独白

2021年2月 1日 (月)

【コロナ第3波】11都府県<緊急事態宣言>一部地域を除き「延長の意向」

菅首相愚策数十兆円もの税金ドブにてられている

現代ビジネス 2021年2月1日(月)6時31分配信/中原圭介(経済アナリスト)

菅義偉首相が国難の元凶

 私は2018年に上梓した『日本の国難』において、日本に将来訪れる国難の原因は「少子高齢化(=人口減少)」と「AI社会での格差拡大」の2つにあるとし、その緩和策を進めるべきだと提案しました。新型コロナの感染拡大が広がる中で、少子化は想定以上に進み、国民の間で格差はますます広がっています。

 しかし、今の菅義偉首相の場当たり的な対応しかできない惨状を見ていると、日本の最大の国難は「力量不足な人物が国の舵取りをすること」だと思っています。歴史や科学の見識を無視した結果、経済活動と感染抑止の両方に失敗した責任は甚大です。たった一人の明らかに誤った判断のせいで、生活が脅かされる。国民からすればたまったものではないでしょう。

 菅首相が力を入れている政策には、近視眼的で本末転倒なものが目に付きます。合理的な根拠を示さないばかりか、むしろ精神論に近いという欠点が如実に表れているように感じられます。

 その筆頭に挙げられるのが、「Go To トラベル」や「Go To イート」といった一連の政策です。中世ヨーロッパで大流行したペストにしても、第1次大戦中に世界中に拡大したスペイン風邪にしても、過去の歴史が教訓として示しているのは、人々の移動の増加が感染症拡大の主たる原因になっているということです。

 菅首相は今でも「Go Toトラベルが感染拡大の原因であるとのエビデンスは存在しない」との立場を堅持していますが、歴史の教訓はエビデンスと同等の価値を持っているはずです。

人災としか言いようがない

 実際に、新型コロナの全国への感染拡大は10月1日以降、Go Toトラベルに東京が追加されてから広がってしまいました。さらには、東京版Go To イートが開始された後、東京で感染の再拡大が起き、それがGo Toトラベルを通して全国にますます蔓延していくという悪循環を辿っていきました。

 その一方で、地方から東京に多くの観光客を訪れ、ウイルスを地元に持ち帰って感染が広がったということもあるでしょう。たしかに、Go Toと感染拡大に因果関係があるとは証明できないものの、Go To政策の推移と感染者数のグラフを見ると明らかに相関関係があります。

 それは、Go Toの対象から早く除外された地域(たとえば、北海道や広島など)ほどいち早く感染者数の減少傾向が鮮明になっていますし、昨年末にGo Toを停止した影響が今の全国的な感染者数の減少にもつながっているといえるからです。

 そもそも多くの感染症専門家が以前から、空気が乾燥する冬場は感染が広がりやすいと警鐘を鳴らしていたはずです。当然のことながら、大方の国民も同じ懸念を共有していました。それにもかかわらず、菅政権は専門家によるGo To 事業停止の訴えを無視して、昨年の12月初旬には、Go Toトラベルの翌年6月までの延長を決定していたのです。

 その挙句に、菅政権は全国での感染拡大第3波を招いたわけですから、これは人災としかいいようがありません。人災の責任の一端は、Go To事業を推進した政治家、推進を後押しした専門家、さらにはGo To事業を囃したテレビなどのメディアにもあるといえるでしょう。

 国民の危機意識の希薄化を招いたのは、明らかにGo To事業にあります。政府が旅行や外食に積極的に行くようにお墨付きを与えたことで、多くの国民の意識にそれが刷り込まれ、全国にコロナが蔓延していく下地がつくられていったのです。

 それに加えて、今回の第3波の拡大途上では、政治家の大人数での会食など不見識な行動が露見し、国民の中には感染拡大を深刻に受け止めなくなった人々が増えていったのでしょう。

税金で感染拡大して、税金で後始末という愚

 今でも国民の7割程度は自らができる感染対策(3密回避、マスク着用、手洗い消毒)や不要な外出自粛を継続しています。それでも1割程度の人々に気の緩みが生じれば、感染爆発が起きるには十分すぎるほどなのです。というのも、徹底した感染経路の調査が機能するのは感染者が数百人単位が限界であり、千人単位では調査で追い切れなくなるからです。

 もとより経済の専門家のあいだでも、経済活動を無理に推し進めれば感染爆発が起きて、経済がかえって想定以上に悪化してしまうという懸念が広がっていました。結局のところ、コロナ対策の大失敗が経済をいっそうダメにしてしまったというわけです。本末転倒とはまさにこのことです。

 いずれにしても、Go Toトラベルによって新型コロナが東京都心から全国に拡大したのは、紛れもない事実です。税金を使って感染を広げ、税金を使って後始末をするというのは、あまりに馬鹿げていて滑稽すぎることです(外国人の入国制限の緩和も感染拡大の要因のひとつですが、この記事では触れないのでご了承ください)。

 安倍前政権下で感染拡大の第1波に見舞われた際には、実施した対応策の反省すべき点を教訓としてたくさん与えてくれたはずです。

 それを将来の政策に生かさなければならないのに、菅政権下ではそういった教訓が生かされている形跡はまったくありません。それどころか、歴史と科学の知見を無視する傾向が強まってしまっているようです。

スマホ料金値下げも、国民の利益にならない

 そもそも菅首相が取り上げる政策は、本末転倒なものばかりです。私は本サイトでこれまでも菅首相がかねてより推し進めてきた「最低賃金引上げと中小企業再編」の問題(『最低賃金の「引き上げ」で、じつは日本が“米国並み”の「超・格差社会」になる! 』)や、「ふるさと納税」の問題(『ふるさと納税、じつは日本人の「格差」を拡大させていた…! 』)を批判してきましたが、「携帯料金の値下げ」も目先の国民受けだけを狙った、実に近視眼的な政策です。

 なぜなら、携帯キャリア各社は通信機器やネットワークに対して巨額の設備投資を行い続けることで、サービスを提供しているからです。5Gを整備するためのコストは、4Gに比べて段違いにかかるとされているのです。

 携帯事業は変動費の動きが小さいため、売上げが減少すると利益も減少するという収益構造になっています。携帯料金の値下げはストレートに利益の減少につながるので、携帯キャリア各社は来期から大幅な減益になるのが既定路線だといえそうです。

 厳しい現実として、本物の5Gネットワーク(ミリ波を使ったもの)は東京の一角を除いてまったくといってもいいほど整備されていません。5Gの電波は4Gと異なり直進性が強いため、基地局の密度が4Gの十倍は必要だといわれています。これまでとは基地局の数が桁違いに必要となり、設備投資のコストも急激に跳ね上がるというわけです。

 経済・社会のデジタル化が進む中で、5G通信は様々な分野で利用が不可欠となります。たとえば、将来の自動車分野で普及が期待される自動運転なども、5Gが利用できなければ絵にかいた餅になってしまいます。

 携帯キャリア各社が料金の値下げによって投資余力を奪われ、5Gネットワークの整備が思うように進まなければ、企業も国民もデジタル社会の恩恵を十分に受けられなくなるのです。

 菅首相に従順な総務省の官僚でさえ、今回の官製値下げはタイミングが悪すぎると危惧しています。携帯キャリア各社の本音も、値下げの強要はせめて5Gがある程度普及してからにしてほしかったというものでしょう。経済・社会のデジタル化の足かせとなる官製値下げによって、日本は5Gネットワークの整備が遅れ、米欧中に大きく水をあけられかねません。

 おまけに、携帯料金の値下げにともなう通信サービスと携帯端末の分離販売が常態となり、スマホの価格がかつてよりかなり高くなっています。多くの人々がスマホの価格がずいぶん上がったと感じているはずです。これまでスマホを2~3年で買い替えるユーザーが多かったことを考えると、トータルで見た時に本当に国民の利益になっているのかも疑わしいのです。

記者クラブが容認し続けた説明責任の放棄

 管首相は一都三県を対象にした緊急事態宣言の発出に際して、いくつかのニュース番組にインタビュー出演しましたが、恥ずかしげもなく「感染拡大は予想していなかった」という見解を披歴しています。先ほども触れましたように、専門家も国民も感染拡大を危惧していたというのに、我が国の首相の先見性の無さには呆れるしかありませんでした。

 また、ある番組では「1か月後に事態が改善していない場合、感染対策を強化するのか」と問われ、「仮定のことは考えない」と答えたことも、危機管理能力の欠如を広く世間に露呈した形となりました。

 こういった一連の発言で明らかになったのは、官房長官時代に危機管理が万全だったという評価は官邸記者クラブがつくりあげた幻想(嘘)だったということです。

 というのも、官邸記者クラブはこれまで菅官房長官(当時)がまともに質問に答えない態度をずっと許してきたからです。

 菅官房長官の定例記者会見において、「まったく問題ない」「批判は当たらない」「指摘は当たらない」といった決まり文句は、多くの国民が一度は聞いたことがあるでしょう。これらの言葉だけで済ませるのは、国民に対する説明責任の放棄にほかならず、言い方を換えれば、政治家として説明能力がないことを示しています。要するに、官邸記者クラブが菅官房長官の実力不足を覆い隠してきたのです。

何十兆円単位の税金が無駄になる

 平時ではなく危機時にこそ、政治家の本質がよく見えるものです。日本国民は新型コロナが蔓延する状況下において、「政治主導は政治家が優秀なら機能するが、力不足だと恐ろしく逆効果となる」ことを思い知りました。一国のトップがその資質を有していないと、何十兆円単位の税金の無駄遣いにつながることもわかりました。

 「GoToトラベル」「携帯料金引き下げ」、「中小企業再編」「ふるさと納税」など、これらすべての政策は目先のことばかりが重視され、教養と長期的なビジョンが欠如しています。国家の大計を考えるのであれば、日本はもっと歴史や科学、データに強い政治家を増やしていくべきです。その中から優秀なトップが育っていくことが、豊かな日本を取り戻すきっかけになるのではないでしょうか。

 緊急事態宣言2日延長決定 10都府県3月7日まで 

共同通信 2021年2月2日(火)5時34分配信

 政府は2日夕、新型コロナウイルス特別措置法に基づく緊急事態宣言について、発令中の11都府県のうち10都府県の延長を決定する。首都圏4都県、東海2県、近畿3府県、福岡県を対象に7日までの期限を1カ月延ばし、3月7日までとする。栃木県は解除する。菅義偉首相は記者会見し、早期の感染収束に向けた協力を国民に呼び掛ける予定だ。

 政府は2日午後、専門家で構成する諮問委員会に宣言の延長方針を説明し、判断を仰ぐ。その後、首相が衆参両院の議院運営委員会で事前報告する。続いて政府対策本部で正式決定し、記者会見に臨む。

 銀座クラブ3議員離党ユル過ぎる処分に批判殺到

東スポWeb 2021年2月2日(火)6時15分配信

 緊急事態宣言下、東京・銀座のクラブを訪問した〝自民党のマツジュン〟こと松本純議員(70)が1日、党本部で会見を行い、離党を表明した。ケツを叩いたのは二階俊博幹事長(81)。そのウラにはこの問題を1日も早く幕引きしたい意図が見え隠れするが…

 松本氏は党本部で銀座クラブ行脚について陳謝。当初「私ひとりで行った」と説明していたが、実際は大塚高司、田野瀬太道の両議員も同行していた。虚偽説明した理由について松本氏は「(後輩を)かばいたい思いがあった」と話した。

 松本氏ら3人は党に離党届を提出。引導を渡したのは党内の最高実力者と評される二階氏で、松本氏を呼びつけ離党勧告を突き付けたという。

 二階氏は記者団との取材で「まあ、(政治家の)出処進退は、ご本人自らが決めることであります。(松本氏が)当初、説明した内容と異なることが判明したのを受けて、私のほうから離党勧告しました」と話した。

 同じく緊急事態宣言下で銀座のキャバクラ店通いがバレた公明党の〝永田町の遠山の金さん〟こと遠山清彦前幹事長代理(51)は議員辞職を表明。山口那津男代表は、国会内の会見で「国民に強い政治不信をもたらしてしまったことを深くおわびしたい」と頭を深々と下げて謝罪した。母体である創価学会の婦人部が〝厳罰〟を求めていたことも多分に影響したとみられる。

 かたや離党、かたや議員辞職…。二階氏は「われわれの党は、われわれの党独自の判断です」と述べたが、ネット上では「(自民党の)マツジュンたちも辞めろ」「処分がユルすぎる」といった声が殺到。政界関係者は「あれだけ逃げ切る気満々だった松本氏らが、離党を受け入れた。それでも議員は辞めていないわけで、ほとぼりが冷めたらしれっと復党する可能性は十分ある」と指摘する。

 ここにきて菅義偉首相の内閣支持率は30%台前半まで急落。新型コロナウイルス対策の失政もさることながら、二階氏の言動が国民の反発を招いている側面は大きい。自民党若手議員の間では、年内に行われる可能性が高い解散総選挙に向けて危機感が広がっているというが…。

「菅&二階のコンビでここまで支持率が下がりました。党内では『これでは選挙を戦えない』という声が上がってもおかしくありませんが、実際に〝二階降ろし〟までいくかといったら、トーンダウンします。二階さんを怒らせて次期衆院選で党公認が取れなくなるのを、みんな恐れているんです」と話す。

 別の議員も「二階さんは、若手議員に『自民党は自由な政党なんだから、なんでも思いきってやりなさい』と葉っぱをかけてきます。二階さんの幹事長としての手法に反発しても、年内に選挙が控えているので、党内政局が起こるのは難しいことです」と同調する。

 当の二階氏は今回の松本氏らの処分が政権に与える影響について「それはみなさん(マスコミ)がお考えになることです。われわれは反省し、常に前向いていきます」とだけ語った。

〝二階大魔王〟は君臨し続けるようだ。

 ウソ傷口拡大自民3議員離党 公明議員辞職 

産経新聞 2021年2月1日(月)20時41分配信

 自民党の松本純前国対委員長代理が緊急事態宣言下の東京都内で深夜まで銀座のクラブを訪れていた問題は、同党の2議員の同席が新たに判明し、3人が離党に追い込まれた。虚偽の説明は新型コロナウイルスへの危機意識の乏しさを浮き彫りにし、支持率回復の兆しがあった菅義偉内閣には打撃となった。深夜会合などが批判された公明党の遠山清彦前衆院議員の辞職も、与党の次期衆院選戦略に悪影響を与えかねない。

「改めて、党を挙げて信頼回復に努力したいと考えている」

 自民の二階俊博幹事長は1日の記者会見で、3人が離党したことを陳謝した。

 事態を深刻化させたのはクラブに「1人で行った」と一貫して説明していた松本氏だった。同日に2人が同席を認め、ウソが発覚。同席した田野瀬太道元文部科学副大臣は同日、記者団に「松本氏が私たち2人をかばおうとしているのを知っていた。心苦しかった」と釈明した。

 不祥事が小出しに明らかになったことで自民の傷口は広がり、対応は後手に回った。閣僚経験者は「危機管理としてウソが最も良くない。(新型コロナのワクチン対策などへの期待から)底を打ったとみられた内閣支持率も厳しくなる」との見方を示した。

 遠山氏の不祥事では、清廉なイメージを定着させてきた公明に批判の矛先が向かった。深夜会合が発覚した1月26日以降、党本部には「議員を辞めるべきだ」との声が殺到。支持母体の創価学会への抗議の電話も鳴りやまなかった。

 多くの会員が反発した集団的自衛権の限定行使を可能にする安全保障関連法(平成27年成立)を引き合いに、学会幹部は「クレームは安保法制の比ではない」と頭を抱えた。

 次期衆院選への影響も懸念される。特に候補者が比例代表から選挙区に転じ、初陣となる東京12区や広島3区では厳しい戦いを強いられそうだ。山口那津男代表は今月1日、記者団に「(選挙への)影響を最小限に食い止められるよう、最大の努力をしたい」と述べたが、明るい材料は見いだせていない。

 コロナ特措法改正案、3日成立 衆院通過 刑事罰削除 

時事通信 2021年2月1日(月)17時02分配信

 新型コロナウイルス対策の感染症法、特別措置法などの改正案は1日の衆院本会議で、与党や立憲民主党などの賛成多数で可決、参院に送付された。

 感染症法改正案は入院を拒否した人への行政罰導入が柱。特措法改正案は緊急事態宣言の前段階として「まん延防止等重点措置」を新設する。参院審議を経て、3日に成立する見通しだ。

 自民、立憲両党は入院を拒否した人らを対象とする刑事罰導入を撤回するなどの修正で合意。これに基づき、本会議に先立つ内閣委員会で改正案は修正可決された。

 重点措置に関しては「国会へ速やかに報告する」との付帯決議を行った。営業時間短縮などに応じた事業者支援については「経営への影響の度合い等を勘案し、要請に十分な理解を得られるようにする」と明記した。 

 へとへとや 吉村大阪知事もう疲れてきて、頭が… 

日刊スポーツ 2021年2月1日(月)21時45分配信

 大阪府は1日、新型コロナウイルス対策本部会議を開き、新型コロナウイルス特別措置法に基づく緊急事態宣言が延長された場合、解除を国に要請する独自の判断基準を決定した。会議後の会見で、大阪府の吉村洋文知事(45)は「僕、もう疲れてきて、頭がもう…」と質問を聞き直すシーンもあった。

 会議の冒頭、吉村知事は「感染者数は減っているが、病床のひっ迫が続いており、緊急事態宣言の延長はやむをえないと思う」と述べた。緊急事態宣言は7日が期限だが、延長された場合について「大阪府として解除を求める明確な判断基準、出口基準を示すべきだ」と強調した。

 解除を要請する基準として<1>直近1週間の新規陽性者数が1日平均で300人以下の日が7日間続く<2>重症患者用の病床の使用率が60%未満の日が7日間続く。どちらかをクリアした場合、大阪府の専門家会議の意見を聞き、判断するとした。

 会議後、吉村知事は約1時間、取材に応じたが、途中で「あのまず…、1点目の(質問は)なんでしたっけ? ちょっと、僕、もう疲れてきて、頭が…。質問の最後のところだけ」とリクエストし、苦笑いするシーンもあった。

 緊急事態宣言中に自民党の松本純前国対委員長代理が東京・銀座のクラブを訪れた問題で、同党の大塚高司衆院議院運営委員会理事と田野瀬太道文部科学副大臣が同席していたことにも言及した。

国民のみなさんに厳しいお願いをしている中で、示しがつかない。国民の代表として国会に行っている国民のみなさんはもう守らなくて、ええやんとなるそれだけの想像力がない人が国のリスクマネジメントできるのか不安すら覚える」とぴしゃりと言い放った。

 大阪府は1日の新型コロナウイルスの新規感染者は178人と発表した。1日あたりの感染者が100人台となるのは、昨年12月28日以来。

国会議員銀座飲食  が罷り通る“異常

沖縄タイムス 2021年2月2日(火)7時11分配信

 コロナ禍で我慢を強いられている国民が、政治家の行動にどれだけ厳しい目を向けているか分からなかったのか。

 公明党の遠山清彦衆院議員が、辞職願を提出し許可された。

 緊急事態宣言下の先月22日、深夜まで東京・銀座のクラブに滞在していた、と週刊誌に報じられた。自身の資金管理団体がキャバクラなどに「飲食代」として計11万円を支出していたことも判明した。これらの責任を取る。

 遠山氏は「私の不適切な行動と、資金管理団体の不祥事で政治への信頼を深く傷つけてしまった」と謝罪した。その通りであり、議員辞職は当然だ。

 党の幹事長代理だった遠山氏は当初、役職を辞任したものの議員辞職については否定していた。党も厳重注意にとどめていた。事態を軽く見ていたのではないか。

 緊急事態宣言の発令で不要不急の外出や会食の自粛が呼び掛けられ、多くの国民が感染拡大を防ぐために協力している。そのさなかに与党の要職を務める国会議員が深夜までクラブを訪ねる、とは国民感情を逆なでする行為だ。

 しかも政府、与党は私権制限を強化する新型コロナウイルス特別措置法と感染症法の改正案の成立を急いでいるところで、あまりに緊張感に欠けている。批判の高まりに追い込まれた格好だ。

 比例九州ブロック選出の遠山氏は昨年まで党の沖縄方面本部長を務めていた。今回の不祥事は、信頼を寄せる県内の支持者をも裏切るものである。

■ ■

 遠山氏と同様に、深夜に銀座のクラブを訪ねていた自民党の松本純元国家公安委員長は、離党勧告処分となった。党の国対委員長代理を辞任して批判をかわそうとしたが抑えられなかった。

 自民党の大塚高司衆院議院運営委員会理事と田野瀬太道文部科学副大臣も同じ処分となった。松本氏が銀座のクラブを訪れた際に両氏が同行していたという。

 松本氏はこれまで「1人で行った」と説明していた。うそをついて事実を隠蔽しようとしていたのだ。「前途ある2人。後輩をかばった」との釈明が通用するはずがない。

 理解できないのは党執行部の対応だ。松本氏が当初、役職の辞任を申し出た際、二階俊博幹事長は「やめる必要はない」と一時慰留したという。3氏を離党勧告処分としたのは、世論の反発を受けて慌てて取り繕った感が否めない。

■ ■

 菅義偉首相は田野瀬氏から報告を受け「あるまじき行為だ」として更迭した。だが、自身にも副大臣への任命責任があるのは明らかだ。

 公明党の山口那津男代表は「信頼回復のため党一丸となって取り組む」と記者団に語った。

 では自民党はどうするのか。

 菅首相は代表質問で「政治とカネ」の問題を問われた際に「政治家は責任を自覚し、常に襟を正すべきだ」と述べた。政治不信が高まる今、どのように正すのか道筋を示すことが求められている。

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関連エントリ 2021/02/02 ⇒ 【コロナ第3波】栃木県除く10都府県<緊急事態宣言>延長✍3月7日まで

 

2021年1月21日 (木)

【大統領就任式】民主党ジョー・バイデン(78)第46代米国大統領に就任

 てが期待以上のバイデン就任式感じる1つ疑念 

Newsweek日本版 2021年1月21日(木)16時07分配信/冷泉彰彦(在米作家)

仮にバイデン政権がトランプ時代の疑惑を不問にしようとすれば、民主党左派はそのような幕引きは許さない

 バイデン大統領が就任しました。4年に1度の就任式は、パンデミックのために無観客だったのと、事件を受けた厳戒態勢を別にすれば、全てが伝統に従って行われました。14日前に乱入事件があった連邦議会議事堂は、美しく修復されていましたし、式典も見事でした。分断からの和解を訴える大統領の演説も良く練られたものでした。

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 その全てが「こうあるべき」というスタイルに収まっており、またその全てがちゃんと期待を上回っていました。ですが、その式典を通じて、一つの疑念を感じたのも事実です。あくまで仮説に過ぎませんが、とにかくある一つのストーリーを気配として感じたのです。

 それは、アメリカという国はその深層における国家意思として、トランプの4年間を「なかったこと」にすると同時に、ドナルド・トランプという人物と「秘密の取引」をしているという可能性です。

 取引というのは、つまり彼が今後、政治的な影響力を行使しない、とりわけ極右グループと手を切るということを確約する代わりに、家族も含めて訴追をしないという密約です。弾劾決議については、下院で決議された弾劾は取り消せませんが、上院での承認はどこかの時点でウヤムヤにするか、コッソリと否決して済ますという可能性も感じます。

トランプ退任の奇妙な演出

 まず、この日の就任式への出席をトランプは拒否しました。そして、一部の支持者を集めた退任式典をやって、家族ともどもフロリダへ去ったのです。その去り方は奇妙なものでした。

 まず、就任式の当日朝、午前8時48分にトランプ夫妻は、「大統領としての最後のフライト」に搭乗すべく、タラップを上がって大統領専用機「エアフォース・ワン」のコールサインをアサインされた747機の機中に姿を消しました。全く同じ時刻に、バイデン大統領は宿泊所としていた国の迎賓館である「ブレア・ハウス」から専用車で朝の礼拝に向かったのです。まるで示し合わせたかのような演出でした。

 その約2時間半後の11時5分。式典会場ではペンス前副大統領(その時点ではまだ現職)夫妻が入場し、一同の拍手で迎えられていましたが、その全く同じ時刻にフロリダに着いた「エアフォース・ワン」のドアが開いたのでした。

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 些細な演出かもしれませんが、これは単に「就任式に出席し、ホワイトハウスで出迎えをする」のを拒否した変人大統領が、タダで専用機を使える午前中のうちにフロリダへ去ったというだけではなく、もっと深い意味があるように感じられました。それが、2つの時刻をピタッと合わせた演出につながったのではないか、そう思わせたのです。

 そう考えると、バイデン新大統領が演説の中で繰り返し言っていた「和解」とか「癒やし」あるいは「分断を終わらせる」という言葉にも、単なるメッセージを超えた政治性が感じられたのでした。

政権以降にはおそらく協調したペンス

 もう一つは、就任式の主賓席の雰囲気でした。式典を通じて、バイデン夫妻、ハリス夫妻、オバマ夫妻、ブッシュ夫妻、そしてペンス夫妻は、まるでこの10人が何十年来の同志であるかのように親密に振る舞っていました。その様子を見ていると、2週間前に同じ場所で発生した流血の不祥事以来、ペンス副大統領(当時)が、少なくとも軍事、治安、政権移行の3分野については超法規的に事実上政権を代表して、議会および次期政権と協調していたことが伺えました。

 その延長線上に、トランプとの「暗黙のディール」があっても不思議ではない、そんな印象を抱きました。例えばですが、バイデン大統領が演説で、和解を、そして危機の克服を、と訴えていた際に、ブッシュとマコネルという共和党の政治家が極めて真剣な姿勢で聞き入っていた、その光景もこれに重なってきます。一方で、おそらくはトランプを一生許さないであろうクリントン夫妻は、式典会場でも表情は堅いままで、存在感はありませんでした。

 仮にそのような「密約」があったとして、これはバイデン政権にとっても、マコネル院内総務率いる共和党の穏健派にしても、願ったりかなったりだと思います。ですが、一つ大きな問題があります。それは、民主党の左派はおそらくそのような曖昧な筋書きは許さないだろうという点です。

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 思い起こせば、2017年、そして2018~19年の失敗に終わった弾劾決議の時も、消極的であった民主党指導部に対して「トランプの犯罪を許すな」と激しく突き上げたのは左派でした。どんな形であれ、仮にもトランプを「許す」ということになれば、彼等は黙っていないでしょう。

アジア同盟国重視のメッセージ

 これも全くの印象論ですが、バーニー・サンダース上院議員が、就任式という格式にはそぐわない「アウトドア向けの防寒ジャケット」で列席していたあたりに、何となく不穏な予兆を感じたのも事実です。

 いずれにしても、新政権の初日は混乱もなく、スムーズな「船出」となりました。まずは、新型コロナ感染拡大対策として、ワクチン接種の加速、そして経済支援策の実現が注目されています。

 一方で、中国はトランプ政権の外交チームに制裁を加え、何故かこの日に合わせてジャック・マー氏が公共の場に姿を見せるなど、アメリカとの関係改善へ向けたメッセージを早速投げてきました。バイデン政権としては、早期に外交チームの上院承認を得てスピーディに新しい外交をスタートできるかが問われています。

 ちなみに、就任式の夜に行われたバーチャル形式での就任記念イベントで、岩国の米軍基地からF35機を背景にして海兵隊員が就任を祝いつつ、自由陣営と同盟を守るというメッセージを述べるシーンがありました。とりあえず、これは日米同盟を機軸にして、オバマ時代の「アジアにおける同盟重視戦略」に戻そうというメッセージと理解して良いと思います。

 台湾代表、米大統領就任式正式招待79年断交以来 

AFPBB News 2021年1月21日(木)15時50分配信

 20日に行われたジョー・バイデン(Joe Biden)米新大統領の就任式に、台湾の駐米大使に相当する駐米台北経済文化代表処の蕭美琴(Hsiao Bi-khim)代表が正式に招待され、出席した。台湾政府は21日、米中国交正常化により1979年に米台が断交して以来初の正式招待で、今後の先例になるとの見方を示した。

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 蕭代表は、就任式会場で撮影した自身の動画をインターネットに投稿。「台湾の人々と政府を代表して、バイデン大統領と(カマラ)ハリス(Kamala Harris)副大統領の就任式に出席することを光栄に思う」と語り、「民主主義はわれわれの共通言語であり、自由はわれわれの共通目標だ」と続けた。

 台湾外交部は、台湾の駐米代表が米大統領就任式の実行委員会から「正式な招待を受けた」のは数十年ぶりだと発表。与党・民主進歩党(DPP)は「42年ぶりの新たな進展」だと評価した。

 蔡英文(Tsai Ing-wen)総統は、バイデン大統領の就任宣誓後にツイッター(Twitter)を更新し、「より良い方向を目指すための国際的な力として、共に取り組んでいく準備はできている」とバイデン氏に呼び掛けた。

 中国ポンペオ氏らトランプ政権高官28人制裁科す 

CNN.co.jp 2021年1月21日(木)15時00分配信

 中国政府は、トランプ前米政権で国務長官を務めたマイク・ポンペオ氏ら28人に対して、制裁を科すと発表した。中国に対して偏見と憎しみを抱いていたとしている。

 中国の発表の前には米国ではジョー・バイデン氏が米大統領に就任した。中国外務省はトランプ前政権の高官は「反中政治家」であり、米中間の関係を悪化させたとしている。

 中国外務省は声明で、こうした高官が中国の内政に大いに干渉する常軌を逸した数々の行動を計画、促進、実行し、中国の国益を犯し、中国の人々の感情を害し、中米関係に深刻な破壊をもたらしたと指摘した。

 中国の今回の動きは、トランプ政権時代には米政府と中国政府の間に対立が絶えず、しばしば敵対する関係だったことを浮き彫りにした。

 中国政府は制裁を科した28人の大部分について、トランプ政権が中国に対してより対立的な政策にかじを切るのに影響を及ぼした人物とみている。米中は貿易やテクノロジー、地域の安全保障、人権問題に関連した問題で対立している。

 高官ら28人とその家族は中国本土や香港、マカオに入境できなくなるほか、関連企業や関連団体は中国での経済活動が制限される。

 バイデン新政権高官内定者トランプの対中強硬策は正しかった 

中央日報 2021年1月21日(木)14時59分配信

「ジョー・バイデン時代」を率いる米国の新しい長官内定者たちが一斉に中国に向けて強硬メッセージを出した。ドナルド・トランプ元大統領の対中政策に対して「原則は正しかった」と異例の支持を送った。バイデン政府の対中圧迫基調がさらにはっきりと明らかになり、韓国政府が米中間での戦略的曖昧性を維持するのはさらに難しくなるという懸念が出ている。

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 ブリンケン氏は19日(現地時間)、上院外交委員会の指名承認公聴会で「トランプ氏が中国にさらに強硬に対応したことは正しかった」と評価した。ブリンケン氏は「力の優位」に立って同盟と共に国際秩序を率いていくという意志も明らかにした。国際社会における米国の主導権を取り戻して伝統的同盟関係を回復し、これをベースに中国に対する対応力を高めるという構想だ。

 ブリンケン氏は北朝鮮政策に関連して「北朝鮮に対するアプローチと政策全般を見直さなければならない」とし「この問題は先のすべての政府を困らせた難しい問題であり、好転するどころか事実はより悪化したため」と説明した。ブリンケン氏は「(北核は)難しい問題ということを認めるところから出発したい」とし「北朝鮮が交渉テーブルに出てくるようにするために効果的なオプションとして何があるのかを検討し、他の外交的イニシアチブが可能かも調べてみたい」と話した。あわせて「韓国や日本のような同盟と協議して提案を検討するだろう」と話した。北朝鮮に対する人道的支援に関しては「(北朝鮮に関連して)何をするにしても、安保はもちろん人道主義的な側面も留意する」と話した。

 中国に関連し、国家情報長官(DNI)に内定しているアヴリル・ヘインズ氏もこの日の公聴会で「中国にさらに攻撃的な立場を取らなければならない」という意見を明らかにした。財務長官に内定しているジャネット・イエレン氏も「中国の不公正かつ違法な慣行に対抗する」として中国の商品ダンピング、知識財産権侵害、自国企業の不法補助金支援などを指定した。

 これに伴い、バイデン政府でも細部政策に手を加えるだけで「対中圧迫」基調はそのまま維持されるのではないかとみられている。中央日報が今月に国内外の外交安保専門家34人を対象にしたアンケート調査もこのような流れを裏付けている。専門家はバイデン政府が日米豪印戦略対話(QUAD=クアッド)安保協議体構想など、トランプ政府の対中政策の相当部分を継続するだろうと予想した。

 バイデン政府の対中圧迫政策は文在寅(ムン・ジェイン)政府には負担だ。バイデン政府が前面に掲げる「同盟復元」と「中国圧迫」が合わされば「韓国も圧迫参加」という結論が出てくるためだ。ブリンケン氏はこの日、「核心同盟の力を再生すれば、世界に対するわれわれの影響力が何倍にも大きくなることができる」と話した。

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トランプ氏残した手紙の内容、バイデン新大統領「言わない

読売新聞オンライン 2021年1月21日(木)17時14分配信

 米国のバイデン大統領は20日、トランプ前大統領が自身に宛てて「とても思いやりのある手紙」をホワイトハウスの執務室に残していたと記者団に明らかにした。「私的なものなので、彼と話すまでは(内容は)言わない」とし、詳細には言及しなかった。

 米CNNによると、手紙は「新政権が国民の面倒をきちんとみて、国が成功を収めるよう祈る内容」で、トランプ氏は19日夜にしたためたという。

 トランプ氏は20日の大統領就任式を欠席し、バイデン氏との対面による引き継ぎも行わなかった。これまでの慣例をことごとく破ったトランプ氏だが、後任に宛てて手紙を残すという伝統には従ったようだ。

 バイデン新大統領就任初日大統領令脱トランプ前面 

AFPBB News 2021年1月21日(木)17時47分配信

 地球温暖化対策の国際枠組み「パリ協定(Paris Agreement)」への復帰や、世界保健機関(WHO)からの脱退撤回、環境保護と新型コロナウイルス対策の強化など、米国のジョー・バイデン(Joe Biden)新大統領は20日、就任宣誓の直後に多数の大統領令に署名した。就任直後のこうした大統領令への署名には、ドナルド・トランプ(Donald Trump)前政権からの政策転換を打ち出す狙いがある。

 署名された大統領令の中には、連邦政府の施設でのマスク着用義務化、イスラム教徒が多数を占める国々からの入国禁止の解除、環境保護と新型コロナウイルス対策の強化、メキシコとの国境の壁建設の中止、連邦政府における民族的少数派の多様性と平等性の拡充するための取り組みなどが含まれた。

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 ロン・クレイン(Ron Klain)首席補佐官は先日、ホワイトハウスの新しい幹部に渡したメモの中で、新型コロナ対策や米国の経済不況、気候変動や国内の人種的不公平について「緊急の対応を必要としている」とし、「バイデン氏は最初の10日間で、これらの危機に対応するため決然とした行動を取り、世界における米国の地位を取り戻す」と述べている。

 バイデン氏の側近らも、「同氏がトランプ政権が残した最も甚大な傷を修復するためだけでなく、国を前へ進め始めるために行動を起こしていく」と明らかにしていた。

 バイデン氏が就任初日から署名した大統領令は以下の通り。

新型コロナウイルス
・「100日間マスクチャレンジ」
・世界保健機関(WHO)脱退撤回
・コロナ対策で連邦政府の連携を再構築

経済救済策
・立ち退き・差し押さえの猶予期間延長
・学生ローンの返済猶予期間を9月30日まで延長

気候環境対策
・地球温暖化対策の国際的な枠組み「パリ協定」に復帰
・「キーストーンXLパイプライン」の建設許可の撤回、アラスカ州・北極圏国立野生生物保護区の石油・ガス鉱区リース権売却一時停止、気候危機への取り組み

移民
・「ドリーマー」*計画の保護
・イスラム教徒の入国禁止解除**
・メキシコ国境沿いの壁の建設中止
・トランプ前政権の厳格な移民法執行を変更
・リベリア人グループ強制送還の延期

* 未成年時に親に連れられ不法入国した移民
** 一部のイスラム諸国国民に対する入国禁止令

人権
・人種間の平等を促進する取り組みに着手
・市民権を持たない住民を米国勢調査から除外するトランプ氏の計画を撤回
・性自認や性的指向に基づく差別の予防・撤廃

規制
・トランプ政権が退陣間際に発した規制関連の大統領令を見直す大統領覚書を発出

倫理
・政府に対する国民の信頼の回復と維持(行政府被任命者の倫理誓約)

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 トランプ大統領退任式何らかの形戻ってくる 

読売新聞オンライン 2021年1月21日(木)12時07分配信

 米国のトランプ前大統領は20日、4年間の在任期間を終えてホワイトハウスを後にした。バイデン大統領の就任式を欠席し、ワシントン郊外で独自の退任式典を開いたが、トランプ氏を支えた主要閣僚らは姿を見せず、さみしい幕引きとなった。

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 トランプ氏は20日朝、メラニア夫人とともにホワイトハウスから大統領専用ヘリコプターに乗り込む際、記者団に「私は別れを告げるが、長きにわたる別れにならないよう期待している。また会おう」と語った。

 アンドルーズ空軍基地に場を移して行われた退任式の演説では、経済分野での実績を並べ立てたほか、「大統領選では、現職大統領として史上最多の得票を獲得した」と誇示した。娘婿で大統領上級顧問を務めたクシュナー氏らトランプファミリーや支持者らが最後の舞台を見守った一方、ペンス前副大統領ら政権メンバーのほとんどは参加しなかった。

 演説の途中、珍しく言葉に詰まり、支持者から励まされる場面もあった。トランプ氏は、「何らかの形で戻ってくる」と宣言し、大統領専用機に乗り込んだ。

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 約2時間後には約900マイル(約1440キロ)離れたフロリダ州パームビーチに到着した。空港からトランプ氏の別荘「マール・ア・ラーゴ」に向かう沿道には数百人以上の熱心な支持者が駆けつけ、「サンキュー、トランプ」などと連呼した。トランプ氏が車内から手を振ると、何度も歓声が上がった。

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2021年1月13日 (水)

【コロナ第3波】政府「緊急事態宣言」✍11道府県に拡大

大阪福岡愛知など7府県に緊急事態宣言11都府県に拡大

毎日新聞 2021年1月13日(水)18時30分配信

 菅義偉首相は13日、新型コロナウイルスの全国的な感染拡大を受けて政府対策本部の会合を開き、新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づく「緊急事態宣言」の対象地域として新たに大阪、京都、兵庫、愛知、岐阜、栃木、福岡の7府県を追加すると表明した。期間は14日から2月7日まで。既に東京、神奈川、埼玉、千葉の4都県では今月8日から宣言を再発令している。対象地域は3大都市圏を含めた11都府県に拡大した。

 首相は対策本部会合で「年末からの首都圏、特に東京での急速な感染拡大に加え、年明けからは中京圏、関西圏でも感染者数が急増し、強い危機感を持っている」としたうえで、「大都市圏についてはそこから全国に感染が広まる前に、対策を講じる必要があることを踏まえて判断した」と表明した。国と宣言対象都府県との連絡会議を設置する方針も明らかにした。会合に先立ち、首相の諮問を受けた専門家による「基本的対処方針等諮問委員会」は、宣言の対象に7府県を追加する政府の方針を了承した。

 西村康稔経済再生担当相は、衆院議院運営委員会で対象地域拡大について事前説明を行い、「7府県では感染が拡大し、医療提供体制が逼迫(ひっぱく)するなど非常に厳しい状況だ。知事と状況認識を共有し、7府県も緊急事態措置を実施すべき区域に加えるべきだと判断した」と述べた。

 7府県では4都県と同様に、飲食店の午後8時までの営業時間短縮と、酒類の提供を午前11時から午後7時までに短縮することを要請。要請に応じない場合は店名を公表できる。映画館、スポーツクラブといった運動・遊興施設などを対象に午後8時までの時短を働きかける。

 「出勤者数の7割削減」に向けたテレワークの推進も求める。昼間を含めた不要不急の外出自粛も要請し、特に午後8時以降は徹底するよう求める。学校への一斉休校は求めず、大学入学共通テストや高校入試は予定通り実施する。

 菅義偉首相迷走記者会見 言い間違え、質問に答えず… 

朝日新聞デジタル 2021年1月13日(水)23時09分配信

 新型コロナウイルスの感染拡大で緊急事態宣言の対象区域を広げる重要な局面を迎えた13日、菅義偉首相は肝心の県名を言い間違え、記者会見ではやりとりがかみ合わない場面も見られた。コロナ対応を担う西村康稔経済再生相や、政府分科会の尾身茂会長がそのフォローに追われた。

 まずは13日夕の政府対策本部。NHKの中継が入るなか、首相は「大阪府、京都府、兵庫県、愛知県、岐阜県、静岡県、栃木県の7府県について、特措法に基づく緊急事態宣言の対象といたします」と述べた。県名に「岡」が共通する福岡と静岡を言い間違えたようだった。慌てた記者団に、会議を終えた西村経済再生相は福岡県ですと言い残して首相官邸を去った

 その後の記者会見。感染者が保健所による行動歴などの調査を拒否した場合の罰則導入や、事例の公表などについて問われると、首相は「どのぐらい協力のいただけないケースがあったのか、実例について申し上げる必要があると思っていると述べ、罰則導入については語らずじまい。尾身会長が「協力してもらえるような支援の仕組みというのをした方がいいという意見と、最低限の罰則も場合によってはやむを得ないという意見がある」と解説を加えた。

 飲食店への営業時間の短縮要請の効果や、休業要請に踏み込む可能性について質問が飛ぶと、首相は「今回、さらに対策をお願いするので、必ず効果が出てくる」としたうえで、「専門的な視点から、先生、よろしいですか」と発言。尾身会長が最悪のことも想定しなくてはいけない。最悪の場合は休業要請は選択肢としてあり得るし、そうではないベスト系のシナリオもあると語った

国民皆保険、見直し?

 医療体制を強化するための法整備をめぐっては、首相は「国民皆保険、そして多くのみなさんがその診察を受けられる今の仕組みを続けていくなかで、コロナがあって、そうしたことも含めてもう一度検証していく必要があると思っている。必要であれば、そこは改正をするというのは当然のことだと思うと述べた発言の真意は不明だが、国民皆保険を見直す考えを示したとも受け取れる発言だった

西村最後の船発言、福岡県知事言った撤回

朝日新聞デジタル 2021年1月13日(水)23時41分配信

 政府が緊急事態宣言を出した福岡県の小川洋知事は13日夜に開いた臨時記者会見で、同日朝の記者団とのやり取りで明かした西村康稔経済再生相の発言内容を一部修正した。

 小川氏は13日朝、県庁への登庁時に記者団の取材に応じ、12日に政府のコロナ対応を担当する西村氏と2度電話で協議したと説明。福岡県を宣言対象に加えたいという西村氏に対し、小川氏は感染状況がさらに悪化した場合に福岡県を宣言対象に加えるよう求め、西村氏から「(宣言の)追加指定は考えていない。最後の船だ」との説明があったとした。小川氏はそれを理由に「私としては(宣言は)やむをえないと判断した」と述べた。

 小川氏の説明を受けて、朝日新聞を含む複数のメディアが西村氏が「最後の船だ」などと発言したと報道した。

 だが、小川氏は13日夜の会見で「言い過ぎたところがあり、発言を撤回したい」と自ら言及した。西村氏とのやり取りを振り返り、福岡県を宣言対象とするかもう少し時間をかけて判断するべきだと主張した小川氏に対し、西村氏は「時間をかける余裕はない」「国としては福岡県と九州の感染状況を踏まえれば、福岡県において短期集中的に感染を抑えこむ必要がある」と述べたと説明を修正した。

 小川氏は「(西村氏の)その答えをもって『追加指定はないと私自身が判断し、私が追加指定がない』『最後の船だと表現してしまった。(西村大臣がおっしゃったわけではない」と話した。

 1週間足らずで方針転換緊急対象拡大」菅首相、えぬ出口戦略 

時事通信 2021年1月14日(木)7時12分配信

 新型コロナウイルス感染拡大への対処に苦慮する菅義偉首相が13日、緊急事態宣言の対象地域拡大を決めた。

 感染状況が急速に悪化する大都市圏を中心に抑え込みを図る狙いだが、首相自身が7日に否定したばかりの対象拡大とあって、「1週間遅れた。後手に回った」(立憲民主党の枝野幸男代表)などと批判を浴びた。宣言の期限とした2月7日までに感染拡大を抑えられるかは見通せず、出口戦略も見えない。

 「先週の段階では、大阪の感染者が急増したのは直前のことであり、専門家からも原因を分析すべきだとの評価だった」。首相は対象地域の拡大を決めた直後の記者会見で、1週間足らずの方針転換をこう釈明した。

 これに先立つ衆院内閣委員会の閉会中審査では、立憲民主党の今井雅人氏が「発令基準がよく分からない。自治体から要請されると国が認める形で行われているようにしか見えない」と知事主導の対応を追及。西村康稔経済再生担当相は「緊迫した状況の表れだ」などと弁明に追われた。

 今回、対象に加えた7府県のうち、福岡を除く6府県で知事の要請が先行する形となった。首相は再発令を決めた7日の会見で、大阪などへの対象拡大を「現時点においてはそうした状況にはない」と否定。緊急事態宣言の再発令自体も、昨年末までは慎重姿勢を示していた。

 政府関係者によると、首相は対象地域を追加するに当たり、西村氏と12日に協議。要請がなかった福岡県を対象とした。人口が集積する大都市圏として大阪府や愛知県などを指定するのに合わせた形で、政府が主導した例外的なケースとなった。

 福岡県の関係者によれば、西村氏は12日、小川洋知事に電話で、感染拡大を抑えるため福岡を対象としたいと伝達。知事は消極的だったが、西村氏は「(今後は)追加指定は考えていない。最後の船だ」と押し切ったという。

 ただ、感染拡大は衰えを見せておらず、今後も対象を広げずに済む保証はなさそうだ。一貫性を保てていない政府対応は既に厳しい批判を招いており、不用意な発言は政権を一段と窮地に追い込みかねない。西村氏の発言を伝え聞いた自民党幹部は「余計なことを」と不快感をあらわにした。

 首相は7日の会見で「1カ月後には必ず事態を改善させる」と決意を示していたが、解除の目安は感染状況が2番目に深刻な「ステージ3」相当。東京都に当てはめれば、13日に1433人に上った新規感染者数を、500人以下に減らす必要がある。人々の「コロナ慣れ」や自粛疲れから十分な効果が期待できないとの指摘もあり、政府内でも「期間を延長せざるを得ないだろう」(関係者)との見方は根強い。

 首相は一度決めたことは「ぶれない」ことを信条としてきたが、コロナ対応ではここへきて次々と方針転換を強いられている。残り1カ月足らずで「約束」を果たせるのか。首相は正念場に立たされている。 

 切れ者の官房長官だった”筈の菅首相のコロナ対策が御粗末な訳 

文春オンライン 2021年1月13日(水)6時12分配信

〈「みなさん、こんにちは。ガースーです」――インターネット番組でこう自己紹介する菅義偉首相の姿を見て“これが一国の宰相か”と、全身から力が抜ける思いがしました。安倍政権を官房長官としてあれだけ長く支えてきたのだから、推進する政策の是非は脇に置くとしても、少なくとも“カミソリのような切れ者”だったのではなかったのか、とこれまでの認識も裏切られました〉

「ニコニコ生放送」(昨年12月11日)での菅首相の挨拶に、こう“愕然とした”というのは、慶應義塾大学教授で政治学者の片山杜秀氏だ。

ちぐはぐなコロナ対応

 菅首相は、12月31日の時点でも「緊急事態宣言」に消極姿勢を見せていたが、わずか4日後の1月4日には前言を翻し、結局、発令に至った。

 しかし「緊急事態宣言」発令後も、「(中韓を含む11カ国・地域からの)ビジネス関係者の入国」は継続するという、ちぐはぐな対応をいまだに続けている。

 今回「飲食店」に時短営業を要請するにあたって、「飲食による感染リスク」をとくに強調する菅首相の言葉も、(みずから夜の会食を続けていただけに)あまりに説得力を欠いている。

 まさに“迷走”というほかなく、片山氏は「統治権力としてあまりにお粗末」だと指摘する。

〈例えば、政府として「5人以上の会食」を控えるよう呼びかけているにもかかわらず、「GoToの全国一斉停止」を発表した、まさに当日の夜に、菅首相みずから「8人での会食」に行ってしまう。本来、誰かが「まずいですよ」と言えば止められる話なのに、首相の周囲にそういうスタッフがいないわけです。権力中枢のあり方として由々しき問題です〉

〈さらに、西村康稔経済再生担当大臣が、「一律に5人以上は駄目だと申し上げているわけではない」と釈明すると、これまたその日のうちに、「国民の誤解を招くという意味においては、真摯に反省している」と、菅首相自身がひっくり返してしまう〉

〈多岐にわたる行政機構の各部門を束ねる“調整力”こそ、権力の中枢たる首相官邸の“力量”であるはずです。にもかかわらず、驚くべきことに官邸の内部ですら、この程度の行動や発言を“調整”できていないのです。統治権力としてあまりにお粗末です。こんな官邸に危機管理などできるわけがありません〉

見せかけの危機本物の危機

 だが、片山氏によれば、このような“迷走”は、菅政権からではなく、安倍政権から始まっていた。

〈安倍首相の辞任は、表向きは「健康上の理由」とされています。実際、本人のご体調の問題もあったのでしょう。しかし、安倍政権末期の一連の経緯を見ていると、結局のところ、コロナ危機を前にして、それまでのやり方が手詰まりになった。いわば“政権を放り出した”と思えてならないのです〉

〈ここに言う安倍政権の「それまでのやり方」とは、一言で言えば“平時の非常時化”です。つまり“平時”において“非常時”を煽る。ありもしない“危機”を演出して、その危機から国民を守っているように見せかける。現在を実際よりも深刻に見せて、未来に希望を先延ばしする。これが安倍政権の得意技で、これによって政権浮揚を図ってきたのです〉

〈それほどの危機でないような時に、Jアラート(ミサイル発射などに対する全国瞬時警報システム)を鳴らして“危機”を煽ってみたり、東京五輪や大阪万博を誘致して、未来に何か良いことがあるかのように見せる。それは一種の幻影にすぎません。しかし、そう疑われても、また次の幻影を見せればいい。安倍政権は、こういう演出を一生懸命にやって延命してきました〉

〈ところが、コロナ危機で、安倍政権は“本物の非常時”に直面することになります。こうして“見せかけの危機”を演出して長期政権を維持してきた安倍政権は、コロナという“本物の危機”に直面することで迷走し始めました〉

効果ゼロでもとにかく何かやらなければいけない

 “本物の危機”に追い詰められた安倍首相は、どのような行動に出たか。

〈象徴的だったのは、2020年2月27日に、安倍首相から唐突に発表された「全国一斉休校の要請」です。私はすぐに、東日本大震災後の当時の菅直人首相による「浜岡原発の停止要請」を思い出しました。トップダウンだと言えば、トップダウンですが、あまりに唐突。何の手続きも、何の科学的根拠も、何の法的根拠もない。事故を起こした福島第一原発にヘリコプターから水をかけたのと同じで、効果はほぼゼロなのに“とにかく何かやらなければいけない”というので動いただけ〉

敵前逃亡でうやむやにされたままの政治責任

〈結局、安倍政権は、コロナ危機にうまく対応できず、“平時の非常時化”という得意技も封印されることで終わりを迎えることになりました。にもかかわらず、8月末の辞任会見では、「あくまでも健康上の理由による辞任だ」として、みずからの“政治責任”について言及することを巧みに避けました。私には“敵前逃亡”にしか見えませんでした〉

〈このような形で安倍政権を引き継いだ菅政権は、実は“敗戦処理内閣”としての役割を担っています。ところが“安倍路線を継承すれば上手くいく”という表向きで菅政権はスタートしました。ここに私は、政治責任をうやむやにする不誠実さを感じるのです〉

 コロナ大拡大、わかりきっていた危機に日本はなぜ対応できなかったのか 

ダイヤモンドオンライン 2021年1月14日(木)6時01分配信/窪田順生(ノンフィクション作家)

なぜ、今ごろ? 民間病院の協力を政府が呼びかけ

 連日のように「医療崩壊」が叫ばれる中、政府が「民間病院の協力」を呼びかけている。

 今月10日のフジテレビの番組に出演した田村憲久厚生労働相は、補助金を拡充するなどして、民間の医療機関にコロナ患者の受け入れを促していく考えを示した。公立病院など一部の医療機関に患者を集中させてきた体制が、いよいよここにきて破綻しつつあるのだ。

 という話を聞くと、「そんなことになるのは、前からわかり切っていただろ」と呆れる方も多いのではないか。

 ご存じのように、「コロナが冬に大流行する可能性が高い」ということは、半年以上前から世界各国の研究者が警鐘を鳴らしていた。日本でも昨年7月、山形県衛生研究所が、従来のコロナウイルス4種類が冬に突出して流行をすることがわかっているので、新型コロナも同様の傾向を示す可能性がある、という論文をまとめている。

 というより、感染症が冬に大流行するのは、一般庶民でも知っている「常識」だ。厚生労働省によれば、2019年1月21から27日の1週間で、全国の医療機関を受診したインフルエンザの患者数は推計で約222万6000人に及び、1999年以降、最多となっている。ワクチンのあるインフルが年末年始後にこれだけ広がっていることに鑑みれば、新型コロナもこの時期にどんなに気をつけたところで数十万人レベルで感染爆発する、というのは素人でも予想できる。

 だから、半年以上前からメディアや専門家は「医療体制の見直し」を訴えてきた。たとえば、昨年の5月25日の「日本経済新聞」では、人口当たりの感染者数が少なかったにもかかわらず医療現場が逼迫したことを受け、脆弱な医療体制を見直すべきだと提言し、「感染のペースが落ち着いた今の『猶予』をいかに活用して態勢を再構築するかが問われる」と結んでいる。

 しかし、年末に感染者が急増してから血相を変えて、「民間病院の協力」を呼びかけていることからもわかるように、日本はこの7カ月あまりの「猶予」を活かすことができなかった。今回の緊急事態宣言を受けて、元厚労省医系技官で医師の木村盛世氏も、政府と医師会にこんな苦言を呈している。

 「昨年の春以降、国や医師会は国民の頑張りに応えて、医療を総力戦の体制にしておくべきだった。私は厚生労働省にいたし、医師でもあるので、非常に憤りを感じている」(ABEMA TIMES 1月6日)

 もちろん、政府も医師会もサボっていたわけではなく、昨年8月には前回の緊急事態宣言の教訓を生かし、医療資源を重症者に集約することを目的とした「新型コロナウイルス感染症対策の新パッケージ」を決定した。が、メディアから「内容は既定路線の寄せ集めにすぎない」(日本経済新聞9月10日)と酷評されたように、現状の医療体制の抜本的な見直しがなされたわけではなかった。

根本的な問題解決に着手しなかった 現状維持バイアスの可能性

 では、なぜ政府や医師会は、「現状維持」に流れてしまったのだろうか。

 多くの専門家が「感染症2類相当見直し」や特措法改正の必要性を唱え、一部の医療機関への負担集中を解消すべきだと訴えたのに、なぜ「医療体制の見直し」という根本的な問題解決に着手しなかったのか。

 まず考えられるのは、政府も医師会も、「みんなこれだけ頑張っているんだから、今の調子でいけばなんとなるんじゃないか」という「ふわっ」とした現状維持バイアスに支配されてしまっていた可能性だ。

 医療専門サイト「m3.com」が昨年11月13日から18日までの間、医師会員2921人に対して、都道府県の体制整備についてこの冬を乗り切れるかについて質問をしたところ、「はい」と回答した医師は31.8%で、「いいえ」の20.1%を上回った。つまり医師会の中には、医療体制の見直しをせずに「現状維持」を続けても、なんとかコロナの流行を乗り切れるという淡い期待を抱いていた医師の方もかなりいたのである。

コロナ患者をみる病院とそれ以外役割分担のシステムエラー

 では、なぜ医療崩壊の恐ろしさを誰よりも知っているはずの医師の皆さんが、こんなご都合主義的な楽観論に囚われてしまったのか。

 1つには、多くの医師会員の方たちが「今の医療体制は間違っていない」という現状維持の観点から、すべての物事を考えている傾向があることが大きい。

 それを象徴するのが、今年1月6日の記者会見で、日本医師会の中川俊男会長が「民間病院では新型コロナウイルス感染者の受け入れが少ない」との記者からの指摘に対して行った、以下の回答だ。

 「コロナ患者をみる医療機関と通常の医療機関が役割分担をした結果だ。民間病院は面として地域医療を支えている」(読売新聞オンライン1月6日)

 客観的に見れば、他国と比べて圧倒的に少ない患者数で医療崩壊寸前になっているのだから、この「役割分担」に重大なシステムエラーがあるように感じてしまうのだが、医師会からすれば、そのような可能性はないというわけだ。

 このように「今の医療体制は間違っていない」という考えがビタッと固定されてしまっていれば、そこでどんなに議論を交わしても、どんなに知恵を絞っても、「今の医療体制」を微調整したようなコロナ対策しか出てこないのは言うまでもないだろう。今のやり方に大きな問題もないと考える人たちに、どんなに「改革せよ」「変われ」と説いたところで、まったくピンとこないのは当然なのだ。

 つまりこの半年間、「冬の感染爆発」の危機が叫ばれていた中でも、政府や医師会が「総力戦の体制」を構築することができなかったのは、日本医師会が現状の「コロナ患者をみる医療機関と通常の医療機関の役割分担」を見直す必要がないと信じていたであろうことが大きいのだ。

 それに加えて、日本のコロナ医療が「現状維持」に流れがちなのは、もう1つ大きな構造的な要因があるのではないかと、個人的に考えている。それは、「小さな医院・クリニックの経営者」が多いということだ。

 医療危機が叫ばれるようになってから、約8000といわれる日本の病院数は世界一だという話がよく出るが、実は「小さな医院・クリニックの経営者」の多さも、先進国の中でトップレベルだ。厚生統計要覧令和元年度によれば、小さな医院やクリニックを示す「診療所」(病床が0~19床以下の医療施設)は10万2105施設もある。

小さな医院・クリニックの経営者数が世界トップレベルであることの影響

 それは言い換えれば、実はあまり語られることがないが、日本というのは「小さな医院・クリニックの経営者」が世界トップレベルに多い国であるということなのだ。

 「それが医療体制の見直しという話にどう関係あるのだ」と首を傾げる方も多いだろうが、大いに関係している。実は「国民の生活インフラを担う小さな会社の経営者」は「現状維持」を好む傾向があることがわかっているからだ。

 『2020年版 中小企業白書・小規模白書』では、企業を4つに分類している。グローバル展開をするグローバル型、サプライチェーンでの中核ポジションを確保するサプライチェーン型、地域資源を活用する地域資源型、そして、地域の生活コミニティを下支えする「生活インフラ型」である。

 小規模事業者に自社がどのような分類を目指しているのかと質問をしたところ、「生活インフラ型」と回答した割合が高かった業種は「電気・ガス・熱供給・水道業」(85.9%)、「金融業・保険業」(81%)、生活関連サービス(90%)などだが、その中でも最も多かったのは「医療・福祉」(92.3%)だった。

 このような町の小さな医院やクリニックを含めた「生活インフラ型小規模事業者」には、他の分類には見られないある特徴的な傾向が浮かび上がっている。それは「現状維持」だ。

 4分類の小規模事業者に、今後5年間の事業方針を質問したところ、グローバル型やサプライチェーン型の小規模事業者は7割超から6割で「成長・拡大」と回答し、「現状維持」との回答は2~3割の水準にとどまっているのに対して、生活インフラ型はまったく逆の傾向となった。「成長・拡大」は29.5%にとどまり、「現状維持」が58.5%に上ったのだ。

 断っておくが、筆者は「現状維持」を望むことが悪いなどと言っているわけではない。地域の生活者のインフラを守るには、何をおいても事業の存続を目指すのは当然だ。「成長・拡大」などのリスクをとって、廃業などに追い込まれてしまうことは絶対に避けなくてはいけない。医療や福祉という公的サービスならばなおさらだ。

 ただ、現状維持というのは良いことばかりではなく、急激な「環境の変化」に対して迅速に対応できないという「負の側面」もある、と申し上げたいだけだ。

 リスクを取らない経営方針をずっと貫いてきた小さな医院やクリニックの経営者が、「コロナを受け入れている病院が医療崩壊寸前だから、皆さんも協力してほしい」と言われても、「了解!やりましょう」とフットワーク軽く動けるだろうか。

存続を第一に考える医療機関の要望を代弁しがちな日本医師会

 前述のように、彼らが何よりも守るのは「存続」だ。施設も小さく、人員も少ない小さな医院やクリニックで院内感染が起きたり、「あそこの看護師がコロナになった」などという風評が流れたりしたら、すぐに経営危機に陥って通常医療が続けられなくなってしまう。「そんな危ない橋は渡れない」と考える小さな医院・クリニックの経営者は多いはずだ。

 そして、このような経営者側の要望をきっちりと政治に届けてくれるのが、他でもない日本医師会である。

 日本医師会会員数調査(令和元年12月1日現在)によれば、会員総数17万2763人のうち8万3368人は「病院・診療所の開設者」。今コロナで苦しむ公立病院などの勤務医の会員は少なく、発言力もないため、日本医師会は「病院経営者の団体」と呼ばれている。

 さらに、その内訳を見ればもっと興味深い。病院開設者が3985人なのに対して、診療所開設者が7万473人。つまり、「現状維持」を望む傾向の強い「小さな医院・クリニックの経営者」が大多数を占めているのだ。

 そんな「現状維持バイアス」が強く支配している日本医師会と、彼らに選挙で頭の上がらない菅政権が、いくら医療崩壊の危機が叫ばれているからといって、現状を大きく変えてしまう「医療体制の見直し」に着手できるだろうか。

 ぶっちゃけ、無理ではないか。

コロナ禍のブラック労働で疲弊する最前線の医療従事者に目を向けよ

 医療に限らず、日本ではこういうことがよくある。迫り来る「危機」を前にして、「変わらなくては」「改革が必要だ」という声だけは上がるが、政治に影響力のある団体がそれを骨抜きにする。弱い立場の人間が苦しみボロボロになっても、「がんばれ、がんばれ」と精神論を唱えるだけで「現状維持」に流れるのだ。

 多くの人の犠牲でどうにか「危機」を乗り越えた後も、喉元過ぎればなんとやらで、構造的な問題にはなかなかメスが入らない。だから、またしばらくすると同じような「危機」が再発する。こんな「危機の先送り」を、戦後ずっと繰り返してきている。

 低い賃金、低い生産性などはその最たるのものだが、1億2000万人という先進国で2番目に多い人口を生かした「規模の経済」と過去の栄光によって、どうにかうまく誤魔化してきた。しかし、最前線の医療従事者が壮絶なブラック労働を強いられるコロナ禍で、それが通用するとは思えない。

 取り返しのつかない事態になる前に、いつまで経っても「改革」を先延ばしにしてしまう、という日本の目を背けたくなる現実に、きちんと向き合うべきではないのか。

 

2020年12月 7日 (月)

【デジタル庁】菅首相「『来年秋ごろ』始動✍目指し進行中」

 菅義偉首相会見デジタル庁来秋始動作業 

産経新聞 2020年12月4日(金)18時21分配信

 菅義偉首相は4日午後、記者会見に臨み、「ポスト第5世代(5G)移動通信システム、いわゆる6Gの技術も世界をリードできるように政府が先頭に立って研究開発を行う。デジタル庁は来年秋の始動を目指して急ピッチで作業進めている」と述べた。

高橋参与公共放送に見合うNHK受信料せいぜい月300円

マネーポストWEB 2020年12月7日(月)7時00分配信/高橋洋一(内閣官房参与)

 NHKが受信料の徴収をさらに強化する方針だという。総務省の有識者会議(公共放送の在り方に関する検討分科会)は11月19日、テレビを持っているのに受信契約に応じない世帯に「割増金」、いわば“罰金”を課す方針を打ち出した。来年1月の通常国会に提出する放送法改正案に盛り込む方針だ。

 受信料徴収に対する国民の不満も高まっているが、そうしたなか、菅義偉首相のブレーンが、大胆なNHK改革案をブチ上げた。内閣官房参与に起用された高橋洋一・嘉悦大学教授だ。

 高橋氏がNHK改革の具体策としてまず挙げるのが、教育放送「Eテレ」のチャンネル売却だ。視聴率の低いEテレが占有していたチャンネル(周波数帯)を売却して携帯(通信)用に利用すれば、通話だけではなく多種多様の映像コンテンツを同時に配信できるというプランだ。

 そして、Eテレ売却の先にあるのが、BSの分離・民営化だ。NHKは地上波のほか、「BSプレミアム」「BS1」「BS4K」「BS8K」の4つの衛星チャンネルを持ち、月額2220円のBS受信料を取っている。

「NHKは地上波もBSもすべての番組が公共放送だという前提で受信料を取っている。しかし公共経済学では、ある分野での公費支出が正当化されるかどうかの基準は、一般的に『国民の納得、了解があるか』で判断される。

 NHKのドラマ、スポーツ中継、音楽、ワイドショーから、ドキュメンタリーやニュースなど民放が商業放送しているような番組まで、受信料というかたちで公費を支出することに国民が納得しているとは思えない。

 とくにBS放送は音楽やスポーツなどエンタメばかりで、コンテンツも地上波と重複しているのに別に受信料を取っている。これは受信料の二重取りに近い。BSはNHK本体から分割・民営化して独立採算の商業放送にすべきです。英国の公共放送BBCも国際ニュースとドキュメンタリーの専門局を別会社にして商業放送化している」(高橋氏)

 BSを民営化すれば残るのは「NHK総合」の地上波1チャンネルとラジオだけになる。

「NHKの番組で真の公共放送と呼べるのは災害情報と選挙の政見放送くらい。公共放送分に見合う受信料はせいぜい月額200~300円でしょう。その金額なら国民も納得できる。足りない財源は、総合テレビも公共放送分野と商業分野を分離し、放送法を改正して娯楽番組にCMを流せるようにすることで賄えばいい。

 NHKは受信料にしがみつこうとしているが、むしろ受信料依存から脱することで生き残る道が拓ける。通信で番組を提供すれば設備投資のコストが減り、経営をスリム化しやすくなる。しかも、NHKはアーカイブスなど価値が高い豊富なコンテンツ資産を持っているから、映像コンテンツの販売をビジネスの一つの柱にすることが可能だ。

 Eテレ売却から始まる改革は、国民には受信料を大きく引き下げるメリットがあり、NHKもスリム化で必要な投資が減る。そうした前向きの改革を促すきっかけになるはずです」(高橋氏)

 実は、菅首相は総務大臣時代、「受信料2割値下げ」を要求してNHKにバトルを挑み、一敗地にまみれた経験がある。以来、ひそかに受信料値下げとNHK改革を狙っているという見方がある。

 高橋氏は内閣官房参与として腹案を菅首相に提案したのだろうか。

「菅さんがどう思うか知らないよ。Eテレ売却なんて聞いたら、菅さんに呼び出されて、“高橋さん、スゴイこと言ってるね”と言われるかもしれないが、NHK改革の要点は、地上波の周波数帯を通信に移すということ。

 菅内閣の政策であるデジタル庁をつくって電子政府にしたとき、通信の周波数帯を増やしておかないと、そこでスタック(回線が動かなくなる)してしまう。この改革は携帯料金値下げにもつながるし、理屈は通っている」

 果たして、菅首相はNHKの膨張に大ナタを振るい、受信料を下げることができるのだろうか。

 高橋参与Eテレ売却論”に反対の声「受信料はEテレの為」 

HUFFPOST 2020年12月3日(木)19時41分配信

 菅義偉首相のブレーンがNHK改革の一環として、Eテレを民間に売却することを訴えている。しかし、SNS上では茂木健一郎氏や堀潤さんら著名人も含めて反対する続出。12月3日午後には「#Eテレのために受信料払ってる」というハッシュタグが日本のTwitterトレンドで上位に入る事態になった。

高橋洋一氏のEテレ売却論とは?

「Eテレ売却」を主張しているのは、菅政権の内閣官房参与に起用された高橋洋一・嘉悦大学教授だ。

 高橋氏は11月30日に「現代ビジネス」に寄稿したコラムの中で、Eテレの周波数帯を売却して携帯電話の通信に利用すれば「通話だけではなく、多種多類の映像コンテンツを同時に配信できる」と主張した。国民に対しても「受信料を大きく引き下げるメリット」があるという。

 これまで「全国でみると、コンテンツのいい教育放送を地上波しか利用できない地域はなくはなかった」と必要性は認めた上で、小中学生に1人1台の情報端末を配る政府の「GIGAスクール構想」で状況は変わってきているという。Eテレには質の良い番組も多いが、それは「ネット配信に回せば良い」とした。

 さらに12月3日、高橋氏は「マネーポスト」の記事に掲載されたインタビューの中で、「NHKが経営資源を無駄にしているのがEテレです」として同様の主張をした。記事タイトルには「Eテレ売却で受信料は半額にできる」の文字が躍った。

著名人からEテレ売却に反発する声が相次ぐ

 このマネーポストの記事が3日にSNS上で話題となった。@jptrendによると、「Eテレ売却」が午前中から正午にかけて日本のTwitterトレンドの1位になった。SNS上では売却に反対する声が多く見られた。

 著名人のTwitterをみると、脳科学者の茂木健一郎さんはEテレ売却を「間違った方向」とした上で、「むしろチャンネルを確保して番組の多様性を増やすべき」と提言した。

 また、元NHKアナウンサーでジャーナリストの堀潤さんは「最も公共放送らしいEテレ売却なんて馬鹿げてる」と非難した。

 日本文学研究者のロバート キャンベルさんも「体のいい取り潰し案にわたくしは反対」とした上で「Eテレは、色んな年齢や状況の人々に文化へのアクセスを提供する大切なインフラ。視聴率だけでは評価などできません」と訴えた。

#Eテレのために受信料払ってるがトレンド入り

 こうした中で、午後5時ごろから日本のTwitterトレンドで2位に入ったのが「#Eテレのために受信料払ってる」というハッシュタグだった。以下のような、Eテレ売却に反発する声が集まっている。


「わざわざ受信料払ってるのは本当にEテレのため」

「Eテレが本体くらいに思ってる」

「子育て世代を敵に回すのは、やめてください」

「Eテレがあるおかげで育児が助かってるし、私の癒しでもある。これが今の形と違って放送されたりしたら、もうテレビを捨てる」

「広告なしで良質なコンテンツをこれでもか!って見せてくれる。それもスマホやPCにアクセスが難しい子どもでも“2”押すだけで観れるんだよ」

「もし、ネット配信にしたら、こどもはスマホで良質コンテンツよりYouTubeをみてしまう」

「大地震でどこの局も特番の時に、Eテレだけはいつもの時間に『おかあさんといっしょ』の“ぼよよん行進曲”が流れて、子供たちがその日常感で落ち着いた」

「PTSDを持った被虐待児の前で安心して流せるチャンネルはここだけだと思う」

 Eテレ売却論を“番組全廃止”に摩り替える、マスコミの常套手段 

現代ビジネス 2020年12月7日(月)6時01分配信

さまざまな反論を受けて

 11月末、筆者は先週の本コラムのほか、週刊誌のインタビューに応じて、NHK改革私案を出した。これは、本コラムに書いたように、最近の文科省による「GIGAスクール構想」に応じて、従来からNHK改革をアップデートし、Eテレ周波数の売却を軸にしたものだ。

 12月1日、総務省は、受信料見直し、NHKがいうBSとラジオの波数整理、子会社業務の見直しやガバナンス(企業統治)改革などの意見書を国会に提出した。

 高市早苗前総務大臣は、NHKの持つ波数を整理し、NHKのスリム化、受信料引き下げに持っていくという改革案を出している。高市氏が総務大臣を辞めてから、その発言は増えている。なお、高市氏の在任中に出されたNHKの令和3-5年度の次期経営計画案には、受信料引き下げは盛り込まれなかった。

 総務省による意見書の国会提出にあわせて、1日のネット番組で、改めて波数整理対象としてEテレという筆者の私案を紹介したところ、ネットで反響が出て、ツイッターで筆者の名前がトレンド入りした。

 3日の前田NHK会長の記者会見では、「その雑誌を見ていないので、申し訳ないが、わからない」としつつ、「教育テレビはNHKらしさの一つの象徴だと思う。それを資産売却すればいいという話には全くならないと思う」と反論した。

 朝日新聞は、この反論とともに、「Eテレが最も公共放送として能力を発揮している」「子育てで何度も助けられたから(売却論は)信じられない」とのネット上の意見を引用し、筆者の私案を否定的に紹介した。

 4日の夜、テレビ朝日系ネット番組に出演し、NHK出身の堀潤氏らとも対論した。

堀潤氏は、3日のツイッターで「最も公共放送らしいEテレ売却なんて馬鹿げてる」と前田会長の反論と同趣旨を書いていた。4日は、そうした議論ではなく、「なぜNHKだけなのか」「電波周波数オークションは賛成で、民放も含めて議論すべき」と語った。

GIGAスクール構想と矛盾しはじめた

 筆者は、15年ほど前に総務大臣補佐官として総務省勤務があり、そのときNHK改革を経験している。当時と周囲の反応がまったく同じなのは驚く。

 まず、筆者は週刊誌のインタビューを受けているが、その前後に本コラムを含めてネット上で一次情報も出している。それらの中で、Eテレの売却とは、Eテレの周波数帯の売却であり、Eテレの番組制作コンテンツの売却ではないとはっきり書いている。

 その上で、Eテレ周波数帯を通信として売却しても、Eテレの番組をインターネットで提供でき、これは、文科省が進めるインターネットを活用した「GIGAスクール」と整合的になる。

 NHK改革は、まず波数の整理から入る。これは、高市氏の改革案でも同じであるが、高市氏の場合には波数整理がシャビーだったので、その後のNHKの本格的なスリム化につながっていないのが難点だ。

 なぜシャビーなのかというと、波数整理対象の中に地上波のEテレが含まれていないからだ。これまでEテレの帯域の話はまったく出てこなかったわけではないが、全国で地上波による教育放送が見られなくなるのとまずいと、NHK側に反論されると再反論できにくかった。

 ところが、今回のコロナで、文科省が「GIGAスクール構想」を主張しはじめており、それを前提とすると、従来のNHKの反論の根拠が崩れたと言える。構想どおり、児童ひとりに1台端末が配布されれば、ネット配信になっても不公平感は少ない。

 高市氏は、それなりに頑張ったのだと思うが、改革案の中には、「GIGAスクール構想」との関係は出てこない。コロナ以前、「GIGAスクール構想」以前の前提なのだろう。その意味で、コロナ後の世界で、NHK改革を考えると、Eテレの周波数帯の売却は自然に導かれる改革だ。

NHKは変われるのか

 というのは、NHKは、地上波で2波(総合、Eテレ)、衛星で4波(BS1、BSプレミアム、BS4K、BS8K)、ラジオで3波(AM第1、AM第2、FM)もある。

 15年前も似たような状況であったが、波数の整理をNHK改革反対者は酷く嫌う。そのため、周波数帯の売却と番組制作コンテンツの売却を意図的に混同した反論をする。

 前田会長も堀潤氏も同じだった。前田会長や堀潤氏が筆者の意図を理解できないはずはない。もっとも、前田会長は元資料を読んでいないと言っていたが、この反論が「NHKの作法通り」だとすれば、そもそもNHK改革は無理だろう。

 そもそも、一般の人は、電波や周波数なんて興味がない。Eテレの周波数帯を売却して携帯電話で使う、と発言してもピンとこない人も多いかもしれない。つまり、NHK関係者の使う、「Eテレは必要だ」という反論は、一般の人を混乱させるのにうってつけの論法なのだ。

 朝日新聞が引用していた一般人のネット上のコメントも、多くは周波数帯と番組制作コンテンツを混同したものだ。先週の本コラムを読めば、筆者がEテレのコンテンツを評価し、それを地上波ではなくネットで流せばいいといっているのがわかるはずだ。

ネット販売の2号店という位置付けはどうか

 この種の議論では、売るのは周波数帯であって、番組制作コンテンツ等ではないというと、NHKは、「なぜ民放をやらないのか」とくる。15年前も同じだったが、今回もまったく同じだ。

 繰り返しになるが、まずNHKから手を付けるべきなのは、NHKのみが地上波を2つ持っており、そのうち1つでも帯域を携帯に割り当てれば、携帯電話の料金値下げも期待できるからだ。

 ある地上波の番組で、「NHKは1号店と2号店をもっているが、2号店ではネット販売という案。2号店の実店舗の場所は携帯会社が使うので、携帯会社の値下げになる」と例えた。実を言うと、この例えはある頭のいい芸人さんからヒントを得たものだ。

 番組では時間切れだったが、例えをさらに続けると、以下の通りである。

 2号店はネット販売を続けるが、場所は立ち退くので、NHKに立ち退き料も入ってくる。これで、NHKのスリム化ひいては受信料値下げ、しかも2号店のネット販売で教育効果アップ、携帯会社も業務拡大で携帯料金値下げ、それで国民もハッピーだ、と。

 菅首相「デジタル化環境投資に2兆円基金創設」臨時国会事実上閉幕 

THE PAGE 2020年12月5日(土)10時47分配信

 菅義偉(よしひで)首相は4日夕、官邸で記者会見を行った。

     ◇     ◇

極めて警戒すべき状況が続く

司会:ただ今より菅内閣総理大臣の記者会見を行います。初めに菅総理からご発言がございます。その後、皆さまから質問をいただきます。それでは総理、よろしくお願いいたします。

菅内閣として初めて臨んだ臨時国会があす閉会をします。現在、新型コロナウイルスの新規感染者数や重症者数が過去最多となり、極めて警戒すべき状況が続いています。すでに先週から重症者向けの病床が逼迫し始めており、強い危機感を持って対応しています。コロナウイルスとの戦いの最前線に立ち続ける医療、介護の現場の皆さんの献身的なご尽力に深い敬意とともに心から感謝を申し上げる次第でございます。

 これまでも申し上げていますように、国民の命と暮らしを守る、それが政府としての最大の責務です。新型コロナの分科会が感染リスクの高い場面として指摘するのが飲食です。お店の時間短縮は極めて重要と考えております。短期集中の対策として先週末から各地で時間短縮要請が行われており、協力いただいた全ての店舗に対して、国としてもしっかりと支援をしてまいります。

 Go To Eatについては新規発行の停止、人数制限などを要請し、Go To トラベルについては一時的に札幌市、大阪市に向けた旅行は対象外とし、これらの地域からの旅行、また東京都の高齢者、基礎疾患をお持ちの方々については利用を控えるように呼び掛けをいたしております。空きベッドに対する収入保障をはじめ、医療機関、高齢者施設などのコロナ対策について最大限の支援を行います。

 これまでの経験を踏まえ、検査や感染者への対応を行う保健所、軽症者のホテル、重症者用の病床、それぞれについてさらに体制を整えてまいります。各地の保健所に派遣する専門医、これまでの倍の1200名確保いたしております。この国会ではワクチンの無料接種のための法案が設立をしました。ワクチンについては国内外において治験が複数進められており、すでに最終段階に到達しているものもあります。安全性、有効性を最優先としつつ、承認されたワクチンを直ちに必要な方に接種できるよう、事前の準備に万全を尽くしております。

基本的な感染対策の徹底を

 これから年末、また年始を迎えます。高齢者はもちろんのこと、若者をはじめ国民の皆さまにおかれては、科学的にも効果が立証されているマスクの着用、手洗い、3密の回避といった基本的な感染対策を徹底していただくよう、あらためてお願いを申し上げます。

 国民の命と暮らしを守る、そのために雇用を維持し、事業を継続し、経済を回復させ、あらたな成長の突破口を切り開くべく、来週早々には経済対策を決定します。雇用調整助成金はパートや非正規の方々も含めて日額1万5000円の助成を行っており、こうした特例の延長に必要な予算を手当ていたします。さらに公庫による最大4000万円の無利子・無担保融資も来年前半まで今の仕組みを続けます。手元資金に困っている方々のための緊急小口資金については3月以来、約5000億円が利用されており、所得の減少が続いている場合には返済も免除しておりますが、これらの措置の延長も行います。

 さらに緊急的な手当てとして、一人親世帯については来週予備費の使用決定をし、所得が低い世帯は1世帯5万円。さらに2人目以降の子供については3万円ずつの支給を年内をめどに行います。各自治体の事業者の支援など独自の事業に加え、営業時間短縮を要請した場合の、いわゆる協力金を国として支援するために、地方創生臨時交付金を1.5兆円確保します。これらの措置によって、現在の厳しい状況をなんとか乗り越えていただき、経済回復の足がかりとしたい。このように思います。

必要なのはポストコロナにおける成長の源泉

 その上でわが国に必要なものはポストコロナにおける成長の源泉です。その軸となるのがグリーン、デジタルです。8年近くにわたるアベノミクスによって日本経済は最悪の状態を脱し、もはやデフレではない状況をつくり出し、人口減少の中で雇用者数を増やし、観光や農業の改革は地方経済に大きく貢献をしました。私が所信表明演説で申し上げた2050年カーボンニュートラルはわが国は世界の流れに追い付き、一歩先んじるためにどうしても実現をしなければならない目標であります。環境対応がもはや経済成長の制約ではありません。むしろわが国の企業が将来に向けた投資を促し、生産性を向上させるとともに、経済社会全体の変革を後押しし、大きな成長を生み出すものであります。

 こうした環境と成長の好循環に向けて発想の転換を行うために、今回の経済対策ではまずは政府が環境投資で一歩大きく踏み込みます。過去に例のない2兆円の基金を創設し、野心的なイノベーションに挑戦する企業を今後10年間継続して支援をしていきます。無尽蔵にある水素を新たな電源として位置づけ、大規模で低コストな水素製造装置を実現します。水素飛行機や水素の運搬船も開発します。脱炭素の鍵となる【電化 00:16:05】にどうしても必要なのが蓄電池です。電気自動車や再生可能エネルギーの普及に必要な低コストの蓄電池を開発します。

 排出した二酸化炭素もいわゆるカーボンリサイクルの技術を使って、プラスチックや燃料として再利用します。これらを政府が率先して支援することで民間投資を後押しし、240兆円の現預金の活用を促し、ひいては300兆円ともいわれる世界中の環境関連の投資資金をわが国に呼び込み、雇用と成長を生み出します。また自動車から排出されるCO2をゼロにすることを目指し、このため電気自動車などを最大限導入していくための制度や規制を構築します。

     ◇     ◇

マイナポイントの期限を半年間延長

デジタル化にも、かつて指摘された課題を一挙に解決します。マイナンバーカードの普及のため、カードを年度末までに申請していただいた方には、マイナポイントの期限を半年間延長します。カードと保険証の一体化を来年3月にスタートし、5年後までには運転免許証との一体により、更新時の講習や書類の提出がオンラインでできるようになります。今回の経済対策で、これらを一挙に措置をします。

 5Gを強化した、いわゆるポスト5G、さらには次世代の技術である、いわゆる6Gの技術についても次の技術で世界をリードできるよう、政府が先頭に立って研究開発を行います。今回の経済対策では、これらを含めたデジタル関係で約1兆円を超える規模を確保します。デジタル化の司令塔となるデジタル庁は、来年秋の始動を目指して現在、急ピッチで作業を進めています。情報システムの関係の予算を一元的に所管し、各省庁に対して勧告是正ができる強い権限を持たせます。民間から100名規模の高度な専門人材を迎え、官民を行き来しながら、キャリアアップできるモデルをつくります

 いまだ新型コロナウイルスの感染が続く中で、今大事なのは安心感、そして将来への希望です。当面は何が起きても対応できるように、十分な額の予備費を確保します。これらの措置により国民生活の安心を確保し、将来の成長の基盤を作ります。

さまざまな外交課題に全力で取り組む

 先月中旬から下旬にかけて出席したASEAN関連、APEC、G20といった、一連の首脳会議においてもグリーンとデジタルが私の政権の最優先課題であることを積極的に発信いたしました。同時に世界的なパワーバランスの変化により、国際秩序の在り方が大きく影響を受ける中、基本的価値と、法の支配に根ざした、自由で開かれたインド太平洋を実現していくことの決意を重ねて強調し、関係諸国との間で具体的な協力を進めることで一致をいたしています。

 特に今国会で承認をいただいた英国との包括経済連携協定、さらには先月に中国、韓国を含む15カ国が署名したRCEPも重要な成果であると思います。これらの協定、また来年、わが国が議長国となるTPP11の着実な実施と拡大に努め、自由で公正なルールに基づく経済圏のさらなる進展を目指してまいります。

 先月中旬には政権発足後、初めての外国首脳の訪日として、豪州のモリソン首相をお迎えしました。同首相との間では、自由で開かれたインド太平洋の実現という共通目標を確認した上で、経済分野での協力に加え、安全保障、防衛協力、新たな次元に引き上げる日豪円滑化協定の大枠合意に至ることができました。首脳間の個人的な信頼関係を深めるとともに、日豪の特別な戦略的パートナーシップを大きく進展させることができました。

 また、米国のバイデン次期大統領との初めての電話会談では、日米安全保障条約第5条の尖閣諸島への適用、日米同盟の強化、自由で開かれたインド太平洋の実現に向けた協力を確認し、大変意義のあるやりとりができました。

 これらの一連の首脳外交では、政権の最重要課題である拉致問題の解決に向けた協力も要請し、数多くの首脳から理解と協力の意向を示していただきました。コロナ対応の中に高まった自国中心主義や、内向き思考などとも相まって、これまで以上に予見しにくい国際情勢であるからこそ、わが国としては多国間主義を重視しており、国際社会の団結と具体的な協力を主導していく決意であります。

 そして人類が団結してウイルスに勝った証として、来年、東京オリンピック・パラリンピックを開催する、私の強い決意についても、各国首脳から共感と支持をいただきました。これからも首脳外交を積極的に展開しながら、国際社会に対して、わが国の立場をしっかりと発信していくとともに、さまざまな外交課題に全力で取り組んでまいります。

不妊治療は男性も対象に

 所信表明演説では、これまでお約束した改革についてはできるものからすぐ着手し、結果を出して成果を実感していただきたい。このように申し上げました。不妊治療については保険適用を2022年度からスタートし、男性の不妊も対象にしたいと考えます。それまでの間は助成制度の所得制限を撤廃した上で、助成額の上限を2回目以降も今までの倍の一律30万円で6回まで、2人目以降の子供も同様といたします。これらを来年すぐに実施できるよう、補正予算に盛り込みます。不育症の検査や、がん治療に伴う不妊についても新たな支援を行います。

 2年前に携帯電話については4割は下げられる。講演で申し上げました。国民の財産である電波の提供を受けながら、大手3社が9割の寡占状態を長年維持し、世界的に見ても高い料金、不透明な料金体系、しかも20%もの営業利益を上げ続けている。このような、国民として当たり前の感覚からすれば大きく懸け離れている事実に問題意識を持ってきました。今回、大手のうちの1社が大容量プランについて、20ギガで2980円という料金プランをメインブランドの中で実現するとの発表がありました。本格的な競争に向けて1つの節目を迎えたと思います。本当の改革はこれからです。個々人の料金負担が本当に下がっているのか、サブブランドに移行する場合の手数料など、残された障害がないか、見ていきながら必要に応じてさらなる対応を取っていきたいと思います。

 菅内閣において重要なのは、変化に対応するスピードと国民目線の改革です。まずは新型コロナウイルスをなんとしても乗り越え、経済を回復させていきます。国民のため働く内閣として全力で取り組んでまいります。私からは以上であります。

特措法改正案を来年の通常国会に提出する考えは

司会:それでは、これから皆さまからご質問いただきます。最初は慣例に従いまして幹事社2社から質問をいただきますので、指名を受けられました方は近くのスタンドマイクにお進みいただきまして、所属とお名前を明らかにしていただいた上で質問をお願いいたします。それでは幹事社の方、どうぞ。まずTBS、後藤さん、お願いします。

TBSテレビ:幹事社、TBSテレビの後藤と申します。よろしくお願いします。総理は今、会見でも、今、大事なのは安心と将来への希望とおっしゃいました。それに関わるテーマについてお尋ねします。Go To トラベル事業についてなんですけれども、感染の拡大に伴い事業継続に対してリスクを指摘する声が上がっています。政府は現在、感染状況のステージの判断を各都道府県の知事に委ね、その判断に基づいて最終的に政府が運用の見直しなどについて決定すると説明しています。今後、より迅速な対応を行うためにも、政府が感染状況の判断等も含め、より主体的に関わるよう意思決定のプロセスを見直すお考えはありませんか。

 またそれに関連してさらに、政府ですとか自治体の権限や責任をより明確にするため、また休業要請する際の財政補償などをより明確にすることなどの目的の観点から、新型コロナウイルスの特措法改正案を来年の通常国会に提出する、そういったお考えはありませんか。以上です。

まずGo To トラベルの見直しですけれども、地域の感染状況を踏まえて、各都道府県知事の意見を伺いながら国が最終的に判断する、このようになっています。今回の11月21日にコロナ対策本部でGo To トラベルの運用見直しを決定して、そののちに札幌、大阪市において到着分を対象外とした対応をいたしました。また、27日から出発便についても控えていただくよう呼び掛けることにしました。

 また先般は東京都知事からの要請を受けまして、東京都の到着、出発、両方について高齢者の方や基礎疾患をお持ちの方のご利用を控えさせていただいた。こうしたことを今、呼びかけを行ったところです。

 特措法の見直しでありますけども、新型コロナの分科会において強制力を伴う措置を認めるかどうか、これについては罰則を含めて規制強化すべきという意見だとか、あるいは私権を制限すべきではない、慎重なご意見もありました。じっくり腰を据えた議論が必要だということでありましたけれども、今後はこれまでの知見を参考にし、事業者や個人の権利に十分配慮しつつ、感染防止、拡大防止、どのような法的措置が必要なのかという点について、分科会でご議論いただく中で、政府として必要な見直しは迅速に行っていきたいと、こういうふうに思います。

学術会議は政府から独立した組織にすべきか

司会:それでは幹事社の方、もう1社どうぞ。毎日さん、お願いします。

毎日新聞:毎日新聞の【オイタ 00:22:18】と申します、よろしくお願いします。総理の説明責任に関連してお伺いしたいと思います。日本学術会議の会員6名を任命されなかった問題を巡って、今国会でも説明不足を指摘する声が相次いでいました。会員任命後、国内で総理が記者会見されるのは今日が初めてとなりますので、6人を任命しなかった理由と今後の対応、また、6人の方は具体的にどのような活動が認められれば、将来的に任命される可能性があるのかご説明いただけますでしょうか。

 また、学術会議の在り方の見直しについて、政府から独立した組織にすべきとお考えでしょうか。いつまでに結論を出し、いつから適用するお考えかお聞かせください。また、その説明責任の関連で、説明不足を指摘する声は「桜を見る会」の前夜祭で安倍前総理側が費用負担していた問題に対しても強まっています。

 検察は前総理を聴取する方針で、安倍前総理も今日、聴取があれば応じる考えをお示しになりましたが、当時の官房長官として前総理本人を含めて、事実関係を確認した上で国民にご説明するお考えはありますでしょうか。総理は過去の国会答弁については、当然をした責任は私にあり、事実が違った場合は対応すると今国会で答弁されました。誰の、どういった判断を基に事実と異なるかどうかをご確認されて、具体的にどのような対応を取るお考えでしょうか。ご説明ください。

任命権者として適切な判断を行った

まず私の会見の話でありますけども、日本学術会議の任命について、国会で何回となく質問を受けて、そこは丁寧にお答えをさせていただいています。学術会議法にのっとって、学術会議に求められる役割も踏まえて、任命権者として適切な判断を行ったものです。

 また憲法第15条に基づいて、必ず推薦をされたとおりに任命しなければならないわけではないというようについては、これは内閣法制局の了解を得た政府としての一貫した考え方であります。そして、いずれにしろ会員の皆さんを任命しますと公務員になるわけであります。公務員と同様でありますので、その理由については、やはり人事に関することでお答えを差し控えさせていただく。ぜひこのことはご理解をいただきたいというふうに思います。

 また一連の手続きは終わっておりますので、新たに任命を行う場合には、学術会議から推薦をいただくという必要があるというふうに思います。また私、梶田会長とお会いして、今後は学術会議として国民から理解をされる存在としてより良いものをつくっていきたい、こういうことで合意しました。

 そして今後、どのように行っていくかについては井上担当大臣の下で、梶田会長をはじめ学術会議の皆さんとコミュニケーションを取って議論をしているところであります。その方向性というのは、その議論の中で出てくるだろうと思います。

 また「桜を見る会」の中で参議院予算委員会において私の答弁がありました。私は国会で答弁したことについて責任を持つことは当然である、そういう意味合いで私自身申し上げたことであります。また、安倍前総理の関係団体の行事に関する私のこれまでの答弁については、安倍前総理が国会で答弁されたこと、あるいは必要があれば私自身が安倍前総理に確認をしながら答弁を行ってきた、そういうことであります。

司会:それではこれから幹事社以外の方からご質問いただきます。質問を希望される方、意思表示は声でなく、挙手でお願いいたします。私が指名いたしますので、近くのマイクにお進みいただいて、所属とお名前を明らかにした上でご質問をお願いします。希望される方、多いと思います。できるだけ、といいますか必ずお一方1問でお願いをしたいと思います。それではご希望の方、挙手をお願いいたします。それでは、時事の【オオツカ 00:25:59】さん。

ワクチン接種はいつから始めるのか

時事通信:時事通信のオオツカです。新型コロナウイルスのワクチンについてお伺いします。ワクチンの接種については、いつごろから始めるような目標でしょうか。また、総理ご自身は接種されるご予定はありますでしょうか。

まずワクチンについては、安全性だとか有効性を最優先とすることがこれは大前提だと思います。すでに先ほど申し上げましたように、国内でも治験が行われておりますが、今後こうした治験のデータ、これを最新の科学的知見に基づいてしっかり審査した上で、承認したものについて全額、国の負担で接種を行わさせていただきます。

 必要な方に、直ちにそうしたワクチンが接種できるように、いろんな準備や自治体における迅速な体制というのに今、準備をしているところであります。また具体的な接種の時期についてでありますけれども安全性、有効性を、これをしっかり確認した上でありますので、現時点において政府のほうから予断をもってその時期を明確にすることは控えたいと思います。

 また私のことでありますけども、最初、医療関係者とか、そうしたいろいろな準備が、高齢者だとか、これからそうした順番を決めるわけであります。そういう中で自分に順番が回ってきたら接種したいと思います。

司会:それでは次、じゃあNHK、長内さん。

カーボンニュートラル、国民の理解を得るには?

NHK:NHKの長内と申します。2050年、カーボンニュートラルについてお伺いします。先ほど総理、2兆円の基金にも言及されましたが技術革新、非常に大事だと思いますけれども、やはりいろいろハードルがある中で何より国民の理解、協力というのが一番大事なんではないかと思います。国民が具体的にイメージしやすいようにするためにも、どのように理解を得ていくお考えでしょうか。

2050年、カーボンニュートラルを実現するために、環境への投資を飛躍的に増やして、先ほど申し上げましたように、世界最先端のイノベーションを生み出すべく2兆円の基金を今回、創設する予定です。わが国の産業構造だとかあるいは経済社会変革発展につなげていく。このことを実行に移すにはやはり国民の皆さんの理解、今の質問にありましたように、必要だというふうに思っています。

 さまざまな世代や分野の方に参画をして意見交換をする会議や、あるいは国と自治体の間で議論を行う会議、こうしたものを早期に開催をし、先進的な取り組みを広げていきたいというふうに思います。

 こうした会議も含めて今後、さまざま広報活動を行いながら2050年カーボンニュートラル、これに向けた理解を促すと同時に機運向上に取り組んでいきたい。全国的な地方の市町村を巻き込んだ、そうした会議も開きたい。こういうふうに思っています。

司会:それでは次の質問にいきたいと思います。では産経、杉本さん。

防衛費を増額する考えは

産経新聞:産経新聞の杉本と申します。よろしくお願いいたします。安全保障の政策についてお伺いいたします。臨時国会が終わりますと、令和3年度予選編成に向けて動きが本格化すると思うんですけれども、政府はこれまで防衛費は8年連続で増額をしております。一方で新型コロナウイルスの対策等で、財政状況は非常に厳しい状況にありますけれども、総理は現在の安全保障環境は、厳しさを増しているという認識を示されております。総理として今度の予算で、また増額をするというお考えはございますでしょうか。

 関連しまして、安倍内閣では敵基地攻撃能力を含むミサイル阻止について年内までにあるべき方策を示すという談話を出しております。この年内の結論というのがもう厳しいんじゃないかという観測もありますけれども、敵基地攻撃能力を持つのか持たないのか、この結論をいつまでに出したいというふうに総理としてはお考えになっていますでしょうか。よろしくお願いします。

まず来年度の防衛費でありますけども、中期防を踏まえて現在、政府内において今検討中でありますけれども、厳しさを増す安全保障環境の下で、国民の命と平和な暮らしを守る、そのために必要な防衛力の整備、これは着実に推進をしていきたい、このように思います。

 そして抑止力強化の在り方であります。これについては国家安全保障会議での議論を踏まえて引き続き検討して、調整をしていきたいというふうに思います。現時点において、その検討について、予断をもって答弁させていただくことは控えさせていただきたい。このように思います。

司会:それでは次のご質問にいきたいと思います。外国プレスの方からもご質問いただきたいと思いますので、ロイターさんお願いします。

第3次補正予算の規模感は

ロイター:ロイター通信の竹中です。来週の経済対策の規模と、その裏付けとなる第3次の補正の規模感についてなんですが、この時点での総理のお考えをお伺いできますでしょうか。

冒頭申し上げましたように、新型コロナ対策としての医療機関などの支援、雇用調整金や企業の資金繰りなどの支援、さらに雇用と事業の支援、地方向け交付金1.5兆円、グリーン投資の基金2兆円、デジタルで1兆円を予定しております。そして、当面何が起きるか分からない状況でありますので、予備費、これもしっかり確保したいと思ってます。

 こうした措置によって、当面のコロナ対策に万全を尽くし、国民生活の安全・安心をしっかり守っていきたい。このように思います。現在、総額も含めて政府内で検討していますので、来週には閣議決定をしたいというふうに思ってます。いずれにしろ今、最終段階でありますので、この場でお答えすることは控えたいと思います。

司会:それでは次の質問にいきたいと思いますが。それでは日経の【スギタ 00:35:04】さん。

     ◇     ◇

75歳以上の医療費負担、先送り圧力にどう対応する?

日本経済新聞:よろしくお願いします。75歳以上の医療費負担についてお伺いいたします。総理は目指す社会像としまして自助・共助・公助を掲げておられます。一定の収入のある高齢者の負担を2割とし、負担を分かち合う改革はこの理念と整合的であるように思います。与党からは先送りの圧力や対象者をより限定するよう求める声が上がりますが、これに対してどのように対応されますでしょうか。

少子高齢者社会が急速に進み、2022年には団塊の世代が後期高齢者になるわけであります。その分、当然、現役の世代の皆さんの負担も増えてくるわけでありますから、そうしたことを考えたときに幅広く全世代型社会保障制度という中でご負担できる方を増やしていって、将来のそうした若い世代の負担を少しでも減らしていくという、こうしたことは大事だというふうに思います。次の世代にそうした社会保障制度、全世代のものを引き継いでいくのが、これは私たちの役割ではないかというふうに思います。

 先日、全世代、また社会保障制度の会議の中で関係大臣に対して私は与党との調整も十分に図って取りまとめるよう、具体的な検討を進めるよう指示をいたしました。政府・与党においても最終的な調整が行われているだろうというふうに思います。政府としては私、冒頭申し上げましたように少子高齢化が急速に進んで、もう団塊世代が後期高齢者になるのが目前でありますから、そうした中でわが国の将来を考えたときに、多くの方に少しずつでもご負担をして、安心・安全の社会保障制度というのを作っていくことは大事だというふうに思います。

司会:はい。それでは次の質問にいきたいと思います。では共同の吉浦さん。

訪米や会談の時期をどう考えているのか

共同通信:共同通信の吉浦です。よろしくお願いします。日米関係についてお伺いします。来年1月20日に米国ではバイデン新大統領が就任する予定です。日米の首脳同士の個人的なさらなる関係構築や、菅政権が外交の基軸に掲げる日米同盟の強化に向けて、早期の日米の首脳会談を検討されていると思います。現時点で具体的な訪米や会談の時期についてどのようにお考えでしょうか。よろしくお願いします。

まず日米同盟というのは申し上げるまでもなく日本外交、安全保障の基軸であって、インド・太平洋地域と国際社会の平和と繁栄の、まさに基盤となるものであります。わが国としては日米関係をさらに強固なものにして、自由で開かれたインド太平洋の実現に向けて、バイデン大統領といっそう緊密な連携をしていきたい。これが基本的な考え方です。

 先月、バイデン次期大統領との電話会談において、日米安全保障条約第5条の尖閣諸島への適用、日米同盟の強化、そして自由で開かれたインド太平洋の実現に向けた協力、これは電話会談で確認することができました。

 また私の訪米についてでありますけども、コロナ感染状況も見つつ、できる限り早い時期に会おうということで一致をしているところでありますので、具体的に今はなんら決まっておりませんけれども、今後しかるべきタイミングで調整をしたいと、このように思います。

司会:はい。それではフリーランスの方も今日おいでいただいていますので、安積さん、お願いいたします。

国民に言葉を掛ける機会が少なくないか

安積:フリーランスの安積です。すいません。総理、今年10月の国民の自殺者数というのが5年ぶりに2100人を超えました。特に9月と比較しまして女性の自殺者数の割合、増加割合が83%増となっております。これはコロナについて女性に非常にしわ寄せが来てるのではないかということが想定されるんですけども、総理は長官時代には国民に寄り添うということをしばしば口にされ、先ほどもまた国民の命と暮らしを守ることが政府の責務だというふうにおっしゃいました。ただ、この2カ月間、総理は国民に対して直接もう少し頑張ってくれとか、そういった励ましの言葉を掛けられることはありませんでした。これからなお、まだ厳しい状態が続くと思いますけども、これからやはり国民に対してそういう言葉を掛けてくださるのか、それともやはり今までのように例えば会見、国会が終わるとか、そういった節目節目しかされないのか。どちらなんでしょうか。お答えください。

菅内閣の方針については官房長官は1日2回、記者会見をさせていただいています。これは世界主要国でも現職の閣僚が記者会見するというのは日本だけと言ってもいいと思います。そういう中で政権としての考え方を、官房長官の記者会見を通じて国民の皆さんに理解をしてもらうと。また、閣議、議会ある中で関係閣僚も記者会見をしております。ただ、私自身についてでありますけども、今のご質問、私自身も機会があるときにそこはぶら下がりなどでメッセージを発させていただいております。そうしたことも含めてこれから政権としてのそうしたコロナをはじめとする対応策というのは、もっとしっかりと発信できるようにしていきたい、こういうふうに思います。

司会:それでは次の質問にいきたいと思います。じゃあ読売の黒見さん、お願いします。

衆議院解散、総選挙の時期はどう考えているのか

読売新聞:読売新聞の黒見です。総理、新型コロナウイルスの感染拡大が続いておりますが、一方で衆議院議員の任期も来年秋に迫っております。衆議院解散、総選挙の時期については現状どのようにお考えでしょうか。

まず新型コロナウイルスの感染拡大を阻止して、そして経済の再生、これが最優先であります。ここに全力でまずは取り組んでいきたい。しかし、とはいえ私の衆議院議員の任期も来年の秋まででありますので、そこの中でいつか選挙を行う必要があるわけでありますので、時間的な制約、そうしたことも考えながら、そこはよくよく考えていきたい、こういうふうに思います。

司会:それでは次のご質問にいきたいと思います。それでは、じゃあ京都の国貞さん。

学術会議人事、アカデミズムの反発をどう思うか

京都新聞:すみません、京都新聞の国貞と申します。日本学術会議のことで、関連でお伺いします。先日人文社会系の310の学協会が任命拒否を撤回するように声明を出したんですけれども、総理は先ほども国会で丁寧に説明をされているということもおっしゃったわけですけれども、アカデミズムからの反発っていうものは現状では止まっていないと思うんです。率直に任命見送りを判断されたときに、これほどまで反発が広がると思っていたのかどうか。また、これほどまでアカデミズムのほうが反発をしているということに関して、どう思われているか認識をよろしくお願いします。

まず私自身が、この任命の問題でありますけども、先ほど申し上げましたように任命権者として内閣法制局の了解を得た政府としての一貫した考え方というのは、必ずしも推薦どおり任命しなければならないというわけではないということが、まずは大前提です。

 そういう中で、学術会議そのものについて、これでいいのかどうかということを私は官房長官のときから考えてきました。それは日本に研究者といわれる方が90万人いらっしゃいます。その中で学術会議に入られる方というのは、まさに現職の会員の方が210人おります。またそれを、連携会員の方が2000名おります。そうした方の推薦がなければ、これ、なれないわけでありますから。これは1949年ですか、この組織ができてから。

 ですから多くの関係者の方がたくさんいて、新しい方がなかなか入れないというのも、これは現実だというふうに思っています。そういう中で私自身は縦割り、あるいは既得権益、あしき前例主義、そうしたものを打破したい。こうしたことを掲げて自民党総裁選挙も当選をさせていただきました。

 そういう中で、この学術会議もまた新しい方向に向かったほうがいいのではないかなという、そうした意味合いの中で、この内閣法制局の了解を得ている一貫した考えの下で、ここは自ら判断をさせていただいたと、そういうことであります。それで、声が大きくなるかどうかということでありますけれども、私はかなりなるんじゃないかなというふうには思っていました。

司会:それでは大変恐縮ですが、次の日程もございまして、次の質問で最後にさせていただきます。では、西村さん。西村カリンさん。

二階幹事長が全旅協会長だから旅行業界を優遇するのか?

ラジオ・フランス:フランスの公共ラジオ局の、ラジオ・フランスの特派員西村と申します。Go To トラベルについての質問をします。Go To トラベル関係には、を強く推進する自民党の二階幹事長は、全国旅行業協会の会長として務めていますが、結果的にほかの業界に比べて自民党は、このトラベル業界を優遇するのではないかと思う国民がいると思われます。その点について、総理のご意見を聞かせてください。

Go To トラベルでありますけれども、そもそも日本には観光関連の方が約900万人おります。全国にホテルや旅館、さらにはホテルや旅館で働く従業員の方、そしてお土産を製造する、あるいは販売をされる方、農林水産品を納入する方、そうした地域で活躍されてる方が観光を支えているということも、観光に従事される方が地域をしっかりと支えていただいてるということも、これ、事実だというふうに思っています。そういう中で、このGo To トラベルを政府としては実行に移してきているところであります。

 そういう中で、地域の中でそうした生活をしている人が、このGo To トラベルによって、当時は5月、6月は稼働率が1割とか2割だったんです。そうした人たちが、もうこのままいったら、まさにもう事業を継続することができないというような状況の中で、私どもはこのGo To トラベルをさせていただいて今に至っていることであります。二階幹事長が特別ということではなくて、何がこの地域の経済を支えるのに一番役立つのかなという中で、判断させていただいているということであります。

司会:それでは次の日程、ございます。大変申し訳ございません。会見を終了させていただきます。現在挙手されている方でご希望がありましたら、各1問を、メールなどでお送りいただければ後ほど総理のお答えを書面で返させていただきますので、ご理解いただくようにお願いいたします。それでは以上をもちまして、本日の総理記者会見を結ばせていただきます。皆さまのご協力に感謝申し上げます。ありがとうございました。

 

2020年11月 1日 (日)

【井上尚弥】1年ぶり防衛戦<“モンスター”✍本場ラスベガス参上>無観客でKOショー

井上尚弥が奪った2つのダウン進化を証明、試合中に戦略変更カウンター狙い

デイリー 2020年11月1日(日)12時59分配信

ボクシングWBAIBF世界バンタム級タイトルマッチ」(31日、ラスベガス)

 WBAスーパー・IBF世界バンタム級王者の井上尚弥(27)=大橋=が10月31日(日本時間11月1日)、米国ラスベガスのMGMグランド・カンファレンスセンターで1年ぶりの試合に臨み、WBA2位・IBF4位の挑戦者ジェーソン・モロニー(29)=オーストラリア=に7回2分59秒KO勝ち。WBA王座4度目、IBF王座2度目の防衛に成功した。

 ラスベガス初陣を2度のダウンを奪い圧勝した。井上は6回開始直後に相打ちのタイミングで左フックを入れて先制のダウンを奪う。そして7回終了間際に、モロニーが右を打とうとしたところに、鮮やかな右ストレートのカウンターを打ち込む。まともに浴びたモロニーは腰から崩れ、立ち上がろうとしたがダメージが深く無理だった。

 井上は「フィニッシュのパンチは納得いくかたちで終わりました。(ダウンを奪った)2つのパンチは日本ですごく練習してきた。試合に出せてすごくホッとしてます」と中継局のインタビューで振り返った。

 序盤から強打を武器に圧力をかけたが、フットワークを使うモロニーの動きを封じることができない。「(モロニーは)テクニックももちろん全体的にレベルが高く、フルラウンド足を動かす選手。攻めきれなければ待つことも考えていた。前半攻めたが、なかなか捕まえられず中盤はカウンター狙いにしました」と戦略変更を施した。「試合を通して場面、場面での判断力をドネア戦で学んだ。その時よりパワーアップしていると思います」。試合中に冷静にスタイルを変化させるなど、フルラウンドの激闘となった前回の試合、WBSS決勝のノニト・ドネア戦を経て、また進化した。

 1年ぶりの試合ながら、フィニッシュの鮮やかさなど注目されたラスベガス初陣で、パウンド・フォー・パウンド・ランキング2位のポテンシャルを全世界に見せつけた。

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 「残忍なヘッドショット」井上尚弥の圧巻のKOショーモロニ-病院送り、豪メディアにも衝撃すぎた…」 

THE DIGEST 2020年11月1日(日)16時00分配信

強すぎたモンスター

 王者とのタイトルマッチの代償は小さくなかったようだ。

 WBAスーパー、IBF世界バンタム級王者の井上尚弥(大橋)が、WBA同級2位のジェイソン・モロニー(オーストラリア)との防衛戦に臨み、7回2分59秒でKO勝ちした。

 鋭いジャブを上下に打ち分け、主導権を握った井上は、6回に左フックをモロニーの顎にヒットさせて最初のダウンを奪取。そして迎えた7回終盤にモロニーの左ジャブをかわすと渾身の右ストレートを炸裂させ、この日2度目のダウンを奪って鮮やかなKO勝利を収めた。

 試合後に井上が「フィニッシュは納得のいくパンチだった」と振り返った一発を顔面に浴びたモロニーは、膝から崩れ落ち、10カウントを聞いてもなお、しばらくは立ち上がることができなかった。豪メディア『7News』は、モロニーが試合直後に現地の病院へ直行したと伝えている。

 王者のまさに“モンスター”級のパンチに対する反響は、モロニーの母国メディアでも広がっている。『7News』は、「チャレンジャーは負け犬根性を持って勇敢に戦ったが、無敗の日本王者にノックアウトされた」とマッチサマリーで綴っている。

「モンスターと評されるイノウエは、モロニーにはスピードとパワーの両面で強すぎた。そして7回の終盤にオーストラリアの戦士は残忍なヘッドショットで試合を終わらせられた」

 また、ポータルニュースサイト『Yahoo』のオーストラリア版は、「まさに獣のような残忍なKOだった」と井上のファイトを称えた。

「モロニーは、イノウエの素早いフットワークと変化するペースについていくことが出来ずに苦戦した。そして最後はモンスターが得意とする右手での残忍なノックアウトパンチで決着をつけられた。オーストラリアのファイターは勇敢だったが、誇らしげな王者を前に何も残せなかった」

 昨年11月のワールド・ボクシング・スーパー・シリーズ(WBSS)決勝で元5階級制覇王者ノニト・ドネア(フィリピン)に判定勝ちして以来、359日ぶりに白星を挙げた井上。その出色のパフォーマンスに対する賛辞はとどまるところを知らない。

 「鬼のようなスピード」「モロニ-は餌食になった」井上尚弥圧巻KO劇に現地ファンも驚愕! 

THE DIGEST 2020年11月1日(日)16時14分配信

 井上尚弥の圧倒的な強さに、目の肥えた現地のファンたちも満足したようだ。

 現地時間10月31日、ラスベガスのMGMグランドガーデンで、WBAスーパー、IBF世界バンタム級王者の井上が同級1位のジェイソン・モロニー(オーストラリア)を7ラウンドKO。鮮烈な右ストレートで挑戦者を沈めた。

 この試合後に、井上とプロモート契約を結ぶトップランク社がKOシーンの動画を公開すると「アメイジング!」「モロニーは餌食以外の何物でもなかった」「鬼のようなスピード」「この男は若い雄牛だ!」などと賛辞が殺到。タイミング、パンチのスピードや精度などはいずれも完璧で、ボクシングセンスの非凡さを証明した一撃だった。

 井上は試合後に次戦への展望について、次にWBCはドネアとウーバーリ(の勝者)であったり、WBOはカシメロ。両選手をターゲットとして考えているので、タイミングが合うほうとやりたいと思っています」と語っており、この一戦を文字通り「第二章の始まり」と考えているようだ。モンスターの進撃はどこまで続くのか。早くも次戦が楽しみだ。

 井上尚弥の鮮烈KO海外記者から絶賛「パッキャオを彷彿 

THE ANSWER 2020年11月1日(日)13時22分配信

井上尚弥に賛辞続々、海外記者が敗者を擁護マロニーは恥なくていい

 ボクシングのWBAスーパー&IBF世界バンタム級王者・井上尚弥(大橋)が31日(日本時間11月1日)、米ラスベガスのMGMグランドでWBO同級1位ジェイソン・マロニー(オーストラリア)に7回2分59秒KO勝ちした。“聖地”ラスベガスデビュー戦は新型コロナウイルスの影響で無観客で行われ、WBAは4度目(正規王座の記録を含む)、IBFは2度目の防衛成功。井上の戦績は20勝、マロニーは21勝2敗。試合後は海外記者たちが続々と賛辞を送った。

 井上は6回、カウンターで強烈な左フックを顎に着弾させ、この日最初のダウンを奪った。7回には、またもカウンターで右ストレートを一閃。膝から崩れ落ちたマロニーは立ち上がることができず、2度目のダウンで試合終了となった。

 試合後は海外記者がツイッター上で続々と反応。米スポーツ専門局「ESPN」のスティーブ・キム記者は「完璧に着弾させた右のカウンター。イノウエが7回にマロニーを止めた。モンスターの寸分違わぬパフォーマンスだった」と記した。同局の名物コメンテーター、マックス・ケラーマン氏は「イノウエはまさにモンスターだ」と強さを認めたようだ。

 米スポーツ専門メディア「ジ・アスレチック」のランス・パグマイア記者は「イノウエのスピードと圧力は本当に次元が違う……印象的なベガスデビューだ」と絶賛。米国のみならず、豪紙「ザ・デイリー・テレグラフ」のジェイミー・パンダラム記者も「イノウエは異次元のビースト。その素早いフットワークとパンチのパワーはマニー・パッキャオを彷彿とさせる。マロニーは7回にKOされたが、こんな怪物を相手にしたのだから恥などない」と褒めちぎった。

 アジアのボクシング史で最強の選手、6階級制覇王者マニー・パッキャオ(フィリピン)になぞらえるほど、高い評価を受けたようだ。

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海外メディアも井上尚弥衝撃ラスベガス7回KO勝利大絶賛モンスターワンパンチで破壊」「最強証明

THE PAGE 2020年11月2日(月)5時28分配信

 ボクシングのWBA世界バンタム級スーパー、IBF世界同級王者の井上尚弥(27、大橋)が10月31日(日本時間11月1日)、米国ラスベガスのMGMグランドの特別施設「ザ・バブル」で、WBA同級2位、IBF同級4位、WBO同級1位のジェイソン・マロニー(29、豪州)と無観客試合で対戦、7回2分59秒、KO勝利で両タイトルの防衛に成功した。

 序盤からプレスをかけてペースを握っていた井上は6回に左フックのカウンターで一度目のダウンを奪うと7回に右のショートカウンターで10カウントを聞かせた。

 新型コロナウイルスの影響で、昨年11月のWBSS決勝、ノニト・ドネア(37、フィリピン)戦以来、約1年ぶりの試合となったが、ブランクをものともせず、本場ラスベガスでのアピールに成功。海外メディアも井上のラスベガス衝撃デビューを大絶賛した。

次戦はWBO王者カシメロとの3団体統一戦が最有力

 試合を放映した米スポーツ専門メディアのESPNは、井上の7回KO勝利を伝えつつ、「井上はESPNのパウンド・フォー・パウンドで3位にランクされるボクシングとレベルを見せ、素晴らしいパフォーマンスの中で2つのダウンを奪った」と報じた。

 記事は、「比較的イーブンだった最初の2ラウンドの後、井上(20勝0敗、17KO)が攻勢に出始め、さまざまな左右のパワーパンチを放った。だが、序盤で素晴らしかったのは『ザ・モンスター』のスピードと敏捷性だった。ただのハンドスピードだけでなく、足を使って前に出たり下がったりして距離とテンポをコントロールする能力があった。試合序盤から勝利へ向けてボクシングをしていた」と絶賛した。

 また米国での井上の試合をプロモートしているトップランク社のボブ・アラムCEOが、別メディアの「ジ・アスレチック」に語った「井上対カシメロの試合は来年3月までに行われるはずだ」というコメントを引用。次戦が4月に新型コロナの感染拡大の影響で流れたWBO世界同級王者のジョンリエル・カシメロ(31、フィリピン)との3団体統一戦となる可能性が高いことを明らかにした。

 米で権威のある専門誌のリング誌は「井上がハロウィーンのご褒美を提供、ザ・モンスターがマロニーを切り刻む」との見出しで井上のKO勝利を伝えた。

 記事は「『ザ・モンスター』(と打ち出す)ビジネスはマーケティングに適しているが、決して、井上が野蛮な強さで、容赦のないような態度をとっていることを意味するものではない。彼は技術的に安定しており、リングでの彼が持つ視野が大きな武器になっている。彼はどこに動き、いつ足を6インチ(約15センチ)動かすべきか、より良い角度に立ち、素晴らしい一撃をどうもたらすべきかを理解している」と、その頭脳的テクニックを称えた。

「勝利の後、彼は『僕は年齢と共にさらに向上している』との思いを語った。そしてマロニーに対して『堅固なアスリートだった』と敬意を示し、次戦に向けて『118パウンド(バンタム級)でさらにベルトを得ることを望んでいる』と語った」と井上の談話を紹介した。

 注目の次戦については「カシメロがWBO世界バンタム級ベルトを保持しているため、もし井上対カシメロの試合が用意されるのであれば、それは理に適う。WBC世界同級王者のノルディ・ウーバーリ(フランス)とノニト・ドネア(フィリピン)についても同じだ」と記した。

 弟の拓真が統一戦で敗れたウーバーリと、井上が昨年11月に勝った元5階級制覇王者のドネアは12月12日に米国でWBCのタイトル戦を行う予定となっている。

 またアラムCEOの「ザ・モンスターはスペシャルなファイター。長い間、あのような若いファイターを目にすることはなかった。戦士のように戦ったマロニーも褒めたい。彼は全力でぶつかった」というコメントも紹介された。

 ラスベガス・レビュージャーナル紙は、「マロニーは痛い思いをして学んだ。バンタム級統一王者の井上は評判通りに素晴らしかった。もしくはそれよりさらに良かった」と伝えた。「27歳の井上はアグレッシブさ、獲物を追うスタイル、残忍でノックアウトを奪うパワーで『ザ・モンスター』の異名を持つ。なぜ、そう呼ばれるのか、を(マロニー戦で)容易に見て取ることができた」と絶賛した。

 CBSスポーツも、「井上がマロニーをラスベガスで7回に高速ノックアウト」との見出しを取り、「『ザ・モンスター』がマロニーを簡単に扱い、なぜ彼がパウンド・フォー・パウンドのトップ選手の1人なのかを示した」と称賛した。

 記事は、「井上はボクシングのパウンド・フォー・パウンドのトップに向かっているすべてのものを披露したが、試合で最も大きなインパクトは『ザ・モンスター』のトレードマークとなるパワーだった」と、2度のダウンを奪ったパンチ力を評価した。

「マロニーは戦いを通して、インサイドで泥臭く戦うという戦略を実行しようとした。マロニーにとって不運だったのは、距離を詰めることができても、アッパーカットを頭に、素晴らしいフックをボディーにドスンと打ち込んできた井上が、すべてにおいて(対応する)答えを持ち合わせていたことだった」と続けた。

 マロニーの地元、豪州のオンラインメディアnews.com.auは、「劣勢の豪州選手が『モンスター級の』ワンパンチによるノックアウトで破壊される」との見出しを取り、挑戦者側からの記事を報じた。

 記事は、「世界で最高のパウンド・フォー・パウンド選手の1人である井上が、魅惑のスピードとパワーでマロニーをバラバラにした」と、井上を褒め称え、「豪州選手(のマロニー)はプレスをかけられ次々にパンチを決めるチャンピオン(の井上)を相手に何ら答えを見つけ出すことができなかった」と、歴然とした力の差があったことを伝えた。

 海外メディアの報道にネガティブなものは一切なく、称賛のオンパレード。頭を使い7回に仕留めた井上のラスベガスデビューは大成功だった。

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 井上尚弥拳で家を建てる父との約束…世界体現 

日刊スポーツ 2020年11月2日(月)6時00分配信

<プロボクシング:WBA、IBF世界バンタム級タイトルマッチ>◇10月31日(日本時間11月1日)◇米ラスベガス・MGMグランド

 強さを世界に見せつけた。WBA、IBFバンタム級統一王者井上尚弥(27=大橋)が挑戦者のWBA2位、IBF4位のモロニーに7回2分59秒、KO勝ちし、「聖地」、ラスベガスで完勝デビューを果たした。6回に左フックでダウンを奪うと、7回終了間際に右ストレートで仕留めた。世界戦15連勝は、具志堅用高の14を抜き日本単独最多。「第2章のスタート」と位置づけた一戦を飾り、世界的スターへと続く物語が始まった。

    ◇    ◇    ◇

 倒すため、井上がえさをまいた。6回に左フックでダウンを奪い迎えた7回。それまで張り詰めてきた糸を、わずかに緩めた。残り1分。ガードを下げると、そこから右を出さずに、左の軽打を続ける。劣勢が続いたモロニーは、受け続けたプレッシャーから一瞬、解放された。だが、すべては、井上の狙い通りだった。「攻めきれなければ待つことも考えていた」。モロニーが反撃を試みた瞬間、小さく、速い、カウンターの右が顔面を捉えた。

 挑戦者の腰が、力なく真下に落ちる。立ち上がろうと足に力を込めるも、カウント10を聞く直前に、その体は後方に崩れ落ちた。井上にとって、プロ20戦目で迎えた、初めての聖地ラスベガス。コロナ禍で当初の4月開催から対戦相手も代わり、観客もなし。異様な雰囲気の中でも、捕まえにくい相手を、おびき寄せ、仕留め切った。

「最後は納得のいくパンチだった」。狙い通りの完勝も、喜びは控えめ。「第2章のスタート」と位置づけた一戦は、ここから続く道の、始まりでしかない。そんな思いが、すぐに表情を引き締めさせた。

 モロニー戦が正式決定した今夏。人けのなくなった深夜、井上は車の窓を開け、シートに覆われた一軒の家を眺めていた。神奈川県内に建設中の2階建て。27歳。思いの詰まったマイホームだ。夜風を吸い込むと、8年前、プロ転向時に父真吾さんと交わした約束を思い出した。

「いつか拳で家を建てられたら最高だよな」

 6歳から二人三脚で歩んできた父の一言は、井上にとって、いつか果たすと心に誓った大切な目標となった。物心ついた時、家族5人は、6畳と4畳半の小さな賃貸アパートで暮らしていた。中学卒業後に塗装業の世界に入った父は、20歳で独立し、「明成塗装」を設立。その職人としての背中を、井上は見てきた。

 後ろ盾は何もない。真吾さんがこだわったのは「絶対に妥協しないこと」。井上も、両親の手作りのちらしを折る手伝いでサポートした。丁寧な仕事ぶりは、口コミで広がり、経営は軌道に乗った。だが、井上が高校を卒業し、プロ転向を決めた時、父は「明成塗装」を迷わず縮小し、トレーナーの道を選んだ。

 父は、大切な会社を犠牲にしてまで本気でボクシングを教えてくれた。その情熱を感じてきたからこそ、世界から認められた今も、リングへの姿勢がぶれることはない。モロニー戦へのスパーリングは、思うような動きが出来ず、悩んだ時期もあった。それでも、格下のパートナーに意見を求めてでも、改善点を探った。大橋会長は「あの姿を見て、尚弥にはまだまだ先があると思った」。父がこだわり続けてきた一切の塗りムラがない壁のような、「強くなりたい」という混じり気のない思いが「井上尚弥」を作りあげている。

 建設中の新居は、「第2章」を歩み始めた井上の帰りを待つかのように、今月中旬に完成する。井上は言う。「お父さんとの約束を果たせたのは、自分の中で大きなことだった。シャドーの最初のパンチから妥協しない。それがお父さんから教わったボクシング。このまま、どこまでいけるか。とことん勝負したい」。

 ラスベガス初陣を豪快に飾り、世界の注目はさらに増す。試合後、契約する米興行大手トップランク社のボブ・アラム最高経営責任者(CEO)は「イノウエはパウンド・フォー・パウンド(全階級を通じた最強ランキング)でトップへの道を進んでいることを証明した」とSNSに記した。かつて、世界でここまで評価された日本人選手はいない。今回のファイトマネーは100万ドル(約1億1000万円)。軽量級でラスベガスのメインを張る、偉業は果たした。引退を公言する35歳まで、残り8年。どこまでいけるのか-。井上なら、と期待せざるを得ない。

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2020年9月15日 (火)

【菅新総裁誕生】今日まで<官房長官>明日✍99代内閣総理大臣へ

 菅義偉第99代首相16日に誕生「全て傾注し、国民の為に働く」 

スポーツ報知 2020年9月15日(火)6時00分配信

 安倍晋三首相(65)の辞任表明に伴う自民党総裁選が14日、都内のホテルで行われ、菅義偉内閣官房長官(71)が第26代総裁に選出された。岸田文雄政調会長(63)が2位、石破茂元幹事長(63)は3位だった。菅氏は細田派など主要派閥の支持を受け、地方票でも圧倒した。15日に党役員人事に入り、16日召集の臨時国会で第99代首相に選出され、菅内閣が発足する。

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 菅新総裁に笑顔はなかった。マスクを外すと、両手で握り拳を作り、壇上で決意を語った。「安倍総理が病気のために道半ばにして退かれることになった。しかし、新型コロナウイルスが拡大するという、まさに国難にあって、政治の空白は許されません。この危機を乗り越えて、一人一人が安心をして安定をした生活が送れるよう、安倍総理が進めてきた取り組みを継承し、進めていかなければなりません。私にはその使命がある」。安倍政権の継承と前進―。淡々とした口調は徐々に熱を帯び始めた。

 内政は自身の「得意分野」(陣営)。自身の信条である「自助・共助・公助、絆」に触れ、「国民から信頼される政府を作っていきたい」と誓った。7年8か月の安倍政権を官房長官として支え、災害対応のほか、省庁を横断する取り組みや規制緩和に取り組んだ。この日も役所や自治体のデジタル化を推進する「デジタル庁」の創設に意欲を示し、総裁選期間中に掲げた携帯電話料金の大幅値下げも目指す。幹部人事権を掌握し、「霞が関」から反発を受けても政策を進めた“剛腕”。新型コロナウイルス対策、日米外交や景気回復など課題が山積みの中、手腕が問われる。

 安倍首相の電撃辞任から5日後。「誰にも相談せず」(周辺)に総裁選への立候補を決断した。秋田県の農家に生まれ、政治家に必須と言われる「地盤・看板・カバン」はなかったが、2009年以降、無派閥を貫き、総務相、官房長官など着々と実績を積んだ。「悩みに悩んだが、私がやらなきゃならない」。覚悟は党内に広がった。党内主要5派閥、無派閥議員から幅広い支持を受け、菅氏は377票と圧勝。89票の岸田氏、68票の石破氏を大差で退けた。

 16日の臨時国会で首相指名を受け、正式に第99代首相となる。実に7年8か月ぶりの首相交代。菅氏は総裁選を争った岸田氏、石破氏をねぎらい、要職での起用も示唆した。政権発足から3か月は支持率は高止まりする傾向にあるが、衆院解散については「(新型コロナの)専門家の先生の考えを参考にする」とし、「下火にならないと難しい」と、慎重な姿勢を示した。「全てを傾注し、この日本のため、国民のために働くことをお誓い申し上げます」。強い口調で覚悟を示した。

 菅義偉矢沢永吉 同い年71歳ピッタリ一致の成り上がり伝説 

東スポWeb 2020年9月15日(火)5時15分配信

 自民党総裁選が14日行われ、前評判通り菅義偉官房長官(71)が岸田文雄政調会長(63)、石破茂元幹事長(63)に大差をつけ、第26代総裁に選出された。16日の首相指名選挙で安倍晋三首相(65)の後継首相となる。菅氏は世襲議員でも官僚出身でもなく、自民党では田中角栄元首相以来の叩き上げ。そのサクセスストーリーに、選挙区の横浜市では、あの矢沢永吉(71)に続く〝成り上がり〟伝説が語られている。

 新総裁となった菅氏は「地縁も血縁もない政治の世界に飛び込んで、まさにゼロからのスタート。その私が歴史と伝統ある自民党の総裁に就任することができました」と万感の思いで語った。

 菅氏は秋田のイチゴ農家出身で、高校卒業後に単身上京。段ボール工場に身を寄せ、アルバイトをしながら学費をため、当時最も学費が安かったとの理由で、法政大学に進学した。

 卒業後、政治の世界を志し、横浜中心部を地盤に有力議員だった故小此木彦三郎衆院議員の事務所の門を叩き、市議を経て、1996年の衆院選で神奈川2区(西区・南区・港南区)で当選した。

 地元住民は「小選挙区制度がスタートした最初の選挙で、菅氏は市議で活動していた西区だけでなく、南区と港南区もカバーしなくてはいけなくなった。そのため、事務所は南区の弘明寺駅と蒔田駅の間に構えたのですが、実は永ちゃん(矢沢永吉)も広島から出てきて、最初に住んだのは弘明寺なんです。何もない弘明寺、蒔田から総理大臣が誕生することになるなんて。永ちゃんに続く、大出世物語ですね」と感嘆する。

 矢沢の著書「成りあがり」でもスーパースターを夢見て、上京したものの横浜で下車し、弘明寺の共同アパートから裸一貫でスタートした苦闘ぶりが描かれている。

 地元飲食店主は「菅さんは本当に愚直で誠実な人。総務大臣になった時(2006年)でも、人が誰もいないスーパーの前で、国政報告の立ち演説を1人でしているような人。シャレたことをやっているなと思ったよ」と話す。

 地縁は永ちゃんだけじゃない。菅氏は弘明寺、蒔田エリア内で事務所を転々としているが、霊能者の宜保愛子さん(享年71)の自宅隣でも長く、事務所を構えていた時期があった。

「この辺では、宜保さんの自宅の横に菅さんの事務所があったのは有名な話。宜保さんは一時、テレビに引っ張りだこの時の人で、菅さんも宜保さんの自宅が横にあったのは知らないハズがない。宜保さんは2003年に亡くなったが、今でも霊験あらたかな場所として訪れる人もいる。菅さんもなんらかのパワーをもらったのでは?」とは事務所近くに住む住民。

 宜保さんの死後、菅氏は総務相を皮切りに、党幹事長代行、選対副委員長など要職を歴任し、第2次安倍政権で官房長官に就任し、安倍首相を支えてきた。

 自民党関係者は「菅氏は黒子のイメージがありますが、チャンスがあれば首相の座を狙っていたことは間違いない。昨年の参院選で地方遊説した際、ホームに集まった人に自ら名刺を配っていた姿に驚いた。官房長官の名刺をもらったら、みんな心酔しますよ。あの姿に権力への飽くなき欲求を見ました」と話す。

 フリマサイトでは、菅氏の名刺が高値で転売されているのが話題になったが、大量出品されていたのもそんな事情があったワケだ。

「菅さんは筋を通すために、曲がったことには一言居士なところがある。来年の総裁選までのつなぎ政権、なんて声もあるが、首相になったからには、簡単に引き下がる性格じゃない。長期政権を狙っているハズですよ」と菅氏を知る古参秘書。

 矢沢は自著で「国会議事堂、東京タワーが見えるところじゃないと日本じゃない」と記し「世界のYAZAWA」となった今では、国会近くのホテルのレストランをひいきにしている。同レストランは菅氏も頻繁に利用しているのは偶然だろうか。

 地方から単身、成り上がって事実上の首相である自民党総裁の座を射止めた菅氏。今後、矢沢のように「世界のSUGA」となれる日が来るのか、その手腕が試される。

 岸田文雄政調会長に“施し票”、露骨な「石破茂つぶし」の声 

西日本新聞 2020年9月15日(火)9時50分配信

 14日、菅義偉新総裁を選出した自民党総裁選はむき出しの「派閥の論理」に始まり、終わった。無派閥の菅氏に5派閥が競うように相乗りし、告示前に勝負はついた。石破茂元幹事長を最下位に落とし、再起不能にさせることをもくろみ、安倍晋三首相と麻生太郎副総理兼財務相がそれぞれ所属する派閥から、2位の岸田文雄政調会長に議員票を融通する工作も行われたとみられる。「密室」「談合」色が拭えぬ選出過程は、新政権を縛る足かせになりそうだ。

 「岸田文雄君、89票」-。

 野田毅・総裁選挙管理委員長が読み上げた瞬間、総裁選会場のホテルにどよめきが広がった。岸田氏の地方票はわずか10票。率いる岸田派は47人のため、数字は岸田氏が事前の予想をはるかに上回る国会議員票を獲得した事実を告げていた。「よしっ」と強くあごを引く岸田氏。派閥の参院中堅は拍手をしながら「予定より30票近く、多いな」とつぶやいた。

 今回、菅氏を推した首相と麻生氏だが、岸田氏も見捨てたわけではなく、一方で石破氏を毛嫌いしているのは周知の事実。2位争いに後れを取りそうだった岸田氏を見かね、当の菅氏も地方票の集計直前、方々に電話して岸田票の現状を情報収集していた。

 この日、首相の出身派閥・細田派の中枢幹部は、菅陣営の関係者から「(岸田氏に)票を回したのか」と尋ねられ「自民党には、こういういいところがあるんだよな」と満足そうに独りごちた。麻生氏の側近も「うまくいった」と漏らし、圧倒的優位だった菅陣営から岸田氏サイドに対する温情票の存在をにおわせた。

 国会議員票が伸びず、計68票にとどまった石破氏は、硬い表情を崩さず会場を後にした。幕引きまで続いた「石破つぶし」の背景を、自民党関係者は明かした。「『石破総理』がいかに非現実的かを、党内外に示す。石破氏の政治生命の芽を徹底的に摘んでおくということだ」

      ■     

 首相が辞意表明した翌日の8月29日、二階俊博幹事長らと菅氏が密会して流れをつくり、5派閥が勝ち馬に乗ろうと「菅氏支持」で雪崩を打った構図だった。

 派閥に属さず、党内基盤の薄さが弱点だった菅氏。自身の派閥に総裁候補を持たないため、「キングメーカー」になることでしか党中枢の地位を保てない二階氏。両者は利害がピタリと一致し、補完し合える関係にあった。二階氏は地方で人気の高い石破氏に有利とならないよう、党員・党友投票を省略する「簡易型」の選挙方式も早々にレールを敷き、菅氏に大きな恩を売った。大勢は決した。告示前から各派閥の関心は菅政権を見越した猟官運動に移り、「論功行賞」狙いの綱引きが際立った。

 自民党はかつてカネ、人事、選挙を陰で操った派閥支配が世論の批判にさらされ、政治改革の潮流ともあいまって2009年には野党に転落、出直しを図ったはずだった。今回の選挙戦では政策論争は後景にかすみ、「数は力」の原理に基づく派閥政治が堂々と復権し、「古い自民に後戻りするな」の声はかき消された。

 16日、第99代首相となることが確実な菅氏。14日の記者会見では「派閥の弊害ということは全くない」と言い切ってみせたが、選挙戦で背負い込んだ派閥のしがらみがそのリーダーシップに影を落とすことは避けられない。

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最下位石破茂厳しい再挑戦の道 支持拡大怠ったツケ

産経新聞 2020年9月14日(月)20時56分配信

 「党員すべてに投票権があってもらいたかった」

 自民党総裁選で最下位に終わった石破茂元幹事長は14日、記者団にこう語り、全国一斉の党員投票が見送られたことに重ねて異議を唱えた。敗退は4度目。次回への意欲を問われると「終わったばかりで言えない」と述べるにとどめた。

 石破氏の力の源泉は地方人気だったが、今回の地方票獲得は42票にとどまり、菅義偉官房長官の89票に遠く及ばなかった。課題だった国会議員票は26票で、目標の40票に届かなかった。仲間を増やす取り組みについて問われると「意思疎通に努めることだ」と答えたが、時すでに遅し。努力を怠ってきた代償は大きかった。

 無派閥議員に影響力を持つ菅氏と二階派(志帥会、47人)を率いる二階俊博幹事長の協力を取り付けて頂点に立つ-。石破氏陣営は当初、来年9月の総裁選に照準を合わせ、このようなシナリオを描いていた。だが、安倍晋三首相の辞任表明直後に菅氏は二階氏に出馬を伝達して支持を取り付け、石破氏の計画は破綻した。

 石破派(水月会、19人)は自前で総裁選を戦う基盤を持たない。今後は菅氏に協調姿勢を示しつつ、「菅内閣」の支持率が急落した場合に備え「受け皿」となることを狙う構えだ。

 とはいえ、「反安倍」で注目された石破氏は、首相が表舞台から去れば存在感を失う可能性がある。岸田文雄政調会長にも後れをとったことで「賞味期限が切れた」(閣僚経験者)との評もあり、5度目の挑戦は簡単ではない。

地銀氏「再編も一つの選択肢発言再編圧力を警戒

時事通信 2020年9月15日(火)7時11分配信

 菅義偉氏が自民党総裁に決まったことで、地方銀行に再編の圧力が高まりそうだ。自民党総裁選への出馬会見では、全国102行に上る地銀の数について「多過ぎる」と発言、将来の再編の必要性を訴えた。単独での生き残りを目指す地銀にとっては、「寝耳に水」(第二地銀関係者)の事態。政治主導で再編が進む可能性に、警戒感が広がっている。

 「再編も一つの選択肢になる」。出馬会見から一夜明けた3日、菅氏は具体的な地銀改革の手段にまで踏み込んだ。異例とも言える発言だが、人口減少や超低金利に加え、新型コロナウイルスを受け経営環境が悪化する地銀の持続性に疑問を投げ掛けた格好だ。

 菅氏は官房長官として、地銀再編を後押ししてきた経緯がある。親和銀行(長崎県佐世保市)を傘下に持つふくおかフィナンシャルグループと、十八銀行(長崎市)の経営統合では、統合を後押しする金融庁と、独占禁止法上の問題を指摘する公正取引委員会との対立を調整。これを踏まえ政府は特例法を成立させ、地銀が統合・合併を進めやすくなる道筋をつけた。

 独禁法の特例法は11月に施行される見通し。ある西日本の地銀関係者は「適用第1号の事例を作るため、再編圧力が強まるのではないか」と不安を隠さない。実際、菅氏の発言以降、青森県の青森銀行とみちのく銀行の統合観測も浮上した。

 統合後の融和に苦労する地銀も多く、「くっつければ良くなるわけではない」(別の地銀関係者)との声も根強い。しかし、再編圧力をかわし単独存続を目指すハードルは高い。 

叩き上げ菅義偉私は負け続けた人間黒子から主役になるまで

西日本新聞 2020年9月15日(火)10時18分配信

 冬には豪雪に見舞われる山あいの集落は、こうべを垂れる稲穂で黄金色に染まっていた。秋田県南部の湯沢市秋ノ宮地区。田園を縫うように、太公望に愛される役内川が流れる。

 「子どものころは夏は魚捕り、冬は相撲かスキー。それしかなかった」。地区で生まれ育った菊地洋一さん(71)は幼少期を振り返る。「おい、ザッコ(雑魚)捕りさいくどー」と誰からともなく誘い合い、日が暮れるまで川に入った。

 イワナ、アユ、ときに数十センチのマス。地区には、魚捕りがひときわ上手な同級生がいた。モリを手に潜ると獲物をさっと仕留め、周囲にはにかんだ笑顔を見せた。14日午後、菊地さんはテレビ画面でスポットライトを浴びる男に、遠い記憶を重ねた。

 「あの時の表情だな。ヨシヒデがここまでなるなんてな」

 菅義偉氏はこの日、自民党総裁選で圧勝し、万雷の拍手の中で「この日本のために、そして国民のために働くことを誓う」と高揚気味に語った。

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 気遣い、負けず嫌い、一度決めたら譲らない-。幼なじみが共有する菅氏の印象はこの3点だ。そしてこう口をそろえる。「スポーツは万能。勉強もできる。でも、どれも1番ではなかったな」

 相撲では相手にけがをさせないよう投げ飛ばさず、つり出した。腕っ節は強かったが、友人同士のけんかは双方の言い分を聞いてなだめた。中学の野球部では、熱心な練習で憧れのサードを射止め、変則的な打撃フォームの修正を監督に命じられても「これが自分に合っている」と貫いた。

 進学した湯沢高まではバスと汽車を乗り継いで2時間。雪に閉ざされる冬場は下宿する。幼なじみの伊藤英二さん(71)は長い時間を語らったが、将来の夢を聞くことはなかった。父はイチゴ農家として成功。姉2人は教員。どちらかの道に進むのだろうと思っていた。

 1967年。卒業を迎え、集団就職の同級生は東京へ。波に乗り遅れた菅氏もすぐに上京を決めた。高校1年の時に地元で聖火ランナーの伴走をした東京五輪の高揚感が残っていたのかは分からない。伊藤さんはこんな言葉を聞いた。

 「農業じゃいい暮らしはできねえ。ほかのことさ見つけてえ。何かやることがあるはずだ」

 間もなく国のトップに立つ菅氏は、明確な目標を持たずに故郷を飛び出した青年だった。

目標達成に手段選ばず

 秋田を出て、東京都内の段ボール工場で働いた。学費をため、アルバイトを掛け持ちしながら法政大法学部を卒業。「世の中を動かしているのは政治だ」と政界に飛び込み、国会議員秘書を経て地方議員に-。

 菅義偉氏は自民党総裁選で、「地方出身のたたき上げ」である自身の経歴を繰り返しアピールした。それは今に始まったことではない。

 もう30年以上前、小中高の同級生で元秋田県湯沢市議の由利昌司さん(71)は横浜市議になったばかりの菅氏と会った。同じ地方議員として、縁もゆかりもない土地で選挙を戦う厳しさを知る由利さんが「よくぞやれたな」と声を掛けると、菅氏はこう答えた。

 「横浜は生粋の地元の人だけじゃない。街頭に立つと、演説のなまりを聞いた地方出身者が足を止め、応援してくれた。それが励みになった」

 大学OBの紹介で菅氏が秘書を務めたのが小此木彦三郎元通産相。その地盤が横浜だった。当選同期の元市議は「忙しい小此木氏に代わり、菅氏は地元の企業や支援者と関係を築いていた。議員の素地はできていた」と言う。

 初挑戦の1996年衆院選で「地元じゃない」と他陣営から攻撃された。あえて名刺に「秋田出身」と刷り、地方出身を押し出した。それは現在も続く。大都市の横浜で地盤を固めつつ、「土のにおいのする政治家」(自民党元幹部)を売りに当選を重ねた。

   ■    ■

 自民党横浜市議団には、若手からベテランまで総意で団長を決める慣例がある。市議の田野井一雄さん(79)は「それは菅さんのレガシー(政治的遺産)だ」と語る。トップダウンの人事案に、当時新人だった菅氏が「1期生でも市民の負託を得ている」と異を唱えたのが発端だったという。

 意志あれば道あり-。国政でも自身の座右の銘を貫いた菅氏だが、党内では「負け組」が続く。98年総裁選では、政治の師と仰ぐ梶山静六元官房長官を支持して所属する小渕派を離脱。2000年には森内閣不信任案を巡る「加藤の乱」に同調した。

 立て続けに政局に敗れ、いつしか無派閥の「異端児」と見られるようになった。「私は負け続けた人間」と語ったこともある。だが安倍晋三氏を支える「側近」ポジションを確保すると、その境遇が一変する。

 第1次安倍政権で総務相に就任すると、省内の異論を抑え込み「ふるさと納税」を創設。NHKの受信料を引き下げる改革にも着手した。反発する官僚は更迭もいとわなかった。当時を知る元総務省関係者は「信念だけではない。菅氏の持つすごみ、怖さを感じた」と振り返る。

   ■    ■

 危機管理のため東京をほとんど離れず、日課の散歩もスーツでこなす。朝昼晩と各界の関係者と会食し、情報収集にいそしむ-。第2次安倍政権の官房長官として7年8カ月、それが菅氏の日常だった。

 「あれだけ人に会うから、何が批判を受けるか誰よりも分かる」と周辺が語る通り、リスクを嗅ぎ取る感覚は研ぎ澄まされた。問題閣僚は早々に切り捨て、災害時は「プッシュ型支援」で政権批判の芽を摘んだ。

 一方で「目的達成には手段を選ばない」(衆院当選同期)という一面が顕著になっていく。

 官邸主導で中央省庁の幹部を動かせる内閣人事局が14年に発足。「政権の方向に官僚を動かせるようになった」と周囲に漏らし、官邸の歓心を買おうとする「忖度官僚」を生み出した。自身を慕う議員の重用も目立つようになった。

 「自分を舞台の俳優だと思え」。菅氏は自身の秘書をこう指導してきた。自分を客観視し、与えられた役割をこなせとの意味だという。菅氏自身、「令和おじさん」で知名度を上げ、首相候補に名を連ねても、上昇志向を表に出さず、黒子役に徹してきた。

 必然か、偶然か。ナンバー2を演じきった菅氏は主役の座を射止め、舞台の中央に躍り出た。その舞台から飛び降り、国民に信を問うのかどうか。記者会見で衆院解散の意向を聞かれた菅氏は「総裁に就任したわけですから、仕事をしたい」とはにかんだような笑顔で言った。

 菅義偉 新総裁安倍外交継承するか世界が注視 

西日本新聞 2020年9月15日(火)11時11分配信

米国 中韓との関係構築に注目

 安倍政権の継承を表明している菅義偉官房長官の新首相就任が確実となったことについて、米国内では日米関係に大きな政策転換はないと受け止められている。ただ、日米同盟に影響を及ぼしかねない東アジア外交に不透明感があるとの指摘がある。

 菅氏は昨年5月、首都ワシントンを訪れ、ペンス副大統領やポンペオ国務長官らトランプ政権の主要メンバーと会談。ある米政府関係者は「会談をそつなくこなした菅氏に、大きな心配はない」と話す。11月の大統領選でトランプ氏が敗れる可能性はあるが、菅氏は民主党の大統領候補バイデン氏が副大統領を務めたオバマ前政権にも対応した実績があり、一定の信頼につながっているとみられる。

 懸念されるのが対中、対韓外交だ。総裁選で菅氏への支援をいち早く表明した親中派の二階俊博幹事長が影響力を増し、新政権が中国への融和姿勢を強める可能性もあり、対中強硬策を打ち出すトランプ氏が再選すれば、両国間の足並みの乱れにつながりかねない。

 日韓軍事情報包括保護協定(GSOMIA)を巡る問題もくすぶる。米国としては、日韓両国との連携に支障を来す事態は避けたいだけに「日韓関係がどれだけ改善できるのか注目したい」(日米外交筋)との声が上がる。

中国「米との歩調」気掛かり

 菅義偉官房長官の中国での知名度は低いが「農民出身で苦学した政治家が日本の最高権力者になる」(中国メディア関係者)と注目されつつある。米中対立が深刻化する中、習近平指導部は日本との関係改善を続けたい意向。菅氏が安全保障やハイテク分野で米国とどう歩調を合わせるか注視している。

 中国外務省の汪文斌副報道局長は、14日の記者会見で菅氏に祝意を述べ「日本の新しい指導者と一緒に新型コロナウイルス対策と経済発展を深化させ、中日関係の持続した改善と発展を推進したい」と語った。

 習指導部は、菅氏が総裁選で「中国をはじめ近隣国と安定的な関係を構築する」と訴えた点を評価。宙に浮いたままの習氏の国賓訪日などについて「新政権の基盤が固まれば、日本側と協議を再開したい考え」(日中外交筋)とみられる。

 「世襲が一般的な日本の政界で、地盤も知名度も資金もなかった草の根出身」。政府系シンクタンク・中国社会科学院日本研究所の張伯玉研究員は中国共産党機関紙・人民日報系の環球時報で菅氏を紹介。「地方経済の活性化を重視し、中日の経済関係で積極的姿勢を取るかも」としつつ「ハイテク分野では米国に追随し、中国へのけん制を強化するだろう」と予測した。

韓国「安倍氏アバター」に警戒

 安倍政権を7年8カ月にわたって支えてきた菅義偉官房長官を、韓国内では「安倍氏のアバター(分身)」と見る向きが強い。菅氏は安倍外交の継承を宣言しており、警戒感を強めている。

 韓国メディアは、菅氏が12日の記者会見で経験不足が指摘される外交の方針を問われた際、「(安倍氏に)相談させていただきながら行っていく」と発言したと軒並み報道。歴史問題などを巡って「韓国への強硬姿勢は当面続くとみられる」との見方が目立つ。

 文在寅(ムン・ジェイン)政権は、韓国が議長国を務める日中韓首脳会議を年内に開き、日韓首脳会談で関係改善の糸口を探りたいとみられる。革新系紙の社説も「安倍政権の退場をきっかけに韓日関係改善の突破口を積極的につくるべきだ」と後押しする。

 ただし、文政権は懸案の元徴用工訴訟問題を巡って譲歩する姿勢が乏しい。年内にも韓国内にある日本企業の資産が現金化され、問題がより一層こじれる恐れもある。日本外交筋は「韓国側が懸念を取り除く環境整備をしなければ、首脳会談の実現は難しい」とくぎを刺す。

 一方、菅氏は官房長官として各国の外交関係者らと水面下の接触を重ねたとされ、独自の韓国人脈を生かした関係の立て直しに期待を寄せる声もある。

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関連エントリ 2020/09/16 ⇒ 【第99代首相】安倍内閣総辞職。今夜✍菅義偉内閣が発足

 

2020年9月 8日 (火)

【台風10号】史上最凶(のはずが)<拍子抜けだった>理由

 台風10号が予想されたほど発達しなかった理由 

沖縄タイムス 2020年9月8日(火)10時01分配信

 6日未明に最接近し、27時間近く大東島地方を暴風域に巻き込んだ台風10号。4日時点の予想では「特別警報級の勢力」「記録的な暴風」になるとされていたが、実際は予想されていたほど発達せず、特別警報の発表もなかった。

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 沖縄気象台は理由について、現時点で「要因は一つと決まらず、特定は難しい」とした上で、「台風の中心がさらに近づけば、より風が強まった可能性はある」としている。

 気象台が4日に開いた記者会見では、大東島地方は最大風速50~60メートル、最大瞬間風速70~85メートルとしていた。実際に観測されたのは、南大東島で最大風速35メートル(6日午前0時42分)、最大瞬間風速は51・6メートル(5日午後9時38分)だった。

 台風10号は6日午前0時に南大東島の西30キロを北寄りに進み、かなり接近した。気象台担当者は進路に関し「予想通りだった」。南大東島の観測地点が盆地のような地形にあるため、「海岸付近よりも風が弱く観測された可能性がある」と話した。

 先行9号が影響?台風10号特別警報見送りの理由 

西日本新聞 2020年9月8日(火)9時49分配信

 台風10号は特別警報が発表されることなく、九州西岸を通過した。進路付近の海面水温の低下で、勢力が早めに弱まったと考えられている。ただ西太平洋の水温はなお高く、台風が発達しやすい傾向は続く可能性がある。今後も大型台風への備えが必要だ。

 台風10号は、短時間に猛烈に風速が増す「急速強化」という現象を経て発達した。気象庁は非常に強い勢力を保ったまま陸地に近づく異例の台風になると予測し、早くから「特別警報級」と注意を呼び掛けた。

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 しかし、実際には特別警報の発表を見送った。九州接近時の勢力予測が特別警報の発表基準である「中心気圧930ヘクトパスカル以下」か「最大風速50メートル以上」(沖縄、奄美、小笠原諸島は「910ヘクトパスカル以下」か「最大風速60メートル以上」)をわずかに満たさなかったからだ。

 気象庁担当者は、発表見送りを「予測の範囲内」と説明。勢力が早めに弱まったのは、台風9号が数日前にほぼ同じ進路をたどったことで、海面付近の暖かい海水と海中の冷たい海水がかき混ぜられたためだとみる。その結果、海面水温が下がり、台風のエネルギー源となる水蒸気の取り込み量が減ったというわけだ。

 福岡大の守田治客員教授(気象学)も海面水温の低下に注目した上で「勢力の強い10号は冷たい海水を上方に持ち上げる力も強く、ゆっくり進行しながら自ら勢力を弱めたのではないか」との見方を示す。

 九州に接近後、北上する速度を上げたことも勢力の減衰に影響したとみられる。京都大の竹見哲也准教授(気象学)は「気圧の谷の影響で、上空5千メートル以上の北向きの風に取り込まれるように速度が速まった」と説明する。

 太平洋では東側の海面水温が低め、西側で高めとなるラニーニャ現象が起こりつつある。同現象は異常気象を引き起こすことで知られ、竹見准教授は「今後発生する台風も勢力が強くなる恐れがある。九州付近の海面水温も2週間程度で再び上昇する可能性があり、油断できない」としている。

 モーリシャス座礁社員17人の会社に莫大な賠償金を払えるか 

文春オンライン 2020年9月4日(金)6時01分配信

 インド洋の島国モーリシャスの首都で8月29日、大規模なデモが起きた。

「沖合で貨物船『わかしお』が座礁して重油1000トンが流出し、事故対応をめぐって不安を覚えた住民が『今の政府はいらない』などと抗議したのです」(国際部記者)

 モーリシャス政府が損害賠償を求めているのが、貨物船を所有し、岡山県笠岡市に本社がある長鋪(ながしき)汽船だ。

「長鋪さんは江戸時代から150年続く同族企業で、長鋪慶明社長は地元ロータリークラブの会長も務めた。所有するタンカーなど外航船11隻を、今回貨物船を運航していた商船三井などの海運会社に貸し出しています」(地元関係者)

 社員数は17人で、本社は老舗旅館のような佇まい。長鋪社長は海沿いの500坪の土地に居を構えている。

 今回の事故による環境への被害はどのくらいかというと、

「モーリシャスは世界有数の生物多様性を誇り、サンゴ礁やマングローブの経済価値はかなり高い。今回の事故は、推定100万頭の海洋動物が死ぬなど漁業にも多大な影響が出た、1989年のエクソンバルディーズ号のアラスカ沖での原油流出事故に匹敵すると考えられる」(環境経済学専門の栗山浩一・京都大学教授)

 この事故でタンカーの所有会社が地元住民らに支払った補償金は3億ドル(約320億円)以上。

 また、97年に島根県沖で6000トン強の重油が流出したロシア船籍のタンカー、ナホトカ号事故の補償額は約261億円だった。

保険でどの程度カバーされるのか?

 今回、モーリシャス政府は日本側にまず漁業支援費として約32億円を請求したと地元メディアが報じたが、長舗汽船は莫大な賠償金を支払えるのだろうか。

「船を所有する会社は船主責任保険に必ず加入しています。国際的な海事法『バンカー条約』で責任の範囲は決まっており、約10万トンのわかしおの場合、上限は約20億円。また、過失や故意と判断されても、油濁事故なら10億ドル(約1060億円)までカバーされるので、保険で支払える可能性が高い」(東海大学海洋学部・山田吉彦教授)

 ただ、環境法に詳しい高橋大祐弁護士が語る。

「単に従来の基準で賠償するだけでは、2010年にメキシコ湾原油流出事故を起こした英BP社のように国際社会から厳しい批判を受けることに。環境回復や被害者救済に向けて自主的に取り組むなど細やかな対応を行うべきでしょう」

 事故の対応について、長鋪汽船の広報を請け負う危機管理会社は「補償も保険会社と共に誠意をもって対応していきます」と答えた。

 モーリシャスの海が事故前の姿を取り戻すには、数十年かかるとみられている。

 茂木外相×モーリシャス首相会談 環境漁業経済支援表明 

ロイター 2020年9月7日(月)17時07分配信

 茂木敏充外相は7日午後、モーリシャスのジャグナット首相と電話会談を行った。茂木外相によると、インド洋のモーリシャス沖で貨物船「わかしお」が座礁し、大量の重油が流出した事故を受け、日本政府としてモーリシャスに対する漁業・環境・経済支援策の概要を説明し、モーリシャス首相は謝意を表明したという。

 支援総額などの詳細は話していないとしている。

 茂木外相によると日本側から、1)事故再発防止のための海上航行安全システム、初動体制の強化等への支援、2)汚染環境改善のためのマングローブ林保全・再生のための専門家の派遣、サンゴ礁等の環境モニタリング、生態系再生等への協力、零細業業者の生計立て直しのための業業関連資機材の提供、沿岸漁業の振興協力、3)モーリシャス経済の回復、発展の後押しなど財政面を含む協力、貿易投資セミナーや官民合同ミッションの派遣━━などを提案・説明した。

 ジャグナット首相からは、今回の事故を決して日本の責任とは考えていないが、国際緊急援助隊の迅速な派遣や資機材供与などについて、大変ありがたいと謝意が表明されたという。

 重油流出、モーリシャス首相「日本の責任と考えていない 

毎日新聞 2020年9月7日(月)19時35分配信

 茂木敏充外相は7日、モーリシャスのジャグナット首相と電話で協議し、日本の貨物船が同国沖で座礁した事故に関して、環境・経済の回復に向けた中長期的な支援を行う考えを伝えた。茂木氏によると、ジャグナット氏は謝意を示し「今回の事故について日本の責任があるとは考えていない」と述べたという。

 電話協議は支援策の概要が固まったのに合わせて、日本側から呼びかけた。茂木氏は、油流出事故への対処能力向上に向けた支援▽自然環境の回復のための専門家の派遣▽被害を受けた漁業者への漁業資機材の提供――などを約束し、同国政府への財政支援を検討する考えも伝えた。ジャグナット氏は「心から感謝する。引き続き日本の協力を得ていきたい」と応じたという。

 事故を巡っては、モーリシャス政府が重油流出で被害を受けた漁業者への支援のため、日本側に計約36億円の支払いを求めたことが明らかになっている。茂木氏は協議後、記者団に対し「(協議では)細かい数字については話していないが、財政面を含めこれまでにない規模の支援を行っていきたいと伝えた」と説明した。

 商船三井、モーリシャス沖重油被害のサンゴ回復10 

共同通信 2020年9月11日(金)11時02分配信

 インド洋のモーリシャス沖で発生した日本の貨物船の重油流出事故で、船を手配した商船三井は11日、総額10億円規模の支援策を発表した。汚染されたサンゴ礁を回復するための基金設立が柱。損害賠償の法的責任はないが、環境汚染に対し、手配者としての責任を果たす狙い。

 設立するのは「モーリシャス自然環境回復基金(仮称)」。被害を受けたサンゴ礁やマングローブ林の保護・回復への取り組みを進めるほか、希少な海鳥などの保護活動も支援する。

 モーリシャス政府や、地元の非政府組織(NGO)にも約1億円を寄付する。

 自民総裁選 安倍政権継承是非焦点 石破岸田3氏立候補 

時事通信 2020年9月8日(火)10時55分配信

 安倍晋三首相の後継を決める自民党総裁選が8日告示され、石破茂元幹事長(63)、菅義偉官房長官(71)、岸田文雄政調会長(63)が立候補した。

 7年8カ月に及んだ安倍政権継承の是非が争点。新型コロナウイルス対応、経済対策、外交、憲法改正などをめぐって論戦を交わす。

 立候補の受け付けは8日午前10時から党本部で行われ、3陣営が20人の推薦人名簿を添えて届け出た。3候補は午後1時から所見発表演説会に、午後3時から共同記者会見に臨み、基本政策や決意を訴える。

 投開票は14日の両院議員総会で行われ、新総裁を選出。国会議員票(394票)と47都道府県連代表に各3票が割り当てられた地方票(141票)の計535票を争う。ほぼ全ての都道府県連で党員による予備選を行い、3票の投票先に反映させる。新総裁は16日召集の臨時国会で首相に指名され、新内閣を発足させる。

 早期解散も…ポスト菅官房長官人事めぐり派閥対立が激化 

AERAdot. 2020年9月8日(火)8時00分配信

 安倍首相の辞任表明から、「電光石火」の早業で党内5派閥の支持を取り付け、ポスト安倍候補の中で圧倒的優位な構図をつくった菅義偉官房長官。その背景には、政局のコントロールに長けた二階俊博幹事長との3年半前からの「蜜月関係」があった。

 菅─二階同盟によって岸田文雄政調会長、石破茂幹事長という政敵2人を追い落とし、天下取りへの道はほぼ盤石。すべてが菅─二階同盟の計画通りに進んでいるかのような展開に、二階派議員は「これで二階さんは幹事長留任だ」と話す。

 自民党の無派閥議員のうち約30人が菅グループと言われ、二階派の47人と合計すると約80人。党内最大派閥である細田派の98人に次ぐ一大勢力となった。菅氏周辺は「ひそかに菅さんを支持する『隠れ菅派』も合わせると、100人程度の規模になるはずだ」とソロバンをはじく。

 ただ、党内には早くも派閥間の軋轢が生じている。菅氏と二階氏の動きに防戦一方だった細田派、麻生派(54人)、竹下派(54人)の3派閥は9月2日、細田博之氏、竹下亘氏、麻生氏の各派閥会長がそろって記者会見を開き、二階氏抜きで菅氏への支持を表明。この動きを主導したのは麻生太郎氏だった。

 これに二階氏が怒った。二階派幹部の河村建夫元官房長官は「主導権争いをやっている、と余計な臆測を呼ぶ」と麻生氏に伝えたことを明かした。前出の二階派議員は言う。

「二階派にケンカを売ってるのか? 菅さんに『3派を優先した内閣にしろ』と言っているようなものではないか。そこまでしてポストが欲しいか」

 目下の焦点はすでに新内閣の人事に移っている。特に、政権の「要」である官房長官に誰がなるかで、水面下の駆け引きが始まっているという。

「菅氏の意中は若手時代に師事した梶山静六の息子で気脈を通じる無派閥の梶山弘志氏、次いで加藤勝信氏と言われる。しかし麻生派が河野太郎氏を、細田派が西村康稔氏をねじ込もうとしており難航している」(自民党関係者)

「寄り合い所帯」の弱点が早くも露呈しつつあるようだ。菅氏は5日に出演したテレビ番組で消費税減税に否定的な見解を示した。元来は「上げ潮派」のはずだが、財政規律を重視する麻生財務相への配慮が働いたともとれる。権力基盤の弱さを解消しようと菅氏が検討しているのが、衆院の早期解散だという。

「菅氏は早くも、党のベテラン職員に選挙に向けた調査を命じたといいます。9月25日に臨時国会を召集して所信表明と代表質問を行った後、30日解散、10月25日投開票の選挙に踏み切るとの情報が駆け巡っています」(同)

 菅氏の「野心」は果たされるのか。早くも大勝負の時が近づいている。

 “新総裁”「派閥要望けつけない党役員・組閣人事 

朝日新聞デジタル 2020年9月7日(月)13時33分配信

 自民党総裁選(8日告示、14日投開票)に立候補する菅義偉官房長官(71)は7日午前、朝日新聞の単独インタビューに応じ、新たに総裁・首相に就いた場合の党役員・閣僚人事について、「各派閥からの要望は受け付けない。事前に打ち合わせなどはしない」と述べた。

 菅氏はかつて小渕派や古賀派に所属していたが、2009年から無派閥になり、「派閥解消」を訴えてきた経緯がある。一方で、総裁選では、立候補予定の岸田文雄政調会長(63)、石破茂元幹事長(63)がそれぞれ率いる派閥を除く全5派閥から支持を受けた。菅氏側の派閥間の主導権争いとみられる動きも出ており、派閥との関係に注目が集まっている。

 人材登用については、「専門的な知識のある人と、改革意欲のある人を登用していきたい」と表明。菅政権が実現した場合の官房長官に求める能力として、1日2回の記者会見対応に加え、「各省庁をとりまとめられる調整役」を務められることを挙げ、「全体を見られる人でないと難しい」と指摘した。

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2020年8月20日 (木)

【藤井棋聖】史上最年少<王位戦4連勝>二冠&八段昇段達成

 藤井棋聖「望外」4連勝王位 史上最年少2冠八段達成 

デイリー 2020年8月20日(木)17時00分配信

 将棋の藤井聡太棋聖(18)が木村一基王位(47)に挑戦する第61期王位戦第4局の2日目が20日、福岡市の「大濠公園 能楽堂」で指され、藤井棋聖が勝利。無傷の4連勝で七番勝負を制して王位を奪取し、史上最年少となる18歳1カ月での二冠保持&八段昇段を達成した。

 藤井棋聖は、前日に規定時刻からさらに20分間の考慮で決めた封じ手が強烈な一手で、徐々にリードを拡大。昼食休憩後には一気に差を広げた。最後は“千駄ヶ谷の受け師”の異名を取る木村王位に、粘る余地を与えずに押し切った。

 二冠の最年少記録は羽生善治九段(49)が1992年に王座と棋王を保持した際の21歳11カ月で、28年ぶりの更新。八段昇段の最年少記録は、加藤一二三九段(80)=引退=が1958年に順位戦A級昇級で達成した18歳3カ月で、こちらは実に62年ぶりの新記録達成となった。

 終局後、藤井新王位は「自分にとって初めての2日制の対局でしたし、その中で自分としてもいろいろ得るものがあったのかなと思います」と回顧。「内容的には押されている将棋が多かったと思うんで、4連勝という結果は望外というか、自分の実力以上の結果だったのかなと思います」と話した。

 王位奪取については「それについては、あまりまだ実感がないところではあるんですけど、今回七番勝負でいろいろいい経験ができたかなと思うので、それを生かせるように引き続き頑張っていきたいと思います」と淡々。最年少記録更新については「それについては、まったく対局に臨むにあたっては意識してなかったことではあるんですけど、棋聖戦と王位戦2つのタイトル戦に出ることができて、その中で勝つことができたというのは収穫だったのかなと思います」と穏やかな口調で語った。

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 10代初2冠&最年少八段将棋界から祝福の声 

ABEMA TIMES 2020年8月20日(木)17時02分配信

 将棋の最年少棋士・藤井聡太棋聖(18)が8月19、20日に行われた王位戦七番勝負第4局で木村一基王位(47)に勝利、シリーズ成績4勝0敗のストレートでタイトル奪取に成功した。同時に10代での二冠は史上初、八段昇段は最年少という2つの記録を同時に達成。将棋界からも祝福の声が寄せられ、羽生善治九段(49)は「空前絶後の大記録」と絶賛した。

日本将棋連盟会長 佐藤康光九段

 この度は王位獲得、誠におめでとうございます。最年少での二冠達成・八段昇段ということで、「素晴らしい」の一言です。今後もより高みを目指して頑張っていただければと思います。

加藤一二三九段(八段昇段の前・最年少記録保持者)

 このたびは史上最年少での二冠達成ならびに八段昇段の快挙達成を心より御慶び申し上げます。この先AI研究が如何に隆盛を誇ろうとも、藤井聡太二冠には、人間の探究心と求道心のさきにある芸術的な一手により、盤上での感動を追求し将棋界を湧かせていただけることを願っております。今後益々の眼も醒めるような躍進を心より期待しております。

羽生善治九段(二冠保持の前・最年少記録保持者)

 十代で複数冠を保持するのは空前絶後の大記録だと思います。一方で昨今の藤井さんの充実著しい内容を見ていると不思議ではない結果とも感じています。今後も将棋の進化のフロントランナーとして活躍されることを期待しています。

杉本昌隆八段(藤井聡太二冠の師匠)

 藤井聡太棋聖の王位獲得並びに最年少での八段昇段を嬉しく思います。期待と予想を大きく上回る活躍には毎回驚かされます。これで複数冠タイトル保持者となりましたが、まだまだ道半ば。更なる高みに向かってどこまでも駆け上がってください。

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 危険な封じ手で全てが一変」…高橋道雄九段が見た藤井2冠 

スポーツ報知 2020年8月21日(金)6時00分配信

 封じ手は昨日付の本紙で予想した△8七同飛成。今朝、対局が再開してからは藤井新王位のペースになりました。あの局面までの序盤は木村前王位が先手らしく「自分の指したい手」を続け、後手が付いていく展開でしたが、あの一手には全てを一変させるような強烈な意味がありました。

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 いえ、その後の展開が容易になったわけではないんです。後手玉が中段を泳ぐ形になって危なかったのですが、不思議と私には藤井さんが危険を楽しんでいるように見えました。一気に踏み込んだ封じ手も危険な一手でしたけど、果敢な攻めにもギリギリの受けにも喜びを感じて指しているように思えた。小さな子供が将棋を指してドキドキする時の思いを、藤井さんは今も体現している気がするんです。そのような姿勢を支えているのは、言うまでもなく深く局面を読める能力です。

 52手目、△8八歩から寄せを構築した手順も見事でした。先手の桂馬が自陣の玉頭に跳んでくる展開になるので、本当は怖いんです。でも彼には楽しい、面白い局面だったのかもしれません。

 私も26歳の時、王位と棋王の2冠を獲得してとてもうれしかったことを覚えていますが、谷川浩司さんや羽生善治さんのように、頂点の棋士にとっては2冠は通過点で、藤井さんも同じだと思います。私は2冠を保持した状態で3冠には挑戦することはできなかったので…。

 これから数年の将棋界は、戦国時代というより藤井さんを中心に動いていきます。全冠制覇を実現するかどうかが最大の焦点になると思います。(談)

 △5四△8七」…西川和宏六段が見た藤井2冠 

デイリー 2020年8月21日(金)5時59分配信

 藤井棋聖、王位を獲得しての史上最年少二冠、そして史上最年少の八段昇段おめでとうございます。

 この王位戦第4局、藤井棋聖はすきのない将棋でした。藤井棋聖は自然な攻めを積み重ねていっていましたが、木村王位も同様に自然な受けを積み重ねていっていたと思います。

 どちらも自然な手の連続で、いつ差が開いたのか、分かりづらい将棋に感じました。木村王位はかなり準備をし、作戦を立てて第4局に臨まれたはずですが、終わってみればどの指し手が敗着になったのか分からないぐらい、不思議な感覚の将棋だったかもしれません。

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 ただ言えるのは、封じ手となった△8七飛成は最初のポイントになったと考えています。あの場面、通常では△2六飛も候補手になるでしょうが、△8七飛成は先を読んだ末の決断の一手だったと思います。その後、△3三角からの細かい攻めを自然につないでいきましたね。

 藤井棋聖が45分考えた62手目の△5四香は、その後の反撃が見えているだけに指しづらい手でしたが、藤井棋聖らしい読みを入れた、かなり踏み込んだ一手だったと思います。その後は、千駄ヶ谷の受け師と呼ばれる木村王位らしい、王が戦線で頑張る展開となりました。それでも、最後は藤井棋聖らしく正確な読みで押し切ったと思います。

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 藤井聡太2冠、“人間超えた封じ手無傷4連勝!! 

スポニチアネックス 2020年8月21日(金)5時30分配信

 とどまることを知らない、またも偉業達成だ。木村一基王位(47)に藤井聡太棋聖(18)が挑んだ第61期王位戦7番勝負第4局2日目が20日、福岡市の大濠公園能楽堂で指し継がれ、藤井が80手で勝利。1日目の封じ手が飛車を切り捨てる妙手で、この一手をきっかけに守りに定評のある木村を攻略。無傷の4連勝で最年少で2冠を獲得するとともに、最年少八段昇段を決めた。 

 棋聖奪取からわずか35日。2冠ホルダーになっても、終局後はいつもと変わらぬ控えめな藤井がいた。「4連勝という結果は、望外というか実力以上の結果が出たのかなと思います」。2017年4月、デビュー11連勝の新記録達成時の会見で使った難解熟語で再び報道陣をざわつかせたが、さらに驚かせたのは過去にも数々の伝説を残してきた神の一手だ。今局でさく裂したのは、前日に36分長考の末にひねり出した封じ手だった。

 飛車切りを迫られた難しい局面。中継の解説を務める棋士らの間でも、飛車を取られることを嫌って横に逃げる見方が大半だったが、実際に決断したのは銀を取っての[後]8七同飛成。大方の予想を覆す一手で、結果として大駒を手放す勇気ある選択だった。

 「自信のない局面。強く踏み込んで勝負しようと思った。結果的によかった」。リスクが高く、プロなら指さない常識外れの一手だが、実はこれがAIの示す最適解だった。封じ手が明らかになった瞬間、五分五分だったAI診断の数字が藤井有利に傾いた。

 さらにこの飛車を金で取ったことで守りが手薄になった木村の王をロックオン。攻めをつないで着実にリードを広げ、そのまま押し切った。棋聖戦と並行で進んだ過密日程の中で、さらに磨きがかかった勝負勘が発揮された結果だった。

 今回の偉業は“無敗14連勝”で獲得したものでもあった。王位戦の予選2回戦から登場し挑戦者決定リーグまでまず9連勝、挑戦者決定戦では永瀬拓矢2冠を寄せ付けず、7番勝負でも木村に1勝も許さなかった。挑戦者として予選から王位戦無敗で冠奪取したのは史上初の快挙だった。

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 新型コロナウイルス感染拡大の影響がある中、棋聖に続くタイトル奪取は信じられないほどの衝撃だ。4月から6月2日に公式戦が再開されるまで1カ月半以上も実戦経験を積めない状況で、パソコンなどを使って序盤の定跡などを整理して研究。「じっくりと自分の将棋と向き合えた」と前向きに捉え、さらなる棋力向上につなげた。この日「将棋界を代表する立場として自覚は必要だと思う」と話したように精神面の成長も見逃せない。

 羽生(21歳11カ月)を超える最年少2冠、加藤一二三・九段(18歳3カ月)を上回る最年少八段昇段、史上初の10代での番勝負無敗戴冠およびタイトル戦出場2期で2冠獲得…。新記録尽くしで福岡の地に歴史を刻んだ次の目標は、高校生で3冠獲得の可能性を唯一残す王将戦だ。

 冠を獲得すれば、その時は唯一の3冠ホルダー。そうなれば将棋界は一気に藤井時代到来を告げることになる。憧れる地元・愛知出身の戦国武将・織田信長が目指した天下統一の道を、没後約440年を経て将棋界の若武者が突き進んでいく。

 八段昇段規定の一部改定 八段昇段条件に関して日本将棋連盟は(1)竜王位1期獲得(2)順位戦A級昇級(3)七段昇段後公式戦190勝だった条件を2018年6月1日に改定。(1)竜王位1期獲得(2)順位戦A級昇級(3)タイトル2期獲得(4)七段昇段後公式戦190勝とした。棋聖、王位の2タイトルを獲得した藤井は(3)に該当ととなり、八段昇段が決まった。新ルール適用での昇段は、同じ2冠の永瀬に次いで2例目。八段は最高位の九段に次ぐ段位。藤井の師匠の杉本ら、藤井を含めて現役プロ棋士169人中30人がいる(九段は31人)。

 王位戦 1960年に創設された将棋8タイトルの一つ。シードと予選通過者計12人が6人ずつ紅・白組に分かれてリーグ戦を戦い、各組1位が挑戦者決定戦を戦う。勝者が7~9月に保持者と2日制、持ち時間各8時間の7番勝負に臨む。永世保持者は故大山康晴15世名人と中原誠16世名人、有資格者は18期の最多記録を持つ羽生善治九段。 

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 藤井 聡太(ふじい・そうた)2002年(平14)7月19日生まれ、愛知県瀬戸市出身の18歳。杉本昌隆八段門下。5歳で将棋を始め、小4で奨励会入会。16年10月に史上5人目の中学生、最年少14歳2カ月でプロ入り。先月16日、棋聖戦を制し初のタイトルを獲得。名古屋大付高3年。18年に瀬戸市民栄誉賞を第1号として受賞。

 次元棋士3次元の我々とは違う」…杉本師匠が見た藤井2冠 

スポニチアネックス 2020年8月21日(金)5時30分配信

 将棋界で有力棋士に付きものなのが「ニックネーム」だ。加藤一二三・九段(80)の「ひふみん」、森内俊之九段(49)の「ウティ」などは名前から、佐藤天彦九段(32)の「貴族」は風貌や所作から、谷川浩司九段(58)の「光速の寄せ」、木村前王位の「千駄ケ谷の受け師」、久保利明九段(44)の「さばきのアーティスト」などは棋風からそれぞれ名付けられた。では、藤井新王位の場合は?

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 師匠の杉本八段は「これまで世に出た愛称では“神の子”というのがしっくりきますね」と話す。過去の著書では「4次元の棋士」と称しており「今も個人的に納得のいくネーミングだったと思っている。3次元にいる我々とは違う次元が彼には見えている」と推奨した。

 棋士仲間の評価で異色なのが高野秀行六段(48)。3年前の連勝中に「フェラーリかベンツだと思ったらジェット機だった」とコメントし話題になった。今年7月6日に順位戦B級2組で対戦し敗れた橋本崇載八段(37)も「こちらがとぼとぼ歩いている間に、一気に抜かれた。エンジンが違う」と述懐。小手先の技術差ではなく、エネルギー源がそもそも異なるという認識で一致している。

 ここまで強烈な存在なのに、なぜか藤井には固定した異名が付かない。「天才」はこの世界あまたいるし、「怪物」では外見のイメージと違いすぎる。

 藤井と過去に2局戦っている前叡王の高見泰地七段(27)は「これといった得意戦法がないオールラウンダーなので、ニックネームが付きにくいのでは」と分析しつつ「それでもあえて言うなら“最年少探究者”でしょうか」。中盤で惜しげもなく考慮時間を消費し、最善手を見つけ出す姿に感銘を受けての命名という。「楽に勝とうとしない凄みを感じます」と話していた。

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関連エントリ 2020/08/06 ⇒ 【藤井棋聖】2冠までM1<王位戦3連勝>八段最年少記録も視界良好
関連エントリ 2020/07/17 ⇒ 【藤井棋聖】17歳11箇月<初載冠>30年ぶり✍最年少記録更新!!

 

2020年8月 6日 (木)

【藤井棋聖】2冠までM1<王位戦3連勝>八段最年少記録も視界良好

 王手2冠」「八段藤井棋聖、“大逆転負け危機反省 

日刊スポーツ 2020年8月6日(木)6時43分配信

 将棋の最年少タイトルホルダー、藤井聡太棋聖(18)が最年長タイトルホルダー、木村一基王位(47)に挑む第61期王位戦7番勝負の第3局が4、5の両日、有馬温泉(神戸市北区)の老舗旅館「中の坊瑞苑(ずいえん)」で行われ、先手の藤井が木村を破り、3連勝で史上最年少2冠にあと1勝とした。王位を獲得すると、史上最年少での八段昇段の記録を同時に達成する。第4局は19、20の両日、福岡市の「大濠公園能楽堂」で行われる。

   ◇   ◇   ◇

 神戸・六甲山の山峡にある有馬温泉。老舗旅館街にある「中の坊瑞苑(ずいえん)」の貴賓室。遠くにセミの鳴き声が聞こえる対局室で、2日間にわたり、「史上最年長VS史上最年少」の激闘が繰り広げられた。

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 ほぼ互角で迎えた2日目、仕掛けたのは藤井だった。正午前、57手目で先手4五歩と指し、本格的な戦いに突入した。中盤、藤井が鋭い踏み込みから、巧妙な手順で攻めをつなぐ。粘り強い強靱(きょうじん)な受けから「千駄ケ谷の受け師」の異名をもつ木村は、徹底的に受けた。終盤戦、切れ味鋭い攻めを連発した藤井が、木村の受けを振り切った。

 開幕3連勝にも笑顔はない。「寄せにいったところで誤算があり、その後、負けにしてしまったかもしれない。厳しかった」。最終盤の攻防戦、あわや大逆転負けの局面を振り返った。

 藤井にとっては7月16日に最年少の17歳11カ月で初タイトルを獲得してから初めての番勝負だった。大舞台で約80年前の昭和初期に指された「土居矢倉」を採用した。昭和のレトロな戦法に現代風のアレンジを加え、令和の時代によみがえらせた。

 師匠の杉本昌隆八段(51)は言う。「まさにコロンブスの卵です」。だれでも思いつきそうなことでも、最初に行うことは難しい。将棋界の未来を背負う18歳は、研究した手を果敢に実戦でぶつけた。

 初タイトルからわずか3週間で2冠に王手をかけた。数々の最年少記録をつくってきた高校プロは「羽生超え」も視野に入れた。史上最年少2冠は羽生善治九段(49)が持つ21歳11カ月。今シリーズを制すれば、この記録を大幅に更新する。

 2冠を獲得すれば日本将棋連盟の八段昇段規定「タイトル獲得2期」を満たし、八段に昇段する。最年少八段は「ひふみん」こと、加藤一二三・九段(80)が持つ18歳3カ月。第4局に勝てば、18歳1カ月での記録更新となる。

 第4局は2週間後、舞台は福岡だ。「ここまでの将棋の内容を反省し、いい将棋を指したい」。天下人・豊臣秀吉がこよなく愛した有馬の名湯で疲れを癒やし、2つ目のタイトルを目指す。

王位戦 将棋の8大タイトル戦(ほか名人・竜王・叡王・王座・棋王・王将・棋聖)の1つ。1960年(昭35)創設、初代王位は故大山康晴十五世名人。予選を経て、紅白各6人1組の挑戦者決定リーグを開催。トップがリーグ同星で並んだ場合は、挑決進出者を決めるプレーオフとなる。紅白各組のトップ同士が挑戦者決定戦を行い、勝者が挑戦者。タイトル戦は7番勝負の2日制で全国を転戦し、先に4勝した方が獲得する。

 藤井棋聖が3連勝!AIだけが見えていた1三銀 

マイナビニュース 2020年8月6日(木)12時11分配信

 藤井棋聖は二冠目獲得まであと1勝。羽生善治九段が持つ最年少二冠保持者記録更新がかかる

 木村一基王位に藤井聡太棋聖が挑戦する将棋のタイトル戦、第61期王位戦七番勝負第3局(主催:新聞三社連合)が8月4、5日に兵庫県「中の坊瑞苑」で行われました。結果は149手で藤井棋聖の勝利。一気の3連勝で二冠目のタイトル獲得まであと1勝としています。

 相矢倉の将棋になった本局。藤井棋聖が令和の時代によみがえった昭和の布陣である、「土居矢倉」を採用し、仕掛けていきました。一方の木村王位は金銀4枚の守りで受ける方針。藤井棋聖の攻め、木村王位の受けという棋風通りの展開になりました。しかし、「攻められっぱなしだったので、つまらない展開にしてしまった」と局後振り返ったように、木村王位としては本意の展開ではなかったようです。

 藤井棋聖は快調に攻めをつなげ、優位を拡大していきます。木村王位は攻めの手を全くと言っていいほど指せずに防戦一方ながら、決して崩れません。持ち駒の銀を自陣に打ち付け、不屈の粘りで抵抗します。さらに成駒を作って上部開拓をし、入玉を目指して頑張ります。

 この粘りが藤井棋聖の指し手を狂わせました。普段はソフトが指しているのかと思わさせられるほど、正確無比な終盤力をほこる藤井棋聖ですが、この日は乱れます。「見落としがあり、厳しくなってしまった」と藤井棋聖。ABEMAの中継で表示される評価値は逆転し、木村王位わずかに良くなりました。

 ミスによって藤井棋聖の攻めはみるみる細くなり、木村王位の入玉は目前となりました。藤井棋聖は自陣の金も活用し、なんとか木村玉に詰めろをかけます。この詰めろさえしのげば抜け出せる、そんな局面が訪れます。木村王位は馬取りに銀を打って詰めろを受ける△3三銀を選択。当然に見えたこの手がなんと敗着となってしまいました。

 馬取りで先手を取って受けられる、当たり前の指し手に思えるこの手がなぜ駄目だったのか。それは数手後に明らかになります。藤井棋聖は王手で馬を逃がした後、働きの弱かった2一の銀を▲3二銀成~▲3三成銀と活用。▲3三成銀で先ほど木村王位が打った銀を入手することで、攻め駒を増やせたのです。手にした銀が木村玉を寄せるのに活躍して勝負あり。最後は働きの弱かった自陣の飛車を切る、見事な順で藤井棋聖が木村玉を寄せ切りました。

 では、木村王位はどうすればよかったのか。ソフトが△3三銀の代わりに示したのが△1三銀でした。2四の地点を受けるのは△3三銀と同じ。違いは目標になりにくいという点ですが、見えにくい一手です。事実、「千駄ヶ谷の受け師」の異名を持つ木村王位をもってしても発見することができませんでした。

 本局の△1三銀に限らず、ソフトが人間には指しにくい手を指摘することはよくあります。「人間には指せない一手」などと評され、人間対人間の勝負にはあまり影響を及ぼさないものです。△1三銀もそのたぐいの手だろうなと筆者は思っていました。感想戦の模様を見るまでは。

 ところがなんと、藤井棋聖は感想戦で△1三銀を指摘したのです。藤井棋聖には見えていた一手でした。木村王位も指摘されると、感心し納得した様子。恐ろしい18歳だとつくづく実感します。

 本局を制した藤井棋聖は王位獲得まであと1勝です。もし獲得となれば、これまで羽生善治九段が持っていた21歳11カ月の記録を塗り替え、最年少二冠保持者となります。この記録達成まであと3年以上も猶予があるため、更新はほぼ確実とみますが、この王位戦で達成してしまうのでしょうか。第4局は8月19・20日に福岡県「大濠公園能楽堂」で行われます。

 勝負度外視楽しんでいる」…稲葉陽八段が見た藤井棋聖 

スポニチアネックス 2020年8月6日(木)6時15分配信

 ◇ 第61期王位戦7番勝負第3局(2020年8月5日 神戸市北区)

 早くから藤井の存在に注目してきた稲葉陽八段(31)が第3局について5日、スポニチ本紙に解説した。稲葉はトップ棋士10人で名人挑戦権を争うA級順位戦に在籍。藤井が四段昇段時、機関誌に寄せた記事で恩人として挙げたのが、師匠杉本昌隆八段、将棋教室の恩師文本力雄氏、そして奨励会時代に練習将棋を重ねた稲葉の兄、アマ強豪の聡氏。稲葉は「改めて、ギリギリの寄せを目指すのが好き」と藤井将棋を分析した。

 2日目午前、徐々に指しやすくなった藤井棋聖がペースをつかんで押し切った。そう書けば攻防のない将棋のようですが終盤、木村王位に上部脱出の気配が広がった。中段に打った角が馬に成り、逆転がささやかれたあたりは「千駄ケ谷の受け師」の本領発揮でした。

 終盤、いくら自分の模様が良くなっても全変化を読み切って勝ちを確信できることはありません。だからある程度行けそうとなったら危険を頭に入れて踏み込むことになる。藤井棋聖はこの踏み込みを好むし、実際に角に金銀4枚の木村陣を突き崩しにいった。

 一時互角へ戻ったAIによる評価値は、とても人間には見えない着手も含む数字です。だから有利不利の数値が上下動したとは対局者に分からないことは多く、両者の感想は「藤井快勝」で一致するかもしれません。

 戦型は矢倉でした。先手では角換わりが多い藤井棋聖ですが、大一番では矢倉の採用も増えました。昨年11月、王将挑戦権を懸けた広瀬章人八段戦や今年6月、渡辺明王将から第4局で奪取した棋聖戦第1局。大一番になればやり慣れた戦型を用いたいのが人情ですからある意味、勝負を度外視してタイトル戦を楽しまれている印象です。

 持ち時間8時間の2日制。自己最長の持ち時間の中で、今までやったことのない戦型を考えて試したいというのはありそうです。そこで用いた土居矢倉。王の堅さよりバランス重視。一方、角交換になったときに自陣に打ち込まれる隙が多い。一手のミスで敗勢に陥りやすく、神経を使う展開になりました。

 木村王位のニックネームはもちろん受けの強さを示しますが、ガチガチに王を固めるからではない。王形は薄く、攻めとのバランスを取る棋風。攻めるのが相手の攻め駒というのが特徴です。

 つまり守りが強いのは、相手の攻撃力をそぐ戦い方をするからこそ。かなり少数派であることは間違いなく、高勝率を誇る藤井さんも戸惑うのでは…とみていました。その意味でも、木村王位に反撃の余地を与えず、堅陣を打破した指し回しが光りました。

 1分ではなく2分にある」…高見泰地七段が見た藤井棋聖の強さ 

スポーツ報知 2020年8月6日(木)6時00分配信

 将棋の藤井聡太棋聖(18)が木村一基王位(47)に挑戦している第61期王位戦7番勝負の第3局が4、5日に神戸市で行われ、先手の藤井棋聖が149手で勝ち、3連勝として王位奪取に王手を掛けた。前叡王でNHK Eテレ「将棋フォーカス」司会としてもおなじみの高見泰地七段(27)が対局者心理から第3局を解説した。

 藤井棋聖の強さのひとつ「切り替えの早さ」が見えた将棋でした。対局後ではなく「対局中の切り替え」のことです。

 優勢の終盤で指した121手目▲2一銀打は、筋のいい普段の藤井棋聖なら絶対に指さない「重い手」で「藤井棋聖でもこういうことがあるんだな」と思ったくらいです。▲3三歩としていれば、自然と押し切っていた局面でした。

 思考力の疲労もあったはずですが、木村王位が掛け続けていた重圧の影響もあったように思います。木村王位らしい受けの技術を見せ、後手玉の上部脱出(注・勝負が付きにくくなる)の可能性もあった局面。相当の重圧があったはずです。劣勢になれば「相手にずっと正確に指されたらしょうがない」と開き直れますが、優勢の時は一手でひっくり返される重圧が常にある。追いつめられるのは、むしろ優勢の側なんです。

 指した直後、中継映像で「まずい」という表情をされていたのが印象的でしたが、ここからが「さすがだ」と思える展開になりました。藤井棋聖は瞬時に気を取り直して前傾姿勢に戻り、最善手を探していた。持ち時間は残り2分です。私なら1分間は「やっちゃった…」とぼう然となり、(重圧のかかる)一分将棋にして状況を悪化させていたはずです。ところが、藤井棋聖は深く読んで残り2分を維持し、終局まで一分将棋にはならなかった。ここに強さがあります。感想戦で、木村王位の128手目に△3三銀ではなく最善手の△1三銀と指されていれば苦しかった、と指摘していたのが深く読んでいた証拠です。

 序盤の「土居矢倉」も、藤井棋聖は先手を持って指したことはないと思いますが、指し慣れていない形でも良いパフォーマンスを出せてしまうんだなあと改めて感じました。角を転換させて端攻めと組み合わせた63手目▲5九角の構想も印象に残ります。

 勢いはもちろん藤井棋聖にありますが、第4局は木村王位の先手番です。第2局も先手で優勢を築いていますし、誰よりもファンの声援を背に受けて戦っている先生です。0勝3敗からでも勝てば流れは変わると思います。藤井棋聖には絶対に無くて木村王位に確実にあるものは、長年の棋士人生で培った経験。背水の陣でこそ発揮されるはずですし、次局は木村王位の底力が見られると思います。(談)

 持ち前精神力強さ見せた」…杉本師匠が見た藤井棋聖 

スポニチアネックス 2020年8月6日(木)6時00分配信

 挑戦者の藤井聡太棋聖(18)が5日に神戸市北区の中の坊瑞苑(ずいえん)で行われた第61期王位戦7番勝負第3局の2日目、防衛を目指す木村一基王位(47)との激しい戦いを制し、無傷3連勝で2つ目のタイトル奪取に王手をかけた。

 藤井の師匠、杉本昌隆八段(51)は5日、2冠に王手をかけた第3局について「持ち前の精神力の強さを見せた」と分析した。

 「土居矢倉」に「雀刺し」と古風な指し回し。これには「先達に学び、積み上げてきた歴史へのリスペクトを感じ取った」と語った。終盤の悪手で形勢が傾きかけたが「木村王位がすさまじい受けを見せていた。この妙技が悪手を誘った」と指摘した上で「藤井聡太も人間なんだと思った」と振り返った。それでも立て直した愛弟子に「これまでも苦しい局面を乗り越え勝ち星を重ねてきた。今日も精神的な強さが発揮された」と振り返った。

 次局は2冠へ挑戦。「結果的に3連勝したが、木村王位の2勝1敗でもおかしくない一進一退の状況が続いている」と激戦を予想した。

18藤井棋聖、昨年度の年収2,108万円 今年度は

文春オンライン 2020年8月6日(木)18時31分配信

「まだ実感はないですが、とても嬉しく思っています」

 藤井聡太七段(18)が、将棋界の第一人者、渡辺明棋聖(棋王、王将も保持・36)に挑んだ棋聖戦が7月16日、決着した。

◆◆◆

 3日後に18歳の誕生日を控える藤井は、五番勝負を3勝1敗で制し、屋敷伸之九段(48)が保持していた18歳6カ月という史上最年少タイトル獲得記録を30年ぶりに更新した。

 快進撃はこれにとどまらない。木村一基王位(47)に挑戦する王位戦七番勝負も進行中で、現在2勝0敗。最速で8月20日には「藤井二冠」が誕生している可能性もあるのだ。そうなれば豊島将之竜王・名人(30)、永瀬拓矢二冠(27)に次ぐ、棋界の序列3位に“昇級”することになる。

 加えて収入も“昇給”。勝てば勝つほど収入が上がるのがプロ棋士だが、高校3年生の藤井が手にするお金はいかほどなのか。

 観戦記者が言う。

「棋聖のタイトル料は500万円前後。王位は約1000万円といわれています。藤井さんの昨年度の獲得賞金は全棋士中9位の2108万円でしたが、二冠を達成すれば倍増、つまり4000万円を超えるでしょう。そうなると昨年約4000万円だった羽生善治九段(49)を抜き、豊島竜王・名人、渡辺二冠、永瀬二冠に続くトップ4に食い込む可能性があります」

棋士の固定給はいくら?

 棋士の収入事情について、現役棋士が解説する。

「棋士の基本収入は、棋戦ごとのランクに基づいています。藤井さんは順位戦(名人挑戦者を決めるリーグ戦)のクラスがB級二組ですが、その場合、毎月約18万円を受け取ります。他の棋戦も前年の実績でランク分けされ、たとえばCランクの棋士には毎月約3600円、Aランクには約1万円。あとは『年功』として、棋士になってからの年×千円。これらが“固定給”です。

 藤井さんは、おそらく来年は最低でも毎月60~70万円程度の固定給になるでしょう。もちろんこの他に、1局ごとの対局料、そしてタイトル料などが加わることになります」

 さらに“藤井マネー”を巡り、周囲の動向がかまびすしくなることも確実だ。

 別の観戦記者が言う。

「2017年、デビューから連勝を続けていた時、藤井さんにはCM依頼が殺到しました。大手飲料、自動車、製菓など、20社以上がこぞって手を挙げましたが、当時、日本将棋連盟は藤井さんの負担を考慮して全て断った。今回タイトルホルダーになったことで、各社が改めて依頼するはず。が、解禁は早くとも高校卒業以降でしょう」

普段は休み時間に友達と鉄道の話をしている

 藤井の師匠、杉本昌隆八段(51)が語る。

「私の師匠、故・板谷進九段の悲願は、東海地区にタイトルホルダーを誕生させることでした。今回その目標を達成してくれた藤井に感謝しています。

 確かに本人の口座に毎月数十万円の振り込みがあるわけですが、基本的にご両親が管理されていると思いますし、本人は金銭には全く頓着していないでしょう。

 タイトルを獲得した日の夜、将棋連盟から近くのホテルまで彼を送り届けたんですが、ほんの少し前まで和服の対局姿で醸し出していたオーラがスッと消え、スラックス、シャツ、スニーカーでテクテクと歩く後ろ姿を見ていると、『普通の高校生だよなあ』って改めて感じました」

 藤井が通う名古屋大教育学部附属高校の教師も、17日の記者会見で「普段は休み時間に友達と鉄道の話をしている」と、盤外の素顔を語った。

 普通のようで、でも全く普通ではない高校生。(週刊文春7月30日号)

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 金融のプロも脱帽…『半沢直樹』はやはり最強バンカー 

現代ビジネス 2020年8月5日(水)8時01分配信/高堀冬彦(編集者)

見事な伏線回収にそうだったのか!

 TBSの連続ドラマ『半沢直樹』(日曜午後9時)の快進撃が止まらない。世帯視聴率は7月19日放送の初回が22.0%、同26日の第2話が22.1%、8月2日の第3話は23.2%。第3話の数値は2020年に放送されたドラマの中で最高だ(ビデオリサーチ調べ、関東地区)。

 大ヒット作の7年ぶりの続編なのは知られている通り。SNS上には「前編より進化している」「続編のほうが面白い」との称賛が並び始めた。さて、どこまで視聴率を伸ばすのか――。

 後編では東京中央銀行から子会社の東京セントラル証券に営業企画部長として出向した半沢直樹(堺雅人、46)が、銀行本体の証券営業部長・伊佐山泰二(市川猿之助、44)とM&A(企業の合併買収)を巡って死闘を繰り広げている。

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 ヤマ場に次ぐヤマ場。高視聴率に疑問を挟む余地はないが、ちょっと違った観点で「そうだったのか」と感心しているのが楽天証券経済研究所客員研究員で経済評論家の山崎元氏である。東大経済学部を卒業後、住友信託銀行やメリルリンチ証券などに勤務してきた金融のプロだ。

 「前編を観て少し気懸かりだったのは、銀行から出向させられると、その人の残りの人生がまるで燃えかすのように描かれていたことなんです。出向者と家族は大勢いますから、気になりました。ところが、後編では子会社にいる半沢が親会社の銀行に逆襲。出向者は決して燃えかすでないことが強調されている。見事な伏線の回収です。後編に価値観の逆転が用意されていました」(山崎元氏)

 現在、伊佐山が大手IT企業・電脳雑伎集団とタッグを組み、検索サイト大手・東京スパイラルのM&Aを図ろうとしているのに対し、半沢はスパイラルのアドバイザーとなって防戦。伊佐山は第3話で「セントラルなど相手にならない」と言い放ったが、半沢に勝機はあるのだろうか。

 「M&Aで銀行と証券が競った場合、どちらにも勝てる可能性があります。カギを握るのは金と知恵です」(山崎氏)

大仕事を成し遂げた

 伊佐山はスパイラル株の買収資金を行内で難なく用意できた。その額、1500億円。片や銀行と対立する半沢には資金がないので、知恵を尽くした。

 まず敵対していたスパイラルの瀬名洋介社長(尾上松也、35)とIT関連企業のフォックス・郷田行成社長(戸次重幸、46)に手を握らせ、フォックスをスパイラルの傘下に入れた。これによりシナジー効果が生まれ、両社の企業価値が高まった。

 「あり得る手段だが、間に立つ人間に圧倒的信用があり、さらに相当の交渉力がないと無理。この一件を成功させるだけで伝説のバンカー、あるいは証券マンになれる」(準大手銀行社員)

 そんな大仕事を半沢は成し遂げた。まだある。瀬名の友人でIT界の巨人であるジョン・ハワードに3億ドル(約300億円)の出資を約束させた。ハワードはフォックスによる通販サイト事業の将来性を評価したのだが、この事業に着眼したのは半沢だ。

 「スパイラル株の過半数を電脳雑伎集団に買われてしまう前に動かなくてはならなかった」(山崎氏)

 電脳雑伎集団が保有するスパイラル株が、同社の発行済株式の50%超になると、取締役の選任と解任をする権限などを握られてしまうからだ。そうなると、瀬名は社長を解任されただろう。

 スパイラル、フォックス連合の誕生時点で電脳雑伎集団の保有株は48%に達していた。ゲームセット寸前の逆転打だった。

 スパイラルは相場から期待され、株価は1株約3万1000円から3万6000円以上に高騰。電脳雑伎集団と東京中央銀行が用意していた約1500億円では買収が困難になった。

金融庁も黙ってはいないはず

 もっとも、伊佐山も負けるわけにはいかない。

 「スパイラルを買収できなくなったら、1500億円の多くを回収できなるなる恐れが生じる。そうなったら、伊佐山一人では責任を取れない大問題に発展する。融資経緯もあらためて厳しく問われるだろう。金融庁も黙ってはいないはず」(準大手銀行社員)

 伊佐山は上層部に働きかけ、電脳雑伎集団に500億円の追加融資を決めた。同社のためというより、買収に失敗したら伊佐山のバンカー人生も終わってしまうからだ。伊佐山の後ろ盾である副頭取の三笠洋一郎(古田新太、54)も同じである。

 一方、資金力で圧倒的に劣る半沢は今後どうするのか。

 「スパイラルが、新株か社債を発行するという手が考えられます」(山崎氏)

 フォックスが傘下に入り、ハワード氏も援軍になったことで、スパイラルの魅力は飛躍的に高まった。新株、あるいは社債を引き受ける法人、個人が出てくる可能性は大きい。

 「資金を別銀行から調達してもいいのです。それを東京中央銀行からとがめられようが、『利率が低かったから』と説明すればいい。顧客第一主義という半沢のこれまでの主張にも合致します」(山崎氏)

 株価も上がったスパイラルなら可能と思える。ほかのウルトラCもありそうだ。

半沢の相場操縦が問題視されたと思われる

 第3話には前シーズンで金融庁検査局主任検査官だった黒崎駿一(片岡愛之助、48)が、証券取引等監視委員会(SESC)の事務局証券検査課統括検査官として登場した。違和感をおぼえた人もいるかもしれないが、SESCも金融庁が所管する組織なので、あり得ない異動ではない。

 黒崎はセントラル証券を検査した。その狙いの全容は不明であるものの、「取引調査」が含まれていたのは間違いない。インサイダー取引や相場操縦など不正取引全般に対して実施する調査であり、半沢の相場操縦が問題視されたと思われる。

 はっきりとは描写されなかったものの、半沢はフォックスのネガティブな財務情報をマスコミに流し、株価を下げ、スパイラルが買いやすくしようとした。無論、半沢は味方にもこの事実を認めない。不正行為に当たる可能性が濃厚だからである。

 ■ 瀬名「まるで半沢マジックだ」
 ■ 半沢「私は何もしていません」
 ■ 瀬名「あっ、そうでしたね・・・」

 半沢は前作も今作も、清廉潔白なヒーローとは言い難い。汚い敵と戦う時には自分も荒っぽい手段を厭わないからである。ただし、もちろんダーティーヒーローとは違う。善意の人には誠意を尽くし、決して裏切らず、私利は求めていないのだから。なので味方が次々と増えていく。

金融界で子会社からトップにはあり得る?

 伊佐山との勝負の行方は分からないものの、例え勝っても半沢の戦いは終わらない。半沢の目標は「頭取」であるためだ。金融界で子会社からトップに就いた先例はあるのだろうか。

 「日興証券ではあります」(山崎氏)

 1997年から2002年まで社長を務めた金子昌資氏(81)のことである。

 「金子氏は米国の投資顧問子会社にいましたが、本社の国際担当の常務になり、そのまま社長になりました」(山崎氏)

 メーカーだと日立製作所元社長の川村隆氏(80)の華麗なる返り咲きが知られている。日立マクセル会長などを務めていた2009年、巨額赤字に苦しんでいた本社に呼び戻され、会長兼社長に就任。見事にV字回復を成し遂げた。

 半沢にも大逆転人事はあるのか。そもそも、中野渡謙頭取(北大路欣也、77)が半沢を出向させた真意がいまだ分からない。

 個性が強いので放逐したのか、それとも外で勉強させようとしたのか、あるいは社内の激烈な派閥争いから守ろうとしたのか。

 「合併に次ぐ合併で生まれたメガバンクの派閥は複雑です」(山崎氏)

 やはり派閥争いから守るためだったと読むべきなのか? 半沢の物語はまだまだ続く。

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2020年7月17日 (金)

【藤井棋聖】17歳11箇月<初載冠>30年ぶり✍最年少記録更新!!

渡辺前棋聖「まじかぁ」ため息…藤井新棋聖を「すごい人が出てきた

デイリー 2020年7月17日(金)5時59分配信

 歴史を作った。将棋の藤井聡太七段(17)が渡辺明三冠(36=棋聖、棋王、王将)に挑戦した第91期ヒューリック杯棋聖戦五番勝負第4局が16日、大阪市の関西将棋会館で指され、2勝1敗で迎えた藤井七段が110手で勝利。今月19日に18歳の誕生日を迎える藤井新棋聖は、史上最年少17歳11カ月でのタイトル獲得となった。従来の記録は1990年の第56期棋聖戦で屋敷伸之九段(48)が達成した18歳6カ月で、30年ぶりの更新。新時代の幕が開いた。

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 渡辺前棋聖は「残念なところですけど、全体として競った将棋での負けなので仕方ない結果だと思います」と肩を落とした。

 第1、2局と同様に矢倉戦となり、序盤の駒組み段階では第2局をなぞる展開も。先手の渡辺前棋聖が事前研究を徹底、一度完敗した形を再び採用した格好だったが「いろいろ読めてない手が出てきちゃったかな」と厳しい表情で振り返った。

 タイトル戦登場35回を誇る実力者も終盤は徐々に劣勢に。最後まで懸命に粘ったが、的確な受けに頭を抱え、ピッタリとしのがれると「まじかぁ」とため息をつき、投了した。

 年下の棋士とのタイトル戦では初めての敗北。藤井新棋聖について「中終盤の指し回しにこっちが気づかない手が多かった」と評し、「すごい人が出てきたなという感じです」と舌を巻いていた。

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藤井新棋聖」にCM界からオファー殺到必至!高校卒業後に本格化

スポニチアネックス 2020年7月17日(金)5時00分配信

 ◇ 藤井棋聖誕生 史上最年少タイトル獲得(2020年7月16日)

 将棋ファンだけでなく、将棋を知らない人々の注目をも集める藤井。今後はテレビ番組や広告のオファーが殺到するのは間違いない。高校を卒業する来春以降に、こうした活動が本格化しそうだ。

 民放キー局のプロデューサーは「一番考えられるのは本人への密着企画。どのような生活をしているのか、知りたい人も多いと思う」と話した。別の制作担当者も「頭の回転の良さが分かる謎解きやパズルを解く番組ならば、本人に楽しんでいただけるのかなと思う。トーク番組は苦手かもしれないが、手練のMCなら彼の魅力を伝えられるかもしれない」と話している。

 史上最年少記録を次々塗り替える強さに加え、その謙虚さや笑顔が魅力だ。常に動じることなく、淡々とした受け答え。記録を塗り替えても「特に意識はしていません」とはしゃぐことがない。

 対局後のインタビューで使う「僥倖(ぎょうこう)」「望外」など高校生らしからぬ言葉や、タイトル戦で着用する着物を「思ってたより快適」という老成した雰囲気。一方で、対局から離れるとニコニコと10代らしい笑顔も見せる。王位戦第2局の会場となった札幌で行われた前日の会見では「おいしい食べ物が多いので楽しみ」と話していた。

 好感度の高さは、企業イメージを高めたい広告への起用に結びつく。広告代理店関係者は「子育てする親をターゲットとする商品である、知育玩具や教育関係の書籍への起用が最も可能性が高そうだ。あとは“目が覚めるコーヒー”や“集中力が上がるお菓子”などの効能系飲食物。過去に羽生善治九段も出演されていた。師匠の杉本昌隆八段との師弟関係もすてきなので、2人で地元の愛知の企業の広告に登場することもありえるのでは」と話した。

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藤井新棋聖今後どうなる?無冠棋士との対局では上座へ…

スポニチアネックス 2020年7月16日(木)19時48分配信

 将棋の第91期棋聖戦5番勝負第4局が16日、大阪市の関西将棋会館で行われ、藤井聡太七段(17)が渡辺明棋聖(36)に110手で勝利。通算成績3勝1敗で17歳11カ月でのタイトル獲得となり、史上最年少戴冠の新記録を樹立した。

 Q 呼び名はどうなる?

 A 段位ではなくタイトル名の表記に変更されるため、「藤井七段」から「藤井棋聖」になる。

 Q 立場は変わる?

 A 無冠棋士との対局では地元の将棋会館が会場となり、上座の権利を持つ。藤井は関西所属のため、地元は大阪市の関西将棋会館。棋戦によって例外あり。対局では上座に座った上位者が駒を出したり片付けたりする。駒は上位者が「王将」を使用する。

 Q スケジュールに影響は?

 A 来期の棋聖戦5番勝負で防衛戦を戦う。他のタイトル戦予選では原則としてシード権を得る。王将戦(スポーツニッポン新聞社、毎日新聞社主催)の場合は2次予選からの参戦となるが、藤井は昨期の成績ですでに最終予選となる挑戦者決定リーグからの登場が決まっている。一般的に対局日程の過密さは避けられる一方、予選を勝ち抜いて得られる対局料は0となる。

 Q 収入はどうなる?

 A 今回の棋聖戦の賞金額は非公表。今後の対局料に大きな変化はないが、イベントなどの出演料増加で結果的に収入アップ。日本将棋連盟の規定では詰め将棋作成料にも差があり、七段では1問3万3000円だが、タイトル保持者は1問5万5000円。藤井の場合、対局料・賞金に限れば過去2年連続して2000万円強。今年は3000万円台が予想される。

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相手と将棋に礼を尽くして…誰よりも深く下げる藤井棋聖の“お辞儀”

ABEMA TIMES 2020年7月17日(金)7時06分配信

 悲願を達成した勝利の瞬間、深々と頭を下げた。負けた時は潔く、勝った時は相手への敬意を表し、より深く。藤井聡太新棋聖(17)は対戦相手に、そして将棋に対して礼を尽くしてきた。通算185回目となった勝利のお辞儀。目の前にある盤よりもさらに低い位置まで位置まで下げた頭は、日本中を驚かす最年少タイトル獲得へと導いた謙虚さを示す、何よりの証拠だった。

 世の中の負けず嫌いが集まった、と言ってもいいようなプロの将棋界。当然、藤井棋聖も筋金入りだ。幼少期から、将棋に負けると大泣きして悔しがったというエピソードは、これまで何度も語られている。プロ入りしてからも、あどけなさが残る中学生時代は、対局中に自らの太ももを強く叩いたこともあった。今でも自身の劣勢、敗勢を悟った時は、がっくりと肩を落とす。

 プロ入り4年目で、わずか34敗(185勝)しかしていないが、がっくり過ぎるほど“がっくり”する様は、ファンにはお馴染みにもなっている。また、はっきりと敗勢になってからも、すぐに投了することはない。むしろ長い。大逆転を狙うというよりも、敗戦も受け入れるのに時間がかかるのだろう。詰将棋でも随一の能力の持ち主であることから、最終盤で自分が負けていることは、一目見ればわかる。それだけ「負ける」ことが受け入れ難いのだ。

 人は勝負事で、勝つ時よりも負ける時ほど人柄が出るという。ぎりぎりまで負けることに抗った上、ようやく気持ちの整理がついたところで「負けました」と、しっかり言う。日頃から取材をしている報道陣であればよく知るところだが、藤井七段は決して声が大きいタイプではない。カメラマンのシャッター音が重なるということもあるが、対局後に決まって行われるインタビューも、マイクがなければ到底聞き取れない。

 この点については、14歳2カ月でプロデビューしたころから、あまり変わらない。インタビュー慣れはしたのか、質問に対して答えるスピードは上がったが、ボリュームにはさほど変化がない。ただ、投了を伝える言葉は、相手に聞こえるようにはっきりと言う。実に潔い。

 将棋に対してどこまでも真摯であることは、対局後のお辞儀に最も現れる。とにかく低い、深い。戦いの最中は前かがみになり、盤にのめり込むような体勢になることも多いが、お辞儀した頭の位置は、盤より低い。対局者からすれば、後頭部どころか首筋まで見えるほどだ。

 負けた時は自分が先に頭を下げることになるが、勝っても負けても相手より先に頭が上がることがない。プロ入り以来、ずっと目標に定めてきたタイトル獲得が決まった瞬間も、その姿勢が崩れることはなかった。

 将棋に対して、努力して強くなるというよりも、共に生きて強くなっているタイプだ。生活の中に将棋があるのではなく、将棋の中に自分が生きている。そんな感覚すらある。将棋のことを考えている方が、ニュートラルなのかもしれない。「なくてはならないもの」というレベルを超えている将棋という存在について、感謝の心を忘れない。だから毎回、深くお辞儀する。

 将棋の強い「藤井くん」は、プロの棋士として活躍するに連れて「藤井さん」になり「藤井先生」になった。公式の場では段位をつけて呼ばれてきたが、今度からは「藤井棋聖」になる。もちろん、将来には竜王、名人といったビッグタイトルで呼ばれる時も来るだろう。ただその時が来ても、きっと「藤井くん」の時と同じく、礼を尽くしてまた深く頭を下げる。

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出待ち100人以上藤井新棋聖、何度も頭を下げる

日刊スポーツ 2020年7月16日(木)22時20分配信

 将棋の藤井聡太七段(17)は16日、大阪市の関西将棋会館で指された第91期棋聖戦5番勝負の第4局で渡辺明棋聖(36)を破り、対戦成績を3勝1敗とし、最年少の17歳11カ月でタイトルを獲得した。

 終局後、大阪市の関西将棋会館には100人以上が出待ちした。藤井が現れると、ファンから「おめでとう!」の声が飛んだ。タクシーに乗り込んだ藤井は律義に祝福の何度も頭を下げた。

 17年6月には、デビューから無敗で最多の29連勝を達成。プロデビューからわずか半年余りの中学生棋士が成し遂げた偉業は社会現象にもなった。今回の初タイトルをかけた戦いでの“第2次藤井ブーム”について藤井は「注目していただき、多くの方の声援をいただくのはうれしい」と冷静だ。

卓球 張本智和、藤井新棋聖は「勇気をくれる」同い年の快挙祝福

スポーツ報知 2020年7月17日(金)6時00分配信

 卓球男子の東京五輪代表で世界ランク4位の張本智和(17)=木下グループ=が16日、藤井聡太新棋聖の史上最年少タイトル獲得を受け、スポーツ報知に祝福のメッセージを寄せた。1学年上の藤井新棋聖とは、ともに中学生だった2017年末に本紙の対談企画で初対面。同世代で同じ競技者として大きな刺激を受けていた。

 藤井聡太さん、史上最年少でのタイトル獲得、本当におめでとうございます。たくさんの方の注目と期待を一身に受ける中で、その重圧を乗り越えてこのような素晴らしい結果を残されたこと、同世代として、また同じ競技者として自分のことのようにうれしく思います。

 (対談で初対面した)当時は将棋界で何十連勝もされているということで、本当に雲の上の人という存在に思っていました。ですが、実際にお話ししてみると好きな科目や苦手な科目に共通点があったり、意外と僕より足が速かったりと、とても親近感を感じました。お互いの競技にかける思いも含めて同世代として共感できる部分が多く、対談の中でいい刺激をもらえたのを覚えています。

 2017年に初めて「四段」の藤井さんにお会いして、今では「七段」。考えられないスピードで段位を上げられていくのをニュースでチェックしていました。僕自身がなかなか勝てない時期に、藤井さんのニュースを聞くたびに勇気をいただいていました。ただただ「すごいなあ」という思いと、僕ももっと頑張らなくてはと鼓舞される部分がありました。常にたくさんの刺激を受けている憧れの存在です。

 新型コロナウイルス感染拡大や大雨による各地の甚大な被害など、悲しいニュースの多い中で、今回の藤井さんのタイトル獲得は世の中を明るくするような、希望の光をくれる歴史的な勝利であったかと思います。改めて、本当におめでとうございます。今はお会いすることはかないませんが、いつの日かまた藤井さんとお会いして、将棋でお手合わせいただける機会が来ることを心待ちにしています。

 今の僕の最大の目標である東京五輪は延期となってしまいましたが、藤井さんのタイトル獲得を受けて、負けてはいられないぞ、といい刺激をいただきました。モチベーションを切らさずに前向きに練習に取り組み、五輪でのメダル獲得をより確実なものにできるように僕も頑張ります!(張本 智和)

  張本 智和(はりもと・ともかず)2003年6月27日、宮城・仙台市生まれ。17歳。両親の影響で2歳から卓球を始め、小学1年から全日本を世代別7連覇。16年世界ジュニア選手権優勝。初出場した17年世界選手権個人戦は8強。18年全日本選手権、ワールドツアー・グランドファイナルで史上最年少V。19年W杯準優勝。最新の世界ランクは4位。175センチ、65キロ。

  藤井七段と張本の天才中学生対談 15歳の藤井四段(当時)が将棋史上最多の29連勝を記録し、14歳の張本が世界選手権で史上最年少で8強入りを果たした17年の年末に実現。お互いの競技や「名人」「五輪金メダル」と将来の夢について語り合った。学校生活などにも話題は及び、50メートル走のタイムで7秒5の張本を6秒8の藤井四段が上回る意外な一面も明らかに。

 80手目3八銀」…広瀬戸章人八段が見た藤井新棋聖の終盤力 

スポーツ報知 2020年7月17日(金)7時00分配信

 盤上に新時代が到来した。将棋の藤井聡太七段(17)が渡辺明棋聖(36)=棋王、王将=に挑戦している第91期棋聖戦5番勝負第4局が16日、大阪市の関西将棋会館で行われ、後手の藤井七段が110手で勝ち、対戦成績3勝1敗として初タイトルとなる棋聖を奪取した。17歳11か月でのタイトル獲得となり、1990年棋聖戦で当時18歳6か月の屋敷伸之九段(48)が樹立した史上最年少記録を30年ぶりに更新した。藤井新棋聖は現在進行中の王位戦で一気の2冠を目指す。

 一瞬のスキを突いた藤井さんの80手目△3八銀が非常に鋭い手で、とても印象に残りました。

 渡辺さんが直前に選んだ▲5三桂不成△同桂▲7三角成の変化は少し疑問で、飛車を逃げないで切り返した△3八銀が光りました。盤上の変化を正確に捉え、いろんな手を読めていないと指せない一手です。渡辺さんはどこかで▲7八玉と逃げたかったのですが、△3八銀で飛車を狙われたことで退路を封鎖され、捕まってしまいました。

 中盤までは少し劣勢を意識していたはずですが、盤面全体を使って局面を複雑化して戦機を待つ指し回しを貫き、実らせたセンスが素晴らしかったです。

 優勢になってからは負けにくい、リスクの少ない指し方を選んでいたのも今の藤井さんの力を表しています。もっと早い寄せもあったと思いますが、手堅くまとめたのは、多くの経験を積んで得た強さだと思います。

 今、ほとんどの棋士が自分より藤井新棋聖の方が上だと思っています。だからこそ、誰もが挑戦者として向かっていく構図になる。でも、藤井新棋聖はどこから攻略していくかの糸口がとても見えにくい棋士に成長しています。(広瀬章人八段)

 80手目3八銀」…山崎隆之八段が見た藤井新棋聖の終盤力 

スポニチアネックス 2020年7月17日(金)6時00分配信

 棋聖戦第4局を山崎隆之八段(39)が解説した。藤井が四段昇段するまでの修業時代、奨励会幹事を務め、その成長を見守ってきた。同じ関西のトップ棋士は、近い将来の複数冠を予言した。

 指されて分かった、「コロンブスの卵」のような80手目[後]3八銀。寄せが空振りになるとひどい手になる危険性がある。また、渡辺馬に8二の飛車を取られると怖い藤井陣です。横っ腹ががら空きです。飛車取りに対応するのが普通ですが、[先]5九飛、[後]8六桂とわずか3手進んだ局面は全く違った景色に見える。渡辺王が狭い。その終盤力を見せつけられました。

 奨励会幹事を務めた4年間、藤井新棋聖は1級くらいから四段まで駆け上がった。確か二段の頃、対局中に見回っていると膝をバシッと叩く。相手王を詰ます寄せを逃したわけではない。最短手数で詰ます最善手ではなかったことで自ら熱くなった。本来なら注意すべきところですがその熱さを好ましく感じ、2回目をやったら注意しようと決めていましたが、その前に四段に昇段してしまいました。

 藤井新棋聖には相手を強くする効果がある。見られているという緊張感でしょうか。対局する度にネット中継などがあって注目度が高いので、序中盤から重圧がある。「こういう感じならいけるかな」から「こうやってこうなったら勝てる」とより具体的に準備する必要がある。第3局、勝った渡辺2冠は初手から王手をかける90手目までの局面を研究したとか。そんな人たちを相手にするのだから、藤井新棋聖は対局の度に成長します。

 この日も渡辺2冠がしっかり対策を練ってきました。それが昼食休憩後、金取りに打ち付けた桂。ひと目、自らの飛車の利きを閉ざして、いかにも打ちにくい。渡辺ペースでしたが、そこから藤井新棋聖は攻め合って勝ち切ってしまうから驚きです。

 死角が見当たりません。昨年11月、王将戦の挑戦者決定リーグ最終局で広瀬章人八段に敗れて以降、持ち時間の管理にシビアになった。トップ棋士相手でも、持ち時間の切迫にも動じなければどう崩せばいいのか。トーナメントの1回だけなら勝てるでしょう。5番勝負で3回、7番勝負で4回勝てるイメージが湧きません。タイトル戦に出続けるようになって次々獲っていくのが自然に思えます。

 “ラスボス”豊島名人竜王「藤井新棋聖常識外れ成長法」語る 

スポニチアネックス 2020年7月16日(木)20時13分配信

 世間以上に棋界は驚いている。藤井聡太七段の急成長に対してだ。渡辺から棋聖位を奪った今、ゲームの最後に待ち構えるボスキャラ「ラスボス」的存在の豊島将之竜王・名人(30)は言った。

 「いつ獲ってもおかしくないし、いずれとは思ってましたが、思ったより早かった」。そう祝福した後、自身との対局へ向け「成長していくスピードが(周りと)違う。どうしたらいいのかな」と戸惑いに似た言葉をつないだ。藤井に過去4戦負けなしの第一人者も認める成長力。同様の光景を3年前、我々は確かに見たはずだ。

 四段になって迎えた2016年、加藤一二三・九段戦から始まるデビュー以来の29連勝。プロ入り後の「第1次成長期」がこの連勝中とするなら、「第2次成長期」がコロナ禍で6月2日まで対局がなかった52日間だろう。忘れがちだが棋士と学生の二刀流。その間、将棋一本で取り組めたのではないか。

 デビュー当初から光ったのは終盤での強さだった。詰将棋解答選手権5連覇が示す、相手王を詰ます能力。将棋はどれだけ大差がついても一方が投了するまで勝利は確定しない。野球なら10点差が開く内容でも、3点を追う9回2死満塁が延々続く。一打逆転が常にあるから抜き出た終盤力は本当に心強い。

 一方、序中盤には、経験不足による粗さがあった。それが、最近は改善傾向。多くの棋士が指摘するのが「仕掛けの巧みさ」。先手必勝でペースをつかみ、そのまま勝ち切る将棋が増えた。隙がなくなった。

 この急成長を支えるのは、相手の研究や得意戦法に飛び込んでいく姿勢だ。勝利を求めるなら、相手の得意戦型を避けるのが当たり前。藤井はあえて、そこに飛び込んで最善手や対応策を取り込む。最も学習効果の高い実戦という舞台で、相手の強みを吸収しているのだ。この“常識外れ”とも言える成長法は羽生善治九段のスタンスに近い。

 史上最年少の14歳2カ月でプロ入りした後も成長を続け、史上最年少の17歳11カ月でタイトルを奪った藤井。今年度を終える頃、3冠もありうるのではないか。

 史上最年少名人 谷川九段藤井棋聖控えめに言って4の一角 

神戸新聞NEXT 2020年7月17日(金)8時00分配信

 デビューから初タイトルまで、藤井聡太新棋聖(17)が要した時間はわずか3年9カ月。「普通はプロ入りしてから一度や二度、壁にぶつかるものですが、まったくそういうことがないですよね。今は控えめに見ても棋界4強の1人と言える」。新たな最年少記録を加えた若きスターの強さに、21歳2カ月の史上最年少名人の記録を誇る谷川浩司九段(58)=神戸市東灘区=も舌を巻く。

成長続ける棋界4強の1人

 藤井新棋聖はプロ入り以降、年間勝率が常に8割を超える。「順位戦で昇級できなかったこと、王将戦リーグで挑戦を逃したことはあるが、そうした経験を生かして成長し続けている」

 緊急事態宣言発令で2カ月間、長距離移動を伴う対局が制限された。「研究会もできず、棋士それぞれがどのように過ごすか問われた」(谷川九段)期間を経て、以前にも増して勝ち続けた。16日の勝利で2020年度は16勝2敗、勝率は8割8分9厘。「自分の将棋を見つめ直す良い期間になったのでは」と推測する。

 王位戦7番勝負(神戸新聞社主催)第1局では立会人として、木村一基王位(47)との激闘を見届けた。「和服での立ち居振る舞いは自然。時間の使い方もめりはりがあって理想的だった」と高く評価する。「結果だけではなく将棋の内容も素晴らしい」として豊島将之竜王・名人(30)=尼崎市、渡辺明二冠(36)、永瀬拓矢二冠(27)の名を挙げ「当面は4人によるタイトル争いが続きそう」とみる。

 もっとも、まだ17歳の藤井新棋聖が今以上に力を伸ばすのは確実だ。「彼の若さは最大の長所と言えるでしょう。他の3人が同じようにレベルアップするか、藤井新棋聖ひとりが抜け出すのか…」。棋界の新星はこの先、どこまで大きくなるのだろうか。

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