが他人にうつす感染者と出会う確率は、1万人に1回あるかないかです。
一方で、ワクチンを接種して重篤な副反応が現れる頻度は100万回に数回です。私たちは、ワクチンのメリットとリスクを天秤にかけて判断しないといけません。
ワクチンは治療薬と違い、健康な人が予防効果のために接種するものです。高い安全性が求められます。ワクチン接種が始まるのは2021年半ば以降と見込まれますが、拙速に動くべきではありません。
また、ワクチンは皆が接種を受けないといけないと迫るべきものではありません。個人の自由、個人の意思の下に受けるなら受け、受けたくない人は無理に受けなくていいとすべきものなのです。
変異種が次々発見される新型コロナ 子供たちは大丈夫か
日刊ゲンダイDIGITAL 2021年1月15日(金)9時26分配信
世界中で新型コロナウイルスの変異種が次々と見つかっている。昨年末に英国で発見され、日本でも存在が確認された変異種は、昨年3月以降に出現した欧州型(D614G)がさらに変異したもので、遺伝情報の「N501Y」に変異が見られた。
一方、ブラジルからの渡航者から発見された南アフリカの変異種は、「N501Y」に加えて「E484K」にも変化があるという。いずれも、新型コロナウイルスの表面にある突起物(Sタンパク質)の分子が変化したもので、強力な感染力を持つといわれる。
新型コロナウイルスは主にSタンパク質をヒトの細胞の表面にあるACE受容体と結合させることで細胞内に侵入。細胞内の器官を乗っ取ってタンパク質を合成しウイルスを増殖させる。Sタンパク質とACE受容体の結合力が高まれば感染力が強まるのは当然だ。変異種の登場で、従来種では比較的“安全”とされた子供たちへの影響はないのか? 東丸貴信東邦大学名誉教授に聞いた。
変異種の感染力の強さは1日当たりの新規感染者の増加数を見ればわかる。昨年12月3日と今月9日を比べると、英国では1万4878人から5万9937人へ、南アフリカは4400人から2万1606人と短期間で激増している。南アフリカは現在、ウイルスが活性化しにくい夏季にあたるため、激増の要因のひとつに変異種の広がりがあるのは明らかだ。
「とくに気になるのは南アフリカの変異種です。感染に重要なウイルスとヒトの細胞との結合部分に複数の変異があるだけでなく、E484Kの変異は、新型コロナウイルスを中和するモノクローナル抗体からの逃避変異として報告されているからです。しかも、この変異がある人の中和抗体価は10倍低下するとの報告もある。つまり、ヒトの免疫はE484変異を持つウイルスに対して効果が低下する可能性があるということです」
それは武漢型(614D)や欧州型(N501Y)の流行期に治験して完成したワクチンが必ずしも期待通りの効果が得られないかもしれないことを意味する。
しかも、E484の変異種に感染したブラジル人女性が同じ変異種に再感染したことが世界で初めて明らかになった。これは、風邪と同じように何度も新型コロナに感染するよう変化した可能性を示唆するものだ。
いまのところ変異種の毒性は従来種と変わらないというから、今後しばらくはインフルエンザよりも高い病原性を持つ新型コロナウイルス感染症に、より多くの人が何度でも感染する可能性が出てきたということだ。
■ この先も安全とは言い切れない
そこで気になるのは子供たちへの影響だ。従来種では子供への感染リスクは低いといわれたこともあり、4都県に対する7日の緊急事態宣言では、小中高校の一斉休校は要請しないことになった。本当に大丈夫なのか?
「子供に新型コロナ感染症の患者数が少なく、感染しても症状が出にくく重症化しにくい理由は十分解明されているわけではありません。ただ、子供は新型コロナウイルスが細胞に侵入する入り口のACE2受容体の数が少ないことに加え、免疫機能の違いがあることが考えられます。免疫には自然免疫と獲得免疫がありますが、子供は大人よりナチュラルキラー細胞が多いなど、即座に異物を排除する自然免疫が強いといわれています。子供は複数のウイルスに感染する機会が多く、感染後に自然免疫記憶を誘導する訓練免疫状態が効率化し、いろいろな未知のウイルスに対する防御力が強くなっている可能性があるのです」
一方、大人は獲得免疫が強く、自然免疫は子供ほど強くない。つまり、既知のウイルスに対しては大人が持つ獲得免疫の方がスムーズに動くが、未知のウイルスには子供の自然免疫の方が素早く効率的に動く。そのため、子供は新型コロナウイルスに感染しにくく、かかっても重症化しにくいと考えられているのだ。
しかも、子供は大人のように加齢により一部が消失するなど血管がゴースト化していない。そのため、ウイルスが血管内へ侵入しにくく、獲得免疫反応の過剰(サイトカインストーム)による全身炎症を起こしにくい。ところが、新型コロナウイルスの変異種は、こうした仕組みを変える可能性があるかもしれない。
「変異種は、少ないACE2受容体からでも感染に十分なほどの細胞侵入ができるのかもしれません。ACE2受容体以外の経路から侵入できる能力を持っている可能性もある。さらに、ウイルスの増殖を抑えるインターフェロンの産出を抑える働きがあるかもしれない。いずれも今後の研究の結果を待たなければなりませんが、これまで子供は軽症だったから今後も大丈夫という保証はありません。今すぐ休校すべきとは思いませんが、子供に感染が広がり、学校が感染源になれば大変なことになる。子供の感染者の変化をより注視すべきでしょう」
ノルウェー、ワクチン接種高齢者23人の死亡例を調査
CNN.co.jp 2021年1月19日(火)10時08分配信
ノルウェーで身体機能の低下した高齢者23人が、米ファイザー製の新型コロナウイルスワクチンを接種した後で死亡したとの報告を受け、専門家らが副作用との関係を調べている。
同ワクチンの副作用としては、まれに軽い発熱や吐き気などが起きることが分かっている。体力の衰えた患者にとっては、こうした症状が命取りになる可能性も指摘される。
同国の公衆保健研究所(FHI)は死亡例の報告を受け、高齢で身体機能が低下した患者や終末期患者に対するワクチン投与の指針を改訂。医師が一人ひとりの患者について、投与のメリットが発生し得る副作用のリスクを上回るかどうかを判断することとした。
ノルウェーでは14日までに、4万2000人が第1回の接種を済ませた。ほかの多くの国と同様、新型ウイルス感染の重症化リスクが特に高いグループとして、基礎疾患のある高齢者や介護施設の入居者が優先されている。
ノルウェー医薬品局(NOMA)は声明で、対象グループの性質上、死亡がワクチン接種の時期と重なる例も想定されると指摘。国内の介護施設や長期療養施設では週に平均400人が死亡すると説明している。
専門家らの間でも、今のところワクチン接種と死亡の因果関係を示す証拠はなく、患者が接種直後に偶然死亡することもあり得るとの見方が強い。米国立アレルギー感染症研究所のファウチ所長は、介護施設の入居者のうち、ワクチン接種を受けていないグループの死亡率を調べることが先決だと強調した。
FHIとNOMAは15日、これまでに死者23人のうち13人のケースを調査したと発表。ファイザーはNOMAと協力し、あらゆる関連情報の収集に努めていると述べた。
新型コロナ変異種、初の経路不明例 市中感染か‐厚労省
時事通信 2021年1月18日(月)19時51分配信
厚生労働省は18日、新型コロナウイルスに感染した静岡県内の20~60代の男女3人から、英国で流行しているのと同じ型の変異種が検出されたと発表した。
3人は英国に滞在歴がなく、うち2人は感染経路が分かっていない。経路不明の感染者が確認されたのは初めてで、日常生活を送る中でうつる「市中感染」の疑いがあるという。
厚労省によると、3人のうち20代女性と60代男性が1月上旬に発症。残る1人は40代女性で、20代女性の濃厚接触者という。3人とも自宅療養中で、不特定多数との接触はない。
厚労省は18日、昨年12月31日に英国から入国した東京都の20代男性の変異種感染も新たに確認されたと発表。国内では17日までに、空港検疫で陽性が判明したケースやその濃厚接触者ら計41人の変異種感染が明らかになったが、いずれも感染経路は特定できていた。
菅首相施政方針演説「東京五輪はコロナに勝った証に」
毎日新聞 2021年1月18日(月)14時49分配信
第204通常国会が18日召集された。菅義偉首相は同日午後の衆参両院本会議で施政方針演説に臨んだ。新型コロナウイルス対策に重点を置き、「一日も早く収束させる。この闘いの最前線に立ち、難局を乗り越えていく決意だ」と表明した。
新型インフルエンザ等対策特別措置法改正案について「罰則や支援に関して規定し、飲食店の時間短縮の実効性を高める。早期に国会に提出する」と述べた。
新型コロナ対策では国民に「再び制約のある生活をお願いせざるを得ず、大変申し訳なく思う」と陳謝。緊急事態宣言を発令したことに言及し、「ステージ4(感染爆発)を早急に脱却する」と訴えた。
ワクチンは「できる限り、2月下旬までには接種を開始できるよう準備する」とし、医療体制の確保も「強力に進めていく」と述べた。無利子・無担保融資の限度額を4000万円から6000万円に引き上げるなどの経済対策も説明した。
夏の東京オリンピック・パラリンピックは「人類が新型コロナに打ち勝った証し」として「世界中に希望と勇気をお届けできる大会を実現するとの決意の下、準備を進める」と語った。発生から10年を迎える東日本大震災からの復興は「福島の本格的な復興・再生、東北復興の総仕上げに全力を尽くす」と決意を語った。
「グリーン」と「デジタル」を「次の成長の原動力」に位置付けた。2050年までの温室効果ガス排出量の実質ゼロに向け、「35年までに新車販売で電動車100%を実現する」と表明。二酸化炭素(CO2)排出量に応じて企業や消費者に経済的な負担を求める「カーボンプライシング」(炭素の価格付け)にも取り組むと述べた。
9月に創設するデジタル庁は「改革の象徴であり、国全体のデジタル化を主導する」と説明した。
外交では、20日に就任するバイデン次期米大統領と「早い時期に会い、日米の結束をさらに強固にする」と強調。徴用工問題などで冷え込む日韓関係は「非常に厳しい状況にある。適切な対応を強く求めていく」と述べた。
安倍晋三前首相の後援会が主催した「桜を見る会」前夜祭の費用補塡(ほてん)問題を巡り、「先の国会での私の答弁の中に、事実と異なるものがあったことについて、大変申し訳なく、改めておわび申し上げる」と陳謝した。
憲法に関しては、国会の憲法審査会での議論に期待を示した。皇位の安定的な継承を巡る課題には「(国会の)付帯決議の趣旨を尊重し、対応していく」と述べた。
◇ 施政方針演説の骨子
・新型コロナウイルス感染症を収束させ、11都府県の緊急事態宣言から早急に脱却する
・2月下旬までにはワクチン接種を開始できるよう準備する
・2035年までに新車販売で電動車100%を実現する
・デジタル庁創設で国全体のデジタル化を主導する
・バイデン次期米大統領と早期に会い、日米の結束を強固にする
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