義憤

2021年3月28日 (日)

【LINE問題】ようやく発覚「個人情報流出」✍自治体など利用停止の動き

 LINE辞めSNSえる自治体NPO続々… 

読売新聞オンライン 2021年3月22日(月)20時58分配信

 無料通信アプリ「LINE」の利用者情報が業務委託先の中国企業から閲覧可能だった問題で、国や自治体などが利用を停止する動きが相次いでいる。自殺防止を目的にした相談窓口も他のSNSに切り替えられるなど影響が広がっている。

 厚生労働省はホームページに自殺防止に取り組む民間団体の相談窓口を掲載し利用を呼びかけていたが、団体側と協議し、20日までに3団体がLINEの活用を取りやめ、他のSNSや電話に切り替えた。

 LINEを含むSNS相談は、同省が補助金を出して2018年4月に本格的に始まり、20年3月までに相談回数は延べ約6万8000件に上った。LINEでの相談が84%(約5万7000件)を占めたという。

 LINE活用を中止したNPO法人東京メンタルヘルス・スクエア(東京)の担当者は「相談内容には、家族にも知られたくない事情も含まれ、情報が漏れないことが一番大事だ。SNSの安全性を国が徹底して調査してほしい」と話した。

 千葉県も住民サービスなどに使うアカウント6件のうち4件の利用を停止した。うち1件は、ホテルや自宅で療養する新型コロナウイルス感染者の健康観察を目的にしたもので、当面は電話で代用する。自殺防止などを目的としたLINE相談は、緊急性が高いとして運用を続ける。

 大阪市は、子育てなどに関する生活情報の発信や、市立学校の児童・生徒からの悩み相談など約60のLINEによるサービスを停止することを決めた。

 運営会社「LINE」(東京)は今回の問題で情報流出はなかったとしている。同社によると、約900自治体が公式アカウントを保有しているという。総務省は全国の自治体に対し、26日までにLINEの利用状況を報告するよう求めている。

 ソフトバンクLINEモバイル完全子会社化 

AMP 2021年3月31日(水)12時41分配信

 ソフトバンクは、LINEモバイルの全株式を取得し、完全子会社化することを決定した。

 これは、2021年3月のLINEとZホールディングスの経営統合を機に、同社がLINEプラットフォームを活用した通信事業における新サービスを提供することについて、LINEと詳細を協議し、LINEモバイルの完全子会社化はその一環として行われるものだという。

 なお、LINEモバイルの吸収合併については、引き続き両社間で協議を進めていくとのことだ。

LINE謝罪シャツ前だけイン…ぼやく上司と嘆く若手 今どきの世代間ギャップを埋める方法は?

南日本新聞 2021年3月31日(水)11時05分配信

 年齢が離れた人と接した際、何げない言動がきっかけで、気まずい空気が流れてしまったという経験はないだろうか? 「最近の若者は」とぼやく上司。「先輩の話が分からない」と嘆く若手。出会いの春を前に、今どきのジェネレーションギャップ事情を探り、溝を少しでも埋める方法を街中などで尋ねた。

「ドラマでしか見たことがないPHS(簡易型携帯電話、ピッチ)が説明なしに配られて困惑した」。社会人1年目の理学療法士迫田彩夏さん(23)=鹿児島市=はピッチの使い方が分からず、途方に暮れた。

 「当たり前のように使いこなす先輩たちを前に、知らないとは言えなかった」。1年近くたち、電話に出られるようになったが、いまだにかけ方は分からないままだ。

 ICT(情報通信技術)の発展により、情報機器の活用方法の違いを語る人は多い。

 同市の会社員男性(52)は、部下の20代新入社員が大学時代にスマートフォンでリポートを書いていたと知り、衝撃を受けた。パソコンより早く入力でき、場所を問わずに作業ができると聞かされた。「スケジュール管理やメモ取りも全てスマホで済ませる時代。若者のICT活用力には脱帽です」と苦笑いする。

 同市の男性会社員(53)は、遅刻の報告や謝罪を無料通信アプリLINE(ライン)で済ませる若手社員に違和感を覚える。「時間を取らないように気を使っているのかもしれないが、気まずさから逃げているようにも感じる」

 若い世代からは、ベテランの指導法への不満が聞かれる。飲食店でアルバイトをしていた姶良市の大学4年生(21)は、配膳方法について60代の先輩従業員に尋ねたところ、「少しは自分で考えなさい」と一蹴された。「ミスを防ぐために質問したつもりだったので悲しかった。楽をして覚えようとしているように思われたのかもしれない」と振り返る。

「“取りあえずビール”が当たり前だったけれど」と寂しそうに語るのは、鹿児島市の金融会社員新福幸大さん(40)。酒席の場でソフトドリンクしか頼まなかったり、飲み会に参加しなかったりする若手が増えた。「強要したいわけではない。ただ『この一杯のために今日一日頑張ってきた』と一緒に楽しめる子は少ないかも」

 正面のシャツをズボンに入れ、背面の裾をあえて出すのは最近の若者の流行。霧島市の第一工業大学4年の山原みなみさん(21)は、その着こなしが母親の恭子さん(49)に理解されなかった。

 着やせ効果も期待できるが、恭子さんから「シャツが出ているよ」と注意される。みなみさんは「街で見かける中高年は私服でもシャツをズボンにきっちりと入れる人が多い。若者を見ると、だらしなく感じるのだろう」と分析する。

違い逆手に歩み寄り

 育ってきた環境が違えば、知識や価値観にズレが生じるのは当たり前。相手の考えを知ろうと、歩み寄る大切さを訴える人もいる。

 清和小学校(鹿児島市)の宇都修校長(59)は、子どもたちから薦められたアニメや音楽を動画投稿サイト「YouTube(ユーチューブ)」で視聴するようにしている。「実際に見てみると、夢中になるものが多い。児童との距離を縮めるきっかけになっている」と話す。

 同市の美容室「adito」の笹元光太郎店長(35)は「ジェネレーションギャップは逆に会話を深めるチャンス」と捉える。さまざまな世代が来店するため、知らない歌手や言葉を聞いた時は「教えてください」と積極的に声を掛けるようにしているという。

 市内の無職女性(71)は、若者とメークについて語り合うのが楽しみ。最近、買い物先で出会った20代女性から学んだのは、自然な付けまつげと目力がアップするアイラインの引き方だ。「昔は化粧の方法も少なかったのでとても参考になる。文化の違う若者と交流することで世界が広がった」と喜ぶ。

 想像するだけでもゾッとする『中国への情報流出』LINE使用の公共サービスは停止すべき 

夕刊フジ 2021年3月30日(火)16時56分配信/長谷川幸洋(ジャーナリスト)

 無料通信アプリ「LINE(ライン)」の利用者の個人情報が、中国から閲覧できるようになっていたうえ、韓国で画像や動画データが保管されていた問題が波紋を広げている。政府や自治体などは、LINEを使った公共サービスの提供を全面的に停止すべきだ。

 この問題をスクープした朝日新聞によれば、中国にある子会社の社員が日本のサーバーにアクセスしていた。また、韓国の子会社社員も利用者の画像や動画へのアクセス権限を持っていた、という。

 とりわけ、中国の子会社にアクセス権限を与えていたのは重大だ。よく知られているように、中国は2017年に施行した国家情報法によって、政府が情報提供を求めたときは、企業や国民は拒否できない仕組みになっている。全体主義国家の中国は、自由主義国とはまったく異なる。

 報道によれば、LINEは不適切な書き込みを監視する業務を中国子会社に委託していた、という。だが、不適切かどうかに関係なく、もしも中国政府が「日本政府や自衛隊、与野党の情報をよこせ」と社員に要求したとしても、拒めなかっただろう。

 それどころか、IDやパスワードのような、そもそもアクセスに必要な情報自体が中国側に流出した可能性もある。中国とすれば、日本の機密情報は喉から手が出るほど欲しいのだから、そう要求したとしても不思議ではない。

 中国がそんな情報を握っていたら、と想像するだけでも、ゾッとする。野党がLINEを通じた国会対策に関する情報のやり取りを禁止したのは、当然だ。政府や自衛隊、警察、自治体、与野党などは「アクセス情報が流出した」という最悪の事態を前提にして、対処すべきだ。

 LINEは東日本大震災以来、政府や自治体の間でも急速に利用が広がった。公共サービスの利用が信頼性につながり、それが個人利用を促進した面もある。だが、親会社が韓国企業であり、公的な監視の目が届きにくいことを考えれば、政府はもっと慎重に対応すべきだった。

 LINEだけではない。

 中国とのつながりを指摘されている映像アプリや会議アプリもある。最近、人気を集めている音声アプリの「Clubhouse(クラブハウス)」は米国企業が開発したが、音声データの一部が中国政府にアクセスされている可能性が指摘されている。

 電話については、私の知る限り、一部の自衛隊幹部や政府高官、有力政治家は、盗聴防止付き携帯や「ガラケー」と呼ばれる旧式携帯を使っている。だが、例えば、ドコモの旧移動通信サービスは2026年に停止される。

 いまや、日本でLINEの利用者は人口の7割近くに達している。個人的には躊躇(ちゅうちょ)しても、仕事上、あるいは付き合い上、やむを得ず、使ってきた人も多いはずだ。これだけ多くのSNSアプリが登場してくると、今回のケースに限らず、いくら厳しく管理しても、情報流出を絶対に阻止できるとはかぎらない。

 個人はむしろ情報流出を前提に、SNSの使い方を見直した方がいい。

 政府LINE使用ガイドライン策定。機密情報の扱い停止 

ImpressWatch 2021年3月30日(火)9時48分配信

 LINEの個人情報管理問題を受け、政府は、機密性を要する情報を取り扱うLINEのサービスの利用を停止。関係省庁と連携し、早期のガイドライン策定に取り組む。29日に加藤官房長官が会見で明らかにした。

 個人情報や機密情報などを扱うLINEサービスの利用を停止。関係省庁によるタスクフォースを立ち上げ、各利用主体による判断の参考となるガイドラインを早期に策定する。

 なお、行政からの情報発信など、個人情報や機密情報を扱わないLINEのサービスについては、「個人情報等の管理上の懸念が一定程度払しょくされたと判断し、政府機関における利用を許容する」としている。

 また、LINEが自治体向けに開発しているワクチン接種予約システムについては、データは国内で保存され、海外からのアクセスも遮断するため、「開発を継続することには問題ない」としている。

 LINEに個人情報保護委が立入検査…違反あれば指導や勧告も 

読売新聞オンライン 2021年3月31日(水)19時00分配信

 無料通信アプリ「LINE」の利用者情報が、業務委託先などの中国企業から閲覧できた問題で、政府の個人情報保護委員会は31日、個人情報保護法に基づき、運営会社LINEと親会社のZホールディングス(ZHD)に立ち入り検査を実施した。引き続き、中国企業に対する監督状況や閲覧実態などを調べる。

 同法では、企業などに対し、個人情報に絡む業務委託先を適切に監督することや、個人情報を海外移転(海外からのアクセス含む)する際に利用者の同意を得るよう義務づけている。

 同委員会は、LINEがこれらの義務に違反した可能性もあるとみて、資料の提出を受けて調査しており、より詳細な調査には立ち入りが必要と判断したとみられる。違反が確認されれば、指導や勧告などで是正を求める。

 LINEによると、中国にある子会社や業務委託先の外部企業など計5社で遅くとも2018年8月以降、日本のサーバーにある利用者の個人情報や一部のメッセージなどが閲覧可能な状態だった。情報漏えいは確認されていないとしている。

 LINEとZHDは「検査に向け、引き続き真摯に対応していく」とコメントした。

 マイナンバー8800億円投入 菅首相、費用対効果悪すぎる 

時事通信 2021年3月31日(水)16時37分配信

 菅義偉首相は31日の衆院内閣委員会で、マイナンバー制度に関する国費支出の累計が関係法成立後の過去9年で約8800億円に上ると明らかにした。

 立憲民主党の後藤祐一氏が「コストパフォーマンスが悪過ぎるのではないか」と指摘したのに対し、「確かに悪過ぎる」と認め、マイナンバーカード普及や利便性向上などの改善に全力を挙げる考えを示した。

 同カードの普及率は2割台と低迷し、国民が利便性を実感できていないとの指摘もある。首相は「スマートフォンへのカード機能の搭載は2022年度中、運転免許証とカードの一体化は24年度末に実現する。こうした工程に基づいて国、地方のデジタル化を着実に進めていきたい」と強調した。 

 

2020年12月 3日 (木)

【習的中國】香港“民主活動家”周庭さん(24)✍禁固“10箇月”確定

成す術なく押さえ込まれた香港民主派「時代はわってしまった

毎日新聞 2020年12月2日(水)19時43分配信

 周庭氏や黄之鋒氏ら海外でも著名な香港の民主活動家が実刑判決を受けて収監されたことで、国際社会では中国政府や香港政府に対する批判が強まりそうだ。ただ、香港では容疑者を中国当局に引き渡すことも可能な「国家安全維持法」(国安法)の威力は絶大で、施行から5カ月が過ぎたが、抗議デモがほぼ抑え込まれているなど、香港の民主派はなすすべがない状況だ。

 「重すぎる判決だ」「時代は変わってしまった」。香港のインターネット掲示板などでは2日、量刑を批判する書き込みが相次いだ。周氏はこれまで「前科」がなく、執行猶予がつかなかったことに市民の間では衝撃が走った。「司法の判断が従来より厳しくなっている」(2019年のデモに参加した若者)との見方が広がっている。

 黄氏が17年に違法集会に参加した罪などで実刑判決を受けて収監された際は、判決に反発する抗議デモが起きた。だが、この日は目立った抗議活動はなかった。国安法による取り締まりへの恐怖心から、デモや集会をする市民がほとんどいなくなっているためだ。同法による逮捕者は、既に30人近くにのぼる。

 周氏や黄氏らは、国安法施行後も「香港情勢に関心を持ってほしい」と国際社会に呼びかけてきた。だが、収監されたことでこうした活動も当分できない。

 民主派にとって抵抗の拠点だった立法会(定数70、欠員27)も「陥落」した。香港政府は11月、政府への「忠誠」を規定した香港基本法を逸脱する行為があったとして、民主派4議員の資格を剥奪。これに抗議して民主派15人がこれまでに辞任した。立法会の43人のうち親中派は41人となった。

 立法会選は21年9月に予定されるが、香港政府は抵抗する民主派候補の出馬を認めない方針だ。

 一方、香港での活動をあきらめ、海外へ逃れようとする若者もいる。国安法や暴動容疑などで逮捕された後、保釈された若者ら12人が8月に香港から台湾への密航を計画。モーターボートで約300キロ離れた台湾の離島を目指したが、海上で中国広東省の海警局に不法越境の疑いで逮捕された。

 11月には、台湾へ逃れた別の若者らを支援したとして、男女3人が国安法違反容疑で逮捕された。当局は支援者も含め徹底して民主派を取り締まり、抗議活動再燃の芽を摘み取る構えだ。

 香港の民主活動家・周庭さん禁固10カ月氏は13カ月半 

毎日新聞 2020年12月2日(水)16時55分配信

 香港の地方裁判所は2日、2019年6月にあった警察本部への抗議デモを巡り、無許可集会扇動罪などに問われた民主活動家の周庭氏(23)に対し、禁錮10カ月の実刑を言い渡した。周庭氏が実刑判決を受けるのは初めて。現地メディアが報じた。

 同罪などに問われたいずれも民主活動家の黄之鋒氏(24)、林朗彦氏(26)にも、それぞれ禁錮13カ月半と7カ月の実刑判決が言い渡された。

 3氏は19年8~9月に逮捕され、その後、保釈された。3人は前回公判までに有罪判決を受け、11月23日の公判で保釈継続が認められず、拘置所に勾留されていた。

 周氏は20年8月に「外国勢力と結託した疑いがある」として国家安全維持法(国安法)違反容疑でも逮捕され、その後、保釈された。国安法の最高刑は無期懲役。当局は、国安法事件でも周氏の起訴を目指して捜査を続けている。【台北・福岡静哉】

 ◇ 香港の民主化運動を巡る主な動き

2014年9月 民主化を求める学生らによるデモ「雨傘運動」が始まる。12月まで続く

2019年4月 香港立法会で「逃亡犯条例」改正案の審議開始

2019年6月 「逃亡犯条例」改正案に反対する大規模デモが始まる

2019年9月 香港の行政長官が改正案撤回を表明

2019年11月 香港区議会選挙で民主派が圧勝

2020年6月 中国全人代常務委が香港国家安全維持法(国安法)案を可決。翌日から拘束者が続出

2020年11月 中国全人代常務委が、香港政府が立法会議員の資格を剥奪することを可能にする「決定」を採択し、香港の三権分立を名実ともに否定

Photo_20201204072501

 やはり禁固刑香港民主派2人言論を封じた中国 

Foresight 2020年12月2日(水)18時31分配信/野嶋剛(ジャーナリスト)

 香港で、アグネス・チョウ(周庭)さんやジョシュア・ウォン(黃之鋒)さんら民主活動家3人が「未許可デモを扇動し、参加した」との罪で起訴された裁判の公判が12月2日、香港の裁判所で開かれた。周庭さんには禁錮10月、黃之鋒さんには禁錮13月半がそれぞれ言い渡され、香港メディアによると、量刑言い渡しの瞬間、周庭さんは法廷で頭を抱えて涙を流したという。

 法廷戦術のため、3人は起訴事実を受け入れ、有罪が確定して収監されているが、違法集会煽動罪では最大5年の禁錮刑とされる判決の行方が注目されていた。

 一方で、そもそも、起訴事由である昨年6月21日の警察包囲デモに3人が参加したのは事実だが、必ずしもそのデモを「扇動した」とは思えないところがある。

 彼ら3人ともが禁錮刑という形で厳罰に処された結果は、現在の香港をめぐる厳しい事態が、彼らの身に降りかかったと言えるだろう。

筆者が見た警察包囲デモの夜

 警察包囲デモの夜は、特別な雰囲気が香港を覆っていた。警察による暴力行為が本格的に社会の関心の的となり、デモを引き起こした。警察の包囲は1つ間違えば一斉逮捕にも繋がりかねず、4月に始まった逃亡犯条例改正反対運動にとっても大きなターニングポイントになる可能性があった。

 当時、香港にいた私は、警察包囲の一部始終を見ておこうと、現地の記者団に混じって、警察と学生たちの間の取材スペースに陣取った。

 湾仔(ワンチャイ)の警察本部の周囲には、午後4時ぐらいから人が集まり始め、次第に人数は膨れ上がった。夜に入ると、その数は数万人に達していた。

 警察にも相当のプレッシャーになっていたと思われる。本部ビルの高層階の窓際には、ガラス越しに学生たちの集結を確認しようと、次々と幹部らしき人々が現れた。学生たちは、それを見つけるとレーザーポインターで照射して嫌がらせをした。警察本部はスプレーで落書きされ、本部ビルに大量の卵が投げつけられ、コントロールが外れた卵がしばしば私たち記者団に降り注いだ。

 デモは組織されたものではなく、自然発生的に起きたものなので、「無大台(リーダー不在)」であり、特定の人物が先導しているようには見えなかった。

 デモ隊の中から散発的に警察を批判するシュプレヒコールが起きて、夜の湾仔の町にこだました。深夜零時を過ぎると、やがて若者たちの間で、包囲を解いて帰宅すべきか、そのまま包囲を続けるべきか、議論が始まった。

 そこで黃之鋒さんは少し高いところに立って、人々に呼びかけていた。

「ここに留まるか、いったん解散か、投票か何かの方法で決めないといけない」

 一方、周庭さんはこうした場で演説することは滅多にない。特にこの日は、6月10日に日本記者クラブで会見するなど、ハードスケジュールの訪日日程を終えたばかりで疲れ切っていたのか、途中から道端に座り出して、背中を丸めて眠ってしまった。確かに彼女は未許可のデモにほかの数万人の若者たちと一緒に参加していたが、私が見た限りでも「扇動した」と言えるような行為はなかったはずだ。

 黃之鋒さんにしても、リーダーのいない包囲行動のなかで、数万人の若者たちが夜を徹して包囲を続けることを懸念していたように見えた。もちろん現場で警察批判の声をあげていたが、それは数万人の若者たちと何ら変わらない。「扇動」というよりは「冷静な対応」を呼びかけていたように見えた。

民主派に厳しい裁判官

 にもかかわらず、彼ら3人が捜査のターゲットになった背景には、香港政府、あるいはその背後にいる北京政府の意向で、海外への発信力のある国際派の人物を抑え込むことで、その影響力を封じるとともに、若い民主派の代表格である彼らを使って「殺雞儆猴(見せしめ)」をする狙いがあった可能性がある。

 香港では、これまでに一連の抗議行動で1万人以上が逮捕され、2000人以上が起訴されている。黃之鋒さんも周庭さんもその1人ではあるが、彼らが実刑判決を受けることの意味は大きい。

 香港では、民主派は多くの政党、グループの集合体であり、特定のスポークスパーソンやリーダーがいて情報発信をしているわけではない。特に2014年の雨傘運動以後は、伝統的な民主派の影響力が減退し、若い世代へと運動の主導権が移っていった。

 そのなかで、雨傘運動時代から英誌『TIME』の表紙を飾るなど、欧米メディアに常に登場する黃之鋒さんと、日本でツイッターのフォロワーが57万人という周庭さんは、絶大な影響力を誇っている。

 それぞれの発信力を封じ込めるため、通常、初犯などの場合、社会奉仕での償いを認めることが多い香港の常識と反した形で、厳罰をもって対応した形だ。

 この裁判を担当する王詩麗という裁判官は、民主派の活動家に厳しい判決をすることで知られている。この裁判のなかでも、社会奉仕に従事することによって罪を償うという方法は取らないと述べており、判決に対しては悲観論も広がっていた。

周庭さんがFacebookに綴った気持ち

 これまでの裁判の流れを整理すると、政治団体「デモシスト(香港衆志)」の主要メンバーであった黃之鋒、周庭、林朗彦の各氏は、先述の通り昨年6月の警察包囲デモにおいて「他人を扇動し、未許可のデモに参加した罪」などで起訴された。

 彼らは国家安全維持法の導入後、デモシストから脱退を表明している。弁護士のアドバイスを受けて、3人とも起訴事実を認めたため、証人の喚問なども行われず、11月23日にすでに有罪という形で結審し、そのまま収監され、量刑が12月2日に言い渡された。林朗彦さんも禁錮7月だった。

 彼ら一人ひとりの覚悟と心情は、とても重いものがある。23日の裁判の前、周庭さんはFacebookで、こう語っていた。

「明朝9時半、私と黃之鋒、林朗彦は、去年の警察本部包囲事件で、西九龍の裁判所に行く。

 明日から裁判は尋問に入るが、彼ら2人はすべての罪を認めることを決めているので、すぐに結審段階に入って、明日に判決がでるかもしれない。

 言い替えれば、明日私たち3人は監獄に入れられてしまうのだ。

 もしそうなれば、人生で初めて刑務所に入ることになり、心の準備はできているとはいえ、やっぱり少し怖い。でも、多くの友人たちに比べれば、私の負担は重いものではない。そう考えると、頑張って勇気をもって自分も向き合いたい。

 明日を無事やりすごしても、12月2日には国家安全維持法のことで警察署に呼び出されている。難関は1つまた1つやってくる。自分が固い志を持ち続けていきたい」

Photo_20201204073001

 23日の裁判後に収監されたあと、周庭さんは知人への伝言でこんな言葉を残している。

「ここ数日、精神状態はあまりよくありません。気温が下がったせいもあるのか、あまりよく眠れず、体の調子が悪いです。

 眠れない時、いつも思い出してしまうのは、前回、裁判官に言われた言葉です。前回出廷した時に裁判官から、社会服務令(服役はしない強制社会奉仕活動命令)の検討は不要であると言われて、すごく悔しく、やりきれない思いになったことを思い出します。水曜日には禁固刑が下される可能性が高いということなので、今はとても不安です」

 周庭さんは3日に24歳になるが、誕生日を獄中で迎えることとなった。

まだ希望があると語った黃之鋒

 一方、過去に禁錮刑を受けた経験がある黃之鋒さんは、こう述べている。

「今回の事件は比較的軽いものですが、(私たち)被告人はたまたま公共人物で、国際社会の注目を集めて、このような過分な応援を受けています。根本的に、もっと、もっと、もっと多くの人々が知らない、あるいはかえりみられない手足(仲間)がいるのです。国家安全維持法が導入されて100日あまり経過しましたが、今日までこの法律で私が逮捕・起訴されていないのはすでにある意味で一種の奇跡ではないかと思います」

 周庭さんと同様、大学を卒業したばかりで4日に卒業式を控えていた黃之鋒さんは収監される前、国家安全維持法のもとでも自ら「仕事報告」と題して、いろいろな政治活動に参加し、発信し、各国のメディアの取材を受けてきたことをFacebookで紹介してきたことについて、こう書いている。

「香港人への希望をまったく失っておらず、議会に議席がなくても選挙がなくても、我々はこの(香港という)共同体のためにさらに多くのことができるのです。国家安全維持法の下でも、民主運動の将来はまだ希望があることを証明できます」

 2014年の雨傘運動では10代後半でまだあどけなさが残っていた周庭さんや黃之鋒さんも、この冬にようやく大学卒業を迎えて、本来ならば家族と一緒に祝うべきタイミングであった。そのなかで迎えた厳しい運命に対して、なお50年にわたって「高度な自治」を保障された「一国二制度」を守るために立ち向かおうという悲壮な彼らの決意が、香港政府や中国の中央政府に伝わることはないだろう。

 数万人のデモ参加者から「選ばれて」犯罪者に仕立てられたに等しい彼らは、事実上政治犯と言える存在であり、日本や世界がもし何も語らず、動かず、座視すれば、この状況を正当化することになる。

 周庭さんは“また日本に遊びに行く”と話していた。友人ら「正しいことをしているのにこの仕打ちは何だ」と憤り 

HUFFPOST 2020年12月2日(水)19時27分配信

 2019年6月に「逃亡犯条例」改正案に反対する無許可のデモに参加し、参加者を扇動したなどとして、香港の民主活動家3人に実刑判決が言い渡された。

 日本で強い影響力を持つ周庭(アグネス・チョウ)さんは禁錮10カ月、黄之鋒(ジョシュア・ウォン)さんは禁錮13.5カ月だった。

 周庭さんと親交のあるライターは「正しいことをしているのにこの仕打ちはなんだ」と憤る。また、専門家は「急に国家が統制して自由を奪う状況になった」と指摘する。

「もともと泣く人ではない」

 香港と日本のダブルで、周庭さんや黄之鋒さんとも親交のあるフリーライターの伯川星矢(はくがわ・せいや)さんは、実刑判決を受けて「周庭さんは“また日本に遊びに行く”とずっと話していたが、それが叶わなくなった。しばらく会えない人になってしまいました」と声を震わせた。

 周庭さんは判決を言い渡された際、涙を流したと伝えられるが「もともとそんなに泣く人ではない。ものすごいストレスがあったと思う。心が痛みます。正しいことをしているのに、この仕打ちはなんだろう」と疑問を呈した。

 また、3人が実刑判決を受けたことについては「この判例ができてしまったことは、今後香港人が同じ活動をしたら、同じ仕打ちを受けると宣言されたに等しい」と強く批判した。

「日本占領期以来の厳しい状況」

 周庭さんらの支援者と連絡を取り合ってきた東京外国語大学の倉田明子准教授(中国近代史)は、今回言い渡された量刑について「周庭さんに関しては、香港の弁護士の話では減刑されるという見方もあったが、減刑なしの判決となった」とした。

 また黄之鋒さん、それに禁錮7ヶ月を言い渡された林朗彦(アイバン・ラム)さんについては「もともとは不法集会に関する罪では、前科の無いケースや学生などは罰金やボランティアなどが命じられていたが、徐々に量刑が重くなっていた。罪状に対して厳しい量刑ではないか」と指摘する。

 周庭さんは11月23日の判決で保釈が認められず、収監されていた。「面会した支援者によると、収監された直後は元気があったが、毎日面会するたびに元気が無くなっていき、笑顔も消えていき体調も悪化した。保釈が認められなくなり、実刑判決が下される予測があったため、不安そうだったと聞いている」と話す。

 また、去年の逃亡犯条例改正案の反対デモをきっかけに、民主派への圧力が強まる状況については「香港はすごく自由な社会だったが、急に国家が統制して自由を奪う状況になった。日本占領期(1941~1945)以来の厳しい状況に急速に変わっている」と指摘した。

Photo_20201204073301

 周庭さん禁固10カ月、香港人団体「集会の中止呼びかけ」と無実主張 

HUFFPOST 2020年12月2日(水)16時39分配信

 2019年6月、「逃亡犯条例」改正案に反対するために警察本部を包囲したデモに加わり、デモ参加者を扇動したなどとして有罪とされ、収監されていた香港の民主活動家3人について、香港の裁判所は2日、周庭(アグネス・チョウ)さんに禁錮10カ月、黄之鋒(ジョシュア・ウォン)さんに禁錮13.5カ月の量刑をそれぞれ言い渡した。RTHKなどが報じた。

 香港の民主活動家・周庭さん、黄之鋒さん、それに林朗彦(アイバン・ラム)さんの3人は、2019年6月、当時の「逃亡犯条例」改正案に反対するために実施された、湾仔の警察本部を包囲するデモに参加し、デモ参加者を扇動した罪に問われていた。11月23日の公判では保釈の継続が認められず、収監されていた。

 3人は弁護士と相談するなどして、起訴された内容を認めていた。

 2日は量刑が言い渡され、周庭さんは禁錮10カ月、黄之鋒さんは禁錮13.5カ月、林朗彦さんは禁錮7カ月だった。未許可のデモに参加するよう他人を扇動する罪は、最高で5年の刑期が言い渡される可能性があった。

 在日香港人団体「香港の夜明け」は11月30日、衆議院議員会館で開かれた超党派の議員連盟の記者会見に参加し、「当時3人は確かに現場にいたが、集会を中止させるような言動が見られた。3人はリーダーでもなければ、他人を扇動する行為もなかった」として無実を主張していた。

共産志位委員長香港活動家への実刑判決中国指導部に抗議

産経新聞 2020年12月2日(水)18時28分配信

 共産党の志位和夫委員長は2日、香港の裁判所がデモ扇動罪に問われた民主活動家の周庭(アグネス・チョウ)氏らに実刑判決を言い渡したのは弾圧だとして、中国指導部に抗議するコメントを発表した。コメント全文は次の通り。

   ◇

 本日、香港の裁判所は、民主活動家の黄之鋒、周庭、林朗彦氏に対し実刑判決を言い渡した。これは、香港に高度な自治と自由を認めた『一国二制度』という国際公約を形骸化する国家安全維持法の強行の下での新たな弾圧措置であり、中国指導部に強く抗議する。香港での野蛮な弾圧の即時中止を強く求める。

共産志位委員長傲岸不遜で許しがたい中国外相の“尖閣”発言

産経新聞 2020年11月26日(木)20時02分配信

 共産党の志位和夫委員長は26日の記者会見で、尖閣諸島(沖縄県石垣市)をめる中国の王毅国務委員兼外相の発言を厳しく非難し、合わせて茂木敏充外相の対応も批判した。

 王氏は24日の日中外相会談後の共同記者発表で「一部の真相が分かっていない日本漁船が釣魚島(魚釣島の中国名)周辺の敏感な水域に入る事態が発生している。これに対して中国側としてはやむを得ず必要的な反応をしなければならない」などと主張した。

 志位氏はこの発言をめぐり「尖閣諸島周辺の緊張と事態の複雑化の最大の原因は、日本が実効支配している領土に対し、力ずくで現状変更をしようとしている中国側にある。中国側の覇権主義的な行動が一番の問題だ」と指摘。「日本側に責任を転嫁する、驚くべき傲慢不遜な暴言だ。絶対許してはならない暴言だ」と強調した。

 さらに、王氏と並んで共同記者発表した茂木氏について「王氏の発言に何ら反論もしなければ、批判もしない。そういう対応をした」と指摘し、「中国側の不当で一方的な主張だけが残る事態になる。極めてだらしがない」と批判した。

 志位氏の記者会見での王氏批判部分の要旨は次の通り。

 「24日に日中外相会談が行われた。これにかかわって大変見過ごせない事態があったので、コメントしておきたい」

 「会談後の共同記者発表で、中国の王毅外相がこう言った。『ここで一つの事実を紹介したいと思います。この間、一部の真相をよく知らない日本の漁船が絶え間なく、釣魚島の周辺の敏感な水域に入っています。これに対して中国側としてはやむを得ず必要な反応をしなければなりません。これが一つの基本的な状況です』」

 「これは非常に重大な発言だと、許しがたい発言だと、暴言だと思う。結局、日本側の責任にしているわけだ。しかし、尖閣諸島周辺の緊張と事態の複雑化の最大の原因がどこにあるかといえば、日本が実効支配している領土、領域に対して力ずくで現状変更しようとしている中国側にある。中国側の覇権主義的な行動が、一番の問題だ」

 「にもかかわらず、王毅外相のこの発言は日本側に問題があった。だからやむを得ず中国としてはこういう対応をしているんだと日本側に責任を転嫁する、驚くべき傲慢不遜な暴言だ。絶対許してはならない暴言だ」

 「海上保安庁のデータを見てみると、中国の公船の尖閣諸島の接続海域への入域日数は、今年すでに24日までで304日。昨年1年間の282日を大きく上回っている。さらに中国の公船が日本の漁船を追い回すという非常に危険な事態も起こっている。私たちとしては中国のこのような覇権主義的な行動をただちに中止することを重ねて強く求める」

 「そしてここで重大なのは、茂木氏が共同記者発表の場にいたわけでしょ? それを聞いていながら、王氏のこうした発言に何らの反論もしなければ、批判もしない、そういう対応をした。そうなると、中国側の不当で一方的な主張だけが残る事態になる。これはだらしがない態度だ。極めてだらしがない」

 台湾蔡英文総統絶望する時ではない。台湾は応援し続ける 

フォーカス台湾 2020年12月3日(木)12時04分配信

 香港の民主活動家、黄之鋒(ジョシュア・ウォン)氏らに実刑判決が言い渡されたのを受け、蔡英文(さいえいぶん)総統は2日、フェイスブックで、「今はまだ絶望する時ではない。民主主義の台湾が必ずや香港人を、民主主義を応援し続ける」と香港の人々にエールを送った。

 蔡総統は、実刑判決を下された黄氏ら3人は、民主主義を目指す香港の人々の集団の意志を表すものだとし、「非常に遺憾だ。この判決は香港人の民主化の訴えを再び権威主義で抑えつけた」と批判した。

 また、台湾もかつて民主化のために戦ったことに触れ、「われわれは恐れがあるからといって心の中の理想の台湾を忘れることはなかった。暗い夜はいつかは過ぎ去り、夜明けは必ずやってくる」と香港の人々を激励した。

大陸委、遺憾を表明 異分子を排除する行為

台湾で対中政策を担当する大陸委員会は2日、声明を出し、関心と遺憾を表明した。また、今回の判決を「関係当局が異分子を排除する行為であり、香港の自由や安定、繁栄を破壊するものだ」と指摘した。

 リンゴ日報創業者勾留 保釈認めず 前議員は亡命 

AFPBB News 2020年12月4日(金)6時22分配信

 香港メディア界の大物で、民主派の現地紙の創業者である黎智英(ジミー・ライ、Jimmy Lai)氏(73)が3日、詐欺の罪で起訴され、保釈は認められなかった。一方、著名な民主派政治家の前議員、許智峯(テッド・ホイ、Ted Hui)氏は同日、デンマークへの移動中、亡命を決めたと発表した。香港では、民主活動家や中国政府を批判する著名な人物が相次いで起訴されている。

 裁判所の文書によると、黎氏と蘋果日報の幹部2人は、同紙のオフィスが賃貸契約で許可されていない目的で使用された疑いに関連し、詐欺の罪に問われている。黎氏が所有する大衆紙「蘋果日報(アップル・デーリー、Apple Daily)」は民主派を明言し、中国当局に対する厳しい批判で知られ、高い人気を誇る。

 6月に香港国家安全維持法(国安法)が施行されて以来、中国は香港に対する取り締まりを大幅に強化。民主派議員の資格が剥奪されたほか、民主活動家数十人が起訴されたり捜査の対象となったりしている。

 一方、抗議運動に関連し複数の罪で起訴されている民主派の前議員、許智峯(Ted Hui)氏は3日夜、「亡命する」ことを決めたと認めた。許氏は裁判所からデンマークで行われる会議のための渡航を許可されていた。国外に逃れる香港の著名民主活動家の数は増え続けている。

Photo_20201204072801

関連エントリ 2020/08/18 ⇒ 【第45代大統領】✍司法省<中華系元CIA職員>スパイ容疑で逮捕
関連エントリ 2020/08/11 ⇒ 【習的中國】“国家安全法”発動✍「香港民主派」続々逮捕
関連エントリ 2020/07/01 ⇒ 【香港返還記念日】前日✍「国家安全維持法」成立「一国二制度」終了。
関連エントリ 2020/06/05 ⇒ 【米中🈟冷戦】米上院「中国企業の米国上場廃止に繋がり得る法案」可決
関連エントリ 2020/05/24 ⇒ 【習的中國】“国家安全法”整備に抗議する数千人の市民に催涙弾!!

 

2020年10月27日 (火)

【座間9人殺害】公判✍被害者遺族「“殺害同意”あり得ない」

 娘のために」埼玉春日部の26歳遺族主張殺害同意あり得ない 

毎日新聞 2020年10月26日(月)20時53分配信

 神奈川県座間市のアパートで2017年に9人の遺体が見つかった事件で、強盗・強制性交等殺人罪などに問われた白石隆浩被告(30)の裁判員裁判は26日、東京地裁立川支部(矢野直邦裁判長)で、5人目の被害者とされる埼玉県春日部市の女性(当時26歳)の事件の審理が始まった。元夫が証人出廷し、女性との間には9歳になる娘がおり、「子どものことを第一に考える人だった。(殺害に同意することは)あり得ない」と答えた。

 検察側の質問に答えた元夫は「裕福でなかったので、食べ物や着る物も娘を優先させていた」と振り返った。娘は今も事件のことを知らず、元夫に「ママはどこに行ったの」と問いかけるという。昨年、墓参りをした際に伝えようとしたが、「勇気がなくて言えなかった」と声を詰まらせた。

 検察側は、女性は一時同居していた義理の両親と関係が悪くなり、精神的に不安定になったと指摘。17年8月に離婚し、同年9月23日にツイッターで被告と知り合うと、24日に被告宅に向かって被害に遭ったとしている。殺害への承諾があったとする弁護側の主張について、「離婚後も一緒にいたいと本人から聞いており、あり得ない」と語った。過去には「自殺を止めてほしい」と伝えられたこともあったと述べた。

 女性の母も出廷。「もう二度と娘に会えないと思うと生きていくのも苦しい」と涙声で語った。「そばにいてあげればこうはならなかったのか」と自分を責めたこともあるといい、白石被告に対しては「ずっと苦しい気持ちで生きていかねばならないことを分かってほしい」と訴えた。元夫と母はともに死刑を求めた。

 法廷では傍聴人や被告から証人の姿が見えないよう、ついたてが立てられた。

 白石隆浩被告(30)「普通の状態を襲うこと快感に 

産経新聞 2020年10月26日(月)18時57分配信

 神奈川県座間市のアパートで平成29年、男女9人が殺害された事件で、強盗強制性交殺人などの罪に問われた無職、白石隆浩被告(30)の裁判員裁判の第11回公判が26日、東京地裁立川支部(矢野直邦裁判長)で開かれた。白石被告は被告人質問で、4番目に犠牲となった大学2年の女子学生=当時(19)=について、直接会ってから具体的な自殺の話題は「一切出なかった」とし、殺害時は突然襲ったと振り返った。

 被告は一緒に自殺する口実で学生と連絡を取ったが、直接会ってからは具体的な自殺方法などの話題は出ず、悩みも「聞けなかった」と説明。殺害時の記憶は「断片的」としつつ、「相手が普通にしている状態を襲うことが快感につながった」と述べた。殺害直前に自殺を勧めたり、殺害の同意を得たりしなかったとの認識も示した。

 また、5番目に犠牲となった無職女性=同(26)の事件に関する証拠調べも行われ、女性の元夫と母親が証人として出廷。女性は生前、首にロープをかけるなど自殺未遂をしていたが、元夫は「死にたくないし、止めてほしかったと聞いていた。本気で自殺しない確信はあった」とし、「殺害の承諾はあり得ないと思う」と証言。2人とも被告に死刑を望むとした。

 この日の被告人質問では、犠牲者らと同時期にSNS(会員制交流サイト)で出会い、10日間ほどアパートに滞在した女性についても触れられた。

 被告は、仕事や身なりから収入があると感じ、飲食や生活費に3万円程度の支払いをさせていたと言及。金が得られなければ殺害したか問われると「関係は良好と思っていたので(殺そうという)考えはなかった」とし、殺害するかどうかは「状況によりけりで、収入がなくても私に対して分かりやすい好意を示すなら付き合うことなどを考えていた」と述べた。

 女性は後に、親が心配しているとの理由で被告の元を去ったという。

 座間9人殺害事件公判で振り返る「死にたい若者たち 

文春オンライン 2020年10月23日(金)21時18分配信/渋井哲也(ジャーナリスト)

「腕や足を切り落とし、胴体解体に入ろうと…」白石被告の遺体解体を目撃していた女性がいた

「まだ募集していますでしょうか?」

 2017年に神奈川県座間市のアパートで男女9人の遺体が発見された事件について、裁判員裁判が東京地裁立川支部で行われている。10月21日には、4人目に殺害された大学生Dさん(埼玉県所沢市、当時19、女性)に関する被告人質問が行われた。

白石被告は「37アカウント」とやりとりしていた

 Dさんは大学の成績悪化と、それに関する母親の叱責の後で、Twitterにて一緒に自殺する相手を募集するツイートをした。その投稿を見た白石隆浩被告(30)がダイレクトメール(DM)を送ることで接点ができたという。冒頭の言葉は、白石被告が最初にDさんに送ったDMの内容だった。しかも、このDさん殺害後の遺体解体作業を目撃していた女性がいたことも明らかになった。

 白石被告は、2017年8月22日、「@_」や「@死にたい」というTwitterアカウントを開設した。それまでと同じように、女性のヒモになるか、ならなければ強制性交をした後、殺害し、所持金を奪おうとしていた。8月30日、9月4日にはホームセンターで遺体解体に必要な道具を購入している。ちなみに、これらのアカウントで「数十のアカウントとやりとりした」と白石被告は言うが、検察官は捜査段階の確認作業から「37アカウント」と示した。

 そんな中で、白石被告は4人目に殺害するDさんと会う前、Yさんと知り合っていた。YさんもTwitterで希死念慮を表明するツイートをしていた。DMのやりとりをした後、LINEのIDを交換し、やりとりを始めていた。以下は9月12日のLINEのメッセージだ。

白石 Yさん?

Yさん そうです。

白石 よろしくお願いします。何時ごろになりますか?

Yさん こちらこそよろしくお願いします。車で行こうと思いますが、何時ごろまでに行けばよいですか?

白石 駐車場がないんですよ。放置しますか?

Yさん 駐車場がないのですね。放置でもいいです。

白石 電車でもいいですよ。

Yさん 名前と年齢、性別を聞いていいですか。

白石 リョウ、24歳、男性です。首吊りするだけにロフト付きの部屋にしました(笑)

 このとき、「24歳」と称していたが、白石被告は「相手に近い年齢のほうが信用される」と思っていたようだ。さらに、9月13日から14日にかけて、次のようなやりとりをしていた。

Yさん 本当に死にますか?

白石 縄、薬、首吊りするための台、準備があります。現場を見てからでもかまいません。

Yさん リョウさん、信じて向かいます。今日は、お昼頃に出ます。

Yさん さっき出ました。早くて17時15分に到着します。

白石 到着したら連絡ください

(LINE通話)

 そして「一緒に死ぬ」という目的で、9月14日17時27分、最寄りの小田急線相武台駅で合流する。

「Yさんは、性行為をしないほうが親密になれる」

「合流した後、部屋に連れてきましたが、Yさんからお金をひっぱれるかどうかを見極めるためでした。その結果、お金をひっぱれると判断しました。収入がありそうでした」

 検察官から「なぜ、そう思ったのか?」「相手の職業はなんなのか?」と聞かれると、白石被告は最初、「個人情報なので」と職業を明かさなかった。しかし、検察官に「特定されない形で」と言われて、「夜の商売」と答えた。飲食業なのか、性風俗業かは曖昧にしていたが、実は、これがYさんが殺されなかった理由にもつながる。

「Yさんとは性行為をしていません。性行為をしたほうが親密になれる女性と、しないほうが親密になれる女性がいます。Yさんは、しないほうが親密になれると思いました。なぜなら、Yさんは夜の仕事をしていました。仕事で体を求められる女性はしないほうがいいと思ったんです。スカウト時代にそういう女性を見てきました」

LINEで「手ぶらで大丈夫です」

 親密になった白石被告とYさんは、9月23日までの10日間を、殺害された女性の遺体がある部屋の中で過ごしたことになる。しかも、その間、4人目の被害者Dさんが、白石被告の部屋に来ることになる。Yさんと会ったその日に、Dさんともやりとりしている。

「死にたい」 フォロー、ありがとうございます。まだ募集していますでしょうか?

Dさん まだ募集しています、2、3日中に実行しようと思っています。

「死にたい」 薬、縄を準備しています。

Dさん 方法や名前、性別、年齢をお願いします。

「死にたい」 ショウ、24歳の男性です。立ち姿勢、正座姿勢で首吊り自殺をするためにロフト付きの部屋を借りました。

Dさん ありがとうございます。ご都合が良ければ、今週の金曜日の夜でいかがでしょうか。

「死にたい」 わかりました。

Dさん 疑うわけではないですが、連絡先をお願いしてよろしいでしょうか。

「死にたい」 カカオやLINEでもよいでしょうか? 個人情報がわかってしまいますので。

Dさん LINEでお願いします。

「死にたい」 IDかQRコードでお願いします。

Dさん IDは×××です。

「死にたい」 送らせていただきました。

 その後のやりとりはLINEに移る。そして具体的な日程を決めた。

Dさん 日が沈む前ではなく、遅くなってしまいますが、大丈夫でしょうか。

白石 遅くなっても大丈夫です。

Dさん お手数かけます。

白石 万全を期すつもりです。

Dさん こちらこそ、よろしくお願いします。

白石 不安なことや不明なことがあれば、いつでも聞いてください。

Dさん こちらから用意したり、もちよったほうがいいものはありますか?

白石 手ぶらで大丈夫です。

Dさん 終わりが近づいたことで、少しだけ落ち着いて過ごせています。

Photo_20201027093201Photo_20201027084701

大学の「親子面談」を避けるために……

 こうしたやりとりを見ていると、Dさんが自殺相手を募集し、「9月16日」を指定している。なぜ、この日だったのか。それは弁護側が明らかにしている。実は、Dさんは大学の成績が振るわず、留年の心配をした大学側が、「親子面談」を指定してきたのだ。その日は「9月16日」だった。親子面談を避けるために、Dさんは白石に会う選択をしていることになる。

 9月16日は、Dさんはイタリアン料理の店でのアルバイトを終えて、22時30分ごろ、座間市へ向かった。実はこのとき、連絡が取れなくなった母親が、バイト先まで車で迎えに来ている。LINEでメッセージを送っても、電話をしても、Dさんからの応答はなかった。そして、深夜の0時26分に相武台駅の改札を出ている。

 このとき、白石被告は、防犯カメラがあると思われる、改札前で待ち合わせをしている。そして、それまでの被害者については失踪を装う工作をしていたが、Dさんのときはしていない。このとき、白石被告は「Twitterの友人がくる」といい、Yさんを駅前のカラオケ店に行かせている。

「この段階で3人の女性を殺害したが、警察の捜査が自分に及ばなかったことで心の中で油断しました。失踪を装うことも考えましたが、Yさんを待たせていたので、工作せずにやってしまおうと思いました」

「腕や足を切り落とし、胴体の解体に入ろうとしていた」

 それまでの3人の殺害は、悩みを深掘りし、長い時間話をしたところで、殺害に及んでいる。しかし、Dさんは部屋に呼んで1時間も経たないうちに殺害している。筆者との拘置所での面会時には「3人目以降はあまり覚えていない」と語っていたが、たしかに法廷での返答にも「記憶がない」「覚えてない」がそれまでよりも多くなった印象を受けた。Dさんのときも、これまでと同じように、背後から襲い、失神させ、レイプして、殺害している。

 しかし、このときの遺体の解体は時間がかかっていた。長い時間がかかったため、朝を迎えてしまう。Yさんから翌朝、「何かありました?」とのLINEのメッセージが届く。しかし、白石被告は眠くなって、寝てしまっていた。このとき、まだ解体が終わっていないものの、Yさんが部屋まで戻ってきた。玄関先でYさんを迎えた白石被告は、部屋に入れる。

「まだ解体中でした。腕や足を切り落とし、胴体の解体に入ろうとしていたところでした。そのため、トイレは見ないでと言い、ロフトにあげたのです。このとき、解体の場面を見せているということは、事前に『Twitterの人と会って、自殺の手伝いをして、解体するかもしれない』と言っていたと思います。Yさんが警察に通報するかもしれないとも考えましたが、大丈夫だと思いました。知り合って、時間も経っていたし、信用、信頼、恋愛、依存のいずれかの感じがありました。私が逮捕されたら、Yさん自身が困るのではないかと思っていました」

案の定、Yさんは警察に通報しない

 そもそも、レイプをした後に生かして帰すと犯罪が発覚する。もし、発覚すれば、執行猶予中だったために、確実に実刑になる。それを避けるために殺害を繰り返した。にもかかわらず、Yさんを帰しても、警察に通報しないと確信していたようだ。案の定、Yさんは警察に通報しない。「信用、信頼、恋愛、依存のいずれかの感じ」があったという、この2人の関係性も不思議なものだ。

 とはいえ、2人が完全に密接な関係になったわけではない。遺体が多くなってきたため、白石被告は、Yさんに「部屋に遺体の数が増えていったので、どこかに隠したい。レンタルルームを、Yさんの名義で借りてほしい」とお願いをした。しかし、Yさんが断った。どこまでも一緒というほどの関係ではない。

 白石被告はその後、Yさんに「生活費が足りないから、5万円を送ってくれないか?」と要求していた。Yさんも「振り込む」と応じていたという。

 この日の法廷でも、白石被告は当初、弁護側質問に「答えるつもりはありません」と拒否していた。しかし、検察側からの質問に答えた後の、弁護側質問には応じた。この中でわかったのは、Yさんは結局、5万円を白石被告に振り込んでいないことだ。なぜなら、白石被告が生活費を要求したのが10月26日。逮捕された10月31日の5日前のことで、Yさんは報道で白石被告の逮捕を知り、振り込まなかったのだ。

Photo_20201027093501

関連エントリ 2020/10/17 ⇒ 【実録】座間9人殺害事件公判で振り返る「死にたい」若者たち
関連エントリ 2020/10/13 ⇒ 【耳学】“犯罪者天国”✍「南アフリカ共和国」警察機構の闇
関連エントリ 2017/11/01 ⇒ 【生首コレクター】<逮捕された部屋の男性>✍殺害も認める・・・・

Photo_20201027092801

 絵画の穴からスマホで…性行為隠し撮り、被害に気付かぬ人も 

朝日新聞デジタル 2020年10月26日(月)13時20分配信

 女性らとの性行為を隠し撮りし、その動画のネット投稿を繰り返していた30代の男が今年3月、わいせつ電磁的記録記録媒体陳列とリベンジポルノ防止法違反の罪で有罪判決を受けた。兵庫県警は判決確定後も、さらに8人分の被害を裏付けた。量刑は重くならないが、立件した訳とは――。

 神戸地裁判決によると、男は2017~19年、10~30代だった女性8人との性行為の様子を撮影し、その動画を女性の顔がわかる状態で動画投稿サイトに投稿した。判決は今年3月9日付。男は控訴せず、懲役3年執行猶予5年、罰金100万円の有罪判決が確定した。

 県警によると、被害に遭ったのは、出会い系アプリを通じて男と知り合い、ホテルに呼び出された女性たち。男はホテル室の壁に小さな絵画を掛けておき、絵画に開けた小さな穴からスマートフォンで隠し撮りしていた。近くで注視しないと、スマホのカメラに気づかないほど巧妙だったという。

 県警は判決が確定した後も捜査を続けた。無料通信アプリ「LINE(ライン)」「カカオトーク」のやりとりを解析するなどし、さらに8人の被害を裏付け、書類送検したという。

 新たに複数の被害が発覚しても、すでに判決が出ていることや全体として一つの罪として考えられるため、新たに罪に問われたり量刑に影響したりしないとされる。

 ある捜査関係者は「容疑者をより重く処罰するためではなく、被害者保護のための捜査だった」。隠し撮りされた動画がネット上にさらされていることに気づかない被害者も多い。「被害を知らせてあげれば、サイトに削除要請するなどの対策もとれる」と話す。

 

2020年9月19日 (土)

【ジャパンライフ】元会長(78)年収5千万円ほか<顧客資金隠し>実態解明急げ!!

 ジャパンライフ元会長、破綻直前16‐17年の報酬計1億 

共同通信 2020年9月19日(土)10時54分配信

 磁気健康器具の預託商法を展開した「ジャパンライフ」の巨額詐欺事件で、消費者庁が一部業務停止命令を出した2016年に、元会長の山口隆祥容疑者(78)=詐欺の疑いで逮捕=が年間報酬を1千万円近く増額していたことが19日、捜査関係者らへの取材で分かった。12~15年は年収4千万円で、16年は5100万円を、同社が事実上破綻した17年は5250万円を得ており、2年間で1億350万円だった。

 破綻を見越して顧客の資金持ち出しを急いだ可能性があり、警視庁などの合同捜査本部は、実態の全容解明を進める。娘の元社長ひろみ容疑者(48)=同=も毎年数千万円を受け取っていた。

ジャパンライフ💥香港でも 高齢者40027億被害 契約者2000人以上か

毎日新聞 2020年9月19日(土)10時27分配信

 販売預託商法を展開し、元会長の山口隆祥容疑者(78)が警視庁などに詐欺容疑で逮捕された「ジャパンライフ」を巡っては、香港でも被害が報告されている。2000人以上の契約者がいたとみられ、被害者を支援してきた区議の余徳宝氏(28)が把握しているだけで、高齢者ら約400人が計約2億香港ドル(約27億円)の被害に遭っていたという。

 「これはジャパンライフが配っていた販売促進用のパンフレットです」。香港の繁華街・旺角の一角にある事務所で余氏は、そう切り出した。

Photo_20200919190201Photo_20200919190501

 「磁力は人を救い命を保つ」「健康ズボンで活力倍増」。中国語で書かれたパンフレットには磁気入りのベルト、枕、ベストなど多くの商品の写真が掲載され、磁気が健康を促進するとアピールしていた。

 その手口は、日本での被害と同じだ。顧客に商品を販売する一方で、商品そのものはジャパンライフ側が預かって第三者に貸し出す形にして、利益から顧客(オーナー)に年6%程度の配当を支払うと宣伝した。パンフレットには、いずれも高価な健康商品の定価と、貸出料金が記されている。例えば定価17万5000香港ドル(約236万円)のベストの月額レンタル料金は875香港ドル(約1万1800円)。ジャパンライフは香港に三つの支店を構え、長年にわたり事業を展開してきた。

 ◇ 支店幹部ら姿消す

 余氏の事務所に地域住民から相談が寄せられたのは2017年末ごろ。ジャパンライフが約2400億円の負債を抱えて経営破綻した時期だった。「配当が払われない」「破綻したら預けたお金はどうなるのか」。契約者の不安をよそに、支店の営業は同年末までに停止していた。

 香港警察に相談したところ、支店幹部らは既に香港から姿を消していた。余氏のもとには相談が絶えず、被害者は約400人に達した。2000万香港ドル(約2億7000万円)の被害に遭った人もいた。給与未払いに悩む支店の従業員に聞き取りをしたところ「香港での契約者は2000人以上」と答えたという。

 ◇ 全財産投資した人も…

 全財産の400万香港ドル(約5400万円)を投資して、毎月2万香港ドル(約27万円)の配当を生活費に充てていたという80代の女性にも、同年11月から配当が振り込まれなくなった。女性は当時、香港メディアに「体が悪く子供もおらず、今は生活費を親戚に頼っている。(契約したことを)とても後悔している。少しでも良心があるなら、お金を返してほしい」と涙ながらに訴えた。

 余氏は18年には被害者らと東京に飛び、日本の被害者らとの交流会に参加したり、弁護士に相談したりした。だが「債務返済が先になる」として被害者の損害を賠償してもらえる手応えはなかった。「老後の生活に不安な友人や知人に『6%の配当が得られる』と勧誘し、契約を増やした人も大勢いる。虎の子の財産を失ってしまい、困窮する被害者を助けることができず悔しい」。余氏は唇をかんだ。

 豊田商事、安愚楽牧場、ケフィア…繰り返される販売預託商法、来年原則禁止へ 

毎日新聞 2020年9月18日(金)18時25分配信

 ジャパンライフのように会社側が顧客に購入させた商品を預かり、配当を約束する販売預託商法を巡ってはこれまでも、消費者被害が繰り返されてきた。消費者庁は現在の預託法に基づく規制では、手口を変えて引き起こされる被害への対応が後手に回り、限界があるとして、来年の通常国会に同法改正案を提出し、販売預託商法を原則禁止する方針だ。

 販売預託商法の問題は、1985年に経営破綻した豊田商事の詐欺事件をきっかけに広く知られるようになった。客が購入した地金を預かって運用し、配当を支払うという触れ込みだったが、実際には、同社は地金をほとんど保有していなかった。被害者は約3万人、被害総額は約2025億円とされる。

 事件がきっかけとなり、86年に預託法が制定された。事業者が故意に事実と異なる説明をすることを禁じ、契約内容を明記した書面の交付を義務づけた。だが、規制対象は政令で指定された貴金属などの商品やゴルフ場利用権などの権利を扱う事業者のみ。新たな商品や権利による問題が生じる度に追加指定して、規制対象に加える必要があった。また、業者は新規の顧客が支払った代金を別の客の配当に回す自転車操業で運営しているケースが多く、配当が続く間は問題が表面化しづらい側面があった。同庁幹部は「現行法での対応では限界」と話す。

 近年でも「和牛オーナー制度」が行き詰まり2011年に経営破綻した「安愚楽牧場」(被害総額約4200億円)や、加工食品のオーナーを募り18年に経営破綻した「ケフィア事業振興会」(同約1000億円)など、大規模な被害が続いている。消費者庁によると、現在も約40社が販売預託商法を行っている。

 同庁は規制強化のため2月から有識者による検討会で議論。5月の検討会ではこうした商法自体の原則禁止を望む意見が相次ぎ、8月に報告書をまとめた。これを受け同庁は、来年の通常国会で販売預託商法を原則禁止とすることを目指す。全国ジャパンライフ被害弁護団連絡会代表の石戸谷豊弁護士は「販売預託商法は大型被害を出し続けてきた。国が禁止の姿勢を明確に示したことの意味は大きい」と評価する。

 元東京地検・若狭勝の目「退陣&選挙ちらつくジャパンライフ逮捕劇 

日刊スポーツ 2020年9月19日(土)8時00分配信/元東京地検特捜部副部長・若狭勝弁護士

 磁気ネックレスなどの預託商法で高齢者らから計約2100億円をだまし取ったとみられる「ジャパンライフ」(破綻)の元会長・山口隆祥容疑者(78)ら計14人が18日、詐欺の疑いで逮捕された。

 山口容疑者は15年の「桜を見る会」で安倍晋三前首相の推薦枠で招待された疑惑があり、招待状を勧誘に利用したとして国会で追及が続いていた。安倍路線継承を掲げる菅政権はスタートから「負の遺産」に対応することになったが、前政権同様、徹底的にフタをする構えがにじむ。

    ◇    ◇    ◇

 資金繰りが悪化し、破綻することが分かっていながら勧誘していたのか、資金の流れや財務状態を固めていかないと立件できず、この手の詐欺事件は捜査に1~2年かかるのが普通だ。

 昨年2月の合同捜査本部設置から1年7カ月。このくらい時間がかかって不思議ではなく、「桜を見る会」をめぐる国会審議とは全く関係ない。ただ、8月に立件するという観測はあった。しかし、安倍さんが辞意を表明し、辞める人に対して後ろから矢を放つようなことは避けようという判断はあったのだろうと思う。

 菅首相になって「桜を見る会」はやらないと言明した。安倍さんが残した問題を尾を引かせるわけにいかない。これ以上、延びると、今度は解散・総選挙が間近になる。選挙への影響も避けるため、このタイミングになったのだろうと思う。

 ジャパンライフ被害弁護団捜査機関努力敬意 

産経新聞 2020年9月18日(土)22時44分配信

 ジャパンライフ創業者の元会長、山口隆祥容疑者らの逮捕を受け、「全国ジャパンライフ被害弁護団連絡会」は18日、東京都内で会見を開いた。代表の石戸谷(いしとや)豊弁護士は「やっと逮捕された。被害者が高齢で調書の作成が容易でなく、ジャパンライフ側の証拠も散逸していて苦労したと思う。捜査機関の努力に敬意を表する」と話した。

 連絡会によると、ジャパンライフの顧問には、元官僚らが名を連ね、総額1億6千万円を超える顧問料が支払われていたという。石戸谷弁護士は「詐欺商法の信用性を高める役割を果たした。顧問料は全額破産管財人に返還して被害者に使われるべきだ」と訴えた。

 一方、石戸谷弁護士は消費者庁が8月、販売預託商法を原則禁止する方針を示したことを評価。「こういった悲劇が二度と起こらないように法整備を要望したい」とも話した。

 ジャパンライフ、元朝日新聞政治部長に顧問料3000万円官僚5人で顧問料1億4000万円等「返還には応じず 

zakzak 2019年12月19日(木)20時00分配信

 安倍晋三首相主催の「桜を見る会」に元会長が招待され、悪質なマルチ商法で経営破綻した「ジャパンライフ」が、元官僚や元新聞社幹部ら5人に、2005~17年度に顧問料として計約1億4000万円を渡していたことが分かった。このうち、元朝日新聞政治部長の橘優(たちばな・まさる)氏は、夕刊フジの直撃取材(4日)に顧問料の開示を拒否していたが、何と約3000万円を受け取っていたことが分かった。

 「われわれ弁護団は『これほど巨額のお金ではないのではないか』という想定の下、求釈明(=相手方に『これらを明らかにせよ』と釈明権の行使を促すこと)した」

 ジャパンライフの被害者弁護団も、こう驚き隠さなかった。

 巨額の顧問料は、東京地裁で18日開かれた第3回債権者集会の終了後、被害者側弁護団が明らかにした。名古屋地裁で審議中の損害賠償請求訴訟で顧問料の開示を求めたところ、同社の破産管財人からの回答で具体的金額が判明したという。

 弁護団によれば、5人のうち、松尾篤元経済企画庁長官秘書官が05~17年度に9060万円、次いで橘氏が13~17年度に約3000万円、佐藤征夫元科学技術庁科学技術政策研究所長が10~17年度に1780万円、ほかにも元官僚らが数百万円を受け取っていたという。

 ジャパンライフによる被害総額は約1800憶円ともいわれる。同社は、出資者を信用させるため、元官僚や元朝日新聞政治部長を顧問にしていた可能性もある。

 現に、同社の「宣伝用資料」には、「桜を見る会」(15年)の招待状とともに、元会長主催で、自民党の二階俊博幹事長を囲み、橘優氏や、現在も新聞やテレビで活躍する政治評論家やジャーナリスト、解説委員らが懇親会を開いていたことがアピールされていた。

 夕刊フジが直撃取材した際、ジャパンライフが消費者庁から「行政指導」を受けていた事実を、橘氏は「事件が顕在化するまで知らなかった」と回答。また、「桜を見る会」も同社に利用されたのではないかという問いに、「あれはあれ、これはこれだ」と話していた。

 ちなみに、破産管財人は前出の5人に顧問料の返還を求めたが、応じていないという。

政府「再調査否定 加藤官房長官名簿廃棄済み

時事通信 2020年9月18日(金)13時07分配信

 加藤勝信官房長官は18日の記者会見で、詐欺事件で逮捕されたジャパンライフの山口隆祥元会長が安倍晋三前首相主催の「桜を見る会」の招待状を顧客勧誘に利用していたことに関し、その経緯についての再調査に改めて否定的な考えを示した。

 「名簿も保存されていないので、個々の招待者を今から改めて調べても確たることは申し上げることはできない」と述べた。

 詐欺事件をめぐっては、加藤氏自身が同社の宣伝に顔写真が使われるなど広告塔として利用された経緯がある。加藤氏は「私の事務所から厳重な抗議をしている」と述べ、無関係であることを重ねて強調。政府として捜査を見守る方針を示し、警察当局に対する協力については「今後、必要があれば連絡を取っていくことはあり得る」と説明した。

Photo_20200919185401Photo_20200919184901

 ジャパンライフ元会長「自分は金儲け教」破綻直前まで役員報酬 

朝日新聞デジタル 2020年9月19日(土)12時36分配信

 家庭用磁気商品のオーナー(販売預託)商法で多額の現金を集めた「ジャパンライフ」(東京、破産手続き中)による詐欺事件で、元会長の山口隆祥(たかよし)容疑者(78)が、経営破綻(はたん)する直前まで月に300万~350万円の役員報酬を受け取っていたことが19日、捜査関係者への取材でわかった。同社は高額商品の販売を破綻直前まで続けており、警視庁などは自身らの報酬にあてる狙いがあったとみている。

 捜査関係者によると、共犯として逮捕された、次女で元社長の山口ひろみ容疑者(48)も1カ月に300万円、取締役の2人の男と海外支社長の男も約100万円ずつ得ていたという。同社は2017年末に破綻したが、直前までこうした報酬を受け取っていたという。

 山口隆祥容疑者は32歳の時に書いた自著「巨億を築く99の秘伝」で、「自分の宗教は『カネ儲(もう)け教』であるといいたい」「カネを儲けるのが人生の目的だ」とも書いている。元社員の一人は朝日新聞の取材に、「お金への執着がすごかった。報酬も高額だが、1着30万~50万円のスーツのほか、100万円もするインプラント代金の大部分を経費で落としていた」と証言した。

Photo_20200919185901Photo_20200919191201

関連エントリ 2015/11/13 ⇒ 【レセプト債】証券4社「破綻」✍227億円償還不能か
関連エントリ 2014/10/18 ⇒ 【安倍内閣】支持率急落「使途不明金」✍女性閣僚辞職か!?
関連エントリ 2013/06/19 ⇒ 【和牛預託】「安愚楽牧場」根掘り✍葉掘り
関連エントリ 2011/12/01 ⇒ 又候「年金たまご」事件、被害総額110億円。
関連エントリ 2011/08/18 ⇒ 海江田さん、民主代表選出馬だとぉ・・・・
関連エントリ 2011/08/17 ⇒ 安愚楽牧場破綻。女社長❤渾身のウソ泣き!!
関連エントリ 2011/08/04 ⇒ 和牛投資「安愚楽牧場」も破綻危機
関連エントリ 2009/02/05 ⇒ ねずみ講については
関連エントリ 2008/12/27 ⇒ ボクが、騙された話をしよう。
関連エントリ 2008/10/17 ⇒ マルチ商法=ねずみ講。これ百回唱えて、肝に銘じてね。

2020年9月18日 (金)

【ジャパンライフ】元会長ら14人<被害総額✍2000億円以上>詐欺容疑で逮捕。

 預託商法ジャンパンライフ元会長ら14人逮捕。政治家に近づき宣伝に利用「レンタルオーナー制度」とは… 

FNNプライムオンライン 2020年9月18日(金)11時54分配信

 44都道府県のおよそ1万人から2,000億円以上を集め、破綻した「ジャパンライフ」について、警視庁は18日、山口元会長ら14人を詐欺の疑いで逮捕した。

Photo_20200918183801

 ジャパンライフが悪用した「レンタルオーナー制度」とは、いったいどのような手口なのか。

 被害者が、FNNの取材に応じた。

 ジャパンライフは、1975年に山口隆祥容疑者が創設した。

 山口容疑者が悪用したのは、「レンタルオーナー制度」と呼ばれる預託商法。

 顧客に磁気治療器を購入させ、ジャパンライフが、その治療器を別の契約者に貸すことで、顧客に配当としてレンタル収入が入るといううたい文句で、全国の高齢者から資金を集めていた。

 ジャパンライフに1億3,000万円を投資した女性が、FNNの取材に応じた。

 被害者「マッサージしながら、気分がいいじゃないですか。やりながら耳元で、『いいお金増やす方法ありますよ』みたいに言われて。なけなしの金ですから、今まで若い時、さんざん働いて、ぜいたくもせずにためたお金なんですね。わたしの人生終わったって感じがしましたね、つぶれたって聞いた時は」

 顧客を巧みにだます、ジャパンライフの手口。

Photo_20200918184201Photo_20200918183701

 さらに山口容疑者は、有力な政治家に近づき、顧客集めの宣伝に利用していたことが問題となった。

 1986年、当時の中曽根康弘首相への1,000万円の献金が発覚したほか、2015年には、山口容疑者が安倍前首相主催の「桜を見る会」に招待されると、招待状をジャパンライフの広告に掲載するなどしていた。

<郵便局や銀行は潰れる>ジャパンライフに退職金投入 後悔の日々 

毎日新聞 2020年9月18日(金)11時50分配信

 全国の約1万人から約2100億円もの資金を集めた末に破綻した「ジャパンライフ」を率いた元会長、山口隆祥容疑者(78)らが18日、警視庁などに詐欺容疑で逮捕された。

Photo_20200919185801Photo_20200919184801

 商品を購入すると配当がもらえるというセールストークを信じて老後の蓄えを投じたお年寄りは今、「なぜ信じてしまったのか」と悔やみきれない生活を送っている。

 東北地方に住む女性(70)も山口元会長が吹聴する政治家とのつながりを信用してしまった一人だ。

 「うそを並べられ、信用してしまった。こつこつためた大事なお金だった。本当に悔しい」。女性は09~17年、夫(78)とともに計4200万円の契約を結んだ。

 近所の知人に勧められ、ジャパンライフの磁気敷布団を100万円で購入したことがきっかけだった。その後、何度もセミナーに誘われ、参加するようになった。ホテルの会議室で開かれ、多くの高齢者が集まっていた。

 セミナーには山口元会長も頻繁に姿を見せた。数年前には「桜を見る会」の招待状をスライドで示し「こんなの来ちゃった。行かないといけない」と誇らしげに話し、別の機会にもしばしば「政治家と仲が良い」と語っていたという。

 女性は、山口元会長が「郵便局や銀行は全て潰れる」「ジャパンライフに預けて資産を増やしなさい」と力説するのを聞くうちに不安にかられ、磁気ベストなどを次々に購入した。最後は退職金もつぎ込んでいた。

 17年12月にジャパンライフが経営破綻する直前まで配当が振り込まれていたため、信じてしまったという。同社は「元本保証」をうたっていたが、返金は一切ない。

 林業や畑仕事をしていた夫はその後、心労から体調を崩し、現在はつえをついて歩くのがやっとの状態。年金と女性のパート代で何とかして食べているといい、女性は「『私まで病気をしたらどうなるのか』と気を張り続けている」と打ち明ける。

Photo_20200919185601Photo_20200919190701

 「安倍晋三前首相や大臣が広告塔になっていたので信用してしまった。わずか1年半で老後の蓄えや孫の教育資金を奪われ、カモにされた」。2017年12月の経営破綻までの1年半で全財産の約8000万円をジャパンライフに投じた神奈川県の女性(79)はうなだれる。

 女性が同社に関心を持つようになったのは16年春ごろ。息子の同級生の母親と偶然再会した際、約25年前に息子が病死した話題になった。「ジャパンライフの磁気布団を使っていたら大丈夫なのに」と言われ、当初は相手にしないつもりだったが、自宅に押しかけてきたジャパンライフ社員にセミナーに誘われた。

 セミナーでは、多数の社員に囲まれ「郵便局や銀行が潰れる時代。ジャパンライフだけ生き残る」「年6%の高配当。絶対損しないから保険を解約して投資しろ。大丈夫だから」と、ネックレスなどを購入するよう繰り返し勧誘された。事業の先行きを尋ねると、ある社員は消費者庁OBらの名前を出して「これだけの偉い人が会社にいるのに潰れるはずがない」と話した。

 同年に神奈川県内であった別のセミナーでは、山口元会長がある招待状を得意げに紹介し、会場のスクリーンにも大写しにされた。安倍首相(当時)から届いたという「桜を見る会」の招待状だった。政財界の著名人の写真入りのチラシも見せ、「お年寄りのためにとてもいい事業をしていると加藤(勝信)厚生労働相(当時)にほめられましたよ」とも語っていた。

Photo_20200918184001

 女性は、生命保険や2人の孫の教育費にするつもりだった学資保険、証券、老後の預貯金などあらゆる積み立てを次々に解約した。10回にわたって、磁気ベストやベルトなどあらゆる商材に約8000万円をつぎ込んだ。「そうそうたる政界トップの名前に信用が増した」と振り返る。

 闘病生活をしていた夫からは出資を心配され、「解約できたかい」と尋ねられたが、「大丈夫。解約したわ」とうそを言って安心させていた。夫は20年1月に亡くなったが、葬儀費用を賄えず、子どもたちに借りた。

 女性がこれまでに受け取った「配当」は100万円にも満たないという。ストレスから不眠と高血圧で病院通いが続く。「歴史的な悪徳商法のせいで、踏んだり蹴ったりの生活になってしまった。山口元会長には命あるうちにお金を返し、罪を償ってほしい」と絞り出すように悔しさを語った。

ジャパンライフ被害者病気も出来ない蓄え失い将来に不安

時事通信 2020年9月18日(金)13時31分配信

 元会長らが逮捕されたジャパンライフは、磁気治療器の預託商法で主に高齢者から巨額の資金を集めていた。

 被害者や家族らは、老後のために蓄えていた資金を失い、「病気もできない」と将来への不安を募らせる。

 栃木県に住む80代の女性は、友人の誘いで同社の催しに参加。磁気ネックレスを試して効果を実感し、レンタル収入の良さにも引かれた。磁気スパッツなど高額な商品を次々と購入し、総額約1億円を投資した。

 子育てをしながらダンプカーの運転手として働き、こつこつとためたお金は一銭も返ってきていない。「欲が深かったのかもしれない。病気もできず、心細い」と肩を落とした。

 被害者の家族も怒りを隠さない。山形県に住む80代の母親が被害に遭ったという横浜市の会社員男性(55)は、「老後のためにためていたお金だったのに」と嘆く。

 同社への投資を防ぐため、男性は母親名義の定期預金通帳や生命保険証書を銀行の貸金庫に入れたが、母親は同社従業員から「保険を見直そう」と勧められ、保険を解約。2017年秋ごろには通帳を再発行し、定期預金を全額引き出していた。投資額は約6000万円に上った。

 男性の妻(54)は「従業員は『お年寄りを幸せにしたい』と言うばかり。まるでカルト宗教のようだ」と憤る一方、「なぜ家族の言うことに耳を貸してくれなかったのか」とため息をついた。

 国民生活センターによると、ジャパンライフに関する相談件数は過去10年間で3172件(9月15日時点)。相談者の平均年齢は73.3歳で、70~80代が6割を占める。支払額の平均は2400万円で、最高額は6億円だという。 

 桜を見る会に招待されたジャパンライフ元会長ら詐欺容疑で逮捕 

朝日新聞デジタル 2020年9月18日(金)7時31分配信

 家庭用磁気商品の「オーナー(販売預託)商法」で多額の現金を集めた「ジャパンライフ」(東京、破産手続き中)について、警視庁と愛知など5県警の合同捜査本部は18日、元会長の山口隆祥(たかよし)容疑者(78)=東京都文京区=ら14人を詐欺容疑で逮捕した。債務超過の事実を隠して営業したという。延べ約1万人から2100億円を集めたといい、合同捜査本部は実態の全容解明を目指す。

 山口容疑者はこの日朝、自宅で逮捕された。髪形を整え、ジャケット姿でサングラスをかけていた。報道関係者から「債権者にひと言」などと声をかけられたが、無言でゆっくりと捜査車両に乗り込んだ。

 ほかに逮捕されたのは、山口容疑者の次女で元社長の山口ひろみ(48)=群馬県太田市=、元取締役の安田真二(62)=相模原市=、元取締役の松下正已(61)=愛知県半田市=ら13容疑者。

 警視庁生活経済課によると、山口隆祥容疑者らは同社が債務超過に陥っていた2017年8~11月、元本保証や高い配当の支払いをするとうそをつき、東京や愛知など1都7県(東京、山形、福島、新潟、静岡、愛知、岡山、滋賀)の58~85歳(当時)の男女12人に磁気ベストや磁気ネックレスの「モニター」として客を募るよう依頼。商品の購入費として計約8千万円をだまし取った疑いがある。捜査本部は容疑者の認否は明らかにしていない。

 同社は1975年設立。80年代に国会で「マルチまがい商法」と指摘されていた。03年ごろから、元本保証と年利6%の配当をうたい、顧客が「レンタルオーナー」となって購入した磁気商品を有料で貸すという商法を全国展開。ただ、商品が契約数より大幅に少ないことが発覚。解約を妨害するなど不適切行為もあり、17年末までに、消費者庁から一部業務停止などの処分を計4回受けた。17年末に倒産し、翌年3月に東京地裁から破産開始決定を受けた。負債総額は2405億円、債権者は7千人。

 警視庁などは19年4月、債務超過の事実を隠して顧客を勧誘していた疑いがあるとして、特定商取引法違反(事実の不告知)容疑で12都県の同社の関係先33カ所を家宅捜索。段ボール約4500箱分の財務資料を分析するなどして、経営実態を調べていた。

Photo_20200918185301Photo_20200918185601

 同社をめぐっては、山口隆祥容疑者が安倍晋三首相(当時)主催の15年の「桜を見る会」に招かれたとする招待状を勧誘に使ったことが19年11月に発覚。安倍氏の推薦枠だった可能性が浮上し、国会で取り上げられた。安倍氏は同年12月の参議院本会議で「個人的な関係は一切ない」と答弁していた。

オーナー商法とは

 オーナー商法 高配当や元本保証を約束し、顧客に商品や権利などを売ってオーナーにしたと同時に預かり、別の人に貸すなどして配当を生む商売。「販売預託商法」とも呼ばれる。実際には商品を運用していなかったり、商品自体がなかったりする被害が後を絶たないが、企業が経営破綻(はたん)するまで表面化しにくい。消費者庁は今年5月、オーナー商法を原則禁じる方針を決定。来年の通常国会に特定商品預託法の改正案を提出する。

Photo_20200918183401

 ジャパンライフ摘発で「桜を見る会」疑惑が菅政権直撃する 

AERAdot. 2020年9月18日(金)13時15分配信

 安倍晋三前総理の「桜を見る会」で疑惑が取り沙汰された「ジャパンライフ」に捜査のメスが入った。

 磁石を使用した健康商品の販売会社・ジャパンライフ(現在破産手続き中)について、警視庁は顧客にウソの説明をして現金をだまし取った詐欺容疑で、元会長の山口隆祥容疑者(78)ら14人を逮捕した。

 ジャパンライフは全国7000人の顧客から、約2400億円を集めていたとされ、被害はさらに拡大するとみられる。

 前総理主催の「桜を見る会」の招待状を、販売促進に使っていたことが国会で判明。招待状などをコピーしたジャパンライフの資料には
<安倍総理から山口会長に『桜を見る会』のご招待状が届きました>と記され、国会で大問題になっていた。

「全国で開催するセミナーで、招待状を見せ、顧客を信用させて、多額のカネを投資させていた」(ジャパンライフ関係者)

 また、昨年11月、共産党の大門実紀史議員は国会質問でこう追及していた。

「お中元リストというのがありまして、安倍総理を始めとして国会議員などに広くお中元をまいているとか、非常に政治的な対応をしていたのがジャパンライフ」

「お中元リスト」には菅義偉総理、麻生副総理兼財務相の名前もあったという。また、大門議員は加藤勝信官房長官について2017年4月にこう国会で追及していた。

「現職の大臣までがジャパンライフの広告塔の役割を果たしている。加藤勝信大臣なんですけれども、1月13日(2017年)にこれジャパンライフが宣伝しているんです、チラシで宣伝しているんです。一月の十三日、安倍内閣の重責閣僚の加藤大臣とこのジャパンライフの山口会長が会食して、ジャパンライフの取組を非常に高く評価していただきましたというふうに宣伝チラシで会員向けにやっているんですね」

 ジャパンライフが問題になったのは、今回がはじめてではない。1983年には法人税法違反で告発された。消費者庁からは2014年に行政指導、2016年には行政処分を受け、業務停止に追い込まれた。そのたびに、国会でも自民党大物議員と関係が問題になっていた。

「だが、そのたびに政治家や官僚との緊密な関係を使い、生き延びてきた」(ジャパンライフ関係者)

ジャパンライフがかつて、設立していた政治団体「健康産業連盟」から献金を受け取っていたのは中曾根康弘元首相など大物が並ぶ。安倍前首相の父、安倍晋太郎氏が外相時代に山口容疑者が外遊に同行。その際、安倍前首相自身も秘書官として一緒だったという。

 実はジャパンライフの摘発については、8月から何度も「Xデー」がささやかれていた。

「8月末のある日、この日でやるということだったが、伸びた。それから間もなくして、安倍前首相の辞任会見ですよ。つい最近も一度はXデーが決まったが、菅新総理の誕生でしょう。政治的な事情があるんだなと感じた」(捜査関係者)

 菅総理は来年の「桜を見る会」中止を早々と発表していた。

Photo_20200918202101Photo_20200918202401

関連エントリ 2019/11/29 ⇒ 【大勲位】訃報✍中曽根康弘元首相(享年101歳)逝去
関連エントリ 2019/04/25 ⇒ 【日経平均】反発<日銀✍政策金利指針>見直し好感

 テレ朝玉川アナ「その発言はダメかも、田崎さん」携帯料金値下げ巡り 

スポーツ報知 2020年9月17日(木)9時46分配信

 17日放送のテレビ朝日「羽鳥慎一モーニングショー」(月~金曜・前8時)で、自民党の菅義偉総裁(71)が衆院本会議の首相指名選挙で第99代首相に選出され、菅内閣が発足したことを特集した。

 番組では就任会見を報じ、菅首相は「最優先の課題は新型コロナ対策」など新内閣の方針を掲げた。また、スタジオで菅首相が官房長官時代から掲げる携帯電話料金の値下げについて議論した。

 スタジオで政治ジャーナリストの田崎史郎氏は菅首相の携帯料金値下げ方針に「2、3年前から特に強く言うようになったんですけど、菅さんが思い描いている通りには下がっていかない。実際に我々、見ても携帯電話、下がったっていう実感ないですよね」と解説した。

 これに司会の羽鳥慎一アナウンサーが「なぜなんですか?」と聞くと田崎氏は携帯電話会社が3社で何か話し合っているんじゃないかとと答えた。

 談合を思わせる発言にコメンテーターで同局の玉川徹氏それは…それは、ちょっとダメだよね、その発言はと苦笑いしながらたしなめると田崎氏は「ダメですか?」と笑い「うん、ちょっとダメかもしれない」と玉川氏が応じた。

 ここで羽鳥アナが話し合っている…じゃないかと思うぐらいに下がらないって言うことでとフォローすると「そういうことです」と田崎氏はうなづいたが、玉川氏はちょっとダメかもしれない田崎さんと再びたしなめた。

 続けて羽鳥アナは話し合っているかもしれないよという感じがしなくもないけれど、もしかしたらそうじゃないかもしれないなっていうことにしときましょうかと再びフォローしたが「玉川さん1人で大変なんですから」と田崎氏に突っ込むと、玉川氏は「この俺でもちょっと…」と苦笑いした。

 自身の発言を巡り出演者が困惑する事態を招いた田崎氏だが、携帯料金の値下げに菅首相が下がらないことに対してイライラ感があるということですとまとめていた。

 〔東証〕携帯電話株が急落 菅義偉首相「値下げ指示」懸念 

時事通信 2020年9月18日(金)18時48分配信

 18日の東京株式市場で、ソフトバンクなど携帯電話大手3社の株価が軒並み急落した。携帯電話料金をめぐり、菅義偉首相が同日、具体的な値下げの検討を指示。武田良太総務相も実行に強い意欲を示したことから、先行きの業績への懸念が広がった。

 各社の株価は、ソフトバンクが前日比5%、auを展開するKDDIが4%、NTTドコモが3%それぞれ下落した。一方、デジタル庁設置による官公需要の増加期待を背景に、NTTデータ株は8%の大幅高となった。 

 

2020年8月11日 (火)

【習的中國】“国家安全法”発動✍「香港民主派」続々逮捕

 香港民主の女神周庭さん逮捕 民主活動家への締め付け拡大 

FNNプライムオンライン 2020年8月11日(火)6時31分配信

 民主派への締め付けが急速に強まっている。

 香港の警察当局は、「民主の女神」と呼ばれた民主活動家の周庭さんらを逮捕した。

 周さんが10日夜、自宅から警察当局に連行される際の様子。

 周さんの関係者は、国家安全維持法の国家の分裂を扇動した容疑で逮捕されたとしている。

Photo_20200811113101Photo_20200811115501

 周さんは、民主的な選挙を求める2014年の「雨傘運動」で、民主の女神と呼ばれ、2019年の反政府デモで参加者をあおり、警察本部を包囲させた罪で起訴された裁判が続いていて、12月にも量刑が言い渡される予定だった。

 また、中国政府に批判的で、民主派寄りのメディア「リンゴ日報」の創業者・黎智英氏ら9人も、10日に逮捕された。

 地元メディアは、外国勢力と結託し、国家の安全に危害を加えた国家安全維持法違反などの容疑だと伝えている。

 周さんらと活動を行っていた黄之鋒さんは、一連の逮捕を受け、「メディア検閲の新たな暗黒時代の幕開けだ。香港がもはや開かれた自由な場所でなくなると心配だ」などと、危機感をあらわにしている。

Photo_20200811115701Photo_20200811115801

香港の民主活動家  アグネスチョウ  氏、自宅で逮捕される

Bloomberg 2020年8月10日(月)23時31分配信

 香港の民主派団体「香港衆志(デモシスト)」の創設メンバーで活動家の周庭(Agnes Chow)氏が、香港国家安全維持法(国安法)に違反した容疑で逮捕された。香港のケーブルテレビ、有線電視が10日夜に報じた。

 チョウ氏のフェイスブックのページにはこれより先、同氏が自宅アパートにいた時に香港警察がやってきたとの情報が投稿されていた。

 デモシストは国安法の制定と同時期に解散した。周氏の公式フェイスブック(Facebook)アカウントは「アグネス・チョウが国安法により、『分離主義を扇動』したとして逮捕されたことが今確認された」と発表。警察筋は、国家の安全をめぐる捜査で10日に逮捕された10人のうちの一人が周氏だったことを認めた。

Photo_20200811115201Photo_20200811115301

 香港当局、蘋果日報」創業者・黎智英氏ら7人逮捕 国安法違反容疑 

AFPBB NEWS 2020年8月10日(月)14時14分配信

 香港の警察当局は10日、中国政府を公然と批判してきた香港メディア界の大物で、民主派の香港紙「蘋果日報(アップル・デーリー、Apple Daily)」創業者の黎智英(ジミー・ライ、Jimmy Lai)氏を、国家安全維持法(国安法)違反の容疑で逮捕した。黎氏の同僚と警察が明らかにした。

 黎氏の経営するメディア企業「壱伝媒(ネクスト・デジタル、Next Digital)」本社にも家宅捜索が入り、黎氏の他に同社の社員6人が同じく国安法違反の疑いで逮捕された。

Photo_20200811114901Photo_20200811114801

 黎氏の同僚マーク・サイモン(Mark Simon)氏は、AFPに「(黎氏は)自宅で午前7時ごろに逮捕された」と語った。これに先立ちサイモン氏は、ツイッター(Twitter)に「ジミー・ライは外国勢力との共謀の容疑で逮捕された」と投稿し、黎氏とその息子の自宅がそれぞれ家宅捜索を受けたと述べていた。

 警察発表によると、黎氏ら7人の逮捕容疑は外国勢力との共謀と詐欺だという。

 黎氏が所有する「蘋果日報」と週刊誌「壱週刊(ネクスト・マガジン、Next Magazine)」は共に民主派を明言し、中国政府に批判的な論調を展開している。

 中国国営メディアは黎氏を「裏切り者」とみなし、昨年の大規模な民主派デモの最大の「黒幕」で、外国と共謀して祖国の弱体化をもくろむ新たな「四人組」のリーダーだと非難している。

 黎氏は6月中旬、国安法施行の2週間前にAFPの取材に応じ、同法を「香港にとっては死の鐘」だと批評。「獄中に入る覚悟はできている。その時が来たら、まだ読んでいない本を読む機会が持てるだろう。前向きになることしかできない」と述べていた。

香港警察周庭氏を逮捕 国安法違反

毎日新聞 2020年8月10日(月)21時55分配信

 複数の香港メディアによると、香港警察は10日、著名な民主活動家、周庭(英語名アグネス・チョウ)氏(23)を香港国家安全維持法(国安法)違反容疑で逮捕した。警察は同日、民主派の香港紙「蘋果日報」などを発行するメディアグループの創業者、黎智英(れいちえい)氏(71)や同紙幹部ら7人も国安法違反などの疑いで逮捕しており、民主派への取り締まりを本格化している。

Photo_20200811121601Photo_20200811121701

 周氏は国際社会に香港民主派への支持を呼びかけ、日本でも広く知られている。2012年、愛国教育の導入に反対する運動に参加。14年に民主的な選挙制度の実現を目指した「雨傘運動」でも学生団体のリーダーの一人として活動した。その後、政治団体「香港衆志」に所属して政治活動を続けたが、今年6月の国安法の施行後は香港衆志を解散し、個人で活動を続けていた。逮捕容疑の詳細は不明だ。

 周氏は18年の立法会(議会)補欠選挙への出馬を目指した際、その政治的主張が「香港独立」を選択肢に含んでいるなどとして選挙管理当局に出馬を禁じられた。19年6月のデモに絡んで違法集会扇動罪などで逮捕、起訴され、公判中。

 10日に逮捕された黎氏は中国国営メディアが「香港を混乱させる反中分子の頭目」と名指しで批判してきた人物だ。香港紙によると、警察は黎氏に、外国勢力と結託して国家の安全に危害を及ぼすことを禁じる国安法29条を適用した。黎氏は19年7月に米国でペンス副大統領、ポンペオ国務長官らと面会し、香港民主派への支援を要請していた。ただし国安法は施行前の言動を摘発対象としておらず、黎氏の容疑の詳細は不明だ。

 蘋果日報は1995年創刊。中国共産党に批判的な論調で知られ、事実上、香港の民主派を支援する役割を果たしてきた。03年から台湾でも新聞を発行している。

Photo_20200811123002Photo_20200811123001

 返還23周年、転換期迎えた香港、自由都市から中国香港 

Record China 2020年7月10日(金)22時00分配信/野上和月(在香港ジャーナリスト)

 香港の空気が5月21日を境にガラリと変わった。翌日から開催される全国人民代表大会(全人代=国会に相当)で、反体制活動を禁じる「香港国家安全維持法(国安法)」の法制化が審議されるという、香港市民にとって思いもよらぬ大ニュースが飛び込んできたのだ。この日を境に、政府と民主派勢力の形勢は逆転。ピリピリしたムードが続く中、目にするものや聞くものが大きく変わった。

 国安法は、全人代常務委員会の2回に及ぶ審議を経て、6月30日に可決。即日香港で施行された。(1)国家の分裂(2)政権転覆(3)テロ活動(4)外国勢力と結託して国家の安全に危害を及ぼす行為—を犯罪として取り締まる。刑期は最低でも禁錮3年。最高は終身刑だ。中国の治安当局の出先機関「国家安全維持公署」が新設され、香港当局を通さず直接、取り締まり活動ができる。容疑者の中国本土への移送も可能という。概要だけでも相当厳しいものだ。

 しかも法案は、1か月余りのスピード可決になる見通しだというのに、全容が明らかにされず、市民はピリピリムード。メディアに登場するのは、「国安法は社会の安定につながる」と、意義を説く政府高官や審議に関わる親中派の重鎮たちか、漏れ伝わる情報から法の解釈や分析をする弁護士や法学者だった。林鄭月娥・行政長官自らが、国安法について語る約1分の政府広告もテレビで頻繁に流れた。

Photo_20200811122201Photo_20200811122401

 逆に、これまで何かあれば真っ先に声をあげて政府を批判してきた民主活動家はピタリと口を閉ざしてしまった。市民は反対の声を上げたくても、新型コロナ対策を理由にデモは許されない状態だった。違法デモが起きれば、警察はこれまでになく強硬な態度で封じ込めるようになり、参加者は少ないのに多くの逮捕者が出るようになった。

 反政府活動の息の根を止める強権的なこの法案。本来、香港政府は、「基本法(香港の憲法に相当)」に基づき、国家分裂や政権転覆の動きを禁じる「国家安全条例」を制定しなければならない。2003年に試みたが、市民50万人によるデモ行進で法案は撤回に追い込まれた。その後も自由を尊ぶ市民らによる反発が強く、香港が英国から祖国に復帰して23年になろうというのに、一向に成立しない。それどころか、昨年6月以降続く反政府デモで、過激なデモ隊が、公共施設や特定の飲食店、中国系銀行などを狙って破壊活動を繰り返した。

 デモがエスカレートする中で、「香港独立」と声高に叫んだり、米国国歌を歌いながら星条旗を振り回したりする若者らが増えていった。海外組織と通じる活動家もいて、もはやデモの域を超えて主権にかかわる事態になった。中国は過去の歴史から見て取れるように、主権問題となれば絶対に譲らない。五星紅旗や国章を汚されても我慢してきたが、さすがに「独立」は看過できなかったようで、この国安法が登場したというわけだ。中国政府は、香港が返還後50年間約束されている「一国二制度」は、 「一国あっての二制度だ」と強調した。

Photo_20200811121901Photo_20200811122001

 法案可決が近づくと、民主活動を推進していた政界の重鎮や評論家が相次ぎ引退宣言し、香港を離れる活動家も出てきた。2014年に起きた「雨傘運動」のリーダーだった黃之鋒(ジョシュア・ウォン)氏や周庭(アグネス・チョウ)氏らが組織した「香港衆志」は解散。「香港独立」を唱えていた政治団体ら少なくとも7団体が香港本部を解散。民主派勢力は潮が引くように大きく後退した。

 国安法が施行された翌7月1日は23回目の返還記念日だった。この日もデモは認められず違法を承知で街に繰り出した市民は、国安法施行について、「中国政府は、返還後50年不変の約束を反故にした」(70歳男性)、「一国二制度は一国一制度になった」(31歳女性)、「自由がなくなり、香港は中国本土と変わらない都市になり下がってしまう」(19歳男性)と不満をあらわにした。このデモで、約370人が逮捕された。

Photo_20200811124701Photo_20200811123601

 ただ、反対ばかりではない。「破壊行為にまで及ぶ、行き過ぎた自由は制限されるべきだ」(58歳男性)とか、「政治活動には興味がないから、国安法は怖くない」(43歳女性)というように、社会の安定につながると前向きにとらえて歓迎する市民も少なくない。「中国政府が主導することに恐怖を感じるが、法律の必要性は理解できる」(47歳女性)という声もある。

 返還記念日の逮捕者のうち、「香港を取り戻せ 時代革命」「香港独立」と書かれたスローガンを手にしていた市民ら10人が国安法に違反した疑いで逮捕された。このスローガンが書かれた旗を所持していただけでも違反と判定されたことで、デモ活動を応援する飲食店に張られていた、同様のスローガンは一斉にはがされた。公立図書館では黄之鋒氏など民主活動家の書籍は早速、閲覧できなくなった。市民の目の前で起こりだしたのは、言論や表現の自由への厳しい統制だ。

Photo_20200811122601Photo_20200811122701

 返還直前から今まで、私が知る香港は、なんといっても、英植民地時代からの中洋折衷のエキゾチックさと、自由放任主義(レッセフェール)のもと、なんでもありの破茶滅茶さがある、ユニークで活力ある自由都市だ。中国経済への依存度が高まり、中国化が進んでいるとはいえ、まだ自由を謳歌する香港らしさは残っていた。

 どのような言動が国安法に触れるかは、依然として手探り状態だが、これまでのように中国共産党や政府に批判的な政治活動や言論活動には相当ブレーキがかかりそうだ。これまでのような痛烈な批判や風刺はご法度になるだろう。

 反政府運動のムードを盛り上げた、各地の「レノンの壁」に貼り付けられたメッセージやポスターは、ほぼ跡形もなくはがされた。代わって、街中では国安法のポスターを見かけるようになった。中国政府高官は、香港で暴力行為がなくなり、社会に安定をもたらすことになるこの国安法は、返還記念日のプレゼントだといった。そのプレゼントの先にあるのは、学校教育や外国籍裁判官、公務員など、さまざまな制度の見直しだろう。

 今後しばらくは、混乱は避けられないと思う。わかっていることは、国安法の施行を境に、“自由都市・香港”は去り、香港は“中国の香港”として再スタートしたということだ。

Photo_20200811124401Photo_20200811124501

メディア創業者の黎智英氏ら10人、国安法違反容疑で逮捕‐米華字紙

Record China 2020年8月11日(火)10時00分配信

 米国の中国語ニュースサイト、多維新聞は10日、香港で同日、香港の民主派団体、香港衆志(デモシスト)の創設メンバーで、香港の民主化運動の「女神」と呼ばれる活動家の周庭(アグネス・チョウ)氏や、中国政府に批判的な香港のメディアグループ、壱伝媒(ネクスト・デジタル)の創業者、黎智英(ジミー・ライ)氏ら10人が、香港国家安全維持法(国安法)に違反した容疑で、香港の警察当局に逮捕されたことについて伝えた。

 記事はまず、香港の警察当局は10日、外部勢力と共謀した疑いで周庭氏を逮捕したほか、マネーロンダリングの疑いや外国または外部勢力と共謀した疑いで民間組織「香港故事」メンバーの李宇軒氏を逮捕し、外国または外部勢力と共謀した疑いで学民思潮の元メンバーである李宗澤氏も逮捕したと伝えた。

 続いて、警察当局はそれに先立つ10日朝、黎智英氏とその息子ら7人を、外部勢力と共謀するなど国安法に違反した容疑で逮捕したとし、7人の中には壱伝媒の最高経営責任者(CEO)の張剣虹氏や、最高執行責任者(COO)兼最高財務責任者(CFO)の周達権氏ら同社幹部が含まれていると伝えた。

 記事はまた、「香港で国安法が施行されると、香港衆志や香港民族陣線など中国本土当局から『港独』とみなされていた組織は、解散を宣言するか、または海外で活動するようになっている。組織の主要メンバーだった黄之鋒氏や羅冠聡氏、周庭氏、梁頌恒氏らは離脱を表明していた」とも伝えている。

Photo_20200811125901Photo_20200811130101

 10日に逮捕の民主活動家・周庭保釈される、黄之鋒氏ら出迎え 

毎日新聞 2020年8月12日(水)0時19分配信

 香港警察に逮捕された民主活動家の周庭(英語名アグネス・チョウ)氏(23)が11日深夜、保釈された。

 警察は10日の逮捕後、周氏を香港北東部の警察署で拘束していた。周庭氏は保釈後、「政治的な目的による摘発でばかげている」と当局の対応を批判した。

 警察署前では国際的に著名な民主活動家の黄之鋒(同ジョシュア・ウォン)氏(23)らが出迎えた。香港では逮捕から2日以内に保釈される例が比較的多い。

 周氏は「7月から現在までにSNSを通して外国勢力と結託したと言われたが、具体的な内容は言われなかった」と話した。また、同じ容疑で10日に逮捕された香港紙「蘋果日報」などの創業者・黎智英氏も保釈された。

a

関連エントリ 2020/07/23 ⇒ 【自粛から自衛へ】東京都「新規陽性者数」366人✍過去最多更新
関連エントリ 2020/07/18 ⇒ 【新植民地主義】<国境なき医師団>内部告発文書✍1000人以上が署名。
関連エントリ 2020/07/01 ⇒ 【香港返還記念日】前日✍「国家安全維持法」成立「一国二制度」終了。
関連エントリ 2020/06/25 ⇒ 【日経平均】続落<NY株先物安✍コロナ感染拡大>感染再燃の懸念強く
関連エントリ 2020/06/18 ⇒ 【緊急事態宣言】明日19日から<都道府県またぐ移動制限>解除「接触確認アプリ」導入
関連エントリ 2020/06/05 ⇒ 【米中🈟冷戦】米上院「中国企業の米国上場廃止に繋がり得る法案」可決
関連エントリ 2020/05/24 ⇒ 【習的中國】“国家安全法”整備に抗議する数千人の市民に催涙弾!!

 

2020年7月26日 (日)

【拡大自殺】時速150㌔「逃げる対向車」追いかけ「殺害」?

死ぬ時くらい注目されたい正面衝突事故が一転殺人事件に…第三者巻き添え「拡大自殺」か

FNNプライムオンライン 2020年7月25日(土)18時01分配信

死亡交通事故が一転、殺人事件に

2020年5月8日午後11時すぎ、福岡・福津市の国道で起きた正面衝突事故。

近所の人:
(午後)11時すぎでしたかね、ガチャーンっていう

警察は、現場の状況から殺人事件として立件できると判断。
福津市の無職・阿部大介容疑者(40)を死亡のまま、殺人の疑いで書類送検した。
阿部容疑者は普通乗用車を運転、福津市の国道で対向車線の軽乗用車と正面衝突し、軽乗用車を運転していた30代の男性を殺害した疑いが持たれている。

警察の捜査で、容疑者の殺意を裏付ける状況が、徐々に浮き彫りになっていった。
阿部容疑者の車は、事故現場の約500メートル手前で別の1台の車を追い抜き、被害男性の車に向かって逆走を始めた。
この時、被害車両までの距離は約200メートル。
付近の防犯カメラや目撃証言から、事故直前のスピードは時速150kmにも達していたことがわかった。

向かってくる車を前にした被害者は、ハンドルを左に切ったが、阿部容疑者は、ハンドルを右に切り追うように衝突、現場にブレーキの痕は残されていなかった。

さらに警察が捜査を進めたところ、異様なことがわかった。
阿部容疑者の車内には、植木などを切るための刈り込みバサミが、喉に当たるようにハンドルに固定されていたことが判明した。
刃先は、開かないようにひもで巻かれていた。

あの世で幸せに、とか言いたくない

自殺するために対向車を巻き添えにし、面識のない男性の命まで奪った事故。
亡くなった男性は、魚釣りやアウトドアが好きな3人の子どもを持つ父親だった。
仏壇の横に置かれているのは、子どもが書いた父親の似顔絵。

亡くなった30代の男性は、妻と子ども3人と5人暮らしで、いつも子どもと一緒にいる明るい父親だったという。

被害男性の親族:
悔しいとしか言えない。なんで、そこでたまたま…。帰ってきてと言いたい。あの世で幸せにとか言いたくない。帰ってきてと言いたい

"死ぬ時ぐらい注目を”…第三者を巻き込む拡大自殺

阿部容疑者は、事故の2~3日前に家族に自殺をほのめかしていた。
犯罪心理学の専門家は、こうした自殺の仕方を次のように指摘する。

筑波大学(犯罪心理学)・原田隆之教授:
全く関係のない第三者を巻き込んで自殺することを「拡大自殺」という。非常にショッキングで悲惨な事件だと思う

原田教授が指摘する拡大自殺は、神奈川・川崎市で2019年、スクールバスを待っていた小学生ら20人が殺傷され、容疑者の男が自殺した事件などと類似するとして、「自分の社会への怒りをアピール」している可能性があるとしている。

筑波大学(犯罪心理学)・原田隆之教授:
恨みを抱えたまま、大きな敵意を抱えたまま、ひっそり死んでいくのではなく、せめて死ぬときぐらい注目を集めたい、そんなゆがんだ心理が背景にあると考えられる。本人にどこまでサポートが届いていたのか検証して、追い詰められた人へのサポートを充実することがますます必要になる

被害男性の親族は、「今回のように 事故に巻き込まれて悲しい被害者が出ないことを願うばかりです」と最後にコメントした。

 正面衝突事故殺人の疑い、容疑者死亡のまま書類送検 

共同通信 2020年7月15日(水)12時51分配信

 福岡県福津市で5月、車2台が正面衝突し、運転手2人が死亡した事故があり、乗用車の内装業の男=当時(40)=が故意に対向車と衝突したとして、県警が16日にも殺人容疑で男を容疑者死亡のまま書類送検する方針を固めたことが15日、捜査関係者への取材で分かった。

 捜査関係者によると、男は事故前、周囲に「死にたい」などと話しており、誰かを巻き込もうとした疑いがある。現場にはブレーキ痕がなく、県警は男が猛スピードで運転し、故意に中央線をはみ出したとみて、対向車に乗っている人を死亡させる結果になっても構わないという「未必の故意」があったと判断、殺人容疑の適用を決めた。

 2台前のクルマを感知!  正面衝突の被害軽減うなら付けたいクルマの凄い  安全装備 

WEB CARTOP 2020年6月30日(火)11時43分配信

Photo_20200726074401

日常領域で常に安全をもたらす装備も

 現在新車で販売されている乗用車の安全装備は横滑り防止装置の義務化、自動ブレーキの普及、側面衝突時のダメージ軽減に大きな効果があるサイド&カーテンエアバッグの標準装備化の拡大を代表に著しい。しかし「まだ当たり前ではないけど普及してほしい安全装備」というのもある。今回、改めてピックアップしてみよう。

1)斜め後方の監視装置

 BSM(ブラインドスポットモニタリング)などと呼ばれるこの種の安全デバイスは、リヤバンパーに内蔵されたセンサーを情報源にドアミラーの死角に入ることがある斜め後方の後続車の存在を、ドアミラーの画面やAピラーの付け根などに表示するというもの。「進路変更の際などに斜め後方の後続車に気づかずドキッとする」ということやそういった形態の事故は少なくないので、ぜひほしい安全装備だ。

Photo_20200726073301

 また安全装備が頻繁に作動するというのはいいことではないが、斜め後方の監視装置は作動する頻度が多いので、もっとも事故防止に貢献する安全装備といえる。

Photo_20200726073101

2)前方衝突予測警報

 自動ブレーキや先行車追従型のアダプティブクルーズコントロールの重要な構成部品となる周囲の情報源には、スバルのアイサイトや日産のプロパイロットの何車種かのように、ステレオカメラや単眼カメラといったカメラを使うものと、ミリ波レーダーとカメラを併用するものがある。

Photo_20200726073601

 後者のほうが多数派なのだが、後者のなかには日産のFRセダンやルークス(eKスペースも含む)のインテリジェントFCWを代表とする前方衝突予測警報を備えるモデルもある。具体的にはミリ波レーダーを1台前の先行車の床下にも通して2台先の先行車の減速などの動きも検知するというもので、2台先の先行車が急ブレーキした際などに自車が早く減速できるので玉突きのような事故を防げる可能性が生まれる。

Photo_20200726073401

 日産車以外の採用例としてはBMWのFR車やボルボの各車が挙げられる。ミリ波レーダーを持つモデルなら新たなハードウェアを必要としないため比較的低コストで加えられる安全装備なので、普及を望みたい。

3)正面衝突対応の自動ブレーキ

 対向車との正面衝突の可能性がある際に作動する自動ブレーキはクルマが普通にすれ違う車両と混同してしまうケースもあり、実用化が難しい安全装備だったのだが、ボルボやホンダの各車で幅広く採用されている。

Photo_20200726074601

 ボルボを例に挙げると正面衝突の可能性がある際に作動する自動ブレーキは自車が10km/h程度減速するとのことだが、双方が動いているため大きな運動エネルギーが生じているだけに、その効果は非常に大きい。

4)SOSコール

 SOSコールはクルマに内蔵された自車位置も分かる通信装置を使い、脳や心臓に代表される重篤な急病や事故の際にオンにするとオペレーターにつながり、現場に救急や警察を手配してくれるというものだ。

Photo_20200726074801

 SOSコールにはエアバッグが展開するほどの大きな事故の際にはその時点でオペレーターにつながり、応答がなければ現場に救急を手配してくれるので、意識を失ったとしても生還できる可能性は劇的に向上する。SOSコールは最新の日本車なら選べることが多いので、新車の日本車を買うならぜひ装着したい装備だ。

Photo_20200726075201

 安全装備の進化は著しいため、「新車を買う大きなメリットは安全装備の充実」とも言い換えられる。それだけにこれから特に新車を買うなら、クルマを買う理由は安全装備だけでもないのも事実にせよ、安全装備が充実しているなど、なるべく安全性の高いクルマを選びたいものだ。

 

2020年7月 1日 (水)

【香港返還記念日】前日✍「国家安全維持法」成立「一国二制度」終了。

香港に歴史的転換点、中国が安全法案可決 民主派政治団体は解散

ロイター 2020年6月30日(火)11時05分配信

 中国の国会に相当する全国人民代表大会(全人代)常務委員会は30日、香港での反政府的行動を取り締まる「香港国家安全維持法案」を可決した。可決を受け、香港の民主活動家、黄之鋒(ジョシュア・ウォン)氏らは民主派政治団体「デモシスト(香港衆志)」からの脱退を表明。デモシストは解散を発表した。1997年に英国から中国に返還されて以降、高度な自治が保障されてきた香港は、歴史的な転換点を迎えた。

 中国国務院(内閣)新聞弁公室は香港国家安全維持法に関する政府当局者による記者会見を7月1日午前10時(日本時間午前11時)に開くと発表した。

 同法の詳細はまだ公表されていないが、中国は、国家分裂、政権転覆、テロ活動、外国勢力との結託の4つが処罰対象になるとしている。

 中国国務院(内閣に相当)の香港マカオ事務弁公室傘下のシンクタンクの幹部、Lau Siu-kai氏はロイターに、国家安全維持法は賛成票162票を集め、全会一致で可決されたと明らかにした。ただちに施行するとみられる。

 環球時報の胡錫進編集長は30日、同法の下で科すことのできる最も重い処罰は終身刑と述べた。

 こうした中、民主活動家の黄氏は、「デモシスト(香港衆志)」から脱退すると表明。「世界が知っている香港の終わりを意味する」とツイッターに投稿した。

 欧米諸国は、「一国二制度」下で保障される香港の高度な自治が損なわれると警戒感を強めており、中国と欧米諸国の対立が一段と強まる恐れがある。

 米政府は29日、国家安全維持法の制定をにらみ、香港に対する優遇措置の縮小に乗り出した。香港への防衛機器の輸出を停止し、香港によるハイテク製品へのアクセスを制限する。

 香港の林鄭月娥(キャリー・ラム)行政長官は30日、同法案についてコメントするのは適切ではないと述べた上で、「いかなる制裁措置もわれわれを脅かすことは決してない」と述べて米政府の動きをけん制した。

<中国の締め付け強まる>

 国営新華社通信は今月、国家安全維持法の一部詳細を伝えた。それによると、新たな国家安全法制は香港の現行法に優先し、全人代常務委員会が法解釈の権限を持つ。

 中国政府は香港政府の「監督、指導、支援」のために香港に国家安全維持公署を設置する見通しで、特定の案件で中国政府が管轄権を行使する可能性もある。

 国家安全法に関する案件を審理する裁判官は行政長官が指名する。香港はこれまで、司法の独立を確保してきた。

 中国と香港の当局はこれまで繰り返し、国家安全法制はごく一部の「トラブルメーカー」だけを対象としており、香港における人権や言論・集会の自由、投資家の権利は守られると述べてきた。

 香港政府はただちに新法を公布、施行するとみられる。

<民主派に抗議の動き>

 香港の警察当局は新型コロナウイルス対策の行動制限を理由に、香港返還から23年となる7月1日の集会を禁じた。

 複数の活動家や民主派の政治家は禁止令に反して集会を実施する意向を示している。

 民主党の胡志偉主席は「国家安全維持法が香港の法律より優先させるとしても、同法の可決を絶対受け入れない」と述べた。

 1日までに国家安全維持法が施行された場合、集会への参加が犯罪行為とみなされるかどうかは不明。

 英、欧州連合(EU)、日本、台湾は、国家安全維持法を批判してきた。

 日本政府の菅義偉官房長官は30日午前の会見で、中国による香港国家安全維持法案が可決されたなら、香港と緊密な経済関係と人的交流がある日本にとって遺憾だと述べた。

 台湾は新法を強く非難し、蔡英文総統は「非常に失望した」と述べた。

 欧州連合(EU)欧州議会は先に、香港に国家安全法制が導入された場合、中国政府を国際司法裁判所に提訴するようEUに求める決議を採択している。

香港国家安全法成立、中国が71にも施行一国二制度形骸化

読売新聞オンライン 2020年6月30日(火)10時57分配信

 香港の複数のメディアによると、中国の全国人民代表大会(全人代=国会)常務委員会は30日午前、香港での反体制活動などを取り締まる国家安全法制度の実施法を全会一致で可決し、法律が成立した。中国政府が香港政府の頭越しに法を執行することを可能とする内容で、香港に高度な自治を認めてきた「一国二制度」は形骸化が避けられない。

 実施法となるのは「国家安全維持法」で、香港の英国からの返還23年となる7月1日にも施行されるとみられる。

 国家安全維持法は、〈1〉国家の分裂〈2〉中央政府の転覆〈3〉テロ活動〈4〉外国勢力などと結託して国家の安全を脅かす――の4種の行為を禁じ、刑罰の対象とする。中国の治安当局が香港に出先機関「国家安全維持公署」を設置し、事案の内容次第では法執行などの管轄権を行使する。

 関連案件を取り扱う裁判官は香港政府トップの行政長官が指名することも定め、「司法の独立」が脅かされるとの懸念が出ている。

 施行後は、反政府抗議活動を主導してきた民主派のリーダーが摘発される可能性がある。香港の若手民主活動家の黄之鋒氏(23)は法律の可決を受けて、ツイッターに「これまでの香港が終わり、恐怖による支配の時代が始まった。それでも香港の自由と正義のために戦い続ける」と書き込んだ。

 中国は英国からの返還にあたり、香港の現行制度は「50年間は変わらない」と公約しており、米国など国際社会から批判が高まることは必至だ。

 全人代常務委は、成立した法律を香港で適用するため、香港の憲法に相当する香港基本法の付属文書に盛り込む決定を行う。

 香港では昨年6月以降、中国への容疑者引き渡しを可能にする逃亡犯条例改正案への抗議運動が大規模化した。一部のデモ参加者が破壊活動を行うなど社会が混乱し、香港政府は改正案の撤回に追い込まれた。

 これを受け、習近平(シージンピン)政権は昨年10月の共産党の重要会議で、香港に法制度を導入する方針を表明。今年5月下旬に開かれた全人代が法制度の導入方針を採択し、全人代常務委が今月、法制度の実施法案の審議を開始した。

 中国政府は、実施法案について、香港の各界代表から意見聴取を行ったとしているが、審議期間中も条文の詳細は公表されておらず、透明性を欠くと指摘されていた。

 世界金融 さらなる動揺も、香港国家安全法可決 

SankeiBiz 2020年7月1日(水)7時15分配信

 香港国家安全維持法が30日、可決された。日本経済に直接的な影響がただちに生じる可能性は小さいが、高度な自治を保障した「一国二制度」が形骸化することで、投資マネーや金融専門人材の流出につながる可能性がある。

 独立した司法制度も揺らぎ、経営環境の変化が企業活動の足かせになりかねない。香港自体の経済規模は大きくないが、同法の導入を強行した中国と米国が制裁措置を応酬し、新型コロナウイルスの影響で不安定化している世界の金融市場をさらに動揺させる懸念も強まる。

 東京商工リサーチが昨年10月にまとめた調査結果によると、香港に進出する日本企業は1688社で、2288カ所の拠点を展開。このうち半数以上が卸売業で、製造業は少ない。物流や旅行会社の現地拠点も102カ所あり、幅広い業種の企業が活動している。

 「国際金融センター」である香港には日本の大手銀行も進出しているが、短期的な影響は限定的との見方が強い。取引が多い日系企業は同法の対象とならないとみられ、中国企業との取引についても「ほとんどが上海など中国本土で行っている」(関係者)からだ。また、香港では個人向け取引がないため、送金といった業務にも関係はなさそうだ。中国や香港のビジネスに詳しい日系企業関係者も、「日本や欧米の企業には今のところ、香港から撤退するという動きはない」と指摘する。

 一方で、日本と同じように自由な経済が保障されていた状況が変わることへの懸念は大きい。第一生命経済研究所の西浜徹主席エコノミストは、「企業活動の足かせになりかねない。また、新型コロナが収束しても、観光業が以前のようにはいかなくなるかもしれない」と指摘する。英国統治時代から続く独立した司法制度が維持されない可能性があることも不安材料だ。

 経済同友会の桜田謙悟代表幹事は、「世界経済で香港自体が担っている役割はさほど大きくないが、米中の貿易戦争がさらに厳しくなり、報復合戦になる可能性がある」と指摘する。

 トランプ米大統領は既に香港に与えていた優遇措置の解除に動いており、米国で上場する中国企業が米当局による検査を拒めば上場を廃止できる法律も成立させる方針。大統領選前に中国に強硬姿勢を取る公算も大きくなっており、貿易摩擦で起きたような対抗措置の連鎖につながりかねない状況だ。

香港国家安全法27カ国「中国再検討共同声明発表

AFPBB News 2020年7月1日(水)5時58分配信

 日本を含む27か国は6月30日、香港で施行された国家安全維持法は同市の自由を「害する」として、中国に対し再検討を求める共同声明を発表した。

 27か国はまた、中国西部・新疆ウイグル自治区(Xinjiang Uighur Autonomous Region)へのミチェル・バチェレ(Michelle Bachelet)人権高等弁務官の「有意義な立ち入り」を許可するよう中国に求めた。

 日本のほか英国、フランス、ドイツなどが署名した声明は、スイス・ジュネーブの国連人権理事会(UN Human Rights Council)で、英国のジュリアン・ブレイスウェイト(Julian Braithwaite)在ジュネーブ国連大使が各国を代表し読み上げた。同理事会で中国が口頭で非難されるのは異例。

 27か国は声明で、香港国家安全維持法が香港市民の人権に明確な影響を及ぼすとして、「深く、高まる懸念」を表明。香港の住民や立法・司法組織の直接的な介入なしに同法を成立させたことは、「一国二制度」が保障する高度な自治と権利、自由を「害する」ものだと主張した。

 声明はまた、「この声明に署名した複数の国が、新疆ウイグル自治区でのウイグル人など少数民族の恣意(しい)的な拘束、広範囲にわたる監視や制限をめぐり、懸念を表明する書簡を昨年提出した」と指摘。「これらの深い懸念は、このたび公になった追加情報により高まった」と述べた。

 新疆ウイグル自治区をめぐっては6月29日、中国当局が人口抑制策としてウイグル人など少数民族の女性に対し不妊手術を強制しているとするドイツ人研究者による報告書が発表されている。

周庭(アグネス・チョウ)さんと黄之鋒(ジョシュア・ウォン)さん、民主派団体を離脱。国家安全法適用を懸念

HUFFPOST 2020年6月30日(火)15時03分配信

 香港の民主派団体「デモシスト」の周庭(アグネス・チョウ)さんと黄之鋒(ジョシュア・ウォン)さんは6月30日、それぞれのSNSで団体を離脱することを明らかにした。

 詳しい理由は分かっていないが、30日には香港版の「国家安全法」が可決されていて、団体に残ることで自分や他のメンバーが逮捕されるリスクを避けるための決断という可能性もある。

避けることができない決定

 周庭さんは30日、自身のTwitterとFacebookで脱退する意向を明らかにした。

 周さんは日本語で「これは重く、しかし、もう避けることができない決定です。 絶望の中にあっても、いつもお互いのことを想い、私たちはもっと強く生きなければなりません。 生きてさえいれば、希望があります」などと綴った。

 周庭さんは「デモシスト」のメンバーとして、堪能な日本語を活かしてSNSや講演などで、香港の現状を日本に伝え続けていた。

 同じく、黄之鋒さんもTwitterとFacebookで脱退を表明。「私たちの声がすぐに届かない場合は、国際社会が香港のために声をあげ、最後の自由を守ってくれることを望みます」などと願いを託した。

 黄之鋒さんは、香港での愛国的な教育導入に反対する学生団体「学民思潮」の元リーダー。デモシストでは秘書長の立場にあった。

 2人は脱退の理由を明らかにしていないが、黄之鋒さんはFacebookで30日に可決した「国家安全法」について「世界の目は、安全法が施行されたあとの私個人の状況にも注がれています。この地上から消し去られるまで、故郷である香港を守っていきたいです」などと言及しており、脱退は、団体に残ることで、自分や他のメンバーが逮捕されるリスクを避けるための決断という可能性もある。

 香港国家安全法」で激化米中新冷戦」と「一国二制度」の変質 

Foresight 2020年6月30日(火)15時00分配信/野嶋剛

 香港の「国家安全維持法」が中国全国人民代表大会(全人代)常務委員会で6月30日に可決、成立した。香港返還の記念日である7月1日に、同法は香港で施行される見通しだ。

 中国の改革・開放や米中接近の象徴でもあった香港の「一国二制度」の大きな変質は避けられず、同法案の成立に懸念を抱く米国など西側諸国の反発は確実で、香港問題が米中「新冷戦」の最前線となる様相が濃くなっている。

香港基本法の抜け穴

 1997年に英国から中国へ返還された香港は、「一国二制度」という制度設計のもと、「高度な自治」を50年間にわたって保証されていた。行政、司法などの独自性を支えるのが「香港の憲法」と呼ばれる香港基本法で、同法によって、英国式のコモン・ローに基づく香港と、社会主義体制下の中国は、別々の世界に分けられているはずだった。

 ところが、今回の国家安全法は、そんな香港と中国の境界を易々と乗り越えて、「国家安全」という錦の御旗で、香港に対する中国の支配力を直接的に及ぼさせる。従来の「一国二制度」の構想を覆してしまう恐れが強い。

 中国側にとっては望ましい習近平流の「一国二制度」かもしれないが、香港社会に「国家安全法は香港の一国二制度を踏みにじり、死に追いやるものだ」(民主派の公民党立法会議員・陳淑荘氏)という見方が広がるのも無理はない。

 中国が強引に見える手法で香港へ国家安全法を導入できるのは、香港基本法の抜け穴とも言える部分を活用することによる。香港人自身を含めて、多くの人が、今回の導入を予想できなかったと述べているのは、たとえ法律上は可能であっても、まさかそんな手は使ってこないだろうと思わせる「裏技的」なやり方によるものだったからだ。

 香港基本法には18条2項に、

「全国的な法律は、本法付属文書3に列せられたものを除いて、香港特別行政区で実施しない。本法付属文書3に列せられた法律は、香港特別行政区が現地で公布するか立法化して実施する」

 と書かれている。

 全国的な法律とは、香港独自の法律ではなく、中央が制定する法律という意味である。この条項は本来、国防や外交に関わり、しかも緊急度の高い余程の事情がない限り、「全国的な法律」は香港では実施しないという抑制のためのものだったのだが、今回はその立法趣旨とは逆の方向で使われる形となった。

立法会選挙に大きな影響

 6月28日から30日までの3日間の会期で始まった全人代常務委員会は、もともと年に数回しか開催されないものだ。直近では6月18日~20日に開催されたので、本来であれば数カ月先まで開催されなくてもおかしくない。それを同じ月にまた開催するというのは、何としても6月中に同法案を成立させたいという意欲の表れと見ていいだろう。

 そもそも5月21日に発表された国家安全法の制定について、5月28日に全人代で制定方針が決まり、さらに1カ月後の常務委員会で条文が決まることは、異例中の異例。あらかじめ導入ありきで動いていたとしか考えられない。

 30日の可決を経て、可能性としては同日中に香港で「官報」に掲載され、それが香港基本法18条の言うところの「現地での公布」となるので、香港での立法会での審議などは一切経ることはなく、7月1日、つまり香港返還から23年を迎える日に、香港で正式施行されることになる。

 当然、想定されるのは、国家安全法の運用により、9月6日に行われる立法会選挙で、民主派グループの立候補に制限が加えられることだ。具体的に制限を加えられなかったとしても、香港政府や中国政府を批判する言論が難しくなり、選挙活動に大きな影響が生じる。

香港にあきらめをつけた

 中国共産党指導部は、すでに香港政府の統治能力に信頼を置いていないのだろう。

 本来、「一国二制度」は、香港政府への信頼をもとに成り立っていた制度であった。そのため、香港行政長官選挙や立法会選挙は、親中派が勝利するように設計されている。

 だが、それでも香港は中国の思うようにはなってくれない。そのことを2014年の「雨傘運動」で痛感した中国は、2019年の逃亡犯条例改正案への抗議デモで、香港に対して「あきらめ」をつけたのだ。

 それは、昨年10月に開かれた共産党の四中全会(中国共産党第19期中央委員会第4回全体会議)で、香港問題について以下の決定が行われていることによく示されている。

(1)現行の法律と制度を完全なものにし、香港に対する中央の全面管轄権を定着させる

(2)国家安全を守る法律制度と執行のメカニズムを立ち上げて健全化させる

(3)愛国者を主体とする香港統治でなければならず、中央は行政長官と主要官員に対する任命権、監督権、罷免権を有する

(4)教育制度を完成させ、国民教育の失敗を正視する

 この言葉のひとつひとつが、今回中国が打ち出した香港版国家安全法の狙いとほぼ完全に合致する。

 同時期、習国家主席は南米訪問の際、

「香港で続いている過激な暴力犯罪行為は、法の支配と社会秩序を踏みにじっており、『一国二制度』の原則への重大な挑戦だ」

 と述べている。

 このとき、すでに国家安全法の導入について、中国の方針は固まっていたとも思わせる発言である。

 法制化となれば一定の時間が必要だ。立法会選挙での民主派の過半数獲得を懸念したのだとすれば、制定方針の決定は5月の全人代がタイムリミットだった。コロナ禍の間、北京は密かに着々と準備を進めていた。

中国政府の出先機関が法執行も

 その内容について、現在までに最も詳しい形で公表されているのが、6月20日に『新華社通信』が報じた内容である。

 それによれば、法案は6章66条からなる。香港警察および司法省に専門部門が設置され、法執行に当たる。ただ、香港には中国政府の出先機関「国家安全維持公署」が設立され、「特定の状況」のもとで管轄権を執行する。つまり法執行を行うことになる。「特定の状況」がどのようなものなのかは一切分かっていない。また、通常の警察の法執行でも、この国家安全維持公署が背後で指揮・監督を行う可能性は高いだろう。

 一方、香港政府には「国家安全維持委員会」が設立され、そのトップには行政長官が就任する。この委員会には、中央政府から顧問が派遣される。つまり、香港における国家安全法の実施は、警察による現場レベルでの執行においても、逮捕・起訴後の裁判においても、中央の影響力下におかれることになる。

 取り締まりの対象は「国家分裂」「国家転覆」「テロ活動」「外国及び外国勢力との結託」という4つの罪状となる。これらが具体的にどのような行為を指すものであるのかは明らかにされていない。また、先述の通り「特定の状況」がいかなるものかも定かでない。

 すべてが不透明なまま、法律が執行されようとしている状況に、香港社会や香港司法界からも不安の声が高まっている。

 制度上の大きな問題は、香港政府が事件を起訴する原告となるだけでなく、裁判官も任命するという形になりかねない点だ。従来の香港の司法制度では、司法人員推薦委員会が裁判官を任命していたが、国家安全法に基づく案件の裁判官は行政長官の任命となり、外国人の裁判官などは回避されると見られる。

 さらに、国家安全法は「香港の法律よりも優先される」「解釈権限は全人代常務委員会にある」と規定されており、香港の独自性を守るための防壁はほぼなくなっている。

米中の共同作品だった香港

 そもそも「香港」は、中国のなかに自由主義の「都市」が存在することを、米国など国際社会が裏書きすることで成り立っているシステムだった。

 その背後には中国の改革開放をサポートし、国際社会に参画してもらうというエンゲージメント(関与)政策があり、そのおかげで香港はWTO(世界貿易機関)などにも単独の経済体として加盟することができ、香港ドルも米ドルとのペッグ制が保たれて、国際通貨の地位を維持できていた。

 一方、中国は香港で経済成長に必要な資金を調達でき、西側諸国も香港を踏み台に対中ビジネスを営むというウィン・ウィンの関係が築かれており、「香港」は東西冷戦末期に接近した米中による共同作品だと言えた。

 そうした米中の香港をめぐるコンセンサスが崩れたのは習国家主席の就任からで、香港情勢の混乱と習体制のタイムテーブルは、ほとんど一致したものになっている。

 香港繁栄の前提条件を壊していく中国に対して、西側諸国では座視できないとの見方が強まっている。

 これは、1984年の中英共同声明に対する違反であると受け止めている英国は、中国に対して強く翻意を求めながら、英国が発行する海外市民旅券(BNO)の香港人所有者に英国の市民権を与える方針を表明し、「香港棄民」の受け入れ体制を作っている。

 米国は、ドナルド・トランプ大統領が香港制裁案をすでに明らかにしているが、マイク・ポンペオ国務長官は29日、香港への優遇措置を取り消す考えを明らかにした。米議会でも上院で香港自治法案が全会一致で可決されている。これは、香港の自治の侵害に関わった中国の関係者に対して、資産凍結などの制裁を科すよう米大統領に求めるものだ。

 国家安全法の成立は、香港の自由を大きく制約するだけでなく、米中新冷戦を加速させ、東アジアの国際政治環境を大きく変化させるだろう。香港が中国色に完全に塗り替えられれば、台湾、そして日本にも波及しかねない。

 国家安全法の成立後、各国は香港の民主化活動家やデモ参加者、民主派人士らの人権や人身安全が守られるよう、国家安全法の抑制的運用を求めつつ、香港情勢を今まで以上に厳しく注視しながら国際的圧力をかけ続けなくてはならない。

a

関連エントリ 2020/06/18 ⇒ 【緊急事態宣言】明日19日から<都道府県またぐ移動制限>解除「接触確認アプリ」導入

関連エントリ 2020/06/16 ⇒ 【東京2020】ワクチン開発「間に合わねば」<再延期の可能性>浮上

関連エントリ 2020/06/08 ⇒ 【コロナバブル】✍週末のNY株<3箇月ぶり>2万7000ドル台回復㊦

関連エントリ 2020/06/06 ⇒ 【コロナバブル】✍週末のNY株<3箇月ぶり>2万7000ドル台回復㊤

関連エントリ 2020/06/05 ⇒ 【米中🈟冷戦】米上院「中国企業の米国上場廃止に繋がり得る法案」可決

関連エントリ 2020/06/04 ⇒ 【天安門事件】あれから31年「米中🈟冷戦」✍突入の予感

関連エントリ 2020/06/02 ⇒ 【人種差別】“抗議デモ”✍キング牧師暗殺(1968)当時を超える規模

関連エントリ 2020/05/24 ⇒ 【習的中國】“国家安全法”整備に抗議する数千人の市民に催涙弾!!

関連エントリ 2019/12/01 ⇒ 【第45代大統領】上下両院✍全会一致<香港人権・民主主義法>署名
関連エントリ 2018/10/16 ⇒ 【習的中國】✍「人が簡単に行方不明になる」中国という国
関連エントリ 2015/09/30 ⇒ 【習的中國】「反スパイ法」違反容疑で✍2邦人を拘束。
関連エントリ 2015/07/15 ⇒ 【安保法制】「自公賛成多数」✍関連法案が衆院特委で可決!!

 

2020年6月30日 (火)

【広島県議会】✍参院選の現金供与<辞任ドミノ>止まらず

 河井夫妻、地盤外に手厚く現金配布か「広島3区」分の2.4 

産経新聞 2020年6月29日(月)22時43分配信

 昨年7月の参院選をめぐる買収事件で、公職選挙法違反容疑で逮捕された前法相で衆院議員、河井克行容疑者(57)と妻で参院議員、案里容疑者(46)は、広島県内の首長と地元議員計40人に現金1680万円を提供したとみられる。うち克行容疑者が選出された衆院広島3区内の15人への総額は490万円にとどまり、約2・4倍の1190万円が他地域に配布された。東京地検特捜部などは、夫妻が地盤のない地域に手厚く配り、票の取りまとめの依頼に奔走した可能性もあるとみている。

 《重点地区は安芸高田市、安佐(あさ)北区、安佐南区沼田町、呉市、福山市》。参院選終盤の昨年7月17日、案里容疑者は「アンジー」の登録名で、無料通信アプリ「LINE(ライン)」の陣営内グループにこんなメッセージを送信した。

 安芸高田市と広島市安佐北区・安佐南区は克行容疑者が地盤とする広島3区内。案里容疑者は周囲に、克行容疑者について「選挙に弱い」と漏らしていたといい、地盤を固める狙いがあったとみられる。

 広島市議で現金を配布された疑いのある13人のうち、6人が安佐北区と安佐南区の選出。安芸高田市でも当時県議で現市長の児玉浩氏のほか、市議3人にも現金を渡すなど、広島3区内で細かく気を配っていたことがうかがえる。

 だが、永田町関係者はこう語る。「参院選は県内全体が選挙区。夫妻はこれまで安佐南区を中心に活動してきただけに、地盤の外で票を集めるため、いっそう現金に頼ったのだろう」

 今回、現金を配布された疑いのある県議14人のうち、克行容疑者の地盤のない広島3区外の選出議員が11人を占めたのだ。

 県内では自民党岸田派(宏池会)の勢力が強く、昨年の参院選では、多くの自民党系地元議員が案里容疑者の競合候補だった溝手顕正(けんせい)・元国家公安委員長を支援していた。

 ある県政関係者は現金を配布された県議について「夫妻と交流が少ないはずの人も含まれているが、多くはかつて案里容疑者と同じ会派に所属するなど『どちらかといえば親しい』県議だ」と語る。

 溝手氏は平成25年の参院選で、2位当選の2倍以上の52万票超を得て圧勝するなど、強い支持基盤を持っていた。克行容疑者らが“現金攻勢”で広島3区外の溝手氏の支持基盤を切り崩そうとしたとみられる。

 広島3区外の配布先をめぐっては、首長や議員計40人の中で2番目に多い150万円を受領し、辞職の意向を示した三原市の天満(てんま)祥典市長(73)は、克行容疑者のブログに親しげな写真が掲載されるほど「熱心な支持者」(陣営関係者)だった。克行容疑者が同市生まれとはいえ、夫妻にとって地盤外の貴重な存在だったようだ。

 40人の中で最高額の200万円を受け取った疑いのある元広島県議会議長の奥原信也県議(77)も選挙区は広島3区に含まれない呉市。広島市議13人の中で最高額の70万円を受け取ったとみられる市議も広島3区外の選出だった。

 一方、県内で広島市に次いで人口の多い福山市を地盤とする現職議員は、広島3区外でありながら、現在判明している配布先には含まれていない。ただ、関係者によると、元県議2人と、選挙時に案里容疑者の福山事務所を貸すなどした支援企業の代表の計3人にそれぞれ60万円が渡った疑いがあるという。

 当時の陣営関係者は「案里容疑者は福山市で公示当日に集会を開くほど力を入れていた。全面支援してくれる現職県議がいなかったので、元職の力を頼ったのかもしれない」と話す。

河井前法相から150万円、三原市長「市民を裏切る行為」詫び、辞任

読売新聞オンライン 2020年6月30日(火)11時48分配信

 昨年7月の参院選を巡る大規模買収事件で、衆院議員の河井克行・前法相(57)(自民党を離党)から計150万円を受け取っていた広島県三原市の天満祥典(よしのり)市長(73)が30日、辞職した。この日午前の臨時市議会で、全会一致で同意された。

 克行容疑者や妻の案里参院議員(46)(同)から現金提供された疑いのある広島県内の地方政治家40人の中で辞職するのは、安芸太田町長だった小坂真治氏(71)、府中町議だった繁政秀子氏(78)に続き3人目。

 市議会で、天満氏は「市民を裏切る行為で大変申し訳ない」と謝罪。当初、授受を否定していたことについて、理由などは語らず、「職を辞することで責任をとる」と述べた。

 辞職に伴う市長選は8月2日に告示、9日に投開票される。

河井前法相の直筆 県議に現金 復数枚のメモ押収-検察当局

時事通信 2020年6月28日(日)7時26分配信

 昨夏参院選をめぐる公選法違反事件で、買収容疑で逮捕された衆院議員の前法相、河井克行容疑者(57)=自民離党=の関係先から、広島県議らへの現金提供を示唆する手書きのメモが押収されていたことが27日、関係者への取材で分かった。

 克行容疑者の直筆の可能性があるという。東京地検特捜部は買収を裏付ける重要な物証と位置付け、記載内容を精査しているもようだ。

 関係者によると、押収されたメモは複数枚あり、今年1月、克行容疑者と参院議員の妻、案里容疑者(46)=同=の広島市内の地元事務所や自宅などを家宅捜索した際に見つかった。県議らの名前と提供したとみられる金額が手書きされており、記載内容などから、克行容疑者が直筆したとみられるという。

 1月の捜索では、手書きメモのほか、県議や地元首長、後援会幹部ら現金配布先をまとめた2種類の「買収リスト」が押収されている。

 検察当局は、いずれも買収を裏付ける重要な物証とみて、政界捜査の経験が豊富な特捜部の投入を決めたとみられ、3月、それぞれの記載に基づいて県議らを一斉聴取。今月18日、克行容疑者を計94人に対する総額約2570万円の買収容疑で、案里容疑者を、うち5人に対する計170万円について克行容疑者と共謀した容疑で逮捕した。

 関係者によると、克行容疑者は調べに対し、地元議員らへの現金提供を「地盤固めの政治活動だ」などと供述。後援会幹部らへの現金については、「活動に掛かった実費や報酬」などと主張し、買収目的を否定している。案里容疑者も「違法なことをした覚えはない」と否認しているという。 

安倍4選」たった4カ月賛否逆転 自民支持層の急な「心変わり

withnews 2020年6月30日(火)7時00分配信

 安倍晋三首相の自民党総裁としての任期は、2021年9月までです。新型コロナウイルスへの対応が焦点になった通常国会が閉会し、政界の関心は安倍首相の後継争い「ポスト安倍」レースに移りつつあります。朝日新聞の全国電話世論調査を分析すると、自民支持層の心変わりが見えてきました。

自民支持層、安倍4選賛否拮抗→反対が過半数に

 自民党総裁の任期は党則で連続3期までと決まっています。ただ自民内には、この党則を変えて、安倍首相に4期目も続けることを支持する声もあります。朝日新聞の世論調査では、この「安倍4選」について、次のように定期的に聞いています。

     ◇

自民党総裁の任期は、自民党の決まりで、連続3期までになっています。あなたは、この決まりを変えて、安倍首相が4期目も続けることに賛成ですか。反対ですか。

【全体】

2019年12月 賛成(23%)/反対(63%)

2020年2月 賛成(25%)/反対(60%)

2020年6月 賛成(19%)/反対(69%)

【自民支持層】

2019年12月 賛成(43%)/反対(46%)

2020年2月 賛成(46%)/反対(43%)

2020年6月 賛成(36%)/反対(54%)

*その他・答えないは省略――*調査方法=コンピューターで無作為に電話番号を作成し、固定電話と携帯電話に調査員が電話をかけるRDD方式。2019年12月21・22日、2020年2月15・16日、同年6月20・21日に、全国の有権者を対象に調査した。有効回答数と回答率は以下の通り。2019年12月固定1001人49%/携帯979人44%、2020年2月固定1118人51%/携帯1038人45%、同年6月固定1035人52%/携帯1030人47%。

     ◇

「安倍4選」について、全体では反対がつねに賛成を大きく上回っています。これに対し、自民支持層は2019年12月と2020年2月の調査で賛否が割れていたのが、4カ月後の2020年6月の調査では反対54%が賛成36%を上回りました。

 自民支持層で「安倍首相離れ」がじわりと進んだ背景には、今年2月以降に深刻化した新型コロナへの政府対応がありそうです。

コロナ禍の政府対応評価しない一時高まる

 朝日新聞の調査では今年2月以降、以下のように聞いています。

     ◇

あなたは、新型コロナウイルスをめぐる、これまでの政府の対応を評価しますか。評価しませんか。

【全体】

2月 評価する(34%) 評価しない(50%)

3月 評価する(41%) 評価しない(41%)

4月 評価する(33%) 評価しない(53%)

5月 評価する(30%) 評価しない(57%)

6月 評価する(38%) 評価しない(51%)

【自民支持層】

2月 評価する(47%) 評価しない(39%)

3月 評価する(61%) 評価しない(23%)

4月 評価する(56%) 評価しない(34%)

5月 評価する(51%) 評価しない(37%)

6月 評価する(59%) 評価しない(31%)

*その他・答えないは省略*調査方法=RDD方式。2020年2月と6月以外は、3月14・15日、4月18・19日、5月23・24日に実施した。2020年2月と同年6月以外の有効回答数と回答率は以下の通り。3月固定1170人53%/携帯1190人50%、4月固定1111人56%/携帯1106人52%、5月固定1187人57%/携帯1186人52%。

     ◇

 新型コロナへの政府対応をめぐっては、全体と異なり、自民支持層では「評価する」が「評価しない」をつねに上回っていました。とはいえ、横浜港に停泊していて感染が拡大した大型クルーズ船への対応が批判された2月と、コロナ禍にもかかわらず検察庁法改正案の成立を急いだ政権に対してツイッターなどで批判が広がった5月の調査では、自民支持層でも「評価しない」が4割近くに高まりました。

 6月調査では、自民支持層の「評価する」は6割近くに盛り返しました。ただ自民支持層の内閣支持率は2月調査の78%から見ると、6月調査では69%に下がっています。コロナ禍での政府対応に対する自民支持層の一定の不満が、「安倍首相離れ」の背景の一つにあるのかもしれません。

ポスト安倍レースはなお混迷

 安倍首相は「4選」について、6月18日の記者会見で「全く考えておりません」と述べています。では、安倍首相の次の首相である「ポスト安倍」について、自民支持層はどう考えているのでしょうか。

     ◇

あなたは、次の自民党総裁として、だれがふさわしいと思いますか。
(2019年9月)→(2019年12月)→(2020年2月)→(2020年6月)

【全体】

石破茂=(18%)→(23%)→(25%)→(31%)

小泉進次郎=(22%)→(20%)→(14%)→(15%)

河野太郎=(8%)→(8%)→(8%)→(9%)

菅義偉=(8%)→(6%)→(5%)→(3%)

岸田文雄=(6%)→(5%)→(6%)→(4%)

茂木敏充=(3%)→(1%)→(1%)→(1%)

加藤勝信=(1%)→(1%)→(1%)→(0%)

この中にはいない=(27%)→(29%)→(32%)→(31%)

【自民支持層】

石破茂=(14%)→(22%)→(22%)→(29%)

小泉進次郎=(21%)→(20%)→(17%)→(17%)

河野太郎=(12%)→(12%)→(10%)→(12%)

菅義偉=(12%)→(9%)→(8%)→(5%)

岸田文雄=(8%)→(8%)→(8%)→(7%)

茂木敏充=(3%)→(3%)→(2%)→(1%)

加藤勝信=(1%)→(1%)→(1%)→(0%)

この中にはいない=(20%)→(20%)→(26%)→(23%)

*その他・答えないは省略。敬称略――*調査方法=RDD方式。2019年9月の調査は14・15日に実施し、有効回答数と回答率は固定1010人50%/携帯914人42%。

     ◇

 同じ選択肢で行った2019年9月から今年6月の計4回の調査では、自民支持層の「ポスト安倍」トップは19年12月以降、全体と同じように、つねに石破茂氏でした。石破氏の支持率は19年9月の14%から今年6月の29%に上がりました。ほかの候補の支持率が軒並み伸び悩んでいるのとは対照的に、石破氏の人気ぶりがうかがえます。

 とはいえ、「ポスト安倍」レースは、「石破1強」とも言いきれません。自民支持層の「この中にはいない」がつねに2割台で推移しているためです。「安倍首相離れ」が進みながらも、安倍首相の「次」が絞り切れていないという自民支持層の心の内を現しているようにも見えます。

「ポスト安倍」には、どんな人がふさわしいか―。同じ記者会見で問われた安倍首相は、2019年12月のBSテレ東の番組収録で岸田、茂木、菅、加藤4氏の名前を列挙した時とは異なり、こう答えるだけでした。

「(自民党総裁の)任期が1年3カ月残っており、全力を尽くす。後継者は育てるものではなくて育ってくるものだ。自民党は人材の宝庫。地味に成果を出していく人もいれば、うまく発信をされている方もいるのだろう。その立場立場で頑張って頂きたい」

 後継をめぐる安倍首相の心の内はどうなのでしょうか。今後も「ポスト安倍」レースの行方に目が離せません。

河井夫妻逮捕Xデー…その時検察は動いた!容疑者寵愛の安倍晋三  次の総理選び 

PRESIDENT Online 2020年6月23日(火)11時16分配信/麹町文子(ジャーナリスト)

6月18日のXデーに何があったのか

 法務行政トップだった人物を検察当局が捜査対象にした前代未聞の事件は6月18日、ついに「Xデー」を迎えた。昨年夏の参議院選挙で初当選した河井案里参議院議員をめぐる買収事件で、案里氏と夫の河井克行前法相が公職選挙法違反(買収)の疑いで逮捕されたのだ。河井夫妻は容疑を否認しているが、検察側は起訴までもっていく「鉄の意志」があるとされ、吹き荒れる検察不信を払拭していく強い覚悟を持っているようだ。捜査の行方はさておき、今回は「Xデー」を迎える中でドタバタと進む動き、水面下で繰り広げられる政局に注目したい。そこにある魑魅魍魎の世界とは――。

 この事件が注目される理由は、単なる選挙違反事件ではない点にある。今後の展開次第では安倍晋三政権のみならず、戦後日本を政権与党として牽引してきた自民党政治にとって大ダメージとなるほどの事案なのだ。まずは、ことの発端を振り返っておきたい。

 昨夏の参議院選挙で定数2の広島選挙区から自民党2人目の候補者として出馬した案里氏は、夫の克行氏と二人三脚で選挙戦に臨み、事前の予想を覆す形で議員バッジを手にした。その余波で落選したのは自民党岸田派の重鎮、溝手顕正氏だった。

プライドが高く、自分はとにかくできる人間と思っている

 溝手氏は自民党参院議員会長や国家公安委員長などを歴任した当選5回の大物で、「安倍1強」時代にあって安倍晋三総理への批判を公言する「武闘派」としても知られる。だが、総理官邸サイドは党広島県連の反対を押し切って案里氏を擁立し、案里氏と溝手氏の支援レベルは「10倍近い差」(自民党関係者)をつけた。案里氏には菅義偉官房長官が選挙応援に駆け付けるなど異例のバックアップ態勢をとっている。

 その理由は「反安倍色」が強い溝手氏を踏み台にしてでも「親安倍」「親菅」の案里氏を当選させたいとの思いがあったからだ。夫の克行前法相は、菅官房長官の側近中の側近で、菅氏を支える「菅グループ」の筆頭格だ。参議院選挙の前に改元を発表し、「令和おじさん」と人気が急上昇した菅官房長官は飛ぶ鳥を落とす勢いで「(広島選挙区から)2人も出すのは馬鹿げた話」(溝手氏)との反対論を封じた。参議院選挙後の昨年9月には内閣改造で法相に克行氏をねじ込んでもいる。克行氏はどのような人物なのか。かつて所属した派閥「平成研究会」を担当した全国紙政治部記者は「プライドが高く、自分はとにかく『できる人間』と思っている。気に食わないことがあると怒り、権力者にはすり寄る」と評する。

前法相を逮捕する異例が起きるまで…

 すでに長期政権となっていた安倍政権で法相に就任し、「我が世の春」がついに訪れたと思っていたことだろう。だが、就任直後に週刊文春による「文春砲」が炸裂し、わずか1カ月半でのスピード辞任に追い込まれた。ちなみに、この10月にはもう1人の「菅グループ」の中心である菅原一秀経済産業相にも「文春砲」が直撃し、その有権者買収疑惑によって辞任を余儀なくされている。内閣改造後1カ月で閣僚2人が辞任するということだけでも異様だが、ともに菅官房長官が入閣を後押しした「菅グループ」の中心人物だったというから驚きだ。安倍総理と菅官房長官との間に生まれた「亀裂」はこの時期から始まったとされ、政権中枢の最終決定ラインは「安倍―菅」から「安倍―今井尚哉総理補佐官」に移った。

 「官邸の守護神」とまで言われた東京高検の黒川弘務前検事長の定年延長を特例的に認める閣議決定がされたのは今年1月だったが、その黒川氏も5月の「文春砲」で産経新聞記者や朝日新聞社員との「賭けマージャン疑惑」を報じられ、辞任。菅氏が推していた検察幹部の定年を延長する検察庁法改正案は頓挫し、「黒川検事総長」は幻に終わった。この人事をめぐって法務・検察不信は高まり、黒川氏の後任の林真琴東京高検検事長や稲田伸夫検事総長らは政権との距離を見直すとともに、法務行政のトップだった克行前法相の逮捕に踏み切る「GOサイン」を出すに至っている。

ポスト安倍選びは菅官房長官の動向が鍵を握る

 政治日程を考慮し、当初は東京都知事選の告示日であり、安倍総理が通常国会閉会を受けた記者会見を行う6月18日の逮捕は避けるとの見方もあったが、もはや政治のことは関係ないと突破するあたりに検察サイドの強い意志を感じる。お隣の韓国では昨年末、文在寅大統領の最側近である法相に対する検察の捜査が耳目を集めたが、その構図は対岸の火事とはいかない惨めな結末である。

 話を元に戻そう。一連の辞任劇と立件を見れば「政権ナンバー2」の菅官房長官が狙い撃ちにされ、自民党内での「菅包囲網」が形成されていくようにも映るが、それは必ずしも当たらない。確かに「令和おじさん」ともてはやされた時期に比べ、菅官房長官の人気は党内外で低下したが、依然として「ポスト安倍」選びは菅官房長官の動向が鍵を握るためだ。

実は菅さん慕う面々は細田派に次ぐ勢力

 河井夫妻は逮捕されたものの、もう1人スピード辞任した菅氏側近の菅原前経産相は今年1月の「雲隠れ」から一転、6月16日に急遽記者会見し、選挙区内で香典を秘書が配るなど公選法に抵触する事例があったことを認めて謝罪。東京地検特捜部は任意聴取したものの、刑事責任を問うかどうかは慎重に判断するとみられている。河井夫妻の逮捕で菅官房長官への遠心力は一時的に働くとみられるが、今でも50人以上の無派閥議員の多くは菅原氏を中心に「菅官房長官を慕う面々」(自民党中堅議員)とされる。単純に計算すれば、それは100人近い議員が所属する自民党最大派閥の細田派に次ぐ勢力を意味する。

 菅官房長官が最近、親密な関係を築いている二階俊博幹事長が率いる二階派(48人)を加えれば細田派を上回る最大勢力といえ、「ポスト安倍」選びでは決して無視できない存在なのだ。安倍総理が「政界屈指の政治的技術を持つ」と評する二階氏は、ここのところ次の政局をにらんだ動きを加速している。

 今回の河井夫妻をめぐる公選法違反事件では、党本部から案里氏陣営に約1億5000万円が提供された疑惑が報じられているが、二階氏は「支部立ち上げに伴い、党勢拡大のための広報誌を複数回、全県に配布した際の費用に充てられたと報告を受けている」「言われているような買収に使うようなことはできないのは当然だ」と一蹴。その一方で、今月16日に麻生太郎副総理兼財務相、同17に菅官房長官とそれぞれ会食し、9月には「ポスト安倍」の有力候補である石破茂元幹事長の政治資金パーティーで講演することも快諾した。

トップとナンバー2がガチンコ対決

 二階氏は17日の記者会見で「現政権が任期いっぱいお務めになることを幹事長として補佐していきたい」と述べ、幹事長続投に意欲を示したとも報じられるが、自民党内からは来年9月に任期満了を迎える安倍総理(党総裁)に代わる自民党総裁選を大幅に前倒しすべきとの声もあがっている。それは事実上の「安倍おろし」であり、安倍政権の屋台骨を支えてきた菅官房長官と二階氏が仮に賛同すれば、その実現可能性は一気に高まる。

 「菅官房長官を中枢ラインから外した安倍総理とその周辺への怒りは残っていないといえば嘘になる」。菅氏に近い自民党議員の視線は、すでに次期総裁選に向く。安倍総理は岸田文雄政調会長への「禅譲」を志向しているが、菅氏や二階氏はその路線から距離を置いており、次のトップリーダー選びは安倍政権のトップとナンバー2が「ガチンコ対決」となるのが必至だ。河井夫妻の逮捕で号砲が鳴った「ポスト安倍」政局。4年間の任期満了まで1年ちょっとになった衆議院議員たちのざわめきは「アウト・オブ・コントロール」状態にある。安倍総理は退陣して年内に自民党総裁選を実施するのか、それとも衆議院解散・総選挙を断行して正面突破で再浮揚を狙うのか。いずれにせよ、もはや信を問うべきタイミングである。

 河井夫妻逮捕で事件概要が判明! 辞職しなければ議員報酬支給継続 

DIAMOND online 2020年6月23日(火)6時01分配信/戸田一法(ジャーナリスト)

 昨年7月の参院選を巡る選挙違反事件は、法相を経験した国会議員夫婦の逮捕に発展した。現職の衆院議員が妻を当選させるため、地元有力者に現金を配って回っていたとされる異例の事件。それぞれの秘書が逮捕・起訴された後も説明責任を果たさず、ダンマリを決め込んだ前法相の河井克行衆院議員(広島3区)と案里参院議員(広島選挙区)だが、公職選挙法違反(買収)容疑での逮捕で概要がほぼ判明した。自民党を離党したものの、議員バッジは着けたまま塀の向こう側に落ちた2人。辞職か失職しない限り、議員報酬は支給され続ける。

影響力で配布した現金に差額

 夫妻の逮捕容疑は案里容疑者を当選させるため、共謀して昨年3月下旬~6月中旬ごろ、5人に投票や票の取りまとめを依頼する目的で計170万円の現金を渡した疑い。

 また克行容疑者は単独で昨年3月下旬~8月上旬ごろ、91人に対して116回にわたり、計約2400万円の現金を渡した疑いが持たれている。

 容疑内容の現金を渡した相手は重複しており、実際に受け取ったとされるのは94人。半数近くが議員や自治体の首長、半分以上が後援会の幹部や地元の有力者だった。

 全国紙社会部デスクによると、数回にわたって計100万円以上を受領した人物も複数おり、最高で総額200万円前後とされる。

 当然と言えば当然だが、配布先の影響力によってランク付けされていたようで、県議は30万円。市議は10万~20万円で、ベテラン市議には県議並みの30万円が配布された。

 自治体首長では安芸太田町長(当時)が現金20万円を受け取ったとして「道義的責任を取って」辞職。後援会幹部らには5万~10万円が配られていた。

 逮捕許諾が不要な国会の閉会(今月17日)を待って、満を持して翌日の18日に逮捕状を執行した検察当局。

 16日に広島地裁で有罪判決が言い渡された案里容疑者の公設秘書に対する捜査は広島地検が担ったが、夫妻の事件は東京地検特捜部が主体となって行われた。

消去データ復元とGPSで特定

 事件が浮上したのは昨年10月。前述した秘書らの買収疑惑が週刊誌で報じられ、克行容疑者は法相を辞任。秘書が今年3月、逮捕・起訴された。

 秘書の公判では検察側が「(秘書が)自己の裁量で支払方法を決め……」と指摘したが、弁護側は「金額を決めた主犯者が特定されておらず、立証が不十分」と反論。

 筆者は(公判と夫妻に対する捜査が同時進行だから、検察側は公判段階では「主犯」を隠しておきたいのだな)とみていた。そう、主犯とは克行容疑者のことだ。

 秘書の事件を巡っては、ウグイス嬢に対して法定上限を超える報酬を支払った買収の罪に問われたわけだが、関係者は「選挙のお金に関することは全て克行容疑者が決めていた」と口をそろえていたからだ。

 一般的に汚職や選挙違反の捜査は極秘裏に進められるが、週刊誌の報道が先行した影響で、広島の地元メディアが検察当局の動きを追尾、または先回りして関係者に取材するという、ほぼ公開捜査の様相になった。

 そうした中、今回の事件となった夫妻による現金配布の噂が囁かれ始める。同時に、当初は大阪の特捜部など西日本の検察が応援の中心だったが、加えて東京や名古屋の特捜部が大挙して応援に入り始めた。

 何と言ってもターゲットは法務・検察のトップ経験者。万全を期して慎重に捜査を進めるのはいわずもがなで、経験豊富な精鋭が選抜されたという。

 東京地検特捜部は1月以降、複数回にわたって夫妻の関係先を家宅捜索。その過程でパソコンやスマートフォンなどを押収し、消去されたデータを解析するデジタルフォレンジック(DF)という手法で復元した。

 そして、地元議員や後援会幹部らの名前や金額を記載した詳細なリストが浮かび上がる。検察官らは色めき立った。リストをもとに、人海戦術によるローラー作戦が決定された。

 夫妻から押収したスマホからGPSの位置情報、カーナビの履歴、議員らから任意で提出を受けたスマホのGPS記録と照合し、現金受け渡しの時間や場所を特定。

 議員らに対する聴取で「克行容疑者のGPSを調べた。約20分、事務所にいたことが分かっている」「リストに渡した金額が書いてある」と追及すると、次々に現金授受を認めていった。

証拠隠滅、故意性に違法の認識

 克行容疑者は「不正なことはしていない」、案里容疑者は「違法な行為をした覚えはない」といずれも容疑を否認しているという。

 現職の国会議員が逮捕されたケースは少なくないが、いずれも逮捕直後に容疑を認める例はほとんどない。しかし、捜査当局も相手が国会議員で、杜撰な捜査をするはずもなく、無罪になるという例もまずない。

 それでは、両容疑者の言い分が通る可能性はどれぐらいあるのか。

 詳細な弁解録取を聞いたわけではないので、現時点での筆者の取材ベースではあるが、弁護側が検察側の積み重ねてきた証拠を突き崩すのは困難と思われる。

 さらには公判で悪質と判断されそうな内容もみられ、克行容疑者は実刑の可能性さえあるのではないかという気さえする。

 前述のリストに関してはパソコンからデータを消去していたが、これは明らかに証拠隠滅が目的だろう。

 パソコンだけでなく、克行容疑者は選挙戦を取り仕切っていたが、運動員にLINEで伝えていた指示の送信内容も消されていた。

 また、参院選に関連する書類の一部がシュレッダーにかけられていたことも判明。東京地検は、この中に買収工作に関わる内容が含まれているかどうか調べているとみられる。

 犯行の「故意性」も強く感じられる。克行容疑者は現金を提供した際、議員らに領収書を求めず、むしろ拒否していた形跡がある。

 もし政治献金(寄付)の意図だったならば、むしろ領収書の発行を求め、政治資金収支報告書などの「支出」欄に記載するとともに、領収書も添付しなければならない。

 受領した側の議員らも「収入」欄に記載が必要で、領収書の発行を申し出たのに「いいから」と受け取らなかったという。

 東京地検に聴取された議員らは「案里容疑者が公認を受けたのであいさつしたい」と訪問を受けて現金が渡されたため、投票と票の取りまとめを依頼する意図があると感じていたという。

 そのため東京地検は、克行容疑者は政治資金として適切に処理する意思がなく、違法性を認識していたとみている。

 平たく言えば、買収工作の意図があり、後ろめたいから闇で処理しようとしていた疑いがあるということだ。

 そして何と言っても、前代未聞の約2570万円という巨額の選挙違反事件であることが「実刑」の決定打になるのではないだろうか。

支払われ続ける歳費と経費

 広島県の政界を混乱のどん底に突き落とし、日本国中に政治不信をばらまいた憲政史上に残る汚点といえるこの事件。しかし夫妻とも、国会議員を辞職するつもりはさらさらなさそうだ。

 しかし、逮捕されたとはいえ現職の議員。2人にはそれぞれ月額約104万円の歳費のほか、6月末には期末手当(ボーナス)約319万円が支払われる。

 ほかにも文書通信・交通滞在費、立法事務費、政党交付金、給与秘書など、少なくとも月300万円前後がそれぞれ支給される。

 そして、2人は有罪が確定すれば被選挙権を失い失職するが、それまでは歳費と期末手当、経費は支払われ続ける。

 しかし、2人は逮捕・勾留され、今後も公判が続くため、当然ながら国会議員としての職務を全うできる身の上ではない。それでも自動的に多額の税金が、2人の口座に振り込まれ続けるのだ。

 案里容疑者は県議1期目だった2006年12月の定例会で、藤田雄山知事(当時)の後援会幹部が逮捕された事件を巡り「知事、男らしくなさいよ。私が、もし広島県知事でしたら、恐らく辞職をしています」と迫った。

 案里容疑者には皮肉なブーメランだが、国民全体が「辞職すべきはあなたたちだろう」と憤り、あきれ果てているのは間違いない。

 

2020年5月27日 (水)

【京都アニメ放火】今朝✍青葉真司容疑者(42)放火殺人容疑で逮捕。

京都アニメーション放火殺人事件、容疑者勾留 異例の手続き

日テレNEWS24 2020年5月27日(水)15時14分配信

 去年7月の京都アニメーション放火殺人事件で、27日朝に逮捕された青葉真司容疑者について、体調に配慮しながら勾留に向けた異例の手続きが進められている。

 京都府警は重いやけどを負った青葉容疑者の容体に配慮しながら身柄の勾留に向けた手続きを進めていて、午後2時20分ごろ、青葉容疑者を乗せた車が捜査本部のある伏見警察署を後にした。

 青葉真司容疑者は、去年7月、京都アニメーション第1スタジオにガソリンをまいて火をつけ、社員36人を殺害、33人に重軽傷を負わせた疑いがもたれている。

 青葉容疑者自身も、重いやけどを負い、皮膚の移植手術が行われるなど、治療が続けられてきたが、27日朝、医師から勾留に耐えられるまでに回復したと判断され、警察が逮捕に踏み切った。

Photo_20200527175401Photo_20200527175501

 署内での事情聴取は、ストレッチャーに乗せたまま行われ、通常であれば、検察庁に身柄を移して行われる「送検」の手続きを検察官が警察署に赴いて進めるという異例の手続きが行われている。

 調べに対し青葉容疑者は、「ガソリンを使えば多くの人を殺害できると思い実行した」と容疑を認めていて、終始、落ち着いた様子だった。青葉容疑者の逮捕をうけ、犠牲となった石田奈央美さんの両親は「犯人が逮捕されたと報告しました。頭では亡くなったことは分かってるけど、やっぱりふっと思ったときにまだ生きているという感覚があります。涙が出てきます」と語った。

青葉容疑者から、事件を起こしたことへの反省の言葉や謝罪の言葉は出ていない。

京アニ事件、青葉容疑者逮捕 発生10カ月、放火殺人など容疑認める

京都新聞 2020年5月27日(水)8時06分配信

 京都市伏見区桃山町因幡のアニメ製作会社「京都アニメーション」(京アニ)第1スタジオが放火され、社員36人が死亡、33人が重軽傷を負った事件で、京都府警捜査本部(伏見署)は27日朝、殺人や殺人未遂、現住建造物等放火などの疑いで、青葉真司容疑者(42)を逮捕した。事件で全身やけどを負って京都市内の病院に入院していたが、容体が一定程度回復し、入院先の医療機関の情報を元に、府警は「勾留に耐えられる」と判断したことから、逮捕に踏み切った。

会話には支障なく

 青葉容疑者は「間違いありません」と容疑を認めたという。 

 平成以降、最悪の犠牲者数を出した放火殺人事件は発生から10カ月を経て容疑者逮捕の局面を迎えた。捜査関係者によると、青葉容疑者の病状は今も重く、自力での歩行や食事はできない状態だが、会話には支障がなくなり、以前よりも発熱の頻度が減っているという。

 府警は27日午前7時18分に逮捕状を執行。青葉容疑者は同7時46分、ストレッチャーに寝かされた状態で府警が用意した介護車両に乗せられて、病院を出発した。

Photo_20200527174601Photo_20200527174502

 午前8時6分、京都市伏見区の伏見署に到着した。大勢の報道陣が待ち構える中、青葉容疑者を乗せた車両は、署の敷地に入った。青葉容疑者は、ストレッチャーにあおむけに寝かされた状態で、署の建物に頭側から入った。顔にはやけどの痕が残り、短髪にマスク姿だった。

 逮捕容疑は昨年7月18日午前10時半ごろ、京アニ第1スタジオに玄関から侵入し、ガソリンをまいてライターで火を付け、鉄筋コンクリート3階建て延べ約690平方メートル全焼させた上、屋内にいた社員70人のうち36人を殺害、33人に重軽傷を負わせるなどした疑い。残る1人にけがはなかった。負傷者のうち1人は現在も入院している。

 府警は昨年11月、青葉容疑者が当時入院していた大阪府内の病院に捜査員を派遣し、任意の事情聴取を行っている。

 青葉容疑者は事件当日に身柄を確保された時と同様に、「小説を盗まれたから火を付けた」と動機を説明。「多くの人が働いている第1スタジオを狙った」とも話し、事件3日前にさいたま市の自宅を出て京都に向かう時から事件を起こすつもりだった、との趣旨の供述もしたという。

 青葉容疑者は過去に京アニに小説作品を応募し、形式審査の一次選考で落選している。京アニは「(応募された小説は)弊社作品との間に、同一または類似の点はないと確信している」としている。

 青葉容疑者は事件当日、京都市内の病院に救急搬送されたが、命が危険な状態に陥り、2日後に熱傷の高度治療を受けられる大阪府内の病院に転院。皮膚移植を繰り返すなどして重篤な状態を脱し、昨年11月に京都市の病院に転院し、体を動かすなどのリハビリを続けていた。

京アニ命を奪われた仲間は戻って来ない

 青葉真司容疑者(42)が27日朝に京都府警に逮捕されたのを受け、京都アニメーションは同日、代理人弁護士を通じ、「被疑者に対し、改めて寄せる言葉はありません。行いと結果が全てです。被疑者が自らの行いにどのような弁解をしようが、結果についていかなる反省の弁を述べようが、命を奪われた仲間たちが戻ってくることも、傷つけられた仲間たちの傷が癒やされることもありません」とコメントを寄せた。

「ガソリン使えば多くの人が殺害できると思った」

 午前11時から伏見署で府警捜査本部の会見が行われた。川瀬捜査1課長は、逮捕直後に青葉容疑者が事実を認め、「ガソリンを使えば多くの人を殺害できると思い実行した」という趣旨の話をしたと明らかにした。動機については「今後の捜査で明らかにする」とした。逮捕時や搬送時は「落ち着いており、反抗的な態度はなかった」とした。

 青葉容疑者が事件への反省や謝罪の言葉を述べているかという質問に対しては、「今のところ聞いていない」とした。事件当時の記憶はしっかりしているという。

 川瀬捜査1課長は、青葉容疑者を送検したと明らかにした。

現場跡地の活用未定 義援金は分配開始

産経新聞 2020年5月27日(水)15時29分配信

 27日、容疑者逮捕という大きな局面を迎えた京都アニメーションの放火殺人事件。発生から約10カ月という時間が経過する中、現場となったスタジオは建物が解体され、更地となった。総額33億円を超えた義援金も配分方法が決まり、遺族や負傷者に振り込まれ始めている。

Photo_20200527174401

 京都市伏見区の同社第1スタジオ。事件直後は現場を訪れると、黒くすすけた外壁が見え、焼け焦げた臭いもしていた。間もなく建物周辺に覆いが設けられ、昨年11月には解体に向けた準備がスタート。年が明けた今年1月から工事が始まり、4月末に終了、更地となった。

 現場跡地の利活用も焦点となる中、地元町内会は同年12月、不特定多数の人が訪れる公園や慰霊碑、石碑などを造らないよう求める要望書を京アニに提出した。関係者によると、「多くのファンらが訪れると平穏な暮らしが壊れ、生活に支障が出る」というのが理由。町内会が加入する世帯で協議し、意見が一致したという。

Photo_20200527174901

 要望には、跡地利用をめぐる話し合いには町内会も加えることなども盛り込まれた。これを受け、京アニ側は跡地について当面現状のままとする方針で、今後については、遺族や地元などと協議して判断するとした。

 事件では、国内外のファンらから多額の義援金が寄せられたことが話題になった。事件直後からSNSを中心に寄付の動きが始まり、ツイッターには、ハッシュタグ(検索目印)「#PrayForKyoani」(京アニに祈りを)を付けた投稿も登場。瞬く間に支援の輪が世界中に広まった。総額約33億4千万円にも上った。

 京アニは、会社の再建は火災保険金などでまかなう方針を示し、八田英明社長が記者会見で「全額を被害者の支援に充てたい」と表明。政府は、被害者らが受け取る義援金が非課税扱いとなるよう、個人や企業が税制優遇を受けられる「災害義援金」の仕組みを適用する、異例の措置を取った。

 これらを受け、京都府が有識者らによる配分委員会を設置。事件当時現場にいた計70人を対象に分配額などについて審議し、今年2月、けがの程度などを踏まえ配分額が決定した。府によると、すでに一部を除いて遺族や負傷者に振り込まれているという。

a

関連エントリ 2019/11/27 ⇒ 【京都アニメ放火】容疑者(41)全身90%深達性DB熱傷から奇跡の生還

関連エントリ 2019/07/26 ⇒ 【京都アニメ火災】容疑者(41)意識戻る✍遺体34名の身元特定

関連エントリ 2019/07/19 ⇒ 【京都アニメ火災】3階建て「ガソリン放火」で爆発炎上✍33名が死亡

 

テラスハウスの闇木村花さん追い詰めた過剰演出悪魔の契約書

文春オンライン 2020年5月27日(水)12時00分配信

「新型コロナの影響で『テラスハウス』の収録が中止となったことが、彼女をより孤立させました。1人自宅で過ごす中で誹謗中傷の要因となった“コスチューム事件”の回が配信されてしまった。プロレス興行も延期となってしまい、憎悪むきだしのSNSの言葉に、日に日に追い詰められていったんだと思います」(番組関係者)

玄関ドアには「有毒ガス発生中」の貼り紙

 女子プロレスラーの木村花さんが22歳の若さでこの世を去った。23日未明、東京・江東区にある自宅マンションの部屋で心肺停止の状態で発見され、搬送先の病院で死亡が確認された。警視庁は自殺とみて調べている。

「娘の異変に気付いた母親が自宅に駆けつけると、玄関ドアには『有毒ガス発生中』と書かれた紙が貼られていた。木村さんはポリ袋をかぶった状態でベッドに倒れていて、近くには硫化水素を発生させたと思われる薬剤の容器も見つかりました」(社会部記者)

 女子プロレス団体「スターダム」に所属していた木村さんは、ヒール(悪役レスラー)ならではの“ビッグマウス”が持ち味の人気レスラーだった。「プロレスを皆に知ってほしい」という思いから、Netflixで全世界に配信されフジテレビでも放送されている恋愛リアリティー番組「テラスハウス」に、2019年9月から出演していた。

 “台本なし”が売り物の「テラスハウス」は、見知らぬ男女6人が一つ屋根の下で共同生活を送り、その中で生まれる恋愛や青春のリアルを映し出す、人気のリアリティー・ショーだ。だが、その番組制作の過程に問題はなかったのだろうか――。

〈テラスハウスは、見ず知らずの男女6人が共同生活する様子をただただ記録したものです。用意したのはステキなお家とステキな車だけです。台本は一切ございません〉

 こんなナレーションから毎回スタートする通称“テラハ”は、2012年10月にスタート。視聴率低迷に喘いでいたフジテレビにあって、中高生を中心に熱狂的な支持を集め、23時台にもかかわらず、最高視聴率9.1%を記録。番組YouTube公式チャンネルのトータル再生回数は3億回を超えた大ヒット作品となった。

 だが、これまでも同番組はその制作手法や“過剰演出”がたびたび問題視されてきた。

「週刊文春」(2014年6月5日号)では、同番組のディレクターらによる出演者へのセクハラやパワハラ、やらせ強要をスクープ。同年9月で番組はいったん終了した。

A氏は撮影現場のベッドに入り込み、キスと関係を迫った

 だが、2015年2月に劇場映画版「テラスハウス クロージング・ドア」が公開。同年9月から動画配信サイト「Netflix」で新シーズンがスタートした。

 そんな中で“強制わいせつ事件”が起きた。「週刊文春デジタル」(18年10月26日配信)では、出演男性A氏が撮影期間中に、撮影現場のハウスで女性メンバーB子さんの寝込みを襲う“強制わいせつ事件”を起こし、示談していたことを報じている。

「2014年12月、被害者のB子さんは1人で女子部屋で寝ていましたが、そこにA氏が侵入。B子さんのベッドに入り込み、キスを迫ったのです。キスの後で男女の関係を求めてきたA氏に対し、B子さんはA氏の頭を抱え、なだめることでその場を収めました。この日の夜は収録がなかったのですが、たまたま、シェアハウスにA氏とB子さんの男女1人ずつしかいないという状況になってしまったのです」(前出・番組関係者)

 当時、A氏本人に事実確認を求めると「お話しできません」と答えたが、強姦や準強姦ではないと主張。B子さんは電話取材に対して示談書の存在を認めた上で、「示談の時に、口外しないというのを条件で弁護士さんを通してしまったのでお話しできません」と答えた。

 フジテレビの企業広報室は当時、「撮影時以外の出演者の行動に関しては、お答えする立場にございません」と回答している。このフジテレビの回答に、制作側のスタンスがよく表れている。取材班は当時からテラスハウスをはじめとするリアリティー番組の危うさを指摘していた。

各国で起きるリアリティー番組出演者の自殺

「米国では2004年から2016年のあいだにリアリティー番組の出演者20人以上が自殺したと報じられています。イギリスや韓国も同様の事態が起こっているそうです。いまや日本でもリアリティー番組は全盛と言えますが、メンタル面も含めた出演者のケアなどの対策を制作サイドが実施しているなんていう話は聞いたことがありません。

 日本の撮影現場でも、多くの出演者が自分の描かれ方に作為的なものを感じ、世間に誤解されることについて深く傷ついているのは事実なのです」(制作会社関係者)

 木村さんが亡くなったのは、3月31日配信の第38話が原因だと言われている。プロレスで使用する木村さんのコスチュームを男性共演者が洗濯機にかけて縮ませてしまい、男性に木村さんが激怒するという「コスチューム事件」に番組のファンが反応。木村さんのSNSには誹謗中傷が殺到した。

 当該のエピソードが配信されてから1カ月半以上が経っても批判を浴び続け、木村さんは母親に相談するほど悩んでいたという。

「もう一度やって」撮り直しは日常茶飯事

「花さんは真面目で、プロレスでも与えられたヒール役を一生懸命こなしていた。そのリング上での激しいキャラクターのイメージを踏襲して、番組でも木村さんが感情的になるシーンを選んで使っているように感じました」(前出・番組関係者)

 番組での木村さんの激しいキャラクターは演出によるものではなかったのか。実際の撮影現場に立ち会い、スタッフによる“過剰演出”を目撃したという芸能プロ関係者が打ち明ける。

「たしかに台本はありませんでしたが、告白やデートに発展するという局面では、スタッフが出演者に『どうしたいの?』『どういう方向にしたい?』と“振り付け”をしていました。ケンカや恋愛相談など、メンバー同士の話でわかりにくいところは、『もう一度やって』と指示して、撮り直しは日常茶飯事でした。

 マネジャー抜きでメンバー全員がスタッフに集められていたこともあった。そこで全体的な流れや方向性を説明されていたことを後から演者に聞いて知りました。全体的な流れはスタッフが誘導していました。

 初期の頃は撮影で使われているテラスハウスの横の別棟でスタッフ3、4人が常駐して編集などをしていたのですが、例の“強制わいせつ事件”報道後は、同様のアクシデントが起こらないように、スタッフ4、5人が同じ建物に泊まり込んで、出演者とスタッフ合わせて10人での共同生活となっていました」

 制作陣に「不信感があった」という元出演者女性もいる。知人女性が代弁する。

一方的に罵倒しているように編集されて……

「番組内でほかの共演者と口論になったときに、自分が相手に悪口を言っているところだけが使われて、一方的に罵倒している感じに編集されたそうです。出演者はテラスハウス内に設けられているプレイルーム(メンバー同士で放送内容を見る場所)で初めて編集された内容を知るのですが、その子も放送される番組を見て唖然として言葉も出なかったと言っていました。彼女も精神的にやられて、かなり落ち込んでいました」

 熱心なファンであればあるほど、放送内容への反応は熱い。そしてその反応はすべて出演者にダイレクトにぶつけられる。今回問題となったSNSの誹謗中傷に対して、フジテレビや制作現場は、適切に対応していたのだろうか。別の芸能プロ関係者が打ち明ける。

「番組の出演者で誹謗中傷が来ない人はいないと思います。事務所のマネジャーと密にコミュニケーションが取れている人は、『誰でも書かれるから気にしないで。嫌ならSNSを止めてもいい』とフォローされていました。正直、番組側はトラブルが起きても『自分たちでなんとかして下さい』という無責任なスタンスで、誹謗中傷から守ってはくれません。

「番組は責任を負わない」悪魔の契約書

 そもそも、オーディションに受かって番組出演が決定すると、過去には『収録中に起きた事故などは番組は責任を負わない』『番組内でのことは口外しない』といった内容の契約書にサインさせられることがありました。『悪魔の契約書』ですよ。花さんにはフジテレビ側からなんの補償もない可能性もある。むしろ番組が打ち切りとなったら、花さん側にクレームを入れる関係者も出てくるんじゃないかと危惧しています」

フジテレビとイーストが回答「制作側に賠償を求めない旨などの記載はございます」
 番組を制作するフジテレビとイースト・エンタテイメントに、契約書の存在や演出の適正、誹謗中傷への対応などについて、事実確認を求めたところ、次のような回答があった。

《『テラスハウス』に台本はありません。撮影の都合で、場所や時間などについて出演者と事前に協議したり、意思をヒアリングしたりすることはございますが、出演者の意思や感情に沿わない演出をして撮影することはございません。また、出演者との同意内容には、出演者の責により損害が発生した場合は、制作側に賠償を求めない旨などの記載はございますが、ご指摘のような文章はございません。なお、新型コロナウイルスの影響を受けて、3月下旬から撮影は中止しております。今はご遺族のお気持ちもございますので、これ以上のコメントは差し控えさせていただきます》(フジテレビジョン企業広報室)

《出演者との同意内容では、出演者の責により損害が発生した場合は制作側に賠償を求めない旨などの記載はございますが、ご指摘のような文はございません。『テラスハウス』に台本はありません。撮影の都合で、場所や時間などについて出演者と事前に協議したり、意思をヒアリングすることはございますが、出演者の意思や感情に沿わないような演出をして撮影することはございません。『テラスハウスTOKYO2019-2020』において、同じ建物内に常駐スタッフはおり、木村花さんをはじめ番組にご出演いただく方々とスタッフの間では日々近況を共有するようにしておりましたが、コロナ感染拡大防止のため3月下旬に出演者を含む撮影の停止以降も、必要に応じて近況の共有は行っておりました。今はご遺族のお気持ちもございますので、これ以上のコメントは差し控えさせていただきます》(イースト・エンタテイメント)

 木村さんの急死を受けて5月26日、高市早苗総務相は「発信者の特定を容易にするための方策を検討する予定」「どのような手段であれ、匿名で他人を誹謗中傷する行為は人として卑怯で許しがたい」などとコメント。制度改正も含めて対応する考えを明らかにした。

 当事者である番組制作サイドの対応にも注目が集まる。

テラスハウス打ち切り発表…木村花さんの急死を受けて

スポーツ報知 2020年5月27日(水)20時02分配信

 フジテレビは27日、恋愛リアリティー番組「テラスハウス」(月曜・深夜0時25分)の放送を打ち切ると発表した。出演者で女子プロレスラーの木村花さん(22)が23日に急死。番組での言動に対する誹謗(ひぼう)中傷を苦にしていたとみられ、番組の存続が注目されていた。

 番組の公式サイトやツイッターでは「この度、番組に出演されていた、木村花さんがご逝去された事について、改めてお悔やみ申し上げます。またご遺族の方々にも深く哀悼の意を表します」と追悼し、「『TERRACE HOUSE TOKYO TOKYO 2019―2020』に関しましては、制作を中止することが決定致しました」と報告。「この度のことを重く受け止め、今後も真摯に対応して参りたいと考えております」とつづった。

 現在放送されているのは「TOKYO 2019―2020」。ネットフリックスでは42話まで配信し、フジテレビでは38話までが放送されている。

 男女6人による同居生活を描く同番組。ネットフリックスでは3月下旬に配信した38話で、木村さんが洗濯物をめぐり同居の男性に激怒して話題に。同話はフジテレビで今月18日に放送された。25日の放送は休止となり、6月1日も別番組が放送される事態になっていた。

 同局では番組の演出と、誹謗中傷のきっかけとなった木村さんの言動との因果性を調査。また今後の放送について制作会社のイースト・エンタテインメント、配信元のネットフリックスの3社で協議に動き始めていた。

テラスハウスの暴走現役スタッフの告白

NEWSポストセブン 2020年5月27日(水)16時00分配信

 女子プロレスラー・木村花さん(享年22)が5月23日、急逝した。花さんは、昨年5月にスタートした恋愛リアリティー番組『テラスハウス』(フジテレビ系)の新シリーズに途中から出演。プロレスでのヒール役のイメージのまま、同番組の中でも、強気で、まっすぐで、感情的な姿を見せていた。そうした振る舞いが放送されるたびに、SNS上には彼女を批判する言葉が並んだ。

 そして、今回の不幸の引き金になったとされるのが、番組内で起きた“コスチューム事件”だった。

 花さんが「命の次に大切」と語っていた、リングで着るコスチュームが入ったままの洗濯機を、ほかの出演者が誤って使ってしまう。乾燥機にかけられ、コスチュームはよれよれに縮んで着られなくなってしまった。花さんは激怒し、共演者の帽子をはじき飛ばし罵声を浴びせた。

 その様子を見ていた視聴者が反発し、SNSに「テラハ史上いちばん最低なメンバーだと思いました」「花死ね」などと書き込み、乾燥機にかけた共演者が番組を去ることが決まると「そっちがいなくなれ」などとダメ押しが加わった。

「『テラハ』はフジテレビが制作しており、Netflixで配信された約1か月後にフジテレビ(地上波)でも放送されます。コスチューム事件が3月末にネット配信された時点で大炎上していましたが、5月18日に地上波でも同じ内容が放送されるとバッシングがエスカレート。翌日には未公開映像まで公開され、火に油を注ぐような格好になり、番組史上最大の誹謗中傷の嵐が巻き起こったのです」(テレビ局関係者)

 現在も『テラハ』の制作にかかわる番組スタッフはこう話す。

「彼女が命を落とすまで、SNSでの誹謗中傷と真剣に向き合おうとしなかった。いまさら…いまさらなんですが…本当に申し訳ないと思っています」

 今回の事件を重く受け止め、現役スタッフの1人が重い口を開く決心をした――。

リアルなはずなのに、テイク2、テイク3

《用意したのは素敵なお家と素敵な車だけです。台本は一切ございません》

 こんな言葉から『テラハ』は始まる。台本がない中で、花さんはリングの外でも“ヒール”を自ら演じていたということなのか。

「確かに台本はありません。でも、ストーリーはこちらで作っていました」

 そう明かすのは、『テラハ』の元スタッフだ。そもそも、週に2、3日集まって撮影をするだけで“共同生活”とは言えない状態だったという。

「集合したら、撮影前に『どんな設定でどんな方向に恋愛を動かしていくのか』という説明を制作者から出演者に伝えます。出演者は、そのときに“今回はこの人と肩を寄せ合うんだな”“この人と本音で語り合うのか”と状況を把握するんです。デートに行く組み合わせなども制作者側の指示通りに動いてもらっていましたね」(元スタッフ)

 指示通りに撮れないときは“テイク2、テイク3”まで撮影することもあったという。

「出演者の有名になりたいという欲とボーナスが、事件やハプニングを起こす起爆剤です。私がスタッフとしてかかわっていた頃は、キスをしたら5万円ほどのボーナスを渡していました。ただ、少し前のシーズンからはボーナスを渡さなくてもキスをするようになったし、ディレクターの指示にも素直に従うようになったので、報酬制度はなくなっています」(前出・元スタッフ)

 素直に指示に従うようになった理由には、1人の女性スタッフの存在があったようだ。元出演者の知人が語る。

「スタッフの中に姉御的な人がいて、一時期からメンバーはその人の顔色窺いばかりしていたそうです。その人に嫌われると出演シーンが減ったり、おいしい“指示”が来なくなる。“姉御”との関係性にストレスを感じて卒業したメンバーもいると聞いてます。有名になりたくてテラハに応募する人が多いので、“姉御”がどんどん絶対的な権力を持っていったようです」

トキメキより泥臭さに演出を変更

 夢を掴むために集まった出演者たちが、“ショー”としての面白さを追求する制作陣の意のままに動かざるを得なくなる。その悪循環が、花さんの心をむしばんでいった。前述の現役制作スタッフが、言葉を選びながら語る。

「これまでのシーズンはキラキラしたトキメキ重視の演出で、誰もが憧れる空間を作りあげていった。が、今シーズンからは泥臭い人間模様をより強く狙い始めました。最近の若いSNS世代が避けたがる、生身同士の直接的な衝突を番組内で見せると、その現実とかけ離れた過剰さに、視聴者が反応していきました」

 過剰ないがみ合いに呼応するかのように、視聴者も過激になっていった。

「出演者同士の衝突が期待通りの結果を生まないと、SNSで誹謗中傷を始める視聴者や、それに同意する視聴者が心ない言葉を拡散し始めたのです。当然、出演者たちは傷ついていきますが、SNS上での注目度が上がっていくことを喜んだわれわれは、目を背けていたところが少なからずありました」(前出・現役制作スタッフ)

 動き出した負の連鎖は止まらない。実際に、衝突の“指示”も出したという。

「われわれスタッフから『もっと怒鳴り合って!』と指示を出すこともありました。昨年のある放送回では、嫉妬を映像で見せる演出に花さんを使いました。1人の男性を奪い合う形で、露骨に女性同士が目の前でアプローチをして嫉妬をさせ合うんです。当の本人は頼まれてやっていたとしてもメンタルがすごくつらかったと思います…」(前出・現役制作スタッフ)

 燃えさかる炎上から目を背けながら、薪をくべ続けた結果、22才という若さで1人の女性が命を落とした。

 このようなリアリティー番組の負の連鎖は日本だけではないと、国際ジャーナリストの山田敏弘さんが指摘する。

「海外では以前から、リアリティー番組出演者の自殺が問題になっています。イギリスでは2016年から2019年にかけて、『ラブアイランド』という恋愛リアリティー番組から3人もの自殺者を出しています。韓国でも同様の番組で、実際とは異なる“友達のいないかわいそうな子”という設定を制作側から押しつけられた女性が、2014年に撮影現場で命を絶っています」

 今回、『テラハ』で起きた不幸は、過去の事例から学んでいれば未然に防げていたのかもしれない。

 花さんはとにかく周囲の期待に応えようと頑張っていた。

「相手と呼吸を合わせ、真剣勝負をエンタメに昇華させるプロレスラーという仕事をしていた彼女は、制作サイドによる演出指示の期待に、プロとして応えようと頑張りすぎたのかもしれません。誇張された自分を演出することに必死で、自身の心の疲労に極限まで気づけていなかったと思うと、リアリティー番組の闇を感じざるを得ません」(前出・テレビ局関係者)

 当のフジテレビは、「撮影の都合で場所などについて出演者と事前に協議することはございますが、出演者の意思や感情に沿わないような演出をしての撮影はございません」(企業広報室)と答えた。

 しかし、花さんの突然の死を悼む元共演者がインスタグラムに綴った文章には、花さんへの惜別の辞だけでなく、制作者への怒りがにじむ言葉が並んだ。

《配信では仲良いところ全然映って無かったですもんね》

《花ちゃんと私が最初に言い合いした後、次の日の夜には一緒に談笑しながらご飯食べてたんだよ。(中略)こういうとこなんだよ。画面に映ってるところなんてほんの一部なんだよ》

 仲がいいシーンは不要と判断したのだろう。何が起こったか、ではなく、どう作ったか。制作者にはそのリアルと向き合う責任が問われている。

 

より以前の記事一覧

無料ブログはココログ
2021年4月
        1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30