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2021年2月12日 (金)

【新型肺炎】ファイザー製“ワクチン第1便”40万回分✈成田に到着。

 新型コロナワクチン第1便約40万回分承認を今日審議 

ABEMA TIMES 2021年2月12日(金)13時10分配信

 12日午前、日本に到着したファイザー社製の新型コロナウイルスのワクチンは約40万回分にのぼることがわかった。

 来週半ばからの接種開始に向け、ファイザー社製ワクチンの「第一便」が12日午前、ベルギーのブリュッセルから成田空港に着陸した。政府はファイザー社と年内に1億4400万回分の供給を受ける契約を結んでいる。政府関係者によると、今回空輸されたのは約40万回分だということだ。

 厚生労働省では午後6時から、ファイザー社のワクチンの審査会が開かれる。審議会で了承されれば、田村大臣が正式に承認する見通し。

 政府は17日から、一部の医療関係者1万人から2万人を対象に先行接種をスタートさせる方針だ。

日本ファイザーワクチン第1便到着「承認すぐ接種開始

中央日報 2021年2月12日(金)15時56分配信

 米国製薬会社ファイザーと独ビオンテックが共同開発した新型コロナウイルス感染症(新型肺炎)ワクチンが12日午前10時20分ごろ、成田国際空港に到着した。日本に初めて届いた新型コロナワクチンだ。

 NHKなど現地メディアによると、このワクチンは11日夜、ベルギーのブリュッセル空港を出発し、航空便で輸送された。ワクチンは40万回分に上り、当初の計画より2日早く到着した。日本厚生労働省は、ファイザーと新型コロナワクチンを1億4400万回分(7200万人分)契約した。

 ワクチンが計画よりも早く到着したことで、日本政府のワクチン使用承認の可否決定も早まるものと見られる。

 日本厚生労働省はこの日、専門部会を開き、ファイザー新型コロナワクチンを特例承認するかどうか審議する。特例承認とは、審査の過程を簡略化するための手順だ。

 すでに日本の医薬品審査機関・医薬品医療機器総合機構(PMDA)がファイザーワクチンの安全性と有効性に特別な問題がなく、特例承認を認めるという報告書を提出している。

 この日、厚労省が報告書を通過させれば、田村憲久厚労相はファイザーワクチンの使用を即刻承認する方針だ。田村厚労相は「承認後すぐに接種を開始する」と述べた。

 当初、日本政府は17日から医療従事者1万人を対象に接種を開始し、4月には高齢者や基礎疾患のある人、高齢者施設従事者に順次接種する計画だった。田村厚生相の承認が早まれば、接種開始日程も早まる可能性がある。

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 ただし、注射器購入の手違いによりファイザーワクチンを接種できる人数が20%近く減少する状況が発生したことから、接種日程に支障が出るという懸念も出ている。

 ファイザー製ワクチンスピード承認の背景 

読売新聞オンライン 2021年2月12日(金)23時36分配信

 米ファイザーの新型コロナウイルスワクチンが国内で承認される見通しとなった。通常10年前後かかるワクチン開発が、流行開始から1年あまりで「スピード承認」されるのは、遺伝物質「メッセンジャーRNA(mRNA)」を活用した画期的な新技術が背景にある。

 ワクチンは、免疫にウイルスの特徴を覚えさせ、実際にウイルスが侵入したときに素早く抗体で攻撃させる方法だ。ファイザーのワクチンは、新型コロナ表面の突起部分を作る設計図となるmRNAを主成分としている。mRNAは人工合成が容易で、短期間で大量生産できる。

 従来のワクチンは、ウイルスそのものや突起のたんぱく質などを工場で作る必要があった。mRNAワクチンは、体内で突起のたんぱく質を作らせる。いわば、細胞を「体内工場」にする方法だ。東京医科歯科大の位高啓史教授(核酸医薬)は、「新型コロナの解決の切り札の一つになると思う」と期待を寄せる。

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開発企業の潜在力

 ただ、mRNAは体内で分解されやすい。ファイザーと共同でワクチンを開発した独バイオ企業ビオンテックはmRNAを安定化させる高度な技術を開発した。2008年創業の同社は、これまでmRNAを使った医薬品研究を先導し、潜在力があった。

 設計や合成が簡単なmRNAワクチンは、変異ウイルスに対する改良が、パソコンソフトをアップデートするように容易なことも利点だ。

 ファイザーは、英国型や南アフリカ型の変異ウイルスに対しても、十分な効果が見込めるとする論文を発表したが、変異が積み重なると、効果が減弱する恐れもある。ビオンテックのウグル・サヒン最高経営責任者(CEO)は、改良が必要になった場合、6週間で生産できると自信を見せる。

 NY株最高値米政権ファイザーワクチン追加購入契約追い風 

時事通信 2021年2月13日(土)6時38分配信

 週末12日のニューヨーク株式相場は、終盤に買い戻す動きが強まり、反発した。優良株で構成するダウ工業株30種平均は前日終値比27.70ドル高の3万1458.40ドルで終了、史上最高値を更新した。ハイテク株中心のナスダック総合指数も同69.70ポイント高の1万4095.47と、最高値で引けた。

 ダウ平均は高値への警戒感から、利益を確定させる売りが先行し、マイナス圏でもみ合う展開となった。ただ、バイデン米政権が打ち出す1兆9000億ドル規模の大型経済対策への期待から、終盤にプラスへ浮上した。

 バイデン大統領が前日、米ファイザーなどと新型コロナウイルスワクチンの追加購入契約を結んだと発表したことも、相場を下支えした。 

 ファイザーワクチン有効率95%”…効果を解説 

朝日新聞デジタル 2021年2月12日(金)20時41分配信

 米製薬大手ファイザーなどが開発した新型コロナウイルスのワクチンが近く、承認される。国内で新型コロナの患者が確認されてから1年あまり。米国や英国からは約2カ月おくれたが、17日にも医療従事者から接種が始まる見通しだ。

 臨床試験(治験)では高い有効性が報告され期待が高まるが、副反応への対応なども課題となる。

 今回のワクチンは「RNAワクチン」と呼ばれ、ウイルスの遺伝情報を使う。従来のワクチンに比べて早く開発できる。ワクチンは4万人あまりが参加した治験で「95%の有効性」が報告されている。事前の予想を超える高い有効性は、世界でも驚きをもって受け止められた。

 ただ、ワクチンには感染を防げる「感染予防」、感染しても発症を防げる「発症予防」、発症しても重症化を防げる「重症化予防」の主に三つの効果が期待されるが、現時点ではっきりしているのは「発症予防」の効果。95%も発症予防についての効果だ。

 新型コロナは無症状の感染者も多く、感染予防の効果を治験で実証するのは難しい。重症化予防については治験でもみている。

 治験の期間中に新型コロナで重症化した人は偽薬(生理食塩水)をうったグループで9人、ワクチンをうったグループで1人。ワクチンをうったグループで少ないため重症化予防もありそうだが、結論づけるには数が少なく、日本感染症学会も「評価は今後の課題」としている。

 とはいえ、インフルエンザのワクチンの場合、発症予防の効果は2~6割と言われている。新型コロナワクチンの数字はかなり高いことがわかる。

なぜ国産のワクチン開発は遅れているのか?

日刊ゲンダイDIGITAL 2021年2月13日(土)9時06分配信/奥田研爾(横浜市立大学名誉教授)

 国内での新型コロナウイルスのワクチン接種を巡っては、米ファイザーとモデルナ、英アストラゼネカの3社が決まっている。一方、国産ワクチンは開発に出遅れており、実用化のめどは立っていない。約40年にわたりワクチン開発に従事している奥田先生に聞いてみた。

Q:なぜ国産の開発は遅れているのか

A:「そもそも国産ワクチンの生産が遅れているのは、日本には研究設備もワクチン研究者も足りないからです」

 国内の製薬会社で治験に入っているのは2社だ。先行しているのが、「アンジェス」で、大阪大などと共同で開発している。今年3月までに国内の治験で500人に接種する方針で、その後、海外を含め数万人規模の最終治験を実施する予定だ。

 もう1社が、「塩野義製薬」で、こちらは年末までに3000万人分の生産体制を整える方針。昨年12月から200人以上を対象に治験を始めているが……。

「ワクチン開発は、その過程で病原体を取り扱います。そのため、安全性が確保された実験室を使用するのですが、その数は限られています。また、実験室はウイルス危険度によってP1~4の段階がありますが、防護服の着用や排気方法に規制のある封じ込め実験室であるP3(鳥インフルエンザ、SARSウイルス、ヒト免疫不全ウイルスなど)で稼働中なのは東大や阪大など20カ所余り。さらに高度な封じ込め実験室となるP4(エボラウイルスなど)で稼働中なのは現在、国立感染症研究所(感染研)しかありません。全国に複数点在するのはP2(インフルエンザ、C型肝炎、デングウイルスなど)と呼ばれるタイプで、人や動物に対し、病気を起こす可能性の低い微生物や起こしても重大な影響を与えない微生物を扱うことができる実験室なのです」

 研究者の数も306人(2018年)で、職員全体で1万5000人規模の米疾病対策センター(CDC)とは比べものにならないレベルだ。

「CDCには常に新種のウイルスに備えた研究室と、安全に防護服を着用し検査に挑めるトレーニングを受けた研究者が、新型コロナウイルスの発生時のようにすぐに現地に飛べる体制ができている。日本にはその体制が整っておらず、医学部生にも、感染症やワクチン開発研究は不人気。マンパワーも足りないので、新型コロナワクチンの出遅れは当然の結果です」

Q:国内でできるとすればいつごろか?国産は安全なものができるのか

A:「アンジェスと阪大が研究しているのは、DNA(デオキシリボ核酸)ワクチンと呼ばれるもので、ワクチンを接種すると体内にウイルス表面のスパイク(無害なタンパク質)のみを発現させ抗体を作る仕組み。こちらも、mRNAと同じく、病原体を使わない点では安全ですが、効力はmRNAほど強くないと考えられています。それにこれから数万人規模の治験の必要があるので、実用化には数年かかるでしょう。塩野義製薬は、国立感染症研究所などと『遺伝子組み換えタンパクワクチン』の開発を進めています。これは、インフルエンザなどで実用化している手法で、体内で人間の免疫を引き出す『抗原』となるタンパク質を蚕の幼虫を使って作るワクチンです。ただし、大規模な治験はこれからで、新型コロナウイルスへの効果と安全性は未知数。これも、治験が終わるまで数年規模でかかるでしょう。そもそもファイザーなどのワクチンの接種が始まれば、数万規模の人がわざわざ今治験に参加するか疑問です。ワクチンが必要なのは今すぐであり、すでにmRNAも90%以上の予防効果が認められていますから、国産のワクチンを待つ必要はないでしょう。むしろ、日本は治療薬の開発に本腰を入れてもらいたい」

 厚労省の日本医療研究開発機構(AMED)は、ワクチン開発支援に478億円(2021年度予算)計上しているが、遅きに失した感じだ。

Q:新型コロナを終焉させるには世界の何割が接種すべきか

A:「欧米や日本といった先進国は国民の6~7割が接種できれば感染拡大に歯止めがかかると考えられます。ただし、ワクチンの種類にもよります。主要ワクチンのファイザーやモデルナの『mRNA』は90%以上(2回接種)ですが、アストラゼネカの『ウイルスベクターワクチン』は82%程度(2回接種)と効かないケースもあるようです。ほかに中国医薬集団(シノファーム)のワクチンは有効性が79%と発表し、東南アジアを中心に普及させていますが、本当にそれだけの効果があるかは不明です。それにアフリカ諸国ではワクチン接種自体がどの程度現実的かわからない。そういった意味で、終焉には時間がかかるでしょうね」

 窮地に立たされたアストラゼネカ製ワクチンの秘策 

Newsweek日本版 2021年2月8日(月)20時03分配信/木村正人(ジャーナリスト)

マクロン仏大統領には65歳以上にはほとんど効果がないと切り捨てられ、南アフリカでは急遽接種が中止されたワクチンの問題とは

 英オックスフォード大学と英製薬大手アストラゼネカが共同で開発・製造する新型コロナウイルスのワクチンが厳しい逆風にさらされている。欧州連合(EU)の欧州医薬品庁(EMA)が18歳以上への緊急使用を承認したにもかかわらず、ドイツやフランスなどEU加盟国が次々と65歳以上への接種を見送った。アメリカは承認すらしていない。

 さらに免疫を回避する南アフリカ変異株への有効性が22%に低下することも分かり、南アはアストラゼネカ・ワクチンの接種を中止した。ワクチン開発を指揮するオックスフォード大学ジェンナー研究所のセーラ・ギルバート教授は7日、英BBC放送で「秋までには南ア変異株に効くワクチンを準備できる」と語り、秋に3度目の接種を行う秘策をにおわせたのだが......。

 イギリスではワクチン接種が同日時点で1200万人を超え、2月15日までに70歳以上と基礎疾患を持つハイリスクグループ、介護施設職員、医療従事者らへの1回目接種を終える目標に着々と近づいている。これに対してドイツやフランスなどEU加盟国は完全に出遅れた。EUがワクチンの青田買いに失敗したからだ。これにアストラゼネカの納期遅れが加わり、EU加盟国を激怒させてしまった。

 エマニュエル・マクロン仏大統領は1月29日、EMAがアストラゼネカ・ワクチンの18歳以上への使用を推奨する数時間前、「現時点で65歳以上にはほとんど効果がない。初期の結果は60~65歳を勇気付けていない」と切り捨てた。独ロベルト・コッホ研究所予防接種常任委員会も65歳未満にのみ接種すべきだと勧告した。

 アストラゼネカのワクチンについて65歳未満に限って推奨としたのはフランス、ドイツのほか、オーストリア、スウェーデン、ノルウェー(EU非加盟)、デンマーク、オランダ、スペイン、ポーランド。55歳未満のみ推奨としたのはイタリアとベルギー。スイス(EU非加盟)は承認しなかった(BBCまとめ)。

アストラゼネカ・ワクチンの3つの問題点とは

 筆者の見るところ、アストラゼネカのワクチンが抱える問題は3つある。

(1)第3相試験の結果が不十分
(2)大量生産に問題が生じた
(3)免疫を回避する「E484K」の変異を起こした南ア変異株への有効性が低い

 オックスフォード大学やアストラゼネカは昨年11月、イギリス、ブラジルの18歳以上2万3千人超(うち発症者131人)が参加した第3相試験の中間結果を発表。1回目の摂取量を半分にして1カ月後に全用量の2回目を接種したグループ(被験者2741人)では90%の有効性を、2回とも全用量を接種したグループ(同8895人)では62%の有効性を示した。平均すると70.4%だった。

いちばん手頃なワクチン

 今月3日には、南アを加えた被験者1万7177人(うち発症者332人)を対象にした査読前論文の分析結果を発表した。それによると、最初の接種後、22~90日目の有効性は76%。12週間以上置いた2回目の接種で有効性は82%に増えた。また、1回の接種で感染は67%減少するとともに、1回目の接種から22日以上経てば重症化や入院を100%防げることが改めて確認された。

 m(メッセンジャー)RNAテクノロジーを使った米ファイザー・独ビオンテック、米モデルナのワクチンに比べるとオックスフォードワクチンの有効性は低いものの、これまでのインフルエンザワクチンに比べると有効性は格段に高い。しかも冷凍庫のコールドチェーンが必要なmRNAワクチンと違って普通の冷蔵庫で保管でき、1回分の価格もコーヒー1杯とさほど変わらないほど安い。

 コロナ危機の今だからこそ割高なmRNAワクチンが重宝されているが、コロナの流行がインフルエンザのように毎年の恒例行事になれば、値段が手頃で診療所や薬局でも扱えるアストラゼネカ・ワクチンの需要が増すのは必至。なのに、欧米諸国の評価が非常に厳しいのは、致死率が高い肝心の高齢者のデータが限られているからだ。

オックスフォード大教授いずれ高齢者への有効性は証明される」>

 アストラゼネカ関係者の1人は「ロックダウン(都市封鎖)の状況下で被験者を募ったので、どうしても高齢者が少なくなってしまった」と打ち明ける。実際、被験者に占める56~69歳の割合は約8%、70歳以上は3~4%。これが「65歳以上にはほとんど効果がない」と主張するマクロン大統領の根拠なのだが、「被験者数が少ないこと・イコール・効果がない」ことではない。

 オックスフォードワクチンは第2相試験で56~69歳と70歳以上のグループと18~55歳とで同じような中和抗体価とT細胞応答を示した。ギルバート教授はBBCで「高齢者は政府のガイドラインに従って厳格な社会的距離をとっているため、発症者が一定の水準に達しないという側面がある。しかしアメリカでの治験でデータがそろえば、高齢者への有効性も証明されるだろう」と話した。

 オックスフォードワクチンの臨床試験への信頼性が揺らいでいるのは、接種用量と接種間隔に一貫性を欠いているからだ。大学内の製造施設が追いつかず、イタリアの製造業者に外注したもののワクチン濃度の測定方法が異なっていたため、イタリアで生産したワクチンの濃度は2倍あるように見えた。実際はその用量で良かったにもかかわらず半分にしてしまった。

採算度外視の原価販売を約束

 この間違いが幸いし、1回目に半用量、2回目に全用量を接種すると有効性が90%まで上昇することが偶然分かった。しかしデータはふぞろいになった。英政府が接種者数をとにかく増やすため、1回目と2回目の接種間隔を3週間から12週間にいきなり延ばしたことも、欧米諸国の不信感を増幅させる結果を招いた。英政府のワクチン政策は「見切り発車」と見られてしまったのだ。

 しかもチンパンジーのアデノウイルスを「運び屋」として使う生物学的製剤のアストラゼネカ・ワクチンの生産は計算通りには行かないという根本的な難しさを抱えている。EUへの納入量は3月末までに1億回分だったのに実際にできるのはわずか2500万回分。これにファイザーやモデルナのワクチンの納入遅れが加わり、EUは域外へのワクチン輸出を許可制にする緊急措置をとった。

 さらにここに来て臨床試験に参加した南アのズウェリ・ムキゼ保健相が「アストラゼネカのワクチンの有効性は南ア変異株に対しては22%に低下する」と発言、同国内での接種を7日に急遽(きゅうきょ)中止した。米ジョンソン・エンド・ジョンソンや米ノババックスなど他のワクチンでは南ア変異株に対しても57~60%の有効性を示している。

 これに対し、ギルバート教授は「アストラゼネカのワクチンは重症化、入院、死亡を防ぐという意味ではまだ有効だ。無症状者や軽症者は防げなくても、医療システムの逼迫は回避できる。秋には南ア変異株にも効くワクチンを開発できる」と説明した。しかし南ア変異株に絞った臨床試験はさらに難しさを増すのは避けられまい。

 アストラゼネカは今月5日、ワクチンの製造販売承認を日本でも申請した。ワクチンの原液は中堅製薬が受託生産し、1億2千万回分のうち9千万回分以上を日本国内で生産する見通しだ。採算を度外視し、ワクチンの「原価販売」を宣言したオックスフォード大学とアストラゼネカの真価が問われるのはこれからだ。

 ワクチン争奪戦日本世界から締め出される 

現代ビジネス 2021年2月9日(火)7時01分配信/町田 徹(経済ジャーナリスト)

ワクチン後進国に転落した

 新型コロナウイルス・ワクチンの接種担当である河野太郎・行政改革担当大臣は2月2日の記者会見で、「供給スケジュールに影響が出ている」と述べ、米製薬大手ファイザーのワクチン確保に暗雲が立ち込めているという事実を明らかにした。EUが域内で製造しているワクチンに輸出規制を導入したためだ。

 世界ではすでに、日本以外のG7(主要7カ国)はもちろん、61の国と地域がワクチンの接種を開始した。日本の出遅れは明らかだ。

 振り返れば、歴史的なワクチン行政の体たらくで、日本は「ワクチン後進国」に転落、新型コロナで日の丸ワクチンの早期開発に失敗した。次いで外国製ワクチン争奪戦の緒戦に敗れ、ワクチン接種の早期開始ができなかった。

 さらに今、河野大臣は、EUのようなワクチン・ナショナリズムの台頭によって、日本政府のワクチン接種計画の縮小や遅延が懸念される事態に直面したことを示唆したのである。

 ワクチン接種はコロナ危機克服の切り札とされている。後れを取れば、集団免疫の確立で後れをとり、世界的に交流再開の機運が生まれた時に、日本が締め出される懸念がある。

 なぜ、これほど深刻な事態に陥ったのか。現状と原因、対策を考えてみたい。

歴史的な経験を踏まえて

 そもそもワクチンとは何なのか。

 起源は、2000年前後も昔の中国やインドで行われていた天然痘の予防策「人痘接種」に遡るとされている。人痘接種は、健康な人の皮膚を傷つけて、すりつぶした天然痘患者のかさぶたの一部を擦り込むなどして、健康な人を意図的に感染させて体内に抗体を作り免疫を獲得させるというものだ。

 死者も出たし、感染が広がることもある乱暴な方法だったが、ヨーロッパを含めて世界各地に広がっていったという。

 その後、1796年に画期的な発見があった。英国人医師エドワード・ジェンナーが弱毒化した牛痘ウイルス株の接種によって天然痘を予防できることを証明したのだ。牛痘は当時、主に牛から人に感染していた軽度の感染症だった。

 その数十年後、牛痘法は改良され、人痘接種の代わりとして普及した。約200年後の1980年、世界保健機関(WHO)が根絶を宣言、人類は天然痘を克服した。

 ジェンナーの発明は、天然痘にとどまらず、インフルエンザ、はしか、ポリオ、狂犬病、破傷風、腸チフス、黄熱病、子宮頸がんなど、さまざまな感染症の蔓延を防ぐ、今日のワクチン接種に繋がった。

 感染してから治療するより、ワクチンで蔓延を防ぐ方が個人の身体と財布にやさしいし、社会的コストも小さいというのが、多くの国で半ば常識となっている。

 こうした歴史的な経験を踏まえて、諸外国はワクチン接種にしのぎを削っている。これまでに開発された新型コロナワクチンの効果の持続性や変異株への有効性などは十分に解明されたと言い切れないものの、差し迫ったパンデミックへの対応を優先しているのである。

副反応への対応不足は明確だった

 こうした背景を考えれば、河野大臣が示唆した日本の現状の深刻さは明らかだ。ワクチン接種の流れに乗り遅れれば、その分だけ、日本に住む我々の命の危機が長引く。

 海外に「集団免疫」確立で遅れをとり、日本からの入国を認めないとか、入国後に隔離措置が必要になるなど、ビジネスマンが機動的に海外に渡航できず、ビジネスチャンスを失う事態も懸念せざるを得ない。

 ワクチン行政の闇は深く、歴史的な問題だ。発端は、1970年代から80年代にかけて、天然痘ワクチンを接種した後の脳炎などワクチンを巡る様々な副反応(副作用)に政府が十分な補償を行わなかったことに遡る。

 結果として、各地で集団訴訟が相次いだ。本来ならば、予め予防接種1本につきいくらという具合に副反応に備えた基金を設け、被害が生じた時には迅速に十分な補償をする体制を整えておくべきだった。

 これを怠ったことが元凶なのに、政府が責任を受け入れず争ったため、多くの裁判がいたずらに長期化・泥沼化、マスメディアからも集中砲火を浴びた。

 ワクチン行政は改善するどころか、益々後ろ向きになった。「病気で死んでも責任は問われないが、健康な人にワクチンの副反応が出たら行政が責められる」と、ワクチンの導入・普及に消極的になったのだ。日本はインフルエンザ・ワクチンぐらいしか広く接種されない国と化し、製薬会社は多いのに、ワクチン開発に積極的な製薬会社は激減した。

 江戸時代、緒方洪庵らが天然痘の治療に尽力し、昭和にかけて感染症研究で多くの世界的な業績を生みだしてきた伝統も途絶え、「ワクチン後進国」と呼ばれる体たらくを招いたのである。

 例をあげると、日本で子供のひどい下痢の原因であるロタウイルスのワクチンが定期接種になったのは、米国の13年遅れの去年10月だ。おたふく風邪のワクチンが定期接種になっていないのも先進国で日本くらいと言われている。

河野大臣が懸念する輸出規制

 挽回のチャンスは2000年代半ばにあった。海外の製薬会社の働きかけがあり、厚生労働省が子宮頸(けい)がんワクチンを定期接種ワクチンに指定したのだ。この指定を受けると、国には接種を勧奨する義務が生じ、市町村が実際の接種を行うことになっている。

 ところが、またも副反応対応が甘く、再び集団訴訟が起きた。そして、子宮頸がんワクチンを「積極的な接種推奨を一時的に控える」というワケの分からない位置づけにして逃げたのだ。WHOの2019年の調査によると、国内の接種率は1%以下。子宮頸がんは年間1万人程度が発症し、3000人近くが亡くなるとされている。きちんと定期接種を定着させるべきだろう。

 話をワクチン開発に移すと、日の丸印ワクチンの開発の遅れは目を覆うばかりだ。米英3社に加えて、ロシア、中国、インドでも開発した企業があるのに、日の丸印はまだない。WHOによると、現在63のワクチンが臨床試験をしているが、ここでも日本製は1つしかないという。

 諸外国が戦争やテロに匹敵する安全保障問題と捉えて、平時から巨費を投じてきたのに、日本が放置してきたことのツケが回った格好で、英米3社からの供給が日本の頼みの綱になっている。

 そうした中で、世界的な争奪戦が激化、国際協調が崩れているのが欧州だ。バルカン半島のEU加盟国候補のセルビアは、中国のシノファーム社のワクチンを購入、1月半ばから接種をスタートした。今や、ワクチン接種率で欧州大陸トップという。

 その隣国のハンガリーは、EU加盟国で初めてシノファーム・ワクチンの承認に踏み切った。同国はロシア製導入にもEU加盟国として初めて合意。オルバン首相は「EUは遅すぎる」と国際協調よりも自国民の生命を優先する考えを強調した。

 こうした加盟国の結束の乱れをEUは容認できない。河野大臣が懸念する輸出規制は、英アストラゼネカ社がワクチン供給の大幅削減を通告したことに対抗、EU域内で製造したワクチンが英国に優先的に供給されるのを防ぎ、EUの必要量を確保する狙いとされる。

 ここへきて、欧州委員会の高官が「EU域内から日本へのワクチン輸出が認可された」との報道もあるが、十分な数量が確保されたかは定かになっていない。

早急な立て直しが必要

 その一方で、中国製のように治験データに不透明感が残るものもあるが、米英製ワクチン供給の遅れや混乱に乗じて、中国、ロシア、インドはワクチンをアメに安全保障や経済関係を強化する「ワクチン外交」に余念がない。

 「河野発言」に先立ち、厚生労働省は1月20日、米ファイザー社との正式契約を発表した。その内容が「今年6月末までに6000万人分」だった基本合意と異なり、「年内に7200万人分」に変更され、供給と接種の時期が遅れる懸念が出ている。

 ベンチャー企業がアストラゼネカからライセンス供与を受けて日本で生産するワクチンに期待が集まっている半面、ファイザー社との契約変更が「今年前半までに全国民に供給できる数量の確保を目指す」という政府の方針の実現を難しくする可能性は否定できない。安倍、菅両政権の失態になりかねない問題だ。

 新型コロナ対策としてはもう間に合わないだろうが、いつ、新たな感染症のパンデミックが起きても不思議はない。日本にとって、ワクチン戦略の立て直しは差し迫った重要な課題である。

 

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