ゴミ箱

2020年11月 3日 (火)

【MSJ(旧MRJ)】コロナ禍<三菱重工✍業績悪化>国産ジェット事業凍結

 三菱国産ジェット事業凍結、サプライヤー冷ややか「わった話 

日刊工業新聞 2020年10月27日(火)10時46分配信

巨額の開発費、業績悪化

 三菱重工業の小型ジェット旅客機「三菱スペースジェット(MSJ)」の事業化が、事実上の凍結に追い込まれた。設計変更などで初号機の納入を6度延期し、新型コロナウイルスの影響による航空機産業の激変で行き詰まった。官民の一大プロジェクトだっただけに失望感が広がる。MSJの開発をめぐる混乱は、サプライヤーとの関係に影を落とし、国内の産業育成の課題も浮き彫りにした。

 「三菱リージョナルジェット(現MSJ)」の初号機が初飛行する前年の2014年、三菱重工は量産体制の構想を示した。航空機部品を生産する名古屋航空宇宙システム製作所の大江工場(名古屋市港区)、飛島工場(愛知県飛島村)などの活用を見据えていた。事業化を決定してから6年近くが経過し、すでに開発に遅れが生じており、初号機の納入を17年に延期していた時期だ。

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 しかし、その後も設計変更などが発生し、20年2月に納入を21年度以降に延期した。商業運航に必要な型式証明(TC)も取得できないまま、コロナ禍により「航空業界が非常に厳しく、先行きが見通しにくくなった」(三菱重工幹部)。期待していた航空機需要が失われた。

 1兆円とも言われる巨額の開発費を費やしたことで、同社の業績は悪化している。20年3月期にMSJの関連資産の減損損失などを計上し、事業損益が295億円の赤字だった。21年3月期もMSJが大幅な減益要因で事業損益はゼロを見込む。子会社の三菱航空機(愛知県豊山町)は20年3月期に債務超過に陥った。

試験飛行継続

 同社は与えられた予算の範囲でTCの取得に向けた開発を継続する。3月にTCを前提とした試験機「10号機」の初飛行に成功し、開発の峠は越えている。5月を最後に実施していない試験飛行の継続がカギとなる。年内に過去の試験飛行データを“棚卸し”し、ムダなく試験飛行を行うように精査する。これにより試験飛行計画を21年3月までに練り直す方針で、コロナ禍の推移も踏まえながら米国での実施を軸に21年度以降の再開を目指す。

 これまでにANAホールディングス(HD)や日本航空(JAL)など国内外の航空会社から、MSJ約300機を受注済みだ。「三菱重工が責任を持たなければいけないプロジェクト」(三菱重工幹部)であり、顧客やサプライヤーが納得する方針の説明が求められる。

 一方、MSJの費用を圧縮しようとする動きは、株式市場で前向きに受け止められている。もはや火力発電システムなどの事業で、MSJへの投資余力を生み出すのは難しい。「歴代のトップがこだわってきたMSJに、見切りをつけようとする泉沢清次社長の判断は評価できる」(証券アナリスト)との見方もある。本業の回復を優先するしかない。

ボーイング発注減の方が深刻

 MSJを事業化するめどが立たないことで、三菱重工はこれまで以上に成長戦略を描きにくくなる。1000億円規模の事業利益を稼ぐエナジー部門も中長期で安泰とは言えない。脱炭素化の流れで、石炭火力発電への逆風も強い。頼みのガスタービンも、さらなる高効率化が迫られることは必至だ。

 三菱重工は30日に今後の事業計画を公表する。コロナ禍で閉塞(へいそく)感が漂う経営環境で、収益の柱を示すのは簡単ではなく、いばらの道が続きそうだ。

 航空機産業の育成を目指す政府にとってMSJはその中核的な存在になるはずだった。要素技術の開発に計500億円の公費を投入したのも、自動車産業のような巨大なサプライチェーン(供給網)の構築を夢見たからだ。政府関係者は「量産が進む中で国内調達率を引き上げ、産業全体を育てることが理想型と考えていた」と打ち明ける。だが、その構想は頓挫することになった。

 開発を支援してきた経済産業省では、5月に事業縮小を発表して以降も寄り添う姿勢を示してきた。7月に策定した政府の成長戦略にも、MSJを含む今後の完成機事業について開発完了後の販売を支援すると明記した。経産省の高官は「参入障壁が高く(開発に)苦しんでいるが、それは他にプレーヤーが少ないということでもある」と説明し、開発が終えれば持ち直せるとの見方を示す。

 MSJは事実上の凍結となったものの、政府はコロナ禍に伴う航空産業全体の問題が主因と見ており、スタンスに大きな変化はない。ただ資金面の支援については「(開発補助金を投入する段階は終えており)今後、政府が資金を投入することには意味がない」(関係者)と話す。

 一方、事業縮小の影響が及ぶサプライヤーには懸念を示す。「中長期的に戦略をどう変えるのかを示し(サプライヤーのことを)考えてもらいたい」(経産省高官)と指摘し、再開を見据えたロードマップ(工程表)の必要性を訴える。

 「やっぱりか」。MSJの事業凍結への印象を、ある協力企業の社長はこう打ち明ける。三菱重工は5月にMSJの開発体制の縮小を発表。同月末には部品生産工場での派遣社員の契約を延長せず、量産体制も解いた。同社長は「この時点で凍結と理解していた」と話す。別の協力企業の幹部も「量産計画が中止になった時点で終わった話」と冷ややかだ。

 もっともMSJへの協力会社の距離感は長年のものだ。08年の三菱航空機設立以降、中部地区を中心に金属加工メーカーの多くが関連需要の拡大を期待した。当時はまだ珍しく高価な5軸制御加工機を勢い込んで導入した中小企業も少なくない。しかし初号機の引き渡し計画は6度延期され、いまだゴールは見えない。「設備の減価償却が進んでしまった」と苦笑する。量産自体にも「単価が安く本当はやりたくない」との声があった。

 別のサプライヤーの役員は「MSJの凍結より米ボーイング関連の発注減の方が深刻」と漏らす。「航空機以外に自動車関連などの受注活動を強化している」状況だ。「将来の量産を心待ちにしている」とは話すものの、将来の夢より目の前の“糧”。サプライヤーにとってMSJはこれまで以上に遠い夢になった。

 愛知県の大村秀章知事は、MSJの事実上凍結という報道について「航空宇宙産業を自動車産業に次ぐ第2の柱に育てようとする姿勢は微動だにせず、揺るがない」とし、航空宇宙産業を引き続き支援する考えを強調した。また「(親会社の)三菱重工と連携し、厳しい試練を乗り越える」との決意を示した。

 愛知県はMSJの量産工場スペースの確保、国土交通省のTC担当部門の誘致など航空宇宙産業の振興に約200億円投資してきた。中部地域の航空宇宙産業は年間8000億円の事業規模があるとみられる。「新型コロナの影響から回復した暁に、中部の産業の柱の一つとして後押しする」と従来の方向性は変わらないとした。

三菱重工、「無謬性経営」が招いたスペースジェット挫折

日経ビジネス 2020年11月2日(月)配信

 三菱重工業は10月30日、国産初の小型ジェット旅客機「三菱スペースジェット(MSJ)」の事業を事実上凍結する方針を明らかにした。中期経営計画のオンライン説明会で泉沢清次社長が開発費の大幅縮小を説明した。

 完成機開発をとりまとめるノウハウや知見、経験が乏しかったため、開発の途中で設計を大幅に見直したほか、空での安全性について航空当局によるお墨付きとなる「型式証明(TC)」の取得がうまく進まなかった。初号機の納期をこれまで6度延期し、新型コロナウイルスによる航空機需要の消失が追い打ちをかけた。

 「いったん立ち止まり、再開のための事業環境整備に取り組む。市場回復をしっかり見て、それ以降の事業展開は状況次第だ」。30日の説明会で泉沢社長はスペースジェット事業からの撤退の可能性を問われ、慎重に言葉を選びながらこう答えた。

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 スペースジェットの開発費は2024年3月期までの3年間で200億円と、21年3月期までの3年間に投じた3700億円から95%削減する。泉沢社長はこれまでとの違いに関して「多額の資金を投下してスケジュールありきで開発を進めるのは控える」と答え、「飛行試験は当面行わず、開発作業は大幅スローダウンする。これまでの飛行試験に基づくTC取得作業は進める」とした。

 「これだけ少ない予算だと機体開発の三菱航空機は何もできない。TC取得には欠かせない米国での試験飛行は無理だし、量産準備もできない。事業凍結と言われても仕方がない」。三菱重工のある幹部はこう解説する。

 泉沢社長が言うTC取得作業というのは、これまでの飛行試験で得た3900時間のデータを分析し課題をどうクリアすればいいかを考える作業。国土交通省の出先である航空機技術審査センターとともに取り組み、TC取得のための文書を作成する、いわば事務作業だ。

 書面作業で分かった問題点を乗り越えてTC取得にこぎ着けるにはさらなる飛行試験が欠かせない。だが、拠点がある米国ワシントン州での最終テストは予算的にできない。そのため次の3年間では日米航空当局によるTC取得は難しく、その先の量産もない。

 三菱重工はスペースジェットの事業化を08年に決めたが、初号機の納期は当初の13年から6度延期をした。部材の変更、設計変更、製造プロセス再検証、手続きの見直しなどさまざまな理由がある。

 16年には機体の大がかりな設計テコ入れが必要と分かり、17~19年にかけて900件以上の設計変更を余儀なくされた。電子制御機器や電気配線、機体の部品や機能などあらゆる点を見直した。

 知見とノウハウを補うため、外国人専門技術者を大量採用して設計変更をやり遂げ、最終テストを控えていた「10号」試験機にはそうした改良が反映されている。「TC取得まであと一歩のところまで来たのにいまさら諦めるわけにはいかない」(三菱重工社員)という悲願達成への気持ちは理解できる。

ホンダからのアドバイス

 しかし、「旅客需要の本格的回復は24年前後になる」。泉沢社長はスペースジェット事業化への大前提となる市場回復は少なくとも4年は見込めないと言及。先行きは視界不良で、スペースジェットの実情はほぼ撤退に近い。にもかかわらず、「いったん立ち止まる」と曖昧な表現で濁し、将来的な再開すらにおわすのはどうしてなのか。

 そこには重工内に失敗をそれとは認められない「無謬(むびゅう)性経営」があるとしたら言い過ぎだろうか。官僚制の特徴を表す言葉として使われることもあり、おごりや全能主義から間違いを直視できず抜本的な軌道修正が効かない状態を指す。こうした考えが広がった企業は、小さな間違いの正当化に無駄なエネルギーや時間を費やし、小さな穴埋めが重なって収拾がつかなくなる。

「TC取得についてアドバイスが欲しい」。15年末に米国連邦当局よりTCを取得した小型ビジネスジェット「ホンダジェット」。3~4年前、ホンダの開発担当者は国交省の官僚から要請を受け、三菱重工の取得作業の進め方に対して助言をした。だが、その場に重工の関係者はいなかった。

「重工さんは今日はいらっしゃらなかったんですか」。ホンダ社員がそう聞くと官僚はこう答えたという。「誘って素直に助言をいただきに来られるなら、今ごろTCを取得できているんじゃないでしょうか」。つまり重工には、官僚から見ても、「自分たちのやっていることは間違っていない」と思い込んでいる社員もいたということだ。

 その当時、三菱重工幹部はある講演で、ジェット旅客機は1機100万点の部品を使い、3万点の自動車の約30倍あることを理由に、「航空機産業は製造業の頂点にある付加価値が非常に高い産業だ」と豪語したこともある。軍用機を開発製造している三菱重工が民間航空機について自動車メーカーにヒントを教えてもらうわけにはいかない──。強烈な自尊心が生んだ自社内のプレッシャーも頭を下げられない集団にしてしまった。

 泉沢社長は説明会でスペースジェットについて、反省と成果を両論併記で語った。「試験飛行を少なくとも4000時間飛び、ある程度の飛行機ができた」とまず自賛し、その後に「TC取得は単純な技術ではなくノウハウ、知見、経験が欠け、補おうとしたが十分ではなかった」と説明した。よくある「勝負に勝って試合で負けた」といった理屈。もっとも伝わってくるのは、技術では間違っていないというプライドだ。

 さらに泉沢社長は経営責任を問われ、「開発期間が長くなり遅れて申し訳ないが、都度都度の判断は適切に議論して進め方を決めている。誰か特定の個人に責を課すというものではない」と反論した。これでは、あの時点では最適解だったという理屈がまかり通ってしまう。

 三菱重工の業績は厳しい。新型コロナの影響や火力発電機事業の環境悪化、航空分野の落ち込みで、20年4~9月期連結決算(国際会計基準)は最終損益が570億円の赤字(前年同期は292億円の黒字)に落ち込んだ。海外で2000人規模の人員削減を実施し、国内でも石炭火力、民間航空機、商船の縮小を見込んで3000人規模の再配置を実施する。グループ外企業にも人員を派遣するという。

 収益力回復に向けて、構造改革だけでなく、脱炭素化やIoTを使ったサービスでの新規事業など成長領域の開拓が待ったなしだ。24年3月期は連結売上高で4兆円、事業利益率で7%を目指す。事業利益は2800億円と今期見通しの5.6倍に増やさなければならない。果断な決断を避けていて、成長軌道に回復できるのだろうか。

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 スペースジェット」とはだったか?「YS-11」とのいは? 

乗りものニュース 2020年10月31日(土)16時20分配信/種山雅夫(元航空科学博物館展示部長)

国としては結構イケイケだったこともある旅客機産業

 2020年10月30日、三菱重工傘下の三菱航空機が手掛けるジェット旅客機「MSJ(スペースジェット)」の開発の大幅な縮小が発表されました。同社は、新型コロナウイルスによる航空需要減退などの影響としています。

 このことで、「国産旅客機」の実用化はしばらくお預けということになってしまったと言わざるを得ない状況です。とはいえ、日本ではかつてターボプロップ機「YS-11」が開発され、航空会社で実用化もされています。この2種類の旅客機には、どのような差があったのでしょうか。

 戦後、日本では航空機の製造がアメリカにより禁じられていました。YS-11は、1952(昭和27)年にこの規制が解除された後、通商産業省(現・経済産業省)の赤澤璋一課長が立案、推進した「国産民間機」計画に基づき、「輸送機設計研究協会」が設立され、そこで基礎計画が作成されます。

 ただ実際の製造では、航空機メーカーのノウハウが必要だったことから、現在の三菱重工、川崎重工、富士重工、新明和工業、日本飛行機など国内メーカーの総力を結集し、準国立の「日本航空機製造株式会社」が設置され、設計、製造、試作、飛行試験、製造販売が実施されています。つまりYS-11は、国と多くの企業が一体となって実用化に至ったというわけです。

 YS-11の実績が世界的にも評価された結果、日本の企業はボーイング社などから航空機部品の製造を受注することにつながり、1995(平成7)年にデビューしたボーイング777型機では、先述の企業が製造事業に参画するまでに成長したのです。

自国で旅客機を…その時期に到来した追い風

 一方、「YS-11に次ぐ旅客機を自国で造りたい」という野望もあり、YS-11の発展型やジェット旅客機開発も摸索されました。しかしYS-11の販売に課題があり、赤字のためにプロジェクトは頓挫しています。

 ところが1990年代に入ると航空業界のトレンドが大きく変わり、それが日本にとって「追い風」になります。

 この時代、「ジャンボジェット」ことボーイング747型機などに代表される、大型で長距離をカッ飛ぶことを強みにした旅客機から、100席以下の大きさの旅客機に「売れ筋」が変化します。小振りの機材は地方路線でも効率が良く、採算性が高いとして評価されるようになってきたのです。加えて、国内であればYS-11など、地方路線を支えてきた「ターボプロップ・エンジン」を搭載した旅客機の更新時期も近づいており、その後継機が模索されていました。

 また、こういったコンセプトの旅客機「リージョナルジェット」の開発は、ボーイングやエアバスといった業界最大手の航空機メーカーでなくても参画が可能です。実際にブラジルのエンブラエルやカナダのボンバルディア(旧・カナディア)といったメーカーが開発にトライし、実用化に成功しています。

 日本の経済産業省はそのような「追い風」のなか、すそ野が広く、高度な技術を要する国内の航空機産業を育成しようと2003(平成15)年、「環境適応型高性能小型航空機プロジェクト」を開始。産業全体のレベルアップに着手しました。

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そして固まるスペースジェットの全貌

 このプロジェクトでは、機体はもちろん、エンジンや装備品の国産化を進める事業を含め多様な計画案が出ましたが、最終的には「70席クラスのターボファンジェット旅客機」という形でコンセプトが決定されています。

 最終的に旅客機の開発、製造に関しては三菱重工が、エンジンは海外の大手メーカーを使い、開発は三菱が単独で手掛けることに。同社はボーイングやエンブラエルともつながりがあったこともあり、そこも総動員すれば実用化ができると判断したのでしょう。ジェット旅客機は「MJ」(三菱ジェット)と称され、2003(平成15)年から2013(平成25)年までの10年間で試作機を飛行させるスケジュールとなっていました。

 MJのライバルメーカーは「リージョナルジェット」の皮切りともいえるERJ145を手掛けたエンブラエルと、日本では、アイベックス、JAL(日本航空)グループのJ-AIR(当時)などで採用されているボンバルディアなど。MJは2007(平成19)年には「MRJ」(三菱リージョナルジェット)と名前を変え、開発も本格化し、ANA(全日空)を中心に航空会社もそれを後押しします。

 とはいえ、航空機のパーツ製造に長けていても、最終的にそれを組み立てて「1機」の飛行機に仕上げるまでとなると、また別の難しさがあるようです。MRJはその後、当初の計画から納入延期のアナウンスが5回繰り返されたのち、ブランドイメージ刷新のため2019年、「スペースジェット」に改称。2015(平成27)年に初飛行こそ果たしているものの、状況が好転することなく延期は続き、現在に至ります。

今回の足踏みはなぜ発生したのか

 今回の開発遅れの決定打として最も広く知れわたっているのが、航空機のモデルごとに必要な「型式証明」の取得でしょう。

 旅客機が飛ぶ際には所定の検査が必要ですが、量産された機体すべてを国が検査するのは現実的ではありません。型式証明は、そのモデルが一定の安全基準を満たしているかどうかを国が審査する制度です。クリアすれば、あとはメーカーが機体ごとに検査を実施するだけになります。

 今回のMSJの場合、旅客機を久しく造っていなかった日本企業、そして基準を設け審査をするCAB(国土交通省航空局)とともに経験が乏しいことから、「手さぐり」にならざるを得ません。さらに「スペースジェット」の顧客には海外の航空会社も含まれているため、FAA(アメリカ連邦航空局)やEASA(欧州航空安全機関)といった海外機関の型式証明の取得も必要になります。

 このため当然「世界で通用する基準」が求められることになるわけですが、この基準が甘く、万が一の事態に陥ってしまえば、日本の製造業の信用問題にも関わります。しかし型式証明に関する経験が乏しく、さらに言ってしまえば「さじ加減ひとつ」でNGにできるような曖昧なものもなかにはあります。

 ボーイングなどにはこういった審査に関するノウハウがありますが、審査を受ける「新参」の航空機メーカーとなる三菱重工グループ、そして審査を行うCABにはこれがありません。型式証明は、膨大な検査項目のひとつでもダメと判断されれば承認が下りることはない一方で、これが通らなければ実用化も難しい状態でもあるのです。

スペースジェット今どうなってるの?

 とはいえ、かつてのYS-11も、実際に飛ばしてみると横安定性が不足して急遽上反角を大きくしたり、ターボプロップ・エンジンの交流で昇降陀(エレベーター)の利きが悪くなり水平尾翼の改修を加えたり、実は運航してからも雨漏りで苦労したり……という話も。「工業製品あるある」ともいえますが、新たな製品は、基準をクリアしてもまだトラブルがあり、それを克服して、はじめて安定性の高いものにつながるともいえるでしょう。

 ただ、筆者(種山雅夫:元航空科学博物館展示部長 学芸員)がYS-11初飛行50周年の講演会に参加したとき、YS-11開発のノウハウを次の機体に生かせなかったのは、もったいないという意見を聞いたことがあったりもします。

 現在、渦中の「MSJ」はどうなっているのでしょう。2020年夏ごろ、「MSJ」の格納庫がある小牧空港を訪問した際、「Spacejet」と書かれた大きな格納庫にはすでに機体の部品は置いていないようでした。ゼロから航空機を開発する大変さがわかるエピソードといえるでしょう。

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2020年10月16日 (金)

【醜聞】✍海外メディア<金メダル有力候補の不倫報道>その“処分”に驚き隠せず

瀬戸大也の不倫で処分に世界は驚き、同情も「日本は不誠実さで最高のスイマーを制裁

デイリー 2020年10月16日(金)14時53分配信

 競泳男子で、東京五輪代表に内定している瀬戸大也(26)が不倫問題を受けて、日本水泳連盟から年内の活動停止などの処分を受けた問題は、五輪金メダル候補の世界王者ということもあり、世界でも英BBCや米紙「ワシントンポスト」、「NBCスポーツ」など主要メディアで報じられ、反響を呼んでいる。

 淡々と事実のみを伝える報道が多い一方で、犯罪ではない不倫での厳しい処分に同情の声もある。アルゼンチンの「TyCスポーツ」は、「日本は不誠実であることで最高のスイマーを制裁する」との見出しで報じ、「アスリートの不貞はプロとしてのキャリアに問題を引き起こす可能性がある。ただ、それが日本のアスリートである場合、実質的に犯罪者であるような道徳的負担を伴う」と、驚きをもって伝えた。

 また、ブラジルの「Cultura Uol」も「日本では家族を軽視すると大きな支払いが待っている」、ポルトガルメディアも「エンターテイメント業界の有名人のように、日本のアスリートは模範的な行動を示さねばならず、それから逸脱すると罰せられる」と、倫理観の強い日本ならではの事例として伝えた。

 日本水連が瀬戸に課した処分は次の通り。

 ▽ 年内の活動停止(日本水連公式大会への出場、強化合宿、海外遠征への参加)

 ▽ スポーツ振興基金助成金の2020年下半期の推薦停止

 ▽ 今後の日本水連教育プログラム及び、JOCインテグリティ教育プログラム(基礎研修プログラム等)、他の受講

 水泳連盟の処分ビミョーだった背景に「元飛込選手のの存在 

文春オンライン 2020年10月16日(金)17時01分配信

「重い処分ではありますが、『酷』というレベルとは言えないと思います」

 複数の女性との不倫が発覚した水泳の瀬戸大也選手(26)への処分について、ある元日本代表選手はそう語った。

 日本水泳連盟が10月13日に発表した瀬戸への処分は以下の通りだ。

・年内の水泳連盟への登録停止
・スポーツ振興基金助成金20年下半期の推薦停止
・日本水泳連盟などの教育プログラムの受講

 処分の根拠となったのは、「競技者資格規則」第8条第1項「スポーツマンシップに違反したとき」と同第6条「その他本連盟及び本連盟の加盟団体の名誉を著しく傷つけたとき」という項目である。

 処分の中でもっとも競技に影響するのは、「年内の登録停止」。これは、選手の「資格はく奪」に次ぐ2番目に重いものとなる。

 実際には、連盟による公式大会出場や強化合宿の参加、海外遠征ができなくなり、10月から11月に開催される競泳国際リーグ、12月の日本選手権にも出られないことになる。

処分は重い? 軽い?

 ただ、処分の重さについては、捉え方が別れている。前出の元日本代表選手は、水泳連盟がなんとか瀬戸を守ろうとした気配を感じ取ったという。

「今シーズンは新型コロナウイルス感染拡大の影響で、国内でも海外でも大会が相次いで中止され、大会で泳ぐ機会が限られてきました。だから今回の処分によって経験を積む貴重な大会に出られないのは、瀬戸にとって痛手と見ることはできます。しかし一方で、年内の試合自体がかなり少ないのも事実。もし通常のシーズンにこうした処分がされていたら、周りの選手との試合経験の差はもっと広がっていたわけですから」

 瀬戸は大会や合宿には参加できないが、練習自体は行うことができる。練習拠点の国立スポーツ科学センターも引き続き使用できる。そこには「温情」も感じられると付け加える。

「年内、つまり2カ月半の間トレーニングに集中する時間にすることができます。そこで鍛え直して立て直し、年明けから復帰してほしい、そんな意味合いがあると思います。水泳連盟にとって瀬戸選手は、大切な金メダル有力候補ですから」

 瀬戸は昨年の世界選手権で200mと400mの個人メドレーで2冠に輝き、競泳では1人だけ五輪代表に内定している。他競技を含めても、最も金メダルに近い選手の1人だ。

水泳界としては丸く収めたい

 ロンドン五輪は選考会で落選、リオ五輪ではライバルの萩野公介に負けて銅メダルに終わった。それだけに競技人生の集大成となる東京五輪への思いは強く、延期が決まった時は「練習にも集中できない」と周囲に漏らすほどだったという。水泳界の空気が厳罰に傾いていないのも、そのことへの同情があるという。

もともと明るいキャラクターで周りを惹きつける魅力があるし、女性にももてる瀬戸君ですが、今年に入ってからは、飲み会などで『最近、瀬戸選手が遊んでいる』と噂になっていました。五輪延期のショックの反動もあるのかな、と思っていました。ちょっと気の毒なところもあるな、と感じるときはありましたね」(前出・元日本代表選手)

 東京オリンピックの代表内定についても取り消しにはならず、そのまま維持されることになった。そのため来年4月のオリンピック選考会(日本選手権)に向けた調整をする必要はなく、8月の本番に備えればいい。そう考えれば、「この時間がプラスになる可能性さえある」という。

 日本水泳連盟の関係者も、瀬戸に厳しい罰則を与えることは本意ではなかった。

「所属先のANAをはじめスポンサーからの処分もあり、連盟としての処分も考えなければいけない状況でした。ただ刑事事件ではありませんし、選手生命を左右するような重い処分を下す性質のものではない。起こしたことについて罰は与えつつ、ただ再起の道は残してあげる、というところです」

妻も水泳連盟の「仲間」なだけに……

 ただし、瀬戸に冷ややかな声も当然存在する。

「奥さんも、もともとは連盟の強化指定選手で、日本代表として活躍してきた人ですからね……」(前出・水泳連盟関係者)

 瀬戸の夫人である馬淵(旧姓)優佳さんは、飛込みの日本代表として世界選手権に出場した女子のエース選手。飛込みも日本水泳連盟の管轄種目であり、つまり優佳さんも連盟や水泳関係者にとっては「仲間」なのだ。

「2人が結婚したときは、言ってみれば身内同士の結婚みたいなもので、それはもう『よかったな!』という感じでしたよ。ただ、こういうことになってしまうと、それが裏目に出るというかね……。

 昔から知っているのですが奥さんはサッパリした性格で、結婚してからも瀬戸のために一生懸命やっていたのも見ていました。だから、来年のオリンピックのことを考えればあまり厳しい処分はできないのもわかるけれど、奥さんのことを考えると『いったい何をやってるんだ!』という怒りも湧いてきますよね」(前出・水泳連盟関係者)

 処分を受けて、瀬戸はマネジメント会社を通じてコメントを発表している。

「どうしたらご迷惑をお掛けした皆様にお詫びできるかを自分自身に問い続けてきましたが、私にとってのお詫びはこれからも水泳で努力していくことだと考えています。私の無責任な行動で深く傷つけてしまった家族からの信頼を回復し、家族からも皆様からもスイマーとして再び認めていただけるよう、一からやり直す覚悟で真摯に水泳に向き合っていきたいと思います。本当に申し訳ありませんでした」

 精神的なコンディションも結果に大きく影響すると言われる競泳。今回の謹慎期間が、不幸中の幸いとなり、瀬戸は家庭から立て直すことができるのか。“金メダルにいちばん近い男”の再起を待ちたい。

 不貞行為が発覚した瀬戸大也の“処分しかった本当の事情 

GOETHE 2020年10月16日(金)16時05分配信

瀬戸大也、年内活動停止

 週刊誌に報じられた不倫を認めて謝罪した競泳の瀬戸大也(26)が日本水泳連盟から年内の活動停止処分を科された。日本水連公式大会、強化合宿、海外遠征への参加ができない。12月の日本選手権などが対象となる。10月下旬からブダペストで開催される賞金大会の国際リーグは日本水連の関わる大会ではないが、海外遠征のため参加できない。

 政府出資金250億円と民間からの寄付金を財源とする、スポーツ振興基金助成金の20年下半期の推薦停止も決定。日本オリンピック委員会(JOC)インテグリティ教育プログラム受講も求められる。

 瀬戸は12日に都内の日本水連事務局で開かれた倫理委員会に出席。約1時間の事情聴取を受け、不貞行為について説明した。聴取内容が報告された翌13日の臨時常務理事会で処分が決まった。

 処分決定後、瀬戸はマネジメント会社の公式サイトにコメントを発表。謝罪を重ねた上で「どうしたらご迷惑をお掛けした皆様にお詫びできるかを自分自身に問い続けてきましたが、私にとってのお詫びはこれからも水泳で努力していくこと。家族からも皆様からもスイマーとして再び認めていただけるよう、一からやり直す覚悟で真摯に水泳に向き合っていきたい」と決意を記した。

 年内活動停止で強化プランは大幅に狂うが、昨夏の世界選手権優勝で内定を得た200mと400mの個人メドレーの東京五輪の出場権は取り消されなかった。日本水連の青木剛会長(73)は「五輪内定は昨年の世界選手権で金メダルを獲得した“選手の権利”であると同時に、五輪本番での活躍を期待して付与した」と内定維持の理由を説明。「社会人選手として、五輪内定選手として“水泳日本選手団行動規範”に準じた行動をするものと期待していたが、一連の行動は、それに反したもので大変残念」とした。

ANAとの所属契約、味の素のCM出演など次々と解除

 瀬戸は“21年3月まで契約を交わしていたANAとの所属契約を解除された。ANA側が申し入れ、双方が納得の上で合意。広報担当者は「瀬戸選手が努力する姿勢をサポートしてきたが、今回の問題は当社の期待するイメージにはふさわしくない」と説明する。瀬戸はANAから数千万円規模の給料を得ており、収入の軸を失った。

 優佳夫人(25)と一緒にCM出演していた味の素からも広告出演契約を解除されている。P&GやBOSEなどスポンサー契約を結んでいた複数の企業との間に違約金が発生する可能性もあり、金銭的ダメージは計り知れない。

 日本水連が瀬戸に処分を科した理由は、競技者資格規則の「スポーツマンシップに違反した」「連盟及び連盟の加盟団体の名誉を著しく傷つけた」ことだが、不倫により競技団体がここまで厳しい処分を科すのは異例だ。

 プロ野球やJリーグの選手による不貞行為が発覚するのは珍しいことではない。所属クラブから謹慎や罰金を科されることはあるが、活動停止のような競技力低下につながる処分はほとんどない。賭博や反社勢力との交友など刑事罰につながる問題には神経を尖らせてリスク管理しているが、不倫など女性問題には寛容といえる。

 この違いは何か。プロ野球やサッカーは入場料や放映権料など興行自体が主な収入源になっているのに対し、水泳などのアマチュアスポーツはスポンサー企業からの支援が活動資金の軸となる。極端にいえば、プロスポーツは興行を盛り上げる上でアンチの存在も必要だが、アマはそうはいかない。企業のブランディング戦略を担う上でクリーンな印象が不可欠となる。“イメージ商売”という点では、不倫などのスキャンダルが大騒動に発展する芸能界に近い。

 瀬戸を支援していたANAや味の素が、水泳日本代表の公式スポンサーであることも処分を重くした背景にあるとみられる。五輪種目は強化費に税金が投入されており、世間からバッシングを浴びることは避けられない。五輪の商業化が加速する中で“不倫は家族の問題”、“アスリートは結果が全て”という言葉では片付けられない事情がある。

 億単位だった瀬戸大也別格「スポーツ選手の稼ぎ」天国と地獄 

PRESIDENT Online 2020年10月15日(木)9時16分配信/酒井 政人(スポーツライター)

 日本のスポーツ選手の収入はどれくらいなのか。各種目の現状を調べたスポーツライターの酒井政人氏は「企業に所属する社員選手に比べ、プロ選手は実績に応じた契約金のほか、スポンサー料やCM出演料などを得ると年収は高額です。ただその分、リスクもある。実質的なプロとして活動してきた競泳の瀬戸大也選手は不倫騒動で億単位の収入を失う恐れがある」という――。

瀬戸大也選手の不貞の代償「推定年収1億円」吹っ飛ぶか

 来夏に東京五輪を迎える日本のスポーツ界に大きな波紋が広がっている。金メダルを期待されている競泳日本代表・瀬戸大也の“不倫騒動”だ。

 メインスポンサーといえるANAは9月30日付で所属契約を解除。瀬戸は複数の会社とスポンサー契約を結んでいたが、それらも危うい状況だ。また瀬戸自身は東京五輪競泳日本代表の主将を辞退。日本オリンピック委員会(JOC)の「シンボルアスリート」の契約解除を申し入れ、受理された。優に億単位の収入が吹っ飛んだといわれている。

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<瀬戸は基本的に競技に専念し、実質的なプロとして活動してきた。ANAとの契約は年間数千万円とみられ、他にも複数の企業のCM出演料、シンボルアスリートへの報酬など推定年収は計1億円とも言われる>(スポーツ報知、10月1日付)
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 多くの有力な水泳選手は大卒後、社員選手として企業に就職し、給与を得る。その額は一般社員と同程度と言われる。瀬戸は文字通り「別格」だったが、それらを失う可能性が高い。不貞の代償はあまりにも大きいと言わざるを得ないだろう。

 この騒動の影響もあり、筆者が取材した10月上旬の日本陸上競技選手権・男子100mで6年ぶりに優勝を果たした桐生祥秀(日本生命)のコメントが耳に残った。

 「プロになって生活していくためには、1回1回の勝負に『桐生祥秀』という名前を広めたい。そのために今季は甘えがないシーズンを送れたかなと思います。いろんなスポンサーがついているなかで勝つことができなかったら、スポンサーが離れてしまうかもしれないし、逆に勝てばもっとつくかもしれない。プロとしてどれだけ価値があるのか。2番や3番では違います」

 スポーツ選手の価値は、試合時のパフォーマンスが最も評価される部分だろう。しかし、企業と契約していれば私生活や試合外でのイメージも大切になる。瀬戸の場合は試合でミスをしたわけではなく、彼のイメージが崩壊したことで、アスリートとしての“価値”が急降下したことになる。

テニス、サッカー……世界のトップクラス選手は年収100億円以上

 化学メーカーのクラレが今年4月に小学校に入学する子どもとその親を対象に調査した結果を発表した。「子どもが将来就きたい職業」では、男の子の1位がスポーツ選手(18.8%)だった。なお「親が就かせたい職業」でもスポーツ選手は4位(8.0%)に入っている。

 親子ともに憧れるスポーツ選手だが、実態はどうなのか。十分に稼ぎ、食っていくことができるのか? 

 日本の現状を語る前に、まずは世界のスポーツ選手を見てみたい。経済誌「フォーブス」が今年5月に「世界のスポーツ選手上位100人」の年収順リストを発表した。トップ10位は以下の通りだ。

❶ ロジャー・フェデラー(テニス) 1億630万ドル
❷ クリスティアーノ・ロナウド(サッカー) 1億500万ドル
❸ リオネル・メッシ(サッカー) 1億400万ドル
❹ ネイマール(サッカー) 9550万ドル
❺ レブロン・ジェームズ(バスケ) 8820万ドル
❻ ステフィン・カリー(バスケ) 7440万ドル
❼ ケビン・デュラント(バスケ) 6390万ドル
❽ タイガー・ウッズ(ゴルフ) 6230万ドル
❾ カーク・カズンズ(アメフト) 6050万ドル
❿ カーソン・ウェンツ(アメフト) 5910万ドル

 ※2019年6月1日からの1年間の給料、賞金、スポンサー収入、広告契約料、出演料、ライセンス使用料などを推計。金額は税引前、エージェント手数料などを差し引く前のもの。

 トップはテニスのロジャー・フェデラーで1億630万ドル。現在のレート(1ドル=106円で計算)でいえば約122億6780万円だ。2~4位はサッカー界のヒーローが入り、5位にはNBAのスーパースターが入った。

 トップ100を種目別で見ると、バスケ(NBA)33人、アメフト(NFL)30人、サッカー17人、テニス6人、ゴルフ4人、ボクシング4人、テニス4人、自動車(F1)3人、野球(MLB)1人、総合格闘技(MMA)1人、クリケット1人。100位で2500万ドル(約26.5億円)だ。日本のスポーツ界を考えると桁違いの数字が並ぶ。

 日本人では女子テニスの大坂なおみが29位にランクイン。3740万ドル(約39.6億円)の収入を獲得している。この収入は女子アスリートとして歴代最高だ。他の日本人はテニスの錦織圭が40位に入り、3210万ドル(約34億円)だった。テニスの賞金だけでなく、様々な企業とのスポンサー契約で大金を稼いでいる。

 テニスの世界ランキングでトップに立ったことのある大坂や同4位につけたことのある錦織は“特別な存在”と考えなければいけない。男子の現役選手で錦織に次ぐ存在の杉田祐一は世界ランクの自己最高が36位(日本人歴代2位)。32歳時点の生涯獲得賞金は254万4460ドル(約2億6971万円)でしかないのだ。

 日本人として最も稼ぎがいいスポーツ種目は、やはり野球だろう。

最高6.5億円……プロ野球選手の1億円プレイヤーは現在80人以上

 長く、高給取りとして知られてきたプロ野球選手だが、NPBで“1億円プレイヤー”が誕生したのは1986年。ロッテから4対1の大型トレードで中日に移籍した落合博満で推定年俸は1億3000万円だった。

 それからプロ野球選手の年俸は高騰を続けている。日本プロ野球選手会が発表した「2020年シーズンの平均年俸」によると、今季年俸は平均4189万円。これは調査を始めた1980年以降での最高額になる。

 トップは菅野智之(巨人)で6億5000万円。5億円以上の日本人プレイヤーは柳田悠岐(ソフトバンク)、坂本勇人(巨人)、山田哲人(ヤクルト)、浅村栄斗(楽天)。1億円以上は外国人選手(25人)を含めて102人もいる。なお今季は新型コロナウイルスの影響で、例年より23試合少ない120試合となるが、選手の年俸は全額保証されるという。

 米国メジャーリーグでは、田中将大(ヤンキース)やダルビッシュ有(カブス)のように年間20億円以上で契約を結んでいる選手もいる。菊池雄星(マリナーズ)、秋山翔吾(レッズ)、筒香嘉智(レイズ)、山口俊(ブルージェイズ)、前田健太(ツインズ)も300万ドル以上の年俸だ(ただし今季はレギュラーシーズンが60試合となり、年俸は37%の支給となる)。

 メジャーリーガーを含めると、球団から支払われる年俸だけで1億円以上を稼ぐ日本人野球選手は80人以上もいることになる。では、野球のライバルといえるサッカーはどうか。

J1リーグのプロサッカー選手平均年俸3446万円と高額な理由

 サッカー選手のお金に注目した報道サイト「サカマネ.net」によると、2020年J1リーグのプロサッカー選手平均年俸は3446万円。プロ野球(NPB)に近い水準に見えるが、これはひとりのスーパースターが平均年収を大きく引き上げた結果だ。

 アンドレス・イニエスタ(ヴィッセル神戸)がダントツトップの32億5000万円という年俸なのだ。日本人プレイヤーでは酒井高徳(ヴィッセル神戸)の1億4000万円が最高(6位)で、家長昭博(川崎フロンターレ)、中村憲剛(川崎フロンターレ)、槙野智章(浦和レッズ)、遠藤保仁(ガンバ大阪→現ジュビロ磐田)、西川周作(浦和レッズ)、杉本健勇(浦和レッズ)、昌子源(ガンバ大阪)、小林悠(川崎フロンターレ)、清武弘嗣(セレッソ大阪)、柏木陽介(浦和レッズ)の合計11人が1億円以上の年俸となる。

 1億円以上の日本人プレイヤーはプロ野球(NPB)の7分の1しかいない。ただし、香川真司はマンチェスター・ユナイテッド在籍時(2014年)に約11億円の年俸だったという報道もあり、世界最高峰のリーグで活躍すると、NPBのスーパースター以上に稼ぐことができる。

 しかし、現状はそんなに甘くない。J2になると、平均年俸はぐんと下がり、400万円強ほど。J3になると、「平均値」すら算出できない。というのも、J3のクラブチームは、「プロ契約選手の保有人数を3人以上」という規定になっており、プロとアマチュア(無報酬)の選手が集まっているからだ。プロ契約でも年俸の下限はなく、アルバイト(副業)をしながらプレイしている選手は少なくない。

 また有力ルーキーには1億円近い高額な「契約金」が発生するプロ野球と違い、Jリーグの「支度金」(プロ野球の契約金に近い)は寂しい。その上限は独身者380万円、配偶者のみの妻帯者400万円、同居扶養家族有りの場合500万円だ。

ラグビー、バスケ、バレー……1億円の壁を突破できるスポーツは? 

 スポーツニュースで報道されることが増えてきたゴルフはどうか。

 2019年度の国内賞金ランキングを見ると、男子は今平周吾が約1億6804万円、石川遼が1億3281万円。女子は鈴木愛が1億6018万円、渋野日向子が約1億5261万円と男女とも2人ずつが大台を突破している。

 渋野は全英女子オープンの優勝賞金67万5000ドル(約7155万円)を加えると賞金総額だけで2億2416万円。さらに所属先となるサントリーをはじめ、クラブはPINGゴルフ、ウエアはBEAMS GOLF、シューズはナイキなど、様々な会社とスポンサー契約している。

 人気選手になれば賞金以上にスポンサー契約料のほうが金額的には大きくなる。ただし、ゴルフの場合は自らキャディを雇い、彼らの交通宿泊費なども負担しなければいけない。プロといえども、スポンサーがつかず、賞金を稼ぐこともできない場合、その懐状況はかなり厳しいものとなる。

 国内の人気スポーツでいえば、ラグビーのトップリーグとバレーのVリーグは似たような状況といえるだろう。大半が所属企業の社員選手の扱いだが、両リーグともプロ契約の場合は競技に専念できるだけでなく、年俸も高くなる。

 トップリーグでは2017年にキヤノンとプロ契約を結んだ田村優の年俸が約4000万円で最高額だったと報じられている。ラグビー日本代表は昨年のワールドカップで大躍進した。顔を売った選手の中には、メーカーとの契約、CM出演料などを含めて、年収で1億円近く稼いだ者もいると思われる。なお、Vリーグのプロ契約は800万~2000万円ほどが相場だといわれている。

社員選手はプロより報酬は少ないが引退後も会社に残れる

 社員選手の場合は、昼過ぎまで通常の業務をこなして、その後、練習というパターンが多い。当然、収入も会社員として支払われる。活躍に応じたボーナスがあるので、同年代の社員と比べて、年収は少し高くなることが多い。スポーツ選手の収入面としては恵まれているとはいえないが、引退後も社員として残れるのが最大の強みになる。しかも、サントリー、パナソニック、トヨタ自動車、NEC、富士通、日立などの大企業が大半だ。

 一方で、近年、ひときわ知名度と選手の待遇が向上してきたのが日本のバスケットボール界だ。2016年、Bリーグ(ジャパン・プロフェッショナル・バスケットボールリーグ)が設立。アマチュア選手とプロ選手が入り混じっているが、ほとんどの選手がプロ契約を結んでいる。

 B1クラブ所属の日本人選手の基本報酬は平均1610万円だ(最低年俸は300万円、新人選手のみ上限460万円)。そしてスポーツ界を驚かせたのが、昨年、千葉ジェッツに所属する富樫勇樹の年俸が1億円を突破したことだ。Bリーグによると日本人選手の大台突破は初めてで、富樫は出場給などがさらにプラスアルファされるという。

 また、同リーグの発表では、昨年11月にはBリーグ所属の日本代表エントリー選手の19~20年シーズンの平均年俸が4540万円に達した。これは、ケガでW杯メンバーから漏れた富樫は入っていない数字。なかなか夢のある収入ではないだろうか。チームが観客を集める工夫を凝らしており、それが選手の報酬にもつながっている形だ。

 もちろん、八村塁のようにNBAで活躍すると、ケタが違ってくる。彼の場合は年俸とスポンサー契約で年収は10億円以上になるだろう。

短距離も長距離も、陸上界にはプロ化の波が来ている

 では、東京五輪で活躍が期待される個人種目はどうか。

 マラソン競技では昨年、設楽悠太(ホンダ)と大迫傑(ナイキ)が日本記録を樹立して、実業団連盟などが設立したマラソン強化特別プロジェクトの褒賞金1億円を獲得している。たった1レースで1億円、ラクして稼げるというイメージを持つ人もいるだろうが、褒賞金は一時的なもので、レアケースといっていい。

 この褒賞金を除けば、陸上界で年間1億円以上を稼いだのは、オリンピックの女子マラソンでメダルを獲得して、国民的ヒロインになった有森裕子と高橋尚子ぐらいだろう。

 ただし、近年は日本陸上界にもプロ化の波が来ている。大迫傑、川内優輝(あいおいニッセイ同和損保)、桐生祥秀、ケンブリッジ飛鳥(ナイキ)など知名度のあるアスリートは所属会社だけでなく、その他の企業ともスポンサーやCM契約を結んでおり、数千万円を稼いでいると予想する。またマラソンの場合はレースの出場料や賞金も大きい。

 一方、陸上の実業団選手の場合は、ラグビーやバレーと一緒で、社員としての給料になるため、現役選手として活躍する20代、30代の年収はさほど高くはない。ただし、引退後も企業に残れるという安心感がある。

 陸上の場合、かつては、企業が社員として迎えるのは駅伝要員の長距離が大半だった。そのため、長距離以外の短距離や跳躍競技などの選手は大学卒業後、大学院に進んだり地域のアスリートクラブに所属したりして競技を続けるパターンが少なくなかった。

 近年は東京五輪という“追い風”があり、企業もアスリートに注目。陸上部のない企業と契約しているセミプロのような選手が増えている。しかし、その大半は300万~400万円ほどの少額の契約だ。そして、その多くは東京五輪の日本代表がつかめなかった時点で、打ち切られる可能性が少なくない。

東京五輪後は、日本のスポーツ界は金回りが冷え込む

 また注目度の高いアーティスティックスイミング(旧シンクロナイズドスイミング)や新体操などは海外合宿が多く、個々と契約してくれるような会社も少ない。日本代表クラスとなるほどの実力を備えていても家族の経済的支援がないとやっていくのは難しいようだ。オリンピックでメダルが期待される選手でも収入面で恵まれているわけではないのだ。

 しかもコロナ禍で経営が苦しくなっている企業が多い。東京五輪が終われば、日本のスポーツ界は“金回り”が冷え込むことが予想される。

 東京五輪はJOCと各競技団体がメダル獲得者への報奨金を用意している。

 JOCは金500万円、銀200万円、銅100万円。各競技団体では差があり、陸上は金2000万円、銀1000万円、銅800万円(リレー種目は個人種目の半額を個々に贈る)。卓球はシングルス金1000万、銀500万円、銅300万円。テニスは金800万円、銀400万円、銅200万円(ダブルスは2選手で等分)。空手は金1000万円、銀500万円、銅300万。

 大量のメダルが期待される水泳や柔道は報奨金が用意されていない。

 なお、2016年のリオ五輪で日本は41個のメダル(金12、銀8、銅21)を獲得している。皆さんは、4年前の歓喜をどれだけ覚えているだろうか。夢のメダリストになれたとしても、いつまでも注目を浴びていられるわけではないのだ。

 一方でメダルに届かなくても、美貌やキャラクターを生かして、スポーツタレントやキャスターとして活躍している元選手もいる。シンクロの青木愛は北京五輪でチーム5位、新体操の畠山愛理はロンドン五輪で団体7位、リオ五輪で団体8位だった。

 ほんの一部の選手と元選手を除けば、オリンピアンたちは世間が思っているほど、華やかな生活を送っているわけではない。総じて言えば、セカンドキャリアを含めて、日本のスポーツ選手は金銭的に恵まれているとはいえない。それだけに今回の瀬戸の失態を残念に思う人は少なくないに違いない(文中敬称略)。

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2020年8月 2日 (日)

【警告】中国から“謎の種子”「国際郵便」で世界中に撒かれる

 中国から正体不明の種が全世界に広がっている 

WoW!Korea 2020年8月1日(土)20時22分配信

 注文したこともないのに、正体不明の植物の種が送られてきた? 

 ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)によると31日(現地時間)、米国農務省は、少なくとも先月初めから、米国の22州と一部の国で、何千人もの人々が、注文していない植物種子の包みを受け取ったと明らかにした。カナダ、英国、オーストラリア、日本もすべてこの問題を調査している。

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 米国農務省動植物衛生検査局のオサマ・エリシ副局長は、これまでに人が受け取った包みを収集して検査した結果、カラシナ、アサガオ、白菜、ローズマリー、バラなど14種の植物種子を確認したと発表した。

 米国農務省によると、先月29日の午後までに、どの種子も害虫や病気を移す兆しは見えていない。配達事故や詐欺に関連する証拠も確認されなかった。

 しかし、万一の状況に備えて、米国連邦捜査局(FBI)から国土安全保障省の税関・国境取締局まで、この種を調査中だ。

 米国連邦政府と州政府は、注文したことのない小包を受け取った人々は、種を植えたり触れずに、元の包装に入れたまま農務省の回収要請に従うことを要請した。

 政府関係者は「種子を植えれば、水に濡れる危険がある外来種を取り込んで、植物の病気を広げる可能性がる」とし「また、ゴミ埋立地で種子が芽生える可能性があるため、ゴミ箱にも捨ててはならない」と勧告した。

 中国から?日本各地に謎の種届く 農水省植えないで 

朝日新聞デジタル 2020年7月31日(金)15時30分配信

 「植物の種子のようなものが入った国際郵便が届いた」との相談が各地の消費生活センターに寄せられている。中国から送られたとみられ、狙いは不明だ。農林水産省によると、一部はネギ属の種子とみられ、7月30日に「有害な病害虫が付着している可能性がある」として、まかずに相談するよう呼びかけを始めた。同様の事例は米国でも相次ぎ、米農務省も注意を呼びかけている。

 28日に国際郵便の白い封筒(縦約16センチ、横約12センチ)が自宅に届いた神奈川県三浦市の男性(68)によると、中には透明の袋に種子のような物が100個ほど入っていた。封筒には「CHINA POST」と書かれた伝票が貼られていたが、そこに差出人の名前はなく、英語で「広東省深圳(しんせん)市」とだけ表記。中身は英語で「宝石」と記され、宛先欄には男性の住所、名前、携帯電話番号が正しく書かれていた。請求書などは入っていなかった。

 男性は「通販で間違えて頼んだものかもしれないと思って開いた。庭にまくことも考えたが、『危ないかもしれない』と思い直して三浦市役所に連絡した」と話す。

海外から突然届く謎の種植えないで。相次ぐ被害、詐欺の可能性も

HUFFPOST 2020年7月31日(金)12時34分配信/國崎万智(Machi Kunizaki)

 購入した覚えのない「謎の種」が、海外から自宅に届く案件が相次いでいるとして、植物防疫所が受け取った場合は同所に相談するよう注意を呼びかけている。アメリカでも同様の送りつけ被害が報じられ、一部では詐欺ではないかと言われている。

 横浜植物防疫所の担当者によると、7月29日ごろから「注文した覚えのない植物の種子が海外から自宅に届いた」といった相談が相次いで寄せられているという。植物防疫法は、「植物を輸入した者は、遅滞なく、その旨を植物防疫所に届け出て、植物防疫官から検査を受けなければいけない」と定める。検査を受けていない海外の植物を郵便で受け取った場合にも、速やかに検査を受けることを義務付けている。

 輸入時に検査を受けた植物は、外装に合格のスタンプ(植物検査合格証印)が押される。担当者は「外装に合格証印のない植物の小包が届いたら、そのままの状態で、最寄りの植物防疫所に相談してほしい」としている。また、こうした心当たりのない種子をプランターなどに植えないよう注意を呼びかけている。

ブラッシング詐欺の可能性も

 同様の被害は、アメリカでも報じられている。

 ニューヨーク・タイムズによると、少なくとも27の州の農務省当局が、注文していない種子が送り付けられる事案が発生しているとして住民に注意を呼びかける声明を出した。これらの種子は、中国から郵送されたとみられている。郵便物の外装には、ジュエリーやイヤホン、おもちゃなどのラベルが付いていたという。

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 ホワイトハウス警察署は、公式Facebookで、種子の送り付けはオンライン詐欺の一つである「ブラッシング」詐欺の可能性があると指摘している。

 アメリカの商事改善協会(Better Busibess Breau)のウェブサイトなどによると、「ブラッシング詐欺」は、安価な製品を相手の同意なしに勝手に送り付け、受取人のふりをしてアマゾンなどの通販サイトに高評価のレビューを書き込む手口。ネット上で製品の評価や認知度を高める目的がある。

 受取人に荷物が届くと、注文が完了したとみなされ、レビューをサイトに書き込めるようになる仕組みを利用している。受取人は発送した人物を特定できないという。アメリカの農務省も、「現時点では、今回の事案が『ブラッシング詐欺』以外の何かであるという証拠はない」との見解を示している。

 ホワイトハウス警察署は「受け取ったとしても直接的な危険はない」としつつつ、種子を適切に処分するため届いた場合は相談するよう呼びかけている。

 小川菜摘&浜田雅功宅に「謎の種届いて「能天気にも植えた 

デイリー 2020年8月1日(土)9時44分配信

 女優の小川菜摘が31日付ブログで、世界各国で多発している、中国から送りつけられたとみられる不審な植物の種子が入った小包が、自身の自宅にも届いていたことを明かした。

 問題を報じたニュース記事を取り上げ、「これ1週間くらい前にウチにも送られてきたんですよ」と明かし、「私はてっきり自分で頼んでた植物の種だと思い込み 時間経ってて、何を頼んだか忘れちゃったんだな、、と、脳天気に種を植えてたんですが」と説明した。

 「ニュースを見ると直ぐ処分した方が良いみたいなので処分しましたよ もちろん植物防疫所にも連絡し報告しました。怖いですね」とまさかの展開をつづった。

 インスタグラムのフォロワーに教えられて気づいたといい、「教えてくださってありがとうございます!」と感謝した。

 植物防疫所に聞いた話として「種子などは、きちんと検疫が終わってる場合検疫済みのスタンプが押してあるそうです でも、今回の様に『衣料品』『アクセサリー』などとなってる場合もあるらしいので封を開けて、種子が入ってる場合などは植物防疫所の方に連絡して指示を仰いだ方が良いみたいですね」と記した。

 「私は、植物をネットで購入した事があったので てっきり、随分前に注文したのが今頃来たんだななんて、呑気に、自分の物忘れの酷さを笑っていましたが、、もっとしっかりしないとダメですね」と綴った。

 インスタにも投稿し「皆さまも注意してください!怖い つか、老いじゃなかった、、、笑 #謎の種#中国郵政#送りつけてくる」と記している。

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突然届いた謎の種子」日本各地で報告 送付元中国の狙いは?

J-CASTニュース 2020年7月31日(金)20時34分配信

 中国から「謎の種子」が次々に届いてアメリカなどで社会問題にもなったが、日本でも、同様な報告がツイッター上で相次いでいる。

 農水省では、最寄りの植物防疫所への相談などを呼びかけている。様々な憶測があるようだが、狙いは一体どこにあるのだろうか。

薬物と思われたら困ると思い、警察に相談

 小さなビニール袋の中に、緑色っぽい細長い種子が詰まっている。これは、ツイッターユーザーのmkaさん(@mka38919477)が受け取った郵便物だ。

 mkaさんが2020年7月30日に明かしたところでは、マレーシアから送られたとあったが、シールの下を見ると元は中国だったという。「薬物と思われたら困る」と思い、警察に相談したところ、「開けずに受取拒否しなさい」と言われた。

 mkaさんは、郵便物を開けてしまったので、31日になって管轄の植物防疫所にこの種子を届け出たそうだ。

 アメリカで物議を醸した「謎の種子」は、日本でも、29日ごろからツイッター上で報告されるようになった。

 種子の内容は様々で、アサガオの黒い種を小さくしたようなものや黄色っぽくて丸いタイプなどの写真が投稿されている。届いた地域も、横浜から札幌まで広い範囲に及んでいるようだ。

 送り主は、中国という以外は不明で、複数のツイートでは、アマゾンの宅配を利用したことで情報が漏れたのではないかとの推測がされた。アマゾン用に使っている住所に届いた、アマゾンで買い物したら中国から品物が届いたことが何度かあった、といった理由からだ。

 農水省の植物防疫所サイトでは30日、「海外から注文していない植物が郵送された場合は、植物防疫所にご相談ください」と呼びかける注目情報を出した。

アメリカでは、ブラッシング詐欺の可能性も指摘されたが...

 そこでは、こうした事例が最近あるとして、輸入検査の合格スタンプがない植物が届いたら、そのままの状態で、最寄りの植物防疫所に相談するよう呼びかけている。また、庭やプランターなどに種子を植えない、種子がビニール袋に入っている場合は、ビニール袋を開封しない、と注意点が書いてある。

 未開封の場合、配達後に受け取りを拒否できるため、その場合は郵便局に相談をとしている。

 アメリカでは、種子の送付について、農務省などが「ブラッシング詐欺」の可能性があるのではないかと見方を示した。それは、比較的安い商品を相手の同意なしに送り付け、郵便物の差出人が受取人を装って、アマゾンなどの通販サイトに高評価のレビューを書き込む手口だ。

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 農水省の植物防疫課は7月31日、中国から種子が送り付けられる被害が、北海道や鹿児島などで少なくとも5件は報告されているとJ-CASTニュースの取材に答えた。実害は聞いていないとしたが、種子に病害虫が付着している恐れがあり、そのまん延は防ぎたいとしている。

 様々な種子があり特定できていないというが、横浜で同日に届けられた種子は、ネギ属と分かった。商品名には、リング(指輪)と書かれていたという。

 横浜市在住の作家、木乃子増緒さんが29日、ツイッターで中国から謎の種子が届いて、防疫所に郵送したと明かしていたことから、木乃子さんに届いた種子らしい。木乃子さんは31日、商品名はRINGで、ネギやアサガオの種じゃないかとツイッター上で言われたと取材に明かした。

 アマゾン利用を通じて個人情報が流出した可能性について、アマゾンジャパンの広報担当者は31日、「社内で調査しており、現時点でのコメントは差し控えさせていただきます」と取材に答えた。

 アマゾン 売り上げ40コロナ関連の需要増で過去最高 

BUSINESS INSIDER 2020年8月1日(土)8時01分配信

 米アマゾンは7月30日(現地時間)、第2四半期の決算で大躍進したことを報告した。

 この結果は、より多くの人々がオンラインで買い物をし、より多くの企業がクラウド・コンピューティングの利用を増やすことで、アマゾンがパンデミックの最大の受益者になったことを証明している。

 アマゾンは、今四半期に予想される利益40億ドルすべてをCOVID-19関連のイニシアチブに費やすと通告していた。実際のの純利益は52億ドルだった。

 米アマゾン(Amazon)は7月30日(現地時間)、コロナ関連の強い需要に牽引されて、第2四半期の収益が大きく伸びたと報告した。これを受けて、アマゾンの株価は時間外取引で6%も上昇した。

 同社の第2四半期の売上高は前年同期比40%増の889億ドル(約9兆2690億円)だった。純利益は前年同期から倍増し、52億ドル(約5420億円)と過去最高を記録した。

 今回の結果は、オンラインで買い物をする人が増え、クラウドコンピューティングの利用が増加していることから、アマゾンがCOVID-19大流行の最大の恩恵を受けていることを示している。

EPS(1株当たり利益)(米国会計基準で):1株当たり1.50ドルの予想に対し、10.30ドル

売上高:812億4000万ドルの予想に対し、889億ドル

AWS:110.1億ドルの予想に対し、108.1億ドル

 アマゾンのCEO、ジェフ・ベゾス(Jeff Bezos)は声明で次のように述べている。

「非常に異例な四半期だったが、世界中の従業員にこれ以上の誇りと感謝を感じることはできない」

 アマゾンの純利益はウォール街の予想をはるかに上回っているが、同社はこれまで、第2四半期の予想利益40億ドルすべてをCOVID-19関連事業に支出すると述べていた。

 最高財務責任者(CFO)を務めるブライアン・オルサフスキー(Brian Olsavsky)は記者との電話会見で、利益が増加したのは、主に利益率の高い製品の販売と出荷数の増加によるものだと述べた。

 オルサフスキーは、クラウド・コンピューティングや広告のような利益率の高い事業が継続的な成長を見せていることも強調した。アマゾンウェブサービス(AWS)は成長率が初めて30%を割り込んで29%と予想をわずかに下回ったものの、四半期の収益は100億ドルを突破した。

 需要の増加がアメリカ国外での売上高も押し上げた。アマゾンの海外マーケットプレイスの成長率は前年同期の12%から38%に増え、227億ドルという海外事業としては稀に見る利益を計上している。

 オルサフスキーによると、毎年恒例のショッピングイベント「Prime Day(プライムデー)」は第4四半期に開催する予定だという。アマゾンは今四半期の売り上げを870億ドルから930億ドルと予想しており、これは市場の予測である865億ドルを上回る。営業利益は20億ドルから50億ドルの間と予想されている。Amazonは、前四半期に費やした約40億ドルに加え、今四半期には、さらに20億ドルをCOVID-19関連の取り組みに費やす予定だ。

 ベゾスCEOは今週初めに、アマゾンは現在100万人以上を直接雇用していると述べた。

ネット通販不慣れなキューバ、コロナで利用急増もトラブル続出

AFPBB NEWS 2020年8月1日(土)9時04分配信

 新型コロナウイルス流行によるロックダウン(都市封鎖)の最中、電子商取引で世界に追いつきたいキューバ共産党の指導部はネット通販の利用を奨励したが、結果、多くのユーザーを怒らせることになった。

 新しいテクノロジーに関するブログを主宰している首都ハバナ在住の技術者、ホルヘ・ノリス(Jorge Noris)さん(34)が初めてオンライン・ショッピングで注文した品はついぞ手元に届かなかった。「1か月たって、注文の品が届いたかどうか尋ねる電話が店からあった」。返金を受けるために、店頭まで行かなければならなかったのも驚きだった。

 新型ウイルス流行の影響で、食品のオンライン通販は世界中で大盛況だ。だが、2018年に第3世代(3G)移動通信システムが本格展開したばかりのキューバでは、「トゥエンビオ(Tuenvio)」というオンラインストアが立ち上がっただけで、オンライン通販自体がまだ新しい。

 一方、米国による経済制裁下で品不足のキューバでは、食品店の前の長蛇の列は日常的な光景だ。トゥエンビオの目標はこの憂鬱な列を葬り去ることだったが、今やネット通販を利用した消費者らが苦情を言ったり、行方不明の品物を受け取ったりするために実店舗の前に列をつくっている状況だ。

医療関連より多かった苦情

 キューバのミゲル・ディアスカネル(Miguel Diaz-Canel)大統領は、テレビで新たなシステムの欠陥を認めざるを得なくなった。「パンデミック(世界的な大流行)の間、医療に関する苦情よりもオンライン・ショッピングに関する苦情の方が多く寄せられた」

 人口1100万人超のキューバの新型コロナウイルスによる被害は、感染者2588人、死者87人(7月30日時点)と比較的抑えられている。それに対し、ネット通販の方は「現実が許容量を超えてしまった」とディアスカネル氏は述べた。

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 オンラインストアのトゥエンビオにとって、ショックは大きかった。政府がロックダウンを命じる前、同サイトの1日当たりのビジター数は数百人だったが、発令後は8000人まで増えた。2月にはわずか1300件超だった注文数も、3月には6000件、さらに5月は前半だけで7万9000件近くまで急増した。

 ハバナ大学(University of Havana)キューバ経済研究センター(Center for the Study of the Cuban Economy)のフアン・トリアナ(Juan Triana)教授は、「トゥエンビオの事態については状況全体の中で見る必要がある。緊急時に緊急の解決方法として奨励され、極めて急いで実行に移された。おそらく時間も、必要な検討も、他の成功例の研究もなかったのだろう」と弁護する。

アマゾンで買いたくても…

 ハバナのスーパーマーケットの前では、オンライン通販による注文の配達に駆り出されたトラックやバン、タクシーさえもが商品を積み込んでいた。軍の傘下の流通企業シメックス(Cimex)とティエンダス・カリベ(Tiendas Caribe)は苦情が殺到したため、点検と称してサイトの一部を閉鎖してしまった。

 ヤイマ・デ・ロス・サントス(Yahima De Los Santos)さん(43)は自分の買い物を自分で取りに来た。「自分で店に来た方がいい。品物が行方不明になったりしないから」というサントスさんだが、ネット通販自体の利用は喜んでいる。「並ばなくていいのが何よりね」

 記事冒頭のノリスさんはこう語った。「ネット通販の世界では顧客体験が重要だが、キューバではそれは全て脇に置かざるを得ない。他に選択肢がないからだ。僕だってアマゾン(Amazon)で買い物をしたいが、それは不可能だ。トゥエンビオで買うしかない」

 

2020年5月29日 (金)

【コロナショック】<流行病より>厄介なブラジルの大統領!?

新型コロナより遥かに厄介なブラジル大統領

Newsweek日本版 2020年5月21日(木)12時11分配信

貧困層が次々とウイルスの犠牲になっているのに、ボルソナロ大統領は危機の存在さえ真っ向から否定する

 世界の指導者の中でも、ブラジルのジャイル・ボルソナロ大統領ほどコロナ禍への対応のひどさで「注目」されている人物はいないかもしれない。

 ブラジルでの新型コロナウイルスの感染者は22万人を超え、死者は1万5000人に迫る。いずれも世界で6番目に多い。(編集部注:18日にイギリスを抜き、感染者数は世界3位に)それでもボルソナロは、新型コロナウイルスについて「国民への脅威はない」と主張。異を唱える者がいれば、相手がジャーナリストでも国会議員でも、あるいは閣僚でも、攻撃の手を緩めない。

 ボルソナロは2018年の大統領選で、既成勢力に反発する風潮に後押しされて圧勝を遂げた。今回のコロナ禍の前から、彼は対立をあおる指導者だった。しかしブラジルで新型コロナウイルスの感染拡大が深刻化するにつれ、科学や公衆衛生を軽視する彼の欠点がさらに際立っている。

 5月初めには「社会的距離」を無視して、友人とジェットスキーを楽しんでいる動画がネット上に出回った。4月末には国内の死者が5000人に達したことについて記者から質問され、「だから何なんだ?」と言い放った。

 世界でも格差の大きい国の1つであるブラジルに、新型コロナウイルスは最悪の影響をもたらしている。約1200万人に上る最貧困層は、大都市の外れにあるファベーラと呼ばれるスラム街に暮らす。人口密度が高く、各種サービスへのアクセスも悪い地域だ。歴代政権はファベーラの周囲に壁を建てて、観光客などの目に触れないようにしてきた。

 いま新型コロナウイルスはファベーラを中心に拡大し、ただでさえ乏しかった医療サービスは崩壊寸前だ。貧困層を支援しようとする活動家は対応に苦慮している。

 エリアナ・ソウサ・シルバは、リオデジャネイロでファベーラの住民を支援するNGOへジス・ダ・マレのディレクター。約14万人が住むマレ地区を拠点に活動を展開している。新型コロナウイルスの感染拡大は貧しい住民への支援活動にも悪影響を及ぼしていると、彼女は言う。

 へジス・ダ・マレが最優先課題として取り組んでいる活動の1つが、ファベーラの住民の中でも最も貧しい約6000世帯に食料を確保するというもの。ホームレスの人々や病人にも、毎日300食以上の食事を提供している。 

 このプロジェクトは、雇用創出という恩恵ももたらしてきた。ブラジルでは全国で失業率が悪化傾向にある。4月には経済省民営化担当局のサリム・マタール局長が、12%超という現在の失業率は近いうちに2倍になる恐れもあると語った。

事態を悪化させる連邦政府

 連邦議会は3月末、非正規雇用者や自営業者を対象に、緊急援助金として月600(約1万1000円)を支給する法案を可決。4月9日から給付が始まっているが、計画の実施には遅れや混乱が生じている。

 シルバによれば、援助金を受け取るには銀行口座や、サイトやアプリでの申し込みが必要なため、マレ地区の住民で受け取れる人はほとんどいない。運よく受給できたとしても、「この金額では焼け石に水」だと、彼女は言う。

光が見えない支援活動

 ファベーラでは医療システムが崩壊している。シルバによれば、マレ地区には医療センターが7カ所と中規模の病院が1カ所あるが、どれもコロナ禍の前から限界に達していた。彼女に言わせれば、医療システムは「完全な混乱状態」にあり、新型コロナウイルス感染症以外の病気の治療は中止されている。

 特に危険にさらされているのが、ホームレスや薬物依存の問題を抱えている人々だ。マリア・アンジェリカ・コミスは、サンパウロでホームレスや薬物依存者を支援する団体エ・ジ・レイのコーディネーター。コロナ禍が始まってから組織の役割を転換し、健康指導プログラムを実施したり、医療用品や飲料水の配給などに取り組んでいる。

 だが、活動には光が見えない。「状況は実に急速に悪化した」と、コミスは言う。支援は企業などからの食料の寄付に頼っているため、コロナ禍の影響でビジネスが停滞すれば、寄付が打ち切られて食料は底を突く。

 さらにコミスは、事態を悪化させているのは連邦政府だと主張する。「ブラジルが新型コロナウイルスのせいで危機にあることを、政府は組織ぐるみで否定しようとしている」。サンパウロ市当局はホームレスへのサービスを何とか継続し、食料を提供しようとしているが、とても十分とは言えない。

「警察関係者の暴力も問題」と、コミスは言う。ホームレスの人々が警官から嫌がらせを受けたり、ゴム弾や催涙ガスで攻撃されるなどしている。

 新型コロナウイルスの検査や医療を受ける機会がほとんどないなかで、ホームレスの人々は通りで死にかけている。彼らにも医療機関を受診する権利はあるが、「病院に行っても偏見や差別にさらされることが分かっているため、行かない人が多い」と、コミスは言う。

ギャング団が感染防止策

 本誌が取材する前の10日間に少なくとも20人のホームレスが亡くなったと、コミスは語る。もちろん把握できている数字は全体像のほんの一部であり、多くの死者は記録にも残らない。大惨事の本当の規模を測ることは困難だ。

普通の生活を続けるよう焚きつける大統領

 リオデジャネイロのファベーラ、コンプレクソ・ド・アレマンで支援活動を行う団体コレチーボ・パポ・ヘトのラウル・サンティアゴ副代表は「新型コロナウイルスの危機は、既にあった大きな不平等をさらに拡大させた」と語る。そこから生まれたのは新たな「惨事」だと、彼は言う。

 大統領が危機を無視する限り、問題に真正面と向き合うことはできない。「私たちが抱える最大の問題は、WHO(世界保健機関)に盾突く主張をするボルソナロのような人物が大統領の座にあることだ」と、サンティアゴは語る。「社会的距離の確保を励行せずに普通の生活を続けるよう、人々をたきつけている」

 コレチーボ・パポ・ヘトは、飲料水もなく密集した環境に暮らす住民を守ることに苦心している。食料不足による飢えは「これまで以上に現実的な問題になった」と、サンティアゴは言う。団体の活動は寄付に頼っているため問題山積で、政府からの支援は全くないと、彼は訴える。

 一部のファベーラでは、政府の仕事をギャング団が肩代わりしている。ファベーラを長年取り仕切ってきた犯罪組織が、医療品や飲料水を配給したり、外出禁止令を出すなどの措置を独自に講じているという。

「政府はファベーラを助けるために動くつもりはない」と、サンティアゴは言う。しかも、危機を乗り切るための情報さえ与えていない。

 ボルソナロは5月5日、ブラジルの新型コロナウイルス大流行の「最悪の事態は終わった」と宣言した。だが、死者と感染者は増え続けている。しかもブラジルはこれから冬に入り、感染症が流行しやすい季節を迎える。

 取材した活動家の中に、大統領のような楽観主義者は1人もいなかった。ボルソナロの発言に納得するかと尋ねると、サンティアゴは吐き捨てた。「ばかばかしい」

再感染は致命的」医師の動画に批判殺到、専門家「信用しないで

BuzzFeeD JAPAN 2020年3月1日(日)10時03分配信

「新型コロナウイルスの再感染は致死的」。そう説明する現役医師の動画がネット上で拡散されている。感染症の専門家で神戸大学教授の岩田健太郎医師は「そういう事例の報告はない」「引用論文が明示されていないものは信用しない方がいい」と注意を呼びかけている。

中国のドクターによると…」

問題の動画は東京都町田市の「多摩境内科クリニック」がYouTubeに公開したもので、3月1日までの再生回数は6万回を超える。

ニコニコ動画にも同内容の動画が投稿されており、こちらは4万3千再生。動画を紹介するツイートは2500回以上リツイートされている。

動画は同クリニックの福富充院長による「新型コロナウイルスの再感染は致死的、という話をします」という言葉で始まる。

福富院長は「中国の新型コロナウイルスを治療したドクター」の話として、「新型コロナウイルスに感染して、もう治ったと思っていて、また再感染することがあって。2回目に感染した時は死亡してしまう」と説明。

コロナで抗体依存性感染増強?

死亡の理由は「抗体依存性感染増強現象」(ADE)によって説明できると述べ、そのメカニズムを次のように解説している。

《初感染の後、症状がなくなって「退院おめでとう」「治った」と思わせておいて、チームでやってくる。新型コロナウイルスって全部同じじゃなくて、少し違ったやつもいるんですよ。フェイントみたいなものですよね》

《血清型が少し違うウイルスがやってくるんですよ、治った人のところにね。で、再感染を起こすと。すると何が起きるか。体の中に免疫ができていて、普通だったらその免疫が2度目に入ってきたウイルスをやっつけて大丈夫なはずなんですけど、やっつけられないんですよ》

《ウイルスのところに抗体がくっついて、そうすると免疫担当細胞のところに引き寄せられるんですね。免疫担当細胞って警察みたいなものですけど、捕まえる警察のところにみんな集まってきて、免疫担当細胞に感染する》

《だから、免疫不全を起こすということで。免疫不全っていうとみんなすぐエイズ、HIVを考えると思うんですけど、免疫不全ってHIVだけのものじゃなくって、いろんなウイルスにそういう性質があって、確認されてるんですね》

《新型コロナウイルスもきっとこういう同じ仕組みで。過去のコロナウイルスと同じような仕組みで免疫不全、ADEを起こしているんだろう、ということですね》

80年に1回の凶悪なウイルス

福富院長は「インフルエンザなんてレベルじゃない」「すごい凶悪な、80年に1回、人々が忘れたころに社会に大混乱を起こすウイルス」などと新型コロナウイルスの危険性を繰り返し強調。8分40秒あまりの動画の最後を、こんな言葉で結んでいる。

《再感染を起こすとコロナウイルスを免疫がやっつけることができなくて、心不全を起こして突然死する》

《風邪なんてもんじゃないです。本当に風邪のようなフリをしてるだけですので。「ほかのウイルスと同じようなものですよ」って、それ騙しですので。みなさん絶対に、このウイルスには騙されないでください》

岩田教授再感染は確認されていない

BuzzFeed Japan Medicalは、動画の内容について岩田健太郎教授に見解を聞いた。(※岩田教授の話は2月28日時点の情報に基づいています)

――新型コロナウイルスの再感染で「抗体依存性感染増強」になり、突然死するということは起こりうるのでしょうか。

「起こりうるか」という質問に対する答えは常にイエスなんですけど、「起こりやすいかどうか」についてはノー、「起こっているか」についてもほぼノーです。

文献を検索しましたが、調べた限りではそういう事例の報告はありませんでした。

そもそも「2回感染した」という事例は、1度も確認されていない。検査で陰性になった後に陽性になったという人が、「2度目に感染したのか」はまだ謎なんです。

大阪の事例にしても、中国の事例にしても、陰性になったのは検査で見つけられなかっただけで、ずっと感染していただけなのではないか。再感染より「再燃」(いったん減少したウイルスが再び増加すること)の可能性の方が高いと考えています。

再感染が確認されていないということは、それが心不全を起こすということも当然確認されていない、ということです。

見つかってから数ヶ月しか経っていないウイルスについて、あたかも「そういうことがあるんだ」という風に主張することは、あまり誠実なやり方とは言えません。

やるならせめて、「これはあくまで仮説だけど」ぐらいの言い方をするのが、良心的な医者の態度だと思います。

免疫という言葉に注意

――そもそも「抗体依存性感染増強」とは。

何をもってそういう話をしているのかよくわかりませんが、2度目の感染で重症化する感染症はあります。デング熱なんかは典型的です。

デングのウイルスは4種類あって、1回感染するとその1つのウイルスタイプにはもう感染しないだろうと言われているのですが、別の3種類のものに感染すると、免疫増強が起きて重症化することがよく知られています。

――しかし、それが新型コロナでも起きているという根拠はないと。

そうですね。そんな話はないです。

動画の中で「血清型が少し違うウイルスがやってくる」という発言がありましたが、まだそんなものは確認されていません。

――現役医師が不確定な情報をネットに流すことについてはどう思われますか。

「自己免疫」って言っちゃうと何でもありなので、よく使われるんですね。「自己免疫」とか「免疫応答」とか。

「免疫力増強」も、インチキ医学を見分ける際のキーワード。「免疫」という言葉を使うと、うまく説明できた印象を与えることができる。非常に都合のいい言葉です。

サイトカインストームはコロナに限らない

――動画のなかでは、新型コロナウイルスによる「サイトカインストーム」(免疫系の暴走)についても言及されていました。

重症化すると炎症が激しくなり、サイトカインストームが起きることはあります。ただ、それはほぼすべての重症感染症で起こることで、新型コロナに限ったことではありません。

こういう時に言われがちなのが、免疫を強くするためのサプリメントがいいんじゃないか、免疫抑制剤を使うといいんじゃないか、といった話。

2003年のSARSの時もまったく同じ議論が起きて、(免疫抑制効果のある)ステロイドを使った事例が多くありました。SARSの場合はステロイドは治療効果がないか、むしろ悪くなる、ということであまり推奨されなくなったんです。

結核性髄膜炎など、ステロイドの効果がある感染症も一部にはあります。でも片手で数えるほどです。世の中には物凄くたくさんの感染症がありますけど、免疫を抑制することで良くなる感染症というのはほとんどありません。

例外的に稀な事象を、さも一般事象であるかのように広めてしまうことを「過度な一般化」と言います。

HIVとコロナはまったく別物

――動画の説明欄には「HIV(ヒト免疫不全ウイルス)による免疫不全のしくみに近似」とも書かれています。

全然似てないです。コロナで起こっていることとHIVとは、似ても似つかない。まったく別物と言っていいと思います。免疫不全があるという証拠も不十分です。

ウイルス感染を起こすと白血球が減ったりして、一種の免疫抑制的なことが一過性で起こることはあります。それは割とどのウイルス感染でも起こることで、HIVとはまったく意味が違います。

引用論文でわかる信頼性

――動画の説明は「中国の新型コロナウイルスを治療したドクター」の話が根拠になっています。

「誰かが言っている」というのは、まったく愚にもつかない話。引用論文が明示されていないものは、一切信用しない方がいいです。

――こうした医療情報に接する際に、視聴者・読者が注意すべきことは。

バズワードに引っ張られない方がいいです。みなさん「免疫力」とかの言葉に弱いので。

「有名人だけが使っている」「みんなが知らない」「政府が騙している」といったワードには注意してください。

BuzzFeed Japan Medicalは、多摩境内科クリニックに対して、情報の根拠となる論文や中国人医師の名前などを問い合わせているが、回答はない。返答があり次第、追記する。

抑え込んだ」はずが死者10万人アメリカ合衆国

BBC NEWS Japan 2020年5月29日(金)16時48分配信/ジョン・ソープル(北米編集長)

 それは不気味な、そして悲劇的に完全なほどの対称となっている。

 合わせて44年に及ぶ朝鮮、ヴェトナム、イラク、アフガニスタンの各戦争で死んだ米軍人の人数と、ドナルド・トランプ米大統領が「見えない敵」と呼ぶ新型コロナウイルスの感染症COVID-19でわずか3カ月のうちに死んだ米国民の人数が、ほぼぴったり同じなのだ。

 トランプ氏は新型ウイルスを「中国ウイルス」と呼んでいるが、それは後述する。

 COVID-19の死者数を、がんの死者数や交通事故の死者数と置き換えると、同じように厳しい、またはもっと衝撃的な統計となるだろう。ただ悲しいことに、死亡交通事故や末期がんはこれまでずっとあった。一方、パンデミック(世界的流行)はなかった。突如としてアメリカの10万の家族がこの春、新型ウイルスによって早期に人生を断ち切られた、愛する人の死を悼んでいるのだ。アメリカの感染者は150万人に上っている。さらにそれを上回る何百万人もが仕事を失っている。

 トランプ氏が2017年にホワイトハウスの執務室に入って最初にした事の1つは、バラク・オバマ前大統領が移動したウィンストン・チャーチルの胸像を、元の中心的な位置に戻すことだった。オバマ氏はマーチン・ルーサー・キング・ジュニアの銅像を置くため、チャーチルの胸像を動かしていた。

 そして、新型ウイルスとの戦いでは、トランプ氏は自らを戦時の指導者に見立てた。ニューヨーク・マンハッタンのビル建設地でシャベルをふるうことはできたかもしれない不動産王が、「運命の人」になろうとした。ナップサックに指揮棒を入れて戦場で部隊に作戦実行を命じる、経験の浅い元帥になろうとしたのだ。それだけでなく、国民の生活を守り、おびえた国家を勇気付けようとした。

 トランプ氏には、チャーチルのような秀でた弁舌の才能はない。有名な「私たちは海岸で戦うだろう」(we shall fight them on the beaches)に匹敵する演説をしたことがない。炉辺談話で、ルーズベルト風の落ち着きを醸し出してもいない。屈辱の日々はあったが、どれも原因はトランプ氏の発言であり、アメリカに対する攻撃ではなかった。

 ともかくも、自称戦争指導者として、少なくとも敵に関する初期の警告を無視した責任は問われなければならない。彼の立場はチャーチルよりネヴィル・チェンバレンに近い。

アメリカの死者(単位:人)

朝鮮戦争 (1950-1953年):36,500

ヴェトナム戦争 (1961-1975年):58,000

イラク戦争 (2003-2011年): 4,500

アフガニスタン戦争(2001年-現在): 2,000

COVID-19 (2020年2月-現在): 100,000

 アメリカの初期の新型ウイルス対策は、1月下旬の重要な行動が目を引く。トランプ氏は中国から渡米してくる米国民以外の人々について、入国を禁止したのだ。これは賢明で決断力のあるものだった(ただ、トランプ氏は中国からの渡米者全員の入国を禁止すべきだったと主張する人もいる。私にはアンフェアに思えるが)。しかし、この戦術がトランプ政権にもたらした優位性は、翌2月に何もせず無能さをさらしたことで消滅した。

 検査を拡大する試みは悲惨だった(トランプ氏は疾病対策センターに煮え湯を飲まされた)。個人防護具(PPE)の調達ははかどらなかった。連邦政府の主要用具の緊急備蓄は、ハバードおばさんの戸棚のように空っぽだった。トランプ氏は、国家安全保障会議における世界健康安全保障に関する部門をそっくり解散していた。3000万ドル(約32億円)規模の米政府の危機対応基金(Complex Crises Fund)もなくしていた。これらの決定が、COVID-19と戦うアメリカの力を大きく損なった。

 トランプ氏はこの間、中国から来た新型ウイルスは大したものではないと、熱心に国民に説いた。そして、経済に大打撃を及ぼすものではまったくないとした。トランプ氏にとって経済は、11月の大統領選挙における再選戦略の核だった。

 このころの数週間のトランプ氏の発言は、振り返る価値がある。

1月22日:「中国から来たのは1人で、我々はその人を管理下に置いている。まったく問題ない」

2月2日:「中国から来るのをほぼ抑え込んだ」

2月10日:「4月までには、理論上、少し暖かくなれば、奇跡的に消え去るようだ。それが本当だと願っている。ただ、我々の国はよくやっている。習(近平)国家主席と話をしたが、中国はものすごい努力をしている。すべてうまく行くと思っている」

2月11日:「この国では、基本的に12人しか感染者がいないし、そのほとんどは回復していて、完全に回復した人もいる。だから実際にはさらに少ない」

2月24日:「新型コロナウイルスはアメリカではほぼ掌握されている。すべての人および関係各国と連絡を取っている。CDC(疾病対策センター)と世界保健(機関)は精一杯、非常に賢明な取り組みを続けている。株式市場の状況もよさそうだ!」

2月26日:「いま15人いて、その15人が数日でゼロ近くに減るのは、私たちの対応が見事ということだ」

危機? いったい何の危機? 

 ところが3月になると輪郭がはっきりし、大変な状況が見え始めた。ニュースはすべて恐ろしい内容だった。検査不足のため、地域内で広範囲に感染が広がった。人々は新型ウイルスに感染したが、どこで感染したのか、誰から感染したのか、どのように感染したのかははっきりしなかった。感染経路の追跡はもはや不可能だった。

 最初の感染は西海岸ワシントン州で確認されたが、COVID-19はたちの悪い方法ですべての人々を攻めてきた。この厄介なウイルスは、真に集中すべきところとは違うところに、私たちの目を向けさせた。COVID-19が大暴れしたのは東海岸だった。中でも、アメリカで最も大きく、最も裕福で、最も人口密度が高い都市ニューヨークに、壊滅的な影響をもたらした。

 ニューヨーク市はあっという間に感染拡大の中心となり、トランプ氏が育った同市クイーンズは中心の中心となった。そこから伝わってくる画像は、明らかになりつつあった惨状の規模を、米国民と大統領に知らしめた。エルムハースト病院では、駐車したトラックの冷凍コンテナに、死体安置室に収容し切れない死体を保管した。感染流行のピーク時に同病院の若い医師に話を聞くと、日々繰り返されるぞっとするような生死について語ってくれた。

 地球上最も裕福な国の、最もお金がある都市で、看護師たちはごみ袋をPPEとして身に着け、集中治療室へと向かっていた。それしか手に入らなかった。救命救急の相談員は、患者の様子を調べる時にスキーのゴーグルを着用していた。病院には顔面用のマスクがなかった。ブロンクスでは小さな島に集団墓地が掘られた。そこに近親者がいない死者や、葬儀の費用を残さなかった死者が埋葬された。コモンウェルス戦争墓地の無名戦士の墓碑に刻まれた言葉のように、「神は知っている」という状況だった。

 地球を何度も木っ端みじんにできる軍事力をもつ全能の超大国アメリカは、ぼろぼろの状態で、自分の庭で起きていることすら掌握できていない様子だった。アメリカという物語において、この時期が同国の偉大さを示すようになるとは考えにくい。

 クイーンズがトランプ氏の育った土地なら、マンハッタンは同氏が財を成した土地だ。金もうけと言えばウォール・ストリートであり、米経済の脈拍と酸素量を測ることができる。トランプ氏はそのベッドわきに立ち、1時間ごとに数値をチェックするのが好きだ。だが、米経済の活動を停止せざるを得ないことが明らかになると、ダウ・ジョーンズ指数は急落。サーキット・ブレーカーが発動された。トランプ氏と側近は、大統領再選の戦略が崩壊の危機にひんしていら立った。

 ところが、冷え切った経済への大量の資金投入に連邦議会が同意しそうだとのうわさが伝わると、急落から一転、目のくらむような上昇が起きた。

 アメリカの死者の2万5000人以上は、ニューヨーク州で記録されている。同州のアンドリュー・クオモ知事は、新型ウイルスで最初の政界のスーパースターとなった。彼は連日、どこで何が起こり、どんな対応がなされ、まだ何が必要か、事実に基づいた非常に詳細な発表を実施。全米の人々がテレビの視聴予約を設定した。

 生粋の民主党員でクイーンズ育ちのクオモ氏には、多くの共和党員から称賛のまなざしが向けられた。何人もの民主党員は心の中で、「ジョー・バイデンではなく、彼が11月にわが党の大統領候補だったら」と考えた。クオモ氏は昔ながらの新聞のように、何が事実で何が意見なのかを明確に説明した。高度に洗練された45分間で、ニューヨークが奈落の底に落ちる模様をニュースとして語り、意見コラムのように個人的見解を示した。自らの対応は完璧ではないと認め、もっと早く動くことができたと話した。さらに、称賛に値すると思った時は、トランプ氏をたたえた。政府に活を入れる必要があると思えば、手厳しいことを言った。

 クオモ氏に国中の関心が集まっていたころ、トランプ氏もホワイトハウスで毎日、記者会見を開くことを決めた。同氏がどれほど群衆のわめき声が好きで、必要としているかは明白だ。政権運営は退屈だ。遊説に出て、支持者らから熱い声援を受けることが、彼のエネルギーのもととなっている。それが彼の心臓を脈打たせ、血液をめぐらせている。

 ロックダウン(都市封鎖)はこの大統領から、2つの大好物を奪った。ゴルフと、愛すべき騒がしい群衆に向かって演説できる夜の集会だ。トランプ氏を訪ねて来る国家元首はいなくなり、その場の議題に無関係の自分の考えをテレビカメラが伝えてくれる機会もなくなった。世間の注目という酸素に飢えていたトランプ氏は毎日、記者会見室に現れた。そして私たち記者は、彼の人工呼吸器という最もふさわしくない役割を果たした。決して信頼していないジャーナリストたちに挿管されても、それがうまく行くはずがなかった。

 マイク・ペンス副大統領には、新型ウイルスの対策チームを率いる役割が与えられた。彼にとっては毒杯となり得たが、その仕事を落ち着いてこなした。すべてに関して詳細を押さえていたペンス氏は、政府のさまざまな部署とホワイトハウスの連結役として、また、政府のさまざまな部署と50州の知事たちの連結役として、うってつけの存在だった。さらにもう2つのことを、ペンス氏は鮮やかな手際で成し遂げた。トランプ氏を最大限にたたえることを決して忘れず、彼の指導力に敬意を表した。そうしないと災難が降りかかるからだ。そしてペンス氏は、共感を示すことも決して忘れなかった。米国民の苦しみについて語り、家族を亡くした人々に哀悼の意を表した。ペンス氏には簡単にできることだったが、トランプ氏がそうすることはほとんどない。

 記者会見室では登場人物が替わることもあった。他の2人の強固な登場人物に、米国立アレルギー感染症研究所(NIAID)所長で独立心の強いアンソニー・ファウチ博士と、オバマ政権でエイズ対策を率い、トランプ政権で新型ウイルス対策の調整官に任命されたデボラ・バークス医師がいる。この2人の科学者は、トランプ氏の判断を証拠に基づいたものにするつもりだった。しかし2人のアクセスは限定的だった。

 米経済の活動が休止されるとすぐ、ビジネス重視の人々がトランプ氏に、彼が医師から指示されている治療法は病気よりひどいとささやき始めた。国民を仕事に復帰させよ。経済活動を再開せよ。失業、景気後退、恐慌、米経済の荒廃は、死者数より恐ろしいことになる。トランプ氏は最初、アメリカはイースター(今年は4月12日)までに再開し、教会が人でいっぱいになるようにすべきだと訴えた。だがそれは、バークス氏とファウチ氏に阻止された。このことについて質問されたファウチ氏は、反対を表明せずに大統領に反対する術を実例として示した。彼は「スケジュールは人が決めるのではなく、ウイルスが決める」と記者団に述べた。老練だった。

 しかし、再開を求める力が圧倒的となった。失業者が急増し、トランプ氏は「強い経済」という選挙戦略が失敗に終わると考えた。

 この間、死者数はどんどん増加した。2月には水滴だったものが、次第に一筋の流れとなった。その流れは、絶え間ない水流となった。そして4月後半には激流となった。

 コロナウイルスは感染する人を選ばなかった。だが、命を奪う対象は選んだ。統計は衝撃的だった。黒人やラテンアメリカ系は、死亡する確率がずっと高かったのだ。長年続く健康面での不平等が表面化した。貧困状況の中で成長した人は、コロナウイルスに感染すると命取りとなり得る持病がある確率が高かった。高血圧、糖尿病、肥満、心臓病だ。さらに、密集度が高く数世代が同居する家で暮らし、社会的距離を取るのが不可能な工場や食肉処理場で働いていると、当たり前だが、COVID-19にかかりやすいのだ。

 ジェローム・アダムス公衆衛生局長官は、自身も黒人であり、この問題を率直に取り上げ、力強く訴えた。しかし、その代償を払うことになったようだ。ホワイトハウスの記者会見に姿を見せることがなくなったのだ。彼の発言に誰かが腹を立てたに違いなかった。

 記者会見におけるトランプ氏自身の危うい言動も、共和党の戦略家たちから望ましくないと見られるようになっていた。大統領の支持率は下降していた。私は彼のかなり異常な記者会見に2度臨んだことがある。1つは、トランプ氏が自身のことばかり話したものだ。彼のスタッフは選挙運動のような長ったらしいビデオを作り、彼の感染流行対策がいかに見事かを詳細に説明した。2時間超に及んだこのときの会見の最初の45分間、トランプ氏は自身について語った。メディアがどれほど彼に対してアンフェアか述べた。「かわいそうな私」という内容だった。45分の間、新型ウイルスの死者のことも感染者のことも、まったく触れなかった。仕事を失って請求の支払いをどうしたらいいか困っている何百万人についても言及しなかった。

 もう1つは、トランプ氏がコロナウイルス感染症の治療として、消毒剤の注射について語ったものだ。記者会見室のわきに座っていたバークス医師は、大統領の発言を聞いている間、激しい胃痛に襲われているように見えた。ただ、立ち上がって、「これは危険なたわ言です」と言う自由はないようだった。トランプ氏の言動は茶化され、嘲笑された。

 しかし、批判の高まりとともに、トランプ氏は反発を強めた。

 彼によって不名誉な立場に置かれた罪人が2人いる。1人は中国だ。当初は習国家主席をたたえたトランプ氏だったが、その後、中国は同氏の標的となった。中国はうそをつき、隠ぺいした。これは武漢インフルエンザだ。中国は自国民を守ったが、それ以外は守らなかった。トランプ氏の目にはさらに悪いことに、中国が世界保健機関(WHO)を脅し、WHOの弱くて気の小さいリーダーは中国の脅しに負けたと映った。その結果、この新種のウイルスの危険性を世界に十分に警告できなかったと考えた。ここにはもちろん、責任転嫁はあった。だが、トランプ氏にも一理あった。WHOの欠陥についても、中国指導部の率直さについても。

 このすべてがトランプ氏の支持基盤を活気付けた。ただ、米経済の活動再開へと毅然と変化していった同氏の姿勢ほど、活気付けるものはなかった。乱暴なデモが、特に民主党知事の州で起こった。それをトランプ氏は鎮めようとはしなかった。カリフォルニア州では、自由主義の共和党員と小規模商店主の支援を受けたサーファーたちが浜辺で抗議した。「ベイウオッチ」が「ティー・パーティー」と融合した奇妙な瞬間だった。ミシガン州では、自動小銃で重武装し、映画の傭兵役のオーディションのような格好をした男たちが、州議会議事堂を取り囲んだ。

 民主党員か共和党員か、トランプ好きかトランプ嫌いかをまったく考慮しないウイルスがもたらした公衆衛生の緊急事態が、アメリカを分断し、激しく二極化していた。他のすべてと同じようだった。

 アメリカの再開を望むならトランプ支持者だ(大まかに)。早過ぎる再開に慎重なら民主党員だ(大まかに)。もしあなたが、ヒドロキシクロロキンの危険性に関する食品医薬品局(FDA)の助言をトランプ氏が無視したという事実をとても気に入っていて、ともかくもヒドロキシクロロキンを摂取すると決めたのであれば、彼の陣営にしっかり入っている。

 トランプ氏は誰もがマスクを着用すべきだと公言しながら、自らはしていない。彼の支持者らはこの事実を、本当はしなくていいのだという明確なメッセージと受け止めている。さまざまな医療アドバイスが出される中、一部はマスク着用を扇動行為であり、過保護国家の象徴だとみなしている。

 客にマスク着用を求める商店主は、店の外をパトロールする暴力的な集団に脅されている。ばかげたことだ。マスクは病気の拡大を止めようとする小さな努力ではなく、「闇の国家」による抑圧の象徴であるかのようにみなされ、引き裂かれ、破損されている。私たちの撮影スタッフは、抗議者たちを撮影するとき、マスクをしているとして彼らに押しやられ、嫌がらせを受けている。言うまでも無いが、彼らは社会的距離を順守する気などさらさらない。

 そして、アメリカが死者10万人という恐ろしい節目を迎えた現在、将来はどうなるのか? 

 世論では、頭と心の戦いが起きているように思える。科学が本能的直感と対立している。国家の役割と個人の権利がぶつかっている。

 仮に、行動を追跡できる携帯電話のアプリが新型ウイルスの第2波を防ぐのに欠かせない道具だとして、それを効果的なものにするためには、人口の大部分が個人情報を提供することが重要になる。そうしたことは起こるだろうか?  国家が強大になり過ぎることの危険性を建国の父たちが心配したアメリカで、そうしたことは想像できない(これはトランプ氏に対する好き嫌いをはるかに超えたものだ)。そしてもし、効き目のあるワクチンが見つかったらどうなるのか?  ワクチン反対派の一団(トランプ氏はかつてそれを支持していた)は間違いなく大挙して出動し、科学や医学、国家、ビッグ・ブラザー、その他もろもろに対する疑念をかき立てるだろう。

 トランプ氏はここ2カ月ほど、アメリカほどコロナウイルス検査をしてきた国はないと、繰り返し自慢している。「他国は迫ってすらいない」と彼は言う。アメリカより人工呼吸器を多く作った国も、アメリカほど多くのPPEを前線で働く人たちに供給した国も、ないと言う。トランプ氏は、アメリカが成し遂げたことを世界の指導者たちがうらやんでいると主張している。本当か?  ドイツ、韓国、台湾、オーストラリア、ニュージーランド、ギリシャが、うらやんでいる? 

 どうにも信じがたい。

 アメリカより多くの死者や感染者が出た国はない。他のどの国も今のところ、迫ってすらいない。

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関連エントリ 2020/05/26 ⇒ 【新型肺炎】南半球の“震源地”ブラジルでは毎日✍800人死亡。

 

2020年4月18日 (土)

【緊急事態宣言】東京⇒沖縄<感染発覚後>沖縄⇒東京✍とんぼ返りした馬鹿芸能人の話。

15道県 新たに休校や期間延長 緊急事態宣言全国拡大

共同通信 2020年4月17日(金)21時22分配信

 政府による緊急事態宣言の対象地域が全国に拡大されたのを受け、都道府県立学校の休校対応について各教育委員会に尋ねたところ、15道県が新たに休校に踏み切ったり、休校期間を延長したりする方針であることが17日、共同通信の集計で分かった。従来の休校措置を維持するのは30都府県で、両者を合わせると45都道府県となる。

 安倍晋三首相が3月に全国一律の休校要請を行った後、新学期が始まる4月には学校再開の動きも出たが、再び休校の動きが広がっている実態がうかがえた。未定としたのは岩手県。その他とした奈良県は在宅教育を行っており、休校措置は取っていないという立場を示した。

感染の石田純一の妻・理子沖縄行き止めきれず謝罪、自身も父・東尾修氏招き🎂次女の誕生会を反省

デイリー 2020年4月16日(木)15時20分配信

 東尾理子が16日午後、ブログを更新。夫の石田純一が新型コロナウイルスに感染したことについて、謝罪した。石田は今月10日に仕事で沖縄に行った時に倦怠感を覚え、11日からホテルで休息。13日に東京に戻り、15日にPCR検査で陽性と確認された。石田は入院中だが、外出自粛要請の中、仕事とはいえ、沖縄に行ったことなどにネット上では批判が集まっている。

 理子は「全世界が感染防止に努力、我慢をしている中で、仕事であるとはいえ飛行機に乗り都外へ出ようとする主人を説得、止めきれなかった事を深く後悔し、反省しております」と沖縄行きを止めなかったことを反省。「沖縄の方々、移動で使用した交通機関の皆さま、大変申し訳ございません。心よりお詫び申し上げます。」と沖縄の人々にも謝罪した。

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 ブログには15日に病室で撮影した、無精ひげ姿の石田が酸素吸入用とみられる管を鼻に通されている写真も添えている。

 3児の母である理子は、石田が沖縄に行く直前の7日に次女の2歳の誕生日会を自宅で開催した様子をSNSに投稿。父親の東尾修夫妻も参加しており、ネット上では“家族間クラスター”の心配の声も上がっている。理子は「私自身も4月7日に、自宅にて次女の誕生日祝いで両親を家に迎えております」と明かし、「万が一を考え換気をし、本当に短い時間立ち寄っただけでしたが、家族という事で気が緩み、自覚が非常に欠けておりました」と自身の行動についても反省。

 両親は濃厚接触者にはあたらないことを説明した上で、「主人がいつ感染したかはっきり分からない中、その時すでに保菌者であった可能性もあり、高齢の両親を巻き込むこととなった事に対しても深く反省の気持ちで受け止めております。重ね重ね、私共の行動で多大なるご迷惑、ご心配をおかけする事になり、心からお詫び申し上げます」と繰り返し、謝罪の言葉をつづっている。

石田純一コロナ感染 直前に次女誕生会で“家族間クラスター”懸念も

日刊ゲンダイDIGITAL 2020年4月16日(木)15時00分配信

 芸能人の新型コロナウイルス感染が続々と明らかになっているが、今度は石田純一(66)だ。石田は15日、ブログで新型コロナに感染したことを報告。

 4月10日に仕事のため沖縄へ行ったところ、「4月11日に身体がだるく感じ、4月13日に東京へ戻るまでホテルにて休息を取っておりました。その間、発熱や咳の症状はありませんでした」そうだが、4月14日になって「病院にて肺炎の傾向が見られたため入院となり、PCR検査を受けた結果、4月15日に陽性と確認されました」とつづっている。

4月7日に次女の誕生日会

 この一報に芸能界は大騒ぎになっているが、気になるのは同居している妻の東尾理子(44)や子供たちへの感染の可能性だ。現在のところ妻子に発熱などの症状は出ていないというが、実は石田は沖縄に行く直前の7日に自宅で次女の2歳の誕生日会を開催。祖父母(東尾修夫妻)も参加していたことを理子がブログで報告していたのだ。

 理子は「換気をずっとやっている」ともつづっているが、家族間クラスターが起きている可能性は否定できない。

「沖縄の仕事はゴルフ番組の収録ではないかといわれています。石田さんは今年1月放送の『名医のTHE太鼓判!SP』(TBS系)に主演した際に受けた人間ドックで余命8年との宣告を受けて相当に落ち込み、まだ幼い子供たちのために長生きするため禁酒を誓ったそうです」(芸能リポーター)

 石田はコロナに負けてはいられない。

コロナ感染の石田純一 軽率すぎる行動とモラル欠如の痛恨ミス

日刊ゲンダイDIGITAL 2020年4月17日(金)15時00分配信

 石田純一(66)の新型コロナウイルス感染は、志村けん(享年70)に続く“高齢者の感染リスク”を世に知らしめたが、と同時にネット上では石田の「モラルの欠如」に対するバッシングの嵐が吹き荒れている。

 石田は4月10日から13日まで自身が経営する飲食店の視察のため沖縄に滞在。11日から体がだるくなり、14日に肺炎の傾向がみられ入院、15日に陽性が判明した。医学博士の米山公啓氏は「発症までに3日から1週間かかるので、沖縄に行く前に感染している可能性が高い。発症前の1週間の行動が問題です」という。

 これにネット上では「なぜ今、沖縄?」「テレワークしないの」「こっち(沖縄)が自粛してるのに、県外からコロナ持ってこないで」「体調悪いのに飛行機で東京に戻るって無責任」と批判の声が殺到。16日放送の「バイキング」(フジテレビ系)で、坂上忍(52)も「この時期に往復しちゃったんだ……」と大先輩の“やらかし”に残念顔だ。

 しかも、7日には妻の東尾理子(44)、長男(7)、長女(4)、次女(2)と義父・東尾修(69)夫妻とで自宅で次女の誕生会を開催。高齢の東尾夫妻の感染までも懸念されている。芸能リポーターの川内天子氏がこう言う。

「沖縄に行ってしまったのは判断ミス。石田さんは1月の『名医のTHE太鼓判!SP』で余命8年と診断されていたこともあり、普段はマスク着用は徹底。車もマメに除菌し、自身のラジオ番組ではアクリル板を立てて飛沫感染を防ぐなど、予防を徹底していました。今となっては後の祭りですが、沖縄の店によっぽどの問題があったとすれば店ごと休業すべきだったのでは。気配り上手で神経の細やかな石田さんだけにご本人的には“痛恨のミス”でしょう」

忘れた頃に大ポカ

 石田といえば1996年に「不倫は文化」発言で猛バッシングを浴びたのは有名だが、2003年には有栖川宮をかたった皇族詐欺パーティーに出席。16年にはCMスポンサーなど関係各所に根回しもなく突如、都知事選に出馬表明するも断念したりと忘れたころに“ポカ”をやるのがお約束だ。

 しかしながら、今回は身内だけでなく、不特定多数にコロナをまき散らした可能性まであるとなると軽率のそしりというレベルの話ではない。石田は自らの不徳とはいえ、今は小さな子供たちのためにも健康回復に努めるしかない。

石田純一のコロナ感染、東国原氏「軽率すぎる。16年の都知事選の時も…」

スポニチアネックス 2020年4月17日(金)12時36分配信

 元宮崎県知事で衆院議員も務めたタレントの東国原英夫(62)が17日、フジテレビ系「バイキング」(月~金曜前11・55)に出演。俳優の石田純一(66)が新型コロナウイルスに感染したことに言及した。

 石田は14日にPCR検査を受け、15日陽性と診断された。感染経路は分かっていない。関係者によると、石田は10日、沖縄県内で経営する飲食店の営業についての会議に出席するため現地入り。翌日から微熱と倦怠感を覚えたため、13日の帰京まで外出せずに滞在先のホテルで静養していた。同日夜に空港で出迎えたスタッフには「今は熱はないが、少しだるい」と話したという。翌14日、妻の東尾理子(44)に連れられて病院を受診したところ、肺炎と疑われる症状がみられたため、PCR検査を受けた。

 東国原は「軽率ですよね。軽率と言わざるを得ないですね。緊急事態宣言出ていますから。2016年の都知事選の時に軽率な人だなあと思っていたんですよ。こういうことが起こるんだろうなと。今ご病気で闘ってらっしゃるので頑張ってほしい、復帰してほしいとは思いますけれど、同時に反省もしてほしいと思います」と話した。

 石田は、16年の都知事選で、野党統一候補という条件付きで出馬を表明したものの、CMの違約金など金銭問題も浮上したことから出馬を断念した。

明恵夫人大分旅行で会いに行った“変態ドクター”衝撃発言「感染を受け入れて

週刊女性PRIME 2020年4月17日(金)17時00分配信

 いまだに感染者数・死者数が増え続ける新型コロナ禍の真っ只中のなか、とんでもないニュースが飛び込んできた。『週刊文春』(4月23日号)によると安倍晋三総理の妻・昭恵氏がの3月15日、大分県宇佐市の「宇佐神宮」にグループで参拝していたという。

 記事には、「コロナで予定がなくなっちゃったので、どこかへ行こうとは思っていた」との理由で参拝を決めたとのことで、現地でマスクをしていなかった場面もあったとされている。

 そんななか、昭恵氏が参加したというツアーが今ネットで物議をかもしている。主催者は松久正氏という神奈川県・鎌倉市内で医療診療所を経営している医師で、自らを「ドクタードルフィン」「変態ドクター」と名乗っている。

超プレミアム高次元DNAコード

 SNSで拡散された講演会イベントのパンフレットには《神ドクター降臨 in Oita》との文言があり、サブタイトルには《卑弥呼のDNAが目覚める時》その内容をみると、参加特典としてもらえるものが、

《これからの男性性と女性性を覚醒させる、ここだけの超プレミアム高次元DNAコード「卑弥呼の神聖大和魂コード」を、参加者全員にコードインプレゼント》

《所有するだけで卑弥呼が貴方をサポートするように、ドクタードルフィンがエネルギーチャージした、プレミアム卑弥呼グッズプレゼント》

 であったりと、一風変わった内容のようだ(結局、昭恵氏は参拝のみで不参加)。昭恵氏は2年ほど前に松久氏の著書を読んで感銘を受け、食事会に招待。それをきっかけに親交を深めたらしい。

「昭恵夫人はコロナで外出自粛ムードが漂う3月下旬にも、自身も関係が疑われた森友学園問題をめぐり自殺した近畿財務局職員の手記が報じられるなか、私的な“桜を見る会”を楽しんでいたのが報道されたばかり。中にはNEWSの手越祐也さんや藤井リナさんなど、芸能人も参加していましたね。過去にも元暴力団組長や逮捕された誘拐殺人犯とのツーショット写真が流出したりと、お騒がせにはこと欠かしません」(週刊誌記者)

 怪しげな交流だけでなく、彼女はその奔放な発言も多く取り上げられてきた。'12年にフェイスブックに投稿した《放射能に感謝の気持ちを送ります。ありがとう・・・》という文言で大炎上。また、医療・祈祷用の大麻解禁の運動にも積極的な彼女は、小池百合子都知事との対談で「日本を取り戻すことは“大麻を取り戻す”ことだと思っています」とファーストレディーとしては過激すぎる発言も繰り返している。

外出自粛は微々たる効果があるだけ

「彼女は以前から“水の波動”理論を提唱した故・江本勝氏の思想に強く共感しているらしく、“病が治り、健康も促進、幸福にもなる”という非科学的な要素の強い“転写水”を作ってもらったこともありました。よく言えば素直なのですが、信じやすいところがあり、疑うということを知らない。

 それに加え、パーティー好きで、“総理夫人”という立場を考えずに興味を持った人と交流を持ってしまう脇の甘さが目立ちます。特に総理夫人となってからは彼女の影響力にあやかろうと近づいてくる者もいるのですが、その自覚はあまりないのでしょうか……」(省庁関係者)

 それがわかるのが、'17年に女性の社会参画などをテーマにした対談セミナーでの発言。総理夫人という立場についたことについて、「個人としては仕事も能力もないし、家事もできるわけでもないのに、こういう立場になってしまっている。なぜ、こんなに注目を集めてしまっているのかすごく戸惑っている」と発言している。

 そんな“戸惑い”を浮かべながらも、“自分が会いたい人にも会いやすい”首相夫人という立場だけは常に濫用し続けているようにみえる。“変態ドクター”の松久氏は『文春』の報道があったのと同日、フェイスブックにこんな投稿を寄せている。

昭恵夫人と私一行の記事がでました。日本と世界の穏やかな平和のために、このご時世だからこそ敢行した、私のドクタードルフィン一行の三月の宇佐神宮正式参拝に、昭恵夫人が、国代表としての想いで、ご参加くださいました。(中略)いまのウィルス騒動を収めるためには、外出禁止、自粛は、微々たる効果があるだけ

 としながら、《ウィルス感染することを受け入れて、敢えて、自らを進化させる人間の魂も、少なからず、存在します。これは、データで立証できない、高次元の知識です》と雄弁に語ってみせた。

 昭恵氏の自由すぎる個人の行動が、“国代表として”捉えられていることを再度自覚すべきではないか。

安倍政権、コロナ政策“遅い”ワケ 官僚の壁、一律給付に財務省反対

産経新聞 2020年4月18日(土)0時50分配信

 安倍晋三首相は17日の記者会見で、新型コロナウイルス感染拡大の阻止に向け「国民皆でこの状況を連帯し、乗り越える」と訴えた。2月29日以降、記者会見の回数は5回に上る。だが、都市部を中心に感染者数は増え続け、緊急経済対策に盛り込んだ現金給付では減収世帯への30万円の給付から国民1人当たり現金10万円の一律給付に方針転換するなど迷走を重ねた。首相の思惑とは逆に、政権への批判は強まっている。

 首相官邸の政策決定にスピード感が欠けるのは、前例踏襲を常とする官僚が壁になっているためだ。

 感染の有無を調べるPCR検査について、首相は再三、1日当たりの検査能力の引き上げを指示したが、厚生労働省は軽症者の入院が増えて重症者支援が遅れれば医療崩壊を起こすと難色を示してきた。新型コロナは感染しても軽症か無症状の人が多い。検査ができないままでは、国民の不安が強まるのは当然だ。

 新型コロナ感染症に治療効果が期待される新型インフルエンザ治療薬「アビガン」の承認手続きやオンライン診療でも、副作用への懸念から、医師免許を持つ幹部職員らが「立ちはだかった」(政府関係者)とされる。

 現金給付をめぐっては、財務省が国民全員を対象にすれば、「大企業や年金生活者など打撃のない人にも配るのは不公平だ」と主張した。官邸は一律給付が膨大な財源を必要とすることも考慮し、対象を減収世帯に限り、1世帯当たり30万円の給付に傾いた。

 だが、首相が要請した全国の小中高校などの休校や外出自粛による在宅勤務で、家庭では食費など想定外の支出がかさんでいる。企業は先行きへの不安から今後の賃上げに慎重になるのは必至だ。消費税率10%も家計の重しになるだろう。首相はこうした国民感情を重視し、緊急事態宣言の対象区域を全国に拡大したのを機に10万円の一律給付に転じた。17日の記者会見で首相は「もっと判断を早くしておけばよかった」と率直に語った。

 「私たちにはもっとできることがある。目の前の現実に立ち向かうだけではなく、未来を変えることだ」。首相は会見でこう協力を呼びかけた。ただ、5月の大型連休を過ぎても感染者数が高止まりし続ければ、首相が要請した国民の努力も巨額の経済対策も水泡に帰する。来年7月に延期した東京五輪・パラリンピックの開催も危ぶまれる。首相は自らの判断が国家の命運を握る覚悟を持ち、果敢に対応すべきだ。

休業補償十分国民に説教する国家公務員の経済感覚

PRESIDENT Online 2020年4月17日(金)11時16分配信/磯山友幸(経済評論家)

公式ツイッターで「マスコミ批判」という異様

 「ヤフーニュースなど、インターネットニュースサイトで、『補償なき休業要請』との報道があり、外出自粛や出勤者の最低7割減は、休業補償がないと不可能だと報じられていますが、正確ではありません」

 厚生労働省が公式ツイッターで4月12日に発信したツイートが「炎上」している。休業補償がないので休みたくても休めない人が多いので、政府が掲げる7割出勤者を減らすというのは実現不可能だというマスコミの報道が、不正確だというのだが、その理由として並べた助成金などの話があまりにも現実から乖離(かいり)していると猛反発を食ったのだ。

 ツイートは6万回以上リツイートされ、2000にのぼるコメントが付いた。ほとんどが批判的な声で、「あまりにも上から目線だ」「恩着せがましい」といった感情的なものもあったが、多くは厚労省の「公式」の説明と現実が大きく食い違っていることへの実情を指摘するものだった。

「パートやアルバイト」のくだりに大きな反発

 厚労省の公式ツイッターでは、厚労省が言うところの「正確」な情報が以下のように5本ツイートされた。

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「事業主が労働者を休業させた場合に支払われる休業手当には、政府が助成をしています。新型コロナウイルスへの対策として特例を講じ、この助成率を、中小企業向け最大90%、大企業向け最大75%と、引き上げました」

「また、通常は制度の対象にならない、パートやアルバイト(週所定労働時間20時間未満)の方にも対象を拡大しました。(この結果、派遣社員であっても、契約社員であっても、パートタイマーであっても対象になっています。)また、入社6か月に満たない新入社員の方も対象としています」

「これにより、事業主の負担が大幅に軽減されますが、さらに手元資金を厚くするため、無担保・無利子で最大5年間据え置きの融資を政府系金融機関で実施しています。民間金融機関でも、債務の返済猶予などの条件変更に応じています」

「また、大きな影響を受けている中小企業等に最大200万円、フリーランスを含む個人事業主に最大100万円といった、過去に例のない給付金を準備中です」

「政府は、事業者の資金事情を支えるための助成を実施しており、事業者がこれを活用して、従業員に休業補償を十分にできるような雇用調整助成金の特例制度も始まっています。是非ご活用ください」

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 反発が大きかったのは、パートやアルバイトに関するくだり。「通常は制度の対象にならないパートやアルバイト」という言い方に「神経を逆なでされた」と感じる人が多かったようだ。確かに制度的には雇用調整助成金の対象にはならないパートやアルバイトも、今回は支給対象になっている。だが、それを受け取るには本人ではなく会社が申請しなければならない。

 しかも、会社が「悪いけれど明日から来なくていいです」とひとこと言って済ませるのではなく、労働局に連絡して雇用調整助成金の対象として申請してくれることが前提になる。もちろん、会社が倒産せずに存続していることが何より必要だ。

雇用者の「4割近く」が無収入の危機

 パートやアルバイトが多く働く飲食店などが今回の外出自粛要請で、いち早く大打撃を受けている。売り上げが減少するどころか、客が来ずに売り上げが「消滅」しているところもある。このままでは月末に支払う家賃や給料にも事欠くところも少なくなく、真っ先にパートやアルバイトが雇い止めになっている。

 通常時ならば、客がいないからバイトを休ませたり辞めてもらったりするのは飲食店などにとっては普通の対応である。もちろん、時給制で働いているバイトやパートの人たちは、仕事ができなければ即刻収入がなくなる。

 総務省の労働力調査によると2月時点の非正規従業員は2159万人。役員を除く雇用者全体の38%に達する。そのうちアルバイトが477万人、パートは1059万人にのぼる。そうした人たちが、収入が無くなる危機に直面しつつあるのだ。

 厚労省の公式ツイッターに多くの人たちが反発したのは、パートやバイトも雇用調整助成金の対象になるからクビにするなと言われても、雇用調整助成金という名前すら知らない零細事業者は少なくないのが現実だからだ。たとえニュースで聞いたとしても申請書類など書いたこともなく、そんな時間もないという事業者は多い。

役人にとっては「簡単な申請書類」だが…

 加藤勝信厚労相は、問題の公式ツイートに先立つ4月10日、雇用調整助成金の申請手続きを大幅に簡素化することや、申請から支給までに2カ月かかっていたものを、1カ月で済ますよう「取り組んでいく」方針を示した。ツイートした官僚からすれば、自分たちは必死にやっているのに批判されるのはたまらない、ということなのだろう。

 ちなみに、雇用調整助成金の申請書類は、確かに大幅に簡素化された。役人からみればこれ以上の簡単な申請書類はない、と言いたいところだろう。だが、ホームページで見ると、記入する書類にはいきなり「判定基礎期間」なる役所用語が出てくる。もちろん、別のところに説明書きはあるが、ペーパーワークをほとんどしない人は面食らうだろう。

 また、今回の休業とは直接関係のない「教育訓練内容」を書く欄も同居している。日頃申請書類など書いたことがない人にとっては、取っ付きにくい書類だ。しかも通常通り申請代理人欄があり、分からない申請者には、社会保険労務士を使えと言っているかのようだ。

 残念ながら高級官僚には現場の実情はなかなか分からないのだろう。役所の中の前例やしきたりが優先するから、申請する側の立場など考えることもない。現場の声を報じるメディアに対しても、無用の非難を浴びているような錯覚に陥る。

ドイツのメルケル首相が支持率を上げている

 新型コロナ感染が始まった当初、国内の感染者数にクルーズ船内の感染者数を合算してテレビ局が報じると、すぐさま役所からクレームが入った、という。ある幹部官僚が「NHKが言うことを聞かずに合算人数を報じている」と苦言を呈していたのを筆者も直接聞いた。2月末のことだ。政府は新型コロナの封じ込めに必死になっているのに、国内での感染実態をメディアが過度に強調して騒いでいると感じていたのだろう。今から思えば滑稽な話だ。

 果たして、霞が関の幹部官僚たちは国民を見ながら仕事をしているのだろうか。役所の論理優先で仕事をしていないか。あるいは、自分たちにうるさく言ってくる政治家の顔色だけを見ているのではないか。

 危機に直面して、政治家の資質が問われている。危機の時にリーダーシップが取れるかどうか、国民は冷静に見ている。今回の新型コロナ蔓延が、国民生活にどんな深刻な影響を与えるか、きちんと先が読めていれば、打ち手も大きく外れることはないはずだ。

 新型コロナ蔓延以前には支持率が落ち込み、年内での退陣が決まっているドイツのアンゲラ・メルケル首相の支持率がここへきて急上昇しているという。メルケル首相は3月15日に5カ国との国境を事実上封鎖、18日には国民向けのテレビ演説を行い、「第2次世界大戦以来の試練だ」と強調、他者との接触を減らすよう国民に訴えた。

 その後の新型コロナ感染者のドイツでの死亡率はイタリアやスペインに比べて大幅に小さい状態が続いている。メルケル首相のリーダーシップへの評価が高まっているのだという。

緊急経済対策は、まだ国会すら通過していない

 米国ではドナルド・トランプ大統領が、「救済法案」と呼ぶ総額2兆2000億ドル(約230兆円)の経済対策法案を議会通過させ、3月27日には署名して成立させた。日本の安倍晋三内閣も4月7日に108兆円にのぼる緊急経済対策を閣議決定したが、国会は通過していないうえ、内実も大きく違う。

 米国では、全国民に対して大人ひとり1200ドル(約13万円)、子供ひとり500ドルを給付することになっており、4月中には給付される見込みだ。一方の日本は1世帯あたり30万円を給付するという内容だが、所得の大幅な減少などが要件になっている。所得制限を付ければ、審査に時間がかかり、給付も遅れる。早くて5月中の支給だという。

 売り上げが大きく減った中小企業に最大200万円、個人事業に最大100万円の給付を行う制度が新設される方向だが、やはり売上高激減など条件が厳しい。大幅に条件が緩和されたとはいえ、雇用調整助成金も、冒頭のように手続きが必要だ。

 4月4日には国土交通大臣政務官の佐々木紀衆議院議員がツイッターで、「国は自粛要請しています。感染拡大を国のせいにしないでくださいね」とツイートし、これもネット上で炎上した。7日には赤羽一嘉・国土交通相が謝罪に追い込まれた。安倍内閣としては精一杯やっている、と言いたいのだろう。だが、これから日本経済を襲う大暴風雨に耐えるのに、これらの施策だけで大丈夫なのか。

いま必要なのは、月末を越すための資金繰りなのに…

 15日に明らかになった米国の3月の小売売上高は、前月比マイナス8.7%。内訳はすさまじく、自動車は25.8%の減少、家具は26.8%の減少である。すでに失業保険の新規申請件数は4月4日までの3週間で1676万件に達しているが、さらに雇用に深刻な影響を与えそうだ。

 国際通貨基金は、2020年は1929年の世界恐慌以来の最悪の不況になるとの見通しを明らかにした。3月の日本の統計はこれから発表になるが米国同様、未曾有の悪化になるだろう。緊急事態宣言が出された4月の数字がさらに悪化するのは間違いない。

 官僚にはリストラどころか降格もほとんどなく、失業する心配はない。給与は民間の大企業並みが保証されている。そんな官僚に、民間の中小零細事業者が味わっている資金繰りや経営の苦しさを分かれと言っても無理なのかもしれない。

 零細事業者の怨嗟の声を聞いてか、自民党の二階俊博幹事長が党内で一度は潰れた「ひとり10万円の現金給付」に再び言及した。これを受けて、安倍晋三首相は4月16日、国民1人当たり10万円を一律現金給付するため、2020年度の補正予算案を組み替える方向で検討するよう麻生太郎財務相に指示した。

 だが、それでも高額所得者は対象外にすべきだといった声がくすぶる。今必要なのは所得再分配ではなく、月末を越すための資金繰りだということを理解していないのだろう。対策が後手に回らないことを祈るばかりだ。

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“布マスク批判”を指摘した朝日記者に「御社も3300円で販売したよな

毎日新聞 2020年4月17日(金)22時59分配信

 安倍晋三首相が17日の記者会見で、朝日新聞の記者から「布マスクの全住所配布で批判を浴びている」と指摘された際、「御社のネット(通販)でも布マスクを(2枚)3300円で販売しておられたと承知している」と“反撃”する一幕があった。新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、政府が17日に配布を始めた布マスクは「アベノマスク」と皮肉られ、「サイズが小さい」などの不評が多い。

 首相は布マスク配布について「マスクが手に入らずに困っている方々がたくさんいるという認識のもと、配布することにした。洗えば何回も使え、マスク需要の抑制にもつながっていく」と説明。さらに「シンガポールでも全国民に布マスクの配布を行い、パリ市でもそういう決定がなされたと聞いている」と配布の妥当性を強調した。

 さらに朝日新聞の質問に対して御社のネットでも布マスクを3300円で販売しておられたと承知している。つまり、そのような需要も十分にある中で2枚の配布をさせていただいたと皮肉った朝日新聞社が運営する通販サイト「朝日新聞SHOP」は17日現在で「物流に支障が出る恐れがある」として受注停止となっている。

 

2019年12月28日 (土)

【広河隆一】“人権派の重鎮”✍15年に及ぶ“爛れた性犯罪”

広河隆一による性被害検証委が認定 パワハラも多数

朝日新聞デジタル 2019年12月27日(金)18時15分配信

 報道写真誌「DAYS(デイズ) JAPAN(ジャパン)」(今年休刊)で、長く編集長を務めたフォトジャーナリストの広河隆一氏(76)が性暴力の告発を受けた問題で、同誌の発行元であるデイズジャパンは27日、有識者による検証委員会の報告書をホームページで公表した。性交の強要などの深刻な性被害のほか、セクハラやパワハラが多数あったと認定した。

 報告書によると、広河氏は2004年~17年、同社社員やボランティア、インターン、アルバイトなどの女性に対し、性交の強要や身体的接触、裸の写真撮影などを行っていたという。

 性交の強要などの深刻な性被害は、ボランティアやアルバイトの20代前後の女性に集中しているという。性交の強要について、広河氏は「女性の合意があった」と主張したが、検証委は、合意を裏付けるような説明はなかったとした。

 検証委は「著名なフォトジャーナリストとしての肩書を濫用(らんよう)し、女性たちから自身への尊敬の念に乗じ、権力性を背景に重ねた、悪質な代償型セクシュアルハラスメント」と指摘した。

 このほか、残業代の不払いや休日出勤の強要などをして、社員が断ると怒鳴るなどのパワハラがあったことも認定した。

「あの人(広河隆一)は私を2週間毎晩レイプした」被害女性が涙の告発

文春オンライン 2019年12月27日(金)20時45分配信

「週刊文春」に掲載されたライター・田村栄治氏の記事により明るみに出たフォトジャーナリスト・広河隆一氏のセクハラ、パワハラ問題。12月27日、検証委員会の報告書が自身が発行人を務めていた「DAYS JAPAN」のウェブサイトで公開された。報告書は、広河氏による性被害やセクハラ、パワハラが多数あったことを認定。検証委員会に寄せられた証言に基づき、報告書にまとめられたセクハラ被害(2004-2017年)は以下の通り。

・性交の強要 3人
・性交には至らない性的身体的接触 2人
・裸の写真の撮影 4人
・言葉によるセクシャルハラスメント(性的関係に誘われる等)7人
・環境型セクシャルハラスメント(AVを社員が見える場所に置く)1人

 また、報告書では広河氏のパワハラ行為についても分析している。

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  広河氏の実像を報じた「週刊文春」の記事 を受け、新たに寄せられた女性の告発を報じた2019年2月7日号の記事を再編集の上、公開する。なお、記事中の年齢や日付、肩書き等は掲載時のまま。

◆◆◆

 2018年末、発売と同時に大きな反響を呼んだ広河氏への女性7人の告発。「セックス要求」「ヌード撮影」などの被害を読んだある女性から、新たな告発が寄せられた。そこには、前回記事よりもさらに苛烈な、女性を「性の玩具」として扱う、おぞましい実態があった。(文・田村栄治)

◆◆◆

「涙が出ました、やっと救われます」。フォトジャーナリスト広河隆一氏(75)の性暴力を告発する本誌記事(1月3日・10日号)を読んだ首都圏の主婦から、そんな言葉で始まる被害証言が編集部に寄せられた。「墓場まで持っていくつもりでした」という彼女の口から語られたのは、人権尊重を掲げてきた写真家の行為とは想像しにくい、おぞましい性暴力の実態だった。

◆◆◆

前回記事にも増して衝撃的な悪質さ

“人権派”ジャーナリストとして国内外で知られ、報道写真誌「DAYS JAPAN(デイズジャパン)」(以下DAYS)を15年間発行してきた広河隆一氏。彼が立場を利用し、DAYSのスタッフやボランティアの女性たち7人に性暴力・セクハラを働いていたことを、私は本誌1月3日・10日号で報じた。

 これを受け広河氏は、「私の向き合い方が不実であったため、このように傷つけることになった方々に対して、心からお詫びいたします」とのコメントを発表。DAYSを発行する会社と、福島の子どもたちの保養に取り組むNPOの役職を解かれたと述べた。

 性加害者としての実像を暴かれ、すでに社会的地位や名誉を失墜した人物に追い打ちをかけるような報道は、妥当なのか――。今回の記事を書くにあたり、私にはためらいもあった。

 だが、翔子さん(30代・仮名)が証言した広河氏の性暴力は、前回記事にも増して衝撃的な悪質さだった。人権尊重を唱える人物が他人の尊厳をどれほど見下せるのか。その「振り幅」を知らせることは、性暴力について社会の理解を深めるのに役立つと考えた。

 広河氏が自らの性暴力を矮小化するのを放っておいてはいけないという思いもある。

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 前回記事が出た後、広河氏は「傷つけたという認識に欠けていた」(本人コメント)、「『加害者意識』を持っていなかった、持てなかったことに問題の本質がある」(毎日新聞への回答)などと説明している。しかし、彼の性暴力の凶悪さを知れば、そんな取り繕うような言葉で片付けられることではないと理解していただけるはずだ。

 一人でも多くの被害者の声を伝えることで、誤解や軽視されがちな被害者の苦しみに、思いを致す人が増えるだろうという判断もあった。それが、性暴力やセクハラを減らすことにつながると私は信じている。被害者が体験を語り、加害者の責任を問うことが「癒し」に有効とされることも、今回の執筆を後押しした。

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 この先、性暴力に敏感な読者は注意して読み進めていただきたい。被害者の身元や被害の時期、場所などはあえて詳述していない。

◆◆◆

「俺の女にならないか。妻とはセックスレスだ」

 ジャーナリストに憧れていた翔子さん(当時20代前半)が広河氏と出会ったのは、2000年代後半の秋だった。大学で女性差別をテーマにした集会があり、広河氏が講演した。終了後、広河氏から声をかけられ、京王線・明大前の広河氏の個人事務所で、作品整理などのアルバイトをすることになった。

 事務所に通い出してすぐ、新宿駅西口のヨドバシカメラに一緒に行くよう広河氏に言われた。取材機器を買った後、近くの居酒屋に誘われた。飲食を終え席を立つ間際、広河氏から目を合わされずに、こう言われたという。

「俺の女にならないか。妻とはセックスレスだ。俺の女になると、報道人生うまくやっていけるぞ」

 は? という態度を翔子さんが見せると、広河氏は不機嫌そうに店を出たという。

 冬が近づいたころ、広河氏から海外取材に同行してほしいと言われた。ジャーナリズムにも国際情勢にも疎い自分がなぜと思ったが、日本人に馴染みの薄い土地に行けることや、著名ジャーナリストの仕事を間近で見られることへの期待がふくらんだ。翔子さんも現地で写真を撮っていいと言われたことも魅力だった。

「『俺の女に』と誘われた一件もあったので、性的なことへの心配はありました。でも、現地妻がいるという噂を聞いていたし、向こうでドイツ人女性ジャーナリストたちと合流するという説明も受けていた。私は海外が初めてで、親も心配していたのですが、広河は『周りにはこう伝えなさい』と私に直筆のメモを渡しました。そこにも、現地で女性ジャーナリストたちと合流すると書いてありました」(翔子さん)

 12月中旬、翔子さんは広河氏と2人、成田空港を飛び立つ。航空券やホテルは、DAYSのスタッフが手配したと聞いていた。

ホテルに行くと、部屋は一つ

 現地に着き、取材先の事務所に立ち寄ってからホテルに行くと、部屋は一つしか取っていなかった。広河氏は現地妻のところに行くのだろうと翔子さんは考えた。しかし、広河氏は当然のことのように部屋に一緒に入って来た。翔子さんは努めて平静を装い、取材先で会った人たちのメモを整理した。

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 少しして、広河氏にこう言われたという。

「取材先の男性スタッフたちが、君を貸してほしいと言っている。どうするか」

 どういうことですか? と翔子さんが尋ねると、広河氏からは次のような言葉が返ってきたという。

「僕らの滞在中、彼らは君を借りてセックスしたいそうだ。彼らにとって君は外国人だからね。君はどうするか。彼らとセックスするか。それとも僕と一つになるか。どっちか」

 混乱と絶望で茫然としていると、広河氏にシャワーを浴びるよう命じられた。眠りに落ちてほしいと願いながら20分以上シャワーを浴びていると、「何やってる! 待たせるな!」と怒鳴り声が聞こえた。シャワー室を出る前、洗面台の棚に置かれた小皿の中に、部分入れ歯が水に浸されているのを見た。

この日から帰国するまでの2週間に起きたこと

 この日から帰国の途につくまでの2週間、日中は広河氏のインタビュー取材を撮影するなどし、夜は毎晩、同じホテルの部屋で広河氏に「レイプ」されたと、翔子さんは話す。

 広河氏はバイアグラを常用し、「高い」とこぼしていたという。避妊具を使わず膣外射精で終わらせることもあったという。

 現地で合流すると聞いていた人たちの姿を、翔子さんは最後まで見なかった。悪夢のような2週間をこう振り返る。

「恐ろしくて逃げ出したかった。妊娠と性病の恐怖も感じていた。でも、知らない国で誰にも助けを求められず、ただただ広河の言うことを聞くしかありませんでした。広河には『君のような学歴のない人は、こうしなければ報道では生きていけない』と言われ、きつく口止めされました」

 帰国後、翔子さんは再び広河氏の事務所に通う。海外取材のデータ整理は自分しかできないという責任を感じていた。アルバイトを急に辞めれば、事務所や学校の人たちに、広河氏と何かあったと思われると考えた。頭は混乱していたが、必死に“普通”を装った。

「内面では常に罪悪感に襲われていました。父親より年上のおじいさんとセックスしたという事実が、ものすごく苦痛でした。

 誰かに助けてほしい。けど、何があったか死んでも言えない。当時は広河のジャーナリストとしての地位は圧倒的だと感じていましたから、もし誰かに話しても、『ついて行ったあなたが悪い』と言われるだけだと思っていました。悲しくて、苦しくて、本当に辛い日々でした」(翔子さん)

「資料室」のエアーベッド

 だが、そんな苦痛などお構いなしのように広河氏にもてあそばれたと、翔子さんは話す。

 日中、事務所でパソコンに向かって作業をしていると、広河氏がコンビニ弁当を差し入れに来ることがあった。室内に翔子さんだけのとき、広河氏にすっと背後に立たれた。後ろから胸をまさぐられ、指先で乳首をいじられたという。

 興奮した広河氏からはたびたび、事務所の下の階にあった「資料室」に一緒に行くよう命じられた。室内にはセミダブルの青色エアーベッドがあり、その上でセックスを強要された。写真を撮られ、ビデオも撮影された。この部屋でセックスを強いられたのは4回ほどだったという。

 資料室にエアーベッドが置かれていたことは、同時期にこの部屋に出入りしていた別のアルバイト学生の記憶とも合致する。

 翔子さんが言う。

「セックスは苦痛でたまりませんでした。でも広河とのことがバレて、『海外取材のためなら、おじいさんともセックスする女だ』と思われたら、もう生きていけないと思っていました。嫌だ、怖い……そういう思いで自分を押し殺し、淡々と従っていました。

 性行為をされているときは、『これは自分の身体ではない』と自分自身に言い聞かせていました。次第にセックスという行為が軽いものに思えてきて、『服従したほうがいい、それしか選択肢はない』と思うようになりました」

「女性は嫌がると妊娠しやすくなるから気をつけろ」

 資料室でのセックスでも、広河氏は避妊具を使わないことがあったという。性行為中、翔子さんが惨めで泣きそうになると、ニヤニヤした表情の広河氏にこう言われたという。

「女性は嫌がると妊娠しやすくなるから気をつけろ。戦地に妊婦が多いのはレイプが行われているからだ」

 翔子さんによると、セックスの際、肌が透けて見える前あきの白い上着を着るよう、広河氏に指示されたことがあった。蝶の形をした青色の器具を性器に装着され、明大前の商店街を歩くよう命じられたこともあった。広河氏は少し後をついてきて、リモコンで器具を作動させていたという。

 このころ翔子さんは、アルバイトを終えて帰宅すると、自然と涙があふれ出た。体に重りをつけられたように感じ、ベッドから起き上がるのも億劫だった。頭がぼうっとし、考えることができなかった。

「自分は汚い、ダメな人間だ……。そう思って、このまま消えたくなりました」

しばらくは人を信じることができず

 ある日、資料室で何度目かのセックスを終えたあと、翔子さんの足の傷を見た広河氏に、「その足はなんだ。汚い肌だな。もう他の女を探そうかな」と言われたという。広河氏から年齢を尋ねられ、翔子さんが20代前半の実年齢を言うと、こんな言葉を浴びせられたという。

「もうセックスの女としては終わりだな」

 この後、広河氏からの性暴力は減った。データ整理の仕事が終わったのをきっかけに、翔子さんは広河氏の事務所を去った。大学で初めて広河氏に声をかけられてから、9カ月が経っていた。

 広河氏にさんざん蔑まれ、まるで玩具のように扱われたという屈辱感と、性的行為をきっぱりと拒絶できなかったことへの自責の念は、翔子さんの深い部分を侵した。

 しばらくは人を信じることができず、うつのように無気力な状態が続いた。被害を誰にも知られたくないことから、親や友人と距離を置いた。医師やカウンセラーにも頼れず、精神的に孤立した。報道の仕事につくと広河氏といつ会うともしれないと恐れ、進路を変えた。

 年月が経ち、男性に対して信頼と愛情をもてるようになってからも、背後から胸を触られると、広河氏の記憶がフラッシュバックした。嫌悪感とともに、激しい怒りが込み上げた。そのたび、懸命に抑え込まなくてはならなかった。

 それでも結婚、出産をし、幸せな時間も訪れた。

「墓場まで持っていく」

「初めて子どもに授乳して乳首を吸われたとき、ああ乳首はこのためにあったんだと感じました。広河の呪縛から少し解放された気がしました」(翔子さん)

 現在の翔子さんは一見、過酷な性暴力を生き延びてきたことを感じさせない。笑顔は明るく、物腰は柔らかだ。被害について語るときも落ち着きを失わない。「優しい夫と子どもたちに救われています」と翔子さんは話す。

 広河氏の性暴力にあったことは「墓場まで持っていく」と決めていた。実際、これまで誰にも話したことはなかったという。

 昨年暮れ、子どもを寝かしつけた後に布団に入ったまま携帯電話でニュースを読んでいると、広河氏を告発する本誌記事に目が止まった。性暴力の被害を受けた女性の話に涙が止まらなかった。封印していた記憶が翔子さんの奥底からあふれ出した。

「2週間毎日レイプされた」

「逃げたくても彼を頼るしか無かった」

 携帯画面に打ち込み、送信した。「0時14分」という受信記録が本誌編集部に残っている。

 自分でもなぜかわからなかったが、広河氏と行った海外取材の関係書類を捨てずに持ち続けていた。翔子さんは「広河を訴えたいという気持ちは、意識しなくなっていましたが、消えることはなかった。いつかこれが役立つ日がやって来ると感じていたのかもしれません」と話す。

 一月上旬、私の取材に応じた翔子さんは、当時の日程表やビザの申請書類、パスポートのコピー、広河氏の手書きメモなどをバックパックから取り出し、私に渡すとこう言った。

「差し上げます。適当に処分してください。あー、これでやっと手放せます」

◆◆◆

 翔子さんの証言を、広河氏はどう受けとめるのか。

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 広河氏に質問書を送信し、携帯電話にメッセージを2回残し、催促のメールも複数回送って6日間待ったが、返事はなかった。代理人の森川文人弁護士にも質問書を送ったが、なしのつぶてだった。

 前述の毎日新聞では「『性行為の強要』については、女性との間に合意があったと認識していました」と述べている広河氏。本当にそうした感覚で翔子さんたちに性暴力を振るっていたとすれば、彼の心の闇はあまりに深い。

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2019年6月 2日 (日)

【日米韓】続・日米蜜月✍「ハズされる韓国」を嗤う

日米中露の首脳をストーカーする文在寅

韓国国民の前で虚妄の“外交大国”を演出

デイリー新潮 2019年6月2日(日)18時00分配信

 首脳会談を日米中ロに哀願する文在寅(ムン・ジェイン)政権。「大国も北朝鮮も操る外交大国」を演じるための偽装工作だ。(鈴置高史/韓国観察者)

「短時間でいいから韓国に来て」

 5月28日、韓国外交部が国会議員と現職の外交官を「機密漏洩」で告発すると発表した。発端は最大野党、自由韓国党の姜孝祥(カン・ヒョサン)議員が5月9日、会見で以下のように語ったことだ。

●文在寅大統領がトランプ大統領と(5月7日に)電話協議した際、「短時間でも韓国を訪問して欲しい」と述べ、(5月下旬の日本訪問後の)訪問を説得した。

●これに対しトランプ大統領は「興味深い問題だ」と言いながらも「日本訪問後に短時間立ち寄れば十分だろう」「在韓米軍の前で文大統領と会うことが可能か考える」「最終的にはボルトン国家安全保障補佐官に5月下旬の訪韓が可能か検討させる」と答えた。

 青瓦台(大統領府)はこの発言に強く反発。報道官が直ちに「外交慣例に反する根拠のない発言だ」と批判した。

 外交部も姜孝祥議員の高校の後輩である外交官がこの電話協議の内容を漏らしたと明らかにしたうえ「機密漏洩事件」と銘打って反撃に出た。

 すると保守派は「機密漏洩と言うなら、姜孝祥議員の発言は事実ということになる」と政権側の主張の矛盾を追及した。

同盟破綻を隠す「物乞い外交」

 自由韓国党も追及の手を緩めなかった。5月23日には羅卿瑗(ナ・ギョンウォン)院内代表が「トランプ大統領にどうか一度来てほしいと乞うたのではないか。韓米同盟の破綻を隠すために、どうにかして握手する写真を見せようとしたのではないか」「外では物乞いし、内では欺瞞し弾圧する政権」と決めつけた。

 朝鮮日報も5月25日、社説で「こんなことが機密に当たるのか。青瓦台も電話協議後にはトランプ大統領の訪韓に関し議論したと公表したではないか」と批判した。

 産経新聞も文在寅政権を苦境に追い込んだ。5月27日の「トランプ氏、安倍首相に韓国への困惑伝える 『北と全く話進まなくなった』」は、トランプ大統領が安倍晋三首相に「文氏から『来てくれ、来てくれ』と再三にわたり訪韓要請を受けた」と語ったと伝えた。「物乞い」を日本の新聞に確認されてしまったのである。

 文在寅政権が国会議員と外交官を告発すると発表したのは、追い詰められたあげくの負け惜しみだ。これも韓国の保守からは「だったら“機密”を安倍首相に漏らしたトランプ大統領も告発したらどうか」と揶揄されてしまったのだが。

「機密漏洩事件」は韓国政界のドタバタ事件に留まらない。羅卿瑗・院内代表がいみじくも語ったように、米韓同盟は破綻の危機に瀕している。

 国民から悟られないうちに静かに同盟を解消に持ち込もうとする親北左派と、それを阻止しようとする親米保守の戦いが始まったのだ。

文在寅の口を封じたホワイトハウス

 ホワイトハウスは6月28、29日に大阪で開かれる20カ国・地域(G20)首脳会議の前後にトランプ大統領が韓国も訪れ、文在寅大統領と会談すると5月15日に発表した。

 韓国の「物乞い」に根負けしたのだろう。ただ、意味ある会談になると期待する外交関係者は皆無だ。主要議題となるのは北朝鮮の非核化だ。トランプ政権は経済制裁を続ければ、北朝鮮は音を上げると踏んでいる。

 これに対し文在寅政権は体制が揺れる金正恩(キム・ジョンウン)政権を助けようと、援助を画策する(デイリー新潮「文在寅は金正恩の使い走り、北朝鮮のミサイル発射で韓国が食糧支援という猿芝居」参照)。

 米韓首脳会談がうまくいくわけはないのだ。それどころか会談が決裂し、同盟が崩壊に向け一気に動きださないとも限らない。

 4月11日にワシントンで開いた米韓首脳会談では、両大統領だけの単独会談はたったの2分間に終わった。それも両夫人が陪席するという奇妙な形式だった(デイリー新潮「米韓首脳会談で赤っ恥をかかされた韓国、文在寅の要求をトランプはことごとく拒否」参照)

 ホワイトハウスは決定的な亀裂が入ることを避けるため、会談冒頭の記者団とのやり取りを引きのばして文在寅大統領の発言を封じたのである。

 米政府が運営する放送局VOAが「米韓首脳会談、北朝鮮の石炭は? 中ロも突破口を模索か?」(4月13日、英語による動画、字幕は韓国語)ではっきりとそう報じた(開始6分25秒から)。https://www.voakorea.com/a/4873937.html

安倍首相にも「韓国は不快」

 トランプ大統領自身も、会談する意味のない文在寅大統領と会うのは時間の無駄と考えているのに違いない。だから5月7日の電話協議で首脳会談を持ちかけられた際も「在韓米軍の前で会う」と言ったのだ。訪韓するのなら米軍を激励する旅にしたい。そのついでに会うのはやぶさかではない、という意味だ。

 安倍首相に「『来てくれ、来てくれ』と再三にわたり訪韓要請を受けた」と語ったのも、ストーカーのように付きまとわれる不快さを思わず漏らしたということだろう。

 もっとも文在寅政権としては、どんなに嫌われようと米国との首脳会談が必要だ。羅卿瑗・院内代表が指摘したように、米韓同盟が破綻しかけていることを国民に意識させないためだ。

 トランプ政権は米韓同盟の廃棄を交換条件に北朝鮮の非核化を目指す(拙著『米韓同盟消滅』(新潮新書)第1章「離婚する米韓」参照)。

 親北の文在寅政権にとっても米韓同盟の廃棄は願ってもない。ただ、そう言い出せば保守に加え、普通の韓国人も死に物狂いで反対するであろう。だから今現在は「米国との固い絆」を演出して見せるのだ。

 一方、トランプ政権も今現在は「韓国との同盟」を重視するフリをせざるを得ない。「非核化」と交換する前に同盟が破綻すれば、取引材料がなくなってしまうからだ。このため、渋々にしても、訪韓要請を受けたのであろう。

 もちろん米韓の「かりそめの同盟堅持」は、いずれ破綻する可能性が高い。文在寅政権が北朝鮮の非核化を、体を張って阻止するからだ。

 米韓同盟を廃棄すれば米国の核の傘も消滅する。自前の核を持たない限り、韓国は北朝鮮の核を「民族の核」として頼りにするしかなくなるのである(拙著『米韓同盟消滅』(新潮新書)第1章「離婚する米韓」参照)。

「仲裁者」のお株を奪う日本

 文在寅政権は日本に対してもG20の場を生かした日韓首脳会談を打診する。ただ、当初は本気ではなかった。

 5月9日、就任2年を記念した会見で日韓関係について聞かれた文在寅大統領は「日本の政治指導者が常に国内政治問題として扱うため、歴史問題は解決しない」と語り、安倍晋三首相に関係悪化の責任を全面的に押し付けた。

「(G20首脳会議で)訪日するので、その際に安倍首相と会談できればよい」とも答えたが、「責任転嫁発言」から考えて、会談には乗り気ではないと受け止められた。

 だが、5月25日からのトランプ大統領の3泊4日の訪日で風向きが変わった。日米の蜜月ぶりを見た韓国人が自らの孤立を痛感したからだ。

 中央日報は社説「日米は蜜月なのに韓国は『蚊帳の外』」(5月28日、日本語版)で「日本が米国との関係強化を基に北朝鮮との仲裁者になるかもしれない」と警告を発した。

 米国とも日本とも関係が悪化した韓国は、「仲裁者」というお株を奪われるとの焦りの表明だ。日本からすればあまりの過大評価だが、韓国からはそう見えるのである。

「安倍が恥をかくぞ」

「北朝鮮との仲裁者」が唯一の売り物の文在寅政権も、このままではまずいと考えたのだろう。韓国政府の関係者が日本の外交関係者に日韓首脳会談に応じるよう訴え始めた。

 もっとも韓国政府には、対日政策を軌道修正する考えはみじんもない。日韓の外交的な約束を踏みにじったいわゆる「徴用工」判決も放置する。自衛隊機に向けての射撃管制レーダー照射も「なかった」と言い張る。

 日本はそんな韓国を相手にしない。すると韓国側は、「G20を主宰する安倍首相が客として呼ぶ文在寅大統領と会わなければ、日本が恥をかくことになる」との理屈をこねだした。

 もちろん、こんな屁理屈は通用しない。「日本に対し無法を繰り返す韓国の大統領と安易に会うほうが恥をかくことになる」と言い返されたらお終いなのだ。

 そもそも北朝鮮の核武装を幇助する韓国とG20を期に首脳会談を開けば、日本は世界に誤ったメッセージを送ってしまう。

 トランプ大統領と同様、安倍首相も「会っても意味のない人」にストーカーされるに至ったのである。

習近平にもプーチンにも

 文在寅大統領に追いかけられる、という点では習近平・中国国家主席も同じだ。4月30日、青瓦台の報道官は「韓中の首脳会談を推進するために中国側と緊密に意思疎通している」と語った。

 これを受け、中央日報が「習近平氏は訪韓するのにトランプ氏が来なければ? 韓国外交当局が苦心」(4月30日、日本語版)で「習近平主席が大阪でのG20出席を利用して訪韓する可能性がある」と報じるなど、韓国では中韓首脳会談の6月末開催が既定事実のように語られていた。

 だが、これも「韓国の妄想」だった。5月25日に韓国各紙がソウル市内のホテルの予約がキャンセルされたことを理由に「習近平の6月訪韓なし」と報じた。

 5月28日の中国・外交部の定例会見で韓国記者から「訪韓取り消し」に関し聞かれた報道官は「私はそんな計画も取り消しも聞いたことがない」と冷ややかに答えた。

 習近平主席の訪韓は北朝鮮訪問とセットで語られていた。米中経済戦争が激化する中、米国との関係悪化の危険を冒して習近平主席が訪朝する可能性は低い。

 それなのに韓国人は「米国の大統領も同時期に呼んであるから、ソウルが米中両大国の外交舞台になる」と言い合っていたのだ。

「呼びつけられる」という意味ではプーチン大統領も同じだった。4月25日、文在寅大統領は訪韓したロシアのパトルシェフ安全保障会議書記らと会談し「できるだけ早い時期にプーチン大統領が訪韓することを願う」と述べた。ロシア側は返事をしていない。

全方位ストーカーで皆が迷惑

 周辺各国に仕掛ける文在寅大統領の全方位ストーカー外交。「米朝間での仲介役」を演じるという背伸びが原因だ。

 米朝の情報機関が首脳会談の開催で合意した時、面子を失うことを恐れた韓国が「仲介したフリ」をさせてくれるよう米国に頼み込んだ。

 韓国に会談を邪魔されることを懸念した米国はその役割を演じることを許した。だが、韓国の実力はすぐに馬脚を現わし、北朝鮮からは「使い走りもできない」とバカにされるに至った(デイリー新潮「金正恩が文在寅を“使い走り以下”の存在と認定 韓国『ペテン外交』の大失敗」参照)。

 そんな韓国を見て、日本も日韓首脳会談にますます消極的になった。拉致問題解決のため、韓国に「北朝鮮との橋渡し」を期待しても意味がないからだ。

 米国にとっても韓国は「いつか捨てるためのカード」でしかない。中ロが見ても、韓国は国際関係に影響を及ぼす力を一切持たない。

 周辺国からは実力をすっかり見透かされているのだが、韓国人はいまだ自分の国が大国をも仕切る外交大国と信じたい(拙著『米韓同盟消滅』(新潮新書)あとがき「中二病は治るのか」参照)。

 文在寅大統領はまだまだ「仲裁者」を演じ続けねばならないのだ。ストーカーされる側にとってはいい迷惑なのだが。

鈴置高史(すずおき・たかぶみ)
韓国観察者。1954年(昭和29年)愛知県生まれ。早稲田大学政治経済学部卒。日本経済新聞社でソウル、香港特派員、経済解説部長などを歴任。95~96年にハーバード大学国際問題研究所で研究員、2006年にイースト・ウエスト・センター(ハワイ)でジェファーソン・プログラム・フェローを務める。18年3月に退社。著書に『米韓同盟消滅』(新潮新書)、近未来小説『朝鮮半島201Z年』(日本経済新聞出版社)など。2002年度ボーン・上田記念国際記者賞受賞。

関連エントリ 2019/05/30 ⇒ 【日米韓】日米蜜月✍「ハズされる韓国」を嗤う

 

2019年4月17日 (水)

【米韓首脳会談】金正恩の演説「使い走り以下」✍文在寅の立ち位置

金正恩文在寅を“使い走り以下

存在と認定 韓国ペテン外交」の大失敗

デイリー新潮 2019年4月16日(火)17時01分配信

「米朝の間を取り持っている」と自ら誇ってきた文在寅(ムン・ジェイン)政権。その化けの皮がすっかり剥がれた。北朝鮮から「仲介役」どころか「使い走り」以下の存在と認定されたからだ。

右往左往で「制裁緩和」不発

 4月12日、金正恩委員長は最高人民会議で施政方針を演説した。北朝鮮の対外宣伝サイト「我が民族同士」が報じた「金正恩党委員長が最高人民会議第14期第1回会議で施政演説を行う」(4月13日、日本語版)によると、金正恩氏は文在寅大統領を冷たく突き放した。以下だ。

《南朝鮮当局は、すう勢を見てためらったり、騒がしい行脚を催促しておせっかいな「仲裁者」「促進者」の振る舞いをするのではなく、民族の一員として気を確かに持って自分が言うべきことは堂々と言いながら、民族の利益を擁護する当事者にならなければならない。》

「すう勢を見てためらったり」のくだりは、朝鮮語版の原文を直訳すれば「すう勢を見ながら右往左往し」である。「おせっかい」に関しては「でしゃばり」と、より強く訳したほうが正確と言う韓国人もいる。

 4月11日の米韓首脳会談を前に、文在寅政権は北朝鮮に対する経済制裁の緩和を求める姿勢を打ち出していた。ところがいざ本番の会談で、文在寅大統領はトランプ大統領に抑え込まれ、制裁緩和を言い出せなかった(デイリー新潮「米韓首脳会談で赤っ恥をかかされた韓国、文在寅の要求をトランプはことごとく拒否」[4月12日]参照)。

 文在寅大統領を「使い走り」にして制裁緩和を狙ってきた金正恩(キム・ジョンウン)委員長は、さぞ失望したことだろう。そこで「民族の一員として言うべきことは堂々と言え」と叱り飛ばしたのだ。

「騒がしい行脚を催促しておせっかいな『仲裁者』『促進者』の振る舞い」とは、米朝の間の仲介役を自認する文在寅政権が、今回の米韓首脳会談を受けて南北首脳会談の開催に動いていることを指す。

 北朝鮮にすれば、「使い走り」にも失敗した韓国が、いまだに「仲介役」を自認して南北首脳会談を望むなど片腹痛い。

 そこで「民族の利益を擁護する当事者にならなければならない」――身の程知らずの「仲介役」ごっこはやめ、北朝鮮側に立て、と言い渡したのだ。

「2分間大統領」で赤っ恥

 自らに責任があるとはいえ、文在寅大統領は踏んだり蹴ったりだ。4月11日の米韓首脳会談では赤っ恥をかいた。

 首脳同士が同席者を交えず会ったのは2分間だけ。それも両首脳の夫人が同席した。予定されていた会談時間のほとんどを、トランプ大統領が記者団との質疑応答に使ってしまったからだ。

 結局、今回の首脳会談は、トランプ大統領が文在寅大統領に一方的に説教する光景を世界に見せつけるショーとなった。韓国語のネット空間では「2分間大統領」との揶揄が飛び交った。

 帰国した文在寅氏を待っていたのは非難の嵐だった。4月12日、野党第1党の自由韓国党の羅卿瑗(ナ・ギョンウォン)院内代表は「浮雲のような首脳会談だった。(米国に)なぜ行ったのか分からない。この政権は恥を知らない」と痛烈に批判した。

 東亜日報は社説「説得の対象はトランプではなく金正恩であることを再び思い出させた韓米会談」(4月13日、韓国語版)で「文大統領は今や、北朝鮮と米国の間の『仲裁者』ではなく、トランプ大統領の意思を金正恩に伝えるメッセンジャーの役割に忠実であらねばならぬ境遇に陥った」と嘆いた。

 赤っ恥をかいただけではない。同盟国の首脳を呼びつけてこれほどに貶めるのは、米国が韓国に信をおかず「北朝鮮の言いなりになるなら、同盟を打ち切ってもいいんだぞ」と言い渡したに等しい。

 朝鮮日報が社説「この韓米首脳会談は何だったのか」(4月13日、韓国語版)で「(文在寅政権が米韓の間の)考え方の違いを認めず、適当なショーばかり続けているようでは、最終的には破局が訪れる」と書いたのも、危機感の表れだ。

米朝双方からビンタ

 4月12日の金正恩演説には「私とトランプ大統領との個人的関係は両国間の関係のように敵対的ではなく、われわれは相変わらず立派な関係を維持しており、思いつけば何時でも互いに安否を問う手紙もやり取りすることができる」とのくだりもある。

 中央日報はこれに注目した。「トランプと直取引可能という金正恩、韓国には『おせっかいな仲裁者』」(4月14日、日本語版)で「韓国の仲裁がなくても米国と対話が可能だという話だ」と指摘した。

 この記事が懸念したのは韓国が「仲裁者」の地位を失ったことに留まらない。米朝双方から相手にされていないのに、韓国が「仲裁者」の肩書きにこだわって余計なことをしでかせば、双方からいじめられる可能性である。以下に記事の日本語を整えて引用する。

《文大統領はトランプ大統領との会談で、北朝鮮の非核化と米朝対話の必要性という原則的な水準を超える合意を得ることができなかった。それに続き北朝鮮まで(韓国に)反発する姿勢を見せた。韓国政府の仲裁の役割に困難が予想される。》

《元韓国政府高官は「仲立ちを失敗すれば頬を3度打たれる」ということわざがある。急いで進めればことをしくじりかねない。米朝双方から頬を打たれないためには、水面下での接触や特使派遣などを通じて十分に協議し調整する余裕が必要だ」と語った。》

 自由韓国党は4月12日、「黄教安(ファン・ギョアン)代表の5月訪米を推進する」 と発表した。トランプ大統領とも会談する計画だ。同党報道官は「このままでは米韓同盟が壊れる可能性が高い。第1野党としても声をあげねばならない」と説明した。

特使の話をさえぎったトランプ

 トランプ大統領からは赤っ恥をかかされ、金正恩委員長からは「使い走り」もろくにできないと嘲笑された文在寅大統領。要は、米朝双方から「お前などなくても困らない」と言い渡されたのだ。なぜこんな国を滅ぼしかねない「外交失策」を犯したのか。

 米朝間の仲介役でもないのに、そう思い込んでしまったのが原因だ。トランプ政権は情報機関同士の接触を通じ、北朝鮮と首脳会談で合意した。

 ただ、韓国を無視して事を進めれば、すねた文在寅政権が何をしでかすか分からない。そこで、北朝鮮に特使を派遣して金正恩委員長の非核化の意思を確認する――という韓国のシナリオに敢えて乗った。

 北から戻った特使団の団長である鄭義溶(チョン・ウィヨン)大統領府・国家安保室長が直ちに訪米してトランプ大統領に面会し、金正恩委員長の意思を伝える、という韓国作の政治ショーも米国は容認した。2018年3月のことである。

 単なるショーに過ぎないから、せっかちなトランプ大統領は鄭義溶室長の説明を終わりまで聞かず、途中で話をさえぎって金正恩委員長との会談に応えると宣言した。

「半島の仕切り役」と信じ込んだ韓国人

 北朝鮮も韓国を「使い走り」にするのに異議はなかった。「米国を騙して非核化はせず、制裁だけやめさせる」という作戦の手先に使えるからだ。

 仮にそれが不発に終わっても、米韓同盟に亀裂を入れることができる。北朝鮮の主張を韓国に代弁させれば、当然、米国は韓国に不信感を持つ。そして、少なくともこれには成功した。

 あくまでペテン劇に過ぎないのだが、自らが米朝の仲介役を果たしている――との虚構を、保守派を含めほとんどの韓国人が信じ込んだ。

「いつも知らないところで自分の運命が決められる」と考える韓国人は、「米朝の間に立って自分が仕切っている」という幻想に飛びついたのである。

 文在寅政権も、国民の支持を得るためのペテン劇を演じるうちに、自らもそれが真実と信じ込んだフシがある。韓国人は外国人に虚構の自画像を語るうちに、それが真実だと思い込んでいくことがよくある。

日本人にも威張る

 2018年6月の1回目の米朝首脳会談の後、日本人に肩をそびやかす韓国人が増えた。「韓国が朝鮮半島情勢を動かしているのに対し、日本は蚊帳の外だ」「拉致問題を解決したかったら、北朝鮮と深いパイプを持つ韓国に助けを求めよ」というわけである。

 多くの日本人が騙された。情けないことに、日本の一部メディアに加え、国際政治学者や朝鮮半島の専門家までもが「文在寅政権が平和をもたらした」と言い出した。

 専門家の中には「平和勢力の文在寅大統領に対し、米朝会談に否定的な安倍晋三首相は戦争勢力だ」と言い出す人も登場した。

 トランプ大統領が韓国特使の話を途中でさえぎったのを見ても、その後、米国が韓国に対北政策の手の内を明かさないことから考えても、「韓国は仲介役」との見方には疑問符が付く。

 だが、日本社会に根強い反安倍ムードに迎合し、韓国政府の宣伝を鵜呑みにして、日本人の前でそのまま開陳した専門家が多かったのだ。

安倍政権は「首脳会談拒否」

 しかし「真実の時」が来た。金正恩演説によって、韓国は「仲介役」ではなく、米朝の間を右往左往する使い走りに過ぎないことを、誰もが否定できなくなった。

 日本の動きが象徴的だ。共同通信は4月13日「首相、日韓会談の見送り検討」と題した記事を配信し「安倍晋三首相は6月に大阪で開く20カ国・地域(G20)首脳会合の際、韓国の文在寅大統領との個別の首脳会談を見送る方向で検討に入った」と報じた。

 日本経済新聞は「日韓懸案『首脳間の対話期待』 韓国・趙外務次官」(4月11日)で、趙顕(チョ・ヒョン)第1外務次官がG20での日韓首脳会談の開催に期待を示したと書いていた。この期待を蹴り飛ばした格好となった。

 共同の記事は会談拒否の理由を「文氏に冷え込んだ日韓関係を改善する意思が感じられず、建設的な対話が見込めない」(官邸筋)と説明した。

 それは当然の判断なのだが、もし韓国が北朝鮮に強い影響力を持つと認定するなら、拉致問題の解決を目指す日本政府は日韓首脳会談を自分から放棄しはしなかったであろう。

どこまでもついてゆく下駄の雪

 苦境に立った文在寅政権は正面突破作戦に出た。4月12日、大統領自らがSNSで「今回の首脳会談自体が米朝対話に向けた動力の維持に大きく役立つと信じる」と発信した。

 政権に近い左派系紙、ハンギョレも社説「南北首脳は早急に会い、虚心坦懐に対話せよ」(4月12日、韓国語版)で次のように主張した。

今回の会談でハノイでの朝米首脳会談後の不確実性を除去し、対話に向けた動力を維持するのに必要な契機を用意したともいえる。

今や文大統領には、韓米首脳会談の結果を持って金正恩・北朝鮮国務委員長と会い、朝米の立場の差を調整する仕事が残っている。

 トランプ大統領は金正恩委員長との再会談について「急げば良い取引にはならない」と記者団に語るなど、早期の会談に否定的な見解を示した。しかしハンギョレは「可能性はある」との発言部分を拡大解釈し、文在寅大統領が次の米朝首脳会談に道を拓いたと強弁したのだ。

 さらにこの「成果」を手に、南北首脳会談を開けると大風呂敷を広げて見せた。保守の「2分間大統領」批判への反撃である。

 文在寅政権には他の選択肢がない。今になって北との融和路線に逡巡すれば、保守から「そら見たことか」と総攻撃を受けてしまう。日本の政界用語でいう「踏まれても、蹴られても、ついていきます下駄の雪」に陥ったのだ。

 金正恩委員長から「使い走り以下」と酷評された後も、この政権は姿勢を変えなかった。4月15日、文在寅大統領は首席秘書官・補佐官会議で「今や、南北首脳会談を本格的に準備し、推進する時だ」と述べ、会談開催に意欲を燃やした。

 朝鮮日報は社説「『でしゃばり』との侮蔑には一言も言い返せず、金正恩がせよと言う通りにするのか」(4月16日、韓国語版)で「文大統領はそんな侮辱には一言も言及せず、金正恩の要求通りに『仲裁者』との表現もやめた」と、プライドのかけらもない国家首班への怒りをあらわにした。

「民族の核」に露骨に動く韓国

 日本として、文在寅発言には見逃せぬ点がある。大統領は南北首脳会談を推進する理由に、金正委員長が施政演説で「朝鮮半島の非核化や平和構築の確固たる意志を表明した」ことをあげた。

 だが、金正恩委員長は演説で「非核化を目指す」とは一度も言っていない。核に関しては「わが核戦力の急速な発展の現実から自分らの本土安全に恐れを感じた米国は(中略)先武装解除、後体制転覆の野望を実現する条件を整えてみようと非常にやっきになっている」と述べているだけだ。

「核を手放せば体制を倒される」と表明したわけで、「何があっても非核化はしない」と宣言したと読むのが普通だ。だが、文在寅大統領は「金正恩委員長は非核化の意思を表明した」と言い張ったのだ。

 ついに韓国は核武装した北朝鮮とスクラム手を組むことを表明した。「民族の核」の確保に人目も構わず走り出したのである(文在寅政権が北朝鮮の核武装を幇助していることについては、拙著『米韓同盟消滅』[新潮新書]第1章第4節「『民族の核』に心躍らせる韓国人」参照のこと)。

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鈴置高史(すずおき・たかぶみ)
韓国観察者。1954年(昭和29年)愛知県生まれ。早稲田大学政治経済学部卒。日本経済新聞社でソウル、香港特派員、経済解説部長などを歴任。95~96年にハーバード大学国際問題研究所で研究員、2006年にイースト・ウエスト・センター(ハワイ)でジェファーソン・プログラム・フェローを務める。18年3月に退社。著書に『米韓同盟消滅』(新潮新書)、近未来小説『朝鮮半島201Z年』(日本経済新聞出版社)など。2002年度ボーン・上田記念国際記者賞受賞。

相田みつを

関連エントリ 2019/04/12 ⇒ 【米韓首脳会談】<たった「2分」で終了>✍成果ゼロの内訳(笑)

 

2019年4月 6日 (土)

【ネットの闇】ホントに「羽生✍中傷バイト」は存在するのか??

◆ソースを手繰って🎧真偽を確かめられない“ネット情報”の👊拡散の手伝いだけはしたくないもんだと思う。

「『羽生選手』『キモすぎ』で記事書いて氾濫するトレンドブログ求人、仲介業者も対応強化へ

J-CASTニュース 2019年4月6日(土)11時00分配信

 フィギュアスケートの羽生結弦選手を批判するコメントを書き込んだら報酬――。こんな真偽不明の求人がSNSで拡散されている。

 はたして実在するのか。J-CASTニュースで真相を探ってみるも、募集主は特定できなかった。しかしこれとは別に、ネットで企業や個人が仕事を不特定多数に発注できる「クラウドソーシング」サイトで、羽生選手を含む著名人を、誹謗中傷するような記事が大量に募集されている実態も見えてきた。

「羽生バイト」は世論誘導が狙い?

 求人情報は2019年3月中旬、ツイッターで広く拡散された。あるユーザーが求人募集ページと応募後に送られてきた業務内容が記されたメールとされるもののキャプチャーを投稿した。

 それによると、羽生選手に関する記事に批判的な意見をネット上に書き込み、一方でフィギュアスケートの有名選手3人の実名を挙げ、彼らに好意的な意見を書くよう依頼している。

 目的については「現在のフィギュア界はとにかく羽生の人気が高い為、AとBとC(原文ではいずれも実名)のそれぞれのファンが結束する必要があるのです」とあり、世論誘導が狙いとみられる。

 J-CASTニュースで投稿者に募集主を質すが最終的に回答は得られず、前述の4選手の所属企業と日本スケート連盟にも聞くと、唯一回答があった羽生選手の所属先である全日本空輸(ANA)は把握していないという。結局、この「バイト」そのものについては、その実在の有無も含め、実態を明らかにすることはできなかった。

羽生選手に関する別の求人を発見

 しかし複数の求人サイトを調べると、クラウドソーシング大手の「クラウドワークス」で、羽生選手に関する記事作成の募集があった。

 募集要項では、「羽生結弦の以下どれかについて自由に書いてください」とし、見出し・本文に「キモすぎ」「嫌い」「ナルシスト」のいずれかを含むよう求めている。

 プロフィールによれば募集主は複数のサイト運営者だという。過去の募集を見ると2500件以上の実績があり、芸能人に関する記事の執筆が多数ある。

 先の羽生選手の求人は18年2月に募集があり、10件(1件41円)の受注が成立していた。

 そのほか同サイトで「羽生結弦」と調べると、下記のような記事執筆の募集が100件以上見つかった(終了分も含む)。

  「『羽生結弦』に関する内容で記事作成をお願いします。文章として成り立っていれば、評判、レビュー、批判、自身の意見何でもOKです」
  「あなたの、『羽生結弦』のイメージ、秘密、直近、今後の行方の予想 を感想や記事にしてください」

記事は「トレンドブログ」に掲載?

 クラウドワークスでは記事執筆の仕事は人気ジャンルだ。同サイトの仕事カテゴリーの一つである「ブログ記事作成」は11万件以上の募集(終了分も含む)があり、アイドルグループ「AKB48」や女優の広瀬すずさん、タレントのマツコ・デラックスさんなど著名人に関する募集が多い。

 実際にいくつか応募してみると、「〇〇の学歴!大学・高校・中学校はどこ?嫁は〇〇で子供は?」(伏せ字は編集部)といったように記事の見出しを指定して依頼するのが主流のようだ。

  「ネット情報だけではなく、自分の感想や意見なども盛り込みオリジナリティーを出す」
  「検索エンジンからの流入を増やすため、芸能人の名前をヤフーで検索したときに表示される虫眼鏡キーワード(検索数が多い関連語)を本文で網羅する」
  「写真はネットに公開された画像を使う。ダウンロードはせず、スクリーンショットを使う」

といった注意事項も伝えられた。

 応募した仕事の一つでは、運営するブログのコンテンツ管理システム(CMS)にログインし、直接本文を打ち込むケースもあった。

 同ブログの過去記事を見ると、著名人の噂話やスキャンダルを中心に扱っていた。こうしたサイトは「トレンドブログ(トレンドアフィリエイト)」と呼ばれ、アクセス数を増やして広告収入を得ることを目的とする。

過去には人種差別思想に基づくブログの記事募集も

 クラウドソーシングサイトをめぐっては、過去に騒動が起きている。

 DeNA(ディー・エヌ・エー)が運営する「キュレーション(まとめ)サイト」に著作権・薬機法違反や不正確な内容の記事が見つかり閉鎖に追い込まれた問題では、クラウドソーシングサイトを通じて多くの外部ライターが関わっていた。

 DeNAが委託した第三者委員会の調査報告書では、同社の発注方法やチェック体制に不備があったとしつつ、「専門的知見を有しないクラウド執筆ライターにおいて、複数のウェブサイトに掲載された記事の記載を適当につなぎ合わせて記事を作成するなどといったことは、記事内容の正確性を担保する上で、大いに問題があった」と指摘していた。

 また17年9月には、人種差別の扇動や特定政党の不支持を呼びかける政治系ブログの記事募集がクラウドワークスで見つかり、同じくクラウドソーシング大手のランサーズでも「政治系サイトのコメント欄への書き込み。保守系の思想を持っている方」と題した募集があり批判を集めた。両社はその後、差別や特定政党に関連する募集の対応を強化すると発表した。

羽生選手の記事は「不適切であると判断」

 前述した羽生選手への誹謗中傷ともとれる記事の募集は問題ないのか。

 求人を掲載したクラウドワークスの利用ガイドラインでは、「プライバシー権、肖像権、名誉、信用その他他人の権利を侵害し、損害を与える」仕事の募集を禁止している。

 同社広報は取材に「今回の内容が誹謗中傷を目的としたものなのか否かに関しては必ずしも言えない可能性もございますが、多くのユーザー様にとって不快な内容であったこという事実を重く受け止め、ガイドラインに則し掲載されていることは不適切であると判断」し、掲載を止めたと回答。

 広報によれば、求人は掲載前後にAI(人工知能)や目視などでガイドラインに違反していないか監視しているという。しかし、「芸能人に関するブログ記事作成のお仕事です」と内容があいまいな求人もあり、記者が応募した仕事の中にはサイト内のフォームではなく、外部のチャットツールで具体的な指示が送られるケースもあった。

 その点については「契約後、お仕事を進めていく上でのコミュニケーション手段については現在、依頼者と受注者の二者間でご決定いただいております。不適切な指示に関してはサービス外にてどのようなやりとりが行われているかや事実を、公平かつ正確に判断することは難しいため、基本的には二者間でご解決(契約の辞退、第三者機関への相談など)をお願いしておりますが、サービス外のやりとりでも、発注者側が明らかに規約違反・ガイドライン違反を行っている事実が確認できた場合、速やかに掲載中断、悪質な場合はアカウント凍結等の利用制限を行っています」とした。

 今回の件を踏まえ、「監視対象項目を見直し、AIによる検出対象ならびにユーザーサポートチームによる目視チェック範囲を拡大」すると明かし、詳細については「具体的な対応策や基準をお伝えすることによる、違反・悪質な仕事のすり抜けリスクを最小限に留めたく、お伝えを差し控えさせていただきます」とコメントするにとどめた。

 

2019年3月16日 (土)

【朝鮮人募集工】決裂!<日韓局長級会談>経済制裁✍秒読みへ

相田みつを

日韓局長級会談決裂!:yess:韓国への制裁発動秒読み”に…

:uff:日本にダメージ少ない金融制裁」で韓国に痛み」を

夕刊フジ  2018年3月16日16時56分配信

アゲ3 日本政府による韓国への制裁発動が、秒読み段階に入った。韓国最高裁による、いわゆる「元徴用工」への異常判決などをめぐり、日韓の局長級会談が行われたが、平行線に終わったのだ。韓国の原告側は、日本企業の資産を差し押さえ、着々と売却手続きを進めている。

日本政府は、企業に実害が出た場合、報復カードを切る方針だが、ここに来て、効果的な手段として「金融制裁」が浮上してきた。韓国のカントリー・リスクを引き上げることで、「反日」で狂奔する隣国を正気に戻そうというのだ。

「国際司法(裁判所への提訴)、対抗措置などあらゆる選択肢を検討している」

外務省の金杉憲治アジア大洋州局長は14日、ソウルの韓国外務省で開かれた金容吉(キム・ヨンギル)東北アジア局長との会談で、こう通告した。

注目の会談では、金杉氏が日本企業に実害が及ばないよう、韓国側の対応を求めたほか、請求権問題を「完全かつ最終的に解決済み」とした1965年の日韓請求権・経済協力協定に基づき、政府間協議の受け入れを要請した。韓国側は具体的な回答を示さなかった。

数々の暴挙で、日韓関係を「史上最悪」の状況に陥れておきながら、「反日」の文在寅ムン・ジェイン)政権には、問題を具体的に解決する意思はないようだ。

韓国の暴走について、麻生太郎副総理兼財務相は12日の衆院財務金融委員会で、「これ以上、事が進んで(日本企業に)実害が出ると、別の段階になる。その段階ではいろいろと考えねばならない」と警告し、具体的手段として、「関税引き上げ」や「送金停止」「ビザ発給停止」を挙げた。

日本政府はすでに、韓国への対抗措置として100前後の選択肢をリストアップしているとされる。

こうしたなか、韓国に「痛み」を与えて、日本のダメージが少ない報復カードとして「金融制裁」が浮上しているという。

経済評論家の渡邉哲也氏は「韓国の『カントリー・リスク』を引き上げればいい。国家間のトラブルがあるということは、『リスクが高い』という合理的判断ができる。一番簡単で、金融庁の通達1本でできる。事実上、韓国経済を取引停止状況に追い込むことが可能になる」と語った。

渡邉氏は、麻生氏を筆頭に、安倍晋三政権の閣僚らに知己がある。麻生氏は、金融庁を所管する金融担当相も兼務している。

カントリー・リスクとは、その国の政治・経済情勢によって企業などが損をしたり、資金回収ができなくなる危険性を指す。韓国のカントリー・リスクを引き上げることで、2つの効果があるという。

渡邉氏は「まず、韓国の銀行は現在、ドル送金ができないという報道がある。韓国企業は邦銀を含む外国銀行のソウル支店を利用して送金しているようだ。金融庁が保証債務のリスク区分を引き上げれば、邦銀は手を引かざるを得ず、ほかの外国銀行も手を引くことになる。韓国の外貨調達コストは一気に上がる」と語る。

韓国紙、中央日報(日本語版)は昨年11月、韓国経済新聞の記事として、米金融当局のコンプライアンス強化の要求に対応できないため、ニューヨークにある韓国系銀行の支店と現地法人が送金中継や貸付などの業務を相次ぎ中断していると伝えている。

もう一つ、カントリー・リスクの引き上げは、韓国の貿易も直撃するという。渡邉氏は続ける。

国際貿易でモノを輸入する際、『信用状』というものが使われている。企業の代金決済を保証する一種の手形のようなものだ。韓国の銀行の信頼は低く、簡単には受け取ってもらえない。邦銀が再保証する形で流通している。保証をやめれば輸入が止まる

これまで、日韓間では「政治と経済は別」という意識が強かった。だが、文政権の韓国は、国家間の約束も守らないうえ、海上自衛隊の哨戒機に危険な火器管制用レーダーを照射し、国会議長が「天皇陛下への謝罪要求」をするなど、常軌を逸している。

日本財界も、韓国の対応を問題視しており、1969年以降、毎年開かれていた「日韓・韓日経済人会議」も、今年5月にソウルで開催予定だったが延期となった。

前出の日韓局長級会談では、対立激化を回避する努力をしていくことで一致したというが、ボールは韓国が持っている。日本企業に実害が出る事態になれば、効果的な一打を返すしかない。

脅迫を再開した北朝鮮bunny.hanahoji核放棄意志最初からなかった

朝鮮日報オンライン  2018年3月16日9時15分配信

アゲ3 北朝鮮の崔善姫(チェ・ソンヒ)外務次官は15日、平壌で外信各社を招いた緊急の記者会見を行い「我々は米国の要求に対し、いかなる形であれ譲歩する意志はない」「米国との非核化交渉を中断することも考えている」などと述べた。ロシアのタス通信が報じた。

崔次官は、金正恩キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長が北朝鮮としての今後の行動計画を近く公式声明の形で発表することも明らかにした。崔次官の発言は、言い換えれば「すでに50年過ぎた寧辺の老朽化した核施設以外、何も差し出す考えはない」という意味だ。

寧辺のプルトニウム施設とウラン施設はもはや北朝鮮の核開発において主要な役割を果たしておらず、単なる交渉用のカードに過ぎない。そのためそれを差し出すことで制裁の全面的な解除を要求することは、今後も核を保有し続けることの意思表明に他ならない。

もしトランプ大統領がハノイで金正恩氏の一連の提案を受け入れていれば、世界中の識者が「米国は北朝鮮の核保有を認めた」と解釈したはずだ。金正恩氏が本当に核を放棄する決断を下したのであれば、極秘のウラン濃縮施設や核弾頭といった核心的な問題をめぐって再び米国との対話に乗り出しているはずだ。

ところが今回改めて脅迫を始めたことから考えると、北朝鮮は最初から核を放棄する意志などなく「非核化ショー」によって核保有を確かなものとする戦略を持っていたことがわかる。

金正恩氏は文在寅ムン・ジェイン)大統領やトランプ大統領、さらに韓国の特使団や米国の関係者らに「トランプ大統領の任期中に完全な非核化を行う」「何のために核を持ち続けて苦労するのか」「私の子供たちまで核を持たせたままにしたくない」などと語っていたが、これらは全て心にもないうそだったのだ。

米情報当局の複数のトップは全員がこの詐欺について把握していたし、今やトランプ大統領も知っている。韓国政府も最初からわかっていたはずだ。ただ知らないふりをして国民をだまそうとしていたのだ。うそが通用せず相手をだますことができないとなれば、テーブルをひっくり返して脅迫を始めるのが過去25年にわたり北朝鮮が繰り返してきた手口だ。

北朝鮮としてはすでに水素爆弾クラスの核兵器を手にしているため、もはや核実験は必要ないし、逆に核実験を続ければ苦労して生産した核物質を浪費するだけだ。ただし米国が嫌う大陸間弾道ミサイル(ICBM)については、今後も発射をちらつかせることで米国を刺激するだろう。

場合によっては実際に発射に踏み切り、相手を動揺させ有利な立場で交渉の再開に応じるかもしれない。北朝鮮のこの見え透いた手口にこれ以上だまされてはならない。北朝鮮は一線を越えることも、また最後の一線を越えることも絶対にできない。

なぜならそれによって金正恩氏が失うものがあまりにも多いからだ。今後も北朝鮮に対する監視を一切緩めることなく、制裁を徹底して続けていかねばならない。制裁の効果は少しずつ目に見え始めているし、また今後さらに拡大するだろう。北核廃棄は我々の忍耐にかかっているのだ。

四面楚歌文在寅bunny.hanahoji大統領

朝鮮日報オンライン  2018年3月17日5時06分配信

アゲ3 この春、文在寅(ムン・ジェイン)大統領が四面楚歌の状態となっている。文大統領の味方はどこにもいない。ほぼ門前払いの状況だ。PM2.5をはじめとする粒子状物質が猛威を振るった先週、文大統領は「中国と協力案を用意せよ」と指示した。

ところが、中国外務省報道局長は「科学的根拠を示せ」とコメントした。文大統領は「韓中両国が協力できるようにせよ」という公式に発言をしたが、中国の習近平国家主席がこれに反応を示すどころか、一介の外務省報道局長がしかり飛ばし、突き放したのだ。

韓国大統領が「共助」を口にしたのに、中国外務省報道局長が「根拠を出せ」と言ったのだ。韓国の一般国民ですらきまり悪く苦々しいのに、韓国大統領府にしてみれば言わずもがなだ。

ベトナム・ハノイで行われた米朝首脳会談が決裂した翌日、文大統領は「金剛山観光と開城工業団地事業再開案も米国と協議する」と言った。ところがその数日前、米国務省当局者は、北朝鮮・東倉里のミサイル発射場に関する質疑で、ある記者から「金剛山観光と開城工業団地事業に対する制裁免除を検討しているか」という質問を受けた。

すると米国務省当局者は一言、「ノー(No)」と答えた。この当局者は匿名を前提に記者会見したので実名は明らかにできないが、韓国でもよく知られている人物だ。文大統領が金剛山観光・開城工業団地事業再開を「協議」すると言ったのに、次官補クラスのこの米国務省当局者は何の説明もなく一言で「ノー」と黙殺した。恥ずかしいことだ。

国際社会で文大統領が「仲間外れ」にされていると言われるようになって久しい。一昨年に文大統領が北朝鮮に800万ドル(約8億9000万円)の人道支援をすると言ったところ、同年9月の韓米日首脳会談で仲間外れにされたと米紙ニューヨーク・タイムズが報じた。

英語で「odd man out」という表現だ。その後も、文大統領が中国に行った際は何度も一人で食事をする「一人飯外交」だと皮肉られたし、昨年10月のアジア欧州会議(ASEM)で各国首脳たちが記念写真を撮る時、文大統領が来るのを待たずに撮影が行われ、写真に入れなかったということもあった。

今回のハノイ米朝首脳会談では、米国の見解が完全に「ビッグディール(非核化一括妥結方式)」に転じ、決裂する可能性もあるということを韓国大統領府はその30分前までまったく知らず、「6.25戦争(朝鮮戦争)終戦宣言」の可能性があるなどとんでもないことを言っていた。

米国が現在、文在寅政権とリアルタイムで情報を共有していない証拠だ。文在寅政権は、米当局者から直接連絡を受けているのではなく、現地の報道を見て知ることがほとんどのようだ。

文大統領は一つ勘違いをしていることがある。北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長の味方をし、金委員長の見解を代弁しながら米朝間の仲介者になれるという勘違いだ。実際には、トランプ米大統領が文大統領を信頼していなければ、金委員長も文大統領を重視しない。

米国が文在寅政権を信じず、情報も共有せず、金剛山観光・開城工業団地事業に一言で「ノー」という状況ならば、金委員長も文大統領を重視せず、「別に…」と無視できる。トランプ大統領に対して文大統領が何の説得力も持っていないなら、金委員長も文大統領にもうこれ以上、頼らないだろう。

文大統領は金委員長と連帯してトランプ大統領に対抗できていると勘違いした。金委員長は絶対にそのように考えていない。金委員長は、文大統領がトランプ大統領に対抗するのではなく、トランプ大統領を説得して動かしてほしいと思っている。

文大統領がそうした力をなくした瞬間、金委員長は文大統領に見向きもしなくなるだろう。文大統領は、トランプ大統領と金委員長のどちらか一方の信頼を失えば、もう一方も離れていくという現実を直視しなければならない。

ハノイ会談の直前にジョン・ボルトン米大統領補佐官(国家安全保障担当)が訪韓を取り消してハノイに直行した時から、文大統領は事態がどのようになりつつあるのか気付くべきだった。

文大統領が「仲間外れ」の状況になるや、すぐさま日本の安倍晋三首相が「今こそ私が金委員長と対話する番だ」と打って出た。事実、コーナーに追い込まれた金委員長は今後、文大統領ではなく安倍首相に仲介を要請する可能性もある。

文大統領がなりたいと願っている「仲介者」役は、力もバランス感覚もあって初めて審判官役にもなれる。仲介者が力もなく、事態の把握もできなければ、すぐに仲間外れになり、ひとりぼっちになるだろう。今後も「文在寅パッシング(外し)」が続くのではないかと心配だ。

相田みつを

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