地球の裏側

2021年3月20日 (土)

【Hate Crime】米国で増加する✍アジア系住民への私刑(Lynching)

 ロング容疑者人種づく犯行否定「性依存症」と主張 

時事通信 2021年3月18日(木)6時38分配信

 米南部ジョージア州アトランタと近郊のマッサージ店3軒で発砲が相次ぎ多数のアジア系女性を含む8人が死亡した事件で、捜査当局者は17日、拘束した容疑者の白人の男(21)が「性依存症」と主張しており、誘惑を断ち切るため襲った可能性を明らかにした。

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 容疑者は当局の聴取に発砲を認める一方、人種を背景にした犯行は否定している。

 米国では新型コロナウイルス禍以降、アジア系に対するヘイトクライム(憎悪犯罪)が増加。死者のうち6人がアジア系だったため、懸念が改めて強まっていた。

 捜査当局者は憎悪犯罪の可能性について「捜査はまだ初期段階」と述べ、判断は時期尚早という見方を示した。米メディアによると、拘束された男は州内在住のロバート・アーロン・ロング容疑者。

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 殺人容疑などで17日訴追された。容疑者は襲われた店の常連だった可能性がある。店が性産業に関連していたかは不明。捜査当局は単独犯とみている。

 事件は16日に発生。容疑者はアトランタから南に約240キロの場所で拘束された。ポルノ産業関連への襲撃を考え、隣のフロリダ州に向かっていたという。

 ロイター通信によると、犠牲者のうち4人は韓国系だった。 

 中国に帰れまたNY憎悪犯罪韓国人女性が被害に 

中央日報 2021年3月17日(水)6時55分配信

 米国ニューヨークで20代韓国系女性が嫌悪犯罪の対象になったと現地メディアが16日(現地時間)、報じた。

 この日、WABCはニューヨーク警察局(NYPD)がニューヨークで発生したもう一つのアジア系人種差別事件を調べていると伝えた。報道によると、14日午後ニューヨーク・マンハッタンのキップス・ベイで韓国系女性マリア・ハさんは白人女性から「中国に帰れ」などと言われた。

 ハさんは「誰かが私を見つめている気がして振り向いたら、ある女性が私を見つめていた」とし、「あの女性は私の目を見ながら近づいてきた」と話した。ハさんに近づいたこの女性は「君はここの出身でない。中国から来ただろう?」と言っては「中国に帰れ」としながら悪口を吐いた。

 これを聞いたハさんは驚いて自宅に戻って夫であるダニエル・リーさんを連れてきた。リさんが現場に到着した時、この白人女性はタクシーに乗った後だった。リーさんがタクシーに近付いて「あなたがそのように言ったのか」「私は米国人だ」などと抗議すると、白人女性はむしろ「私を攻撃している」と叫んだ。

 ハさんとリーさんが現場を離れようとすると、この女性はタクシーの中で「中国共産党(communist China)に帰れ」として再度悪口を吐いたという。ハさんは自身のソーシャルメディアに該当白人女性が大声を張り上げる姿が映された映像を掲載した後、「この女性を見た方は通報してほしい」と要請した。

 WABCは「NYPDによると、今回の事件をさておいても今年に入ってすでに10件の『アンチ・アジアン』犯罪が発生した」として「昨年には計29件だった」と報じた。今年に入ってアジア人種に向かった嫌悪犯罪が急増したという説明だ。

 11日にも83歳の韓国系米国人ナンシー・ドさんにいかなる理由もなく唾を吐いて暴行を振るった男性容疑者が警察に逮捕されたことがあった。

 米国内でのアジア系の人々に対する暴力行為は「本当に酷過ぎる」 

billboard JAPAN 2021年3月18日(木)16時35分配信

 6人のアジア系アメリカ人を含む8人が死亡した、2021年3月16日に米アトランタで起きた銃乱射事件を受け、米国で勢いを増すアジア人に対する暴力行為を非難するメッセージををジョン・レジェンドをはじめとするアーティストたちが投稿している。

 レジェンドは、「本当にひどすぎる。命を奪われた人々の愛する者たち全員に心からお悔やみ申し上げます。僕たちのアジア系アメリカ人兄弟姉妹たちに向けられている脅威の増加を考慮しなければならない」と、作家のロクサーヌ・ゲイ(Roxane Gay)のツイートを引用リツイートする形で投稿した。ゲイのツイートは、米国におけるアジア系の人々に対するヘイト・クライムの急激な増加を非難したもので、カリフォルニア州立大学のCenter for the Study of Hate and Extremism(ヘイトと過激思想研究センター)の分析によると、2020年には150%の増加が見られている。

 米地元紙Atlanta Journal Constitutionによると、アトランタのスパ2店舗とマッサージ店で銃を乱射した容疑で21歳の白人男性が16日に逮捕された。FBIも捜査に乗り出している。死者の内2人は白人で、反アジア憎悪が犯行の動機がだったのかはまだ明らかになっていないが、新型コロナウイルスのパンデミックの開始後にアジア人差別に対抗するために設立された団体Stop AAPI Hateは、“高水準な人種差別的攻撃に苦しむ”遺族やアジア系アメリカ人コミュニティーにとって“言葉にならない悲劇”であると米紙ニューヨーク・タイムズにコメントを寄せている。Stop AAPI Hate(AAPI=Asian American Pacific Islander)には、2020年3月から約3,800件のアジア系アメリカ人に対するヘイト事例が報告されている。

 インド系アメリカ人である女優のミンディ・ケイリングも、「私たちのアジア系兄弟姉妹がターゲットにされたことには吐き気を催すけれど、ここ1年で反アジア的ヘイト・スピーチが常態化していることを考えると驚きはしない。私たちはアジア系に対するヘイトをやめさせなければならない、もうたくさんだ」とツイートしている。

 ジャパニーズ・ブレックファストのシンガーであるミシェル・ザウナーも、「私たちは“白人に隣接”している(white adjacent、名誉白人というような意味)、そうでなくなるまでは。誰かにチンクと呼ばれたり、アクセントをバカにされたり、私たちが犬やコウモリを食べたからこのウィルスが始まったと主張されたり、年配のアジア人たちが攻撃されたり、私たちがターゲットにされたり殺されたりするまでは。“AAPIヘイトをやめよう”とか言ったところでどんな効果があるのか分からないけど、これが本当に起きている(問題である)ということを認識するのは大事だ」とツイートしている。ザウナーは韓国系アメリカ人だ。

 アジア系米国人への暴力150年続く差別起因している 

COURRiER JAPON 2021年3月20日(土)11時00分配信

 新型コロナウイルスの流行以来、アメリカではアジア系の住民に対する暴力が相次いでいる。襲撃対象となりがちなアジア人女性や高齢者は、暴力に遭っても警察にあまり訴えず、訴えても解決しないことがほとんどだという。

 一方、アジア人への差別や暴力は決してパンデミックによるものではなく、もっと昔からのアジア人に対する差別感情の現れであるという見方もある。

アジア系住民に対する止まない暴力

 サンフランシスコのドラゴンゲート、米国で一番古いチャイナタウンの派手な入り口にほぼ毎晩、彼らは集まる。ボランティアの地域パトロール隊は、警笛とパンフレットだけを持ち、アジア系の住民が襲撃された区域のATMや小さい商店を確認し、通りを見回る。度重なる襲撃事件によって、同地域は緊張状態に置かれてきた。

 ボランティアのなかには、同地区に車で1時間以上かけてやって来る者もいる。パンデミックによるロックダウンと恐怖が相まって地区の大部分に人通りはないが、警察への犯罪の通報方法を記した英語と中国語併記のパンフレットを各地で配る。

 同様のパトロールは、カリフォルニア州のオークランド、ロサンゼルス、ニューヨーク市などでも、アジア系住民が多く住む地域で自発的に行われている。地域の人々によると、1年前に米国のメディアに中国起源のウイルスについての見出しが並ぶようになって以来、人種差別的な暴力と嫌がらせが増大した。パトロールはその対策だ。

 アジア系アメリカ人に対するヘイトクライムに関するデータは乏しいものの、少なくともニューヨーク市警察は、前年の3件に対し、2020年は少なくとも28件まで増加したと報告している。

 そんな2021年2月、アジア系住民に対する襲撃の複数の動画がソーシャルメディア上で拡散され、懸念が高まった。ニューヨークのクイーンズで地面に倒された52歳の女性、地下鉄のプラットフォームで顔を殴られたアジア系の女性、バス停で自分の杖で殴られたロサンゼルスの男性などの様子が映っていた。

 このような暴力が、人種を理由とするものかどうかはよくわからない。しかし、アジア系アメリカ人は攻撃の対象となっていると感じているだけではなく、地域での犯罪に対して自分たちが立ち向かうしかないと感じている。多くの襲撃者は捕まってもいない。地域のパトロールに加わった者もいれば、自衛のために武装を始めた者もおり、地域の問題に対処する特別対策班や連絡係を設けるよう警察に求めてきた者もいる。

「聞いてもらえない、見てもらえない、助けを待つだけという状態に皆うんざりしています」

 サンフランシスコのチャイナタウンの街路パトロールにも参加し、ニューヨークでも運動を組織した活動家であるウィル・レックス・ハムはそう言った。「私たちは必要な支援や資源を得ていません。自力で苦境を乗り越えなくてはいけないのです」

 2021年1月、サンフランシスコで84歳のビチャ・ラタナパクディーが襲われた後、アジア系アメリカ人への襲撃に対する世間の関心は急激に高まった。義理の息子であるエリック・ローソンによると、襲撃は日課である近所の散歩の途中のことで、幾度にもわたる心臓手術からの回復期にあったラタナパクディーは、激しく突き飛ばされた後に亡くなった。

 コミュニティの活動家たちから「タイのおじいちゃん」として知られていたラタナパクディーの死は悲しみを呼び、著名人やアジア系アメリカ人が彼の写真を自分のソーシャルメディアのプロフィール写真に加えた。
娘のエイミー・ラタナパクディーは、その死はヘイトクライムだったと考えている。「それは、理由のない暴力行為で、私たち誰にでも起こりうることです」

 子供たちも昨年、路上で人種差別的な言葉を投げかけられたことを語った。「私は、父がどのようにして亡くなったかをすべての人に知ってほしいし、父を偲んで正義の裁きがあるよう願ってほしいです」

 ラタナパクディーを襲撃して殺人罪に問われている19歳の男は、無罪を主張している。

警察に通報できないアジア系住民

 1月初め、61歳のフィリピン人男性ノエル・クインタナは仕事に向かうためにニューヨーク市の地下鉄に乗っていたところを車内で顔を切りつけられた。

「誰も来てくれませんでした。誰も助けてくれず、誰もビデオにも撮ってくれませんでした」と言う。

 その後、クインタナは同事件を警察に通報し、容疑者は逮捕され、暴行罪で告発された。しかし、多くの事件はそこまでたどりつかない。

 力を持たないマイノリティのコミュニティに属する被害者たちは、文化の違いや言葉の壁、あるいは警察に対する不信感から、警察との関わりに消極的なことがある。そして通報したとしても、人種のために標的となったと証明するのは難しい。

 一方、データ不足を補うため、このような襲撃事件を記録しているアジア系アメリカ人の組織もある。「ストップ・AAPI・ヘイト」(註:AAPIはアジア系アメリカ人・太平洋諸島系の略)は昨年3月、人種を理由とする暴力・嫌がらせに関する情報を収集するために発足した。2020年末までに米国全土から2808件以上の事件の申告を受けた。

 これらの事件のうち、9%は身体的な暴行で、71%が言葉による攻撃だった。被害者のほとんどが女性で、60歳以上が被害を受けたケースも126件ほどあった。同サイトの創設を支援した、サンフランシスコ州立大学のアジアン・アメリカン研究のラッセル・ジョン教授は、「即座に何百もの事件の報告を受けました」と語る。

「お年寄りからの報告も多数受けました。お年寄りが訴えを寄せるとは考えていなかったのですが、彼らは人種差別を経験した際にそうだと理解していたのです」

 自己報告した被害者の民族構成は、概ねアメリカ国内の人口比を反映している。中国系が41%、韓国系が15%、ベトナム系が8%、フィリピン系が7%だった。報告事件数は、アジア系の人口が多い州においてより多く、カリフォルニアが最大、ニューヨーク州が約13%と続いた。

 しかし、データが示す以上に状況は悪いと感じているアジア系のコミュニティもある。中国系アメリカ人のアイオナ・チェンは、オークランドの自分のコミュニティが標的になっているのは、あまり通報しない傾向があるからだと考えている。チェンはこう語る。

「文化的な理由からアジア系の女性は攻撃を受けることが多いです。アジア系の女性は声を上げず、告発しません。英語を話せない場合もあります」

 がんの疫学研究者である48歳の彼女は、12月後半にクリスマスプレゼントを届け終えた際、10代前半の若者のグループに飛びかかられて地面に叩きつけられ、殴られて強盗に遭った。同日の夜遅く、60代のアジア系女性は何者かに踏みつけられて膝蓋骨を骨折したが、警察は同じグループによる犯行と見ている。

「自宅のすぐ前も安全だと感じられず、歩けません」とチェンは言う。昨年3月にオークランドでジョギングしていたときにも、誰かに「コロナウイルス」と呼ばれた。「安全だという感覚が奪われたようです」

暴力への取り組み

 一部の者は銃を所持して解決しようとしている。アジア系住民が多いカリフォルニア州アルカディア市にある銃販売店のオーナーであるデービッド・リューは、2020年の売り上げは例年の4倍増だと言う。アジア系アメリカ人の銃購入に対する関心が高まっているのも目にしたが、「基本的にすべての人」の間で非常に高まっているそうだ。

 アメリカ国内での銃販売は人種・民族別には追跡されていないものの、全米射撃協会の2020年の推定では、アジア系の顧客への銃販売店における販売は2020年前半に平均43%程度増加した。しかしこの増加幅は、報告された4つの人種・民族のグループのなかではもっとも小さく、白人顧客では平均52%、黒人顧客では58%販売が増加したと推計されている。

 サンフランシスコに住むソーシャルワーカーであるジェイソン・ジーは、暴行、家宅侵入、車の窓ガラスが割られるなどの事件が続いたため、昨年の春、拳銃を買うことを決めた。そして、拳銃を買いに行く途中の駐車場で、4人の白人男性から「コロナウイルス」、「チンク(中国人を表す英語の侮蔑語)」などと呼ばれたのだった。

 銃を買うための列に並んでいる際、ほとんどの顧客がアジア人であることに気づいたとジーは言った。

 しかし、銃の購入は「恐れに訴えること」で、結局は彼のコミュニティをより危険にさらすものだと彼はすぐに気づき、結局、銃を売却することに決めた。

「もしあなたが暴力を予期していたら、ある種の精神状態に陥って状況を見誤り、すぐに暴力に訴えてしまうかもしれません」

 クリス・チェンは銃を2008年以来所有しているが、度重なる襲撃事件を受け、友人や知らぬ人たちから銃の所有について相談を受けたと言う。

「警察ができることは限られ、警察は私たちをいつも守ってくれるわけではないということに、多くのアジア系アメリカ人が気づきつつあります」とチェンは言う。「警察は、ただ通報を受けるためだけにいるのです」

 一部の法執行機関は、もっと対策に取り組んできた。サンフランシスコとニューヨーク市の警察は、同問題に取り組むための特別対策班を設け、アジア系住民の多い地域での警察官の配備を強化した。

 ニューヨーク市警のアジア系警官から成る特別対策班の25人の刑事たちは、計11の言語を話す。2020年7月に顔を叩かれてシャツに火をつけられた89歳の女性は、当初、捜査に協力しなかったところ、広東語を話す刑事が派遣された。

「彼女は彼に会い、まるで自分の孫たちにでも会うような感じで、心を開いてくれました」と特別対策班の指揮官であるスチュワート・ルー警視は言う。

「(彼女が話した)事件の詳細はとても正確で明確でした。そしてこの事情聴取によって、彼女は自分に火をつけようとした人々を特定することができ、逮捕に結びつきました」

 2020年に襲撃が始まって以来、ニューヨークで少なくとも18人がアジア系アメリカ人に対するヘイトクライムの容疑で逮捕されたそうだ。

アメリカに根深いアジア人差別

 アジア系に対する暴力は、トランプ前大統領が在任中に、コロナウイルスを「チャイナ・ウイルス」、「カンフルー(カンフーとインフルエンザを組み合わせた語)」と繰り返し呼んだことだと、多くの人々が指摘してきた。

 名誉毀損防止同盟によると、トランプが10月に新型コロナウイルスに感染した後、ツイッター上で反アジア感情は急増したという。それ以前の4月に発表された調査でも、アメリカ人の約3分の1が、誰かがパンデミックをアジア人のせいにしているのを目撃したと報告している。

 一方、カリフォルニア州選出の下院議員のマーク・タカノは、問題は前大統領よりも根深いと考えている。民主党の下院議員による襲撃に関する座談会でタカノは指摘した。「この種の偏見はアメリカ社会のいたるところにあり、状況に応じて悪化したり少し改善したりします」

 アメリカでは、中国人労働者の米国への移民を禁止した1882年の中国人排斥法の頃から、アジア系の人々に対する陰湿な見方、人種差別感情が煽られてきた。同法律も「黄禍論」という、中国人移民が白人の職や西洋式の生活に対する脅威になるという、被害妄想の産物だった。

 このような考え方は20世紀にまで持ち越され、1982年にはデトロイトで、中国系アメリカ人のヴィンセント・チンが撲殺された。殺害した2人の男は、彼を日本人だと勘違いしたという。当時、日本企業は米国の自動車メーカーを衰退させたと責められていた。チンの襲撃者たちは彼の死に対し、罰金と保護観察を科された。

 さらに、アジア系コミュニティと黒人コミュニティは、何十年も前から緊張関係にあった。そして、最近のアジア系住民に対する襲撃の映像の多くに黒人の加害者が映っていることから、この緊張が再燃している。2つのコミュニティはともに資源に乏しく、「わずかなものをめぐって争いながら」暮らし、働いている。この対立はその近さに根ざしていると、ワシントンのアジアン・アメリカン・アドバンシング・ジャスティスの会長・事務局長であるジョン・C・ヤンは言う。

 このような互いに対する疑念は、近年においても何度も激化してきた。1991年にはロサンゼルスで韓国系アメリカ人のコンビニエンスストア店主は、15歳のラターシャ・ハーリンズを万引きで非難し、彼女を射殺した。店主は故意の殺人で有罪となったが、懲役刑は課されなかった。1年後には、ロドニー・キングを殴ったロサンゼルスの警察官が無罪放免になったことで暴動が起こり、その際に多くの韓国系店舗が焼かれ、略奪された。

「店主たちは、黒人の客を信用せず、敬意を示さず、さらに不当に高い値段を要求するという感覚を受けました」とカリフォルニア大学ロサンゼルス校の歴史学教授のブレンダ・スティーブンソンは述べた。「他方、当時韓国系アメリカ人の店主たちは、黒人の客たちは危険で信用できないと感じていました。襲撃された店主や殺された者もいたんです」

 反アジア感情については、誰もが被害者になりうると、ハリウッドのアジア系お父さん俳優として知られるツィ・マーは言った。60代の俳優である彼は、パンデミック初期、閉鎖される前のパサデナ市のスーパーマーケットの駐車場で、通りすがりの車の人から「隔離されろ」と怒鳴られたと語る。マーは言う。

「私たちに何が起きようとも、どんな貢献をしようとも、私たちが積み上げてきた名声も富も関係なく、私たちは同じように扱われるのです」

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 【今日は何の日】地下鉄サリン事件から26年 

時事通信 2021年3月20日(土)11時24分配信

 14人が死亡、6000人以上が負傷したオウム真理教による地下鉄サリン事件は、20日で発生から26年を迎えた。

 現場の一つとなった東京メトロ霞ケ関駅(東京都千代田区)では、遺族の高橋シズヱさん(74)らが犠牲者を追悼。シズヱさんは「26年前と同じ思い。悲しみが薄らぐことはない」と語った。

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 事件は、1995年3月20日朝に起きた。当時の教団幹部らが同駅を通る3路線の車両内で猛毒サリンが入った袋を傘で突き刺して散布。同駅では、助役でシズヱさんの夫一正さん=当時(50)=と、代々木電車区助役の菱沼恒夫さん=同(51)=が亡くなった。

 発生時刻に近い午前8時、駅員13人が黙とうをささげ、霞ケ関駅務管区長の小川喜治さん(57)が献花。シズヱさんは午前10時、献花に訪れ、「年を取り、だんだんエネルギーもなくなってきたので、(一正さんに)心の支えになってほしいと語り掛けてきた」と話した。

 オウム真理教による一連の事件では、元代表の松本智津夫元死刑囚=執行時(63)=ら13人の死刑が確定し、2018年7月に刑が執行された。

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オウム真理教が引き起こした地下鉄サリン事件の被害者、浅川幸子さん享年56歳は去年3月10日に亡くなった死因はサリン中毒による低酸素脳症

 ヒキガエルを使った儀式で男性死亡、主宰したポルノ男優を起訴 

CNN.co.jp 2021年3月20日(土)11時30分配信

 スペインでヒキガエルの毒を使った儀式の最中に男性1人が死亡した事件で、儀式を主導したポルノ男優のナチョ・ビダル被告(47)が、未必の故意による殺人罪で起訴されたことが分かった。

 法執行当局によると、ビダル被告(本名イグナシオ・ホルダ・ゴンザレス)は昨年5月、11カ月に及んだ捜査の末に故殺容疑で逮捕された。

 地元裁判所によると、事件は東部バレンシア近郊の町エンゲラで2019年7月に発生。捜査の結果、死亡した写真家の男性は「スピリチュアルまたは神秘主義的」な儀式に参加していたことが判明した。

 この儀式はビダル被告の自宅で行われ、「ブフォ・アルバリウス」と呼ばれるヒキガエルの体の一部を燃やし、発生した有毒の煙を吸い込むというものだった。

 中毒対策センターのサイトによると、ブフォ・アルバリウスは「コロラドリバーヒキガエル」などの名でも知られ、幻覚効果のある「5-MeO-DMT」という化学物質を分泌する。より知名度の高い向精神物質「ジメチルトリプタミン(DMT)」に比べ4~6倍ほど強力だという。

 ビダル被告の弁護士は、CNNの19日の取材にコメントを控えた。弁護士は昨年6月、CNNに対し、男性の死は「悲劇的な事故」であり、被告に責任はないとの見方を示していた。

 ビダル被告は今回の決定に不服を申し立てることができる。起訴が行われたのは17日で、検察は同日から10日以内に公判を請求するか、起訴を取り下げるかを判断する。

 スペイン刑法142条の規定では、有罪となった場合、ビダル被告は4年以下の禁錮刑を言い渡される可能性がある。

 公式サイトによると、ビダル被告はポルノ業界で26年のキャリアがあり、少なくとも1万シーンに出演している。

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2021年2月24日 (水)

【タイガー・ウッズ】衝撃!<✍韓国製SUVで単独事故>両足骨折の重傷

 タイガーウッズ事故の衝撃広がる Aロッド祈っている 

日刊スポーツ 2021年2月24日(水)7時20分配信

 米男子ゴルフのタイガー・ウッズ(45)が23日朝、米カリフォルニア州ロサンゼルス(LA)郊外で単独の自動車事故を起こして負傷して病院に運ばれたことを受け、米スポーツ界に衝撃が走っている。

 LAでは約1年前にヘリコプターの墜落事故で元NBAスターのコービー・ブライアントが亡くなったばかりで、ウッズの生まれ故郷サイプレスは事故現場からも近いことからショックは大きく、地元メディアは現場から生中継で事故の詳細を伝えている。

 事故を受けて、SNSにもゴルフ仲間ら著名人から無事を祈るメッセージが次々と寄せられている。元恋人でアルペンスキーの元女王リンゼイ・ボン(36)は、「TW(タイガー・ウッズ)のために今は祈っています」と手を合わせる絵文字を添えて投稿している。2人はおよそ3年の交際を経て2015年春に破局しているが、その後も友人として良好な関係を築いていると言われていた。

 また、ゴルファーのジャスティン・トーマス(米国)は、「気分が悪い。親しい友人の一人が事故に巻き込まれたのを見るのはつらい。大丈夫なことを願っている。彼の子供たちはつらい思いをしていると思うので、彼らのことをただ心配している」とコメント。

 元ニューヨーク・ヤンキースの主砲アレックス・ロドリゲスは、「私の友、タイガー・ウッズのために祈っている。みんな続報を待っている」とツイートし、NBAレイカーズのスター、レブロン・ジェームズも「ちくしょう。タイガー・ウッズのために祈っている」と投稿している。また、他にもジャック・ニクラスら多くの著名人が無事を祈るメッセージを寄せている。

 事故現場はLA南部の太平洋に面した高級住宅地の斜面で、片側2車線の幹線わきに転落して車は大破。駆けつけた救急隊員が閉じ込められた大破した車内からウッズを救出するため、油圧救助器具を使用したと伝えている。

 事故原因は分かっていないが、ロサンゼルス・タイムズ紙はウッズが運転する車は高スピードで走行しており、コントロールを失って横転し、車は数回転したと伝えている。地元メディアによると、ウッズは単身で運転しており、足を複数箇所負傷して搬送先の病院で手術を受けているという。現時点で詳しい容体などは明らかになっていない。

 ウッズはゴルフ・ダイジェストの撮影のためにロサンゼルスに滞在していたと伝えられている。

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 粉砕骨折」と「複雑骨折」どう違う全治に3倍の差

デイリー 2021年2月25日(木)7時30分配信

 米男子ゴルフのタイガー・ウッズ(45)が運転する乗用車が横転し大破した。ロサンゼルス郡保安官事務所などによると単独事故。ウッズは両脚を粉砕骨折するなどの重傷で、右下腿数カ所を固定する手術を受けた。兵庫県芦屋市の松本クリニック・松本浩彦院長が、デイリースポーツの取材に対し見解を述べた。

  ◇  ◇

 時差の関係などで詳細な情報が入ってこない中ではよく分からないのですが、粉砕骨折ということであれば、いわゆる単純骨折、複雑ではない骨折です。複雑骨折であれば、折れた骨が皮膚から外に出ている状態を指します。折れた骨が皮膚から飛び出していなければ、どんなに粉々になっていてもそれは粉砕骨折であり、複雑骨折にはなりません。

 普通の骨折であれば釘を中に入れることで治していきます。複雑骨折の場合は、いったん皮膚の外に出てしまった骨をそうやって釘でつないでしまうと、骨髄で感染が起きてしまいますそうならないように足の外で骨を固定していく創外固定というやり方で治していきます

 粉砕骨折と複雑骨折では、全治で言えば3倍ほど違ってきます。複雑骨折の場合は退院には1年、うまくいって6カ月、ゴルフができるようになるのに3年ほどかかると思われますが、粉砕骨折であれば、その3分の1の時間ということになるでしょう。

 ウッズ重傷回復後も筋肉が痩せ早期復帰困難との見方 

スポーツ報知 2021年2月25日(木)6時00分配信

 米男子ゴルフで歴代最多に並ぶツアー82勝のタイガー・ウッズ(45)=米国=が23日(日本時間24日未明)、米カリフォルニア州ロサンゼルス近郊で自身が運転する乗用車が横転し、大破する大事故を起こした。ウッズの財団は同日、粉砕骨折の重傷で右すねや足首の手術を受けたことを発表。意識はあり命に別条はないが、目標にしていた4月のメジャー、マスターズでの復帰は絶望的で、選手生命への重大な影響が懸念されている。

 「ベースボール&スポーツクリニック」(川崎市中原区)の整形外科専門医・馬見塚尚孝氏は、ウッズの右足が「骨が皮膚の外に見えてしまう開放性骨折を負ったのでは」との見解を示した。現段階で全治は不明だという。骨はバイ菌に弱く、開放性の場合、6時間以内に緊急手術を要する今回の手術では患部を洗浄し、スクリューとピンで足首などを固定、また炎症を起こした筋肉や細胞組織への処置が施されたようだと指摘した。

 4月のマスターズは「骨がつくのに通常3か月くらいかかるとされ、難しい」と述べた。「ゴルフは(左右の)微妙な筋バランスでやるスポーツ」とし、外傷により右足の筋肉がやせてしまうことでスイングやタイミングに影響が出ると分析。リハビリも必要なことから早期復帰は厳しいとの見方だった。今後は足にばい菌が入らないよう、感染症に細心の注意を払うべきと強調した。

 ウッズは復活できるのか…奇跡復活の例も「引退の恐れ」も 

THE PAGE 2021年2月25日(木)6時26分配信

 メジャータイトルを15度も獲得しているプロゴルファーのタイガー・ウッズ(45)が車横転大破の大事故を起こして両足を骨折、緊急手術を受けた。

 ウッズ自身が搬送先のハーバーUCLA医療センターの医師のコメントも含めてSNSで報告した内容によると右下腿と右足首の長時間にわたる緊急手術を受け、医療部長を務めるアニシュ・マハジャン医師の説明では、怪我の状況は、骨が2カ所以上折れていることを意味する「粉砕骨折」と、折れた骨が空気中に飛び出し感染症のリスクを伴うことを意味する「開放骨折」。

 脛骨にはロッドを挿入して安定させ足首の骨折はネジとピンの組み合わせで固定、また筋肉の被膜を除去する手術によって足の筋肉と軟部組織の圧迫を和らげた。

 CNNによると「筋肉の被膜を切り離すという手術の判断は血流が切れて内圧が危険なレベルまで上がる事故の後に良く起こる『合併(感染)症』のリスクにウッズがあったことを示唆している」という。

 現場に真っ先にかけつけたロサンゼルス郡のカルロス・ゴンザレス保安官代理が「生きているのが奇跡」と語ったほどの重傷を負ったウッズは、果たして復活できるのだろうか。

 一般的には、ここまでの重傷を負った場合、通常の生活で歩行できる状況になるまでに数か月は必要。ましてアスリートとしての機能を取り戻すには、それ以上の時間が必要になるだろう。ゴルファーにとって右足は軸足となる生命線だ。

 米ESPNは、さっそく「タイガーは怪我から回復してコースに戻れるのか?」との特集を組み、「まだ言及するには早すぎるが、彼は長く根気のいるリカバリーに直面する」と、その道のりが簡単ではないとの見通しを示した。

 ただでさえウッズは、昨年12月23日に背中と腰の痛みと違和感を軽減するために5度目となる手術を行っており、昨年も新型コロナの影響で4月から延期され11月に行われたマスターズ以来、メジャータイトル戦の出場はなく、38位タイだった。

 ウッズは昨年わずか9大会プレーしたのみで世界ランキングも50位と低迷していた。ウッズは4月のマスターズを復活舞台に考えていたようだが、ESPNは「ウッズは昨年12月に腰の手術を受ける前の最後の公式なゴルフ行事となったPNCチャンピオンシップで12歳の息子のチャーリーとプレーしていた」と記し、その衰えを示唆した。

 ただでさえ復活にいくつものハードルがあった。そこにプラスしてアスリートとして致命的な大怪我である。

 英BBCも「ウッズはゴルフ界で最も偉大なカムバックの1つをすでに果たしている。現在、45歳のゴルファーが再びプレーするということはもちろん、単純に完全な健康を取り戻すためにとてつもなく大きなチャレンジに直面している。大規模な整形外科手術の後の長期的な回復の見込みについてはまだ明かされていない」との厳しい見立てをしている。

 同メディアは、1949年2月にグレイハウンドバスと正面衝突する自動車事故を起こし主治医から「ゴルフどころか二度と歩けない」と診断される大怪我から奇跡の復活を果たしたメジャータイトル9度制覇の“ビッグベン”こと故・ベン・ホーガン氏の例を出した。

「伝説のテキサス出身のゴルファー、ホーガンは、その大事故で二度と歩けないかもしれないと言われた。彼は左足首、骨盤を2カ所、鎖骨を骨折、肋骨が欠ける大怪我を負った。だが彼は1年以内に競技に復帰した。皮肉にも、それはウッズが先週末に大会ホストを務めていたロサンゼルスのリビエラのコースだった」

 ホーガン氏は、自動車事故からわずか11か月後のロサンゼルス・オープンでトーナメントに復帰して2位に入った。何かを暗示するかのようにウッズは、その会場だったザ・リビエラカントリーで先週末にPGAツアーイベント「ジェネシス・インビテーショナル」を主催している。

 ホーガン氏は、さらに5か月後の全米オープンで優勝。この後もホーガン氏は、事故で痛めた片足を引きずりながらプレーを続け、6つのメジャー大会を含むPGAツアー 12勝をマークしている。

 同メディアは、そのホーガン氏とウッズを比較。

「ウッズのキャリアとホーガンを簡単に比較することはできないが、ウッズの強情なほどの決断力、逆境を乗り越える力、ゴルフ界での支配力を考えると、ホーガンのキャラクターと、その偉業に匹敵するものがある。だが、ホーガンが自動車事故に見舞われたときは36歳だった。ウッズは45歳で、故障を繰り返し、すでに数えきれない時間、月日をリハビリや回復に費やしてきた。その点を考慮すると、我々は“これが最後(引退)になるのではないか”と恐れざるを得ない」との悲観的な意見を述べた。

 同メディアは、米国の有名スポーツコメンテーターであるスキップ・ベイレス氏の「ウッズは、私が知るNFL選手の誰よりも故障と戦ってきた。もしこのひどい足/足首の怪我から復帰して、またメジャー大会で勝つことができる人間がいるとすれば、それはウッズだ。歴代最高の精神力/体の強靭さを持つ。彼を応援しよう」との激励のツイッターを紹介しながらも、厳しい見通しを伝えている。

「だが、これは極端に楽観的なメッセージのように感じられる。このゴルフ界の偉人(のウッズ)が再びプレーするのであれば、新たな苦難の道のりで、多くの戦いに勝利を収めなければならない」

 おそらくこの見方がウッズに今突きつけられている現実だろう。もし復活を果たせば、それはベン・ホーガン氏の物語を超える“スポーツ界世紀の奇跡”と称されるものになる。

 タイガーウッズ生存が奇跡の大事故、クルマ横転し大破 

スポニチアネックス 2021年2月25日(木)5時30分配信

 米男子ゴルフのスーパースター、タイガー・ウッズ(45)が23日午前7時(日本時間24日午前0時)すぎ、米カリフォルニア州ロサンゼルス近郊で乗用車を運転中に単独事故を起こした。

 意識があり命に別条はないが、右脚を粉砕骨折する重傷を負い、右すねや足首の手術を受けたことを23日にウッズの財団が発表した。早期復帰は絶望的で、選手生命への影響が懸念される。

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 事故現場の道路は緩やかなカーブの下り坂。ウッズは自身がホスト役を務めていた大会「ジェネシス招待」で貸し出された現代自動車の高級多目的スポーツ車(SUV)「ジェネシスGV80」を運転し、中央分離帯を乗り越えて反対車線側の縁石に乗り上げ、複数回転げて、10メートルほど入った道路脇の緑地帯に突っ込んだ。車は横倒しになり、ボンネットが開きフロントガラスが割れるなど激しく損傷した。

 保安官事務所は記者会見で、現場にブレーキ痕はなく、車は高速で走行していたとの見方を示した。薬物使用や飲酒運転の可能性を示す証拠は見つかっていないと説明した。車に乗っていたのはウッズ1人で、消防隊員らが器具で車両をこじ開けて救出。隊員は「名前を尋ねると“タイガーだ”と答えたので誰か分かった。シートベルトは装着していた」と証言した。

 意識もあり会話もできる状態だが、右脚の骨が見えている重傷だったという。地元保安官は「(命に別条はなく)奇跡以外の何ものでもない」と語った。救急車で病院に搬送されたウッズは手術を受け、右脚の脛骨と腓骨、右足と足首の骨をボルトなどで固定した。

 22日に元NBAのドウェイン・ウェイド氏(39)らとゴルフの撮影を行い、23日は同じゴルフ場でNFLセインツのQBドリュー・ブリーズ(42)らと撮影に臨む予定だった。会場に向かう途中で事故に遭ったとみられる。

 ウッズは09年にも交通事故を起こし、不倫スキャンダルや度重なる故障もあり低迷した。しかし19年にマスターズで歴代2位のメジャー通算15勝目、ZOZOチャンピオンシップで歴代最多に並ぶ米ツアー通算82勝目を挙げた。

 昨年12月に腰部椎間板の手術を受け、復帰に向けて調整していた。今月21日にはジェネシス招待の表彰式に出席し、4月のマスターズ出場に意欲を示していたが、早期復帰は絶望的となった。年齢を考慮すると選手生命への影響も懸念される。

 メジャー歴代最多優勝(18勝)を目標に掲げてきたが、到達はいっそう厳しくなった。メジャー通算9勝のベン・ホーガンは36歳の時に自動車事故で重傷を負いながら復活し、グランドスラムを達成した。ウッズも復活を目指して険しい道を進むことになる。

  松宮整形外科松宮是哲院長(横浜市) 頸骨と腓骨は足首を構成する骨で関節の動きに関わる。元の位置で骨を付けるためにボルトなどで留めている状態ではないか。足首のラインはきちんと措置しないと障がいが残る。神経が損傷したり、血管が破れて足先にしびれが残ったり、硬くなって足首の動きが悪くなることもある。程度が軽くてもスイングまでに4~5カ月。同じようにプレーするにはリハビリして1年はかかる。ひどい場合はトップ選手としてのゴルフが難しくなる可能性はあると思う。

   タイガー・ウッズ  1975年12月30日生まれ、カリフォルニア州出身の45歳。スタンフォード大出身。96年にプロ転向し、翌97年のマスターズで21歳3カ月14日の史上最年少優勝。00~01年にメジャー4連勝を記録した。08年には4大メジャーを3度制するトリプルグランドスラムを達成。賞金王10度。1メートル85、84キロ。

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2021年2月11日 (木)

【インド氷河崩壊】大洪水発生✍死者多数「地球温暖化」影響か!?

 インド洪水ヒマラヤ氷河崩壊原因 温暖化指摘の声 

朝日新聞デジタル 2021年2月9日(火)15時30分配信

 インド北部ウッタラカンド州で7日に起きた洪水で、同州首相は8日、18人が死亡し、約180人が行方不明になっていると発表した。ヒマラヤ山脈の氷河が崩れたのが原因とみられ、地球温暖化などの影響を指摘する声が出ている。政府は救助活動とともに原因の解明作業を進める。

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 現地報道によると、洪水があったのはガンジス川上流部の標高約2千メートルの地点で、約7800メートルの高峰ナンダデビのふもと。2月の気温は朝晩に零下になるが、日中は20度まで上がることがあるという。

 現地時間7日午前10時半(日本時間同日午後2時)ごろに発生した洪水は、下流の二つのダムを壊し、五つの橋を流した。行方不明者の大半は、下流の水力発電所の建設作業に当たっていた労働者だった。

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 15人が救助されたほか、作業現場のトンネル内に約35人が閉じ込められており、救出作業が続いている。

 同州では2013年、モンスーンによる豪雨で洪水が起き約6千人が死亡したが、今回は目立った降雨は確認されていないという。

 内外の専門家らは近年、温暖化でヒマラヤの氷河が急速に解け、洪水を引き起こす恐れを指摘してきた。現場周辺の氷河に詳しく政府の調査チームにも加わる研究者のマニシュ・メータ氏は「一帯の氷河の面積はこの30年で10%減った」と話し、今回の事故に温暖化が影響した可能性を指摘する。

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 現場一帯も含め同州では多くのダム建設が進められている。政府の水資源担当相も務め、ガンジス川やその支流域でのダム建設に否定的だったバーラティ氏は、現地メディアに「生態系が影響を受けやすいヒマラヤ一帯でダムを造るべきではない」とし、温暖化も含めた複合的な要因があった可能性を示唆した。

インド氷河崩壊死者32人不明者170人超捜索

AFPBB News 2021年2月10日(水)11時04分配信

インド北部で7日に発生した氷河崩壊によるものとみられる川の氾濫で、これまでに32人の死亡が確認され、今も170人以上が行方不明になっている。9日も、トンネルに閉じ込められた生存者らの懸命の捜索救助活動が続けられた。

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 行方不明者の大半は、ウッタラカンド(Uttarakhand)州にある水力発電所2か所の作業員だ。スイスの国土をやや下回る面積の同州は山岳地帯に位置しており、災害に弱い。

 州各地に数百人の救助隊員が出動し、地中レーダー搭載高解像度カメラを装備したヘリコプターや災害救助犬を用いて捜索救助活動を行っている。

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 この災害の原因は、地球温暖化によって急速に進んでいるヒマラヤ(Himalaya)地域の氷河の融解だとされている。さらにダム建設や河床の砂の採取、中国との国境の防衛強化目的を含む道路新設のための森林伐採なども要因として挙げられている。

菅首相ツイッターインド洪水被害お見舞い

2021年2月9日(火)11時22分配信

 菅義偉首相は9日、インド北部で発生した氷河崩壊による洪水被害について、ツイッターで「犠牲になられた方およびご遺族に心から哀悼の意を表します。また、被害に遭われた方に心からお見舞いを申し上げます」とのメッセージを送った。

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 生還したトンネル作業員何あっても棒を離すな互いに励まし合い 

AFPBB News 2021年2月9日(火)16時12分配信

 インド北部で7日に発生した氷河崩壊による川の氾濫で、これまでに26人の死亡が確認され、170人以上が行方不明になっている。トンネルに閉じ込められたものの生還した作業員の一人、ラジェーシュ・クマール(Rajesh Kumar)さん(28)が当時の様子を語った。

 氾濫した水が水力発電所をのみ込んだ時、クマールさんと同僚らはトンネルに入って300メートルほどのところで作業をしていた。クマールさんは病院のベッドで、「助かるとは思わなかった」とAFPに語った。

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「突然、口笛のような音がして…人が叫ぶ声が聞こえて、私たちに外に出ろと言っていた。火事だと思った。私たちは走り始めたが、水が流れ込んできた。ハリウッド映画みたいだった」

 作業員らはトンネル内に組まれた足場の棒に4時間にわたりしがみつき、水とがれきから頭が出るようにして、互いを励ましあった。「私たちはひたすら互いに言い続けた。──何があっても棒を離してはいけない、と。私たちの手が離れなかったことを神に感謝する」とクマールさんは言った。

 氾濫した水が谷を下るにつれ、トンネル内の水は引き始めた。しかし後には高さ1.5メートルを超えるがれきと泥が残された。「私たちは砕けた岩を乗り越えてどうにかしてトンネルの入り口にたどり着いた」とクマールさん。

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 クマールさんたちは小さな開口部を見つけた。どこにつながっているのかは分からなかったが、空気の流れだけは感じることができた。やがて光が差し込んでいるのを見つけて、作業員の一人の電話がつながり、助けを求めた。

 クマールさんたちが地面に開いた小さな穴から外へ引き出されるシーンは感動的だった。太陽の光を見て喜び、宙に向かってこぶしを突き出す人もいれば、そのまま担架で搬送される人もいた。両手を上げて、顔から泥に突っ伏す人もいた。

 数時間にわたる厳しい試練だったにもかかわらず、クマールさんたちは奇跡的に軽傷のみでトンネルから脱出することができた。

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 新たな人間疎外の時代世界共通の不安の中に微かな希望 

Wedge 2021年2月1日(月)12時15分配信/藤原章生 (毎日新聞記者)

 なんだろうこれは、と思いながらも画面の中へと引き込まれ、心地よい気分のまま最後まで見ると、映像の意味をあれこれ考えてしまう。

 イスラエルのパレスチナ人、エリア・スレイマン監督の『天国にちがいない』(2019年、102分)は「まさしく映画」と言える。つまり、場面場面がしっかりとした美しい絵で繋がれ、余計なセリフは省かれ、登場人物をまっすぐと真正面からとらえる。

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 場面の切り替わりも流れるようで気持ちいい。例えば、イスラエルの地方なのか半砂漠地帯を車で運転している主人公を上空から撮ったカメラは、道路を離れ海へと向かい、なめるように海面を映したかと思うと、上へ上へと真っ青な空へとのぼり、主人公は旅客機の人となっている。バックに流れるのは1960年代から人気を博したエジプトの女性歌手、ナジャ・アル・サギーラの歌う「バム・マーク」というムード歌謡だ。この曲は初めて聞いたし、歌詞もよくわからないが、眠り落ちるときにみる夢のような快感を見る者に与える。そんな流れるようなシーンが、まさに映画らしい映画というところだ。

 19年のカンヌ国際映画祭で特別賞と国際映画批評家連盟賞をダブル受賞しているが、小難しいアート系ではない。終始、ふふっという笑いをもたらしてくれるコミカルな作品で、監督は「パレスチナのチャップリン」と呼ばれているそうだ。

 映画は冒頭、ずいぶんと暴力的な聖職者の登場で始まるが、これは本筋とは特に関係はなさそうだが、そこから「神や宗教を信じちゃあいない」という作り手の姿勢が見える気がした。タイトルは「天国にちがいない(It Must Be Heaven)」だが、別段宗教の話でも、神の話でもありませんよ、との断りのようにも思える。

 場面はすっと切り替わり、一人の男、スレイマン監督自身が家の中の鉢植えに真っ赤なポットで水をやっている。この画面で、あ、この監督は黒澤明や小津安二郎などかつての日本映画の作り手たちのように、形、絵に徹底的にこだわる人だとわかる。

 オシャレな感じのパナマ帽ふうの中折れ帽に紺のジャケット、色や破れに凝らないストレートのジーンズに、たすき掛けの薄いショルダーバッグ。おしゃれで可愛らしい、きちっとした壮年に、冒頭から親近感を持たせる仕組みができている。

 主人公は、木からレモンを勝手に取っていく隣人に言い訳を聞かされたり、その隣人の父親に蛇に救われた話を語られたりするが、自分からは何も喋らない。コミュニケーションを拒否しているようでもあるが、目や表情で巧みに感情を見せる。

 例えば、彼が暮らす家はどうやらつい最近まで、おそらく彼の母親が住んでいたことが、置いてある車椅子や歩行器、古い調度品から窺える。ある朝、彼は母の遺品を全て処分し、業者に持って行ってもらう。その晩、主人公はひとりベランダの椅子に座り、白く濁ったアラックという酒とタバコを交互にのみながら庭の木を見つめている。悲しみや放心などが入り混じった表情が、一種の「魔法」になり、その瞬間から見る者たちは優れた私小説を読むように、主人公の中へと入っていく。

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 昨年暮れ、スレイマン監督にZoomを通してインタビューした際、彼はこう語っていた。「この映画を作る一つの理由は、人々が感じ始めている人間疎外を語ることでした。言葉を発してのコミュニケーションが減り、人は考えを共有したり、口に出したりせず、ただ感じるだけになりつつある。それは疎外であり、孤独です。例えば、カップルの間でも、自分たちが感じている寂しさや不安や恐怖について議論することがない。何かを感じても、話し合うことがなくなっているのです。今は人間集団が個々に、バラバラになっていく過程のような気がして、私はそれを伝えたかったのです。もちろん直接的なメッセージという形では出しません。でも、私が演じる主人公は、疎外され、憂鬱な気分(メランコリー)の中で、今はもうない古き良き時代を思っているのです」

 主人公は黙り続けるが、声を出す隣人の父子も「盗っ人」「くそったれ」と互いを罵りながらも、背中を向けたままで、ここでもコミュニケーションは成立していない。

「人間に今何が起きているのかを 私たちは話し合い、自分たちの中にある苦しみを表に出すときです。それを言うために、私はこの作品を作ったのです」

 20年この方、インターネットが当たり前となり、10年この方、スマートフォンを通してSNSで交流するのが日常となり、人々が文字を打つ(書く)量はかつての6倍になったと言われるが、電話をしなくなった分、口に発する言葉の数はかなり減ったはずだ。ツイッターやメッセンジャーなどチャットの場ではずいぶんと冗舌な人が、いざ面と向かうとほとんど言葉を発しなかったりもする。

「この世界は、かくも可笑しく 愛おしい――」。チラシのコピーが言うように、映画は世の中のおかしみを描いてもいるが、同時に、現代人の孤独を考えさせるように作り込まれている。

 このままでは、まずいよ。人間がおかしくなっていくよ。監督はそうささやいているのだ。

 細部に現れる、暴力寸前の場面や、何かとよく出てくる警察官の姿も笑えるようで笑えないギャグのように響く。ナザレの街を主人公が歩いていると、大柄な若者たちが棒などを手にこちらに向かって走ってくる。誰かを追いかけているはずだが、一瞬、自分かもしれないと不安になる。理由はわからないが、殴られて目の周りを腫らした男が当たり前の顔で通り過ぎ、次の場面ではレストランで双子らしきイスラムふうの男たちが、出された料理にイチャモンをつけ、主人から酒の無料サービスを受ける。主人公はそれを怪訝な表情で見ているが、やりとりには加わらない。

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 パリでは街ゆくスタイルのいい男女がスローモーションで描かれ、主人公は目を見張るが、その後、まるで「コロナの時代」を彷彿とさせるような無人の街並みがかっちりと描かれる。燃え落ちる前のノートルダム寺院も映っている。

 逃げていく男を、セグウェイ( 電動立ち乗り二輪車)やローラースケートの警察官が機械人形のように追いかけていく。ナザレの映像でもそうだが、警察官が意味不明な行動を取るのがこの映画の特徴で、不安な社会の一つの表れだろう。

 しまいには無人のパリの通りに戦車が何台も通り、ニューヨークでは乳児を連れた母親までが自動小銃やマシンガンを肩にかけて買い物をしている。

 タクシーを降りてきたロボットのようにきちっとした日本人の若いカップルから突然、「ブリジットさんですか?」と声をかけられるのも、主人公の違和感を象徴している。

「パリの街は黙示録的な終末のイメージです。私たちが非常事態下に暮らしているのは何もコロナが起きてからではなく、その前からずっとそうだったのです。どこに行っても検問所があって、軍や警察が住民を支配している」。中国、ロシア、トルコ、ベネズエラほど住民弾圧はひどくなくても、どこの国も多かれ少なかれ国家が民を監視下に置く権威主義的なトレンドが強まっているということだ。

「(2020年11月に)フランスで警察官の顔を撮影し公表することを禁じる法案が出されたように、警官が好きなように住民を蹴散らす時代になろうとしています。映画で描いたのは近未来ではなく、今起きている現実なのです。それを少し極端な戯画として見せただけです」

現在の敵は新自由主義型グロバリゼーション

 スレイマン監督の政治姿勢は明快だ。冷戦を乗り越えてきた左翼であり、かつての敵、アメリカ帝国主義の代わりに、現在の敵は「新自由主義型グロバリゼーション」となり、それが全ての元凶という考えだ。

「パレスチナは世界の縮図だと私はずっと訴えてきました。それが今、よりはっきりしてきたと思います。新自由主義経済が今の状況を作り、私たちは皆、その支配下にあるのです」

 新自由主義とは70年代、ピノチェト軍事独裁下のチリに乗り込んだミルトン・フリードマンらシカゴ学派の経済学者が試みた政策で、80年代になると英国のサッチャー、米国のレーガン政権が取り込み、その後、国際通貨基金(IMF)、世界銀行の貸付条件として世界中の途上国に広がった。

 新自由主義は「小さな政府」と呼ばれたり、「構造調整」という意味が伝わりにくい言葉で広まり、日本では構造改革や行政改革という言葉の影に隠れていた。要はこういうことだ。鉄道、電力、水など国民の日々の暮らしを支える基幹産業を民営化し、社会福祉など最低限の暮らしを支える部門を削り込む。国家予算を減らして、大方のことは市場に任せるという考えだ。

 資本主義社会でも、国に支えられそれなりの暮らしができていた人たちは、規制緩和でビジネスを始め富を得ることもができたが、そうでない人たちは暮らしのための出費が増え生活苦に追われる。当然ながら、格差は激しくなる。「新自由」と言うから自由でいいように思えるが、儲ける人が市場の自由を謳歌し、そうでない人たちは不自由になったということだ。

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 監督は政治好きの人だが、映画はそれを匂わせずきれいな絵に終始する。そんな作品の終わりで、主人公がニューヨークの占い師を訪ねる場面がある。質問は一つだ。「この先、パレスチナはあるのか」。

 すると占い師は笑いもせずにこう答える。「それはある。ただし、我々が生きている間にはない」

 映画の中で、映画会社から「パレスチナらしくない。どこにでもあり得る作品だ」と企画を却下されるように、スレイマン監督はパレスチナではなく、人間社会の普遍を描き出している。監督の世代が生きている間は無理でもいずれはあり得る「パレスチナ」は、「新自由主義に支配されない社会」でも「レイシズムの消えた世界」でも「白人至上主義の終わる時代」でもいい。

 そう解釈した私は、監督に聞いてみた。

「50年か100年後にはそのようないい時代になるでしょうか」

 というのも、先日、角川春樹さんもインタビューで「今世紀中に一神教が支配する世界は終わる」と似たようなことを言っていたからだ。

「映画の中にその答えを少し込めました。最後に人々が踊っている場面がありますが、これは実際に私が目にした状況そのものなんです。映画を撮影中、結構暗い気分でいたんです。それでスタッフに『若者たちはどこにいる?』って聞いたら、ナザレの隣の町ハイファに案内してくれたんです。そこではパレスチナ人の若者たち、アートや映画関係の人が結構いて、話を聞くと全然政治的でもナショナリスティックでもないんです。だけど、ジェンダーや人種問題についての意識はとても高く、自由への渇望も強い。調和を大事にするアナーキスト(無政府主義者)という印象で、僕の世代よりも進んでいると思えました。彼らはネットを通して、国を超え同じ世代で多くの人たちと繋がれる。新自由主義が格差など今の世界をもたらしましたが、同時にうまく抵抗しようという世代も生み出したと感じました」

 米国のブラック・ライブズ・マター(「黒人の命を軽んじるな」の意)運動の担い手となった1997年生まれ以降のZ世代らを指しているのだろう。ゲームでもアニメでもネットでも幼い頃から見てきたものがほぼ同じなので、国を越えて同じ話題で盛り上がれる世代でもある。

「未来に希望があるか、と問われれば、彼らが社会の中心になれば今よりはましと思える、いやそう思いたい自分がいますね」

 世代ではなく年代、つまりどの時代に生まれたかではなく、単に若いから周囲に希望をばらまいているだけではないかという見方もある。だが、全く違う環境で育った世代が、老いた時は今の老人とは多少違ってくるはずだ。それが監督が感じている「希望」だろう。

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【プロフィール】Elia Suleiman(エリア・スレイマン)。1960年、イスラエル北部ナザレ生まれのパレスチナ系イスラエル人。81~93年、ニューヨーク在住時に短編映画でデビュー。94年にエルサレムに 戻り96年、「消えゆく者たちの年代記」で長編デビュー。2002年の「D.I.」でカンヌの審査員賞と国際映画批評家連盟賞受賞。他に「時の彼方(かなた)へ」など。私小説的な作品が多い。共作に「それぞれのシネマ」「セブン・デイズ・イン・ハバナ」。妻はレバノン出身の歌手、ヤスミン・ハムダンさん。

 

2021年2月 3日 (水)

【マスク義務化】バイデン氏✍大統領令「公共交通機関の利用時」全米で

 米国公共交通機関マスク着用2日から義務付け 

ロイター 2021年2月2日(火)15時33分配信

 米国で公共交通機関でのマスク着用を義務化する新ルールが2日から施行された。航空機内や電車、バス・タクシーの車内のほか、空港や駅などでも着用が義務付けられる。

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 新ルールは米疾病対策センター(CDC)の指示によるもの。バイデン大統領は就任直後の1月21日、政府機関に対し「数百万人の公共交通機関職員を含む全米国民の安全を確保し、命を救う」施策を定めるよう求める大統領令に署名した。

 航空機乗客の権利保護団体「FlyersRights.org」は、社会的距離政策の厳格化や検温などと並び、「N95」「KN95」や医療用など微粒子にも対応するマスクの義務化に踏み込むよう求めていたが、CDCの指示では手作りのマスクも可となった。

 米運輸保安庁(TSA)は31日、マスクを着用しない乗客の搭乗を拒否し、民事罰を課す方針を発表した。この規定は少なくとも5月11日まで実施される。 

 新ルールはほぼ全ての交通機関を利用する2歳以上の乗客に適用されるが、自家用車やワンマントラックの運転手は除外対象となる。

 アメリカン航空は顧客に対し、障がいなどでマスクの着用ができない場合、出発の72時間前までに同社に通知するよう義務付けるとともに、出発の3日以内に受けた新型コロナウイルス検査での陰性証明または回復証明を提出するよう要請した。

 デルタ航空のエド・バスティアン最高経営責任者(CEO)は1日、これまでにおよそ950人の搭乗を拒否したことを明らかにした上で、新ルールにより乗客のマスク着用を求めてきた同社の方針がさらに擁護される、と歓迎の意を示した。

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 大統領執務室ボタン撤去押すダイエットコーク 

朝日新聞デジタル 2021年1月24日(日)5時00分配信

 トランプ前大統領の時代に米ホワイトハウスの大統領執務室に設置されていた「赤色のボタン」が、バイデン大統領の就任後に撤去されたとして話題になっている。ボタンはかつて大統領の机の上に置かれ、それを押せば「ダイエットコーク」が執務室まで運ばれてきたという。AP通信など複数のメディアが「ダイエットコーク ボタン」などとして報じている。

 報道によると、このボタンはトランプ氏の在任期間中、大統領執務室の机上に置かれていた。複数の記者の目撃談として、トランプ氏がボタンを押すと、執事がコカ・コーラ社のダイエットコークを運んできたなどと伝えている。米誌ニューズウィークは、トランプ氏は無類のダイエットコーク好きで、1日に12杯飲んでいたといううわさもあったと報じている。

 ボタンは超大国の大統領の机上にあり、しかも緊急性を連想させるような赤色だった。米誌タイムによると、執務室を訪れたある記者が「それは核兵器のボタンですか?」と聞くと、トランプ氏は「違う。だけど、みんなそう思っているようだ」と言って実際に押して見せたこともあったという。

 今月20日にバイデン政権に移行した後、このボタンがなくなったことに気が付いたのは、以前にトランプ氏に直接取材したことがある記者だった。

 英ラジオのコメンテーター、トム・ニュートン・ダンさんは2019年に執務室でトランプ氏に直接取材した。日本時間の今月22日、ツイッターに「トランプ氏がボタンを押すと、執事がすぐに銀色の大皿にダイエットコークを載せて持ってきた。ボタンはもうなくなってしまった」と写真と一緒に投稿すると、24日午前0時時点で「いいね」は13・5万件を超えた。「そんなボタンが存在したのか…」と驚く声のほか、「執務室に冷蔵庫を置けばいいのに」などの反応があった。

 コロナを語る“専門家”信頼できる人とできないどう見極めれば良いのだろう?

文春オンライン 2021年2月4日(木)6時12分配信/佐々木 俊尚(評論家)

 どの情報が正しく、どの情報が間違っているのかを判断するのがとてもむずかしい時代になっている。

 ツイッターやウェブメディアなどインターネットの情報はもともと玉石混交だし、では新聞やテレビを信用できるのかというと、福島第一原発事故から新型コロナ禍にいたる間に、完全に信頼は失墜してしまったと私は受け止めている。

 では専門家の意見なら信じられるのか。しかしこれも確実ではない。「専門家」と呼ばれていても、怪しげなことを言う人が少なくないからだ。

 たとえばコロナ禍では、たくさんの医師や研究者がテレビのワイドショーに出演したり、ツイッターで発言したりしている。医師が感染症について語ってるのだから信頼できるだろうと多くの人は思ったし、私も初期は漠然とそう思っていたが、実はそうでもなさそうだというのは、2020年春に緊急事態宣言が出るぐらいのころからだんだんわかってきた。

 さらに厄介なのが、もともとは信頼できる専門家だったはずが、テレビに出演して持て囃されているうちに、だんだんと信頼度を落としていってしまうという闇落ちのような人もいるという現実だ。

信頼できる専門家がテレビに出て闇落ちする理由

 私も仕事で接触することが多いが、テレビの世界というのは、けっこう魔界である。魔界というのは、怖いプロデューサーやディレクターに恫喝されるとか無理強いされるとかそういうことではなく、まったく逆である。テレビのスタッフはみんな優しい。優しすぎて恐縮してしまうぐらいに皆さん物腰柔らかくて丁寧だ。

 だから出演者は素直な人になればなるほど、スタッフが求めているものを察するようになって、それに合わせて発言するようになっていく。その空気に反してでも言いたいことを言う専門家はいるけれど、そういう人はだんだんと呼ばれなくなったりして、姿を消していく。気がつけば、番組の空気に染まった人だけが残っていくということになる。

 全員ではないと信じたいが、テレビの人は、科学には弱い。もちろん科学番組を作ってる人たちはそんなことはないが、ワイドショーを作ってるような人たちはたいてい科学に弱い。「テクノロジーが人を幸せにするのでしょうか」というような昭和的な反テクノロジー・反科学的な姿勢が、ジャーナリズムにはいまも重要で有効だと信じてる人が多いのだ。そんな考えはとっくに時代遅れなのに。

 だからテレビのスタッフには科学的な専門家を見抜く知識はそもそもないし、もともとが反テクノロジー・反科学な人たちだから、そういう考えに沿ってくれるような専門家を求めてしまう発言を強要することはないけれど、そういう空気感に染まってしまう「専門家」だけがテレビの現場に残ってしまう。おまけにそういう「専門家」は、空気への順応力がもともと高いこともあって、物事をめちゃめちゃ単純化してわかりやすく話すことが得意だったりするので、ますます手に負えなくなる。これが「闇落ち」の構図だ。

ツイッターでも有名人悪名人

 闇落ちの穴は、テレビのスタジオにだけではなく、ツイッターにもぽっかりと開いている。なぜならツイッターでは、過激で目立つことを言ったほうがバズりやすいからだ。当初はまっとうな発言をしていた人も、つい口走ってしまったことが思わぬバズになったことに味をしめてしまい、同じことを繰りかえすようになる。気がつけば闇に落ちている。

 闇落ちしたワイドショーのコメンテーターもツイッターユーザーも、これで私は有名人になったと内心喜んでいるのかもしれないが、その世界の専門家集団や良識ある人たちからは、眉をひそめられている有名人ではなく、言ってみれば「悪名人」である。

 そして問題なのは、悪名人たちは決していなくならないということだ。福島第一原発事故のときにさんざんデマ的な言動をふりまわした人が、いまもテレビのワイドショーに普通に出ていたりする。

 新型コロナでおかしなことを言ってる医療関係の人も、きっとそのままテレビで重宝され続けていくのだろう。テレビや新聞の業界が根本的に変わらない限り、この構図は終わらないと思う。そしていまのマスメディアに、そんな自浄作用はない。

 だから一般社会のわたしたちは、この構図が改善されることをあまり期待できない。できることがあるとしたら、自己防衛しかない。つまり、より良い情報がちゃんと得られるような迎撃体制をとっていくということだ。

 そこで、わたし自身がかねてから行っているひとつの迎撃方法を紹介しよう。それは専門家の「集団知」をフォローしていくという方法である。

信頼できる専門家から芋づる式に

 ひとりの専門家は、一見してどんなに優秀で誠実そうでも、その人の発信が正しいかどうかは門外漢にはわからない。医療など専門性の高い分野では特にそう言える。しかし信頼できる専門家はたいていの場合、他の信頼できる専門家たちから信頼されている。

 これは1990年代終わりにグーグルが検索エンジンで世に出てきた時、売り物にした「ページランク」という技術と同じ構図だ。良い記事からリンクを貼られている記事は、良い記事である私は以前から、医療で良い発信をしている何人かの人たちをツイッターでフォローしていた。

 ここから徐々にスタートし、彼らが紹介している医師や研究者のアカウントをフォローし、さらにはこの方たちが紹介し評価している記事やツイートを読んで、それらを書いている人もフォローし、だんだんと信頼できる専門家の人数を芋づる式に増やしていって、「COVID-19」という名前をつけたプライベートなリストにこれらの方々のアカウントを追加していった。

 このリストに入っている医療の専門家の人数はいまは数十人にもなり、毎日かれらのツイートを追いかけていくのはたいへんだが、信頼評価がしやすくなったという点においては絶大な効果があった。

専門家の群れをウォッチすると見えてくるもの

 この専門家の「群れ」を追いかけていると、さまざまに面白いできごとが起きる。

 当初は信頼されていた専門家Aさんが、あるときにふと別の専門家から「あれ、A先生がちょっと不思議なこと言ってる」「どうしたんでしょうね」と言われ、さらに「A先生は最近ちょっと過激だから」「A先生の言うこと真に受けちゃダメよ」などと言われるようになり、気がつけば「A先生は前はまともだったのにねえ」「A先生がまたおかしなことを言ってる」と言われるまでになったり。

 逆のパターンもあった。いきなり過激な発言で登場してきた専門家B先生がいて、当初は「あんまり信用できない感じがするなあ」と遠くからウォッチしていたのだけれど、「群れ」を見ていると、B先生を擁護する意見がけっこう多いことに気づく。

「B先生はコミュニケーションちょっとおかしいけど、本邦最高の権威なのは間違いない」「B先生はもう少し表現変えないと、信頼を落とすばかりでは」「言ってることは正しい」

 さらには「仲の悪いはずのB先生とC先生が同じことに賛同してたら、それは正しいのだ」という人間関係による判定方法を学んだり。

 このように「群れ」の人間関係までうっすらとわかってくるようになると、さらに理解は深まってくる。毎日リストを見ていると、新型コロナに対するいま現在の医学界の共通認識がどのようなものかもわかってくる。

 新型コロナのような新しい感染症では、研究結果などがどんどんアップデートされていくので、昨日まで正しいと思われていたことが今日には改められていたりする。

 そういうアップデートをきちんと追いかけていくうえでも、「群れ」ウォッチは有効だった。テレビに出てる専門家を妄信するのではなく、このように専門家の群れを観ていくようにしようというのがわたしの提案であり、この迎撃方法は少なくとも医学などの分野にはかなり有効だとわたしは考えている。

 なぜなら医学のような自然科学の分野では、専門家の共通理解というものが世界的なレベルである程度は存在するからだ念のために付け加えておくと、この方法は残念ながら人文系の学問には通用しないことが多い

 最近よく批判されている社会学なんかが典型だが、専門家の共通理解というものがあまり存在せず、イデオロギーなどに影響を受けやすい

チープな情報に惑わされないために

 もうひとつの問題として、「闇落ち専門家」だけのリストを作ってしまう人が出てくる危険性もある。

 そういう闇落ちリストを信じてしまう人がいたら、たいへんな悲劇である。しかしなるべく広く専門家の「群れ」をウォッチしていくと、そういう闇落ち専門家の発信というのは、多くのまっとうな専門家たちの考えからは著しくかけ離れていることがすぐにわかるはずだ。

 闇落ち系の人はたいてい、本来の専門家の集団からは孤立しているたまに「専門家は嘘ばかり言ってる! 彼らは御用学者だ! ワイドショーに出てる○○さんが本物だ」と叫んでる人もいるが、そうなってしまうのはウォッチする範囲があまりにも狭すぎるからだ。

 そうではなく、なるべく広く群れをウォッチし、そこから信頼できるリストをつくって、その方々の発信や見解などをトータルで追いかけていく

 この方法をきちんと押さえれば、ワイドショーや新聞のチープな情報に惑わされない迎撃体制を個人として固めていくことができるだろう。

 ぜひ一度試してみていただきたい。

 米国新型コロナ死者数今年だけで10万人突破 

CNN.co.jp 2021年2月3日(水)13時10分配信

 米国で新型コロナウイルスによる死者が今年に入ってすでに10万人を突破したことがわかった。米ジョンズ・ホプキンス大学の集計で明らかになった。

 米国では今年の1月1日以降、10万317件の新型コロナウイルスによる死亡が報告されている。新型コロナウイルスの感染が拡大して以降、今月2日までに死亡した人の数は44万6689人。

 米国で新型コロナウイルスに関連した死者が初めて出たのは2020年2月29日でワシントン州でのことだった。その後、昨春にカリフォルニア州でそれより前に死亡した2人についても死後に新型コロナウイルスが確認された。

 ジョンズ・ホプキンス大学によれば、新型コロナウイルスによる死者数は米国が世界で最も多い。2番目がブラジルの死者20万人超。メキシコやインド、英国では10万人以上の死亡が報告されている。

 米国で少なくとも1回、新型コロナウイルスのワクチン接種を行った人の数は、新型コロナウイルスの感染拡大の間に米国で報告された新規感染者の人数を上回った。

 ジョンズ・ホプキンス大学によれば、この1年間で報告された感染件数は2630万件超。

 米疾病対策センター(CDC)によれば、2カ月未満の間に2640万人にワクチン接種が行われた。

 ただし、それは新型コロナウイルスの感染拡大が収束することを意味しているわけではない。

 研究者によれば、新型コロナウイルスに感染している人の数は報告された人数の4倍に及ぶ可能性がある。CDCの1月半ばの推計では、新型コロナウイルスが流行して以降、実際には8310万人が感染した可能性がある。

 感染力が強いとみられる変異株も米国で見つかっており、すでに新型コロナウイルスに感染した人も再感染する恐れがある。

 2度のワクチン接種を行った人数は米国の人口の1.84%にとどまっている。米国人の大部分がワクチン接種を受けるには少なくとも数カ月かかるとみられている。

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ファウチ博士ワクチン接種後自由無し」と警鐘

Forbes JAPAN 2021年2月3日(水)12時30分配信

 米国では国内全土で新型コロナウイルスのワクチン接種が始まったが、同国の感染症分野の権威2人は米国民に対し、旅の計画を立てるにはまだ早過ぎると警告している。

 米疾病対策センター(CDC)のロシェル・ワレンスキー所長は米CNNテレビが開いたオンライン討論会で、「現在は国内外問わず旅行に適した時期ではないことを強調したい」と指摘。国内便などで長距離移動をする人に対する検査を増やすべきだと主張した。

 討論会は視聴者が参加するタウンホール形式で行われた。ある女性は、ワクチンの2回目接種を終えた後、どれくらい時間がたてば安全に旅ができるかと質問。米国立アレルギー感染症研究所(NIAID)のアンソニー・ファウチ所長は「予防接種を受ければ自由に移動してもよいというわけではない。また、私たちが常日頃言及しているさまざまな公衆衛生上の措置に従わなくてもよいというわけでもない」と回答した。

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 ファウチ博士によると、免疫が最大になるのは2回目の接種から10日~2週間たった後だが、2回目の接種を終えた後でも必ずしも自由に動いてよいわけではないという。「ワレンスキー博士が述べたような状況は変わらない。移動は良い考えとは言えない。それに尽きる」

 ファウチ博士は、2度目のワクチン接種を受けた後でもマスクを着用することが重要な理由として、ワクチン試験の主な目的は顕性感染(症状を伴う感染)の有無を調べることだったと説明。「もしかしたら症状は出ないものの感染し、鼻咽頭にウイルスを持っているかもしれない」と指摘した。

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 つまり、接種を受けた人でも、ウイルス保有量が非常に少ない状態で感染するかもしれないということだ。「他者を感染させないようにするため、またあなた自身も完全に安全だとは限らないことから、マスクを着用する必要がある」とファウチ博士は説明している。

 ファウチ博士は、予防接種を受ければ感染拡大を防げるのかどうかについて「確実には分かっていない」と述べ、米政府が今後、無症状感染者の中でのワクチン接種者と未接種者の間のウイルス水準を比較する調査を計画していると説明した。

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2021年1月16日 (土)

【全米ライフル協会】NRA<ニューヨーク“脱出”計画>テキサス州で破産法申請

 全米ライフル協会NY脱出 訴訟回避へ破産法申請 

時事通信 2021年1月16日(土)9時28分配信

 銃所有の権利を訴え米国屈指の影響力を持つロビー団体・全米ライフル協会(NRA)が15日、非営利団体として登録しているニューヨーク州から「脱出」し、テキサス州で再建を目指すと発表した。

 この計画に伴い、連邦破産法11条(日本の民事再生法に相当)の適用をテキサス州の裁判所に申請した。

 ニューヨーク州は昨年8月、NRA幹部が資金を不正に流用しているとして、NRAの解散を求め提訴していた。NRAは15日、財務状況は健全だと主張しつつ、「ニューヨーク州の腐敗した政治的な規制環境から離れ、テキサス州の非営利団体として再建する」と説明した。

 これに対し、ニューヨーク州のジェームズ司法長官は声明で「NRAが責任を逃れることは許さない」と述べた。米メディアによると、ニューヨーク州では通常、捜査中の非営利団体は移転できないという。 

 全米ライフル協会テキサス移転 汚職捜査回避目的か 

AFPBB News 2021年1月16日(土)11時55分配信

 米国の有力な銃ロビー団体「全米ライフル協会(NRA)」は15日、同協会とその支部1拠点について、テキサス州ダラス(Dallas)の裁判所に米連邦破産法11条(日本の民事再生法に相当)の適用を申請したと発表し、テキサス州に移転することも明らかにした。ニューヨーク州での汚職捜査を回避するためとみられる。

 1871年にニューヨークで設立されたNRAは、将来的に「ニューヨークでの有毒な政治環境から解放」されるのを確実にするため、テキサス州で非営利団体(NPO)として再法人化することを決めたとしている。

 ニューヨーク州は昨年8月、金融詐欺などの不正行為に及んだとして、NRAとウェイン・ラピエール(Wayne LaPierre)最高経営責任者(CEO)を相手取り、同協会の解体を求めて訴訟を起こしていた。

 同州のレティシア・ジェームズ(Letitia James)司法長官は、ラピエール氏らNRA幹部4人が長年にわたり会員からの会費や寄付金を自らの「貯金箱」として利用し、非営利団体の運営に関する法律に違反して数千万ドル(数十億円)を着服していたと指摘。

 NRAは数十年にわたって全米の銃保持者や愛好家らの意見を代弁し、合衆国憲法修正第2条の銃保持の権利を引き合いに出して、銃規制の緩和や撤廃で大きな成功を収めてきた。

 米国銃規制の闇女神の見えざる手映画化秘話 

CINEMORE 2020年12がつ30日(水)17時04分配信/金原由佳(映画ジャーナリスト)

スピルバーグとジョン・マッデンが取り合った、英国人教師の独学による初めての脚本

 一般社会においてブラックリストに載るというと、キャリアにおいて大きなダメージを負うイメージにあるが、ことハリウッドではThe Black Listに名前が連なることは大きなステップアップを意味する。というのも、The Black Listとは大手スタジオの重役たちが選ぶ、映画化されていない優秀な脚本のリストであるからだ。

 2005年、当時27歳で映画スタジオの幹部だったフランクリン・レナードが行ったアンケートに端を発し、今では250人以上の映画関係者が、まだ映画化されていない優秀な脚本に投票をし、それをリスト化。この中から、『ジュノ』や『レスラー』、『ソーシャル・ネットワーク』『 英国王のスピーチ』『 スポットライト』などアカデミー賞を受賞する作品が現れるようになり、いまや脚本家の青田買いの場ともなっている。

 『女神の見えざる手』もThe Black Listで見いだされ、映画化されたものだ。

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 脚本家はこれが一本目のジョナサン・ペレラ。

 イギリスで弁護士をしていたペレラは、仕事を辞めて、アジアでの教職に転職。韓国で英語教師をしているとき、独学で脚本作りを学び、あるとき、母国イギリスのロビイストが不正行為で逮捕されたことに発想を得て、一人の天才的なロビイストの違法行為すれすれの活動を描くことを決意する。

 ただし主人公は野心溢れる女性へと変換。それまで勝つためにはどんなことをも厭わなかったクールな女性が、ある政治家に依頼された大きな仕事だけは、頑として引き受けず、逆にその案件を徹底的に反対する立場を取るという物語となった。

 一時はスティーブン・スピルバーグも興味を持ち、自ら映画化しようとしていたというが、手を挙げたのは脚本家と同じ、イギリス出身の映画監督、ジョン・マッデンだった。脚本家も監督もイギリス人だからこそ、鋭く切り込む内容になったともいえる。

 なぜなら、ヒロインのエリザベス・スローンが徹底抗戦するのが、大物政治家たちによる、女性たちの積極的な銃保持のキャンペーンだったからだ。製作を請け負ったプロダクションが、フランス人監督、リュック・ベッソン率いるヨーロッパコープなのも興味深い。

ヨーロッパ人の鋭い視点が炙り出す、アメリカの銃規制が進まない闇

 ご存知のように、アメリカでは銃の保持については、「合衆国憲法修正第2条」の「規律ある民兵(ミリシア)は、自由な国家の安全にとって必要であり、武器を保有し携帯する人民の権利は、侵害されてはならない」という一文で、一般市民による銃器所有の正当化を認められている。

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 ここ数年、アメリカでは社会に居場所をなくした者の苛立ちや、自身の現状への不満や失望を端にした無差別乱射事件が絶えず、その度に、世論から銃規制の声が高まるものの、それが進まない。それもこれも、この「修正第2条」を含む「合衆国憲法修正10カ条」が「合衆国憲法」の「人権」に関する「権利章典」であるからだ。

 つまり、銃の保持と携帯もまた、人権の権利であるという考え方である。

 とはいえ、この「修正第2条」が作られたのは1791年のことで、開拓時代の事情を2010年代の現在の社会にそっくり当てはめるのはおかしいという考えた方もある。

 特にオバマ前大統領は銃規制には積極的で、2012年のコネティカット州の小学校で起きた銃乱射事件の衝撃を受け、2013年には、全ての銃販売に身元チェックを義務づけると共に、軍隊で使うような襲撃用銃器や大量の弾丸を装填できる弾倉の販売を禁止する銃規制強化案を発表している。

 ところが、この強化案がすんなり通らない理由の一つに、銃規制に一貫して反対している全米ライフル協会(NRA)の存在がある。『女神の見えざる手』でジェシカ・チャステイン演じる凄腕ロビイスト、エリザベス・スローンに、銃保持のキャンペーンを依頼してくるのはチャック・シャマタ演じるビル・サンドフォードであるが、彼は銃擁護派団体の代表である。

 ちなみに、事務所の社長とともに、このサンドフォードから仕事を依頼された瞬間のジェシカ、「は?馬鹿じゃないの」と言わんばかりにプッと吹き出し、悪い冗談を聞いたかのように大笑いする。周囲が戸惑う中、引き受けるわけがないと啖呵を切って、その場で事務所をすっぱりやめてしまうからカッコいい。

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 だが、銃擁護団体の力は強大で、銃規制法案を通す側の立場に立ったエリザベスにありとあらゆる仕掛けをもって、彼女を貶めようとしてくる。『女神の見えざる手』はこの騙し、騙されのコンゲームをスリル満点に描いたものだが、よくこれがイギリス・アメリカの合作で作れたなと感心してしまう。

 というのも映画の中の銃擁護団体のモデルと思われるNRAはハリウッドと関係が深く、『 ベン・ハー』によるオスカー俳優、チャールトン・ヘストンがこの団体の会長を5期勤めていたのは有名である。

 1999年に起きたコロンバイン高校銃乱射事件を契機に、アメリカでの銃保持に強く疑問を持ったドキュメンタリー作家、マイケル・ムーアは『 ボウリング・フォー・コロンバイン』でチャールトン・ヘストンにアポなし突撃取材を試み、彼を質問攻めにして、都合の悪い質問に対して、口ごもる姿を容赦なくカメラに収め、『 猿の惑星』を筆頭に、ヘストンの演技を愛してきた観客に様々な問題定義を施している。

ロビイストとは何をする仕事なのか?

 さて、『女神の見えざる手』は、今のアメリカが手をこまねいている「銃規制」の法案を実現しようとする女性ロビイストを題材にしていて、ある意味、アメリカにこういう人物が現れればいいなという現実とは遠い、希望を描いているともいえる。

 だが、ジェシカ・チャステイン演じるエリザベスは全然良い人としては描かれない。ジョン・マッデンは脚本に惚れ込んだ理由として、ヒロインが実に野心的で、品行方正な人物とは言い難いところを挙げている。

 映画の中で彼女は簡単に人を切り捨て、目的のためには、身内のスタッフの過去を暴き、その弱さを平気でマスコミに使い、利用もする。

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 恋などする時間もないし、そもそも恋も愛も求めていない彼女は、性欲を満たすためだけにエスコートサービスを利用しているのだが、そういうプライベートが後々、敵側に突かれ、大きな危険を舞い込むことにもなってしまう。

 さて、そもそもロビイストとは何をする仕事なのか。

 ロビイストとは、ある特定の主張を有する個人または団体が、政府の政策に影響を及ぼすことを目的として行う、私的な政治活動であるロビー活動をする人のことをいう。ちなみに先にあげたNRAもロビー団体の一つである。

 日本では東京オリンピック誘致などでロビー活動についていろいろと注目されたが、あまりにも政治の場でロビイストの力が絶大であるがために、前オバマ大統領がロビイストを規制しようとしたのも有名な話である。

 まさか、銃規制に猛然と立ち上がるロビイストの映画ができるなんて、彼はどう思ったのか、聞いてみたい気もする。

 金融の街、ニューヨークにウォール街があるように、政治の街、ワシントンにはロビイストの事務所は立ち並ぶKストリートがある。ジェシカは現役のロビイストに何人もあってその話し方、立ち居振る舞い、思考の在り方など、徹底的に取材し、身に着けたという。

 現在、アメリカには3万人ものロビイストがいると言われるが、これまで映画の中には、影のフィクサーとして出てくることはあっても、ここまで表立って主役として描かれることはほとんどなかった。ロビイストがなぜ、そこまで強い力を持つかというと、企業からの献金を政治家に持ち掛け、巨額のやり取りを実現させるからである。

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 個人による寄付で政治活動をしたオバマはそれをきらい、献金も厳しく禁止しようとしたが、トランプ大統領は逆にロビイストへの門戸をそれは広く大きく開けて、規制緩和にも積極的だ。

 もし、エリザベスが本当に存在していたら、「銃乱射を止めるのは銃」と言ってはばからないトランプ大統領に対してどう振舞うだろう? そんな夢想が止められない。

 最強の圧力団体全米ライフル協会破産申請した裏事情 

FLASH 2021年1月17日(日)20時04分配信

 アメリカ最強の政治的な圧力団体「全米ライフル協会(NRA)」が1月15日、破産法を申請した。

 米議会襲撃事件以降、NRAに対する世論の風当たりが強くなり、まもなく銃規制を謳う民主党政権に取って変わるが、それだけが原因ではなさそうだ。会員数500万人を超え、豊富な資金を持つ歴史ある団体の破産申請は、どうやら計画的で打算的だったようだ。

 NRAは南北戦争直後の1871年に設立された。射撃訓練や銃器の教育をおこなう組織として、また合衆国憲法修正第2条に規定されている「武器を保有し携帯する権利」を擁護する社会運動を進める団体である。1963年のケネディ大統領暗殺で銃規制運動が高まった頃から、むしろ会員数は激増し、反メディア・反銃規制のロビー活動団体というイメージが定着した。

 NRAは長年、巨額の資金を政治につぎ込んできた。協会では、政治家たちをA+からFまで7段階にランク付けしており、トップランクの議員には数億円規模の寄付がおこなわれる。

 政治的立場から共和党議員のランクが高く、これまでジョン・マケイン氏は7億円を超える寄付を受けている。トランプ大統領は、2016年の選挙事務所立ち上げからNRAと手を組み、当時31億円ほどの寄付を受けたという。また、1月5日におこなわれたジョージア州の決選投票には4.6億円を注ぎ込んでいる。

 逆にF評価である民主党のヒラリー・クリントン氏に対しては、批判広告などのネガティブキャンペーンを繰り返している。

 アメリカでは銃の販売店が街中に点在し、スポーツショップや量販店などで1万円代から気軽に購入できる。近年の高校銃乱射事件を受けて、ラピエールCEOが「子供たちを守るため、すべての学校に武装警官を配備するべきだ」と述べたのは有名な話だが、NRAの長年のロビー活動により、銃規制が次々に弱められてきたのが現実だ。

 だが、そうして風潮にようやく批判の声が届くようになってきた。銃乱射事件が起きたサンフランシスコでは、「どこの国にも精神衛生上の問題はあるが、量販店などで容易に銃が入手できるのはアメリカだけで、それはNRAの影響によるものだ」と協会を批判、2019年に市議会が満場一致でNRAを「国内テロ組織」と認定した。

 2020年夏には、ニューヨーク州が、NRA幹部の資金流用疑惑と協会の解散を求める裁判を起こした。ラピエールCEOは、カリブ海やヨーロッパへのプライベートジェット代やブランド服など5200万円、他の3幹部たちも合計66億円ほどの資金を流用したという。

 カマラ・ハリス次期副大統領や民主党議員から解体を求める声が強まるなか、1月16日、NRAからAランク評価を得ていたローレン・ボーベルト議員の辞職が報道された。

 彼女はコロラド州で銃を所持したまま利用できるレストランを経営しており、銃所有の権利を強く主張している。国会に銃を持って行くと公言したことで物議を醸した新人議員だが、陰謀論と呼ばれる「Qアノン」の信奉者で、議会襲撃の際、乱入者の手引きをしたのではないか疑われていた。

 NRAの破産申請は、こうした逆風のなかで取られた一手だった。NRAは、実際には資金に困っていたわけではない。コロナ禍の政情不安で銃の売り上げは伸びており、2020年は近年最多で1700万もの審査がおこなわれ、新規の銃購入者は500万人もいた。NRAのウェブサイトにも「資金状況はここ数年間でもよい方だ」と書かれている。

 では、なぜ破産法を申請したのか。これは、ほぼ間違いなく裁判逃れだとされている。申請ではテキサス州での再起が明記されているが、銃愛好者の多いテキサス州へ移ることで、厳しいニューヨーク州の訴訟を避けられる可能性が高いのだ。

 司法長官は「逃げることは許さない」とツイートし、ニューヨーク州でも、移転や破産の適用を阻止する動きが始まっている。一方、かねてからNRAにテキサスへの移転をすすめていたトランプ大統領は、「訴訟はひどい話で、NRAはテキサスでとても素敵な人生を送るといい」とコメントしている。

 訴訟はどちらの土地でおこなわれるのかわからないが、新たな地で再建を果たしても、多額の資金流用疑惑や腐敗体質が消えるわけではない。大統領の言うような「素敵な人生」がやってくるかどうかは不明だ。

トランプ大統領米軍基地での退任式典要求

産経新聞 2021年1月16日(土)9時06分配信

 ロイター通信など主要メディアは15日、トランプ米大統領が20日正午に開かれるバイデン次期大統領の就任式を見届けることなく、同日朝にワシントンを離れると報じた。

 これまでは就任式の直前、新旧大統領がホワイトハウスで一緒にコーヒーを飲んで歓談することが慣例となっていたが、今回は行われない見通し。就任式にはトランプ氏の代わりにペンス副大統領が出席するとみられている。

 トランプ氏は大統領専用機で、ワシントン近郊のアンドルーズ空軍基地から南部フロリダ州の別荘マールアラーゴに向かう。

 トランプ氏は同基地で、米軍の儀仗隊から21発の礼砲で見送られる「退任式典」を実施することを要求しているという。

 ドナルドトランプ大統領は敗者として去る 

CNN.co.jp 2021年1月15日(金)18時30分配信/デービッド・アクセルロッド(TV司会者)

 伝記作家はこう述べている。かつて、ある冷酷非情なニューヨークの不動産開発業者が悪意のこもった教訓を息子に授けた。やがて米国の大統領となる息子に。

 この世には2種類の人間がいる。フレッド・トランプは事業家見習いの我が子にそう説いた。それは相手の息の根を止める者と、敗れ去る者だ。

 伝えたいことは明白だった。戦いには必ず勝て。どんな手段を使ってでも。ルール? 基準? それは敗者のためのものだ。フレッド・トランプは敗者など眼中にない。

 この教訓を、ドナルド・トランプは嫌というほど叩き込まれた。

 生涯を通じて、トランプ大統領はそうした信念に基づき行動してきたように思える。世界は弱肉強食のジャングルで、強い者が勝者となり、望むものを手に入れる。どんなことをしてでも必ず手に入れる。弱い者だけがルールに従って戦い、敗者となる。

 トランプ氏の世界では、うそをついて相手の優位に立つ行為はほとんど問題にならず、むしろそうしないことが問題とみなされてしまうらしい。他の連中を出し抜かなくては、間違いなく自分が出し抜かれてしまうからだ。

 それこそがトランプ氏の事業経営の考え方だったように思える。行く先々で後に引けない状況を作り出し、仲たがいしたビジネスパートナーからの訴訟沙汰は数知れず。債権者や規制当局、納税の義務を巧妙に逃れているとの疑いをかけられ、業者への未払いや顧客を欺いたといった非難にもさらされている(本人は商取引であれ納税申告であれ不正は一切行っていないと主張する)。

 そうした哲学を、同氏は大統領の職務にも持ち込んだ。ルールや基準に著しく違反し、民主主義の機能を守る制度を弱体化させているのだ。

 さかのぼればあの時、2015年6月にトランプ・タワーのエスカレーターを下り、扇情的で人種差別的なたわごとを浴びせかけながら政治の世界に足を踏み入れたあの瞬間から、トランプ氏はことあるごとに品位を欠いたうそをつき、利己的な物の見方と陰謀論とを振りまいてきた。同氏は故意に、皮肉をこめて国を分断した。自分を大統領に選んだまさにその国を炎上させることで、自身の目的を果たしたのだ。

 権力の座に就いたトランプ氏のサクセスストーリーは、誇張されたリアリティー番組でのイメージの上に築かれたものだ(番組内で同氏はビジネスの巨人として出演していた)。つまり、自分の功績を大きく見せる習慣がすでに身についていたのである。史上最大!史上最高!これまで誰も目にしたことのないものを見せる! 彼は我々にそう約束した。

 なるほど。今回ばかりはトランプ氏の言うとおりだ。

 我が共和国の長い歴史の中で、2度にわたって弾劾(だんがい)訴追を受けた大統領は1人もいない。これは記録に残る屈辱であり、今後もその衝撃が色あせることはないだろう。そしてそれが象徴するのは、歴代で最も腐敗し、混乱し、破壊的だったこの大統領の任期そのものにほかならない。

 おそらく、何が何でも父親から与えられた命令を遂行しなくてはならないとの思いに駆られてのことだろう。フレッド・トランプの息子は我が国の民主主義に対する大変な罪を犯し、権力の座を保持しようとした。

 2度にわたり、同氏は2020年大統領選への介入を試みたといわれる。1度目は19年、外国の指導者(ウクライナの大統領)に汚職の捜査を不当に開始、公表するように圧力をかけるという考えられない行動に出た。捜査の対象は対立候補と目される人物の中でトランプ氏が最も恐れた相手、ジョー・バイデン氏その人だ。

 トランプ氏は皮肉をこめつつも効果的に、この最初の弾劾を党派対立によるものとして描き出し、大統領職にとどまった。当時共和党でトランプ氏への有罪票を投じたのは、ミット・ロムニー上院議員ただ1人だった。

 これに懲りるなどということは全くなく、トランプ氏はさらに勢いづき、立法と司法の決定によって20年の大統領選の結果を覆せると信じ込んだ。自由かつ公正な投票で自身が完全敗北したにもかかわらずだ。

 かくして、米国大統領がたきつけたクーデターの試みにより5人が死亡し、我々の民主主義が傷つく事態となった。大統領は最後の、なりふり構わぬ行動として連邦議会を止めにかかった。議会は憲法上の義務を遂行し、バイデン氏の選挙人投票に基づく勝利を承認しようとしていた。

 議事堂が包囲される様子を目の当たりにし、トランプ氏の一派の中にさえ、もうたくさんだと考える人々が現れた。下院で行われた大統領の弾劾訴追決議案の採決では、共和党の議員10人が賛成票を投じ、トランプ氏が今後連邦政府の役職に就くことができなくなる状況に一歩近づいた。

 もっと多くの共和党議員が政党の垣根を越えて行動するべきだったが、トランプ氏は依然として根強い信奉者の集団を支持基盤に抱え、彼らからの忠誠を確保している。そのため、あまりにも多数の共和党議員が将来の予備選でのトランプ氏と忠実な支持者の存在を恐れて屈服してしまった。そうしなかった議員らは称賛に値する。

 今回のようなクーデターの試みが起こるに至った経緯については、さらにたくさんのことを学ばなくてはならない。なぜこれほど多くの米国民がトランプ氏の敗北は明白なのに詐欺的な言説を受け入れてしまったのかという問題についても同様だ。

 ただ、上院がトランプ氏の歴史的な2度目の弾劾に対していつ、どのように行動しようとも、これだけは分かる。同氏はあと1週間で大統領職を退く。誇りある前大統領としてではない。扇動的な反乱を仕組んだ不名誉で利己的な人物として退くのだ。連邦議会議事堂と我々の民主主義に対する暴力的な反乱。それが彼の墓碑銘になるだろう。

 訴訟と公職の資格剥奪の脅威が目前に迫っている。しかし大統領はすでに、あらゆるものの中で最も手痛い罰を受けている。フレッド・トランプの息子でありながら、敗者として去るのだから。

 トランプ氏バイデン新大統領就任当日の朝にホワイトハウス退出 

時事通信 2021年1月16日(土)11時17分配信

 ジョー・バイデン(Joe Biden)氏が20日の就任式で宣誓し、第46代米国大統領に就任する頃、前任者のドナルド・トランプ(Donald Trump)氏は午前中にホワイトハウス(White House)をヘリで飛び立ち、すでにワシントンから遠く離れた場所にいる──米政府高官が15日、このように明らかにした。

 匿名を希望した政府高官によると、トランプ氏は、自身が所有するフロリダ州の高級リゾート施設「マーアーラゴ(Mar-a-Lago)」に向かう。マーアーラゴはトランプ氏の法定住所で、ホワイトハウスを出てから同氏はここに住む予定だ

 退任する大統領が次期大統領の就任式を欠席するのは、トランプ氏で約150年ぶりとなる。

 ビットコイン保存のHDDうっかり捨てた英国人男性72億円で発掘許可申請 

CNN.co.jp 2021年1月16日(土)13時45分配信

 仮想通貨ビットコインを保存したハードディスクドライブ(HDD)を誤って捨ててしまった英国の男性が、地元自治体に対し、ごみ埋立地の発掘を許可してくれれば7000万ドル(約72億円)を支払うと申し出ている。

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 IT業界で働くジェームズ・ハウエルズさんは2013年6~8月の時期に、7500ビットコインを保存したドライブを廃棄。ハウエルズさんがその4年前にマイニング(採掘)を行った時、ビットコインの価値はまだ低かった。

 しかし、ビットコインの価値が高騰したためハードドライブを探したところ、ごみと一緒に誤って捨ててしまったことが判明した。

 その後、なくなったビットコインの価値はさらに上昇。そこでハウエルズさんはウェールズのニューポート市議会に連絡を取り、ハードドライブが埋められていると思われる埋立地の区画の発掘許可を求めた。

 ハウエルズさんは発掘許可と引き換えに、保有するビットコインの現在価値の4分の1に当たる額を支払うと提案。このお金は地域住民に配ることもできるとしている。

 ビットコインは2009年、「サトシ・ナカモト」の名で知られる1人もしくは複数の匿名プログラマーによって発明された。本質的にはコンピューターファイルであり、利用者の端末の「デジタルウォレット」に保存される。保存後は決済手段に活用することが可能で、全ての取引は「ブロックチェーン」と呼ばれる公開リストに記録される。

 ビットコインの価格は最近史上最高値をつけた後、現在は1ビットコイン=3万7000ドル付近で取引されている。

 ハウエルズさんがハードドライブがないことに気付いた時、保有するビットコインの価値は計約900万ドルだった。現在のレートでは推定2億7300万ドルに相当するという。

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 ビットコイン操作されているクオンツ投資会社の調査担当者 

Bloomberg 2021年1月15日(金)14時34分配信

 アレックス・ピカード氏は2017年にビットコインで多額の利益を得たため、金融関係の仕事を辞めてフルタイムのビットコイン採掘者になることにした。そのベンチャーは1年もたたずに頓挫し、同氏はクオンツ投資会社リサーチ・アフィリエーツで働くことになった。

 調査担当バイスプレジデントの同氏は自身の経験を基に、新しいビットコイン信奉者らに対し、市場は操作されている公算が大きいと警告を発している。

 同氏はリサーチ・アフィリエーツのウェブサイトに掲載した「ビットコイン:魔法のインターネットマネー」というリポートで、「恐らく、ビットコインはリテール投資家と一部の機関投資家、冒険をしてみたいマネーの熱狂によるバブルにすぎないのだろう。しかし私の意見では、はるかにありそうなシナリオは、この『バブル』が熱狂ではなく詐欺によって作られているというものだ」と論じた。

 ビットコインがドルを裏付けとするステーブルコインの「テザー」の不正な取引によって影響されていると指摘する学術論文もある。

 テキサス大学オースティン校のジョン・グリフィン教授とオハイオ州立大学のアミン・シャムス教授は19年の論文で、大規模な取引をする1人のトレーダーが裏付けのないテザーを発行しそれをビットコインに変換することで、人為的なビットコイン需要が生まれ価格が上昇するという仮説を展開した。

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 こうした主張は目新しいものではなく、市場操作の疑いは仮想通貨に付きまとっている。

 ピカード氏にとっては、仮想通貨の値上がりの魅力はリスクを上回るものではない。さらに同氏は、仮想通貨は「投資手段でも価値の保管場所でもインフレヘッジでもない」と論じている。

 同氏の会社、リサーチ・アフィリエーツの創業者、ロブ・アーノット氏は18年に共同執筆した論文で、仮想通貨をインターネットバブルに比較していたが、ピカード氏は「市場操作の話が真実であるならば、ビットコインは伝統的な意味合いでのバブルですらなく、それよりはるかに悪い可能性がある何かの一つだ」と指摘した。

 

2021年1月 9日 (土)

【コロナ第3波】英国首都「重大インシデント」宣言✍“変異株”感染拡大中

 英ロンドン「重大インシデント」宣言、コロナ感染「制御不能 

ロイター 2021年1月9日(土)1時25分配信

 英首都ロンドンは8日、感染力が強い新型コロナウイルス変異種が国内で制御不能となり、病院が対応できない恐れがあるとして「重大インシデント」を宣言した。

 英国の新型コロナ死者は7万8000人を超え、世界で5番目の多さ。ジョンソン首相はイングランドで新たに全面的なロックダウン(都市封鎖)措置を導入し、ワクチン接種を急いでいる。

 ロンドンのカーン市長は、感染拡大が「制御不能」で市内の病床数が今後数週間で限界に達する恐れがあると懸念。「ウイルスがロンドンにもたらす脅威が危機的な状況にあるため、重大インシデントを宣言する」と表明した。

 重大インシデントは通常、攻撃や重大事故の発生時に指定され、特に「重大な被害、損害、混乱、または人間の生命や福祉、不可欠なサービス、環境や国家安全保障に対するリスク」などがある事態に適用される。

 カーン市長によると、市内の一部地域では市民20人に1人が感染。救急車の搬送要請は1日最大9000件に上るという。

 ペロシ米下院議長トランプ核攻撃阻止”を軍トップと協議 

AFPBB News 2021年1月9日(土)5時34分配信

 米民主党のナンシー・ペロシ(Nancy Pelosi)下院議長は8日、錯乱した状態にあるドナルド・トランプDonald Trump大統領が残りわずかとなった任期中に核ミサイルを発射する事態を避けるため、米国防総省のマーク・ミリーMark Milley統合参謀本部議長と協議を行ったと明らかにした。

 合衆国憲法で定められている大統領権限の制限について米軍制服組トップと協議を行ったと公に認めるのは異例トランプ氏の任期終了までの期間をめぐり米政界で緊張が高まっていることを示している。

 ペロシ氏は民主党議員への書簡で、この錯乱した大統領の状況は危険極まりなく、わが国と民主主義に対する彼の情緒不安定な攻撃から米国民を守るため、われわれはあらゆる手段を講じなければならないと説明。

 さらに、トランプ氏が辞任せず、マイク・ペンスMike Pence副大統領と閣僚が合衆国憲法修正25条で定められた大統領罷免の手続きを開始しないならば、弾劾手続きを開始する準備があるとも言明した。

 米首都ワシントンでは6日、ジョー・バイデン氏の次期大統領への当選確定を阻止しようとしたトランプ氏の支持者らが連邦議会議事堂に乱入する事件が発生。警察官1人を含む5人が死亡した。民主・共和両党の議員はこの事件を反乱だと非難。トランプ氏が暴力を扇動したとの批判も高まっている。

 ツイッタートランプ氏📱アカウント永久停止 

共同通信 2021年1月9日(土)8時42分配信

 米短文投稿サイトのツイッターは8日、トランプ米大統領のアカウントを永久に停止すると発表した。さらに暴力を扇動するリスクがあるとしている。

ジャックマーだけじゃない。中国から消えた富豪たち

Forbes JAPAN 2021年1月9日(土)8時30分配信

 アリババの共同創業者でビリオネアのジャック・マーが表舞台から姿を消してから、ソーシャルメディア上では様々な憶測が流れている。マーの消息は不明で、アリババはコメントを差し控えている。

 かつて、中国一の富豪だったマーが最後に公の場に姿を見せたのは、昨年10月に上海で開催された「外灘(バンド)金融サミット」だった。サミットで、マーは規制当局がイノベーションを阻害していると批判し、11月初旬に政府機関から呼び出しを受けたとされる。

 11月3日には、2日後に控えたアリババ傘下の金融会社「アント・グループ」のIPOが突如中止された。その後、国家市場監督管理総局は、アリババを独占禁止法違反で調査していると発表した。マーは、10月後半から姿を見せていない。

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 アリババとアント・グループにコメントを求めたが、回答を得ることはできなかった。CNBCは1月5日、事情に詳しい人物の話として、「マーは行方不明ではなく、おとなしくしているだけだ」と報じた。

 マー以外にも、中国共産党を批判して公の場からしばらく姿を消したビリオネアは複数存在する。2015年12月には、大手コングロマリット「復星国際(Fosun International)」の創業者兼会長である郭広昌Guo Guangchangが消息を絶ち、ソーシャルメディアには、郭が上海の空港で警察に連行されたという目撃談が投稿された。

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中国のバフェットも一時行方不明に

 復星国際は香港市場に上場しており、運用資産は1150億ドル(約12兆円)に達する。中国のウォーレン・バフェットと称される郭は、アジアや欧州、北米に投資をし、復星国際を巨大企業に育て上げた。

 郭が行方不明になったというニュースを受け、香港市場では復星国際株の取引が一次停止された。同社は、「郭は司法当局の捜査に協力している」というコメントを発表し、その後、郭は職場に復帰した。失踪理由は明らかにされていないが、習近平が2012年の主席就任から進める汚職狩りに関連するものだと見られている。郭の資産額は75億ドルで、現在も復星国際を率いている。

 2016年1月には、「上海美特斯邦威服飾(Shanghai Metersbonwe Fashion & Accessories)が、同社の創業者でビリオネアのZhou Chengjianと連絡がとれなくなったことを公表し、同社の株式は一時取引が中止となった。中国メディアのChina Dailyは、Zhouが警察に拘留され、インサイダー取引と株価操作に関わる事件の捜査に協力していると報じた。

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 上海美特斯邦威服飾は、1週間後に深圳証券取引所に書簡を出し、Zhouが復帰したことを報告したが、詳細は明らかにしなかった。Zhouは、12歳で学校を退学し、大工やれんが積みを経て、仕立屋になるための修行を積んだという。

 その後、上海美特斯邦威服飾を創業し、2019年には売上高が8億ドルを超えた。Zhouは、娘に経営を譲った現在も同社の筆頭株主で、資産額は13億ドルに達する。

不動産王も失踪

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 ここ3年ほどの間に姿を消したビジネスマンも複数いる。中国の不動産王、任志強Ren Zhiqiangは、昨年3月に政府の新型コロナウイルス対策を批判する文章をネット上で公開した。その中で、任は習近平を名指しこそしなかったものの「ピエロ」と呼んだ。

 2020年3月に、任の友人たちはニューヨーク・タイムズに対して、「任のことがとても心配だ」と述べ、任が行方不明となり、捜索していることを明らかにした。任の父は共産党幹部で、彼自身も長年の党員だが、中国政府は7月に任の党籍をはく奪したと発表した任の資産は没収され、9月には収賄と権力乱用の罪で懲役18年が言い渡された任の支持者たちは、任が習近平を批判したことで罰せられたと主張している。

香港から連れ去られた富豪

 もう1人の大物で、投資会社「トゥモローグループ(Tomorrow Group)」の肖建華Xiao Jianhuaは、香港で失踪した。報道によると、2017年1月に香港のフォーシーズンズホテルから車いすに乗せられ、顔を覆われた状態で連れ去られたという(肖は、普段車いすを使用していない)。

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 肖は、中国本土に連行されたとされている。トゥモローグループは、2020年7月にウィーチャット(微信)上で、「肖は中国本土におり、当局の捜査に協力している」と述べた。同社は、後にこのコメントを削除している。

 中国政府は、トゥモローグループの関係会社が支配株主や持ち株の情報を隠蔽したとして、6社以上を管理下に置いた。肖は、政府高官とのパイプが太く、彼らのために商取引を行っていたとされるが、その後公の場に姿を見せていない。トゥモローグループの広報担当者にコメントを求めたが、回答を得ることはできなかった。

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 人民日報予言していた「ジャックマー悲しい運命 

Newsweek日本版 2021年1月6日(水)17時17分配信

一代で電子商取引大手アリババを築いた世界的実業家ジャック・マーでさえ、目障りになれば成功したのは政府のおかげと切り捨てる中国共産党の論理

 2カ月前から公の場に姿を見せず、「行方不明」とも噂される中国のIT起業家にして大富豪の馬雲(ジャック・マー)に関連し、2019年に中国共産党機関紙の人民日報に掲載されたある記事が中国で話題になっている。この記事は、マーがなぜ中国政府の不興を買っのたかを的確に表し、その後の運命をも予言したものとみられるからだ。

 それは人民日報の論説記事で、マーが電子商取引大手アリババの会長を退いた2019年9月10日の数日後に書かれたもの。中国の新進起業家たちのあいだで憧れの的になっていた56歳のマーに対するロックスターのような扱いをばっさりと切り捨てている。

 中国版ツイッターの「微博(ウェイボ)」に再浮上したばかりのこの記事のタイトルは、「ジャック・マーの時代など存在しない。あるのはジャック・マーが生きた時代だけだ」。

「アリババが成功した企業であることはまちがいないし、ジャック・マーがアリババに与えた影響についても疑いようはないが、企業の成功をそのリーダーのみの功績とするのは、まったく非現実的だ」と、記事には書かれている。どんな起業家や企業もその成功は偉大な時代背景に負うところが大きい

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人民日報の記事は、中国有数の大富豪のマーと彼が創業した電子商取引最大手のアリババは、中国政府が用意した経済環境と出合う幸運に恵まれたのであり、その環境のおかげで成功が可能になったのだと示唆する「適切な土壌と気候条件がなければ、苗は大木に成長できない」

成功は時代のおかげ

 記事は次のように結ばれる。「いわゆる『ジャック・マーの時代』など存在しない。あるのはジャック・マーが生きた時代だけだ。その時代が与えるチャンスをつかんだ者だけが、持てる潜在能力を発揮できる。ジャック・マーだろうが、馬化騰(ポニー・マー、テンセント・ホールディングス会長)だろうが、イーロン・マスクだろうが、われわれ凡人だろうが、例外はない」

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盲目的な称賛は、成功をもたらさない成功を手に入れるには、ある人の成功とその時代の関係を理解することが欠かせない

 中国のネットコメンテーターやローカルニュースサイトは、この論説はマーに関する中国政府の「ご機嫌」と最近の事の成り行きを「予言」したものとして話題だ。

 マーは、昨年10月24日に上海で開催された外灘金融サミットで、中国の政治指導者のあいだで大きな物議を醸す発言をしたのを最後に、人前に姿を見せていない

 世界でもっとも注目される中国人実業家であるマーはこのサミットで、厳しく規制された中国の金融システムを批判し、「次世代の」中国の若者たちのためにシステムを徹底的に見直すべきだと訴えた。ここで金融規制当局が「イノベーションを妨げている」と述べたマーは、10月中旬を最後に、ツイッターにも微博にも投稿していない。

常に出席する1月3日の会合も欠席

 マーは、自身が創設した起業家育成コンテスト番組「アフリカズ・ビジネス・ヒーローズ」の11月の最終回にも出演しなかった。「スケジュールの調整がつかなかったため」だったと、ロイターなどが1月4日に報じている。

 1月3日に上海市浙江商会の会合を欠席したことも注目に値する。同会の年次フォーラムにつねに出席しているマーが姿を見せなかったことで、微博ユーザーのあいだでは、マーの行方をめぐる疑念が深まった。

 マーは、10月下旬の発言により、中国政府に睨まれる立場に置かれたと見られている。問題になった発言の後、それまで大きな期待が寄せられていたアリババ傘下の金融会社アント・グループのIPO(新規株式公開)は、予定の11月3日直前に延期された。その後の12月には、中国の規制当局が、独占禁止法違反の疑いでアリババの調査を開始した。

 中国の国営メディア各社は、アント・グループとアリババが、規制当局の求める構造改革を「受け入れた」と報じている。

<「吸血鬼悪党呼ばわり

 かつては「マー父さん(Father Ma)」と愛情のこもったニックネームで呼ばれていたマーは、10月の上海での発言以来、中国では罵詈雑言を浴びている。中国メディアには「吸血鬼」や「悪党」などと呼ばれることもある。

 一方で、中国共産党の公式な刊行物は、2020年末を最後にマーについて言及していない。最後の記録は、当時370億ドル規模と報じられていたアントのIPO延期に関連して、マーを召喚した、というものだった。

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 日本人が理解していない「独メルケル政治」のろしぎる本質 

現代ビジネス 2021年1月8日(金)6時02分配信/川口 マーン 惠美(作家)

なぜ、今、突然…

 中国企業はEUや日本のあらゆるところで、現地企業と同じ条件で投資できるが、その反対は不可だ。そのため、競うように中国に進出していた外国企業は、さまざまな不平等に屈しなければならなかった。

 そこで、その状況を少しでも是正しようと、投資条件を平等にするための協定を目指して、EUが中国と交渉を始めたのが2014年。しかし、それから7年。法治国家ではない国との交渉は遅々として進まず、早急な合意など、最近ではもう誰も想像していなかった。

 ところが2020年12月30日、EUと中国が相互投資協定に合意した。なぜ突然、今? その答えはメルケル独首相にある。

 2020年後半、EUの欧州理事会の議長国はドイツだった。EUの各国首長にとって、自分が議長国を務める間に、いかにEU政治に影響を及ぼすことができるかは、腕の見せ所だ。

 議長国は半年の輪番制なので、今、27ヵ国に膨らんでしまったEUにおいては、チャンスは14年に一度しか回ってこない。2020年後半、それを手にしていたのがメルケル首相だった。しかも、彼女は2021年で政治から引退すると言っている。つまり、まさに最後のチャンス。

 議長国首脳としてメルケル首相の挙げていたテーマの一つが、「EUの対中政策」。EUを強化するため、各国でバラバラになってしまったそれを一本に纏めるというのが公式の理由だ。本来ならEUサミットに習近平を特別ゲストとして招待し、華やかに何らかの協定を結ぶはずだったが、これはコロナでお流れ。

 しかし今では、バイデン氏が次期大統領になればEUと米国の関係が改善し、おそらく共同の対中政策が敷かれるとの予測もある。それに、コロナ対策で他にすべきことも山積み。つまり、EUが中国と独自の投資協定を結ぶ緊急性は薄れていたのに、突然、ギリギリの駆け込みとなったわけだ。

その実、EUの全面的譲歩

 交渉はメルケル首相、マクロン仏大統領、フォン・デア・ライエン欧州委員長、ミシェル欧州理事会議長(5年の常任)が、習近平とビデオで行ったが、公開されているスクリーンショット(サイド・バイ・サイドで全員が映っている)では、皆の表情が異様に固い。話し合われた内容は公開されておらず、協定の草案もまだ未完成だが、表情の固い理由は明白だ。

 今後、この協定が守られ、中国市場が外国企業に広く門戸を広げるというシナリオに皆が懐疑的であったこともその一つだろうが、一番の理由は、EUが締結の条件として紐づけようとしていた人権問題が、体よく骨抜きにされていたことだ。

 つまり、協定によれば、中国は今後、ウイグル問題の改善、そして、強制労働の撲滅のために努力をすることになっている。しかし、その結果、たとえ何の進展がなくても制裁はなし。紛れもなく、EUの全面的譲歩である。会議に参加していた人たちが、それを歓迎していなかったことは容易に想像できる。これでは、EUは信用を失墜してしまうからだ。

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 ところが、メルケル首相がそれを強引に押し切った。どうしてもこの協定を結びたかったメルケルに率いられたEUは、揉み手をしながら中国の空手形を受け取ることになったのだ。しかも、この決定には、欧州議会もタッチしていない。欧州議会とは、EUの中で唯一の選挙で選ばれた民主的機関であるが、EUの重要な案件は、たいてい首脳の集まりである欧州理事会で決定されていく。議会は事後承認を求められるだけだろう。

 一方、中国側にしてみれば、これは大成功だ。EUとの結束として、米国に見せつけることができる。これから米国とEUが共同で対中政策を敷いたとしても、その効果は限定的になるだろう。アルトマイヤー経済・エネルギー相のコメント、「この協定は、EUとドイツ、そして世界の自由貿易にとって大きな成功である」という言葉が虚しく響いた。

 メルケルの中国寄りは以前より有名だ。しかも、これまでドイツの主要メディアは、メルケル批判も中国批判もほとんどせずに来た。ところが、今回に限っては様子が違った。

 2020年は中国の暴挙が顕著になった年だ。香港の自由は暴力的に奪われ、台湾もじわじわと追い詰められている。ウイグルで起こっている残忍なことも、ようやく世界に知られてきた。何より、中国の嘘によって疫病が全世界に蔓延した年でもある。そして、それを批判したオーストラリアなどは、あからさまな嫌がらせを受けている。

 なのに、よりによってその年に、メルケルが中国に擦り寄った。「なぜ、今?」という疑問が、あちこちのメディアで噴出した。「間違ったタイミングで、間違ったディール」といったような、メルケル批判の見出しが紙面で踊った。メルケル首相は人権よりも商売を取った。いや、もっと正確に言えば、EUの利益よりも中国の利益を取ったと、多くの人が解釈した。

ドイツの言論の自由は瀕死

 さて、この日の夜8時、第1テレビの総合ニュースでのことだ。そこで何とも奇妙なことが起こった。

 私はこのニュース番組を、3時間遅れでオンデマンドで見たのだが、この投資協定の報道の中で、アナウンサーが、「しかし評論家は、中国がこれら(人権擁護についての約束)を守らないことを懸念しています」と言った。

 そして、このテーマが終わったところで、初めて見るテロップがポンと出た。「今のニュース内容には誤りがあるので、現在、訂正中です」。

 これには流石にびっくり。「誤り」というのは、前述のアナウンサーの一言に違いない。おそらくそのために、どこかから即座にかなり強い圧力が掛かったのだろう。中国大使館から? 独外務省から? それとも、第1テレビの上層部の忖度? いずれにしても、見慣れぬテロップである……。

 翌日、確かめたが、ニュースはそのまま、テロップもそのままだった。ところが、2日ほどたってもう一度確認したら、テロップは消え、画面の下の余白に小さく、こう書かれていた。

 「この放送は、間違いのために修正されました。報道では、『中国企業がこれからはもうübervorteilen(相手に損をさせて利益を得ること)ができなくなる』と報道しました。これを『中国企業がこれからは特典を得ることができなくなる』に訂正します」

 しかし、本当に問題になっていたのは、「評論家は、中国がこれら(人権擁護についての約束)を守らないことを懸念しています」というアナウンスの一言ではなかったかと、私は今でも思っている。だからこそ訂正に数日もかかり、最終的にこの些細な訂正を妥協案とした? ドイツの言論の自由は死に瀕しているのではないか? 

 日本では、「ドイツもようやくインド太平洋領海の安全のために対中包囲網に加わる」というような報道が盛んだが、実際にドイツが行っている政治は、そんな単純な話ではない。ドイツは片手で対中包囲網に加わりつつ、もう一方の手で、大慌てで中国との友好を強化している。

 ひょっとするとメルケルは、これこそが外交だと陰で胸を張っているかもしれないが、それにより、世界中にはっきりと自らの姿を晒してしまっていることに、気づいていないのだろうか。

もう誰もドイツを信じない

 多くの日本人は、メルケル政治の本質を知らない。難民を大量に入れたのが、彼女の人道の証だと思っている人は、メルケルを完全に誤解している。

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 また、ドイツが中国から距離を置くこともありえない。ドイツの産業界には、中国という巨大な市場を棒に振るという選択肢は、少なくとも今のところはない。

 なお、少し付け加えるなら、中国の脅威を認識し、熱心に対中包囲網に加わろうとしているのはクランプ=カレンバウアー国防相で、中国に向かって叩頭政治を展開しているのがメルケル首相だ。つまり、CDU(キリスト教民主同盟)の内部でも、その意見は割れている。

 いずれにせよ、まもなくこの投資協定は正式に調印されるだろう。そして、少なくとも今後は、ドイツが人権問題で偉そうなことを言っても、もう誰も信じようとはしないだろう。

 今年の秋、ドイツは総選挙だ。メルケルは、これをもって政界から完全に引退すると言っている。16年間のメルケル政治の後遺症は、彼女が政界を去ってから、皆がはっきりと感じるようになるに違いない。

 

2020年12月21日 (月)

【コロナ第3波】英国<コロナ変異株>発生!✍感染力7割増

 英国発欧州各国でもコロナ変異株感染力7割増 

朝日新聞デジタル 2020年12月21日(月)7時16分配信

 感染力が従来より最大7割強いとされる新型コロナウイルスの英国の変異株がイタリアやデンマークなどでも見つかり、欧州各国は20日、入国規制の強化に乗り出した。欧州はクリスマス休暇で人の移動が増える時期にあたり、感染再拡大への警戒感が強まっている。

 イタリア保健省は20日、数日前に英国から航空便でローマに到着した乗客から変異株が見つかったため、隔離したと発表した。世界保健機関(WHO)によると、英国と同じ変異株がデンマークで9件、オランダ、豪州で1件ずつ確認されたという。従来より重症化しやすいという証拠は見つかっていないという。

 現地報道によると、フランスは20日、英国からの入国を21日午前0時から48時間、鉄道と空路で、いずれも禁じることを決めた。英国への出国は規制しない。ドイツも近く、航空便の受け入れを停止する方針だ。このほか、イタリアやベルギー、オランダやオーストリア、ルーマニア、ブルガリアなどが英国からの入国を規制する。

 英国政府は20日、ウイルスの遺伝情報を調べた結果を明らかにした。変異株は9月に出現し、11月半ばまでは市中での広がりは少なかった。11月後半にロックダウン(都市封鎖)を導入したにもかかわらず、ロンドン南東のケント州で感染率が下がらなかったことから保健当局が調査。変異株による感染例が増えていたことが明らかになった。その後、この変異株がロンドンや周辺地域で広がっていることを突き止めたという。欧州疾病予防管理センター(ECDC)は、変異株がすでに英国以外にも広がっている可能性があるとしている。

 AFP通信によると、欧州連合(EU)の専門家は、開発されたワクチンは変異株にも有効だとの結論に達しているという。

変異種コロナ危険」…英国科学者警告”次々

Wow!Korea 2020年12月21日(月)8時44分配信

 英国の南東部で出現した、新型コロナウイルスの変異種“B.1.1.7”の危険性を指摘する科学者による警告が次々と出ている。

 英国経済紙のファイナンシャルタイムズ(FT) は、複数の科学者たちの発言を引用し、“B.1.1.7”の前例のない数値とその拡散速度を警戒しなければならないと、20日(現地時間)報道した。

 ウェルカム・トラスト・サンガー研究所(英国を拠点とする公益財団であるゲノム研究センター)で、新型コロナウイルス感染症のゲノムプロジェクトを研究しているジェフリー・バレット博士は「新型コロナの変異種ウイルスから23の変異が確認されたが、このうちの17はウイルスの特性に変化を与える可能性がある」と警告した。

 つづけて「ウイルスの変異が人間の細胞内の浸透力を強くさせる可能性がある。新たな変異種の出現は心配であり、我々がパンデミックで目撃したものとは異なるものだ」と強調した。

 ただ まだ変異したウイルスが、現在 接種されていたり開発されている新型コロナワクチンの効果に影響を与えるという証拠はないという状況である。

 一方 英国ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン(UCL)の遺伝学研究所のフランソワ・バロー教授は「最近 英国南東部地方の入院率が増加しているが、患者の増加数と一致している。これは 新たな変異種により、深刻な症状へと変化していないことを意味している」と語った。

 から“旅客機乗り入れ禁止”…変異株拡散抑制”のため 

ロイター 2020年12月21日(月)11時45分配信

 カナダ運輸省は20日、パイロットらに対し、英国からの旅客機乗り入れを禁止すると通知した。新型コロナの変異ウイルス拡大抑制のため、複数の国が相次いで英国からの渡航を禁止している。

 通知は、貨物輸送機と安全上の理由で着陸する航空機は対象外としたうえで、この措置は「航空の安全と公衆保護のため必要」と説明した。

 ハイデュ保健相はツイッターで、首相と同相含む閣僚らが20日午後、新たな変異型ウイルスについて協議したと投稿した。当局者らによると、このウイルスは、当初のものより感染力が最大70%強いとみられている。

 英国のジョンソン首相は19日、変異が感染増加につながったとの見解を発表した。

 カナダは今週、米ファイザー社製のワクチン接種を開始したが、感染増は続いている。

 同国の累計感染者数は50万7795人、死者は1万4228人。20日の新規感染者は6203人だった。

 欧州各国英国からの渡航相次禁止変異株懸念 

BBC NEWS JAPAN 2020年12月21日(月)11時52分配信

 イギリスでより感染力が高い「制御不能」な新型コロナウイルスの変異種によるものとみられる感染が拡大していることを受け、欧州各国がイギリスからの渡航を禁止し始めている。

 アイルランド、ドイツ、フランス、イタリア、オランダ、ベルギーはそれぞれ、イギリスとの全ての航空便を停止している。これらの措置は短期的なもので、内容は国によって異なる。フランスの措置は英仏間の貨物輸送に影響を与えている。

 欧州理事会は21日により協調的な対応について協議する予定。

 新型ウイルスの変異種はロンドンとイングランド南東部で急速に拡大している。

 ボリス・ジョンソン首相はこれまで3段階だった警戒レベル(ティア)について、さらにその上のティア4(自宅待機)を設定。19日にロンドン(全32地区とシティ・オブ・ロンドン)のほか、イングランド南東部と東部の各州をティア4に指定した。また、クリスマス期間の規制緩和の取りやめも発表した。

 保健当局幹部らは、変異種による死亡率が従来種より高かったり、ワクチンへの反応が異なっていたりする証拠はないとした。一方で、従来種よりも感染の可能性が最大70%高いとしている。

 マット・ハンコック保健相は、変異種が「制御不能」になっており、「我々はこれを制御しなければならない」と述べた。そして、「率直に言って、ひどい1年にとって、信じられないほど困難な終わり」になったとした。

各国の対応は

 19日のイギリスの発表から数時間後、オランダはイギリスからの全ての旅客便を来年1月1日まで禁止すると発表した。20日には、イギリスからのフェリー客の乗り入れも禁止すると発表。貨物の輸送は継続するという。

 同国は14日に厳しいロックダウンを導入したものの、20日には1万3000人以上の新規感染者が確認された。

 フランスは貨物トラックを含む、イギリスとの間の全ての輸送手段を20日深夜から48時間停止した。毎日数千台ものトラックが英仏間を行き来している。

 フランスの禁止措置を受け、英仏海峡トンネルを運営するユーロトンネルは英フォークストンから仏カレーへの輸送を止めるため、グリニッジ標準時(GMT)20日午後10時から英側のフォークストン・ターミナルへのアクセスを停止した。

 21日の輸送を予約していた人は払い戻しが受けられる。カレーからフォークストンへの輸送は継続される。ドーヴァーのフェリー・ターミナルも現在閉鎖されている。

 ジョンソン首相は貨物輸送に関する差し迫った問題について協議するため、21日にも緊急治安特別閣議(コブラ=COBRA)を開く予定。

 毎年この時期に多くの人がイギリスとの間で行き来するアイルランドでは、政府がイギリスからの到着便を20日深夜から少なくとも48時間禁止すると発表。「公衆衛生上の利益のため、イギリス国内にいる人は国籍に関係なくアイルランドへ渡航すべきではない。空路でも、海路でも」とした。

 フェリーでの貨物輸送は継続される。

 ドイツ運輸省は20日深夜から、イギリスからの航空便の乗り入れを禁止した。貨物は除外される。イエンス・シュパーン保健相はイギリス国内で確認された変異種について、ドイツ国内ではいまのところ検出されていないと説明した。

 ベルギーは「予防措置」として20日深夜から少なくとも24時間、イギリスからの航空便と列車の乗り入れを停止した。

 イタリアは来年1月6日まで、イギリスからの全ての航空便を禁止する。イタリア保健省は20日、イタリアでもイギリスと同様の変異種が見つかったと発表した。変異種に感染した人はローマ市内で隔離されている。

 オーストリアもイギリスからの航空便を禁止する方針。ブルガリアは20日深夜からイギリスを発着する航空便を停止した。多くの国が短期的な措置を取る中、ブルガリアは来年1月31日まで禁止するとしている。

 トルコとスイスも、イギリスからの全ての航空便を一時停止している。

 変異株日本の対応は“特段の事情”あれば、英国から入国可能 

HUFFPOST 2020年12月21日(月)16時06分配信

 イギリスで、従来のものより感染力が高いとみられる新型コロナウイルスの「変異種」の感染が拡大していることを受け、ヨーロッパ各国が航空便の乗り入れ停止などの措置を打ち出している。

 加藤勝信・官房長官は12月21日、日本政府としての対応について、もともとイギリスを「上陸拒否対象国」としていることを挙げ「感染状況などを見つつ慎重に対応していく」と話した。

上陸拒否対象国だが..

 イギリスを中心に感染が広がっているのは、新型コロナウイルスの変異種「VUI-202012/01」。イングランド南部のケント州で12月13日に確認され、ロンドンを中心に感染拡大が起きている。

 イギリスのボリス・ジョンソン首相は記者会見で、まだ不明確な点が多いとしたうえで、「致死率が高いことや、重症化しやすいことを示す証拠はない。ワクチンが、変異種に対して効果が低いことを示す証拠も今のところない」と説明した。しかし一方で、「変異種の感染力は、古い種よりも最大で70%高い可能性がある」ともしている。

 各国が対応に追われている。BBCによると、ドイツ、フランス、イタリア、ベルギーなどは航空便の乗り入れを停止。貨物輸送も一部でストップしているという。

 これに対し、加藤官房長官は21日、定例記者会見で日本政府としての対応を問われると、「厚生労働省でイギリス政府やWHO(世界保健機関)と緊密な情報交換をしている」と回答。日本ではこれまでに変異種は確認されていないことにも言及した。

 そして、今後の対応については「これまでも国民の健康と命を守ることを最優先に、機動的な水際措置を講じてきた。イギリスはもともと上陸拒否対象国に指定をしていて、特段の事情のない限り新規入国は原則禁止にしている。感染状況などを見つつ慎重に対応していく」と状況を見守る考えを示した。

 日本政府は11月30日までに152の国と地域を上陸拒否対象国に指定していて、イギリスも含まれる。一方で「特段の事情」がある場合は新規入国を認めており、その場合も出国前72時間以内のウイルス検査や、日本の検疫での検査、さらに自宅やホテルでの14日間待機などが必要になる。

 加藤長官は「特段の事情があるかないかを勘案する際にも、そうした感染状況を踏まえた慎重な対応が必要だ」と話した。

 新型コロナ時代最も安全』『危険な国ランキング 

Bloomberg 2020年12月21日(月)19時01分配信/Rachel Chang、Jinshan Hong、Kevin Varley

 冬の訪れと待たれていた新型コロナウイルスワクチンの接種開始が、ブルームバーグがまとめる新型コロナ時代の世界で最も安全な国・地域の番付であるCOVIDレジリエンス(耐性)ランキングに変化をもたらした。

 経済や社会に最も痛手が少ない形でコロナに最も効果的に対応している国・地域を特定するため、ブルームバーグは毎月データを算出する。

 国境を閉ざしワクチン契約を確保、国内の感染拡大封じ込めに成功したニュージーランドが12月も1位を維持した。冬の寒さ到来で前回上位だった日本や韓国が苦戦する中、台湾2位に浮上した。

 冬の厳しさで人々は密になり得る屋内で過ごすことが増え、ロックダウン(都市封鎖)を行わずに感染拡大を抑え込もうとしていた国々が脅かされている。11月に2位だった日本7位となり、韓国とスウェーデンも順位を下げた。経済への影響を最小限にして感染を抑制しようとするアプローチには、圧力がかかっている。

 北半球の冬は欧州と米国の厳しい状況をさらに悪化させた。米国はメッセンジャーRNA(mRNA)技術に基づくワクチン2種をいち早く承認したにもかかわらず、ランキングは19位下げた。

 メキシコは最下位の53位にとどまっている。検査陽性率の低下やワクチン確保の動きによって他国・地域との差は縮まりつつあるものの、感染者数は依然として多い。

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 今月に入って一部の国で接種が始まったワクチンの影響はさらに複雑だ。

 ブルームバーグCOVID耐性ランキングは経済規模が2000億ドル(約20兆6900億円)を超える53の国・地域を、感染者の増加ペースや全体の致死率、検査能力、国内医療体制の能力、ロックダウンのようなコロナ関連の行動制限が経済にもたらす影響、移動の自由など10の主要指標に基づいてランク付けした。12月の番付ではワクチンの契約に基づく供給数が明確になったため、関連指標を人口に対してワクチンが行き渡る割合のスコアに修正した。

ブルームバーグCOVID耐性ランキングの補足説明

 英国はファイザーとビオンテックが開発したワクチンの緊急使用を世界に先駆けて今月前半に認めたが、ランキングは11月から2段階下がった。契約済みのワクチンは人口の3倍近くの接種に十分なものの、配布は始まったばかりで、歯止めのかからない感染拡大でロンドンと周辺地域はクリスマスが終わるまでロックダウンされることになった。

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 米国のランキング急低下はワクチン依存戦略のリスクを示した。同国はワクチン2種をいち早く承認し数十万人規模の国民への接種を開始したが、41秒に1人がコロナで死亡し多くの州では病院が能力の限界に近い状況にあるなど、事態の改善につながっていない。

 また、米国が確保したワクチンは人口の154%分にとどまり、この割合はカナダや欧州連合(EU)に比べ少ない。年内には2000万人分の供給があるとしているものの、配布状況は州によってばらつきがあるとみられ、国民の広い層に接種が広がるのはまだ何週間も先のことと思われる。

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 来年1月の耐性ランキングでは、ワクチン接種でどの程度素早く感染拡大を抑えられるかが焦点になる。

 最新ランキングでほかに目立ったのは、オーストラリアとシンガポール、フランス、ナイジェリア、イラク、フィリピンが順位を上げたことだが、いずれも制限の緩和を伴っていた。

 一方で大きく下げたのはギリシャ、インドネシア、トルコ。感染者と死者が過去最多を更新し、新たに一段と厳しいロックダウンを導入せざるを得なくなったドイツの順位も低下した。中国とインドは人口の多さから、国民のワクチン確保で他の国以上の困難に見舞われるもようで幾分下げた。

共通点

 米国やインドなど世界で最も優れた民主主義国家の一部が後れを取った一方で、中国やベトナムなど全体主義的な国家が新型コロナウイルス抑え込みに成功したことは、民主的な社会がパンデミック(世界的大流行)への対応に適しているのかという疑問を投げ掛ける。

 しかし、ブルームバーグCOVID耐性ランキングはその疑問を否定する。11月も今回も、トップ10の大半は民主的な国・地域だ。悪影響を最小限に抑えて新型コロナを封じ込めることに成功している政府は、市民に命令し服従させる力によってではなく、高い信頼と社会のコンプライアンスを引き出すことによってそれを可能にしているように見受けられる。

 市民が当局とその指針を信頼している場合、ロックダウンは不要かもしれない。日本と韓国、そしてある程度においてスウェーデンがこれを示した。ただ、厳しい冬の訪れが今、こうした比較的オープンなアプローチに問題を突き付けている。

 ニュージーランドは最初から、コミュニケーションを重視した。同国の4段階の警戒システムは、感染拡大の状況に伴い政府がどのように、またどういう理由で行動するかを国民に明確に理解させた。

 公衆衛生インフラへの投資も重要だ。20年より前には多くの場所でその価値が過小評価されていた接触追跡システム、効果的な検査が新型コロナ対応で上位にランクされる要因となり、健康に関する知識の普及が手洗いやマスク着用を社会に定着させる助けとなった。これが、経済に大打撃を与えるロックダウンを回避する鍵になったと、米国立アレルギー感染症研究所(NIAID)のアンソニー・ファウチ所長は指摘している。

 メルボルン大学で世界疾病負担(GBD)グループのディレクターを務める アラン・ロペス名誉教授によればまた、社会的結束もこのパンデミックへの対応の成否を分ける要素だった。

「日本や北欧の社会を見ると、不平等がほとんどなく、非常に規律が行き届いていることが分かる」とロペス氏は述べた。「これが、国としてより結束した対応につながり、優れたコロナ対応ができた理由だ」と分析した。

米国のワクチン優位

 米国から効果的な対応が見られなかったことが、今回のパンデミックで最も驚くべき展開の1つだった。超大国の米国が感染者数と死者数で世界最多となり、危機への対応は最初から出遅れていた。医療機器および個人防護具(PPE)の不足、検査と追跡システムにおける協調の欠如、マスク着用の政治問題化など不備が目立った。

 トランプ米政権は予防よりも治療とワクチンを第一に重視した。「ワープ・スピード作戦」と銘打った取り組みの下、ワクチンを開発する製薬会社などに約180億ドルを配分した。一方、国内の各州は危機対応のための資金を求めていた。

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 ワクチン確保の指標では人口の5倍以上に十分な量を確保したカナダが依然トップ。オーストラリアとニュージーランドは人口の2倍以上分を確保、一方で台湾の割合は26%にすぎない。

 人口に対するワクチン注文の割合に基づく新たなワクチンアクセス指標は、中国、インド、米国など人口の多い国が抱える大きな課題を反映する。中国とインドの注文あるいは製造能力は年20億回分を優に超えるものの、それでも人口の少ない国に比べ不利になる。

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 全体として、ワクチンアクセス指標は豊かな国の永続的な強さを浮き彫りにする。こうした国の一部はウイルス抑え込みに失敗しているが、それでもワクチン確保では優位だ。規模の比較的小さい新興国・地域の多くは国内での臨床試験実施やワクチン製造を請け負うことによって供給契約を確保した。

 シンガポールのリー・シェンロン首相は11月にブルームバーグ・ニューエコノミー・フォーラムで、「大国は、場合によっては驚くほどの包括的な措置によって自分たちが第一にワクチンを入手することを確実にした」と指摘。「そのような政治的緊急性は理解できる。大国はある程度自分の言い分を通すのが現実だと思う」と語った。

これから

 ブルームバーグCOVID耐性ランキングは53の国・地域の現在のランキングを示すものだが、ワクチンへのアクセスをランク付けすることによって各国経済の将来への展望も提供する。

 いずれにせよ最終的な番付ではないし、ウイルスについてのデータの不完全さや危機の展開の速さを考えれば番付が固定されることは決してない。第1波を比較的うまく乗り切った国・地域も第2波、第3波に見舞われている。その時々の状況や純粋な運も結果を左右するが、これらを定量化することは難しい。

 来年はワクチンの普及がさらに決定的な要素となることは確かだ。物流と保管、国民の不安と、課題は多い。しかし、新型コロナとの1年間の闘いを経て、政府も国民も感染拡大を抑える方法、影響を緩和する方法への理解を深めている。

 順位はデータとともに変わっていく。ブルームバーグは事態の展開に伴い、毎月ランキングを更新していく。

 

2020年11月 7日 (土)

【新型肺炎】欧州再拡大<コロナ感染者数>仏伊など過去最多

 仏伊ポルトガル過去最多 欧州コロナ再拡大深刻 

共同通信 2020年11月7日(土)5時50分配信

 フランス保健当局は6日、新型コロナウイルスの感染確認者が前日から6万486人増加したと発表した。同国で1日の増加数が6万人を超えたのは記録上初めて。イタリア、ポルトガルでも1日の新規感染者が過去最多を更新。感染再拡大の深刻度が増している。

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 イタリア政府は11月6日、感染者が前日から3万7809人増え、累計86万人を超えたと発表した。過去最多更新は2日連続。

 ロイター通信によると、ポルトガルでは6日、1日の新規感染者数が5550人を記録した。春に続き、政府の非常事態宣言を議会が承認、国民に外出制限を義務づけることを可能とした。

 コロナ禍後投資先に、マクロン大統領が売り込み 

ロイター 2020年11月7日(土)3時59分配信

 マクロン仏大統領は6日、新型コロナウイルスの危機が落ち着いた後の欧州の投資先としてフランスを売り込む好機とみて、世界の投資家に対するアピールを開始した。当局者が明らかにした。

 フランスや多くの欧州諸国が新型コロナ感染第2波の中にあるにもかかわらず、マクロン氏は投資家が欧州連合(EU)を離脱する英国や「安定的」なドイツよりもフランスの1000億ユーロ規模の経済復興策を好むとみている。

 ある大統領顧問は「投資家は今、白紙の状態にある。国際的な大手企業の最高経営責任者(CEO)は各国がどのように危機に対応しているかに注目していることもある」と話す。別の顧問は「英国はEU離脱で停滞しており、国をアピールできない状態だ。ドイツの復興策は供給側より需要側を重視しているため、新たに宣伝するものがない」と語った。

 マクロン氏はこの日、新たな投資を確保するためにタタやユニリーバ、コカ・コーラ、ザランドなどのCEOと電話会議を開催。これまで世界経済フォーラムの年次総会(ダボス会議)前に開催していた「フランスを選ぼう」会談のオンライン版となる。

 新型コロナ感染が再び急増する中、フランスは先月にロックダウン(都市封鎖)の再導入を余儀なくされた。当局者らは、こうした状況下で投資のアピールをするタイミングについて、投資家が第2波以降を見据え、新型コロナ後の長期的な視点で勝てる国を今見極めていると指摘。ある当局者は「欧州全体で感染が急増している。CEOはこのような波がいくつか来ることを十分理解している」とし、「フランスが危機管理だけでなく、先を見て経済を一変させることに注力していると証明するのが重要だ」と述べた。

 仏経済は第3・四半期に16%持ち直した。第2・四半期は、新型コロナの感染拡大を抑えるために欧州の中でも非常に厳しいロックダウンを導入したことから、13.8%減と過去最大の落ち込みを記録した。2回目のロックダウンを受け、第4・四半期は再び縮小するとみられる。

 フランスは危機の打撃を抑えるために税控除や国が補助する一時帰休、企業への融資保証など4700億ユーロを超える支援策を導入してきた。そのほか、法人減税や再生可能エネルギーへの投資を含む1000億ユーロの2カ年計画を発表している。

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ロックダウンドミノ  欧州行動規制がる 

ロイター 2020年11月6日(金)15時54分配信

 英イングランドは5日、新たに1カ月間のロックダウンに入った。ギリシャも7日から3週間の全土封鎖を行うほか、仏パリでも夜間の食品販売が制限されるなど、規制強化の波が欧州全域に広がっている。

 5日、新たに1カ月間のロックダウンが始まった英イングランド。その空には紫色の霧がかかっていた

 前夜はロックダウン前の最後の夜を楽しもうと人々でごった返していたが、5日は打って変わって、静寂が通りを支配した。

 コロナ感染による英国の死者数は、欧州で最多。いまも1日2万人以上が新たに感染している。スナク財務相はロックダウンによる失業者の増加を抑えるため、追加経済支援策を発表した。

 全土でロックダウンを実施する国は、欧州で広がりつつある。そして次はギリシャが実施を決めた。

 ギリシャは5日、全土で封鎖措置を行うと発表。7日から3週間続けられる。封鎖期間中、スーパーと薬局を除いて 小売店の営業は一切認められない。市民の外出には許可が必要で、また時間も指定される。小学校は授業を行うが、高校は閉鎖される。

 一方、仏パリでは6日より、午後10時から翌朝6時までの惣菜やアルコールの持ち帰り販売や配達が禁止される。当局によると酒類を夜間、公共の場所で販売したり飲むことも禁止されるという。

 ロックダウン」再開で国民団結れかけている理由 

現代ビジネス 2020年11月6日(金)8時01分配信/川口 マーン 惠美(作家)

4週間のロックダウン

 10月29日、国会議事堂の演壇の前で、メルケル独首相は言葉に詰まった。

 前日に州の首相たちと定めたコロナ対策について説明していたところ、AfD(ドイツのための選択肢)の議員たちの激しいヤジが飛び、話を続けられなくなったのだ。メルケル首相のスピーチがこれほど妨害されることは珍しい。

 前日に決まったのは、11月2日から4週間の予定で宣言されたロックダウンで、飲食店は閉鎖、ホテルは観光客を泊めてはいけない。旅は日帰りもダメ。また、劇場、映画館、遊園地、美術館、プール、ジム、体育館などもすべて閉鎖、美容院以外のビューティーサロン(ネイルサロンなど)も閉鎖。

 仕事は、できる限りオンラインに切り替える。そして、家での飲み会やパーティーも、最高2世帯、計10人まで。ただ春のロックダウン時と違い、学校と幼稚園、通常の店舗は閉鎖しない。外出も規制しない。

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 メルケル首相は、これらの厳しい措置は感染者の増加を抑えるために「適切で、必要で、(防疫効果との)バランスが取れた」ものだとし、コロナの危険を軽視する人たちのことを、「嘘、歪んだ情報、憎悪は民主的な議論だけでなく、ウイルスとの戦いをも妨害する」と弾劾した。「今冬は厳しく、長い季節となり」、防疫対策には「人間の命がかかっている」。

 それに対し、AfDのガウランド氏は政府のやり方を、「戦時中のプロパガンダ」と攻撃。政府が行う「毎日の『新規感染者数』の発表は、『爆撃速報』さながらで、国民を恐怖に陥れる」と。

 さらに、政府が国会の頭越しに重要な決定を下していることを指し、メルケル首相に向かって、「我が国の主権は国民にあることを思い出していただきたい。それは、つまり、ここ、国民の代表者の集う国会です」と言った。

 この日、メルケル首相に異議を申し立てたのはAfDだけではなかった。FDP(自民党)の党首リントナー氏も演壇に立つと、「メルケル首相、あなたは議論が民主主義を強化すると言う。それは正しい。しかし、議論は決定の前に行われなくてはならない」と首相を名指しで批判した。

三権分立が溶解してしまう

 今回の問題は、言うまでもなく、1)規制が国民の基本的人権を制限するものであること。さらに、2)そのような重要な決定が、民主主義を無視した形で行われたことにある。

 まず、1)だが、飲食店やホテル、アーティストなどの営業禁止、さらには旅行や家で人と会うことまで制限するのは、憲法で保障されている人権を侵害する可能性が高い。

 基本的人権の制限については、ドイツの基本法(憲法に相当)により例外的に認められているものの、それは、制限が、ある合法な目的を達成するためにどうしても必要で、かつ、効果がある場合に限るとされる。つまり、今回の場合で言えば、ロックダウンがコロナの防疫のためにどうしても必要で、しかも、効果との相関性が明らかでなくてはならないということ。

 しかし、実際問題として、相関性の有無は疑問だ。すでに感染経路の75%は不明だし、政府の下部組織であるロバート・コッホ研究所でさえ、ホテルやレストランがコロナの感染源になっている証拠はないと言っている。

 また、人的交流を制限すれば一時的に感染者は減るだろうが、制限を解けば、また増えるというのが、春のロックダウンをした国々が、現在、体験していることなのだから、ロックダウンが長期的なコロナ防疫に役立つとは言えない。

 2)の国会の頭越し問題も根が深い。

 そもそも、連邦首相が州首相を招集して重大事項を決定するという政治システムは、ドイツに存在しない。元々、ドイツの首相はフランス大統領のように大きな権限を持たず、非常事態を宣言する権利もないし、それどころか、政府さえ非常事態は宣言できないことになっている。

 そこで、春のロックダウン時は、ごくありきたりの「感染防止法」を加工して、保健大臣と政府に大きな権限を持たせるという方法を使った。しかし、その権限がいつのまにか、保健大臣からメルケル首相に移行している。

 国会までが無力化され、このままでは本当にドイツの三権分立は溶解してしまう。なのに、不思議なことに、会議の前はロックダウンに反対していた州首相も、何故か突然、まったく何も言わなくなっている。

ロックダウン再開は正しい対策か

 一方、ニュースでは、集中治療室で医療関係者に囲まれながら生死の境を彷徨っている半裸の患者など、皆を怖がらせる映像ばかりが毎日流される。そして、メルケル首相や保健相は、「国民の総力結集が必要」とか、「これが最後のロックダウンである保証はない」とか、「規則を守るか、死者の数を増やすかのどちらか」などと盛んに脅しを掛ける。

 では、実際の状況はどうなのかというと、検査で陽性反応の出る人は増えているが、病状のある人が急増しているわけではないらしい。死者の数は、これまでの総計は10,812名(11月4日現在)。2017~18年のインフルエンザの死者は21,500人だったので、その約半分だが、そんなことはもちろん報道されない。

 いや、その反対で、コロナ患者の集中治療用ベッドが6割以上空いているという情報が出れば、すぐさま、「ベッドは空いていても看護師が足りないので、このままではすぐに医療崩壊する」。感染してもほとんどは軽く済むと言えば、「治った後、ひどい後遺症がある」。どれが正しいか私にはわからないが、いずれも、ロックダウンを正しい対策として肯定する理由は乏しいように感じる。

 そこで、今になって、これらに反対する人たちが声を上げ始めた。

 コンサートはダメなのに、なぜショッピングモールの雑踏はOKなのか? あるいは、通勤電車は満員のままなのに、なぜクラスターである証拠もないホテルや飲食店が標的となっているのか? あるいは、この措置で感染者を減らしてクリスマスを凌いだとしても、その先はどうなるのか? という質問にも、政府は答えられない。ロックダウンを繰り返すわけには行かないはずだ。

 また、複数の医師会や、ウイルス研究者、心理学者たちも、現在の政府の防疫政策を非難し始めた。

 このままでは経済的不安や孤独からの鬱や自殺、家庭内暴力、アルコール依存、また、感染が怖くて病院に行かず病気を悪化させるなど、他の弊害が大きくなりすぎる。高齢者や健康上のリスクを持つ人々を集中的に保護する形に、早急に変えるべきだというのが、彼らの主張だ。

国民の団結は崩れかけている

 つい最近まで政府やメディアは、コロナ政策に反対するのは極右や極左や陰謀論者であると決め付けていたが、今はもう、そんな風に片付けるわけにはいかない。現在、私のところにも、オペラやコンサートを解禁するよう当局に要請するための署名運動を始めた団体から、オンラインの書類が送られてきている。

 特に、多くのホテルや飲食店は、春以来の苦しい経営の中、営業を続けるために厳しい防疫基準を守り、新しい換気フィルターなどにも投資していただけに、今回の営業禁止で裏切られたように感じており、雪崩を打って裁判に訴え始めた。

 それだけではない。普通の市民も、休暇で滞在していたホテルから強制的に退去させられたり、親族と集まることさえ制限されたりと、だんだん行動の自由が狭められ、私生活まで監視されているように感じている。

 春の頃は、まだコロナが未知のものであったため、国民はロックダウンに対する理解を示したが、今は不満が膨張し、団結は崩れかけている。

 そこで、政府は急遽、新たに100億ユーロの支援を追加し、被害を受けている事業者の11月の粗利(去年の同月の最大75%)を保証することにしたが、コロナ不況は11月で終わるわけではない。

 また、パートで職を失った人たちは、この恩恵もどのみち受けられない。このままでは零細企業やフリーランスは近い将来、公金依存状態に陥り、政府の権限はさらに強まるだろう。片や、すでに巨額の補助や融資を受けている大企業も、コロナが収束した暁には、国営企業のようになっているかもしれない。

 国民の不満に気付いたメルケル首相は、11月2日、慌てて記者会見を開いた。これも稀なことで、焦っているのがよくわかる。

 そこで、対策の正統性を主張しようと思ったらしいが、「今回のロックダウンは感染拡大を遮断するきっかけになるかもしれない」とか、「皆でマスクを付け頑張っているのだ。きっとうまく行く」など、裏付けのない話に終始した。彼女が長々と行った感染学的な説明に対しては、すぐにある医師が反証をあげたビデオをアップしている。

 いずれにしても、国民は団結を要請されながら、ソーシャル・ディスタンスでバラバラにされていく。家族にさえろくに会えず、教会のミサでは、礼拝者はベンチの右端と左端に一人ずつ座らされ、サッカーの試合は観客なし。可哀想なのは学校の生徒たちで、授業中もマスク着用のうえ、頻繁な換気のため、毛糸の帽子と毛布で凍えながらの授業だ。

 また、店では、20平米あたり一人のみという規則だから、スーパーの外には行列ができる。これから本格的な冬が到来したら、あちこちで皆が風邪を引くだろう。

 こういう国民の日常を、メルケル首相が本当にわかっているとは思えない。ここに私はドイツ政府の本質的な問題があると思っている。

 コロナ新規感染者、5日は12万人超 2日連続過去最多 

ロイター 2020年11月6日(金)11時08分配信

 ロイターの集計によると、米国の新型コロナウイルス感染者が5日、新たに少なくとも12万0276人確認され、1日当たりの新規感染者数として2日連続で過去最多を更新した。

 米国で1日当たりの新規感染者数が10万人を超えるのは過去7日間で3回目。

 この日は全米50州のうち20州で新規感染者数が過去最多を記録した。

 感染は全米で広範囲にわたっているが、新規感染者でみると中西部の状況が特に深刻。

 5日には、イリノイ州で新規感染者が約1万人報告され、テキサス州と並んで過去7日間の感染者が全米最多となっている。

 このほか5日に感染者の伸びが記録を更新した中西部の州は、ネブラスカ、インディアナ、アイオワ、ミシガン、ミネソタ、ミズーリ、ノースダコタ、オハイオ、ウィスコンシン。アーカンソー、コロラド、メーン、ケンタッキー、オレゴン、ニューハンプシャー、オクラホマ、ロードアイランド、ユタ、ウェストバージニアも記録を更新している。

 一部の都市と州は感染拡大抑制のため、夜間外出禁止や集会人数制限など新たな措置を発表しているが、連邦政府レベルでの措置は講じられていない。50州中17州ではマスク着用を義務付けていない。

 韓国各国で新型コロナ感染者急増、日10倍仏600倍米1200倍 

中央日報 2020年11月7日(土)11時59分配信

 韓国は100人、日本は1000人、ドイツは2万人、フランスは6万人、米国は12万人。最近の一日の新型コロナウイルス感染拡大ペースだ。欧州と米国では冷たい風が吹き始め、新型コロナの感染が急速に広がっている。日本も新規感染者数が韓国の10倍にのぼる。

欧州で死者30万人超える

 今年春の急速な感染拡大後、小康状態だった欧州では、冬が近づく中でまたウイルスが急拡大している。

 AFPによると、1週間前から全国に移動制限措置を施行中のフランスは、6日(現地時間)の集計基準で一日の新規感染者数が過去最多の6万486人となった。累計感染者数は166万人、累計死者数は3万9865人にのぼる

 ドイツでも6日、一日の新規感染者数が2万1506人にのぼった。ドイツで新規感染者数が一日2万人を超えたのは初めて。累計感染者数は61万9089人、累計死者数は1万1096人。

 イタリアでは5日、一日に445人の死者が出て累計死者数が4万人を超えた。累計感染者数は約87万人。

 今月5日から来月2日までイングランド全域で封鎖措置を施行中の英国は、新型コロナ累計死者数が4万8475人と、5万人に迫っている。英国の累計感染者数は約114万人。

 感染拡大で欧州全体の新型コロナ累計死者数は30万688人と、30万人を超えた。

米国で一日12万人の感染者

 米国でも新型コロナ感染者が急速に増えている。米ジョンズ・ホプキンス大学は5日の一日の新規感染者数を過去最多の12万1888人と発表した。コロラド州・イリノイ州・ミネソタ州・オハイオ州・ペンシルベニア州・ユタ州・ウィスコンシン州などで新規感染者数が過去最多となった。ワシントンポストは東部から西部にわたる20州で一日の新規感染者が過去最多を更新したと伝えた。

 5日の死者数は1187人と、1週間前に比べて20%ほど増えた。この日を基準に米国の累計感染者数は964万3922人、死者数は23万5199人となった。先月30日に累計感染者数が900万人を超えたが、10日も経たないうちに1000万人を超える可能性が高い。

韓国は新規感染者100人前後

 日本は5、6日の新規感染者数がそれぞれ1048人、1123人と、2日連続で1000人を超えた。累計感染者数は10万6916人。

 韓国の一日の新規感染者数は100人前後で統制されている。6日の新規感染者数は89人と、4日ぶりに100人未満となった。

中国入国制限再び強化 日本は帯同家族のビザ発給停止

時事通信 2020年11月7日(土)7時09分配信

 中国政府が新型コロナウイルスの流入を防ぐため、11月に入って外国からの入国制限を再び強化している。

 英国やフランス、インドなどでは発給済みの査証(ビザ)効力を相次ぎ停止。日本では駐在員ら本人の渡航は認めるが、帯同する家族へのビザ発給を停止した。

 駐日中国ビザ申請センターは2日、ビザ申請条件を、中国の地方政府発行の招聘(しょうへい)状を持つ本人らに限定すると発表。9月から認めていた「同行配偶者および未成年子女」を対象から外したため、日本にいる帯同家族は中国に戻れなくなった。

 一方、英仏印各国やイタリア、ベルギー、ロシア、フィリピンなどの中国大使館は5日までに、ビザの効力を停止すると発表。中国外務省の汪文斌副報道局長は5日の記者会見で「やむを得ない臨時的な措置だ」と理解を求めた。

 中国では、新疆ウイグル自治区で先月発生した集団感染が400人以上に拡大しているほか、海外からの入国者の感染が連日数十人規模で確認されている。11月以降は中国に向かう国際線の搭乗客全員にPCR検査に加え抗体検査も義務付けるなど、冬を前に警戒を強めている。

 体操中国代表防護服着用来日、母国でも非難 

東スポWeb 2020年11月6日(金)17時33分配信

 体操の国際競技会(8日、国立代々木競技場)に参加する中国選手団が、新型コロナウイルス感染防止のため防護服、ゴーグルなどの完全装備で5日、成田空港に来日し、中国でも物議を醸している。

「新浪体育」など各媒体は、中国選手団の来日の様子を報じる日本の記事を引用する形で報道。日本のネット上での反応を加え「中国体操選手団が防護服での訪日に、日本のネット民は『見くびらないでほしい』と怒りの声」などと伝えた。

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 ものものしい完全防備ぶりは中国でも違和感を感じる人は少なくないようで、中国のネット上でも「これは確かに失礼」「家に招かれたのに、手袋をしたり、椅子にカバーをしたりすれば家の主人はどう思う? やりすぎ」「ここまでする必要があるなら、行かないほうがまし」と疑問の声も上がっていた。

 今大会は新型コロナウイルス感染拡大後、日本初の国際大会。男子の内村航平(31=リンガーハット)が一度はPCR検査で陽性となったものの、実際は「偽陽性」だったことが明らかになり、話題となった。

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 コロナ禍で「在庫処分」大量発生、アパレル業界の地殻変動 

毎日新聞 2020年11月1日(日)9時30分配信

 新型コロナウイルスの感染拡大で、アパレル業界が苦境に立たされている。外出自粛で小売店の販売が落ち込み、大量の売れ残りが発生したためだ。「大量生産のツケ」とも言える在庫処分の現場を訪れると、コロナだけでは説明できない業界の構造変化も垣間見える。 

 10月下旬、大阪市西成区の倉庫にはシャツやスカートなど全国から集まった売れ残りの服が段ボールに入ってうずたかく積まれ、従業員らは商品の検品やブランド品を示すタグの切り取りを手際よくこなしていた。倉庫は同市中央区の「shoichi(ショーイチ)」が運営している。

 同社はメーカーの売れ残りを定価の1割ほどで買い取り、東京、大阪など14カ所の直営店などで格安で販売している。ブランド品のたたき売りはメーカーのイメージを傷つけるため、販売前に自社のタグに付け替える。こうした厳格な管理がメーカーからの信頼を集め、2000社以上から在庫を引き取ってきた。

 ◇ 引き取り量が倍増

 山本昌一(しょういち)社長は「今年はコロナの影響で春物の服が売れず、6、7月の引き取り量は例年の倍以上になった」と語る。昨年8月に取材で倉庫を訪れた時は、空間に余裕を感じられたが、今は見上げるほどに段ボールが積まれている。

 同じブランドロゴの箱がいくつも積み重なる光景を目の当たりにして「売れるか分からないのにこんなに作らなくても」と感じた。倉庫を案内してくれた同社営業部の野崎陸さん(25)も「今は秋の決算期の処分に合わせて在庫が流れ込んでいる。昨年と比べたらものすごい量」と語る。

 新型コロナは、百貨店などのアパレル小売店を営業自粛に追い込み、メーカーの経営を圧迫させた。5月には紳士服「ダーバン」などを展開する老舗レナウンが経営破綻。オンワードホールディングスは2021年2月までに約700店を閉鎖する。東京商工リサーチによると、今年4~9月に倒産した3858社(負債額1000万円以上)のうち、アパレルを含む繊維業は245社に上った。

 ショーイチの山本社長は「引き取る商品の量は倍増したが売り上げは例年並み。残念ながら弊社の在庫量は増えている」とこぼす。それでも「アパレル業界が大変な中、うちが在庫を引き取るぐらいはやらないと。短期的な目線は捨てて、『在庫に困ったらショーイチに電話』というインフラ的な存在になれれば」と覚悟を決めていた。

 シーズン前に大量生産

 そもそも季節ごとに商品を入れ替えるアパレル業界では、シーズン前に流行を予想して商品を生産する。近年では価格を抑えた服を大量生産するファストファッションが潮流となっている。

 経済産業省によると、国内のアパレル商品の供給量は1990年代初頭で約20億点だったが、2010年には約40億点に倍増した。一方、国内のアパレル市場は15兆円から10兆円規模に縮小、大量生産による「売れ残り」も増加したとみられる。

 昨年取材した都内の産業廃棄物会社の社長は「有名ブランドの在庫を年間100トン以上焼却している」と明かした。無断転売や違法投棄によるブランドイメージの悪化を避けるため、メーカーの担当者が処分時まで立ち会うことも多いという。今回、コロナ禍での業界の裏事情を聞こうと再びこの会社に取材を申し込んでみたが、なぜか社長と連絡がつかなかった。

 「捨てる会社が減っている」

 しかし、在庫の増加はコロナ禍だけが原因ではないようだ。山本社長は「在庫を焼却処分するなどの『捨てる会社』が目に見えて減ってきている。今は一部のハイブランドだけで、サステナブル(持続可能)な方向に進もうとしている」と業界の変化を感じている。

 分岐点となったのは、18年の英高級ブランド「バーバリー」による在庫廃棄の報道だ。数十億円分の商品を焼却処分していたことが明らかになり、国際的な批判を浴びた。それ以降、各メーカーも在庫処分に神経をとがらせるようになった。

 バーバリーは毎日新聞の取材に「18年9月に在庫の廃棄をやめた。商品をニーズのある地域に移動させるなどしている」と説明。ユニクロなどを運営する「ファーストリテイリング」も「価格を下げたり、翌シーズンに繰り越したりして売り切っている。焼却などの廃棄はしていない」と説明する。

 より前向きな動きもある。ユニクロは顧客が不要になった自社の服を回収し、新しい服に作り替える取り組み「RE.UNIQLO(リ・ユニクロ)」を9月にスタート。第1弾として、11月2日から国内での回収品62万着で作ったダウンジャケット(税別7990円)を販売し、今後も商品メニューを広げていくという。

 ただ、ある業界関係者は「リサイクル品は製造費がかかるため、正規品より高価になりがち。環境意識の高い欧州では受け入れられるが、リーズナブルな商品を求める日本では厳しいだろう」と冷ややかな見方を示す。

 生産体制の見直しが必要

 一方で、アパレル業界のマーケティングに詳しい大妻女子大の中島永晶教授は「今の業界は、服作りよりも在庫の圧縮が最大の関心事になった。今回のコロナを機に目先のトレンドに左右される生産体制を考え直すべきだ。翌シーズン以降も販売できる商品などで在庫を適正化しつつ、利益重視の経営にシフトする必要がある」と指摘し、業界の意識改革を促している。

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2020年10月13日 (火)

【耳学】“犯罪者天国”✍「南アフリカ共和国」警察機構の闇

 日本の凶悪バラバラ殺人犯南アフリカで17年も野放しだったワケ 

現代ビジネス 2020年10月13日(火)14時01分配信/時任 兼作(ジャーナリスト)

コロナを恐れて突然出頭

 「指名手配されている紙谷惣です」――。2003年に殺人を犯し、南アフリカに逃亡後、現地で事業を行い、潜伏を続けた犯罪者。それが17年後の今年8月下旬、同国で感染が拡大する新型コロナウイルスに怯えて自ら南アフリカの日本大使館に出頭し、警察関係者を驚かせた。この出来事は、いまなお捜査関係者の間で話題となっている。

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 殺人事件が発生したのは2003年9月。元飲食店員が千葉県市川市のレストラン駐車場で暴行を受け、その後、埼玉県戸田市のマンションに監禁された挙句殺害され、遺体はバラバラにされて遺棄された。その年の10月、東京都奥多摩町の町道で、切断された腕が見つかり捜査が開始された。

 背景には、飲食店を訪れる客のクレジットカード情報を抜き取り、カードを偽造する詐欺計画をめぐってのトラブルがあったという。殺害された元飲食店員が、詐欺に加担することを断ったのだ。

 2004年1月、警視庁は逮捕監禁容疑で男女8人を逮捕し、のちに殺人、死体遺棄などの容疑で再逮捕したが、主犯格と目された松井知行容疑者と今回、殺人の実行犯として出頭した紙谷惣容疑者は事件直後に国外に逃亡。米ハワイ経由で南アフリカに入国していた。警視庁は国際刑事警察機構(ICPO)を通じて国際指名手配したものの、身柄を押さえることはできなかった。

南アフリカ警察はまったく動かず

 その後について、捜査関係者が語る。

 「海外逃亡後、ふたりは別の詐欺事件にかかわっていたようだ。そのことが判明したのは、2010年のこと。南アフリカで開催されたサッカーワールドカップに際し、架空の観戦ツアーを名目に高額の旅行代金がだまし取られる事件が発生した。その捜査を進める中、松井らが主導していることがわかった。

 警視庁は2014年6月、詐欺の容疑で日本国内の共犯者5人を逮捕し、松井らについては新たに同容疑で国際指名手配をした。それと同時に、ふたりの南アフリカにおける所在もつかめたため、南アフリカの警察当局にコンタクトを取り、身柄の引き渡しを求めた。しかし、『死刑制度のある国(日本)に引き渡しはできない』と断られてしまった」

 この事件の最中、紙谷容疑者は松井容疑者とたもとを分かち、その後は中古車販売を行っていたという。一方、松井容疑者は逮捕されぬまま、2016年に自殺してしまった。

 つまり、南アフリカの警察当局は日本側から依頼を受けていたにもかかわらず、まったく動かなかったわけである。

殺人犯と知りつつ見逃した

 南アフリカ警察の消極的な姿勢はその後も変わらず、紙谷容疑者の今回の出頭も捜査当局の働きかけではなく当人が自発的に行ったものだという。捜査関係者が続ける。

 「中古車販売業が行き詰まり、借りていた家の大家とトラブルもあったうえ、コロナに感染した疑いが出てきた。紙谷が出頭してきたのはこうした理由があったからとみられる。

 出頭先は在南アフリカ日本大使館で、南アフリカ警察はまったく関与しなかった。紙谷は大使館員に対して殺人や指名手配について認めたうえで、『コロナで仕事も金もなくなった』『同居人がコロナに感染した』などと繰り返し、『日本に帰りたい』としきりと訴えたと聞いている」

 大使館は外務省本省経由で警察庁、警視庁と相談のうえ、日本に送還することにしたというが、コロナが蔓延する南アフリカは現在に至るまでロックダウン(都市封鎖)状態にあり、国際線の発着が原則禁止されていたため、紙谷容疑者を8月末まで大使館付近のホテルに滞在させたのち、9月1日、特別臨時便を手配。3日に帰国させた。同日、警視庁は逮捕監禁容疑で逮捕した。今後、殺人と死体損壊、死体遺棄容疑を追及するという。

 それにしても、なぜこんなことになったのか。どうして17年もの間、自由気ままに日々暮らすことができたのだろうか。もともと南アフリカの警察官のモラルが低いことは有名だが、まさか殺人犯の存在を知りつつ長年見逃し続けるとは、驚くほかない。

警察トップが賄賂をもらう国

 南アフリカ警察の実態を知る日本の警察幹部はこう話す。

 「警察トップからして、賄賂をもらって殺人を見逃すような国だ。南アフリカ警察長官のジャッキー・セレビ氏は、2008年に収賄容疑をかけられICPO総裁を辞職している。つまり、ICPOの統制すら効かないということだ。だから、不正や怠慢があろうと、一向に驚かない。『死刑制度がある国には容疑者を引き渡さない』などという綺麗事は、まったくのおためごかしだ」

 紙谷容疑者が南アフリカに逃亡したとみられる2004年頃、同国では警察長官が2代続けて汚職で更迭されている。先に更迭されたのは、前述したジャッキー・セレビ警察長官。同氏は2005年、殺人容疑で逮捕されたビジネスマンから賄賂を受け取っていた。その後、収賄罪で逮捕され、懲役15年の実刑判決を受けた。同長官は更迭直前までICPO総裁を務めていた。

 その後任となったベキ・セレ警察長官も、警察庁舎の賃貸契約に際し、競争入札を行わずに不当に契約業者を選定したとして、2012年に更迭されている。

 「まさに、紙谷らが南アフリカに逃亡したときの警察長官が、2000年に就任したセレビだ。ちなみに、このセレビの在任中に使われていた南アフリカ警察幹部の公用車が、日本国内で盗まれた盗難車であったことも2007年に発覚している。逮捕要件となった賄賂を渡していた人物も、正体はビジネスマンと言うより麻薬取引業者。つまり、南アフリカ警察は犯罪集団に近い。

 そのあとを継いだセレ長官がやはり汚職で更迭されてからもう8年が経つが、南アフリカ警察の体質は変わっていないとみられる。犯罪者にとっては天国のような国だ」(前出の警察幹部)

 もしコロナが蔓延していなければ、殺人犯はいまなお遠く離れた異国・南アフリカでのうのうと暮らしていたことだろう。

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 バラバラ殺人“半グレ”遺書残し首つり自殺、一体が起こったのか 

文春オンライン 2020年9月16日(水)6時01分配信

 新型コロナウイルスは積年の手配犯の気力すら挫くようだ。警視庁は9月3日、不良グループによる殺人事件に絡む逮捕監禁容疑で、約17年間、南アフリカに潜伏を続けていた紙谷惣容疑者(46)が帰国したのに合わせ、逮捕した。

 警視庁担当記者の話。

「紙谷の同居人が新型コロナに感染した上、生活にも困窮して家賃が払えず、大家とトラブルになって現地の日本大使館に8月下旬から相談していたようです。南アでは、世界で6番目に多い62万人超の感染が確認されている。本来なら捜査員が現地に赴いて同じ飛行機に乗って逮捕しますが、コロナで飛行機も満足に飛ばないような状況です。異例なことに本人が1人でドーハ経由で帰国し、成田で身柄を確保されました」

 事件は語るだに凄惨だ。紙谷らは2003年9月、元飲食店員の古川信也さん(26・当時)と別の男性を車で拉致し、埼玉県内のマンションに監禁。その後、山梨県内のキャンプ場で首を絞めて殺害し、バラバラに刻んで山梨県や奥多摩町の山中に捨てたのだ。紙谷は飲食店などで使われたクレジットカード情報を盗んで使うスキミンググループの1人で、古川さんはスキミングへの協力を断ったことから殺害されたという。

 だが、紙谷に犯行を指示した“首謀者”は別にいる。同じく南アに逃亡した松井知行容疑者(48)だ。

「松井は関東連合グループとも仲が良く、半グレの先駆け。スキミングなどを手がける犯罪集団のトップで、新宿で起きた別の殺人事件に関与した疑いでも国際手配されています。南アに逃亡後も10年のサッカーW杯にかこつけたチケット詐欺事件を主導。被害総額は約1億円で、一部は逃亡資金に充てられたと見られていますが、この詐欺事件でも手配中です」(同前)

16年に南アの海岸で見つかった首吊り遺体の身元は……

 なぜ逃亡先が南アだったのかと言えば、「死刑制度のない同国は死刑制度のある国への犯罪人の引き渡しを拒んでいるから」(同前)だとされる。特に松井の死刑は濃厚で、逆に“安心”して滞在できたわけだ。

 松井が絡んだ事件は他にもある。捜査関係者の証言。

「16年にコンビニのATMから18億円が不正に引き出された事件にも関与が疑われています。元関東連合の男が主犯格ですが、南アの銀行がハッキングされており、関東連合と近い松井の存在が浮上しました」

 ところが――。

「今年に入り、16年に南アの海岸で見つかった首吊り遺体が指紋などから松井と見られる、という報告が入りました。ATM事件から間もない時期の自殺ですが、『ごめんなさい』と書いた遺書もあり、本人でまず間違いない。一連の事件の全容解明は難しくなります」(同前)

 逃亡劇の末路はかくも悲惨なものだった。

南ア逃亡殺人出頭コンビニ18奥円引き出し事件にも関与か

デイリー新潮 2020年9月17日(木)5時57分配信

 17年の時を経て南アフリカから帰国した紙谷惣(そう)(46)。「コロナで仕事も金もなくなった」と出頭した殺人犯に、知能犯の一面があることは知られていない。

 ***

 2003年10月、東京都奥多摩町で、拉致された男性の切断遺体が見つかった。

「この事件で、警視庁が殺人容疑などで紙谷を国際手配していました。今月3日、潜伏先の南アから帰国した紙谷を逮捕監禁容疑で逮捕。警視庁は男性の拉致の経緯とともに、殺人と死体損壊・遺棄容疑でも調べを進める予定です」

 と、警視庁担当記者。事件には松井知行(48)というリーダー格がいるが、

「03年当時、クレジットカードやキャッシュカードの偽造グループにいた紙谷は、不良の遊び人だった松井とつるんでいました。その“仕事”の一環で、東京の六本木に高級クラブを開店する予定だった男性に、松井が、スキミングによる客のカード情報の不正入手を要求。この手口で松井たちは大儲けしていたのですが、この時は拒否されたため拉致して殺したのです」

 男性の遺体発見前後、紙谷と松井はハワイを経由して南アへと飛んだ。

南アから中国を経由

 以来17年。男性殺害の容疑ではこれまでに男女10人が逮捕されているが、彼らは潜伏を続けた。なお松井は南アで自殺したとされる。紙谷こそが、男性殺害事件における真相解明の“最後のピース”なのである。

「南アに逃げた紙谷や松井は、日本から送られてくる盗難ベンツを売り捌いて逃走資金に充てていました」

 捜査関係者がこう明かす。

「紙谷は南アの公用語である英語も理解し、先住民族も使って商売をしていた。10年にサッカーの南アW杯が開催されましたが、その観戦ツアーを騙った被害総額1億円の詐欺事件が日本で起きた。スキミングの知識のある彼の関与も疑われました。居場所を突き止め、翌11年6月に捜査員が南アに赴いたのです」

 だが、南アは死刑廃止国。死刑制度のある国には容疑者の身柄を引き渡さない。

「それで、東京地検検事正名で“死刑は求刑しない”との誓約書をたずさえた捜査員が派遣されたのです。身柄引き渡しが実現しそうなところまでいったものの、結局、叶いませんでした」

 ここで紙谷の身柄をとれなかったことが、のちに、新たな事件を生む結果となった。

「16年、コンビニATMから約18億円が一斉に引き出された事件が起きた。すでに“指示役”や“出し子”など約260人と主犯格を逮捕しているものの、事件は17都府県の広域にまたがっており、盗まれた金の流れを含め、4年経っても全容解明にはほど遠い。一斉引き出し事件に関与していたのは総じて暴力団員や半グレですが、“紙谷が重要な役割を果たしていた”という関係者の供述があるのです」

 その供述とは、

「“一斉引き出し事件で使われたカードは紙谷が作り、南アから中国を経由して日本に入ってきた”というもの。確かに不正利用された偽造クレジットカードは、南アの銀行が発行したクレジットカードの情報が悪用されていた。カード偽造に精通した紙谷が、そのクレジットカードに手を加えた磁気を張りつけていたと見ています。紙谷から“このカードが使えるから、コンビニで1回10万を引き出せ”と指示された人物もいる」

 殺人事件とコンビニ一斉引き出し事件。南アと日本、中国。その“点と線”がつながる日はくるだろうか。

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 座間9人殺害事件公判で振り返る「死にたい若者たち 

文春オンライン 2020年10月7日(水)17時01分配信/渋井哲也(ジャーナリスト)

 2017年10月に発覚した神奈川県座間市での男女9人殺害事件。本格的な審理が10月5日、東京地裁立川支部で始まった。精神鑑定を担当した精神科医の証人尋問が行われた。裁判では、お金と性欲のために行った殺人か、自殺願望者の希望にそった承諾殺人なのかが最大の争点だ。ただ、この日の鑑定医の証言は、事件そのものよりも、筆者が自殺の取材をしてきた過去を振り返るような内容だった。

死にたいとはどういうことなのか

「本当に死にたい人はいませんでした」

 白石隆浩被告(29)は取り調べでも、筆者との面会でも同じことを言っていた。そのことを問いただすと、「学校に行きたくないとか、彼氏にふられたとか……」と答えた。白石被告にとってみれば、“そんなこと”に見えたに違いない。しかし、被害者にとってみれば、少なくともその時は、“死ぬほどの苦痛”だったのではないだろうか。

 ただ、「本当に死にたい」とはいったいどういうことなのか。裁判員は、精神医学的、または心理学的な知識があるという前提にはない。裁判員裁判のため、精神医学的な基礎知識が必要だったのか。

 最初の尋問では、なぜ、死にたいという気持ちが表出されるのかということから始まった。弁護側の質問に鑑定医はこう答えた。

「苦痛や悩みがあるとき、人は解決しようとします。しかし、解決ができない場合は、苦痛や悩みを耐えられません。そんなときに不安定な心境になり、もう耐えられないと思うようになります。そのときに、自殺を思いつくことがあります。希死念慮の他にも、逃げるしかないと思ったり、ひきこもったり、行方不明になったり、アルコールや薬物に走ったりします。自暴自棄にもなり、自傷行為をすることもあります」

 しかし、自殺願望と、自殺を決心して行動に至ることはまた別に考えなければならないとも言っていた。そして、計画性がなくても、衝動的に人は自殺する。周囲がその自殺願望に気が付かないとすると、SOSを発信していないか、発信していても、受け止められない場合もある。

結果として自殺してしまった人も

 筆者は、1998年に生きづらさに関連した取材を始めた。きっかけは、援助交際をしている高校生たち、家出をしている少年たち、摂食障害の女性たちとの出会いだった。彼ら彼女らを取材していると、共通して多かったのは、希死念慮、つまり「死にたい」という感情だった。また、「消えたい」との言葉を使う人も出始めていた。当時は、自傷行為をする人たちや、自殺未遂をしていた人のネット・コミュニティが出来つつあった。オフ会をよく開いたり、参加したものだ。

 私の取材で、自殺願望が強い時期ではなく、自殺を決心してないだろうが、結果として自殺をしてしまったという人がいた。動機としては、そのとき、嫌なことがあり、長い眠りにつきたいと思い、処方量以上の薬を飲んで、そのまま亡くなってしまった。通常、その量では死なないはずとみんなが思う量だった。自殺願望も、決心も強いわけではなかった。むしろ、寝ることで逃げたかった。いわゆる「寝逃げ」をしたかったのではないかと思っている。

周囲が自殺願望に気づかないこともある

 また、鑑定医は「亡くなってしまった人はあまり経験がないが、(自殺を)試みましたという人が一定数いる」と言っていた。そういえば、現場の精神科医に話を聞くと、「それほど患者が自殺をしてない」という話をよく聞く。この裁判でもそんな話を聞くとは思わなかった。

 どのくらいの人数を指してそう言っているのかわからないが、筆者は20年以上、自殺に関連する取材をしているが、数十人が自殺している。亡くなってすぐ友人から知らされ、葬儀に出席したこともある。また、数年後に、家族が故人の日記を整理していたら、筆者の連絡先が書いてあり、電話をしてきたということもあった。まれに、本当は亡くなっていないが、ネット上でのやりとりが疲れたために、自殺したことにした、と話した男性もいた。

「周囲が自殺願望をわからないこともありますか?」と弁護側は聞いた。鑑定医は「あります」と回答した。筆者の取材する人の中に、家族や友人、恋人が、自分の気持ちを知らないし、伝えたくないと言っている人も多い。そのため、亡くなった後に、遺族から「どうして教えてくれなかったのか?」と迫られたこともあった。

自殺直前の言動をそのまま受け取ることはできない

 ある女性が尋ねてきたことがある。恋人と2人で旅行をした翌日、相手の男性が自殺した。女性は「きっと何か原因があったが、私に言えなかったんだ」と思い、会社関係、相手の家族、友人関係から話を聞いたが、誰一人、自殺の理由を知らなかった。ネットやパソコンに痕跡もない。そのため「理由のない自殺ってあるんですか?」と聞かれた。周囲にサインを出さない場合もある。

「死を決めることと、死への決心が強いかどうかは整理する必要がある。方法を思いついたり、死んだ後のことを考えたり、死後の世界を考えたり、様々なことを考えています。死について計画をしたからといって、今すぐ死のうとするかは別。ふいに電車に飛び込む人もいます。一方、うつ病の治りかけがリスクが高かったりします。医療者の立場とすると、『やっぱり生きて行こう』『自殺するつもりはない』と言って退院したけれども、その後、事故になることはあり得ます」(鑑定医)

 自殺直前の言動は、必ずしも、本人の気持ちを表出しない。「生きていこうと思います」という言葉が出たとしても、前向きになったとは限らない。2003年から05年にかけてネット心中が連鎖したが、その取材の一環で、当時19歳の男性と会った。彼は虐待を受けたことで自殺を考えるようになった。取材をしていると、前向きになってきたような印象だった。精神科にも亡くなるまで通院していた。しかし、数週間後、自殺系サイトで知り合った30歳の女性と一緒に亡くなった。

レイプされて殺されるということを知っているのか

 座間の事件の被害者の中には、何度も自殺未遂をしている人がいる。ネット心中やTwitterで自殺相手を募集する人たちの取材をすると、不思議な話ではない。この事件は、白石被告がなぜ短期間で9人も殺害したのかに注目が集まっている。ただし、一方で、若者たちが自殺願望をつぶやく心理についても考えなければならない。特に、今年の8月は、女性の自殺者が40%ほど増加している。若年層ほど、自殺者が多くなっている。

 座間事件後、筆者は、Twitterで「死にたい」とつぶやく人たちに取材した。すると、「10人目になりたかった」という女性が複数いた。そのことを面会で白石被告に伝えたところ、「驚きです。その人たちはレイプされて殺されるということを知っていて言っているのか」と、声を荒らげた。取材した人の中には、むしろ、性被害にあえば、死に向かう衝動に勢いがつくと話していた人もいた。事件の裁判を傍聴して、改めて、そうした人たちの声に耳を傾ける必要があると感じた。

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 座間9人殺害事件は「被害者んだ承諾殺人」なのか 

文春オンライン 2020年10月7日(水)17時01分配信

 承諾殺人か通常の殺人か――。2017年10月までに神奈川県座間市内のアパートで男女9人を殺害した、白石隆浩被告(29)の公判が東京地裁立川支部(矢野直邦裁判長)で開かれている。検察側は殺害されることを承諾していないと、通常の殺人を主張している。一方で、弁護側は承諾殺人を主張する。

 9人とも、自殺を考えて、自ら白石被告に会いに行っている。一方では、殺害前には、生きようとしていると思わせる内容のLINEを友人に送っていたりする。これには自殺者の心理が関わっているが、法廷で鑑定医が「自殺をしようとする人が、直前に『生きようとした』と言ったとしても、自殺を試みることはある」と証言するように、裁判員の判断は容易ではない。

◆ ◆ ◆

殺されてもいいから終わりにしたいと書く一方で

 現在は、殺害された被害者9人のうち、3人の被害者について審理されている。被害者はプライバシー保護のためすべてアルファベットで呼ばれる。傍聴席には、被害者の家族が傍聴するために衝立が設けられていた。そんな中に、白石被告が気怠そうに被告席に座っている。

 最初に殺害されたのはAさん(女性、当時21)。弁護側によると、Aさんが自殺を考えるようになるにはいくつかの理由がある。中学時代にいじめにあったり、恋愛での悩みがあったりした。高校1年のときには、1ヶ月ほど家出をしている。帰宅後、精神科に通院すると「適応障害」と診断されたという。その後、自ら通院を止めたが、市販薬で過量服薬し、入退院を繰り返す。入院中にリストカットしたり、自殺未遂を試みたりしたが、看護師に止められた。

 一方、高校時代にスマホを購入。TwitterやLINEをするようになった。と同時に、自殺系サイトを閲覧する。そこで知り合った女性と、海で自殺を図ったこともある。しかし、自分だけが生き残った。弁護側は、この時のことが「心に突き刺さっていた」とする。そして、2017年8月、死のうとして1年が経ち、希死念慮が強まった。「記念日反応」があったのだろうか、自殺をめぐるネット・コミュニケーションの結果、白石被告と出会うことになった。

 白石被告と出会った後にも、Aさんは日記に「殺されてもいいから終わりにしたい」と書いている。殺害される前日にも他の人と「殺されたい」とのメッセージのやりとりをしていた。そのため、弁護側は「承諾していた」と主張する。

 一方、検察側は、殺害される当日、白石被告から「携帯電話を海に捨ててくるように」と指示されたものの、海には捨てず、駅のトイレ内に放置したことのほか、白石被告が「自殺を止めるように」と言うと、前向きな変化があったこと、Aさんは白石被告との新しい生活を考えていたことから、承諾も同意もないと主張している。

いろいろ考えた結果、生きて行こうと思います

 また、Bさん(女性、当時16)は、学校生活での悩みがあった。弁護側によると、課題の提出が苦手だった。そのため、中学時代から、学校と母親から注意を受けて、叱責をされていた。そのため、学校へいくのを嫌がるようになり、早退や欠席が多くなっていた。

 中学2年生の頃、「部活ノート」を提出することになるが、やはりなかなか書けず、出せないでいた。学校へ行けないという思いが強くなり、出したとしても、先生から「本心を書いてない」と言われるようになる。そんな中で、学校に行くふりをして、家の中で身を隠していたことがあった。Bさんがいた付近には、犬のリードがあったため、自殺をしようとしたのではないかと母親は考えた。Bさんにとっては、提出物が出せない悩みは、死にたいと思うほどのことだったようだ。このことで、学校側は特別支援の対象にした。

 2017年4月、高校に入学したが、入学前の課題提出がまた難関になった。母親に強く指摘されると、家出をしたこともある。1学期の成績は「赤点」だったが、その原因も、提出物を出せていないことだったという。このことで、夏休みは補習をすることになるが、夏休みが明けようとする時期になって、再び提出物が問題になった。そんなときに、Bさんは自殺系サイトを閲覧した。さらに、Twitterに「関東で一緒に死にませんか?」と投稿した。

 その投稿がきっかけで白石被告とつながる。白石被告が「首吊りですか? 飛び降りですか?」と送ると、Bさんは「首吊り」と返事をしている。また、日程に関しても、Bさんは自ら提示をした。そんなことから弁護側は「承諾があった」と主張する。

 一方、検察側によると、Bさんは殺害される当日、「いろいろ考えた結果、生きて行こうと思います」とLINEをしている。白石被告は「しばらく家にいたほうがいい」と言い、居場所がわからないように、携帯電話を海に捨ててくるように伝えた。Bさんは、海には捨てず、海近くの駅のトイレに放置した。言いなりになっていないことを含めれば、承諾も同意もしてないと、述べた。

オレ、これからは生きていきます

 Cさん(当時20)は男性だ。弁護側によると、小学校高学年のときに「高機能自閉症」と診断された。人の気持ちを汲み取るのが苦手で、対人関係に悩みがあった。そんなこともあり、高校卒業後は、知的障害者の支援施設で働くようになった。しかし、体力的にも、精神的にもきつい仕事であり、利用者から暴力を受けることもあったようだ。

 恋人との別れも経験した。事件の2ヶ月前の2017年6月、2年間付き合っていた彼女から別れを告げられた。翌日、その女性にあてた遺書を書き、睡眠薬を過量服薬した。結果、救急車で運ばれることとなり、強制入院する。仕事は7月末まで休むことになったが、退院してすぐに、その女性を駅で見かけたことで、電車に飛び込もうとしたことがあった。

 一方で、音楽活動もしていた。本格的に取り組むようになったものの、バンドリーダーは厳しい存在だった。叱責されることで、精神的に不安定な状態が増した。事件数日前の8月27日、バンドが遠方でライブをすることになった。車の運転はCさん。往復で12時間かかったが、リーダーはCさんに動画の編集をお願いする。すると、リーダーの登場場面が少なかったのか、「余計な編集をするな」と言われ、再編集をする。

 8月前半、Cさんは、すでに知り合っていたAさんと、白石被告に「自殺の手伝い」をお願いするため、3人で会っていたが、このときは希死念慮が弱まった。しかし、再編集となった翌日の8月28日、再び、白石被告と連絡を取る。そのときには「Aさんにやった方法で殺してください」とメッセージを送っている。白石被告がAさんを殺害していたことを知ってのやりとりだ。メモアプリで遺書を書いていたことで、弁護側は「承諾していた」と説明する。

 一方、検察側は、白石被告と会った後、Cさんは「オレ、これからは生きていきます」などとLINEをしている。やはり、白石被告に携帯電話は海に捨ててくるように言われたものの、海に行く途中の駅のコインロッカーに預けている。「しばらく家にいれば」と言われて、Cさんは白石被告宅にいることになるが、それは殺害の承諾でも同意でもない、と断言する。

生きたいという思いと、死にたいという思いが交錯

 いずれも、ある時点では、殺してほしいという気持ちが見え隠れする。ただし、どこかの時点で「生きようとする」メッセージを送ったり、その思いを反映するような行動をとったりしている。そもそも、自殺をしたい、という気持ちと、殺されたいという思いはどこまで一致するのか。仮に一致するとしても、殺されることを同意していたのか。仮に、同意していたとしても、その条件として何が必要なのか。そんなことを裁判員が判断しなければならない。取材をしていると、自殺を企図する直前まで、生きたいという思いと、死にたいという思いが交錯するように感じている。裁判は、自殺の心理だけでなく、裁判員の死生観や倫理観を大いに反映することになるだろう。

 ただ、白石被告本人は、承諾殺人ではないと言うつもりであるという。

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 最初の犠牲者Aさん(当時21歳)を殺したワケ「他に男がいる雰囲気 

文春オンライン 2020年10月10日(土)11時01分配信

「私以外の男性との付き合いがあるような雰囲気だった。2度目のホテルで性交渉を持ちかけたが断られたこと、そして、自分のこれまでの過去の経験上、短期的にお金をひっぱることはできるが、長期的には難しいと思っていたことです」

 被害者の一人、Aさん(女性、当時21)殺害について、裁判員から「迷っていたのに最終的に殺害をしたきっかけは?」という質問を受けた白石隆浩被告(29)は、淡々とこう答えた。

白石被告の素と思われる部分が出た

 神奈川県座間市内のアパートで男女9人を殺害した白石被告の裁判が、東京地裁立川支部で開かれている。最初に殺害されたAさんに関して、白石被告は弁護側からの質問を拒否。弁護側が質問した内容を、検察側や裁判官が繰り返すという異例の展開になった。

 また、これまでの証言と矛盾すると弁護側が指摘した場面もあったが、「答えるつもりはない」とつっぱねた。しかし、法廷では、白石被告の素と思われる部分が出たような気がした。

 白石被告は被告人質問の初日から、弁護側の質問に答えていない。2日目となった10月8日、ようやく弁護側の質問に答えるつもりがない理由をこう話した。

「裁判が長引くと、親族に迷惑がかかる。そのため、(承諾殺人ではないという)検察側の起訴事実を認めてると、最初から弁護人には言っていた。弁護人も『わかりました』と言っていました。ずっと私の希望に合わせますと言っていた。

 しかし、公判前整理手続きに入ってからは『争う』と言ってきた。話が違うので、受け入れられません。解任したいと思ったのですが、裁判所に受け入れられませんでした。仕方がないですが、(承諾殺人ではないという)今の主張は変わっていません。結局、今の国選(弁護人)で裁判に臨むことになりましたが、方針が合わず、根に持っています。以上です」

被告と弁護人の主張が違ったまま進行

 白石被告は、裁判前から弁護人と方針が合っていなかった。公判が開かれる前の報道でも、弁護人の方針とは違っていることが報道されていた。

 私が拘置所にいる白石被告と面会したとき「裁判はどんなスタンスなのか?」と聞いたことがあった。すると、白石被告は、「基本的には(起訴事実を)認める方法。私本人は争わないつもりです。最初の弁護士は『黙秘して』と。その弁護士はお断りした」とも言っていた。弁護人を一度は解任していたためだろうか、裁判所が解任を認めなかった。だからこそ、白石被告と弁護人の主張が違ったまま、裁判が進行することになった。

家族にはもう会うこともないでしょうから

 裁判が長引くと「家族に迷惑がかかる」と思っているようだが、今年7月の面会で家族への思いを聞いた際には「ごめんなさい」とだけ言っていた。ただ、2019年4月の面会では、「ごめんなさい。いや。違うな。もう忘れてください。もう会うこともないでしょうから」と語っていた。

 白石被告によれば、家族は面会にもきていないし、手紙も届いていない。そうした関係が断絶した家族にも「迷惑がかかる」と話す。本心なのだろうか。それとも、弁護人と話が合わないことへの苛立ちから出てきた言い訳のような言葉なのだろうか。

 答えない理由を白石被告が言う前、弁護人は、6つの視点で質問をしていた。

 これらの質問には答えない白石被告だが、同じ質問を検察側が問うと答える。ある意味で、人を操作する戦術なのだろうか。弁護人が思う通りにならないなら、思う通りになる検察側や裁判官の心理を操っているようにも見える。ネット・ナンパでも、長年、そうしてきたのだろう。自分についてくる人だけをターゲットにしたときと似ているのかもしれない。

なぜロープを使って殺害したのか?

 検察側の問いには素直に答えた。

Q「初めてAさんと会った日に、ホテルに泊まることになるが、その途中でガムテープとロープを購入している。一緒に買ったのか? ホテルに持っていったのか?」

A「一緒に買いに行ったのかどうかは覚えていませんが、記録から考えると、おそらく一緒に買いに行っている。購入したものを持ってホテルに行ったのだと推察します」

Q「スマホを片瀬江ノ島駅に捨てるという話になったが、その駅は、1年前にAさんがネットで知り合った人と入水自殺をした場所から近い。それをAさんから聞いていたのか」

A「聞いてなかったかもしれません」

Q「携帯電話を捨てた後、Aさんと一緒に生活をする予定だったが、別の新しい携帯電話の契約の話は出たのか?」

A「新しい携帯電話の契約の話はしていません」

Q「Aさんは片瀬江ノ島駅のトイレ内に携帯電話を置いてきた。財布を捨てたのは確認したのか? 殺害後に奪った所持金はどこにあったのか?」

A「財布を持っていたかどうかは覚えていない。しかし、家を出るときには思っていなかった服を着ていたし、バッグを持っていた。どこかにあったのではないか」

Q「Aさんか片瀬江ノ島駅から戻った後、部屋に戻るが、殺害前にAさんはお酒と薬を飲んでいる。お酒と薬の種類と量は? 首を絞めて動かなくなったAさんをなぜロープを使って殺害したのか?」

A「Aさんがコンビニで買ったお酒。種類はわかりません。薬は、Aさんが日常的に飲んでいるもので、具体的には見ていない。いつも以上に飲んでいたかは、正直、わからない。ロープを使ったのは、山に遺棄しようと考えたときに、首を絞めて殺したのではなく、ロープを使った自殺に見せかけようと画策したから」

私以外の他人と死ぬことをほのめかすように指示

「薬の種類がわからない」と言っていたが、2019年4月の面会では「酒を飲ませて、睡眠薬と安定剤を飲ませた」と答えていた。「睡眠薬と安定剤」という種類を認識していたが、裁判では答えないだけなのか。それとも、面会時の回答が「嘘」あるいは「勘違い」だったのだろうか。

 事件当初、病院で嘘をついて睡眠薬を処方してもらったとの供述をしたとの報道もあった。精神安定剤は「被害者が持っていたもの」と言っていた。睡眠薬や精神安定剤の違いを認識していた可能性があるが、検察側はそれ以上の追及をしなかった。たとえ、誤報だったとしても確かめる価値はあったのではないかと筆者は思う。なかなか証言をしない白石被告。検察側の質問に答えたというだけでも、弁護側に優位に立てると思わせることができ、詳細な部分は、話さない作戦なのか、と思わされた。

 8月23日には、AさんとAさんの母親がLINEをしている。Aさんは「明日の夜、帰る」と送っている。また、友人と電話をしている。これに関連して白石被告は「私は内容の指示はしてない。私以外の他人と死ぬことをほのめかすように指示したが、電話の内容の指示はしていない」と詳細に述べた。

 冒頭陳述等によると、白石被告は8月23日、預かった金と所持金を奪う目的で殺害を決意した。Aさんの首を絞めたところ、失神した姿に欲情して、Aさんを姦淫。その後、ロープで首を吊って殺害した。遺体をバラバラにしたが、その方法はインターネットで検索したという。肉片や内臓等は一般ゴミとして処分。頭部はクーラーボックスに隠した。

ヒモになろうと思ったんです

 この日の質問で、捜査段階で供述していないことを引き出したのは、冒頭の裁判員による「殺害を決意したきっかけ」についての質問だった。

 弁護側は、「性交渉を断られたと証言したが、それは、捜査段階では言っていないのではないか。手書きの上申書を含めて、警察の捜査資料には、そのことはない。この質問にも答えませんか?」と質すと、「はい」と言い、白石被告は答えない。ちなみに、Aさんを殺害した理由について、面会ではこう答えていた。

「早く口説けた。お金を持っていることがわかり、ヒモになろうと思ったんです。しかし、他に男がいるとわかった。だとすれば、他の男に行くかもしれない。部屋を出て行けと言われるかもしれない」

 しかし、実は、白石被告はAさんに彼氏がいることを確認していない。裁判で、「なぜそう思ったのか?」と聞かれ、「彼氏がいないという会話はなかった」「男に困っている雰囲気ではなかった」と答えている。思い込みが強いのと、自信のなさからきた判断のようにも筆者には感じられた。裁判官から「Aさんとの関係を続けていく選択はなかったのか?」と聞かれ、「そういう選択もあったが、Aさんをひきつけておく自信がなかった」と答えた。白石被告の素の部分を垣間見た気がした。

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関連エントリ 2017/11/01 ⇒ 【生首コレクター】<逮捕された部屋の男性>✍殺害も認める・・・・

 

2020年9月17日 (木)

【サグラダ・ファミリア】3月から工事中断✍完成予定大幅に遅れる見通し

 サグラダファミリア教会 2026年完成は困難か 観光客減少で 

NHK 2020年9月17日(木)9時52分配信

 スペインの観光名所で、着工から140年近くたった今も建設が続くサグラダ・ファミリア(Sagrada Família)教会について、工事の責任者は、新型コロナウイルスの影響で、目標としてきた2026年の完成は難しくなったという見方を示しました。

 世界的な建築家、アントニオ・ガウディの代表作であるサグラダ・ファミリア教会は、1882年に着工し、ガウディの没後100年となる、2026年の完成を目指して、建設が進められてきました。

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 しかし、新型コロナウイルスの感染拡大でスペイン全土に非常事態が宣言されたことから、工事はことし3月から中断されています。

 16日、工事の責任者が記者会見を開き、今後2週間以内に工事を再開することを明らかにしましたが、「感染拡大の影響でスケジュールを見直さざるをえない」と述べ、2026年の完成は難しくなったという見方を示しました。

 理由については、工事の中断に加え、観光客の減少による入場料収入の落ち込みで財政がひっ迫し、工事のペースを遅くせざるをえないためだとしています。

 そして新たな完成時期については、「現状では長期的な展望を描くことはできない」と述べ、見通しは立っていないとしました。

 スペインでは感染が再び広がる傾向にあり、主要産業の観光が大きな打撃を被っていて、サグラダ・ファミリア教会の建設も影響を受けた形です。

サグラダファミリア2026年完成は不可能 コロナ余波

AFPBB News 2020年9月17日(木)10時26分配信

 スペイン・バルセロナ(Barcelona)で建設中のサグラダ・ファミリア(Sagrada Familia)教会は、新型コロナウイルス流行の影響で、計画していた2026年の完成が実現することはないだろうと、同教会のエステーバ・カンプス(Esteve Camps)建設委員長が16日、明らかにした。

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 1882年に建設が始められたサグラダ・ファミリアは、建築家アントニ・ガウディ(Antoni Gaudi)が亡くなってから100年目となる2026年に完成する計画だった。しかし今年3月、スペイン政府が新型ウイルスの感染拡大を食い止めるため全国規模のロックダウン(都市封鎖)を命じたことで、工事は中断。カンプス氏によると、工事は「数週間以内」にようやく再開されるという。

 再開されても、資金不足のため工事はゆっくりと進められることになる。建設費用はキリスト教徒からの献金や、観光客へのチケット販売収入でまかなわれており、いずれもコロナ危機によって大幅に減っているためだ。

 カンプス氏は、工事が完了する「新たな日程を提案することはできない」とした上で、「2026年(の完成)は不可能だ」と述べた。

 カタルーニャ人の建築家ガウディが手掛けたサグラダ・ファミリアは、完成すれば18の尖塔がそびえる教会となる。最も高い尖塔は高さ172メートルだ。

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 しかし現時点では、18塔の中で2番目に高い、聖母マリアにささげられる巨大な塔の工事を終えるための資金しかない。

 工事は今年3月、新型コロナ対策でスペイン政府が全土で実施したロックダウン(都市封鎖)で中断。また、建設費に充当してきた信者からの寄付や観光客へのチケット販売もコロナ禍の中で落ち込み、資金が不足しているという。

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 都会の楽園」のはずが…緑化集合住宅が「廃墟 -中国

AFPBB News 2020年9月15日(火)18時17分配信

 中国の大都会で緑に囲まれる暮らしを提案した実験的な集合住宅は、売り出された当初、「階層的な森林」の中での生活を約束した。各部屋のベランダには、手入れされた庭があるはずだった。

 この集合住宅の不動産業者によれば、全826室が今年4月までに埋まったという。ところが、建物は環境に優しい都会の楽園となる代わりに、荒涼とした世界滅亡後を描く映画のセットのようになってしまった。

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 蚊も植物を好む、ということが問題だった。

 国営環球時報(Global Times)によると、四川(Sichuan)省成都(Chengdu)にあるこの集合住宅には、蚊の来襲が原因で現在およそ10世帯しか入居していないという。

 地元メディアによると、2018年に建設されたこの集合住宅には、植物を育てるための空間として各部屋にベランダが設置されている。しかし植物を手入れする居住者がいないため、集合住宅の計8棟は植物に覆われて蚊に侵略されている。

 今月撮影した写真からは、放置されたベランダが植物にほとんどすべて覆われ、建物の至る所で伸びた枝が手すりに広がっているのが分かる。

 微積分を知らない人が『損している』と言えるワケ 

東洋経済オンライン 2020年9月15日(火)8時21分配信/ステファン・ボイスマン(数学者)

 変化を計算する微積分は、クルーズコントロールや天気予報、建物の構造、選挙公約の経済効果予測、腫瘍が大きくなる速さの割り出しなど、じつにさまざまな場面で使われている。

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 微積分では、どんな場合でも変化に注目する。「何の」変化かはあまり関係ない。必要な数学は同じだからだ。ここではなるべく単純な例で説明してみよう。

スピード違反を取り締まる

 例えば、スピード違反を取り締まるとしよう。このとき、走行する車の速度はどうすればわかるのだろう。

 拙著『公式より大切な「数学」の話をしよう』でも詳しく解説しているが、いちばん簡単なのは、一定の区間を設定して速度を求めることだ。必要な警察官は2人。1人は測定区間の起点に立って車両が通過した時刻を記録し、もう1人は1キロ先の地点で同じように車両が通過した時刻を記録する。

 そしてこの2つの時刻から、車両が区間の起点を通過したときの速度を出すわけだが、そのためには車両がその区間の走行に要した時間も計算する必要がある。車両が時速120キロで起点を通過したとすると、区間を走行するには30秒かかる。つまり区間の起点と終点の通過時刻の差が30秒であれば、その車両は時速120キロで走行していたことになる。

 本当にそうだろうか。この方法だと、制限速度が時速120キロのところを140キロで走っていたドライバーは、起点で140キロでも、区間の1キロを30秒かけて走り、終点を100キロで通過すれば、計算上の起点の時速は120キロになってしまう。

 このような事態を防ぎ、スピード違反を取り締まるには、通過時刻を記録する区間を短くすればよい。半分の0.5キロになれば、時速120キロで走行中のドライバーが減速する時間は15秒しかない。このようにして区間距離を短くしていけば、起点通過速度の計算精度は上がっていく。

 実際には、ミリ秒(1000分の1秒)の単位で自動車の速度が大きく変化することはないので、区間距離を短くするにも限界はある。道路沿いに設置されている速度表示板はかなり正確だが、それはこの計算を1メートル程度のごく短い距離で行っているからだ。

 では、車両が区間の起点を通過するときの正確な速度を知りたい場合はどうだろう。速度表示板の計算で生じるわずかな誤差でさえ許されないとしたらどうするか。計算の精度をさらに上げるには、距離をもっと短くする必要がある。ここまで来れば、「無限」の概念も近い。区間を無限に小さくすることで、無限に精度を上げられる、つまり正確な結果が得られるというわけだ。

「明日は晴れ」の信頼性

 「明日はよいお天気になるでしょう」は、本当だろうか?  天気予報が当たらないというのは、以前は常識だった。しかし、天気予報に微積分が使われるようになってからは変わってきている。大型コンピューターで計算が処理できるようになったおかげで、天気予報の精度は飛躍的に向上した。1970年代の予報と比べれば驚くほどの正確さだ。

 数値計算に基づく予測が取り入れられるまで、天気予報の手順はシンプルだった。

(1) 窓の外を見て、雲の様子や温度などを観察する

(2) 今日と同じ天気の日を過去の記録から探す

(3) 過去に同じ天気だった日の翌日の天気の記録が、明日の天気予報となる

 この予報では、今日の天気は昔のある日の天気とまったく同じで、明日以降も過去の記録と同じように推移することを前提にしている。だが雲の様子と温度だけを考えてみても、まったく同じ日があるとは考えにくい。天気はもっと複雑なものだし、これでは予報がなかなか当たらないのも無理はなかった。

 天気についても「計算して予測する」ことはもちろん可能だ。気象、つまり大気の状態の変化は、微積分を使うととらえやすい。第1次世界大戦のさなか、イギリスの数学者ルイス・リチャードソンは、計算に基づく天気予報を思いつき、過去のデータから、ある日の6時間後の天気を予測してみることにした。もっともこの計算には6週間もかかり、試みは失敗に終わった。

 計算で予報を出すのは、昔も今もかなり難しい。リチャードソンの場合は、時間がかかったばかりか、いくつも誤りがあった。天気には変化する要素がとても多い。大気は移動し、気温や湿度など、さまざまな数値に影響を及ぼす。高気圧と低気圧の位置関係やその動きも、大気圏のほぼ全体にわたって把握しておく必要がある。ほんの小さな変化でも、大きな違いにつながるからだ。

 変化するものがあまりにも多いため、的中率100パーセントの天気予報はまだ実現していない。巨大なスーパーコンピューターを使っても、確実な予報を提供できる計算スピードは達成できないのだ。

 そこで、天気予報ではすべてを正確に知ることはあきらめ、中間をとることにした。コンピューターは、大気をある面積、例えばヨーロッパの広域予報なら10キロメートル四方に区切った範囲内の天気は同じとみなして処理を行う。計算量が膨大になるので、区画はこれよりも小さくできない。このため天気予報には厳密でないところもあるが、それでもこの方法で予報を行うようになって以来、信頼性は大きく向上した。

 さて、「明日は晴れ」の予報を信じるべきか。答えはイエスだ。100パーセント正確な予測はできないにしても、天気予報の精度はかなりのものだ。区画ごとに天気がどう変化していくかは、コンピューターが計算する。大気が移動する速度は微分で、一定時間経過後の変化量については積分を用いて解析する。天気予報は数学のおかげで格段に正確になった。実際、翌日の予報はほぼかならず的中、翌週の予報でも8割から9割程度は当たるようになっている。微積分はこんなところでも役に立っているのだ。

微積分で橋をかける

 変化するのは天気だけではない。ほかのもの、例えば建物も絶えず変化している。見てわかるものではないが、外部から受ける風の力や建物内にいる人間の重さなどでつねに負荷がかかっている。重力で下向きに引っぱられているにもかかわらず倒れないのは、それに耐えられるように建てられているからだ。

 建築は、長らく勘が頼りの技術だったが、20世紀初頭には科学の理論としての性格が強まった。ゴールデンゲート・ブリッジは、全長約2700メートル、ケーブルに使用されているワイヤーの長さは12万9000キロメートルにも及び、1937年の完成時は世界一の長さを誇っていた。圧倒的な大きさの橋はどうやって造られたのだろう。強風による橋の崩落を防いだり、中央部が重すぎてたわんだりしないようにするために、何をしたのか。そこには計算に基づく工夫があった。

 橋の崩落危険度を計算する際に用いられる物理学は、微積分がベースになっている。中心となるのは鋼材のたわみだ。ゴールデンゲート・ブリッジは鋼鉄の塔が大部分の重さを支える構造になっているが、鋼材に生じるたわみの程度は計算で求められる。形状の変化の計算には微分が、さらに全体でどの程度たわむかは、積分が用いられる。なお、この計算では鋼材の向きをはじめ、さまざまな条件を考慮しなければならない。

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 の図に示したように、鋼材を横に寝かせて置くと、そのたわみは立てて渡した場合よりもかなり大きくなる。

構造物の安全性は計算で確認される

 前もって計算ができれば、せっかくかけた橋が崩落するような失態は防げる。橋に限らず、大きく複雑な建物を建てるときには数学が欠かせない。構造物の安全性は計算で確認されるため、それまで誰も見たことがないような建築物も可能になったのだ。

 微積分は世界を変えた。飛行機をはじめコンピューターやスマートフォンなど、現代の科学技術の多くは微積分を応用して実現された。世界をよりよく理解するために微積分は不可欠だ。もしなかったとしたら、人間はいまだに経験と勘だけに頼っていただろう。とっつきにくい印象があるかもしれないが、微積分の基本の考え方とその実用性は十分わかりやすいものだ。

 数学では、記号にまどわされて基礎となる概念を見失ってしまいがちだが、微積分の根底にあるのは「変化をかぎりなく細かく分けて分析する」ことだ。身のまわりにある機械の仕組みを理解したければ、まずこの考え方を押さえる必要がある。大事なのは、その手法が「どのように」機能するかではなく、「うまく」機能することである。

 身のまわりの世界がどうやって成立したのかを知っておくことは悪くない。そうすることで、社会に対するよりよい視点が得られるからだ。

 

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