竹内結子さん自殺か 芸能界でまた…2カ月で4人
SANSPO.COM 2020年9月28日(月)5時00分配信
女優、竹内結子さんが27日午前1時50分頃、東京・渋谷区の自宅マンションで首をつった状態で見つかり、搬送先の病院で死亡が確認された。40歳だった。遺書は見つかっていないが、警視庁渋谷署は現場の状況から自殺とみている。昨年2月に俳優、中林大樹(35)と再婚し、今年1月に第2子の次男を出産したばかり。芸能界では自殺とみられるケースがこの2カ月で4人と相次いでいる。
今年4月に40代となり、女優として、2児のママとして輝きを増していた竹内さん。27日朝、亡くなったという衝撃のニュースが飛び込んだ。
渋谷署などによると、27日午前1時50分頃、渋谷区にある自宅マンションの寝室で、中林が首をつった状態でぐったりして意識がない竹内さんを発見し、119番通報。救急隊員が到着したときはすでに心肺停止の状態で、搬送先の病院で死亡が確認された。
現場の状況から自殺とみられ、渋谷署が詳しい状況を調べている。遺書は見つかっていない。前日には中林や2児と夕食を共にしていたという。
所属するスターダストプロモーションは公式サイトで訃報を発表。「あまりに突然の出来事で所属タレント、社員は驚きと悲しみで呆然としております」と伝えた。
同事務所によると、通夜や葬儀・告別式の日程および、お別れの会の開催については協議中。関係者は中林の様子について「大変ショックを受けている」と話している。
最後の公の場は、今月1日のCM発表会。第2子出産のため産休、育休をとってから仕事復帰となる場で、「息子(長男、14)が夫と男同士の話をしている」とママの顔に。同日、インスタグラムにアップしたイベント会場での写真が最後の投稿となった。
竹内さんは中学卒業後に東京・原宿でスカウトされ芸能界入り。1999年のNHK連続テレビ小説「あすか」でヒロインを演じ、フジテレビ系「ランチの女王」(2002年)や映画「黄泉がえり」(03年)などの話題作に出演して、人気女優の座を不動にした。
私生活では主演映画「いま、会いにゆきます」で共演した歌舞伎俳優、中村獅童(48)と05年に結婚し、長男を出産したが、08年に離婚。昨年2月に主演映画「ジェネラル・ルージュの凱旋」(09年)で共演した中林と再婚した。
今月7日発売の女性誌「LEE」の取材では育児や仕事への不安を明かしつつ、「40代も仕事という軸は持ちながら、家族との時間を楽しんでいきたい」と前向き発言。最近は家庭を優先にして過ごしており、関係者は「変わった様子はなかったのになぜ…」と驚きを隠せない。
遺作は7月18日に自殺した俳優、三浦春馬さん(享年30)と共演した公開中の映画「コンフィデンスマンJP-プリンセス編-」。芸能界の自殺とみられるケースは今月14日に亡くなった女優、芦名星さん(享年36)や同20日の俳優、藤木孝さん(享年80)と続き、春馬さんの死からわずか2カ月で4人になる。
関係者は「『コンフィデンスマンJP』の第3弾に竹内さんが出演する可能性があった」と告白。誰しもが魅了された“笑顔の女王”の姿は、もう見られない。
◆ 悩み相談窓口
厚労省は、生きることに悩んでいる人々に、電話、SNSで相談してほしいと呼びかけている。
電話こころの健康相談統一ダイヤル(0570・064・556、有料)、よりそいホットライン(0120・279・338、フリーダイヤル)
SNS特定非営利活動法人「自殺対策支援センターライフリンク」ではLINEのチャット機能を使って相談できる(アカウント@yorisoi-chatで検索を)
竹内結子さん、深夜2時ごろ自宅クローゼット内で意識不明状態
中日スポーツ 2020年9月27日(日)19時07分配信
女優の竹内結子(たけうち・ゆうこ)さんが27日午前2時ごろ、東京都渋谷区の自宅マンションで意識不明の状態になっているのを夫の俳優中林大樹(35)が発見、119番通報した。竹内さんは搬送先の病院で死亡が確認された。40歳。警視庁は状況から自殺とみているが、遺書は見つかっていない。竹内さんは昨年2月に再婚、今年1月には第2子となる男児を出産。幸せな家庭を新たに築いたと思われていただけに、あまりに突然の悲報だった。
救急通報があったのは27日午前2時ごろ。自宅にいた中林が寝室に入り、クローゼットの中で意識不明状態の竹内さんを見つけた。家には子ども2人もいたが、異常には気付かなかったという。
新たに人生をともに歩む相手を見つけ、愛の結晶を授かり、仕事を休んで子育てに専念しているだろう、幸せな家庭を築いているのだろうと、誰もが思っていた。順風満帆な女優人生を歩み、着実にキャリアを積み重ねて常に主役を張る、大女優と言われるまでになった竹内さん。子育てに加えて、新型コロナウイルス感染拡大もあって今年はドラマや映画など、役者としてお茶の間に出ることはなかったが、その名前を世間が忘れることはなかった。
彼女に何があったのだろうか―。
その美貌に加えて穏やかな笑顔もあって好感度は常に高く、SNSでも誹謗(ひぼう)中傷などは全くと言っていいほどなかった。最近も家族仲良く食事をする姿がよく見られていたそうで、知人や近所の人も突然の悲報に驚いている。ネットには「なぜ」「悲しすぎる」「子どもも生まれて新婚の旦那さまもいるのに」などと悼む声があふれた。
今月1日、6年にわたってCMキャラクターを務めている即席麺ブランド「サッポロ一番」のイベントに出席、第2子出産後初めて公の場に出た。少しもブランクを感じさせることなく、シックなドレス姿で笑顔を振りまきながら、おいしそうに商品をほおばった。
「6年って聞くと長い期間だった気がしますが、あっという間。お湯を沸かすのもハラハラしながら息子(長男)が、自分でサッポロ一番を作るようになって、夫と一緒に夜食を囲んでヒソヒソ男同士の話をしていたりする。そういう景色の移り変わりと一緒にサッポロ一番があります」
イベントでは幸せそうにこうプライベートを話し、同日の自身のインスタグラムには「みんな~夏休み中も元気で過ごしてましたか?新学期に向けて前髪作りました」とうれしそうに新しい髪形を披露していた。
あれから26日。2児の母となり、人生の経験を積んで、新たな女優のキャリアをスタートさせるところだった。それが、なぜ…。何かに悩んでいたのか、本人の知らぬ間に心の病が忍び込んでいたのか。
竹内結子さんが明かした「死生観」、三浦春馬さんとの撮影秘話
週刊女性PRIME 2020年9月27日(日)18時36分配信/宝泉 薫(芸能評論家)
9月27日、女優の竹内結子さん(享年40)が、亡くなったことがわかった。自殺と見られている。
「泣き」の芝居で人々を魅了した竹内結子さん
今年1月に第二子となる男児を出産していることから、産後うつや育児ノイローゼの可能性も指摘されており、映画『コンフィデンスマンJP』シリーズで共演した三浦春馬さんの自殺も何かしらの影響を与えたかもしれない。確かなのは、彼女の芝居がもう見られないということだ。
十数年前、雑誌の取材を受け「泣き」が魅力の女優について質問されたとき、筆者は真っ先に彼女の名前を挙げたものだ。ちょうど、韓国ドラマの『冬のソナタ』が日本でもヒットして、ヒロインを演じたチェ・ジウが「涙の女王」などと呼ばれていたが、竹内さんはそれ以前から泣きの芝居に定評があった。「冬ソナ」ブームの前年に公開された主演映画『星に願いを。』と映画『黄泉がえり』のビデオレンタルの宣伝ポスターには、
「泣きたい夜には、竹内結子。」
というキャッチコピーがつけられたほどだ。その「泣き芝居」はせつなく激しく、それでいて涙を流したぶん、また前を向いていけるような希望も感じさせるものだった。
また、彼女はジャニーズアイドルとの共演が多かった。
映画で2度共演した草なぎ剛をはじめ、ドラマでは中居正広(『白い影』TBS系)、堂本剛(『ガッコの先生』TBS系)、木村拓哉(『プライド』フジテレビ系)、長瀬智也(『ムコ殿』フジテレビ系)、山下智久・森田剛(『ランチの女王』フジテレビ系)、松本潤(『夏の恋は虹色に輝く』フジテレビ系)など、枚挙に暇がない。
彼女は初スキャンダルの相手が共演者のマネージャーだったり、2度の結婚相手がともに共演者だったりと、恋多き女優でもあったが、ジャニーズアイドルとの本格的な熱愛はなかった。あくまでフィクションのなかで、恋に笑い、恋に泣く芝居を繰り広げたのだ。
なかでも印象深い作品が、中居正広と共演した『白い影』である。主役の中居は天才肌の医師、彼女は母子家庭育ちのナースの役だった。2人は恋におちるが、主人公は不治の病を患っていることを隠したまま、北海道で自殺。 遺書がビデオで残されており、それで真相を知った彼女はやがて、彼の子を産み、彼の名をつける、という物語。白衣が似合う彼女は、医療関係者の役も多かったものだ。
この作品もそうだったように「泣き」の芝居が得意だった彼女は、生と死をテーマにした作品に起用されることが目立った。
竹内さんが遺してくれたもの
前出の映画『星に願いを。』は、死んだ恋人と再会する役、同じ年に草なぎと共演した映画『黄泉がえり』も死者の復活が主題だ。草なぎとの再共演となった映画『僕と妻の1778の物語』ではガンで亡くなる役で、彼女のために作家の夫が毎日、短編小説を書き続ける話である。そして、最初の結婚のきっかけとなった映画『いま、会いにゆきます』は、生き返って夫と子供のもとに戻ってくる役だった。
この結婚の3年後、離婚したあたりから、役の傾向が変化していく。
敏腕刑事を演じ、映画化もされた『ストロベリーナイト』(フジテレビ系)など、強い女性を演じることが増えたのだ。泣きの芝居が好きな者としては、ちょっとさびしい気もしたが、シングルマザーとなり、当時は私生活で涙を見せることもあったことだろう。
そんななか、新たな面も見せてくれた。映画『コンフィデンスマンJP ロマンス編』での女詐欺師の役だ。騙し合いを繰り広げた相手は、7月に亡くなった三浦春馬さん。彼はパンフレットで「楽しかった」としてこんな裏話をしている。
「音声は入っていないんですが、実は竹内さんと即興でおふざけの芝居もしていたので、そういった部分でも印象深いです」
それがどういうものだったのか、ふたりの口から語られることはもうない。
年を重ねたことで、母親役を演じるようにもなり、NHK大河ドラマ『真田丸』では豊臣秀頼(中川大志)の母・茶々の役だった。そういう機会は今後、ますます増えていったはずだ。
できれば将来、昨年の朝ドラ『なつぞら』で松嶋菜々子が実現させたような「ヒロインの母親役での里帰り出演」を見たかった。彼女もまた、21年前の『あすか』に主演した朝ドラ女優である。母親役での涙も、素晴らしいものになったことだろう。
ちなみに、彼女は前出の映画『僕と妻の1778の物語』のパンフレットのなかで、こんな死生観を明かしている。
「(命は)いつかなくなる儚いものかもしれませんが、誰かに何かを遺したいとか、自分のことを憶えておいてもらいたい……そういう気持ちは、ものではない何かを確実に遺せるような気がします」
死にゆく妻のために短編小説を書き続けた作家の想いを想像しての発言だが、ファンにとっては、彼女が生涯をかけて遺してくれた作品の数々から、ものではない何かを受け取れるのかもしれない。
今後も再放送や映像ソフトで、彼女の芝居を見て泣くことはできる。そのことにせめてもの感謝をしつつ、冥福を祈りたい。
女性の12人に1人、虐待や自殺につながる「産後うつ」の実態
現代ビジネス 2020年9月28日(月)7時02分配信
産後うつは甘えではない
産後うつは「甘え」です。
そんな、目を疑うようなツイートが話題を呼んだのは、2020年9月16日のこと。「うつ状態はあるがうつではない」という理由を根拠に、「産後うつで子育てや家事のできない奥様には叱りつけて躾けましょう」とも書かれていた。Twitterは多くの衝撃の言葉や反論であふれた。人に対して「叱りつけて躾ける」ことを是認する言葉に衝撃を覚えた人もいることだろう。
ちなみに厚生労働省の健康情報サイトe-ヘルスネットには以下のように書かれている。
「うつ病はとてもよく起こる病気ですが、女性の場合約12人に1人が一生のうち一度はうつ病におちいります。女性は男性の2倍うつ病にかかりやすいのですが、一生の中でも妊娠中や産後はとりわけうつ病がよく起こります」
遡って考えると、「うつ」という心の病そのものが長い間「怠け病」と言われ、周囲から理解される環境はなかった。自殺者の増加を受け、自殺の要因と職場の環境が結び付けられるようになったのが1999年。職場での心の病ですら、認められない時代が長くあったのだ。記憶の新しい所では、皇后雅子さまが2003年に体調を崩された時にも、怠け病と報じられることもあった。怠けと呼ぶということは、「甘ったれるんじゃない」という意味合いも持つ。つまりは体調が悪いことは甘えであり、そんな人は叱り飛ばせばよい、体調のケアをする必要なんてないということになる。
では実際、産後うつとはどのような背景があるのだろうか。胸ふさがれるような虐待事件には様々な要因があるが、「産後うつ」はその大きな原因のひとつだ。むろん叱り飛ばして良くなるものでは決してない。むしろ責め立てることで孤独を助長し、より一層危険な状態になる。
いま大切なのは心理的に辛い状況にある人を叱り飛ばすことではない。実態をきちんと認識し、子どもも親も健やかな環境にするために、何をすればいいのかを知ることだ。そこで、2018年にジャーナリストのなかのかおりさんが産婦人科医・海老根真由美さんに実態を伺って寄せてくれた記事を、再編成してお届けする。ちなみに、新しい数字の出ているものは本文中に編集部注として記載している。
23区で10年間に63人の妊産婦が自殺
私はワンオペ育児に苦心した経験から、産後うつの取材をしている。記事に対して「私も赤ちゃんを投げ捨てようと思った」と切実なコメントが寄せられ、この瞬間にも「もうだめ」とツイートする母親たちがいる。産後うつが影響する児童虐待のニュースも後を絶たない。医療機関や行政の課題は何か。身近な家族や友人ができることは――。
国立成育医療研究センターと聖路加国際大、東京大は、産後1年未満の自殺件数や背景を明らかにする研究を進めている。昨年度に調査を終え、今年度末までに結果を発表したいという(編集部注:その後、国立成育医療研究センター研究成果として2018年9月5日、2016年までの2年間で102人の自殺者がいたと発表した)。母親のメンタルヘルスケアの充実や関係機関の連携を進める目的だ。日本の妊産婦死亡率は出産10万人に対して3.8人と、医療技術の向上で低くなっている一方、産後うつなどの実態はわかっていない。
東京都観察医務院などの調査で、東京23区で2005年から10年間に63人の妊産婦(妊娠中~産後1年未満)が自殺したとわかった。これは出産10万人に対して8.7人と高い数字だ。産後の母親の様子に詳しい医療関係者がいないので調査結果が少ないが、海外のデータと比べても多いという。他に、大阪市で2012~2014年に妊産婦の自殺は9件、三重県では2013~2014年に4件との報告がある。
リアルな育児の始まりと共に発症
海老根さんは1997年、厚生科学研究(九州大中野班)に参加。妊産婦に担当助産師を決め、メンタルヘルスの調査をした。
「国内で産後に落ち込む『マタニティーブルー』は、30%ほどのお母さんに見られ、それは1週間から2週間位の一過性のもので1ヵ月は超えません。産後1ヵ月ぐらいから産後うつを発症する可能性があり、3ヵ月でピークを迎えます。産後うつは10%ほどに見られます」
「産後1ヵ月の健診ではわからないことも多いです。里帰りをしていれば親の援助もあるものの、自宅に帰れば支えがなくなり、リアルな育児が始まる。新生児はよく泣く赤ちゃんへと変化していきます。6ヵ月までが特に産後うつを発症しやすい時期で、産後1年以内に発症する例が多いです。発症しやすい要因には、住居環境の不満足、産後の夫の家事時間が短いことなどがあります」(海老根さん)
筆者は産前産後に夫が海外に単身赴任しており、身内は遠方・高齢で頼れなかった。出産直後に激しいブルーに襲われて号泣。臨床心理士を紹介されてしばらくカウンセリングを受けた。産後は出血が続き、ぼろぼろの体で1日に10回以上の授乳やおむつ交換。細切れ睡眠でぼーっとした頭で、夜中に娘を抱えて「口を押えたら泣き止むかな」と考える自分が恐ろしかった。「虐待や産後うつは特別な例ではない」と実感した。
虐待死の被害、0歳児が43%から65.3%に
実際に産後うつは、虐待にも結びつく。厚生労働省によると、2011年度に心中以外で虐待され亡くなった子58人のうち、0歳が43%で最多。1歳が14%と次に多い。死亡させた理由の上位は、1歳未満で、「育児不安や育児負担感」「産後うつ、育児ノイローゼ」が多かった。主な加害者は実母が約80%だった(編集部注:平成30年度の調査結果では虐待され亡くなった49人のうち、0歳児が65.3%となっている)。
「妊婦健診で産後うつを発症しやすい要因があるか、家族背景、経済的な問題といったリスクを早期に発見し、医師や助産師の介入や、精神科や他科との協力が必要。医療機関と行政との連携や、出産前からの情報交換も大事です。こうした介入や援助がないと、虐待に結びつきやすい。妊婦健診を受けず、サポートがなくて養育の意識が低く、ネグレクトになった例もあります」
妊娠中に夫から受けたDVが子への虐待につながるケースも見てきたという。「医療関係者は、意外にも虐待やDVに関する知識が乏しいです。警察、児童相談所、保健所、婦人相談センターなどの通報先すらわからない場合も少なくありません。医療者が感じる危機感を関係機関に伝えきれなかったり、母親の公的機関に対する不信感があったり、現実的な対応を協議するのに時間がかかり、対応が遅れがちです」
「ここに行けば治せる」場所がまだない
現在は、大学病院など医療の現場で妊娠後期から産後の周産期ガイドラインが修正され、こうしたメンタルヘルスに目を向けようとしている。行政も動き始めたが、まだ十分ではない。
「今まで、産後健診の助成はありませんでした。今年の4月から、産後のメンタルケアを含めた健診助成が始まったものの、自治体により差がある。産後うつの国際的な評価シートを、助産師が乳児訪問で取り入れても、点数だけではわからない部分もあり、そうした部分に精神科医や臨床心理士がどう入っていくかが課題です。地域の保健センターは、母子支援と精神疾患の支援が分かれています。これを分離せず連携させれば産後うつに対応できるのではないでしょうか」
「産後のお母さんたちにとって、助けを求めやすいのは出産した産院や助産師です。でも、産後しばらくたつと受診する理由がなくなってしまいます。また、産婦人科医はどの精神科医に紹介していいかわかりません。精神科でも、産後うつを得意とする専門家が少ないように思います。『ここに行けば産後うつを治せます』という場所はまだないので、なんとか改善したいと現場の私たちも働きかけ、(冒頭の)産後の自殺に関する調査が始まりました」
高学歴の女性は産後うつになりやすい?
具体的には、どのような仕組みで産後うつになってしまうのだろうか。
「医学的に見ると、産後はホルモンレベルが低く、ストレスに対処する能力が下がっています。そして慣れない子育て、昼夜途切れない生活に疲れがたまり、うつになりやすいのです」
「最近の傾向で、妊娠出産の知識がない高学歴の女性は産後うつになりやすいように感じます。それまで男社会で生きてきて、計画が立ちにくいという状況が得意ではないからかもしれません。妊娠初期にも、つわりで気持ち悪いとか出血があるとか、職場で誰に言えばいいかわかりません。さらに、育休を取るため上司に相談するのも戸惑ってしまうのです」
「お母さんたち同士の井戸端会議でわかるような情報も、仕事中心の人間関係では得られません。産後、ご飯も作れず、一人きりで奮闘しているお母さんのために、私のクリニックでは日帰りのケアを用意しています。スタッフが話を聞き、バランスのとれた食事、母乳マッサージやママ整体もあります。この一環で、井戸端会議ができるような産後の集まりや、カフェでのお話会もやりたいですね」
大切なのは声を聞き、共感すること
産後うつは取り組めば解決する、という海老根さん。
「産後に体調が悪いと、お母さん自らが子どもを連れて病院に行くことができません。家族が一緒に病院に行ってほしいです。治療は抗うつ薬も有効ですが、内服薬に対してお母さんたちの抵抗もあります。滋養強壮の漢方を飲んでもらう方法もあります。カウンセリングだけでやっている精神科クリニックもあります。助産師が、お母さんだけでなく家族や夫のケアもします。自費診療になってしまいますが、手厚いケアが受けられます」
「あとは、単純なようですが、家族や身近な人がお母さんを褒めて支えるという方法は有効です。傾聴して、共感する。そうすればお母さんが孤独で我が子を虐待してしまうのを防げる。関わり方がわからない人も、『赤ちゃんかわいいね』と言ってくれたら大丈夫なんです」
子育て中、家がぐちゃぐちゃも仕方ない
海老根さんはこうアドバイスする。「産後、外に出られない時期があります。母子を2人きりにしないように、家族や友達がいてくれたらいいと思います。ところが、今は産後の片付かない部屋にお客さんを迎えたくないという人も多いですよね。私は妊婦さんに、『先に産んだ人の家にお泊まりに行ってみて、お子さんたちが元気で家の中がぐちゃぐちゃでも気にならないから』と話します」
また、家事・育児の外注も提案する。「昔の大家族のようなスタイルは理想的ですが、リアルの家族はみんな忙しい。だから地域で手が空いている高齢の人に、家事や上の子の送り迎えなど助けてもらえたらいいと思います」
夫婦でできること、できないこと
筆者の取材の中でも、「夫の暴言がひどく赤ちゃんを連れて逃げた」「一生、夫を許せない」といった夫への不満が多い。逆に夫からの「こうやって努力している」「長時間労働に家事・育児はきつい」といった声もある。一番、身近で難しい関係について、海老根さんはこう語る。
「そばにいる夫に、一番の理解者でいてほしいです。妻を肯定する夫は大丈夫。最近、夫のスキルも上がっていて子育てが得意な人も多い。一方で、夫も産後うつの妻を支えてうつになる可能性があるので、妊娠中に細かく話し合っておくといいですね。お互いに何ができるか、できないのか、生活はどうするか。産後に、日常の家事や育児について夫婦2人でゆっくり話し合う時間はないですから」
取材を通して、産後まもなくの間だけでなく、産後うつをこじらせて不調を抱え、子育てに困難を感じ続ける親もいると知った。筆者も39歳で初産後、1年で職場復帰し、子どもの病気と会社勤めで家庭は修羅場に。結果、退職して新しい仕事の形を模索しているが、娘が小学生になった今も働く母親のハンデは大きいと感じる。
2人、3人と産んだ親はずっと産後が続く。筆者も産後の大変さは一生、夫婦で分かり合えない部分があると思っている。夫と話し合おう、周囲は理解をと言っても、命がけの母親にはきれいごとかもしれない。それでも、母子で入院できる産後ケアセンターが増えているし、乳児訪問に力を入れる助産師もいて、少しずつ進歩している。こうした記事で産後の現実を知ってもらい、具体的なサポートの手段と理解が広がってほしいと思う。
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えびね・まゆみ 埼玉医大総合周産期母子医療センターを経て順天堂大産婦人科非常勤講師。白金高輪海老根ウィメンズクリニック院長。二児の母。
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「新型コロナ自殺」防ぐために、後悔しないために、今できること
現代ビジネス 2020年9月28日(月)8時01分配信
訃報が届いたのは今月上旬だった。まだ残暑残る夏……のはずだったが、私はほとんど熱を感じずに過ごしていた。
今年は新型コロナウイルスの影響で都内は外出自粛ムードが続いており、接待も友達との飲み会も激減。高齢者が多い実家地域への帰省もなし。キンキンに冷やされた室内で冷え性を加速させるようにアイスコーヒーを飲んでいたら、いつの間にやらお盆も明けていた。
ちょうどそのころから、異変が起き出した。仕事のやる気が激減したのだ。
自分でいうのも何だが、私はワーカホリックである。1日12~15時間働くのがベストコンディションで、土日も気にせず働きたい。さすがに30代になって体がしんどくなったので、週1日休むようになった。そんな労働サイボーグである。
それが、1日3~4時間しか働けず、ぼーっとしている日が増えてしまった。しかも読書をするわけでも、ソシャゲ(携帯ゲーム)をするわけでもない。本当に何も、していなかったのである。
ベッドでうつ伏せになって「うーん」と言っていたら、本当に日が暮れていた。うーん、と言いたいのは私の原稿を待っている編集者だったはずだ。申し訳ありませんでした。
周りでも「8月燃え尽き」が多発
これが自分だけなら「夏バテ」「寄る年波には勝てぬ」で終わる話なのだが、周囲でも異変が起きていた。まず、お仕事を依頼した相手が音信不通になった。
ライター稼業では連絡が取れなくなる相手も一定数いるのだが、それにしても割合が急増。特にお盆が明けた8月15日から、足並みそろえたように体調不良や音信不通、納品遅延が増えた。
次に、会社員の友人にガタがきた。在宅勤務で悠々自適……と思いきや、心を壊して休職や退職を選ぶ友人がボロボロと出てきたのだ。まるでクシが1本ずつ折れていくように、歯が欠けるように。うつ状態を訴える人が増えていた。
そして、ついに自死を選ぶ人が身近に出てしまった。
新型コロナで仕事が減った
ライターと「新型コロナウイルス」、あまり関連性が見られないかもしれない。だが、スポーツ関連のライターは試合観戦ができなくなり、一気に仕事を減らした。
音楽もライブが消えればできることは少ない。旅行レポはそもそも外出自粛で書けなくなり、取材が得意なライターの仕事は密になるからと減少。なかなかハードである。
私は「恋愛ライター」というおおよそ新型コロナウイルスと何の関係もなさそうな仕事をしているが、それでも依頼は2割ほど減った。恋愛系のコラムを掲載する媒体さんの広告収入が減り、我々に発注する予算が減ったからだ。この世から何となく広告が減っていることは、歯抜けになった電車の広告を見てもらえればわかる。
そんなわけで、経済的に困窮しているライターは、きっと、とても、多い。
会社員もそうだ。残業時間が在宅勤務でカウントされなくなり、残業代に依存した給与体系の人はいきなりカツカツになった。
友人に年収が200万円以上下がった人もいる。彼の給与体系は、基本給がベーシックインカムのように少なく、残業時間で上下する制度だった。
営業は接待もできないから接待交際費もストップ。これまで会社の飲み会を経費計上できていた人も、家で自炊するしかない。
グチれず孤独を深める外出自粛
そして、うっぷんを晴らそうにも友達と飲むことはできない。自宅へ訪問したくとも、相手に家族がいたら「この時期に誰かを家に招くのか」と眉をひそめられる。伴侶のささいなグチを言いたくても、自宅からZoom飲みに参加していたら家族を悪く言えない。
自分から会を企画していた人はまだいい。人づきあいが苦手な人は、自分から会を作れない。起きて、仕事して、家事をやって、寝て、起きて、仕事をして。こんな暮らしを延々続けていると、気が滅入ってくるのも仕方ない。もともと、引きこもりには才能がいるのだ。こんな大量の人間がひきもって、精神を害さない方がおかしい。
そこへ経済的困窮である。相談できないまま、お金だけが減っていく。そりゃあ病む。酒を飲もうにも、「よおし、こんな時だからひとりで特上のシャンパンを開けてしまおう。ケーキも買っちゃおう。ローストチキンで夏だけどメリクリ気分!」なんて自主的に気分をアゲられる人ばかりではない。
そんなわけで、複数の同業者がメンタルの調子を崩しているという話は聞いていた。だが「新型コロナが明けたら誘おう」と、時期を延ばしてしまった。
訃報、そして…
そして、訃報が届いた。
最近SNSでも見かけないな、くらいに思っていた。病んでいる投稿もなかった。ただ、ひっそりと線香花火が消えるように逝去されてしまった。亡くなられてから、収入源で奥さんとも険悪になっていたらしいとか、持病があったらしいとか、憶測で話は飛び交った。
けれど、新型コロナウイルスが無かったら、もっと気軽に飲みに誘えただろうか。自分にも経済的余裕がもう少しあって「今日の飯はおごるよ」と言えただろうか。人が亡くなったときは、いつも if (もしも)の世界を考えてしまう。けれど「もしも」はやってこない。
新型コロナウイルスでも、外出自粛のルールを破ればよかった。飲みに行けばよかった。若者の死因1位は自殺なのだから、新型コロナよりずっと人を殺しているのだから。「今はお金がない」なんてことを言い分けにせず、チェーンの居酒屋でも、自宅でストロングゼロでも空ければよかったのだ。
外出自粛は、これからも守っていくだろう。再度自粛が出たら、やっぱりおうちに帰るだろう。けれども人の命が危ぶまれるとき、優先順位をあやまってはいけない。
駆けつけて、ウイダーインゼリーでも、何でもいいから口に含んでもらって。それすらできないなら、病院へ繋いで。私たちは新型コロナウイルスの脅威にさらされているけれど、他の死因にもさらされているのだ。こんな事情で、討ち死にしてはいけない。
ようやく「うーん」と寝て過ごす日々から明けた先週から、そんな後悔が続いている。
『半沢直樹』最終回、半沢の妻「生きてれば何とかなる」反響続々
女性自身 2020年9月28日(月)17時51分配信
9月27日、ついに最終回を迎えた『半沢直樹』(TBS系)。7月の放送開始時から放送時には毎回Twitterのトレンド世界1位を記録するなど、驚異的な反響を記録し続けた本作。
前話ラストでラスボスである箕部幹事長(柄本明)に「1000倍返し」を宣告した半沢直樹(堺雅人)。中野渡頭取(北大路欣也)や大和田常務(香川照之)らの協力を得て、箕部の不正を暴くことに成功し、1000倍返しを達成した。最終回の平均視聴率も32.7%(ビデオリサーチ調べ)と、新シリーズの最高記録に。まさに大団円のまま幕を閉じた。
そんななか、最終回の“ある台詞”に反響が集まっている。
物語中盤で、打つ手をなくし、会社から“島流し”を予告され追い詰められた半沢。自宅で妻の花(上戸彩)に「出向どころではすまないかもしれない」と詫びると、花は「いっそのことやめちゃえば?」と優しくフォローする。そして、「直樹は今まで十分すぎるくらい頑張った」と認めたうえで、涙を浮かべながらこう語りかけた。
「直樹、今までよく頑張ってね。ありがとう。お疲れ様。ていう気持ちでいればとりあえず少しは気が楽になるでしょ。仕事なんかなくなったって生きてればなんとかなる。生きていれば、なんとかね」
SNSではこの花の台詞に背中を押される人々が続々。
《半沢直樹見てるんだけど、 上戸彩さん演じる奥さんの言葉、本当に胸にしみるなぁ……》
《ほんとにその通りだよ、生きてればなんとかなるよ》
なかには、同日に逝去が報じられた竹内結子さん(享年40)と重ねる人も多かったようだ。
《花ちゃんの“生きてればなんとかなる“って言葉、今日竹内結子さんの自殺の件のあってぐっと心に刺さった》
《こんなときだから、生きてればなんとかなるって言葉が心に刺さるね》
《生きてればなんとかなる…今日は特に響く言葉だよな》
『半沢直樹』最終回、大和田「あばよ!」紙吹雪と共に去り大反響
クランクイン! 2020年9月27日(日)23時34分配信
俳優の堺雅人主演のドラマ『半沢直樹』(TBS系)の最終話が27日に放送された。本作で大人気キャラクターとなった香川照之演じる大和田のラストのセリフは「あばよーっ!」だった。
箕部(柄本明)が不正に巨額の金を受け取っていたことを中野渡頭取(北大路欣也)、大和田(香川)、白井(江口のりこ)、笠松(児嶋一哉)らすべての人間の協力により、東京中央銀行への会見の場で明るみにした半沢(堺)。
だが同時に東京中央銀行は旧東京第一銀行時代に問題融資があったことを発表。中野渡は頭取を辞職することになった。
半沢も責任を取り退職を申し出るが、大和田に呼び出され、「中野渡さんから君に返すように言われてね」と出したはずの退職願を突き返される。しかし半沢はこれを拒否する。
大和田は「私はこの銀行を辞める」「もうこの銀行はおしまいです」と語るが、これに「必ず立て直せるはずです」「私はできると信じている」と言い切る半沢。
大和田は銀行を立て直すために、頭取になれ、と半沢に言い放ち「もし頭取にならなかったらお前がここで土下座、しかしもし頭取になったら、私がここで土下座だ」と宣戦布告。
「だがなそのときはこの私が銀行丸ごとメタメタに叩き潰す。親父さんが勝手に亡くなって、お前なんかに恨まれたせいで私の銀行人生はめちゃくちゃだ! この世でいっちばん嫌いなお前を全人生を懸けて叩き潰す! 受けて立て!」という大和田の言葉に半沢は、「わかりました。受けて立ちましょう。だが今度こそ容赦しない。完膚なきまであなたを叩き潰す!」と応戦する。
すると大和田は「上等だ…やれるもんなら、やってみな!」と退職願を破りながら言い放ち、破った紙を宙に放る。退職願は紙吹雪となり、大和田の頭上を舞う。大和田は最後に「あばよーっ!」と叫ぶと部屋を出ていくのだった。
このラストには「最高すぎるラストシーン」「大和田劇場」「最高だあああああ」「まさかの『あばよーっ!』」「マジで大和田さん最後まで最高だよ」といった声が殺到する大反響となった。
『半沢直樹』6658.8万人が視聴した。最も多くの人が見たのは…
HUFFPOST 2020年9月29日(火)14時02分配信
ビデオリサーチは9月28日、27日に最終回を迎えたTBS系ドラマ『日曜劇場・半沢直樹』に関する推計を発表した。
発表によると7月19日(日)~ 9月27日(日)にわたる全10話のうち、いずれかをリアルタイムで見た人は日本全国で推計6658.8万人だった。
なお、総務省統計局によると、日本の総人口は9月1日時点で1億2581万人(概算値)だ。
最も視聴人数が多かった場面は?
全10話のうち、最も見た人が多かったのは10話の3323.3万人。そのほかの放送回も全て2500万人程度の人がリアルタイムで視聴していた。
全10話を通じて最も視聴人数が多かった場面は、9月27日最終回の21時58分、中野渡頭取(北大路欣也)と半沢直樹(堺雅人)が二人で話すシーンで、約2743.3万人が見ていた。