【耳学】自己修復する「生きたコンクリート」新素材✍誕生!!
自らひび直し増殖する「生きたコンクリート」、米科学者らが開発
The Telegraph 2020年1月23日(木)10時45分配信/Sarah Knapton記者
ひびが入っても自ら修復し、さらには新たな塊を産み出すこともできる「生きたコンクリート」が開発された。砂とバクテリアから作ったもので、荷重を支える構造物としての役割を果たすとともに、再生といった生物としての機能も併せ持つ。
開発したのは、米コロラド大学ボルダー校の研究チーム。論文の首席著者で生物素材研究室を率いるウィル・シュルーバー博士は「フランケンシュタインのような素材だ」と話す。「まさにそのような素材を開発しようとしている。生き続けるものだ。光合成するシアノバクテリア(ラン藻)を使って骨組みに生体鉱物形成作用を引き起こすので、とても環境に優しい」
生物素材を開発するために研究チームはまず、ヒドロゲル(水ベースのゲル)と砂で土台を作り、そこでシアノバクテリアを増殖、ミネラル化させた。これは海で貝殻が形成される仕組みと似ている。
この新素材はただ生きているだけでなく、再生もする。乾燥状態では安定しているが、気温と湿度が上昇すると活性化し、増殖する。半分に割って砂やヒドロゲル、養分を足せば、シアノバクテリアが増殖して完全な二つのブロックに成長する。
シュルーバー博士の研究チームは、ブロックを一つ一つ作製するのではなく、「親」となる1個のブロックがあれば3世代後には8個まで増殖できることを証明。つまり、素材は現場で成長し、どんな形や大きさにもなり得るということだ。
研究チームは長い間、コンクリートの代替品となる、環境に優しい素材を追求してきた。コンクリートは地球上で水の次に多く消費される素材で、その製造過程で排出される二酸化炭素(CO2)は全CO2排出量の6%を占める。
研究チームはこの環境に優しい「グリーン・コンクリート」を5年から10年で実用化できると考えている。今後、今回の手法を別のバクテリアに応用し、大気中から毒素や汚染物を取り除くといったより多くの生物的機能を持った新素材の開発を目指す。
また、研究チームは、こういった新素材は建築資材が限られる火星や月などの環境で使用するのに最適だと考えている。
シュルーバー博士は「この素材を建設用ブロックとしてさまざまに応用できると見ている。例えば炭素隔離モルタルや軽量コンクリート、生物活性物質で作った路面や災害時の仮設シェルターなどだ」と説明し、「北極や砂漠、さらには別の惑星など、資源が乏しい環境に特に適していると考えている」「大量のセメントを火星に輸送しない。何かしらの生物学的知識を持ち込むことになるだろう。この技術の創造的な応用に限界はない」と話した。
研究は米科学誌Matterに掲載された。
総資産数百億円!CoCo壱番屋創業者・宗次徳二さん「贅沢な暮らしをしたいとは全く思わない」
DIAMOND online 2020年1月24日(金)6時01分配信/ダイヤモンド編集部
資産が数百億円にも上る「超富裕層」は、お金に対しどのような哲学を持ち、またどのような生活をしているのか。特集「富裕層のカネ・節税」の#11では、カレーチェーン「CoCo壱番屋(ココイチ)」の創業者で、現在はNPO法人代表として福祉活動に汗を流す宗次徳二氏に聞いた。
資産が数百億円にも上る「超富裕層」は、お金に対しどのような哲学を持ち、またどのような生活をしているのか。特集「富裕層のカネ・節税」の#11では、カレーチェーン「CoCo壱番屋(ココイチ)」の創業者で、現在はNPO法人代表として福祉活動に汗を流す宗次徳二氏に聞いた。(ダイヤモンド編集部 中村正毅)
──引退した後はどんな活動をしていたのですか。
福祉で地域に貢献できないかとの思いから、引退の翌年にイエロー・エンジェルというNPOを立ち上げました。学生に奨学金を給付したり、芸術振興のために学校の吹奏楽部に楽器を提供したりといった活動を続けています。
──音楽でいうと、財をなげうってコンサートホールまで建てていますが、そこまで情熱を注ぐのはなぜですか。
クラシック音楽をもっと多くの人に楽しんでもらいたい、ファンを増やしたいというのが私の思いです。私が高校生のときに、友人からテープレコーダーを譲ってもらいましてね。テレビ番組の音声を録音しようとしたら、偶然流れていたのがメンデルスゾーンのバイオリンコンチェルト(協奏曲)でした。
そこからクラシック音楽の魅力に取りつかれてしまって。クラシックを聴いていると、私は何とも穏やかな気持ちになりますし、生きるパワーをもらえます。
──それでもなかなか常人は、コンサートホールを建てようという発想にはなりません。
今のこの土地を買ったときに、周辺の地主さんに声を掛けたら、運よく買うことができたんですよね。それで土地が全部で250坪(約820平方メートル)になりまして、この広さなら小規模な音楽ホールができると考えて、28億円かけて思い切って建てることにしたんです。
──28億円ですか。下世話な話で恐縮ですが、今どのくらいの資産を持っているのですか。
まあ、そこは(笑)。
──5年前に手放した壱番屋の株式が、200億円以上の金額に上ったと聞いていますが。
まあ、そのくらいでしょうか。
──定期的な収入があるわけではないと思うので、NPOでの活動やコンサートホールの運営をはじめとして、じわじわ資産が減っていくことにどこかで不安になったりはしないのですか。
それはないですね。資産をお墓に持っていくわけではないですし。学生への奨学金についても、依頼があれば私は基本的に断りません。
──そこまで気前よく援助しても、何か見返りがあるわけではないですよね。
そうですね。そもそも、見返りを求めてしまったら息が詰まりますから。そこが私の甘さなのかもしれませんが。
──幼少期にだいぶ苦労をされているようですが、生い立ちが今に影響している部分があるのですか。
どうでしょうか。物心ついたときから養父に育てられて、中学3年生まで自宅の家具が、リンゴ箱一つという家で育ちましたから。生活保護費の半分は養父の競輪に消えて、小学生の頃はパチンコ屋さんで必死にシケモクを探して養父に渡していました。
ただ、それをあまり苦に思ったことはなくて、どうしたら養父に喜んでもらえるかという一心でしたね。その思いはお店の経営にも生かされたと思っています。
──幼少期の反動でぜいたくをしたいとは思わないのですか。
ぜいたくな暮らしをしたいとは全く思わないですね。今日もスーツやネクタイを含めて、全身3万円ですし。銀座の高級なお店にも、一度も行ったことがありません。
──おそらく多くの人は数百億円ものお金が舞い込んできたら、悠々自適に遊んで暮らしたいと考えると思いますが。
考え方は十人十色ですからね。もしお金があったら、楽をして遊んで暮らしたいという感覚は、分からないでもないですが、そんな生活は半年、1年ですぐに飽きますよ。
やはり社会と何か接点を持った方がいい。私は今でも朝は3時55分に起きて、ホールの敷地の掃除をして花壇に水をやって、それから事務をしてというのが日課になっています。
──今、さまざまな活動をする中で何か目標はありますか。
今はホールでコンサートを、昼夜合わせて年間365回開いています。毎年来場者数は増えていて稼働率は平均7割強なのですが、それを9割にするというのが私の今の大きな目標です。