経済コラム

2021年4月 8日 (木)

【アルケゴス問題】✍「野村HD」約20億㌦以上の巨額損失が判明!?

2200億蒸発 アルケゴスショック 本当のろしさ

PRESIDENT Online 2021年4月5日(月)11時50分配信/真壁 昭夫(法政大学大学院教授・元みずほ総研主席研究員)

日本では野村、みずほFGで損失発生か

 3月29日、わが国の野村ホールディングス(野村)と、スイスの金融大手クレディ・スイスは米国の顧客との取引に起因する巨額の損失計上の可能性があると発表した。その顧客とは、投資会社のアルケゴス・キャピタル・マネジメント(アルケゴス)であることが判明した。

 報道によると、損失額は野村が約20億ドル(約2200億円)、クレディ・スイスが30億~40億ドル(約3300億~4400億円)とみられるものの、現在のところ損失額は確定していない。この2社以外にも、みずほフィナンシャルグループの米子会社が1億ドル(100億円)程度の損失を計上する可能性があると報じられており、ゴールドマンサックスやモルガンスタンレーなどの金融機関でも損失が発生している模様だ。

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 “アルケゴス問題=アルケゴスに起因する大手金融機関の巨額損失発生”に関して、どのような取引が行われていたか、なぜそれが損失を発生させたかを確認することが重要だ。

行きすぎたリスクテイクが放置されている

 重要なポイントは、同社が過剰なリスクテイクをしていたとみられることだ。アルケゴスは、ある意味では規制の甘さを突いて、積極的にレバレッジをかけてリスクテイクを重ねた。同社と取引を行った金融機関は、そのリスクを十分に評価できていなかったといえるかもしれない。同社が保有していた株価が想定外の方向に動いた結果、アルケゴスは巨額の損失を抱え、資金繰りに行き詰まったとみられる。

 アルケゴス問題の影響は軽視できない。規制の問題やカネ余りの影響などによって過度なリスクテイクが放置されていたことは、金融市場の脆弱性が高まっていることを示唆する。過去、資産価格が過熱した結果として、投資ファンドが損失を抱えて事業の運営に行き詰まり、結果として世界的な金融システムの不安定性が高まったことは多い。アルケゴス問題には、そうしたケースと重なる部分があるように見える。

甘い規制と借り入れ…利得を重ねるフアン氏の手法

 アルケゴスは、大手ヘッジファンド“タイガー・マネジメント”出身(運用業界で“虎の子=タイガー・カブ”と呼ばれる)のビル・フアン氏が設立した“ファミリーオフィス”だ。ファミリーオフィスとは、個人の金融資産を管理・運用する投資会社を指す。資金運用において、フアン氏は“レバレッジ”をかけた。つまり、金融機関から与信を受けることによって、自己資金以上の投資ポジション(持ち高)を構築して、大きな利得を目指した。

 それが可能だったのは、ファミリーオフィスへの金融規制が甘かったからだ。リーマンショック後、米国では金融規制改革法(ドッド・フランク法)をはじめ金融規制が実施された。その結果、外部顧客の資金を運用するヘッジファンドは証券取引委員会(SEC)に登録を行い、株式などの持ち高(ポジション)や株主の構成、金融機関との取引、財務内容などを開示する義務を負った。

 しかし、基本的に、個人の資金を管理・運用するファミリーオフィスは、規制の対象外に置かれた。そのため、リーマンショック後、多くのヘッジファンドが外部顧客に資金を返し、ファミリーオフィスへの業態転換を行い、規制から逃れようとした。それがファミリーオフィスを“影のヘッジファンド”と呼ぶゆえんだ。規制が甘いため、アルケゴスはリスクを取りやすかった。

規制に苦しむ金融機関にとって重要な存在に

 規制強化に直面した大手金融機関にとって、相対的に手数料の厚いデリバティブ取引や、資金繰り管理などのサービスを提供して収益を獲得するために、ファミリーオフィスの重要性は高まった。特に、フアン氏のようにリスクテイクに積極的なファンドマネージャーとの関係強化を目指す金融機関は増える傾向にあった。

 フアン氏が金融機関と行った相対取引の一つが“差金決済(Contract For Difference、CFD)取引”だ。株式を対象とするCFD取引では、現物株を売買せず、取引の開始時と終了時の原資産の価格差によって決済を行う。

 例えば、30ドルで推移していた米バイアコムCBSの株価が上がると思う投資家が、同社株を買い建てるCFD取引を注文するとする。株価が50ドルになった時点でCFD取引を決済(ポジションをクローズ)すると、差額の20ドルから手数料を支払った金額が投資家の利得になる。

株価が上がれば利得もかさ上げされるが…

 フアン氏は金融機関に証拠金を差し入れて株式を原資産とするCFD取引を大規模かつ積極的に行った。想定通りに買い建てた(売り建てた)銘柄の株価が上昇(下落)すれば、レバレッジの効果によって利得はかさ上げされる。

 逆に、参照する資産の価格が逆に動くと損失は増大する。損失が許容されたレベルを超えると、金融機関はリスクに見合った追加の証拠金差し入れ(追い証)を取引相手に求める(マージン・コール)。

 相手が追い証に応じない場合、金融機関は取引相手とのポジションを解消してリスクを削減する。損失が自己資本を上回ると取引相手の資金繰りは行き詰まり、債務不履行=デフォルトが発生する。なお、どの程度の損失発生が追い証のトリガーになるかは、金融機関の体力や顧客のリスク属性によって異なる。

 フアン氏は他のデリバティブ取引も活発に行い、特定銘柄のポジションを積み増していたようだ。その点に関して、法令が遵守されていたか、事態の解明が待たれる。

荒い値動きで損失に直面したか

 以上の内容と米国の株価データなどをもとに、アルケゴス問題発生の経緯を考察しよう。2月半ば以降、金利上昇によって米国株の変動性は高まった。取引時間中の値動きはかなり荒く、乱高下する場面が増えた。その状況下、フアン氏は予想と異なる株価の動きによって買い建て(ロング)と売り建て(ショート)の両サイドで損失に直面し始めたのだろう。

 決定打になったのが、3月22日にバイアコムCBSが増資を発表したことだ。同社株は売られ、“売るから下がる、下がるから売る”という動きが鮮明化した。それが損失を急拡大させ、アルケゴスは追い証を差し入れることができなかった。

 3月26日、一部の金融機関はフアン氏にデフォルトを宣告し、200億ドル(約2.2兆円)の株式ポジションの解消を迫った。それほど、同氏のリスクテイクは膨大だった。フアン氏は金融機関に担保として差し入れていた資産の売却も余儀なくされた。それが、同氏が選好していたディスカバリーなどメディア関連銘柄の急落の原因とみられる。

 想定外の損失拡大に直面した金融機関は、我先に資産の売却(投げ売り)を行ってアルケゴスに絡むリスクから逃れようとした。その遅れやアルケゴスとの取引規模などによって、日欧の大手金融機関に巨額の損失が発生したと考えられる。

思い起こされるのはリーマンショックの端緒

 アルケゴス問題が発生した後の日米の株価の推移をみると、多くの投資家が影響は一部の金融機関に限られると楽観しているようだ。4月上旬の時点で、カネ余り環境の継続期待、コロナ禍への慣れや経済の正常化期待を理由に、先行きに強気な投資家は多い。

 しかし、アルケゴス問題は、特定の金融機関への影響だけでなく、世界の金融システムの不安定性を高める一因になりかねない。アルケゴス同様に、デリバティブ取引によってレバレッジをかけ、より大きな利得を目指す投資ファンドは多い。見方を変えれば、アルケゴス問題は、世界の大手金融機関が許容レベルを上回るリスクを蓄積していることを確認する機会だ。

 資産価格の過熱感が高まると、一部金融機関などのリスクテイクの過大さが顕在化し、結果として世界の金融システムにストレスがかかることがある。思い起こされるのが、2007年8月上旬、仏大手金融機関BNPパリバ傘下の投資ファンドが証券化商品の価値下落によって運用に行き詰まったこと(パリバショック)だ。その後、証券化商品の価値は急落し、世界各国の金融機関が巨額の損失を計上した。それがリーマンショックにつながった。

金融機関同士の疑心暗鬼が生まれている

 今すぐ、そうした展開が起きるとは考えづらい。ただし、アルケゴス問題の影響は過小評価できない。特に、金融システムにおけるカウンターパーティー・リスク(取引相手が契約通りに義務を履行するかに関する不確実性)は高まりつつある。

 野村は米ドル建普通社債の発行を中止した。低金利環境下、国債よりも利回りの高い社債の需要は強い。それでも発行が見送られたということは、アルケゴス問題の影響を警戒する投資家が少なくないことだ。在米のベテラントレーダーはその状況を「金融機関同士の疑心暗鬼」と評していた。

 また、アルケゴス問題が他の金融機関の損失発生の直接的あるいは間接的な原因となる可能性もある。米国ではSECが情報収集に注力しており、投資ファンドへの規制強化に関する議論も進む。

 それらは投資家にリスク削減を志向させる要因だ。アルケゴス問題の全貌は明らかになっておらず、先行きの展開を注視する必要がある。

 野村に続き三菱UFJ証券も巨額損失…リーマンショック級の金融危機の再来か 

日刊ゲンダイDIGITAL 2021年4月2日(金)9時06分配信

 米ヘッジファンド「アルケゴス・キャピタル・マネジメント」に絡んだ巨額損失が次々と明らかになっている。2200億円の損失の可能性を発表した野村ホールディングスを皮切りに、クレディ・スイスと三菱UFJ証券ホールディングスが続いた。三菱UFJ証券は欧州子会社関連で約330億円の損失が見込まれている。

「巨額損失を発表する金融機関はさらに続き、トータルの損失額が1兆円を超えるのは濃厚とみられています」(兜町関係者)

 アルケゴスは金融機関からの借り入れを利用した投資(レバレッジ)を積極的に行い、自らの保有資産の数倍もの運用を行っていたとみられる。背景には歴史的な低金利と、株式を中心とした強気の投資環境がある。

「低金利で資金を調達できる中、米国株が過去最高値を更新し続けるなど株式市場は世界的に絶好調です。その波に乗った“イケイケ”運用でここ数年、アルケゴスは金融機関からも上客扱いされてきました。ところが、今回、何かの金融商品でつまずき、一気に資金がショートしたと思われます。リーマン・ショックを引き起こしたサブプライムローンの構図とそっくりです」(金融ジャーナリスト・小林佳樹氏)

世界中に疑心暗鬼が広がり“信用”が崩壊すれば…

 2008年のリーマン・ショックのきっかけは、前年に米国で起きた住宅バブル崩壊。住宅価格が上昇し続ける中、金融機関が信用の低い低所得者(サブプライム)に住宅購入資金を貸し付けたため、住宅価格の急落を機に、アッという間に融資が焦げついた。

 株式など金融商品の上昇が続く中、金融機関が自己資金の少ないアルケゴスに、ガンガン融資した結果、行き詰まった――確かにリーマン・ショック直前の状況に似ている。金融危機は起こるのか。

「今回、アルケゴスがしくじった金融商品が別の金融商品にも組み入れられており、幅広い影響が出る恐れがあります。一見、無関係と思える他の金融商品も実は中身が複雑すぎて、どんなリスクをはらんでいるか分からない。また、低金利の下、資産の数倍を投資しているファンドはいくらでもある。株や商品市況の急落などをきっかけにアルケゴスのように、一気に行き詰まるファンドが次々と現れてもおかしくない。世界中に疑心暗鬼が広がり、“信用”が崩壊すれば、リーマン・ショック級の金融危機が起こる可能性も否定できません」(小林佳樹氏)

 杞憂に終わればいいが。

米財務長官ヘッジファンド監視強化訴え作業部会復活へ

ロイター 2021年4月1日(木)6時21分配信

 イエレン米財務長官は31日、ヘッジファンドが金融システムに及ぼすリスクを査定するための作業部会を復活させると表明し、ノンバンクに対する規制強化の可能性に含みを持たせた。

 同作業部会はトランプ前政権の時代に廃止されていたもの。イエレン氏は主要金融監督機関で構成する金融安定監督評議会(FSOC)の会合で、新型コロナウイルス禍に伴い、一部ヘッジファンドのレバレッジが市場の不安定性を増大させる恐れが判明したとし、規制当局による監視強化が必要と訴えた。

 ノンバンクを巡っては、投資会社アルケゴス・キャピタル・マネジメントが投資損失から資産の投げ売りを余儀なくされ、取引先の野村ホールディングスやクレディ・スイスなどが巨額損失を被る可能性が浮上している。

 イエレン氏はまた、コロナ禍で政府の介入を必要としたマネー・マーケット・ファンド(MMF)やオープンエンド型投資信託の脆弱性に関し、一段の取り組みが必要かどうかを判断するため、省庁間による見直しを指示した。

 FSOC会合の開催はイエレン氏の就任以降で初めて。会合では気候変動による金融システムのリスクについても討議された。

 野村CEO就任1周年目前 アルケゴス関連巨額損失に直面 

Bloomberg 2021年3月31日(水)13時10分配信

 野村ホールディングス(HD)の奥田健太郎グループCEO(最高経営責任者)の就任後1年間の業績は好調に推移した。米国のファミリーオフィス、アルケゴス・キャピタル・マネジメントを巡る問題が発覚するまでは。

 奥田CEO(57)の就任1周年を数日後に控えた29日、野村HDは、米子会社での顧客との取引に起因し、20億ドル(約2200億円)規模の損害が発生する可能性があると公表。事情に詳しい複数の関係者によれば、取引相手はアルケゴスだという。

 アルケゴスは、米ヘッジファンドであるタイガー・マネジメントの元トレーダー、ビル・フアン氏の財産を管理・運営するファミリーオフィス。先週、マージンコール(追加証拠金の要求)に応じられなかったことを受け、取引先銀行から200億ドル相当の保有株式の売却を強いられた。

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 野村HDの株価は29日、上場来最大の16%下落。約3800億円の時価総額が失われ、幹部らが望んでいた持続可能な利益を上げる新時代の到来につながる転機が脅かされつつある。ジェフリーズ・ファイナンシャル・グループのリポートによると、今回の損失が現実になれば野村HDの2021年3月期の下期の税引き前利益の大半を消し去るリスクがある。

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 ジェフリーズ証券の伴英康アナリストは「ロスリミット(損切り)のコントロールという点で、野村は他社から学ぶことが多いのではないか」と指摘。今回の件は「広い意味で、トップマネジメントの責任であるということは免れないと思う」と話す。

 匿名を条件に取材に応じた野村HDの幹部は30日、同社がフアン氏と長い付き合いがあったと述べた。取引がいつ始まったかは不明だ。

 フアン氏は12年にインサイダー取引と中国の銀行株を操作した疑いで米証券取引委員会(SEC)から提訴され、タイガー・アジア・マネジメントとタイガー・アジア・パートナーズを閉鎖している。フアン氏とこれら会社は4400万ドルを支払い、同氏は和解条件として投資顧問業界で働くことを禁止された。

 野村HDの同幹部は損失発生の可能性が生じた原因について検証を始めていると述べた。アルケゴスに関連して残りのポジションがどのくらいあるのかについてはコメントを控えた。

 昨年4月にCEOに就任した奥田氏の下で、国内外でのトレーディングと投資銀行業務が好調だったことなどから、20年4-12月の連結純利益は米国会計基準の適用を開始した02年3月期以降で過去最高の3085億円に達していた。

 モーニングスターのアナリスト、マイケル・マクダッド氏は「予想外の損失が発生したことで奥田氏にとって比較的良いハネムーン(蜜月)の時期は終わった可能性がある」と指摘。野村HDは20年1-3月期に連結純損失を計上したが、奥田氏の就任を境に業績は絶好調へと転換。その原動力は今回、問題の起きた米国事業だった。

 野村HDは、今回の件による同社と米子会社の業務遂行や財務健全性への問題はないとしているが、アナリストの間では、21年3月期以降の業績や株主還元へのネガティブな影響は避けられないとの見方もある。同社の30日の株価は前日比0.7%安となり、過去1年間の上昇率は25%に縮小した。

 野村HDの広報担当者のコメントは得られていない。

リスク管理への関心高まる

 ブルームバーグ・インテリジェンス(BI)の田村晋一アナリストは30日付リポートで、「株価などの初期反応に続く次の展開として、最終的な損失額や詳細な取引内容だけでなく、リスク管理への関心が高まることが考えられる」と指摘。「仮に損失が特定顧客との取引なら単発・一過性の事象だが、リスク管理に問題があった場合は、類似取引への影響波及が懸念されることになりかねない」としている。

 一過性なのか、影響は広がるのか。国内当局も状況を見極めようとしている。金融庁幹部は29日、記者団に対し、まずは取引の適切な後処理が重要だとした上で、その後、リスク管理などについて確認することになるとの認識を示した。

 加藤勝信官房長官は同日の記者会見で「個別金融機関の個別の取引内容や財務に与える影響についてはコメントは差し控えるが、今後とも所管の金融庁、日本銀行、当該当局とも情報を共有しつつ状況を注視していく」と述べた。

 日本取引所グループ(JPX)の清田瞭CEOは30日の会見で、奥田氏と29日に会談したと明かし、「市場がなんとか大きな混乱に巻き込まれないよう期待している」と述べた。個別のヘッジファンドの事件と考えればリーマンショック時のような連鎖的な動きとは違うと思うとも述べた。

 野村HDは海外事業での損失計上が続き2年前に赤字に転落。22年3月期までの3年間で1400億円規模のコストを削減する構造改革に着手した。北村巧財務統括責任者(CFO)は「会社全体が筋肉質になってきたという実感がある」と収益力の底上げにつながっているとの認識を示してきた。2月時点の進捗(しんちょく)率は9割超だとしている。

1周年を襲った試練

 SMBC日興証券の村木正雄アナリストは、アルケゴス問題が発覚する前の26日の取材で4-12月期に過去最高益を更新した野村HDの業績について「外部環境も助けになっているが、コスト削減効果もあり、ボトムラインが大幅に回復した」と指摘。市場環境に加えて構造改革などの経営努力も寄与していると評価していた。

 順調な就任1年を迎える直前に奥田氏を襲った試練。就任直後からプライベート市場戦略の強化を打ち出し、こうした「奥田色」とも言える戦略が徐々に出そろい始めていたところだった。「打ち出したものの具現化は十分していない。一方で、就任1年目で成果を求めるのは早過ぎる感じがする」(村木氏)と市場の期待も高まっていた。

 モーニングスターのマクダッド氏は「野村の海外事業、特にニューヨークでの事業は非常に多額の利益を生み出すこともあるが、有害事象が発生すれば多額の損失につながることもある」と指摘。「米国で上場している株式オプションなど最近積極的だった一部の分野でリスクを取る意欲を引き締める可能性がある」と述べた。

 野村巨額損失で思い出す池尾和人氏の警句 

毎日新聞 2021年4月7日(水)9時30分配信/浪川攻(金融ジャーナリスト)

 金融資本市場に不安心理がくすぶっています。その理由は、野村ホールディングスなどが米国で直面し公表した「巨額損失発生の可能性」の事案にほかなりません。

 一部メディアは、野村ホールディングスの損失問題について、リスク管理の甘さを話題にしている。だが、金融関係者の注目点はそこにはない。2007年8月の出来事が脳裏をよぎっているからだ。

 07年8月の出来事とは、世界規模の金融危機、リーマン・ショックの前哨戦とも言える「パリバ・ショック」である。仏金融大手BNPパリバが傘下ファンドの解約、返金を突然凍結し、世界同時株安が起き、金融市場が大混乱した。パリバのファンドは、世界的なカネ余りのなかで「サブプライムローン」と呼ばれる高いリスクのローンを組み込んだ証券化商品を拡大させていた。

 その後、金融当局の緊急的な対応などによって混乱は収まったかにみえた。だが、ほぼ1年後の08年9月にリーマン・ショックの火が噴いた経緯は、いまだに金融資本市場関係者の間では記憶に新しい。

 パリバショックの二の舞い?

 いま、金融資本市場のプレーヤーの間に漂う不安は「07年から08年の再燃にならないか」(外資系投資銀行関係者)という懸念に根差している。

 パリバ・ショックからリーマン・ショックに向かう流れをたどってみよう。世界的な金融緩和で生じた過剰流動性(カネ余り)が、信用力の低いサブプライムローン資産の市場価格を押し上げた。それを担保に何倍もの取引を行う「ハイレバレッジ取引」で証券化商品が現実離れした価格に上昇した。しかし、その危うさが認識され市場が崩壊していった。

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 今年2月に他界した慶応義塾大学名誉教授で経済学者の池尾和人氏は、その著書「連続講義・デフレと経済政策」(日経BP社)で「『市場に優しい』金融政策の帰結」という独特の表現で問題提起している。市場に歓迎される金融政策、つまり、長期にわたる金融緩和によって、「金融機関関係者は徐々にリスクに対して高をくくるようになった」という指摘である。

 市場に優しい世界の副作用

 現在、新型コロナ対策として、巨額の財政出動と未曽有の金融緩和が世界各国で継続的に実施されている。必要な手段に違いないが、副作用として極端に「市場に優しい」世界が作られているとも言える。

 リーマン・ショック後、世界の金融当局は銀行、証券会社などに厳しいレバレッジ規制を導入した。しかし、その網の目から漏れたプレーヤーたちもいる。今回、野村ホールディングスに巨額損失の可能性を発生させた米投資ファンド「アルケゴス・キャピタル・マネジメント」など非銀行の金融会社、要するにノンバンクである。

 今回の事件は「アルケゴスが荒唐無稽なハイレバレッジ投資を行い、手じまいの反作用として発生した」(大手銀行筋)と言われている。リスク管理の甘さが当事者に問われることは間違いないが、厳しい規制の網の目をくぐり抜けられる立場にあるノンバンクはアルケゴスに限らない。

 池尾氏は「市場に優しい」金融政策の結末は「もうしばらくすれば事実によって明らかになるにちがいない」と著書の最後を結んでいる。金融市場関係者が抱く不安の奥底には、この警句があるようだ。それにしても、わが国は惜しい経済学者をこの時期に失ったものである。

 アルケゴスノムラが逃げ遅れた」真の理由は?

日本経済新聞 2021年4月5日(月)13時39分配信/豊島逸夫(豊島&アソシエイツ代表)

 コロナ禍のイースター休暇。大半の市場が休場だが、在宅勤務慣れした市場関係者の間では普段と変わらぬ会話が交わされた。話題はやはり「アルケゴス」。日々、新たな実態が明るみに出てきている。

 まず、「NOMURA」(現地では野村銀行と呼ばれる)が、米ゴールドマン・サックスとモルガン・スタンレーに出し抜かれ、アルケゴス保有銘柄売却に出遅れた理由が取り沙汰されている。

 アルケゴスのホワン氏は、2012年にインサイダー事件が発覚して米証券取引委員会(SEC)からヘッジファンド業務の停止処分などを受けた。その後、NOMURAはホワン氏との取引を行った。「罪は償った。熱心なクリスチャンで投資収益の一部は寄付している。暮らしぶりも質素に見える」ゆえ、本社も最終的には了承したとの説が市場関係者からもれ伝わる。

 リーマン・ブラザーズの一部門を買収して、ニューヨーク市場で投資業務拡大を戦略的に重要視した同社だが、投資銀行ランキングでは後じんを拝していた。そこで取引に踏み切ったようだ。アルケゴスは現地のNOMURAにとって重要顧客の一社となっていった。

 ゴールドマンがアルケゴスとの取引を再開したのはごく最近とされる。最終的には高額手数料の恩恵を無視できなかったとみえる。ゴールドマンが動けば他社も追随する。こうなるとホワン氏は、手数料目当ての投資銀行を競わせ、担保率引き下げを要求したという。

 ホワン氏がヘッジファンドのアジア株担当者であった頃から現場で人的関係を構築したとされるNOMURAは、見切りの決断が遅れた。一方で、アルケゴス関連では米系大手金融機関の担保差し押さえ、当該銘柄売却の決断は早かった。

 次のNY市場の関心は、金融監督当局の調査対象だ。ここでは「利害の相克」の可能性が指摘される。

 今回の騒動の発端は、アルケゴス関連の主要銘柄であるバイアコムCBSが増資を発表したことによる株価の急落だ。同社株の担保価値は大幅に毀損。ゴールドマンが真っ先に巨額相対取引で売却処分に走ったことであった。

 そのバイアコムCBS増資の目論見書を見ると、主幹事会社として、ゴールドマン、そしてモルガン・スタンレー、JPモルガン、シティグループ、そしてMIZUHOの社名が明記されているのだ。

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 さらに、副幹事会社として、日系では「MUFG」「SMBC Nikko」の社名も含まれている。なお、ここにはNOMURAの名前は無い。

 NY市場の関心は、ゴールドマンの引受部門が、果たして、バイアコムCBS社の実質筆頭株主はアルケゴスであったことを了解・了承していたのか、ということだ。「スワップ取引」と「ファミリーオフィス」という二重の隠れみのでアルケゴス社の存在、そして資産運用関連情報は一切表に出ていない。では、社内のアルケゴス担当部門と情報交換はあったのか。

 結果的には、ゴールドマンが主幹事役であるバイアコムCBS増資の発表後、ゴールドマン自身が担保として保有していた大量のバイアコムCBS社株を見切り売却した。増資新株を購入した一般投資家も巻き込まれた。金融監督当局も重大な関心を持たざるを得ない状況である。そして、目論見書に名前が出た日系大手の関与の実態も今後明らかになろう。

 5日は午前に日経平均が3万円台を回復した。この世界的な過剰流動性相場の「影」の部分が、アルケゴスという「シャドー(影の)ヘッジファンド」の一件で明るみに出たと言えそうだ。

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2021年3月30日 (火)

【日経平均】小幅高<NYダウ連日最高値更新>経済正常化への期待感

 NYダウ連日最高値ボーイング✈上げ牽引(29日) 

時事通信 2021年3月30日(火)6時00分配信

 週明け29日のニューヨーク株式相場は、ボーイングが上昇をけん引し、3営業日続伸した。優良株で構成するダウ工業株30種平均は前週末終値比98.49ドル高の3万3171.37ドルで終了し、終値の史上最高値を2営業日連続で塗り替えた。一方、ハイテク株中心のナスダック総合指数は79.08ポイント安の1万3059.65で引けた。

 ニューヨーク証券取引所の出来高は前週末比1億0217万株減の10億9586万株。

 ダウ平均は取引前半、金融株などが重しとなりマイナス圏で推移。ただ、後半はボーイングが上昇をけん引し、プラス圏に浮上した。米サウスウエスト航空がボーイングの新型旅客機「737MAX」100機を新たに発注すると公表したことが買いを誘った。墜落事故を受けて同型機の運航が停止された2019年3月以降、最大の発注規模となる。

 金融株は、米ヘッジファンドとの取引に伴う損失の広がりが懸念され、売られた。野村ホールディングスや金融大手クレディ・スイスは、米ヘッジファンドとの取引で多額の損失が生じる可能性があると公表。同ヘッジファンドはアルケゴス・キャピタル・マネジメントと報じられており、米金融大手ゴールドマン・サックスやモルガン・スタンレーなどとも取引があったとされる。

 一方、バイデン米大統領が31日に演説する成長戦略や、新型コロナウイルスワクチンの接種加速への期待は根強く、株価を支えた。また、米疾病対策センター(CDC)が、ファイザーとモデルナのコロナワクチンが1回の接種で感染リスクを80%低下させたと発表したことを受け、一部の製薬株が買われた。

 個別銘柄(暫定値)では、ボーイングが5.7%高、フェイスブックが2.8%高、コカ・コーラが1.5%高、ファイザーが1.0%高。一方、モルガン・スタンレーが2.6%安、JPモルガン・チェースが1.6%安など、金融株の下げが目立った。また、前週にアルケゴスによる手じまい売りにさらされたとみられるバイアコムCBSは6.7%安、ディスカバリーは2.3%安と、引き続き売られた。

 〔東京外為〕ドル110台前半=米景気回復期待で上昇(30日17時) 

時事通信 2021年3月30日(火)17時30分配信

 30日の東京外国為替市場のドルの対円相場(気配値)は、米景気の早期回復期待や米長期金利の上昇を背景にドル高・円安が進み、約1年ぶりとなる110円台を付けた。終盤は対ユーロでドルが買われたことを受けてじり高となり、1ドル=110円台前半まで水準を切り上げた。午後5時現在、110円22~22銭と前日(午後5時、109円65~69銭)比57銭のドル高・円安。

 東京時間早朝は、109円80銭台で取引された。その後は国内輸入企業のドル買いに加え、バイデン米政権の新型コロナウイルスワクチン接種の対応などで米国の景気回復期待が高まる中、時間外取引の米長期金利上昇を支援要因に正午にかけて110円近辺まで値を上げた。

 買いが一巡した後は110円を目前にもみ合う展開となったが、午後3時ごろに110円00銭を付けた。終盤は米金利高のほか、欧州の景気回復が米国に比べ緩慢との見方を背景に対ユーロでドル買いが強まると、この動きがドル円に波及し、110円20銭台まで買い進まれた。

 市場では、31日に発表される予定のバイデン政権によるインフラ投資計画への関心が高い。「インフラ投資が米経済の成長につながるとの思惑からドルは買われやすい」(FX会社)との声も多く聞かれる。一方、110円台に浮上したドル円について、市場関係者からは「年初と比べると高いものの、まだ上昇の余地がある」(同)、「市場にはもう少し上を試したい雰囲気がある」(大手邦銀)との見方が出ていた。

 ユーロは終盤、対円でもみ合い、対ドルで下落。午後5時現在、1ユーロ=129円35~36銭(前日午後5時、129円23~30銭)、対ドルでは、1.1735~1735ドル(同、1.1784~1788ドル)。

 年金30万円…「勝ち逃げサラリーマン世代」口惜し過ぎる末路 

幻冬舎GOLD ONLINE 2021年3月31日(水)10時01分配信

 大企業で勤め上げ、年収1000万円以上もらっていた……そんな元エリートサラリーマンのなかには「年金を月30万円以上もらっている」という羨ましい人もいる。退職金も数千万円をポンともらっている世代なので、悠々自適の老後を暮らしているはずだが……?

まさに俗に言う「勝ち組」だったが…

 厚生労働省「令和元年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、厚生年金保険(第1号)受給者の平均年金月額は、老齢年金で14万6000円です。これが平均の金額ですが(ちなみに標準報酬月額の平均は31万5000円)、世の中には、もっと多額の年金を受給している高齢者も存在します。

 引退時に年収1000万円以上もらっていたような大企業のエリートサラリーマンならば、月に30万円ほどの年金を受給していることもあります。もちろん、退職金も数千万円もらっているでしょう。人生は勝ち負けの問題ではないかもしれませんが、所有する金融資産で考えると、まさに俗に言う「勝ち組」です。

「現役時に支払った額も多かったのだから、多くもらうのは当然、むしろ少ないくらいだ」

 そのように考える人もいるでしょう。実際、年金の受給総額は、「×受給された年数」になりますから、エリートサラリーマンとして「高い給与の分、命を削るくらいストレスにさらされていた」場合には、「多く支払っていたのに、もらえる前に亡くなった」ということも考えられます。

 また、この世代に多いのが、妻が専業主婦でエリートサラリーマンである夫を懸命に支えていたケースです。妻の家事努力なしには、エリートサラリーマンもエリートたる働きはできなかったわけですが、専業主婦の場合、国民年金のみの受給で月5万円ほど、ということもあります。現役時代と同様に、年金生活においても、収入においては妻を支え続ける必要があるのです。

「生活レベルを落とすこと」は難しい

 悪いケースを考えてみましょう。妻が認知症などで要介護となり、老人ホームに入れる必要が出てくると、入居一時金や月々の利用料で、かなりの金額が持っていかれます。老後資産に余裕があればまだいいですが、引退時に多額の退職金を手にしたことで、知識なしに言われるがままに「資産運用」に手を出して失敗してしまう人も多いのです。

「それでも年金が月30万円も入ってくる」と考えるかもしれませんが(ちなみに年金30万円と言っても、社会保険料などを引くと受取額はもう少し小さくなります)、すぐに入所できる有料老人ホームは高額なことも多く、高品質なプランを選択すると月額およそ20万円ほどもかかることがあります。手元に残った額で、家事をしてくれた妻もおらず、エリートサラリーマンとして暮らしていたときのような生活を目指すと、破綻すらも先に見えてきます。

 高齢になると、いろいろなことができなくなってくるものですが、意外と難しいのが「生活レベルを落とすこと」と「それまでのプライドをなくすこと」です。とくに元エリートサラリーマンはここが苦手なことが多く、危機的な状況に陥っていても、積み上げてきたものにすがってしまう傾向があります。

「現役世代の老後」はさらに険しい!?

 上記のような年金受給世代の「プライドが捨てられず、破綻」ケースは、わかっていても避けることが難しく、なかなか厳しいものがありますが、現役世代が迎える年金生活はさらに険しいものがあります。

「令和元年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、厚生年金保険(第1号)受給者の平均年金月額は、老齢年金で14万6000円でした。標準報酬月額の平均は31万5000円とありましたが、実際、どのようなレベルの人なのでしょうか。

 厚生労働省の運営するホームページ『いっしょに検証!公的年金』のQ&Aでは、「おおよその年金額を知りたいときはどうしたらいいんだ?」という質問に対して、下記のようなケースで回答しています。

“厚生年金に40年間加入して、その期間の平均収入(月額換算した賞与含む)が月43.9万円の場合、受給額は月額約9.0万円の老齢厚生年金と、月額約6.5万円の老齢基礎年金を合計した約15.6万円(令和2年度)になります。”

 40年間加入、その期間の平均収入が月43.9万円というのは、かなり順調に収入があるケースではないでしょうか。それでも月額約15万6000円となります。前述の平均年金月額14万6000円より、月1万円ほど高いケースです。元エリートサラリーマンの場合と違い、夫婦共働きで同程度の収入を得ていたとすると、ふたりで年金は月約30万円ほど給付されます。

「コツコツと地道に」投資できる世代が勝つ

 このレベルが平均として、先ほどの配偶者どちらかが要介護になってしまったケースを想定するとどうでしょうか。特別養護老人ホームの空きが順番待ちとなってしまっている場合、民間の有料老人ホームに入所させようとしても、高額な入居一時金がかかります。月にかかる費用負担も大きく、元エリートサラリーマンのように切り崩せる資産がなければ、打つ手がなくなる可能性すらあります。

「誰もがそうなるわけではあるまい」「年金というのはそのための“保険制度”」という意見もありますが、超高齢化社会、老々介護や病病介護の問題はすでに顕在化しています。この先、2050年には1人の高齢者を現役世代1.2人が支えるようになるとも言われており、「危機的状況」の人は増加していくでしょう。社会として崩壊してしまう飽和地点に達する前に、現役世代は資産形成の知識を身につけ実践していく必要があるのです。

「勝ち逃げ」に見えた元エリートサラリーマンが、多額の退職金でいきなり資産運用に失敗するケースは多くありますが、現役世代から地道に軽い失敗を重ねながら資産形成に成功するケース、これもよくあるパターンです。現在、景気は悪いが株価は高いという過去にはなかったような局面ですが、投資の知識を身につけ実践するには絶好の機会との見方もできます。まずは厳しい状況を直視して、将来の「勝ち」をつかみましょう。

 世界販売台数50万台、日本2000台未満…テスラいのか 

文春オンライン 2021年3月31日(水)17時42分配信/鹿間 羊市(ライター)

 100年に1度の変革期が、自動車産業に到来しているという。

 変革の象徴となるのが、ITの聖地・シリコンバレーに拠点を置くテスラである。「電気自動車(BEV*)」と「自動運転」の両面において業界をリードし、時価総額はもはや日本の自動車メーカーが束になっても敵わない水準に至っている。

 * battery electric vehicle の略。動力源として内燃機関(エンジン)を用いず、バッテリーによって駆動されるモーターの力のみで動く自動車。EVとも表記されるが、内燃機関とモーター双方を用いるPHEV(プラグインハイブリッド)などとの区別上、とくに純粋なバッテリー駆動の電動車を指す場合にBEVの記載が用いられる。

BEV化に慎重な姿勢を示す国産メーカー

 実際の販売面も順調であり、テスラの世界販売台数は2020年で50万台に迫る。コロナ禍で世界的に新車販売台数が落ち込むなかで、昨年から36%も上積みがなされた形だ。

 ところが、ここ日本においてはまったく事情が異なっている。2020年におけるテスラの国内販売台数は全モデル合わせても2000台に満たず、生産停止寸前の不人気車種のような数字である。革新的なイメージと話題性から、一部の芸能人やYouTuberなどがセルフブランディングを兼ねて購入するケースは耳にするが、日常生活でお目にかかる機会はそうそうない。

 BEVに対して、世界と温度差があるのは消費者だけではない。欧米や中韓メーカーがこぞってBEV化を進めるなかで、国産メーカーの多くは慎重な構えを見せる。「日本は自動車産業においても競争力を失ってしまうのではないか」と危惧する声も聞かれるが、実際のところはどうなのだろう。

そもそもテスラは何が凄いのか

「自動車の常識を根底から覆す」と言われるテスラだが、一体何がそれほど違うのだろう。

 たとえばiPhoneが革新的だったのは、その多機能性ももちろんであるが、何より直感的な操作を可能とするインターフェイスである。「なんとなくの操作で高度な技術が使える」点が、広く普及する要因となった。

 テスラについても同様のことが言える。インテリアにはスイッチ類が設置されておらず、エアコンやシート位置、ナビゲーション、自動運転の設定まで、操作のほとんどをタッチパネルディスプレイで完結させる。ミラー位置などもタッチパネルでの操作となるので、慣れないと面倒に思えるが、キーに連動してパーソナライズした設定が自動的に呼び出されるため、所有者にとってはストレスフリーだろう。

 動力性能も、スーパーカーと遜色ない水準、あるいはそれを凌ぐほどの次元に達している。当然、エンジンの唸りや振動とは無縁であり、無表情のまま自在に道路を滑っていく。微塵も「必死さ」を感じさせないスムーズな加速感は、自動車が移動手段として「新たな領域」に入ったことを実感させる。

買い換えの必要なく完全自動運転までアップデートしてもらえる?

 さらに、テスラが際立っているのは先進運転支援システム(ADAS)の充実度である。「ウィンカーを捻れば勝手に車線変更してくれる」など、現状においても優れた制御を行ってくれるのだが、多くの購入者を惹きつけるのがそのアップデート機能だ。iOSのようにシステムが自動でアップデートされ、最終的には完全な自動運転ができるようになるまで更新されるという。わざわざ車両を乗り換える必要なく、自動運転のシステムが進化していくわけである。

 総じて、テスラの革新性は「車のスマート化」という点にある。車を「ソフトウェアで動かすデバイス」と考えることで、「直感的に高度な機能を使えるインターフェイス」を整えたのである。

 バッテリー制御も秀逸だ。航続可能距離においては他社をリードする水準にあり、BEVで懸念されるバッテリー劣化の問題に関しても、20万km以上走って90%以上の容量がキープされるという調査結果が示されている。

テスラの信頼性は低いのか

 こうした数々のメリットにもかかわらず、テスラが日本で受け入れられていないのは、「ポッと出」に対する警戒感もあるのだろう。実際のところ、メーカーとして信頼できるのだろうか。

 ネット上には、テスラ購入者による投稿動画などで、「雨漏りで電子回路が故障した」「運転中ルーフが飛んでいった」「ドアガラスが勝手に割れた」といった不具合が報告されている。

 今年の2月には、「モデルS」と「モデルX」の一部車両において、運転支援系の制御装置に用いられるメモリーが5~6年で故障するおそれがあるとして、米運輸省高速道路交通安全局(NHTSA)がテスラにリコール実施を要請した。

 こうして見ると、テスラは車を「ソフトウェア」的な観点から開発しているために、ハード面の作り込みは既存のメーカーの信頼性にはまだ及んでいない、ともいえるかもしれない。

テスラユーザーの満足度は最高レベル

 インパクトの強い不具合報告の数々を見ると、「テスラ購入者は品質の低さに後悔しているのでは」と思ってしまいそうだが、決してそんなことはない。むしろ反対に、テスラユーザーの満足度は非常に高い傾向にあり、米国の消費者情報誌「コンシューマー・レポート」が各メーカーのユーザーを対象に行った満足度調査では、テスラが総合1位の座を獲得している。

 これは果たして、「未完成の製品を、一部の新しいもの好きが喜んで買っているだけ」なのだろうか。革新的な製品のファンを「信者」と揶揄する風潮は、iPhone黎明期にも見られたものである。

「劇的な変化を求めない国内ユーザー」の声を汲み取り、携帯電話メーカーは、スマホ開発において世界から遅れをとる結果となった。自動車産業においてはどうであろうか。国内の基幹産業が、これまでの覇権を手放すことになれば、そのダメージは計り知れない。

精彩を欠く国内のBEVラインナップ

 テスラ以外にも、海外の各メーカーは続々とBEV化に舵を切りはじめている。欧州ではVW(フォルクスワーゲン)グループ、アメリカではGM(ゼネラルモーターズ)グループが、テスラ独走に待ったをかける。中国では法規制によってCO2排出の少ない車種の製造・販売を各メーカーに促しており、「上海蔚来汽車(NIO)」をはじめとするBEV特化型スタートアップ企業の勃興も目立つ。

 そのなかで、国内メーカーの足取りはやや重い。2020年にはホンダがBEV専用車種「Honda e」を、2021年に入ってからはマツダが「MX-30」のBEV仕様を発売しているが、航続距離などの面では際だった性能を示せておらず、価格面での優位性も薄い。

 現段階で、国内におけるBEV化競争をリードしているのは日産だろう。2010年の発売から改良を重ねてきたBEV専用車種「リーフ」の存在もあり、ディーラー各店舗への充電設備の拡充も進んでいる。

 さらに、今年発売予定の新車種「アリア」は、航続距離や出力の面でも世界市場で戦えるスペックを用意している。「手放し運転」のCMでも知られる「ProPILOT(プロパイロット)2.0」が搭載されている点や、流行を押さえたスタイリッシュなSUVデザインも、販売を後押ししそうである。

ハイブリッド信仰がBEV化に出遅れる原因?

 BEVの覇権争いが世界的に激化するなかで、どうにか土俵に立てそうなのが未発売の「アリア」のみだというのは寂しい限りである。

 国内のメーカー・ユーザー双方がBEV化に慎重姿勢を示している要因の1つに、「ハイブリッド」に対する全面的な信頼が挙げられる。

 1997年に初代プリウスが登場して以来、トヨタを筆頭に「ハイブリッド技術による燃費競争」が過熱し、国内各社は独自に技術を高めていったのだが、このような動向は日本に特有のものだった。結果としてハイブリッド技術は世界でも群を抜くレベルに到達したものの、その完成度の高さがかえってユーザー側のBEVへの関心の薄さにつながっているともいえる。

BEVの経済的メリットの薄さ

 消費者目線に立てば、現状ではBEVにハイブリッド以上のメリットを感じにくいのも確かである。

 BEVの電気代と、ハイブリッド車のガソリン代を比べるとどうか。エネルギー効率に優れるテスラ「モデル3 SR+(6.7km/1kWh)」と、トヨタ「プリウス(22.1km/L)」*について、電気代を「1kWhあたり30円」、ガソリン代を「1Lあたり130円」として計算すると、おおよそ2割程度BEVが安くなる。

* いずれもEPA(米環境保護庁)による公表値

 バッテリー性能や制御システムの改善が進めば、さらにBEVが圧倒するようになる可能性も大いにあるだろう。とはいえ現状、BEV車種の車両代の高さや、自宅に充電設備を用意するコストを考えると、初期費用の差が埋まるのは数十万km走った時点になると考えられる。BEVの各種補助金を考慮したとしても、経済面のメリットは薄い。

そもそも日本においてBEV=エコは成り立つのか

 国内における発電方法の偏りも、BEV化の阻害要因となっている。

 石油や石炭、天然ガスなどの化石燃料を利用した火力発電が7割以上を占める日本において、仮に自動車業界がBEV化を進めたとしても、「カーボンニュートラル」は到底達成されえない、というわけである。

 実際のところ、現段階の日本の発電事情のなかで「BEVがハイブリッドより環境性能に優れている」とは断言しにくい面がある。

 もともと、BEVの生産工程においては大容量バッテリー製造のため、通常のガソリン車よりも多くのCO2が排出される。研究機関によって試算は異なるが、少なく見積もったとしても生産時の排出量の差が埋まるまでには7万~8万kmの走行が必要となる。

 とはいえもちろん、再生可能エネルギーの比率が高まり、バッテリー製造効率が高まるほど、BEVがカーボンニュートラルに近づいていくことは確かであり、BEV化への注力は避けられないといえる。

虎視眈々と巻き返しを目論むトヨタ

 国際的な競争力を維持するうえで、「環境が整ってから本格参入」というのでは到底間に合わない。ここで注目されるのが、BEVへの参入に慎重姿勢を見せてきたトヨタの動向である。

 政府から2030年代のガソリン車禁止の方針が示されて以来、豊田章男社長はBEV化への無批判な追従に警鐘を鳴らしつづけてきた。トヨタが有力なBEV専用車種をいまだに発売していないこともあり、章男社長の発言をめぐり「トヨタはBEV競争に勝つ自信がないのでは」といった声も一部で囁かれている。

 けれども当然、トヨタが何の用意もしていないはずがない。2020年12月の段階で、トヨタはすでにBEV専用の開発プラットフォーム「e-TNGA」の存在を明らかにしている。これは現在トヨタが採用する開発プラットフォーム「TNGA」のBEV版である。

 TNGAは、部品やユニットを複数車種で共用しながら、効率的に多様なタイプ・サイズのバリエーションを展開していく手法である。この手の開発方式は特段珍しいものでもないが、トヨタは共用化による品質向上と、商品展開力の面で抜きん出ている。

TOYOTA新世代の看板モデルはBEV専売のSUV車

 4月に行われる上海モーターショーで、「e-TNGA」の第一弾となる新型SUVの登場が先日発表された。これが示しているのは、「トヨタがようやくBEV専用モデルを1台出した」ということではない。グルーピング開発により、BEVのラインナップを整える地盤が形成されつつあるということだ。

 実際に、レクサスが3月30日に行った発表においては、2025年までに20の新型・改良モデルをリリースし、そのうち半数以上をBEVまたはハイブリッドとする方針が示された。

 新世代の看板モデルとして披露されたのはBEV専売のSUV「LF-Z Electrified」であり、3秒で時速100kmに至る加速性能、600kmの航続距離と、世界トップクラスと十分に張り合えるスペックが予告されている。このプラットフォームを軸としながら、世界各地のニーズに応じたラインナップが展開されていくわけである。

全固体電池搭載によるテイクオーバーを狙う

 さらに、トヨタは「夢のバッテリー」と呼ばれる「全固体電池」についての特許を1000件以上取得している。現状のリチウムイオンバッテリーに比べ、小型化・大容量化が容易であり、充電時間も大幅な短縮が見込める。耐久性や安全性にも優れ、BEV界に革命をもたらす技術として期待されている。

 トヨタは2020年代前半のうちにこの全固体電池の実用化を目指す。今年中には、全固体電池を搭載した試作車の公開も予定されている。

 総じて、BEVが世界の主流となったとしても、トヨタが商品力の面で遅れをとるとは考えにくい。むしろトヨタにとって最大の懸念事項は、国内のエネルギー供給という問題、すなわち「発電方法をクリーン化しつつ、BEV普及後の電力供給も確保する」という国家規模での課題である。

小泉環境相のメッセージ

 つまるところ、自動車産業の変革において日本が取り残されないかどうかは、国内メーカーの競争力云々よりも、政府主導のエネルギー計画の行く末にかかっていると言えそうである。もちろんこの点については、小泉進次郎環境相などが「脱ガソリン車」の立場を強く打ち出し、BEVや再生可能エネルギーへの取り組みが必須であることを繰り返し強調しているから、きっと安心できるのだろう。

 ちなみに、小泉氏は2030年までに環境省のすべての公用車を「電動車」とすることを発表している。ただし、この「電動車」にはBEVだけではなく、ガソリンを使った「ハイブリッド」も含まれる。

 公用車と思しきアルファードに小泉氏が乗り降りする姿も見られるが、同車種はハイブリッドモデルでも1Lあたり7~8kmしか走らない。1km走るごとに300gほどのCO2を排出する計算であり、プリウスの3倍ほどの数字だが、ともかく「モーター」がついているから問題ないのだろう。

 

2021年3月22日 (月)

【日経平均】大幅続落<米長期金利高&半導体不足>米株安を嫌気

東京株大幅続落米金利高止まり半導体不足警戒

時事通信 2021年3月22日(月)15時30分配信

 米国の銀行に対する自己資本規制緩和措置の終了が決まり、前週末に米ダウ工業株30種平均が続落したことで売りが優勢となった。半導体大手ルネサスエレクトロニクスの工場火災により半導体不足への警戒感も広がった。

 ▽ 一時600円超安

 22日前場の東京株式市場は売りが優勢だった。東証1部市場全体の値動きを示すTOPIXが前週末まで9営業日続伸しており、「過熱感を冷ます動きが広がった」(銀行系証券)という。また。半導体大手ルネサスエレクトロニクスの工場火災による悪影響も警戒され、自動車や部品会社の株に売りが膨らんだ。日経平均株価は前営業日比347円安でスタート。その後もじりじりと下落し、下げ幅は一時、600円を超えた。

 前週末に日銀が日経平均連動型ETFの買い入れをやめると公表した余波はきょうも続いた。直近では日銀の買い入れに占める日経平均型の比率は小さかったが、「指数連動のETFを好む投資家には印象が悪かった」(同)。日経平均の値動きへの寄与度が高い値がさ株も売り物がちとなった。

 ▽ 大型株中心に下落

 22日の東京株式市場は売りが優勢だった。「米長期金利の高止まりや、半導体大手ルネサスエレクトロニクスの工場火災に伴う減産が警戒された」(大手証券)といい、金融、自動車などの大型株が売られた。

 週明東証617円安2週間ぶり安値2万9174円 

毎日新聞 2021年3月22日(月)19時44分配信

 22日の日経平均株価の終値は大幅続落し、前週末比617円90銭安の2万9174円15銭と、約2週間ぶりの安値をつけた。

 ルネサスエレクトロニクスの半導体工場の火災によって自動車の減産など幅広い業種に影響が及ぶことが警戒されたことに加え、日銀が19日の金融政策決定会合で政策の修正を決めたことも株式市場に動揺を与えた可能性がある

 22日の東証株価指数(TOPIX)は前週末比22・03ポイント安の1990・18と、1・1%下落。これに対し、日経平均は2・1%の下落で、日経平均の下落幅の大きさが目立った。日経平均の下げ幅は19日と合わせて2営業日で1000円を超えた。

 日銀は決定会合で、株価安定を目的に実施している多くの株式を組み込んだ上場投資信託(ETF)の購入方針を一部修正。日経平均株価に連動するETFは買い入れ対象から外し、TOPIX連動型に一本化すると決定した。これが懸念材料となり、日経平均への寄与度が大きい銘柄の下落が目立った。

 三井住友DSアセットマネジメントの市川雅浩チーフマーケットストラテジストは「1~2週間程度は日銀の政策変更の影響が残るかもしれない」と指摘している。

 ルネサス火災呪われているよう在庫消費した矢先 

朝日新聞デジタル 2021年3月22日(月)18時54分配信

 半導体大手ルネサスエレクトロニクスの那珂工場茨城県ひたちなか市で起きた主力の生産棟の火災で、自動車各社は更なる減産に追い込まれそうだルネサスが持つ半導体の在庫は少なく、代替生産も不透明な状況。「1カ月後」とした稼働再開が遅れる可能性もあり、自動車業界では悲観的なムードが漂う。

「影響は大変大きくなると危惧している」。ルネサスの柴田英利社長は21日の記者会見で、火災による操業停止が供給網に与える打撃に危機感を募らせた。

 止まった生産ラインは、半導体の回路をつくる「前工程」と呼ばれる。2011年の東日本震災当時、ルネサスは前工程の工場を国内外12カ所に持っていた。だが業績不振によるリストラの結果、現在は7カ所。複数の工場で分散生産するBCP(事業継続計画)の前提が揺らいでいた。

 災害に備えた在庫の積み増しも不発だった。今年2月、福島県沖を震源とする最大震度6強の地震で生産ラインが一時止まった影響で、「かなり在庫を消費して枯渇していた」(野崎雅彦・生産本部長)。在庫は、つくりかけの製品を中心に約1カ月分しかない。ある社員は「呪われているようだ」とつぶやく。

 ルネサスは、自動車の走行を制御する半導体「マイコン」で市場の約2割を握る世界的な大手。工場が災害に遭うたびに自動車生産への影響が取りざたされてきた。東日本大震災では那珂工場が被災し、約3カ月にわたって生産が停止。世界の自動車生産が滞る一因となった

 ルネサスは「少しでも影響を小さくすべく、ありとあらゆる方策を追求する」(柴田社長)構えだ。そのひとつに自社の別の工場や委託先での代替生産をあげる。生産が止まった品目のうち3分の2は技術的に可能という。ただ、多くの半導体工場は世界的な供給不足のためにフル稼働している。代替生産を引き受ける余力は乏しいのが実情だ。

 〔東京外為〕㌦108円台後半=方向感なく推移 

時事通信 2021年3月22日(月)15時30分配信

 22日午後の東京外国為替市場のドルの対円相場(気配値)は、日経平均株価の下落や時間外取引の米長期金利の低下を眺めてやや軟化した後、1ドル=108円台後半で方向感なく推移している。午後3時現在、108円80~80銭と前日(午後5時、108円74~75銭)比06銭の小幅ドル高・円安。

 前週末の海外市場では、米国時間に米連邦準備制度理事会(FRB)が新型コロナウイルス対策で実施した金融資本規制の緩和を3月末に終了すると発表し、米金利が上昇。ドルが買われて一時109円00銭近辺を付けたが、その後、米株安を背景に伸び悩み、終盤は108円80銭台に軟化した。

 東京時間早朝は、一時108円50銭台に下落。FRB規制緩和終了のほか、「トルコリラの急落でリスク回避ムードが広がった」(外為仲介業者)ため、円が買われやすかった。その後は、国内輸入企業のドル買いなどで108円90銭近辺に上昇したが、午前11時から正午にかけて日経平均株価の大幅安や米金利の低下が意識され、108円70銭近辺まで軟化。午後は108円70銭台を中心にもみ合っている。

 市場関係者からは「先週半ばからやや上値の重い展開となっている」(国内証券)と指摘されている。本日は、FRB規制緩和終了やトルコリラ急落、日経平均安などで「リスク回避のムードが広がっている」(先の外為仲介業者)とみられ、やや円買いが進みやすい地合い。ただ、「日本時間早朝に108円台半ばで下げ止まった」(同)ため、大幅な円高にはならないとの指摘が聞かれている。

 ユーロは午後に入って対円、対ドルともにもみ合い。午後3時現在、1ユーロ=129円40~41銭(前日午後5時、129円77~77銭)、対ドルでは1.1894~1894ドル(同1.1932~1933ドル)。

 株高株主重視の企業姿勢今後の市場は

幻冬舎 GOLD ONLINE 2021年3月21日(日)5時01分配信/塚崎公義(経済評論家)

 世界的な株高傾向が続いていますが、日本では2021年2月、日経平均株価が30年ぶりに3万円台に到達するなど、市場は大きく盛り上がりました。しかし、30年前のバブル時代と今回では、その事情は大きく異なります。なぜこれほどまでに株価は上昇したのでしょうか。そして今後の展開にはどんなシナリオが考えられるのでしょうか。

バブル期まで会社の儲けは従業員のものだった

 高度成長期の日本企業は「従業員の共同体」でした。株主には資本金を拠出してくれたお礼として「応分の謝礼」を払うものの、会社が儲かった分は従業員の賃上げ等に使うのが基本だったわけです。

 そうした企業文化はバブル期まで続きました。株主より、従業員や取引先や取引銀行等に注意を払う企業経営者が多かったのです。

 企業文化が変化したのは、バブル崩壊後の長期低迷期です。日本経済が低迷を続ける一方で米国経済が好調を続けていたため、「日本的なやり方を米国的なやり方に改めなくてはならない」と考える人が増えたのです。グローバル・スタンダードという言葉で米国流を導入しようとしたわけですね。

 この言葉自体はリーマン・ショック以降聞かれなくなりましたが、「企業は株主の金儲けの道具だ」という企業観は確実に浸透しました。さすがに終身雇用といった根幹部分は残っていますが、「儲かったら賃上げではなく配当をする」という文化はしっかりと定着したようです。

バブル景気とアベノミクス景気の決定的な違い

 ちなみに、法人企業統計でバブル景気とアベノミクス景気における人件費、配当、内部留保の変化を見たのが、下記の図表1図表2です。

Photo_20210322181701図表1]バブル景気における人件費、配当、内部留保の変化

 ちなみに、景気の谷は1986年11月と2012年11月、山は1991年2月と2018年10月でした。

 バブル景気のときは、付加価値が69兆円増加しましたが、その過半の37兆円は人件費の増加となり、株主帰属(配当と内部留保の合計)は8兆円しか増えませんでした。

 それに対し、アベノミクス景気のときには付加価値が42兆円増えたうち、人件費はわずか12兆円しか増えず、株主帰属は38兆円も増えたのです。

Photo_20210322181801図表2]アベノミクス景気における人件費、配当、内部留保の変化

 これを喜ばしいと考えるのか、悲しむべきと考えるのかは人それぞれでしょう。労働者の立場からすれば悲しむべきことでしょう。景気という観点からも、残念なことだといえそうです。労働者の賃金は消費に回りますが、配当や内部留保は消費や投資にあまり回りませんから。

 しかし、本記事は株価に関する論考であるため、株価という観点から考えると、これは株価の重要な上昇要因だといえるでしょう。

世界的な株高傾向で高まる長期投資の期待値

 世界的な株高傾向が続いています。日本株も日経平均が一時3万円台を回復し、バブルではないかという声も聞こえてきます。バブルか否かはそのときにはわからないので、もしかするとバブルなのかもしれませんが、その割には、日本株のPERやPBRの割高感は限定的です。

 これは、仮に現在がバブルだったとしてもバブルの規模は小さく、仮にバブルが崩壊しても株価の暴落は限定的だ、ということを示唆しています。もちろん、現状がバブルでないならば、今後の景気回復や経済成長等によって割高感が解消していく可能性も十分にあるわけです。

 加えて株式投資家にとって喜ばしいのは、長期投資が報われる可能性が以前より高まっている、ということです。もともと長期投資の期待値は預金より高いわけですが(詳しくは拙稿 『株も長期投資なら怖くない!預金よりお得といえるワケ』 参照)、企業が株主重視の姿勢に転換したなら、今後とも順調に1株あたり純資産は増加を続け、「PBRから見た適正な株価水準」は上昇していくと期待されるからです。

 もちろん、個別銘柄については浮き沈みがあるでしょうし、銘柄分散をしたとしても短期的な株価の変動は予想が困難ですから、必ず儲かるなどといえるはずはありませんが、投資信託の積立投資を長期間続けるならば、老後資産が増えていく可能性は高いといえるでしょう。

 もともと株式はインフレに強い資産ですから、全額を預金で持たずに一部は株式に分散しておくべきだ、というのが筆者の考え方ですが、それに加えて期待値的にも投資妙味があるのであれば、投信の積み立てはひとつの重要な選択肢だと考える次第です。

 NYダウ続落234㌦安=金融規制特例終了を嫌気 

時事通信 2021年3月20日(土)6時00分配信

 週末19日のニューヨーク株式相場は、金融資本規制の特例措置の終了を嫌気し、続落した。優良株で構成するダウ工業株30種平均は前日終値比234.33ドル安の3万2627.97ドルで終了した。ハイテク株中心のナスダック総合指数は99.07ポイント高の1万3215.24で終わった。
 ニューヨーク証券取引所の出来高は前日比23億0299万株増の35億1099万株。

 米連邦準備制度理事会(FRB)は午前、新型コロナウイルス感染拡大後の市場の動揺を受けて導入した銀行自己資本規制を緩和する特例措置について、予定通り3月末に終了すると発表した。特例措置では、自己資本を増額しなくても、国債などへの投資を増やせるようにしていた。

 市場では、銀行が国債売却に動くとの見方が広がり、長期金利が上昇(国債価格は下落)。一時1.75%を付けた。株式市場では、投融資への悪影響が懸念され金融株が大きく下落し、相場全体を押し下げた。JPモルガン・チェースが1.6%安、ゴールドマン・サックスが1.1%安。ウェルズ・ファーゴが2.9%安、シティグループが1.1%安だった。

 最近上昇していた景気変動の影響が大きい銘柄には、利益確定売りが広がった。エクソンモービルは0.6%安、シェブロンが0.7%安、ユナイテッド・ステーツ・スチールが1.1%安と売られた。

 個別では、前日夕に決算を発表し、純利益が大幅に増加したフェデックスが6.1%高。一方、売上高が市場予想を下回ったナイキは4.0%安となり、相場の足を引っ張った。米司法省による調査が報じられたビザも6.2%安だった。

 国債市場“入札控え”警戒感-2月需要不振で疑心暗鬼 

Bloomberg 2021年3月22日(月)10時49分配信

 打ちのめされている米国債市場が再び試練の1週間を迎える。経済成長やインフレの見通しが改善する中で売り込まれた年限を中心とした大規模な入札を吸収する必要に迫られる。

 約1カ月前の7年国債入札は不調に終わり、債券相場が急落。影響は金融市場に広く波及し、指標債券利回りは新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)前の高水準に向かいつつある。そうした中で再び7年国債の入札が25日に予定されており、620億ドル(約6兆7500億円)規模の供給はディーラーにとって向こう1週間の不安の種となっている。

 米国債市場が痛手を受け続ける中、長期債の指数は弱気相場入りした。米金融当局が2023年まで政策金利をゼロ付近に維持する方針を再確認したのを受け、2年債と10年債で利回り曲線は5年余りで最もスティープ化。金融政策に関する臆測の変化に特に影響を受けやすい7年債は、当局がそれほど長く利上げを待てないとの観測から売り込まれており、周辺の年限に比べたパフォーマンスは15年以降で最も低調だ。

 キャンター・フィッツジェラルドのストラテジスト、ジャスティン・レデラー氏は国債供給が今週の重要部分になると指摘。「これらの国債入札でどの程度のエンドユーザー需要があるかが分かるだろう。先月の7年債入札が不調だったのは当日のボラティリティーによるものだったのか、持続的なテーマなのかも判明する。ボラティリティーは非常に高く、金利上昇が株式に影響を与えるかどうかという疑問もある」と付け加えた。

 2月の7年債入札は応札需要が記録的低水準だった。追加経済対策の協議や新型コロナウイルスのワクチン接種進展を受けて投資家は既に債券から遠ざかりつつあった。入札結果を受けて米国債売りに拍車がかかり、7週連続で下落基調となった。

 今週は7年債のほか、23日に2年債、24日に5年債などの入札も予定されている。また、パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長など米金融当局者の発言機会も予定されており、トレーダーの注目を集めそうだ。

 SBI証券600万口座「預かり資産残株式売買代金」ネット証券1位 

ITmediaビジネスONLiNE 2021年3月22日(月)18時55分配信

 SBI証券は3月22日、600万口座を達成したと発表した。引き続き、大手対面証券である野村證券の口座数を上回った。競合のネット証券である楽天証券が1年未満で100万口座増と急速に口座数を伸ばす中、トップを守った。

 また、口座数だけでなく、預かり資産残高、株式売買代金においてもネット証券トップとなっている。2020年12月末時点で、預かり資産残高は前年同期から22.9%増加して17兆2000億円に、株式売買代金は前年同期(第3四半期累計)から69.6%増えて104兆6842億円と急速に増加した。

 SBI証券は、19年から「ネオ証券化」を掲げ、オンラインでの取引手数料や投資家負担コストの無料化を推し進めてきた。20年10月には、国内株式の手数料無料範囲を1日100万円まで拡大し、信用取引の大口優遇の拡充なども進めている。

 手数料無料化の動きについては楽天証券が追随しているが、他証券会社は脱落しているところも多い。

 またオンラインの総合証券として、IFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー)との連携などを進めるとともに、地域金融機関との連携を進め、ホールセール業務の強化にも取り組んでいる。

 

2021年3月16日 (火)

【日経平均】6日続伸<NYダウ✍4日連続“史上最高値”更新>ハイテク株が牽引

〔米国株〕NYダウ4日連続最高値=景気改善期待7日続伸

時事通信 2021年3月16日(火6時00分配信

 週明け15日のニューヨーク株式相場は、経済活動の規制緩和や米経済対策による景気回復期待を背景に、続伸した。

 優良株で構成するダウ工業株30種平均は前週末終値比174.82ドル高の3万2953.46ドルで終了し、4営業日連続で史上最高値を更新した。

 上昇は7営業日連続。ハイテク株中心のナスダック総合指数は139.85ポイント高の1万3459.71で終わった。

 ニューヨーク証券取引所の出来高は前週末比2717万株増の10億1661万株。

 米国では、新型コロナウイルスの感染者数が減少傾向にあり、経済活動の規制を緩和する動きが続いている。1人最大1400ドルの現金給付を盛り込んだ1兆9000億ドル規模の大型経済対策が先週成立。早期の景気回復への期待が続いており、景気変動の影響が大きい業種を中心に買いが先行した。

 利用低迷の最悪期を脱しつつある航空株が買われ、相場をけん引した。アメリカン航空グループは7.7%高、ユナイテッド航空が8.3%高だった。娯楽・レジャーや小売り関連株も大きく上昇した。カーニバルが4.8%高、MGMリゾーツ・インターナショナルが5.2%高。メーシーズが10.8%高、ギャップが4.7%高だった。

 ただ、先週からの連日の最高値更新で、午前中には、利益確定売りに押されダウ平均が一時マイナスに転じる場面もあった。

 原油価格の回復で上昇していたエネルギー関連銘柄は下落し、エクソンモービルは2.6%安、シェブロンも1.2%安だった。

 長期金利の上昇を受けて割高感が増しているハイテク株は、一時期売られた反動で上昇した。アップルは2.5%高、フェイスブックは2.0%高、インテルが1.4%高、ツイッターが3.2%高だった。

 東京株6日続伸=ハイテク株が押し上げる 

時事通信 2021年3月16日(火)15時30分配信

 日経平均株価は前日比154円12銭高の2万9921円09銭、東証株価指数(TOPIX)は12.77ポイント高の1981.50と、ともに6営業日続伸。半導体や情報技術などハイテク業種の一角が大きく値を上げて、株価指数を押し上げた。

 70%の銘柄が値上がりし、値下がりは27%。出来高は14億1937万株、売買代金は2兆9091億円。

 業種別株価指数(33業種)は海運業、空運業、その他製品、不動産業が上昇率で上位を占めた。下落は鉄鋼、銀行業など。

 ▽ FOMC控えて上値は追えず

 東京市場では、引き続き米国の大規模な経済対策による景気浮揚効果や、ワクチンの普及による新型コロナウイルス感染の収束への期待感が買いを後押しした。前日に米金利上昇を嫌ったハイテク株売りが出た反動も加わり、日経平均株価は一時3万円台に乗せた。

 もっとも、米国の金利動向に金融市場全体が敏感になる中、「米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果と、その後の米債券市場の反応を確認する前に、上値は追えない」(中堅証券)とされ、3万円に乗せると買いの勢いは鈍った。

 日経平均を構成する225銘柄だけを見ても半数が下落しており、物色にもさほど広がりは見られなかった。後場は2万9000円台での小幅なレンジ内での行ったり来たりが長く続き、重要イベント前らしい様子見ムードの強い相場だった。

 225先物6月きりは反発。小高く始まった後、午前中は上値を試すような動きも見られたが、FOMCを前に買いの勢いは続かなかった。午後はこう着状態となった。

 NY市場個人投資家、株安でも動ぜずー高リスク投資継続  

Bloomberg 2021年3月8日(月)14時14分配信

 アップルの株価は1月下旬から15%下げ、テスラの時価総額も3週間で2500億ドル(約27兆1000億円)余り減少した。ナスダック100指数も1カ月足らずで大幅に下落した。

 こうした事態でも個人投資家は動じていない。むしろ、オンライン掲示板「レディット」で言うところの「ダイヤモンド・ハンズ」だ。これは、極めてリスクの高いポジションを保有し続ける勇気を示す。

 株式相場が数週間前にピークを付けて以来、個人投資家による株式市場への資金投入は、過去最高だった2020年を40%上回るペースだ。調査会社バンダ・リサーチのバンダトラック部門のデータによると、過去3週間の株価下落局面で、個人投資家による米国株購入はネットで週間平均66億ドルと、2020年全体の週間平均(47億ドル)を上回った。

 しかも、個人投資家は最も痛手を受けている分野を選び、レバレッジが3倍のハイテク株向けファンドなど間違いなくリスクの高い方法で投資を強化している。

 1月下旬から15%値下がりしたアップルは、この1週間に個人投資家の買いで最も人気を集めた銘柄だ。中国の電気自動車(EV)メーカー、蔚来汽車(NIO)は2月9日以降に約40%下げたが、2番目に人気があった。

 ナスダック100指数に連動する上場投資信託(ETF)や「インベスコQQQトラスト・シリーズ1(QQQ)」や、その3倍のレバレッジがかかった「プロシェアーズ・ウルトラプロQQQ」(TQQQ)が続いた。

 新型コロナウイルスをきっかけとした相場急落から1年が経過した今、個人投資家は米売買高の25%近くを占め、一定の勢力となった。EVや特別買収目的会社(SPAC)、環境に優しい銘柄など、これまでに利益をもたらした投機的で人気の投資先の一部は、債券利回り上昇でつまずいている。

 新米投資家が多くを占める個人投資家は、強気相場の中で一貫して積極的に押し目買いに動いてきた。だがこうした行動に終止符が打たれるまでにどの程度時間がかかるのかが注目されている。

 ナショナル・セキュリティーズのチーフ市場ストラテジスト、アーサー・ホーガン氏は「歴史的には、個人投資家が市場に押し寄せるのは悪いシグナルであり、ピークのシグナルだ」と指摘。

 その上で「個人投資家の参加を理由に2020年に相場がピークを付けたと何度か判断しようとしたが、いずれも間違いだった」と語った。

 米国債トレーダーが挙って“空売りの動き 

BloomBerg 2021年3月8日(月)11時17分配信

 空売り投資家の命運が注目を集めるのは、ネット上の情報拡散を背景に売買が集中するいわゆる「ミーム」株を取引する市場だけではない。21兆ドル(約2280兆円)規模の米国債市場でも空売りが増えており、さまざまな資産クラスに重要な影響が及ぶ可能性がある。

 指標となる10年物米国債利回りは5日、外国勢の押し目買いの前に一時1.62%と、2020年2月以来の高水準に達した。同日発表された2月の雇用統計は雇用者数の伸びが予想を上回ったほか、パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長も今のところ長期金利の急上昇を抑え込もうとするには至っておらず、トレーダーは勢いづいている。

パウエルFRB議長、ハト派メッセージ発するも市場は失望感

 トレンドの方向性を顕著に示しているのが、10年物米国債を担保に短期資金を融通するレポ市場だ。米国債の借り入れ需要は大きく、レポ金利はマイナスに達しているが、これは米10年債をショートにする動きの一環とみられる。

 BMOキャピタル・マーケッツの債券戦略グローバル責任者マーガレット・ケリンズ氏は「利回り上昇に拍車を掛ける材料が現時点で多い」とした上で、「利回り上昇が行き過ぎてリスク資産に真の圧力となり、パウエル議長が行動を迫られる水準はどこかというのが問題だ」と語った。

 株式市場では既に、利回り上昇に影響を受けやすい兆候が特にテクノロジー銘柄中心に示されている。リスクにさらされるもう一つの分野は住宅市場だ。米経済に明るい部分の同市場で住宅ローン金利は上昇している。

 米商品先物取引委員会(CFTC)の最新データによると、3月2日終了週の米10年物国債の売り越しは2016年以来の高水準に達した。10年債利回りの向こう数日の重要水準として、BMOは1.75%を指摘する。そこに到達すれば、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)前の昨年1月以来の水準となる。

 今週は米10年債と30年債、計620億ドル規模の入札が予定され、ショートポジションの魅力がさらに増す可能性がある。先月の7年債入札では過去最低の応札倍率となり、10年債利回りが1.6%超に上昇する要因となった。

 40億円稼いだ投資家テスタさんにぶシンプルな思考法 

DIME 2021年3月16日(火)17時31分配信

 一見、普通の青年だが、テスタさんは株式投資で40億円を稼いだ天才投資家だ。いかにして「億り人」になれたのか、その思考法を紐解くと、驚くほどに単純明快だった。

投資家 テスタさん

2005年、800万円を元手に株式投資をスタート。2021年1月時点で総利益40億円超を稼ぎ出した。かつてはデイトレードなどの短期投資中心だったが、2017年頃から高配当株や中長期投資にシフト。ツイッターは@tesuta001

40億円稼いだ男も『鬼滅の刃』を読んでいる

 近年、証券口座を開設する人が急増中だ。某大手ネット証券では9か月で100万口座も増加し、過去最速だという。日経平均株価は30年ぶりの高値を更新、ビットコインも3年前のバブル時につけた1枚230万円台を優に超え、一時は430万円に達した。

 コロナ禍にもかかわらず投資熱が盛り上がっている中で、テレビなどにたびたび登場する注目の個人投資家がいる。「テスタ」というハンドルネームの青年だ。

 取材で訪れた日の昼食はカップラーメンだったそうで、

「吉野家の牛丼も大好きですし、食事はよくUber Eatsで注文します」(以下すべて「」内テスタさん)

 と語る。『鬼滅の刃』は原作漫画も映画も見ており、テレビゲームもよくプレイするという。40歳前後に見える彼の価値観が、同年代とそう大きく違うようには見えない。

 だが、彼の成した偉業はとてつもない。2005年に株式投資を始めて以降、40億円以上を稼いだ。

「僕がほかの人と比べて、何か特別すごいというわけではないと思います。1億円くらいの利益なら、どなたがやってもそう難しくないでしょうから……」

 なぜ彼は40億円もの利益を稼ぐことができたのか――その秘密は、投資の本質を射抜いており、かつ普遍性が高い彼の「哲学」にあった。以下に見ていこう。

思考法(1)投資を始める前に歴史を知るべし

 そもそもテスタさんが2005年に投資を始めたきっかけは何だったのだろうか。

「僕の場合はラクをして生活したいというだけだったので、特に高尚な理由はないんです。でも、皆さんは別に本職を持っている、いわゆる『兼業投資家』の人が多いと思います。リモートワークになって家にいる時間が増え、家で何かできないかと考えたり、飲食店などの商売や経営することにリスクを感じたりして、口座を開設する人が最近は増えているのではないでしょうか。

 そういったすべての人に共通して大事なのは、リスクを負わないこと、お金を減らさないことだと思います」

 では、具体的にどうやってリスクに気をつければいいのか。

「初心者の人がまずやるべきことは『歴史を知ること』ではないでしょうか。僕が株式投資を始めてから15年ほどたっていますが、その間、ライブドアショック、リーマンショック、東日本大震災、いろいろなことがありました。

〇〇ショックと呼ばれるような甚大なもの以外にも、大暴落は毎年のように起きています。昨年3月には『コロナショック』がありました。新型コロナが発生するなんて誰も予想ができなかったように、『暴落は予想できず、避けられない』ということをまず前提としておく。そして、そうなった時に決して破産したり、大きくお金を減らしたりしないようにすることが大切ですね」

思考法(2)投資のスタイルは他人のマネをしてはいけない

 お金を減らさないためには、ほかにもどんな心構えが必要なのか。

「自分の取れるリスク、欲しいリターンなどによって正解は変わってきます。この15年で一番すごかったのはリーマンショックで、半値以下になった株も多数ありましたが、そうなった時に『ショックというのは一時的なもの』と考えて持ち続けるためには、含み損を抱えても心を乱さないでいられる範囲で投資を行なう必要がある。しかし、そう感じる範囲は人によって異なってきます。

 例えば、兼業の人は給料の範囲内で生活できるなら、年10%資産が増えるだけでも、かなりのペースで増えていきますよね。資産を年20%増やそうと、余計なリスクを取る必要はなくて、毎年安定して増やせる安全性の高い商品に投資するほうがいいという判断ができます。実際には給料の金額も、生活スタイルも個人個人で変わってくるわけですから、パーセンテージは当然調整する必要があるし、それに応じて投資先も変わってくるわけですね」

 自分に合った投資スタイルはどう見つければいいのだろう。

「最近口座を開設して、『何となく株をやってみよう』とか、『何となくお金が増えればいいな』と思ってやっている人も多いでしょうが、漠然と始めるより、やるからにはもっとちゃんと考えてスタートしたほうがいい。リスク/リターン含め、少しでも具体化させていくことですね。

 これはお金をかけなくてもできることです。銘柄選びもそうで、『この会社が好きだから』『何となく儲かってそうだから』ではなく、どれだけその会社のことを調べ、ほかの人より深く知るか、ひとつひとつをていねいにやっていくべきだと思います。お金をかけなくても始められることって、たくさんあるんですよ」

思考法(3)「大勝ちする」より「負けないこと」が重要

 自分が「将来に向けていくら欲しいのか」を考える際に「いくら欲しいのか(リターン)」と「どれくらいの損失なら許せるのか(リスク)」なら、「リスクを先に考えるほうがいい」とテスタさんはいう。

「リターンを大きく求めようとすると、リスクが大きくなりすぎる傾向にあります。兼業投資家の人は、資産をなるべく減らしたくないという考えの人が多いと思うので、『減らしたくないならリターンはそれ相応に』と受け入れるべきでしょう」

 リスクから先に考えるという姿勢は、テスタさんの投資スタイルにも表われている。

「今でこそ、中長期的な投資を行なっていますが、僕はデイトレードが得意で、昔はデイトレに特化していました。『毎日コツコツ勝ちたい』という思いでやっていましたね。元本をなるべくリスクにさらしたくないという自分の性格とマッチした投資手法だったと思います。

 デイトレに対して、『一山当てたい人がやるもの』というイメージを持っている人がいるかもしれませんが、それは違います。〇〇ショックというのは株を持っているから食らうのであって、持っていなければ関係ないですよね。デイトレードは毎日、市場が終わる時までに自分の持っている株を売り切ります。つまり、そういうリスク(持ち越しリスク)を取らないのがデイトレの利点です。

 ただ、逆にすごい上昇相場が来ても、そもそも株を持ってないからそれに乗りにくい。『大勝ち』より『負けないこと』が重要で、僕の性格と合っているんです。資産額がだいぶ増えた今でも、メチャメチャ勝ちたいというよりは、コツコツと稼いで毎日何万円とか増えていけば満足なんです。

 ただデイトレは、瞬時に判断できる能力があるかどうかなど、個人の特性によって、向き不向きがあります。例えばリタイア世代の人が同じことをできるかというと、難しいと思うんですよね。そういう人はもっと長期的な投資のほうが向いているかもしれない。企業業績の分析に長けている人はそういった投資をやるなど手法はそれぞれでいいと思いますが、『リスクを取らない』ということが重要であることは変わりません」

 昼食は『シーフードヌードル』。だって、美味しいじゃないですか。

 複数のモニターに株価情報やニュースなどを表示させる。今は中長期投資に軸足を移しているが、常に相場をチェックし続けている。

40億円投資家が考える「投資のやめ時」はいつ来るのか?

「投資家はアスリートに近い」と話し、テスタさんほどの天才投資家でも「引退」を考えることがあるという。その時はいつか?

思考法(4)稼ぎ続けるよりも「やめる」ほうが難しい

 自分に合った投資法を見つけ出したことで40億円を稼ぎ出したテスタさんだが、NISA(120万円までの株の利益などが非課税になる制度)には興味がないという。

「120万円で買った株の税金を考えるくらいなら、利益を増やすことを考えるほうが効率がいい。節税には限界があるけれど、収入増やすことには上限がありませんから、銘柄の勉強をしたり常に投資のことを考えたりするようにしています。節約も同じで、意識や時間を割いてまではやりません」

 これほどの金額を稼いでいれば一生暮らせるはず。それなのに投資を続ける理由は何なのだろうか。

「勝ち続けることで、『自分の価値観が正しかったんだ』ということの証明になるから続けていますね。なので、勝っている間は辞めないと思います。

 引退するラインは具体的に『資産が4割減ったら辞める』と決めています。40億円って、税金を払って生活費を抜くと30億円くらいしか残らないので、その6割の18億円以下になったら、投資を辞めるしかない。所詮、投資を続けている以上は今の資産も幻みたいなもの。やめる時まで含み益と考えています。結局やめた時にゼロだったら意味がないので、投資資金が4割減った時に『潔く引く』というのが今一番大事な仕事だと思っています。

 今は勝ち続けているからいいけど、僕はどこかで今の自分がいずれ通用しなくなると思っています。毎年考えていますね。モチベーションや体力、感性の問題も大きい。例えば『タピオカがブーム』と言われても、最初に気づくのは高校生。次に大学生、20代、30代と年を取れば取るほど遅れるんですよ。50歳の人が気づいた時にはタピオカ屋が街にあふれていて、関連株はもう上がりきっているということになっていますから。

 僕は『鬼滅の刃』の映画が公開された時、『千と千尋の神隠し』を超えないと思ったんですよ。この例からも、僕はもう昔のような感性が失われてしまっていて、読み誤っていることがわかる。ブームや時代をつくるのは、若い子たちだなと気づかされます。

思考法(5)投資をやめた後のことは考えない

 もしその時が来たら、その巨額の財産を持って一体何をするつもりなのか。

「やめた時の年齢と資産によって考えるべきだと思うので、今は全く考えていません。60歳や70歳で10億円持ってたとしても、高齢で新しく何かやろうと思わないでしょう。今は株のことだけをしっかり考え、引退した時のことは考えないようにしています。プラスにもマイナスにもならない年が何年も続いて、株は負けてないけれど生活費で資産が減っていく時に『もうダメだな』とやめられたら、ピークのまま引退できて、理想的かもしれませんね」

 最後にこれから投資をする人へ、テスタさんはメッセージを送る。

「やってみて楽しいかどうかはメチャクチャ重要です。楽しくないと続かないですし、それもやってみないとわからないので、とにかくやってみることが大事。まずは始めてみてほしいですね」

テスタさんが保有する高配当銘柄

かつてはデイトレードを行なっていたテスタさんだが、今では中長期的な投資に切り替えている。野性的な勘が必要なデイトレと比べて、高配当株投資は専業トレーダーでなくても行なえる。代表的な銘柄は下記参照。

日本たばこ産業(2914)

2048円(100株) 利回り7.52%

「喫煙率の低下もあり長らく売られ株価は低迷していますが、電子タバコの普及で将来性を感じます」

淺沼組(1852)

4240円(100株) 利回り5.9%

「平均3413円で5万6500株持っていますが、値上がりした今の株価でも5.9%と高配当銘柄です」

三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)

483円(100株) 利回り5.18%

「6万5000株で年間162万円の配当。利回り5.69%の三井住友フィナンシャルグループも持っています」

キヤノン(7751)

2192円(100株) 利回り3.65%

「平均1923円で1万2500株を保有。基本はほったらかしですが、大きく上がったら利益確定することも」

星野リゾート・リート投資法人(3287)

51万6000円(1口) 利回り2.49%

「不労所得といえば大家さん。不動産はすぐに売れないので、リート(不動産投資信託)を買っています」

※株価などのデータは1月22日終値時点のもの。

 

2021年3月 8日 (月)

【日経平均】3日続落<米長期金利上昇への警戒感✍再燃>米株先物も軟化

 〔東京株〕3日続落=米金利上昇を警戒 

時事通信 2021年3月8日(月)15時30分配信

 日経平均株価は前営業日比121円07銭安の2万8743円25銭と3営業日続落。東証株価指数(TOPIX)は2.60ポイント安の1893.58と小反落。朝は自律反発狙いの買いが入ったが、米国の金利上昇に対する警戒感が消えない中で買いは続かず、徐々に売りが優勢となった。出来高は15億1102万株。3日続落。

 ▽ 米先物安になびく

 8日の東京市場は押し目買いや買い戻し優勢で始まったが、米国株の先物が時間外取引で軟化する中、徐々に値下がり銘柄数が増えた。最近の経済統計では景気回復基調が鮮明になっており、素材関連など景気に業績が左右されやすい業種には割安感も手伝って買いが入ったが、値がさの半導体株や情報通信株の下落幅が大きく、日経平均の重しになった。

 米株市場では長期金利の動向に投資家心理が左右されやすい状態が継続している。特に今週は米国債の入札が続くため、「入札後の米金利の動きを確認する必要があり、上値は追えなかった」(大手証券)という。

 朝方は出来高や売買代金が盛り上がったが、後場は株価が値を消すのと歩調を合わせるように代金の伸びも鈍った。東京市場は結局、値動きも商いにも派手さはない、週初らしい終わり方となった。

 225先物3月きりは小幅続落。夜間取引の水準を大きく上回って始まったが、買いの勢いは続かず、その後は売り物に押されてじりじり値を下げた。225オプションの3月きりはプット、コールともに総じて値下がりした。

 世界最大インフレヘッジETF過去最大資金流出熱狂冷めつつ 

Bloomberg 2021年3月4日(木)1時43分配信

 インフレ連動債に投資する世界最大の上場投資信託(ETF)が運用開始以来で最大の資金流出に見舞われた。資産全般で見られたリフレーションを巡る熱狂が冷めつつあることを示す新たな兆候となった。

 ブラックロックのiシェアーズTIPS・ETF(銘柄コード:TIP、運用資産263億ドル=約2兆8000億円)から9億4400万ドルの資金引き揚げがあったことが、ブルームバーグがまとめたデータで明らかになった。

 約17年前に同ETFの運用が開始されて以降、最大の資金流出額となる。この商品は米国債の投資家を物価上昇から保護する。

 原油から銅に至るまで、米景気が今年過熱すると見込む投資戦略はやや勢いを失いつつある。追加経済対策への期待や新型コロナウイルスのワクチン接種開始を背景に、こうした戦略が最近はブームとなっていた。

 iシェアーズTIPS・ETFは2月半ばに下落する以前は、過去最高値水準で取引されていた。資産規模はピーク時に270億ドルに上った。

 債券市場は「一触即発」爆発すれば年内にも米国債利回り2% 

Bloomberg 2021年3月4日(木)23時09分配信

 債券市場は、爆発的に売りが加速して米国債利回りを2%に押し上げてもおかしくない状態にあると、一部のストラテジストはみている。

 INGグループによると、期間が長めの債券を保有することについて投資家の姿勢は「控えめに言っても」慎重になっており、相場が弱含む兆候が少しでもあれば急激な売りが始まる可能性が高くなっている。

 同行のストラテジストらは10年物米国債の利回りが現水準からさらに50ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇すると予想。BNPパリバも年末までに2%に達するとみている。

 3日には英国が予想以上の債券発行計画を発表した。インフレ加速で金融当局が政策引き締めを開始しかねないとの恐れに、供給増の懸念が加わった。さらに、流動性低下が市場の動きを激しくするリスクもある。

 パドライク・ハービー氏らINGのストラテジストはリポートで、「債券市場は先週以来、一触即発の状態だ。この状況で、売りの兆しが表れた途端に投資家が逃げ出したとしても責められないだろう」と指摘した。

 先週の乱高下と低調な入札の後、米国債市場の流動性が注視されている。30年債のビッド価格とオファー価格のスプレッドは2020年3月のパニック時以来の大きさとなった。

 金利の行方を占う上でINGが重視するのは米5年債だ。みずほインターナショナルも同意見で、5年債利回りの0.75%をリスクの高い株式およびクレジット市場にきつい調整が起こり得る警戒ラインとして示唆した。この水準は先週破られたが、ロンドン時間4日の取引では0.72%前後で推移している。

 BNPのストラテジストは、市場が2022年終わりごろの米利上げを織り込んでいるとみて、今年末の利回り予想を2%に引き上げた。当局がハト派的な論調を繰り返しても債券売りが止まらず、連邦準備制度が債券購入を現在の月額1200億ドル(約13兆円)から増やさざるを得なくなることがリスクだと同社は考えている。

 サム・リントンブラウン氏らストラテジストはリポートで 「資産市場の相関が崩壊し米国債市場の流動性が消失すれば、当局は金融環境の悪化を抑えるために行動を促される公算が大きい」と分析。22年末より前の利上げは予想していないが、市場が早い利上げを織り込むことはあり得るとも指摘した。

 イーロン・マスクが「ビットコイン爆買い」でテスラ株がった 

現代ビジネス 2021年3月9日(火)5時01分配信/宿輪純一(帝京大学経済学部教授)

暴落の原因

 昨年、株価の上昇を先導した“EV”(電気自動車)の「テスラ」の株価が下落している。最近のバブルの如き過熱感のある株高の暴落のきっかけになるかもしれず、注意が必要である。

  ニューヨーク市場、バブって落ちるテスラ社株価、3ヵ月の推移

 最近、世界的な環境ブームが来て、その象徴としてEVブームも起こっている。国内自動車メーカーも健闘しているものの、テスラの人気が上昇し、株価も2010年の上場時から200倍に上昇した。2020年12月期には初の最終黒字を計上した。

 しかし、2月の後半から株価下落が始まった。折しも製品の大幅な値下げも行っており、売上げ不安も市場にあった。

 今回のテスラ株の下落の主因は、同社が2月8日に約15億ドル相当(約1600憶円)のビットコインを購入したと発表したことであると、筆者は考えている。

 市場は当初、「イーロン・マスクがビットコインが高すぎる」といったことを問題視した。そんなことでは株価は落ちないし、買った資産をわざわざ落とす投資家はなかなかいない。

地球環境の敵・ビットコイン

 そもそもの問題はビットコインを始めとした仮想通貨は環境に悪影響を与えるからである。仮想通貨にはマイニング(採掘)という膨大な確認計算が必要であり、膨大な電力を消費する。

 また、マイニングの特徴として安定的な電力供給が必要になる。すなわち、風力、水力、太陽光などの再生エネルギーは使うことができないということになる。

 そのため、仮想通貨のマイニングは火力発電所の電力が使われている。それも、イラン、カザフスタン、そして中国の西端の新疆ウィグル自治区で、非常に安い石炭火力発電の電力を使い行われている。

 中国では仮想通貨自体の取引は禁止されている。マイニングも、以前は四川省、雲南省、内モンゴル自治区、チベット自治区で行われていたが、電力を膨大に消費するためか、さらに外れたエリアに移動している。

まだ消えない石炭火力

 石炭発電は二酸化炭素(CO2)を大量に発生させ、環境負荷が極めて高い。ちなみに、日本ではLNG(液化天然ガス)の火力発電に主力を移行している。CO2の発生量は石炭発電と比べて半分となっている。日本の原子力発電の本格稼働はまだ少し先のことになりそうである。

 日本企業はいきなり舵を切る性格があって、いまや石炭は全てダメということになりつつある。この部分は国内では良いのではあるが、海外展開の部分で、国際競争力の観点では考えさせられる。

 環境問題は日本国内だけで頑張ってもダメで、海外も含めて対応しなければ意味がないところが難しい。そして、日本が頑張っても世界各国が付いてくるとは限らない。

 世界の石炭火力発電の状況を見ると、中国は原子力発電の建設しているが、石炭火力発電の建設もまた進めている。石炭火力発電にも効率がいろいろあり、最近、建設しているものは効率が良いもので、過渡期的に環境にとってより良い選択となっているという考えである。

本当のエコって何だ

 環境問題は省エネと近い関係にある。単体ではCO2を排出しないデジタル化したシステムも、その電力消費量を確認しなければ環境負荷を下げたことにはならない。

 日本は電力需要が供給量のほぼ100%まで達しつつあり、EV(電気自動車)が増えることは、単純にさらに電力消費量が増えていくことに繋がる。

 その観点では、現在の全体的な方向は、「システム自身での発電」に向かっている。その点では、ハイブリッド車(HV)は自身の発電機能を持っている。

 折しも、米国テキサス州では大規模停電が発生した。先進国とみなされていた米国でさえもそのような事態が発生した。環境負荷の低い電力の需要が増え続けても、供給とのバランスをとり続けることが出来るのか。

 まずは投資の面でも、環境問題はブームが起こっている。この投資家の目が、市場の「見えざる手」となってくれれば良いのであるが。

 テスラ株急落で時価総額3000億㌦喪失EVバブル崩壊? 

Forbes JAPAN 2021年3月9日(火)11時30分配信

 昨年、S&P500銘柄の中で最も高いパフォーマンスをあげたEV(電気自動車)メーカー、テスラの株価は3月8日、直近の3ヶ月の最低レベルに下落した。パンデミック後の景気回復への期待が高まり、市場全体が上昇基調にあるのとは対照的に、ハイテク株の活況は終わったかのように見える。

 8日午後にダウ平均が400ポイント以上も上昇した一方で、テスラの株価は最大6%下落した。バイデン大統領の1.9兆ドル(約200兆円)の景気刺激策が6日に連邦上院を通過したのを受けて、投資家の関心はこの日4%高となったゼネラル・エレクトリックなどの景気循環株の優良銘柄に移り、テック銘柄から離れつつある。

 テスラ株は先週だけで20%下落しており、4日には長年のテスラ支持者として知られる投資家のロン・バロンが、CNBCの取材に「リスク管理のために180万株を売却する」という苦渋の決断を宣言したことを受けて8%の急落となっていた。

 テスラ株は現在、560ドル台での取引となっている。バロンは、テスラの株価が今後10年で2000ドルに急騰する可能性があると繰り返し述べたが、今回の売却は2014年に彼がテスラ株を買い始めて以降に、20倍近く上昇したポートフォリオのリスク低減に役立ったと述べた。彼の発言は、投資家の間に広がるテスラ株のボラティリティの高さに対する懸念を表している。

 テスラ株の急落は、米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長が4日、経済の回復に伴ってインフレ率が上昇すると発言したことで、さらに加速した。投資家の間では、物価上昇によってFRBが予想より早い利上げを強いられるとの懸念が出ており、この発言を受けて米国株は下落した。

「10年物米国債の利回りの上昇は、高騰した銘柄により強い打撃を与える傾向がある」 と、アリー・インベストのチーフ投資ストラテジストのリンジー・ベルは4日のノートで述べ、「これがテスラやペロトンなどが今年30%以上下落した理由だ」と付け加えた。

 ウェドブッシュの著名アナリストのダン・アイブズは8日のメモで、「過去1ヶ月の間、EVセクターは激しく売り込まれており、ハイテク株とともに過去1年間の歴史的な上昇の後に、著しい下落になっている」と述べた。

EVセクター全体が下落

「ここ数週間のEVセクターの弱さの申し子はテスラだった」と彼は付け加え、テスラの競合のニコラの株価も今年に入り9%下落していることに触れ、競争の加熱やチップ不足、中国での需要の減少を指摘した。

 テスラ株は8日の市場で、S&P500 構成上位10銘柄の中で最悪のパフォーマンスを示した。他の大きなアンダーパフォーマーとしては、アップルとアルファベットが挙げられ、いずれも約3%下落した

 テスラの株価は、1年前との比較では365%高となっているが、1月26日の最高値からは35%急落している。

 テスラの時価総額は、1月26日に8480億ドルを記録したが、その後の株価の急落によって3080億ドルも減少した。フォーブスは同社のCEOで会長のイーロン・マスクの保有資産を現在約1450億ドルと試算している。

 バフェット氏の親友の資産管理人が語るバリュー投資 

36KrJapan 2021年3月9日(火)8時00分配信

 米バークシャー・ハサウェイの副総裁で、ウォーレン・バフェット氏の親友でもあるチャーリー・マンガー氏の個人資産の管理を任されているのは、中国系米国人の李録氏だ。李氏自身も優れた投資家であり、彼が運営する「Himalaya Partners」は、1997年発足以来の年平均収益率は20%以上となっている。そんな彼にインタビューをするチャンスがあり、バリュー投資という理念や、現在の市場についての見解を聞いた。

新興企業について

 バリュー投資の理念を持つ投資家のなかには、過去20年間の中国における最高のバリュー投資の対象はテンセントだと考える人がいる。しかし、テンセントの上場当初から投資した人は数百倍の収益を手にしたかもしれないが、今から投資してもそれほど高い見返りはない。それなら、どのように流通市場で高い成長性を持つ新興企業を見つければいいのでしょうか。

「すべての投資が100倍の利益を目指さなければいけないという話ではない。資本の収益を見るときは複利で考えることが必要だ。過去200年を振り返れば、複利による収益は実に75万倍に上るからだ」

 今はビジネスにとってどのような時代でしょうか

「過去200年の間に、人類は3回の大きな変革を経験した。蒸気機関、電気の普及、そして情報革命だ。今はまさに革命的な変化が起きている最中だ」

 モバイル・インターネットはこの変革においてどのような位置づけでしょうか

「ほんの小さな波に過ぎない。変革は40年前から始まっているが、まだまだ続くだろう」

 そうした「革命的な変化」の渦中にあるからこそ、急成長する企業に投資するチャンスではないでしょうか

「投資家はまず、ほとんどのチャンスは捉えられないものだということに気づかなければならない。それぞれに得意分野があるからだ。1年で評価額が5倍上がる企業もあり、みんなが注目するが、私はそれらに全く興味がない」

バリュー投資について

わからないものには投資しないというのがバリュー投資の中核となる理念ですが、米国にいながら中国の企業を十分わかっているとする根拠は何でしょうか

「企業をわかっているというのはすべてを知悉するということではなく、最も重要なことを知っていればいいということだ」

 たとえばBYDに投資した際は何が最も重要だったでしょうか

「BYDの創業者が優れたエンジニアであり、起業以降30万ドル(約3200万円)の借金しかしておらず、上場まで外部の投資家がいなかったことだ」

 BYDはテクノロジー企業ですが、バークシャー・ハサウェイはテクノロジー企業にあまり投資しませんBYDは例外ということですか

「テクノロジー企業に投資しないわけではなく、知らない企業に投資しないだけだ。IBMには110億ドル(約1兆2000億円)投資したが、それは相手をよく理解していたからで、テクノロジー企業かどうかは関係ない」

 バリュー投資理論は100年以上前に生まれたもので、理屈は非常にシンプルですしかしなぜ実践できる人が少ないのでしょうか

「人間の弱点が変わらないからだ。いつでも売買できる株を持っていると、人間はカジノにいるかのようにギャンブルしたくなる。そのような欲望を持たない人こそが投資をやるべきだ」

思考法について

 チャーリー・マンガー氏からは何を学んだのでしょうか

「あまりにも多くのことを学んだ。私の視野を広げてくれたし、思考の盲点を指摘してくれた。たとえば彼はよく逆転の発想をする。逆転の発想とは、周りがどうすれば成功できるかを考えているときに、どうすれば失敗してしまうのかを考えるということだ。その考えに基づき失敗を避けていくと、成功もそれほど難しくなくなる」

 あなたはこれまで数奇といえる人生を送ってきましたが、その経歴からどのような影響を受けたのでしょうか

「人生は一人ひとり異なる。選べるものではないし、評価を下せるものでもない。手持ちのカードでできるだけのことをすればいい」

「それから、山に登るルートは一本ではない。ヒマラヤに登頂するためのルートはたくさんあるのだ」

 あなたの投資会社はヒマラヤという名ですが、これは業界最高の投資会社になるという意味合いを込めているのでしょうか

「私は最大規模のファンドを運営する野心もなければ、最高額の収益を出したいという考えもない」

「思うに、人生で大事なことは2つある。まず、他人にとって役に立つ人間となること。それは友人、父親、夫としてでもいい、誰かの役に立つ、または社会の役に立つことが大事だ。もう一つは、絶えず自分を高めていくこと。財産を増やす、知識を増やすなどがそうだ。だからヒマラヤというのは、そうした人生のプロセスの比喩だ。この山は一筋縄では行かない、時間がかかっても登り切る方法を見つけなくてはならないという意味だ」

 

2021年3月 5日 (金)

【コロナバブル】崩壊✍何故<米長期金利は上昇したのか>日経平均も連れ安

 株価が「かなり不安定になっている」本当の理由 

東洋経済オンライン 2021年3月5日(金)5時51分配信/村上 尚己(エコノミスト)

 世界の株式市場の値動きが荒くなっている。アメリカの長期金利上昇が懸念され、日本でも3万円の大台にのせた日経平均株価が2月26日に3万円を割り込んだ後、3月4日には2万9000円も下回った。

 アメリカの10年物国債金利は2月25日に1.6%に一瞬達する急騰をみせた後、翌日には1.4%前後に低下するなど、高い変動率を伴いながら約1カ月で約0.4%も上昇した。

 オファー・ビット(売り手の希望価格と買い手の希望価格)の価格差が広がるなど債券市場の流動性が低下したことが、米欧の長期金利の大きな変動をもたらしたとみられる。多くの債券投資家が想定していた水準を超えて長期金利が上昇したことで、需給悪化への思惑から売りが売りを呼んだのだろう。そして、妥当な金利水準が不明になり投資を手控える動きが強まったことも、パニック的な売り(大幅な金利上昇)を招いた。

なぜ新たな材料もないのに長期金利が上昇したのか

 もっとも、今年1月半ばから、アメリカの経済動向そして金融財政政策など、本来長期金利に影響する重要かつ新たな材料はほとんどないので、ファンダメンタルズ要因で最近の金利上昇を直接説明することは難しい。

 実際には、アメリカ経済正常化が実現するとの思惑は、昨年の大統領選挙後から、金融市場の中ではくすぶっていたのだろう。

 そして、2月19日のコラム「アメリカで『ひどいインフレが起きる』は本当か」で紹介した、ジョー・バイデン政権が打ち出した財政政策がインフレをもたらすリスクを指摘するハーバード大学のローレンス・サマーズ教授の発言などが報じられ、経済状況を改めて認識した債券投資家の心理が揺らいだとみられる。

 もちろん、バイデン政権が拡張的な財政政策を掲げていることは、昨年からすでにはっきりしていた。

 同政権による財政政策などがアメリカの経済成長率を押し上げると筆者は予想しており、大統領選挙直後から株高が続くと見込んだが(2020年11月13日のコラム「2021年も米国株は上昇するといえる充分な理由」)、ほぼ想定通り、年明け以降も株式市場は順調だ。

 債券市場の投資家は、株式市場の値動きを横目にしていたが、アメリカの経済回復シナリオに対して総じて懐疑的にみていたのだろう。そして、連邦準備制度理事会(FRB)の金融緩和強化が続くので、低金利が永続するかのような幻想が広がっていたように思われる。

なぜ債券市場の心理はインフレ警戒へと転じたのか

 その結果、FRBの金融緩和と政府の財政政策が、将来の経済回復やインフレ上昇をもたらす、経済の教科書通りの「動的な視点」が希薄になっていたとみられる。

 だが政策発動によって、経済成長率が高まるのはむしろ必然である。株式市場の投資家は景気循環の変動に敏感な一方で、債券市場がこの変化に鈍感になるケースはこれまでもたびたびあった。今回、それが繰り返されたのだと筆者は認識している。

 また、2月中旬までの長期金利上昇は、インフレ期待の上昇が主たる要因だった。

 ただ2月末に見られた大幅な金利上昇は、FRBの継続的な利上げが2023年に始まるとの予想が織り込まれながら、年限が短い短中期金利を含めて金利全般が上昇した。FRBメンバーの想定よりも早い2023年からの持続的な利上げを織り込むまでに、債券市場の心理がインフレ警戒方向へと真逆に転じたのである。

 市場参加者に対する最近の調査では、コロナ後のリスクはデフレよりもインフレとの見方に変わったことが示されていた。

 こうしたなかで、年初までみられた「金融緩和が徹底されるので、アメリカの長期金利は日本同様に上がらないとの極端な見方」から、「コロナ後にはインフレが加速するのでFRBが早々に利上げに踏み出さざるをえなくなるとの見方」へと、真逆の方向に転じた。こうした投資家の期待のスイングを意味する最近のアメリカの金利上昇は、スピード違反だと筆者は考えている。

 コロナ克服後(コロナ克服には時間がかかるリスクは残っている)の経済状況、インフレ率に関して、この3カ月で筆者自身の見方はほとんど変わっていない。昨年11月の大統領選挙でバイデン氏が勝利し、ほぼ同時期に最先端技術で開発されたワクチンの良好な治験結果が示されたが、これらを超える大きな出来事はほぼないだろう。

 2021年のアメリカ経済は5%近い高成長に加速すると筆者は予想しているが、一方で、インフレ率が持続的に上昇する可能性は低いと見ている。このため、インフレ警戒的に転じた債券市場が懸念する、FRBの想定が前倒しを迫られるような、インフレ上昇が起こる可能性は低いとみている。

なぜインフレリスクは大きくないのか

 そして、2月19日にも書いたが、元財務長官のローレンス・サマーズ氏が言及した、財政政策に起因するインフレリスクは大きくないと見ている。2021年に経済成長率が加速するとしても、基調的なインフレ率を左右する労働市場の回復が遅れる可能性が高いと考えているからである。

 新型コロナによって産業構造が大きく変わるとみられるが、これに伴い雇用資源のシフトも同時に起こるだろう。アメリカの労働市場は日欧よりは流動的ではあるが、それでも雇用の産業を超えたシフトが進むには時間がかかると予想する。

 つまり、労働市場が、FRBが目指す完全雇用に達するには、かなりの時間を要するのではないか。このため、大規模な財政政策の発動によって、いわゆる需給ギャップは縮小しても、それがインフレ率の上昇に直結しないと予想している。

 コロナバブルいつ弾ける?ビットコイン買うべき?

デイリー新潮 2021年3月5日(金)5時56分配信

 コロナ禍で実体経済はズタズタなのに日経平均株価は3万円を突破、ビットコインは1単位500万円超え。一体何が起こっているのか。「コロナ・バブル」はいつ崩壊するのか。専門家7人の分析を重ね合わせれば、あなたの資産を防衛する術が見えてくる――。

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 東証1部に上場する企業のうち、2月4日までに決算を発表した636社(金融を除く)についてSMBC日興証券が集計したところ、6割の384社が赤字か減益となったという。多くの企業が長引くコロナ禍に喘いでいることが分かる数字である。

 しかし、株式市場に目を転じると、そうした企業の悲愴感は全く反映されていないといっていいだろう。それどころか2月15日、日経平均株価は30年半ぶりに終値が3万円に到達。現下の経済状況が嘘のような活況を呈しているのである。

 マネックス証券の松本大社長は今から約3年半前、2017年11月に「日経平均株価は3万円に達する」と“予言”していた。3万円に到達する時期は「19年3月末までに」としていたから、2年ほど遅れての“予言的中”である。

「去年の9月時点で見通しをアップデートして、今まで以上に日経平均が3万円に達するのは確実である、とHPで発表しました」

 松本社長はそう語る。

「コロナの影響もあって現在は超大規模な金融緩和が行われている。そうなると、ダムに水が入ると底にあった船が浮かぶように株は上がりやすくなる。その通りになったというだけで、我々のスタンスは3年半前から変わっていません」

 その「スタンス」とは、

「以前と比べて日本の企業の“性能”はかなり良くなってきており、稼ぐ力も、いわゆるコーポレートガバナンスも強化されている。だから日本の株価も今後はアメリカの株と同じように、上下動しながらも上がっていくだろう、と3年半前に言ったわけです。その考えは今も変わっていません」

 実体経済と株価の乖離を指摘する声があることについてはこう話す。

「80年代のバブルが崩壊した時、日経平均は4万円近くから1万円以下まで下落し、約4分の1になった。あの時、GDPはほとんど変化しなかった。そのことからも分かる通り、株価は実体経済よりは、企業の“性能”との連関の方が大きいと思います。例えば、海外で稼いでいる企業にとって日本の経済の状況はあまり関係ありませんから」

 では、今回の株高においては「バブル崩壊」の悪夢は起こらないのか。

「平成のバブル崩壊は、銀行などが金を貸し過ぎていて、当時の大蔵省が不動産融資の総量規制をしたことも一因となって起こったわけですが、今の状況はそれとは全然違います」

 と、松本社長。

「今回はコロナで実体経済が痛んでいるから大規模な金融緩和をやっている。そんな中、効果のあるワクチンが国民に行き届いたからといって、急に金融緩和をやめることはないはずです。今後、調整局面はあるでしょうが、バブルが弾けるというような現象は起こらないと思います」

 株価の今後については、

「いつまでにいくらと予想をするのはやめますが、今後も日本の株価は上下動しながらも上がっていくと思います」

機関投資家の売る口実

 第一生命経済研究所首席エコノミストの永濱利廣氏は現状をどう見ているのか。

「今の相場はある意味、新型コロナ感染症のせいで異常な事態になっていると言えます。景気の回復を先取りして株価が上がる、という一般の感覚では理解しにくいことが起こっています」

 と、永濱氏は言う。

「ここまで株価が上がっているのはコロナショックが原因で、その根底にあるのは世界の金融・財政政策です。世界的な金あまりの結果、行き場を失ったお金が実体経済ではなく、株式市場に向かっていると考えられます。金融緩和はコロナで傷ついた実体経済を立て直すために行われているものですが、ウイルスが無くならなければ経済は本格的に動きださない。消去法的にお金は金融市場に向かっています」

 今の株価が「バブル」かどうかについては、

「最近、情報番組などでも株について取り上げ始めているのを見ると、確かにちょっと過熱気味なのかな、とは感じます」

 とした上で、今後についてはこう占う。

「ファンダメンタルズ(経済の基礎的条件)から逸脱している今の相場の将来を当てるのは相当難しいですが、あえて言えば、金融・財政政策が縮小する観測が出る前が近い将来でのピークと見ています。少なくとも今年の財政に比べて来年の財政が歳出減になるのは間違いないでしょう。マーケットの観測は半年先くらいを読むものなので、早ければ今年半ばくらいから来年の歳出減を見込んだ調整が始まってもおかしくないと考えています」

 おかしな話だが、経済を破壊しているコロナが収束すると、株価が下がり始めるということか。

 ちなみに東京五輪開催の可否が株式市場に与える影響は限定的だという。

「五輪による経済効果の8割以上はすでに出ており、中止によって問題になるのは、観光関連需要などの残り2割くらいです」(同)

 シグマ・キャピタル株式会社チーフエコノミストの田代秀敏氏も、現在の株式市場が実体経済とは関係なく動いていることを指摘した上で、

「機関投資家は、かつては10年先の企業の魅力を見極めて株を売買していましたが、今、彼らが気にしているのは金融緩和の恩恵が株に向かうのか国債に向かうのかということです」

 と、こう語る。

「現在、日本株はここまで値上がりしているので機関投資家は売りたいと考えているはずです。しかし、売った後にさらに値上がりすると彼らは責任を取らされることになるのでよい売り時を探っている。例えば、今アメリカを歴史的な大寒波が襲っていますが、こういう出来事が“売る口実”になる可能性もあります」

 経済アナリストの森永卓郎氏はこんな見方。

「2000年のITバブルの際は79カ月、08年のリーマンショック前の金融バブルは52カ月で崩壊しましたが、今回のバブルは1月末ですでに80カ月にわたっており、いつ崩壊してもおかしくない。その引き金となる可能性があるのがアメリカの長期金利。今、じわじわと上がってきており、これが2%になったら黄信号、3%になったら完全に赤信号です」

 実体経済からかけ離れた「株バブル」。それと同様の“過熱”ぶりを見せているのが、代表的な暗号資産のビットコインである。09年についた初価格は1単位あたり約0・07円だったのだが、この2月16日には1単位あたり5万ドル(約525万円)の大台を初めて超えた。1単位あたり1千万円超えも夢ではない、といった強気な声も聞こえてくるが、一体何が起こっているのか。

 実はビットコインの価格がバブルの様相を呈するのは今回が初めてではない。17年の初めには1単位12万円弱に過ぎなかったが、同年12月に一時、230万円を記録したのだ。ただし翌年には下落傾向となり、18年12月には30万円台に。それが再び上昇傾向となるのが19年春で、その後、乱高下を繰り返したものの、ここへきてついに500万円を超えたわけだ。

 先の田代氏が言う。

「歴史的なバブルごとに、3年間でどれだけ資産価格が上昇したかをドイツ銀行がまとめたデータがあります。1位は1637年にオランダでチューリップの球根が暴騰した『チューリップバブル』で2200%。2位は1720年、詐欺師ジョン・ローに起因してフランスで発生した『ミシシッピバブル』で1900%。そして3位が2019年から始まったビットコインバブルで988%です」

 なにゆえこれほど凄まじい上がり方をしているのか。

「17年のバブルと今回の違いは、前回は個人投資家が主役だったのに対して、今回は企業などが主体である点です。アメリカのマイクロストラテジーやペイパル、スクエアといったITの大企業が参入。2月8日にはイーロン・マスク氏率いるテスラ社がこれまでに15億ドル(約1600億円)分を購入していたことを明らかにしました」

 そう語る投資ライターの高城泰氏はビットコインの今後について、

「基本的にはまだ値上がりするものと見ています」

 と話す。確かに企業が大量購入すれば信頼が高まり、さらに期待が膨らむ。だが、麗澤大学経済学部教授の中島真志氏は、

「まるで相場操縦のようなテスラ社の一連の動きを見ていても、ビットコインの危うさを感じます」

 と、こう指摘する。

「ビットコインに根源的な価値があるのか、誰にも分かりません。結局、何に基づいていて上がっているかというと、“今後ビットコインは広がっていくだろう”といった思惑や信頼があるだけです。その思惑や信頼が崩れた時は怖い」

 実際、14年には470億円のビットコインが盗まれる「マウントゴックス事件」が起こり、価格は急落した。

「今回もバブル崩壊の危険性は拭い去れないと思います。ここ1年くらいは、機関投資家が入ってきたり、ファンドの準備ができてきたり、ずっと買い要因が続いている。つまり、皆が買っている状態ですが、それが一段落したところでどうなるのかという感じはします」(同)

ギャンブルそのもの

 慶応大学経済学部教授の竹森俊平氏も中島氏同様、現在のビットコインを巡るキーパーソンとしてイーロン・マスク氏の名をあげる。

「イーロン・マスクは自分がビットコインを褒めたたえればバーッと投資家が寄り付くことが分かっている。彼自身、ある程度ビットコインを買っておいて、自分の発言でビットコインの価格を上げる。彼ほど著名であれば、自身の発言一つで大儲けすることができるわけです。でも、それはそれ以上のものではない。それによってビットコインの価値が安定するわけではないのです」

 では、ビットコインとは“何物”なのか。

「ビットコインが世界の富や生産力を増やしているかといえばそんなことは全くない。儲ける人と損する人がいる。それだけの話。だから、ビットコインはギャンブルそのものなのです。株なら持っていれば配当が期待できる。土地なら、価格がいくら下がろうと土地自体は残る。ところが、ビットコインでは“これは上がるかもしれない”という皆の期待自体がその価値なわけです」(同)

 皆が「上がるぞ」との期待を持ち続ければ理論上、価格は上がっていくが、

「価格上昇で儲けを出して途中で逃げようという人もたくさんいるわけですから、当然、途中で価格が一気に下落することもある。そして、価格が下落した時、手元には何も残らない。もし日本円でそんなことが起これば、“何とかしてくれ”と国や日銀に泣きつくこともできますが、ビットコインではそれすら叶わないのです」

 竹森氏はそう指摘する。

「ビットコインの価格は、皆がそこにどれだけ投機をするかによって決まる。人が集まってきて価格が上がることもあれば、人が逃げて下がることもある。そういった基本的な不安定性は今後も変わらないし、ビットコインにはプロもいない。株の場合は各産業についての情報を持つプロがいますが、ビットコインは完全なギャンブル。理論的に考えて今が買いだ、といったことは言えないのです」

 知人がビットコインで大儲けしたから自分も……と考えている方は要注意。それはパチンコ店で、周囲の台がドル箱を積み上げているのを見て自分の台も出ると思い込み、狂ったように金を注ぎ込む客の行為と何ら変わりがないのだ。

 〔東京株〕小幅続落65円安終値2万8864円、米金利眺め小動き 

時事通信 2021年3月5日(金)15時30分配信

 5日の東京株式市場の日経平均株価は、前営業日比65円79銭安の2万8864円32銭で終了した。

 東証1部全銘柄の値動きを示す東証株価指数(TOPIX)は、11.44ポイント高の1896.18で終了した。

東京外為

 5日午後の東京外国為替市場のドルの対円相場(気配値)は、米長期金利の動向などを眺め、1ドル=108円台前半中心に小動きに推移している。午後3時現在、108円10~11銭と前日(午後5時、107円15~15銭)比95銭のドル高・円安。

 早朝は107円90銭台で取引され、午前8時台に買いが強まり、一時108円近辺に浮上。しかし上値は重く、さらに日経平均株価の大幅下落を背景としたリスク回避の円買いも加わり、午前10時前後には107円80銭前後に値を下げた。

 その後は米長期金利が時間外取引で上昇をしたことから、再び108円台に水準を切り上げている。

 前日の海外市場ではパウエルFRB議長が足元の米長期金利水準について強い警戒感を示さなかったことから米金利が上昇し、ドル高をけん引した。ただ、市場では「ドルが急に上がり過ぎている」(銀行系証券)との指摘も聞かれる。

 日本時間今夜発表の米雇用統計については「結果を受けて米金利が1.6%台を超えていく方向になれば再びドル円も急な動きになる可能性がある」(同)と注目が集まっている。

FPB議長同情示さず‐米国債利回り上昇でFAANG売り

Bloomberg 2021年3月5日(金)14時07分配信

 ハイテク大手のフェイスブック、アマゾン・ドット・コム、アップル、ネットフリックス、グーグル親会社アルファベットから成るFAANG銘柄の時価総額が一段と膨らんでいた昨夏、これら銘柄の勢いが止まるのは、新型コロナウイルス禍からの景気回復が明確になった時だけだろうとの説が浮上した

 今年に入って最悪のFAANG売りが始まって3週間たった現在、この説の先見性が明らかになりつつある。人々の在宅状態が長期にわたって続くとの見方から昨年48%上昇したナスダック100種株価指数は現在、調整局面に向かっている

 4日のパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長の発言は基本的に、上向きつつある経済の一段の回復に取り組む意向の再表明にとどまった。これを受け、ナスダック100種はこの日、1.7%下落した。

 FAANG銘柄急落の主因は2つある。1つは経済への楽観的な見方が米国債利回りを押し上げた結果、投資家の資金が米国債にも流れ、ハイテクバブルの水準まで上昇していたバリュエーション(株価評価)に下押し圧力がかかったことだ。

 パウエル議長は4日、長期金利急上昇への動揺を示唆する発言はほとんどせず、それによる株式への影響に関する懸念も示さなかった。議長の発言内容が伝わると、米国債市場で10年債利回りは1.55%を超えた。

 パウエルFRB議長、ハト派メッセージ発するも市場は失望感 

 ミラー・タバクのチーフ市場ストラテジスト、マット・メイリー氏はFAANGについて、「米金融当局がこれらの企業を懸念しないのは、優れた会社が全て優れた銘柄とは限らないからだ。時に先走ることがある」と説明した。

 もう1つの急落要因は、景気が回復した時に自動化・オンライン関連銘柄の価値がどうなるか不透明なことだ。このところ、利益の伸びに注目される企業といえばアマゾンやアップルなど一部に限られていた。しかし現在、はるかに多くの企業が増益となり得るため、FAANGの輝きが相対的に失われつつある。

 

2021年3月 4日 (木)

【日経平均】大幅反落<米株の割高感を懸念>一時2万9千円割れ

〔東京株〕急反落金利上昇を警戒(4日)

時事通信 2021年3月4日(木)15時30分配信

 米国の長期金利の上昇に対する警戒感が広がり、日経平均株価は前日比628円99銭安の2万8930円11銭と急反落。東証株価指数(TOPIX)も19.80ポイント安の1884.74と下落した。

 東証1部の銘柄の59%が値下がりし、値上がりは36%だった。出来高は12億8561万株、売買代金が2兆7612億円。

 業種別株価指数(33業種)は非鉄金属、情報・通信業、その他製品の下落が目立ち、上昇は海運業、不動産業、銀行業など。

 ▽ 一時800円超安

 前日の米国市場での株安の流れを受け、朝方から売りが優勢だった。日経平均株価は軟調に推移し、午前の取引時間中に節目となる2万9000円を割り込んだ。

 アジア各国の市場でも株価の下落が目立ち、東京市場は主力株を中心に幅広い銘柄が売られた。日経平均は午後に入って一段安となって下げ幅が800円を超える場面もあったが、その後は下げ渋った。

 菅義偉首相が前日、首都圏の緊急事態宣言の期限を延長する方向性を打ち出したが、市場関係者は「延長は織り込み済み。きょうの株安にほとんど影響していない」(銀行系証券)と指摘した。

 225先物3月きりは大幅安。株価指数オプション取引はプットは値上がり、コールは値下がり。

 〔米国株〕NYダウ続落、121ドル安=ハイテク銘柄の割高感懸念 

時事通信 2021年3月4日(木)7時00分配信

 3日のニューヨーク株式相場は、ハイテク株に売りが膨らむ中、続落した。優良株で構成するダウ工業株30種平均は前日終値比121.43ドル安の3万1270.09ドルで終了。ハイテク株中心のナスダック総合指数は361.04ポイント安の1万2997.75で引けた。

 ニューヨーク証券取引所の出来高は前日比1338万株増の12億7107万株。

 長期金利の指標である10年物米国債利回りが上昇する中、低金利を背景に買われてきたハイテク銘柄の割高感が再び強まり、これらの株が売り込まれた。

 この日のダウは取引終盤に下げ足を速めた。ただ、米追加経済対策の早期成立期待や新型コロナウイルスワクチン普及による経済正常化時期が早まるとの見方が広がり、景気敏感株が買われ、ほぼ終日底堅い値動きを維持した。

 午前に発表された米サプライ管理協会(ISM)の2月の米サービス業購買担当者景況指数(PMI)と、米民間雇用サービス会社ADPの2月の全米雇用報告で非農業部門の民間就業者数(季節調整済み)の伸びがそれぞれ市場予想(ロイター通信調べ)を下回ったことは、弱材料だった。

 業種別では、IT、一般消費財、通信、ヘルスケア、不動産、公益などが軟調。原油相場高を眺めてエネルギーのほか、金融が堅調だった。ナスダック総合指数は1万3000を割り込み、終値ベースの下落率は2.7%に達した。

 市場では「特に何か新しいニュースがあった訳ではない。金利動向をにらみながら、ハイテク株が売られやすい状態は続くのではないか」(日系証券)との指摘が聞かれた。

 「金利が上がると株価が下がるのは何故?

MONEY PLUS 2021年3月4日(木)7時30分配信

 2月の最終日、26日の日経平均株価は1202円の大幅下落となり、今月5日以来の2万9000円を下回りました。

 下落の主因は米国の金利高です。米10年債利回りが一時1.61%と、昨年2月以来の水準まで上昇しました。これまでの株高を支えてきた背景には超低金利があります。足元の金利が高まったことで株高要因が崩れ始めたとの懸念が強まり、株安を引き起こしました。

 その翌営業日となる3月1日の日経平均株価は697円高と反発しました。これは一旦高まった米国10年債利回りが1.4%台前半に再び低下したためです。金利の上昇が一服し、投資家の不安心理が後退したことが理由です。

 しかし、株価はなぜこのように金利の動きに過敏反応するのでしょうか。その理由を探るため、今回は「イールドスプレッド」すなわち”利回り差“を取り上げます。

イールドスプレッドとは?

 そもそも、金利が上がるとなぜ株価が下がるのでしょうか。これにはいくつか理由がありますが、基本となる要因ははとても単純です。「株は上がれば儲けも大きいけど、下がれば損するかもしれない。金利が上がるなら安全性が高い債券投資で利回りが確定できた方が良い」と考える人が増えるからです。つまり、金利が上がると株を買いたいと考える人が減るため株価が下落するのです。

 もっと身近で例えるならこんな感じです。「金利が上がり銀行預金の利息が増えるなら、リスクが高い株式投資をしなくても良いのでは?」この考えには頷く人も多いのではないでしょうか。こうした人々の考えが「金利上昇→株安」の根底にあるのです。

 とはいえ、冷静に足元の米国金利の水準を見ると2月末で1.4%と、歴史的な低水準のままです。そんな状況では「債券利回りで十分」などと言う投資家は少ないでしょう。このように金利と株式、それぞれの魅力を比較する尺度がイールドスプレッドです。

 よく使われるのは金利から株式益回りを引くものですが、値がマイナスとなり分かり難いと言われます。そこで分かりやすくするために“株式益回りから金利”を引いて求めてみました。この“株式益回り”ですが、予想EPS (1株当たりの予想純利益)を株価で割ったものです。

 株式を買うのに必要な投資金額は株価ですから、投資金額に対して企業がどの程度の利益を稼げるがかが株式益回りです。多くの利益が見込まれる企業は株式益回りの値も大きくなり、株式投資の魅力が高いことを示します。

 イールドスプレッドはこの株式の魅力に対して、金利がどの程度魅力があるかを相対比較したものです。値がプラスに大きければ債券投資に比べて株式投資の魅力が大きいことを示します。

イールドスプレッドで見る米国株の危険水準は?

 では実際に、米国のイールドスプレッドを確認してみましょう。

 確かに足元にかけて米国10年債の利回りは上昇する動きを見せています。そして、代表的な米国株価指数のS&P500指数の益回りを使ったイールドスプレッドは2月末時点で3.78%まで下がりました。確かに、ここ数年で見ると低位水準とも言えます。

 しかし、筆者は米国のイールドスプレッドでは“3%”を割り込むと株価が相対的な魅力度から危険水準に入ったと見ており、その点から現在の株式魅力にはまだ余裕があるとみています。

 例えば、2008年9月には100年に1度と言われた金融危機のリーマンショックがおきましたが、その直前となる2007年、当時のイールドスプレッドは3%を割り込み1%台にまで低下する場面も見られました。

 近年では2018年9月にイールドスプレッドが3.06%と3%に極めて接近しました。当時は米中貿易摩擦の激化による景気減速懸念と、足元と同様に米金利上昇が背景にありました。その後、3ヶ月間程度と短期間でしたが、米国株は下落しました。

 このように見ていくと、米国イールドスプレッドは近年3%に近づくとちょっと危険なことが分かります。

では日本株の危険水準は?

 さて、これまで米国市場の話を取り上げてきました。「米国株安→日本株安」の関係があるため、米国市場の状況を知っておくことは重要です。しかし、日本株への投資の観点では日本のイールドスプレッドを把握しておく必要があります。米国と日本では、基準となる株価や国債の水準が異なりますから、当然イールドスプレッドの要注意水準も異なります。

 実際に日経平均株価の予想益回りと新発国債10年物の利回りを使って日本イールドスプレッドを見てみましょう。

 足元では、株価が上昇したことから、1株当たりの予想純利益を株価で割った益回りが下がりました。また金利がやや高まってきたこと(2月末の国債利回りが0.16%)からイールドスプレッドは低下しています(2月末で4.43%)。

 筆者は日本株のイールドスプレッドは経験的に4%を下回ると危険水準と見ています。ですからまだ0.43%分の余地があると見ています。

 イールドスプレッドの計算は意外に単純で簡単です。株式益回りのデータは日本経済新聞社のウエブサイトなどから日経平均株価の予想PER(予想株価収益率)の値を取ってきて、その逆数(1÷予想PER)で求めることができます。その値から新発国債10年物の利回りを引けば求められます。

 皆さんも是非計算してみてください。実際に皆さんが株式投資をする時、4%を下回っていないかをチェックしてみることをお勧めします。

 株価乱高下最大要因米長期金利上昇くのか 

マネーポストWEB 2021年3月3日(水)7時00分配信

 各国の株価指数が乱高下しているが、その最大の要因はアメリカ長期金利の変動だ。米国債(10年)を例にとると2月24日の利回りは1.3%台であったが、25日には1.5%台まで上昇した。しかし、その後は落ち着きを取り戻し、3月1日には1.4%台で推移している。

 少し長いトレンドでみると、昨年8月をボトムに反転、2月後半に入り急騰し、足元では少し落ち着くといった動きである。果たしてこの先、再び急騰する可能性はあるのだろうか。

 長期金利の上昇要因を整理してみると、インフレ懸念の高まりが挙げられる。景気見通しが改善している。景気悪化の元凶は新型コロナ禍であるが、それが鎮静化しつつある。

 各種報道によると、アメリカの感染者数は2月28日現在、5万1204人まで減っている。ピークは1月2日に記録した29万9786人なのでこの間、感染者数は83%も減っている。

 感染者数の減少と共にロックダウン政策を見直す地域が増えている。厳しい国境管理は続いているものの、教育機関の閉鎖については既に全国的に解除されており、職場での休業・時短要請、在宅要請などについてはほとんどの地域で行われなくなってきた。ワクチン接種が加速しつつある現在、市場関係者にとって新型コロナ禍は既に過去の出来事となりつつある。

 一方、バイデン大統領が推し進める1兆9000億ドルに及ぶ財政政策(新型コロナ対策)案は政権、民主党による強力な攻勢によって実現の可能性が高まっている。

 新型コロナ流行のフェードアウトは、景気に極めて大きな悪影響を与えた数々の対応策の解除に繋がり、開放感の高まりといった消費者心理の好転によって、消費は自律的に急回復する可能性があるが、そのタイミングでこの強烈な景気対策が加われば、景気は過熱しかねない。

 また、税収が落ち込む中での大型財政政策の発動は必然的に国債の大量増発を伴うが、それは需給悪化、つまり国債価格の下落(利回りの上昇)を引き起こしかねない。

FRBは金融政策の変更には消極的

 もっとも、足元のインフレ率(CPI上昇率、前年同月比)を見る限りでは上昇する気配は見られない。1月は1.4%で昨年12月と変わらず昨年9月以降、トレンドは発生していない。2018年6月、7月には2.9%まで上昇しているが、当時と比べたら現在の水準は充分低い。

 食品とエネルギーを除いたコア指数でみても、個人消費支出価格指数でみても、インフレ率が高まるような兆候は見られない。原油価格、銅価格など商品市況が上昇している中でも、“物価”は安定しているのだ。

 そもそも、FRB(米連邦準備制度理事会)は金融政策の変更には極めて消極的だ。パウエル議長は2月23、24日に行われた議会公聴会で、アメリカ経済への支援継続を改めて示唆している。長期金利の上昇については力強い経済見通しに対する確信の表れだと指摘している。

 FRBはリーマンショック以降、債券市場、株式市場の安定を最重要課題としている。だからこそ、金融政策の正常化、テーパリングを進められずにいる。

 もし、長期金利の上昇が放置できないレベルになりそうであれば、オペレーションを通じて短期金利を低めに誘導するなどイールドカーブを現在よりも強く操作することができる必要ならば、量的緩和の再拡大といった方法で、もっと直接的に長期金利を抑えることもできよう。

 視点を変えれば、アメリカは財政赤字が深刻で、国債発行残高が多く、その消化は決して容易ではない長期金利の上昇は、金融市場においてリーマンショック以上の大惨事を招きかねないだから、FRBは全力で長期金利の上昇を止めようとするし、それができるだけのツールを持つはずだ。

 何だか安心してよいのかどうか、迷ってしまうような話だが、結論としては長期金利の上昇は当面は抑えられるのではないか、と予想される。

 令和の株価バブル恩恵受けるのは… 

マネーポストWEB 2021年3月3日(水)7時00分配信

 日経平均株価が約30年ぶりに3万円の大台を回復した。コロナの感染拡大が始まった昨年3月には一時1万6000円台まで落ち込んだが、そこからわずか1年でざっと2倍に急騰。証券ストラテジストの間では年内にバブル絶頂期の史上最高値3万8915円を超え、「株価4万円」に達するとの見方まで出ている。

 しかし、株価が上がっても、“持たぬ者”には無縁だ。では、この「令和の株価バブル」の恩恵を受けているのは誰なのか。真っ先に挙げられるのがソフトバンクグループの孫正義・会長兼社長やファーストリテイリングの柳井正・会長兼社長ら上場企業の創業者やオーナー経営者たちだろう。

 本誌・週刊ポストは「200億円以上を保有する令和の『ネオ株長者』150人ランキング」(2021年1月15・22日合併号)で、昨年10月末時点の株価と保有株数をもとに1位の孫氏の株資産は約2.5兆円、2位の柳井氏は1.5兆円とする試算を紹介した。現在のソフトバンクグループの株価は4か月前の約1.55倍、ファーストリテイリングも約1.44倍になっており、株高で孫氏は1兆円以上、柳井氏も数千億円単位で資産を増やした計算になる。

 一般投資家はどうか。日本証券業協会の資料によると、日本の個人投資家の人数は20年3月末で約1359万人、国民のざっと1割だ。2019年度末で1人あたり4銘柄を保有し、株の保有金額は平均665万円だった。

 年齢別では60歳以上が603万人で半数近くを占め、「40~60歳未満」が380万人いる。ファイナンシャルプランナーの森田悦子氏が語る。

「今回の株高を牽引する銘柄の一角であるファーストリテイリングは、売買単位の100株を買うのに1000万円近い資金が必要です。一般的な投資家には手に届かない銘柄で、個別銘柄として保有しているのは機関投資家と一部の富裕層にとどまります。近年は新興のスマホ証券で100株に満たない株数でも投資ができる金融機関は増えていますが、こうした新興証券の顧客は若年層が中心です」

 今回の株高の恩恵を受けている層には偏りがあるわけだ。

 政府は年金だけでは老後資産が足りないと国民にNISA(少額投資非課税制度)やiDeCo(個人型確定拠出年金)を推奨し、株や投資信託を始めた人は少なくない。

 日本証券業協会が昨年10月に発表した意識調査によると、個人投資家は年金生活者や管理職以外のサラリーマン、専業主婦で6割以上を占め、平均年収は423万円、過半数が預貯金を合わせた金融資産1000万円未満の層だった。まさに「老後資金」のためにコツコツ少額の投資をしている層と重なる。

 日経新聞電子版(2月1日付)は2018年1月時点で「つみたてNISA」の対象商品だったファンド(投資信託)の99%が昨年末までの運用成績がプラスになっており、とくに日経平均連動型ファンドはどれも3年間120万円の積み立てをした場合の含み益が30万円を超えると報じている。

「早く株や投信を買った人はさぞや老後資金を増やしているだろう」──投資をためらった人の多くはそう考えているのではないか。

 しかし、バラ色なのは一部だ。投資信託にしても、不動産投信(REIT)などは昨年、大幅に下落した。

「高齢層に人気の銘柄の中でも、明暗は大きく分かれています。たとえば、2018年の超大型IPOであるソフトバンク(ソフトバンクグループの通信子会社)は、証券会社がなじみの顧客に販売攻勢をかけたので、積極的な投資をしない顧客でも付き合い感覚で多くの人がIPOに参加しています。上場以降値動きがいまひとつで、持ちっぱなしだった人は昨年9月に20%を超える含み損を抱えました。初値付近に戻ったここ数日で“やれやれ売り”をした人も多かったでしょう」(前出・森田氏)

 株価3万円で大儲けしたのは、外国のヘッジファンドや日本の機関投資家、一握りの資産家の企業オーナー、そして株価を買い支えている日銀と年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)と言えそうだ。

 〔米国株〕NYダウ3日続落、345ドル安=長期金利急上昇が重し 

時事通信 2021年3月5日(金)7時30分配信

 4日のニューヨーク株式相場は、米長期金利の急上昇が重しとなり、3日続落した。優良株で構成するダウ工業株30種平均は前日終値比345.95ドル安の3万0924.14ドルで終了。下げ幅は一時700ドルを超えた。ハイテク株中心のナスダック総合指数は274.28ポイント安の1万2723.47で引けた。

 ニューヨーク証券取引所の出来高は前日比2億9784万株増の15億6891万株。

 米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長はこの日のイベントで、最近の金利急上昇をめぐり「市場の無秩序な動き」に懸念を表明。ただ、新型コロナウイルスワクチンの普及などを背景とするインフレ率上昇は「一時的」との見方を改めて示し、雇用と物価目標の達成まで金融緩和策を続ける姿勢を強調した。

 金利上昇への対策など踏み込んだ発言がなかったことで、市場からは対応が不十分と受け止められ、米国債への売りが膨らんだ。長期金利は取引中盤、短時間で1.48%から1.55%付近まで上昇。主要株価指数もそろって急落した。

 特に、低金利や成長期待を背景に買われてきたハイテク株が金利上昇によって割高感が強まり、大きく売られた。ハイテク株中心のナスダックは2月に付けた史上最高値から10%以上下落し、調整局面入りした。

 売り一巡後、株価はやや下げ幅を縮小。2月の米雇用統計発表を翌日に控えて様子見気分も強まった。

 

2021年3月 1日 (月)

【日経平均】大幅反発「米長期金利の上昇一服も」✍3万円台乗せず

 東証大幅反発697円高 米長期金利の上昇一服 

共同通信 2021年3月1日(月)15時11分配信/高田 創(岡三証券)

 週明け1日の東京株式市場の日経平均株価(225種)は大幅反発した。前週末の急落を受け、大きく売り込まれていた銘柄に改めて買いが入った。米長期金利の上昇一服が市場心理を明るくした。

 終値は前週末比697円49銭高の2万9663円50銭。東証株価指数(TOPIX)は37.99ポイント高の1902.48。出来高は約12億5001万株だった。

 日経平均3万円の意味強気わない歴史的局面を解説 

現代ビジネス 2021年3月1日(月)13時01分配信

米国でも大恐慌の回復に25年かかった

 日経平均が2021年2月、30年ぶりに3万円の水準に戻った(その後、いったん調整があったが3万円近辺を維持している)。バブルのピークである38915円の水準にはまだ差があるが、それでも心理的には大きな節目を超えた。ここまで長期の時間を要したのはバブル崩壊に伴う調整震度があまりに大きかったことを反映したものだ。

 歴史を振り返れば、1929年の米国ニューヨークで始まった世界大恐慌から、NY市場が崩壊直前の水準に戻ったのは四半世紀後の1950年代半ば、まさに第2次世界大戦後の米国黄金時代になってからだった。「パックス・アメリカーナ」とまで称され、この上ない環境にあった米国でも大恐慌の後の調整からの回復には四半世紀の年月を要した。

 それだけに、既に世界の檜舞台から後退した日本が大恐慌並みの資産デフレの調整から戻るには更なる長期の年月を要してもおかしくはないのかもしれない。

バブル崩壊後雪の魔法がかかった冬の時代

 以下の図1は、日本の株式時価総額を1980年代から海外と比較したものだ。

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  図1 世界の株式の時価総額推移

 1989年、平成元年をピークとした株式市場は、平成のバブル崩壊後、海外では右肩上がりの上昇が続いたなか、日本は海外から隔絶された停滞、「日本化現象」が生じた。さらに、資産デフレに加え円高も加わるダブルパンチとなった。

 日本はこの資産デフレに超円高が重なり、さながら「雪の魔法」にかけられたかのような「冬の時代」の長いトンネルに入った。

 資産デフレのなか、企業はバランスシートに資産を「持たない経営」が基本となった。超円高でも海外市場で競争力を確保すべく価格を上げないために、経費・マージンを圧縮するリストラが同時に基本になった。

 この「持たない経営」と「リストラ」は個別企業の生き残り戦略としては妥当でも、マクロ的には「合成の誤謬」として縮小均衡のデフレ・スパイラルを招いた。

 同時に、家計の金融資産は株安・円高環境の中、円での現預金保有に集中し、更なる、株安・円高が定着する一層の悪循環を強めた。しかも、こうした状況が数年であればともかく、当初いわれた「失われた10年」がさらに20年、四半世紀となっていく中、企業・家計・金融機関のマインドセットが「冬の時代」に完全に染まった状況になってしまった。

高所恐怖症ー「雪は溶けたがマインドは戻りきらず

 一方、アベノミクス以降の8年で漸く、「雪は溶けた」状況にある。日経平均株価はアベノミクス前に7000円台であった状況から、アベノミクス以降2万円をこえ、為替も1ドル75円台にまで円高が進んだ状況から1ドル100円台が定着した。

 日本は「雪の魔法」で世界から隔絶された「冬の時代」から、漸く海外並みの普通の状況になってきた。

 さらに、令和になって2020年に大きな危機であるコロナショックでも資産デフレを回避し、足許、株価は3万円に達する状況にあるなか、ようやく、資産価格への安心感が生じやすくなった局面と考えられる。

 ただし、日本は企業も家計も依然、「冬の時代」のマインドセットを引き摺っている状況にあるのではないか。

一方、日本の家計の金融資産は過去最高1900兆円に

 図2に示されるように、最近の日銀の統計上、日本の家計の金融資産は1900兆円を超えて史上最高水準にあり、世界有数の家計資産を擁する金融大国である。

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  図2 日本の家計の金融資産推移

 一方、その金融資産構成比を欧米と比較すると、図3にあるように、現預金比率の高さは50%を上回り、欧米と大きな隔たりがある。しかも、その比率は2020年にコロナショックで一段と高まって54.2%に達した。

 資産運用業は欧米に比べて30年近い遅れがあると長年言われ、欧米との差の背景には日本人の金融リテラシーの不足とされることも多かった。

 ただし、1989年、平成元年をピークとした株式市場、平成のバブル崩壊後、長らく続いた資産デフレと超円高の「冬の時代」において、日本国民が円で、しかも現預金で資産を保有してきたのは極めて合理的な行動だった。

 すなわち、日本人は「冬の時代」で長らくリスク性資産投資で成功体験が得られる環境ではなかったなか、円資産、かつ現預金で資産を保有するのは自然でもあった。日本人のマインドセットは依然、「冬の時代」のままの状態が続いていると考えることもできる。

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  図3 日米欧の金融資産の構成比比較

 現実に2020年以降、コロナショックで資産運用に向かうというより、むしろ現預金への集中は加速された状況にある。以下の図表は、家計の金融資産の推移であるが、コロナショックで一層、現預金の拡大が生じている。現預金が2020年4~6月期以降、30兆円程度の急激な積み上がりが確認される。

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  図4 家計の資金過不足の推移

日本でもようやく揃いだした車の両輪

 欧米で、家計金融資産の多様化が生じた背景として、資産運用をサポートする制度要因に加えて資産運用へのフォローな市場環境の「車の両輪」がそろっていたことがあった。しかもそれが30年以上もかけて資産運用に対する意識が定着するに至った。

 一方、日本では平成の「冬の時代」に生じた資産運用に伴う損失のトラウマに加え、制度要因も30年近く遅れてスタートした。

 ただし、過去8年あまりの間、アベノミクス以降の円安・株高環境でようやく日本でも成功体験が生れ始め、制度要因のメニューもNISAやDCの制度を中心に欧米並みになってきた。ようやく、「車の両輪」が揃いかけた環境にあった。

 そこで生じた今回のコロナショックであったが、その危機さえもワクチン接種開始等で先行きが見え始めた状況にある中、資産運用に向けた意識が漸く定着しておかしくない状況にあると考えられる。

 2019年、金融庁の金融審議会の市場ワーキンググループの「老後資金の2000万円問題」で資産運用への関心が高まった。このままで高齢化社会を迎えるには個人の資産形成は十分でないことへの認識も定着してきている。

今度こそ貯蓄から投資へが生じるか

 コロナショックで、再び「冬の時代」に戻ってしまう資産デフレの環境は回避され、日本でも「貯蓄から投資へ」の意識の芽生えが期待される。

 事実、コロナショックが生じて以降、日本の証券市場では新たな顧客の新規口座が大幅に設定される動きが生じている。

 一方、実際には先述のように家計の現預金水準が異例な水準まで高まる状況にある。2021年度の課題は、このように積み上がったままの資金をいかに資産運用に向けることができるかにある。

 家計にこれだけの現預金が積みあがったことはかつてなかった。健全な投資カルチャーの形成が今こそ重要な時期はない。同時に、企業も積み上がった資金をいかに投資分野に向けて「冬の時代」のマインドセットから脱するかにある。

政府債務という身代わり地蔵への依存

 1930年代以降の米国発の世界大恐慌も日本のバブル崩壊以降の調整でも、資産デフレに伴うバランスシート調整では民間部門の負担を政府部門が肩代わって対応してきた。

 その結果、積み上がった負担が国債であり、国債は負担を肩代わりした「身代わり地蔵」と考えられた。今次、コロナショックでは更なる負担の肩代わりで身代わり地蔵は一段と大きくなった。

 足許、株価3万円に達したことも、こうした政府の財政面でのサポートによる面は大きい。同時に、金融政策上も低金利策でこうした財政上の負担をサポートする状況にある。

 このように、当面、金融財政のサポートで支えられながらも、中長期的には政府債務の正常化、金融政策の出口戦略、さらには資産価格の持続的な状況に向けるなどの多様な課題を背負っている。

異時点間のトレードオフに注目

 こうした状況に対し、最近の国際機関、IMFなどではリスク管理上の議論の一環として、「異時点間のトレードオフ」という議論が展開されている。

 これは、短期的にはコロナショックに伴うサポートを行う必要があるが、その結果、中長期的には政府債務の持続性や資産価格上昇に伴う格差等のリスクを溜め込むことにあり、短期と中長期のバランスをいかに確保するか(トレードオフ)という議論にある。

 しかも、今日、性急な対応で財政再建や金融引き締めに向かって目先のコロナショックに伴うリスクを拡大させることが政治的に許容されにくい状況にある。

 米国でも、第2次大戦後の未曽有の黄金時代を迎えても、大恐慌の調整には四半世紀という長い年月を要したように、今後も日本では更に長期にわたる調整までの覚悟が必要になる。

 日本では、バブル期には単に資金が株式や不動産の値上がり益目当てに再投資され、バブルのあだ花に終わった。

 当時の反省を踏まえれば、「貯蓄から投資へ」と向かう先は、持続性のある経済回復を実現すべく構造転換を中心とした生産性改善に向けた投資に向かうことが重要になる。

 今日、新たな産業に向けた大きな変革期にあるだけに、デジタル化や脱炭素に向けた大きな潮流をサポートにすることが大きなカギを握る。また、国際的な観点から日本が安定的な市場を確保できる地政学的な環境も重要になるだろう。

 ビットコイン喰い合うことはないGoldman Sachs 

coindesk JAPAN 2021年2月25日(木)11時00分配信

 米投資銀行ゴールドマン・サックスのアナリストは、暗号資産(仮想通貨)のビットコインと、伝統的資産クラスの1つである金(ゴールド)が、互いに互いの市場を「食い合う」ようなことは起きないとする見解を明らかにした。

「ドルの価値が弱くなる環境の中で、二つの資産(ビットコインとゴールド)が互いに食い合うようなことはないだろう。両資産ともにそれぞれ十分な成長余白がある」と同行のアナリストは直近のリサーチノートで述べた。

 ゴールドマンのアナリストは、金は引き続きディフェンシブな資産として機能し、ビットコインはよりリスクオン資産で、投資のポートフォリオのなかでは役割が異なるとコメントした。

 同アナリストは、ビットコインと金の直接的な相関性には触れていないが、ビットコインと銅や亜鉛、スズなどの非貴金属との強い相関性を指摘。非貴金属商品の価格は昨年10月以降、上昇した。

「ビットコインは昨年末頃から、ベースメタルとの相関性を表すようになってきた。長期的な成長ストーリーに加えて、インフレヘッジとして機能した」(同リサーチノート)

 また同アナリストは、暗号資産の相場が比較的に、インフルエンサーや著名投資家などの動きに敏感である特徴を指摘。例として、米証券取引委員会(SEC)がリップル社を訴えた後に、暗号資産のリップル(XRP)が急落したことをあげた。

 〔NY株〕ダウ3日ぶり反発、603㌦高=金利上昇への警戒感後退 

時事通信 2021年3月2日(火)7時00分配信

 週明け1日のニューヨーク株式相場は、米長期金利上昇への警戒感が和らぐ中、3営業日ぶりに大幅反発した。

 優良株で構成するダウ工業株30種平均は前週末終値比603.14ドル高の3万1535.51ドルで終了。上げ幅は昨年11月上旬以来、約4カ月ぶりの大きさとなった。ハイテク株中心のナスダック総合指数は396.49ポイント高の1万3588.83で引けた。

 ニューヨーク証券取引所の出来高は前週末比6億1970万株減の11億3247万株。

 ここ最近の米長期金利の急上昇が前週末以降に一服し、株式市場では買い安心感が広がった。また、ダウ平均が前営業日までの2日間で計1000ドル超下落していたため、安値拾いの買いも入った。

 米当局は前週末、米ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)の新型コロナウイルスワクチンに緊急使用許可を出した。米国で使用が認められたコロナワクチンは三つ目だが、1回の投与で済むのはJ&J製が初めてで、接種加速への期待が広がったことも株価を支えた。

 バイデン米大統領が成立を目指す1兆9000億ドル(約200兆円)の追加経済対策法案が前週末に議会下院で可決されたことも、株価の追い風。法案には1人最大1400ドルの現金給付などが盛り込まれている。政権と与党民主党は、上院の可決を経た後、3月中旬までの成立を目指している。

 午前に発表されたサプライ管理協会(ISM)の2月の米製造業購買担当者景況指数(PMI)が60.8と、前月から上昇し、市場予想を上回ったことも相場を支えた。

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関連エントリ 2021/02/26 ⇒ 【日経平均】11箇月ぶり急反落<前日比1202円安✍2万9千円割れ>米長期金利が上昇

 

2021年2月26日 (金)

【日経平均】11箇月ぶり急反落<前日比1202円安✍2万9千円割れ>米長期金利が上昇

 〔東京株〕急反落米国の金利上昇心理悪化 

時事通信 2021年2月26日(金)15時30分配信

 日経平均株価は前日比1202円26銭安の2万8966円01銭、東証株価指数(TOPIX)は61.74ポイント安の1864.49と、ともに急反落。米国の長期金利上昇が投資家心理を悪化させ、大型株を中心に幅広い業種で売りが優勢となった。

 1000円を超える急落は、昨年4月1日以来約11カ月ぶり。90%の銘柄が値下がりし、値上がりは8%。出来高は16億8876万株、売買代金は3兆6212億円。

 業種別株価指数は33業種すべて下落し、その他製品、電気機器、パルプ・紙、不動産業、ガラス・土石製品、精密機器の下落率が大きかった。

 ▽ 調整色強まる

 25日の米主要株価指数が長期金利を嫌った売りに押されて急落し、26日の東京市場も軟調な展開となった。先行きの収益拡大期待から買われてきた銘柄にとって長期金利の上昇は「投資対象としての魅力を低下させる要因」(投資助言会社)となるため、デジタル化への思惑から買われた半導体株などの下げがきつかった。

 米金利は足元で急に上げ始めたわけではない。さらに経済成長と金利上昇は表裏一体で、株価にとって悪い材料とは言い切れない。

 日経平均株価は昨年末以降に上げ足を速め過熱感がくすぶっていたため、この日の下落についても「ようやくスピード調整した、という印象だ」(銀行系証券)と冷静に捉える向きもある。別の市場関係者は「当面、米金利の動向に一喜一憂しつつ、過熱感を冷ますのではないか」(大手証券)と話していた。

 225先物3月きりも急反落。午前中は押し目買いも入っていったん下げ渋ったが、アジア株や時間外の米株先物が軟調に推移する中、再び売られ、午後も下値模索の展開となった。225オプションはプットが値上がりし、コールは下落。

 バブル警告どこ吹く風米株投資の熱狂冷めず 

Bloomberg 2021年2月22日(月)15時12分配信

 米国人の株投資熱がさらに高まりつつある。熱狂的なデイトレーダーから堅実な機関投資家に至る誰もが株式市場にますます熱中している。

 株式ファンドは過去に例を見ないペースで新規資金を呼び込んでおり、ヘッジファンドは株式のポジションを過去最高水準に引き上げた。企業自体が大口の買い手として再浮上し、自社株買いは1年前の2倍となった。

 こうした状況は、政府の支援と新型コロナウイルスワクチンに支えられ、景気回復への信頼感が高まりつつあることを浮き彫りにしている。主に低位株とオプション人気の高まりがバブルに関する連日の警告の根拠となっているものの、強気のポジショニングが株高をしっかりと支えている。

 S&P500種株価指数は昨年3月の安値から75%上昇し、1930年代以来最良の強気相場となっている。

 ジェームズ・インベストメント・リサーチのマネーマネジャー、ブライアン・カルペッパー氏は「株式投資について、誰もが前進あるのみと思っている。そうなった原因が群集心理であれ、取り残されたくないという不安であれ、いずれにしてもそれが現在の状況だ」と述べた。

 強気相場サイクルの中央値は5年だが、今回のサイクルは前回の弱気相場で底を付けてからまだ11カ月だ。だが、現行サイクルに入ってからの期間は短くても、上昇ペースは速い。

 バンク・オブ・アメリカ(BofA)が行った今月の調査では、大多数の運用担当者が現在の強気相場は遅い段階にあるとの見方を示した。

ファンドマネジャーは積極的にリスクテークBofAの顧客調査

 ステート・ストリート・グローバル・アドバイザーズの米SPDR上場投資信託(ETF)事業のチーフ投資ストラテジスト、マイケル・アローン氏は「まだバブルの水準だとは思っていないが、投資家が株やリスク資産に大賭けしていることを示す危険信号が幾つか点灯しているのは間違いない」と語った。

 投資家はその危険をまだ察知していない。インフォーマ・ファイナンシャル・インテリジェンス傘下のEPFRがまとめたデータによると、米国株に的を絞ったファンドに先週流入した資金は360億ドル(約3兆8000億円)と、過去20年余りで最大の流入となった。

 ヘッジファンドは強気投資を拡大する一方で、弱気投資を縮小している。ゴールドマン・サックス・グループのプライムブローカレッジ部門の集計データによると、ショートポジションに対するロングポジションの比率を踏まえたリスク志向の指標であるネットレバレッジは今月に入り記録的な水準に達した。

 米国債利回り上昇次の段階に警戒 

Bloomberg 2021年2月26日(金)11時18分配信

 新興国市場の投資家は米国債利回り上昇に今のところ対処できているが、こうしたリフレトレードが米国債のより短い年限の部分にまで及べば、これから本格的な打撃を受ける恐れがある。

 成長加速を見込む取引が、米国債市場の長期の部分を揺さぶっている。フィデリティ・インターナショナルやアバディーン・スタンダード・インベストメンツは、利回りが数年ぶりの高水準にまだ達していない残存3年までの債券に警戒の目を向けている。

 イールドカーブのこの部分で利回り上昇が加速すれば、予想を上回るペースの金融引き締めや世界資本の獲得競争激化のシグナルだ。秩序立った新興国資産の売りが、はるかに破壊的なものに変わる恐れがある。

 アバディーンの新興国市場ソブリン債責任者、エドウィン・グティエレス氏(ロンドン在勤)は「米国債利回り曲線のフロントエンドが動き始めるかどうかがより大きな問題だ」とした上で、「これまでのところそこが落ち着いているため、新興国の通貨はそのクレジット市場に比べ影響を受けていない」と指摘した。

 フィデリティのポートフォリオマネジャー、ポール・グリア氏(ロンドン在勤)は米国債の売りがロングエンド中心でリフレの流れであれば、「米利上げの可能性の高まりを示唆するフロントエンド中心の売りに比べて、市場への影響は穏やかだ」と分析した。

 米国債の売りのペースと性質が今後の流れを左右する。2016年7月に約1.4%だった10年物米国債利回りが18年11月に3.2%に上昇した際には、世界的な好況を追い風に新興国債券のリターンは3.8%を記録することもあった。

 フィデリティのグリア氏は米10年国債利回りが今後2週間に約50ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇すれば、「市場は間違いなく苦境に陥るだろう」とした上で、「それが半年かけて徐々に進むならば、より対処可能だろう」と指摘した。

 追加金融緩和“不均一景気回復”増幅させる可能性 

Bloomberg 2021年2月26日(金)2時52分配信

 米カンザスシティー連銀のジョージ総裁は「高失業率の継続や目標を下回るインフレ率、見通しを取り巻く不確実性を踏まえれば、緩和策の引き揚げについて議論するのは時期尚早だ」とも述べた。

 ジョージ総裁は25日、バーチャル形式で講演した。原稿によると「同様に、長期金利の最近の顕著な上昇は私の見解では幾つかの理由で金融政策対応を正当化しない」と発言。

「今年の10年債利回り上昇の大半は実質利回りの上昇を反映しているもようで、実質利回りがインフレ期待をコントロールする金利だ。この上昇の大半は景気回復の強さに対する楽観が広がりつつあることを反映している可能性が高く、成長期待が高まりつつあるとの心強い兆しとしてみることができる」と述べた。

 さらに「これが本当に利回り上昇の理由である場合、そもそもの上昇につながった楽観を打ち消すほどの水準にまで上昇する可能性は低い。実質利回りの指標は引き続き大幅なマイナスで、過去最低に近い水準だ」と続けた。

 総裁は「いかなる追加の刺激措置も、新型コロナウイルス流行に関連した景気低迷の明確な特徴となってきた不均一性を悪化させる可能性がある過去1年間の金融緩和は適切だったとはいえ、現在見受けられる不均一性に既につながっているようだ」と話した。

 ジョージ総裁は今年の連邦公開市場委員会(FOMC)会合で議決権を持たない。

 一瞬1.6%台に乗せた米10年債利回り、株式市場に波紋 

Bloomberg 2021年2月26日(金)10時11分配信

 世界最大の債券市場でここ数週間聞かれた不穏な音は25日、大きく明瞭に鳴り響いた。経済成長とインフレは上向きだというこのメッセージは、幅広いリスク資産に大混乱をもたらした。

 米10年国債利回りは1.6%台に急上昇し、1年余りで最高の水準に到達。米連邦準備制度が金融引き締めを迫られる時期を巡り、前倒しの議論がトレーダーの間に浮上した。株式相場は大幅下落。金利上昇が高騰するバリュエーションに下押し圧力となった。国債入札の応札需要は過去最低で、イエレン財務長官にさえ痛みを与えた。

 26日のアジア市場ではオーストラリアや日本の国債利回りが上昇。オーストラリア準備銀行(中央銀行)は利回り抑制措置として、30億豪ドル(約2500億円)相当の3年債購入を発表した。3年債利回りは目標の0.1%を突破していた。日本国債も10年物利回りが5年ぶり高水準に達した。

 米国の1年にわたる緊急経済対策は奏功しているだけにとどまらず、経済の一部でいつか過熱を招く恐れがあるとの臆測が広がりつつある。

 新型コロナウイルス危機で何カ月も同じパターンで膠着状態にあった市場ではようやく、相場水準の見直しプロセスが始まったようだ。連邦政府による数兆ドル規模の財政出動に加え、ワクチンの良好な結果を受け、先進国経済が中央銀行の予想よりも早期に回復する可能性が高まっている。

 アムンディ・アセット・マネジメントのポートフォリオマネジャー、ジョン・キャリー氏は「経済はすでに回復しつつあり、提案された経済対策は必要とされる規模よりはるかに大きいと考える人が多い」と指摘。「炉火にあまりにも多くの炭を置き、火力が非常に強くなる。米金融当局が現行水準に金利を維持できなくなると考えられ始める」と付け加えた。

 昨年4月以降、歴史的低水準で推移してきた米国債利回りの急上昇は、それが経済の健全性を物語るとしても、トレーダーにとっては厄介な光景であることに違いなく、複数の市場でポジションの見直しを迫っている。

 強気相場で人気銘柄だった大型ハイテク株は25日の下げを主導。ナスダック100指数は4%近い下げを演じた。インターネット株バブル期以来の高水準にあるバリュエーションは、金利上昇で正当化困難になった。

 株式市場で高い債券利回りの恩恵を受けやすいセクターも売られた。24日に2007年以来の高値に上昇していたKBW銀行株指数はこの日2.7%下落。S&P500種株価指数採用のエネルギー株や公益株も1%以上の値下がり。

 為替市場も衝撃を受けた。ブルームバーグ・ドル指数は25日に0.7%上昇し、昨年9月以来の値上がり率。一方、歴史的に変動の激しい新興国通貨は下落した。南アフリカ・ランドとトルコ・リラ、メキシコ・ペソの下げが目立ち、2%以上下落した。

 ウェルズ・ファーゴ・インベストメント・インスティチュートのシニアグローバル市場ストラテジスト、サミーア・サマナ氏は「現在、これらの金利がリスクパリティなどの戦略を動揺させかねないペースで上昇しており、債券のボラティリティーが他の資産にも波及している」と分析。「金利上昇スピードが鈍るまで、このような日が増えることにメンタル面で準備が必要かもしれない」と語った。

 バブルは💥弾けた 

Newsweek日本版 2021年2月26日(金)21時48分配信/小幡績(慶應ビジネススクール准教授)

<米国の長期金利が急上昇したのを合図に、アメリカでも日本でも株価が暴落した。とくに何のサプライズもない、期待通りで理論通りという珍しいケース。だからこそ、本物だ>

 2月26日、日経平均株価は1200円以上の暴落となった。

 何も驚くことはなく、バブルが弾けただけである。

 この暴落が継続して、まっさかさまなのか、乱高下をしながら下がっていくのか、または、一度盛り返してから、さらに激しい乱高下を伴い下がっていくのか、いずれにせよ、バブルは弾けたか、弾けつつある。

 バブルが弾けたのは当たり前のことで、バブルは弾けるからバブルなのである。しかし、これはバブルは弾けて初めてわかる、という世間の常識とはまったく違う。むしろ正反対だ。投資家たちは、全員、バブルの最中にバブルであることを知っている。

 それどころか、バブルであるから殺到して投資してきたのであり、バブルにおいてはいつもそうだ。バブルには早く乗れば乗るほど儲かり、弾ける直前まで乗り続けるのが儲けを最大化するが、弾ける直前に降りるのは現実的ではないにもかかわらず、みなはらはらしながら、いつ弾けるか見極めようとしているのであり、それはバブルであることを200%理解しているのだ。

<経済は順調に回復していた>

 さて、今回のバブル崩壊の問題は、きっかけがどこにもなかったようにも感じられる、ということだ。コロナショックどころか、コロナの収束の見通しが立ち、ワクチンも広まり、一部にはコロナ対策が順調でないと文句をいう人々やメディアもいるが、それは日本特有の贅沢、あるいはわがままで、世界中で妥協しながら進められている。

 ワクチン摂取のプロセスで右往左往しているとメディアは騒ぐが、一方の経済は順調に回復しており、世界的に回復は予想を上回るペースで進んでいる。中国が最速で回復したが、米国も、失業者の増加数が急減しており、経済の回復に目処が立った。

 世界1,2の経済大国が回復すれば、世界経済の見通しは明るい。

 この結果、米国の国債金利が急上昇した。

 これが株価暴落のきっかけであると同時に、理由である。

 このあまりに普通でまっとうな理由でバブルが弾け始めたことが、今回のバブル崩壊を珍しいものにしている。

 普通は、もっと後々まで語り継がれるような、何らかの事件が起きて、バブル崩壊、となるのである。そして、それは本来であれば、全面的なバブル崩壊をもたらすようなものではなく、ショッキングで象徴的だが、象徴に過ぎない事件によることが多い。

<リーマンショックとの違い>

 たとえば、リーマンショックは、まさにそのものであり、サブプライムバブルはその前にとうに弾けていて、リーマン・ブラザーズの破綻も明らかで、サプライズとなったのは、米国政府が、これを救済しないと決定したことだった。後から振り返れば、ゴールドマン・サックスとリーマンの間の確執のせいだとか、単に救済金融機関が整わなかっただけだ、などさまざまな議論があるが、いずれにせよ、その後の金融機関の破綻はすべて救済され、今日でのそのほとんどが、以前のようなきらびやかさはなくなったとは言え、復活している。

 リーマンショックは、1つの有名な金融機関が破綻しただけのことであり、なんら実質的な意味はなかった。後からリーマンを救済しても良かったのだが、そうしても意味はなかっただろう。なぜなら、リーマンが破綻するまでには債券市場、仕組み債市場はとうに弾けており、一般人も投資する上場株式の市場だけがバブル崩壊してなかっただけだったからだ。

<バブル崩壊は規定路線>

 日本の1990年末の金融危機は、北海道拓殖銀行、日本長期信用銀行の破綻が印象に残るが、バブル崩壊の止めのきっかけは、三洋証券の破綻だった。相対的に影響の大きくない、小さな証券会社の破綻に過ぎない。しかも、その破綻は、単純ミスにより、破綻させる必要もなく、破綻させるつもりもなかったものがミスで破綻してしまったのだった。そして、それは取り返しがつかなかった。三洋証券そのものが重要なのではなく、きっかけとして機能してしまったからだった。

 近いところでは、2013年のバーナンキショックがある。彼が、量的緩和の出口を示唆したことにより、バブルは崩壊した。これも効果はショック、きっかけを与えただけで、タイミングの問題だけだった。量的緩和の出口はいつかくるのであり、また、もはや出口に向かうのは当然だったし、政策として、正しかったのだが、タイミングが少しだけサプライズだった。

 しかし、バブルがいつか弾けることはサプライズではなかったから、投資家たちは、当然のように、バブル崩壊のきっかけのホイッスルを聞いて、売りまくった。

 さて、今回はどうだろうか。

 FRBパウエル議長は、金融緩和の拡大を止めるつもりはまったくなく、インフレも3年は起きないだろうと、強調した。サプライズは何もない。ニュースも何もない。しかし、それで、国債利回りは急騰、つまり、米国債は大暴落したのである。

<パウエル発言の何が悪かったのか>

 なぜなら、景気がこれだけ良いのに、金融緩和が続くというのもおかしいし、緩和が続くのであれば、インフレになるのは当然のことといえるのであり、そうであれば、国債利回りは急騰するのが教科書どおり、理論どおりだ。

 つまり、今回は、きっかけもショックもニュースもサプライズも何もなく、バブルの崩壊が始まったのである。

 きっかけがなくても始まるのは、それほど、バブルが膨らみすぎたからであり、最後の断末魔の上昇は急すぎたからである。ビットコインや、テスラ株、ゲームストップ株の乱高下など、バブルのお祭り以外では考えられないことが毎日起きていたから、バブルであることは、バブルは弾けて初めてわかる、とテレビでしゃべるニセの金融関係の有識者以外のすべての人々、株式投資を昨年始めたばかりのロビンフッダーも、株式投資をいまだやったことがない人々でさえ、わかっていたから、静かに弾けても、みながサプライズなしに同調、追随したのである。

 論理的に静かに始まったバブル崩壊。したがって、この崩壊は本物であり、崩壊は確定したと見て、間違いないだろう。

 ビットコイン🔍6万8000㌦もする国がある 

coindesk JAPAN 2021年2月27日(土)8時00分配信

 暗号資産のビットコインがすでに6万8000ドル(約717万円)の大台を超えている国がある。アフリカのナイジェリアだ。

 ナイジェリアでブロックチェーンプロジェクトのデザイナーをしている、アウォシカ・アヨデジ(Awosika Ayodeji)氏は、この高い価格に不満を抱いてるわけではない。朝起きて、非公式の米ドル為替レートを使って見積もられたビットコイン価格を見るのを楽しみにしている。ビットコインでの利益を自国の通貨に交換したときに、ドルに対してより多くのナイラを受け取ることができるからだ。

 しかし同時に、「(ビットコインを)購入することは以前よりコストをともなうようになっている」とアヨデジ氏は指摘する。

 2月19日、米ドルに対するナイジェリアの公式為替レートは、1ドル約380ナイラ。このレートを使うと、ナイジェリアのピアツーピアプラットフォーム「ローカルビットコインズ(LocalBitcoins)」で約260万ナイラで取引されているビットコイン(BTC)は、6万8246ドルになる。表面的には非常に高い24%のプレミアムが乗っているように見える。ここで言うプレミアムとは、世界平均と比べてはるかに高い、特定の地域におけるビットコイン価格のことを指す。

通貨危機

 ナイジェリアにおいて、このようなプレミアムは一貫していない。ピアツーピアプラットフォームの「パックスフル(Paxful)」でのビットコイン価格は、1ドル約475ナイラという為替レートに基づいている。このレートだと、ビットコインの価格は5万4736ドルで、平均取引価格にずっと近づく。事実、19日のナイジェリアの非公式市場におけるドル為替レートは、約478ナイラ。パックスフルでのレートやローカルビットコインズでのビットコイン価格を反映している。

 通貨危機に直面している新興市場において、ビットコイン価格は実は、米ドルの非公式市場に光を当てることができる。アルゼンチンでは、南米の暗号資産(仮想通貨)取引所「ビットソー(Bitso)」において19日、ビットコイン価格が870万993アルゼンチンペソだが、公式為替レートの1ドル約89アルゼンチンペソを使うと、驚きの9万8000ドルになる。しかし、ビットソーなどの取引所に上場されているビットコイン価格は、ドルに対する非公式のレートを反映して、1ドル約150ペソというレートに基づいている。

 取引所は、非公式のドル為替レートを利用している可能性が高く、そのために地元通貨でのビットコイン価格が吊り上げられていると、ソーシャルペイメントアプリ「バンドル・アフリカ(Bundle Africa」)のイェレ・バデモシ(Yele Bademosi)CEOは語った。ビットソーでアルゼンチン担当マネージャーを務めるアンドレス・アンダラ(Andrés Ondarra)氏によると、実際の市場で利用されている為替レートは通常、アルゼンチンでの公式為替レートよりも高い。

「非公式の米ドルレートと公式レートとのギャップが存在する。アルゼンチンにおける公式と非公式のドルレートの差は約70%である」と、アルゼンチンの暗号資産取引所「ブエンビット(Buenbit)」の広報担当者、エミリアーノ・リミア(Emiliano Limia)氏はコメントする。

 ローカル通貨の米ドルに対する本当の価値が、ビットコイン取引を通じて明らかになっているのかもしれない。また、ビットコイン市場が政府の支配下で動いていない事実は、取引所が公式ではなく非公式のレートを使う背景にありそうだ。

 シカゴ大学のジーナ・ピーターズ(Gina Pieters)経済学教授は、ビットコイン取引が為替レートが操作されている可能性や、資本規制の検知に一役買っているとする内容の論文を発表している。ピーターズ教授は、ビットコインプレミアムが発生する理由は複数存在すると述べる。

「名目為替レートルートで操作が行われていない限り、価格がそれほど高くなる可能性は低い」と、1つの通貨での価格と他の通貨での価格の差に言及して、ピーターズ教授は指摘する。

 事実、ピーターズ教授の2016年の論文の主題は、ビットコイン取引を非公式為替レートの見積もりに使うことができ、「その見積もりを、資本規制や為替レート操作によって引き起こされるゆがみの存在や、その規模を検知するのに使うことができる」というものであった。

非公式の為替レート

 ナイラの購買力の低下により、ナイジェリアでは米ドルに対する為替レートが複数存在する。非公式の為替レートは通常、ずっと弱く、ナイジェリアの人たちは1ドルに対してより多くのナイラを出さなければならない。言い換えると、地元通貨は政府の公式発表よりもずっと価値が低い可能性がある。

 経済学者の久保公二氏による、ミャンマーの外国為替市場に関する書籍によると、政府が「徹底的な為替規制」または、売買が可能な外国通貨の量に制限を課した場合に、非公式市場内に複数の為替レートが現れるという。

 アルゼンチン政府は2020年、資本の国外流出を食い止めるために、米ドルの購入に厳しい規制を課し、国民が購入したり保有したりできる米ドルを、200ドルに制限した。その結果として、人々は富を守るためにより多くのドルを買おうと押しかけ、1ドルに対してより多くのペソを支払い、ドルの闇市場が栄えた。アルゼンチンの人々がより強力な通貨を求めてペソを手放そうとする中、このような事態は素早く暗号資産の世界に広まり、ビットコインに対する需要は2020年に急増した。

 一方で、ナイジェリアは米ドル不足に直面している。地元メディアは2020年、ナイジェリアの銀行が外国でナイジェリア人が使うことの出来るドルの額を、500ドルまでに制限していると報じた。国内の需要を満たすのに十分なドルが不足していたため、人々は1ドルに対してより多くのナイラを支払うことをいとわず、ナイラの価値は国内の非公式市場で低下した。

「買い手と売り手の間で一般的に受け入れられている現在の価値が480ドルということで、それが現在の一般市場での価格となっている」と、アヨデジ氏は述べた。

 非公式の為替レートが低いということは、ナイジェリアやアルゼンチンの家族にビットコインで送金することにメリットがあるということになる。1ビットコインはより多くの地元通貨と交換できる。しかしこれは同時に、地元通貨の購買力が低下していることを意味する。国外への送金は厄介だ。地元通貨はより少ないドルへと交換されるからだ。

 地元での非公式ドルレートを推定するのは通常困難である。闇市場での通貨業者は1ドルに対してより多くのドルを要求してくる可能性があると、アヨデジ氏は述べる。しかし、ビットコインでの交換では、妥当な推計を計算できると、アヨデジ氏は言う。

インフレーション

 それでも、為替レートの違いを計算に入れたとしても、プレミアムが生じることはある。その理由の1つとして考えられるのは、高いインフレに見舞われている国では、ビットコインに対して多くを支払っても構わないと思う多くの人の存在だろう。

「ユーロ圏においては、大きな中央集権型取引所でのスポット価格と公式レートはほとんど変わらない」と、ローカルビットコインズの最高マーケティング責任者、ジュッカ・ブロムバーグ(Jukka Blomberg)氏は話す。しかし、「ベネズエラのような国々では、かなり大きなプレミアムが生じる可能性がある」

 地元通貨と交換でビットコインを売ろうとするベネズエラ人は通常、ボリバルのようなインフレ性の高い通貨を受け取るリスクを考慮して、より高いプレミアムを求める。インフレ率が2019年、驚きの1000万%に達したベネズエラでは、ボリバルの価値は米ドルに対してほぼ毎日下がり、人々はビットコインに興味を示した。事実、ビットコインに対する国内での需要によって、アルゼンチンなどの他のハイパーインフレ国よりも前に、ベネズエラでの暗号資産の普及が進んだ。

 ナイジェリアもインフレが発生している国である。国民はナイラの価値の低下を切り抜けるために、ビットコインに頼るようになっている。ビットコインに対する需要は高く、ナイジェリアの中央銀行は当初、暗号資産取引と関連するすべての口座を停止するように命じた。この方策は国の金融システムを守るために取られたものだとする、5ページにわたる説明文書を発表した。

 アヨデジ氏によれば、暗号資産プラットフォームにおけるナイラの為替レートは、この口座停止が発表された後に劇的に変化したが、これはおそらくその後に続いたパニックによって突き動かされたもので、ビットコインに対する需要はわずかに減少した。非公式の為替レートは1ドル410~420ナイラであったと、アヨデジ氏は語る。

「しかし市場はしばらくすると、元の姿に戻った」とアヨデジ氏は述べた。

 

2021年2月23日 (火)

【日経平均】手放しで喜べない<株価3万円突破>伴う“副反応”

 日本人が「株価3万円突破」を手放しで喜んではいけない重大な理由 

現代ビジネス 2021年2月23日(火)8時01分配信/町田 徹(経済ジャーナリスト)

かつてのバブル相場での「モラルハザード」

 先週月曜日(2月15日)。東京株式市場で日経平均株価が3万円の大台を回復した。これは、1990年8月以来、実に30年半ぶりという節目である。

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 新聞やテレビは、回復の原動力として様々な要因を報じた。曰く、去年の10~12月のGDP(国内総生産)が2期連続で大幅な伸びを記録した、企業収益が予想されたほど悪くなかった、米国を含めて海外株が堅調だといった具合だ。

 中には、新型コロナワクチンの接種スタートを歓迎したと報じるところもあった。だが、これらはどれも決め手とは言えない。最大の要因が日銀を中心とした各国の金融緩和にあることは明らかだ。

 少なくとも、現下の新型コロナウイルス感染症危機が完全に収束するまでは、日銀を始め各国・地域の金融緩和は続く見通しで、株価が上昇し易い環境も維持されるだろう。日経平均が1989年末に付けた史上最高値(3万8915円)を更新する日が来てもおかしくはない。

 しかし、“日銀相場”を手放しで歓迎することはできない。銀行や企業のモラルハザード(倫理の欠如)など、深刻な副作用を伴うからである。

 振り返れば、1986年頃にスタートして1989年末に終わったとされる株式のバブル相場も、凄まじいモラルハザードを生みだした。

 当時、筆者は、株の街・兜町にある東京証券取引所の記者クラブ「兜クラブ」詰めの新聞記者で、そのモラル崩壊の現場を目の当たりにした。

 中でも壮絶だったのは、日経平均が最高値に向かう過程の株価形成だ。後に「証券不祥事」とか「損失補てん事件」と呼ばれるスキャンダルに発展したが、その構図はこうだ。

リスク感覚がマヒしていた

 多くの大企業が株式や転換社債を発行したり、銀行から借り入れたりして巨額の資金を調達。「財テク」と称し、この資金を株式市場で運用することで多額の利益を稼ぎ出そうとした。財務部は花形部署のひとつだった。

 運用を受注したのは、大手や準大手の証券会社だ。証券会社は資金運用を引き受ける際、密かに、文書もしくは口頭で、違法行為の「利回り保証」や違法行為スレスレの「損失補てん」契約を結んだ。契約の中には、担当者が名刺に「利回り保証年7%」などと書き込んだだけのものもあった。

 こうした契約は、事前に顧客企業の了解を得なくても、証券会社の裁量で株式を売買できるファンド(通称「営業特金」)に資金を組み込むことを意味し、猛烈な回転売買を可能にした。証券会社にとっては、株式の委託売買手数料を好きなだけ獲得できる仕組みだった。

 証券会社は、個別銘柄の経営実態を無視して相場を吊り上げた。営業特金は膨らみ続け、企業業績のかさあげに貢献した。「利回り保証」や「損失補てん」契約もあり、企業はリスク感覚が麻痺、実態は無謀な投資に過ぎないのに、割りの良い収益源を確保したと勘違いしていた。

 一方、当時の大蔵省は、複数の証券会社の検査を通じて懸念を募らせていた。ひとたび相場が下落に転じたら、証券会社には保証や補てんをする体力がなかったからだ。

 増資・起債で融資の顧客を、資金運用で預金の顧客を奪われた銀行からの苦情も無視できなかった。そして、大蔵省が「さすがに、目に余る」「いつまでも続くわけがない」と、本格的な規制に乗り出す腹を固め、狂乱の株式バブル相場は終焉を迎えることになったのだ。

 株式相場は1990年の年明けから一転、先の見えない長期下落局面に突入した。経済実態を離れて大きく吊り上げられていたうえ、大企業と証券会社の癒着が露呈し、市場への信頼が根底から崩れてしまった。

原動力は一貫して日銀の金融緩和

 ほぼ10年が経って2000年代に入ると、ITバブルや郵政相場で多少持ち直しかけた時期もあったが、いずれも長続きはしなかった。リーマンショックの影響が長引き、日経平均は2009年3月にバブル崩壊後の最安値(7054円)を記録した。

 さらに12年近い歳月が経過した先週月曜日。日経平均は安値から4.2倍以上に上昇し、30年半ぶりに3万円台を回復した。

 ほぼ一貫して原動力になったのは、日銀の金融緩和だ。その第1弾は、白川方明前総裁時代の2010年12月に放たれた。株価の底割れを防いで経済の好循環を作り出し、デフレ経済を脱却するという名目で、株式を組み込んだ上場投資信託(ETF)の購入が始まったのだ。当時の購入枠は4500億円だった。

 ETF購入は、黒田東彦現総裁のもとで合計4回にわたって強化された。直近は昨年3月のことで、購入枠の上限が年間12兆円に膨れ上がった。背景には日経平均が1カ月あまりの間に3割以上も急落するコロナショックがあり、安倍前政権の過去最大級の経済対策に呼応する形で、黒田日銀も包括的な金融緩和策を打ち出したのだ。

 日銀は、ETFの購入拡大に加え、積極的な国債買い入れ、ドル資金の潤沢な供給、新型コロナで苦境に陥った企業を支援するための特別オペなど様々な対応を講じている。

 海外でも、トランプ前米政権が2兆ドル規模の経済対策を、FRB(米連邦準備理事会)が量的緩和を実行したほか、EU(欧州連合)やECB(欧州中央銀行)も続々とかつてない大規模な対策を実施した。

 これらにより「世界的カネ余り現象」が起きた。経済の下支え期待が膨らみ、世界の市場が平静を取り戻す中、日経平均も半年足らずでコロナショック前の水準を回復した。

 その後もほぼ一本調子の上昇を続けて、先週の大台回復が実現した。「資産バブル」と呼ばれ、株式に限らず、商品相場や暗号資産価格なども高値を付けている。

金融緩和は継続せざるをえない

 数字を見ても、去年1年間の市中への資金供給の大きさは明白だ。資金供給の結果として、日銀の保有資産は昨年12月末に前年より23%増加、金額ベースで129兆円多い702兆円に膨張した。この増加額はデータが開示されている1998年以降で最大なのだ。なりふり構わぬコロナ対策の姿が伺える。

 このうち、株式相場を押し上げる効果の高いETFは簿価ベースで1年前の25%増、金額ベースで7兆円増の35兆円(簿価ベース)となった。日銀に支えられて、東証1部の時価総額はコロナショックで急落した去年3月に比べて約130兆円も増加した。

 こうした株式相場が上昇し易い環境は、今後も当分の間、維持される可能性が強い。というのは、コロナ危機が去り、経済が正常化するまで、日銀に限らず、各国は大規模な金融緩和を継続せざるを得ないからだ。

 その一例が、米FRBだ。昨年9月のFOMC(連邦公開市場委員会)で、コロナ対策に万全を期すため、少なくとも2023年末までゼロ金利政策を維持するという方針を表明した。

 また先週木曜日(2月18日)。黒田日銀総裁は菅総理と会談、「金融緩和を相当長く続ける必要があることを伝えた」と明かしている。

 これらは、昨年のコロナショックのような混乱が再発すれば、日銀やFRBが迷うことなく再び大胆な金融緩和策を講じるとの意思表明に他ならない。

 こうした状況では、相場が大きく下がるとは考えにくい。投資はあくまでも自己責任で、安易な投資を推奨する気は毛頭ないが、上昇し易い世界的なカネ余り状態が続くとみるのが自然だろう。

上下する市場の機能が損なわれている

 急激に強いインフレ懸念が台頭するとか、相場が過熱し過ぎるといった想定外の事態が起きない限り、環境が大きく変わることはなさそうだ。

 とはいえ、金融緩和は決して良いこと尽くめではなく、多くの副作用が生じている。本来、市場は上がったり下がったりして、経済を映す鏡となるものだが、その機能は損なわれたままだ。

 銀行への資金供給や企業の救済オペが、コロナ危機以前から破綻しかねない状態にあった銀行や企業の経営実態を覆い隠し、ゾンビ銀行やゾンビ企業の闇雲な延命策となっていることも深刻である。

 日銀のETF保有残高は時価換算すると、45兆円を超えた模様だ。これは、日銀が年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)を抜いて、日本株の最大の株主になったことを意味している。「モノ言わぬ株主」である日銀が、緊張感のない経営を助長し、モラルハザードを加速していることも、コーポレートガバンスの観点から看過できない問題である。

日経平均3万円もバブルじゃない 乗り遅れたと思う人に薦める行動 

PRESIDENT Online 2021年2月24日(水)8時16分配信/大江 英樹(経済コラムニスト)

 2月15日、日経平均株価の終値が3万円の大台に乗りました。コロナショックからの急速な回復ぶりに、「乗り遅れた」と感じている人も多いのではないでしょうか。40年以上にわたって株式市場を見てきた経済コラムニストの大江英樹さんが、乗り遅れたと思って悔しい思いをしている人に勧める2つの投資法とは――。

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今はまだバブルではない

 日経平均株価が3万円に乗せました。これは30年ぶりということでいささか株式市場のまわりにいる人たちは、ざわついています。この流れにますます強気になる人、「これはもうバブルだ」と言う人、そして乗り遅れて悔しいと思っている人等々、その心情はさまざまです。 

 私が見聞きしている範囲内では、「バブルだ」と言っている人が多いような気がしています。今の株式市場がバブルなのかどうかはわかりませんが、株式市場に40年以上関わってきた私から言わせると今はまだバブルではない、と思います。なぜなら「バブルだ」と言う人が結構多いからです(笑)。バブルというのははじけてから初めて「あれはバブルだった」と気が付くものです。懐疑的だった人もみんなが総強気になったところがバブルの局面なので、多くの人が警戒している現状では決してバブルには至っていないと考えられます。

業績が好調な企業も多い

 もちろんコロナ禍で各国共、政府がかなりの金額のお金をばらまいているという面はありますが、個別の企業業績を見ていると好調な企業も多いので、かつての80年代終わりや2000年前後の時のように株価が実体以上に過大評価されていることもありません。何かのきっかけで一時的に下落することはあるでしょうが、個別の企業業績で考えればすぐに上昇基調に戻るのではないかと思いますし、“行き過ぎたバブル”というところまでは行っていないと感じています。

バブルのときに起きる2大社会現象

 バブルの特徴として私は2つの社会的な現象を気にしています。それは経済誌やマネー誌ではなく、一般週刊誌や普段は経済の話なんか何も載せない、流行物を取り扱う男性誌や女性誌で株の特集をやったりすることが増えてくると要注意です。

 もうひとつは、評論家の中に株価の上昇を見て今回だけは違うと言う人が増えてくることです。市場がバブルで高値を付ける頃や逆に暴落して大底を付ける頃になると、だいたいこの“今回だけは違う”おじさんが登場してくるのです(笑)。

 これは洋の東西を問わずあるようで、アメリカでも株価が低迷した70年代の最後のほうには総悲観の様相を呈してきて、Business Weekという雑誌の1979年8月13日号では、表紙に「Death of Equity(株式の死)」というフレーズが登場しましたが、現実はそこから株価が大きく上昇を始めた、というのも実に皮肉なことでした。そういう視点で見れば、まだバブルとまでは言えないでしょう。

日経平均にはまったく興味がない

 でも恐らく、投資経験のある多くの人は「日経平均が3万円に乗った」というニュースを目にして「しまった!  乗り遅れた」とか「もう今から買っても遅い」と思っていることでしょう。確かに昨年のコロナ禍で一番下がった時の日経平均から見ると、倍近くまで値上がりしていますから、「乗り遅れてしまった」という気持ちになるのは無理もありません。

 ただ、私自身は日経平均株価については全く気にしていません。というかほとんど何の興味もありません。なぜなら私は個別の株式に投資をしているからで、全体像を見ても何の意味もないからです。

 そもそも日経平均株価というのは株式市場全体を表しているわけではありません。東京証券取引所第1部に上場している約2000銘柄のうちの225銘柄を選んで平均値を算出しているにすぎません。しかもその225銘柄の中でもファーストリテイリング(ユニクロ)やソフトバンクグループなどの寄与度が大きいため、ごく一部の銘柄の値上がりによって日経平均株価が上がっているのです。

 現に日経平均が3万円に乗った2月15日には一日で564円上昇しましたが、そのうち、値上がりした上位10銘柄だけで上昇分の65%を占めていますし、前述の2銘柄(ユニクロとソフトバンク)だけで33%、つまりたった2つの銘柄の値上がりで全体の3分の1を占めているのです。したがって、日経平均株価に連動する投資信託を買っている人以外は日経平均が上がろうが下がろうが、それほど大きく気にする必要はありません。

乗り遅れた!と思う人におすすめの投資法2つ

 では、「しまった!  乗り遅れた」と思っている人たちはここから一体どんな投資方法を考えればいいのでしょうか?  方法は2つあると私は思います。1つは投資信託ではなく、個別株に投資をすること、そしてもし投資信託に投資するのなら積立投資をおこなうことです。

 前述したように、株価が上がっているといっても、それは日経平均が上がっているだけで、全ての株が上がったというわけではありません。この1年ほどの間で上昇した銘柄の多くはコロナ禍により、在宅が増えたことによって恩恵を得た企業です。外出や旅行の自粛によって大きな打撃を受けた飲食業や運輸、宿泊業など、まだまだ株価が低迷したままの企業はたくさんあります。

 しかしながら、ようやくワクチンが認可を受け、感染者の数も落ち着いてくれば、これまで業績が落ち込んでいた企業の回復も見込めるでしょう。それによって低迷していた株価が上昇に転じる可能性も出てきます。そんな業種の中で個別の企業を探すという方法があります。

配当利回りで選ぶのも手

 個別銘柄に関してもうひとつは配当利回りで考えてみるのも面白いでしょう。現時点で配当利回りが5%以上の銘柄は100社近くありますし、4%以上で見れば300社以上あります。配当利回りが高いということは業績が良くて配当が多いということもあるでしょうが、株価が下がっているために利回りが高くなっているという場合もあります。したがって配当利回りさえ高ければ何を買っても良いというわけではありませんが、『会社四季報』などを利用してこれらの企業の今後の業績予想を調べてみて、回復基調にあるということであれば、投資する価値はあるでしょう。

 そもそも今の時期に利回りが4~5%もあるのであれば預金のまま置いておくよりもずっと良いですし、前述したように配当利回りが高いということは株価が下落しているからということも多いからです。日経平均が3万円に乗ったからといって全ての株が高くなっているわけではないことは知っておくべきでしょう。

乗り遅れた人の勧める第2の投資法

 もうひとつの投資戦略としては投資信託を積立で購入していくという方法もあります。積み立てで投資をするというのは毎月定額で投資信託を購入するというやり方です。この方法だと、購入金額が一定ですから相場が高い時は少ししか買わず、安い時はたくさん買うことになります。結果として平均購入価格が低く抑えられる効果が得られます。これは「ドル=コスト平均法」という買い方です。言うまでもありませんが、今後も株価の上昇が続くと思うのであればこういう買い方よりもまとめて一括で買ったほうがはるかに成果は高くなります。逆にこれから下がる時にこういう買い方を続ければ、いずれ高い成果を得られます。

 もっとも絶対下がることがわかっているのであれば「買わない」という選択肢が一番ですが、問題はどこまで行っても上がるか下がるかは絶対確実にはわからない、ということです。したがって買い方としてこの積立方式はいくらかマシな方法であることは間違いありません。

積立投資なら世界中に分散投資を

 さらにもし積み立てで購入していくのであれば分散投資、それも日本だけではなく、世界中の株式市場に投資していくのが一番良い方法だと思います。日経平均が3万円になったといっても世界全体で見れば日本の株式市場の割合は7~8%程度しかありません。今は、世界中の株式市場にその規模の割合に応じて分散投資できるタイプの投資信託はたくさんあります。

 あくまでも私の個人的意見では、バブルという感覚は全くありませんが、「投資はしたいが、乗り遅れた!  ここから買うのは恐い」という人であれば、今回お話した2つの方法をとってみるのはどうでしょう。そのほうが、いつまでも後悔に苛まれることに比べれば、ずっと精神衛生上は良いと思います。ただし、全く悔しくないし、興味も無い人は何もしないのが賢明です。

 日経平均万円コロナ収束期待説明できない高値の背景 

東洋経済オンライン 2021年2月23日(火)6時01分配信/山川 清弘(東洋経済『株式ウイークリー』編集長兼「会社四季報オンライン」副編集長)

 その瞬間は呆気なく訪れた。2月15日、日経平均株価は約30年ぶりとなる3万円台に到達した。だが、市場の受け止めは熱狂に程遠かった。

 新型コロナウイルスの感染拡大で、日経平均は2020年3月に1万6358円まで下落した。その後、金融緩和と財政拡大により水準を回復。米国大統領選挙後から上昇ピッチを拡大した。今年に入るとコロナのワクチン接種が始まり、世界的な景況感の改善期待が高まった。日経平均は2月に入り一気に3万円の大台に乗せた。当日の東証1部の売買代金は2.6兆円と市場に高揚感は見られなかったが、バブル期の1990年以来の水準に、過熱感を指摘する声も出た。利益確定売りもあり、19日には一時3万円を割り込んだ。

 東証1部全体のPER(株価収益率)は22.8倍(1月末)で、数年前までの10倍台より大幅に上昇している。PBR(株価純資産倍率)も過去の上限である1.3倍で、理論上の上値余地は小さい。実際、「株安」を見込む投資家は増えている。日経平均が1%下落すると、逆に2%値上がりするように設計されたETF(上場投資信託)である「日経ダブルインバース」の残高が、初の6億口に乗せている。

売らない買い手が下支え

 その割に株価が大きく下落しないのは、日本銀行のETF買いと、企業の自社株買いの存在が大きい。日経平均が3万円を超えてから、日銀のETF買いは行われていないが、相場の急落時には必ずといっていいほど買いが入ってきた。

 企業の自社株買いも高水準が続いている。消却すれば発行済み株式数を減らせるため、EPS(1株当たり利益)を向上させROE(自己資本利益率)を押し上げる効果がある。高いROEは優良企業の証しであり、配当と並ぶ株主還元として投資家にも歓迎される。

 日銀がいきなり売り攻勢に転じたり、企業が自社株買いをやめたりすることはまずあり得ない。大口の「売らない買い手」が株価の下支えになっているのだ。

 では、今後の株価動向をどう見通せばよいか。

 内外で分けてみると、米国ではバイデン政権が総額1.9兆ドルの追加経済対策を打ち出した。中国では3月5日から開催される全人代(全国人民代表大会)で成長戦略が示される見通しで、IMF(国際通貨基金)の世界経済見通しも上方修正された。

 足元の日本企業の業績は回復基調が鮮明だ。2021年3月期企業の第3四半期決算では、トヨタ自動車などが上振れ着地して通期予想を引き上げた。企業の通期見通しにはまだ上振れの余地がある。来期も増益が続くならEPSが拡大して、日経平均3万円台でも割高感が小さくなる。

 ただし、2021年の環境がよすぎることによる「相場の頭打ちリスク」も念頭に置いておくべきだろう。2021年度の業績には、コロナ禍で抑制されていた需要が一気に吹き出す「ペントアップ需要」に加え、企業がコスト削減を推し進めたことで利益が急回復する「リストラ効果」も上乗せする。2022年度はそれらの効果が剥落し、増益率が見劣りするかもしれない。今年後半以降は株価も頭打ちとなる懸念がある。

高値銘柄の波乱に警戒

 一方で、「売らない買い手」の影響で、株式の需給が逼迫する可能性もある。「2010年からの11年間で、両者(日銀のETF買い、企業の自社株買い)は累計で76.1兆円の買い越しになっている」(東海東京調査センター・鈴木誠一チーフエクイティマーケットアナリスト)。これは、市場に流通している浮動株を基準とするTOPIXの時価総額430兆円弱に対して、2割近い規模になる。

 浮動株とは、親会社や創業オーナーといった大株主の持ち分(特定株)を除いたものだが、「年金基金のように長期保有する投資家がいる。個人も長期投資や株主優待が目的の場合、頻繁に売り買いしない」(鈴木氏)。売買の玉(浮動株)が枯渇すれば、株価は乱高下しやすくなる。特定の銘柄に買いが集中して、急騰するケースも目立ってくる。

 株価水準の高い銘柄に影響を受けやすいという日経平均の構造的な問題もある。2020年10月から2021年2月15日まで、日経平均は3割超上昇したが、上昇幅7107円の1割超はファーストリテイリング1社で占めている(同期間のTOPIXは23%上昇)。

 また、日経平均225銘柄の構成比上位3社(ファーストリテイリング、ソフトバンクグループ、東京エレクトロン)で上昇分の3割超を占めており、これが値下がりすれば日経平均も下落しやすくなる。今年の株価は「3万円台」という全体の数字よりも、日経平均を構成する「高値銘柄」の波乱リスクをこそ、警戒すべきなのかもしれない。

 米スクエア約3318ビットコイン=1.7億㌦で購入(総投資額2.2億㌦) 

Bloomberg 2021年2月24日(水)6時59分配信

 モバイル決済サービスを提供する米スクエアは23日、暗号資産(仮想通貨)ビットコイン約3318コインを総額1億7000万ドル(約179億円)で購入したと発表した。

 スクエアは先に5000万ドルをビットコインに投じており、これを合わせたビットコインへの投資額は、昨年末時点の同社の現金および現金同等物、市場性有価証券全体の約5%を占める。

 同社は今回の投資について、ビットコインへの継続的なコミットメントの一環だと説明。ビットコインへの投資総額については、他の投資との比較で継続的に見直す予定としている。

ビットコイン暴落5万㌦割り込む

Bloomberg 2021年2月24日(水)6時30分配信

 仮想通貨ビットコインは23日の取引で下げが加速し、5万ドルを割り込んだ。価格が膨らんだビットコインを手放す動きが出始めた。

 ビットコインは一時18%下げ、ニューヨーク時間午後4時32分(日本時間24日午前6時32分)現在、約4万7870ドル。約2週間ぶりの安値にすぎないが、仮想通貨のより大きな後退の始まりを示すものか、あるいは単に予想しにくい市場におけるボラティリティーの表れなのか投資家は考え始めている。

 UBSグローバル・ウェルス・マネジメントのマーク・ヘーフェル最高投資責任者(CIO)は発表文で「仮想通貨への投機に慎重を期すよう顧客に助言する」とした上で、「確定していない規制上のリスクがある上に、将来的な利用も不明なままだ」と指摘した。

 昨年12月から2倍余り値上がりしているビットコインは今週、この1年間に株価が急伸した銘柄とともに売りの勢いが加速する中で下げている。23日は、ハイテク銘柄中心のナスダック100指数などはプラス圏にあと一歩まで戻したが、ビットコインはこの日の安値付近に張り付いたままだった。

 一方、仮想通貨交換所ビットフィネックスは損失隠しなどの疑惑を巡るニューヨーク州司法長官の調査で和解した。1850万ドル(約19億5000万円)の支払いを伴うこの合意で市場の不透明性が払拭されるとの見方もある。

ビットコイン600万円から480万円まで急落

ITmediaビジネス 2021年2月24日(水)9時20分配信

 仮想通貨のビットコインの値動きが激しい。2月22日に初めて600万円を超えたビットコインだが、夕方から急落。23日の夜には480万円まで下落し、24時間で約20%の暴落となった。

 年初のビットコイン価格は290万円台。2カ月余りで約2倍となる高騰を見せた。早すぎた上昇に対する調整という見方もある。

 24日には、米決済大手スクエアが180億円相当のビットコインを追加で購入したと発表した。また、米司法当局と係争が続いていた、ステーブルコイン「テザー」を発行するテザー社が、和解に応じたことが23日に明らかになった。

 こうした動きから、ビットコイン価格は持ち直し、24日朝の段階では515万円前後で推移している。

 米国人4人1人暗号資産保有消費者動向調査 

coindesk JAPAN 2021年2月23日(火)9時01分配信

 消費者動向のリサーチプラットフォームを運営するPiplsayが米国で行った調査によると、4人に一人が暗号資産をすでに保有しており、27%が今年中に暗号資産の投資を計画していると答えた。

 アンケート調査は18歳以上の30000人を対象に実施された。回答者の過半数は、暗号資産は安全な投資対象だと思うと回答した。

 暗号資産に対する意識調査は、米国のデジタル資産運用会社も実施している。機関投資家向けのビットコイン投資信託を運営するグレイスケール・インベストメンツは昨年10月に調査を行い、アンケートに答えた55%の投資家が暗号資産への投資に興味を持っている答えたという。

 また、同じくデジタル資産運用サービスのビットワイズ(Bitwise)が行った調査では、24%のフィナンシャル・アドバイザーがビットコインなどの暗号資産を保有していることがわかった。

 過去数カ月におけるビットコイン価格の急上昇は、他の資産クラスの上昇幅を大きく上回り、多くの機関投資家や企業の投資意欲を強めている。企業データ管理・分析サービスの米マイクロストラテジーや、米電気自動車(EV)最大手のテスラは、実際に資金の一部を使ってビットコインの購入を行っている。

 一方、一般の関心を示すグーグルを利用した検索数では、「ビットコイン」のキーワードは2017年に記録した水準には達していない。

 Piplsayの調査では、41%の回答者が株式と暗号資産は同等のリスクのある投資であると答えた。暗号資産は安全な投資ではないと答えた回答者の27%は、ハッキングや詐欺の懸念があると指摘した。不十分な規制と、暗号資産の高い価格変動率を指摘した回答者は、それぞれ2割程度だった。

 テスラ株25%下落ビットコイン投資後22兆円失う 

Forbes JAPAN 2021年2月24日(水)11時30分配信

 テスラ株は今月、これまでの快進撃から一転、勢いを失っている。アナリストの間では、同社が今月上旬に世界最大の仮想通貨であるビットコインに対する15億ドル(約1580億円)の投資を発表したことで、同社株がビットコインの極端な乱高下を模倣し始めるのではとの懸念も生まれている。

 テスラ株は23日朝、前日比で一時10%以上下落。ビットコイン投資を発表した今月8日からの下落率は25%を超え、時価総額はおよそ2150億ドル(約22兆6000億円)減り、約6200億ドル(約65兆3000億円)となった。

 テスラのイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)は先週末、ビットコインの価格について「高いように思える」とツイッターに投稿。ビットコインはその後、約7%下落した。

 ウェドブッシュ証券のアナリスト、ダニエル・アイブスは23日朝の顧客向けメモで、テスラ株は今や「良くも悪くも」ビットコインと「密接にひもづけられている」と指摘。こうした見方から、保守的な投資家はテスラ株の売りに走っている。

 アイブスはテスラ株について強気な見方を保っているが、ここ最近の下落の原因として、最安モデルである「モデルY」の販売停止や、相次ぐ値下げがアナリストらの間での需要に関する懸念につながったと説明している。

 

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