« 2021年1月 | トップページ | 2021年3月 »

2021年2月

2021年2月28日 (日)

【耳学】「自分以外の名義」銀行口座は“税務調査”の対象になる!?

 税務調査官の呟き子育て大変ですよね。」に返事をしたら… 

幻冬舎 GOLD ONLINE 2021年2月28日(日)15時01分配信/小池誠一郎(税理士)

「両親のため」「子どものため」…家族の身を案じて貯蓄しているそのお金。名義は誰になっていますか? 親族をはじめとした「自分以外の名義」の口座にお金を預けていると「名義預金」とみなされ、税務調査の対象になってしまうことをご存じでしょうか。

そういえば、お子さん名義の預貯金がありますよね

 税務当局は、名義預金の存在に非常に過敏になっており、税務調査の重点チェック項目となっています。

 税務調査については、そのイメージをよくつかめないという人が多いでしょうから、その概要について簡単に説明しておきましょう。

 税務調査には、任意調査と強制調査(いわゆる査察です。映画『マルサの女』で有名になりました)がありますが、非常に悪質なケースを除いて、ほとんどの調査は任意調査です。つまり、調査対象となる人の同意のもとに行われます。

 しかし、任意調査とはいっても、税務署員は質問検査権という国家権力に基づいて調査をするわけですから、実質的には強制捜査に近いといえます。

 税務調査の連絡が入ると、大体1~2週間先の日取りで調査の日程を取り決めます。日数は会社、個人の規模にもよりますが、通常は1~2日間です。調査は税務署の調査部門の人が調査官となって1~2名で訪れます。

 帳簿等の資料について調査が行われるのは午後からで、午前中はヒアリングが中心になります。その時に、いろいろと相続に関する事情や家族関係などについて尋ねてきます。

 たとえば、調査時に調査官がヒアリングを行う時などには、相続人である配偶者に対して世間話や子育ての苦労話をしながら、それとなく「そういえば、お子さん名義の預貯金がありますよね」などと誘い水を向けてきたりします。

 名義預金に関しては、名義人本人が自由に処分できる状況にあるのかなど、贈与の成否を認定する上で、税務署の側にも微妙な判断を求められるところがあります。そこで税務調査の際に、相手の発言や態度などを通じて、調査官も名義預金と確信できるだけの心証を得ようと努めるわけです。

いずれにせよ、税務調査の俎上に載せられてしまうと、名義預金か否かは、後は税務署側の解釈次第ということになります。

相続税が安くなる目先の節税に注力しすぎた末路

そのような状況を避けるためには、「名義預金と疑われるような贈与は、はじめからしない」という心構えが求められることになるでしょう。ことに家族間の贈与は、なあなあの形で深い考えもなしに行われがちなので、最新の注意が必要になります。

「贈与すれば相続税が安くなる」というその「効果」だけに目を奪われるのではなく、贈与が成立するためには何が必要なのかという「要件」にもしっかりと目を向けることを忘れないでください。

事実をねじ曲げることは禁物

 そもそも、贈与について正確な知識を持っていれば、名義預金の過ちを犯すことはありません。しかし、多くの人は贈与のごく基本的な知識を「知らない」ために、本来であれば支払う必要のなかった相続税をとられ、そのうえ過少申告加算税のペナルティーまで課されるはめに陥っています。

 節税というと、支払う税金を安くする特別なノウハウばかりにが注目を集めがちですが、より大事なのは、むしろそのような知識不足によるつまらない失敗をせず、余計な税金を支払わないようにすることなのです。

 また、相続税対策において、一番大切となるのは「事実」です。事実が存在してさえいれば、税務署に対抗することができます。名義預金だと疑われないだけの「事実」があれば、税務調査とて全くおそれる必要はありません。

 名義預金について相談してくる方の中には、時折、「事実をねじ曲げてでもいいから、何とかならないか」と訴えてくるような人もいます。

 しかし、税務申告において、事実を隠したり歪曲したりするようなまねは絶対に許されません。事実を後で変えることはできません。だからこそ、相続が発生するまでの間に、十分な「事実」を準備しておくことを心がけてください。

預貯金の申告漏れには要注意

 なお、名義預金に限らず、預貯金に関しては納税者の側に初歩的な申告ミスが多く見られます。ことによくあるのは、親の亡くなる間際に銀行から多額の金銭を引き出しておきながら、その申告が漏れているような過ちです。

1000万円ありましたよね?蓋を開いてみればなんと…

 たとえば、亡くなった親の口座に1000万円もの残高があり、そのうち900万円を引き出してながら、相続税の申告書には預貯金の額が100万円しか記載されていないケースです。どう考えても税務署がこれを見過ごすはずはないと思うのですが、いまだにこのような申告をする人がいるのです。

 実際、税務調査の統計によれば、当初申告されていた所得と税務調査の結果判明した所得との金額の差が最も大きいのは預貯金となっています。ですので、預貯金の申告漏れにはくれぐれもお気をつけください。

税務調査の注意点について

 先ほど税務調査の概略を簡単に説明しました。そこでは十分にとりあげられなかった税務調査に関する一般的な注意点についても念のため触れておきましょう。

 税務調査は申告納税制度に立脚しており、その実効性を高める意味で国にとってはなくてはならない制度といえますが、来られる側、つまり納税者にとっては、最低でも3年間、最長では7年間も前の取引等をほじくり返されることになるのですから、たまったものではありません。

 この変化の激しい世の中にあって、明日をも知れない状況の中、何年も前に行った取引についてその是非を問われても、すでに記憶のかなたにあるような場合がほとんどでしょう。

 不正、不適切な処理を申告直後に指摘されては、直ちに訂正できるでしょうし、また税金も何とか納付できます。

 しかし、数年先になって指摘されても何のことだか忘れてしまったり、また、申告当時なら払えた税金も、税務調査時には支払えなくなっているようなことも現実に多々あります。したがって、申告納税制度を採用する以上は仕方がないかもしれませんが、税務調査は、納税者にとってはつらい制度といえます。

 特に合法であるか非合法であるかが不鮮明な、いわゆるグレーゾーンの取引(名義預金もその一つといえるでしょう)に関わる税務処理などは、数年先でないとその是非が分からないとすれば、誰だって自分有利に考えようとするものです。

税務調査乗り切ればいいや安易な考えが地獄を生む

 つまり、今の時点では良いか悪いかはっきりしないのであれば、当面自分にとって有利な処理をしたがるのが人間の心理です。

 そしてその結果、数年先の税務調査により、申告漏れ等を指摘され、税金の追徴を受け、大きなショックを受けることになるわけです。

 しかも、税金を追徴されれば、当初に支払うべきであった税金そのもの、つまり本税以外に過少申告加算税や延滞税といったいわゆる付帯税も加算されることになるので、当初からきちんと適正申告をしていた場合の税額よりも付帯税の分だけ多くなってしまいます。

 そのような事態を避けたいのであれば、やはり、「税務調査で指摘を受けなければよいだろう」と安易に考えるのではなく、グレーゾーンについても気を引き締めて慎重な税務処理を心がけることが大事になるでしょう。

 税務調査官何故お金ないんですか包み隠さず話しておけば… 

幻冬舎 GOLD ONLINE 2021年2月25日(木)9時01分配信/土田 士朗(税理士)

 家族の死後に慌てても、時すでに遅し。相続対策に求められるのは何よりも「早め早めの準備」です。

 話しづらいことも含めて本当のことを必ず伝える

 専門家を探す場合、相続税に関しては、やはり、税理士にサポートを依頼することになると思います。税理士をサポート役として使う際に、知っておくと、よりスムーズかつ効率的に節税対策を行えるポイントがいくつかありますので、ご紹介しておきましょう。

 まず、大原則として、相続税の申告に関して必要となる情報においては、他人にはあまり知られたくないと思っていること、話しづらいことも含めて、「本当のこと」をすべて税理士に伝えるようにしてください。

 ことスポット(単発)で依頼するような場合には、税理士は、ふだんから付き合いのある顧問先の相談を受けるような場合とは違い、依頼人の状況について全く何も把握していません。

 相続税対策を万全な形で行うには、依頼人の資産状況から家族構成、被相続人と相続人の関係など様々な事情を十分に理解しておく必要があります。どれだけの財産があるのか、依頼人にどのような事情があるのかによって、選択できる対策手段は大きく異なってくるからです。

税務調査官「なんでそんなにお金が少ないんですか?

包み隠さず話しておけば税務調査への対応もスムーズになる

 また、依頼人から、第三者には隠しておきたいと思うようなことでもしっかりと伝えておいてもらうことは、税務調査への対策を考えるうえでも非常に重要となります。

 たとえば、マンションやアパートを経営しており相当の不動産収入を得ているはずなのに、どういうわけかほとんど預貯金がないという人がいます。

 このような状態で、仮にその人が亡くなった後、相続人が、「預貯金は500万円しかない」などと申告すれば、まず間違いなく、なぜそんなに少ないのかと税務署から怪しまれることになります。いったん怪しいと思われたら、徹底的にすべてを疑われる、つまりは痛くもない腹を探られることになりかねません。

「お金の管理がしっかりとできていない=まともなわけがない=脱税をしているのでは?」というのが税務署的なものの考え方なのです。

 あらぬ疑いをかけられたくないのであれば、なぜ預貯金がほとんどないのか、その理由を明らかにする必要があります。

 もしかしたら、父親がひそかに交際していた女性に後先考えずにお金を渡していたために、手元からなくなってしまったのかもしれません(実際にあった話です。相続人である息子さんは、父親が女性に渡していたお金の額をしっかりと記録していました)。

 そのような事情があるのであれば、税務調査の際などに税理士が調査官に説明する、もしくは書類添付の添付書面に書き添えることで、脱税の疑いを避けることが可能となります。

 しかし、「恥ずかしいから隠しておきたい」とかたくなに”真実“を隠し通されてしまっていては、税理士としては何の手の打ちようがなくなるのです。

厄介すぎる…相続人の計画を妨げる意外な正体

相続が起きる前に税理士に相談すれば解決の選択肢も広がる

 ことにスポット的内依頼の場合にありがちなことですが、相続が発生した後になって、相続税対策を依頼してくる人がいます。

 しかし、具体的な相続対策のほとんどは、事前にできるものが中心であり、事後にできることは土地の評価額を下げる程度に限られます。そうしたことを考えると、やはり相続が始まる前に、ご相談をいただく方が、ベストの対策プランを組めることは否めません。

 しかも、対策を始めるのは早ければ早いほどよいでしょう。万が一、家長が認知症などを患い成年被後見人としての扱いを受けることになってしまったら、とりうる対策の選択肢が非常に限られることになります。

 たとえば、家長が成年被後見人でありその子どもが後見人となっている場合、相続対策として、不動産の有効活用を図ろうとするならば、さらに成年後見監督人が指名されることがあります。

 成年後見監督人には、家族以外の第三者、具体的には司法書士や弁護士等の専門家がつくのが一般的です。そして、子どもが、父親の不動産について有効活用を進めるうえで必要となる、不動産業者との契約などもろもろの法律行為をするためには、成年後見監督人の同意が必要とされています。子どもが、親の財産を不当に浪費したり、その財産価値を毀損したりするのを防ぐためです。

 この成年後見監督人からの同意を得ることが、実は、非常に厄介なのです。成年後見監督人は、基本的に、成年被後見人の資産の現状が大きく変わることに対して消極的です。

 たとえば、息子が、父親の所有する遊休土地に、父親名義で銀行から借り入れをして、収益物件を建てることを計画したとします。

 しかし、父親がすでに別にアパートを持っているような場合には、「現状で安定した賃料収入が得られているのですから、今のままでいいじゃないですか。何も、銀行からお金を借りてまで、これ以上、収益を上げようとしなくてもいいでしょう」などと言って、同意してくれない可能性が高いでしょう。

 そもそも、相続対策をしたからといって、成年被後見人自身にとっては何の利益にもなりません。

 成年被後見人を保護すべき立場にある成年後見監督人からすれば、そんな意味のないことのために、成年被後見人の財産を使ったり、あるいは借金を負わせるようなことを、「なぜ認めなければならないのだ」となるのも無理はないでしょう。

息子ファミレス建てたい母親を納得させた手段は…

成年後見監督人を動かすためにはテクニックが必要となる

 そのため、是が非でも、成年後見監督人の同意を得たいのであれば、成年被後見人にはできるだけリスクを負わせないような形で、不動産の有効活用を図る必要があります。

 そのような観点から例を一つ紹介しましょう。そのケースでは、亡くなった夫の土地等を息子とともに相続した妻が、成年被後見人になっていました。

 依頼人である息子は相続した土地の上にファミリーレストランの店舗を建てて有効利用することを望んでいたので、その店舗の建設費用等は母親に一切負担させない仕組みを考案しました。

 具体的には、まず、土地が二人の共有状態となって土地を分割し共有していたのを解消しました。そして、ファミリーレストランの店舗が建つところが息子のものに、また駐車場となるところが母親のものになるように分けました。

 そして、店舗、駐車場それぞれの土地について、息子と母親が別々に賃貸借契約を結べるような形に整えていきました(賃貸収入として、息子には100万円、駐車場収入として母親には50万円が入る計算でした)。

 この例のように、成年被後見人にとっては経済的な負担がなく、収入が増えるだけの仕組みを作り上げることができれば、成年後見監督人の同意を得られる可能性が高まるはずです。

 税務署さない露骨な相続税対策とは?

ダイヤモンドオンライン 2021年2月20日(土)6時01分配信/橘慶太(税理士)

 コロナ禍では、お金を増やすより、守る意識のほうが大切です。

 相続税は、1人につき1回しか発生しない税金ですが、その額は極めて大きく、無視できません。家族間のトラブルも年々増えており、相続争いの8割近くが遺産5000万円以下の「普通の家庭」で起きています。

 本連載は、相続にまつわる法律や税金の基礎知識から、相続争いの裁判例や税務調査の勘所を学ぶものです。著者は、日本一の相続専門YouTuBer税理士の橘慶太氏。チャンネル登録者数は4.8万人を超え、「相続」カテゴリーでは、日本一を誇ります。また、税理士法人の代表でもあり、相続の相談実績は5000人を超えます。初の単著『ぶっちゃけ相続 日本一の相続専門YouTuBer税理士がお金のソン・トクをとことん教えます!』も出版し(12月2日刊行)、遺言書、相続税、不動産、税務調査、各種手続きという観点から、相続のリアルをあますところなく伝えています。

ルール通りにやったのに、追徴課税!?

 国税庁が公表するルールブック(財産評価基本通達)に従って申告をしても、「あまりにも露骨な相続税対策」と認定されると、追徴課税される可能性があります。

 2019年8月27日、東京地裁より「相続開始の直前に購入した不動産は、明らかに相続税を少なくすることを目的としたものであり、このような不動産を路線価方式や、固定資産税評価により評価することは、他の納税者との間に非常に大きな不公平が生ずるため、不動産鑑定士が評価した金額で相続税を再計算し、相続税を追加で3億円納税しなさい」という衝撃的な判決がでました。

 「納税者は、国が公表しているルールブック通りに相続税を計算していたのに、そのルールを国が自ら否定するとは何事か!」と、実務家の中でも物議を醸しました。

 しかし私は、このケースでは、あまりにも露骨な相続税対策と言われても仕方ない部分があると思っています。

 国が定めているルールブックには、「【財産評価基本通達第6項】この通達の定めによって評価することが著しく不適当と認められる財産の価額は、国税庁長官の指示を受けて評価する」という規定があります。

 今回のケースでも第6項が適用されたので、広い意味ではルールの範囲内であるとも言えます。東京地裁判決で、なぜルールブックの評価が否定されたのかについて解説します。時系列は次の通りです。

(1) 銀行へ相続税対策の相談(2008年5月)
(2) 孫を養子縁組(2008年8月)
(3) 不動産Aを8.3億円で購入(2009年1月)※借入6.3億円
(4) 不動産Bを5.5億円で購入(2009年12月)※借入4.3億円
(5) 相続発生(2012年6月)※不動産A評価額2億円、不動産B評価額1.3億円で申告(相続税0円)
(6) 遺産分割協議成立(2012年10月)
(7) 不動産Bを5.1億円で売却(2013年3月)

 論点を詳しく見ていきましょう。

 不動産Aは8.3億円で買ったものが、相続税評価額は2億円。不動産Bは5.5億円で買ったものが、相続税評価額は1.3億円。購入した金額と比べると、評価額は約4分の1まで減少しています。

 この購入額(時価)と評価額の差により、相続税は0円。当然、国税も黙っておらず、東京地裁においては国税側が勝利しています(今後の上級審はどうなるかわかりません)。

 この判決のポイントは、大きく3つ挙げられます。

税務署の逆鱗に触れた3つのポイント

 1つ目は、銀行に相続税対策の相談をした直後に孫と養子縁組をし、不動産を購入した点です。

 アドバイスの内容や時期を鑑みると、相続税を減らすための購入であることは明白でした。驚くべきことに、国税庁は「銀行がどのようなアドバイスをしたのか」も正確に把握していました。国税庁の調査能力のすさまじさがうかがえますね。

 2つ目は、銀行が不動産購入資金の貸し付けを行った際、社内の稟議書に相続税対策目的の不動産購入と書かれていた点です。

 税務調査では、こうした銀行の内部資料までもがチェックされます。これで、不動産を購入する目的が相続税対策であることが裏付けられたのです。

 3つ目は、相続が開始してから、わずか9ヵ月後に不動産を売却した点です。相続開始の3年前に購入し、相続開始後9ヵ月で売却しているという一連の流れを見ると、明らかに相続税を減らすことを目的とした取引に見えます。

 この3点を総合的に見て、不動産購入の主たる目的は相続税対策であると判断されたのです。

 判決文の象徴的な一文をご紹介します。

 「相続税の負担を免れる目的以外に他の合理的な目的が併存していたとしても、実質的な租税負担の公平を著しく害することに変わりなく」

 (1)不動産購入の主たる目的が相続税対策であり、(2)節税の効果があまりにも大きく、相続税対策をした人と、しなかった人との間で著しい不公平が生じていた。

 この2点が今回の判決のポイントになっています。

 今後も、たとえルールブックに従って相続税を計算したとしても、あまりにも大きな節税効果が生じるものについては、国税から否認されるかもしれません。

 

2021年2月27日 (土)

【懸賞50万㌦】“盗まれた”レディーガガさん(34)の飼い犬2頭✍無事保護。

ガガさんの愛犬2匹無事保護 女が警察に届ける

共同通信 2021年2月27日(土)13時06分配信

 米ロサンゼルス・ハリウッドで、人気歌手レディー・ガガさん(34)の飼い犬を散歩させていた男性が撃たれた事件で、奪われたフレンチブルドッグ2匹が26日、無事保護された。女性が警察署に届けたという。米メディアが伝えた。

Photo_20210228084301

 女性は事件と無関係とみられるが、どのようにして犬が女性の手に渡ったかは分かっていない。ガガさんは仕事で国外におり、警察署に駆け付けた関係者がガガさんの飼い犬と確認したという。

 男性を銃撃した容疑者は現場から車で逃走しており、ガガさんは50万ドル(約5300万円)の懸賞金を提示して飼い犬の行方を捜していた。

 レディーガガさんの飼い犬2匹を無事に保護 

毎日新聞 2021年2月27日(土)13時32分配信

 米人気歌手のレディー・ガガさん(34)の愛犬2匹が24日夜に連れ去られた事件で、2匹は26日夕、無事に保護された。

 AP通信が報じた。事件とは無関係の女性がロサンゼルス市内の警察署に連れてきたという。2匹が女性の手に渡った経緯は不明。

 APによると、女性は26日午後6時ごろに警察署を訪れ、ガガさんの関係者らが連れ去られたフレンチブルドッグ2匹であることを確認した。2匹を散歩させていた際に銃撃された男性は命に別条はないとみられるという。

 イタリアに滞在中のガガさんは26日、事件後初めてツイッターとインスタグラムに2匹の写真と「心を痛めている。家族がまた一緒になれることを祈っている」とのメッセージを投稿。2匹を無事に返してくれれば50万ドル(約5300万円)を支払うと改めて表明していた。

 事件は24日夜、米西部カリフォルニア州ハリウッドの路上で起きた。ガガさんの愛犬3匹の散歩を代行していた男性が、近づいてきた乗用車から降りた2人組の男に銃撃され、2匹が乗用車に乗せられ連れ去られた。

 ガガさんの愛犬連れ去られる 散歩代行者を銃撃 懸賞金50万㌦ 

毎日新聞 2021年2月26日(金)9時32分配信

 米西部カリフォルニア州ハリウッドで24日夜、人気歌手レディー・ガガさん(34)の愛犬3匹の散歩を代行していた男性が銃撃され、うち2匹が連れ去られた。ロサンゼルス・タイムズ紙(電子版)などが報じた。男性は病院に搬送され、意識はある模様。ガガさんは2匹の行方に関する有力情報に50万ドル(約5300万円)の懸賞金を支払う意向を示しているという。

Photo_20210228085001

 同紙などによると、24日午後9時40分ごろ、フレンチブルドッグ3匹を散歩させていた男性が男に半自動小銃で撃たれ、3匹のうち「コージ」と「グスタフ」のオス2匹がさらわれた。残る1匹は無事で、ガガさんのボディーガードに引き取られた。

 一部メディアが報じた現場付近の防犯カメラの映像には、歩道を歩く男性に白い乗用車が近づき、降りてきた2人組ともみ合いになる様子が映っていた。男性は2人組のうち1人に撃たれて倒れ、2人組は2匹を車に乗せて逃走した。

 ロサンゼルス市警が男らの行方を追っているが、男らがガガさんの飼い犬と知ったうえで狙ったのかは不明という。ガガさんは映画の仕事でイタリアに滞在中で、男性は3匹を預かっていたとみられる。

 ガガさんの愛犬2頭が強盗被害 世話役男性撃たれ重体 

デイリー 2021年2月27日(土)12時00分配信

 レディー・ガガの愛犬2匹が強盗被害に遭った。ドッグウォーカーのライアン・フィッシャーさん(30)が24日、ガガのフレンチブルドッグ3匹を散歩させていたところ、2人の男に胸を4発銃で撃たれ、コージとグスタヴという名の2匹が盗まれたという。

 犯人は2匹を連れて車で逃走、警察が現場に駆けつけた際、呼吸がかなり弱くなっていたというフィッシャーさんは病院へと緊急搬送され、重体だと言われている。

Photo_20210228084801Photo_20210228085401

 残りの1匹ミス・エイジアは逃げて無事だったそうで、警察により保護され、ガガのボディガードへと引き渡されたという。

 現在ガガは、リドリー・スコット監督による新作映画「グッチ」の撮影でイタリアに滞在中のため、フィッシャーさんに愛犬を預けていた。

 これを受け、ガガは愛犬の情報を求めて懸賞金50万ドル(約5300万円)を提示している。広報担当によれば、ガガは愛犬を取り戻したいだけであり、犬を返した人に対し詳細を一切尋ねるつもりはないという。

 ガガの愛犬であるということでターゲットにされたかについては現在分かっていないものの、フレンチブルドッグは通常、1500ドル(約16万円)から3000ドル(約32万円)で取引されているが、人気種は1万ドル(約110万円)ほどの値が付くこともあるという。

◇ ◇ ◇

 テレビプロデューサーのデーブ・スペクターさんが26日、読売テレビの情報番組「情報ライブ ミヤネ屋」に出演。米歌手レディー・ガガ(34)の愛犬が連れ去られた事件について、防犯カメラで車種が特定でき、チップも埋め込まれていると解説した。

 報道によるとガガのフレンチブルドック2匹は24日、車で連れ去られ、散歩係の男性が銃撃された。男性は回復に向かっている。映画の仕事でイタリアに滞在しているガガは、2匹の返還を求めて50万ドル(約5300万円)を提示しているという。

 スペクターさんは「犯人を捜してほしいという気持ちは当然ある」とガガを代弁し、「散歩の男性の近所の人が防犯カメラの映像を出したので、車種が特定できた。どんどん情報が集まると思います」と見通しを述べた。

 治安について、現場はガガの自宅周辺ではなく、「散歩する人の家(の近く)。それほど治安がいいところではなく普通のところ。米国ではデータ入りマイクロチップをペットの体に入れる(ことが多い)。買った人が獣医師に連れて行くと盗まれた犬とすぐに分かる」と転売が不発に終わる可能性も示した。

 フレンチブルの人気は高く、ロサンゼルスではほかにも盗まれているという。「(ガガの愛犬)3匹のうち、保護された黒い『エイジャ』は、広告に一緒に出る仕事仲間。(ガガの犬と)見て分かるぐらい。(連れ去られた)2匹はそこまで知られていない。知らないで買ってしまう可能性もある」と話した。

 レディーガガの誘拐された愛犬2匹無事に保護 

MOVIE WALKKER 2021年2月27日(土)21時30分配信

 レディー・ガガの愛犬3匹のうち、2匹が何者かに誘拐され、傷心のガガが、50万ドル(約5300万円)の懸賞金をかけて捜索願を出した。

Photo_20210228085201

 欧米では、散歩ができない飼い主に代わって犬を散歩させる、ドッグウォーカーという職業がある。現在ガガは、グッチ一族の争いを描いたリドリー・スコット監督最新作『Gucci』の撮影のためイタリアに滞在中で、愛犬を預けていたそう。

「TMZ」などによれば、ドッグウォーカーのライアン・フィッシャー(30)が、夜10時ごろにロサンゼルスの自宅近くで、ガガの愛犬でフレンチブルドッグのコージ、グスタフ、アジアの3匹を連れて散歩していたところ、待ち伏せていた2人組の男に襲われたという。通報を受けた警察が駆け付けたところ、胸を4発撃たれており、フィッシャーは病院に搬送された。重傷だったが回復に向かっているという。

 誘拐されたのはコージとグスタフで、通報を受けた警察が、逃げたアジアを無事保護。

Photo_20210228085701

 3匹はしばしばガガのInstagramに登場しているが、アジアは2015年にミス・アジア・キニーとしてコーチの広告塔を務め、ノーブルな装いが話題を集めた。

 犯人がガガの愛犬とわかってフィッシャーを襲ったのかは明らかになっていないが、フレンチブルドッグは人気があり、1500ドルから3000ドル(約16万円から32万円)、高ければ1万ドル(約106万円)の値が付くことから売買目的と考えられる。犯人は捕まっていないが、ロサンゼルス警察の話では、「2人組の黒人男性が、2匹の犬を誘拐した後、白い車で走り去った可能性がある」として捜査を進めているという。

 既にアジアはガガのボディガードの元に戻っていたが、ガガは50万ドル(約5300万円)の懸賞金を提示。「2匹を無事に戻してくれれば、何も問わない」としていたが、誘拐された2匹はその後、無事に保護されたことが報じられた。

Photo_20210228084501

デイリー 2021年2月28日(日)5時59分配信

 米・ロサンゼルス市警察は26日(現地時間)、歌手のレディー・ガガの飼い犬を散歩させていた男性がハリウッドで銃撃され、フレンチブルドッグ2匹が奪われた事件で、犬たちが無事に発見されたと発表した。

 ガガは同日午後、ツイッターに私の愛するコージとグスタフが2日前にハリウッドで連れ去られたと、2匹の写真を添えて投稿。心が痛む親切な行動により家族が元通りに戻れるよう祈っています2匹を無事に戻してくれれば50万ドル約5300万円を支払いますもし知らないうちに購入、あるいは発見した場合でも報酬は同じですと続け、メールアドレスを記して協力を呼びかけていた。

 2匹は現場から数キロ離れた警察署に女性が届けたという。警察は、女性は事件に関与していないとの見方を示した。2匹が女性の手に渡った経緯は不明。ガガは仕事で国外におり、関係者がガガの飼い犬と確認した。

 事件は24日夜に発生。容疑者は男の2人組とみられ、3匹の犬を散歩させていた男性に銃を突きつけ、犬を引き渡すよう要求した。男性は抵抗したが、容疑者は男性を一発撃った後、3匹のうち2匹を奪い車で逃走した。

 男性の容体は安定し命に別条はないという。ガガは事件発生後のツイートで、愛犬を散歩させていた男性の名前を挙げ「私はあなたを愛し続けています。あなたは私たちの家族を守るため命を危険にさらしました。あなたは永遠にヒーローです」と感謝をつづった。

 レディーガガ愛犬届けた女性に懸賞金支払う意向 

日刊スポーツ 2021年2月28日(日)13時51分配信

 米歌手レディー・ガガ(34)が、散歩中に連れ去られた愛犬2匹が無事に保護されたことを受け、警察署に届けた女性に50万ドル(約5250万円)の懸賞金を支払うつもりだと報じられた。

 ハリウッドでガガのフレンチブルドッグ3匹を散歩させていた散歩代行業の男性が26日夜、何者かに銃で撃たれ、逃げだした1匹を除く2匹が盗まれた。ガガは2匹が無事に返却されれば50万ドルを支払う用意があると発表していた。

 警察によると女性は強盗には無関係だという。複数犯と見られる犯人はいぜん捕まっておらず、女性が発見した経緯も不明。

 闘鶏られてチンポ重傷失血死インド 

AFPBB News 2021年2月28日(日)18時17分配信

 インド南部テランガナ(Telangana)州で、違法闘鶏の鶏の脚に装着された刃物で飼い主の男性が鼠径(そけい)部に重傷を負い、失血死していたことが分かった。警察は闘鶏の運営関係者の行方を追っている。警察が27日、明らかにした。

 刃物は闘鶏の試合のためのもの(Tare)で、鶏が逃げようとした際に男性がけがをした。

Photo_20210301074901Photo_20210301075301

 現地警察がAFPに明らかにしたところによると、男性は同州カリムナガル(Karimnagar)県の病院に搬送されたが、到着する前に死亡した。

 死亡した男性は、村で闘鶏を運営していた16人の一人。警察は、過失致死、違法賭博、闘鶏運営の容疑で、残る15人の行方を追っている。

 鶏は現地の警察署で一時的に保護され、その後、養鶏場に送られた。

 インドで闘鶏は禁止されているが、テランガナ州、アンドラプラデシュ(Andhra Pradesh)州、カルナタカ(Karnataka)州、オディシャ(Odisha)州などで、特にヒンズー教の祭りサンクランティ(Sankranti)の時期に現在も行われている。

Photo_20210301075501Photo_20210301075701

 闘鶏では、専用に飼育された鶏の脚に長さ7.5センチの刃物を縛りつけて対戦させ、観客はこの恐ろしい勝負の勝者を予想して金銭を賭ける動物保護団体の努力にもかかわらず、多くの客が闘鶏を観戦し、毎年、数千羽の鶏が対戦で命を落としている。

インド男性闘鶏に連れてゆく途中、飼い鶏われ死亡

CNN.co.jp 2020年1月23日(木)14時00分配信

 インド南部の村に住む50歳の男性がこのほど、自ら飼育する闘鶏用のニワトリに襲われて死亡した。ニワトリを連れて闘鶏の試合会場に向かう途中だったという。

Photo_20210301074701

 男性が死亡したのは今月15日。警察の担当者がCNNに明らかにしたところによると、もみ合いになる中でニワトリの爪に結んだ刃物(タレ)が男性の首に突き刺さった。男性は病院に運ばれたが、脳卒中で死亡した。

Photo_20210301074401

 南部アンドラプラデシュ州の村に住むこの男性は、地元で開かれる闘鶏の試合の常連だった。試合に向かう途中で、出場させる予定だったニワトリが逃げ出そうとしたとみられる。

 インドでは1960年以降、闘鶏が禁じられているしかし同国の動物愛護団体の理事によると現在も試合は開催されており、明らかな違法行為であるにもかかわらず当局は黙認しているのが実情だ。試合は娯楽目的にとどまらず、巨額の金が動く賭博の対象にもなっているという。

 同理事は当該の村の闘鶏について、逮捕者は1人も出ていないと指摘する。

Photo_20210301080001

ゾウに鼻で叩かれて飼育員死亡スペインの動物園

AFPBB News 2021年2月26日(金)16時03分配信

 スペイン北部サンタンデル(Santander)近郊の動物園で24日朝、男性飼育員(44)が体重約4トンの雌ゾウに鼻でたたかれ、おりの柵に頭をぶつけ死亡した。園と地元当局が25日、明らかにした。

 カバルセノ自然公園(Cabarceno Natural Park)の発表によると、男性は病院へ緊急搬送されたが、3時間後に傷が原因で死亡した。

 事故当時、複数の職員が日課のゾウ舎の清掃をしており、ゾウは子どもと一緒に中にいたという。

 カンタブリア(Cantabria)州の観光相は「一撃の威力は非常に強く、とても助からなかった」と述べた。

 警察が捜査を開始した他、動物園も調査を進めている。同園の31年の歴史で、こうした事故が起こるのは初めて。

Photo_20210301080801

関連エントリ 2019/09/19 ⇒ 【特別読み物】<うつ病>との闘いを告白したセレブ達の話。
関連エントリ 2018/12/28 ⇒ 【習的中國】プロパガンダより✍「ハリウッド映画」に資金提供

 誘拐犯は「ガガの愛犬らずにんでって解放した

東スポWeb 2021年3月1日(月)11時30分配信

 米歌手レディー・ガガの愛犬が戻ってきた。愛犬3匹を散歩させていた散歩代行業の男性が何者かに銃撃され、うち2匹が盗まれた事件で、2匹は26日(日本時間27日)にロサンゼルス市警に保護された。現場から数キロ離れた路地のポールに縛られていたのを、女性が見つけ、警察に届けたという。女性は事件の報道を見ており、愛犬のことを知っていた。警察によると、女性は事件に関与していないという。

 映画の仕事でローマに滞在中のガガは、犬が保護される前、50万ドル(約5300万円)の懸賞金をかけており、女性に支払ったとみられる。散歩代行業者の命に別条はなく、快方に向かっている。

 米芸能サイト「TMZ」などによると、犯人はガガの犬と知らずに盗んだ可能性が高いという。

 24日夜、犬を預かっていた散歩代行業者は、ガガ宅とは無関係のエリアで散歩。ナイトスポットであるサンセット通り交差点が夜でも明るい場所で、犯人はそこで高級な犬であることを確認したとみられる。そこから徒歩10分ほど離れた暗い住宅街で待ち伏せし、代行業者を銃撃し、犬を盗んだ。警察が防犯カメラなどで調べた犯人の足取りなどから、ガガの犬とは分かっていないはずというわけだ。また、24日夜以降、ガガに身代金要求は一度もなかったという。

 米国でフレンチブルドッグの人気は急上昇しており、転売や繁殖目的での誘拐が増えていた。キッドナップ(誘拐)ならぬ、「ドッグナップ」という言葉があるほどだ。

 盗んだ後にガガの犬と知り、あせって解放したのかもしれない。

 

2021年2月26日 (金)

【日経平均】11箇月ぶり急反落<前日比1202円安✍2万9千円割れ>米長期金利が上昇

 〔東京株〕急反落米国の金利上昇心理悪化 

時事通信 2021年2月26日(金)15時30分配信

 日経平均株価は前日比1202円26銭安の2万8966円01銭、東証株価指数(TOPIX)は61.74ポイント安の1864.49と、ともに急反落。米国の長期金利上昇が投資家心理を悪化させ、大型株を中心に幅広い業種で売りが優勢となった。

 1000円を超える急落は、昨年4月1日以来約11カ月ぶり。90%の銘柄が値下がりし、値上がりは8%。出来高は16億8876万株、売買代金は3兆6212億円。

 業種別株価指数は33業種すべて下落し、その他製品、電気機器、パルプ・紙、不動産業、ガラス・土石製品、精密機器の下落率が大きかった。

 ▽ 調整色強まる

 25日の米主要株価指数が長期金利を嫌った売りに押されて急落し、26日の東京市場も軟調な展開となった。先行きの収益拡大期待から買われてきた銘柄にとって長期金利の上昇は「投資対象としての魅力を低下させる要因」(投資助言会社)となるため、デジタル化への思惑から買われた半導体株などの下げがきつかった。

 米金利は足元で急に上げ始めたわけではない。さらに経済成長と金利上昇は表裏一体で、株価にとって悪い材料とは言い切れない。

 日経平均株価は昨年末以降に上げ足を速め過熱感がくすぶっていたため、この日の下落についても「ようやくスピード調整した、という印象だ」(銀行系証券)と冷静に捉える向きもある。別の市場関係者は「当面、米金利の動向に一喜一憂しつつ、過熱感を冷ますのではないか」(大手証券)と話していた。

 225先物3月きりも急反落。午前中は押し目買いも入っていったん下げ渋ったが、アジア株や時間外の米株先物が軟調に推移する中、再び売られ、午後も下値模索の展開となった。225オプションはプットが値上がりし、コールは下落。

 バブル警告どこ吹く風米株投資の熱狂冷めず 

Bloomberg 2021年2月22日(月)15時12分配信

 米国人の株投資熱がさらに高まりつつある。熱狂的なデイトレーダーから堅実な機関投資家に至る誰もが株式市場にますます熱中している。

 株式ファンドは過去に例を見ないペースで新規資金を呼び込んでおり、ヘッジファンドは株式のポジションを過去最高水準に引き上げた。企業自体が大口の買い手として再浮上し、自社株買いは1年前の2倍となった。

 こうした状況は、政府の支援と新型コロナウイルスワクチンに支えられ、景気回復への信頼感が高まりつつあることを浮き彫りにしている。主に低位株とオプション人気の高まりがバブルに関する連日の警告の根拠となっているものの、強気のポジショニングが株高をしっかりと支えている。

 S&P500種株価指数は昨年3月の安値から75%上昇し、1930年代以来最良の強気相場となっている。

 ジェームズ・インベストメント・リサーチのマネーマネジャー、ブライアン・カルペッパー氏は「株式投資について、誰もが前進あるのみと思っている。そうなった原因が群集心理であれ、取り残されたくないという不安であれ、いずれにしてもそれが現在の状況だ」と述べた。

 強気相場サイクルの中央値は5年だが、今回のサイクルは前回の弱気相場で底を付けてからまだ11カ月だ。だが、現行サイクルに入ってからの期間は短くても、上昇ペースは速い。

 バンク・オブ・アメリカ(BofA)が行った今月の調査では、大多数の運用担当者が現在の強気相場は遅い段階にあるとの見方を示した。

ファンドマネジャーは積極的にリスクテークBofAの顧客調査

 ステート・ストリート・グローバル・アドバイザーズの米SPDR上場投資信託(ETF)事業のチーフ投資ストラテジスト、マイケル・アローン氏は「まだバブルの水準だとは思っていないが、投資家が株やリスク資産に大賭けしていることを示す危険信号が幾つか点灯しているのは間違いない」と語った。

 投資家はその危険をまだ察知していない。インフォーマ・ファイナンシャル・インテリジェンス傘下のEPFRがまとめたデータによると、米国株に的を絞ったファンドに先週流入した資金は360億ドル(約3兆8000億円)と、過去20年余りで最大の流入となった。

 ヘッジファンドは強気投資を拡大する一方で、弱気投資を縮小している。ゴールドマン・サックス・グループのプライムブローカレッジ部門の集計データによると、ショートポジションに対するロングポジションの比率を踏まえたリスク志向の指標であるネットレバレッジは今月に入り記録的な水準に達した。

 米国債利回り上昇次の段階に警戒 

Bloomberg 2021年2月26日(金)11時18分配信

 新興国市場の投資家は米国債利回り上昇に今のところ対処できているが、こうしたリフレトレードが米国債のより短い年限の部分にまで及べば、これから本格的な打撃を受ける恐れがある。

 成長加速を見込む取引が、米国債市場の長期の部分を揺さぶっている。フィデリティ・インターナショナルやアバディーン・スタンダード・インベストメンツは、利回りが数年ぶりの高水準にまだ達していない残存3年までの債券に警戒の目を向けている。

 イールドカーブのこの部分で利回り上昇が加速すれば、予想を上回るペースの金融引き締めや世界資本の獲得競争激化のシグナルだ。秩序立った新興国資産の売りが、はるかに破壊的なものに変わる恐れがある。

 アバディーンの新興国市場ソブリン債責任者、エドウィン・グティエレス氏(ロンドン在勤)は「米国債利回り曲線のフロントエンドが動き始めるかどうかがより大きな問題だ」とした上で、「これまでのところそこが落ち着いているため、新興国の通貨はそのクレジット市場に比べ影響を受けていない」と指摘した。

 フィデリティのポートフォリオマネジャー、ポール・グリア氏(ロンドン在勤)は米国債の売りがロングエンド中心でリフレの流れであれば、「米利上げの可能性の高まりを示唆するフロントエンド中心の売りに比べて、市場への影響は穏やかだ」と分析した。

 米国債の売りのペースと性質が今後の流れを左右する。2016年7月に約1.4%だった10年物米国債利回りが18年11月に3.2%に上昇した際には、世界的な好況を追い風に新興国債券のリターンは3.8%を記録することもあった。

 フィデリティのグリア氏は米10年国債利回りが今後2週間に約50ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇すれば、「市場は間違いなく苦境に陥るだろう」とした上で、「それが半年かけて徐々に進むならば、より対処可能だろう」と指摘した。

 追加金融緩和“不均一景気回復”増幅させる可能性 

Bloomberg 2021年2月26日(金)2時52分配信

 米カンザスシティー連銀のジョージ総裁は「高失業率の継続や目標を下回るインフレ率、見通しを取り巻く不確実性を踏まえれば、緩和策の引き揚げについて議論するのは時期尚早だ」とも述べた。

 ジョージ総裁は25日、バーチャル形式で講演した。原稿によると「同様に、長期金利の最近の顕著な上昇は私の見解では幾つかの理由で金融政策対応を正当化しない」と発言。

「今年の10年債利回り上昇の大半は実質利回りの上昇を反映しているもようで、実質利回りがインフレ期待をコントロールする金利だ。この上昇の大半は景気回復の強さに対する楽観が広がりつつあることを反映している可能性が高く、成長期待が高まりつつあるとの心強い兆しとしてみることができる」と述べた。

 さらに「これが本当に利回り上昇の理由である場合、そもそもの上昇につながった楽観を打ち消すほどの水準にまで上昇する可能性は低い。実質利回りの指標は引き続き大幅なマイナスで、過去最低に近い水準だ」と続けた。

 総裁は「いかなる追加の刺激措置も、新型コロナウイルス流行に関連した景気低迷の明確な特徴となってきた不均一性を悪化させる可能性がある過去1年間の金融緩和は適切だったとはいえ、現在見受けられる不均一性に既につながっているようだ」と話した。

 ジョージ総裁は今年の連邦公開市場委員会(FOMC)会合で議決権を持たない。

 一瞬1.6%台に乗せた米10年債利回り、株式市場に波紋 

Bloomberg 2021年2月26日(金)10時11分配信

 世界最大の債券市場でここ数週間聞かれた不穏な音は25日、大きく明瞭に鳴り響いた。経済成長とインフレは上向きだというこのメッセージは、幅広いリスク資産に大混乱をもたらした。

 米10年国債利回りは1.6%台に急上昇し、1年余りで最高の水準に到達。米連邦準備制度が金融引き締めを迫られる時期を巡り、前倒しの議論がトレーダーの間に浮上した。株式相場は大幅下落。金利上昇が高騰するバリュエーションに下押し圧力となった。国債入札の応札需要は過去最低で、イエレン財務長官にさえ痛みを与えた。

 26日のアジア市場ではオーストラリアや日本の国債利回りが上昇。オーストラリア準備銀行(中央銀行)は利回り抑制措置として、30億豪ドル(約2500億円)相当の3年債購入を発表した。3年債利回りは目標の0.1%を突破していた。日本国債も10年物利回りが5年ぶり高水準に達した。

 米国の1年にわたる緊急経済対策は奏功しているだけにとどまらず、経済の一部でいつか過熱を招く恐れがあるとの臆測が広がりつつある。

 新型コロナウイルス危機で何カ月も同じパターンで膠着状態にあった市場ではようやく、相場水準の見直しプロセスが始まったようだ。連邦政府による数兆ドル規模の財政出動に加え、ワクチンの良好な結果を受け、先進国経済が中央銀行の予想よりも早期に回復する可能性が高まっている。

 アムンディ・アセット・マネジメントのポートフォリオマネジャー、ジョン・キャリー氏は「経済はすでに回復しつつあり、提案された経済対策は必要とされる規模よりはるかに大きいと考える人が多い」と指摘。「炉火にあまりにも多くの炭を置き、火力が非常に強くなる。米金融当局が現行水準に金利を維持できなくなると考えられ始める」と付け加えた。

 昨年4月以降、歴史的低水準で推移してきた米国債利回りの急上昇は、それが経済の健全性を物語るとしても、トレーダーにとっては厄介な光景であることに違いなく、複数の市場でポジションの見直しを迫っている。

 強気相場で人気銘柄だった大型ハイテク株は25日の下げを主導。ナスダック100指数は4%近い下げを演じた。インターネット株バブル期以来の高水準にあるバリュエーションは、金利上昇で正当化困難になった。

 株式市場で高い債券利回りの恩恵を受けやすいセクターも売られた。24日に2007年以来の高値に上昇していたKBW銀行株指数はこの日2.7%下落。S&P500種株価指数採用のエネルギー株や公益株も1%以上の値下がり。

 為替市場も衝撃を受けた。ブルームバーグ・ドル指数は25日に0.7%上昇し、昨年9月以来の値上がり率。一方、歴史的に変動の激しい新興国通貨は下落した。南アフリカ・ランドとトルコ・リラ、メキシコ・ペソの下げが目立ち、2%以上下落した。

 ウェルズ・ファーゴ・インベストメント・インスティチュートのシニアグローバル市場ストラテジスト、サミーア・サマナ氏は「現在、これらの金利がリスクパリティなどの戦略を動揺させかねないペースで上昇しており、債券のボラティリティーが他の資産にも波及している」と分析。「金利上昇スピードが鈍るまで、このような日が増えることにメンタル面で準備が必要かもしれない」と語った。

 バブルは💥弾けた 

Newsweek日本版 2021年2月26日(金)21時48分配信/小幡績(慶應ビジネススクール准教授)

<米国の長期金利が急上昇したのを合図に、アメリカでも日本でも株価が暴落した。とくに何のサプライズもない、期待通りで理論通りという珍しいケース。だからこそ、本物だ>

 2月26日、日経平均株価は1200円以上の暴落となった。

 何も驚くことはなく、バブルが弾けただけである。

 この暴落が継続して、まっさかさまなのか、乱高下をしながら下がっていくのか、または、一度盛り返してから、さらに激しい乱高下を伴い下がっていくのか、いずれにせよ、バブルは弾けたか、弾けつつある。

 バブルが弾けたのは当たり前のことで、バブルは弾けるからバブルなのである。しかし、これはバブルは弾けて初めてわかる、という世間の常識とはまったく違う。むしろ正反対だ。投資家たちは、全員、バブルの最中にバブルであることを知っている。

 それどころか、バブルであるから殺到して投資してきたのであり、バブルにおいてはいつもそうだ。バブルには早く乗れば乗るほど儲かり、弾ける直前まで乗り続けるのが儲けを最大化するが、弾ける直前に降りるのは現実的ではないにもかかわらず、みなはらはらしながら、いつ弾けるか見極めようとしているのであり、それはバブルであることを200%理解しているのだ。

<経済は順調に回復していた>

 さて、今回のバブル崩壊の問題は、きっかけがどこにもなかったようにも感じられる、ということだ。コロナショックどころか、コロナの収束の見通しが立ち、ワクチンも広まり、一部にはコロナ対策が順調でないと文句をいう人々やメディアもいるが、それは日本特有の贅沢、あるいはわがままで、世界中で妥協しながら進められている。

 ワクチン摂取のプロセスで右往左往しているとメディアは騒ぐが、一方の経済は順調に回復しており、世界的に回復は予想を上回るペースで進んでいる。中国が最速で回復したが、米国も、失業者の増加数が急減しており、経済の回復に目処が立った。

 世界1,2の経済大国が回復すれば、世界経済の見通しは明るい。

 この結果、米国の国債金利が急上昇した。

 これが株価暴落のきっかけであると同時に、理由である。

 このあまりに普通でまっとうな理由でバブルが弾け始めたことが、今回のバブル崩壊を珍しいものにしている。

 普通は、もっと後々まで語り継がれるような、何らかの事件が起きて、バブル崩壊、となるのである。そして、それは本来であれば、全面的なバブル崩壊をもたらすようなものではなく、ショッキングで象徴的だが、象徴に過ぎない事件によることが多い。

<リーマンショックとの違い>

 たとえば、リーマンショックは、まさにそのものであり、サブプライムバブルはその前にとうに弾けていて、リーマン・ブラザーズの破綻も明らかで、サプライズとなったのは、米国政府が、これを救済しないと決定したことだった。後から振り返れば、ゴールドマン・サックスとリーマンの間の確執のせいだとか、単に救済金融機関が整わなかっただけだ、などさまざまな議論があるが、いずれにせよ、その後の金融機関の破綻はすべて救済され、今日でのそのほとんどが、以前のようなきらびやかさはなくなったとは言え、復活している。

 リーマンショックは、1つの有名な金融機関が破綻しただけのことであり、なんら実質的な意味はなかった。後からリーマンを救済しても良かったのだが、そうしても意味はなかっただろう。なぜなら、リーマンが破綻するまでには債券市場、仕組み債市場はとうに弾けており、一般人も投資する上場株式の市場だけがバブル崩壊してなかっただけだったからだ。

<バブル崩壊は規定路線>

 日本の1990年末の金融危機は、北海道拓殖銀行、日本長期信用銀行の破綻が印象に残るが、バブル崩壊の止めのきっかけは、三洋証券の破綻だった。相対的に影響の大きくない、小さな証券会社の破綻に過ぎない。しかも、その破綻は、単純ミスにより、破綻させる必要もなく、破綻させるつもりもなかったものがミスで破綻してしまったのだった。そして、それは取り返しがつかなかった。三洋証券そのものが重要なのではなく、きっかけとして機能してしまったからだった。

 近いところでは、2013年のバーナンキショックがある。彼が、量的緩和の出口を示唆したことにより、バブルは崩壊した。これも効果はショック、きっかけを与えただけで、タイミングの問題だけだった。量的緩和の出口はいつかくるのであり、また、もはや出口に向かうのは当然だったし、政策として、正しかったのだが、タイミングが少しだけサプライズだった。

 しかし、バブルがいつか弾けることはサプライズではなかったから、投資家たちは、当然のように、バブル崩壊のきっかけのホイッスルを聞いて、売りまくった。

 さて、今回はどうだろうか。

 FRBパウエル議長は、金融緩和の拡大を止めるつもりはまったくなく、インフレも3年は起きないだろうと、強調した。サプライズは何もない。ニュースも何もない。しかし、それで、国債利回りは急騰、つまり、米国債は大暴落したのである。

<パウエル発言の何が悪かったのか>

 なぜなら、景気がこれだけ良いのに、金融緩和が続くというのもおかしいし、緩和が続くのであれば、インフレになるのは当然のことといえるのであり、そうであれば、国債利回りは急騰するのが教科書どおり、理論どおりだ。

 つまり、今回は、きっかけもショックもニュースもサプライズも何もなく、バブルの崩壊が始まったのである。

 きっかけがなくても始まるのは、それほど、バブルが膨らみすぎたからであり、最後の断末魔の上昇は急すぎたからである。ビットコインや、テスラ株、ゲームストップ株の乱高下など、バブルのお祭り以外では考えられないことが毎日起きていたから、バブルであることは、バブルは弾けて初めてわかる、とテレビでしゃべるニセの金融関係の有識者以外のすべての人々、株式投資を昨年始めたばかりのロビンフッダーも、株式投資をいまだやったことがない人々でさえ、わかっていたから、静かに弾けても、みながサプライズなしに同調、追随したのである。

 論理的に静かに始まったバブル崩壊。したがって、この崩壊は本物であり、崩壊は確定したと見て、間違いないだろう。

 ビットコイン🔍6万8000㌦もする国がある 

coindesk JAPAN 2021年2月27日(土)8時00分配信

 暗号資産のビットコインがすでに6万8000ドル(約717万円)の大台を超えている国がある。アフリカのナイジェリアだ。

 ナイジェリアでブロックチェーンプロジェクトのデザイナーをしている、アウォシカ・アヨデジ(Awosika Ayodeji)氏は、この高い価格に不満を抱いてるわけではない。朝起きて、非公式の米ドル為替レートを使って見積もられたビットコイン価格を見るのを楽しみにしている。ビットコインでの利益を自国の通貨に交換したときに、ドルに対してより多くのナイラを受け取ることができるからだ。

 しかし同時に、「(ビットコインを)購入することは以前よりコストをともなうようになっている」とアヨデジ氏は指摘する。

 2月19日、米ドルに対するナイジェリアの公式為替レートは、1ドル約380ナイラ。このレートを使うと、ナイジェリアのピアツーピアプラットフォーム「ローカルビットコインズ(LocalBitcoins)」で約260万ナイラで取引されているビットコイン(BTC)は、6万8246ドルになる。表面的には非常に高い24%のプレミアムが乗っているように見える。ここで言うプレミアムとは、世界平均と比べてはるかに高い、特定の地域におけるビットコイン価格のことを指す。

通貨危機

 ナイジェリアにおいて、このようなプレミアムは一貫していない。ピアツーピアプラットフォームの「パックスフル(Paxful)」でのビットコイン価格は、1ドル約475ナイラという為替レートに基づいている。このレートだと、ビットコインの価格は5万4736ドルで、平均取引価格にずっと近づく。事実、19日のナイジェリアの非公式市場におけるドル為替レートは、約478ナイラ。パックスフルでのレートやローカルビットコインズでのビットコイン価格を反映している。

 通貨危機に直面している新興市場において、ビットコイン価格は実は、米ドルの非公式市場に光を当てることができる。アルゼンチンでは、南米の暗号資産(仮想通貨)取引所「ビットソー(Bitso)」において19日、ビットコイン価格が870万993アルゼンチンペソだが、公式為替レートの1ドル約89アルゼンチンペソを使うと、驚きの9万8000ドルになる。しかし、ビットソーなどの取引所に上場されているビットコイン価格は、ドルに対する非公式のレートを反映して、1ドル約150ペソというレートに基づいている。

 取引所は、非公式のドル為替レートを利用している可能性が高く、そのために地元通貨でのビットコイン価格が吊り上げられていると、ソーシャルペイメントアプリ「バンドル・アフリカ(Bundle Africa」)のイェレ・バデモシ(Yele Bademosi)CEOは語った。ビットソーでアルゼンチン担当マネージャーを務めるアンドレス・アンダラ(Andrés Ondarra)氏によると、実際の市場で利用されている為替レートは通常、アルゼンチンでの公式為替レートよりも高い。

「非公式の米ドルレートと公式レートとのギャップが存在する。アルゼンチンにおける公式と非公式のドルレートの差は約70%である」と、アルゼンチンの暗号資産取引所「ブエンビット(Buenbit)」の広報担当者、エミリアーノ・リミア(Emiliano Limia)氏はコメントする。

 ローカル通貨の米ドルに対する本当の価値が、ビットコイン取引を通じて明らかになっているのかもしれない。また、ビットコイン市場が政府の支配下で動いていない事実は、取引所が公式ではなく非公式のレートを使う背景にありそうだ。

 シカゴ大学のジーナ・ピーターズ(Gina Pieters)経済学教授は、ビットコイン取引が為替レートが操作されている可能性や、資本規制の検知に一役買っているとする内容の論文を発表している。ピーターズ教授は、ビットコインプレミアムが発生する理由は複数存在すると述べる。

「名目為替レートルートで操作が行われていない限り、価格がそれほど高くなる可能性は低い」と、1つの通貨での価格と他の通貨での価格の差に言及して、ピーターズ教授は指摘する。

 事実、ピーターズ教授の2016年の論文の主題は、ビットコイン取引を非公式為替レートの見積もりに使うことができ、「その見積もりを、資本規制や為替レート操作によって引き起こされるゆがみの存在や、その規模を検知するのに使うことができる」というものであった。

非公式の為替レート

 ナイラの購買力の低下により、ナイジェリアでは米ドルに対する為替レートが複数存在する。非公式の為替レートは通常、ずっと弱く、ナイジェリアの人たちは1ドルに対してより多くのナイラを出さなければならない。言い換えると、地元通貨は政府の公式発表よりもずっと価値が低い可能性がある。

 経済学者の久保公二氏による、ミャンマーの外国為替市場に関する書籍によると、政府が「徹底的な為替規制」または、売買が可能な外国通貨の量に制限を課した場合に、非公式市場内に複数の為替レートが現れるという。

 アルゼンチン政府は2020年、資本の国外流出を食い止めるために、米ドルの購入に厳しい規制を課し、国民が購入したり保有したりできる米ドルを、200ドルに制限した。その結果として、人々は富を守るためにより多くのドルを買おうと押しかけ、1ドルに対してより多くのペソを支払い、ドルの闇市場が栄えた。アルゼンチンの人々がより強力な通貨を求めてペソを手放そうとする中、このような事態は素早く暗号資産の世界に広まり、ビットコインに対する需要は2020年に急増した。

 一方で、ナイジェリアは米ドル不足に直面している。地元メディアは2020年、ナイジェリアの銀行が外国でナイジェリア人が使うことの出来るドルの額を、500ドルまでに制限していると報じた。国内の需要を満たすのに十分なドルが不足していたため、人々は1ドルに対してより多くのナイラを支払うことをいとわず、ナイラの価値は国内の非公式市場で低下した。

「買い手と売り手の間で一般的に受け入れられている現在の価値が480ドルということで、それが現在の一般市場での価格となっている」と、アヨデジ氏は述べた。

 非公式の為替レートが低いということは、ナイジェリアやアルゼンチンの家族にビットコインで送金することにメリットがあるということになる。1ビットコインはより多くの地元通貨と交換できる。しかしこれは同時に、地元通貨の購買力が低下していることを意味する。国外への送金は厄介だ。地元通貨はより少ないドルへと交換されるからだ。

 地元での非公式ドルレートを推定するのは通常困難である。闇市場での通貨業者は1ドルに対してより多くのドルを要求してくる可能性があると、アヨデジ氏は述べる。しかし、ビットコインでの交換では、妥当な推計を計算できると、アヨデジ氏は言う。

インフレーション

 それでも、為替レートの違いを計算に入れたとしても、プレミアムが生じることはある。その理由の1つとして考えられるのは、高いインフレに見舞われている国では、ビットコインに対して多くを支払っても構わないと思う多くの人の存在だろう。

「ユーロ圏においては、大きな中央集権型取引所でのスポット価格と公式レートはほとんど変わらない」と、ローカルビットコインズの最高マーケティング責任者、ジュッカ・ブロムバーグ(Jukka Blomberg)氏は話す。しかし、「ベネズエラのような国々では、かなり大きなプレミアムが生じる可能性がある」

 地元通貨と交換でビットコインを売ろうとするベネズエラ人は通常、ボリバルのようなインフレ性の高い通貨を受け取るリスクを考慮して、より高いプレミアムを求める。インフレ率が2019年、驚きの1000万%に達したベネズエラでは、ボリバルの価値は米ドルに対してほぼ毎日下がり、人々はビットコインに興味を示した。事実、ビットコインに対する国内での需要によって、アルゼンチンなどの他のハイパーインフレ国よりも前に、ベネズエラでの暗号資産の普及が進んだ。

 ナイジェリアもインフレが発生している国である。国民はナイラの価値の低下を切り抜けるために、ビットコインに頼るようになっている。ビットコインに対する需要は高く、ナイジェリアの中央銀行は当初、暗号資産取引と関連するすべての口座を停止するように命じた。この方策は国の金融システムを守るために取られたものだとする、5ページにわたる説明文書を発表した。

 アヨデジ氏によれば、暗号資産プラットフォームにおけるナイラの為替レートは、この口座停止が発表された後に劇的に変化したが、これはおそらくその後に続いたパニックによって突き動かされたもので、ビットコインに対する需要はわずかに減少した。非公式の為替レートは1ドル410~420ナイラであったと、アヨデジ氏は語る。

「しかし市場はしばらくすると、元の姿に戻った」とアヨデジ氏は述べた。

 

2021年2月25日 (木)

【栃木✍山火事】発生から5日目「延焼面積100万平米」鎮火の目途立たず

 栃木県足利市の山火事鎮火2週間以上かかる可能性 

読売新聞オンライン 2021年2月24日(水)20時48分配信

 栃木県足利市の両崖山(りょうがいさん)(251メートル)で山火事が発生し、出火から4日目となった24日夜も延焼が続いた。同日午後6時現在で山林約76・5ヘクタールを焼失し、陸上自衛隊や県などのヘリが散水を続けた。市は鎮火に10日から2週間かかる可能性があるとの見通しを示した。けが人や民家への被害は確認されていない。

Photo_20210226105101Photo_20210226104801

 県によると、ヘリによる散水は同日午後6時までで計約280回、散水量は計約85万リットルに及んでいる。市によると、両崖山東側の同市本城地区では火が民家まで約70メートルの地点に迫った。西側の天狗山(259メートル)にも燃え広がった。

 市は、避難勧告の対象を近隣の72世帯から177世帯に広げた。同日午後7時現在で、市内3か所の避難所に21世帯37人が避難している。近くの中学校が臨時休校になるなど、市民生活に影響が出始めている。

 市などによると、21日午後、「山林が燃えている」と登山者から119番があった。県内には乾燥注意報が出され、連日の強風で周辺に飛び火した。

 東日本高速道路は24日午後10時20分、北関東道の足利インターチェンジ(IC)―太田桐生IC間を通行止めとした。

Photo_20210225181001Photo_20210226105901

群馬県桐生市でも山火事消火活動始まる

ABEMA TIMES 2021年2月25日(木)12時40分配信

 栃木県足利市で21日から山火事の延焼が続いているが、北西に約25キロ離れた群馬県内でも別の山火事が発生したことがわかり消火活動が始まっている。

 新たな山火事が発生したのは群馬県桐生市で、赤城山の東の山麓。午前10時ごろに発生が確認され、消防車13台や山梨県の防災ヘリコプターなどによる消火活動が始まっている。

 これまでにけが人や住宅などへの被害の情報は入っていない。

茨城県桜川市山火事雨引山周辺

茨城新聞クロスアイ 2021年2月25日(木)21時58分配信

 25日午後7時39分ごろ、桜川市本木の雨引山周辺で、山林が燃えていると近隣の住民から119番通報があった。

 桜川署によると、周囲に建物はなく、けが人などの情報は入っていない。筑西広域消防本部によると、午後9時半現在、火は延焼しているという。同署で出火原因を調べている。

 雨引山は中腹に587年開山の古刹(こさつ)、雨引山楽法寺(雨引観音)がある。同本部によると、火災現場は同寺の数百メートル下方。同寺には国重要文化財の観世音菩薩立像や県指定文化財の本堂がある。

 同本部からは消防車6台、消防隊員約25人が消火に当たっている。

長野でも山林火災ゴミやしていたったか

長野放送 2021年2月25日(木)19時30分配信

 長野県阿智村で25日午後、山林火災が発生し、午後7時現在も鎮火には至っていない。消防は、26日朝から消火活動を再開する。

 火災が発生しているのは、阿智村清内路の山林。25日午後3時ころ、付近の住民から「建物が燃えて山林に火が燃え移ってる」との119番通報があった。

 長野県警の発表では、ごみを燃やしていた火が燃え移ったとみられ、近くの空き家2棟も全焼したが、けが人などは確認されていない。

Photo_20210226112301Photo_20210226111401

 栃木県足利市の山火事赤城おろしで被害拡大、長期化の様相 

毎日新聞 2021年2月25日(木)19時57分配信

 栃木県足利市で発生した山火事は25日、発生から5日目を迎えた。火の勢いは衰えず、これまでに約100ヘクタールを焼失し、避難勧告の対象は207世帯に増えた。延焼拡大の要因となっているのが、北側の群馬県の赤城山から吹きつける「赤城おろし」と呼ばれる季節風だ。市は鎮火までさらに2週間程度かかるとみており、住民の不安は募る。

 「立ち木ではなく、下草がじわじわ燃えている。消えたかと思うと落ち葉の表層が崩れ、下の残火が燃え出す」。現場を視察した市幹部は、強風に乗ってあちこちに飛び火した炎の様子を険しい表情で説明する。

Photo_20210226104901

 火災が発生したのは21日午後3時半ごろ。足利市中心部にほど近い両崖(りょうがい)山(標高251メートル)から白煙が上がっているのを登山客が見つけ、119番した。駆け付けた消防隊員が山頂付近にある休憩所の木製ベンチの周辺約50平方メートルが燃えているのを確認した。両崖山と西側にある天狗山(同259メートル)は、天気がよければ富士山が見える人気のハイキングコース。火災が起きた日も多くの人が訪れており、市はハイカーの火の不始末が原因だった可能性もあるとみている。

 市内にはこの時期、冬型の気圧配置が強まると赤城山からの強い北風が吹きつける。16日からは乾燥注意報が発令されていた。市は火勢が強まった22日、県を通じて陸上自衛隊に災害派遣を要請。ヘリコプターによる上空からの散水と地上からの放水で延焼を食い止めようとした。

Photo_20210226105001Photo_20210226111701

 ところが23日には隣接する栃木県佐野市で最大瞬間風速17メートルを観測する強風が吹き荒れ、ヘリによる消火活動は一時中断を余儀なくされた。強風は24日も続き、火は天狗山に燃え移り、22日時点で10ヘクタールだった焼失面積は、7倍の76・5ヘクタールに拡大した。

 火災による市民生活への影響も深刻になっている。足利市内の中学と高校5校が臨時休校となったほか、24日夜からは北関東自動車道の足利インターチェンジ(IC)―太田桐生IC間の上下線が通行止めに。

Photo_20210226112101Photo_20210226112701

 市街地には風で運ばれた煙が漂い、かすみがかかったような状態が続く。両崖山のふもとに住む大学院生、熊本諒太さん(24)は「子どものころから遠足などで登ってきた山の景色が変わってしまうのは寂しい」と心配そうに話す。

 足利市と群馬県桐生市では2014年にも、約263ヘクタールを焼く大規模な山火事が起きている。下草から木へと燃え広がり、その後は炭化した木がくすぶり続けたという。当時は水のうを背負った消防隊員が山を登り、17日後にようやく消し止めた。足利市は今後、国の緊急消防援助隊の応援を受けながら消火を目指す方針で、幹部は「山林の被害はある程度やむを得ない。けが人を出さない、建物を守ることが最優先」と話した。

 ◇ 山林火災、出火原因は「たき火」が最多

 林野庁によると、2019年にあった山林火災は1391件だった。15年以降の5年間の発生件数は、ほぼ横ばいとなっている。

 15~19年の出火原因は、たき火が最多の373件(30・2%)。野焼き216件(17・5%)▽放火(疑い含む)104件(8・4%)▽たばこ63件(5・1%)――となっている。

 空気が乾燥し、落ち葉が積もって燃えやすくなる冬から春にかけて発生するケースが多い。人気が高まっているキャンプやハイキング中のたき火が原因となったケースもあるとみられる。同庁は「不注意からの出火が多い。火災が起こりやすい場所でたき火をしないことや、火気の使用中はその場を離れず、消火を徹底してほしい」と呼びかけている。

 ◇ 避難勧告が発令された2000年以降の主な山火事

 

発生場所     発生日と鎮火日    避難勧告等人数  焼失面積(ヘクタール)

 

兵庫県宝塚市   02年3月19~21日  241世帯718人      32

 

岐阜市・各務原市 02年4月5~6日1160世帯3613人    410

 

香川県直島町   04年1月13~19日  283世帯650人    122

 

東京都三宅村   12年11月16~25日    85世帯146人    156

 

岩手県釜石市   17年5月8~22日  136世帯348人    413

 

※ 林野庁のホームページから

足利山火事刀剣乱舞聖地神社全焼延焼続く

朝日新聞デジタル 2021年2月26日(金)9時33分配信

 栃木県足利市の山火事は5日目の25日も延焼が続いた。周辺の5中、高校が休校し、新たに天狗山西側の大岩町の一部30世帯に避難勧告が出た。避難勧告は計207世帯になった。北関東自動車道の足利IC―太田桐生ICも24日夜から通行止めとなり、あちこちで渋滞が起きた。

Photo_20210226110501Photo_20210226110301

 市によると、焼失面積は約100ヘクタールに広がり、火が天狗山南側の今福町や西側の大岩町方面の民家に迫る場所が増えた。北側は北関東道の大岩トンネルの上部を越えて延焼した。

 市は学校のプールや河川の調節池に水をため、消火用の水確保を始めた。上空からの放水に参加したヘリは茨城や埼玉、宮城県など計12機。地上からも県外から消防応援を受けて168人態勢で消火に当たった。応援を含めた指揮系統を整備するため、消防庁から指揮要員の派遣も受けた。

 一部焼け跡が報道陣に公開された。民家まで約3メートルに迫った焼け跡では雑木林の下草や落ち葉が燃えて黒く焦げていた。火だねが飛び散って広がっている様子が確認できた。

Photo_20210226105301Photo_20210226105401

 長期化に備え、市は保健師を避難勧告地区に派遣し、住民の健康状態を聞き取り、医師会のチームが避難所を訪ねて相談に応じる態勢づくりも進めた。

 この山火事で両崖山(りょうがいさん)の山中にある無人の御岳神社が全焼した。両崖山には中世に城が築かれ、城主の長尾氏が名刀「山姥切(やまんばぎり)国広」を打たせたと伝わる。この刀がオンラインゲーム「刀剣乱舞」に登場。神社はファンの「聖地」として知られていたという。

 ファンが頻繁に訪れる市内の日本料理店「蝶(ちょう)や」オーナーの奈良孝太郎さん(49)は「小さいほこらのような神社だが、ファンや市民にとっては思い入れのある場所。みんなの手で再建できればと思うが、今はただ鎮火を待つだけです」と話した。

 なぜ起きた“山林火災”…乾燥強風など悪条件重なる 

下野新聞 2021年2月26日(金)9時16分配信

 25日も延焼が続いた足利市の山林火災は、なぜ起きたのか。識者は乾燥、強風のほか、この時期特有の山林の状況を要因に挙げる。一方、県は「山林火災の原因の多くは人為的なもの」と指摘し、火の取り扱いへの注意を呼び掛けた。

Photo_20210226105801

 宇都宮地方気象台によると、足利市には今月16日から乾燥注意報が継続して出ているほか、23日には強風注意報も出された。足利に近い佐野では23日の平均風速が5.3メートルに達し、2月の平年値を上回った。

 森林総合研究所(茨城県つくば市)の玉井幸治(たまいこうじ)領域長は「2月という時期に加え、折からの乾燥や強風を考えると、いかにも山林火災が起きやすい悪条件がそろっていた印象だ」と語る。

Photo_20210226111201

 林野庁によると、山の地面に堆積している枯れ葉などは燃えやすく、山火事につながりやすいという。玉井氏は「落ち葉が太陽光で乾き、より燃えやすくなるのがこの時期。同時に(火元となる)野焼きなど、人の活動も活発化してくる」と説明する。

 県森林整備課によると、県内では今年に入り、今回を除き25件の山林火災が発生。昨年1年間の23件を既に上回っており、担当者は「ここ数年でも非常に多く、心配していた」と話す。

 25件の原因は野焼き(火入れ)9件、ごみ焼却とたき火各5件、たばこの投げ捨て1件など、大半が人為的なものだった。担当者は「火から目を離さない、たばこを投げ捨てないといった火の取り扱いへの注意が、豊かな山林を守ることにつながる」と強調した。

Photo_20210226110001

 

2021年2月24日 (水)

【タイガー・ウッズ】衝撃!<✍韓国製SUVで単独事故>両足骨折の重傷

 タイガーウッズ事故の衝撃広がる Aロッド祈っている 

日刊スポーツ 2021年2月24日(水)7時20分配信

 米男子ゴルフのタイガー・ウッズ(45)が23日朝、米カリフォルニア州ロサンゼルス(LA)郊外で単独の自動車事故を起こして負傷して病院に運ばれたことを受け、米スポーツ界に衝撃が走っている。

 LAでは約1年前にヘリコプターの墜落事故で元NBAスターのコービー・ブライアントが亡くなったばかりで、ウッズの生まれ故郷サイプレスは事故現場からも近いことからショックは大きく、地元メディアは現場から生中継で事故の詳細を伝えている。

 事故を受けて、SNSにもゴルフ仲間ら著名人から無事を祈るメッセージが次々と寄せられている。元恋人でアルペンスキーの元女王リンゼイ・ボン(36)は、「TW(タイガー・ウッズ)のために今は祈っています」と手を合わせる絵文字を添えて投稿している。2人はおよそ3年の交際を経て2015年春に破局しているが、その後も友人として良好な関係を築いていると言われていた。

 また、ゴルファーのジャスティン・トーマス(米国)は、「気分が悪い。親しい友人の一人が事故に巻き込まれたのを見るのはつらい。大丈夫なことを願っている。彼の子供たちはつらい思いをしていると思うので、彼らのことをただ心配している」とコメント。

 元ニューヨーク・ヤンキースの主砲アレックス・ロドリゲスは、「私の友、タイガー・ウッズのために祈っている。みんな続報を待っている」とツイートし、NBAレイカーズのスター、レブロン・ジェームズも「ちくしょう。タイガー・ウッズのために祈っている」と投稿している。また、他にもジャック・ニクラスら多くの著名人が無事を祈るメッセージを寄せている。

 事故現場はLA南部の太平洋に面した高級住宅地の斜面で、片側2車線の幹線わきに転落して車は大破。駆けつけた救急隊員が閉じ込められた大破した車内からウッズを救出するため、油圧救助器具を使用したと伝えている。

 事故原因は分かっていないが、ロサンゼルス・タイムズ紙はウッズが運転する車は高スピードで走行しており、コントロールを失って横転し、車は数回転したと伝えている。地元メディアによると、ウッズは単身で運転しており、足を複数箇所負傷して搬送先の病院で手術を受けているという。現時点で詳しい容体などは明らかになっていない。

 ウッズはゴルフ・ダイジェストの撮影のためにロサンゼルスに滞在していたと伝えられている。

Photo_20210225092601

 粉砕骨折」と「複雑骨折」どう違う全治に3倍の差

デイリー 2021年2月25日(木)7時30分配信

 米男子ゴルフのタイガー・ウッズ(45)が運転する乗用車が横転し大破した。ロサンゼルス郡保安官事務所などによると単独事故。ウッズは両脚を粉砕骨折するなどの重傷で、右下腿数カ所を固定する手術を受けた。兵庫県芦屋市の松本クリニック・松本浩彦院長が、デイリースポーツの取材に対し見解を述べた。

  ◇  ◇

 時差の関係などで詳細な情報が入ってこない中ではよく分からないのですが、粉砕骨折ということであれば、いわゆる単純骨折、複雑ではない骨折です。複雑骨折であれば、折れた骨が皮膚から外に出ている状態を指します。折れた骨が皮膚から飛び出していなければ、どんなに粉々になっていてもそれは粉砕骨折であり、複雑骨折にはなりません。

 普通の骨折であれば釘を中に入れることで治していきます。複雑骨折の場合は、いったん皮膚の外に出てしまった骨をそうやって釘でつないでしまうと、骨髄で感染が起きてしまいますそうならないように足の外で骨を固定していく創外固定というやり方で治していきます

 粉砕骨折と複雑骨折では、全治で言えば3倍ほど違ってきます。複雑骨折の場合は退院には1年、うまくいって6カ月、ゴルフができるようになるのに3年ほどかかると思われますが、粉砕骨折であれば、その3分の1の時間ということになるでしょう。

 ウッズ重傷回復後も筋肉が痩せ早期復帰困難との見方 

スポーツ報知 2021年2月25日(木)6時00分配信

 米男子ゴルフで歴代最多に並ぶツアー82勝のタイガー・ウッズ(45)=米国=が23日(日本時間24日未明)、米カリフォルニア州ロサンゼルス近郊で自身が運転する乗用車が横転し、大破する大事故を起こした。ウッズの財団は同日、粉砕骨折の重傷で右すねや足首の手術を受けたことを発表。意識はあり命に別条はないが、目標にしていた4月のメジャー、マスターズでの復帰は絶望的で、選手生命への重大な影響が懸念されている。

 「ベースボール&スポーツクリニック」(川崎市中原区)の整形外科専門医・馬見塚尚孝氏は、ウッズの右足が「骨が皮膚の外に見えてしまう開放性骨折を負ったのでは」との見解を示した。現段階で全治は不明だという。骨はバイ菌に弱く、開放性の場合、6時間以内に緊急手術を要する今回の手術では患部を洗浄し、スクリューとピンで足首などを固定、また炎症を起こした筋肉や細胞組織への処置が施されたようだと指摘した。

 4月のマスターズは「骨がつくのに通常3か月くらいかかるとされ、難しい」と述べた。「ゴルフは(左右の)微妙な筋バランスでやるスポーツ」とし、外傷により右足の筋肉がやせてしまうことでスイングやタイミングに影響が出ると分析。リハビリも必要なことから早期復帰は厳しいとの見方だった。今後は足にばい菌が入らないよう、感染症に細心の注意を払うべきと強調した。

 ウッズは復活できるのか…奇跡復活の例も「引退の恐れ」も 

THE PAGE 2021年2月25日(木)6時26分配信

 メジャータイトルを15度も獲得しているプロゴルファーのタイガー・ウッズ(45)が車横転大破の大事故を起こして両足を骨折、緊急手術を受けた。

 ウッズ自身が搬送先のハーバーUCLA医療センターの医師のコメントも含めてSNSで報告した内容によると右下腿と右足首の長時間にわたる緊急手術を受け、医療部長を務めるアニシュ・マハジャン医師の説明では、怪我の状況は、骨が2カ所以上折れていることを意味する「粉砕骨折」と、折れた骨が空気中に飛び出し感染症のリスクを伴うことを意味する「開放骨折」。

 脛骨にはロッドを挿入して安定させ足首の骨折はネジとピンの組み合わせで固定、また筋肉の被膜を除去する手術によって足の筋肉と軟部組織の圧迫を和らげた。

 CNNによると「筋肉の被膜を切り離すという手術の判断は血流が切れて内圧が危険なレベルまで上がる事故の後に良く起こる『合併(感染)症』のリスクにウッズがあったことを示唆している」という。

 現場に真っ先にかけつけたロサンゼルス郡のカルロス・ゴンザレス保安官代理が「生きているのが奇跡」と語ったほどの重傷を負ったウッズは、果たして復活できるのだろうか。

 一般的には、ここまでの重傷を負った場合、通常の生活で歩行できる状況になるまでに数か月は必要。ましてアスリートとしての機能を取り戻すには、それ以上の時間が必要になるだろう。ゴルファーにとって右足は軸足となる生命線だ。

 米ESPNは、さっそく「タイガーは怪我から回復してコースに戻れるのか?」との特集を組み、「まだ言及するには早すぎるが、彼は長く根気のいるリカバリーに直面する」と、その道のりが簡単ではないとの見通しを示した。

 ただでさえウッズは、昨年12月23日に背中と腰の痛みと違和感を軽減するために5度目となる手術を行っており、昨年も新型コロナの影響で4月から延期され11月に行われたマスターズ以来、メジャータイトル戦の出場はなく、38位タイだった。

 ウッズは昨年わずか9大会プレーしたのみで世界ランキングも50位と低迷していた。ウッズは4月のマスターズを復活舞台に考えていたようだが、ESPNは「ウッズは昨年12月に腰の手術を受ける前の最後の公式なゴルフ行事となったPNCチャンピオンシップで12歳の息子のチャーリーとプレーしていた」と記し、その衰えを示唆した。

 ただでさえ復活にいくつものハードルがあった。そこにプラスしてアスリートとして致命的な大怪我である。

 英BBCも「ウッズはゴルフ界で最も偉大なカムバックの1つをすでに果たしている。現在、45歳のゴルファーが再びプレーするということはもちろん、単純に完全な健康を取り戻すためにとてつもなく大きなチャレンジに直面している。大規模な整形外科手術の後の長期的な回復の見込みについてはまだ明かされていない」との厳しい見立てをしている。

 同メディアは、1949年2月にグレイハウンドバスと正面衝突する自動車事故を起こし主治医から「ゴルフどころか二度と歩けない」と診断される大怪我から奇跡の復活を果たしたメジャータイトル9度制覇の“ビッグベン”こと故・ベン・ホーガン氏の例を出した。

「伝説のテキサス出身のゴルファー、ホーガンは、その大事故で二度と歩けないかもしれないと言われた。彼は左足首、骨盤を2カ所、鎖骨を骨折、肋骨が欠ける大怪我を負った。だが彼は1年以内に競技に復帰した。皮肉にも、それはウッズが先週末に大会ホストを務めていたロサンゼルスのリビエラのコースだった」

 ホーガン氏は、自動車事故からわずか11か月後のロサンゼルス・オープンでトーナメントに復帰して2位に入った。何かを暗示するかのようにウッズは、その会場だったザ・リビエラカントリーで先週末にPGAツアーイベント「ジェネシス・インビテーショナル」を主催している。

 ホーガン氏は、さらに5か月後の全米オープンで優勝。この後もホーガン氏は、事故で痛めた片足を引きずりながらプレーを続け、6つのメジャー大会を含むPGAツアー 12勝をマークしている。

 同メディアは、そのホーガン氏とウッズを比較。

「ウッズのキャリアとホーガンを簡単に比較することはできないが、ウッズの強情なほどの決断力、逆境を乗り越える力、ゴルフ界での支配力を考えると、ホーガンのキャラクターと、その偉業に匹敵するものがある。だが、ホーガンが自動車事故に見舞われたときは36歳だった。ウッズは45歳で、故障を繰り返し、すでに数えきれない時間、月日をリハビリや回復に費やしてきた。その点を考慮すると、我々は“これが最後(引退)になるのではないか”と恐れざるを得ない」との悲観的な意見を述べた。

 同メディアは、米国の有名スポーツコメンテーターであるスキップ・ベイレス氏の「ウッズは、私が知るNFL選手の誰よりも故障と戦ってきた。もしこのひどい足/足首の怪我から復帰して、またメジャー大会で勝つことができる人間がいるとすれば、それはウッズだ。歴代最高の精神力/体の強靭さを持つ。彼を応援しよう」との激励のツイッターを紹介しながらも、厳しい見通しを伝えている。

「だが、これは極端に楽観的なメッセージのように感じられる。このゴルフ界の偉人(のウッズ)が再びプレーするのであれば、新たな苦難の道のりで、多くの戦いに勝利を収めなければならない」

 おそらくこの見方がウッズに今突きつけられている現実だろう。もし復活を果たせば、それはベン・ホーガン氏の物語を超える“スポーツ界世紀の奇跡”と称されるものになる。

 タイガーウッズ生存が奇跡の大事故、クルマ横転し大破 

スポニチアネックス 2021年2月25日(木)5時30分配信

 米男子ゴルフのスーパースター、タイガー・ウッズ(45)が23日午前7時(日本時間24日午前0時)すぎ、米カリフォルニア州ロサンゼルス近郊で乗用車を運転中に単独事故を起こした。

 意識があり命に別条はないが、右脚を粉砕骨折する重傷を負い、右すねや足首の手術を受けたことを23日にウッズの財団が発表した。早期復帰は絶望的で、選手生命への影響が懸念される。

Photo_20210225092801Photo_20210225092901

 事故現場の道路は緩やかなカーブの下り坂。ウッズは自身がホスト役を務めていた大会「ジェネシス招待」で貸し出された現代自動車の高級多目的スポーツ車(SUV)「ジェネシスGV80」を運転し、中央分離帯を乗り越えて反対車線側の縁石に乗り上げ、複数回転げて、10メートルほど入った道路脇の緑地帯に突っ込んだ。車は横倒しになり、ボンネットが開きフロントガラスが割れるなど激しく損傷した。

 保安官事務所は記者会見で、現場にブレーキ痕はなく、車は高速で走行していたとの見方を示した。薬物使用や飲酒運転の可能性を示す証拠は見つかっていないと説明した。車に乗っていたのはウッズ1人で、消防隊員らが器具で車両をこじ開けて救出。隊員は「名前を尋ねると“タイガーだ”と答えたので誰か分かった。シートベルトは装着していた」と証言した。

 意識もあり会話もできる状態だが、右脚の骨が見えている重傷だったという。地元保安官は「(命に別条はなく)奇跡以外の何ものでもない」と語った。救急車で病院に搬送されたウッズは手術を受け、右脚の脛骨と腓骨、右足と足首の骨をボルトなどで固定した。

 22日に元NBAのドウェイン・ウェイド氏(39)らとゴルフの撮影を行い、23日は同じゴルフ場でNFLセインツのQBドリュー・ブリーズ(42)らと撮影に臨む予定だった。会場に向かう途中で事故に遭ったとみられる。

 ウッズは09年にも交通事故を起こし、不倫スキャンダルや度重なる故障もあり低迷した。しかし19年にマスターズで歴代2位のメジャー通算15勝目、ZOZOチャンピオンシップで歴代最多に並ぶ米ツアー通算82勝目を挙げた。

 昨年12月に腰部椎間板の手術を受け、復帰に向けて調整していた。今月21日にはジェネシス招待の表彰式に出席し、4月のマスターズ出場に意欲を示していたが、早期復帰は絶望的となった。年齢を考慮すると選手生命への影響も懸念される。

 メジャー歴代最多優勝(18勝)を目標に掲げてきたが、到達はいっそう厳しくなった。メジャー通算9勝のベン・ホーガンは36歳の時に自動車事故で重傷を負いながら復活し、グランドスラムを達成した。ウッズも復活を目指して険しい道を進むことになる。

  松宮整形外科松宮是哲院長(横浜市) 頸骨と腓骨は足首を構成する骨で関節の動きに関わる。元の位置で骨を付けるためにボルトなどで留めている状態ではないか。足首のラインはきちんと措置しないと障がいが残る。神経が損傷したり、血管が破れて足先にしびれが残ったり、硬くなって足首の動きが悪くなることもある。程度が軽くてもスイングまでに4~5カ月。同じようにプレーするにはリハビリして1年はかかる。ひどい場合はトップ選手としてのゴルフが難しくなる可能性はあると思う。

   タイガー・ウッズ  1975年12月30日生まれ、カリフォルニア州出身の45歳。スタンフォード大出身。96年にプロ転向し、翌97年のマスターズで21歳3カ月14日の史上最年少優勝。00~01年にメジャー4連勝を記録した。08年には4大メジャーを3度制するトリプルグランドスラムを達成。賞金王10度。1メートル85、84キロ。

Photo_20210225092401

関連エントリ 2010/04/12 ⇒  q(・@・)p 「寅さん」 ピンチ!!
関連エントリ 2010/02/08 ⇒ 日本経済は≪トヨタの復活≫ありき!!
関連エントリ 2009/12/21 ⇒ スーパースターって辛いなぁ・・・・・・
関連エントリ 2009/12/12 ⇒ タイガー・ウッズ⇒ひ・き・こ・も・り・らしい・・・・・・
関連エントリ 2009/12/05 ⇒ 人生いろいろ、男も色々。

 

2021年2月23日 (火)

【日経平均】手放しで喜べない<株価3万円突破>伴う“副反応”

 日本人が「株価3万円突破」を手放しで喜んではいけない重大な理由 

現代ビジネス 2021年2月23日(火)8時01分配信/町田 徹(経済ジャーナリスト)

かつてのバブル相場での「モラルハザード」

 先週月曜日(2月15日)。東京株式市場で日経平均株価が3万円の大台を回復した。これは、1990年8月以来、実に30年半ぶりという節目である。

Photo_20210224095201

 新聞やテレビは、回復の原動力として様々な要因を報じた。曰く、去年の10~12月のGDP(国内総生産)が2期連続で大幅な伸びを記録した、企業収益が予想されたほど悪くなかった、米国を含めて海外株が堅調だといった具合だ。

 中には、新型コロナワクチンの接種スタートを歓迎したと報じるところもあった。だが、これらはどれも決め手とは言えない。最大の要因が日銀を中心とした各国の金融緩和にあることは明らかだ。

 少なくとも、現下の新型コロナウイルス感染症危機が完全に収束するまでは、日銀を始め各国・地域の金融緩和は続く見通しで、株価が上昇し易い環境も維持されるだろう。日経平均が1989年末に付けた史上最高値(3万8915円)を更新する日が来てもおかしくはない。

 しかし、“日銀相場”を手放しで歓迎することはできない。銀行や企業のモラルハザード(倫理の欠如)など、深刻な副作用を伴うからである。

 振り返れば、1986年頃にスタートして1989年末に終わったとされる株式のバブル相場も、凄まじいモラルハザードを生みだした。

 当時、筆者は、株の街・兜町にある東京証券取引所の記者クラブ「兜クラブ」詰めの新聞記者で、そのモラル崩壊の現場を目の当たりにした。

 中でも壮絶だったのは、日経平均が最高値に向かう過程の株価形成だ。後に「証券不祥事」とか「損失補てん事件」と呼ばれるスキャンダルに発展したが、その構図はこうだ。

リスク感覚がマヒしていた

 多くの大企業が株式や転換社債を発行したり、銀行から借り入れたりして巨額の資金を調達。「財テク」と称し、この資金を株式市場で運用することで多額の利益を稼ぎ出そうとした。財務部は花形部署のひとつだった。

 運用を受注したのは、大手や準大手の証券会社だ。証券会社は資金運用を引き受ける際、密かに、文書もしくは口頭で、違法行為の「利回り保証」や違法行為スレスレの「損失補てん」契約を結んだ。契約の中には、担当者が名刺に「利回り保証年7%」などと書き込んだだけのものもあった。

 こうした契約は、事前に顧客企業の了解を得なくても、証券会社の裁量で株式を売買できるファンド(通称「営業特金」)に資金を組み込むことを意味し、猛烈な回転売買を可能にした。証券会社にとっては、株式の委託売買手数料を好きなだけ獲得できる仕組みだった。

 証券会社は、個別銘柄の経営実態を無視して相場を吊り上げた。営業特金は膨らみ続け、企業業績のかさあげに貢献した。「利回り保証」や「損失補てん」契約もあり、企業はリスク感覚が麻痺、実態は無謀な投資に過ぎないのに、割りの良い収益源を確保したと勘違いしていた。

 一方、当時の大蔵省は、複数の証券会社の検査を通じて懸念を募らせていた。ひとたび相場が下落に転じたら、証券会社には保証や補てんをする体力がなかったからだ。

 増資・起債で融資の顧客を、資金運用で預金の顧客を奪われた銀行からの苦情も無視できなかった。そして、大蔵省が「さすがに、目に余る」「いつまでも続くわけがない」と、本格的な規制に乗り出す腹を固め、狂乱の株式バブル相場は終焉を迎えることになったのだ。

 株式相場は1990年の年明けから一転、先の見えない長期下落局面に突入した。経済実態を離れて大きく吊り上げられていたうえ、大企業と証券会社の癒着が露呈し、市場への信頼が根底から崩れてしまった。

原動力は一貫して日銀の金融緩和

 ほぼ10年が経って2000年代に入ると、ITバブルや郵政相場で多少持ち直しかけた時期もあったが、いずれも長続きはしなかった。リーマンショックの影響が長引き、日経平均は2009年3月にバブル崩壊後の最安値(7054円)を記録した。

 さらに12年近い歳月が経過した先週月曜日。日経平均は安値から4.2倍以上に上昇し、30年半ぶりに3万円台を回復した。

 ほぼ一貫して原動力になったのは、日銀の金融緩和だ。その第1弾は、白川方明前総裁時代の2010年12月に放たれた。株価の底割れを防いで経済の好循環を作り出し、デフレ経済を脱却するという名目で、株式を組み込んだ上場投資信託(ETF)の購入が始まったのだ。当時の購入枠は4500億円だった。

 ETF購入は、黒田東彦現総裁のもとで合計4回にわたって強化された。直近は昨年3月のことで、購入枠の上限が年間12兆円に膨れ上がった。背景には日経平均が1カ月あまりの間に3割以上も急落するコロナショックがあり、安倍前政権の過去最大級の経済対策に呼応する形で、黒田日銀も包括的な金融緩和策を打ち出したのだ。

 日銀は、ETFの購入拡大に加え、積極的な国債買い入れ、ドル資金の潤沢な供給、新型コロナで苦境に陥った企業を支援するための特別オペなど様々な対応を講じている。

 海外でも、トランプ前米政権が2兆ドル規模の経済対策を、FRB(米連邦準備理事会)が量的緩和を実行したほか、EU(欧州連合)やECB(欧州中央銀行)も続々とかつてない大規模な対策を実施した。

 これらにより「世界的カネ余り現象」が起きた。経済の下支え期待が膨らみ、世界の市場が平静を取り戻す中、日経平均も半年足らずでコロナショック前の水準を回復した。

 その後もほぼ一本調子の上昇を続けて、先週の大台回復が実現した。「資産バブル」と呼ばれ、株式に限らず、商品相場や暗号資産価格なども高値を付けている。

金融緩和は継続せざるをえない

 数字を見ても、去年1年間の市中への資金供給の大きさは明白だ。資金供給の結果として、日銀の保有資産は昨年12月末に前年より23%増加、金額ベースで129兆円多い702兆円に膨張した。この増加額はデータが開示されている1998年以降で最大なのだ。なりふり構わぬコロナ対策の姿が伺える。

 このうち、株式相場を押し上げる効果の高いETFは簿価ベースで1年前の25%増、金額ベースで7兆円増の35兆円(簿価ベース)となった。日銀に支えられて、東証1部の時価総額はコロナショックで急落した去年3月に比べて約130兆円も増加した。

 こうした株式相場が上昇し易い環境は、今後も当分の間、維持される可能性が強い。というのは、コロナ危機が去り、経済が正常化するまで、日銀に限らず、各国は大規模な金融緩和を継続せざるを得ないからだ。

 その一例が、米FRBだ。昨年9月のFOMC(連邦公開市場委員会)で、コロナ対策に万全を期すため、少なくとも2023年末までゼロ金利政策を維持するという方針を表明した。

 また先週木曜日(2月18日)。黒田日銀総裁は菅総理と会談、「金融緩和を相当長く続ける必要があることを伝えた」と明かしている。

 これらは、昨年のコロナショックのような混乱が再発すれば、日銀やFRBが迷うことなく再び大胆な金融緩和策を講じるとの意思表明に他ならない。

 こうした状況では、相場が大きく下がるとは考えにくい。投資はあくまでも自己責任で、安易な投資を推奨する気は毛頭ないが、上昇し易い世界的なカネ余り状態が続くとみるのが自然だろう。

上下する市場の機能が損なわれている

 急激に強いインフレ懸念が台頭するとか、相場が過熱し過ぎるといった想定外の事態が起きない限り、環境が大きく変わることはなさそうだ。

 とはいえ、金融緩和は決して良いこと尽くめではなく、多くの副作用が生じている。本来、市場は上がったり下がったりして、経済を映す鏡となるものだが、その機能は損なわれたままだ。

 銀行への資金供給や企業の救済オペが、コロナ危機以前から破綻しかねない状態にあった銀行や企業の経営実態を覆い隠し、ゾンビ銀行やゾンビ企業の闇雲な延命策となっていることも深刻である。

 日銀のETF保有残高は時価換算すると、45兆円を超えた模様だ。これは、日銀が年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)を抜いて、日本株の最大の株主になったことを意味している。「モノ言わぬ株主」である日銀が、緊張感のない経営を助長し、モラルハザードを加速していることも、コーポレートガバンスの観点から看過できない問題である。

日経平均3万円もバブルじゃない 乗り遅れたと思う人に薦める行動 

PRESIDENT Online 2021年2月24日(水)8時16分配信/大江 英樹(経済コラムニスト)

 2月15日、日経平均株価の終値が3万円の大台に乗りました。コロナショックからの急速な回復ぶりに、「乗り遅れた」と感じている人も多いのではないでしょうか。40年以上にわたって株式市場を見てきた経済コラムニストの大江英樹さんが、乗り遅れたと思って悔しい思いをしている人に勧める2つの投資法とは――。

Photo_20210224095401Photo_20210224095601

今はまだバブルではない

 日経平均株価が3万円に乗せました。これは30年ぶりということでいささか株式市場のまわりにいる人たちは、ざわついています。この流れにますます強気になる人、「これはもうバブルだ」と言う人、そして乗り遅れて悔しいと思っている人等々、その心情はさまざまです。 

 私が見聞きしている範囲内では、「バブルだ」と言っている人が多いような気がしています。今の株式市場がバブルなのかどうかはわかりませんが、株式市場に40年以上関わってきた私から言わせると今はまだバブルではない、と思います。なぜなら「バブルだ」と言う人が結構多いからです(笑)。バブルというのははじけてから初めて「あれはバブルだった」と気が付くものです。懐疑的だった人もみんなが総強気になったところがバブルの局面なので、多くの人が警戒している現状では決してバブルには至っていないと考えられます。

業績が好調な企業も多い

 もちろんコロナ禍で各国共、政府がかなりの金額のお金をばらまいているという面はありますが、個別の企業業績を見ていると好調な企業も多いので、かつての80年代終わりや2000年前後の時のように株価が実体以上に過大評価されていることもありません。何かのきっかけで一時的に下落することはあるでしょうが、個別の企業業績で考えればすぐに上昇基調に戻るのではないかと思いますし、“行き過ぎたバブル”というところまでは行っていないと感じています。

バブルのときに起きる2大社会現象

 バブルの特徴として私は2つの社会的な現象を気にしています。それは経済誌やマネー誌ではなく、一般週刊誌や普段は経済の話なんか何も載せない、流行物を取り扱う男性誌や女性誌で株の特集をやったりすることが増えてくると要注意です。

 もうひとつは、評論家の中に株価の上昇を見て今回だけは違うと言う人が増えてくることです。市場がバブルで高値を付ける頃や逆に暴落して大底を付ける頃になると、だいたいこの“今回だけは違う”おじさんが登場してくるのです(笑)。

 これは洋の東西を問わずあるようで、アメリカでも株価が低迷した70年代の最後のほうには総悲観の様相を呈してきて、Business Weekという雑誌の1979年8月13日号では、表紙に「Death of Equity(株式の死)」というフレーズが登場しましたが、現実はそこから株価が大きく上昇を始めた、というのも実に皮肉なことでした。そういう視点で見れば、まだバブルとまでは言えないでしょう。

日経平均にはまったく興味がない

 でも恐らく、投資経験のある多くの人は「日経平均が3万円に乗った」というニュースを目にして「しまった!  乗り遅れた」とか「もう今から買っても遅い」と思っていることでしょう。確かに昨年のコロナ禍で一番下がった時の日経平均から見ると、倍近くまで値上がりしていますから、「乗り遅れてしまった」という気持ちになるのは無理もありません。

 ただ、私自身は日経平均株価については全く気にしていません。というかほとんど何の興味もありません。なぜなら私は個別の株式に投資をしているからで、全体像を見ても何の意味もないからです。

 そもそも日経平均株価というのは株式市場全体を表しているわけではありません。東京証券取引所第1部に上場している約2000銘柄のうちの225銘柄を選んで平均値を算出しているにすぎません。しかもその225銘柄の中でもファーストリテイリング(ユニクロ)やソフトバンクグループなどの寄与度が大きいため、ごく一部の銘柄の値上がりによって日経平均株価が上がっているのです。

 現に日経平均が3万円に乗った2月15日には一日で564円上昇しましたが、そのうち、値上がりした上位10銘柄だけで上昇分の65%を占めていますし、前述の2銘柄(ユニクロとソフトバンク)だけで33%、つまりたった2つの銘柄の値上がりで全体の3分の1を占めているのです。したがって、日経平均株価に連動する投資信託を買っている人以外は日経平均が上がろうが下がろうが、それほど大きく気にする必要はありません。

乗り遅れた!と思う人におすすめの投資法2つ

 では、「しまった!  乗り遅れた」と思っている人たちはここから一体どんな投資方法を考えればいいのでしょうか?  方法は2つあると私は思います。1つは投資信託ではなく、個別株に投資をすること、そしてもし投資信託に投資するのなら積立投資をおこなうことです。

 前述したように、株価が上がっているといっても、それは日経平均が上がっているだけで、全ての株が上がったというわけではありません。この1年ほどの間で上昇した銘柄の多くはコロナ禍により、在宅が増えたことによって恩恵を得た企業です。外出や旅行の自粛によって大きな打撃を受けた飲食業や運輸、宿泊業など、まだまだ株価が低迷したままの企業はたくさんあります。

 しかしながら、ようやくワクチンが認可を受け、感染者の数も落ち着いてくれば、これまで業績が落ち込んでいた企業の回復も見込めるでしょう。それによって低迷していた株価が上昇に転じる可能性も出てきます。そんな業種の中で個別の企業を探すという方法があります。

配当利回りで選ぶのも手

 個別銘柄に関してもうひとつは配当利回りで考えてみるのも面白いでしょう。現時点で配当利回りが5%以上の銘柄は100社近くありますし、4%以上で見れば300社以上あります。配当利回りが高いということは業績が良くて配当が多いということもあるでしょうが、株価が下がっているために利回りが高くなっているという場合もあります。したがって配当利回りさえ高ければ何を買っても良いというわけではありませんが、『会社四季報』などを利用してこれらの企業の今後の業績予想を調べてみて、回復基調にあるということであれば、投資する価値はあるでしょう。

 そもそも今の時期に利回りが4~5%もあるのであれば預金のまま置いておくよりもずっと良いですし、前述したように配当利回りが高いということは株価が下落しているからということも多いからです。日経平均が3万円に乗ったからといって全ての株が高くなっているわけではないことは知っておくべきでしょう。

乗り遅れた人の勧める第2の投資法

 もうひとつの投資戦略としては投資信託を積立で購入していくという方法もあります。積み立てで投資をするというのは毎月定額で投資信託を購入するというやり方です。この方法だと、購入金額が一定ですから相場が高い時は少ししか買わず、安い時はたくさん買うことになります。結果として平均購入価格が低く抑えられる効果が得られます。これは「ドル=コスト平均法」という買い方です。言うまでもありませんが、今後も株価の上昇が続くと思うのであればこういう買い方よりもまとめて一括で買ったほうがはるかに成果は高くなります。逆にこれから下がる時にこういう買い方を続ければ、いずれ高い成果を得られます。

 もっとも絶対下がることがわかっているのであれば「買わない」という選択肢が一番ですが、問題はどこまで行っても上がるか下がるかは絶対確実にはわからない、ということです。したがって買い方としてこの積立方式はいくらかマシな方法であることは間違いありません。

積立投資なら世界中に分散投資を

 さらにもし積み立てで購入していくのであれば分散投資、それも日本だけではなく、世界中の株式市場に投資していくのが一番良い方法だと思います。日経平均が3万円になったといっても世界全体で見れば日本の株式市場の割合は7~8%程度しかありません。今は、世界中の株式市場にその規模の割合に応じて分散投資できるタイプの投資信託はたくさんあります。

 あくまでも私の個人的意見では、バブルという感覚は全くありませんが、「投資はしたいが、乗り遅れた!  ここから買うのは恐い」という人であれば、今回お話した2つの方法をとってみるのはどうでしょう。そのほうが、いつまでも後悔に苛まれることに比べれば、ずっと精神衛生上は良いと思います。ただし、全く悔しくないし、興味も無い人は何もしないのが賢明です。

 日経平均万円コロナ収束期待説明できない高値の背景 

東洋経済オンライン 2021年2月23日(火)6時01分配信/山川 清弘(東洋経済『株式ウイークリー』編集長兼「会社四季報オンライン」副編集長)

 その瞬間は呆気なく訪れた。2月15日、日経平均株価は約30年ぶりとなる3万円台に到達した。だが、市場の受け止めは熱狂に程遠かった。

 新型コロナウイルスの感染拡大で、日経平均は2020年3月に1万6358円まで下落した。その後、金融緩和と財政拡大により水準を回復。米国大統領選挙後から上昇ピッチを拡大した。今年に入るとコロナのワクチン接種が始まり、世界的な景況感の改善期待が高まった。日経平均は2月に入り一気に3万円の大台に乗せた。当日の東証1部の売買代金は2.6兆円と市場に高揚感は見られなかったが、バブル期の1990年以来の水準に、過熱感を指摘する声も出た。利益確定売りもあり、19日には一時3万円を割り込んだ。

 東証1部全体のPER(株価収益率)は22.8倍(1月末)で、数年前までの10倍台より大幅に上昇している。PBR(株価純資産倍率)も過去の上限である1.3倍で、理論上の上値余地は小さい。実際、「株安」を見込む投資家は増えている。日経平均が1%下落すると、逆に2%値上がりするように設計されたETF(上場投資信託)である「日経ダブルインバース」の残高が、初の6億口に乗せている。

売らない買い手が下支え

 その割に株価が大きく下落しないのは、日本銀行のETF買いと、企業の自社株買いの存在が大きい。日経平均が3万円を超えてから、日銀のETF買いは行われていないが、相場の急落時には必ずといっていいほど買いが入ってきた。

 企業の自社株買いも高水準が続いている。消却すれば発行済み株式数を減らせるため、EPS(1株当たり利益)を向上させROE(自己資本利益率)を押し上げる効果がある。高いROEは優良企業の証しであり、配当と並ぶ株主還元として投資家にも歓迎される。

 日銀がいきなり売り攻勢に転じたり、企業が自社株買いをやめたりすることはまずあり得ない。大口の「売らない買い手」が株価の下支えになっているのだ。

 では、今後の株価動向をどう見通せばよいか。

 内外で分けてみると、米国ではバイデン政権が総額1.9兆ドルの追加経済対策を打ち出した。中国では3月5日から開催される全人代(全国人民代表大会)で成長戦略が示される見通しで、IMF(国際通貨基金)の世界経済見通しも上方修正された。

 足元の日本企業の業績は回復基調が鮮明だ。2021年3月期企業の第3四半期決算では、トヨタ自動車などが上振れ着地して通期予想を引き上げた。企業の通期見通しにはまだ上振れの余地がある。来期も増益が続くならEPSが拡大して、日経平均3万円台でも割高感が小さくなる。

 ただし、2021年の環境がよすぎることによる「相場の頭打ちリスク」も念頭に置いておくべきだろう。2021年度の業績には、コロナ禍で抑制されていた需要が一気に吹き出す「ペントアップ需要」に加え、企業がコスト削減を推し進めたことで利益が急回復する「リストラ効果」も上乗せする。2022年度はそれらの効果が剥落し、増益率が見劣りするかもしれない。今年後半以降は株価も頭打ちとなる懸念がある。

高値銘柄の波乱に警戒

 一方で、「売らない買い手」の影響で、株式の需給が逼迫する可能性もある。「2010年からの11年間で、両者(日銀のETF買い、企業の自社株買い)は累計で76.1兆円の買い越しになっている」(東海東京調査センター・鈴木誠一チーフエクイティマーケットアナリスト)。これは、市場に流通している浮動株を基準とするTOPIXの時価総額430兆円弱に対して、2割近い規模になる。

 浮動株とは、親会社や創業オーナーといった大株主の持ち分(特定株)を除いたものだが、「年金基金のように長期保有する投資家がいる。個人も長期投資や株主優待が目的の場合、頻繁に売り買いしない」(鈴木氏)。売買の玉(浮動株)が枯渇すれば、株価は乱高下しやすくなる。特定の銘柄に買いが集中して、急騰するケースも目立ってくる。

 株価水準の高い銘柄に影響を受けやすいという日経平均の構造的な問題もある。2020年10月から2021年2月15日まで、日経平均は3割超上昇したが、上昇幅7107円の1割超はファーストリテイリング1社で占めている(同期間のTOPIXは23%上昇)。

 また、日経平均225銘柄の構成比上位3社(ファーストリテイリング、ソフトバンクグループ、東京エレクトロン)で上昇分の3割超を占めており、これが値下がりすれば日経平均も下落しやすくなる。今年の株価は「3万円台」という全体の数字よりも、日経平均を構成する「高値銘柄」の波乱リスクをこそ、警戒すべきなのかもしれない。

 米スクエア約3318ビットコイン=1.7億㌦で購入(総投資額2.2億㌦) 

Bloomberg 2021年2月24日(水)6時59分配信

 モバイル決済サービスを提供する米スクエアは23日、暗号資産(仮想通貨)ビットコイン約3318コインを総額1億7000万ドル(約179億円)で購入したと発表した。

 スクエアは先に5000万ドルをビットコインに投じており、これを合わせたビットコインへの投資額は、昨年末時点の同社の現金および現金同等物、市場性有価証券全体の約5%を占める。

 同社は今回の投資について、ビットコインへの継続的なコミットメントの一環だと説明。ビットコインへの投資総額については、他の投資との比較で継続的に見直す予定としている。

ビットコイン暴落5万㌦割り込む

Bloomberg 2021年2月24日(水)6時30分配信

 仮想通貨ビットコインは23日の取引で下げが加速し、5万ドルを割り込んだ。価格が膨らんだビットコインを手放す動きが出始めた。

 ビットコインは一時18%下げ、ニューヨーク時間午後4時32分(日本時間24日午前6時32分)現在、約4万7870ドル。約2週間ぶりの安値にすぎないが、仮想通貨のより大きな後退の始まりを示すものか、あるいは単に予想しにくい市場におけるボラティリティーの表れなのか投資家は考え始めている。

 UBSグローバル・ウェルス・マネジメントのマーク・ヘーフェル最高投資責任者(CIO)は発表文で「仮想通貨への投機に慎重を期すよう顧客に助言する」とした上で、「確定していない規制上のリスクがある上に、将来的な利用も不明なままだ」と指摘した。

 昨年12月から2倍余り値上がりしているビットコインは今週、この1年間に株価が急伸した銘柄とともに売りの勢いが加速する中で下げている。23日は、ハイテク銘柄中心のナスダック100指数などはプラス圏にあと一歩まで戻したが、ビットコインはこの日の安値付近に張り付いたままだった。

 一方、仮想通貨交換所ビットフィネックスは損失隠しなどの疑惑を巡るニューヨーク州司法長官の調査で和解した。1850万ドル(約19億5000万円)の支払いを伴うこの合意で市場の不透明性が払拭されるとの見方もある。

ビットコイン600万円から480万円まで急落

ITmediaビジネス 2021年2月24日(水)9時20分配信

 仮想通貨のビットコインの値動きが激しい。2月22日に初めて600万円を超えたビットコインだが、夕方から急落。23日の夜には480万円まで下落し、24時間で約20%の暴落となった。

 年初のビットコイン価格は290万円台。2カ月余りで約2倍となる高騰を見せた。早すぎた上昇に対する調整という見方もある。

 24日には、米決済大手スクエアが180億円相当のビットコインを追加で購入したと発表した。また、米司法当局と係争が続いていた、ステーブルコイン「テザー」を発行するテザー社が、和解に応じたことが23日に明らかになった。

 こうした動きから、ビットコイン価格は持ち直し、24日朝の段階では515万円前後で推移している。

 米国人4人1人暗号資産保有消費者動向調査 

coindesk JAPAN 2021年2月23日(火)9時01分配信

 消費者動向のリサーチプラットフォームを運営するPiplsayが米国で行った調査によると、4人に一人が暗号資産をすでに保有しており、27%が今年中に暗号資産の投資を計画していると答えた。

 アンケート調査は18歳以上の30000人を対象に実施された。回答者の過半数は、暗号資産は安全な投資対象だと思うと回答した。

 暗号資産に対する意識調査は、米国のデジタル資産運用会社も実施している。機関投資家向けのビットコイン投資信託を運営するグレイスケール・インベストメンツは昨年10月に調査を行い、アンケートに答えた55%の投資家が暗号資産への投資に興味を持っている答えたという。

 また、同じくデジタル資産運用サービスのビットワイズ(Bitwise)が行った調査では、24%のフィナンシャル・アドバイザーがビットコインなどの暗号資産を保有していることがわかった。

 過去数カ月におけるビットコイン価格の急上昇は、他の資産クラスの上昇幅を大きく上回り、多くの機関投資家や企業の投資意欲を強めている。企業データ管理・分析サービスの米マイクロストラテジーや、米電気自動車(EV)最大手のテスラは、実際に資金の一部を使ってビットコインの購入を行っている。

 一方、一般の関心を示すグーグルを利用した検索数では、「ビットコイン」のキーワードは2017年に記録した水準には達していない。

 Piplsayの調査では、41%の回答者が株式と暗号資産は同等のリスクのある投資であると答えた。暗号資産は安全な投資ではないと答えた回答者の27%は、ハッキングや詐欺の懸念があると指摘した。不十分な規制と、暗号資産の高い価格変動率を指摘した回答者は、それぞれ2割程度だった。

 テスラ株25%下落ビットコイン投資後22兆円失う 

Forbes JAPAN 2021年2月24日(水)11時30分配信

 テスラ株は今月、これまでの快進撃から一転、勢いを失っている。アナリストの間では、同社が今月上旬に世界最大の仮想通貨であるビットコインに対する15億ドル(約1580億円)の投資を発表したことで、同社株がビットコインの極端な乱高下を模倣し始めるのではとの懸念も生まれている。

 テスラ株は23日朝、前日比で一時10%以上下落。ビットコイン投資を発表した今月8日からの下落率は25%を超え、時価総額はおよそ2150億ドル(約22兆6000億円)減り、約6200億ドル(約65兆3000億円)となった。

 テスラのイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)は先週末、ビットコインの価格について「高いように思える」とツイッターに投稿。ビットコインはその後、約7%下落した。

 ウェドブッシュ証券のアナリスト、ダニエル・アイブスは23日朝の顧客向けメモで、テスラ株は今や「良くも悪くも」ビットコインと「密接にひもづけられている」と指摘。こうした見方から、保守的な投資家はテスラ株の売りに走っている。

 アイブスはテスラ株について強気な見方を保っているが、ここ最近の下落の原因として、最安モデルである「モデルY」の販売停止や、相次ぐ値下げがアナリストらの間での需要に関する懸念につながったと説明している。

 

2021年2月22日 (月)

【猫の日】コロナ禍で「ペット関連」特需✍1兆6千億円(2020年度予想)!!

 今日222🐱の日 専用ユニットバス発表 

TBS NEWS 2021年2月22日(月)15時34分配信

 2月22日はニャンニャンニャンで「猫の日」です。大手住宅メーカーの大和ハウスは、業界初のトイレとお風呂が一体となった猫専用のユニットバスを発表しました。

 22日、大和ハウスが発表したのは、業界初となる水洗トイレとシャンプーシンクが一体となった猫専用のユニットバスです。今回の商品を提案したのは、日本を代表するアーティスト、ドリームズカムトゥルーの中村正人さん。

「ネコを飼っていまして、困ったことを解決してくれる、そんなシステムだと思います」(ドリームズカムトゥルー 中村正人さん)

 トイレにはセンサーが付いていて、猫を驚かさないように猫が去ってから自動で水が流れます。また、シャンプーシンクは猫のストレスを軽減させるため深く広々とし、底には滑りどめのゴムマットを敷きました。

 コロナ禍の在宅時間の増加でペット需要が拡大していて、関連する市場の規模は2020年度は1兆6000億円を超えると見込まれています。

 大和ハウスでは「マンションに比べて戸建ての方がペットを飼いやすい」ことをアピールし、今後、犬用の戸建てプランも提案する考えです。

 愛猫家台湾蔡英文総統日本語メッセージ 

毎日新聞 2021年2月22日(月)14時10分配信

 2月22日は日本では語呂合わせで「猫の日」。

 シャープのツイッターアカウントが1日限定で「ニャープ」に名前を変えるなど、企業の対応も年々増えているが、猫好きで知られる台湾の蔡英文総統も、ツイッターで日本向けに日本語のメッセージを寄せた。

 添付された写真に一緒に映っているのは、飼い猫の蔡想想(メス・愛称はクッキー)と見られ、蔡総統は「愛猫家として、#猫の日を見過ごすわけにはいきません!」とつぶやいている。

 【猫の日特集】獣医師訊く『イザという時』の心構え健康編 

婦人公論.jp 2021年2月22日(月)12時31分配信

 今日2月22日は「猫の日」。家族の一員であるペットと幸せな関係を築くために飼い主がすべきことを改めて考えてみませんか。

 ペットを飼うとさまざまなハプニングも起こります。体調を崩すこともあれば、災害が起きて通常の飼育環境が損なわれてしまうことも。ペットと暮らすうえでは飼育のしかたも命を大切にするという意識を持つこと、また、近年の災害の多さを踏まえれば緊急時の知識も必要です。

 そこで、飼い主が知っておきたいさまざまな心構えについて、全3回でお伝えします。教えてくれるのは、2016年の熊本地震の際、地震発生後に自らの病院を「ペット同伴避難所」として開放した獣医師の徳田竜之介先生です。第1回は、「ペットと健康」についてです。

* * * * * * *

健康編不調や病に気づくためのポイントを知る

Q. 健康寿命はのばせる?

A. かつてペットは10年生きれば、そこそこ長生きと考えられていました。しかし今は、犬の平均寿命は約15年、猫で16年ぐらい。品種や個体差にもよりますが、犬より猫のほうが、大型犬よりは小型犬のほうが長生きする傾向があります。

長寿になった理由として挙げられるのは、まずは食事の進歩。かつて、ペットには味噌汁かけご飯など残り物を与えるのが普通でしたが、今はペットフードが普及し、栄養状態が向上しました。そして、ワクチンや駆除薬の浸透により、感染症などで命を落とすことが少なくなったのです。

こうした獣医療の発展に加え、室内飼育の普及や、「家族の一員」という飼い主の意識変化により、犬猫が危険な目に遭う機会が減ったことも大きいといえます。

平均寿命が延びたことで、最近では人間と同じように、「ペットの健康寿命」も注目されています。犬や猫の健康寿命を延ばすうえで重要なことは、定期的な体重測定、排せつ物のチェック、触った時に痛がるところがないかなどのボディチェック、歯磨きです。

そして何より一番大事なことは、飼い主さんが健康でいること。ペットは皆、飼い主さんの生活に依存して生きているのです。だからこそ飼い主が健康で、よくかまってくれれば彼らも嬉しいし、健康状態もよくなります。逆に飼い主が精神的に不安定だと、不安定になりやすいのです。

Q. 医療費はどのくらい?

A. 医療費は病院によっても違うし、地域によっても違います。また、持病を持っている子と、丈夫な子の場合でも、生涯の医療費はかなり違ってくるでしょう。ただ大まかに言うなら、治療費だけでなく予防注射、避妊・去勢手術、餌代等すべて含めて、犬が200万円、猫なら100万円ぐらいを目安に考えてください。

いまや獣医療も進歩しています。たとえば腫瘍が疑われる場合、飼い主さんから「なぜすぐにCTを撮らないんですか!」と催促されることもあれば、「動物にCTなんて必要ですか?」と拒否されることもある。だからペットにいくらお金をかけるかも、その人の考え方で差が出てくるのです。

また、医療の選択肢が広がったことで、どこまで治療を行うべきか悩むケースも増えました。高度医療が受けられる施設もありますが、その分高額な費用がかかので、当然、飼い主さんの経済的な負担も大きくなります。

≪獣医師のホンネ≫

終末期医療との向き合い方

 いくら医学が発達しても、生き物はいつか必ず亡くなります。

 延命治療は、治ることはない動物の命を延ばすためだけに行われる治療です。場合によっては、ペットの痛みや苦しみを長引かせることもある。最優先すべきは、ペットのQOL(生活の質)です。

 どういうタイミングで何を選択するか、「正解」はどこにもありません。獣医師としても、常に「これでよかったのかな」と考えますものね。

 ペットが苦しむ姿をこれ以上見たくないと、安楽死を望む飼い主さんもいるでしょう。その気持ちはよくわかります。でも、もしこれが自分の親や子だったらどうでしょう。積極的治療を諦めることはあっても、「安楽死させてください」と言う人はいないはず。動物になると、人間は本音が出るんですね。しかし安楽死は後々まで飼い主さんの心に重いものを残すので、私は基本的には勧めないし、言わせたくない。可能な限り自然に近い亡くなり方が望ましいと思っています。

 しかしこれもさまざまな考え方があるので、納得するまで獣医師と話し合うほうがいいですね。悩んだら、ほかの医療機関でセカンド・オピニオンを取ることをお勧めします。3つぐらいの動物病院で聞いていいと思う。大切なペットのことなので、いろいろな意見を知ったうえで、納得のいく判断をしてほしいのです。

 【猫の日特集】獣医師訊く『イザという時』の心構え介護編 

婦人公論.jp 2021年2月23日(火)12時31分配信

 ペットを飼うとさまざまなハプニングも起こります。体調を崩すこともあれば、災害が起きて通常の飼育環境が損なわれてしまうことも。ペットと暮らすうえでは飼育のしかたも命を大切にするという意識を持つこと、また、近年の災害の多さを踏まえれば緊急時の知識も必要です。

 そこで、飼い主が知っておきたいさまざまな心構えについて、全3回でお伝えします。教えてくれるのは、2016年の熊本地震の際、地震発生後に自らの病院を「ペット同伴避難所」として開放した獣医師の徳田竜之介先生です。第2回は、「ペットと介護」についてです。

介護老いてきたら、ケアの仕方も変わります

Q. 介護の準備はいつから?

A. 犬猫ともに7歳を超えるとシニア(高齢期)の仲間入りといわれます。老化が進めば、今までできたことができなくなるのは、動物も同じです。

まず足腰が弱くなり、視力も弱まるので、物につまずくようになる。加えて、膀胱の筋力も低下するので、トイレに間に合わなくなり、粗相するように。耳も遠くなり、鳴き声が大きくなったり、名前を呼んでも反応しなくなったりします。気難しくなるなど、心の変化もあるでしょう。

筋力が衰えるので、散歩が好きだった犬も長時間歩くことを嫌がり、寝ている時間が増える。猫なら毛づくろいをあまりしなくなります。

Q. 老化対策はどんなことをすればいいですか?

A. 動物もシニアになれば必要な栄養素が変わります。食が細くなり、む力も弱くなるので、「シニアフード」を選ぶといいでしょう。メーカー各社で、年齢別にペットフードの種類を分けています。

お漏らし対策としては、トイレシーツを広めに敷き詰めたり、おむつの利用をしたりといったことが考えられます。そのためにも、小さい時から室内トイレのしつけをしておくことが肝心です。

また、足腰が弱ったからといって散歩を控えるとますます筋力が衰えてしまいます。老犬・老猫になっても、適度な運動や遊びは必要。隠したおやつを探させる「宝探しゲーム」は、頭と体を使う脳トレになります。そして時々声をかけ、スキンシップをはかりましょう。刺激が少ないと認知症になりやすくなります。

Q. 飼い主も年を重ね、「老老介護」になったらどうすれば?

A. 自身が年齢を重ねても、ペットの介護を最初から諦めず、さまざまなサービスを段階的に活用することをおすすめします。まずはペットシッターや犬猫のデイケア施設等を利用。たとえば週の半分は老犬をペット用ショートステイに預けて、半分は家で介護するという方法も。自分一人でできないところはプロの手に任せる。基本的に人間の介護と同じ考え方でいいのです。地域にどんなサービスや施設があるか調べてみてください。

また、飼い主さんが要支援や要介護状態になった場合でも、周りの方がご本人とペットを引き離すのは少し待ってください。離れ離れになったとたん、飼い主さんがガクッときて弱ったり、認知症が進んだりというケースをたくさん見てきました。可能ならば、なるべく飼い続けられるように周りがサポートする態勢を作ってほしいと思います。

ただしヘルパーさんやケアマネジャーさんなどの介護職の方は、担当している方のペットの世話をしてはいけない決まりになっています。だから動物病院と連携して、連絡係になってもらうといいですね。動物病院へは、できれば1ヵ月に1回ぐらい、飼い主本人が定期検診へ連れて行く。本人が行けない状態なら、往診を利用しましょう。往診を行っている動物病院はけっこうあります。

世話をするのがどうしても難しくなったら、動物用の介護施設に入れることを、獣医師と相談して判断する。そのほうが急に離れ離れになるより、飼い主さんのためにも、ペットのためにもいいと思います。

≪獣医師のホンネ≫

高齢者にこそ老犬・老猫を

 ある年齢以上になるとペットを飼うことを諦めてしまう人が増えますが、これは非常にもったいない話。高齢の方でも工夫次第で飼うことはできるし、それによるメリットはたくさんあるんですよ。極論を言えば、何歳でもペットを飼って大丈夫なのです。

 ただし、どんな動物でもOKというわけではありません。足腰の弱い高齢者に、散歩が好きなゴールデンレトリバーや、やんちゃなハスキー犬は難しい。小型でも手がかかる子はいますから、品種や個々の性質をよく理解して。また、飼い主の生活環境や健康状態によって相性のいい動物も変わってくる。飼う前にご本人と動物をコーディネートできる獣医師に相談するのが理想です。

 そのうえで中高年の方にお勧めしたいのは、成犬・成猫を飼うこと。生まれたばかりだと将来どのくらい大きくなるかや性格が予測できません。「こんなに元気な子に育つとは思わなかった」と高齢者の方が動物を手放したり、思わぬ事故が起きたりするケースはたくさんあります。ですから保護動物などのなかから成犬や成猫を迎えるというのも、ぜひ選択肢のひとつにしてみてください。

 年を取った動物と人間のお年寄りは、本当に相性がいいのです。仙人のように悟り切ったような老犬や、おっとりした老猫などに、とても癒やされますよ。

Photo_20210223173501

関連エントリ 2021/02/16 ⇒ 【特別読み物】『私』が『在宅専門医』になったワケ
関連エントリ 2021/01/19 ⇒ 【コロナショック】もしも✍我家のペットが感染したら・・・・

Photo_20210223175301

 コロナ禍ペットバブル非常識返品”多発している 

NEWSポストセブン 2021年2月23日(火)16時05分配信

 犬や猫は法律上「物」であっても実際には「命」である。ところが、命とも思わず捨てる人間がいる。物のように安易にサプライズのプレゼントに使ったり、自分の都合で買った店に返品したりする人間がいる。俳人で著作家の日野百草氏が、コロナ特需に沸くペットショップと売れ残った動物たちの行方、返品などの非常識な客の実態についてレポートする。

 * * *

やっぱり飼えないから返すって飼い主、本当にいます

 元ペットショップ店員、篠山あゆみさん(20代・仮名)が小さな声でこぼす。運ばれてからずっとコーヒーに口をつけず、元いたホームセンター併設のペットショップの悪口を一通り語り尽くしたあと、客の非常識について語り始めた。

「ペット禁止の団地でバレたからとか、プレゼントで買ったのに受け取らなかったとか、地獄ですよ」

 一部の専門ブリーダーや特殊な動物を扱うような専門店を除けば、日本のペットショップの大半は顧客の住環境や生活パターンをヒアリングした上で犬や猫を渡すという仕組みがない。ペット禁止の団地やワンルームの住人でも金さえ払えば犬を買える。極端な話、四畳半の独居であっても客は金さえ払えば大型犬を買えるし、店は売れて金になればいい。

「そうです。命が売れればいいんです。命がお金になればいいんです」

 篠山さんは「命」を繰り返すが、ペットショップの販売する生き物は民法上、「物」だ。「この法律において、『物』とは、有体物をいう。」の民法第85条が動物という有体を「物」と判断する根拠となっている。この有体物の中で例外は人間だけだ。つまりペットは排他的に支配できる、所有できる「物」である。日本のペットショップが「命」の売買をできる法的根拠がこの民法第85条だ。かつて人間を売買できたように、犬でも猫でも売買できる。売ってお金にできる。

「それを非難することは私にはできません。バイトでも働いていたわけで。でも働いてみてわかったのは、本当に理解不能な人がたくさんいるということでした。普通、お迎えしたあとに気に入らないとか、やっぱ飼うのやめたで返品したりしませんよね」

 篠山さんがペットショップのアルバイトをした理由は、単純に動物が好きだから。もちろん働いてすぐそのギャップに苦しむこととなった。

「大きな団地が近くにある(ホームセンター内の)店でしたが、コロナで売り上げはよかったですね。家族連れとかカップルが動物園気分で来てました。店に立つ私が言うのも変ですが、みんなコロナ気にしないのかなって」

買ったペットを返しにくる人は、マシなほう

 篠山さんが勤務した期間は短く1年もない。動物と関係ない専門学校を卒業後にバイトを転々として、たどり着いたのがペットショップ。辞めた理由は、先の返品トラブルも含め、命の売買とそれに伴う命の軽視だ。

「そのペットショップチェーンはすごいブラックだったんです。この店で売ってる子はオークションでも格安の子ばかりだって先輩は言ってました。社員さんは「出来が悪い」「病気持ち」とか平気で言う人でした。でもお客には調子のいいことばかり言ってました。格安の子を仕入れて、何十万って値段で売るんです。生体価格の倍近くします」

 ここでいうオークションというのは、日本各地で週に一回程度行われているペットの競り市のことである。日本のペットショップで売られている犬や猫の多くは、そういった競り市でバイヤーに競り落とされてからペットショップへと引き渡される。

 昨年「ペットショップの『コロナ特需』と売れ残った動物たちの末路」および「チワワが諸費込みで60万円 コロナで高騰するペット生体販売の闇」でも取り上げたが、コロナ禍で絶好調なのがペットビジネスだ。矢野経済研究所による「ペット関連総市場 市場規模推移と予測」によれば2019年度が1兆5700億円、2020年度は1兆5978億円、2021年度の予測では1兆6257億円と毎年250億円以上の増加が見込まれている。コロナ禍に疲弊する日本経済だが「巣ごもり」需要でペット産業は不況知らず、「犬でも飼うか」「猫でも飼うか」という人が増えている。

 初めてペットを飼うという家庭が増えているため、ペット保険も大手のアニコム損害保険、アイペット損害保険ともに2020年上半期の新規契約件数が過去最高を記録している。まさにコロナ特需に降って湧いたペットバブルだ。景気循環には結構な話だが、扱う商品は「命」。法律上「物」として売られる子、ペットたちだが人道上は「命」である。

「普通の人が思う以上にヤバい人って多いんです。団地で禁止されてるのにティーカップ(プードル)を50万円で買って、バレたからって返しに来るんです」

 ペットショップで購入した場合はクーリングオフの適用外である(それでも民事なので店次第)。店や土地柄によるのかもしれないが、常識では考えられないような客、飼い主になってはいけないような連中はいる。それがコロナ禍のペットバブルで初めて飼う人が増え、悪目立ちしている状況だ。もちろん、そんな連中でも犬や猫は金を出せば手に入る。

「変な言い方ですけど、ちゃんと返しに来る人なんてマシです。社員さんが朝一で出社したら店の裏手にケージに入ったミニチュアダックスの子が置かれてたなんてこともありました。買った飼い主には連絡つかないし、たぶん、購入時にこちらに教えたのはデタラメの電話番号と住所なんでしょう。ペットバブルなんて最悪ですよ」

 大金払って犬を買ったのに意味不明の行動だが、飼えなくなった理由があったのだろうか。もっとも、店の大半は返品なんて受け付けていない。それでも実態は店次第の「個別案件」であり、販売時の説明に瑕疵があるとか、篠原さんいわく明らかに「ヤバい人」の場合、しぶしぶ応じることもある。返金も原則しないが、篠原さんの店の場合、めんどくさい相手の場合は返金もしていたという。結局のところ本部の判断、そして相手を見て決めるという。つまるところ、お互い犬や猫の幸せなんて二の次三の次。

「捨てられちゃう可能性もありますから、それよりはマシ、と思うしかないです」

 ペットショップや動物病院に犬や猫が捨てられていたなんて話は昔からある。筆者の実家で飼っていた黒猫の三太郎は、妹が通っていた獣医大学で捨てられていた子だった。我が家で好き放題暮らして17年間の猫生を全うしたが、すべての捨てられた子がそうはいかない。ペットショップや動物病院、獣医大など、動物関連の施設なら捨ててもいいと思うのか、後ろめたさが解消されるのか。昔からよくあることとはいえ、理解し難い行為だ。

売れ残りの鳥は死ぬまで、ハムスターは200円で投げ売り

 それにしても、篠山さんは半年ほどしか働いていないというのにこれだけのエピソード、非常識な人間はいくらでもいるということか。

「それだけじゃないです。2ヶ月たって返品するって男性もいました。さすがに社員さんも驚いてましたよ。彼女にプレゼントしたけどトイレを覚えないし、うるさく吠えるんで彼女からいらないと言われたって。さすがに店長も拒否してましたけど、あの子はどうなったのでしょう」

 どうなったのもなにも、誰か別の人にあげたか、保健所に連れて行ったか ―― 筆者にはまったく理解できない連中だが、「そういう人間」は普通にいる。その男も彼女も「そういう人間」の類いだ。ひとたび飼い主となったなら、ペットはその欠点も含めて我が子同然に可愛い存在であると同時に責任が伴うはずだ。子犬も子猫も、飼い主を実の親のように頼るしかない。そんな我が子を虐待する人間、捨てる人間、他人にサプライズプレゼントという名の「遺棄」をして美談気取りのタレント ―― だが、彼らはたとえ非難されても、何が悪いかすらわからないだろう。そういう人間からすれば「物」であり、タレントからすれば自分を飾るためだけのファッションなのだろう。

ペットショップって、動物が好きな人には絶対無理な仕事だってわかりました

 素直に語る篠山さんだが多くの「元・店員」となった人々の退職理由の大半はそれだ。好きなだけで続く仕事などないが、ことペットショップに至っては命の売買、ましてホームセンターやショッピングモールに出店している大半の「売らんかな」ペットショップは商売と割り切れる人でないと無理だろう。民法上の「有体物」、つまり「物」としてペットを扱える人でないと難しい。仕事だからと言ってしまえばそれまでだが、道徳なき経済は罪悪だ。

 結局のところ、以前から繰り返し指摘してきたように、あまりに野放しな日本の生体販売が原因であることは明白である。日本の動物愛護法は改正され、昔は罪が軽過ぎて器物損壊罪で裁いたほうがマシだったものが昨年、動物愛護管理法違反罪(5年以下の懲役又は500万円以下の罰金、それまでは2年以下の懲役又は200万円以下の罰金だった)として罰則が強化された。それでも遺棄、虐待はもちろん飼い主の資格のおおよそ無いような連中が減る気配はない。むしろコロナ禍のペットバブルで売る側はウハウハだ。

「店にもよるのでしょうけど、お金になれば命なんかどうでもいいって人、ほんとにいるんですね。店も客も、理解できないヤバい人って本当にいるって知りました」

 篠山さんはしなくてもいい経験をしてしまったかもしれない。それでもいま、実家で保護猫を2匹飼っているそうで、不本意ながらもその店で「命」を学んだ結果なのだろう。筆者はペットショップ関係者には必ず聞くことがある。これが目的だと言ってもいい。売れ残った子はどこにいくのか。犬、猫、鳥、小動物、毎月仕入れる命のすべてが売り切れるわけでも、店員が引き取れるわけでもあるまい。これを篠山さんにも聞いてみた。

「短い間だったので犬や猫はわかりません。他の店に行くだけでした。鳥は落鳥(鳥が死ぬこと)しなければずっと店で売るそうです。パピー(幼い子供)が売れ筋の犬や猫と違って、鳥は成鳥のままでも売れますからね。ハムスターは200円とか投げ売りすれば売れます。まとめてごっそり買う人もいます。何に使うのか知りませんが常連で、虐待のためかもしれないって店で噂してました」

 あまり多くは語ってくれなかった。これもいつものパターンであるが、ごく短いことを考慮すれば仕方のないことかもしれない。

 どんな相手でも客は客、お金さえ払えば動物は手に入る。ペット禁止の団地住民だろうが、老い先短い独居老人だろうが、異常な虐待マニアだろうが金さえ払えば命が手に入る。どこの国でもそういう闇があるかもしれないが、この国の命の売買はあまりにコンビニエンス、お手軽すぎる。さらなる厳罰化と規制が必要だろう。動物の命をないがしろにする国は、人間の命もないがしろだ。結局のところ人間に返ってくる。弱い立場の「命」から順番に苦しめられる。やがて人間も物として扱われる。

 あなたと出会った動物にも感情があり記憶があるいったん出会ってともに生活すれば、我が子同然だその子は、あなたを疑わないしあなたと過ごした日々を忘れないどんなに短くても覚えている。たとえ殴られても、病気で苦しくても、捨てられてもあなたのことが大好きだ半年たらずで見知らぬ他人にサプライズプレゼントの道具にされて捨てられたって、あなたのことが大好きだ

 それでもあなたは手放しますか?

 オクラホマ州で6本脚の仔犬まれる奇跡と獣医師ら 

CNN.co.jp 2021年2月24日(水)11時02分配信

 米オクラホマ州の動物病院でこのほど、脚の6本あるメスの子犬が産まれる出来事があった。獣医らからは「奇跡」と驚きの声が上がっている。

「スキッパー」と名付けられたこの子犬はボーダーコリーとオーストラリアン・シェパードのミックス犬。 同州ニール動物病院のティナ・ニール医師によると今月16日に、8匹のきょうだいとともに誕生した。

 その日の猛烈な吹雪が収まった後、飼い主が病院へスキッパーを連れてきたので検査を行ったという。

 超音波診断やレントゲン撮影を行ったところ、スキッパーは2種類の先天性疾患にかかっていることが分かった。この影響で頭部と胸腔が1つなのに対し、骨盤部と尿路、生殖部が2つ存在し、尾も2本生えている。脚は先述のように6本だ。

 ニール医師はスキッパーが子宮の中で双子の一部だった公算が大きいと指摘。受精卵が分裂する際に完全に分かれなかったとの見方を示した。脊椎には二分脊椎症の兆候も見られるという。

 生後1週間が経過した後も、スキッパーは元気に過ごしている。乳を飲むのが大好きで、普通の子犬と同じように動き回る。排泄も問題なくしているという。

 ニール氏はスキッパーについて、乗り越えなくてはならないことがあるかもしれないが今のところは健康だとし、獣医らも飼い主も素晴らしい一生を送るための支援は惜しまないとの考えを示した。

 ただ病院のフェイスブックページでは、今後もスキッパーの検査を継続し、痛みなく快適に生活できるよう発育状況を繰り返し調べるとしている。

Photo_20210224130501

 

2021年2月21日 (日)

【似非科学】✍「騙される人&騙されない人」その傾向を探る

 エセ科学される人とされない人の 

日経ビジネス 2021年2月19日(金)16時51分配信

 科学が発達し、情報があふれる時代にどう生きるか。世界的な生命科学者である吉森保・大阪大学栄誉教授は、「科学的思考」こそが、これからの時代を生き抜く基礎教養になると説きます。研究者でなくても、科学的思考を身につけることで、エセ科学やフェイクニュースにだまされにくくなります。今回対談をしたのは、行動経済学の第一人者である大竹文雄・大阪大学大学院教授。行動経済学から見ても、「科学的に考える」力を持つことはとても重要だと大竹氏は言います。吉森氏の著書『LIFE SCIENCE(ライフサイエンス)長生きせざるをえない時代の生命科学講義』を切り口に、科学的思考について考えます。その前編です。

断言する人は科学的に怪しい

吉森保(以下、吉森):一昔前まで、生命科学は医師など特定の専門家だけが知っていればよいものでした。しかし今は違います。科学が急速に発展したので、いろいろな場面で生命科学が使われ、その知識が必要になりました。身近なところでも、新しいワクチンの技術が生まれたり、遺伝子組み換えの食品が増えたりなど、科学技術がどんどん複雑に、しかも進化が速くなっているので、自分にとって最良の判断をするのに科学的思考が必要なのです。

『LIFE SCIENCE』にも書いたのですが、特に「相関関係」と「因果関係」の違いを知ることはとても重要です。推察できるのが「相関関係」で、いろいろな実験などをした末に、これは確からしいぞ、となるのが「因果関係」です。この2つを知っていると、例えば「エセ科学」にだまされることはなくなると思います。

大竹文雄氏(以下、大竹):『LIFE SCIENCE』は、受験勉強の理科しか知らない文系の人にぜひ読んでほしいと思います。理系、文系と便宜上分けられていますが、考え方、この本でいうところの「科学的思考」は、やはり身につけておいて損はありませんので、文系だからといってこの考え方を知らないのはあまりにも惜しい。文系であろうと理系であろうと、大切なのは、まず疑問に思うことです。「何か変だな」と気づくのが第一歩です。

 研究者は、そのあと「なぜそうなっているのか」の仮説をたくさん立てます。そこから、実際に検証して絞ります。仮説を立てて検証するというのは、吉森先生が指摘しているように研究者でなくても必要な力ですね。この本にはいかにして仮説を立てるのか、「良い仮説」の発見のプロセスが多く描かれているところも印象的でした。

吉森:そうそう、私から見ると「皆さん、疑わなすぎだな」と思います。日常生活で、「あれっ」と思うことは意外に多いはずです。それを大事に「これは相関関係ではなく、きちんとした因果関係であるか」と考えることが大切です。

大竹:そうですね。ただ、文系からすると理系がうらやましい思うところもあります。本にも書かれていましたが、政府の緊急事態宣言の効果について因果関係を完全に調べることは不可能に近いわけです。理想は、同じ都市で緊急事態宣言を実施した場合とそうでなかった場合を比較することですが、現実にはできません。できることは、「緊急事態宣言を実施した都市」と「同じような条件で実施しなかった都市」を比較することです。

 ところが、似たような都市で、片方だけ緊急事態宣言を実施していないというケースは現実にはなかなかありません。できるのは、ボーダーライン同士の都市を比較することくらいです。東京が緊急事態宣言をしなかった場合にどうなったかを検討するには、比較対象はないですね。なんらかの理論モデルに基づいて、緊急事態宣言がなかった場合を計算して、それと比較することになります。このように、社会科学の場合は因果関係の証明にどこまで近づけるかは永遠の課題です。

吉森:その点は非常に重要です。状況に合わせて「これは効いたようだ」などと、たくさんの相関関係から「真実に近づく」ことをしていかなければなりませんよね。科学は確かに実験がしやすく、因果関係を確かめるための介入ができますが、それでも、やはり社会科学の悩みと方向は同じで、たどりつくのはようやく「確からしい」という答えです。

 「確か」ではなく「確からしい」です。神様ではないので、100%の「答え」にはたどりつかないんですね。だから、マスコミなどで、絶対にこれは大丈夫です!などと断言している人は、怪しいと思って間違いありません。これもエセ科学にだまされないための心得ですね。でも皆さん、科学者にすぐ「確かな」答えを聞いてきます。

答えなんてないから、一人ひとり自分の頭で考えなければならない

大竹:私も研究プロジェクトを立ち上げると、学生から「正解を教えてください」と言われることがあります。でも、分からないから研究プロジェクトを作ったんですよね。確かな答えはなくて、私たちが自分で考えてたどりつくしかありません。

吉森:今、正しいと思われているものが、数百年後に正しくないと分かることもたくさんあるでしょう。私がこの本を書いたのも、生活に科学的なものが入り込みすぎた中で、一人ひとりが自分の頭で判断することが大切だと思ったからです。

 教育の問題も大きいですよね。日本の場合、入試を突破するには素早く正解にたどりつくことが求められてきました。国単位で見ても、欧米に答えがあって、それをまねすれば良い時代が長く続きましたからね。

大竹:日本の戦後、つまり発展段階の頃は、先進国の政策や企業動向を調べて、コピーするのが効率的だったのは間違いありません。実際、その能力が高い人が社会でも重宝されました。ところが、日本が先進国になった今抱えている問題、例えば少子高齢化の答えは、世界中をいくら必死に探しても見当たりません。解は自分たちで考えなければいけません。そろそろ、発想を変えなければならないでしょう。

吉森:分かりやすいのが、新型コロナウイルスにどう向き合うかですね。世界中の誰も正解が分からない中、自分で判断しなければいけません。情報はあふれていますが、真実に近い情報もあればガセネタもある。

大竹:情報の見分け方についても書かれていますね。

吉森:はい。科学的思考に基づけば、ただテレビを見ているだけでも、インターネットを見ているだけでも、ある程度見分けることは可能になります。例えば、先ほども言いましたが、「断定するコメンテーター」は怪しい。科学には絶対に確かなことはないので、科学的思考に基づくなら「この仮説に基づけば、こういうことがいえます」としか言いようがないんですね。

大竹:『LIFE SCIENCE』の中で印象的だったのは、先生がビーズで実験をしたことです。吉森先生の専門のオートファジーが「細菌を攻撃する仕組みの機能」を確かめるために、本来なら細菌を使いそうなところでビーズを使っていました。詳しい説明は長くなるので、ぜひ本を読んでほしいのですが、この実験により、細菌を使っていないのに、オートファジーと細菌の関係性がはっきりした。吉森先生は、因果関係を明らかにするための実験計画のアイデアが素晴らしいです。超一流の研究者は、皆さんそうですが。

吉森:研究者はどんな実験をするかのひらめきが勝負というか、大切ですよね。この本では、理系の研究者の世界では、実は論文がどのくらい引用されたのかが1つの評価ポイントであることや、科学者がどういう経緯で「大発見」するのかを示す実験の様子なども書いてみました。それは、先ほどの話にも出ていたように、用意されている「答え」はなく、科学者はこう考えているということにプラスして研究の楽しさも伝えたいと思ったからです。

 ノーベル生理学・医学賞受賞者である師匠の大隅良典先生は、常々「科学は文化だ」とおっしゃっています。役に立たなくてもいいけれど文化であれと。ただ、芸術やスポーツならば見れば分かりますが、オートファジーは説明しないと、誰にも理解してもらえません。

大竹:みんなに面白いと思ってもらう姿勢が必要だと。

吉森:そうです。そのためには面白さを発信しなければいけません。

大竹:私も「経済学で景気を回復させることはできないのか」と役に立たないことを批判されることもあり、「そんなに経済は簡単じゃないよ」と愚痴の1つもこぼしたくなることがあります。そこで思ったのは、「役に立つ」ということを発信するのも重要だけれど、「経済学は面白い」ということも発信しなければいけないということで、一般向けの本も書いてきました。すべての研究者が発信する必要はありませんが、研究者が学問を維持発展させるには、興味を持ってもらえるようにすることも大事ですね。

後編『「行動を変える」のに結局、怖いメッセージが効かない理由』(下記)に続く

 行動変えるのに結局メッセージがかない理由 

日経ビジネス 2021年2月21日(日)7時00分配信

 科学が発達し、情報があふれる時代にどう生きるか。世界的な生命科学者である吉森保・大阪大学栄誉教授は、「科学的思考」こそが、これからの時代を生き抜く基礎教養になると説きます。今回は、行動経済学の第一人者である大竹文雄・大阪大学大学院教授との対談の後編です。行動経済学と生命科学は「人間は、まわりの環境に合わせて変わる」という点に注目しているところがよく似ています。環境によって、人間はどう変わるのか。吉森氏の著書『LIFE SCIENCE(ライフサイエンス)長生きせざるをえない時代の生命科学講義』を切り口に考えます。

細胞が変化すると、人間の行動も変化する?

吉森保(以下、吉森):大竹先生は著書『行動経済学の使い方』で、「人間は単純ではない」という前提を書かれていますが、それが興味深かったんです。生物学と似ていると思いました。生き物は、環境によって「進化」する場合があります。生き物は環境によって変わっていき、固定された存在ではありません。生き物を支える細胞一つひとつの仕組みも単純ではなく、同じ体の中でも、環境に対応できる部分もあればできない部分もある。行動経済学が想定している人間像も、これと似たようなものだなと感じました。

大竹文雄氏(以下、大竹):吉森先生に聞いてみたいとずっと思っていたのですが、「細胞が変化すると、それが形作る人間の判断も変わること」は起こり得ますか?

吉森:「環境に合わせて細胞が変わると、人間の行動も変わるか」ということですか? はっきりと「変わる」と言えませんが、可能性としてはとてもあると思います。著書『LIFE SCIENCE』にも書いていますが、細胞の中は、まるで人間の世界のような大きな社会なんです。交通網があったり、ごみ処理場があったりなど、細胞の中が一生懸命働いてくれているから、私たちは生命を維持していられます。人間はその細胞の集まりですから、中身が変われば、行動も変わることはあり得ますね。

人間は、それが損でも目先の小さなリスクを避けてしまう

大竹:それはとても面白いですね。人間の行動1つとっても、体ではさまざまなことが起こっているんですね。『行動経済学の使い方』にも書いているのですが、伝統的な経済学では、「人間は常に合理的な選択をする」と考えます。最高に頭のいい人間を想定しているんですね。もちろん、全員が常に賢いと考えているのではなく、競争にさらされている賢い人が勝者になるので、その人の行動を描写できれば経済の動きが分かるということです。

 ただ、最近になって、人間はかなり特定のパターンで「合理的」な行動からズレることが分かってきました。小さなリスクでも怖いと思ったり、逆に災害が迫ってきているのに大丈夫と思ったりします。損だけは絶対に避けたいと思いますし、嫌なことを先延ばしします。それに、金銭的な損得だけではなく感情に基づいて選択することも多いです。ちょっとした表現で、意思決定を変えてしまいます。それならば、他者が介入して、より良い判断を促すことが本人や社会の役に立つのではないかと考えたのが行動経済学です。

吉森:コロナ対策でも、どのような人間像を前提にするかで感染者数のシミュレーションが変わりますよね。例えば、疫学や感染症の研究者のモデルはシンプルです。感染リスクを恐れずに、どんなことが起こっても同じ行動を取り続ける人間が前提です。研究者自身もそれがシンプルだとは認識していますが。ですから、緊急事態宣言を解除すると、感染者数は爆発的に増えて元に戻ってしまうという議論になりがちですね。

大竹:一般的に、伝統的な経済学者は、新型コロナが本当に危険だったら人は自粛するはずだと考えます。それなら、一定の期間が経過すれば、「自然に感染者数が減少するのでは」とまず仮説を立てますよね。それでも減少しない場合にどう考えるかというと、「多くの人は、自分が感染しなければ問題ないと考えていて、自分の活動のせいで人に感染させてしまうところまで想像できていないのでは」という仮説を再び立てます。「他者のことまで考えない人が多いならば、人のことを考えない人に罰則を与えるべきだ」というのが、伝統的経済学です。

 でも、私たちには、もともと利他心があるけれど忘れがちだというように考えれば、「あなたの感染対策で人の命が助かります」という利他的なメッセージを発信することで感染者数は減少するかもしれません。これが行動経済学です。緊急事態宣言も、他者への感染防止の意識を促すことにあると考えるわけです。

学問を体系化すると、誰もが使えるようになる

吉森:生命科学と行動経済学は、非常に柔軟に現実を見ている点が共通していると思います。対談前編で、大竹先生は「理系がうらやましい」とおっしゃっていましたが、私からすれば行動経済学は応用範囲が広いのでうらやましい。例えば「ナッジ」(「ひじで軽くつついたりする」という英語。強制ではなく、選択する自由を残しながら、より良い方向に後押しする考え方)ですね。これは家庭でも国の政策でも使えますよね。

大竹:そうですね。新型コロナ対策でも手洗いの慣行や列に間隔を空けて並ぶなど多くの場面でナッジを見かけました。私も専門家会議のメンバーとして、「同じ内容でも表現の違いで意思決定は変わる」、「人ができることを押し出すことで損失を感じにくくなる」などの行動経済学の考え方を提唱してきました。例えば「帰省は控えて」より「ビデオ通話でオンライン帰省」と打ち出す方が効果が見込めるわけです。ただ、同じ呼びかけでは慣れが出てきてしまいますから、これからは状況に応じて発信する内容を変える必要があります。

 特に、「怖いメッセージ」は一時的にすごく効くのですが、長続きするのは、やっぱり楽しい方なんですね。ちょっとくじの要素があったりとか。人間は、楽しい要素がないと長続きしない、というのも行動経済学で分かってきました。

吉森:ナッジは医療にも絶対に有効ですよ。人々を、病気にならないようにどう行動させるかの仕組みをつくることができれば素晴らしいことです。これは完全に行動経済学の世界になります。そうなった時に、行動経済学という学問分野が存在しなければ、こうした仕組みを考える人がいても知として共有されませんから、有効な仕組みを提供される患者もいれば、提供されない患者も出てきてしまう。「学問が体系立てられる」と、広い範囲で、いろんな人が使えるようになります。だから、この意味は非常に大きいですね。

大竹:行動経済学が学問として成立していない頃は、ナッジは一部の天才肌の人が感覚的に使っていた職人芸だったと思います。ビジネスの世界では天才的なプランナーやコピーライターが駆使して購買意欲をかき立てていたでしょうし、政治の世界ではカリスマと呼ばれる政治家がよくも悪くも人々を誘導していたはずです。学問として成立したことで、天才でなくても効果的なマーケティングができるようになりましたね。

吉森:考え方によっては、簡単に悪用しようと思えばできるようになったともいえますが、体系立てられたことで、悪用を防ぐことも可能になったともいえますね。

Photo_20210223165601Photo_20210223170001

 羽生結弦卒業論文学術誌に異例の掲載担当教授絶賛 

女性自身 2021年2月23日(火)15時50分配信

「地震があってから、まだ羽生さんから返事はないです。けっこう停電があったり、断水があったりして、大変じゃないかと思っているんですけど……」

 こう案じるのは、羽生結弦(26)の大学時代に指導教授を務めた早稲田大学人間科学部人間情報科学科の西村昭治教授。

 '11年3月11日に発生した東日本大震災からまもなく10年を迎えようとしているさなか、東日本がふたたび恐怖に包まれた。2月13日深夜、宮城県と福島県を中心に強い地震が発生した。

「宮城県と福島県の一部で震度6強を記録しました。この地震による死者は出なかったものの、停電や地割れが起こる事態となりました」(全国紙記者)

 昨年9月に大学を卒業した羽生。フィギュアスケートのモーションキャプチャについて執筆した卒業論文は専門性の高い内容からも話題になっていた。

 今回の地震の少し前、西村教授はちょうどその論文について羽生と連絡を取り合っているところだったという。

「羽生さんの論文が今度、学術雑誌に掲載されることになって、その打ち合わせでやり取りをしていました。通常、卒論は掲載しないのですが、羽生さんの論文について知りたいという声も多く、何より出来がよかったので特別寄稿してもらうことになったんです」

 コロナ禍によって拠点であるカナダを離れ、現在は生まれ故郷である仙台で生活しているという羽生。西村教授は地震が発生すると、すぐにそんな羽生の安否を気遣うメールを送ったという。

 先の地震後、まだ羽生からのコメントは発表されていない。3月の世界選手権では被災地への思いとともにまた飛翔することだろう――。

Photo_20210223165901Photo_20210223165701

関連エントリ 2021/02/14 ⇒ 【震災から10年】13日23時7分✍最大震度6強(M7.3)余震が発生!!
関連エントリ 2020/11/16 ⇒ 【東京2020】バッハIOC会長✈来日「コロナ禍での開催」明言

 

2021年2月20日 (土)

【東京2021】橋本聖子氏(56)オリパラ大会組織委員会✍新会長に就任。

橋本聖子新会長(56)自民離党政治的中立配慮

毎日新聞 2021年2月19日(金)20時53分配信

 東京オリンピック・パラリンピック組織委員会の橋本聖子新会長(56)=参院議員=は19日午後、自民党に離党届を提出した。同党は受理する方針。

 橋本氏は同日午前、離党せずに党北海道連会長も続ける意向を記者団に表明したが、国際オリンピック委員会(IOC)が定める五輪憲章の「政治的中立」に反すると野党の反発を招いたため、新たな混乱を避けた。関係者によると、組織委は女性蔑視発言で辞任した森喜朗前会長(83)を役職につけない方針。森氏の影響力が残るとの懸念を払拭する狙いがあるとみられる。

 橋本氏は党本部で二階俊博幹事長に離党届を提出した後、記者団に「さまざまな声をいただく中で考えを改めた。政党への所属を続けていては、国民の皆さんに理解をいただくことはできないだろうと判断し、一点の曇りもない気持ちで離党を決意した」と記者団に述べた。

 IOCからは離党しなくても「問題ない」との見解を得ていたと釈明しつつ「混乱を招いたことは心からおわび申し上げたい」と陳謝。「尊い議席はそのまま守らせていただきたい」と参院議員は続けると強調し、組織委会長職を終えた後に復党する意向も示した。

 橋本氏は同日午前、あいさつまわりで訪れた自民党本部で記者団に離党しないと表明。「疑念を持たれないよう、中立性といいますか、スポーツと政治というIOCの憲章にのっとってしっかり行動していくことを心がけたい」と述べた。道連会長職についても、道連から続投を求められたとし「力強く感じ、引き続き受けさせていただく」としていた。

 この対応に野党各党は猛反発した。立憲民主党の安住淳国対委員長は党会合で、橋本氏に直接抗議したと明かした上で「驚愕(きょうがく)した。IOC憲章に違反する」と主張。4月25日の衆参3補選・再選挙や今秋までの衆院選を控える中、「候補者と(橋本氏の)2連ポスターを張ったら五輪の政治利用になる」とし、「国民や世界のための五輪を自民党のための五輪にしようとするなら、徹底的に異議を申し立てる」と語気を強めた。参院では3月以降、予算案審議などが連日のように行われるとし「それに出席しながら会長をなさるのでしょうか」と議員を続けることにも疑問を呈した。

 橋本氏は19日午後、組織委で職員に訓示。「組織委員会がワンチームになって、(新型)コロナウイルス対策をしっかりして、信頼される大会にするのが私の最大の使命」と呼びかけた。橋本氏はその後、後任の五輪担当相に復帰した丸川珠代氏(50)と引き継ぎ式を行った後に離党届を提出した。夕方には東京都庁を訪れ、小池百合子知事(68)と意見交換した。

 橋本新会長やっぱり離党ドタバタ急転の背景… 

スポニチアネックス 2021年2月20日(土)5時30分配信

 東京五輪・パラリンピック組織委員会の橋本聖子会長(56)は就任から一夜明けた19日、丸川珠代五輪相(50)と引き継ぎを行い、都庁に小池百合子知事(68)を訪ね面会した。五輪に向け女性3人の新体制が始動した。自民党所属の参院議員と兼ねることに批判が集まっていた橋本氏はこの日、離党届を提出。一度は離党しないと公表したが、約3時間後に急転撤回。ドタバタのスタートとなった。

 この日午後、橋本氏は党本部で二階俊博幹事長(82)と面会し、離党届を提出。記者団に「透明性を持って国民に歓迎される会長を務めるには、政党に所属していては国民に理解してもらえない」と説明し、参院議員辞職に関しては「尊い議席はこのまま守りたい」と否定した。

 午前に二階氏と面会した後は、記者団に離党の考えを否定。だが、この日2回目の二階氏との面会後、一転して前言撤回となった。

 ドタバタ劇の裏に、自民党を牛耳る二階氏の存在が見え隠れする。この日午前、橋本氏は二階氏との面会前に出席した自民党北海道議員の会合でも「IOC(国際オリンピック委員会)や党本部などと相談し議員辞職や離党は必要ないとの判断に至った」と出席者に説明。「議員辞職はまだしも、離党は不可避」(組織委関係者)が大方の見方だっただけに、周辺には驚きの声が上がった。

 五輪憲章にうたわれている政治的中立。過去にロンドン五輪組織委員会の会長を務めたセバスチャン・コー氏が上院議員と兼任した例があるが、上院は終身任期制。選挙で選ばれた自民党議員とは立場が違う。

 女性蔑視発言から引責辞任した森喜朗前会長(83)も、愛弟子の橋本氏に組織委会長になるには「離党して議員を辞める必要がある」とはっきり伝えていたとされる。「橋本氏が議員辞職や離党に難色を示したので、決定まで時間を要した」(同関係者)という。

 離党せず会長職を務める選択に野党や世論が猛反発。橋本氏も五輪開催や国会審議への影響を回避するため、離党に方向転換した。

Photo_20210220172701

 元アスリートでもあり、政界の父と慕う森氏の姿勢からも、橋本氏は当初から離党の必要性は理解していたと思われる。「橋本さんは、離党しなくていいと勘違いしてしまっていた。党本部、いわゆる二階さんが離党しなくてよいとしたのでしょう」(自民党若手議員)と、二階氏からの許可があったとの見方がある。「離党せず」を翻意したのも二階氏との面会直後。与党関係者は「二階氏の言動に橋本氏は振り回されたようだ」と話した。

 組織委の混乱を鎮めるために就任した新会長のブレた決断。離党という判断ですら背後の重鎮の意見で変わる橋本氏の判断力、運営力の危うさが、いきなり露呈する形になってしまった。

 《家族に反対されていた》橋本氏はこの日夕、日本テレビ「news every.」に生出演。離党について「当初IOCの見解は“問題ない”ということだったが、大臣を兼務することは許されないので、辞職し行動規範を順守して会長職を全うしたいと考えた」と明かした。会長就任には家族の反対があったと言い「子供たちに“オリパラ担当で最後まで頑張るのがお母さんらしい”と言われ悩んだ」と告白。「検討委員会の内容をうかがい“アスリートファーストの大会を成功させるのは、アスリート出身の橋本しかいない”と言われ私の魂に火が付いた」と語った。

 《初日あいさつ「魂込めて全う」》橋本氏は新たな職場となった都内の組織委に初出勤し、リモートを通じて全職員にあいさつ。「オリンピアンとしての魂を込めて会長職を全うする」と決意表明した。内閣府では、後任となる丸川五輪相と引き継ぎ式を行い、コロナ対策など重点的な課題を伝達。都庁では小池知事を表敬訪問。「会長という立場で小池知事とやっていけるのは大変に光栄」と話し、小池知事も「スケートも自転車も最後の1周は凄く厳しいと想像する。今、我々はそこにいると思う」と橋本会長が携わった競技を現状に重ね、協力する姿勢を示した。

 麻生太郎財務相呪われた五輪発言真実味 

東スポWeb 2021年2月11日(木)14時39分配信

 ついにトップのクビが飛ぶ――。

 一部報道によると、東京五輪・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長(83)が〝女性蔑視発言〟の責任を取り、会長を辞任する意向を周囲に伝えたという。そこで改めて思い出されるのが、麻生太郎財務相の「呪われた五輪」発言だ。

 麻生氏は昨年3月18日の参院財政金融委員会で、新型コロナの感染拡大によって東京大会が大ピンチに陥っていることを引き合いに「呪われた五輪」と称した。その理由として「40年ごとに問題が起きている」と持論を展開。その後、同氏は釈明に追われたが、たしかに1940年の東京五輪は戦争によって返上し、80年のモスクワ五輪は、旧ソ連がアフガニスタンに侵攻したため、西側諸国がボイコットしたのは間違いない。

 そして迎えた40年後の2020年東京大会。やはりトラブル続きとなっているのは周知の通りだ。

 五輪関係者の話。

「新国立競技場はザハ・ハディドさんの当初案が白紙撤回し、エンブレムはパクリ問題によって再公募することになった。すると招致をめぐる汚職疑惑が浮上し、日本オリンピック委員会(JOC)の竹田恒和会長が辞任しました。さらに新型コロナで大会史上初となる延期を強いられたのです。そして、ここにきて森会長の進退が問われている…。正直、大会自体開催できるかわからない。だとすれば麻生氏の発言は一気に真実味を増す」

 組織委は12日に評議員会・理事会合同懇談会を開く。開催可否の判断が3月と言われる中、森会長の辞任が正式に決まれば、一気に中止に傾く可能性も否定できない。

Photo_20210220173901

東京オリンピック『招致4人衆表舞台から去る

毎日新聞 2021年2月12日(金)19時36分配信

 12日に開かれた東京オリンピック・パラリンピック組織委員会の評議員と理事による緊急会合で、森喜朗会長(83)は辞任すると表明した。森氏の辞任で東京オリンピックの招致の「顔」だった4人が、いずれも不本意な形で表舞台から去った。2013年9月の招致決定当時、東京都知事だった猪瀬直樹氏(74)、日本オリンピック委員会(JOC)会長だった竹田恒和氏(73)、首相だった安倍晋三氏(66)、そして招致委員会評議会議長だった森氏だ。JOC関係者は「やはり、東京五輪は呪われているのだろうか」と表情を曇らせた。

 猪瀬氏は医療法人「徳洲会」グループから5000万円を受け取っていた問題が発覚し、13年12月に辞職した。竹田氏は19年1月に招致を巡る不正疑惑でフランス司法当局の捜査を受けていたことが判明。大会へ向けて会長に再選予定だったが、同6月末に任期満了で退任した。

 安倍氏は13年9月の招致演説で東京電力福島第1原発事故の影響について、「アンダーコントロール」と訴え、16年リオデジャネイロ五輪の五輪旗引き継ぎ式では人気キャラクターのマリオに扮するなど節目に登場。昨年3月には新型コロナに伴う延期の期間について「1年」にこだわり、五輪を花道に退陣すると見られていたが、持病により昨年8月に退いた。

Photo_20210220173601

 橋本聖子新会長父から鞭で叩かれた自ら明かすその生い立ち 

MAG2NEWS 2021年2月18日(木)配信

いま東京五輪組織委員会の森喜朗会長の「後任人事」で注目が集まっている橋本聖子五輪担当相56)。彼女のオリンピック選手だった当時の映像や逸話は多く残っていますが、ここに彼女の幼少期の様子について伝えている、橋本氏自身が両親との思い出を話した貴重なインタビューを紹介します

Photo_20210220172401

橋本聖子~父・善吉 母・慶子へ「良い面も悪い面も、私が一番、父の気持ちを受け継いでいると思います」

橋本聖子1964年10月5日 ~自由民主党所属の参議院議員5期、元スピードスケート・自転車競技選手内閣府特命担当大臣(男女共同参画担当)、東京オリンピック・パラリンピック競技大会担当大臣、公益財団法人日本スケート連盟会長、公益財団法人日本自転車競技連盟会長公益財団法人日本オリンピック委員会副会長2021年2月、森喜朗氏の辞任にともない2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会の会長に就任

以下は19年前のインタビューである。

Photo_20210220172501

確か参議院会館の彼女の事務所だった。厳しい父親だったという。日本人の輪郭と、日本人の美意識を再認識する、そんなテーマを掲げるこのシリーズ、彼女が語ったことが日本の父親像の一つなのか、あるいは日本人の美意識を物語るのか。はっきりとは言えない。彼女が育った環境が“DV”とかそういう類のものだったかどうか。彼女にとっては最高の家庭環境だったのだろう。何せ、手にした栄光の数々は、彼女が語った家庭環境に根付いているのだから。奇しくも先日、東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会会長を辞任した森喜朗の女性差別発言がふと、よぎった。根岸康雄

厳しい父でした。言葉よりも先に手が出てきて……

厳しい父でした。子供は可愛い、だからこそ将来、辛い思いをさせないために父は厳しく接したと、後年母から聞きましたが、それは人によっては虐待と、とられかねないものでした。

「おはようございます!」

挨拶の時は、正座をして三つ指をつかなければいけない。ご飯を給仕して父に手渡すときは、必ずお茶碗に両手を添えて渡さなければ許されない。胃薬でも父が薬のビンに手をかけた間に、水の入ったコップを出さないと強い口調で怒られる。

家は主にサラブレッドを生産する牧場でした。北海道ですので冬は吹雪ますから、ガレージの扉は開けておく。外出した父が帰宅した時は父の車のヘッドライトが遠くに見えると、家族は急いで外に出て、ガレージの扉を開く。父の運転する車が一度も止まらずに、ガレージに入れるようにしなければ怒られました。

「バカヤロー!! 何やってるんだ!!」

怒られた時の私をにらむ父の目は怖かった。父は絶対に妥協を許さない人でした。出来て当たり前で出来ない時は厳しかった。汚い言葉で叱責されました。時には言葉の前にいきなり手が出て殴られることもありました。

父は聖子と名付けたぐらい、私をオリンピック選手にしたかった。将来、どんな競技をやるにしても、オリンピック選手になるための反射神経や感覚を身に付けさせるためには、馬に乗ることがいいだろうと。牧場の馬場で私は幼稚園に入る前から、ポニーという小さな馬で乗馬の訓練をしました。

私がちょっと油断をした瞬間に、父はいきなりポニーに馬に鞭を入れる。驚いたポニーは思い切り走り出す。それでも落馬しない、そんな訓練をずっとやらされました。だから私は、小学校に上がる前から、ロデオのような荒馬でも落ちずに、しがみついていることが出来ました。

馬場の下は砂地なので落馬しても、大したケガはしませんでしたが、父には激しく叱られる。私は父に鞭で叩かれました。

──痛い……

でもその痛さよりも、父を怒らせてしまった、どうしてちゃんと出来ないのか、父の思う通りにちゃんとやらなければという気持ちのほうが強かった。

人に厳しい分、自分に対しても厳しい姿勢で生きる父

私や家族の誰かが父に叩かれても、助けに入ることは許されませんでした。

「ヤキを入れる」

それは手をあげる時の父の言葉でした。「お父さん止めて」とか、助けに入ると連帯責任で、家族みんなに父のヤキが入る、助けちゃいけないことになっているんです。

父に一切逆らわず、父の後を三歩下がってついていく、そんなタイプの母がときには父に叱責され、叩かれている姿を見るのは嫌でしたが、でもその原因は私にあったのではないか、そんなシーンを目にするたび、申し訳ないという考えを抱いたものでした。

父は牧場の実習生や従業員にも厳しかった。そんな父は、

──自分が出来ないことを厳しく言っても、人はついて来ない、

という考えを持っていました。馬の扱い方に一つとっても、父は誰にも負けない技術を持っていた。

動物は人を見ますから、新米の従業員だと暴れ馬は言うことを聞かない。ところが、父が手綱を持った瞬間、どんな暴れ馬でもピタッとおとなしくなり、何でも言うことを聞きました。

朝は3時ぐらいから牧場に出て自分も走り回り、馬場で馬のトレーニングをしたり。人に厳しい分、自分に対しては、それ以上に厳しい姿勢で生きていた父の姿を私は見て育ちました。

私は父に微塵も反発心が起きなかった。それは父自身の含めて、厳しさが中途半端なものじゃなかったからでしょう。父の厳しさは徹底していた。

もし、反抗をして父を怒らせたら、家族みんなに連帯責任が及びますが、それより父に怒られ叩かれると、申し訳ないという気持ちが私の中で先に立ったことで。

──こんなふうに育てた覚えはない。

父にそうに思われることが、私は何より嫌でした。

庭で飼っているガチョウの世話や畑仕事の手伝い、厩舎の掃除等々、幼い頃から私がしなければならない仕事もたくさんありました。

「よくやっているな」

しっかりした仕事ができていると、たまに父がそう一言声をかけてくれる。普段、きつ過ぎる人だったので、父に喜んでもらえたことが、すごくうれしかったのを覚えています。

「泣けるうちは泣いた方がいい」って、母さん……

父が厳しかった分、母は子供たちをフォローしようという気持ちがあったと思います。牧場と子供たちだけのために生きたような母でした。割烹着姿で台所に立っている時も、モンペをはいて畑仕事をしている時も、学校から帰った私を笑顔で迎えてくれる時も、私にとって母はいつでも不思議なぐらい優しい存在の人でした。

「母さん、母さん」

従業員の人たちからもそう呼ばれ、慕われていました。

叱られても辛くても私は涙を流すことが許されず、たとえ泣いたとしても、私が泣きやむまで父の怒りは収まりませんでした。でも母は、

「泣けるうちは泣いた方がいい」って。

「人間っていうのは、本当に悲しかったり辛かったりしたら、涙が出ないもんだ」って。

幼いある日、何か無性に悲しくて、とても母に甘えたくて。涙が止まらなくなった時、私は布団にうつ伏せになり、「ウェーンウェーン」と駄々をこねるように泣きじゃくった。そんな私の横で、母は

「もっと泣ける、もっと泣ける」って。

泣き疲れるまで、笑顔で応援してくれた母の姿が、まぶたに焼き付いています。

多分、父も母も、涙も出ないくらいの悲しみや辛さを知っていたのでしょう。父方の祖父は明治の時代に、人里離れた山奥に入植をしました。

「何でこんな田舎に入植したのか」という父の問いに、祖父は、

「今を考えて入植するのは、開拓者といわない、百年先を考えてここに入ったんだ」

と、応えたそうです。

日本が貧しい時代に両親ともに農家で育ち、ナタで木を一本一本切って畑にして、北の大地で生き抜いてきた。3人兄弟の次男だった父は小学校も満足に通えず、小さい頃から行商をしたり、ものすごく働いたといいます。

「泣いても誰も助けてくれない。涙を見せる暇はなかった」

それは父と母の共通した言葉です。

祖父が入植した人里離れた山奥に、父が牧場を興して、いつしか近くには千歳空港も出来ました。

東京オリンピックの時に祖母を連れて上京し、国立競技場で開会式を一緒に見た。それは父にとって大きな親孝行だったんでしょう。それもあってか、東京オリンピックの開会式に感激して、その直後に生まれた私に“聖子”と名前を付けて。

「オリンピック選手になるんだぞ、そのために名前をつけたんだからな」

物心つく前からそう父から言われ続けた私は、オリンピックが何かの職業だと思っていた。

「オリンピックになる」

幼い頃の私は、そう人に言っていました。

やがてスケート少年団に入り、オリンピック選手にという父の夢が私の夢にもなって。スケート場への車の送り迎えを姉がやってくれたり。”オリンピック選手へ“それは家族の夢のようになっていきました。

掛け値ない、初めての父からのほめ言葉。それは……

オリンピック選手になるために、私は中学時代からコーチの家に下宿をしました。目標に向かっている人間が、ふつうの高校生のように友だちと遊ぶなんてことは、許されないと私は心に決め付けていた。休みの日があると、何か悪いことをしているような感覚に陥ったものでした。

だから、高校3年の時に突然、呼吸が出来なくなる病に襲われ、病院に入院して酸素マスクをして。一時、生死をさ迷ったのは、発散する場がないストレスに身体が蝕まれたからでしょう。

「こんな体になるんだったら、もう止めたほうがいいんじゃないか………」

入院中に、父からそんな言葉をかけられた時は、父の性格からして本心からとは思えなかった。

──もしかしたら、試されているのかもしれない…

私はそんな疑いを抱きました。

退院をして実家に帰った私は、父が留守の間に母が止めるのも聞かず、トレーニングの現場に戻りました。

「せめてお父さんが帰ってから、決めてほしい」

母の言葉に、父だったら私の気持ちが分かってくれるだろうと思った。事実、家に戻った父は、私がトレーニングに戻ったと知って怒ることもなく、

「やっぱりオレの子だな」

そう一言、つぶやいたそうです。

脳裏に浮かんだのは、入院していた時に目にした重たい病気と闘い、一生懸命に生きる子供たちの姿──。努力したくても出来ない子供たちがいるのに、こんなことで音を上げていてはいけない。

何事も死ぬ気でやる、それは開拓に入った当時からの我が家の基本なのです。私はそんな気持ちでずっと育ってきたのですから。

選手時代の父は師匠のような存在でした。私は7回オリンピックに出場をして、引退をする時も、これといって父からの言葉は記憶にありません。多分、舞台は移ったけどまだまだだ、政治家として自分で納得のゆく仕事をしろと思っていたに違いありません。

97年、病気で先妻さんを亡くし、3人の子供がいる男性と結婚を決めた時、

「オレという人間の性格は知っているだろう。お前がオレに反対をされるような人間を選ぶとは思わない。信じている」

父にはそう言われました。

そうです。振り返ると、それが父の唯一のほめ言葉だったのかもしれない。(ビッグコミックオリジナル2003年3月5日号掲載)

Photo_20210220173501

関連エントリ 2021/02/10 ⇒ 【東京2021】五輪公式ヘッダー画像✍“東京”⇒“北京”「変更」の波紋

 

2021年2月19日 (金)

【日経平均】3日続落<NYダウ=4日ぶり反落>持ち高調整✍売り買い交錯

 〔東京株〕3日続落=海外株安で上値重い 

時事通信 2021年2月19日(金)15時30分配信

 米国や欧州主要国の株価が下落した流れを引き継いで利益確定売りが優勢となり、上値の重い展開となった。日経平均株価は前日比218円17銭安の3万0017円92銭、東証株価指数(TOPIX)は12.96ポイント安の1928.95と、いずれも3日続落。

 69%の銘柄が値下がりし、値上がりは27%だった。出来高は12億2374万株、売買代金は2兆4668億円。

 業種別株価指数(33業種)では鉱業、空運業、陸運業の下落が目立った。上昇は海運業、パルプ・紙、精密機器。

 ▽ スピード調整

「スピード調整」(大手証券)の一日だった。米欧株が軟化したため売りが優勢となり、日経平均株価は3万円を割り込んで始まった。前場半ばに3万0100円台まで戻したが、週末を控えて持ち高を減らす売りも重なり、後場は一時、2万9800円台まで下落。方向感に乏しかった。

 18日の米ダウ工業株30種平均が反落し、円相場も小幅に上昇。「市場心理は良くない」(銀行系証券)状態で、過熱感を冷ます値動きが続いた。

 今週は企業の利益や純資産からみて割安感のある銘柄が相場のけん引役となったが、週末となり「勢いが収まりつつある」(中堅証券)との指摘も出ていた。新型コロナウイルスワクチン普及後の経済正常化に期待した買いは一服。一方、成長性の高い半導体関連株などを買い直す動きも見られた。

NY市場サマリー(18日)労働指標悪化ドル下落米株下落

ロイター 2021年2月19日(金)7時29分配信

<為替> ドル指数が3日ぶりに下落失業保険申請件数の悪化が嫌気され、リスクオフムードが広がった

 週間の新規失業保険申請件数は86万1000件と、前週の84万8000件から増加。新型コロナウイルス感染者は減少傾向にあるが、2月の雇用統計が1月に続き低調な内容になるリスクが高まった。

 暗号資産(仮想通貨)のビットコインは下落し、0.5%安の5万1922ドル近辺で推移した。前日の海外市場では5万2640ドルまで上昇。年初来ではなお79%値上がりしている。

 ライバル通貨のイーサリアムは1939ドルと最高値を更新。その後は4.6%高の1936ドル。米シカゴ・マーカンタイル取引所では先週、イーサリアム先物の取引が始まった。

 ドルは通貨バスケットに対し0.33%安の90.601。ユーロ/ドルは0.38%高の1.2086ドル。円は対ドルで105.685円とほぼ横ばい。ポンド/ドルは0.77%上昇し、足元1.397ドル。ポンド/ドルは今年、主要10通貨の中で最も値上がりしている。

<債券> 国債利回りが低下リスク選好が薄れ、米国株式が下落したことを受けた

 10年債利回りは終盤の取引で1.3ベーシスポイント(bp)低下の1.2855%。17日は昨年2月末以来の水準となる1.333%まで上げていた。

 2年債利回りは0.105%に低下し、今月8日に付けた過去最低水準に並んだ。終盤は0.1089%で1bp弱の低下となった。

 30年物物価連動債(TIPS)はこの日実施された90億ドルの入札が低調に終わったことを受け、マイナス0.050%と昨年6月以来の水準に急上昇し、終盤はマイナス0.060%。入札の最高落札利回りはマイナス0.040%で、応札倍率は2.31倍と平均を下回った。

 前日に1年ぶり高水準となる2.112%を付けた30年債利回りは入札後に上昇に転じ、終盤は1bp弱上昇の2.0745%。

 財務省は来週、2年債600億ドル、5年債610億ドル、7年債620億ドルの入札を行うと発表した。

 2年債と10年債の利回り格差は117.66bpと1bp弱拡大した。

<株式> 下落して終了ハイテク大手を中心に売りが出たほか、新規失業保険申請件数が予想に反して増加し、雇用回復の不安定さが浮き彫りになった

 アップル、マイクロソフト、テスラ、アルファベットの下げがS&P総合500種とナスダック総合の重しとなった。

 フェイスブックも1.5%安。オーストラリアでニュース記事の共有や閲覧をできなくした措置の影響を見極めようという動きが出ている。

 好調な企業決算や1兆9000億ドル規模の追加景気対策への期待を背景に、主要株価指数は週明けに最高値を更新していたが、数カ月にわたる株価上昇を受けて割高感が高まっているとの声が上がっている。

 18日はS&P500の主要11セクターのうち公益事業と一般消費財のみが上昇。不動産はほぼ横ばいだった。

 個別銘柄ではウォルマートが6.5%安。第4・四半期の利益が市場予想を下回ったほか、2022年度(同1月まで)の業績の伸びが前年度から鈍化するとの見通しを示した。

 マリオット・インターナショナルは0.5%高。第4・四半期決算は、新型コロナに関連した渡航制限の影響で赤字となった。

<金先物> 安値拾いの買いが入り、5営業日ぶりに反発した4月物の清算値終値に相当は 前日比2.20ドル0.12%高の1オンス=1775.00ドルだった前日の金塊相場は8カ月ぶりの安値となっていた

 市場関係者によると、金相場は依然としてテクニカル的に弱く、値固め局面にあるという。

<米原油先物> 3営業日続伸した後を受けて利益確定の売りが膨らみ、4営業日ぶりに反落した米国産標準油種WTIの中心限月3月物の清算値終値に相当は、前日比0.62ドル1.01%安の1バレル=60.52ドル4月物は0.63ドル安の60.53ドル

 原油相場は週初に約1年1カ月ぶりに60ドルの大台を回復した後も上値を試す展開となり、17日夜間には一時62.26ドルまで上昇。しかし、この日は米景気回復期待や米テキサス州の寒波の影響による供給懸念などを背景とした買いの流れにひとまず一服感が広がり、利益確定の動きや高値警戒からの売りが活発化。清算値確定間際には、一時59.79ドルと、60ドルを割り込む場面もあった。

 米エネルギー情報局(EIA)が午前に発表した在庫週報では、エネルギー供給の引き締まりが示されたが、市場の反応は一時的だった。12日までの1週間の米原油在庫は前週比730万バレル減と、減少幅は市場予想(240万バレル減)を大きく上回った。

イーロン・マスク氏「ビットコイン 保有は現金より僅かに有利

ロイター 2021年2月19日(金)15時17分配信

 米電気自動車大手テスラのイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)は18日、仮想通貨(暗号資産)ビットコインのほうが現金よりもやや有利なだけだが、このわずかな違いによりビットコインのほうが保有する資産として魅力的と指摘した。ツイッターに投稿した。

「しかし不換紙幣がマイナスの実質金利となっているときは愚か者だけがほかに目を向けない」と発言。「ビットコインは不換紙幣とほぼ同じぐらいたわ言だ。キーワードは『ほぼ』だ」と指摘した。

 テスラのビットコイン投資について、現金との違いによりビットコインの保有は「十分に冒険的」とした。

 国税庁専門官ビットコイン税金面では最悪ですよ 

幻冬舎GOLDonline 2021年2月9日(火)9時01分配信/小林 義崇(元国税専門官)

「毎年確定申告するのが面倒くさい」「節税したいけど、どうしたらいいか分からない」……、毎年1月頃になるとこのような声をよく聞く。日本の税制は、納税者自ら確定申告をする「申告納税制度」で、申告内容の一部は納税者の選択に委ねられているのだ。申告相談に携わった元国税専門官が、節税にはどっちが得なのか、プロの税金術を公開する。本連載は小林義崇著『元国税専門官が教える! 確定申告〈所得・必要経費・控除〉得なのはどっち?』(河出書房新社) より一部を抜粋し、再編集したものです。

100万円の利益ビットコイン得なのは?

 正解:ビットコインは、税金面では最悪 

 投資をする場合、税金のしくみを理解しておくことはとても大切です。

 金融商品に投資し、高く売却できたとしても、利益にかかる税金のことを考えると、思ったほど手元にお金が残らないということにもなりかねません。

 とくに認識しておきたいのは、同じ投資であっても、その中身によって税金の扱いが異なるという点。設問に掲げた株式とビットコインの違いは、その最たるもので、現在のルールでは株式にはさまざまな優遇制度が用意されている一方、ビットコインなどの仮想通貨に対する扱いはひじょうに不利です。

 その理由はいくつかあります。まず理解しておきたいのは、株式投資が「申告分離課税」であるのに対して、ビットコイン投資は「総合課税」であるという違いです。

 ここまでに説明してきた、給与所得や事業所得、雑所得は総合課税に区分されます。このカテゴリーに入ると、各所得が合算され、5~45%の税率で所得税がかかります。

 一方、申告分離課税は、総合課税とは別に計算され、税率も異なります。たとえば株式の売却益の場合、所得税の税率は一律で15%に定められています。

 ここで、「総合課税の税率は5%になる可能性もあるから、総合課税のほうが有利になる場合もあるのでは?」と思われたかもしれません。しかし、現役世代の収入であれば、税率が5%になることはあまり考えられません。

 たとえば、1年間の給与所得が500万円、所得控除が150万円という人のケースで考えてみましょう。この人の場合、給与所得だけでもすでに所得税の税率が20%になっています。ということは、この人がビットコインでさらなる所得を得た場合、ビットコインにかかる税率はかならず20%以上になります。

所得税・住民税では株式投資のほうがメリットが

 一方、株式の場合は申告分離課税を選択することができ、いくら給与をもらっている人でも税率には影響しません。そして、株式の売買で1億円以上の利益を得たとしても、やはり税率は15%なのです。

 住民税の税率においても、ビットコインの利益が10%であるのに対して、株式の売却益は5%と定められていますから、所得税・住民税のいずれにおいても株式投資のほうが恵まれています。

 株式が有利な理由は、税率面だけではありません。「損失を繰り越せる」「NISAなどの非課税制度がある」という2点もポイントです。

 損失の繰越しについては、青色申告で事業所得の赤字が出た場合と似たしくみとなっています。株の売買で損をした場合、その損失を確定申告すれば、翌年以後最長3年間繰り越せるというもので、この期間中に株の売却益が出れば、合算することができます。

 つぎに、NISAなどの非課税制度について。こちらは、株式の売却益を非課税にできるという嬉しい制度になっています。もちろん、非課税にできる限度額はありますが、一般的な規模の投資額であれば、全額非課税にすることも難しくはありません。

 しかし、ビットコインの場合は、株式のような損失の繰越しや非課税制度は存在しません。否応なしに総合課税所得として、所得税・住民税合わせて最高55%もの税金を払わなくてはいけないということです。

 損失の繰越しができないということは、たとえば令和元年分で300万円損をして、令和2年分で300万円の利益が出たような場合、令和元年分の損失は一切考慮されず令和2年分の300万円に対してそのまま税金がかかるということですから、厳しい話です。この点は仮想通貨投資のリスクを考えるうえでも、覚えておいたほうがいいでしょう。

 しかも、雑所得は事業所得と違って、他の所得との損益通算も認められていません。ビットコインによる損を、その年の給与や事業の所得と合算できないので、救いがありません。

 一時期、ビットコインブームにより「億りびと」と呼ばれる億単位の利益を得た人が話題になったことがありました。億単位ともなると、確実に最高税率になってしまいますから、半分以上は税金でもっていかれるということになります。

 ビットコインで利益を上げた人に対して、税務調査が入った事例もあるようですが、税務調査が入るということは、それだけ多額の税金の申告漏れが見込まれるからに他なりません。

 こういった点をあわせて考えると、「税制は不利でも、自分はビットコインのほうが大儲けできる自信がある!」という人は別ですが、普通の人には株式投資をおすすめします。

 ビットコイン時価総額1兆㌦接近金より高リターン 

Bloomberg 2021年2月19日(金)19時37分配信

 仮想通貨ビットコインの時価総額が1兆ドル(約105兆円)に近づいている。暗号資産の投資リターンが株式や金などの伝統的資産を大きく上回る原動力になっている。

 ブルームバーグがまとめたデータによると、ビットコインの時価総額は2021年に入り4150億ドル余り膨らみ約9560億ドルに達した。ビットコインを含む5つの仮想通貨で構成するブルームバーグ・ギャラクシー・クリプト指数は2倍以上になっている。

 投機家と企業の財務担当者、機関投資家が、ビットコインの不安定な上昇を後押ししたと考えられる。インフレなどのリスクへのヘッジとして受け入れられつつあるとの主張の一方で、緩和的、拡張的な金融・財政政策の波に乗った不安定な熱狂にすぎないという声もある。

 AMPキャピタル・インベストメンツの投資戦略責任者、シェーン・オリバー氏は「FOMO(乗り遅れることへの恐怖)」が恐らく働いているとして、「資金コストが低い時代にはこれが増幅される」と指摘した。

 ビットコイン価格は過去1年で5倍になり、香港時間19日午後1時30分(日本時間同2時30分)時点は約5万1300ドル。

 クリプト指数の年初来パフォーマンスは次のグラフが示すように、金と債券、株式、商品を圧倒している。

 テスラビットコイン爆買い=“金融バブルの象徴 

日経ビジネス 2021年2月20日(土)7時00分配信

 コロナ禍が長引く中、日経平均株価が3万円台に乗せ、バブル崩壊後の高値を更新し続けている。しかし、空前の低金利や日銀の株式ETF(上場投資信託)買いに支えられた高値相場が崩壊するリスクも高まっている。

 株式市場では何が起きているのか、金融バブルがはじけたら何が起きるのか、どう行動すべきなのか。

 異常な金融政策が生んだ金融業界の危うさに迫る小説『Exit イグジット』の著者である相場英雄氏、『金融バブル崩壊』の著者であるさわかみ投信の澤上篤人会長と草刈貴弘最高投資責任者の3人が語り合った(司会はクロスメディア編集部長 山崎良兵)。

◇ ◇ ◇

―コロナ禍が長引く中、日経平均株価が3万円台に乗せ、バブル崩壊後の高値を更新し続けています。本日は、金融業界をテーマにした最新刊を執筆された3人にお集まりいただき、語り合っていただきます。まず、世界中で株価が高騰するなど過熱感も指摘される市場環境をどうご覧になっているか、率直な意見をお聞きしたいと思います。

草刈貴弘氏(以下、草刈氏):2月8日に米EV(電気自動車)メーカーのテスラが15億ドル(約1600億円)のビットコインを購入していたと報道されましたが、これは金融バブルを象徴するようなニュースだったと感じています。創業者のイーロン・マスク氏は、これまでイノベーションを推進するために資金を調達することはあっても、資産を運用して儲けるようなことは一切してこなかったと思います。

澤上篤人氏(以下、澤上氏):確かに、今回のニュースは、利益の最大化を目的にした行動のようにも思えますね。マスク氏本人の意志ではなく、社内の誰かがやっていることなのだろうとも思いますが、書籍『金融バブル崩壊』でも書いたように、やはり、バブルが進行している端的な証拠なのだろうと思います。

―私自身もマスク氏を何度か個別取材して、世界を変えるようなイノベーションに強い情熱を持って取り組んでいるという印象を持っていました。それまでは調達した資金を次の技術革新のために投資してきただけに意外です。米ツイッターもビットコインの保有を検討しているというニュースが出て、株価が急騰しました。お金が余っているので、企業が本業と関係ない“財テク”に走り、投資家がそれを材料視して株価が上がるなら、日本のバブル期のような現象が起きている可能性もあります。金融業界を舞台とした作品を手掛けてこられ、当時の事情にも詳しい相場さんは現状をどうご覧になっていますか?

相場英雄氏(以下相場氏):私は、金融記者として、1990年代から2006年まで兜記者クラブ(東京証券取引所)などにいて、市況や国内や外資系の金融機関を取材していました。マーケット全般を見ていましたから、情報源として少し怪しげな人たちも取材していました。

 実は新作の『Exit イグジット』にも登場する金融コンサルタントでフィクサーの古賀遼という人物を主人公にした『不発弾』という小説を2017年に出しています。「飛ばし」「損失隠し」という問題を取り上げたのですが、この小説は、兜記者クラブで得た知識や経験を元にして書き上げました。証券会社に勤め、高リスクの商品を扱っていた古賀は架空の人物です。当時取材をしていた、怪しげなセールスマンなど複数の人物をモデルにしました。不発弾で取り上げた飛ばしや損失隠しのような取材は、大っぴらに聞ける話ではありませんので、六本木のカラオケボックスに別々に入って、個室で解説をしてもらうなどして、聞いた情報をベースにしています。

 なぜ、このお話をするのかというと、どの業界でも、あるいは会社でも、絶対に侵してはいけないことがあります。「タブー」と言い換えてもいいのかもしれませんが、翻って、今の金融業界、あるいは、金融政策のあり方をみていると、国というレベルで「この一線を越えてしまっている」ところがあるように思うからです。それが今回『Exit イグジット』で描いた点です。

基本に戻れば、明らかにおかしい現状

―タブーなき世界に入っているということですね。元金融記者の目から見て、最近の状況は明らかにおかしいのでしょうか?

相場氏:そう思います。『Exit イグジット』にも書きましたが、昔は、金利が存在し、日本銀行が決める「公定歩合(中央銀行が民間の金融機関に資金を貸し出す際の基準金利)」がどう動くかを記者たちは追いかけていたものです。しかし今では公定歩合という言葉さえ耳にしなくなりました。異次元の金融緩和が常態化し、「ゼロ金利」がすっかり当たり前の世界になってしまったからです。

 私のように兜記者クラブに詰めていた証券担当の記者は、大蔵省(現・財務省)や日銀の担当に比べると地味な存在でした。地道に市況を追っかけて報道するのですが、「すっぱ抜き」「スクープ」というような派手なネタはほとんどないからです。

 それでも先輩記者たちは誇り高く、若手記者は厳しく教育されました。経済の原理原則に基づき、一見難しいロジックで変動する相場を、中学生にも理解できるように解説する、というスキルをたたき込まれました。考えてみれば、これがたいへん勉強になりました。本質を分かっていないと、読者に分かりやすく説明する記事など書けないからです。しかし当時学んだような金融や経済の原則が、通用しないおかしな世界になっている。

澤上氏:なるほど。作品を読んで、こんなに金融業界に精通した作家がいるんだ、と驚いたんです。失礼な話ですが…(笑)。金融の知識はもちろん、市場や、市場関係者の機微などまで、深く理解されている。

―本質を理解した上で分かりやすく伝える。人に何かを伝え、心を動かすためには必要ですよね。それは例え話の上手さに表れます。イエス・キリストも、ブッダも、例え話が上手だったと言います(笑)。

相場氏:例え話でいうと、澤上さんが今回の本でも書かれている「金利は経済の体温だ」という話は、すごく刺さりました。

澤上氏:本質といえば格好がいいですが、至極、当たり前のことを当たり前と捉えられるかどうか、が大切なのだと思います。金利は、経済のインセンティブで、それが原動力ともなりますから、金利がないというのは、「体温がない」、いわば経済が死んでいる状態とも言えるわけです。

相場氏:今日のテーマにも関わりますが、「日銀の株式ETF(上場投資信託)買いにプロの目を入れるべきだ」というご意見には、膝を打ちました。

澤上氏:日銀によるETF購入は、今回の金融バブルを下支えするような“力技”の1つだと思いますが、日銀がETFに直接投資する形では、競争原理が働かない。しかし、さまざまな運用会社を競わせる形にして投資するようになれば、話は違うと思います。日銀の株式購入にも市場の競争原理が働くようになるし、今よりは健全な状態になるように思います。

中央銀行のあり方が変わってきている

―中央銀行のあり方が変わってきています。ETF買いによる市場介入の長期化などは典型例ですが、例えば、スイスの中央銀行は個別株投資にも熱心で、GAFA(グーグル、アマゾン・ドット・コム、フェイスブック、アップル)のようなITの大型株を大量に購入しています。もはや経済の原理原則はどこかに行ってしまい、中央銀行は教科書で学んだような独立性を果たしているとは思えません。

相場氏:昔、若い市況担当記者の作る記事を読んで、本質を端的にまとめるリード文をつくっていましたが、その時の感覚で、現在の株価高騰に関するニュース解説を見ると、疑問符が並ぶことが多いです。「いやそうじゃないだろ、カネが余っているからだろ」と。そうでないと説明がつかないことが多すぎます。

草刈氏:おっしゃる通りです。金融緩和が続いてきた中で、さらにコロナ禍がやってきて、各国政府や中央銀行がさらに金融緩和を進めています。とにかく大盤振る舞いで、これ以上やることがない、というような状況になっています。なのに、2018年、19年に比べて、取り立てて経済がよくなっているわけではない。

相場氏:最近、思い出すのは、バブルの絶頂ともいえる1989年の大納会の時の先輩記者たちの雰囲気です。日経平均は3万9000円の史上最高値で、世の中は浮かれていた状態でしたが、大蔵省や日銀担当の先輩記者たちの表情が妙に暗かったんです。後から思えば、年明けから引き締めが始まることを察知していたのだろうと思います。

澤上氏:今は、ひょっとしたら同じようなタイミングなのかもしれません。それでも、世界的なカネ余りや各国の中央銀行がETFなどで相場を支えているような状態は、今までにはなかったことです。

相場氏:元日銀総裁の白川方明さんは、当時「ETF買いは臨時の措置」とコメントしていたそうです。それが常識的な判断だと思います。ところが、それが今や日銀のETFの購入規模は10倍くらいになっています。

草刈氏:今では、中央銀行が市場の催促に応えて、買いに入っているような状態になっています。政策当局も慎重な姿勢はあったと思います。ただ、コロナ禍が一種の免罪符として作用してしまった面があります。結果的に、誰も責任を取れなくなる危険性があります。

14歳の息子に株式投資を勧められる時代

―いったんタガが外れると、麻薬ではありませんが、止まらなくなる。中央銀行マンのプライドや矜持はどこかに行ってしまったといった嘆きの声さえ聞こえてきます。

相場氏:1997年に日銀法が改正されて、独立性が担保されたのですが、それが逆に悪く働いている面もあるのかもしれません。それ以前は、日銀は大蔵省の外局のような位置づけでした。ゆえにタガが外れることはなかったように思います。独立性が高まったことで、逆にバランスを崩してしまったという面もあるのではないでしょうか。

―今、これまで投資に触れたことのなかったような初心者、素人の投資家が参入している状況も見受けられます。『金融バブル崩壊』に詳しく書かれていましたが、米国では手軽に株式投資ができる「ロビンフッド」のようなスマホアプリが大人気です。コロナ禍で得た失業給付金などで以前より多くの人が株式投資をするので株価が上がりやすくなっている。分かりやすい銘柄に飛びつく米国の個人投資家が、新型ゲーム機を発売したソニーや、任天堂の株高を支えているという指摘もあります。これもバブルのような過熱につながる現象なのでしょうか?

草刈氏:先日、14歳の息子に株を勧められた、これは危険な兆候だ。という英フィナンシャルタイムズのコラムニストの記事を読みましたが、まさしくその通りだと思います。

澤上氏:やはり、当然あるべき「労働の対価」といった基本が忘れられていると思います。

―「自分が理解できないものに投資するな」とは、投資家のジム・ロジャーズ氏が書籍『危機の時代』で語った言葉です。何が起きているのかよく分からないが、とにかく上がっているので株を買おうといった危なっかしい投資家も生まれてきている状況のようですね。

 

2021年2月18日 (木)

【新型肺炎】コロナワクチン接種後の「行動」どうなるのか??

 マスク、集会、旅行など、コロナワクチン接種の行動どう変わる?

NATIONAL GEOGRAPHIC 2021年2月17日(水)18時11分配信

一般的な行動のリスクがどう変わるのか、専門家に聞いた

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミック(世界的大流行)が始まってから約1年が経過した。世界の死亡者が240万人超、米国内だけで50万人弱という驚異的な数に達する中、希望をもたらしてくれるのは、記録的な速さで開発された複数のワクチンだ。

 ワクチン接種を受けた人の数が日に日に増え続ける中、ワクチンを打つと日々の暮らしぶりがどう変わるのかについて疑問を持っている人も少なくないだろう。屋内で友人たちと会ったり、マスクをせずに買い物をしたりといった、これまで危険とされてきた行動は、ワクチン接種を受ければ安全になるのだろうか。

 ここでは、ワクチン接種後の一般的な行動におけるリスクについて、専門家の意見をいくつか紹介していこう。

ワクチン接種後、どのくらいたてば完全な免疫が発揮される?

 現在、米国で承認されている米モデルナ製および米ファイザー・独ビオンテック製のmRNAワクチンは、3~4週間の間隔を空けて2回の接種を行う。COVID-19に対する最大レベルの防御力が達成されるまでには、2度目の接種から1~2週間かかる。これらのワクチンの臨床試験では、それぞれ約95%の発症予防効果が確認されている。

「これまでのところ、どのワクチンも重症化、入院、死亡に対して非常に高い防御力を発揮しています」。米ジョンズ・ホプキンス大学ブルームバーグ公衆衛生大学院国際ワクチンアクセスセンター所長のウィリアム・モス氏はそう語る。

 ただし現時点では、ワクチンを完全に接種した後で、免疫力がどのくらいの期間持続するかは不明であり、その答えを明らかにするには時を待つしかない。COVID-19のワクチンは今後、インフルエンザと同じように、年に1度の予防接種として受けることになる可能性もある。その効果の持続期間は、1年より短いかもしれないし、それより長いかもしれない。

ワクチン接種後は、感染しても無症状となって、ワクチンを受けていない人にウイルスを広げることがある?

 この質問は非常に重要だが、まだ厳密な研究は行われていない。これまでに得られたデータが示唆しているのは、ワクチン接種は、無症状の感染者数を有意に抑えたということだ。モデルナの第3相臨床試験では、2回目接種前の診断検査の時点で、有症状および無症状の感染例が1回目の接種によって89.6%予防されたことが示されている。

 英オックスフォード・アストラゼネカ製ワクチンの第3相試験の予備的な結果からは、ワクチン接種後のスワブ検査の陽性率が67%減少したことがわかる。

 この結果は「非常に有望」だと、米カリフォルニア大学バークレー校公衆衛生学部の臨床名誉教授ジョン・スワルツバーグ氏は言う。「これを踏まえれば、わたしは責任をわきまえた一人の人間として、より安全にほかの人たちの近くにいられるでしょう」

ワクチン接種を受けた人たちが集まるのは安全?

 ワクチン接種を受けた人たちが集まってよいかどうかを判断するのに必要なのは簡単な“計算”だと、スワルツバーグ氏は言う。この計算でいま考慮すべきは、参加者一人ひとりが新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)にさらされる可能性であって、その人がワクチン接種を受けたかどうかは関係ない。なぜなら、たとえワクチン接種を受けた人でも、感染する可能性が多少はあるからだ。

 時間がたつにつれて、集団のなかでより多くの人がワクチン接種を受け、感染者が減少を続けていけば、ワクチン接種を受けた人たちが集まることは「安全な行動」となり、その後も安全性は増していくだろうと、モス氏は言う。

「安全を図るなら、ワクチンがより広範に行き渡るまではもうしばらくの間、できる限り社会的距離を保つ対策を続けるべきでしょう」。米コーネル大学の免疫学准教授シンシア・リーファー氏はそう語り、大勢で集まるのを避け、マスクを着用し、相手から十分な距離(厚労省は2メートルを推奨)を取るというガイドラインに従うことを勧めている。

 また、まだ発見されていない新たな変異株に対して、ワクチンがどの程度の効果を発揮するかは未知数だ。

「現在のCOVID-19の流行が拡大するほど、変異株が発生する可能性は高まります。ワクチンが効かない新たな変異株がいつ出現するかを予想することはできません」とリーファー氏は言う。

 まだ承認されていないノババックス社のワクチンは、南アフリカで発見され、その後他国にも広まった変異株に対して、有効率が89.3%から49.4%へと大幅に低下した。ファイザーとモデルナは、英国で最初に発見された感染力の高い変異株に対して、それぞれのワクチンがどの程度効果を発揮するかについて、現在もテストを進めている。

ワクチン接種後もまだ公共の場でマスクを着用すべき?

 少なくとも当分の間は、だれもがマスクを着用する必要があるという点において、専門家の意見は一致している。ワクチンを接種した人かどうかはほかの人からはわからず、そのせいで混乱した状況を招くかもしれない。また、ワクチンに対する免疫反応は人によって異なる可能性がある。

「つまり、100人にワクチンを接種したとしても、ワクチンに対する反応のレベルは人によってさまざまです。自分の体を守れるだけの反応が起こらない人もいるかもしれません」と、リーファー氏は言う。自分の体がワクチンに対してどのように反応したかを知るすべはなく、マスクは依然として体を守る手段の一つになる。さらには、ワクチン接種を受けた人はウイルスをどの程度他人に感染させうるのかという、まだ答えのわからない課題も残っている。

「わたしは、ワクチンは大きなばんそうこうのようなものだと考えています。しかし、自分たちの身を守るためのばんそうこうはほかにもあります」と、スワルツバーグ氏は言う。そうしたばんそうこうの一つがマスクであり、だれしもマスクの使用をやめるべきではないと、氏は考えている。

ワクチン接種を受ければ、遠くまで移動しても安全?

 多くの人が現在、親戚や友人と直接顔をあわせたのはもう何カ月も前という状態にあるが、ワクチン接種を受ければ、世界中を旅するのが安全になるわけではない。

「最終的には、人々が何に安心感を得るかという問題になるのだとは思いますが、忘れてはならないのは、現状、新規変異株がいつ、どこで発生するのか、そしてワクチン接種を受けた人たちに防御力があるのかどうかを予測できないということです」とリーファー氏は言う。「ワクチン接種を受ければ、その場で無敵の盾を手に入れられるわけではありません」

 スワルツバーグ氏は、そう遠くないうちに、ワクチンを接種した人同士が少人数で集まるのは安全に感じられるようになるものの、飛行機での移動はまた別の話だと述べている。「空港や飛行機の中にはだれがいるかわかりません。あの飛行機やあの空港にはワクチン接種を受けていない人はあまりいないはずだと自信を持って言えるようになるまでには、まだ長い時間がかかるでしょう」

十分な数の人がワクチン接種を受けて普通の生活が戻るまでにはどのくらいかかる?

 気楽に過ごしていた2019年の世界はもはや遠い記憶のように感じられるかもしれないが、ワクチン接種が進行していることを考えれば、レストランでの食事、通学、友人とのカラオケといった普通の生活の一端は、少しずつ手の届くものになっていくと思われる。

 集団免疫に至るまでの途上でも、普通の生活が戻ってくる兆しは感じられるだろう。

「おそらく段階的な移行をへてパンデミック前の時代に戻っていくのではないかと、わたしは考えています」とモス氏は言う。最初のステップは、ワクチン接種によって感染者、入院者、死者の数を減らし、徹底した接触者追跡を効果的に実施できるようにすることだ。「追跡については過去にも検討されましたが、実際には米国全土で感染者数があまりに多くなり、追跡システムが圧倒されてしまったのです」

 現在までのところ、ワクチンを接種した人は世界中で1億700万人以上にのぼる。米国では、人口の約3%がワクチン接種を完全に済ませている。現在のペースで進めた場合、9月中旬までには米国の人口の70%が、少なくとも部分的にワクチン接種を受けることになると推定される。研究者によると、集団免疫を確立するには、人口の75~80%の人がワクチン接種を受ける必要があるという。

 リーファー氏は、創造的な流通・製造計画によって、ワクチン接種のスピードが上がることを期待している。「夏の終りまでにはこれを実現して、学生たちが学校に戻れるようになってほしいと思っています」

 ワクチンはどこへでも出かけられるようになる魔法のチケットではない。だが、ワクチンのおかげで、人々はリスクを減らして愛する人たちのもとへ早く戻れる手段を手にすることができるだろう。

 コロナワクチン副反応4割が深刻な影響、女性男性2 

Newsweek日本版 2021年2月12日(金)18時52分配信

いよいよ日本でも開始が近づいたコロナワクチン接種。気になる副反応の実態は?

 スイスでは、昨年末から新型コロナウイルスのワクチン接種が始まり、現在までに人口の4.8%にあたる約41万3千人が接種した。スイスの治療薬の認可監督機関スイスメディックは、1月22日にワクチン副反応に関する初の報告書を発表し、2月5日、その情報を更新した。現時点での副反応は63件で、そのうち26件が深刻だと判断された。

<20件が呼吸困難や血管性浮腫、6件が死亡>

 副反応63件のうち37件(59%)は頭痛、発熱、悪寒など軽いものだった。26件(41%)は深刻で、20件が呼吸困難、皮膚の腫れ(血管浮腫)や皮膚炎(アレルギー反応)、インフルエンザの症状などで、6件が死亡だった。死亡者は85歳から92歳で、みな持病(現病歴)があり、ワクチン接種が死因だったという具体的な証拠はなかった。

 性別では32%が男性で、57%が女性だった(一部の届け出には性別の記載なし)。スイスメディックは、引き続き、ワクチンの有効性はリスクを上回るとしている。

 スイスでは、まず米ファイザー・独ビオンテック製のワクチンが、次いで1月に米モデルナ製が承認された。届け出された副反応の多くはファイザー製によるものだという。これは単に、ファイザー製が先でモデルナ製が後から始まったためだ(フリーペーパーの20ミヌーテン)。スイスメディックは、目下、英アストラゼネカ製のワクチン承認を検討している。

 現在1日あたりの新規感染者数は、減少傾向にある。スイスは1月中旬から感染予防措置が厳しくなり、飲食店に加えて生活必需品以外の商店や文化施設・スポーツ施設は閉鎖、原則的に在宅勤務義務付けというセミロックダウンに入った。これは2月末まで続くが、変異株による感染者急増が警戒されているため延長される可能性がある。

<接種希望者が増加>

 スイスでは、ワクチン接種希望者が増えている。1月初旬に新型コロナウイルス世論調査の第6回目が実施されたが、「すぐに接種する」と答えた割合は41.4%で、10月の第5回目調査の15.6%から劇的に変化した。

 世論調査責任者のミカエル・ヘルマン氏は「前回の調査時は予防接種に懐疑的な人たちが非常に多かったですが、いまは、少なくとも国民の一部は予防接種ユーフォリア(ものすごく接種を受けたい)という状態になっているといえます」と話した。接種しないと答えた人は前回の28%から24%に減った。

 接種派が増えている様子は、先の20ミヌーテンのワクチン接種に関するオンラインアンケートからもうかがえる。2月7日の時点で、42%が「すぐに接種する」と回答した。「開発までのスピードが心配だが受ける」19%、「予防接種は全般的に嫌だが今回は接種する」6%を合わせると接種派は67%になった。

医療現場 ワクチン接種希望者ばかりではない

 ワクチン接種は、とりわけ医療現場で働く人たちには推奨される。しかし、医療現場にもワクチンに懐疑的な人たちはいる。スイスの医療従事者向け情報サイトのメドインサイドは、ワクチン接種が始まる前、(1)医師、(2)看護スタッフ、(3)医療助手(患者情報や医療品の管理ほか採血や注射、X線撮影などを行う)、医療セラピスト、病院総務従事者の計約700人((1)(2)(3)の比は3分の1ずつ)にアンケートを行った。その結果、「すぐに接種する」の回答は30%強で、「すぐに接種しない」の回答は55%近かった。

 またスイス放送協会によると、ワクチン接種開始前、250人の看護スタッフが働くある高齢者施設では、ワクチンを接種すると決めているスタッフは20%しかいなかったという。

 メドインサイドは、1月、心臓外科医、集中治療室スタッフ、内視鏡検査専門家、精神科医、高齢者施設スタッフ、スイスメディックのスタッフなど200人にもアンケートを実施した。もしもワクチン接種が義務になったとしたら、それは辞職する理由になり得ると答えた人は53%にも上った。

 だがメドインサイドでは、接種に対する考え方にはばらつきがあり、少なくともチューリヒ州など一部の地域では医療従事者は接種にとても積極的だとしている。これについて精神分析家のベーター・シュナイダー氏は、接種を拒絶する人たちは1日で接種賛成派に変わることはないとしつつ、ワクチン接種が現実的になればなるほど受けようという気分になるだろうとコメントしている。

 メドインサイドは、医療現場でのインフルエンザの予防接種率が低いことにもふれている。その理由として以下を挙げている。

インフルエンザワクチンの有効性は、年によっては50%未満である
病院のスタッフは、インフルエンザの予防に関しては、手指消毒やマスクの着用などほかの対策がより効果的だと考えている
外部者が看護スタッフの間でインフルエンザの予防接種率が低いことを指摘し、接種すべきだと言うことで、多くの看護スタッフはプレッシャーを感じ抵抗感を覚えている
自分は強くて健康な体をもっていると信じている
自分の体について決定を下す権利は自分にある
看護スタッフが予防接種を受けたら、その看護スタッフへの信頼が薄らぐのではないかと心配だ

 しかし、新型コロナウイルスはインフルエンザと異なる点がいろいろある。有効性が格段に高い新型コロナウイルスのワクチン接種は、スイスの医療現場でどこまで広まるだろうか。

 米軍の3分の1コロナワクチン接種を拒否 

AFPBB News 2021年2月18日(木)12時38分配信

 米軍人の約3分の1が新型コロナウイルスワクチンの接種を拒んでいると、ジェフ・トリバー(Jeff Taliaferro)統合参謀本部副作戦部長(空軍少将)が17日に開かれた下院軍事委員会の公聴会で明らかにした。

 トリバー副作戦部長は、数値は「非常に初期のもの」だと強調した上で、「接種に同意した人の割合は、およそ3分の2といったところだ」と証言。接種拒否の割合が高いのは、新型コロナウイルスワクチンが米食品医薬品局(FDA)の全面的な承認を得ていないため国防総省が接種を任意としているためだと説明した。

 一方、米国防総省のジョン・カービー(John Kirby)報道官は、ワクチン接種に関する米軍全体の詳細なデータはないものの、これまでに91万6500人以上が接種を済ませたと明らかにし、米軍で接種を拒否している人の割合は、これまでに供給されたワクチンの量が軍とほぼ同じ水準にとどまっている一般社会と同じ程度だと述べた。

 収束へ「ワクチンは史上最大の作戦」成否は五輪に影響 

西日本新聞 2021年2月18日(木)11時19分配信

 菅義偉政権が新型コロナウイルス対策の「切り札」と位置付けるワクチンの国内接種が17日、始まった。コロナ対応の「後手」批判で体力を削られた政権にとって、国民の期待感が跳ね上がっているワクチンプロジェクトは成功が義務付けられた「史上最大の作戦」(政府高官)。その成否は、夏の東京五輪・パラリンピックの開催可否にも影響しそうだ。

「(ワクチンは)感染拡大防止の決め手になる。しっかり接種を行い、何としても収束に向かわせたい」。この日、医療従事者への先行接種が始まったワクチンについて菅首相は、衆院予算委員会の集中審議で率直な希望を答弁に乗せた。

 コロナ禍が支持率落下につながった首相はかねて、周囲に「ワクチンで雰囲気が良くなるはずだ」と伝え、早期の接種開始にこだわってきた。年初の記者会見の際に「2月下旬」としていた時期を、2月2日の会見では前倒しして「2月中旬」と表明。確かな前進の一歩の裏側には紆余曲折があった。

 複数の関係者によると、官邸は1月中旬までは国内接種体制の構築に集中する傍ら、ワクチンの海外調達は厚生労働省に任せきりにしていた。その結果、米ファイザー製ワクチンを製造するベルギーからの輸入時期が不透明になるなど「トラブル続きだった」(首相周辺)。厚労省が当初、ファイザー日本法人だけを窓口としていたことも一因だった。

 そこで、てこ入れに入った官邸スタッフはファイザー米国本社とコンタクト。さらに1月18日にワクチン特命担当に任命された河野太郎行政改革担当相が自ら本社との直接交渉に乗り出し、調達を迅速化する道を開いたという。首相周辺は「役所任せでは駄目だ。国民の期待が高い分、失敗は絶対に許されないんだ」と官邸主導の成果を強調する。

 今後、4月1日以降に65歳以上の高齢者向け接種を始めたいとする政府。だが、ワクチン争奪戦は世界規模で展開されており、その安定供給や、副反応など未経験のリスクも含めて課題は多い。河野氏も16日の会見で、「われわれも自治体もやったことがない大きなプロジェクト。必ず何かが起きる」「1から100まで計画がビシッとあるより、柔軟に対応できるほうが強い」と繰り返し、トラブル発生に予防線を張った。

 日本がスムーズに“集団免疫”獲得に進めるかは、政権の命運が懸かる東京五輪に向けた国民のムードに直結する。3月25日には聖火リレーがスタートし、その後、会場の観客をどうするかの判断を下す重大局面が来る。政府関係者は「万が一、ワクチンでつまずけば、五輪実現の機運はさらにしぼむ。『菅降ろし』の政局となりかねない」と話す。

国連事務総長「不公平ワクチン接種75僅か10カ国で実施

読売新聞オンライン 2021年2月18日(木)10時37分配信

 国連安全保障理事会は17日、閣僚級の公開会合をオンラインで開き、新型コロナウイルスワクチンの公平な分配について協議した。議長国を務める英国のドミニク・ラーブ外相は、内戦が続くシリアなどを念頭に、紛争地でのワクチン接種推進のために停戦を求める決議案を速やかに採択するよう求めた。

 アントニオ・グテレス国連事務総長は会合の冒頭で、世界のワクチン接種の75%がわずか10か国で行われているなどとして「不公平だ」と指摘した。公平な接種推進に向けた国際的な計画策定の必要性を訴えた。

 英政府によると、紛争や政情不安が続くシリアやイエメンなどでは計1億6000万人超がワクチンを接種できない恐れがある。ラーブ氏は「ワクチン接種を可能にするには停戦が不可欠だ」と訴えた。英国は決議案を近く理事国に配布する方針だ。

 一方、米国のブリンケン国務長官は、コロナ対策の司令塔となる世界保健機関(WHO)に対し、今月末までに約2億ドル(約212億円)を拠出する意向を表明した。米国は最大の資金拠出国だ。バイデン大統領は先月、トランプ前大統領が表明したWHOからの脱退方針を撤回していた。

 英国ワクチン開始2カ月で分かったこと 混乱と喜び 

東洋経済オンライン 2021年2月18日(木)10時01分配信/ピネガー由紀(看護師)

「この前、やっとワクチン1回目を接種したよ!」勤務先の病院で先ごろ、目をキラキラ輝かせてこう話す患者に遭遇した。一人暮らしの高齢者で、コロナによる移動制限でまともに娘夫婦と孫と会えない日が何カ月も続いていたそうだ。

 イギリスで新型コロナウイルスのワクチン接種が始まってから、2カ月強。これまでに1回目の接種を終えた人は1500万人を超えた。ようやく接種が始まった日本ではワクチンへの抵抗感がある人も少なくないと聞くが、イギリスでは前向きに捉えている人が多い。

接種期間を12週間に拡大めぐり議論

 とはいえ、ワクチンをめぐる混乱も少なくなかった。

 「イギリスではワクチン接種は、1回目と2回目の接種間隔を3週間から12週間後とする」。ワクチン接種が始まってすぐ、政府は2021年明け早々に世界中が驚くような決定を出した。

 1日の感染者が5万人を超え、死亡件数も増える中で、国は1人でも多くの人に1回目のワクチン接種をすることが重要であり、3週間以内の2回目接種は「最優先ではない」とした。政府が「有効性には自信がある」とする一方、当時のファイザーは「12週間での臨床試験は行っていない、したがって安全性と有効性は未確認」と発表。イギリス国内でも議論が噴出した。

 それでも、2回目のワクチン接種を12週間後にすることが強行された。すでに1回目の接種を済ませ、3週間後に2回目の予約が入っている人はごく一部を除いて、ほとんどが12週間後に変更をされた。筆者は1月14日に1回目を接種して、2回目の予約は4月2で入れてもらった。

 ここでイギリスのワクチン状況に触れたいと思う。ワクチンの優先順位としてイギリス政府は国民を年齢と職業によって9つのグループにわけた。第一優先が高齢者施設の入居者と職員、第二優先が80代以上の人と医療福祉分野のフロント職員、第三が75歳以上、第四が70歳以上だ。

 この優先上位4グループのワクチン1回目の接種を2月半ばまでに、そしてすべての50代以上の人のワクチン1回目を5月までに、との目標が設定された。この目標を達成するべく、ワクチンは予定を前倒しで次々に出荷されていった。ここへアストラゼネカのワクチンも新たに加わり、そのスピードはさらに増す。

 しかし、ワクチンを受け取る医療機関側は、1月は悲鳴を上げる事態となった。

ワクチン配送されますという突然の告知

 「ワクチンの予約ができると診療所から連絡がきたけれど、それが翌々日と言われたんだ。近所に住む娘夫婦に車での送迎をお願いしたら、急に言われても仕事の休みの調整が大変だ! と怒られたよ」ワクチンの会場で順番待ちの高齢者が、マスク越しにこんな会話を交わしている。

 国はスケジュール前倒しでワクチンを大量に出荷をしているが、その日程は配達直前まで医療機関側に知らされない。突然、短い告知で「お宅の診療所にx百本のワクチンが配送されます」と連絡が来る。

 ファイザーのワクチンは医療機関では冷蔵庫温度で摂氏2~8度で保存し、医療機関に到着してから5日以内に使用しなければならない。つまり医療機関側は、短期間にワクチン分の患者の予約を入れなければならないのだ。こうした事態が各地で起こった。

 したがって患者側も「3日後に」「明日」などでワクチン接種の連絡を受ける。幸いロックダウン中で高齢者はほぼ家にいるから、多くの人が短期間での連絡でも、予約を受け入れられているようだ。

 連絡は携帯メッセージと電話が使われる。携帯メッセージの場合には予約リンクのURLが貼ってあり、そこから予約を入れるようにと言われる。ただ、高齢者の患者の場合には電話で予約を希望することが多い。

 なお、筆者は勤務先の病院で接種をしたので、勤務用のメールアドレスに予約のURLが貼ってあり、そこから予約を入れた。予約を入れる時にウェブ上で問診の記入、副反応やその対処法の説明書がある。

 最終ページで「以上の注意点をすべて読み、理解をしたうえで同意します」というチェックボックスにチェックを入れることで、予約が完了をする。私の病院では、これが「同意書」とみなされたが、ほかの医療機関ではワクチンの会場で手書きの同意書を求める場合もある。

 ワクチン当日、予約の時間よりも5分くらい早めに行ったが、受付で並ばされた。ID確認をしてQRコードを見せ、この時に2回目の接種の予約も入れてもらった。

 受付が終わると待合室に案内をされたが、これが非常に面白い。待合室1で待っていると、職員から声がかかり、廊下を横切って同じ階にある別の待合室2に進む。そして最終的にはワクチン接種をする部屋の外にあるベンチで待つように言われた。

 まるでスゴロクであがりを目指す感覚だ。人が密になることを避けるためだが、建物の構造によっていろいろな方法が取られている。筆者の勤務先では巨大な外来スペースを使ったために、個室が十分にある。

翌日の朝は腕を上げられず

 実際の注射も個室で看護師と1対1で行われた。ID、アレルギー、服用薬、当日の体調を口頭で確認される。予約をした時に同意にチェックをしているわけだが、ワクチンを実際に注射する看護師が口頭でも必ず副反応とその対処法、万が一体調が悪化したり、心配事があった場合の連絡先を説明する。また、同じ説明が書かれているリーフレットもその場でもらう。

 ワクチン接種が終わった後は別の部屋で15分ほど経過観察。と言っても筆者の場合を含めて全員が病院職員のため、特に見張りや問診もなく、15分経過したら自己判断で帰宅が許される。一般患者の場合、例えば診療所などではこの場所を確保するために、敷地内の庭にテントを設営してそこで15分の経過観察をするところもある。

 筆者の副反応は、ワクチン当日は問題はなし。翌日の朝はワクチン接種をした腕がかなり痛く、肩より上には上げられなかった。体調は軽い二日酔いのような、少し頭が重く感じられたが、それ以外の大きな問題は感じられずに通常出勤をした。車通勤のために、ハンドルを切ることが辛く感じた。

 昼以降に頭痛をハッキリと感じ出したが、仕事が16時上がりだったので続行した。ちょうどワクチン接種24時間を経過した17時頃には頭痛、悪寒、倦怠感に襲われた。これは事前に説明をされていた通りで、もらったリーフレットにも書かれていた内容通りだ。

 勤務から帰宅後はすぐに横になったが、頭痛はますます酷くなった。そこで説明されている対処方にしたがい、アセトアミノフェンの鎮痛剤を服用してまた横になった。

 その晩遅くからさらに翌日昼までは頭痛は消え、体調は回復したかと思ったが、また午後から悪寒と頭痛に襲われた。この時には迷わずにすぐに鎮痛剤を服用して横に。副反応はワクチン接種から丸2日間、断続的に続いたが鎮痛剤を服用することで症状は抑えられた。3日目は通常の生活に戻ることができた。今振り返っても、痛みを感じたら我慢せずにすぐに鎮痛剤を服用すれば、そこまで苦しむことはなかったと思う。

 大量のワクチン接種を進めていくうえで、欠かせないのがスタッフだ。2020年11月の時点でワクチン接種の医療従事者の募集をかなり見かけるようになった。特に定年退職をした医師、看護師には積極的に声がかかった。

 臨床から遠ざかっていた彼らには特別な訓練プログラムが組まれている。また現役の医療従事者であってもワクチンを接種する場合には国から事前研修プログラムを受けることを言い渡されている。

 この研修には、ワクチンの保存の仕方や、患者への副作用と対処法の説明、実際の技術、万が一に備えてのアナフィラキシーショック対応や急変対応なども組み込まれている。

ワクチンは希望のカギと見る人少なくない

 イギリスでは、2020年3月下旬から全土でロックダウンが始まり、現在3回目のロックダウンの最中だ。筆者には学校に通う子どもが2人いるのだが、この1年間で学校に普通に通えたのは9月から12月までの4カ月弱。大学生などは親元を離れて大学の寮に入寮しているのに、授業はオンラインがほとんどだ。

 一方、高齢者の多くはこの1年間、断続的に自宅隔離をしている。お茶会やジムの体操クラス、週末の家族や親戚との食事、夏の旅行など、何十年も習慣化されてきた生活が突然なくなり、孤立した生活が続いてきた。

 先が見えない毎日に皆が鬱々とした気分になっている。ワクチンはそんな生活に終わりを告げる、希望のカギと見る人は少なくない。イギリスでワクチン接種率が高いのは副反応への不安よりも、「消えてしまった普通の日常」を渇望する思いのほうが圧倒的に強いからだろう。

Photo_20210218161701Photo_20210218161801Photo_20210218162201

関連エントリ 2021/02/13 ⇒ 【ナショジオ】✍「パンデミックは偶然ではない」と言えるワケ
関連エントリ 2021/02/12 ⇒ 【新型肺炎】ファイザー製“ワクチン第1便”40万回分✈成田に到着。
関連エントリ 2021/02/06 ⇒ 【新型肺炎】“ワクチン接種後”の世界✍考え得る3つのシナリオ

 QAコロナワクチン何時何処接種 

産経新聞 2021年2月15日(月)18時21分配信

 米製薬大手ファイザー製の新型コロナウイルス感染症ワクチンが、日本でも正式に承認され、17日から接種が始まることになった。感染収束の“切り札”と期待されているワクチン。スケジュールや手続きなど、接種前に知っておくべきことをまとめた。

 接種開始はいつから?

 今月から医療従事者、4月以降に高齢者

 接種は感染や重症化のリスクが高い人を優先的に進める。まずは17日以降、国立病院機構など公的100病院の医療従事者1万~2万人が先行接種し、副反応などの安全性を確認する。

 次は新型コロナ診療に携わる医療従事者ら約370万人が対象。患者と接する機会が多い救急隊員、保健所職員らも含まれる。4月以降は65歳以上の高齢者約3600万人に優先接種を行う。3カ月以内に1人2回ずつの接種を目指す。

 一般への接種は6月以降の見込み。基礎疾患(持病)のある人や高齢者施設の従事者が優先される。

 供給スケジュールは?

 契約は3・1億回分、供給はEUの承認次第

 政府は米英の製薬会社3社と計3億1400万回分(1億5700万人分)の供給契約を結んでいる。

 承認されたファイザー社とは年内に1億4400万回分の供給を受ける契約。国際的に獲得競争が激化する中、製造元がある欧州連合(EU)の輸出承認が必要になり、具体的な供給スケジュールは見通せない。

 1億2千万回分の供給契約を結ぶ英アストラゼネカ社は承認申請中で、承認されれば9千万回分の原液を国内メーカーが製造する。5千万回分で契約した米モデルナ社は1月に国内での治験を始めたばかりだ。

 どうすれば受けられる?

 接種券届いたら電話・ネットで予約

 高齢者は3月以降、一般の人には4月以降に届く「接種券」が必要になる。

 接種希望者は病院、診療所、体育館など指定の会場を決め、電話やインターネットで日時を予約する。当日は接種券と身分証明書を持参。本人確認の後、予診票を提出し、問診を受けてから接種する。基礎疾患の有無は自己申告になる。

 接種は原則、住民票のある市区町村で受ける。高齢者施設の入所者らは施設での接種も可能。単身赴任や長期入院など正当な理由があれば他の自治体での接種も認められる見込み。職場での接種も検討される。

 効果はどれぐらい続く?

 接種後、6カ月は抗体減少せず

 まだ長期的な経過観察ができていないので、どれくらい効果が続くか分かっていない。ただ、ワクチンの治験に参加した人に対する追跡調査では、接種後6カ月の時点で、免疫の抗体(体内に侵入したウイルスを退治する機能)の減少がみられなかった。

 一方、感染して治癒した人を対象とした調査では、治癒後6カ月の時点でかなりの人が、免疫は機能していても抗体の数が減っていた。そのため今回のワクチンによる免疫は、治癒によって自然に獲得したものよりも、長く続く可能性が高いとみられている。

 ファイザー、モデルナなどのワクチンは同じもの?

 共通点は「遺伝子情報」の利用

 日本に供給される予定の米ファイザー、モデルナ、英アストラゼネカのワクチンは、新型コロナのタンパク質を作る遺伝情報を利用する点が共通している。

 ファイザーとモデルナは遺伝情報を伝えるメッセンジャーRNA(mRNA)という物質を人工合成し、体内で免疫反応を起こさせる。ファイザーは有効率94・5%で、保管温度マイナス75度。モデルナは同94・1%、同マイナス20度だ。

 アストラゼネカは、遺伝情報を人間に無害なウイルスに組み込む。有効率は66%で、2~8度での冷蔵保管となっている。

 なぜ筋肉注射なの?

 副反応少なく、抗体ができやすい

 新型コロナのワクチンは上腕の筋肉に注射する。日本のワクチンは皮下注射が中心だが、開発元の製薬会社が筋肉注射で効果を確認し、国内の承認審査でもそのデータを参考にしているため、筋肉注射で行わなければならない。

 皮下注射は斜めに針を刺すが、筋肉は皮下組織の下にあるので、針を真っすぐに深く刺す。海外の治験では7~8割が注射箇所の痛みを訴えたとされる。だるさや頭痛などの報告もあるが、通常数日以内に治まる。筋肉注射は副反応が少なく、抗体ができやすいメリットもあるという。

 副反応のリスクは?

 ごく一部にあるが、重症化はまれ

 mRNAワクチンは、副次的に起きる反応のうち、接種後15~30分でショック症状が起きるアナフィラキシーショックがやや多いとされる。米疾病対策センター(CDC)によると、100万人に約2~5人で、インフルエンザ(100万人に1人程度)に比べると頻度は高い。ただ、発症はごくわずかで、治療法も確立している。医師が確認していれば問題はない。

 このほか、治験では神経まひや脳炎の報告はない。また、抗体が症状を悪化させる抗体依存性感染増強現象(ADE)が起きる可能性も低いとみられている。

 既に感染した人の接種は?

 米では当面打たなくてよし、日本は審査踏まえ今後判断

  米国では感染していない人が優先で、既に感染して治った人は当面打たなくていいことになっているが、日本は「承認時の審査の内容を踏まえ、今後判断していく」(厚生労働省)という姿勢を示している。

 無症状の感染者が接種した場合、免疫が強まり過ぎて体調が悪化するのではないかとの懸念はあるが、悪影響が出るとは考えられていない。

 イスラエルで行われた接種状況の調査では、1回接種後に発症、重症化した人よりも、2回接種後に重症化した人の方がはるかに少なく、抗体の増加で発症予防効果は高まっていた。

 子供・妊婦も接種できる?

 当面は16歳以上、妊娠12週までは避けて

 子供が接種対象となるかは、安全性や有効性の情報などを見極めて検討される。国内で承認された米ファイザー社のワクチンは15歳以下の治験データが少ないため、当面は16歳以上が接種対象となる。

 妊婦や胎児、出生児への安全性もはっきりしていない。日本産科婦人科学会などは、妊婦を接種対象から外さないとする提言をまとめた。接種を希望する場合は事前に十分な説明を行って同意を得た上で、母子の適切な管理ができる産婦人科施設などで受ける。妊娠12週までは接種を避けることなども求めている。

 変異ウイルスに効果ある?

A 全く効かなくなることはない

 最近の調査で、南アフリカの変異ウイルスに対してはワクチンの効果が下がったと報告されており、効きが悪くなるケースはあるようだ。

 だが、ワクチン接種で作られる新型コロナのタンパク質は、体内に何十種類もの抗体を生み出す。ウイルスが変異したとしても、効果を失うのはこのうち数種類にとどまるとみられ、残りについては免疫が機能する。

 全ての抗体が一度に機能しなくなることはあり得ないので、ウイルスの変異が続いたとしても、ワクチンが全く効かなくなることはないとみられている。

Photo_20210218164501Photo_20210218164601

 

2021年2月17日 (水)

【冬の嵐】列島縦断<記録的“暴風雪”警報>北海道~九州✍降雪

 18日「冬の嵐」積雪増加 大規模交通障害に警戒 

tenki.jp 2021年2月17日(水)17時24分配信/日本気象協会

 強い冬型の気圧配置は18日にかけて続く見込み。北陸を中心に日本海側の雪はさらに増え、雪に慣れていない九州や四国などの地域でも大雪となる所がありそうです。

Photo_20210217183601

 強い冬型の気圧配置は18日にかけて続く見込みです。日本海側の雪はさらに増え、雪に慣れていない九州や四国などの地域でも大雪となる所がありそうです。風の強い状態も18日かけて続くでしょう。

北陸の多い所 24時間で100センチの降雪予想

 18日18時までの24時間降雪量は、多い所で、北陸地方100センチ、近畿地方80センチ、東北地方、関東甲信地方、東海地方60センチ、中国地方50センチ、北海道40センチ、四国地方、九州北部地方30センチ、九州南部5センチとなっています。その後19日かけてもさらに積雪の増える所があるでしょう。大雪による交通障害に警戒・注意し、なだれや着雪に注意してください。

車の立ち往生など交通障害に警戒を

 17日、富山県には「顕著な大雪に関する富山県気象情報」が発表されました。特に北陸地方には集中して雪雲が流れ込むため、短時間に一気に積雪が増える所がありそうです。車の立ち往生など大規模な交通障害が発生する恐れもあります。不要不急の外出はなるべく控えるようにしてください。また、普段、雪に慣れていない西日本などの地域でもここ数日で積雪が一気に増えて、大雪となる所がありそうです。車の冬装備はもちろん、歩行の際も、冬用のブーツを使用するなど、外出の際は十分にお気をつけください。

 北海道「数年に1度の猛吹雪」の恐れ 

毎日新聞 2021年2月17日(水)5時15分配信

 発達した低気圧の影響で、16日の北海道内は大荒れの天気となった。新ひだか町で強風で倒れた男性が足を骨折するなど計4人がけがをしたほか、住宅などの屋根がはがれたり、高潮で家屋が浸水したりするなどの被害が相次いだ。17日にかけ、暴風雪などへの警戒が必要で、札幌管区気象台は日本海側北部では「数年に1度の猛吹雪の恐れがある」として外出を控えるよう呼びかけている。

Photo_20210217183901

 気象台によると、16日午後5時までの最大瞬間風速は、えりも町襟裳岬44・9メートル▽広尾町37・9メートル▽室蘭、根室市35・5メートル――などを観測。新ひだか町では、強風で転倒した80代男性が骨折したほか、室蘭市でも風にあおられて転倒した3人がけがをした。道危機対策課などによると、強風で住宅などの屋根がはがれるなど登別市や室蘭市などで67棟が一部損壊した。

 厚岸町では高潮で住宅2棟が床上浸水し、町道の一部が冠水。根室市では高潮による浸水被害に備え、5カ所に避難所を設置し、12世帯18人が段ボールベッドなどで一夜を過ごした。また、道内で小中高校など609校が臨時休校となった。

 交通機関も乱れ、道開発局網走開発建設部によると、16日午前10時ごろから、国道39号の石北峠で車約30台が約4時間半にわたり、立ち往生した。JR北海道は札幌と函館などを結ぶ特急69本を含む計289本を運休。新千歳空港を発着する22便(午後5時現在)も欠航した。

 道内は17日も荒天が続き、最大瞬間風速は、日本海側の海上で40メートル、日本海側の陸上や太平洋側、オホーツク海側の海上と陸上では35メートルと予想している。17日午後6時までの24時間降雪量は、日本海側で50センチ、その他の地域は30センチとしている。

 トタン屋根が50㍍飛ばされ民家2棟破壊、北日本各地で歩行者転倒 

読売新聞オンライン 2021年2月16日(火)21時43分配信

 急速に発達した低気圧の影響で、16日は北日本の日本海側を中心に非常に強い風が吹いた。北海道の日本海側では17日にかけて、数年に1度の猛吹雪となる恐れがあり、気象庁は外出を控えるように呼びかけている。

Photo_20210217183301Photo_20210217183101

 同庁によると、16日午後5時までの最大風速は、北海道のえりも岬で31・3メートル、室蘭市で26・2メートルなどを記録。17日も風が強まり、北海道で28メートル、東北で25メートル、関東甲信で23メートル、北陸で22メートルなどと予想されている。日本海側では18日にかけて大雪の恐れもある。

 この日の強風で歩行者が転倒したり、建物の屋根が飛ばされたりする被害が相次いだ。北海道新ひだか町で散歩中の80歳代の男性が右脚を骨折したほか、青森県六ヶ所村で通勤中の男性が左腕の骨を折った。新潟市中央区では、青果物店配送センターのトタン屋根が約50メートル飛ばされ、民家2棟の一部を破損するなどした。

 鹿児島県内⛄強い寒気で積雪 荒天で交通障害も 

kyT鹿児島読売テレビ 2021年2月18日(木)12時23分配信

 県内に強い寒気が流れ込み、各地で雪が積もった。道路など交通に影響が出ている。薩摩地方では昼過ぎまで大雪に注意が必要。

 18日朝、県内各地で厳しい寒さとなった。霧島市牧之原では氷点下3.7度、鹿屋市輝北では氷点下3度を観測。霧島市では大雪となり、街中の屋根が真っ白になっていた。鹿児島市でも2センチの積雪が観測された。

 一方、出水市では山間部の道路で、タイヤにチェーンを付ける人の姿も。運転していた男性は「スタッドレスタイヤだからここまで来たが、少し怖いなと思って」と話した。この雪の影響で県内各地で通行止めやチェーン規制となっている道路がある。

 薩摩地方では全域に大雪注意報が出されており、昼過ぎまで注意が必要。このあと、薩摩地方では19日朝までに多いところで山地で5センチ、平地で3センチの積雪が予想されている。路面の凍結や農作物の管理などに注意が必要。

 また荒れた天気の影響で、海の便にも欠航が出ている。種子屋久高速船は、午前の便を中心に欠航し、このあとも状況をみての運航となっている。また、フェリーあまみ、フェリー屋久島2なども欠航が決まっている。

長崎路面電車雪化粧九州日本海側中心に大雪

読売新聞オンライン 2021年2月18日(木)12時22分配信

 強い冬型の気圧配置の影響で、18日は北海道から九州の日本海側を中心に大雪となっている。気象庁によると、雪は広い範囲で18日夜まで降り続き、東日本では19日明け方まで警戒が必要だ。

 長崎市では18日午前、4センチの積雪があり、雪化粧した路面電車が市内を走行していた。市中心部の新地中華街周辺では傘を差し、寒さに肩をすくめながら歩く会社員らの姿が見られた。

 19日午前6時までの24時間降雪量は、北陸と近畿で60センチ、東海50センチ、東北45センチ、関東甲信と中国地方で40センチなどと予想されている。

Photo_20210218142401

 寒さに🐒耐えるサル団子九州各地で 

西日本新聞 2021年2月18日(木)11時40分配信

 強い寒気が流れ込んだ影響で、九州北部は18日、各地で雪になった。九州新幹線や高速バスなどの交通機関で影響が出ている。

 福岡管区気象台によると、福岡県内の同日午前9時現在の積雪は飯塚市11センチ、八女市2センチなど。久留米広域消防本部(久留米市)によると、同日午前、歩行中に転んだ70代女性と、バイクを運転中に転倒した新聞配達員の50代男性の2人が負傷したという。

 気象台は19日正午までの24時間降雪量を九州北部各地で3~8センチと予想。路面や水道管の凍結に注意を呼び掛けている。

 ドカ雪で真冬の雪崩”に要警戒 時速100~200㎞新幹線並みの速 

FNNプライムオンライン 2021年2月18日(木)12時54分配信

関東で真冬の寒さ…平地で雪も?

 きのう2月17日の関東地方は、午前中は春の陽気でしたが、一気に真冬に戻りました。千葉県の成田空港では、まるで春一番のような暴風が吹き、飛行機が着陸できない状況も。

 これは東京の17日から18日午前にかけての気温変化のグラフです。17日午前11時時点で12.7℃あった気温は、18日の午前4時には-0.3℃に。

 風も北風にかわり、気温が急降下。10℃以上の気温差が生まれることになりました。関東でも18日は日中から夕方にかけて、ちらちらと雪が舞うような可能性も出てきています。

日本海側の大雪・暴風いつまで?

 一方、日本海側では、17日からドカ雪になっています。朝9時30分時点の福井県敦賀市の様子では平野部でも雪が積もっている様子が分かります。

 17日、1日の降雪量は多いところで、北陸・近畿で60cm。東北、東海では50cm。関東甲信の山沿いや中国地方でも40cmの降雪量となりました。そして、18日から19日の朝にかけての予想降雪量を見てみると…。

 山沿いが中心になりますが、北陸の多いところでさらに60cm、東北の南部を中心に45cm。中国地方や西日本でも一気に雪が降る予想です。

ドカ雪“真冬の雪崩”に警戒

 これは新潟県上越市の17日午後7時ごろの様子です。街中ですが、車が埋まってしまうほどの雪が積もっています。そこで警戒が必要なのが「雪崩」です。春に起きることが多い雪崩ですが、真冬に起きる雪崩にも注意が必要なのです。

 真冬の雪崩の場合、雪が一度積もった後とけかけます。とけたり、凍り付いたりを繰り返すことで、表面がつるつるの滑りやすい状態に。

 ここに、ここ数日で一気にドカ雪が降り積もっているのですが、この雪は本当にちょっとした振動や音で崩れてしまう恐れがあります。

 これが真冬に起こる表層雪崩という非常に危険な雪崩の正体です。そのスピードは時速100~200kmと新幹線並みの速さに匹敵するほど。

Photo_20210218143701Photo_20210218144201

 2000年に長野県白馬村で撮られた映像では、高速で広い範囲に及ぶ表層雪崩が捉えられていました。30度以上の斜面では雪崩の危険性が高まるため、傾斜の強い斜面には近づかないよう注意をお願いします。

Photo_20210218144401

羽生結弦ら輩出のアイスリンク仙台21日から営業再開

スポニチアネックス 2021年2月18日(木)13時52分配信

 アイスリンク仙台(宮城県仙台市)は18日、21日から一般営業・各スケート教室を再開すると発表した。同リンクは13日夜に発生した地震の影響で、14日に「建物に損傷が発生したため、安全確認が取れるまでアイスリンク仙台の営業を中止させていただきます。スケート教室につきましてもお休みとなります」としていた。この日、ホームページ上で館内の補修作業を行い安全確認が取れ、再開のメドが立ったことを報告した。

 アイスリンク仙台は14年ソチ、18年平昌五輪金メダルの羽生結弦(ANA)、06年トリノ五輪金メダルの荒川静香さんらを輩出。11年3月の東日本大震災で被災した際には、4カ月後の7月に営業を再開した。羽生はアイスリンク仙台への寄付を続けており、20年4月1日の発表では累計で2932万5864円に上っている。

 新幹線なぜ海外輸出が上手くいかない3つの理由 

現代ビジネス 2021年2月17日(水)7時02分配信/川辺 謙一(交通技術ライター)

日本の技術力の象徴なのに、なぜ

 新幹線は高速鉄道の元祖であり、日本が誇る高速輸送システムだ。たとえば東海道新幹線では、16両編成(定員1323名)の高速列車が、最高時速285kmという高速で、最短3分間隔という通勤列車さながらの頻度で走る。

 しかも、1964年の開業以来、列車事故による乗客の死者数はゼロ(車内放火などは事件扱い)。これほどの高密度大量輸送を、高い安全性をキープしながら実現している高速鉄道は、日本の新幹線以外にない。

 それならば、新幹線はきっと海外諸国でも活躍できるはずだ。そう考えている方々はいるであろう。なんと言っても新幹線は、長らく日本の技術力の象徴として扱われてきたので、それが他国で花開くことに期待する人がいるのは当然である。

 ところが、残念ながら新幹線の海外展開は難航している。もちろん、導入検討に名乗りをあげる国は複数存在するが、その後の明るいニュースを聞く機会は少ない。

 唯一の新幹線輸出例とされる台湾の高速鉄道(台湾新幹線)も、安泰とは言えない。先月には、新車両導入をめぐる台湾側と日本側の交渉が破談に終わったことを一部メディアが報じ、話題になった。

 もちろん、状況は流動的なので、このことだけで「台湾に日本以外で製造された高速車両が入るかも」と悲観するのはまだ早いが、油断はできない。

 なぜ新幹線の海外展開は難航するのか。その理由を鉄道関係者に聞いてみたところ、ざっくり言って次に示す3つの理由があるようだ。

----------
(1)汎用性が乏しい
(2)高コストである
(3)足並みがそろわない
----------

日本の鉄道を支えてきたもの

 (1)の「汎用性が乏しい」は、海外展開における新幹線の最大の弱点だ。そもそも新幹線は、もともと日本だけで使うことを前提に構築された高速鉄道なので、他国に合わせてアレンジすることが難しい。

 日本の鉄道の特殊性に合わせて極度に最適化したものなので、ストライクゾーンが狭く、使える国が大幅に制限されてしまう。

 つまり、新幹線は融通が利かないのだ。それは、車両と地上設備をセットにして構築したシステムであるゆえに、少しでもアレンジを加えると新幹線ではなくなってしまうという特殊性と深い関係がある。

 先ほど紹介した台湾の高速鉄道は、日本では「台湾新幹線」と呼ばれるが、これは正式な新幹線ではない。車両や信号設備が日本製でも、それ以外では欧州技術が使われており、車両や信号設備に関しても欧州規格に準じて仕様が変更されているので、新幹線というシステムの一部を切り取って輸出したものに過ぎない。

 その点フランスのTGVやドイツのICEのような欧州の高速鉄道システムは、事実上の国際規格となっている欧州規格に準じており、多くの国や地域で使えるように汎用性を高めて設計されている。これらの点は、多くの国にとって魅力的だ。

 また、新幹線は日本独自の職業観に支えられたシステムでもある。ある鉄道会社の技術者は「労働に対する価値観が日本と異なる国で、新幹線の運営・保守をするのは難しいのではないか」と指摘する。ある国鉄OBは「日本の鉄道は人々の忠誠心と職人気質で支えられてきた部分が大きい」と語る。

 筆者は運転士や車掌などの乗務員や、車両や線路の保守をする作業員など、新幹線を支える人々を取材してみて、これらの言葉の意味がよくわかった。新幹線を含む鉄道を支える仕事の多くはルーチンワークである一方、勤務時間が不規則で、責任が重いゆえにプレッシャーが大きい。

 にもかかわらず日本で鉄道を維持できているのは、日本人の仕事に対する特殊な姿勢が支えているところが大きい。筆者は取材を通してそのことを繰り返し感じてきた。

在来線との互換性がない

 となれば、日本と文化や価値観が異なる国で新幹線を維持するのは難しくなる。ある鉄道技術者は10年以上前にインドの運転士に電気機関車の運転方法を赴任時代を教えたときを振り返り、「現地では列車を時間通りに走らせる概念がなかなか理解されなかった」「思考がおおらかで、日本人の仕事の進め方が通じない」と語った。

 やはり、日本の鉄道のやり方をインドの鉄道員に伝えるのはかなり難しいようだ。いま政府やJR東日本は、そのインドに、列車運行を秒刻みで管理する新幹線を売り込もうとしている。

 (2)の「高コストである」は、これから高速鉄道を導入する国が躊躇するポイントだ。新幹線の優位性を認めたとしても、導入にかかるコストが高くては手が出ないからだ。

 新幹線が高コストになった理由は、その特殊性にある。このことは、新幹線と欧州の高速鉄道システムとくらべるとよくわかる。

 新幹線は、在来線と互換性を持たない鉄道システムだ。高速列車のみが走行する専用線(高速新線)を在来線とは別に敷設し、駅数を極限まで減らし、運行パターンをシンプルにするだけでなく、踏切をなくし、線路に人が立ち入れない構造にするなどの工夫を凝らしている。

 世界に類を見ない大量高速輸送を実施しながら高い安全性を維持できたのは、これらの特殊性によるものだ。

 いっぽう欧州の高速鉄道は、在来線と互換性を持たせて設計されているので、在来線の線路や駅などの設備を活用しながら、必要に応じて高速新線を敷設することで、都市間の所要時間を短縮できる。

 このため、新設する設備を最小限に抑えることができ、鉄道をフルで造り直す新幹線よりもコストを削減できる。(1)で述べた汎用性の高さの秘密はここにある。

政府は海外戦略に掲げているが…

 つまり新幹線は、欧州の高速鉄道よりもハイスペックであるゆえに高コストなのだ。このため、日本のように鉄道利用者数が突出して多い国であれば、そのコストに見合う輸送需要が見込めるが、そうでない国では導入するメリットが少ない。

 それゆえ「輸出するなら新幹線よりも、アレンジしやすい都市鉄道のほうが有望ではないか」と言う鉄道関係者もいる。

 (3)の「足並みがそろわない」は、新幹線の海外展開を進めるうえで大きなネックとなる。新幹線の海外展開には(1)(2)で述べた大きなハードルがあり、日本勢が一丸とならないと乗り越えられない。

 ところが実際は、各関係者の思惑が異なり、向かう方向がちぐはぐになっている。ここでは車両の話にしぼり、政府・車両メーカー・鉄道事業者(JR)のそれぞれの思惑の違いを見ていこう。

 新幹線の海外展開にもっとも積極的なのは、旗振り役をする政府だ。前政権は、新幹線をふくむ鉄道の海外展開を成長戦略「インフラシステム輸出戦略」の一つに掲げ、推進してきた。

 ところが、車両メーカーとJRの足並みはそろわない。両者は、日本の人口減少による国内市場の縮小に直面しており、海外に活路を見出したいという点では共通しているので、互いに助け合う関係にある。

 ただし、車両の設計・製造を担う車両メーカーと、運用・保守の方法を輸出国に伝えるJRでは、新幹線の海外展開に対する考え方が微妙に異なる。

 車両メーカーは、新幹線の海外展開にかならずしも積極的ではない。すでに海外に車両などを輸出した経験があり、海外案件の場数を踏んでいる反面、得られる利益が少なければビジネスとしては進めにくい。

政府は売り込みの方針を変えるべき

 また、設計・製造のキャパシティには限りがあるので、新幹線車両の生産を受け入れたり、相手国の要望に対応するのが難しい場合がある。

 先述した台湾新幹線の新車両に関する交渉が破談に終わった理由は、日本側のメーカーが正式発表しておらず、不明である。これに対して筆者は、メーカーのキャパシティ不足や、交渉のタイミングなど、日本側と台湾側の条件の不一致が関係しているのではないかと推測する。

 いっぽうJRは、車両メーカーとくらべると新幹線の海外展開には積極的である反面、海外案件を受けた経験は乏しい。海外で場数を踏むのも、海外ビジネスに通じる人材を育てるのもこれからだ。

 当然関係者は、(1)(2)のハードルや、海外に派遣できる人材の少なさを感じている。

 つまり、新幹線の海外展開に関しては、政府が張り切って旗を振るいっぽうで、車両メーカーやJRは慎重にならざるを得ない状況に直面しているのだ。これでは車両メーカーやJRが苦しむだけで、政府の「オールジャパンで取り組む」という言葉はかけ声だけで終わりかねない。

 この状況を回避するには、政府が新幹線の売り込み方法を見直す必要がある。「新幹線は優れている」という先入観を捨て、(1)(2)を客観的に把握し、車両メーカーやJRの立場を理解した上で身の丈に合った戦略を打ち立てることができなければ、新幹線の海外展開は失敗に終わる。

Photo_20210218174901

関連エントリ 2021/02/14 ⇒ 【震災から10年】13日23時7分✍最大震度6強(M7.3)余震が発生!!

 

2021年2月16日 (火)

【特別読み物】『私』が『在宅専門医』になったワケ

 ALSになったら不倫をしていたってきた…だから幸せ」という患者に出会い在宅専門医になった 

yomiDr. 2021年2月11日(木)15時10分配信/佐々木淳(医師)

訪問診療にできること~最期まで人生を楽しく生き切る~ 

 首都圏で在宅専門の診療所15か所を運営する悠翔会を率いる医師の佐々木淳さん(47)。在宅医療が対象にするのは、自宅で最期の時を過ごすがん患者、神経難病、子どもの重い病気、穏やかに老衰に向かう高齢者……。回復して社会に復帰するのが難しい“治せない患者”を専門に診る医師としての道を選んだのは、医師人生を変えた出会いがあったからだ。佐々木さんに、在宅医療に進んだ理由などについて聞いた。(聞き手・渡辺勝敏)

ALSは進行すると眼球しか動かせなくなる

――悠翔会が発足して15年。首都圏の15か所の診療所で毎年900人を 看取(みと)っ ています。どうして、在宅医療専門の診療所を作ろうと思ったんですか。

 元は病気を治す治療医学をやっていて、東大の大学院で肝炎ウイルスの研究をしていました。医者は病気を治すのが仕事。ですから治らない状態になったら「申し訳ありません。残念ですが……」と説明をしていました。病気とともに生きるなんて不幸なことだと思っていたんです。そんな時にたまたまアルバイトで行った診療所が在宅医療をやっていて、そこで患者さんたちと出会い、感動したというか、衝撃を受けました。最も印象的だったのが、ALS(筋萎縮性側索硬化症)の女性です。

――ALSと言うと、筋力が次第に低下していって、進行すると眼球しか動かせなくなる神経難病ですね。安楽死を依頼した女性患者が亡くなり、昨年、医師が嘱託殺人罪に問われた事件がありました。

 手足が動かなくなるので、ある時点から食べ物は胃ろうから入れ、人工呼吸器が必要になります。病院の総合内科にいた時に時々ALSの患者さんがお見えになりました。僕はその患者さんやご家族にはこんな説明をしていたんです。

 「この病気では、だんだん動けなくなって最終的には眼球しか動かなくなります。そうなっても意識は非常に明瞭ですから、この状態で一生暮らしていくのはかなりつらいかもしれません。一度、人工呼吸器や胃ろうをつけると、ご家族はずっとお世話が必要になります。本当に残念なことなんですが、ある程度進行したら、何もせずに呼吸が止まったら自然に旅立つという選択もあります」

 今もこのような説明が病院で行われていると思います。

――究極の厳しい選択ですね。

 外来で診た女性が、人工呼吸器をつけて胃ろうでベッドの上で寝たきりになっているのを見た時、正直言うと、「この人やっちゃったな。かわいそうに」と思ったんです。呼吸が止まる時に、そのまま旅立つ決断ができなかったんだと。

人工呼吸器をつけて暮らすのはつらくない

――延命治療を受けながら生きていけるわけですから、人生を終える決断なんて、本人だけではなく、家族も耐えるのが難しい。

 それからこの女性のご自宅を訪問診療するようになりました。眼球の動きで文字を入力して、だいたい「今日も元気です」「大丈夫です」って書いてくれるんです。ある日、「今日は調子が悪いのでよく診てほしい」とあったので、何が起こったのか、と一瞬、緊張したんですが、続く文章を読むと、「昨日から鼻水が出て本当に困っています」。人工呼吸器をつけて明日何が起こるかわからない患者さんですから、「鼻水ですか」と気が緩んで笑ってしまいました。でも、考えてみると、私たちのように鼻をすすったり、自分で拭ったりすることができないので、つらいことなんですね。

 「でも、人工呼吸器の方がよほどつらいでしょう」と聞いたら、「人工呼吸器は全然つらくない。みなさんも呼吸する時は意識しないでしょう。私も普段は人工呼吸器につながっていることは全然意識しません」と返してくれました。

 「でも、人工呼吸器をつけている人はみなさんつらいって言いますよ」

 「それは、人工呼吸器の設定が下手だから」

 医者の腕が悪いからという内容が続きました。実際彼女は、人工呼吸器の設定を細かく変えるんです。トイレの時は疲れるからちょっと量を増やす、夜寝る時は換気量を減らすというように。私たちが生理的にやっていることを、ご主人と一緒に機械を微調整して、一日を快適に過ごしているんです。

 それまでは、訪問しても「大丈夫」というメッセージを見て、処方箋を置いて帰るだけでしたが、これをきっかけによく話をするようになりました。彼女はエッセーを書いていて、それ、とても面白いんですよ。

ALSになって不倫をしていた夫が戻ってきた…だから幸せ

――その女性と対話を深めるまでは、病気が良くならない患者として、型通りの診療をしていたということですか。

 そうなんです。それからいろいろな話を聞かせてもらいました。彼女は病気になって、最初は絶望したけど、今は病気にかかって良かったと思っている、と。なぜかと言うと、ご主人が彼女のことを振り向いてくれたから。ご主人はバリバリの商社マンで、週末にうちにいることなんてなくて、不倫をしていたことを彼女は知っていたそうです。

 ところが彼女が病気になって、「人工呼吸器をつけて生きる」と伝えた時に、ご主人は「支える」と言って、なんと会社を退職して仕事を変え、できる限り彼女と一緒にいて面倒をみるようになったそうです。

 人工呼吸器をつけるかどうか。その時に自分にとって本当に大切な存在は何かって、真剣に考えるきっかけをくれた、とご主人は話していました。そして、反省している、とも。彼女は、「病気になっていなかったら、すごく不幸な人生になっていた。体は動かせないけど、その代わりにもらったものはすごく大きい」と言うんですよ。

眼球の動きでエッセーを書いてSNSで社会とつながる

――そういう人生もあるんですね。

 彼女は元々美食家というか、食べることが大好きだったというので、食べられなくなって胃ろうをつけて、かわいそうだと思っていたんです。だけどALSは感覚の障害はないので、口に食べ物を入れれば味はわかるんです。お酒を飲みたい時には、口にガーゼを置いて、ワインやブランデーを注ぐと味も香りもわかる。酔いたい時は胃ろうからワインを入れると酔うことだってできるって教えてくれました。

 手足が動かなくなって、一日中、ベッドの上でゆっくり過ごしているけど、彼女に言わせると、手足が動かなくなった分だけ意識の中の活動範囲が広がって、その宇宙で自由に泳いでいるんですって。そこで思いついたことを文章にして、いろいろな人とSNSで連絡を取り合っているんですよ。

 はたから見ると、彼女はベッドの上の寝たきりのおばちゃん。でも、社会とつながって、存在を認知されて、いろいろな情報発信をして、家族の中にも居場所がある。だから今は幸せに生きている、と彼女は言うんです。

人は必ず病み衰える時がくる……それを残念なことにしたのは医者の価値観

――寝たきりでも社会とつながっている。そういうことができるんですね。その姿に医師として衝撃を受けたと。

 人間は必ず病気になるし、必ず衰えて死んでいく。このプロセスを、医療が及ばない残念な悲しいことにしてしまうと、すべての人生が最後は残念なことになってしまいますよね。本当は、病気があるかないか、障害があるかないか、体が衰えているのかどうか、というのは、人生のひとつの側面にすぎなくて、その人らしく生きることができれば、たとえ病気や障害があっても、人って幸せに生きられるって教えられたんです。

 自分が病院でやってきたことを振り返ると、患者さんを治療しているつもりだったけど、内科だから慢性疾患ばかりで、本当は治せないんですよ。最期は必ず何かの病気で亡くなります。死に向かって衰えていく時期は残念な悲しいものだという価値観を植え付けてきたのが、実は医者自身じゃないかって反省があるんです。

――そう考えた時、自分が目指す医療の形が見えてきたということでしょうか。

 人生で必ず迎える下り坂。それを楽しく過ごしていく。そういう価値観で生きる人が地域で増えていくと、何か起こったら救急車を呼ぶとか、できる限り延命治療をするというのはどこか違うと感じるようになると思うんです。一番大切なのは、自分の人生をどう生きるか、楽しむか。その中で道具として医療を使っていただく。「楽しい下り坂を支える」というコンセプトの在宅医療はあまりなかったので、自分で始めようと思って、大学院を退学して東京の都心に診療所を立ち上げたのが2006年。今年で15年になりました。

目指すのは、物語に基づく医療

 悠翔会の診療所では、初めて訪問を始める家庭には、自分たちの在宅医療の説明をした14ページのパンフレットを渡している。

 そこにはこうある。

 「患者さんにはそれぞれに物語があります。患者さんの言葉にじっくりと耳を傾け、納得・満足できる医療の選択肢を提供すること。科学的に有効であるというだけで、治療方針を押しつけるのではなく、患者さんとともに治療方針を考えていく。これをNBM(Narrative Based Medicine:物語に基づく医療)と言います。在宅医療はNBMを中心とした医療であるべきだと思います」

 ALSを生きるご夫婦がつぐむのもひとつの物語。それを在宅医療で支えたい。こう考えて、一人の医師が始めた診療所は、地域の求めに応じて増え、働く医師は62人になった。

 毒蛇から子供達守った飼い猫噛まれて犠牲 

Techinsight 2021年2月17日(水)6時00分配信

 民家の庭で遊んでいた一家のもとに毒ヘビが出現し、飼い猫が2人の幼い子ども達を守るために立ち向かった。ヘビを撃退したもののヘビに噛まれてしまった猫は、翌朝に天国に旅立ってしまった。この猫の勇敢な行動に「4本脚のヒーローだ」など多くの称賛の声が集まった。『9News』などが伝えている。

 豪クイーンズランド州サンシャイン・コーストに住むある一家の2人の幼い子ども達が、飼い猫の“アーサー(Arthur)”と庭で遊んでいた。穏やかに遊んでいたところ突然、イースタンブラウンスネーク(Eastern Brown Snake)が現れた。

 このヘビはオーストラリア東部を中心に生息し、その動きは素早く攻撃的な性格で知られている。しかもヘビの毒は世界で2番目に強く、人間が噛まれれば数分で倒れてしまうほどだ。

 そんなヘビが現れてパニックになったが、アーサーは勇敢にも2人の幼い子ども達を守るようにヘビの前に立ちはだかったのだ。アーサーが身を挺してヘビと闘っている間に、両親は子ども達を室内に連れていき安全を確保した。

 見事ヘビを撃退したアーサーはその場に倒れてしまったが、幸いなことにすぐ意識を取り戻した。誰もアーサーがヘビに噛まれた場面を目撃していなかったため、飼い主らは安堵したようだ。

 しかし翌朝になるとアーサーは再び倒れてしまい、動けなくなっていた。ここでようやく「ヘビに噛まれていたかもしれない」と気付いた飼い主はすぐ動物救急サービス(Animal Emergency Service、以下AES)へ運び込んだが、アーサーはすでに手遅れだった。

 AESは「ヘビに噛まれると倒れた後すぐに回復するという症状は、飼い主達にはあまり知られていません。アーサーはいたずらっ子でよくケガをして私達のところに来ていて、スタッフみんなから愛されていました。大変心苦しいことでしたが、アーサーは天使の羽を手に入れ、飼い主のもとを去りました」と述べており、アーサーはヘビの毒によって命を落としてしまったのだ。

 この事故がAESのFacebookに投稿されると、「小さな体に大きな心を持った、本当に勇敢な猫だね」「悲しいけれど、アーサーは正真正銘のヒーローだよ」「猫は家族を守るために、素晴らしい勇気を発揮することもあるんだ」「天国でも素敵な家族に会えるといいね」など多くのコメントが寄せられた。

 飼い主は「アーサーが子ども達の命を救ってくれたことは一生忘れず、記憶として心に残るでしょう」と語ったという。

Photo_20210217104601

 サスカトゥーン-オーストラリアの家族の猫は、2人の幼い子供たちの近くでずるずる毒ヘビ​​と戦って死んだ後、「4本足の英雄」と呼ばれています。

 アーサーという名前のショートヘアの猫の悲惨な話は、ブリスベン、ゴールドコースト、サンシャインコーストで緊急の獣医ケアを提供するアニマルエマージェンシーサービスによるFacebookの投稿で語られました。

「ヒーローにはさまざまな形とサイズがあります」とグループは言いました。「彼の家族は、当然のことながら荒廃しており、彼を愛情を込めて思い出し、彼が子供たちの命を救ったことに永遠に感謝しています。」

 猫は、オーストラリアの地理誌が国の非常に有毒なヘビのトップ10の1つとしてリストしている東部の茶色のヘビが近づいたとき、家族の裏庭で2人の幼い子供たちをふざけて追いかけていました。アウトレットはまた、この種は攻撃性と敏捷性でよく知られていると述べました。

「アーサーはヘビを殺すことで若い家族を守るために行動を起こしました。「残念ながら、その過程で、アーサーは致命的な毒蛇咬傷を受けました」とグループは投稿に書いています。

 ポストは、子供たちを庭から連れ出す過程で、誰も実際の噛みつきを見たことがなく、「アーサーは崩壊し、すぐに何も問題がなかったようにすぐに回復した」と述べた。

 動物緊急サービスは、ヘビに噛まれた後に動物が倒れるのは一般的ですが、ペットの飼い主にとってはよく知られた事実ではないと説明しました。イースタンブラウンスネークからのヘビの咬傷は、進行性の麻痺を引き起こし、血液の凝固を止め、犠牲者を崩壊させる可能性があります。

 翌朝、家族はアーサーが再び倒れて起き上がれないことに気づいたとき、ブリスベンの北90キロにある田舎町タナワの病院に彼を急いで連れて行った。

「残念ながら、アーサーの症状はひどすぎて回復できませんでした」とグループは言いました。「彼が天使の羽を手に入れた後、彼の所有者がアーサーを去らなければならなかったのは、最も重い心でした。」

 アニマルエマージェンシーサービスのスタッフはアーサーにとって見知らぬ人ではなく、彼を「いつもいたずらをしている」「私たちの小さなヒーロー」と呼んでいました。彼は「事故に遭う前に以前私たちを訪ねてきて、私たちのチームにとても愛されていました」。

 子熊無許可飼育検挙を恐れ射殺した猟友会会員2名を逮捕 

毎日新聞 2021年2月17日(水)8時47分配信

 岩手県警生活環境課は16日、無許可で飼育していた子グマを射殺したとして、奥州市水沢黒石町の会社役員、及川次雄容疑者(77)と同町の農業で、県鳥獣保護巡視員の高橋貴容疑者(71)を動物愛護法違反(愛護動物の殺傷)と銃刀法違反(用途外発射)などの疑いで逮捕した。2人は射殺容疑については認めているが「狩猟の範囲内で、違法とは思わなかった」と一部否認している。

Photo_20210217110801Photo_20210217111001

 逮捕容疑は2020年6月下旬、両容疑者がニホンジカを捕獲するために仕掛けたワナに掛かった雌の子グマ(当時推定1歳)を「可愛いから」と及川容疑者宅で許可なく飼い始め、同年11月下旬、動物愛護法違反で捜査していた県警や市の動きを察知し、検挙を恐れてオリに入った子グマをライフル銃で射殺したとしている。

 県自然保護課によると、鳥獣保護巡視員は狩猟者として実績があり、法令に精通している人に委嘱しており、鳥獣保護区の見回りや違法な狩猟を取り締まる立場にあるという。両容疑者は岩手県猟友会の会員。

 県警生活環境課は16日、県猟友会に会員の法令順守意識の向上などを要望。同会は「再発防止を徹底する」と答えた。

 県警によると昨年11月25日、奥州署を訪れた及川容疑者が「実はクマを飼っているんだ」と話したことで発覚。2日後に署員がクマの死骸を見つけた。県警はクマを無許可で飼育し、その摘発を免れるために殺したとみている。

 及川容疑者はかわいいと思って飼っていたが、大きくなってきたのでいつか殺さなければならないと思っていたと供述していて、2人は「狩猟の一環だった」と銃刀法の容疑については否認している。

Photo_20210217110301Photo_20210217110901

及川次雄容疑者が無許可で飼っていたクマ岩手県警提供

Photo_20210217115601

関連エントリ 2021/01/19 ⇒ 【コロナショック】もしも✍我家のペットが感染したら・・・・
関連エントリ 2020/08/24 ⇒ 【特別読み物】娘から「『ダウン症』の父親」への手紙
関連エントリ 2019/11/12 ⇒ 【特別読み物】ハーネスを付けた犬が<一匹で>バスに乗車。
関連エントリ 2019/08/16 ⇒ 【特別読み物】死にかけても✍辞められない「熊撃ち」兄弟
関連エントリ 2012/08/29 ⇒ 【レッドリスト】ニホンカワウソを✍絶滅指定
関連エントリ 2012/04/23 ⇒ 【クマ牧場死亡事故】杜撰な管理が浮き彫り

 

2021年2月15日 (月)

【日経平均】大幅反発<30年半ぶり✍3万円台>GDP(速報値)改善顕著

 東証終値30年半ぶり3万円564過熱感 

共同通信 2021年2月15日(月)15時05分配信

 週明け15日の東京株式市場の日経平均株価(225種)は大幅反発し、終値が前週末比564円08銭高の3万0084円15銭とバブル経済期の1990年8月2日以来、約30年半ぶりに3万円の大台に乗せた。日米欧が新型コロナウイルス禍の景気対策で進める大規模な金融緩和や財政出動に加え、日本の昨年10~12月期の実質国内総生産(GDP)速報値が大幅なプラス成長だったことが追い風となった。

 新型コロナワクチンへの期待も後押しした。ただ景気の先行きは依然不透明で、株価上昇は実体経済と乖離し過熱感があるとも指摘される。

東京株、30年半ぶり3万円台 ワクチン承認景気回復期待

時事通信 2021年2月15日(月)15時18分配信

 週明け15日の東京株式市場では、日経平均株価が大幅上昇し、1990年8月以来、30年6カ月ぶりに3万円台を回復した。米国の追加経済対策や新型コロナウイルスワクチンの国内承認により景気回復への期待が高まり、大型株を中心に買いが広がった。終値は前週末比564円08銭高の3万0084円15銭。株高は年金財政にもプラス効果をもたらす。

 一方、コロナ禍で航空や外食、旅行といった業界は深刻な業績悪化に直面し、雇用の不安も拭えない。主要国の金融緩和策で投資マネーが流れ込み、株価を押し上げている面は否めず、株価と実体経済の隔たりを指摘する声もある。

 日経平均は89年末に3万8915円の最高値を付けた後、バブル崩壊に伴い一時は7054円まで下落。ITバブルやリーマン・ショック、アベノミクスを経て水準を切り上げてきた。

 20年10月末に2万3000円付近で推移していた日経平均は、3カ月半で約7000円上昇した。前週末に米ダウ工業株30種平均が過去最高値を更新。14日には米製薬大手ファイザーが申請した新型コロナワクチンが国内で正式に承認され、投資家心理が一段と改善した。 

 何故ターボ復活したのか

GQ 2021年2月15日(月)21時06分配信/世良耕太(モーター・ジャーナリスト)

 かつて高性能モデルの象徴だった“ターボ”は、いったん燃費問題などから衰退したものの、近年はあらゆるモデルに採用されている。なぜターボは復活したのか? 自動車のメカニズムに精通する世良耕太が解説する。

ターボの仕組み

 過給機の一種であるターボチャージャーを短縮した「ターボ」の呼称が高性能の代名詞になったのは、1970年代だった。1973年、BMWは基幹車種の「2002」にターボモデルを追加。ポルシェは1975年に「911ターボ」(コードネーム930)を発表した。どちらも、レースで培った技術がベースにあった。見方を変えれば、レースで勝つためにターボ技術を磨いたのだ。エンジンの出力を高め、車両のパフォーマンスを引き上げるためである。

Photo_20210216085101Photo_20210216085301

 1973年に登場したBMW「2002ターボ」航空機エンジンをもとに開発されたターボ技術を搭載した搭載するターボエンジンは1990cc直列4気筒ガソリン最高出力は170psに達した

 排気を受けて回転する羽根車(タービンホイール)と、その羽根車と同軸につながった羽根車(コンプレッサーホイール)が、ターボチャージャーの中心になる部品だ。親指と人差し指を軽く開いた長さを持つシャフトの両端に、タービンホイールとコンプレッサーホイールが背中合わせの格好でつながっている。そしてそれが、軸受で支えられてハウジングに収まり、固定されている。

 タービンホイールは排気を受けると回転を始める(逆にいえば、排気がないと機能しない)。すると、同軸上のコンプレッサーホイールが回転し、空気を高速で吹き出して、加圧する。加圧された空気の密度は高くなり、そこに含まれる酸素分子は多くなる。空気が濃くなるということだ。エンジンは排気量を大きくするほど、出力を高くするポテンシャルが高まる。排気量が2リッターなら、1サイクルで2.0リッターの空気を取り込んで燃焼に使うことができる。

Photo_20210216085701

 ポルシェ「911ターボ」は1975年に登場ターボ付き3.0リッター水平対向6気筒ガソリン・エンジンを搭載した

 ガソリンと空気中の酸素が過不足なく結びついて燃焼する量は決まっており、空気14.7gに対してガソリン1gだ。排気量が2.0リッターなら、その空気量に見合ったガソリンの量はおのずと決まってしまう。

 ところが、ターボで過給して空気を濃くしてやれば、ガソリンの量も増やすことができる。過給して空気の密度を2倍にすれば、投入できる燃料も2倍になり、パワーも2倍になる。これこそターボエンジンが高出力を発生させる原理だ。

燃費が悪かった理由と改善策

 昔のターボエンジンは燃費が悪くて当然だった。なぜなら、排気量以上の仕事をしていたからだ。排気量2.0リッターのエンジンがターボの助けを借りて空気の密度を2倍にしていた場合、排気量4.0リッターのエンジンと同等の仕事をしていたことになる。実質的に4.0リッターエンジンとおなじ仕事をしているのに、2.0リッターエンジンと思って評価するから、“燃費は悪い”と、感じたのだ。

Photo_20210216085901Photo_20210216090101

 5代目「セドリック」には、日本初のターボエンジン搭載モデルが設定された搭載された「L20ET」は2.0リッター直列4気筒ガソリンターボ・エンジンだ

 たしかに、かつてのターボエンジンの効率は悪かった。気体全般にいえるが、空気は圧縮すると温度は上昇し、急激な圧力上昇にともなってピストンなどの破壊につながることもあるノッキングを誘発する。それを避けるために圧縮比を極端に下げていたのが、初期のターボエンジンだった。圧縮比はエンジンの熱効率に直結するため、初期のターボエンジンは低い圧縮比ゆえに、大きなパワーと引き換えに燃費の悪さを覚悟しなければならなかった。

 高い温度が悪さをするなら、冷やせばいい。圧縮して温度が上昇した空気を冷やす役割を担うのが「インタークーラー」だ。インタークーラーは早い時期から採用されていたが、かつては自然吸気エンジンを前提としたエンジンルームに無理矢理場所を見つけて押し込んだようなところもあったので、充分な冷却性能が確保できなかった。ターボエンジンの搭載を前提にエンジンルームを設計し、走行風があたりやすいフロントグリルの背後にインタークーラーを置くことができるようになって充分な冷却性能が得られるようになっている。

Photo_20210216090401

 1990年登場の三菱「GTO」には、最高出力280psに達する3.0リッターV型6気筒ガソリンツインターボ・エンジンを搭載するモデルが設定された

 直噴(筒内直接噴射)による混合気の冷却効果も大きい。初期のターボエンジンは吸気ポートに燃料を噴射するポート噴射が採用されていたが(それが一般的だった)、2000年代半ば頃から直噴が一般化した。直噴は燃焼室内に直接、小さな孔から高圧で燃料を噴射するため、気化潜熱によって混合気の温度が下がり、ノッキング限界が上がる。

 ほかにも、可変バルブタイミング機構の採用で吸排気バルブの開閉タイミングを制御し、残留ガスを上手に掃気することでシリンダー内の温度低下につなげたり、クールドEGR(排ガス還流)の導入によって燃焼速度を緩慢にすることでノッキング限界を引き上げたりする方向もある。これらの複合技でノッキングの抑制に、そして燃費悪化の抑制につなげている。

ターボラグの解決策

 ターボラグ(応答遅れ)は、ターボ過給エンジンとは切っても切り離せない永遠の課題だ。ターボが排気のエネルギーを利用する以上、いかんともしがたい。

 ドライバーが「もっと力が欲しい」と、アクセルペダルの踏み込み量を増やすと、それに反応してスロットルバルブが開き、シリンダーに入る空気の量が増え、増えた空気量に見合った燃料が噴射されて燃焼し、排気となり、その排気がタービンホイールにあたって回転が増し、同軸にあるコンプレッサーの回転が高まって空気をより強く圧縮。その圧縮された空気がインタークーラーで冷やされて吸気ポートを経てシリンダーに取り込まれ、多くなった酸素分子に合わせて多量の燃料を噴き、燃焼。その結果、大きな燃焼圧が発生してピストンを押し下げることで、ようやくドライバーが期待した力が生まれることになる。

 このように、ターボエンジンは多くのプロセスを順に踏まないと大きな力を発生しない。ところが、ドライバーは思ったように加速しないからとアクセルをさらに強く踏んでしまう。そのため、ワンテンポ置いて突然強大なトルクが立ち上がり、ドッカンと衝撃を感じるのだ。これが、かつてあった“ドッカンターボ”の正体である。

Photo_20210216090701Photo_20210216090801

 1.5リッターの過給ダウンサイジング・エンジンを搭載するフォルクスワーゲン「ポロ」搭載するエンジンは1497cc直列4気筒DOHCガソリンターボ150ps/5000〜6000rpm、250Nm/1500〜3500rpm)。トランスミッションは7AT

 さまざまな技術の投入によって、ターボラグの解消が図られてきた。王道は、小さなエネルギーでタービン/コンプレッサーホイールが応答性高く回転するようにすることである。そこで、タービン/コンプレッサーホイールのサイズを小さくし、かつ軽量化した。

 羽根の形状も変更された。タービン側は、排気が持つ熱エネルギーを効率良く運動エネルギーに変換し、コンプレッサー側は、運動エネルギーを効率良く圧力に変換できるようになった。これらは解析技術進歩の賜物で、燃費性能の向上に結びついた。

 4気筒エンジンでは、排気干渉によるロスを抑えるため、タービンハウジングを2分割し、1番&4番と2番&3番の排気で通り道をわけたツインスクロールターボの出現もターボラグの解消に役立っている。

パワーではなくトルク重視

 昔のターボエンジンは高回転域のパワーを求めていたので燃料消費も多く、圧縮比も低くて燃費が悪かった。それに、高出力を狙うために大きなターボを採用していたので、ターボラグも大きかった。

 現代のターボエンジンはピークパワーよりもむしろ、低中回転域のトルクを重視する傾向が強い。例えていうなら、かつてのように2.0リッターの排気量で4.0リッターの出力を目指すのではなく、出力は2.5リッターで充分。そのかわり、大きなトルクを低い回転で出す方向だ。

Photo_20210216091101Photo_20210216091102

 スバルの新型「レヴォーグ」が搭載するエンジンは、1.8リッター水平対向4気筒ガソリンターボだ新開発の1.8リッター直噴ターボ“DITDirect Injection Turbo”エンジンは、日常での扱いやすさを重視し、低回転域から300Nmの高トルクを発揮する

 過給圧を高くしなくていいのでターボは小さくて済むし、小さいから応答性も高くてターボラグの面でも有利だ。低い回転で充分な力が出るので扱いやすいし、高速走行時も高回転まで回さずに済むので燃費がいい。

 自然吸気エンジンに対してはターボチャージャーやインタークーラーの追加が必要なのでコスト増の要因になるものの、2.0リッターだった排気量を1.2リッターにしたり、6気筒だったのを4気筒にしたりすることで、部品点数が減り、コストを下げられる。ゆえに、ターボは大衆化したのだ。

 現代のターボは、高出力化だけを狙った装置ではなく、トルクと燃費、扱いやすさのための手段に変わったのである。

 '90年代登場三菱4WDGTO、ハイテク満載だが「重すぎた」 

Auto Messe Web 2020年10月1日(木)12時40分配信/遠藤正賢(モーター・ジャーナリスト)

三菱が生んだスーパー4WDスポーツカー

 1990年から2001年まで三菱から販売されていた「GTO」。時代は国産スポーツカー全盛期、ハイテク装備を満載して登場したGTOだったが、クルマ好きの間で「重戦車」とも呼ばれていたことをご存知だろうか? 3リッターのツインターボに4WDと4WSを搭載、車幅は1800mm超えと、いかにも車重がありそうなことは想像に難くないが、誕生の経緯や実際のドライブフィールはどうだったのか。改めて振り返ってみたい。

車重1700kgのGTOに対しライバルたちは?

 まず1990年10月デビュー当初の車重を見てみると、225ps/6000rpm&28.0kgm/4500rpmを発する3.0L V6 NAエンジンと5速MT、ビスカス式センターデフを持つフルタイム4WD、後輪操舵機構の4WSを組み合わせた、もっとも軽量な「GTO」(標準仕様)で1640kg。

 同じく4速AT車は1680kg、そして280ps/6000rpm&42.5kgm/2500rpmを発する新開発の3.0L V6ツインターボエンジンにゲトラグ製5速MTを組み合わせ、4WDの前後トルク配分を45:55とした「GTOツインターボ」は1700kgに達していた。

Photo_20210216093301

 では、6気筒ターボエンジンに5速MT、4WDに4WSを組み合わせる2+2シーターの2ドアクーペという点で最も成り立ちが近い、R32型日産スカイラインGT-Rのデビュー当初の車重はどうか。なんと1430kg。270kgも軽量に仕上がっている。

 なお、1990年代前半に国産車最速クラスとして扱われていた、他の2ドアクーペのMT車と比較しても、オールアルミモノコックボディのV6ミッドシップスーパースポーツ・ホンダNSXは1350kg、NSX-Rは1230kg。ロータリーターボエンジンを搭載するFRのアンフィニRX-7は1260kg。3.0L直6を搭載するA80型トヨタ・スープラのターボ&6MT車は1490kgだった。

 ちなみに、WRCのホモロゲーションモデルとして投入された4ドアセダン、スバル・インプレッサWRX STiバージョン(Ver.1)は1220kg。GTOと同じ三菱のランサーエボリューション(1)はGSRで1240kg、RSで1170kgとなっていた。

 いずれの車種と比較してもGTOは200kg以上重く、その“重戦車”ぶりが際立っている。

ディアマンテベースの迫力ボディ

 ではなぜGTOは、こうも“重戦車”に仕上がってしまったのか。まず単純に、ボディサイズが大きい。GTOの全長×全幅×全高は4555×1840×1285mm、ホイールベースは2470mmで、R32GT-Rの全長×全幅×全高=4545×1755×1340mm、ホイールベース2615mmと比較しても全幅が際立って広い。

 また、スポーツカー向けのプラットフォームを専用開発せず、FF高級セダンのディアマンテをベースとしたことも大きいだろう。しかも、「GTO」=「グラン・ツーリスモ・オモロガート」(伊)の略で、「モータースポーツにおけるGTカテゴリーとして公認された車という意味」(プレスリリース原文ママ)という車名に反し、モータースポーツ参戦を大前提としたホモロゲーションモデルではなく、軽量化は開発時の至上命題とはならなかった。そのため、アルミニウム合金など軽量素材の多用、快適装備の簡略化、部品ひとつひとつのグラム単位での重量削減、などといった軽量化策はほとんど行なわれていない。

 それどころか、特に日本向けのデビュー当初は4WDに4WS、リトラクタブルヘッドライト、ターボ車にはさらに「アクティブ・エアロ・システム」や「アクティブ・エキゾーストシステム」、「ECS」(電子制御ダンパー)といった可変デバイスが積極的に採用されたことも、この重さに拍車を掛けている。

改良を重ね徐々に本格的なスポーツカーへ

 三菱自身はデビュー当時、GTOは「クルマが持つ高い性能を種々のレベルのドライバーが、より安全・快適、より自在に楽しむことができるよう、4輪すべてを駆動させるとともに、操舵・制動についても高度に4輪を制御するという、オールホイールコントロール(AWC)の考え方に基づいて開発されたスーパー4WDスポーツカー」であると謳っている。

 しかし実際には、北米市場を主眼としたGTクーペであり、走りの性格も「直進安定性は高く悪天候にも強いが重く、曲がらず、止まらない」という、まさに当時の“アメ車”らしいものだった。だからこそ“重戦車”と呼ばれたのだろう。

 だがその後、1993年にはヘッドライトを固定式とし、ターボ車のトルクを1kgm高めつつトランスミッションを6速MTに変更する。1994年にはBBS製17インチホイールを装着したうえ、4WS、オートクルーズ、フォグランプを省略しABSもメーカーオプションとすることで60kg軽量化した新グレード「ツインターボMR」を追加。APロッキード製6ポットブレーキもオプションで設定された。

 また、1996年のマイナーチェンジではホイールサイズを18インチにアップ。1998年にはフロントバンパー開口部を拡大し、アルミ押出材を使用した大型ウィングタイプリヤスポイラーを採用するなど、走りを着実に進化させている。

 しかもGTOはデビュー当初の「GTOツインターボ」で398万5000円、最終モデルの「ツインターボMR」でも397万9000円と、比較的安価だった。

Photo_20210216100101

 だから、高級車をベースとしてスーパーカーさながらのスタイルと加速性能を手頃な価格で実現したGTでありながら、徐々に本格的なスポーツカーへ進化していった、と考えるのがGTOの実像に近いのだろう。

 ブレーキ冷却導風板が備えられていただけでなく、レーシングカーに採用されていたAP社製6ポッドブレーキキャリパーがオプションで用意されるなど、常にブレーキ性能の向上を模索していた。

 室内には調節機構も備えたサイドサポート付きのバケットシートが装着され、真正面の大型メータークラスターには視認性の良いタコメーターとスピードメーターをレイアウトし、ダッシュボード中央には左から電圧計、油圧計、過給圧計の3連サブメーターをセット。

 ドライバーを包み込むようインパネまわりのデザインも、スポーツカーとして上手く演出され、まさに「和製スーパーカー」のルックスが魅力のGTOだが、前後重量配分は60:40とフロントヘビーで、タイトターンなどではアンダーステアが強くなる。

 当時の三菱が持つハイテク技術をすべて盛り込んでも、スポーツカーとしては、最後まで満足できるドライブフィーリングを得ることはなく、細かな変更が繰り返された後、2001年に販売を終了した。

 

2021年2月14日 (日)

【震災から10年】13日23時7分✍最大震度6強(M7.3)余震が発生!!

 大震災から10年  経過して起きた最大震度6強余震

Yahoo!コラム 2021年2月14日(日)15時30分配信/福和伸夫(名古屋大学減災連携研究センター長)

沈み込むプレート内でM7.3の地震が発生

 東日本大震災を起こした2011年東北地方太平洋沖地震が発生してから、あと1か月弱で10年を迎えます。そんな中、2月13日23時7分、福島県沖の深さ55でマグニチュード7.3の地震が発生しました。最初に地震波を検知して10秒後には緊急地震速報(警報)が発せられました。最大震度は、宮城県の蔵王町、福島県の国見町、相馬市、新地町で観測された震度6強でした。

Photo_20210214154901

 気象庁は、東北地方太平洋沖の余震と考えられると発表しました。東北地方太平洋沖地震の震源域の近傍で起きた地震で、沈み込む太平洋プレート内の上面近くで起きた地震でした。震源がある程度深かったため、津波は観測されたものの大きな津波被害は報告されていません。

減りつつある東北地方太平洋沖地震の余震

 大きな地震では地震後に規模の大きな余震が数多く発生し、時間と共に減少します。1891年濃尾地震の時に大森房吉が余震の回数を調べて法則性を見つけました。余震の大森公式と呼ばれています。東北地方太平洋沖地震はM9.0ものの超巨大地震ですから、M7を超える余震が多数発生しており、13日の地震を含め11個あります。地震発生当日の3月11日に2回、4月に2回、その後、7月、12月と1回ずつと2011年に6回起きました。さらに、2012年、2013年、2014年、2016年、2021年に各1回ずつ発生しました。徐々に、時間間隔は長くなっていますが、今後も起きる可能性がありそうです。

観測された揺れの強さ

 気象庁の震度観測点では、福島県・宮城県の広域で震度6強~6弱の強い揺れを観測しました。防災科学技術研究所が運用する強震計のK-NET・KiK-netでは、宮城県山元町の観測点で最大加速度1432ガル(三成分合成値)を観測しています。重力加速度を上回る強い揺れです。ただし0.3秒程度の短い周期が多い揺れでしたから、建物への影響は少なかったと思います。

 一方、長周期地震動については、福島市松木町で長周期地震動階級4を観測したのを始め福島県と宮城県では広域に2~3を観測しました。福島市の揺れは1~2秒の成分が多かったようですから、10階~20階建てのビルに居た人は、恐怖を感じたと思います。また、首都圏でも1~2を記録しましたから、高層マンションや高層ホテルの中に居た人たちは、大きな揺れを感じたと思います。

主な被害

 震度6強の強い揺れでしたが、幸い、犠牲者の報告はなく、建物損壊はあるものの倒壊家屋はなかったようです。10年前の地震で耐震性に問題のある建物が減っていたせいかもしれません。ですが、室内の被害やエレベータの閉じ込めなどは発生したようです。

 平成時代には、同じM7.3の地震として1995年兵庫県南部地震、2000年鳥取県西部地震、2016年熊本地震があり、多くの被害を出しましたが、これらの内陸直下の地震と比べ、海の地震は震源が離れているので、被害は少なめです。これは、M7.3だった東日本大震災の前震のときとよく似ています。

 ライフラインに関しては、地震直後には、東北電力や東京電力などの太平洋岸の火力発電所が自動停止し、東京電力で86万戸、東北電力で10万戸が停電しました。ですが、電力システムに大きな被害がなく、他電力からの電力供給もあって、14日午前中には概ね停電は解消されました。JRなどの鉄道も東北地方を中心に広域に運転見合わせが行われました。東北・秋田新幹線は本日も見合わせのようです。都市ガスは供給が継続されていますが、一部の地域で工業用水が停止したようです。

土砂崩れと心配される低気圧による大雨

 テレビなどでは、常磐自動車道などの土砂崩れ被害が報道されています。

Photo_20210214170101

 過去の地震でも強い揺れを受けると土砂災害が多数発生します。とくに水を含んだ地盤は災害に結び付きやすいです。明日15日は被災地では強い雨が予想されており、揺れで緩んだ地盤が心配です。このため、14日に、気象庁は大雨警報や注意報の基準を下げて運用することを、国土交通省も土砂災害警戒情報の基準を引き下げて運用することを決めました。強い揺れに見舞われた地域では、厳重な警戒をして頂きたいと思います。

地震発生の長期評価

 政府地震調査推進本部は日本海溝沿いでの地震発生の長期評価を発表しています。過去、この地域では、500~600年に一度M9クラスの地震が、100年に一度M8クラスの地震が、そして数十年に一度M7クラスの地震が起きたようです。福島県沖でのM7クラスの地震発生の平均間隔は44年程度のようで、今後30年間の地震発生確率は50%と評価されています。ちなみに、お隣の宮城県沖は90%、茨城県沖は80%と評価されています。何れも高い確率です。今後も、今回と同様のM7クラスの大地震への警戒が必要だと思われます。

 また、東日本大震災や2016年熊本地震の2日前に規模の大きな前震があったことも忘れないでおきたいと思います。南側にはまだ地震が起きてない場所が残っています。また、東北地方太平洋沖地震の震源域の北側の千島海溝沿いでは、M9クラスの地震発生が30年間で7~40%と評価されていることにも注意しておきたいと思います。

 昨年は震度6弱以上の地震は発生しておらず、最大震度6強の地震は、2019年6月18日に起きた山形県沖の地震以来20か月ぶりです。東日本大震災10年を前に、あの時の甚大な被害を思い出し、改めて地震をわがことと思い、気を引き締めて対策をしてきたいと思います。

Photo_20210214154701Photo_20210214154801

 震源が深かったM7.3でも“津波警報”発令されず 

読売新聞オンライン 2021年2月14日(日)1時16分配信

 今回のマグニチュード(M)7・3(暫定値)の地震では、震源に近い福島県などの沿岸部に津波警報や注意報が発令されなかった。

 東北大の今村文彦教授(津波工学)は、「震源の深さが大きく影響した」と指摘する。気象庁によると、東日本大震災の震源は深さ24キロ・メートルだったが、今回の地震では約55キロ・メートルと推定。震源が深いと海底が変形しにくいため、大きな津波が起きないとされる。

 政府地震調査委員会の平田直(なおし)委員長(東京大名誉教授)は、「東日本大震災の余震と考えられる。この地域ではM7級の地震の後、もう一度強い地震が起きる恐れがある。揺れが大きかった地域では、建物に被害が出て耐震性が落ちているケースがある。『これで終わり』と考えず、より一層の注意が必要だ」と警戒を呼びかける。

東日本大震災の余震、専門家「巨大地震連動発生への備えを」

FRIDAY DIGITAL 2021年2月14日(日)12時32分配信

 キューッ! キューッ!

 2月13日深夜11時過ぎ、スマートフォンのアラームがけたたましく鳴り始めた。直後から激しい横揺れ。しばらく大きな揺れは収まらず、棚から段ボールが落ち、テーブル上の食器が倒れる。布団の中でウトウトしていた記者は、慌てて飛び起きた。横で寝ていた妻が叫ぶ。

「NHK! NHK!」

 テレビのスイッチを入れると、映し出されたのは東日本の地図だ。地図上には無数の数字が。記者が住む東京都内は「4」。福島県や宮城県の広い範囲で、震度6強が示されている。地震の規模を示すマグニチュードは、7.3だという(16年4月に起きた熊本地震と同程度)。福島県富岡町で、漁業を営む石井宏和氏が振り返る。

発生直前の不気味な予兆

「直前に、ゴゴゴゴ……と不気味な地鳴りがしたんです。直感的に『あっ、これは大きいのが来るな』と思いました。揺れは予想以上に大きかったですね。2分近く続いたと思います。神棚が倒れ、強い恐怖を感じました」

 宮城県仙台市内のアパートでは、2階の通路が崩落。福島県相馬市の常磐自動車道では土砂崩れが発生し、70mにわたり道路が埋まった。宮城県塩釜市では県営住宅から火災が発生。東北、関東地区で100人以上のケガ人が出ている。

 11年3月に発生した東日本大震災から、間もなく10年ーー。気象庁によると今回の地震はその余震で、1週間ほどは同程度の揺れに注意が必要だという。だが、危険なのは東北地方だけではないようだ。

 地震学が専門で、武蔵野学院大学特任教授の島村英紀が警鐘を鳴らす。

Photo_20210214165801Photo_20210214170301

「今回は東日本大震災の余震ですが、震源は福島県沖です。本震の震源地(宮城県の三陸沖)から、かなり外れています。つまり本震を抑えていた『とめ金』が外れ、地震の力が外側に向き始めたと考えられるのではないか。

 地下ではプレート同士が押し合い、バランスを保っています。しかし1ヵ所で『とめ金』が外れバランスが崩れると、巨大地震も連動する恐れがある。これまで東北沖で起きていた揺れが、関東や中部、さらには南海沖にまで波及する可能性も視野に入れておかなければならない。

 ただ、今の地震学では連動地震がいつ起きるか正確な予測は不可能です。明日起きるかもしれないし、数十年後かもしれない。危険な状態がしばらく続くことを意識して、まさかの事態に備えるのが大切です」

 日本列島はいくつものプレートの境上にあり、いつ巨大地震が起きてもおかしくない。東日本大震災の直前にも、今回と同程度の地震が起きていることが指摘されている。懐中電灯や非常食の常備など、常に避難の準備をしておき、防災と減災、いずれも進めておく必要があるだろう。

 福島宮城震度6強逆断層型長周期地震動最大階級 

毎日新聞 2021年2月14日(日)8時58分配信

 13日夜に発生したマグニチュード(M)7.3の強い地震で宮城県と福島県では最大震度6強を観測したが、震源の福島県沖は専門家が「もともと地震活動が活発な地域だった」と指摘する地域だ。気象庁は「今後1週間程度は、最大震度6強程度の地震に注意を」と呼びかけており、十分な警戒が必要だ。

 13日夜の地震は、深さ55キロの太平洋プレート内で発生した。地殻を東西に圧縮する力が働き、断層が上下方向にずれ動いた「逆断層型」の地震とみられる。震源は東日本が乗っている北米プレートとの境界より15キロほど深く、大きな津波が発生しなかったとみられる。

 発生地点は、東日本大震災の地震の震央から南西に110キロ離れた地点。気象庁は岩手県沖から千葉県沖の「余震域」で発生したM9を下回る地震を「余震と考えられる」としている。このため今回の地震も余震との見解を示した。

 大震災以降、余震域でM7を超えた地震は前回、16年に発生しており、今回で12回目だ。12回のうち7回は11年に起きており、気象庁は「余震は次第に減っているが、大震災以前に比べると地震の多い状態が続いている」と注意を促す。

 東京大地震研究所の古村孝志教授(地震学)によると、福島県沖で1938年にあった群発地震では2日間でM7を超える地震が3回起きたこともあり、もともと地震活動の活発な地域だという。古村教授は「40年周期で大きい地震が頻発している地域であり、東日本大震災を引き起こした地震がなくても、今回の地震が起きていた可能性もある。『余震』だからたいしたことはない、と楽観してはいけない」と話す。

 一方、今回の地震により、福島県中通りでは長周期地震動の揺れとしては最大の「階級4」を観測した。

 長周期地震動は、規模の大きな地震が起きた際に生じる周期の長いゆっくりとした揺れだ。階級4は「高層ビルなどでは立っていることができず、はわないと動くことができない。固定していない家具の大半が移動し、倒れるものもある状況」とされる。

 長周期地震動は13年に観測が始まった。階級4が記録された地震は、16年の熊本地震の計2回と18年の北海道胆振東部地震で、今回が4回目。震度の分布に比べ、長周期地震動は減衰しないで遠くまで伝わる特徴がある。それに加えて福島県中通りは地盤がやわらかく、影響が出やすかったと考えられるという。

 羽生結弦ら輩出のアイスリンク仙台 地震影響で営業中止 

スポニチアネックス 2021年2月14日(日)9時16分配信

 東北地方で13日夜に発生した強い地震を受け、アイスリンク仙台(宮城県仙台市)は14日、ホームページ上で「地震による影響で建物に損傷が発生したため、安全確認が取れるまでアイスリンク仙台の営業を中止させていただきます。スケート教室につきましてもお休みとなります。ご理解とご協力のほどよろしくお願いいたします」と発表した。

Photo_20210214162001Photo_20210214162101

 アイスリンク仙台は14年ソチ、18年平昌五輪金メダルの羽生結弦(ANA)、06年トリノ五輪金メダルの荒川静香さんらを輩出。11年3月の東日本大震災で被災した際には、4カ月後の7月に営業を再開した。羽生はアイスリンク仙台への寄付を続けており、20年4月1日の発表では累計で2932万5864円に上っている。

Photo_20210214162301Photo_20210214162401

 ハマグリ大量打ち上げ、ボラの大群…昨年11月から宏観現象 

東スポWeb 2021年2月14日(日)0時28分配信

 宮城県南部や福島県で震度6強を観測する地震が13日午後11時8分ごろ、発生した。震源地は福島沖で、地震の規模はマグニチュード7・1とされる。昨年から太平洋では、宏観現象といわれる大地震の前触れとされる動物の異常行動が相次いで報告され、専門家の間では地震が警戒されていた

 太平洋では昨年11月11日に千葉・九十九里浜沖の約40キロにわたって、ハマグリが大量に打ち上げられる謎の現象が起き、同月22日に茨城・東海村で震度5弱の地震が発生していた。

 その後も宏観現象の一種とされる謎の現象は観測されていた。先月29日には千葉・銚子の君ヶ浜に正体不明の生物の死骸であるグロブスターが打ち上げられ、太平洋の海底でプレートが動くことにより、高周波が発生し、生物の方向感覚を狂わせた可能性が指摘されていた。

 また今月4日に東京・大田区呑川、8日には茨城・かすみがうら市の菱木川で、海水魚である大量のボラが川を埋め尽くすほどに遡上し、ニュースとなった。

 宏観現象と地震の関連性は科学的に明かされていないが、過去さまざまな地震で偶然とは思えない動物の異常行動や自然界での不可思議な現象が発生していることから研究が進んでいる。

 防災アナリストの金子富夫氏は「昨年6月から横須賀や神奈川での異臭現象、ハマグリの大量打ち上げ、ボラの大量発生があって、いずれも太平洋に面する場所で、宏観現象ではないかと心配していた矢先に大きな地震が起きた。2011年3月の東日本大震災の発生から10年を前に改めて、日本ではいつ大きな地震が起きてもおかしくないことを心掛け、コロナ禍でもあるので、より一層の対策をしてほしい」と話した。

仙台管区気象台、宮城沖との関連低い

河北新報 2021年2月14日(日)16時19分配信

 宮城県南部、福島県の中通りと浜通りで13日夜に最大震度6強を観測した地震を受け、仙台管区気象台は14日未明、記者会見を開き「今後1週間程度、最大震度6強程度の地震が発生する可能性がある」と注意を呼び掛けた。

 地震はマグニチュード(M)7・3で、福島県沖の深さ55キロの地点で発生。東日本大震災の余震とみられる。東北沖を震源とする最大震度6強の地震は、2011年4月以来。

 庄司哲也地震情報官は「大規模な地震の後は、10年後でも大きな余震活動がある」と説明。7年4カ月後にM8・6の地震が起きた04年のスマトラ沖地震(M9・1)の例を挙げた。

 地震は陸プレートに沈み込む太平洋プレート内部で起きた「逆断層型」。高い確率で発生が予想される宮城県沖地震について、庄司氏は「関連性は低いとみられるが、近い場所で発生している」と話した。

 今回の地震について、東北大の日野亮太教授(海底地震学)は「震源が深かったため海底の地殻変動が小さく、津波が発生しなかった」との見方を示した。

 福島県沖では、震災の影響でプレート境界がゆっくりとずれ動く「余効滑り」が継続。太平洋プレート内部で東西方向に圧縮する力が働き続けているという。

 太平洋プレート内部でも日本海溝の東側では東西方向に引っ張り合う力が働き、正断層型の地震が発生する。アウターライズ地震と呼ばれ、地上で観測する揺れは小さくても津波は大きくなりやすい。三陸沿岸に大きな被害をもたらした昭和三陸津波(1933年)の地震は、アウターライズ地震だったという。

 日野教授は「震災本震の影響が10年近くたっても弱まっていないことを示している。アウターライズ地震にも引き続き警戒が必要だ」と指摘した。

Photo_20210214165401

 福島県沖地震の影響 常磐道“相馬IC~新地IC”法面大規模崩落 

ImpressWatch 2021年2月14日(日)16時21分配信

 NEXCO東日本(東日本高速道路)東北支社は、2月13日23時07分ごろに発生した福島県沖を震源とする地震により通行止めとしている常磐自動車道(E6)相馬IC(インターチェンジ)~亘理IC間について、本線脇のり面が大規模に崩落しているため、土砂などの排除作業を行なっていると発表した。

 被災箇所は相馬IC~新地IC間で、70×10×15m(幅×奥行き×高さ)約5000m3の規模。崩落土砂および岩塊を搬出中で、撤去作業完了後、大型土のう・ブルーシートの設置、舗装補修を実施し、早期の通行止め解除を目指すとしている。

Photo_20210214165101Photo_20210214165001

関連エントリ 2020/11/20 ⇒ 【異常気象?】千葉県<九十九里浜✍全域>大量のハマグリ出現!

 福島県沖地震、3日前にも南太平洋M7.7 東日本大震災や熊本地震でも類似の現象 

J-CASTニュース 2021年2月14日(日)18時28分配信

 福島県沖を震源とする、最大震度6強を観測とした2021年2月13日夜の地震。実はこの3日前の2月10日(日本時間)、南太平洋で大規模な地震が起きていた。

 2011年3月の東日本大震災の前は南半球のニュージーランドで、16年4月の熊本地震前には南太平洋で、それぞれ規模の大きな地震が起き、被害も出た。それぞれ因果関係は不明だが、不気味な現象だ。

ニュージーランドやバヌアツで

 マグニチュード(以下M)7.3が観測された福島県沖の地震。米国立気象局公式サイトの津波警報ページによると、10日にはオーストラリアの東に位置するニューカレドニア・ロイヤルティ諸島の南東でM7.7の地震が発生していた。最大で0.78メートルの高さの津波が観測されたが、14日現在被害は報告されていない。

 過去にも、似たようなことが起きている。2011年3月11日の東日本大震災の前、同年2月22日には、ニュージーランドでM6.3のカンタベリー地震(クライストチャーチ地震)が発生していた。この震災では、日本人28人を含む185人が犠牲となった。

 16年4月の熊本地震では14日と16日にそれぞれ震度7が観測され、273人の死者が出た。そして、その同月3日には、ロイヤルティ諸島北のバヌアツ諸島でM6.9の地震が発生していたのだ。

2~3日は規模の大きな余震注意

 バヌアツ諸島といった南太平洋地域で地震が発生し、続いて日本でも起きる。インターネット上では、「バヌアツの法則」なる言葉まで登場した。

Photo_20210215061801

 しかし、武蔵野学院大の島村英紀特任教授(地震学)は2016年8月14日付の日刊ゲンダイデジタルの中で、「バヌアツと日本の地震に関連性があるかは分かりません」と指摘している。バヌアツと日本では距離が遠く、双方の地震がどう影響し合っているか解析するには時間がかかるという。

Photo_20210215061901

 一方で「ただ、バヌアツは太平洋プレートで日本とつながっているので、バヌアツ付近で大規模地震が頻発しているということは、日本でも同規模の地震が起きる可能性はあるわけです」としている。

 今回の地震を受け、気象庁は21年2月14日未明に「揺れの強かった地域では、地震発生から1週間程度、最大震度6強程度の地震に注意してください。特に今後2~3日程度は、規模の大きな地震が発生することが多くあります」と呼びかけている。

 トレンド入りした人工地震は本当にあり得るのか

東スポWeb 2021年2月15日(月)6時15分配信

 来月11日で東日本大震災から丸10年となるなか、13日夜に東日本で発生した地震に肝を冷やした人も多かっただろう。福島県沖を震源とするマグニチュード7・3の地震で、福島、宮城両県で最大震度6強を観測。関東でも最大震度5強を観測した。そうしたなかツイッターでは「人工地震」という言葉がトレンド入り。そこで本紙は、政府機関である地震調査研究推進本部に問い合わせたところ、何と人工地震は、10年ほど前まで日本でも実際に行われていたという――。

 福島県で震度6強以上の揺れを観測するのは、2011年3月11日の東日本大震災で震度6強の揺れを観測して以来。気象庁によると、今回の地震は東日本大震災の余震とみられ、今後1週間は震度6強程度の地震に注意が必要としている。

 久しぶりに強い揺れの地震があったことで、ネット上でも地震に関するニュースが次々に更新されるなど、警戒態勢が続いている。

 そんな中、ツイッターでは「人工地震」がトレンド入りした。

 一部で「政府が意図的に起こした地震ではないか」などと書きこまれたためだとみられるが、これにネット上では「そんなことできるわけない」「人工地震は陰謀論だ」などさまざまな意見が上がった。

 中には「確かに人工地震がトレンドになったことでオリンピック森氏の問題や菅首相の息子の件などがトレンドから消えたのは事実」といった声も上がった。

 地震の調査や研究に関する業務を行っている地震調査研究推進本部のホームページによると、人工地震はこう説明されている。

「火薬の爆発、おもりの振動、圧縮空気の膨張などを震源として使用し、人工的に発生させた地震のことをいいます。人工地震により発生させた地震波を解析することにより、地下構造を調べることができます」

 同本部は文部科学省に設置されている政府の特別機関。1995年の阪神淡路大震災を契機に設立された。

 本紙が同本部関係者を取材したところ、「十数年前までは、実際に地下構造を調べる目的で人工地震を起こして調査したことがあった」と回答。ただ人工地震の場合、今回の地震のように強い揺れにはならないという。

「人工地震の場合、揺れは小さいので、ほとんど生活には支障が出ないが、事前に地域住民に知らせたりはする。今回の地震のような強い揺れが起こることはない」

 ネット社会においてSNSでの情報収集は当たり前となっているが、自然災害時は特に冷静な情報収集を心がけたい。

 

2021年2月13日 (土)

【ナショジオ】✍「パンデミックは偶然ではない」と言えるワケ

 パンデミックは偶然ではない 予防世界的な自然保護政策 

NATIONAL GEOGRAPHIC 2021年2月13日(土)18時08分配信

哺乳類や鳥類に未知のウイルスは170万種、うち85万が人間に感染する恐れ

 新型コロナウイルス感染症のようなパンデミック(世界的大流行)のリスクを大幅に減らすため、自然や野生生物の保護に数百億ドルを投資するよう、世界は政策を大きく転換するべきだ。気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の生物多様性版とも呼ばれるグループ「IPBES」が、そのような警鐘を鳴らす報告書を発表したのは2020年10月29日のこと。

 報告書では、野生生物やその生息地が減るせいで、人間が新たな感染症にさらされるリスクについての研究を総括している。これによると、生物多様性の保全は感染症の予防にもつながり、「予防する戦略がなければ、パンデミックの発生頻度や拡散速度が高まり、犠牲者は増え、世界経済はかつてないほど壊滅的な影響を受けるだろう」と、その言葉は重い。

 具体的には、動物に由来する新型コロナ感染症、エイズ、インフルエンザ、エボラ、ジカ熱、ニパウイルス感染症などの野生動物から人に感染する病気、いわゆる人獣共通感染症の拡散を防ぐ取り組みが提言されている。感染源となる動物はコウモリ、鳥類、霊長類、げっ歯類が多く、哺乳類や鳥類には未知のウイルスは推定170万種も潜んでおり、その半数が人間に感染する恐れがあるという。

 新型コロナ感染症のパンデミックが続くいま、この提言は当たり前に聞こえるかもしれない。だが、科学者は以前から、森林破壊の増加が感染症の大流行につながると警鐘を鳴らし続けていた。報告書の著者らによれば、人間の活動で環境への負荷が増え、人と野生生物の距離が近づくにつれて、パンデミックの発生数が増えているのは決して偶然ではない。

積み重なっていた数々の証拠

 森林の伐採が急速に進む地域では、実際のところ普通は野生生物の間でのみ発生する感染症が人間にまで広まる例がよく見られる。森林破壊の結果として、ニパウイルス、ラッサウイルス、マラリアやライム病を引き起こす寄生虫など、深刻な病を引き起こす病原体が人間にも広まっていることを示す科学的証拠はこの20年間でたくさん見つかっていた。

Photo_20210214070701

 たとえば、ブラジルでは過去、マラリアの感染を1940年の年間600万例から20年後にはわずか5万例にまで減少させた。にもかかわらず、その後の急速な森林伐採と農業の拡大に伴い、感染者の数は着実に増加してきた。

 マラリアは蚊に寄生するマラリア原虫による感染症で、現在は年間2億人以上が感染し、約50万人が亡くなっている。

 2019年10月、米カリフォルニア大学サンタバーバラ校地球研究所の疾病生態学者、アンディ・マクドナルド氏と米スタンフォード大学のエリン・モーディカイ氏は、アマゾン盆地の森林伐採がマラリアの伝染に及ぼす重大な影響を学術誌「米国科学アカデミー紀要(PNAS)」に報告している。論文によると、2003年から2015年までの期間において、森林の消失はマラリアの感染に確かに影響しており、焼失した森林が年間10パーセント増加するとマラリアの症例が3パーセント以上増えるという。

 恐ろしい病気を運んでくるのは蚊だけではない。森から追い出された動物によって広がることもある。

 西アフリカのリベリアでは、森林を伐採してパーム油のプランテーションを作ると、通常は森にすむようなネズミがヤシの実を求めて大量に集まってくる。厄介なことに、なかにはラッサウイルスを保有しているネズミがいて、その糞尿に接触すると人間が感染する。

 ラッサウイルスはエボラウイルスと似たような症状を人間に引き起こし、リベリアでは感染者の36パーセントが死亡した。深刻な感染症を引き起こすウイルスをもつげっ歯類は、パナマ、ボリビア、ブラジルの森林伐採地域でも確認されている。

 こうした経緯をたどるのは熱帯の病気とは限らない。マクドナルド氏の研究は、米国北東部における森林伐採とライム病との間に奇妙な関連があることを示唆している。

 欧米では大きな社会問題となっているライム病の原因菌ボレリア・ブルグドルフェリ(Borrelia burgdorferi)は、森林に生息するシカの血を吸うマダニから感染する。ところがこの細菌は、人間が分断した森に生息するシロアシネズミからも見つかっている。

 人への感染は気候が温暖になるほど増えて、かつては存在しなかった場所に現れる可能性が高まるかもしれないと、世界の感染症の追跡調査を行うニューヨークの非営利団体「エコヘルス・アライアンス」の疾患生態学者、カルロス・ザンブラナ=トッレリオ氏は指摘する。

 そうした病気が森林周縁部にとどまるのか、それとも人の中に居着いて流行を引き起こすのかは、ウイルスの感染方法にかかっていると、米フロリダ大学新興病原体研究所の疫学者エイミー・ビットー氏は言う。たとえば、コロナやエボラのようなウイルスは、人から人へ直接感染する。理論上は人間がいる場所であれば、世界中いたるところに移動できる。

「また別の、もしかすると複数の病原体が、この先、同様の経緯をたどるとは考えたくありません。それでも、その可能性を考えて準備をしておくべきでしょう」とビットー氏は言う。

中途半端な規模では無意味、莫大な対策費用でも割に合う

「本当に重要なのは、今行うべき対策の規模を知ることだと思います」と、自然保護団体「コンサベーション・インターナショナル」の気候科学者で、森林の消失がもたらす影響が専門のリー・ハンナ氏は話す。氏は報告書の査読者でもある。「これまでより一段階引き上げるという程度ではいけません。かつてないほどの水準にまで拡大する必要があります」

 報告書は、パンデミック対策を監督する国際委員会や、生物多様性の保全への経済的なインセンティブ、そして研究や教育への投資を提案している。こうした制度改革により、パーム油の生産や、森林伐採、放牧などの縮小が期待できるという。

 また、感染症のホットスポット(一大流行地)になりつつある場所を特定し、接触のリスクが特に高い人々により手厚い医療を提供するのにも役立つだろう。

 将来のパンデミックのリスクを減らす対策をすべて講じるには、毎年400億~580億ドル(約4兆1400億~6兆円)もの費用がかかると著者らは推定している。だが、パンデミックが発生した場合の経済損失が数兆ドル規模に上ることを考えれば割に合うはずだと付け加える。2020年10月12日付けで「米国医師会雑誌(JAMA)」に発表された論文によると、新型コロナ感染症によるこれまでの経済損失は米国だけで16兆ドル(約1660兆円)以上だ。

 来たる2021年5月には国連の生物多様性条約(CBD)第15回締約国会議(COP15)が開催され、各国が世界的な目標と国家戦略を策定する機会が設けられている。だが、その計画案に含まれる国際的な取り組み「キャンペーン・フォー・ネイチャー」のディレクターを務めるブライアン・オドネル氏は、ブラジルなど大規模な森林破壊が発生している国々が資金や支援を十分に確保しないことなどが目標達成の障害になっていると述べる。

「各国政府は景気刺激策には巨額を投じていますが、自然保護に関する新しい大規模財政支援策は、まだ具体的なものが見られません」

 今回の世界的なパンデミックが「大きな目覚まし」になることを望むとオドネル氏は語る。「一部の人たちにはアラームが聞こえています」。だが、「まだ眠ったままの人があまりに多すぎるのです」

 自然界や危機的な状況にある野生生物そのものの保護には積極的になれなかったとしても、人間の健康のためには自然を保護せざるを得ない。今回の報告書によって、その点を意思決定者には理解してほしいとハンナ氏は願っている。

「自然を保護する利己的な理由があるのです。自然保護は私たち自身を守ることにつながります」

 嘴マスク蘇る死体パンデミック奇妙産物 

NATIONAL  GEOGRAPHIC 2021年1月31日(日)18時07分配信

恐ろしい疫病はいつの時代も迷信や誤情報を広げてしまうものなのか

 新型コロナ感染症のパンデミックでは、フェイクニュースや誤った情報の氾濫も問題となっている。一方、ペストのパンデミックが起きたかつてのヨーロッパでは、風変わりな産物や迷信が登場した。原因不明の疫病に対する人々の反応は往々にして奇妙であり、そこには新型コロナ感染症の誤情報がはびこる今も教訓にできる一面があるかもしれない。

 たとえば、17世紀のヨーロッパではペストの治療にあたる医師たちが、独特な防護服を身にまとい、鳥のクチバシのようなものが付いたマスクを着用していた。以来、この格好は不吉なイメージを帯びるようになるのだが、それにしてもなぜこんな形のマスクを使ったのだろうか。

Photo_20210214065501Photo_20210214065401

 それは、恐ろしい病気の本質を理解できていなかったからだ。

 何世紀にもわたり、ヨーロッパでペストが大流行を繰り返すなかで、富める者にも貧しい者にも公平に治療がほどこされるよう、ペストに襲われた町は専門家の「ペスト医師」を雇うようになる。彼らは予防薬やペストの解毒薬と信じられていたものを処方し、遺言に立ち会い、検死を行なった。その際に、クチバシ付きのマスクを着用する専門医が現れた。

 このマスクは、17世紀のフランスの医師シャルル・ド・ロルムが考案したとされている。フランス国王ルイ13世をはじめ、多くのヨーロッパの王族を治療した医師だ。

 彼は、香料入りのワックスを塗ったコート、ブーツとつながる丈が短めのズボン、シャツのすそをズボンの中に入れること、ヤギ革製の帽子や手袋を身に着けることなど、治療にあたる際の服装について書き記している。ペスト医師は、患者を触る(直接の接触を避ける)ための杖も持っていた。

 なかでも、マスクはとりわけ異様だった。ペスト医師はゴーグルとマスクを着用していた、とド・ロルムは続けている。マスクの鼻は、「長さ15センチのクチバシのような形で、中に香料を入れていた。穴は鼻孔近くの左右に1箇所ずつの2つしかなかったが、呼吸をするのには十分だった。クチバシに仕込んだハーブの香りを、吸い込む空気にまとわせることができた」という。

Photo_20210214065901

 ヨーロッパ中のペスト医師が同じ格好をしていたが、この見た目は特にイタリアで象徴的なものとなった。ペスト医師は仮面を使用するイタリアの演劇やカーニバルの定番になり、今日でも人気が高い。

 しかし、この近寄りがたい服装は、ただの不気味なファッションなどではない。先に書いたように、医師を瘴気(災いを起こす気)から守ろうとする防護服だった。

 病気の細菌説が広まる以前、ペストは毒された空気を介して伝染し、人の体液のバランスを乱すと信じられていた。甘い香りや刺激臭は、ペストに汚染されたエリアを浄化し、伝染を予防できると考えられていた。当時よく用いられたのは、花やお香、その他の香料だった。

 ペスト医師は、毒蛇の肉の粉末、シナモン、没薬(植物の樹脂)、蜂蜜など、55種類を超えるハーブや他の材料を混ぜ合わせた解毒薬をマスクに詰めていた。ド・ロルムは、このマスクのクチバシの形状が、医師が吸う空気に解毒薬を十分に行き渡らせると考えていた。

 実際には、ペストはペスト菌(Yersinia pestis)により引き起こされる。動物から人に感染し、ノミに噛まれたり、ペスト菌に汚染された体液や組織と接触したり、肺ペスト患者のくしゃみや咳によって放たれた飛沫を吸い込んだりして感染する。

 今見れば奇妙なマスクも防護服も、当時はありがたがられていただろう。ペスト医師を一目で見分けるのにも役立ったかもしれない。だが結局のところ、ペスト医師の防護服や治療法は、ほとんど効果がなかった。

「残念ながら、近世のペスト医師の治療戦略は、延命や苦痛の緩和、治癒には、ほぼ効果がなかった」と歴史学者フランク・M・スノーデン氏は書いている。本当に効果のある科学的な予防法が確立されるのは、病気の細菌説と抗生物質が登場してからだ。

中欧の奇妙なうつぶせ埋葬、蘇る死者を恐怖か

 恐ろしいペストのパンデミックは、人々の死生観や宗教観に影を落とし、迷信をはびこらせ、埋葬の習慣にまで影響を与えたという研究結果も発表されている。

 2014年、スイスの人類学者アメリー・アルタラウゲ氏は、数世紀前の共同墓地で見つかった奇妙な墓を調査するよう指示された。340ある墓の中で、その1つだけが際立っていた。中年の男性がうつぶせに埋葬されていたのだ。

 曲がった肘の内側には、硬貨がいっぱいに詰まった財布と鉄製のナイフがあった。服の下に隠していたのだろう。硬貨から推定された埋葬時期は1630~1650年。スイスのこの一帯でペストが流行していた時期だ。

「家族も葬儀屋も遺体を調べたくなかったように見えます」とアルタラウゲ氏は話す。「埋葬するとき、すでに遺体の腐食が進んでいたか、あるいは感染症にかかっていたため、誰も近づきたくなかったのではないでしょうか」

 うつぶせの埋葬は極めてまれだが、東欧のスラブ語圏などには記録が存在する。遺体を切断したり、石の重りを付けたりといった風習と同じく、遺体が墓から逃げ出さないようにすることで、吸血鬼や死者のよみがえりを阻止できると信じられていた。

 アルタラウゲ氏はこの発見をきっかけに、うつぶせで埋葬された遺体をスイス、ドイツ、オーストリアのドイツ語圏で探すことにした。その研究結果は2020年に学術誌「PLOS ONE」に発表されている。

 中央ヨーロッパのドイツ語圏における900年分のうつぶせの埋葬の記録を100件近く分析したところ、データからは埋葬習慣の大きな変化が示唆された。アルタラウゲ氏らはこの変化を、ペストによる死や、よみがえった犠牲者が生きている人に取りつくという迷信と関連づけている。

東欧の不死者アンデッド)」の影響か

 ヨーロッパでは14世紀前半あたりから、うつぶせの埋葬が増加し始める。この変化は壊滅的なペスト流行の時期と一致する。1347年から流行が始まったペストはヨーロッパ全域で猛威を振るい、数千万人もの命を奪った。

 埋葬が追いつかないほどのペースで死者が増えると、遺体が腐敗する光景や音が日常になり、人々を不安にさせた。遺体は膨らんで変形し、腸に充満したガスが予期せぬタイミングで耳障りな音を放つ。朽ちて干からびた遺体は表現のしようがなく、肉体がしぼむと体毛や爪が伸びたように見える。

 腐敗中の「遺体は動き、音を出します。自身の肉体や、遺体を覆う布を食べているように見えるかもしれません」とアルタラウゲ氏は話す。

 中世のヨーロッパの人々は、こうした目の前の音と光景を説明しようと試み、東欧のスラブ語圏に広まっていた「不死者(アンデッド)」の概念に注目した可能性がある。「ドイツには、吸血鬼(の概念)はありません」とアルタラウゲ氏。「ですが、遺体が動き回るという考え方はあります」。これも、14世紀半ばに最初のペストの感染拡大が発生してから間もなく、東欧のスラブ語圏から西欧に伝わった概念だった。

複数の人が急に亡くなる出来事と、超自然的な力

 それ以前のドイツ語圏には、良い幽霊があの世から戻ってきて愛する人に警告したり、助けたりする物語があった。しかしペストが流行すると、幽霊は別の形を取るようになった。よみがえる死者、あるいは歩くしかばねだ。

「悪霊に関するこうした変化は1300~1400年頃に起きました」とドイツ、テュービンゲン大学の考古学者マティアス・トプラク氏は説明する。氏は今回の研究に参加していない。

 アルタラウゲ氏らは中世の民間伝承に手掛かりを求め、「ナハツェーラー」の物語に着目した。ナハツェーラーは「遺体をむさぼる者」というような意味で、飢えた遺体が自身の体と体を覆う布を食べ、その過程で遺族の生命力を奪うとされている。

「歴史文献には、異常な死や不慮の死を遂げた者がナハツェーラーになると記されています」とアルタラウゲ氏は説明する。「ペストの流行中には、コミュニティーで最初に死んだ人がナハツェーラーになると考えられていました」

 パンデミック下のヨーロッパでは、この言い伝えには説得力があった。死者の近親者が葬式を終えてから数日以内に発症し、病に倒れるという出来事が相次いでいたため、死者の呪いのように思えたに違いない。

 当時はまた、「再び歩く者」を意味する「ヴィーダーゲンガー」も恐れられていた。墓から現れ、コミュニティーにつきまとう遺体のことだ。「悪事を働いた人や、予期せぬ死でやり残したことがある人、誰かに償ったり復讐したりする必要がある人は、ヴィーダーゲンガーになる可能性があると考えられていました」とアルタラウゲ氏は説明する。

「こうした迷信の背景にはどれも、1つの社会で複数の人が急に亡くなるという出来事があったに違いありません」とトプラク氏は話す。「人々が超自然的な存在に責任を負わせ、死者の復活を阻止しようと手を打ったと考えれば筋が通ります」

 だがしかし、うつぶせ寝で埋葬した死者が再び歩き始めることはなかったし、パンデミックが止まりもしなかった。それでも迷信を信じ続けてしまうのが人間の本性なのだろう。インフォデミックに揺さぶられる現代でも、それはあまり変わっていないのかもしれない。

 不遇の天才、手洗いを勧めた医師とコロナウイルスの発見者 

NATIONAL GEOGRAPHIC 2021年2月6日(土)18時03分配信

新型コロナウイルス感染症に関連する、報われなかった過去の偉業から

 中国武漢で謎の肺炎の集団感染が報告されてから1年あまり。コロナウイルスの素早い特定に始まり、次々とワクチンが開発されるなど、未知の病原体に挑む研究や対策の速さには驚くべきものがある。

 それもこれも、過去からの積み重ねがあったおかげだ。ただし、それらすべてが当初から正しく評価されたわけではない。ここでは、新型コロナウイルス感染症に関係する重要な発見をしたにもかかわらず、不遇だった2人の研究者を紹介しよう。

 1人目は、手洗いの大切さを発見した“消毒の父”ことハンガリー人の医師ゼンメルワイスだ。手洗いに感染症を防ぐ大きな効果があることは、いまや誰でも知っている。だが、このアドバイスは、19世紀にはむしろ非常識ですらあった。

Photo_20210214064301Photo_20210214064501

 1840年代のヨーロッパでは、子どもを産んだ母親が、産褥(さんじょく)熱と呼ばれる病気で亡くなるケースが多かった。ハンガリー人の医師、ゼンメルワイスセンメルヴェイス)・イグナーツはこの問題に関心を持ち、原因の調査に乗り出した。

助産師と医師で患者の死亡率に奇妙な差

 ゼンメルワイスが勤めていたオーストリアのウィーン総合病院には、ふたつの産科病棟があった。一方は男性医師たちが、他方は女性助産師たちが担当していた。ゼンメルワイスは、助産師が赤ちゃんを取り上げたときに、産褥熱による母親の死亡率が半分ほどであることに気が付いた。

 この現象を説明するため、多くの仮説を検証した結果、ゼンメルワイスは原因を発見する。なんと解剖用の死体だった。

 医師と医学生は午前中に解剖実習を行い、午後に産科病棟での診察やお産に対応していた。一方で、助産師たちは解剖用の死体と接触する機会はなく、産科病棟でのみ働いていたのだ。

 当時は医師が診察の前に手を洗う習慣はなく、ゼンメルワイスは「死体の微粒子」が医師や学生を通じて母親たちに移されているのではないかとの仮説を立てた。病原菌説はまだ提唱され始めたばかりであり、ゼンメルワイスは問題の物質を「腐敗性動物性有機物」と呼んだ。医師との接触で、患者たちにこうした物質が移り、産褥熱で亡くなっているというわけだ。

医学界からバッシング

 1847年、ゼンメルワイスは学生や部下の医師たちに手洗いを義務付けた。部下たちが自分の手や道具を洗うようになると、医師たちが担当する産科病棟での死亡率は大きく低下した。

 1850年の春、ゼンメルワイスは権威あるウィーン医学会で講演し、大勢の医師の前で手洗いの効果を説いた。しかし、彼の説は当時の医学の常識に真っ向から反していたため、医学界から拒絶され、その手法も論理も非難されてしまう。

 歴史学者たちは、ゼンメルワイスの説が患者の死を医師のせいにしたことも拒絶された理由だろうと考えている。産科病棟での死亡率を大きく低下させたにもかかわらず、ウィーン総合病院は手洗いの義務付けをやめてしまった。

 その後の年月は、ゼンメルワイスにとって困難なものだった。失意のうちにウィーンを去った彼は、ハンガリーのペスト(現ブダペスト)で再び産科病棟に勤める。ここでも彼は手洗いを励行し、ウィーンと同じように母親たちの死亡率を劇的に低下させた。しかし、どんなに多くの命を救っても、彼の理論は認められなかった。

 ゼンメルワイスは1858年と1860年に手洗いについての論文を書き、その翌年には本を出版している。だが、彼の理論は医学界の主流派に受け入れられなかったどころか、産褥熱の原因は別にあるとする医師たちから大きな批判を浴びてしまう。

 数年後、ゼンメルワイスの健康が悪化し始めた。梅毒またはアルツハイマー型認知症を患っていたとも言われている。精神病院に送られたゼンメルワイスはほどなくして亡くなった。

 彼の死から2年経った1867年、英スコットランド人の外科医ジョゼフ・リスターもまた、感染症の予防策として手や手術道具の消毒を推奨した。彼を批判する者もいないわけではなかったが、1870年代には、手術前に手を洗う習慣を取り入れる医師が増え始める。

 ゼンメルワイスの功績も次第に認められるようになり、彼の論文は、のちにルイ・パスツールの病原菌説につながり、患者の治療法や、病気の原因および感染経路の調査方法を変えていった。

 医師がこまめに手を洗うようになったのは1870年代のことだが、日常的な手洗いの重要性が広く知られるようになったのはそれから100年以上も経ってからだ。そして1969年、ブダペスト医科大学はその名をゼンメルワイス大学と改称した。清潔さが医療を改善すると粘り強く説いたものの、報われなかった彼に敬意を表して。

コロナウイルス発見の物語、却下された彼女の論文

 1966年にコロナウイルスを発見したジューン・アルメイダ女史も、不遇をかこった研究者の1人だ。画期的な顕微鏡技術を開発し、その前にコロナウイルスを報告していたにもかかわらず、彼女の論文はひどい誤りと判断され却下されていた。

Photo_20210214065001

 英国スコットランドに生まれたアルメイダは、バスの運転手をしていた父親らと共に貸アパートに暮らしていた。学業に優れ、大学進学を望んでいたものの、家計にはその余裕がなかったため16歳で学校を中退。正式な学校教育を終えないまま、グラスゴー王立診療所で一介の検査技師として働き始め、顕微鏡を使って組織サンプルの分析を行うようになる。

 その後、ロンドンの聖バーソロミュー病院で同様の職を得て、後に夫となるベネズエラ人アーティスト、エンリケス・アルメイダと出会った。2人はカナダへ移住し、彼女はトロントにあるオンタリオがん研究所で電子顕微鏡を使う職に就く。

 この職場で彼女は新たな顕微鏡技術を開発し、まだだれも見たことがなかったウイルスの構造に関する論文を複数発表する。アルメイダが開発した顕微鏡技術は、シンプルでありながら、ウイルス学の分野においては革命的だった。

 電子顕微鏡で難しいのは、見ているものがウイルスなのか、細胞なのか、それともほかの何かなのかを見極めることだ。この問題を解決する手がかりとして、アルメイダは、ウイルス感染歴がある人から採取した抗体を使う方法を思いつく。

 アルメイダが抗体でコーティングした小さな粒子を試料に加えてみたところ、その粒子がウイルスの周りに集まって、ウイルスがあることを知らせてくれた。この技術のおかげで、臨床医が電子顕微鏡を使って、患者のウイルス感染を診断できるようになった。

質の低いインフルエンザと査読者が誤解

 自らが開発した顕微鏡技術が広く認められつつある頃、アルメイダはロンドンに戻り、聖トーマス病院医学校に職を得た。そして1964年、アルメイダ氏のところに、風邪研究所を監督していたデビッド・ティレル博士から連絡が入る。

 ティレルのチームは、病気の少年からインフルエンザのようなウイルスのサンプルを採取していたが、培養がうまくいかずに行き詰まっていた。従来の手法が通用しないことから、彼らはそれがまったく新しいタイプのウイルスなのではないかと考え始めていた。

 選択肢に窮したティレルは、アルメイダにサンプルを送り、あなたの技術でウイルスを特定してほしいと伝えた。手元の資材が限られていたにもかかわらず、アルメイダは、ティレル氏の期待以上の成果を上げる。

 アルメイダはウイルスの鮮明な画像を作成しただけでなく、以前の研究で類似のウイルスをふたつ見たことを覚えていた。ひとつはニワトリの気管支炎、もうひとつはネズミの肝炎の研究だった。彼女はそのどちらについても論文を書いていたが、いずれも却下されていた。画像がインフルエンザウイルスの質の低い写真に過ぎないと査読者に判断されていたのだ。

 ティレルとアルメイダらが顔を合わせて研究成果について議論をしている最中、この新たなウイルス群をなんと呼ぶべきかという話になった。画像をひと通り眺めた後、彼らは、丸い光の輪に包まれているかのようなその構造に着想を得て、ラテン語で冠を意味する「コロナ」という言葉を選んだ。「コロナウイルス」誕生の瞬間だ。驚くべきことに、このときアルメイダはまだ34歳だった。

久しく忘れられていた偉業

 アルメイダはウイルス学者としては1985年に引退したものの、その後も好奇心旺盛に活動を続けた。一時は聖トーマス病院にアドバイザーとして復帰し、後天性免疫不全症候群(AIDS)を引き起こすHIVウイルスをいち早く高画質画像でとらえ、発表することに尽力した後、2007年に77歳で亡くなった。

 聖トーマス病院でアルメイダと共に働いた英アバディーン大学の細菌学名誉教授、ヒュー・ペニントン氏は、彼女は自分にとって素晴らしい指導者であったと述べている。

「彼女は間違いなく、同世代のスコットランド人科学者の中でも傑出した人物ですが、残念ながらほとんど顧みられることがありませんでした」。英ヘラルド紙の取材に、ペニントン氏はそう答えている。「しかし皮肉なことに、今回の新型コロナ感染症の流行によって、アルメイダ氏の業績が再び脚光を浴びることになったのです」

 アルメイダが開発した技術は、迅速かつ的確にウイルスを同定するために現在も使われている。彼女が初めて電子顕微鏡でコロナウイルスを目にしてから57年がたった今、その業績はこれまで以上に重要性を増している。

Photo_20210214064101

関連エントリ 2021/02/12 ⇒ 【新型肺炎】ファイザー製“ワクチン第1便”40万回分✈成田に到着。
関連エントリ 2021/02/06 ⇒ 【新型肺炎】“ワクチン接種後”の世界✍考え得る3つのシナリオ
関連エントリ 2021/01/29 ⇒ 【コロナショック】“逼迫する現場”✍何故「指定感染症から外せ」と言えないのか
関連エントリ 2021/01/28 ⇒ 【東京2021】五輪後の選手宿舎「晴海フラッグ」マンション販売どうなる??
関連エントリ 2021/01/24 ⇒ 【コロナ第3波】コロナ感染者数と連動?「菅内閣」内閣支持率
関連エントリ 2021/01/23 ⇒ 【コロナ第3波】「ワクチン接種」✍注意すべき「諸々の事情」
関連エントリ 2021/01/20 ⇒ 【鼻マスク騒動】逮捕された<共通テスト>“受験生(49)”荒筋を詳しく・・・・
関連エントリ 2021/01/19 ⇒ 【コロナショック】もしも✍我家のペットが感染したら・・・・
関連エントリ 2021/01/18 ⇒ 【コロナ第3波】新型コロナウイルス「国内確認から1年」感染ペース加速

 

2021年2月12日 (金)

【新型肺炎】ファイザー製“ワクチン第1便”40万回分✈成田に到着。

 新型コロナワクチン第1便約40万回分承認を今日審議 

ABEMA TIMES 2021年2月12日(金)13時10分配信

 12日午前、日本に到着したファイザー社製の新型コロナウイルスのワクチンは約40万回分にのぼることがわかった。

 来週半ばからの接種開始に向け、ファイザー社製ワクチンの「第一便」が12日午前、ベルギーのブリュッセルから成田空港に着陸した。政府はファイザー社と年内に1億4400万回分の供給を受ける契約を結んでいる。政府関係者によると、今回空輸されたのは約40万回分だということだ。

 厚生労働省では午後6時から、ファイザー社のワクチンの審査会が開かれる。審議会で了承されれば、田村大臣が正式に承認する見通し。

 政府は17日から、一部の医療関係者1万人から2万人を対象に先行接種をスタートさせる方針だ。

日本ファイザーワクチン第1便到着「承認すぐ接種開始

中央日報 2021年2月12日(金)15時56分配信

 米国製薬会社ファイザーと独ビオンテックが共同開発した新型コロナウイルス感染症(新型肺炎)ワクチンが12日午前10時20分ごろ、成田国際空港に到着した。日本に初めて届いた新型コロナワクチンだ。

 NHKなど現地メディアによると、このワクチンは11日夜、ベルギーのブリュッセル空港を出発し、航空便で輸送された。ワクチンは40万回分に上り、当初の計画より2日早く到着した。日本厚生労働省は、ファイザーと新型コロナワクチンを1億4400万回分(7200万人分)契約した。

 ワクチンが計画よりも早く到着したことで、日本政府のワクチン使用承認の可否決定も早まるものと見られる。

 日本厚生労働省はこの日、専門部会を開き、ファイザー新型コロナワクチンを特例承認するかどうか審議する。特例承認とは、審査の過程を簡略化するための手順だ。

 すでに日本の医薬品審査機関・医薬品医療機器総合機構(PMDA)がファイザーワクチンの安全性と有効性に特別な問題がなく、特例承認を認めるという報告書を提出している。

 この日、厚労省が報告書を通過させれば、田村憲久厚労相はファイザーワクチンの使用を即刻承認する方針だ。田村厚労相は「承認後すぐに接種を開始する」と述べた。

 当初、日本政府は17日から医療従事者1万人を対象に接種を開始し、4月には高齢者や基礎疾患のある人、高齢者施設従事者に順次接種する計画だった。田村厚生相の承認が早まれば、接種開始日程も早まる可能性がある。

Photo_20210213090201Photo_20210213090301

 ただし、注射器購入の手違いによりファイザーワクチンを接種できる人数が20%近く減少する状況が発生したことから、接種日程に支障が出るという懸念も出ている。

 ファイザー製ワクチンスピード承認の背景 

読売新聞オンライン 2021年2月12日(金)23時36分配信

 米ファイザーの新型コロナウイルスワクチンが国内で承認される見通しとなった。通常10年前後かかるワクチン開発が、流行開始から1年あまりで「スピード承認」されるのは、遺伝物質「メッセンジャーRNA(mRNA)」を活用した画期的な新技術が背景にある。

 ワクチンは、免疫にウイルスの特徴を覚えさせ、実際にウイルスが侵入したときに素早く抗体で攻撃させる方法だ。ファイザーのワクチンは、新型コロナ表面の突起部分を作る設計図となるmRNAを主成分としている。mRNAは人工合成が容易で、短期間で大量生産できる。

 従来のワクチンは、ウイルスそのものや突起のたんぱく質などを工場で作る必要があった。mRNAワクチンは、体内で突起のたんぱく質を作らせる。いわば、細胞を「体内工場」にする方法だ。東京医科歯科大の位高啓史教授(核酸医薬)は、「新型コロナの解決の切り札の一つになると思う」と期待を寄せる。

Photo_20210213091501

開発企業の潜在力

 ただ、mRNAは体内で分解されやすい。ファイザーと共同でワクチンを開発した独バイオ企業ビオンテックはmRNAを安定化させる高度な技術を開発した。2008年創業の同社は、これまでmRNAを使った医薬品研究を先導し、潜在力があった。

 設計や合成が簡単なmRNAワクチンは、変異ウイルスに対する改良が、パソコンソフトをアップデートするように容易なことも利点だ。

 ファイザーは、英国型や南アフリカ型の変異ウイルスに対しても、十分な効果が見込めるとする論文を発表したが、変異が積み重なると、効果が減弱する恐れもある。ビオンテックのウグル・サヒン最高経営責任者(CEO)は、改良が必要になった場合、6週間で生産できると自信を見せる。

 NY株最高値米政権ファイザーワクチン追加購入契約追い風 

時事通信 2021年2月13日(土)6時38分配信

 週末12日のニューヨーク株式相場は、終盤に買い戻す動きが強まり、反発した。優良株で構成するダウ工業株30種平均は前日終値比27.70ドル高の3万1458.40ドルで終了、史上最高値を更新した。ハイテク株中心のナスダック総合指数も同69.70ポイント高の1万4095.47と、最高値で引けた。

 ダウ平均は高値への警戒感から、利益を確定させる売りが先行し、マイナス圏でもみ合う展開となった。ただ、バイデン米政権が打ち出す1兆9000億ドル規模の大型経済対策への期待から、終盤にプラスへ浮上した。

 バイデン大統領が前日、米ファイザーなどと新型コロナウイルスワクチンの追加購入契約を結んだと発表したことも、相場を下支えした。 

 ファイザーワクチン有効率95%”…効果を解説 

朝日新聞デジタル 2021年2月12日(金)20時41分配信

 米製薬大手ファイザーなどが開発した新型コロナウイルスのワクチンが近く、承認される。国内で新型コロナの患者が確認されてから1年あまり。米国や英国からは約2カ月おくれたが、17日にも医療従事者から接種が始まる見通しだ。

 臨床試験(治験)では高い有効性が報告され期待が高まるが、副反応への対応なども課題となる。

 今回のワクチンは「RNAワクチン」と呼ばれ、ウイルスの遺伝情報を使う。従来のワクチンに比べて早く開発できる。ワクチンは4万人あまりが参加した治験で「95%の有効性」が報告されている。事前の予想を超える高い有効性は、世界でも驚きをもって受け止められた。

 ただ、ワクチンには感染を防げる「感染予防」、感染しても発症を防げる「発症予防」、発症しても重症化を防げる「重症化予防」の主に三つの効果が期待されるが、現時点ではっきりしているのは「発症予防」の効果。95%も発症予防についての効果だ。

 新型コロナは無症状の感染者も多く、感染予防の効果を治験で実証するのは難しい。重症化予防については治験でもみている。

 治験の期間中に新型コロナで重症化した人は偽薬(生理食塩水)をうったグループで9人、ワクチンをうったグループで1人。ワクチンをうったグループで少ないため重症化予防もありそうだが、結論づけるには数が少なく、日本感染症学会も「評価は今後の課題」としている。

 とはいえ、インフルエンザのワクチンの場合、発症予防の効果は2~6割と言われている。新型コロナワクチンの数字はかなり高いことがわかる。

なぜ国産のワクチン開発は遅れているのか?

日刊ゲンダイDIGITAL 2021年2月13日(土)9時06分配信/奥田研爾(横浜市立大学名誉教授)

 国内での新型コロナウイルスのワクチン接種を巡っては、米ファイザーとモデルナ、英アストラゼネカの3社が決まっている。一方、国産ワクチンは開発に出遅れており、実用化のめどは立っていない。約40年にわたりワクチン開発に従事している奥田先生に聞いてみた。

Q:なぜ国産の開発は遅れているのか

A:「そもそも国産ワクチンの生産が遅れているのは、日本には研究設備もワクチン研究者も足りないからです」

 国内の製薬会社で治験に入っているのは2社だ。先行しているのが、「アンジェス」で、大阪大などと共同で開発している。今年3月までに国内の治験で500人に接種する方針で、その後、海外を含め数万人規模の最終治験を実施する予定だ。

 もう1社が、「塩野義製薬」で、こちらは年末までに3000万人分の生産体制を整える方針。昨年12月から200人以上を対象に治験を始めているが……。

「ワクチン開発は、その過程で病原体を取り扱います。そのため、安全性が確保された実験室を使用するのですが、その数は限られています。また、実験室はウイルス危険度によってP1~4の段階がありますが、防護服の着用や排気方法に規制のある封じ込め実験室であるP3(鳥インフルエンザ、SARSウイルス、ヒト免疫不全ウイルスなど)で稼働中なのは東大や阪大など20カ所余り。さらに高度な封じ込め実験室となるP4(エボラウイルスなど)で稼働中なのは現在、国立感染症研究所(感染研)しかありません。全国に複数点在するのはP2(インフルエンザ、C型肝炎、デングウイルスなど)と呼ばれるタイプで、人や動物に対し、病気を起こす可能性の低い微生物や起こしても重大な影響を与えない微生物を扱うことができる実験室なのです」

 研究者の数も306人(2018年)で、職員全体で1万5000人規模の米疾病対策センター(CDC)とは比べものにならないレベルだ。

「CDCには常に新種のウイルスに備えた研究室と、安全に防護服を着用し検査に挑めるトレーニングを受けた研究者が、新型コロナウイルスの発生時のようにすぐに現地に飛べる体制ができている。日本にはその体制が整っておらず、医学部生にも、感染症やワクチン開発研究は不人気。マンパワーも足りないので、新型コロナワクチンの出遅れは当然の結果です」

Q:国内でできるとすればいつごろか?国産は安全なものができるのか

A:「アンジェスと阪大が研究しているのは、DNA(デオキシリボ核酸)ワクチンと呼ばれるもので、ワクチンを接種すると体内にウイルス表面のスパイク(無害なタンパク質)のみを発現させ抗体を作る仕組み。こちらも、mRNAと同じく、病原体を使わない点では安全ですが、効力はmRNAほど強くないと考えられています。それにこれから数万人規模の治験の必要があるので、実用化には数年かかるでしょう。塩野義製薬は、国立感染症研究所などと『遺伝子組み換えタンパクワクチン』の開発を進めています。これは、インフルエンザなどで実用化している手法で、体内で人間の免疫を引き出す『抗原』となるタンパク質を蚕の幼虫を使って作るワクチンです。ただし、大規模な治験はこれからで、新型コロナウイルスへの効果と安全性は未知数。これも、治験が終わるまで数年規模でかかるでしょう。そもそもファイザーなどのワクチンの接種が始まれば、数万規模の人がわざわざ今治験に参加するか疑問です。ワクチンが必要なのは今すぐであり、すでにmRNAも90%以上の予防効果が認められていますから、国産のワクチンを待つ必要はないでしょう。むしろ、日本は治療薬の開発に本腰を入れてもらいたい」

 厚労省の日本医療研究開発機構(AMED)は、ワクチン開発支援に478億円(2021年度予算)計上しているが、遅きに失した感じだ。

Q:新型コロナを終焉させるには世界の何割が接種すべきか

A:「欧米や日本といった先進国は国民の6~7割が接種できれば感染拡大に歯止めがかかると考えられます。ただし、ワクチンの種類にもよります。主要ワクチンのファイザーやモデルナの『mRNA』は90%以上(2回接種)ですが、アストラゼネカの『ウイルスベクターワクチン』は82%程度(2回接種)と効かないケースもあるようです。ほかに中国医薬集団(シノファーム)のワクチンは有効性が79%と発表し、東南アジアを中心に普及させていますが、本当にそれだけの効果があるかは不明です。それにアフリカ諸国ではワクチン接種自体がどの程度現実的かわからない。そういった意味で、終焉には時間がかかるでしょうね」

 窮地に立たされたアストラゼネカ製ワクチンの秘策 

Newsweek日本版 2021年2月8日(月)20時03分配信/木村正人(ジャーナリスト)

マクロン仏大統領には65歳以上にはほとんど効果がないと切り捨てられ、南アフリカでは急遽接種が中止されたワクチンの問題とは

 英オックスフォード大学と英製薬大手アストラゼネカが共同で開発・製造する新型コロナウイルスのワクチンが厳しい逆風にさらされている。欧州連合(EU)の欧州医薬品庁(EMA)が18歳以上への緊急使用を承認したにもかかわらず、ドイツやフランスなどEU加盟国が次々と65歳以上への接種を見送った。アメリカは承認すらしていない。

 さらに免疫を回避する南アフリカ変異株への有効性が22%に低下することも分かり、南アはアストラゼネカ・ワクチンの接種を中止した。ワクチン開発を指揮するオックスフォード大学ジェンナー研究所のセーラ・ギルバート教授は7日、英BBC放送で「秋までには南ア変異株に効くワクチンを準備できる」と語り、秋に3度目の接種を行う秘策をにおわせたのだが......。

 イギリスではワクチン接種が同日時点で1200万人を超え、2月15日までに70歳以上と基礎疾患を持つハイリスクグループ、介護施設職員、医療従事者らへの1回目接種を終える目標に着々と近づいている。これに対してドイツやフランスなどEU加盟国は完全に出遅れた。EUがワクチンの青田買いに失敗したからだ。これにアストラゼネカの納期遅れが加わり、EU加盟国を激怒させてしまった。

 エマニュエル・マクロン仏大統領は1月29日、EMAがアストラゼネカ・ワクチンの18歳以上への使用を推奨する数時間前、「現時点で65歳以上にはほとんど効果がない。初期の結果は60~65歳を勇気付けていない」と切り捨てた。独ロベルト・コッホ研究所予防接種常任委員会も65歳未満にのみ接種すべきだと勧告した。

 アストラゼネカのワクチンについて65歳未満に限って推奨としたのはフランス、ドイツのほか、オーストリア、スウェーデン、ノルウェー(EU非加盟)、デンマーク、オランダ、スペイン、ポーランド。55歳未満のみ推奨としたのはイタリアとベルギー。スイス(EU非加盟)は承認しなかった(BBCまとめ)。

アストラゼネカ・ワクチンの3つの問題点とは

 筆者の見るところ、アストラゼネカのワクチンが抱える問題は3つある。

(1)第3相試験の結果が不十分
(2)大量生産に問題が生じた
(3)免疫を回避する「E484K」の変異を起こした南ア変異株への有効性が低い

 オックスフォード大学やアストラゼネカは昨年11月、イギリス、ブラジルの18歳以上2万3千人超(うち発症者131人)が参加した第3相試験の中間結果を発表。1回目の摂取量を半分にして1カ月後に全用量の2回目を接種したグループ(被験者2741人)では90%の有効性を、2回とも全用量を接種したグループ(同8895人)では62%の有効性を示した。平均すると70.4%だった。

いちばん手頃なワクチン

 今月3日には、南アを加えた被験者1万7177人(うち発症者332人)を対象にした査読前論文の分析結果を発表した。それによると、最初の接種後、22~90日目の有効性は76%。12週間以上置いた2回目の接種で有効性は82%に増えた。また、1回の接種で感染は67%減少するとともに、1回目の接種から22日以上経てば重症化や入院を100%防げることが改めて確認された。

 m(メッセンジャー)RNAテクノロジーを使った米ファイザー・独ビオンテック、米モデルナのワクチンに比べるとオックスフォードワクチンの有効性は低いものの、これまでのインフルエンザワクチンに比べると有効性は格段に高い。しかも冷凍庫のコールドチェーンが必要なmRNAワクチンと違って普通の冷蔵庫で保管でき、1回分の価格もコーヒー1杯とさほど変わらないほど安い。

 コロナ危機の今だからこそ割高なmRNAワクチンが重宝されているが、コロナの流行がインフルエンザのように毎年の恒例行事になれば、値段が手頃で診療所や薬局でも扱えるアストラゼネカ・ワクチンの需要が増すのは必至。なのに、欧米諸国の評価が非常に厳しいのは、致死率が高い肝心の高齢者のデータが限られているからだ。

オックスフォード大教授いずれ高齢者への有効性は証明される」>

 アストラゼネカ関係者の1人は「ロックダウン(都市封鎖)の状況下で被験者を募ったので、どうしても高齢者が少なくなってしまった」と打ち明ける。実際、被験者に占める56~69歳の割合は約8%、70歳以上は3~4%。これが「65歳以上にはほとんど効果がない」と主張するマクロン大統領の根拠なのだが、「被験者数が少ないこと・イコール・効果がない」ことではない。

 オックスフォードワクチンは第2相試験で56~69歳と70歳以上のグループと18~55歳とで同じような中和抗体価とT細胞応答を示した。ギルバート教授はBBCで「高齢者は政府のガイドラインに従って厳格な社会的距離をとっているため、発症者が一定の水準に達しないという側面がある。しかしアメリカでの治験でデータがそろえば、高齢者への有効性も証明されるだろう」と話した。

 オックスフォードワクチンの臨床試験への信頼性が揺らいでいるのは、接種用量と接種間隔に一貫性を欠いているからだ。大学内の製造施設が追いつかず、イタリアの製造業者に外注したもののワクチン濃度の測定方法が異なっていたため、イタリアで生産したワクチンの濃度は2倍あるように見えた。実際はその用量で良かったにもかかわらず半分にしてしまった。

採算度外視の原価販売を約束

 この間違いが幸いし、1回目に半用量、2回目に全用量を接種すると有効性が90%まで上昇することが偶然分かった。しかしデータはふぞろいになった。英政府が接種者数をとにかく増やすため、1回目と2回目の接種間隔を3週間から12週間にいきなり延ばしたことも、欧米諸国の不信感を増幅させる結果を招いた。英政府のワクチン政策は「見切り発車」と見られてしまったのだ。

 しかもチンパンジーのアデノウイルスを「運び屋」として使う生物学的製剤のアストラゼネカ・ワクチンの生産は計算通りには行かないという根本的な難しさを抱えている。EUへの納入量は3月末までに1億回分だったのに実際にできるのはわずか2500万回分。これにファイザーやモデルナのワクチンの納入遅れが加わり、EUは域外へのワクチン輸出を許可制にする緊急措置をとった。

 さらにここに来て臨床試験に参加した南アのズウェリ・ムキゼ保健相が「アストラゼネカのワクチンの有効性は南ア変異株に対しては22%に低下する」と発言、同国内での接種を7日に急遽(きゅうきょ)中止した。米ジョンソン・エンド・ジョンソンや米ノババックスなど他のワクチンでは南ア変異株に対しても57~60%の有効性を示している。

 これに対し、ギルバート教授は「アストラゼネカのワクチンは重症化、入院、死亡を防ぐという意味ではまだ有効だ。無症状者や軽症者は防げなくても、医療システムの逼迫は回避できる。秋には南ア変異株にも効くワクチンを開発できる」と説明した。しかし南ア変異株に絞った臨床試験はさらに難しさを増すのは避けられまい。

 アストラゼネカは今月5日、ワクチンの製造販売承認を日本でも申請した。ワクチンの原液は中堅製薬が受託生産し、1億2千万回分のうち9千万回分以上を日本国内で生産する見通しだ。採算を度外視し、ワクチンの「原価販売」を宣言したオックスフォード大学とアストラゼネカの真価が問われるのはこれからだ。

 ワクチン争奪戦日本世界から締め出される 

現代ビジネス 2021年2月9日(火)7時01分配信/町田 徹(経済ジャーナリスト)

ワクチン後進国に転落した

 新型コロナウイルス・ワクチンの接種担当である河野太郎・行政改革担当大臣は2月2日の記者会見で、「供給スケジュールに影響が出ている」と述べ、米製薬大手ファイザーのワクチン確保に暗雲が立ち込めているという事実を明らかにした。EUが域内で製造しているワクチンに輸出規制を導入したためだ。

 世界ではすでに、日本以外のG7(主要7カ国)はもちろん、61の国と地域がワクチンの接種を開始した。日本の出遅れは明らかだ。

 振り返れば、歴史的なワクチン行政の体たらくで、日本は「ワクチン後進国」に転落、新型コロナで日の丸ワクチンの早期開発に失敗した。次いで外国製ワクチン争奪戦の緒戦に敗れ、ワクチン接種の早期開始ができなかった。

 さらに今、河野大臣は、EUのようなワクチン・ナショナリズムの台頭によって、日本政府のワクチン接種計画の縮小や遅延が懸念される事態に直面したことを示唆したのである。

 ワクチン接種はコロナ危機克服の切り札とされている。後れを取れば、集団免疫の確立で後れをとり、世界的に交流再開の機運が生まれた時に、日本が締め出される懸念がある。

 なぜ、これほど深刻な事態に陥ったのか。現状と原因、対策を考えてみたい。

歴史的な経験を踏まえて

 そもそもワクチンとは何なのか。

 起源は、2000年前後も昔の中国やインドで行われていた天然痘の予防策「人痘接種」に遡るとされている。人痘接種は、健康な人の皮膚を傷つけて、すりつぶした天然痘患者のかさぶたの一部を擦り込むなどして、健康な人を意図的に感染させて体内に抗体を作り免疫を獲得させるというものだ。

 死者も出たし、感染が広がることもある乱暴な方法だったが、ヨーロッパを含めて世界各地に広がっていったという。

 その後、1796年に画期的な発見があった。英国人医師エドワード・ジェンナーが弱毒化した牛痘ウイルス株の接種によって天然痘を予防できることを証明したのだ。牛痘は当時、主に牛から人に感染していた軽度の感染症だった。

 その数十年後、牛痘法は改良され、人痘接種の代わりとして普及した。約200年後の1980年、世界保健機関(WHO)が根絶を宣言、人類は天然痘を克服した。

 ジェンナーの発明は、天然痘にとどまらず、インフルエンザ、はしか、ポリオ、狂犬病、破傷風、腸チフス、黄熱病、子宮頸がんなど、さまざまな感染症の蔓延を防ぐ、今日のワクチン接種に繋がった。

 感染してから治療するより、ワクチンで蔓延を防ぐ方が個人の身体と財布にやさしいし、社会的コストも小さいというのが、多くの国で半ば常識となっている。

 こうした歴史的な経験を踏まえて、諸外国はワクチン接種にしのぎを削っている。これまでに開発された新型コロナワクチンの効果の持続性や変異株への有効性などは十分に解明されたと言い切れないものの、差し迫ったパンデミックへの対応を優先しているのである。

副反応への対応不足は明確だった

 こうした背景を考えれば、河野大臣が示唆した日本の現状の深刻さは明らかだ。ワクチン接種の流れに乗り遅れれば、その分だけ、日本に住む我々の命の危機が長引く。

 海外に「集団免疫」確立で遅れをとり、日本からの入国を認めないとか、入国後に隔離措置が必要になるなど、ビジネスマンが機動的に海外に渡航できず、ビジネスチャンスを失う事態も懸念せざるを得ない。

 ワクチン行政の闇は深く、歴史的な問題だ。発端は、1970年代から80年代にかけて、天然痘ワクチンを接種した後の脳炎などワクチンを巡る様々な副反応(副作用)に政府が十分な補償を行わなかったことに遡る。

 結果として、各地で集団訴訟が相次いだ。本来ならば、予め予防接種1本につきいくらという具合に副反応に備えた基金を設け、被害が生じた時には迅速に十分な補償をする体制を整えておくべきだった。

 これを怠ったことが元凶なのに、政府が責任を受け入れず争ったため、多くの裁判がいたずらに長期化・泥沼化、マスメディアからも集中砲火を浴びた。

 ワクチン行政は改善するどころか、益々後ろ向きになった。「病気で死んでも責任は問われないが、健康な人にワクチンの副反応が出たら行政が責められる」と、ワクチンの導入・普及に消極的になったのだ。日本はインフルエンザ・ワクチンぐらいしか広く接種されない国と化し、製薬会社は多いのに、ワクチン開発に積極的な製薬会社は激減した。

 江戸時代、緒方洪庵らが天然痘の治療に尽力し、昭和にかけて感染症研究で多くの世界的な業績を生みだしてきた伝統も途絶え、「ワクチン後進国」と呼ばれる体たらくを招いたのである。

 例をあげると、日本で子供のひどい下痢の原因であるロタウイルスのワクチンが定期接種になったのは、米国の13年遅れの去年10月だ。おたふく風邪のワクチンが定期接種になっていないのも先進国で日本くらいと言われている。

河野大臣が懸念する輸出規制

 挽回のチャンスは2000年代半ばにあった。海外の製薬会社の働きかけがあり、厚生労働省が子宮頸(けい)がんワクチンを定期接種ワクチンに指定したのだ。この指定を受けると、国には接種を勧奨する義務が生じ、市町村が実際の接種を行うことになっている。

 ところが、またも副反応対応が甘く、再び集団訴訟が起きた。そして、子宮頸がんワクチンを「積極的な接種推奨を一時的に控える」というワケの分からない位置づけにして逃げたのだ。WHOの2019年の調査によると、国内の接種率は1%以下。子宮頸がんは年間1万人程度が発症し、3000人近くが亡くなるとされている。きちんと定期接種を定着させるべきだろう。

 話をワクチン開発に移すと、日の丸印ワクチンの開発の遅れは目を覆うばかりだ。米英3社に加えて、ロシア、中国、インドでも開発した企業があるのに、日の丸印はまだない。WHOによると、現在63のワクチンが臨床試験をしているが、ここでも日本製は1つしかないという。

 諸外国が戦争やテロに匹敵する安全保障問題と捉えて、平時から巨費を投じてきたのに、日本が放置してきたことのツケが回った格好で、英米3社からの供給が日本の頼みの綱になっている。

 そうした中で、世界的な争奪戦が激化、国際協調が崩れているのが欧州だ。バルカン半島のEU加盟国候補のセルビアは、中国のシノファーム社のワクチンを購入、1月半ばから接種をスタートした。今や、ワクチン接種率で欧州大陸トップという。

 その隣国のハンガリーは、EU加盟国で初めてシノファーム・ワクチンの承認に踏み切った。同国はロシア製導入にもEU加盟国として初めて合意。オルバン首相は「EUは遅すぎる」と国際協調よりも自国民の生命を優先する考えを強調した。

 こうした加盟国の結束の乱れをEUは容認できない。河野大臣が懸念する輸出規制は、英アストラゼネカ社がワクチン供給の大幅削減を通告したことに対抗、EU域内で製造したワクチンが英国に優先的に供給されるのを防ぎ、EUの必要量を確保する狙いとされる。

 ここへきて、欧州委員会の高官が「EU域内から日本へのワクチン輸出が認可された」との報道もあるが、十分な数量が確保されたかは定かになっていない。

早急な立て直しが必要

 その一方で、中国製のように治験データに不透明感が残るものもあるが、米英製ワクチン供給の遅れや混乱に乗じて、中国、ロシア、インドはワクチンをアメに安全保障や経済関係を強化する「ワクチン外交」に余念がない。

 「河野発言」に先立ち、厚生労働省は1月20日、米ファイザー社との正式契約を発表した。その内容が「今年6月末までに6000万人分」だった基本合意と異なり、「年内に7200万人分」に変更され、供給と接種の時期が遅れる懸念が出ている。

 ベンチャー企業がアストラゼネカからライセンス供与を受けて日本で生産するワクチンに期待が集まっている半面、ファイザー社との契約変更が「今年前半までに全国民に供給できる数量の確保を目指す」という政府の方針の実現を難しくする可能性は否定できない。安倍、菅両政権の失態になりかねない問題だ。

 新型コロナ対策としてはもう間に合わないだろうが、いつ、新たな感染症のパンデミックが起きても不思議はない。日本にとって、ワクチン戦略の立て直しは差し迫った重要な課題である。

 

2021年2月11日 (木)

【インド氷河崩壊】大洪水発生✍死者多数「地球温暖化」影響か!?

 インド洪水ヒマラヤ氷河崩壊原因 温暖化指摘の声 

朝日新聞デジタル 2021年2月9日(火)15時30分配信

 インド北部ウッタラカンド州で7日に起きた洪水で、同州首相は8日、18人が死亡し、約180人が行方不明になっていると発表した。ヒマラヤ山脈の氷河が崩れたのが原因とみられ、地球温暖化などの影響を指摘する声が出ている。政府は救助活動とともに原因の解明作業を進める。

Photo_20210212075101Photo_20210212075201

 現地報道によると、洪水があったのはガンジス川上流部の標高約2千メートルの地点で、約7800メートルの高峰ナンダデビのふもと。2月の気温は朝晩に零下になるが、日中は20度まで上がることがあるという。

 現地時間7日午前10時半(日本時間同日午後2時)ごろに発生した洪水は、下流の二つのダムを壊し、五つの橋を流した。行方不明者の大半は、下流の水力発電所の建設作業に当たっていた労働者だった。

Photo_20210212081701Photo_20210212081801

 15人が救助されたほか、作業現場のトンネル内に約35人が閉じ込められており、救出作業が続いている。

 同州では2013年、モンスーンによる豪雨で洪水が起き約6千人が死亡したが、今回は目立った降雨は確認されていないという。

 内外の専門家らは近年、温暖化でヒマラヤの氷河が急速に解け、洪水を引き起こす恐れを指摘してきた。現場周辺の氷河に詳しく政府の調査チームにも加わる研究者のマニシュ・メータ氏は「一帯の氷河の面積はこの30年で10%減った」と話し、今回の事故に温暖化が影響した可能性を指摘する。

Photo_20210212075401Photo_20210212075301

 現場一帯も含め同州では多くのダム建設が進められている。政府の水資源担当相も務め、ガンジス川やその支流域でのダム建設に否定的だったバーラティ氏は、現地メディアに「生態系が影響を受けやすいヒマラヤ一帯でダムを造るべきではない」とし、温暖化も含めた複合的な要因があった可能性を示唆した。

インド氷河崩壊死者32人不明者170人超捜索

AFPBB News 2021年2月10日(水)11時04分配信

インド北部で7日に発生した氷河崩壊によるものとみられる川の氾濫で、これまでに32人の死亡が確認され、今も170人以上が行方不明になっている。9日も、トンネルに閉じ込められた生存者らの懸命の捜索救助活動が続けられた。

Photo_20210212080601Photo_20210212080801

 行方不明者の大半は、ウッタラカンド(Uttarakhand)州にある水力発電所2か所の作業員だ。スイスの国土をやや下回る面積の同州は山岳地帯に位置しており、災害に弱い。

 州各地に数百人の救助隊員が出動し、地中レーダー搭載高解像度カメラを装備したヘリコプターや災害救助犬を用いて捜索救助活動を行っている。

Photo_20210212080001Photo_20210212075501

 この災害の原因は、地球温暖化によって急速に進んでいるヒマラヤ(Himalaya)地域の氷河の融解だとされている。さらにダム建設や河床の砂の採取、中国との国境の防衛強化目的を含む道路新設のための森林伐採なども要因として挙げられている。

菅首相ツイッターインド洪水被害お見舞い

2021年2月9日(火)11時22分配信

 菅義偉首相は9日、インド北部で発生した氷河崩壊による洪水被害について、ツイッターで「犠牲になられた方およびご遺族に心から哀悼の意を表します。また、被害に遭われた方に心からお見舞いを申し上げます」とのメッセージを送った。

Photo_20210212082101Photo_20210212081501

 生還したトンネル作業員何あっても棒を離すな互いに励まし合い 

AFPBB News 2021年2月9日(火)16時12分配信

 インド北部で7日に発生した氷河崩壊による川の氾濫で、これまでに26人の死亡が確認され、170人以上が行方不明になっている。トンネルに閉じ込められたものの生還した作業員の一人、ラジェーシュ・クマール(Rajesh Kumar)さん(28)が当時の様子を語った。

 氾濫した水が水力発電所をのみ込んだ時、クマールさんと同僚らはトンネルに入って300メートルほどのところで作業をしていた。クマールさんは病院のベッドで、「助かるとは思わなかった」とAFPに語った。

Photo_20210212080301Photo_20210212080401

「突然、口笛のような音がして…人が叫ぶ声が聞こえて、私たちに外に出ろと言っていた。火事だと思った。私たちは走り始めたが、水が流れ込んできた。ハリウッド映画みたいだった」

 作業員らはトンネル内に組まれた足場の棒に4時間にわたりしがみつき、水とがれきから頭が出るようにして、互いを励ましあった。「私たちはひたすら互いに言い続けた。──何があっても棒を離してはいけない、と。私たちの手が離れなかったことを神に感謝する」とクマールさんは言った。

 氾濫した水が谷を下るにつれ、トンネル内の水は引き始めた。しかし後には高さ1.5メートルを超えるがれきと泥が残された。「私たちは砕けた岩を乗り越えてどうにかしてトンネルの入り口にたどり着いた」とクマールさん。

Photo_20210212080701Photo_20210212081201

 クマールさんたちは小さな開口部を見つけた。どこにつながっているのかは分からなかったが、空気の流れだけは感じることができた。やがて光が差し込んでいるのを見つけて、作業員の一人の電話がつながり、助けを求めた。

 クマールさんたちが地面に開いた小さな穴から外へ引き出されるシーンは感動的だった。太陽の光を見て喜び、宙に向かってこぶしを突き出す人もいれば、そのまま担架で搬送される人もいた。両手を上げて、顔から泥に突っ伏す人もいた。

 数時間にわたる厳しい試練だったにもかかわらず、クマールさんたちは奇跡的に軽傷のみでトンネルから脱出することができた。

Photo_20210212075001Photo_20210212075801

 新たな人間疎外の時代世界共通の不安の中に微かな希望 

Wedge 2021年2月1日(月)12時15分配信/藤原章生 (毎日新聞記者)

 なんだろうこれは、と思いながらも画面の中へと引き込まれ、心地よい気分のまま最後まで見ると、映像の意味をあれこれ考えてしまう。

 イスラエルのパレスチナ人、エリア・スレイマン監督の『天国にちがいない』(2019年、102分)は「まさしく映画」と言える。つまり、場面場面がしっかりとした美しい絵で繋がれ、余計なセリフは省かれ、登場人物をまっすぐと真正面からとらえる。

Photo_20210212083801

 場面の切り替わりも流れるようで気持ちいい。例えば、イスラエルの地方なのか半砂漠地帯を車で運転している主人公を上空から撮ったカメラは、道路を離れ海へと向かい、なめるように海面を映したかと思うと、上へ上へと真っ青な空へとのぼり、主人公は旅客機の人となっている。バックに流れるのは1960年代から人気を博したエジプトの女性歌手、ナジャ・アル・サギーラの歌う「バム・マーク」というムード歌謡だ。この曲は初めて聞いたし、歌詞もよくわからないが、眠り落ちるときにみる夢のような快感を見る者に与える。そんな流れるようなシーンが、まさに映画らしい映画というところだ。

 19年のカンヌ国際映画祭で特別賞と国際映画批評家連盟賞をダブル受賞しているが、小難しいアート系ではない。終始、ふふっという笑いをもたらしてくれるコミカルな作品で、監督は「パレスチナのチャップリン」と呼ばれているそうだ。

 映画は冒頭、ずいぶんと暴力的な聖職者の登場で始まるが、これは本筋とは特に関係はなさそうだが、そこから「神や宗教を信じちゃあいない」という作り手の姿勢が見える気がした。タイトルは「天国にちがいない(It Must Be Heaven)」だが、別段宗教の話でも、神の話でもありませんよ、との断りのようにも思える。

 場面はすっと切り替わり、一人の男、スレイマン監督自身が家の中の鉢植えに真っ赤なポットで水をやっている。この画面で、あ、この監督は黒澤明や小津安二郎などかつての日本映画の作り手たちのように、形、絵に徹底的にこだわる人だとわかる。

 オシャレな感じのパナマ帽ふうの中折れ帽に紺のジャケット、色や破れに凝らないストレートのジーンズに、たすき掛けの薄いショルダーバッグ。おしゃれで可愛らしい、きちっとした壮年に、冒頭から親近感を持たせる仕組みができている。

 主人公は、木からレモンを勝手に取っていく隣人に言い訳を聞かされたり、その隣人の父親に蛇に救われた話を語られたりするが、自分からは何も喋らない。コミュニケーションを拒否しているようでもあるが、目や表情で巧みに感情を見せる。

 例えば、彼が暮らす家はどうやらつい最近まで、おそらく彼の母親が住んでいたことが、置いてある車椅子や歩行器、古い調度品から窺える。ある朝、彼は母の遺品を全て処分し、業者に持って行ってもらう。その晩、主人公はひとりベランダの椅子に座り、白く濁ったアラックという酒とタバコを交互にのみながら庭の木を見つめている。悲しみや放心などが入り混じった表情が、一種の「魔法」になり、その瞬間から見る者たちは優れた私小説を読むように、主人公の中へと入っていく。

Photo_20210212083401

 昨年暮れ、スレイマン監督にZoomを通してインタビューした際、彼はこう語っていた。「この映画を作る一つの理由は、人々が感じ始めている人間疎外を語ることでした。言葉を発してのコミュニケーションが減り、人は考えを共有したり、口に出したりせず、ただ感じるだけになりつつある。それは疎外であり、孤独です。例えば、カップルの間でも、自分たちが感じている寂しさや不安や恐怖について議論することがない。何かを感じても、話し合うことがなくなっているのです。今は人間集団が個々に、バラバラになっていく過程のような気がして、私はそれを伝えたかったのです。もちろん直接的なメッセージという形では出しません。でも、私が演じる主人公は、疎外され、憂鬱な気分(メランコリー)の中で、今はもうない古き良き時代を思っているのです」

 主人公は黙り続けるが、声を出す隣人の父子も「盗っ人」「くそったれ」と互いを罵りながらも、背中を向けたままで、ここでもコミュニケーションは成立していない。

「人間に今何が起きているのかを 私たちは話し合い、自分たちの中にある苦しみを表に出すときです。それを言うために、私はこの作品を作ったのです」

 20年この方、インターネットが当たり前となり、10年この方、スマートフォンを通してSNSで交流するのが日常となり、人々が文字を打つ(書く)量はかつての6倍になったと言われるが、電話をしなくなった分、口に発する言葉の数はかなり減ったはずだ。ツイッターやメッセンジャーなどチャットの場ではずいぶんと冗舌な人が、いざ面と向かうとほとんど言葉を発しなかったりもする。

「この世界は、かくも可笑しく 愛おしい――」。チラシのコピーが言うように、映画は世の中のおかしみを描いてもいるが、同時に、現代人の孤独を考えさせるように作り込まれている。

 このままでは、まずいよ。人間がおかしくなっていくよ。監督はそうささやいているのだ。

 細部に現れる、暴力寸前の場面や、何かとよく出てくる警察官の姿も笑えるようで笑えないギャグのように響く。ナザレの街を主人公が歩いていると、大柄な若者たちが棒などを手にこちらに向かって走ってくる。誰かを追いかけているはずだが、一瞬、自分かもしれないと不安になる。理由はわからないが、殴られて目の周りを腫らした男が当たり前の顔で通り過ぎ、次の場面ではレストランで双子らしきイスラムふうの男たちが、出された料理にイチャモンをつけ、主人から酒の無料サービスを受ける。主人公はそれを怪訝な表情で見ているが、やりとりには加わらない。

Photo_20210212084401

 パリでは街ゆくスタイルのいい男女がスローモーションで描かれ、主人公は目を見張るが、その後、まるで「コロナの時代」を彷彿とさせるような無人の街並みがかっちりと描かれる。燃え落ちる前のノートルダム寺院も映っている。

 逃げていく男を、セグウェイ( 電動立ち乗り二輪車)やローラースケートの警察官が機械人形のように追いかけていく。ナザレの映像でもそうだが、警察官が意味不明な行動を取るのがこの映画の特徴で、不安な社会の一つの表れだろう。

 しまいには無人のパリの通りに戦車が何台も通り、ニューヨークでは乳児を連れた母親までが自動小銃やマシンガンを肩にかけて買い物をしている。

 タクシーを降りてきたロボットのようにきちっとした日本人の若いカップルから突然、「ブリジットさんですか?」と声をかけられるのも、主人公の違和感を象徴している。

「パリの街は黙示録的な終末のイメージです。私たちが非常事態下に暮らしているのは何もコロナが起きてからではなく、その前からずっとそうだったのです。どこに行っても検問所があって、軍や警察が住民を支配している」。中国、ロシア、トルコ、ベネズエラほど住民弾圧はひどくなくても、どこの国も多かれ少なかれ国家が民を監視下に置く権威主義的なトレンドが強まっているということだ。

「(2020年11月に)フランスで警察官の顔を撮影し公表することを禁じる法案が出されたように、警官が好きなように住民を蹴散らす時代になろうとしています。映画で描いたのは近未来ではなく、今起きている現実なのです。それを少し極端な戯画として見せただけです」

現在の敵は新自由主義型グロバリゼーション

 スレイマン監督の政治姿勢は明快だ。冷戦を乗り越えてきた左翼であり、かつての敵、アメリカ帝国主義の代わりに、現在の敵は「新自由主義型グロバリゼーション」となり、それが全ての元凶という考えだ。

「パレスチナは世界の縮図だと私はずっと訴えてきました。それが今、よりはっきりしてきたと思います。新自由主義経済が今の状況を作り、私たちは皆、その支配下にあるのです」

 新自由主義とは70年代、ピノチェト軍事独裁下のチリに乗り込んだミルトン・フリードマンらシカゴ学派の経済学者が試みた政策で、80年代になると英国のサッチャー、米国のレーガン政権が取り込み、その後、国際通貨基金(IMF)、世界銀行の貸付条件として世界中の途上国に広がった。

 新自由主義は「小さな政府」と呼ばれたり、「構造調整」という意味が伝わりにくい言葉で広まり、日本では構造改革や行政改革という言葉の影に隠れていた。要はこういうことだ。鉄道、電力、水など国民の日々の暮らしを支える基幹産業を民営化し、社会福祉など最低限の暮らしを支える部門を削り込む。国家予算を減らして、大方のことは市場に任せるという考えだ。

 資本主義社会でも、国に支えられそれなりの暮らしができていた人たちは、規制緩和でビジネスを始め富を得ることもができたが、そうでない人たちは暮らしのための出費が増え生活苦に追われる。当然ながら、格差は激しくなる。「新自由」と言うから自由でいいように思えるが、儲ける人が市場の自由を謳歌し、そうでない人たちは不自由になったということだ。

Photo_20210212083601

 監督は政治好きの人だが、映画はそれを匂わせずきれいな絵に終始する。そんな作品の終わりで、主人公がニューヨークの占い師を訪ねる場面がある。質問は一つだ。「この先、パレスチナはあるのか」。

 すると占い師は笑いもせずにこう答える。「それはある。ただし、我々が生きている間にはない」

 映画の中で、映画会社から「パレスチナらしくない。どこにでもあり得る作品だ」と企画を却下されるように、スレイマン監督はパレスチナではなく、人間社会の普遍を描き出している。監督の世代が生きている間は無理でもいずれはあり得る「パレスチナ」は、「新自由主義に支配されない社会」でも「レイシズムの消えた世界」でも「白人至上主義の終わる時代」でもいい。

 そう解釈した私は、監督に聞いてみた。

「50年か100年後にはそのようないい時代になるでしょうか」

 というのも、先日、角川春樹さんもインタビューで「今世紀中に一神教が支配する世界は終わる」と似たようなことを言っていたからだ。

「映画の中にその答えを少し込めました。最後に人々が踊っている場面がありますが、これは実際に私が目にした状況そのものなんです。映画を撮影中、結構暗い気分でいたんです。それでスタッフに『若者たちはどこにいる?』って聞いたら、ナザレの隣の町ハイファに案内してくれたんです。そこではパレスチナ人の若者たち、アートや映画関係の人が結構いて、話を聞くと全然政治的でもナショナリスティックでもないんです。だけど、ジェンダーや人種問題についての意識はとても高く、自由への渇望も強い。調和を大事にするアナーキスト(無政府主義者)という印象で、僕の世代よりも進んでいると思えました。彼らはネットを通して、国を超え同じ世代で多くの人たちと繋がれる。新自由主義が格差など今の世界をもたらしましたが、同時にうまく抵抗しようという世代も生み出したと感じました」

 米国のブラック・ライブズ・マター(「黒人の命を軽んじるな」の意)運動の担い手となった1997年生まれ以降のZ世代らを指しているのだろう。ゲームでもアニメでもネットでも幼い頃から見てきたものがほぼ同じなので、国を越えて同じ話題で盛り上がれる世代でもある。

「未来に希望があるか、と問われれば、彼らが社会の中心になれば今よりはましと思える、いやそう思いたい自分がいますね」

 世代ではなく年代、つまりどの時代に生まれたかではなく、単に若いから周囲に希望をばらまいているだけではないかという見方もある。だが、全く違う環境で育った世代が、老いた時は今の老人とは多少違ってくるはずだ。それが監督が感じている「希望」だろう。

Photo_20210212083201

【プロフィール】Elia Suleiman(エリア・スレイマン)。1960年、イスラエル北部ナザレ生まれのパレスチナ系イスラエル人。81~93年、ニューヨーク在住時に短編映画でデビュー。94年にエルサレムに 戻り96年、「消えゆく者たちの年代記」で長編デビュー。2002年の「D.I.」でカンヌの審査員賞と国際映画批評家連盟賞受賞。他に「時の彼方(かなた)へ」など。私小説的な作品が多い。共作に「それぞれのシネマ」「セブン・デイズ・イン・ハバナ」。妻はレバノン出身の歌手、ヤスミン・ハムダンさん。

 

2021年2月10日 (水)

【東京2021】五輪公式ヘッダー画像✍“東京”⇒“北京”「変更」の波紋

 五輪公式ツイッター北京仕様に東京五輪は中止?広まる憶測 

J-CASTニュース 2021年2月10日(水)18時09分配信

 国際オリンピック委員会(IOC)が運営する五輪公式ツイッターのヘッダー画像が突然、東京五輪から2022年の北京冬季五輪のデザインに変わったと、ネット上で波紋が広がっている。

Photo_20210211131201

 根拠はまったくないが、東京五輪が中止になったのでは、と勝手な憶測も出回るほどだ。なぜヘッダーが変わったのだろうか。

サヨナラ東京五輪などの書き込みも

 レインボーブリッジの向こうに東京タワーが見える夜景が広がって――IOCの公式ツイッターは、これまでこんなヘッダー画像だった。

 ところが、最近その画像が変わったと、21年2月9日ごろにツイッター上で話題になり、驚きの声が広がった。

 今度の画像は、パンダをイメージした北京五輪のマスコットのデザインになっていたからだ。そこでは、北京が1年後だと英文で強調されていた。

 この情報を受け、ツイッターやネット掲示板では、様々な憶測が流れた。

 最近は、大会組織委員会の森喜朗会長の失言が大きくクローズアップされ、IOCは9日、森氏の謝罪で終わったとの立場から一転して「まったく不適切でIOCの理念とも矛盾している」との声明を出した。コロナ禍の中でネット上では五輪中止を求める声が根強いこともあって、「サヨナラ東京五輪」「無理なんだよそもそも」「2年後なら可能性はあった」などと書き込まれている。

 2ちゃんねる開設者のひろゆきさんも10日、「東京オリンピックはもう終わったってことでいいんですかね?」などと反応していた。ツイッター上などでは、「2022北京も正直開催無理じゃない?コロナのこの感じだと」と皮肉る向きもあった。

加藤官房長官北京大会が1年前に迫ったPRだと承知

 なぜIOCは、突然公式ツイッターのヘッダー画像を変えたのだろうか。

 日本オリンピック委員会(JOC)の広報部は2月10日、J-CASTニュースの取材に対し、次のように話した。

「IOCは別組織になりますので、どのような理由かは分かりかねます。東京五輪が中止になるという話は、こちらでは何も聞いていないですね」

 大会組織員会の広報も、「IOCに確認しないと分かりません。東京五輪を中止するとは、こちらでは聞いていないです」と同様な答えだった。

 IOCにも英文メールで取材を申し込んでいるが、10日18時現在で回答は来ていない。

 今回の件は、同日の衆院予算委でも取り上げられ、橋本聖子五輪相は、「北京オリンピックがちょうど1年前になったということでそのように切り替わったというふうに承知しております」と答弁した。加藤勝信官房長官は、同日の会見で、記者からの質問に「北京大会は来年2月4日であり、北京大会開催1年前のPRなどの趣旨でなされているものと考えています」と答えた。

 米国東京五輪参加慎重見極める方針しばらく先 

共同通信 2021年2月11日(木)9時31分配信

 米国務省のプライス報道官は10日の記者会見で、今夏の東京五輪への米選手団参加について「まだ五輪はしばらく先だ」と述べ、新型コロナウイルスの感染状況を慎重に見極める考えを示した。選手派遣は米国オリンピック・パラリンピック委員会(USOPC)が最終判断するとの従来の立場も繰り返した。

 東京五輪を巡っては、バイデン大統領が7日に「安全に開催できるかどうか科学に基づき判断すべきだ」と発言。米国は今夏の開催や選手派遣の是非について明言を避ける状況が続いている。プライス氏は「国際舞台での活躍を望んでいるが、選手の健康と安全が最優先だ」と語った。

 森会長は絶対的に不適切批判に転じたIOC、海外メディア苦笑い 

中日スポーツ 2021年2月10日(水)11時48分配信

 露骨な手のひら返しに、世界も苦笑した。国際オリンピック委員会(IOC)は9日、東京五輪・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長(83)の女性差別発言について、公式サイトで「『absolute inappropriate(絶対的に不適切な)』発言だった」と猛批判した。

 森会長は「女性がたくさん入っている理事会の会議は時間がかかる」と発言。4日に謝罪会見を開いて前言を撤回すると、IOCは「森会長は謝罪した。今回の問題は解決したものと考える」と“火消し”に奔走した。それが、世界中からの森会長への非難が日ごとに高まると、風見鶏のように態度を一変させた。

 AP通信のハリス記者は「IOCは先週に『今回の問題は解決したものと考える』と言いながら、ここに来て『絶対的に不適切』と強烈な言い回しに変更。その一方で、いまだに彼を(会長職を続けるよう)後押ししている」と皮肉ツイート。同通信社は「IOCは今回の声明で自身のジェンダー平等の信頼性をアピールしている。IOC理事会の女性は15人中5人だ」と報じた。

 英BBC放送は「謝罪会見後、IOCは『問題は解決したものと考える』と言っていた。ただでさえ、コロナ禍での五輪開催に厳しい目が向けられる中、(謝罪会見からの)5日間で、今回の問題が日本の組織委員会とIOCに大きな困惑とダメージをもたらしたということだ」と報じ、英ロイター通信も「IOCが異例の強い干渉を行った」と伝えた。

NBC放送開会式生中継の方針午前史上初

共同通信 2021年2月11日(木)0時10分配信

 米国内で東京五輪の放送権を持つNBCが、7月23日の開会式を生中継すると10日、AP通信が報じた。制作責任者によると、西海岸は午前4時、東海岸は同7時開始で初めて午前中の生放送を決めたという。

 新型コロナウイルス禍に世界各国の選手が集まる意義や、視聴者の習慣が変化したことを理由に挙げた。開会式は日本時間午後8時から行われる。

 NBCは2014年ソチ冬季五輪から東京五輪まで計4大会の米国向け放送権を43億8千万ドル(約4600億円)の巨額契約で獲得、国際オリンピック委員会(IOC)に強い影響力を持つとされている。

 NBC彼は去らねばならない森会長に辞任要求 

THE PAGE 2021年2月11日(木)7時47分配信

 東京五輪・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長(83)の女性蔑視発言に端を発した辞任要求の声が収まらない。

 IOC(国際オリンピック委員会)の「完全に不適切な発言だった」の“手のひら返し”の非難声明に続き、大会スポンサーも次々と非難声明を発表。海外メディアも、森会長の辞任を要求する世論を明確に支持し始めた。

 五輪の放映権を持ち、開催是非のキーを握るとされる米NBCは、「東京五輪のトップ、森氏が性差別で大坂なおみや他の人々から非難を受ける。彼は去らなければならない」との見出しを取って辞任を求める意見記事を掲載した。

 同記事は、東京五輪の招致から、ここまでの経緯を「2013年に東京が2020年夏季五輪の招致争いをしていた時、招致委員会は東京を『信頼できる人々』と言い表していた。だが、これらの人々は一貫してふらついている。

 開催費用は、招致段階での73億ドル(約7600億円)だったものが日本政府による2019年の監査では260億ドル(約2兆7200億円)へ収拾不能なまでに膨れ上がった。

 さらに2021年への大会延期費用の約30億ドル(約3100億円)が追加され合計で約300億ドル(約3兆1400億円)になろうとしている。

 日本の五輪招致活動に関しても票の買収疑惑が長年の間、飛び交い、フランス検察がこの件で調査に入ったこともある」と総括。続けて、森会長の女性蔑視発言の問題について「今、東京組織委員会の会長で前首相の森氏は、聖火を落としてしまった」と、皮肉を込めて表現した。

 さらに当初、「この問題は終わった」としながらも、“手のひら返し”の非難声明を出したIOCの対応の不手際も、こう批判した。

「IOCは、明確な沈黙の後、ようやく火曜日に森氏の発言(女性蔑視発言)を非難する声明を発表した。委員の2/3が男性となるIOCは、彼らが誠意をもって性平等に取り組んでいることを喧伝する機会としてこの失態を利用した。だが、実際は、IOC自体も不快な性差別の過去を持っている」

 近代五輪を創設したピエール・クーベルタンは女性の大会参加に反対だったことや、1981年までIOCの委員に女性が加わることが認められなかったこと、スキージャンプの女性参加が認められたのは2010年のバンクーバー五輪からだったことなどが紹介された。

 その上でIOCが森会長に辞任勧告をすべきだと主張した。

「東京五輪はアスリート全体の49%近くが女性となると約束し、2016年のリオ大会の45%から増えることになるが、森氏の措置に対するあらゆる取り組みは極めて不誠実なものだ。さらに重要なカギは、今後IOCが正しいことを行い、森氏に辞任を強いることができるか?という点にある。無作法なふるまいを無視することは、さらなる無作法なふるまいを呼び起こすことになる」

 そして「問題はIOCに留まらない。大坂なおみが、適切に『本当に無知』と呼んだ森氏の発言は日本で広く問題となっていることの一部だ。この国は世界経済フォーラムによる2020年世界ジェンダーギャップ指数の調査で153カ国中121位にランクされた」と、日本で性差別問題が根強く残っている点を指摘した。

性差別の舞台は、長年、日本や広範囲な五輪活動の両方で見られてきた森氏は、それを世界に向けて明らかにするカーテンを開け放ったに過ぎない性差別発言のために誰かが職務を失うに値する時があるとすれば、それは今だ過去にたまったものがあり、それを支払うべき時がやって来た森氏にとって退任すべき時は過ぎていると強烈な主張を展開した。

 多大な放映料を支払っているNBCの主張はIOCの判断になんらかの影響を与えるものと考えられる。

 またCBSニュースも、「性差別発言を受けた辞任要求が東京五輪のボス、森氏に向けて高まる」との見出しを取り、日本で辞任要求の声が高まっていることを紹介した。

「東京五輪を任される人物への抗議の嵐は収まる気配を見せない。この危機に対応するために委員会が招集され、この論争の決着の場となる可能性が金曜日に用意される中で、組織委員会の森会長に辞任を求める声は高まりを見せている」と伝えた。

 記事は、「世論調査のひとつは日本人の約60%が森氏は五輪大会を率いるのに適していないと考えている。米国での婦人参政権の運動を呼び起こすように、敵対する女性政治家たちは白のジャケットに身を包み、抗議のために国会を彩った。およそ400人の五輪ボランティアが参加を辞退し、東京都庁には怒りの電話が殺到している」と紹介。さらに大会スポンサーから次々と非難声明が出ていることをとりわけ問題視した。

「水曜日段階で14万5000人が森氏の対応に抗議し、善後策を求めるオンライン署名に参加した。日本や海外のアスリートたちは彼の辞任を求めた。IOCにとって最も胃が痛くなることは、もしかすれば巨大な利益を期待できる企業スポンサーが、東京五輪組織委員会会長の発言と(企業が)関係することに不満を表していることかもしれない」

 記事はまた「地球上で最も名声高く開放的な行事のひとつであるべきとされるもの(五輪)をガサツな性差別と並べたことは、圧倒的な世論の反発に対して苦悩を見せている東京五輪大会主催者が厄介者であることを証明してしまった」とも記した。

 同記事は森会長のトップとしての資質を問う意味で、過去の失態も掘り起こした。

「森氏にとって、こうした屈辱は初めてではない。元首相は、日本の戦後史におけるリーダーの中で2番目に低い支持率だった。ちょうど20年前には、日本の高校の実習船が米軍の原子力潜水艦グリーンビルに衝突し沈没したニュースを知らされたとき、森氏はゴルフをしていた。この事故では、高校生と教員を含め9人が犠牲となった。森氏は自分のプレーが終わるまでコース上に留まっていた」

“外圧”に弱いのが日本の政治だが、ついに国際世論までが強まった。森会長の進退は、いよいよ後がなくなったのかもしれない。

 森発言浮き彫りにしたジェンダー論誇張混同 

JBpress 2021年2月11日(木)6時01分配信/岩田太郎(在米ジャーナリスト)

事の本質はのイデオロギー上の衝突

 東京オリンピック・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長が「女性がたくさん入っている理事会は時間がかかる」と発言したことが国内外で問題視されている。同委員会は、森発言が東京大会の基本的原則の一つであるジェンダーの平等に反し、さらにはオリパラの精神に反する不適切なものであったとして、火消しを狙った謝罪声明を発表した。

 しかし、森氏の辞任を求める声は大きくなるばかりだ。国際オリンピック委員会(IOC)が出した「森発言は著しく不適切」との再声明も沈静効果はなく、森氏の辞任は避けられない情勢となってきた。元来、人はジェンダーに関係なく是々非々で評価されるべきであり、森会長が女性の積極的な発言や参加を抑えようとしたことは、明らかに間違っている。

 思い上がった権力者としての言動だが、今の焦点である森氏の進退は些末な事柄に過ぎないように見える。なぜなら、多くの女性論客は事の本質を「女性の経済的・社会的な自立に対する抑圧」と捉えており、それが森氏をはじめとする昭和型政治家が護持しようとする「結婚と家庭の重視による共同体の持続可能性」とイデオロギー的に熾烈な衝突をしていることが問題の正体であるからだ。一過性の事象ではない。

 この記事ではまず、森発言をめぐるジェンダー議論が、近年顕著になってきた五輪の政治化の流れの中で起こった必然であったことを明らかにする。次いで、「私」の至上性を主張するジェンダー論と、「公」の重要性を説く共同体論の対立が、オリンピックという国際舞台においてどのような前提とロジックで展開しているのかを分析し、女性の社会進出が突き付ける「日本の選択」を読み解く。

 そもそも、森会長が反したとされるオリンピックの精神とは、何なのだろうか。週刊誌『女性自身』は、「そもそも五輪憲章には、こうある。『男女平等の原則を実践するため、あらゆるレベルと組織において、スポーツにおける女性の地位向上を奨励し支援する』」と根拠を示した上で、「つまり、五輪とは『性差別をなくす』ことを理念としている」と論じ、オリンピックの主目的がジェンダー問題の解決であると示唆した。

 また、ウェブメディアBuzzFeed Japanも、「オリンピック憲章は、明確に差別を否定している」と指摘し、憲章の根本原理の中にある次の部分に森氏の意見が抵触するとする。「このオリンピック憲章の定める権利および自由は人種、肌の色、性別、性的指向、言語、宗教、政治的またはその他の意見、国あるいは社会的な出身、財産、出自やその他の身分などの理由による、いかなる種類の差別も受けることなく、確実に享受されなければならない」

 だが、こうした報じ方には誇張や論点の混同が含まれる。なぜなら、憲章の根本原則で最初に述べられているのは、差別否定の政治的な道具としての五輪ではなく、生き方としてのスポーツ、そして競技がもたらす世界平和の礼賛であるからだ。実際、オリンピック憲章には以下のように書いてある。

単なる政治の道具に成り下がる五輪

 「オリンピズムは肉体と意志と精神のすべての資質を高め、バランスよく結合させる生き方の哲学である」「オリンピズムの目的は、人間の尊厳の保持に重きを置く平和な社会の推進を目指すために、人類の調和のとれた発展にスポーツを役立てることである」

 スポーツによる相互理解や平和という至上目的を実現するために、障害となり得る差別が副次的に否定されるという立て付けとなっている。さらにジェンダーは、差別要因として挙げられる「人種、肌の色、性別、性的指向、言語、宗教、政治的またはその他の意見、国あるいは社会的な出身、財産、出自やその他の身分」の一つに過ぎない。

 同様に、東京五輪の3つの基本コンセプトの一つである「多様性と調和」は、「全員が自己ベスト」「未来への継承」から成る全体の一部であり、ジェンダーは「人種、肌の色、性別、性的指向、言語、宗教、政治、障がいの有無など、あらゆる面での違い」から成る多様性の一構成要因に過ぎない。

 しかし、森会長を糾弾する人々の主張を聞くと、オリンピックの存在目的がジェンダー問題の解決であるかのような印象さえ受ける。また、森会長に対する国民の積年の恨みの発露が、ジェンダー問題に関する国民の総意と意図的に混同される一方で、森会長の退任で、求心力が絶大なトップを失った五輪が中止に追い込まれることよる自民党政権への間接的なダメージ狙いという、オリンピックの政治化が起こっていることも注目される。

 オリンピックは世界平和を目指す市民の非政府運動という成り立ちからして非政治志向であり、オリンピック・ムーブメントにおけるスポーツ団体は「政治的に中立でなければならない」と憲章で定められている。だが、その世界性や規模による宣伝効果から、国威発揚はもとより、国家間対立の人質として、常に政治に利用されてきた。

 ヒトラーが1936年ベルリン大会で五輪開催を「アーリア人種の優越性」誇示のプロパガンダに使った事例、米国が冷戦中のソ連の国際的地位を弱めようと、ソ連のアフガン侵攻を利用して1980年モスクワ大会をボイコットした出来事など、枚挙に暇がない。さらに、漢人による東トルキスタン(新疆ウイグル自治区)での民族浄化や宗教弾圧に抗議して、2022年2月の北京冬季大会をボイコットする動きもある。
 
 国家以外の主体では、1972年ミュンヘン大会でパレスチナ武装組織「黒い九月」がイスラエル選手2名を殺害、残り9名を人質に政治的要求を突き付け、警察の解放作戦の失敗で人質全員が死亡した事件が有名だ(その後のイスラエルのパレスチナに対する報復爆撃で最大200名が死亡、黒い九月関係者20名以上が暗殺された)。

 一方、選手個人レベルにおいては、競技会場における選手の政治・宗教・人種などに関する宣伝活動を禁じているオリンピック憲章をめぐり、2012年ロンドン大会で韓国男子サッカーチームの朴鍾佑選手が竹島領有を主張するメッセージを掲げた事件が一石を投じた。

 こうした中、IOCの下部組織に過ぎない米国オリンピック・パラリンピック委員会が、「東京大会から米国の選手が宣伝の行動をとっても、平和的な抗議活動であれば制裁は科さない」との方針を打ち出し、IOCにおける憲章改正の討議や決議の手続きを経ずに、公然と違反を推奨する形になっている。異文化理解や世界平和をタテマエに、政治宣伝を狙って参加する選手が増えるのは必定だ。

 米NBCが支払う放映権料は全世界の50%以上を占め、IOC全収入の約40%に相当するため、米国の発言権は絶大だ。カネにものを言わせ、民主主義的な手続きを経ずに、五輪の憲法であるオリンピック憲章を実質上改変してしまうなど、いとも簡単なことである。

 非政治的であることで辛うじて保たれていたオリンピックの中立性や結束性は、すでに失われたに等しい。同時に、スポーツそのものの価値も、単なる政治の道具にまで下げられたわけだ。東京五輪の主催国である日本において、オリンピック運動の目的がジェンダー問題の解決であるかの如き印象を与えるメディアの報道や論評は、この大きな流れの中で理解する必要がある。

ジェンダー議論が欧米出羽守になるワケ

 森会長は、スポーツ庁が示した指針に沿って日本オリンピック委員会(JOC)の女性理事を全体の40%以上とする目標について、「これは文科省がうるさく言うんで」と言及し、「(男性)理事をかなり削って女性の枠を増やすのに苦労したと聞いた」「(女性理事を増やすことに)理事の中でも反対があった」と述べている。

 一方のスポーツ庁は、「本ガバナンスコードは(法的に)強制力を有するものではありません」「関係者の皆様の任意の御協力を得つつ、これを実効的に運用することが必要」としている。だが、いつの間にか「機会の平等(equality)」を基準にするのでなく、「結果の平等(equity)」を追求することで、是々非々ではなくジェンダーが主な選考基準とされるべきとの圧力を感じたからこそ、森会長は確信犯的に(間違ったやり方で)反論したものと思われる。

 有能な女性候補がジェンダーを理由に差別されてJOC理事になれなかったという具体的な主張は現時点では出ていないようだが、スポーツ庁の室伏広治長官は指針が策定された背景として、「国際社会で認められる日本であるためにも大変重要」であったことを挙げている。つまり、国際社会(実質上は欧米諸国)からの外圧だ。

 社会に対して重大なインパクトがある「結果の平等(クオータ制)」は既得権が生まれ、妥当性に関する検証のメスが入りにくくなる可能性が高い。それゆえに、国民の代表たちによって議論が尽くされるべき重大な方針転換であるにもかかわらず、言論の場や国会をバイパスして、外圧とオリンピックの政治利用により実質上達成する裏口スキームが進行中なのだ。

 実際に、今回の森発言に対しては、「国際的な感覚から言えば、ありえない」(国連女性差別撤廃委員会の秋月弘子委員)、「海外では差別と捉えられる」「英国、フランス、米国の友人から“日本は大丈夫か”“恥ずかしくないか”と」(1992年バルセロナ五輪柔道女子銀メダリストで日本女子体育大学教授の溝口紀子氏)、「海外なら即クビ」(順天堂大学教授兼女性スポーツ研究センター長の小笠原悦子氏)など、欧米出羽守(おうべいではのかみ)的な日本批判が行われている。

 注目点は、結論(国際社会に認められるためのジェンダーの結果の平等)と理由(国際社会に認められるためのジェンダーの結果の平等)が同じであり、「A←なぜならA」「これは正しい←なぜなら正しいから」という論点ずらしの循環論法が用いられていることだ。これは、もっともらしく聞こえる主張の論拠が、実は綿密な検証に耐え得るものではないことを示唆している。

 理由は、根底において「女性の選択肢の拡大=自動的に社会の幸福の増進」という証明困難な前提が存在するからである。次回で見るように、この論理は「人口減に伴う共同体持続性の欠如」「私による公の乗っ取りによる社会不安定化」という致命的な欠陥をかかえているため、反論に対して情緒的かつ攻撃的な「異論や論敵の徹底排除・抹殺」が行われることが多い。

海外ではを繰り返す批判者の怠慢

 また、欧米における白人リベラルエリートの政治的志向や興味としてのジェンダーが、日本など非西洋が必然的に「アップデート」すべき運命の方向性であるとする、西洋・白人至上主義のメタナラティブ(壮大な統一的物語)が増幅されている。だが後述のように、「西洋の価値観が至上かつ普遍である」との前提は、エビデンスにそぐわない。加えて、もし本当に日本や非西洋の価値観が西洋のものに劣るのであれば、聞こえのよい「多様性」や「平等」の看板は金輪際、下ろすべきだろう。

 さらに重要なのは、ジェンダー論は女性の経済的・社会的な「自立」が命題でありながら、非西洋における実現には、西洋の助けと支配が必須であることだ。東洋人女性が救世主たる西洋自由主義によって解放される「解かれた纏足(unbound feet)言説」や、「スペイン人エルナン・コルテスの征服によって逆説的に自由を獲得した、アステカ人協力者のラ・マリンチェ」のような歴史的パターンが繰り返されている。

 彼女たちをエンパワーする現代のコルテスはさしずめ、「#Don'tBeSilent(黙らないで)」「#GenderEquality(ジェンダー平等)」イニシアティブに賛同の意を表明した在日欧州連合(EU)代表部、ドイツ大使館、フィンランド大使館、スウェーデン大使館、アイルランド大使館やポルトガル大使館、国連広報センターなどであろう。「理性」「知性」に代表される西洋の啓蒙思想の持続性の無さが、経済格差の拡大やコロナ対応の失敗、人口減少、移民問題、そして民衆の不満となって噴出する国々にとっては、願ってもないアリバイ作りの機会である。

 こうした外圧はIOCの「森発言は不適切」との指摘と合わせ、法の上の法として、日本の言論や社会のあり方を支配してゆくことになろう。

 いずれにせよ、過剰に理想化された幻想の欧米社会像を用いて、「海外では」と言えば何でも説明できてしまう怠慢こそ時代遅れであり、「持続性」という現実の直視によるアップデートが必要なのではないだろうか。ジェンダーの「結果の平等」は、自己矛盾に満ちた詭弁や外圧によってではなく、共同体の持続性によって正当化されるべきであるからだ。

次回「問われる『女性の自立』と『社会の持続性』 森氏が消えても残る論点」に続く

 

2021年2月 9日 (火)

【耳学】“首長竜”は「恐竜」ではなく『爬虫類』の仲間である

 ネッシーより不思議淡水域に暮らした謎多き“首の短い首長竜 

現代ビジネス 2021年2月9日(火)11時01分配信/安田 峰俊(ルポライター)

首長竜は恐竜ではありません

 プレシオサウルスやエラスモサウルスに代表される首長竜は、中生代に生息した水生の爬虫類だ。竜脚類の恐竜を連想させるような長い首を持つものも多い(後述)が、分類学的には恐竜とは比較的遠い生き物で、実はトカゲやヘビの仲間に近い。

 とはいえ、首長竜はネッシーなどの水生未確認生物のモデルとして広く知られている。映画『のび太の恐竜』や小説の『遠い海から来たCOO』など各種の一般向けコンテンツでもおなじみであることから、恐竜に次いで親しまれている古生物だと言ってもいいだろう。

Photo_20210209123801

 また、1968年に福島県で発見されたフタバサウルス(フタバスズキリュウ)や、北海道で発見されたホベツアラキリュウ(発見地の穂別地域では後に「むかわ竜」の愛称を持つ恐竜カムイサウルス※右壁奥の全身骨格化石も発見される)のように、一昔前まで日本では恐竜化石の発見例が限られていたのに対して、良好な状態の首長竜化石の発見例が多かった。これも日本での首長竜人気の理由かもしれない。

 いっぽう、日本の隣国である中国において、首長竜や魚竜などの水生爬虫類の化石発見例は意外に少ない。もちろん発見例はゼロではないが、中生代の中国大陸は陸地だった地域のほうが多かったらしく、恐竜をはじめとした陸生の生き物の化石のほうがよく見つかるのだ。

首が短い首長竜

 だが、発見例が少ないことは重要性が低いことを意味しない。今回紹介するのはそんな中国の首長竜、ビシャノプリオサウルス(璧山上龍:Bishanopliosaurus)の話だ。

 ちなみに首長竜(Plesiosauria)は、日本語では「首長竜」と呼ばれてはいるものの、実は長い首を持つおなじみの体型のプレシオサウルス類と、首が短いプリオサウルス類に大きく分けられる。

 ビシャノプリオサウルスは、後者の“首が短いタイプの首長竜”である。なんだかややこしいが、あくまでも日本語の訳語ゆえの問題なので仕方ない(なお、中国語の場合はPlesiosauriaは「蛇頸龍」と訳されているので、この手のズレた表現は生まれない)。

毛沢東の死後間もない時期の発見

 ビシャノプリオサウルスの化石が見つかったのは1978年1月だ。四川省江津地区璧山県(現在の重慶市璧山区)鳳凰人民公社に所属する熊永祥たちが、近隣の梓桐人民公社にある団結炭鉱において道路建設をおこなっていた際に発見した。

Photo_20210209124801Photo_20210209124001

 巨大な脊椎動物の化石を見た熊永祥が、四川省航空区域地質調査隊に手紙を書いて報告したところ、調査隊員の曽紹良が現場に派遣されることになった。曽は化石を仔細に検討したうえで一部を持ち帰り、中国科学院古脊椎動物・古人類研究所に標本を送って鑑定を依頼する。

 結果、やがては中国恐竜学の著名な研究者となる董枝明(Dong Zhiming)はこれが中国で最初に見つかった良好な状態の首長竜化石であるとして、模式種としてビシャノプリオサウルス・ヨウンギ(楊氏璧山上龍:Bishanopliosaurus youngi)と命名。1980年に論文を発表した。

推定4メートル

 董枝明の論文においては、ビシャノプリオサウルスはジュラ紀前期に生息したとされ、全長は推定4メートル(後年の研究では、おそらく幼い個体だったとみられている)。化石は頭骨が失われ、頚椎も7つしか見つからず失われている骨が多かったが、胴体部分や尾についての保存状況は比較的良好だった。

 ビシャノプリオサウルスの頚椎は横に短く縦に高い形をしており、おそらくプリオサウルス類(首の短い首長竜)とみられた。また董枝明は、ビシャノプリオサウルス肩帯や腰帯の様子は、イギリスのジュラ紀前期の地層から見つかったロマレオサウルス(Rhomaleosaurus)にたいへんよく似ていると考えた。

 また、ビシャノプリオサウルスが見つかったのと同じ年代の地層からは、シノプリオサウルス(Sinopliosaurus)や、水生生活に適応したワニの仲間であるテレオサウルス(Teleosaur)の化石が出ている。

 ゆえに董枝明は論文の末尾で、ジュラ紀の四川盆地付近には海溝があったか、もしくは海と接続する巨大な河川が流れており、海生の爬虫類が海から遡上していたのではないかとする推論を記した。

日本人研究者、ビシャノプリオサウルスを論じる

 さて、文化大革命からほどない中国古生物研究の復興期である1980年に発表された論文はやがて忘れられてしまい、また(すくなくとも中国では)恐竜よりもずっとマイナーな首長竜であることから、ビシャノプリオサウルスについてもながらく注目されなかった。

 だが、今世紀に入りビシャノプリオサウルスに再び光が当たる。しかも、きっかけを作ったのは日本人研究者だった。

 現在は首長竜研究の大家として知られる佐藤たまき(現、東京学芸大学教育学部自然科学系准教授)が、カナダのカルガリー大学の大学院博士課程に在学中だった2003年、中国人研究者の李淳(Li Chun)と呉肖春(Wu Xiaochun)とともに、ビシャノプリオサウルス・ヨウンギの再研究をテーマにした論文を発表したのだ。

淡水域にいた首長竜

 論文の内容は、ビシャノプリオサウルスの骨格を再検討して特に腰周辺の部分について復元をやりなおしたことや、ビシャノプリオサウルスと他の首長竜との系統関係に不明点が多い(必ずしもロマレオサウルスに近いとは限らない)ことを確認しつつ、おそらくプリオサウルス類には含まれると論じたこと──などもある。

 しかし、より興味深いのは、ビシャノプリオサウルスが出土した地層に熱帯淡水域の動植物の化石の堆積が見られることを根拠に、ビシャノプリオサウルスが淡水域に生息していた首長竜であることをより詳しく論じた点だ。

Photo_20210209125101

 実のところ、淡水域で生きていたとみられる首長竜は、イギリスやカナダ、オーストラリアなどでも見つかっているようだ。実は中国でも、1985年に報告されたユジョウプリオサウルス・チェンジャンゲンシス(澄江渝州上龍:Yuzhoupliosaurus chengjiangensis)が、まだ研究が進んでいないものの淡水で暮らしていたのではないかとみられている。

川首長竜はいたか?

 現代の自然環境においても、バイカルアザラシやヨウスコウカワイルカのように、一生を淡水域で暮らす水生の哺乳類が存在している。さらに、たまに河川を遡上する例まで挙げれば、イルカやアザラシが川に入ってくることはそれほど珍しくない。

 かつてのビシャノプリオサウルスやユジョウプリオサウルスが、たまたま河川に迷い込んだ個体にすぎなかったのか、誕生から死ぬまで淡水域で暮らす種だったのかはまだはっきりしない。だが、後者である可能性は普通にあり得る。

 恐竜時代の生き物のなかでも、首長竜はその特異な体型もあって(プリオサウルス類は首が短いことが多いのだが)私たち現代人のロマンをかきたてやすい生き物だ。そんな彼らが海から遠く離れた湖や川の中上流域にもいたかもしれないと想像すると、やはりワクワクしてしまう。

 新種つかっているのに注目されない竜脚類の仲間 

現代ビジネス 2020年7月7日(火)11時00分配信/安田 峰俊(ルポライター)

 中国を代表する竜脚類といえば、全長約22~26メートルの巨体と長い首を持つマメンチサウルス(Mamenchisaurus:馬門溪龍)だ。

 ジュラ紀中期~後期に生息したこの恐竜は、中華人民共和国の建国から間もない時期に労働者によって発見されたという政治的な宣伝効果も持っていた。そのためか国際的にも有名である。たとえば日本でも、中国の恐竜が多数登場する『ドラえもん』31巻の「恐竜さん日本へどうぞ」(1984年)にマメンチサウルスが登場しており、恐竜ファン以外からも広く名前を知られている。

 いっぽう、実はマメンチサウルスよりも早い時期に発見されているものの海外での知名度はイマイチなのが、同じ竜脚類のオメイサウルス(Omeisaurus:峨眉龍)だ。

Photo_20210209131801

 マメンチサウルスと近い仲間でジュラ紀中期に生息した、全長12~14メートルほどの恐竜である。全長のなかで首が占める割合はマメンチサウルス以上にながく、背骨部分の約3倍、尾の約1.5倍に及んだという。

 実はオメイサウルスは、種レベルでの仲間が多数見つかっているほか、最近になっても新種が報告されるなど、なかなか話題が豊富である。今回は、マメンチサウルスの陰に隠れがちな月見草恐竜、オメイサウルスについて詳しく見ていくことにしよう。

自貢一帯で最初の恐竜化石、1915年に発見

 オメイサウルスの名前は、その漢字名からもわかるように四川省の名山・峨眉山(がびさん/Mount Omei)にちなむ。これまでに6~7種が報告されている仲間の多くは、四川省自貢市(現地名)の一帯で見つかることが多い。

 この自貢付近で、研究者によって最初に恐竜の化石が確認されたのは、なんと辛亥革命からほどない1915年だ(余談ながら、中国で最初に発見されて学術的な考察がなされた恐竜化石は、1902年に見つかったマンチュロサウルスである)。

 当時中華民国中央資源委員会には、アメリカの地質学者ジョージ・ラウダーバック(George Davis Louderback、1874-1957)が招聘されていた。その際に彼は四川省中南部で石油や天然ガス資源を調査した。そして、栄県付近の川原で獣脚類とみられる歯と大腿骨の化石を発見したのだ。

 もっとも、この時点でラウダーバックは化石をそれほど重視しなかったらしく、標本はアメリカに持ち帰られてカリフォルニア大学の古生物博物館に眠ることになった。

 やがて約20年が経ってから、アメリカの古生物学者C・L・キャンプ(Charles Lewis Camp、1893-1975)がこの標本を見つけ、恐竜の歯の化石であることに驚いた。そこで、キャンプはさらなる調査のために四川省に飛んだのである。

スイカ山で竜脚類を発見

 1936年春、四川省に到着したキャンプは、ラウダーバックが調査したルートをなぞりながら化石探しの旅をはじめた。彼に同行したのは、今では「中国古生物学の父」としても知られる生物学者の楊鍾健(Chung Chien Young、1897-1979)である。

 楊とキャンプのコンビは過去にラウダーバックが化石を見つけた地点を特定することはできなかったものの、調査を通じて5ヵ所の化石発掘ポイントを発見した。

 そのうちのひとつが、栄県の中心部から東に1キロほど離れた西瓜(スイカ)山の山中だ。彼らは西瓜山近くの小さな丘の上の砂質泥岩からひとかけらの化石を発見。その場所を試しに掘ってみたところ、1.5メートルもの肋骨らしき化石があらわれる。

 発掘におおむね12日間ほどを費やして、頭部と尾を除くほとんどの骨が見つかった。肋骨や脊椎、頚椎、仙骨、左上腕骨などが発見され、保存状態も良好だったのだ。

仲間は多く見つかっている

 この竜脚類の化石は北京の楊の研究室へ送られ、日中戦争下の1939年、彼がオメイサウルス・ジュンシエンシス(O. junghsiensis:栄県峨眉龍)として報告した。これがオメイサウルスの模式種である。

Photo_20210209132001

 その後、オメイサウルスの仲間とされる恐竜は四川省や重慶市(1997年までは四川省に所属)から数多く見つかるようになった。

 その多くは文化大革命後の1970~80年代に化石が見つかり、新種報告がなされている。楊自身が報告したものとしては、1958年に重慶市長寿県(現在は長寿区)の水力発電用ダム工事現場で発見されたオメイサウルス・チャンショウエンシス(長寿峨眉龍:O. changshouensis)がある。

 もっとも、一部の種名についてはその後に疑問名ではないかと議論になったり、近年になってからオメイサウルスではなくマメンチサウルスの仲間ではないかとする指摘がなされたりと、まだまだ中国の恐竜研究が黎明期だった時期の発見であるだけに混乱も少なくないようである。

2020年にも新種報告

 オメイサウルスの仲間は近年になっても化石が見つかっている。なかでも最も新しいのは、2020年2月に報告された、全長16メートルほどと推定されるオメイサウルス・プシエンニ(普賢峨眉龍:O. puxiani)だ。

 見つかったのは重慶市雲陽県普安郷の山のなかであり、周囲一帯は後の研究によって、世界的な規模の恐竜化石群であることが判明した。

Photo_20210209132101

 2015年年初に普安郷の住民からの恐竜の化石らしきものを発見したとの報告を受け、国土部門は直ちに露出部分の調査及び一時的な保護作業を開始した

 調査結果により、沙溪廟組岩層から上に約5キロの範囲内に、露出した恐竜の化石があることが分かった。その中心エリアの露出した部分の長さは550メートル

 国土資源部の批准を経て、2016年10月に普安郷古生物化石発掘作業が全面的に始まった緊急発掘作業により、すでに長さ150メートル、厚さ2メートル、高さ8メートルの恐竜化石壁が形成されている。壁の面積は1155平方メートルで、17ヵ所の化石密集小エリアが含まれる

 調査によると、壁の中にはまだ大量の恐竜の化石が残っており、少なくとも深さ20メートルに埋蔵しているとみられている中心エリアから約1キロ離れたジュラ紀前期自流井組地層の中にも、密集した恐竜の化石が露出しており、今後さらなる発掘・研究作業が続けられる予定だ。(『人民網』日本語版 2017年6月29日

大量死で生まれた恐竜化石壁

 2020年6月9日付の『光明日報』によると、この恐竜化石壁からは、竜脚形類・竜脚類・獣脚類・鳥脚類・剣竜類など各種の恐竜の化石が見つかった。さらに海生爬虫類の首長竜類やカメ類、二枚貝など海の生き物の化石も発見されている。その数は、2020年6月までに1万点近くにのぼるという。

 中国の著名な恐竜学者・徐星(Xu Xing、1969-)の見立てによれば、この土地は1億6000万年ほど前は湖の岸辺だったようだ。しかし、幾度かの大規模な災害により生物の大量死が発生。それがこの「恐竜化石壁」が成立した事情だとみられている。

 オメイサウルス・プシエンニは、2017年に全身の化石が掘り出されており、全身の約40%が見つかった。仙骨の形、首の構造などが、いずれもこれまでに見つかったオメイサウルスの仲間とは大きく違うため、新種として報告されたようである。

 中国最古参に近い恐竜としての存在感を放ちつつ、2020年の新種発見ニュースまで、オメイサウルスはさまざまな話題を提供し続けている。地味だが出場機会が多い、いぶし銀の中国恐竜だと言えるだろう。

Photo_20210209142701

 人気の双頭シマヘビ急死4年半の生涯の成長記録 

J-CASTニュース 2021年2月9日(火)14時03分配信

 爬虫類ショップ「マスターオブドラゴン」(横浜市)で飼育されていた、1つの身体で2つの頭を持つ「双頭シマヘビ」が、2021年2月4日に亡くなった。約4年半にわたり成長を見守り続けた同店が公式ツイッターなどで発表した。

 たくさんの人々に愛されてきた双頭シマヘビについて、「マスターオブドラゴン」の店主・日野原創さんが6日、J-CASTニュースの取材に応じた。

運命的な何かをこの子達に感じました

 突然の別れだった。日野原さんは4日、ツイッターでその死をこう伝えた。

「本日2月4日、原因不明ですが双頭シマヘビが急死しました。昨日もいつもと変わらずの2人でしたが突然です。飼育年数、約4年半、毎日明日も元気でいてくれるかな?と思いながら飼育していましたが、その時はあまりに急でした。もっと長生きさせてあげたかったですが、、成長を見守ってくれた皆様ありがとう」

 双頭シマヘビは長らくネットニュースやSNSなどでも注目を集め、多くの人に愛されてきた。それだけに、SNS上では驚きとともに数多くの哀悼の声が寄せられている。

 関西地方で2016年、生まれたての状態で発見された双頭シマヘビ。

Photo_20210209142001

 日野原さんによれば、自然界でこうしたヘビが見つかるのは希少だ。日野原さんは、発見者からSNSを通じて譲り受けたという。

「元々マスターオブドラゴンの店主がアマチュアバンドをやっていた時のバンド名がTWO HEADだった事もあり運命的な何かをこの子達に感じました」

 希少な双頭シマヘビの飼育は、試行錯誤を重ねた。日野原さんはまず、片方の頭からエサを与えて様子を見た。

「双頭の個体の中には内臓が繋がっていないものもいます。見つかったときは赤ちゃんの柄だったので、まだ1回も餌を食べていない可能性もありました」

 無事に糞をするのを確認出来たら、もう片方の頭からも同じように餌を与えて様子を見た。順番に餌を与えるのは、どちらの頭から食べても内臓がしっかり機能するか確認するため。その結果、どちらの頭からも無事に餌を消化できることが分かった。

Photo_20210209142801

 日野原さんは双頭のシマヘビが少し成長してから、病院に連れていった。まだ小さかったので負荷のかかるMR検査などはできなかったが、レントゲン写真だと内臓は1匹分しかないように見えた。

さらに成長すると新たな発見が

 双頭シマヘビが成長すると、また新たな発見があった。ヘビの腹には、まさに「ジャバラ」のような平たい横長の鱗がある。このような腹の真ん中に、普通のシマヘビには見られない「筋」のようなものが見つかった。そしてこの筋を境に左右の鱗にズレが確認できた。このことから日野原さんは、本来は双子だったものがくっついて生まれてしまった「ツーボディ」のシマヘビだったのではないかと推測している。

「本来は卵の中で双子だったものが、くっついて生まれてきたんでしょうね。くっつきかた次第では、カメとかだとたまに足も増えていることがあります。ただ、ヘビはもともと手足がないから分かりづらかったのですが、その筋を見た時に2匹がくっついたものなのだと分かりました。さらに普通のシマヘビより体が太かったので、やはり2匹分なんですね」

 臓器は共有しているようにみられるものの、2匹のシマヘビたち。日野原さんは2つの頭からエサを与えた。

Photo_20210209142201

 見に来た客からは、「胃が一つなら食べるのはどちらかで良いのか」という質問もしばしば寄せられた。しかし日野原さんは、片方だけに餌を与えていれば、脳と内臓の感覚がちぐはぐになってしまうのではないかと懸念した。

「人間でいえば1人だけにあげるってわけにもいかないじゃないですか(笑)また脳は2つなので両方に与えないと、食べてないのにお腹いっぱいな状態が続く事になる。そして1匹がストレス感じて衰弱したら、もう1匹も弱っちゃうんで」

たくさんの出会いをもたらした双頭シマヘビ

 双頭シマヘビは脳が2つあるため、動きにぎこちなさが表れることもあったが「割と上手く」動くことができていたという。月に一度は脱皮を行い、約110センチメートルまで成長した。

Photo_20210209142501Photo_20210209142401

 手塩にかけて育ててきた双頭シマヘビの、突然の死。日野原さんは取材の最後、応援し続けてきた人々に向けて、こう述べた。

「双頭シマヘビに会いに来てくれた皆様、SNSで成長を見守ってくださった皆様、本当ありがとうございました。爬虫類が苦手な方からも『爬虫類に興味を持った』『または好きになった』など色々な人からありがたいお言葉をいただきました。またこの子達がきっかけで色々な方に出会えた事もありました。まだまだニッチな爬虫類の世界ですが、爬虫類を取扱う人間としてはこの子達に今は感謝しかありません。ありがとうございました」

 

2021年2月 8日 (月)

【日経平均】大幅続伸✍1990年8月以来<2万9000円台回復>30年6箇月ぶり

 〔東京株〕大幅続伸バブル後高値を更新 

時事通信 2021年2月8日(月)15時30分配信

 米経済対策の進展と企業業績改善に対する期待から幅広い銘柄が買われた。日経平均株価は前営業日比609円31銭高の2万9388円50銭と大幅に続伸。

 1990年8月以来となる2万9000円台を回復し、バブル崩壊後の最高値を更新した。東証株価指数(TOPIX)も33.00ポイント高の1923.95と昨年来高値を更新した。

 78%の銘柄が値上がりし、値下がりは20%だった。出来高は15億8595万株、売買代金は3兆3924億円。

 業種別株価指数(33業種)はすべて上昇した。鉄鋼、鉱業、海運業、銀行業の上昇率が目立った。

 ▽ 2万9000円回復

 週明け8日の東京株式市場は、米国の追加経済対策の進展期待が高まり、景気敏感株など幅広い銘柄が買われた。日経平均株価は1990年8月以来となる2万9000円台を回復した。

 米議会では、バイデン米政権が示した1兆9000億ドル規模の経済対策法案を与党民主党単独で実現する動きが進む。「従来考えられていたよりも財政支出額が膨らむ見通しになり、リスク資産を選好する姿勢が強まった」(銀行系証券)という。また、企業業績改善への期待も広がり、決算発表を控えた銘柄に先回りの買いが入った。

 ただ、短時間に日経平均が急上昇したことには「売っていた投資家の買い戻しが中心。上がり方に違和感がある」(中堅証券)と戸惑う声も出ていた。

 225先物3月きりは高値もみ合い。シカゴ市場の円建て清算値を上回って始まり、午前はじり高の展開。正午前に2万9410円まで上昇し、その後は高値圏でもみ合った。225オプション2月きりは、プットが売られ、コールは堅調。

 NY株3週間ぶり高値更新 ナスダックも更新 

時事通信 2021年2月9日(火)6時13分配信

 週明け8日のニューヨーク株式相場は、米追加経済対策の早期実現に対する期待感が広がる中、6営業日続伸して引けた。優良株で構成するダウ工業株30種平均は前週末終値比237.52ドル高の3万1385.76ドルと、約3週間ぶりに史上最高値を更新して終了。ハイテク株中心のナスダック総合指数も131.34ポイント高の1万3987.64と、3営業日連続で最高値を塗り替えて取引を終えた。

 米議会上下両院は5日、バイデン政権が提示した大型経済対策の法案作りに向けた予算決議を可決。与党民主党単独での対策実現に道が開かれ、景気回復への楽観的な見方が広がる中、ダウは終日堅調に推移した。

 また、イエレン財務長官は7日、大型経済対策が成立すれば「2022年に完全雇用に戻る」と予想。この発言も地合いを強めたもようだ。 

 ブリンク売上高僅かでも株価3000%高の熱狂 

Bloomberg 2021年2月9日(火)2時24分配信

 電気自動車(EV)の充電ステーションを運営する米ブリンク・チャージングが米国で有数の人気銘柄であることは、同社の財務からは見当もつかないだろう。

 創業以来11年間、年間ベースで利益を計上したことはない昨年には破綻する可能性さえあると明らかにした。市場シェアは縮小を続け、売上高は低迷、過去数年には経営陣が目まぐるしく交代した。

 それでも株式の人気は高い。ブリンクの株価は過去8カ月で3000%押し上げられた。時価総額が少なくとも10億ドル(約1050億円)相当の約2700銘柄中、同期間にこれを上回る上昇率を見せたのは7銘柄しかない。人気の理由は、ブリンクがグリーンエネルギー企業であることだ。金融市場を席巻するこうした熱狂の中で、投資家が確信していることがあるならば、グリーン企業は見過ごしてはならない、保有すべき将来の投資先だということだろう。

 こうした高揚感をブリンクほど具体化した銘柄はない。同社の時価総額が22億ドルとなる中、株価が過大評価されているかどうかを図る指標である事業価値(EV)売上高倍率は493に急騰。バリュエーションが非常に高いとされる米テスラでも、同倍率は25にすぎない。

 シトロン・リサーチの創業者アンドルー・レフト氏はブリンクについて、あらゆる要素が間違っていると指摘。「感じの良い社名が個人投資家のお眼鏡にかなっただけだと述べた。

 シトロンなど複数の企業は昨年、ブリンクを空売りしていた。ブリンクはシトロンの空売りに対抗して、個人投資家が選好した銘柄の一つだ。レフト氏は1月29日に空売りの標的に関する調査を打ち切った。昨年12下旬には40%を超えていたブリンク浮動株に占める空売り比率は、25%を割り込んでいる。

 ビットコイン最高値更新、4.2万ドル突破-テスラ投資公表 

Bloomberg 2021年2月8日(月)21時44分配信

 暗号資産(仮想通貨)ビットコインの相場が8日、最高値を更新した。電気自動車メーカーの米テスラが15億ドル(約1580億円)をビットコインに投じたほか、ビットコインでの支払いを受け入れる方針を明らかにしたのが手掛かりとなった。

 ロンドン時間午後0時57分現在、ビットコインは10%急伸して4万2595ドル。テスラは最新の投資方針を当局に届け出、この中でビットコイン投資を報告した。

 ビットコインが投資先として幅広く受け入れられていることが、改めて示された。

 政府による景気刺激策と中央銀行による金融緩和を背景に、インフレに対するヘッジとして、また価値保存手段としてビットコインを推奨する声は支持者の間で広がっている。

 外為ブローカー、オアンダのシニアマーケットアナリスト、エドワード・モヤ氏は「個人および機関投資家の関心がこの先1カ月高まり続ければ、ビットコインは4万5000ドルの水準を狙える可能性がある」と述べた。

 テスラが届け出た1月の投資方針によれば、同社はこれまでビットコインに計15億ドルを投じており、今後も随時もしくは長期的に暗号資産を取得または保有する可能性がある。

 同社はまた、近い将来に製品の代金をビットコインで支払うことを顧客に認める方針だ。開始は関連法律次第で、当初は限定的に実施していくという。

 ビットコイン急騰の仕掛人テスラだった!投機の悲劇繰り返される恐れないのか 

Yahoo!コラム 2021年2月9日(火)9時05分配信

 暗号資産(仮想通貨)ビットコインの価格が8日、急上昇した。一時は4万4800ドル(約470万円)程度と前日より15%近く上昇し、史上最高値を付けた。テスラの公表が伝わると、ビットコインは20分ほどで10%ほど急上昇。時価総額は8000億ドルを超え、テスラ株の時価総額を一時上回る場面もあった(9日付日経新聞)。

 日経新聞によると、テスラは米国時間の8日朝に、米証券取引委員会(SEC)に提出した資料でビットコイン投資を明らかにした。当面の運転資金に必要としない現金の運用先について「多様化し収益を高めるよう投資方針を改めた」と説明。

 テスラそのものの株価も2020年に急騰していた。そしてビットコインも今年に入り、日本時間の1月8日の朝に、一時4万ドルを超えた。これにはテスラの買いなども影響したと考えられる。投機的なビットコインの動きの裏にはテスラがいた。

 その後、米国の次期財務長官に指名されたイエレン氏は19日の議会公聴会で、暗号資産(仮想通貨)に関わるマネーロンダリングやテロリストの利用等、犯罪に利用される点が課題だと指摘したことなどから、ビットコインは急反落となっていた。

 しかし、1月29日の午前3時(米東部時間)に、イーロン・マスク氏がツイッターのプロフィールを編集して「#bitcoin」に書き換えたことで、ビットコインは3万3000ドルから一時3万8000ドルまで値が跳ね上がった。何かしらビットコインの投資に関わっていることを示唆して値をつり上げた格好だが、実際にテスラはビットコインに資金を投じていたのである。

 テスラは成長投資のために20年に100億ドル以上の資金を調達していたようだが、当面の運転資金に必要としない保有資産の一部をビットコインに向けた格好となった。

 これほど値動きの荒いものに資金を投じるというのは、ある意味、イーロン・マスク氏らしいともいえるが、この値動きの荒さがビットコインの通貨としての意味合いは薄れ、投機対象とならざるを得ない。それだけリスクは大きいといえる。研究開発費に相当する金額を投機につぎ込んで大丈夫なのかと危ぶむ声も出ている。

 テスラとイーロン・マスクとの関連性を見る上で、比較される人物がいた。

「GMの歴史から考察する、テスラの将来」

https://www.dhbr.net/articles/-/5375?page=2

 イーロン・マスク氏はテスラ社の創設者ではない。宇宙輸送を可能にするロケットを製造開発するスペースX社を起業するなどしたあとで、電気自動車ベンチャーであるテスラ社に投資し、2008年10月には同社の会長兼CEOに就任した。

 米国の自動車会社といえばゼネラルモーターズがある。ゼネラルモーターズの前身を創業したのは、ウィリアム・(ビリー)・デュラントとされる。デュラントは、馬車製造会社からの資金をつぎ込んで、ビュイックという名の業績不振の自動車スタートアップを買収した。その後、小さな自動車会社を新たに買収して社名をゼネラルモーターズに改めた。

 しかし、デュラントは2度にわたり、ゼネラルモーターズを追いやられることになる。デュラントはウォール街の大物投機家ともなっていたのである。結果として、投機的な株取引などを続けたことでデュラントは破産に追い込まれている。これは事業会社の資金を投機的に利用した事例ともされる。

 2018年に書かれた上記のレポートによると、デュラントの精神は、のちにシリコンバレーを成すものの中に再び湧き起こる。そして100年後、イーロン・マスクが、移動手段の未来はもはや内燃機関にはないと予見し、次の偉大な自動車会社を築いたとある。

 まさかイーロン・マスク氏は違う意味でデュラントの精神を受け継いでいるといえるのであろうか。

 マクドナルド9年ぶり最高益 客足大幅減もデリバリーが貢献 

東京商工リサーチ 2021年2月9日(火)15時02分配信

上場以来初めて全店売上高が5500億円、営業利益が300億円を突破

 日本マクドナルドホールディングス(株)(TSR企業コード:294151958、新宿区、JASDAQ)は持ち帰りが好調で、2020年12月期(連結)の営業利益が312億9000万円と9年ぶりに最高益を記録。全店売上高も5892億2800万円(前年から401億6900万円増加)と2年連続して過去最高を更新した。コロナ禍で強みのドライブスルーが伸びたほか、デリバリーも好業績をけん引した。

Photo_20210209163701

 コロナ禍で一時的に店内飲食を中止した影響やテレワーク、外出自粛で、朝のコーヒーや待ち合わせのためのドリンク購入が減り来店客数は大幅に減少した。一方、食事場所が店内から自宅など店外にシフト。家族や友人分をまとめた持ち帰り購入が増え、客単価が上昇した。また、マックデリバリーサービスやUber Eats、出前館などデリバリーを強化した効果も出た。

2021年12月期は全店売上高6130億円を目指す

 2月9日、発表した2020年12月期(連結)は、売上高2883億3200万円(前年比2.3%増)、営業利益312億9000万円(同11.7%増)、当期純利益201億8600万円(同19.6%増)と大幅な増収増益を達成した。

Photo_20210209170101

 FC店を含めた全店売上高は5892億2800万円(前年5490億5900万円)と過去最高だった昨年を上回った。また、営業利益は2011年の281億8200万円、当期純利益も2017年の240億2400万円をそれぞれ上回り、営業利益は上場以来、当期純利益は創業以来、最高益を更新した。

 2021年12月期(連結)の業績予想は、売上高2995億円(前年比3.9%増)、営業利益320億円(同2.3%増)、純利益204億円(同1.1%増)と連続して最高益を見込む。

  暴行傷害原田容疑者プロ経営者手腕疑問符

産経新聞 2021年2月8日(月)22時05分配信

 妻への暴行容疑で逮捕された日本マクドナルドホールディング(HD)やベネッセホールディングで経営トップを務めてきた原田泳幸容疑者(72)は20年近く「プロ経営者」として注目を集めてきた。

 ただしトップを務めた企業では業績悪化や不祥事に見舞われ、手腕に疑問符が付けられてきたことも否定できない。

 マクドナルドへの転身の際には改名までして運気を挙げようとした原田容疑者だが、プロ経営者としての復活の道のりは険しそうだ。

 原田容疑者がプロ経営者といわれるようになったのは、米アップルコンピュータ現アップルの日本法人の社長から、マクドナルドの経営トップに転身した2004年ごろから企業名やブランドの愛称が共通だったことからマックからマックへと話題となった妻がシンガーソングライターの谷村有美さん(55)であることも注目を集めた。

Photo_20210209164701Photo_20210209165901

 ただ、コンピューターから外食へという畑違いの業界への転身だったこともあり、原田容疑者のトップ就任後しばらくは堅調だったマクドナルドの業績は2010年代に入り、急激に悪化プロ経営者としての期待が大きかっただけに、業績悪化に手を打てないことの責任が大きく問われ、結果的に現社長のサラ・カサノバ氏に経営の第一線を委ねることになった

 それでも2014年6月にはベネッセHDの会長兼社長に就任。今度は教育産業で、ITの強さを武器に、プロ経営者としての活躍を口にしていた。

 だが、ベネッセでは想定外の結果となった。経営トップ就任の翌月の14年7月に、2000万件余の個人情報が漏洩したベネッセ個人情報流出事件が発覚した。情報持ち出しは13年ごろから始まっていた。

 原田容疑者は記者会見で自身が経営トップに就任する前の事案といった点を強調。自分に責任はないかのように振る舞ったため、経営トップのあるべき姿勢ではないとの非難も浴びた。

 ベネッセが赤字に転落したこともあり、事実上の引責辞任として、わずか2年でベネッセを去った。経営者にとって、ある意味、最も重要とされる“ツキ”がない状態が表面化した格好だった。

 原田容疑者は以前は本名の「原田永幸」を名乗っていたが、マクドナルド転身後は「原田泳幸」と称している。この改名についてかつての記者会見で、「実は、最近子供が生まれて、名づけのため、姓名判断の先生に相談した。

 その際、『原田永幸』の自分の字画がものすごく悪いといわれ、改名した方がいいといわれた」と説明していたが、運気には恵まれなかったようだ。

 原田容疑者はその後、2019年末に、タピオカミルクティーで有名な台湾茶チェーンの「ゴンチャ」の日本法人トップに就任。再びプロ経営者として、マクドナルドやベネッセでの汚名返上を狙うところだったが、その結果をみせる前に発覚した今回の暴行事件。

 ゴンチャの日本法人は7日、「事実関係を調査中であり、コメントを差し控える。原田(容疑者)は調査が完了するまで休職している」と発表した。流通業界関係者は「女性に人気があるタピオカだけに、経営トップによる妻への暴行が事実なら、企業やブランドのイメージダウンは著しい。

 経営トップを続けるのは難しい」とみている。関係者によれば、原田容疑者は、ゴンチャのトップとして意欲的な姿勢をみせていたというが、今回の事件で、プロ経営者としての再登板は厳しくなった。

 

2021年2月 7日 (日)

【死生観】ヒトは「死んだら」どうなる✍「死後の世界」の捉え方

 人は死んだらどうなるのか…実はその答え既に決まっていた!

現代ビジネス 2021年2月7日(日)10時01分配信/橋爪 大三郎(社会学者)

宗教は「根拠のない気休め」なのか

 その昔、学生のころ、ゼミで教授が、こんな意味のことを言いました。

 「△△さんは気の毒に。重い病で助からないので、洗礼を受けたんだって。そうでもしないと心がもたないよ」

 教授は上から目線で、△△さんの信仰を眺めています。それはちょっと違う、と私は思いました。教授の考えは、たぶんこうです。

----------
1.人間は、死ねば、肉体も精神も、ただ存在しなくなる。
2.それ以外の考え方や信仰は、根拠のない気休めである。
----------

 世界にはさまざまな宗教があります。死んだらどうなるかの考え方があります。それを全部、「根拠のない気休め」とひとくくりにしてしまいます。

 この考え方を、「死のリアリズム」と名づけましょう。

 死のリアリズムは、「世の中で経験できることは正しい」「自然科学は正しい」と考えます。そして、霊や来世や死後の世界は認めません。宗教は怪しいとか、はまると怖いとか思っている「無宗教」のあなたは、この考え方をしているのです。

Photo_20210208110801

「死のリアリズム」を超える

 死のリアリズムの、どこが問題か。

 第一に、傲慢であることです。死のリアリズムは、宗教は「根拠のない気休め」を、選択しているとみなします。けれども、死のリアリズムも、根拠のない選択をしている点では、同列なのです。自分も選択をしていることに、謙虚でなければなりません。

 第二に、死のリアリズムは、「このわたし」の死を、考えることができません。宗教はみな、「このわたし」の死を包み込む考え方をもっています。それに対して、死のリアリズムは、経験にもとづく常識と、科学とだけにもとづきます。

 どちらも、一般的な知識です。「このわたし」の死は、ただ一回の個別的な出来事です。一般的な知識では、決して考え切ることができないのです。

 「このわたし」の死は、死んだらどうなるかを「選択」しないと、考えることができません。いまこの文章を読んでいて、死のリアリズムで十分だと思っていたみなさんは、ぜひこのことを、胸に手をあてて、じっくり考えてみてほしいと思います。

 人生にピリオドを打つには、死のリアリズムを越えて進まなければなりません。

 このことに思い至るとき、世界のさまざまな人びとが、宗教をどう選びとって来たかについて、敬意が湧いてきます。それは、さまざまな人びとの生き方に、敬意を抱くことなのです。過去、日本で生きたさまざまな人びとに対しても。

Photo_20210208104601

「死後」を選ぶことは「生き方」を選ぶのと同じ

 世界のさまざまな人びとは、死んだらどうなるか、さまざまに考えてきました。

 人間は、自分が死ぬと知って、生きている。それが人間の誇りです。どう死ぬかは、どう生きるかと、結びついています。死ぬとどうなるかを選ぶことは、生き方を選ぶのと同じことなのです。

 誰でも死ぬのは、一度だけ。ぶっつけ本番です。それなのに、死んだらどうなるかの考え方は、いくつもあります。それなら、とりあえず、どれかひとつに決めるしかありません。

 死ねば自分は、完全になくなる、と考えるのもひとつの態度です。これには、実は、二種類あります。

----------
 a. 自分が死ぬと、存在しなくなるでも、世界や人びとはまだ存在する
 b. 自分が死ぬと、存在しなくなるそして、世界や人びとも存在しなくなる
----------

Photo_20210208113001

 bのほうがある意味、一貫しています。でも、相続や遺言は無意味だと考えるはずで、けっこうメチャメチャです。aは、常識的な無神論者です。でも、「自分が死んだあと、世界や人びとはまだ存在する」は、根拠のない、信仰のようなもの。神を信じるのと、そう変わらないのです。

 常識と科学(だけ)を信じる、Aさんがいました。Aさんは、「このわたし」が存在することを、どう考えるでしょう。

 ビッグバンがあって、島宇宙ができて、超新星が爆発して、炭素や金属原子ができて、地球ができて、生物ができて、…人間ができて、「このわたし」がいる。数えきれない偶然の積み重なりです。「このわたし」が存在するのは偶然。合理的に説明できません。

 自分の存在は偶然、つまり謎です。合理的に考えても、世界の中心にはぽっかり、偶然の穴が空いているのです。

 一神教は、この偶然の穴を、「神の創造」で埋めます。「このわたし」が存在するのは神の意思である。世界を、常識と科学で考えていく、自分の合理的な態度は1ミリも変わりません。ただ、世界が、無意味な偶然ではなく、意味のある秩序に変わるのです。

 いま、一神教を例にあげましたが、この世界を合理的に生きる近代人の態度と、さまざまな宗教とは、両立するのです。

Photo_20210208105301

「常識のある合理主義者が、信仰をもつ」とは

 ここまでみてきた宗教を、2行にまとめてみましょう。常識のある合理主義者が、信仰をもつとは、つぎのように考えることです。

----------
○ 一神教 神が、世界を創造し、人間を造った
 この世界のすべてのことは、神の意思により起こる

○ キリスト教 神が、世界を創造し、人間を造った
 イエス・キリストは、人間を愛し、人間を救う

○ 汎神論 この世界の至るところに、神が存在する
 人間は、この神聖な世界と調和して生きるべきである

○ 神道 世界は神々のおかげで、このように成り立っている
 人間は神々に感謝し努力もして、平和に暮らすべきである

○ インドの宗教 世界は因果の法則によって、このように運行している
 この因果の法則を覚ることには、最高の価値がある

○ 浄土宗 阿弥陀仏は衆生を救おうと、パワーを送っている
 念仏を唱えれば、阿弥陀仏の極楽浄土に往生できる

○ 禅宗 座禅して瞑想すれば、この世界の真理を認識できる
 それは、かつてゴータマが覚った真理と同等である

○ 法華宗 法華経の行者は、久遠実成仏に導かれて菩薩行をする
 この重要な教えは、法華経だけに書いてある
----------

 2行なので、わかりやすい。2行なので、覚えやすい。

あなたはどれを選ぶ?

 このなかに、あなたにぴったりのものがあれば、それを自分の宗教に選ぶことができます。そして、自分の死の理解、自分の生き方にすることができます。

Photo_20210208111901

 死んだらどうなるか、自分で決めます。自分で決めないと、どうなるか自分でもわかりません。自分で決めて、そのつもりで生きると、「そのように生きて、死んだひと」になります。自分で思うように決めて、思うように死ねる。これはすごいことです。

 とのべておきながら、反対に、こうも言いたいです。どの宗教、宗派を選んでも、結局は同じこと。どれがよくてどれがだめ、ということはないのです。

 なぜか。それは、どの宗教も、「常識ある合理主義者」が自分の生き方の原則に責任をもって、社会を歩むために、プラスになるに決まっているから。

 科学と理性を信じるだけの合理主義者では決して満足できなかった、世界に空いたあの偶然の空白を埋めて、確信をもって他者と共に社会を生きていくことができるから。

 ひとつ、宗教を選んでみなければ、宗教のことはわからない。その宗教のことがわからないだけでなく、どの宗教のこともわからない。ひとつの宗教に真剣にコミットしてはじめて、ほかの宗教のことも、ああそうか、と内側からわかることになる。

 その意味で、どの宗教を選んだとしても、結局は同じことなのです。

Photo_20210208103801

 死ぬのはこんなに怖い
 死ぬ瞬間はこんな感じです
 医者は本当のことは言いません

週刊現代 2012年12月20日(木)配信

生きたまま火葬される恐怖

「小学校2年生のとき、『自分が死ぬこと』ばかりを思って、毎晩のように泣いていました。たとえ死んでも、人の意識はしばらく肉体に留まっていると考えていたからです。その状態で火葬されれば、棺が炎に包まれて、棺の中にいる私に刻々と迫ってくる。あるいは、土葬で埋められた私の体中に蛆が湧きはじめる。それを思うと恐ろしくてどうしようもなかったんです」

 そう語るのは芥川賞作家で臨済宗妙心寺派福聚寺の玄侑宗久住職だ。

 人は必ず死ぬ。たとえ、どんなに老いに抗い、健康を維持しようと努めても、死は万人が受け入れざるを得ない宿命だ。

 では、死ぬ瞬間とは一体、どんなものなのか。暗闇に入るものなのか、痛いのか、何も感じないのか。

Photo_20210208111401

 日本では年間約100万人が亡くなっている。しかし、その瞬間を正確に伝えてくれる人はもちろんいない。だからこそ、誰にとっても未知の領域に属する「死」は怖いと言える。そんな死について少しでも実感するため、次に紹介するALS(筋萎縮性側索硬化症)の患者のケースを知っておくことは貴重だろう。

 ALSの罹病率は10万人に一人。ある日突然、身体に異変が起こり始める。原因不明、治療法はなく、全身の筋肉が不随になり、最後は呼吸筋も働かなくなってしまう。

 言ってみれば、ALS患者にとっての日常は、常に昨日までできたことができなくなってしまうことを自覚する日々でもある。意識と思考は鮮明なのに言葉を話すこともできなければ、食事も排泄の処理もできない。嚥下機能が失われているため、周囲は24時間、痰や唾液の吸引に追われる。中には「死にたいと思っても自殺することすらできない」という患者もいるのだ。

 相愛大学人文学部教授で浄土真宗本願寺派如来寺住職の釈徹宗氏がALSを患った知人男性について語る。

「以前はわずかに動く右手を使い、一日1行だけ日記を書いていましたが、今はそれもできない。彼は天涯孤独の身で多くの人たちの助けを借りながら、生命を維持し、毎日、ただ瞑想をしています。瞑想がうまくいくと『明日も生きよう』という気持ちになる。そうやって、彼は毎日を懸命に生きているのです」

Photo_20210208105101

光に包まれた世界が見える

 このように死の一歩手前で踏みとどまり続ける人々がいれば、医師から死亡宣告された状態から生き延びた人もいる。

 バイクで走行中、信号無視の車に突っ込まれて転倒し、対抗車にも轢かれた40代男性のAさんは脳挫傷と大腿部の複雑骨折を負った。

「最初に搬送された病院では手に負えず次の病院に向かう際、ふと意識が戻り、医者が家族に『もうあきらめてください』と言っている声が聞こえ、怯えました。手術室の照明は今でも覚えています。この灯りが見えなくなったらオレは死ぬと言い聞かせて目を見開き、術中は『麻酔をしてくれ』と叫び続けたつもりなのですが、実際には声は出ておらず目も閉じていたそうです。再び意識が戻ったのは事故から3日後、集中治療室でのことでした」

 生と死の行き交う医療現場で働く医師たちは、しばしばこういった患者たちの「臨死体験」に遭遇する。

 ホームオン・クリニックつくば院長で『看取りの医者』の著者である平野国美氏はこう語る。

「死の淵から生還されたあと、〝三途の川を渡りかけた〟〝キラキラ光る世界が見えた〟とおっしゃる患者さんは何人もいます。ここで死ぬんだと思っていると、突然、ほっぺたを叩かれたような感じで、こちらの世界に引き戻されるらしい」

Photo_20210208110701

 にわかには信じられないが、実は臨死体験をしたと語る人の体験談を聞くと、その内容には多くの共通する部分があるのも事実だ。

 アメリカの心理学者であるケネス・リング氏は自著『Life at death』で臨死体験のある102人の男女にインタビューをしている。それによれば、彼らは「光に向かう」「死を自覚している」「暗闇やトンネルに入る」「自身が身体から離脱する感覚がある」「(死んだ知人などの)人物、影を見る」「痛みの消失」など幾つかの核となる共通の体験をしているという。

 例えば、前述した「光」について、呼吸困難から生還したアメリカ人女性はこう語っている。

〈私は原っぱにいました。広い何にもない原っぱです。丈の高い、金色の草が生えていて、それがとっても柔らかくて、輝いていました。(中略)気持ちの休まる光でした。草は揺れていました〉

 育った国も、臨死状態に至った原因も異なるのに、なぜ人間は死の間際に同じような風景を見るのか。

Photo_20210208110301

 前出の平野氏はこの現象についてこう分析する。

「人はある種のショックを受けた時、痛みを感じなくさせるために脳内麻薬を分泌します。昏睡状態に入る際も作用し、それが出た状態で見える世界が日本では三途の川と言われる世界だと思います」

 なかなか明快な答えは出ないが、先のリング氏のインタビューに応じた人のうち、実に70%もの人が臨死体験中に恐怖を感じることはなく、むしろ安らぎを覚えたと語っている。この事実は死を怖いと感じる人間にとっては、怖さを和らげる一助にはなるのではないだろうか。

 もちろん、死に直面したとき、人は誰しも臨死体験をするわけではない。

 前出の玄侑氏は自身の不思議な体験を語る。

「死とは『私』がほどけていく過程なんです。暑いのも、苦しいのも、痛いのも『私』であり、その『私』がどんどん変性しながらほどけていく。

 私は中学3年のとき、日本脳炎にかかって意識不明に陥ったんです。ところが、担当の看護士さんによると、昏睡状態のはずの私はベッドの上でちゃんと目を開け、身体を動かしていたという。いわば、私の身体がコンピューターだとすれば、ユーザーだけが急に替わってしまったような不思議なことが自分の身体に起きていた。この体験から人間が死ぬということは私が私だと思っている存在が〝無〟になることだと思いました。

 死ぬ数時間前まで『痛い、痛い』と言う人はいるでしょうが、いわゆる死、その瞬間に痛みはないようです。私の知り合いに5000人以上の方を看取ってきた医者がいますが、彼によると泣き叫びながら逝った方は一人もいないそうです」

 前出の平野氏も同様の意見である。

「ご臨終を迎える患者さんは何日か前から昏睡状態に入っていくので、自分が死ぬことさえわからないのではないかと思います」

 問題は、その瞬間が来るまでの月日をどう過ごすかにある。明晰な意識を保ったまま、死が間近に迫ってくるのを受け入れるのは大変な精神的な苦痛を伴う。

Photo_20210208105901

絶対に死にたくない人

 たとえば、末期がんの宣告をされた患者がその後、自暴自棄に陥ることは珍しくない。ときに死への恐怖によって精神は崩壊する。大手大学病院の整形外科病棟に勤める看護士は語る。

「悪性骨腫瘍を患った男子高校生は化学療法で進行を抑えて手術をしたが転移も見つかった。明るい子でしたが『死』を考え始めると不安で不眠症になった。精神的にも不安定になり、『死ぬんだからほっといてくれ!』と暴れて同僚を噛む。抗うつ剤を投与し、精神科へ移りましたがまもなく亡くなりました」

 若さゆえの事例ではない。都内のホスピス科医師は「30~60代の患者こそ冷静な判断力を失う」と語る。

「やはり未成年の子供を持つ患者さんは死ぬことを受け入れない。印象的なのは50代で末期なのに代替医療に手を出して、1500万円くらい使った患者。効果がないのに嫁、娘も延命治療を止めない。身体中にスパゲッティのように管を巻きつけたまま死にました。

 40代の女性患者で自分が死んだ後、旦那が再婚することを恐れてパニックになる人もいましたね」

Photo_20210208110101

 人々がこういった困難に直面するとき、釈氏は「仏教では生きることは苦しみとも説く」と指摘する。

「『死』について苦悩するのは、人間にしかできない特権です。確たる信念を持っても人の生死は人間の手でコントロールできない。生死に関する考え方は情況によって変化するものです」

 なるべく恐怖を抱かずに死の瞬間を迎えるための策として、一つ参考にしたい考え方がある。

「インドの聖地バーラーナシーには人を看取るための『死を待つ人の家』があり、人々は死が訪れるのをじっと待っている。彼らは宗教上、『輪廻』という概念を強く信じている。だから死や別れを恐れないのです。

 一方、今の日本人はどうでしょうか。昔の人は年を取り、自然にものが食べられなくなると、だいたい2週間ほどで枯れ木のようにやせ細り、亡くなっていった。しかし、現代人は様々な治療を講じて、むしろ、別の苦しみを増やしてしまっている。生きたいという我欲が死への恐怖を生んでいるのでは、という視点が欠けています」(釈氏)

 人間は死ぬために生きている。刻々と死に向かっていくことを理解して、老いや病を引き受ける。それが我々が目指すべき、恐怖を感じず死を迎える理想的な方法かもしれない。

Photo_20210208104301

 

2021年2月 6日 (土)

【新型肺炎】“ワクチン接種後”の世界✍考え得る3つのシナリオ

 新型コロナワクチンその特性と接種後世界 

Yahoo!コラム 2021年2月6日(土)8時30分配信/高山義浩(内科医)

 アメリカの製薬大手ファイザーが開発した新型コロナウイルスに対するワクチンについて、間もなく国内承認される見通しとなりました。筋肉内への注射による投与で、21日の間隔を空けて2回接種となります。

 まず、今月中には医療従事者(370万人)に先行して接種が始まり、来月以降、高齢者(約3,600万人)、基礎疾患を有する者(約820万人)、高齢者施設従事者(約200万人)へと順次接種が進められます。

 なお、接種の対象者は当面16歳以上とし、過去にワクチン成分で重いアレルギー反応が出た方への使用は認められない方針です。

ワクチンの作用と効果

 このファイザー社のワクチンは、人間に対するワクチンとしては新しいタイプのもので、mRNA(メッセンジャー・アールエヌエー)というタンパク質を生成するための設計図が封じ込められています。

 これを接種すると私たちのマクロファージという細胞内に取り込まれ、そこでコロナウイルスの表面にある「スパイク」というトゲトゲした突起の部分に該当するタンパク質を作ります。

 このトゲトゲが細胞表面に出てくることで、コロナウイルスに対する免疫が誘導され、私たちの免疫細胞がウイルスの侵入を早期に認識できるようになり、コロナウイルスを中和する抗体を大量に産生する準備も整います。

 なお、このmRNAは細胞内でタンパク質を作りますが、私たちの遺伝情報が入っている細胞核に入ることはなく、つまり、私たち自身のDNAが書き換えられることはありえません。

 このワクチン、臨床研究によって発症予防効果 95%という結果が確認されています。これは「プラセボ(偽薬)群よりも、ワクチン接種群の発症率が95%少なかった」というもので、まあ、ビックリするぐらい高い有効性ですね。少なくとも、インフルエンザワクチンとは比較にならないほど期待してよいと思われます。

 また、この臨床研究では、重症化した10名のうち1例がワクチン接種群、9例がプラセボ群だったとのことで、どうやら重症化も予防しているようだと考えられます。

 発症を防ぐ効果は明らかですが、感染そのものを防ぐ効果があるかどうか、まだ分かってはいません。ワクチン接種後に感染した場合、周囲に感染させなくなるかも分かっていません。ただ、mRNAワクチンには、侵入早期に反応する細胞性免疫までもを活性化する作用機序があるため、感染予防効果まで期待できるのではないかと言われています。

 一方、気になる副反応ですが、接種した部位の痛みは強いようですね。8割ぐらいの人が12~24時間の痛みを訴えています。しかも、かなり痛い・・・ らしいです。また、2回目の接種後には11~16%の方に38以上の発熱があったそうです。免疫をつけている証拠なんでしょう。

 さらに、アメリカCDCによると、190万人に1回目の接種をしたところ21人にアナフィラキシー反応が起こったとのこと。接種後30分ぐらいは、気分が悪くなったりしないかを確認し、医療従事者のいるところで休んだ方が良さそうです。

ワクチン接種後の世界

 ワクチン接種が進んだあと、私たちの暮らしは元に戻るのか・・・? よく聞かれますが、誰にも分かりません。ただ、先が真っ暗よりは、何らかの道標があった方が良いかもしれません。

シナリオA国民7割以上への接種が完了し、集団免疫を達成

 もっとも楽観的なシナリオですね。ワクチン接種が進んで集団免疫が達成されれば、地域流行しなくなることが期待できます。

 米国のファウチ博士は、「ワクチンによる集団免疫は70~90%が目標になる」と言ってますが、その根拠は明白ではありません。実際は、ワクチンの感染防御効果と持続期間によると思いますが、いずれにせよ数年はかかるでしょう。それまでは、次のシナリオBのような状態が続くと考えます。

 なお、ワクチン接種が進んでいない国においては、ウイルスが定着して風土病になることも考えられます。こうした国から就労や長期滞在を目的として日本を訪れる場合には、事前ワクチン接種を推奨するとともに、出国前のPCR検査、入国後14日間の自己隔離を求めるようになるかもしれません。

シナリオB十分な接種率に至らず、国内で散発的流行が続く

 比較的安全なワクチンが開発されたと思ってますが、それでも、若者たちが接種してくれるかは不明です。このあたり、冒頭で紹介したように、ワクチンに期待される効果を正確に読み取り、副反応のリスクについて適切に情報提供することが必要です。

 報道の在り方などにより、ワクチン忌避の風潮が高まってしまえば、おそらく集団免疫には至りません。ワクチンの感染防御効果や持続期間が不十分であった場合にも、集団免疫には至らないでしょう。

 その場合でも、ハイリスク者や医療介護従事者への接種を着実に進めていくことが必要です。あるいは、飲食店や小売店、あるいは観光事業者など接客にあたる方々についても接種に協力いただくことを期待します。

 そうなれば、ワクチンによって重症者や死亡者を抑え込んでいくことが期待できます。ワクチン効果の持続期間が短い場合でも、年に1回など定期接種にすることで免疫維持できるでしょう。さらに、一般の方々へと接種への協力が広がれば、集団免疫に至らなくとも、地域流行の規模や頻度は減らしていけると思います。

 こうして、社会全般に求めるような自粛要請は行われなくなり、地域流行を認めたときには、一般にはマスク着用や手指衛生を呼びかけるレベルで済むかもしれません。多少の緊張感は残しつつも、ある意味、社会は日常を取り戻していくことでしょう。

 ただし、社会福祉施設や病院は相変わらず大変だと思います。疑われる患者さんが出たときに、念のため、さっとゾーニングを確立したり、そこで設定されたレッドゾーンに入るときの防護具を適切に着脱できたり・・・ といった感染対策が日常になっていくかもしれません。

シナリオCワクチン耐性の変異株が発生し、世界的流行が続く

 微生物との闘いは、しばしば進化とのイタチごっこになります。治療薬を開発すれば耐性ウイルスが出現し、ワクチンを開発すれば耐性株へと置き換わります。流行している状況で使えば、さらに耐性株が選択されやすくなります。とくに、遺伝子変異の活発なRNAウイルスでは、そのリスクが高まります。

 すでに世界では、3種類の変異株を認めています。イギリス変異株は、国内でも市中感染を認めていますが、幸いなことにワクチンへの耐性は生じていないようです。しかし、南アフリカ変異株とブラジル変異株については、従来型の抗体への活性が低下しているようで、ワクチンについても有効性が低下している懸念があります(結論は出ていません)。

 ワクチン接種による集団免疫の獲得が、耐性株の出現に間に合わなければ、世界的流行が繰り返されることになります。病原性が上がったり、あるいは小児への感染性が高まれば、より悲劇的なことが生じるかもしれません。

 そのとき世界は・・・ このウイルスを封じ込めるしかないでしょう。国際的な協調のもとで人の移動を制限し、活動を自粛して、封じ込めた状態を世界的に維持しながら、ワクチンの再開発とともに、ワクチン接種プログラムを途上国を含めて迅速な実施する・・・ というオペレーション。

 あまり想像したくはないのですが、そうしたシナリオも考えておく必要があるかもしれません。まあ、耐性株が広がる前に、さっさと皆が接種して封じ込めるのが、変異の速度も低下するし、制御しやすくなるし、一番だと私は思ってます。

 コロナワクチン接種から3週間感染拡大抑制との報告 

Bloomberg 2021年2月6日(土)4時05分配信

 新型コロナウイルス感染症(COVID19)ワクチンの接種率が世界で最も高いイスラエルでは、米ファイザーとドイツのビオンテックのワクチンの接種開始から新規感染者と入院者数の伸びが抑制され始めるまでに要した期間は3週間だった。昨年12月20日に始まった全国的な接種プログラムについて研究者が暫定的な所見を報告した。

ワクチン接種開始から感染拡大の抑制まで3週間、イスラエルが報告

 韓国は社会的距離の規制を緩和する。ソウル首都圏以外の地域ではレストランやカフェ、ジムなどの営業が午後10時まで認められる。丁世均首相が6日発表した。カラオケバーの営業や訪問販売なども可能になる。韓国では1日当たりの感染者数がこの1週間で300人程度に減少。昨年12月末には1000人を超えていた。

 米カリフォルニア州ではコロナ検査の陽性率の14日平均が6.6%に低下した。昨年11月30日以来の低水準で、1カ月前は12.7%だった。同州でこれまでに実施されたコロナ検査は計4340万件に達した。

 州保健当局のウェブサイトによると、4日に報告された新規感染者数は1万4021人と、14日移動平均の1万7600人を下回った。死者数は558人と、同平均の518人を上回った。累計の感染者数は330万人を超え、死者数は4万3024人に達した。

 スペインは英アストラゼネカのコロナワクチン接種対象を55歳未満に限定する。保健省が発表した。「科学的エビデンス」に基づいた判断だとしている。同社のワクチンについては欧州連合(EU)加盟国の間で高齢者への接種を推奨しない動きが広がっており、ドイツやフランス、イタリアも同様の制限を設けた。

 アストラゼネカのワクチンは、英国で出現した変異株に対しても同等の効果があることが、同ワクチンを共同開発した英オックスフォード大学の研究で示された。

 世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長は、医療従事者と高齢者の接種が終わった国々は残りのワクチンを他国に回すべきだと述べた。これまでに行われた接種の4分の3余りは、世界の国内総生産(GDP)の約60%を占める10カ国に集中しており、総人口25億人の約130カ国ではまだ1回の接種も行われていないと指摘した。

 米ジョンズ・ホプキンズ大学のデータによると、世界の感染者数は1億530万人を超え、死者数は230万人に近づいている。ブルームバーグの集計データによれば、世界のワクチン接種回数は1億2400万回を超えた。

 アストラゼネカワクチンも承認申請、大半を日本国内生産 

朝日新聞デジタル 2021年2月5日(金)17時34分配信

 新型コロナウイルスのワクチンについて英アストラゼネカは5日、製造販売の承認を厚生労働省に申請した。政府が供給契約を結んだ計3社の中で、発症を防ぐ効果はやや劣るとされる。一方で大半を国内生産するため安定供給を見込めることや、より高い温度で保管でき接種する人数や地域を広めやすいことが利点だ。国内での申請は米ファイザーに続き二つ目。

 申請を受け、田村憲久厚労相は「安全性、有効性を審査した上で承認を決定したい。コロナワクチンなので最優先に審査する」と述べた。

 ワクチンは供給への不安が高まり、各国で奪い合いが起きている。接種が始まった欧州連合(EU)は輸出に許可制を導入。日本への供給に影響を及ぼす可能性がある。政府が契約したファイザーと米モデルナのワクチンは、すべて海外から輸入される予定だ。

 日の丸ワクチン最前線年内3000万人分製造 

FNNプライムオンライン 2021年2月5日(金)18時24分配信

 国内第1弾となるアメリカ・ファイザー社のワクチンに続き、5日、イギリスの製薬大手・アストラゼネカ社が、厚労省にワクチンの承認を申請した。3月中に日本で行った臨床試験の主要データを提出する予定だという。

Photo_20210206184301

 こうした中、厚労省は5日、過去に新型コロナウイルスに感染したことのある人の割合を調べる抗体検査の結果を公表した。

田村厚労相「(抗体保有率は1%足らずということで、多くの方々がかかって、集団免疫という話はもう全然ない

 検査は2020年12月、東京や大阪など5つの都府県で行われ、東京都の抗体保有者は0.91%。2020年6月の0.1%からは9倍に増えたが、それでもまだ1%に満たない数字。こうしたことからも、より重要となるワクチン。では、海外に続く国産ワクチン作りはどうなっているのか。

Photo_20210206184601

 FNNが訪れたのは、岐阜・池田町にある医薬品製造工場「UNIGEN」。

 大手製薬会社「塩野義製薬」が開発するワクチンの生産ラインを準備している。UNIGEN 戦略渉外部・福岡真マネジャー「タンクの容量は2万1,000リットル。遠心分離機で、重いもの・軽いものに分けて、欲しい方を取り出す」

Photo_20210206184901

これはワクチンのもととなる、タンパク質を作るための世界最大級のタンク。

 シオノギ製薬では、2020年4月に国産ワクチンの開発をスタートさせ、12月から臨床試験に入っている。医薬品の生産ラインを整備するのは、通常、製品化が決まってからとされ、今回は異例のスピードだという。

Photo_20210206184201

UNIGEN 戦略渉外部・福岡マネジャー「開発が終わってない中で工場を作る。そのやり方自体が異例。1日でも早く届けるためには、こういう方法をとらなきゃいけない」

 塩野義製薬が開発しているのは、遺伝子組み換え技術を応用したワクチン。安全性などを含め、すでに実用化されている技術で製造できるという。

Photo_20210206185401

塩野義製薬 広報部・中川慎也さん「12月末には、年間3,000万人分のワクチンを製造できる生産体制の構築を進めています」

 ワクチンが、新型コロナ収束への切り札となるのか。東京都では5日、新たに577人の感染が確認された。1日の感染者が1,000人を切るのは、8日連続で、1月29日と比べると、3割以上減少。重症者の数は、4日より2人増えて117人だった。

 現役医師断言「日本コロナ対策くのった 

PRESIDENT Online 2021年2月6日(土)11時16分配信/大和田潔(総合内科専門医)

 日本のコロナ対策は失敗だったのか。医師の大和田潔氏は「海外では厳しい規制をかけても大きな被害が出た。日本の対応はメディアに否定的に報道されているが、緩やかな規制と人々の協力で被害は小さく、最適解だったといえる」という――。

日本人の気質

 私たち日本人は、謙遜と謙譲を美徳としてきました。つらくても努力し続け、その上で評価を待つ。自らを鍛え、成果をあげて人から評価されることを受動的に待つことを教えられて育ちます。

 目的と手段が本末転倒になり、最短で目的が達成するよりも努力し続ける非効率さが美徳とされることもよくあります。細かいところまで気を配り、「石橋をたたいて渡る」ことが日常茶飯事です。さらに武士道の文化もあわさり、自己研鑽(けんさん)の美徳と統合されています。

 たとえうまくいっても「それほどでも」と謙遜し、決して「うまくいったでしょ!  スゴイでしょ」なんて自慢しません。みんなで一緒に行動することを良しとし、誰かが独り占めすることを良しとしません。少ない国土でも多くの国民が公平に平和に暮らせる、奥ゆかしさの工夫の中で培われた知恵だと思っています。

 これまでの日本の新型コロナウイルスへの対応は否定的に報道されたり、考えている人が多く見受けられます。しかし私は完璧だと考えています。

 「イヤイヤ全然ダメでしょ」と即座に否定されそうです。

 でも現実を見てみましょう。

 日本は先進国の中ではとりわけ新型コロナによる被害は少なく、流行は下火になっています。人々のいさかいもほとんどありません。政府と人々の対立もなく、みんなで協力してなんとか乗り越えたと言えるでしょう。

 私は、新型コロナは蔓延後に収束しすでに「季節性ウイルス」になったと考えています。国内では抗原検査は不要になりつつあると思っています。陰性を証明しないと、食事や観光などができないのは理に合いません。季節性になっている新型インフルエンザも通年で存在していますが検査は行われないからです。

日本の3つの勝因

 私は、日本の勝因は3つに整理できると考えています。

 1つ目は、日本の保険医療システムが充実し基礎疾患を日頃からあまねく管理できていたことや、重篤化した人々も医療者が献身的に治療できたことだと思います。高度な医療機材や治療薬を有して使えることや、国民の教育度も高いことも含まれます。

 教育度が高いことは、ウイルスの概念を理解しマスクの必要性を実感したり、飲食店での飛沫経口感染を予防するための緊急事態宣言を国民全体で実行することにつながります。

 2つ目は、清潔観念が徹底していることです。疫病が繰り返しはやることに対応し、靴を脱いで入浴が好きで部屋にあがり手洗いうがいをするといった個人個人の日常保清、下水道などの都市設計、ネズミや蚊など媒介動物を駆除などもふくめた人間を守る公衆衛生の総合力です。

 3つ目は、季節性コロナウイルスにさらされてきたことと公的補助による小児ワクチンと高齢者の肺炎球菌ワクチンの徹底などによる獲得免疫の恩恵が大きいと思っています。

 この3つの条件がそろっていたため、実効性をもちつつ経済被害を最小限にする「ユルユル対策」が奏功したのだと思っています。乳児から高齢者まで健康管理やフリーアクセスをあまねく提供してくれている国民皆保険による保険医療制度を、今後も大切にしなくてはいけません。

 新型コロナは、日本人が普段から積み重ねてきたこうした努力によって、甚大な健康被害を減らすことができることを教えてくれたと思っています。

厳重な管理は効果が少ない

 日本とは比較にならない厳格な対応をしている海外の国々は沢山あります。

 中国では、武漢で新型コロナウイルスが発生した際に新設病院を短期間で造り、全国の軍隊所属の医療班を招集し制圧し、感染を完全に鎮圧したと考えられていました。

 ところが2021年1月になり、患者が発生した都市を容赦無くロックダウンし、市民が困窮していることが報道されました。2月近くになっても情け容赦無くプライバシーも無く、肛門から検体を採取するという徹底した検査もおこなわれています。

 欧州でも、強力な措置が取られました。

 ドイツでは、10万人あたり新規感染者が200人以上の場合は移動制限になります。1400万都市東京では、1日に3万人という規模です。500人を目標にしている東京が、世界的にみてどれだけ完璧すぎるか良くわかる実例です。

 フランスでは、夜間外出禁止令も出されており大型ショッピングモールの閉鎖が指示されています。全土で夜間外出制限が命じられ午後6時までに帰宅という厳しい措置が取られています。

 オランダでは、1月23日から夜間外出禁止令が発令されました。それに呼応し、規制を行う国側と市民が衝突。各地で放火などを伴う暴動が起きています。

ロックダウンは解決にならない

 イギリスでは、1月に3度目のロックダウンを行いました。それでも長引く規制にもかかわらず、死者が10万人を超え国民に大きな不満が蓄積しています。

 オーストラリアは、厳しい外出制限とほぼ鎖国に近い状態により市中感染が起きないところまできていました。ところが、2021年になり市中で変異ウイルス感染の感染拡大が再発しました。

 2021年になり暴動を抱えながらも厳しい行動制限を国民に課しているオランダから、ロックダウンは意味がなかったという分析報告がありました。

 新型コロナウイルスに対して、人間は完全に封じ込める力をもたないことを証明しています。厳しい制限をして発生数を減らすことはできるかもしれません。けれども一時ゼロにまで持っていってもどこかで発生してきます。

 PCR検査を無限にやっても陽性者の隔離を厳密に行っても、封じ込めはできません。濃厚接触の掘り起こし追跡調査の終了は賢明な判断です。流行は下火になりました。昨年9月の「感染者ゼロを前提にすると、新型コロナは終わらない」で予想したとおりの経過をたどっています。

厳しいロックダウンで窮地のインド

 JETROで、世界最大の厳しいロックダウンを課したインドの窮状が伝えられています。この報告の中で、インドを含め米国や欧州ドイツに比べて日本が大変に緩い規制だった調査結果がグラフで示されています。

 自粛を強要する警察が、生活のためにやむなく家から出た国民を暴行している映像も流れました。

 2020年3月にはすでに厳しい取り締まりが開始されていますが、1日に10万人以上の陽性者を出した9月中旬まで増加しつづけました。その後ゆっくり自然減少に転じていきました。これだけ厳しく取り締まっても、コロナの死亡者は15万人を超えロックダウンによる経済被害と合わせ甚大な被害は免れませんでした。

 立法して警察組織が厳しく刑事罰を科しても、流行の急速な沈静化はできなかったのです。

 さてここで、日本の流行を見てみましょう。

 2019年末の計測できなかった大流行はさておいて、冬の流行は多い時でも1日に7000人ほどですでに下火になりました。こちらも昨年予想した2月ごろまでに急減するとお示しした通りに推移します。

 皆さんご存じの通り、昨年4月の緊急事態宣言に引き続き2回目が出されています。1回に比べると国民は緩い対応をしています。前回はGDP30%実質14兆円の損害を出したのに比べ、今回は半分の被害で済んでいます。

 菅義偉首相は2日、栃木県を除く10都府県で3月7日まで延長することを表明しましたが、流行が落ち着くにつれ一つずつ規制が解かれていくのではないかと思っています。

コロナウイルス対策による被害の要因

 まとめると、新型コロナウイルスによる被害は以下の3点に要約されると思います。

----------
1. 人類は、完全に封じ込めることはできない必ず、散発し蔓延する
2. その国の医療体制の普及充実度や国民の公衆衛生に依存する
3. 季節性コロナウイルスやワクチンによる獲得免疫が影響する
----------

 日本では、2と3が完備されていたので、1に対応したユルユル型の管理が功を奏しました。とてもよい方策だったと考えています。欧州では医療費削減により2が、インドは2と3が十分ではなかったことが推測されます。

 日本では、厳しい規制を行うとそれによる被害の方が大きくなってしまいます。1年以上経過し、国民の集団免疫は上昇しました。疫病は、ふつうは国土に広まった最初が一番被害が大きいものです。変異型にも、この期間に追加獲得した免疫による交差免疫で対応できることでしょう。

緩い日本のコロナ対策はむしろ多くの命を救った

 リアルな生活は人を守ります。

 私は、緊急事態宣言でも通勤電車に乗り診療を続けました。患者さんもがんばってクリニックを受診されました。採血、検尿、心電図、画像などの外来検査で大病が発見できた方がたくさんいらっしゃいました。

 胆石による閉塞性胆管炎、虫垂炎、尿管結石の方もいました。心臓にステントを入れたり、大動脈や膵臓、婦人科の手術をされた方もいました。緊急を要する脳の病気がMRIで判明した方もいらっしゃいます。リモート診療では行えない判断でした。

 コロナで混乱・遅延する外来をかき分け、総合病院の先生方と協力して加療しました。感謝される患者さんの電話をひきつぐスタッフも皆、クリニックを開け続けたことを誇らしく思ってくれています。医療現場では、感染症の一部にすぎないコロナ以外の病気対応の方がはるかに多かったのです。

 もし、欧米のような厳しいロックダウン(都市封鎖)が長期間なされ、私がクリニックに行けなかったり、患者さんが家で症状を過剰に我慢してしまったりしていたら手遅れになっていました。日本のコロナ対策がユルいからこそ、むしろ多くの命を救うことができたのです。

 また、私のクリニックには妊婦の患者さんが来院されます。コロナ禍と言われる最中でも、新しい命の誕生に携わることができました。今、お子さんの誕生を待っている患者さんも複数いらっしゃいます。最近では、ある栄養士さんは出産を経て、元気に復職されました。医師としてうれしいエピソードです。

 このように管理のユルさで得た恩恵がたくさんあったのです。掘り起こしPCRで市中の無症状陽性者を発見し、警察が取り締まったりしていたら、悪影響の方が甚大でした。診療も出産(計画)も見送らざるを得なかったかもしれません。

変わらない日常が心身を守る

 診療以外でも、私は何も気にせず新型コロナのPCR検査で陽性だった方や濃厚接触者になった方とも普段通り仕事をしてきました。

 先日、ある方から「先月コロナ陽性だったのですが、お伺いしても良いですか? 」と尋ねられた時は驚きました。「気にしないで一緒にお会いして仕事しましょう」と答えたところ、「普通に仕事していいかどうか心配でした。感動です」とおっしゃっていました。咽頭炎や胃腸炎、インフルが治ったことを気にする人はいないでしょう。新型コロナも、それと同じ話です。

 感染が国内で広がり始めたころ、1歩でも外に出たらウイルスを吸い込むかのようにメディアが視聴者を脅していた時期がありました。しかし私は基準を守り仕事を続けました。私のように、フェイクを排してファクトに基づいて同じペースで仕事を継続してきた方も多いでしょう。

 国が国民を信頼しちょうどいい制限を与え、民度の高い国民がそれに応えた日本式の勝利だと思っています。陽性者数とPCR検査を連呼するメディアは有害無用でした。

 私は食材を買いにスーパーに出かけ食事に気をつけ外で外気の中で運動し、コロナ中に体調を整えました。海外のように、厳格にひきこもりを強要されていたら体だけでなく心の健康も損なっていたに違いありません。

 実際、ロックダウンなどの行動制限を強力に科しているフランスではうつ病が2倍に増えています(注18)。人間は、外に出て光を浴びて自然の中でリフレッシュしたり人々と会話をしたりして心身の健康を保っています。

 強力な感染拡大予防対策やプライバシーの無い検査強要は、人間の尊厳や生き生きした生活を奪います。法律のもとに東京駅前や銀座で突然検閲が始まり肛門PCRのためにおしり出せと強要されて、何らかのウイルス陽性で隔離。それが平気でいられますか? 

罪なき疾患で罰するべきではない

 日本人は、よく同調圧力が高いと自嘲(じちょう)ぎみに話します。私は、決してそんなふうに思いません。「出る杭は打たれる」文化などと語られますが、海外における優れた人への妬みや中傷は日本の比ではありません。

 日本の外出制限は、「自粛の要請」にとどまり、ユルユルで罰則もありません。しかし日本人の多くが早く自宅に帰ります。そういう国民に対し、コロナ関連法案で刑事罰まで検討された際にはハラハラしました。幸い刑事罰はなく行政罰のみになりましたが(注19)私はそれも必要ないと思っています。

 無症状で広がる罪のない感冒疾患に国家が介入し個人を罰すること自体が問題です。弱い感染症や他の理由で、国民が恣意的に隔離されていく危険をはらんでいます。

 もし次の感染症が流行したら、無症状で平和に暮らしている国民の生活に国家の取り締まりが乗り込んできて暮らしが破壊されていくことでしょう。今回はPCR検査でしたが、うかがいしれない他の検査にとってかわるかもしれません。

日本は正解を選んだ

 今回、新型コロナで学んだことは多岐にわたります。

 そのひとつは、国民の自主性に任せて緩い管理をした政府・自治体と、それに応じて国民が自主的に頑張ったことです。ワクチンがやって来れば鬼に金棒です。

 法律を作って個人を取り締まることは解決にならないことも学びました。人々は、鎖国もロックダウンも解決にならないことを学びました。

 日本にとっては、実践してきたユルユル型対応が実は正解だったのです。必要以上の経済被害や国民の暴動を抑えながらも、集団免疫を獲得していく理にかなったものだったのです。

 無症状のまま広がって行くこのウイルス(注19)に対し緩い対策をとっても、日本では被害が少なく過ぎ去りました。今後、ウイルスが存在しても発症者が少ないなら迷惑な隣人ではありません。

 ヒステリックに「角を矯めて牛を殺す」ことにならなくて本当に良かったです。日本の対応は評価されて良いものだと思っています。専門家は、国民の自由な生活や移動の制限、生活の否定が主な仕事になってしまっています。人生で1度しかない修学旅行は中止しないでもらいたいと願っています。

 奥ゆかしさと謙虚さといった日本人の気質、日本のコロナ対策の長所についてはなかなか語られることはありません。私は臨床の現場にずっと身を置いて、日本の伝統や民度、医療制度の普及と継続の大切さを明言すべきだと実感しています。

 不十分な情報で比較的正確に未来を予測できた「日本のコロナウイルスは終わった。さあ旅にでよう」を今でもお伝えしたい気持ちです。

 私たちは、一周してさらに学びましました。

 日本はこのまま順調に再興し、コロナ以前よりも繁栄することが約束されています。元気よく暮らしていきましょう。

 

2021年2月 5日 (金)

【特別読み物】なぜ<顔は前向きなのか>口の発達から進化を考える

 なぜを向いてる生物進化をの発達から考えてみた 

現代ビジネス 2021年2月5日(金)11時01分配信/馬場 悠男(国立科学博物館名誉研究員)

----------
 ごはんをお腹いっぱい食べたい! ――太古の昔から、生物は命をつなぐエネルギーの吸収が最重要課題でした。膜を通して吸収するより効率良い吸収方法、つまり体の前端に取り入れ口を設けたのです。この時、「顔」の歴史は幕を開けたのでした。 やがて、入れるばかりの穴は、咀嚼機能を獲得し、食性の変化とともに、「顔」として複雑に変化していきました。今回は、顔のオリジナル構造ともいえる口を中心に、「顔」のできる過程をみていきたいと思います。
----------
あなたの顔は、環境に適応するための努力の結晶

 あなたが鏡を見ると、あなたの顔が見える。それはあなたが他人に見せている、あなた自身の姿にほかならない。では、あなたの顔はどこからやってきたのだろう。そしてこれから、どこへ行くのだろう。

 そもそも動物の顔は、食べるためにできあがった。やがて、外界のさまざまな刺激を感知するようになり、さらには情報を発信するように進化してきた。顔には、さまざまな動物がそれぞれの環境に適応するために努力してきた工夫が満載されている。だからあなたの顔は、動物進化が長い時間をかけて生みだした、究極の傑作なのだ。

Photo_20210206065101

 顔には、身体の部品(器官)のうち眼、鼻、口、耳などが集まっている。しかし、なぜこれらが1ヵ所に集まっているのか、そしてその領域を我々がなぜ顔と見なすのかはわからない。そこで、そもそも顔はどのような動物にあるのかを考えてみよう。

顔と認識できる条件とは

 イヌやネコなどの哺乳類、ツバメやフクロウなどの鳥類、ワニやヘビなどの爬虫類、カエルやサンショウウオのような両生類に顔があるのは、疑いがない。そこには、我々の顔と同じように眼、鼻、口、耳が集まっている。

 鳥類、爬虫類、両生類の耳は、「耳介」がないので見つけにくいが、鼓膜が皮膚に露出しているのでそれとわかる。

 魚類では、口と眼はすぐにわかっても目立った鼻と耳はない。それにもかかわらず、我々はそれを顔と見なしている。

Photo_20210206061902

 これらの顔はいずれも、左右対称という「体制」(身体の基本デザイン)を持ち、その正中部に前から後ろに連なる「脊椎」によって構成された「脊柱」を持つ脊椎動物なので、共通の基盤に立っていると理解してよい。では、節足動物ではどうだろうか? 

 脊椎動物とは体制の違うカブトムシやエビ、あるいはムカデのような節足動物にも顔がある。ただし、口と眼はあるが、鼻と耳は別のところにある。匂いを嗅ぐ鼻の役割は触角に、呼吸器としての鼻の役割は胸部から腹部の体節ごとの気門に、そして耳の役割は脚にある。

Photo_20210206062001

 これらの動物の顔はそれなりの存在感を持っているが、脊椎動物の顔と相同(起源を同じくする)と見なしてよいかどうかは難しい。頭部を形成するという大きな意味では相同だが、個別の部品に関しては相同とはいえないからだ。

 節足動物も、左右相称と分節構造という体制を持ち、前後の区別があることにおいては脊椎動物と同じである。では、前後の区別さえない、さらに原始的な動物ではどうだろうか? 

はじめに口ありき

 左右相称の動物は、一般に、決まった方向に比較的速く動き(速く動くために左右相称になったともいえる)、その方向が「前」になる。前端が、変化しつつある外界に最初に出会うのだ。

 食物に最初に近づくのも前端である。したがって、前端に口があり、そのほかの感覚器も集中することが望ましい。逆に見ると、口を前にして、一定以上の速さで動くと食物が入ってくるので、そのような動物に顔ができたともいえる。

Photo_20210206062501

 一定の方向に移動する動物の口が、咀嚼器のはじまりとなり、そのまわりに感覚器が集中することで、基本構造ができあがったのである。つまり、動物の顔はまず、水中の動物に、口がつくられたことから始まったのだ。このことを「はじめに口ありき」という言葉で端的に表現したのが、立教大学名誉教授で日本顔学会の初代会長だった香原志勢(こうはら ゆきなり)である。

 では、その顔のはじまりである口は、その後、どのように発達していくのだろうか? ヒトにもつながっていく脊椎動物の口の進化を追ってみよう。

口が動きを獲得したのはいつ?

 単なる穴である入り口が、口として独立するのに重要なのは顎であると言えよう。例えば、脊椎動物の原初の姿を示すといわれる頭索動物のナメクジウオには、身体の前端下面に口があり、眼や鼻はない。光は、脊髄につながる眼点で感じ取っている。おそらく、最初の脊椎動物もこのような姿をしていたことだろう。

 ナメクジウオの口は、多数の細かい外触手によって水底の餌を探して吸い込む構造になっているが、顎はないので単に吸い込むだけだ。

Photo_20210206062201

 円口類の一種であるヤツメウナギには、普通のサカナである顎口類のような顎はない。そのため無顎類とも呼ばれるが、口が吸盤のような構造をしていて、大きな魚に吸いついて暮らしている。

 口の中には鋭い歯がたくさんあって、皮膚をえぐり、体液を吸い取っていて、吸いつかれた魚は死んでしまうこともある。ヤツメウナギの暮らしぶりにはあまり共感はできないが、口と眼があるので、立派に顔を持っているように見える。ただし、彼もまた、顎がないので咀嚼することはない。

 ヤツメウナギという名前の由来は、顔から頸にかけて8つの眼があるように見えることだが、そのうちで本物の眼はいちばん前の眼だけであって、残りの眼らしきものは鰓孔(さいこう)、つまりエラの孔である。

Photo_20210206063101

 鰓孔はサメなどの軟骨魚類全般に見られる構造で、口から入った水を排出するための孔なのだ。硬骨魚では、鰓が集められ、鰓蓋の下にしまい込まれたので、鰓孔はなくなった。

 7つの孔の間には、酸素を吸収して二酸化炭素を放出する鰓と、それを支える鰓弓(さいきゅう)という骨がある。この鰓弓のうち、前方のものが発達して、上下の顎骨になった、というのが脊椎動物の顎の"はじまり物語"とされている。

Photo_20210206062601

 顎骨という頑丈な構造を持つ顎をつくりだした有顎類のなかから、デボン紀には、ダンクルオステウスなどの板皮類が栄えたことがある。彼らは太さが1メートルもある巨大な頭部を持ち、顎の骨がそのまま鋭い切縁を形成していた。それは、消化器の入り口が積極的に餌を捕らえようとすることで「顔」の存在感を高めたことを意味している。

"捕らえた"餌を"噛み砕く"

 獲物を捕らえて噛み砕く道具として、顎の骨の次に発明されたのは歯である。それは、軟骨魚のサメの皮膚にある骨瘤のような組織(皮歯)から発達したと考えられている。

 硬骨魚になると、多くの種が餌を丸呑みしてしまうようになったため、歯が生えていないものや小さな歯しかないものもいる。立派な鋭い歯が顎にたくさん生えているのはタイである。

Photo_20210206062801

 両生類と爬虫類は、餌をとるために上下の顎を持ち、歯が生えているという構造は似ている。いずれも歯は尖っていて、獲物を捕らえるか食いちぎるが、哺乳類のように噛みつぶすことはできない。それは鼻腔と口腔を隔てる口蓋が不完全なので、ゆっくり噛みながら息をすると、食物が気管に入って窒息するからでもある。

 爬虫類になると、顎骨にしっかりと歯が植わるので、強力な捕食行動が可能である。しかも、何回でも生え替わる「多生歯性」のため、万が一、折れても心配がない。私はそうではないが歯医者嫌いとしてはうらやましいかぎりだろう。

 ただし、爬虫類の歯はどれも同じ形で(これを「同形歯性」という)、犬歯のように尖っているので、細かく噛み砕く機能はない。大きな獲物は食いちぎって丸呑みしてしまう。

Photo_20210206064901Photo_20210206064401

 大きな餌を丸呑みすると、消化に時間がかかる。だから一般的に彼らは代謝速度が遅く、活発ではないし、寒い地域は苦手である。ヘビのように、大きな餌を食べたらしばらく動かない、冬には冬眠するという作戦を採らざるを得ない場合もある。

 哺乳類では、歯が切歯・犬歯・前(小)臼歯・後(大)臼歯と機能ごとに分化した「異形歯性」のため、とくに臼歯によって「細かく噛み砕く」ことができるようになった。これは硬く繊維質の多い食物を消化しやすくする効果がある。

 その結果、食いちぎった硬い食物をゆっくり噛んで、唾液も混ぜて消化しやすくなった。つまり、エネルギー生産の能率がよくなったのだ。そのことが、体毛の発達と合わさって、体温を高く保ち、活発な行動や、寒冷環境で棲むことを可能にしたのである。

Photo_20210206062901

 さらに、歯と顎骨の間には、前述した歯根膜ができて、歯に加わる強い衝撃を吸収するとともに、神経分布が密になることで微妙な圧力を感じて、咀嚼力を調整している。自分の歯をそっと触ってみると、いかに歯根膜が敏感かわかる。

 ただし、哺乳類の歯は、乳歯から永久歯へと1回しか生え替わらない「二生歯性」となったので、歯は大事にしないといけなくなった。

 哺乳類がエネルギーの生産能率を高め、生存環境を広げることになった口の機能発達は、異形歯性のためばかりではない。歯と密接に連動する、ある構造が関与している。

哺乳類には、歯の相棒、頬がある

 生類や爬虫類は、餌を丸みしてしまう。大きななら食いちぎることはあっても、噛み砕くことはない。それは、すべての歯が尖っていて(同形歯性)、細かくみ砕くことができないからだ。鼻腔と口腔も完全に分離されていないので、ゆっくりみながら息を吸うと食物が気管に入ってしまうこともある。

 哺乳類の特徴は、文字通り「乳で育てる」ことである。栄養豊富な乳があるから赤ん坊がよく育つことは、いうまでもない。イルカのように乳を舐めとる動物もいるが、乳を吸う場合には、口腔を陰圧にして、頬(正字では、偏が「夾」)と口によって口腔を密閉すると都合がよい。

Photo_20210206063901

 前にも述べたとおり、哺乳類の歯は爬虫類とは違って機能別に特殊化している異形歯性だ。哺乳類にとって頬が必要なのは、臼歯で食物をよくむときである。単純に食物がこぼれないためだけではなく、舌(舌筋)と頬(頬筋)が内と外から協力して、食物を上下の歯の間に適切に押し込むことが必要なのだ。ときどき失敗して舌や頬を噛んでしまうことがあるくらい、舌とは歯と密接している。

 細かく食物を噛み砕けば、消化が速いので、哺乳類は爬虫類に比べて代謝が高く、一定の体温を維持しながら活発な運動ができる。寒い地域でも暮らせるようになったのは、頬によって、口の機能は飛躍的に高まったためでもある。

 もともと口と顔の関係は、「食う」という生物としての最重要課題を満たすことから始まった。食う機能にはのちに、攻撃や威嚇という機能も含むようになる。しかし、残念ながら咀嚼器官は、我々ではすでに退化している。

 たとえば、臼歯は猿人になって拡大した。そして、原人以降では、歯全体が退縮した。これらの変化は人類が異なる環境に暮らしの場を広げていった際に、生息環境によって食物の質が違い、それに歯と顎が適応するからだ。犬歯は、攻撃の道具となり、暴力性と関係するが、初期猿人の時代には急速に退縮した。なぜこのような変化が起こったのかは、また別の機会に改めてお話ししたい。

ヒトならではの赤い唇は、何のためにある?

 本来は消化管の入り口の縁取りにすぎなかったにもかかわらず、頻繁にちょこまか動いて、顔の中ではやけに目立っている唇も忘れてはならない。ヒトに特有の唇は、解剖学では「赤唇縁」と呼ばれ、皮下脂肪がないので、毛細血管が透けて赤く見える。

 一般には、赤唇縁があるのは赤ん坊が乳首にうまく吸いつくためといわれる。ヒトの女性の乳房は、ほかの哺乳類と違って皮下脂肪が多いので、乳首がめり込んでいるからだ。ちなみに、乳房に皮下脂肪が多いのは、丸いお尻の魅力がここに転換したともいわれる。

 しかし、微笑んだり、甘い言葉を発したりして微妙に動く唇が、強烈なセックスアピールになることは誰でも知っている。古来、女性が口紅を塗る理由もそこにある。

 また、肌の色が白いと唇が小さくても赤い色が目立つが、肌の色が濃いと唇にもメラニンが多くなり赤い色が目立たない。そこで、たとえばアフリカ人に典型的なように、肌の色が濃い人々ほど、唇が大きい、あるいは縁が盛り上がって目立つようになっている傾向がある。赤ん坊吸乳仮説よりセックスアピール仮説が有力な根拠の1つだ。

Photo_20210206063501

 人類進化的に見れば、直立二足姿勢の発達とともに、咀嚼器官が退縮して歯列が後退したために、唇とその付近の皮膚の立体感が生まれた。そして、審美あるいは性選択の観点では、唇の上下の凹みと隆起は、唇の魅力をさらに引き立てている。とくに、陰影が勝負の大理石や石灰岩の彫刻を見るとそれがよくわかるだろう。

Photo_20210206063601

 こうして、「はじめに口ありき」で食物の取り入れ口は、食物や生活、行動の場の拡大にともなって咀嚼器として発達し、それとともに顔が顔として確立するようになった。ヒトでは、自由に動く手の獲得と、それがもたらした道具や文化の発達によって、意味を表す区切りをもつ有節音声言語をしゃべることが機能として重要になったことも忘れてはならない。顔全体で見るなら、口以外の目や耳といった主に感覚器官の発達も、顔の形成に関係している。

 この度、ブルーバックスより刊行された『「顔」の進化』では、こうした「顔」の形成の過程や人類学的な背景について、より詳しく解説した。ご一読のうえ、あなたの顔の由来と不思議を知るきっかけとなれば幸いである。

----------
「顔」の進化
あなたの顔はどこからきたのか
そもそもなぜ顏があるのか? 顏は何をしてきたのか? 太古の生物の体の最先端に、餌を効率よく食べるために「口」ができたときに、顏の歴史は幕を開けた。その後の激動は、いかにしてあなたの顔をつくったのか? 思わず鏡を見たくなる、顏に刻まれた進化の妙! 
----------

Photo_20210206063801

関連エントリ 2016/01/12 ⇒ 【ナショジオ】「史上最大霊長類」絶滅の原因✍「大きさ」!?
関連エントリ 2015/10/09 ⇒ 【ナショジオ】謎の“新人類”✍<ホモ・ナレディ>の正体!?
関連エントリ 2015/09/28 ⇒ 【ナショジオ】✍ヒトは何故「人間に成れたのか」を考えてみる
関連エントリ 2009/10/02 ⇒  所謂「ミッシングリンク」ってやつですか??

 

2021年2月 4日 (木)

【日経平均】4日ぶり反落<米金利上昇✍経済対策に期待>為替も堅調

東京外為〕ドル105円台前半ユーロ安背景に堅調(4日午後5時)

時事通信 2021年2月4日(木)17時30分配信

 4日の東京外国為替市場のドルの対円相場(気配値)は、じり高基調を継続する中、終盤にかけては「欧州勢がユーロドルで、1ユーロ=1.20ドル割れを試した」(信託銀)ことなどを背景に、1ドル=105円台前半で堅調に推移している。午後5時現在、105円19~19銭と前日(午後5時、105円02~07銭)比17銭のドル高・円安。

 早朝は105円前後で取引されたが、その後は時間外取引で米長期金利が上昇したことを背景に、正午までに105円10銭近辺に値を上げた。午後もドル買い・円売りの流れが続き、終盤は取引に参加した欧州勢が、軟調となっていたユーロドルの下値を試すのを目的に、ユーロ売り・ドル買いを活発化させたことが波及したとみられ、ドル円は一時105円20銭台に値位置を切り上げた。

 米金利上昇について、市場では「米国の新型コロナウイルス対策に伴う経済政策への期待が高まっていることが要因」(邦銀)との見方があった。ドル買い・円売りに関しては、「緩慢なピッチだった」(先の信託銀)と指摘が聞かれたほか、5日の1月米雇用統計発表を控えて様子見ムードが広がり、「やや値動きが抑えられたのではないか」(同)との見方もあった。

 ユーロは終盤、対円でほぼ横ばい、対ドルでは軟化。

 〔東京株〕4日終値 

<225種>28341円95銭前日比-304円55銭<TOPIX>1865.12前日比-05.97 

 企業業績コロナ前上回る予想 感染抑制失敗も、経済危機脱却 

THE PAGE 2021年2月4日(木)7時02分配信

 新型コロナウイルスの感染が深刻になっているにもかかわらず、米国企業の業績回復が鮮明です。第4四半期の決算はコロナ前をすでに上回るとの予想が出ていますが、なぜ米国企業は元気なのでしょうか。

 米国のリサーチ会社の調べによると、主要500社の2020年10~12月期決算は前年の同期より上回る見通しです。2020年の前半は各社とも大幅なマイナスでしたから通期では業績は悪化していますが、少なくとも直近の四半期ではコロナ前を上回ることになります。

 米国は3億人以上の人口を抱える大国ですから、コロナ感染者の絶対数も多く推移していますが、人口100万人あたりの感染者数も約7.5万人とやはりトップクラスです。米国人の一部はマスク着用を拒否するなどコロナ感染のリスクを気にしないようですが、バイデン大統領が就任早々、連邦政府の施設内でのマスク着用を義務付ける大統領令にサインするなど、慎重な人もたくさんいます。それでも米国の景気回復が早いことにはいくつか理由がありそうです。

 米国は雇用の流動性が極めて高く、あっという間に従業員を解雇しますが、再雇用も迅速です。米国企業はコロナ危機をきっかけに従業員の大量解雇を行い、2020年4月の失業率は一気に14.8%まで上昇しました。

 しかし、その後は急激に再雇用が進み現在では6.7%に戻っています。企業の新陳代謝も活発で、コロナ危機で多くの企業が倒産しましたが、一方で2020年の7~9月期において新規に立ち上がった事業は前年同期比で77.4%もの増加となりました。つまり米国の場合、解雇や倒産が激しいものの、復活も素早いという特徴があります。

 もうひとつの要因はテレワークの普及率でしょう。米国はコロナ前の段階からテレワークの実施率が85%と世界でも断トツのトップとなっており、今回のコロナ危機では何の問題もなくテレワーク移行することができました。コロナの感染拡大をきっかけに事業継続ができる企業はすべてテレワークに移行し、できなかった企業は事業から撤退。コロナ環境に対応した形で新しい事業が立ち上がっている様子がうかがえます。

 こうした現状を考えると、米国はコロナ感染の抑制には失敗していますが、経済的に見ると中国と並んでもっとも早くコロナ危機から脱却できた国のひとつとなりそうです。

 日本は雇用制度上、むやみな解雇はできませんし、政府の資金繰り支援によって企業の倒産はむしろコロナ前よりも低い水準で推移しています。大量解雇がなかった分、社会の混乱は防ぐことができましたが、企業の新陳代謝はあまり進んでいない状況です。しかもコロナの感染はこれから悪化する可能性も高くなっていますから、日本の景気回復はかなり遅れる結果となるかもしれません。

 ゲームストップ熱狂日本個人投資家かず 

Bloomberg 2021年2月3日(水)14時48分配信

 長期的なビジョンを持っているのか野心が欠如しているのか、あるいは単に英語が苦手なだけか?

 理由が何であれ、日本の個人投資家は世界中の市場を揺るがしたゲームストップ株取引を巡る熱狂に関わる気があまりないようだ。

 SBI証券の米国株の売買代金ランキングによれば、先週はオンライン掲示板「レディット」上の人気ページ「WallStreetBets」で注目されたビデオゲーム小売りチェーンのゲームストップよりも燃料電池のプラグ・パワーや人工知能(AI)を手掛けるシースリーエーアイなどの方が活発に取引されていた。

 東海東京調査センターの鈴木誠一マーケットアナリストは日本の個人投資家について、「まだおとなしい。1980年代だったら積極的に参加したと思うが、今は機関投資家みたいな動きをしている」と指摘。合理的な理由がないと買わないとみている。

 80年代のバブル経済崩壊後、リスクテークの意欲不足が日本の当局者を悩ませてきた。日本の個人投資家は為替取引では長く知られているが、株式については国内市場でさえも米国と比べて影が薄い。

 新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)に見舞われて以来、多くの国々と同様に日本でも株取引に参加する個人投資家が増えつつある。米国株を巡っては、2019年のオンライン証券会社の価格競争で取引手数料が無料となり、為替リスクにもかかわらず魅力が高まっている。100株単位での売買が主流の日本株と比べ、米国株の方が売買しやすい場合も多い。それでも、ゲームストップ株への投資はハードルが高過ぎるようだ。

 デイトレーダーの村上直樹氏は、日本の個人投資家が手掛けるのは大手企業だけだと指摘。アマゾン・ドット・コムのようなネームバリューがあってブランド認知度が高く、つぶれるリスクがほぼない銘柄が選好されると説明した。ゲームストップが最近のお気に入り銘柄の1つとなった韓国やインドの投資家とは対照的だ。

 韓国の証券保管振替機構(KDS)によれば、同国の個人・機関投資家は1月に外国株を差し引きで50億ドル(約5300億円)購入。月間ベースで2011年の集計開始以来の大幅な買い越しとなった。そのうちテスラ株が約98億ドルと最も多く、ゲームストップ株は5億5700万ドルに上った。

 村上氏は、日本の投資家には「英語という最後のハードルがある」と指摘した。

最後のハードル

 多くの日本の投資家は英語の決算報告書を理解するのに苦労しており、ましてネーティブスピーカーでさえ頭を悩ます「tendies(投資益)」「diamond hands(極めてリスクの高いポジションを維持する勇気)」「stonks going to the moon」といったWallStreetBets上の難解語彙については言うまでもないと村上氏は語る。

 レディットは世界で最も人気のオンライン掲示板の1つだが、日本を世界で2番目の市場とするツイッターとは異なり、国内ではあまり知られていない。

 そのため、 ゲームストップ現象はビジネス系メディアを騒がせたが一般の反応はいまひとつだった。野村証券の松沢中チーフストラテジストは今回の米市場での出来事を08年の「リーマンショック」になぞらえ、「レディット・ショック」と称して説明しようとしたが、そうした状況が日本の投資コミュニティーの困惑を示している。

 松井証券の窪田朋一郎シニアマーケットアナリストは「日本の個人投資家はそこまで米国株の短期トレードをしない。ばくち的な銘柄はやらない」と語った。

 しかし日本にも、WallStreetBetsの参加者と同様に、オンラインの情報に基づいてある銘柄を一斉に取引する行動から「イナゴ」と呼ばれる個人投資家たちがいる。

 鈴木氏は若者を中心にマザーズ市場への参加者が急増していることに触れ、「変化が出てきている」と指摘。 中には値動きの激しい銘柄を狙う人もいるして、「米国の方が少し早めに出ただけで、日本でも今後そういう流れが出てくるかもしれない」と述べた。

Photo_20210205090701 

 渋沢栄一の街づくりにかけている視点歩くと気づく田園調布空き家が増える事情 

東洋経済オンライン 2021年2月4日(木)10時01分配信/中川 寛子(東京情報堂代表)

 2021年2月から始まる大河ドラマの主人公であり、2024年度に一新される1万円札の顔となる渋沢栄一はしばしば日本資本主義の父と称されるが、彼は同時に日本の住宅地の父でもある。

 19世紀末、都市労働者の労働・居住環境改善のためにイギリスのエベネザー・ハワードが提唱した都市と農村の魅力を併せもつ理想都市「田園都市」の概念などの一部を日本に輸入、1922(大正11)年に洗足田園都市、翌1923(大正12)年に多摩川台住宅地(現在の田園調布)を開発したのが、渋沢らが設立した田園都市株式会社だったのである。

Photo_20210205090401Photo_20210205090501

 ことに田園調布は1980年に漫才師の星セント・ルイスが放った「田園調布に家が建つ」のネタで知られるようになり、ほかに同等(以上も含め)の住宅地があるにもかかわらず、高級住宅地の代表格として知られるようになった。だが、近年渋沢が脚光を浴びる一方、田園調布の凋落を指摘する声をよく聞く。空き家や空き地が増え、かつて理想とされた街並みが崩れているというのである。

同級生の多くが出ていった

 空き家が増えるのも当然、田園調布は住み続けられない場所だと話すのは、父の代からの住民である内海健太郎氏だ。地元の大田区立田園調布中学校の同級生は150人。半分の75人が男性だとして、多くは相続で家を持ちこたえられず、50代半ばの現在、今も地元に住み続けているのは5人ほどしかいないのではないか? という。

 「父は昭和に成功した企業の社長で息子は東大や慶應などを出て大手企業サラリーマンというパターンが多かったですね。田園調布の相続税は30代、40代のサラリーマンではとうてい払えない。事業を継いでいても会社がうまくいっていなければ同じ。私の場合は住宅関係の事業を継承しただけでなく、事業分野を拡大した経営をしており、それで住み続けることができましたが、総資産の3分の1は一度の相続で消えました」

 土地価格が高く、相続税が多額に及ぶだけではない。土地の利用について規制が厳しく、それが不動産継承のハードルになっているという声も多い。

 2005年に変更された最新の田園調布地区地区計画によると建築物の敷地面積の最低限度は165㎡(50坪)で、95坪の土地を相続する場合、基本的には2分割はできないことになる。建築物等の高さの最高限度は9mとなっており、一般的な第一種低層住居専用地域で10mが多いことを考えると厳しめ。

 さらに住宅地では4戸を超える長屋、共同住宅は建てられないなど建築物の用途にも制限がある。そのため、敷地を半分売って相続税に充てる、敷地内にアパートを建設、借入分で相続税の対象となる資産を減らし、かつ収益を相続税対策に使うなどの、よくある手が使えないのである。

相続税に対するリテラシーが低い

 だが、そうした制限は昨日今日で生まれたものではない。当初から田園調布にはこうしたルールがあった。それにきちんと対処してこなかったのが現在の衰退につながっていると指摘するのはメガバンクの支店長を経て2014年の著書『お金が貯まるのは、どっち!?』で一躍知られるようになったお金の専門家・菅井敏之氏である。

 同氏は2012年から8年間、田園調布の商店街でカフェを経営し、多くの人の相続も含めた資産の相談に乗ってきた。そこでわかったことがあるという。田園調布には経営者のほか、スポーツ選手や文化人、政治家などが多数住んでいるが、彼らは本業には才能があるものの、相続に関するリテラシーは低く、さらにそれをアドバイス、サポートする人がいない。

 「こうした人の多くはプライベートカンパニーを設立、税理士も銀行もついており、節税には熱心ですが、税理士で能動的に相続対策を進言する人は1割もいないでしょう。銀行も会社のある都心部に口座があることが多く、大企業の顧客が多い都心支店では個人会社は零細な取引先。個人の状況を推察することはありません」と菅井氏。

 「地元の支店が相続絡みで提案をしたくてもハードルが高く、かつ金融機関はこうした場合の問題解決の手となる不動産の活用については知識がありません。そこで何の対策もしないままに相続を迎え、税金が払えないと家を手放すことになるのです」

 親の死が絶対に避けられないものであると同様、財産があれば相続は必ず発生する。田園調布に住んでいるなら、相続税が多額に及ぶことはわかっているはず。親が高齢になってから慌てるのではなく、元気なうちから備えておくべきだというのだ。

 手はいろいろあるが、菅井氏はまず2つの点を意識すべきだという。1つは家計を収入と支出のバランスからだけでなく、資産も含め、BS(貸借対照表)で見るということ。もう1つは企業の経営同様、親と子の資産を連結して考えるということである。

 1つ、具体的な例を示そう。田園調布に自宅を所有しているリタイアした親は不動産という資産を持っている。家計簿的な感覚で収入と支出だけで見ると相続税は払えない計算になるが、資産に目を向けると大きなアドバンテージがあることがわかる。

 さて、親はすでにリタイアしており、借金をするための信用、時間、場合によっては現金を持っていない。だが、現役で働いている子どもがそれらを持っているとしたら、それぞれの資産を持ち寄って「連結」すれば借金ができる。親の土地を担保にすれば借り入れが起こせるのである。それを利用して田園調布以外の土地で不動産経営を始めたらどうだろう。相続税支払いに必要なキャッシュを得ることができるようになるのではなかろうか。「日本の個人資産のうちの6割は不動産。それを活用すれば道は開けます」と菅井氏は言う。

コロナ禍の今なら貸し出すという手も

 コロナ禍で広い家、自然豊かな住環境を求める人が増えた今なら、親の住宅を手放すのではなく、手を入れて賃貸に出すというやり方もありうる。

 コロナ以前から都心部では4LDKなどファミリー向けの高額賃貸が不足しており、新築が出ると広い部屋から埋まるという状態が続いている。これまでは六本木や赤坂など超都心のタワーマンションなどが選ばれてきたが、テレワークが行えるようになった今ならそれよりは多少郊外でも広い庭があるなど住環境に優れ、車での利用も便利な田園調布をよしと思う人はいる。通販やデリバリーが一般化した今なら、駅周辺にしか商業施設がない点も不便とはされないだろう。

 相続した家を貸した家賃と本業で貯蓄、それを原資にしてさらに不動産を運用するという手を使えば、いずれ貸した家に戻ってこられることもありうる。時間はかかるし、よいビジネスパートナーを見つける必要もあるが、それができれば親の資産を手放さなくて済むだけでなく、新たな資産を加えることもできるのだ。

 これからの相続であるなら早いうちに対策を立てればいいが、すでに空き家、空き地になってしまったものはどうか。

 内海氏は地区計画区域外で欧米に多い連棟式、地下に駐車場を作った建物を計画。共用部を広く取って田園調布の緑豊かな環境を守りつつ、一戸建てを買うよりは多少なりとも安価な価格で提供することで若い居住者層を呼び込むことを考えている。

 「空き家ももちろん問題ですが、敷地に対してゆったりと庭を取って建てられていたかつての田園調布からすると今は外に対して窓のない威圧的な壁の家を作ったり、植栽ではなく塀を立てた、街の趣旨とは違う建物も横行するようになっています。最低面積は守っていても緑、余裕のない住宅が並ぶようになったら田園調布のよさは失われます」

 そう言いつつ、内海氏は渋沢の街づくりに甘さがあったのではないかとも指摘する。ハワードが建設したレッチワースの街並みの表面だけを見て、それをつくろうと考えたのではないかと。時代を考えるとそれだけでも十分評価すべきだが、加えて街並みを守っていこう、自分の家も景観の一部であるという意識が必要だったが、その理想が伝えられておらず、ルールも作られていないというのである。

 それが自分の家なら何をしてもいいという考えや、長く使い続けるという発想のない家作りにつながり、短期間での建て替え、そのための過大な住宅支出、中古一戸建ての流通阻害などの原因となっているのではないか。土地や不動産の所有の在り方など、欧米との根本的な差異を踏まえた検討が必要だったのではないか。

田園調布以降、街は住むだけになった

 その観点からすると、レッチワースが住のみならず、職や農、娯楽施設なども含めた複合的な街であるのに対し、田園調布、そしてそれ以降の住宅地が「住む」という単機能の街になった点も指摘すべきだろう。レッチワースに倣ったのであれば、なぜ、そこを捨てたのか。渋沢が田園調布をそうした街として作っていれば、それ以降の日本の住宅地の姿も変わったかもしれない。タイムマシンがあるなら過去に戻って渋沢を問い詰めたいところである。

 とはいえ、昭和に建設された郊外のゆったりした住宅地を再評価する機運が生まれ始めるなどコロナ禍で求められる住宅、住環境は変化している。田園調布の街自体の魅力、住宅のゆとりを考えると、再度、憧れの街として見直される可能性は十分にある。

 そのためにはまちの現状を問題視して、なんとかしようという動きが地元に欲しいところだが、高度経済成長期、土地の切り売りが始まった時期には危機感からそれを阻止するためのルールが作られたものだが、現在は高齢化が進み、危機を感じる人もいないのだろうか、現時点ではうわさすら耳にしない。歩いてみると空き地や空き家だけでなく、外構などに手が回らなくなったのであろう荒れた雰囲気の住宅も明らかに増えている。

 オフィス街や商店街でならありうるエリアマネジメントはプライベートに踏み込まざるを得ないため、住宅地にはほぼなく、田園調布も例外ではない。渋沢はとうの昔に亡く、田園都市株式会社(現在の東急)ともとくに関係があるわけでもない田園調布には現状、音頭を取る存在は見当たらない。

 状況はあまりよろしくはないが、それでもこれから相続の発生する人たちが資産を維持し続けることができれば、それが砦となって現状を維持、少しずつでも変えていけるのではないかと期待する。これから相続を迎える田園調布の皆様にはぜひ資産を手放さずに済む賢い選択をしていただきたいものである。

 

2021年2月 3日 (水)

【マスク義務化】バイデン氏✍大統領令「公共交通機関の利用時」全米で

 米国公共交通機関マスク着用2日から義務付け 

ロイター 2021年2月2日(火)15時33分配信

 米国で公共交通機関でのマスク着用を義務化する新ルールが2日から施行された。航空機内や電車、バス・タクシーの車内のほか、空港や駅などでも着用が義務付けられる。

Photo_20210204113201

 新ルールは米疾病対策センター(CDC)の指示によるもの。バイデン大統領は就任直後の1月21日、政府機関に対し「数百万人の公共交通機関職員を含む全米国民の安全を確保し、命を救う」施策を定めるよう求める大統領令に署名した。

 航空機乗客の権利保護団体「FlyersRights.org」は、社会的距離政策の厳格化や検温などと並び、「N95」「KN95」や医療用など微粒子にも対応するマスクの義務化に踏み込むよう求めていたが、CDCの指示では手作りのマスクも可となった。

 米運輸保安庁(TSA)は31日、マスクを着用しない乗客の搭乗を拒否し、民事罰を課す方針を発表した。この規定は少なくとも5月11日まで実施される。 

 新ルールはほぼ全ての交通機関を利用する2歳以上の乗客に適用されるが、自家用車やワンマントラックの運転手は除外対象となる。

 アメリカン航空は顧客に対し、障がいなどでマスクの着用ができない場合、出発の72時間前までに同社に通知するよう義務付けるとともに、出発の3日以内に受けた新型コロナウイルス検査での陰性証明または回復証明を提出するよう要請した。

 デルタ航空のエド・バスティアン最高経営責任者(CEO)は1日、これまでにおよそ950人の搭乗を拒否したことを明らかにした上で、新ルールにより乗客のマスク着用を求めてきた同社の方針がさらに擁護される、と歓迎の意を示した。

Photo_20210203115701

 大統領執務室ボタン撤去押すダイエットコーク 

朝日新聞デジタル 2021年1月24日(日)5時00分配信

 トランプ前大統領の時代に米ホワイトハウスの大統領執務室に設置されていた「赤色のボタン」が、バイデン大統領の就任後に撤去されたとして話題になっている。ボタンはかつて大統領の机の上に置かれ、それを押せば「ダイエットコーク」が執務室まで運ばれてきたという。AP通信など複数のメディアが「ダイエットコーク ボタン」などとして報じている。

 報道によると、このボタンはトランプ氏の在任期間中、大統領執務室の机上に置かれていた。複数の記者の目撃談として、トランプ氏がボタンを押すと、執事がコカ・コーラ社のダイエットコークを運んできたなどと伝えている。米誌ニューズウィークは、トランプ氏は無類のダイエットコーク好きで、1日に12杯飲んでいたといううわさもあったと報じている。

 ボタンは超大国の大統領の机上にあり、しかも緊急性を連想させるような赤色だった。米誌タイムによると、執務室を訪れたある記者が「それは核兵器のボタンですか?」と聞くと、トランプ氏は「違う。だけど、みんなそう思っているようだ」と言って実際に押して見せたこともあったという。

 今月20日にバイデン政権に移行した後、このボタンがなくなったことに気が付いたのは、以前にトランプ氏に直接取材したことがある記者だった。

 英ラジオのコメンテーター、トム・ニュートン・ダンさんは2019年に執務室でトランプ氏に直接取材した。日本時間の今月22日、ツイッターに「トランプ氏がボタンを押すと、執事がすぐに銀色の大皿にダイエットコークを載せて持ってきた。ボタンはもうなくなってしまった」と写真と一緒に投稿すると、24日午前0時時点で「いいね」は13・5万件を超えた。「そんなボタンが存在したのか…」と驚く声のほか、「執務室に冷蔵庫を置けばいいのに」などの反応があった。

 コロナを語る“専門家”信頼できる人とできないどう見極めれば良いのだろう?

文春オンライン 2021年2月4日(木)6時12分配信/佐々木 俊尚(評論家)

 どの情報が正しく、どの情報が間違っているのかを判断するのがとてもむずかしい時代になっている。

 ツイッターやウェブメディアなどインターネットの情報はもともと玉石混交だし、では新聞やテレビを信用できるのかというと、福島第一原発事故から新型コロナ禍にいたる間に、完全に信頼は失墜してしまったと私は受け止めている。

 では専門家の意見なら信じられるのか。しかしこれも確実ではない。「専門家」と呼ばれていても、怪しげなことを言う人が少なくないからだ。

 たとえばコロナ禍では、たくさんの医師や研究者がテレビのワイドショーに出演したり、ツイッターで発言したりしている。医師が感染症について語ってるのだから信頼できるだろうと多くの人は思ったし、私も初期は漠然とそう思っていたが、実はそうでもなさそうだというのは、2020年春に緊急事態宣言が出るぐらいのころからだんだんわかってきた。

 さらに厄介なのが、もともとは信頼できる専門家だったはずが、テレビに出演して持て囃されているうちに、だんだんと信頼度を落としていってしまうという闇落ちのような人もいるという現実だ。

信頼できる専門家がテレビに出て闇落ちする理由

 私も仕事で接触することが多いが、テレビの世界というのは、けっこう魔界である。魔界というのは、怖いプロデューサーやディレクターに恫喝されるとか無理強いされるとかそういうことではなく、まったく逆である。テレビのスタッフはみんな優しい。優しすぎて恐縮してしまうぐらいに皆さん物腰柔らかくて丁寧だ。

 だから出演者は素直な人になればなるほど、スタッフが求めているものを察するようになって、それに合わせて発言するようになっていく。その空気に反してでも言いたいことを言う専門家はいるけれど、そういう人はだんだんと呼ばれなくなったりして、姿を消していく。気がつけば、番組の空気に染まった人だけが残っていくということになる。

 全員ではないと信じたいが、テレビの人は、科学には弱い。もちろん科学番組を作ってる人たちはそんなことはないが、ワイドショーを作ってるような人たちはたいてい科学に弱い。「テクノロジーが人を幸せにするのでしょうか」というような昭和的な反テクノロジー・反科学的な姿勢が、ジャーナリズムにはいまも重要で有効だと信じてる人が多いのだ。そんな考えはとっくに時代遅れなのに。

 だからテレビのスタッフには科学的な専門家を見抜く知識はそもそもないし、もともとが反テクノロジー・反科学な人たちだから、そういう考えに沿ってくれるような専門家を求めてしまう発言を強要することはないけれど、そういう空気感に染まってしまう「専門家」だけがテレビの現場に残ってしまう。おまけにそういう「専門家」は、空気への順応力がもともと高いこともあって、物事をめちゃめちゃ単純化してわかりやすく話すことが得意だったりするので、ますます手に負えなくなる。これが「闇落ち」の構図だ。

ツイッターでも有名人悪名人

 闇落ちの穴は、テレビのスタジオにだけではなく、ツイッターにもぽっかりと開いている。なぜならツイッターでは、過激で目立つことを言ったほうがバズりやすいからだ。当初はまっとうな発言をしていた人も、つい口走ってしまったことが思わぬバズになったことに味をしめてしまい、同じことを繰りかえすようになる。気がつけば闇に落ちている。

 闇落ちしたワイドショーのコメンテーターもツイッターユーザーも、これで私は有名人になったと内心喜んでいるのかもしれないが、その世界の専門家集団や良識ある人たちからは、眉をひそめられている有名人ではなく、言ってみれば「悪名人」である。

 そして問題なのは、悪名人たちは決していなくならないということだ。福島第一原発事故のときにさんざんデマ的な言動をふりまわした人が、いまもテレビのワイドショーに普通に出ていたりする。

 新型コロナでおかしなことを言ってる医療関係の人も、きっとそのままテレビで重宝され続けていくのだろう。テレビや新聞の業界が根本的に変わらない限り、この構図は終わらないと思う。そしていまのマスメディアに、そんな自浄作用はない。

 だから一般社会のわたしたちは、この構図が改善されることをあまり期待できない。できることがあるとしたら、自己防衛しかない。つまり、より良い情報がちゃんと得られるような迎撃体制をとっていくということだ。

 そこで、わたし自身がかねてから行っているひとつの迎撃方法を紹介しよう。それは専門家の「集団知」をフォローしていくという方法である。

信頼できる専門家から芋づる式に

 ひとりの専門家は、一見してどんなに優秀で誠実そうでも、その人の発信が正しいかどうかは門外漢にはわからない。医療など専門性の高い分野では特にそう言える。しかし信頼できる専門家はたいていの場合、他の信頼できる専門家たちから信頼されている。

 これは1990年代終わりにグーグルが検索エンジンで世に出てきた時、売り物にした「ページランク」という技術と同じ構図だ。良い記事からリンクを貼られている記事は、良い記事である私は以前から、医療で良い発信をしている何人かの人たちをツイッターでフォローしていた。

 ここから徐々にスタートし、彼らが紹介している医師や研究者のアカウントをフォローし、さらにはこの方たちが紹介し評価している記事やツイートを読んで、それらを書いている人もフォローし、だんだんと信頼できる専門家の人数を芋づる式に増やしていって、「COVID-19」という名前をつけたプライベートなリストにこれらの方々のアカウントを追加していった。

 このリストに入っている医療の専門家の人数はいまは数十人にもなり、毎日かれらのツイートを追いかけていくのはたいへんだが、信頼評価がしやすくなったという点においては絶大な効果があった。

専門家の群れをウォッチすると見えてくるもの

 この専門家の「群れ」を追いかけていると、さまざまに面白いできごとが起きる。

 当初は信頼されていた専門家Aさんが、あるときにふと別の専門家から「あれ、A先生がちょっと不思議なこと言ってる」「どうしたんでしょうね」と言われ、さらに「A先生は最近ちょっと過激だから」「A先生の言うこと真に受けちゃダメよ」などと言われるようになり、気がつけば「A先生は前はまともだったのにねえ」「A先生がまたおかしなことを言ってる」と言われるまでになったり。

 逆のパターンもあった。いきなり過激な発言で登場してきた専門家B先生がいて、当初は「あんまり信用できない感じがするなあ」と遠くからウォッチしていたのだけれど、「群れ」を見ていると、B先生を擁護する意見がけっこう多いことに気づく。

「B先生はコミュニケーションちょっとおかしいけど、本邦最高の権威なのは間違いない」「B先生はもう少し表現変えないと、信頼を落とすばかりでは」「言ってることは正しい」

 さらには「仲の悪いはずのB先生とC先生が同じことに賛同してたら、それは正しいのだ」という人間関係による判定方法を学んだり。

 このように「群れ」の人間関係までうっすらとわかってくるようになると、さらに理解は深まってくる。毎日リストを見ていると、新型コロナに対するいま現在の医学界の共通認識がどのようなものかもわかってくる。

 新型コロナのような新しい感染症では、研究結果などがどんどんアップデートされていくので、昨日まで正しいと思われていたことが今日には改められていたりする。

 そういうアップデートをきちんと追いかけていくうえでも、「群れ」ウォッチは有効だった。テレビに出てる専門家を妄信するのではなく、このように専門家の群れを観ていくようにしようというのがわたしの提案であり、この迎撃方法は少なくとも医学などの分野にはかなり有効だとわたしは考えている。

 なぜなら医学のような自然科学の分野では、専門家の共通理解というものが世界的なレベルである程度は存在するからだ念のために付け加えておくと、この方法は残念ながら人文系の学問には通用しないことが多い

 最近よく批判されている社会学なんかが典型だが、専門家の共通理解というものがあまり存在せず、イデオロギーなどに影響を受けやすい

チープな情報に惑わされないために

 もうひとつの問題として、「闇落ち専門家」だけのリストを作ってしまう人が出てくる危険性もある。

 そういう闇落ちリストを信じてしまう人がいたら、たいへんな悲劇である。しかしなるべく広く専門家の「群れ」をウォッチしていくと、そういう闇落ち専門家の発信というのは、多くのまっとうな専門家たちの考えからは著しくかけ離れていることがすぐにわかるはずだ。

 闇落ち系の人はたいてい、本来の専門家の集団からは孤立しているたまに「専門家は嘘ばかり言ってる! 彼らは御用学者だ! ワイドショーに出てる○○さんが本物だ」と叫んでる人もいるが、そうなってしまうのはウォッチする範囲があまりにも狭すぎるからだ。

 そうではなく、なるべく広く群れをウォッチし、そこから信頼できるリストをつくって、その方々の発信や見解などをトータルで追いかけていく

 この方法をきちんと押さえれば、ワイドショーや新聞のチープな情報に惑わされない迎撃体制を個人として固めていくことができるだろう。

 ぜひ一度試してみていただきたい。

 米国新型コロナ死者数今年だけで10万人突破 

CNN.co.jp 2021年2月3日(水)13時10分配信

 米国で新型コロナウイルスによる死者が今年に入ってすでに10万人を突破したことがわかった。米ジョンズ・ホプキンス大学の集計で明らかになった。

 米国では今年の1月1日以降、10万317件の新型コロナウイルスによる死亡が報告されている。新型コロナウイルスの感染が拡大して以降、今月2日までに死亡した人の数は44万6689人。

 米国で新型コロナウイルスに関連した死者が初めて出たのは2020年2月29日でワシントン州でのことだった。その後、昨春にカリフォルニア州でそれより前に死亡した2人についても死後に新型コロナウイルスが確認された。

 ジョンズ・ホプキンス大学によれば、新型コロナウイルスによる死者数は米国が世界で最も多い。2番目がブラジルの死者20万人超。メキシコやインド、英国では10万人以上の死亡が報告されている。

 米国で少なくとも1回、新型コロナウイルスのワクチン接種を行った人の数は、新型コロナウイルスの感染拡大の間に米国で報告された新規感染者の人数を上回った。

 ジョンズ・ホプキンス大学によれば、この1年間で報告された感染件数は2630万件超。

 米疾病対策センター(CDC)によれば、2カ月未満の間に2640万人にワクチン接種が行われた。

 ただし、それは新型コロナウイルスの感染拡大が収束することを意味しているわけではない。

 研究者によれば、新型コロナウイルスに感染している人の数は報告された人数の4倍に及ぶ可能性がある。CDCの1月半ばの推計では、新型コロナウイルスが流行して以降、実際には8310万人が感染した可能性がある。

 感染力が強いとみられる変異株も米国で見つかっており、すでに新型コロナウイルスに感染した人も再感染する恐れがある。

 2度のワクチン接種を行った人数は米国の人口の1.84%にとどまっている。米国人の大部分がワクチン接種を受けるには少なくとも数カ月かかるとみられている。

Photo_20210204113001Photo_20210204112401

ファウチ博士ワクチン接種後自由無し」と警鐘

Forbes JAPAN 2021年2月3日(水)12時30分配信

 米国では国内全土で新型コロナウイルスのワクチン接種が始まったが、同国の感染症分野の権威2人は米国民に対し、旅の計画を立てるにはまだ早過ぎると警告している。

 米疾病対策センター(CDC)のロシェル・ワレンスキー所長は米CNNテレビが開いたオンライン討論会で、「現在は国内外問わず旅行に適した時期ではないことを強調したい」と指摘。国内便などで長距離移動をする人に対する検査を増やすべきだと主張した。

 討論会は視聴者が参加するタウンホール形式で行われた。ある女性は、ワクチンの2回目接種を終えた後、どれくらい時間がたてば安全に旅ができるかと質問。米国立アレルギー感染症研究所(NIAID)のアンソニー・ファウチ所長は「予防接種を受ければ自由に移動してもよいというわけではない。また、私たちが常日頃言及しているさまざまな公衆衛生上の措置に従わなくてもよいというわけでもない」と回答した。

Photo_20210204113202

 ファウチ博士によると、免疫が最大になるのは2回目の接種から10日~2週間たった後だが、2回目の接種を終えた後でも必ずしも自由に動いてよいわけではないという。「ワレンスキー博士が述べたような状況は変わらない。移動は良い考えとは言えない。それに尽きる」

 ファウチ博士は、2度目のワクチン接種を受けた後でもマスクを着用することが重要な理由として、ワクチン試験の主な目的は顕性感染(症状を伴う感染)の有無を調べることだったと説明。「もしかしたら症状は出ないものの感染し、鼻咽頭にウイルスを持っているかもしれない」と指摘した。

Photo_20210204112601

 つまり、接種を受けた人でも、ウイルス保有量が非常に少ない状態で感染するかもしれないということだ。「他者を感染させないようにするため、またあなた自身も完全に安全だとは限らないことから、マスクを着用する必要がある」とファウチ博士は説明している。

 ファウチ博士は、予防接種を受ければ感染拡大を防げるのかどうかについて「確実には分かっていない」と述べ、米政府が今後、無症状感染者の中でのワクチン接種者と未接種者の間のウイルス水準を比較する調査を計画していると説明した。

Photo_20210204112501

 

2021年2月 2日 (火)

【コロナ第3波】栃木県除く10都府県<緊急事態宣言>延長✍3月7日まで

 緊急事態宣言10都府県延長 37日まで、栃木は解除 

共同通信 2021年2月2日(火)16時04分配信

 菅義偉首相は2日の衆院議院運営委員会で、新型コロナウイルス特別措置法に基づく緊急事態宣言に関し、発令中の11都府県のうち栃木県のみ解除し10都府県で延長すると表明した。今月7日の期限は3月7日までとする。新たな感染者数は全体として減少傾向にあるものの医療体制は依然、逼迫しているとの専門家の見解を踏まえた。

 首相は議運委で「対策を徹底して、速やかに解除できるように全力で取り組みたい」と述べ、状況が改善すれば繰り上げて解除する意向を表明。高止まり状態の病床使用率を下げるため、入院者数、重症者数を減少させる重要性も指摘した。

 コロナ補正予算なぜか5000億円の大学ファンド」…財務省の「金の延べ棒」まで急浮上した不都合な真実 

現代ビジネス 2021年2月2日(火)7時31分配信

コロナ補正予算に5000億円大学ファンドって…?

 今年度の第三次補正予算が1月28日に成立した。総額は19兆円超にも及ぶが、緊急事態宣言を発令するおよそ1ヶ月前に取りまとめたものであり、新型コロナ対策費には4兆3500億円を計上したにすぎない。

 第三次補正予算の半分以上は「ポストコロナに向けた経済構造の転換・好循環の実現」と題した分野で、内訳として「デジタル対策」や「カーボンニュートラル」、「Go Toトラベル」などの項目が並ぶ。

 そんな中の一つに、「大学ファンド創設に5000億円」という予算がついている。

 この「大学ファンド」とは一体なんなのだろうか。萩生田光一文部科学大臣の説明によると、「我が国の大学の財務基盤の抜本強化、若手人材の育成支援を進めるために、10兆円規模の大学ファンドを創設する」(1月15日の記者会見)ということだそうだ。

 1月26日の文部科学委員会でも、萩生田大臣はハーバード大学やスタンフォード大学などを挙げ、「欧米の主要大学は寄付金などを原資とした数兆円規模の大学ファンドを有し、その運用益を人材や研究設備に投資することで充実した研究基盤を構築している。このような取り組みがわが国と欧米との研究環境の差の一因となっている」と述べている。

 これに対して、衆議院文部科学委員会に所属する立憲民主党の牧義夫議員は疑問を呈する。

 「そもそもハーバード大学やスタンフォード大学は私立大学です。政府が大学ファンドを作るというのとは全然違った話です。寄付を集める風土も全然違います。それに日本でもいくつもの大学がデリバティブなどの運用で失敗して多額の損失を出したことがあります。官製ファンドだからうまくいくという保証はどこにもない」

5000億円の原資は財務省に眠る金の延べ棒

 この「大学ファンド」はまず政府が5千億円を出資し、財政投融資からも4兆円を確保して運用を開始し、将来的に10兆円規模のファンドにしたいという構想だ。

 形式としては科学技術振興機構(JST)にファンドを設置し、JSTが運用を委託して運用益を得る仕組みとなっている。

 そのため、今回まず補正予算で5千億円の歳出が決まったわけだが、この5千億円の原資がややこしい。

 1月26日の文教科学委員会で牧議員の質問に対して財務省の回答は以下のようなものだった。

 「財務省の造幣局は天皇陛下の御即位やオリンピック開催などでの記念金貨を発行するための原材料として金を保有している。今回、国の資産を有効活用する観点から必要な量を除いて売却することにした。しかし、市中売却をすると市場への影響が大きい。そのため外為特会(外国為替資金特別会計)において外貨準備の運用として金を取得することにした。

 一方で、日本銀行はコロナ禍で緊急時の外貨資金供給のために外貨を必要としていた。そのため、外為特会が持っている外貨を日銀に売却した。財務省と外為特会と日本銀行と三者の必要性が合致したのでこういう形になった」

 一度聞いただけだとよくわからないが、要するに、

財務省は保有していた金を売って現金を得たいただし市中への売却はできない
日本銀行はコロナ禍で急に米ドルが必要となった
という両者の思惑が『たまたま』一致したため、それを実現するために、
財務省は保有している金を外為特会に渡す外為特会は保有している米ドルから5千億円相当分を日銀に渡す日銀は5千億円を外為特会に渡す外為特会は5千億円を財務省に渡す

 という三角トレードのような形をとったということだ。

 牧議員は首を傾げる。

 「まさに錬金術と言っていいくらいの非常に手の込んだ芸当です。しかし、日本の科学を推進するための立派な資金なのに、なぜこんな方法を取らないといけないのでしょうか。まるで『学費を出したくてもお金がなかったので、家中を探っていたらたまたま押入れの中から金の延べ棒を発見した』みたいな話です。こうまでして捻出しないとこれからの国家百年の計を立てることができないのかと心配になります」

具体的なことが全然決まっていない。元本割れも…

 では、実際にファンドはうまくいく見込みはあるのか。

 「文科省はGPIFに倣って3%程度の利回りを確保することを考えていると言っています。しかし、GPIFは株の売買も含めての運用益で3%程度になっているだけで、配当によるインカムゲインに限ると1.6%程度でしかない。しかもGPIFは途中でキャッシュアウト(現金化)しないが、大学ファンドはキャッシュアウトして大学に分配するため複利が期待できない

 その上、利益を上げた時はキャッシュアウトする反面、損失を出した時には一体どうするのか。その時は一切配分ができないことにもなる。当然元本割れをするリスクもあり、そのリスクは決して小さくない」(前出・牧議員)

 実際、萩生田大臣もこのファンドについて、「財務省もかなりリスクがあると思ったんだろう」と説明しており、その5千億円については「リスクヘッジ」とも表現している。

 不鮮明なのは原資だけではない。今後の運用に至るまでのプロセスもまだ決まっていないことが多いのだ。

 「決まっているのは、4兆5千億円でファンドを始めるということと、運用元はJSTであるというだけですJSTが誰を運用担当者に選ぶのか、運用益はどういう基準で配分するのか、責任体系はどうなっているのかなど、何も決まっていない順番が逆だと思います」(前出・牧議員)

緊縮財政が将来世代にツケを回している

 そもそもなぜこのような「大学ファンド」が必要なのか。

 同じく衆議院文部科学委員会に所属する自民党の安藤裕議員は緊縮財政の発想から抜け出せていないことが根本にあると指摘する。

 「予算に制約がある中でなんとか高等教育の予算を確保したいという発想で作られた。だから5千億円の原資も本予算ではなく補正予算に入れ込んだのでしょう。財務省が金の延べ棒を5千億円に換えて支出したのも、あくまで特別会計でやりたいということだと思います。

 しかし、そもそも財源がないと思っていることが間違いです。国債を発行して財源を確保すればいいだけです。10兆円ファンドがたとえ3%の利回りを実現できたとしても3千億円にすぎません。それよりも本予算に3千億円を増額して組み込むべきです。緊縮的な考えで政策を作るから大学ファンドのような奇策が出るわけです」

 文科省から各大学に分配される運営費交付金は平成16年の1兆2415億円から平成30年には1兆971億円と1割強も減らされている。

 また、主要国における研究開発費では、政府負担割合はOECD平均で25.13%だが、日本は14.56%と極めて低い。

 大学においてもアメリカや中国、ドイツなどが大きく大学等での研究費を大幅に増やしている中、日本はほぼ横ばいで推移を続けている。

Photo_20210203054701

 それにもかかわらず、予算を増やすのではなく、欧米のトップ私立大学に倣ってファンドを設置するというのは違和感を禁じ得ない。

 「まずは本予算で教育や研究開発に関する予算を大幅に増額することから始めるべきです。そのためにも財政的な制約があって予算を大幅に増やすことはできないという前提認識をまず改めるべきです。国債を発行すると『将来にツケを回している』と揶揄する人がいますが、これからの日本を担う若い世代に十分な予算を確保することは『将来世代に投資する』ことであってツケを回すことではありません。それどころか、十分な予算を出してこなかったことで『将来世代』は既に多額の奨学金返済などのツケを背負わされていることに気づくべきです」(前出・安藤議員)

萩生田大臣を直撃すると…

 そもそもこの大学ファンドは文科省が発案したものではない。「総合科学技術・イノベーション会議」の基本計画専門調査会で提起されたものである。

 萩生田大臣を直撃すると、「文科省のような弱小省庁が予算の増額を勝ち取るというのは困難10兆円のファンドで堅実に運用し、たとえ1%の利回りでも1千億円の運用益が出る。どういう形であれ予算を獲得できるのは大きい」と文科省の抱える苦しい懐事情を語った。

 「大学ファンド」に多くの疑問があっても、文科省を責めるのは酷な話だろう。だが、先進国を標榜する日本がこのような形でしか「将来の日本を背負って立つ研究者」の育成のための資金を生み出せないというのではあまりに寂しい。

 「将来世代に投資する」ためにも、未知数のファンドではなく、国債を原資として予算の増額を認めることが「科学技術立国」を実現するためには不可欠なのではないだろうか。

Photo_20210203071201

 緊急事態宣言下の深夜にタクシー車列 霞が関に集う事情 

NEWSポストセブン 2021年2月21日(火)19時05分配信

 緊急事態宣言に伴う政府の要請により、飲食店が時短営業を余儀なくされた東京では、20時を過ぎれば銀座、赤坂、新橋といった繁華街でも多くの飲食店が閉まる。その影響を受けているのはタクシー業界だ。

 この道25年、50代後半のベテラン運転手・Aさんはこう嘆く。

「年明け早々緊急事態宣言だろ、飲食店が閉まるからタクシーもやばいんだけど、こっちは補償がない。タクシーと飲食店は共存共栄。廃業する人も増えてるよ」

 Aさんは、昨年の売上高が前年比で7割減だったと打ち明けてくれた。

Photo_20210203071601

 実際この日、普段ならばタクシーの車列がある20時過ぎの赤坂見附駅前や六本木交差点を訪れると、車列も人通りも少ない状況だ。

 彼らは20時以降、どこで客を拾っているのか。

「赤坂にはこっそり遅くまでやってる店もあるし、国会議事堂が近くて政治家も多いから、そういった分野の人間もいるんだ。あと、銀座は腐っても銀座だね(笑い)。でも今ならやっぱり、遅くまで働いている霞が関の役人狙いがいいね」(Aさん)

 たしかに、中央省庁の合同庁舎が軒を連ねる霞が関では、客待ちタクシーの長い車列ができていた国会対応などで深夜まで職場に残ることも多い官僚の利用を見越してのことだという。

 リモート化が進まないうえに、タクシー代も税金だから懐は痛まないそんな「お役所仕事」を運転手たちはよく分かっている。霞が関の長い車列は、深夜まで消えることはなかった。

Photo_20210203071301

 ダメージ億単位…スキー国体中止で選手や宿泊業の思い 

秋田テレビ 2021年2月2日(火)21時32分配信

 秋田県鹿角市の花輪スキー場を会場に開催予定だったスキー国体の中止が1日、発表された。選手や宿泊業をさまざまな分野の関係者は複雑な心境を抱えている。

 2月18日から4日間の日程で予定されていた、2021年のスキー国体。大会の中止に出場予定だった選手も複雑な思いを抱いている。アルペン競技への出場が決まっていた生田康宏さんは、これまで秋田県代表として12回国体に出場。4回の優勝経験を持つ名選手。地元での開催に人一倍闘志を燃やしていた。

 「無観客でやると聞いていたので無くなったのはかなり残念。地元で開催される中で優勝という期待も大きい部分もあった」と悔しさを口にした。

 国体や2月に行われる予定だったインカレに合わせ、花輪スキー場では人工降雪機8台を2億円以上かけて整備。しかし大会の中止により、今シーズンの稼働は少なくなった。ほかにもゲレンデ整備の機材を導入したり、ジャンプ台も改修したりするなど、万全の準備を進めていただけに地元の関係者も肩を落としている。

 影響は観光業にも広がっている。鹿角市の道の駅では、国体の開催に合わせて売店を広げる計画が進んでいたが、中止が決まり計画は宙に浮いてしまっている。物販スペースには物が何も入っていない。

 選手・役員を含め、約7500人の宿泊を想定していた宿泊業者はもとより、地元経済に大きな痛手となりそうだ。かづの観光物産公社の清水涼太執行役員は「宿泊だけではなくておみやげ・食事などを含めると、億単位の経済効果を見越していたので、その位のダメージはあるのではないか」と話す。

 国体中止が、年末年始のGOTOトラベルの停止などで苦しんでいる観光業に追い打ちをかけたとも分析していて、清水涼太執行役員は「国体があるのでそれを見越して動いてきたが、中止となってコロナとのダブルパンチになってしまった状況」と苦しい胸の内を口にした。

 観光物産公社には、ホテルなど宿泊業者から問い合わせが相次いでいるが、秋田県の補償など具体的な話はまとまっておらず、国体中止をめぐる問題はもうしばらく尾を引きそうだ。

Photo_20210203071001Photo_20210203070901

 ゲストに猫缶、掃除は元夫、車は17年落ちの“超ドケチ大富豪に驚愕 

Techinsight 2021年1月29日(金)21時50分配信

 米CATVチャンネル「TLC」が今から7年前、米ネバダ州ラスベガス在住の大富豪エイミー・エリザベスさん(Aimee Elizabeth、57)にインタビューを行った動画が今月末、『The Irish Sun』『Mirror』などで紹介された。エイミーさんの超ドケチ(Extreme Cheapskates)な生活の様子は昨年、YouTubeでも公開されており「この節約ぶりは半端じゃない。何年経ってもドケチぶりには驚愕」との声があがった。

Photo_20210203064901

 米ネバダ州ラスベガスに住むエイミー・エリザベスさん(57)は、15歳でアルコール依存の母親に家を追い出されホームレスになるも、ドケチな生活を続けてミリオネアとなった苦労人だ。

 家を失った後、エイミーさんはチャリティ団体などの助けを一切受けずに複数の低賃金の仕事をこなし、20歳で観葉植物やペットシッター関連の会社を立ち上げた。さらにナイトクラブの経営やファッションショービジネスにも手を広げて財を成すと、38歳で4つ目の会社を売却して引退した。その後は不動産仲介や投資家、ゲストスピーカー、ビジネスコンサルタントとして活躍しており、自分の経験を綴った本の出版もした。

 こうしてエイミーさんの純資産は50歳で約5億5千万円(530万ドル)となったものの、その生活は大富豪とは程遠いほど質素で、時に人を唖然とさせるほどのドケチぶりだった。

☆ その驚くべき節約術を紹介しよう。

1給湯器の電源は普段は切っておき、朝シャワーを浴びる22分前につけるこれで1か月80ドル約8300円の節約になる
2食器洗いスポンジはボロボロになるまで捨てずに使い切る
3包丁は1本しか持たず、使用後は水を使わずにタオルで拭く水道代が節約できる
4家の掃除や庭の手入れは元夫マイケルマレーさんMichael Murreyが無償でやってくれるので任せているエイミーさん曰くマイケルにとって良い運動になり、掃除代1か月400ドル約41000円が節約できる双方に利益があるウィンウィンの関係という
5新しいものは買わず、無駄遣いはしないこれで年間20万ドル約2086万円の貯金ができる
61か月の予算は1000ドル約104000円以下それ以上は使わない
7家の家具は一流だが、引っ越しセールやガラクタ市などを利用した中古品を置いている
8車は1996年製当時で17年前のフォード・マスタング擦り減りすぎたタイヤ交換など1000ドルの修理をしないと危険と言われているが、最低限のケアしかしない友人は、いつ故障して止まってしまうかわからないため同乗することをためらうほど
9月1回のロサンゼルスへの出張は片道4時間をかけて愛車を運転する250ドル約26000円の飛行機代の代わりにかかるのは80ドル約8300円のガス代と10ドル約1040円のオイルチェンジだけだ

 エイミーさんが現在住んでいる家は、離婚したマイケルさんが「この家を出て行ったら、きっと粗末な1ベッドルームのアパートに行くんだろう」と心配し、元妻のために残していったものだ。またエイミーさんは、車が故障すればマイケルさんを呼び出して足に使っており「マイケルは心の温かい人よ。私のことをよくわかっているの」と語るも、視聴者からは「元夫はいいように使われているだけ」と呆れる声もあがっていた。

 さらにエイミーさんの友人ティナさんは、こんな“超ドケチ”エピソードを披露した。

家に遊びに行ったときにランチをごちそうすると言われてねツナのサンドイッチを作ってくれたんだけど、食べてみたら魚臭いのよそれでキッチンのカウンターを見たら空の猫缶が置いてあってねまさかとは思ったけど、やられたわよ。」

Photo_20210203070301

 エイミーさんによると、人間用のツナ缶は89セント、猫用は59セントだそうで、1缶で30セントが節約できるとのことだ。

 またこれらのほかにも、「節約家の鑑」とでも言うべき究極のエピソードが紹介されている。ロサンゼルスに出張予定の日に車が故障してしまったエイミーさんは、夫を呼び出して空港に向かうと、個人で小型飛行機を所有している見ず知らずのパイロットに「どうせロサンゼルスに行くんでしょう。席が空いているなら乗せてちょうだい」と頼み込み、まんまと飛行機に乗せてもらったのだった。通常2000~3000ドル(209000円~313000円)するそうだが、エイミーさんの強引さにパイロットが根負けした様子だった。

 エイミーさんは自らを「超ドケチの大富豪」と呼んでおり、インタビューの最後には「私のケチっぷりを嫌がる人ももちろんいるわ。でも私は気にしないのよ。だってそれが私のやり方だもの!」と爽やかな笑顔を見せた。

 しかしながら、視聴者の反応は決していいとは言えない。

ツナ缶でたった30セントの節約!友達にはなれないわ。」
そんなに貯金して何に使うの?
元夫が哀れ優しすぎる。」
苦労したんだろうけど、人生楽しいの?
ただ自己中心的なだけきっと二度と結婚はできないね。」
本人が満足なら、いいんじゃない?

 なおエイミーさんは現在、ネバダ州のチャリティ団体「StreetTeens.org」で世界中の貧困をなくす活動をしており、本の執筆や講演、ビジネスコンサルティングなどを続けているという。独身で猫2匹、カメ7匹、複数のコイを飼っているそうだ。

 中国市場で買ったイカを茹でた女性、溶けて跡形も無くなり“食の安全を危惧 

Techinsight 2021年2月3日(水)5時00分配信

 食品の安全性を危惧する人も少なくないが、このほど中国の女性が市場で購入したイカを調理したところ、溶けて無くなるという思わぬ光景を目にすることとなった。女性は食品の安全性に疑心暗鬼になってしまったようだ。『星洲网』『RedChili21』などが伝えている。

 中国・四川省成都市に住む女性が、SNSにイカを調理する様子を撮影した動画を投稿したところ多くの関心を集めた。1月25日に撮影されたとされる動画には、女性がイカをお湯で茹でている様子が捉えられている。

Photo_20210203065201Photo_20210203065401Photo_20210203065101

 この女性は、近所の市場でイカのゲソを2足購入し、下茹でしてから唐辛子などを加えて調理するつもりだった。しかし沸騰したお湯にイカを入れて茹で始めた後、イカはお湯に溶けて形が無くなってしまったという。

 女性の投稿に多くのネチズンは驚きの声をあげたようだが、一部から「フェイク動画では?」との声があったため、女性は翌日に同じ市場で再びイカを購入し、今度はストップウォッチで茹で時間を計った。すると茹でてから5分ほど経つとお湯は白く濁り、イカの身がほとんど無くなっていた。

 そして8分後にお湯は薄紫色に変化し、イカは完全に溶けていた。女性は「一体何が起こってるの? イカはどこに行っちゃったの?」と動画の中で訴え、市場に出回っているイカを食べても安全なのか心配になったそうだ。

 この女性による動画を見た人からは、かつて中国で噂になった「茹でるとゴムボールのようになる偽の卵」や「プラスチック米」と同じ類で、接着剤で作られたものではないかといった声があがった。しかし専門家によると、接着剤ではかえってコストが割高になる上に技術的にも難しいとして“接着剤で作られたイカ説”を否定している。

 また中国農業大学の食品科学技術部のヂゥー准教授(Zhu)はメディアのインタビューに応じ、今回のイカについて必ずしも偽物のイカとは言い切れないとして、次のように語っている。

「このようなケースはイカを繰り返し解凍と冷凍をしたために細胞が破壊され、細胞内の水分が流出してしまったという可能性がありますこれはナマコなどの海洋生物にも同様のことが起こりますまた他にも考えられることとして成分が腐敗していたり、水分を吸収させるために長時間水などに浸していた場合にも同じようなことが起こります

 しかし今回の女性の動画がきっかけとなり、1月27日にはこの問題を重視した成都市温江市場監督管理総局が、女性がイカを購入した市場でイカのサンプルを取り寄せて検査をしているとのことだ。

Photo_20210203082201Photo_20210203082202

関連エントリ 2021/02/01 ⇒ 【コロナ第3波】11都府県<緊急事態宣言>一部地域を除き「延長の意向」

 

2021年2月 1日 (月)

【コロナ第3波】11都府県<緊急事態宣言>一部地域を除き「延長の意向」

菅首相愚策数十兆円もの税金ドブにてられている

現代ビジネス 2021年2月1日(月)6時31分配信/中原圭介(経済アナリスト)

菅義偉首相が国難の元凶

 私は2018年に上梓した『日本の国難』において、日本に将来訪れる国難の原因は「少子高齢化(=人口減少)」と「AI社会での格差拡大」の2つにあるとし、その緩和策を進めるべきだと提案しました。新型コロナの感染拡大が広がる中で、少子化は想定以上に進み、国民の間で格差はますます広がっています。

 しかし、今の菅義偉首相の場当たり的な対応しかできない惨状を見ていると、日本の最大の国難は「力量不足な人物が国の舵取りをすること」だと思っています。歴史や科学の見識を無視した結果、経済活動と感染抑止の両方に失敗した責任は甚大です。たった一人の明らかに誤った判断のせいで、生活が脅かされる。国民からすればたまったものではないでしょう。

 菅首相が力を入れている政策には、近視眼的で本末転倒なものが目に付きます。合理的な根拠を示さないばかりか、むしろ精神論に近いという欠点が如実に表れているように感じられます。

 その筆頭に挙げられるのが、「Go To トラベル」や「Go To イート」といった一連の政策です。中世ヨーロッパで大流行したペストにしても、第1次大戦中に世界中に拡大したスペイン風邪にしても、過去の歴史が教訓として示しているのは、人々の移動の増加が感染症拡大の主たる原因になっているということです。

 菅首相は今でも「Go Toトラベルが感染拡大の原因であるとのエビデンスは存在しない」との立場を堅持していますが、歴史の教訓はエビデンスと同等の価値を持っているはずです。

人災としか言いようがない

 実際に、新型コロナの全国への感染拡大は10月1日以降、Go Toトラベルに東京が追加されてから広がってしまいました。さらには、東京版Go To イートが開始された後、東京で感染の再拡大が起き、それがGo Toトラベルを通して全国にますます蔓延していくという悪循環を辿っていきました。

 その一方で、地方から東京に多くの観光客を訪れ、ウイルスを地元に持ち帰って感染が広がったということもあるでしょう。たしかに、Go Toと感染拡大に因果関係があるとは証明できないものの、Go To政策の推移と感染者数のグラフを見ると明らかに相関関係があります。

 それは、Go Toの対象から早く除外された地域(たとえば、北海道や広島など)ほどいち早く感染者数の減少傾向が鮮明になっていますし、昨年末にGo Toを停止した影響が今の全国的な感染者数の減少にもつながっているといえるからです。

 そもそも多くの感染症専門家が以前から、空気が乾燥する冬場は感染が広がりやすいと警鐘を鳴らしていたはずです。当然のことながら、大方の国民も同じ懸念を共有していました。それにもかかわらず、菅政権は専門家によるGo To 事業停止の訴えを無視して、昨年の12月初旬には、Go Toトラベルの翌年6月までの延長を決定していたのです。

 その挙句に、菅政権は全国での感染拡大第3波を招いたわけですから、これは人災としかいいようがありません。人災の責任の一端は、Go To事業を推進した政治家、推進を後押しした専門家、さらにはGo To事業を囃したテレビなどのメディアにもあるといえるでしょう。

 国民の危機意識の希薄化を招いたのは、明らかにGo To事業にあります。政府が旅行や外食に積極的に行くようにお墨付きを与えたことで、多くの国民の意識にそれが刷り込まれ、全国にコロナが蔓延していく下地がつくられていったのです。

 それに加えて、今回の第3波の拡大途上では、政治家の大人数での会食など不見識な行動が露見し、国民の中には感染拡大を深刻に受け止めなくなった人々が増えていったのでしょう。

税金で感染拡大して、税金で後始末という愚

 今でも国民の7割程度は自らができる感染対策(3密回避、マスク着用、手洗い消毒)や不要な外出自粛を継続しています。それでも1割程度の人々に気の緩みが生じれば、感染爆発が起きるには十分すぎるほどなのです。というのも、徹底した感染経路の調査が機能するのは感染者が数百人単位が限界であり、千人単位では調査で追い切れなくなるからです。

 もとより経済の専門家のあいだでも、経済活動を無理に推し進めれば感染爆発が起きて、経済がかえって想定以上に悪化してしまうという懸念が広がっていました。結局のところ、コロナ対策の大失敗が経済をいっそうダメにしてしまったというわけです。本末転倒とはまさにこのことです。

 いずれにしても、Go Toトラベルによって新型コロナが東京都心から全国に拡大したのは、紛れもない事実です。税金を使って感染を広げ、税金を使って後始末をするというのは、あまりに馬鹿げていて滑稽すぎることです(外国人の入国制限の緩和も感染拡大の要因のひとつですが、この記事では触れないのでご了承ください)。

 安倍前政権下で感染拡大の第1波に見舞われた際には、実施した対応策の反省すべき点を教訓としてたくさん与えてくれたはずです。

 それを将来の政策に生かさなければならないのに、菅政権下ではそういった教訓が生かされている形跡はまったくありません。それどころか、歴史と科学の知見を無視する傾向が強まってしまっているようです。

スマホ料金値下げも、国民の利益にならない

 そもそも菅首相が取り上げる政策は、本末転倒なものばかりです。私は本サイトでこれまでも菅首相がかねてより推し進めてきた「最低賃金引上げと中小企業再編」の問題(『最低賃金の「引き上げ」で、じつは日本が“米国並み”の「超・格差社会」になる! 』)や、「ふるさと納税」の問題(『ふるさと納税、じつは日本人の「格差」を拡大させていた…! 』)を批判してきましたが、「携帯料金の値下げ」も目先の国民受けだけを狙った、実に近視眼的な政策です。

 なぜなら、携帯キャリア各社は通信機器やネットワークに対して巨額の設備投資を行い続けることで、サービスを提供しているからです。5Gを整備するためのコストは、4Gに比べて段違いにかかるとされているのです。

 携帯事業は変動費の動きが小さいため、売上げが減少すると利益も減少するという収益構造になっています。携帯料金の値下げはストレートに利益の減少につながるので、携帯キャリア各社は来期から大幅な減益になるのが既定路線だといえそうです。

 厳しい現実として、本物の5Gネットワーク(ミリ波を使ったもの)は東京の一角を除いてまったくといってもいいほど整備されていません。5Gの電波は4Gと異なり直進性が強いため、基地局の密度が4Gの十倍は必要だといわれています。これまでとは基地局の数が桁違いに必要となり、設備投資のコストも急激に跳ね上がるというわけです。

 経済・社会のデジタル化が進む中で、5G通信は様々な分野で利用が不可欠となります。たとえば、将来の自動車分野で普及が期待される自動運転なども、5Gが利用できなければ絵にかいた餅になってしまいます。

 携帯キャリア各社が料金の値下げによって投資余力を奪われ、5Gネットワークの整備が思うように進まなければ、企業も国民もデジタル社会の恩恵を十分に受けられなくなるのです。

 菅首相に従順な総務省の官僚でさえ、今回の官製値下げはタイミングが悪すぎると危惧しています。携帯キャリア各社の本音も、値下げの強要はせめて5Gがある程度普及してからにしてほしかったというものでしょう。経済・社会のデジタル化の足かせとなる官製値下げによって、日本は5Gネットワークの整備が遅れ、米欧中に大きく水をあけられかねません。

 おまけに、携帯料金の値下げにともなう通信サービスと携帯端末の分離販売が常態となり、スマホの価格がかつてよりかなり高くなっています。多くの人々がスマホの価格がずいぶん上がったと感じているはずです。これまでスマホを2~3年で買い替えるユーザーが多かったことを考えると、トータルで見た時に本当に国民の利益になっているのかも疑わしいのです。

記者クラブが容認し続けた説明責任の放棄

 管首相は一都三県を対象にした緊急事態宣言の発出に際して、いくつかのニュース番組にインタビュー出演しましたが、恥ずかしげもなく「感染拡大は予想していなかった」という見解を披歴しています。先ほども触れましたように、専門家も国民も感染拡大を危惧していたというのに、我が国の首相の先見性の無さには呆れるしかありませんでした。

 また、ある番組では「1か月後に事態が改善していない場合、感染対策を強化するのか」と問われ、「仮定のことは考えない」と答えたことも、危機管理能力の欠如を広く世間に露呈した形となりました。

 こういった一連の発言で明らかになったのは、官房長官時代に危機管理が万全だったという評価は官邸記者クラブがつくりあげた幻想(嘘)だったということです。

 というのも、官邸記者クラブはこれまで菅官房長官(当時)がまともに質問に答えない態度をずっと許してきたからです。

 菅官房長官の定例記者会見において、「まったく問題ない」「批判は当たらない」「指摘は当たらない」といった決まり文句は、多くの国民が一度は聞いたことがあるでしょう。これらの言葉だけで済ませるのは、国民に対する説明責任の放棄にほかならず、言い方を換えれば、政治家として説明能力がないことを示しています。要するに、官邸記者クラブが菅官房長官の実力不足を覆い隠してきたのです。

何十兆円単位の税金が無駄になる

 平時ではなく危機時にこそ、政治家の本質がよく見えるものです。日本国民は新型コロナが蔓延する状況下において、「政治主導は政治家が優秀なら機能するが、力不足だと恐ろしく逆効果となる」ことを思い知りました。一国のトップがその資質を有していないと、何十兆円単位の税金の無駄遣いにつながることもわかりました。

 「GoToトラベル」「携帯料金引き下げ」、「中小企業再編」「ふるさと納税」など、これらすべての政策は目先のことばかりが重視され、教養と長期的なビジョンが欠如しています。国家の大計を考えるのであれば、日本はもっと歴史や科学、データに強い政治家を増やしていくべきです。その中から優秀なトップが育っていくことが、豊かな日本を取り戻すきっかけになるのではないでしょうか。

 緊急事態宣言2日延長決定 10都府県3月7日まで 

共同通信 2021年2月2日(火)5時34分配信

 政府は2日夕、新型コロナウイルス特別措置法に基づく緊急事態宣言について、発令中の11都府県のうち10都府県の延長を決定する。首都圏4都県、東海2県、近畿3府県、福岡県を対象に7日までの期限を1カ月延ばし、3月7日までとする。栃木県は解除する。菅義偉首相は記者会見し、早期の感染収束に向けた協力を国民に呼び掛ける予定だ。

 政府は2日午後、専門家で構成する諮問委員会に宣言の延長方針を説明し、判断を仰ぐ。その後、首相が衆参両院の議院運営委員会で事前報告する。続いて政府対策本部で正式決定し、記者会見に臨む。

 銀座クラブ3議員離党ユル過ぎる処分に批判殺到

東スポWeb 2021年2月2日(火)6時15分配信

 緊急事態宣言下、東京・銀座のクラブを訪問した〝自民党のマツジュン〟こと松本純議員(70)が1日、党本部で会見を行い、離党を表明した。ケツを叩いたのは二階俊博幹事長(81)。そのウラにはこの問題を1日も早く幕引きしたい意図が見え隠れするが…

 松本氏は党本部で銀座クラブ行脚について陳謝。当初「私ひとりで行った」と説明していたが、実際は大塚高司、田野瀬太道の両議員も同行していた。虚偽説明した理由について松本氏は「(後輩を)かばいたい思いがあった」と話した。

 松本氏ら3人は党に離党届を提出。引導を渡したのは党内の最高実力者と評される二階氏で、松本氏を呼びつけ離党勧告を突き付けたという。

 二階氏は記者団との取材で「まあ、(政治家の)出処進退は、ご本人自らが決めることであります。(松本氏が)当初、説明した内容と異なることが判明したのを受けて、私のほうから離党勧告しました」と話した。

 同じく緊急事態宣言下で銀座のキャバクラ店通いがバレた公明党の〝永田町の遠山の金さん〟こと遠山清彦前幹事長代理(51)は議員辞職を表明。山口那津男代表は、国会内の会見で「国民に強い政治不信をもたらしてしまったことを深くおわびしたい」と頭を深々と下げて謝罪した。母体である創価学会の婦人部が〝厳罰〟を求めていたことも多分に影響したとみられる。

 かたや離党、かたや議員辞職…。二階氏は「われわれの党は、われわれの党独自の判断です」と述べたが、ネット上では「(自民党の)マツジュンたちも辞めろ」「処分がユルすぎる」といった声が殺到。政界関係者は「あれだけ逃げ切る気満々だった松本氏らが、離党を受け入れた。それでも議員は辞めていないわけで、ほとぼりが冷めたらしれっと復党する可能性は十分ある」と指摘する。

 ここにきて菅義偉首相の内閣支持率は30%台前半まで急落。新型コロナウイルス対策の失政もさることながら、二階氏の言動が国民の反発を招いている側面は大きい。自民党若手議員の間では、年内に行われる可能性が高い解散総選挙に向けて危機感が広がっているというが…。

「菅&二階のコンビでここまで支持率が下がりました。党内では『これでは選挙を戦えない』という声が上がってもおかしくありませんが、実際に〝二階降ろし〟までいくかといったら、トーンダウンします。二階さんを怒らせて次期衆院選で党公認が取れなくなるのを、みんな恐れているんです」と話す。

 別の議員も「二階さんは、若手議員に『自民党は自由な政党なんだから、なんでも思いきってやりなさい』と葉っぱをかけてきます。二階さんの幹事長としての手法に反発しても、年内に選挙が控えているので、党内政局が起こるのは難しいことです」と同調する。

 当の二階氏は今回の松本氏らの処分が政権に与える影響について「それはみなさん(マスコミ)がお考えになることです。われわれは反省し、常に前向いていきます」とだけ語った。

〝二階大魔王〟は君臨し続けるようだ。

 ウソ傷口拡大自民3議員離党 公明議員辞職 

産経新聞 2021年2月1日(月)20時41分配信

 自民党の松本純前国対委員長代理が緊急事態宣言下の東京都内で深夜まで銀座のクラブを訪れていた問題は、同党の2議員の同席が新たに判明し、3人が離党に追い込まれた。虚偽の説明は新型コロナウイルスへの危機意識の乏しさを浮き彫りにし、支持率回復の兆しがあった菅義偉内閣には打撃となった。深夜会合などが批判された公明党の遠山清彦前衆院議員の辞職も、与党の次期衆院選戦略に悪影響を与えかねない。

「改めて、党を挙げて信頼回復に努力したいと考えている」

 自民の二階俊博幹事長は1日の記者会見で、3人が離党したことを陳謝した。

 事態を深刻化させたのはクラブに「1人で行った」と一貫して説明していた松本氏だった。同日に2人が同席を認め、ウソが発覚。同席した田野瀬太道元文部科学副大臣は同日、記者団に「松本氏が私たち2人をかばおうとしているのを知っていた。心苦しかった」と釈明した。

 不祥事が小出しに明らかになったことで自民の傷口は広がり、対応は後手に回った。閣僚経験者は「危機管理としてウソが最も良くない。(新型コロナのワクチン対策などへの期待から)底を打ったとみられた内閣支持率も厳しくなる」との見方を示した。

 遠山氏の不祥事では、清廉なイメージを定着させてきた公明に批判の矛先が向かった。深夜会合が発覚した1月26日以降、党本部には「議員を辞めるべきだ」との声が殺到。支持母体の創価学会への抗議の電話も鳴りやまなかった。

 多くの会員が反発した集団的自衛権の限定行使を可能にする安全保障関連法(平成27年成立)を引き合いに、学会幹部は「クレームは安保法制の比ではない」と頭を抱えた。

 次期衆院選への影響も懸念される。特に候補者が比例代表から選挙区に転じ、初陣となる東京12区や広島3区では厳しい戦いを強いられそうだ。山口那津男代表は今月1日、記者団に「(選挙への)影響を最小限に食い止められるよう、最大の努力をしたい」と述べたが、明るい材料は見いだせていない。

 コロナ特措法改正案、3日成立 衆院通過 刑事罰削除 

時事通信 2021年2月1日(月)17時02分配信

 新型コロナウイルス対策の感染症法、特別措置法などの改正案は1日の衆院本会議で、与党や立憲民主党などの賛成多数で可決、参院に送付された。

 感染症法改正案は入院を拒否した人への行政罰導入が柱。特措法改正案は緊急事態宣言の前段階として「まん延防止等重点措置」を新設する。参院審議を経て、3日に成立する見通しだ。

 自民、立憲両党は入院を拒否した人らを対象とする刑事罰導入を撤回するなどの修正で合意。これに基づき、本会議に先立つ内閣委員会で改正案は修正可決された。

 重点措置に関しては「国会へ速やかに報告する」との付帯決議を行った。営業時間短縮などに応じた事業者支援については「経営への影響の度合い等を勘案し、要請に十分な理解を得られるようにする」と明記した。 

 へとへとや 吉村大阪知事もう疲れてきて、頭が… 

日刊スポーツ 2021年2月1日(月)21時45分配信

 大阪府は1日、新型コロナウイルス対策本部会議を開き、新型コロナウイルス特別措置法に基づく緊急事態宣言が延長された場合、解除を国に要請する独自の判断基準を決定した。会議後の会見で、大阪府の吉村洋文知事(45)は「僕、もう疲れてきて、頭がもう…」と質問を聞き直すシーンもあった。

 会議の冒頭、吉村知事は「感染者数は減っているが、病床のひっ迫が続いており、緊急事態宣言の延長はやむをえないと思う」と述べた。緊急事態宣言は7日が期限だが、延長された場合について「大阪府として解除を求める明確な判断基準、出口基準を示すべきだ」と強調した。

 解除を要請する基準として<1>直近1週間の新規陽性者数が1日平均で300人以下の日が7日間続く<2>重症患者用の病床の使用率が60%未満の日が7日間続く。どちらかをクリアした場合、大阪府の専門家会議の意見を聞き、判断するとした。

 会議後、吉村知事は約1時間、取材に応じたが、途中で「あのまず…、1点目の(質問は)なんでしたっけ? ちょっと、僕、もう疲れてきて、頭が…。質問の最後のところだけ」とリクエストし、苦笑いするシーンもあった。

 緊急事態宣言中に自民党の松本純前国対委員長代理が東京・銀座のクラブを訪れた問題で、同党の大塚高司衆院議院運営委員会理事と田野瀬太道文部科学副大臣が同席していたことにも言及した。

国民のみなさんに厳しいお願いをしている中で、示しがつかない。国民の代表として国会に行っている国民のみなさんはもう守らなくて、ええやんとなるそれだけの想像力がない人が国のリスクマネジメントできるのか不安すら覚える」とぴしゃりと言い放った。

 大阪府は1日の新型コロナウイルスの新規感染者は178人と発表した。1日あたりの感染者が100人台となるのは、昨年12月28日以来。

国会議員銀座飲食  が罷り通る“異常

沖縄タイムス 2021年2月2日(火)7時11分配信

 コロナ禍で我慢を強いられている国民が、政治家の行動にどれだけ厳しい目を向けているか分からなかったのか。

 公明党の遠山清彦衆院議員が、辞職願を提出し許可された。

 緊急事態宣言下の先月22日、深夜まで東京・銀座のクラブに滞在していた、と週刊誌に報じられた。自身の資金管理団体がキャバクラなどに「飲食代」として計11万円を支出していたことも判明した。これらの責任を取る。

 遠山氏は「私の不適切な行動と、資金管理団体の不祥事で政治への信頼を深く傷つけてしまった」と謝罪した。その通りであり、議員辞職は当然だ。

 党の幹事長代理だった遠山氏は当初、役職を辞任したものの議員辞職については否定していた。党も厳重注意にとどめていた。事態を軽く見ていたのではないか。

 緊急事態宣言の発令で不要不急の外出や会食の自粛が呼び掛けられ、多くの国民が感染拡大を防ぐために協力している。そのさなかに与党の要職を務める国会議員が深夜までクラブを訪ねる、とは国民感情を逆なでする行為だ。

 しかも政府、与党は私権制限を強化する新型コロナウイルス特別措置法と感染症法の改正案の成立を急いでいるところで、あまりに緊張感に欠けている。批判の高まりに追い込まれた格好だ。

 比例九州ブロック選出の遠山氏は昨年まで党の沖縄方面本部長を務めていた。今回の不祥事は、信頼を寄せる県内の支持者をも裏切るものである。

■ ■

 遠山氏と同様に、深夜に銀座のクラブを訪ねていた自民党の松本純元国家公安委員長は、離党勧告処分となった。党の国対委員長代理を辞任して批判をかわそうとしたが抑えられなかった。

 自民党の大塚高司衆院議院運営委員会理事と田野瀬太道文部科学副大臣も同じ処分となった。松本氏が銀座のクラブを訪れた際に両氏が同行していたという。

 松本氏はこれまで「1人で行った」と説明していた。うそをついて事実を隠蔽しようとしていたのだ。「前途ある2人。後輩をかばった」との釈明が通用するはずがない。

 理解できないのは党執行部の対応だ。松本氏が当初、役職の辞任を申し出た際、二階俊博幹事長は「やめる必要はない」と一時慰留したという。3氏を離党勧告処分としたのは、世論の反発を受けて慌てて取り繕った感が否めない。

■ ■

 菅義偉首相は田野瀬氏から報告を受け「あるまじき行為だ」として更迭した。だが、自身にも副大臣への任命責任があるのは明らかだ。

 公明党の山口那津男代表は「信頼回復のため党一丸となって取り組む」と記者団に語った。

 では自民党はどうするのか。

 菅首相は代表質問で「政治とカネ」の問題を問われた際に「政治家は責任を自覚し、常に襟を正すべきだ」と述べた。政治不信が高まる今、どのように正すのか道筋を示すことが求められている。

Photo_20210203082201Photo_20210203082202

関連エントリ 2021/02/02 ⇒ 【コロナ第3波】栃木県除く10都府県<緊急事態宣言>延長✍3月7日まで

 

« 2021年1月 | トップページ | 2021年3月 »

無料ブログはココログ
2021年4月
        1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30