朝鮮半島危機

2020年10月 9日 (金)

【第99代首相】見えてきた✍菅政権の「南北朝鮮政策」

 ベルリン慰安婦像設置許可取消 韓国は茂木外相批判 

産経新聞 2020年10月9日(金)0時07分配信

 ドイツの首都ベルリン中心部で先月、韓国系市民団体が中心となって慰安婦像を設置した問題で、像が置かれた地区当局は8日、同団体に1年に限って出していた設置許可を取り消し、今月14日までに撤去するよう求めたと発表した。茂木敏充外相は最近、ドイツのマース外相との電話会談で像の撤去を要請していた。

 茂木氏の撤去要請に関し、韓国外務省報道官は8日の定例記者会見で「民間の自発的な動きに政府が外交的に関与することは望ましくない」と批判した。

 韓国外務省報道官は像を「歴史的な事実に関連した追悼教育のためのもの」だとし、日本政府の関与は「問題解決にならず、日本が自ら表明した責任の痛感と謝罪、反省の精神にも逆行する」と述べた。

 ドイツでの慰安婦像設置は3体目で、今回初めて公共の場に置かれた。

 ベルリン日本との関係重視理由に「慰安婦像撤去命令 

the hankyoreh 2020年10月9日(金)6時32分配信

 ドイツのベルリン市当局が都心に建てられた「平和の少女像」(少女像)に対し、撤去を命令した。

 ベルリンのミッテ区は7日(現地時間)、少女像の設置を主管する韓国関連市民団体のコリア協議会に、14日までに少女像を撤去するよう求める内容の公文書を送ったと、コリア協議会のハン・ジョンファ会長が明らかにした。ミッテ区は自主的に撤去しない場合、強制執行を行い、コリア協議会に費用を請求すると付け加えた。

 ミッテ区は撤去命令の背景として、事前通知もなく碑文を設置し、ドイツと日本の関係に緊張が造成されたことを挙げた。「ミッテ区が韓国と日本の間に対立を起こし、日本に反対する印象を与える」とし、「一方的な公共場所の道具化を拒否する」と説明した。碑文には第二次世界大戦当時、日本軍がアジア太平洋全域で女性を性的奴隷として強制的に連れて行ったなどの説明が書かれている。ハン会長は「まずミッテ区との対話を通じて説得する」とし、現地で連帯してきた50の市民団体と協力して対応する意向を明らかにした。

 コリア協議会は先月28日、ドイツの女性人権団体と力を合わせ、ベルリン市ミッテ区の公共敷地に平和の少女像を設置した。ドイツで少女像が設置されたのは今回が3回目だが、公共の場に設置されたのは初めてで、さらに注目を集めた。これに対し、当時欧州歴訪中だった茂木敏光外相は1日、ドイツのハイコ・マース外相と40分間にわたってテレビ会談を開き、これに対応する動きを見せた。茂木外相は6日の定例記者会見で、当時、少女像の撤去を要求したという事実を明らかにした。

 外交部のキム・インチョル報道官は8日の定例ブリーフィングで、日本政府の少女像撤去の圧力について質問を受け、「少女像は厳然たる歴史的事実に関する追悼・教育のため、民間が自発的に設置した造形物だ。これを人為的に撤去しようと政府が関与することは決して問題解決の助けにならず、日本自ら明らかにした責任の痛感と謝罪・反省の精神にも逆行する行動だ」と批判した。

 八方塞がり文在寅大統領と菅義偉首相の対韓外交姿勢 

デイリー新潮 2020年10月8日(木)11時01分配信/韓永(ジャーナリスト)

条件をつけずに金正恩朝鮮労働党委員長と会う用意がある

 9月25日夜(日本時間26日午前)、動画メッセージを流す形式で行われた国連総会の一般討論演説で菅義偉首相は、拉致問題解決に触れ、「日本の新しい首相として、条件を付けずに金正恩(朝鮮労働党)委員長と会う用意がある」と発言。韓国メディアは「無条件」というコメントをタイトルに掲げ、トップニュースとして報じた。これは安倍晋三前首相の政策を維持すると同時に、「日本飛ばし」を望む韓国政府の期待に反する発言であったためだ。

 韓国政府の切なる平和外交努力にも関わらず、北朝鮮は今年だけで6度にわたり弾道ミサイル発射実験を強行した他、今年6月に南北共同事務所を一方的に爆破した事件に続き、9月24日には韓国の公務員が北朝鮮軍により、海上で銃殺される事件が発生。

 これらは文在寅大統領の支持率が急落する要因となり、韓国国民の北朝鮮に対する世論は最悪のレベルに達している。

 このような状況にも関わらず、「北朝鮮との対話の窓口」を自任する文在寅政府としては、日本の新内閣が「韓国飛ばし」をして北朝鮮との関係改善を望む動向が気になるのは当然だといえる。

 しかしながら、菅首相は韓国に対してはまったく違う態度を示した。韓国との会談には、北朝鮮のケースとは異なる条件を付けたのだ。

実現不可能な条件… それでも菅首相が強行する理由は

 現在の日韓関係悪化の元凶となっている元徴用工について。共同通信は9月30日、「差し押さえられた日本企業の資産がいつ現金化されてもおかしくない状況の中、首相の訪韓はありえない」という外務省幹部の発言を報じている。

 要するに、徴用工問題の解決なしに、菅首相が訪韓して文大統領と会談するのはありえないということだ。

 政権初期から、朝鮮半島における日本の支配に対する反省と謝罪を求めてきた文在寅大統領。

 昨年の日本製品の不買運動で、自国民を扇動して韓国国内の反日感情をエスカレートさせた彼にとって、慰安婦と徴用工問題は、政権維持のための最後の砦といっても過言ではない。

 そのため、文大統領が「日本企業の資産の現金化撤回」という菅首相が提示した条件を履行する可能性は限りなくゼロに近い。

 日本政府の態度は、文政権を混乱させるほどの衝撃であった。自分たちが無視しようとした日本が先に、北朝鮮との関係改善のために条件をつけずに会談への糸口を探っているのだから。

 自分たちの方が「スルー」のピンチに立たされたのは間違いない。

 菅首相が北朝鮮外交の最大懸案とする「日本人拉致被害者」問題。そして、核弾道ミサイル発射などの課題解決について、「韓国政府の役割はさして重要ではない」と菅首相が判断しているのは誰の目にも明らかだ。

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初の電話会談は、文在寅飛ばしの予告だったのか

 これに先駆けて韓国メディアは、9月16日に行われた菅首相就任後初の記者会見において、米国、中国、ロシア、北朝鮮との外交関係について発言しながらも、韓国にはひと言も触れていないことについて、「日本の極右路線の維持」、「韓国スルー」などの刺激的な表現と共に、日韓関係の改善の行方が不透明になったと報じている。

 菅首相からしてみれば、韓国について言及したところで、韓国政府と現与党から『過去の歴史への謝罪』、『慰安婦・徴用工の問題の賠償要求』など、いつもの問題が蒸し返される反応が予想されたため、ノーコメントを貫くのが賢明たったのだ。

 その後、ドナルド・トランプ米大統領やアンゲラ・メルケル·ドイツ首相、ボリス·ジョンソン英首相など、各国首脳らに就任の挨拶をした菅首相。

 韓国メディアでは「文在寅との電話はいつ?」「今回も韓国を無視?」とクエスチョンマークが乱舞する見出し報道が相次ぎ、結局首相就任後1週間が過ぎた9月24日になって、ようやく文在寅大統領との電話会談が実現した。

 もっとも、両首脳が交わした話は儀礼的なものであり、大きな意味はなかった。

 菅首相は、安倍前首相が維持してきた韓国に対する外交政策を伝え、文大統領もまた、日韓の過去の歴史と徴用工賠償問題の解決に言及するに留まった。

 短い会談だったが、菅首相は文大統領の要求をスルーし、日本企業の資産現金化問題について韓国側が解決策を提示するまでは敢えて会う必要なしという毅然とした態度を
示した。

八方塞がりの文大統領、当面の間は反日カードが切れない

 現在、菅首相の韓国に対する態度に韓国国内では、文大統領をはじめ、政権与党が深刻かつ慎重に受け止めているという論評も出ている。

 昨年の反日感情が盛り上がった時期であれば、日本の首相が韓国の大統領を無視したと受け取れる発言が出ると同時に、韓国国内で強い反発が起こっただろう。

 あるいは、日本のビール缶を足で踏み潰し、繁華街でレクサスを壊し、ユニクロの前で営業妨害をするなど、「独立運動はできなかったが、不買運動はする」と、自らを慰めたかもしれない。

 だが、今はまるで何事もなかったかのように静かだ。 韓国内では与党民主党内の文在寅大統領と対立し、有力な次期大統領候補とされた李在明(イ・ジェミョン)京畿道知事だけが「受け入れ難い条件を掲げた菅首相が訪韓することはないだろう」と反応したのだった。

 青瓦台や民主党幹部の中では、共同通信の菅首相の訪韓に関する報道について、取り立てて言及してはいない。

 菅内閣は70%以上の高い支持率でスタートし、北朝鮮には拉致問題の解決に集中すると共に、韓国飛ばしを維持する。

 日朝外交において、曖昧な立ち位置となった文在寅政府を揺さぶる環境がすでに出来ている。

 新型コロナによる国内経済の低迷と対北朝鮮感情の悪化、支持率の下落、さらには北朝鮮の韓国飛ばしなどにより、八方塞がりの文大統領が再び反日カードを切り出せる状況ではないだけに、菅首相もしばらくは今の雰囲気を維持することが日本にも、そして日韓関係の改善を望む韓国にも実利があるだろう。

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 日本学術会議解散してはどうか 

Japan In-depth 2020年10月7日(水)23時00分配信/清谷信一(軍事ジャーナリスト)

【まとめ】

・日本学術会議は極端なイデオロギーに偏向。

・軍事研究に一切協力しない方針こそ「研究の自由」の侵害。

・京都大、学内で軍事研究は実施しないとする基本方針を策定。

 日本学術会議の新会員の推薦を、政府が関連を無視して6名を認めなかったことで、議論となっている。日本学術会議関係者やメディアが「学問の自由」が侵されたという主張しているが、別に政府が「彼らの学問の自由」を奪ったという事実は存在しない。

 単に「日本学術会議会員」というステイタスを得られなかっただけだろう。筆者はこれまで安倍政権、菅政権に対して一貫して批判的な態度をとってきた。だが、その筆者でも今回安保法制拒否の立場の候補者を狙い撃ちしたのは大人げないとは思うが、方向として間違っているとは思わない。

 何故なら日本学術会議は極端なイデオロギーに偏向しており、軍事研究を頭から否定し、まさに「学問の自由」を弾圧している組織だからだ。

 そのやり方は自分たちの主張にそぐわない女性の振り袖やパーマをかけた頭髪を切ったりした「国防婦人会」と酷似している。このような組織に国費を投じ、公務員としての待遇を与えるべきではない。

日本学術会議は軍事研究に一切協力しないという極端な態度をとっている

 学術会議が世間で話題になるのはその政治活動である。2017年には軍事的安全保障研究に関する声明を出した。これは1950年の「戦争を目的とする科学の研究は絶対にこれを行わない」という声明と1967年の「軍事目的のための科学研究を行わない声明」を継承するもので、防衛装備庁の「安全保障技術研究推進制度」に大学が協力するなと提言している。

 この影響で京大などが軍事研究を禁止したが、その範囲ははっきりしない。学術会議は「研究成果は時に科学者の意図を離れて軍事目的に転用される」ため、軍事に関連する分野の研究も禁じているが、この基準でいうとコンピュータの研究は全面禁止するしかない。現代ではコンピュータを使わない兵器は存在しないからだ。

参考記事:学術会議を民営化して「学問の自由」を取り戻そう(池田信夫)

 京都大学は日本学術会議の意に沿って以下の通り公式HPにて軍事研究を禁止している。

「本学における研究活動は、社会の安寧と人類の幸福、平和へ貢献することを目的とするものであり、それらを脅かすことに繋がる軍事研究は、これを行わないこととします」

(参考記事:京大、軍事研究しません。研究活動は「平和への貢献を目的とする」)

 本来軍事研究に協力するしないは個々の研究者の問題だ。「権威的な団体」が圧力をかける問題ではない。それこそ「研究の自由」の侵害であり、憲法違反だ。

 確かに前の戦争の直後であれば、軍部独裁、大政翼賛体制で科学者が意にそぐわず軍部に協力させたれたことに対する反省もあり、世論のシンパシーも得られたらだろう。だが戦後の我が国は軍事独裁国家ではなく、色々と問題はあるにしても「成熟した民主国家」である。学者が軍事研究に協力したら軍事独裁政権が生まれるわけでもない。

 軍事研究を通じて平和に貢献したという研究者はいるがそういう意見が日本学術会議の圧力によって圧殺されている。

 軍事研究の否定=平和というのは小学生レベルの思考だ。登山で山頂を目的とする場合に、麓から一直線に山頂を目指すことだけが、正しく、迂回路を通ったり、現実的な登山ルートを通ることを「悪」であるときめつけるようなものだ。そして無理な登山をすれば遭難は必至である。

 仮に我が国で全く軍事技術を保持しないとしよう。その場合、まず考えられるのは外国の軍事技術との格差だ。端的に申せば、敵国がターミネーター2のようなロボットで攻めてきて、自衛隊は生身の隊員が圧倒的な不利な状況で、竹槍で戦う、ということだ。それは国民も同じだ。近年の戦争では軍隊よりも民間が被る被害の方が大きい。

 そして戦争に負けて占領されれば、主権を失う。日本学術会議が尊重しているであろう「平和憲法」も停止されるだろう。例えば中国に占領されれば、ウイグル人のように、人権や思想、宗教の自由が奪われ、女性は堕胎を強要されることも想像に難くない。

 また自前の技術を持たずに米国に軍事力を依存することも起こり得る。この場合米国に生命与奪権を握られて属国化する(現状でもそれに近い状態ではある)。米国の属国化が進めば、米国の意向に逆らうことができなくなる。また米国の戦争に「属国」として参加させられることにもなるだろう。それをよしとするのか。

 無論、現在の世界では兵器市場で多くの兵器が入手可能であり、大抵の兵器はカネさえ積めば調達が可能だ。我が国のように米国製兵器を常に本命に買うと決めていればボラれるが、複数を競わせれば、高性能なものを安価に調達することも可能だ。

 だが、それらの兵器を調達するためには、技術的な目利きが必要であり、それがなければ現実的な調達はできない。そのためには独自の軍事技術の保有は必要だ。

 日本学術会議は、我が国は兵器を輸入すればいいのだ、という見解なのか、それとも軍備自体がけしからん、というのだろうか。

 後者あれば自衛権を否定し、国家の独立を維持することも否定することになりかねない。

 それは「平和憲法」を放棄してもいいとこことになる。

 また何を持って軍事研究かという線引も困難だ。

 その典型例がサイバー分野だ。サイバー攻撃は相手が軍隊か民間か分からない。そして攻撃対象も防衛省や自衛隊だけとは限らない。株式市場や金融機関、発電所、空港などがサイバー攻撃を受ければ大規模な事故や災害が起こったり、国民生活が混乱を来たしたり、財産が失われる可能性もある。現在は自衛隊は民間への攻撃に対しての防御を行っていないが、今後国家として社会インフラであるネットを守ることは必要不可欠だ。それには軍事、非軍事の区別はない。

 同様に生物兵器の研究もある。防衛省では生物兵器に対する研究を行っているが、これは我が国に対して生物兵器が使用されたときに対処するためであって、他国を攻撃するためものものではない。これも「軍事研究」といって学者が組織的に協力を拒むのは国民の命を危うくすることになる。日本学術会議の主張をそのままとれば、そもそも疫学や細菌に対する研究は生物兵器に転用が可能であり、禁止しなければならないだろう。

 またドローンやドローン防止に対する技術も同様に軍民の垣根は極めて低い。

 何が「危険な軍事研究」かという判断を、学者の団体、しかもかなり思想的に偏っている団体に預けるのは極めて危険と言わざるを得ない。

 軍事研究を否定するのであれば、そのあたりのスタンスを明らかにすべきだ。単に嫌いだから嫌だ、ではお子さまレベルだ。

教養ある学者のすることではない

 京都大は28日、学内で軍事研究は実施しないとする基本方針を策定した。「社会の安寧と人類の幸福、平和を脅かすことにつながる」と理由を説明している。個別の事案が適切かどうかは、学長が常設する委員会で審議する。

 一応は学校側が判断するものの、学長や主流派に逆らって、軍事研究をしようという学者がどれだけいるだろうか。

 軍事研究への弾圧は単に研究者や教官だけの問題ではない。学生にとっても弾圧だ。軍事研究を否定するのであれば、卒業生の就職も制限すべきだろう。入学に際して、防衛関連企業へ就職しないという、念書をとることも必要だろう。もし防衛関連に就職するならば学位は取り上げる、とですればいいだろう。無論これは憲法に抵触するだろうが、成果物を軍事利用させない、という主義であるならばそこまでやる必要があるはずだ。そのような考え方は民主国家にはなじまない。

 日本学術会議の「絶対平和主義」の幼稚なところは、理系だけを対象にしていることだ。理学や工学以外でも軍事に転用できない学問は殆どない。心理学、文学、医学、歴史、社会学、言語学、経済学、経営学、会計学、運動学あらゆる学問は軍事に応用や利用が可能だ。先の戦争でも暗号解読などは数学者や言語学者や活躍したが、日本学術会議にはそのような何が軍事技術に関する教育かという視点も教養もない。

 そして今回菅内閣から拒否された加藤陽子教授は「軍事研究」を行い、書籍も多数執筆している。誰が「いい軍事研究」と「悪い軍事研究」を決めるのだろうか。

 この手の人達は軍事と聞いただけで嫌悪感を持ち、絶対悪だと決めつける。それは医者や患者が忌まわしい病気に対する知識をえることも研究することも悪である。「健康健康」と唱えていれば健康になるというような宗教でしかない。

 単純すぎる底の浅い平和主義をすべての研究者や国民に強要するのであれば、それは軍事に対する無知を生むことになる。強圧的な偏向思想組織である日本学術会議は解散すべきだ。

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2020年9月14日 (月)

【第45代大統領】「金正恩」と「北朝鮮の内情」を語るインタビュー

 トランプ大統領金正恩にとっては愛するあまり売れない 

朝鮮日報 2020年9月11日(金)9時01分配信

 米国のトランプ大統領は北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長と核兵器について「愛するあまり売ることができない家」に比喩したことが9日(現地時間)に分かった。トランプ大統領は表向きは北朝鮮との非核化交渉に自信を示しているが、実際は非核化の可能性を疑っているということだ。

 米ワシントン・ポスト紙やCNNテレビなどはこの日、ウォーターゲート事件の報道で知られるウッドワード氏の新刊「Rage(怒り)」の内容を入手し、上記のように報じた。この書籍はウッドワード氏が昨年12月から今年7月までの期間、トランプ大統領に18回インタビューした内容に基づいており、今月15日に発行される予定だ。

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 かつて不動産事業を手掛けたトランプ大統領はインタビューで、金正恩氏と核兵器の関係を不動産に例えながら「ある家を愛する誰かと本当によく似ている。彼らはこれを売ることができない」と述べた。金正恩氏は核を簡単には放棄できないという意味だ。

 2017年に米朝間で緊張が高まった当時、トランプ大統領は北朝鮮との戦争にどれだけ近づいたかを回想しながら、ウッドワード氏に「私は以前、この国で誰も手にしたことがない核システムを開発した」「あなたが見たことも聞いたこともないものだ。プーチン(ロシア大統領)や習(近平・中国国家)主席が以前も絶対に聞けなかったものだ」とも説明した。北朝鮮との戦争に備え、秘密の核兵器も開発したというのだ。ウッドワード氏は匿名の複数の人物を通じ、米軍が極秘に新たな武器システムを開発したことを確認しているが、詳しい情報は得られていないとしている。

 ウッドワード氏は、トランプ大統領が金正恩氏とやりとりした27通の親書を確保したことと、うち25通はこれまで公開されたことがないことを明らかにした。金正恩氏は親書の中で、トランプ大統領を「Excellency(閣下)」と呼び、二人の関係について「ファンタジー映画」「魔法の力」などのお世辞を使って表現したとウッドワード氏は伝えた。

 元脱北者「張成沢部下が高射銃で処刑される場面見て失禁 

朝鮮日報 2020年9月11日(金)10時01分配信

 北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長のおじに当たる張成沢(チャン・ソンテク)元・労働党行政部長が2013年11月、党行政部副部長だった李竜河(リ・リョンハ)、張秀吉(チャン・スギル)両人の処刑場面を目撃して恐怖に震えた、という主張が登場した。李竜河・張秀吉は張成沢直系の部下。

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 2人の残酷な処刑場面を現場で目撃した張成沢など北朝鮮高官らは、生理現象を抑えられないほどの恐怖にかられたというのだ。また2人を処刑する際には、対空防御火器の「4銃身高射機関銃」が用いられたという。

 2016年に中国・寧波にて北朝鮮レストラン従業員12人の集団脱北を主導したホ・ガンイル氏は、9日(現地時間)に米国ワシントンDCから、動画サイト「ユーチューブ」上のチャンネル「CHANGE NORTH KOREA」を通してこのような主張を行った。

 ホ氏は、李竜河・張秀吉の処刑現場に出席した北朝鮮の高級幹部からこうした話を伝え聞いたという。

 ホ氏は「(伝聞で)飛行機を落とす高射銃を李竜河・張秀吉に向けて撃ち、遺体が一つ残らず消えて足首があるだけというほどに残酷だった」「この光景を目撃した張成沢はもちろん、相当数の幹部がズボンに染みを作った」と語った。張成沢は、李竜河・張秀吉の処刑から1カ月後の2013年12月に「高射砲」で処刑されたといわれている。

 これに関してホ氏は「(張成沢も)そのように(高射銃で)処刑されたという話を聞いた」とし「張成沢の処刑の際、平壌市は恐怖に沈み、笑い声が消えた」「エリートらは『自分が殺されるんじゃないか』と怯えていた」とも語った。

 金正恩委員長が張成沢など高級幹部をどれほど残酷に処刑したかは、米国のドナルド・トランプ大統領の発言に関する報道からも確認できる。ワシントンポスト紙は昨年5月10日、トランプ大統領が金正恩委員長について「おじの張成沢を殺し、その頭を晒し物にした」と語った-と報じた。

 同紙は、トランプ大統領が当時、非公開で開かれた支持者の会合に出席して「金正恩がおじの張成沢を殺害し、彼の頭を他人に見えるように展示(display)したという話を非常に生々しく、詳細に(graphically detailed)語った」という出席者の言葉を伝えた。

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 また同紙は9日、「ウォーターゲート事件」の特ダネ記者、ボブ・ウッドワードの新刊『RAGE』に収められた内容を入手して報じ、トランプ大統領が「金正恩はおじを殺害した件についての生々しい(graphic account of)説明を含め、自分に全てを話している」とも自慢した-という内容を伝えた。

 ただし、金正恩委員長が米国大統領の前でおじを粛清した様子を詳細に語った可能性は低い、という見方もある。トランプ大統領が金正恩委員長との関係をアピールする際、彼ならではの誇張法を用いた可能性もある。

 トランプ大統領金正恩首のない張成沢の遺体を展示した」 

朝鮮日報 2020年9月14日(月)8時05分配信

 米国のトランプ大統領は、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長が2013年に叔父の故・張成沢(チャン・ソンテク)元労働党行政部長を処刑した後、その頭がない遺体を北朝鮮の幹部らが通る階段に展示したと言ったと伝えた。

 トランプ大統領が「ウォーターゲート事件」の特ダネ記者、ボブ・ウッドワード氏のインタビューを受けた際、金正恩氏から当時の状況を直接聞いたかのようにこれらの内容を伝えたという。

 本紙が12日(現地時間)に入手したウッドワード氏の新刊『RAGE 怒り』によると、トランプ大統領は「金正恩氏が全てを語った。全てを話してくれた」とした上で、張成沢の処刑に関する内容をウッドワード氏に話したようだ。

 トランプ大統領は「彼(金正恩氏)はおじを殺害し、その遺体を(北朝鮮の)上院議員らが歩いて通る階段に置いた」「切り取られた頭は胸の上に置いた」とも説明したという。トランプ大統領が言及した「上院議員」が何を意味するか明確ではないが、北朝鮮の高官らを意味する言葉のようだ。

 張成沢の処刑方式についてはこれまで確認されておらず、その遺体が外に展示されたという報道も過去に出たことがない。張成沢は2013年、高射砲(航空機を攻撃する兵器)で残忍に処刑されたと伝えられてきた。

 金正恩氏は2019年8月にトランプ大統領に送った親書の中で、韓米訓練が続いていることについて「私ははっきりと不快で、この感情をあなたに隠したくない」「現在と未来において韓国軍は私の敵にはなれない」と不満を伝えたという。

 金正恩氏は「あなた(トランプ大統領)がいつか話したように、われわれは特別な手段が必要のない強い軍隊を持っており、韓国軍はわが軍の相手にならない」と主張したという。

 しかし金正恩氏によるこのような不満の表明を受けたトランプ大統領は数日後、ホワイトハウスで記者団に「私は美しい手紙を受け取り、それは非常に肯定的だった」と話していた。

 一方でトランプ大統領は金正恩氏について「狡猾で、術数に優れ、非常に鋭利」「そして非常に荒々しい」と評価したという。

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 「金正恩は叔父の首を斬り、遺体を見せびらかした」暴露本で明かす 

Yahoo!ブログ 2020年9月14日(月)6時37分配信/飯塚真紀子(ジャーナリスト)

 「金は私にすべてを話したんだよ。彼は叔父を殺し、遺体を階段(北朝鮮の高官が使う建物の階段のこと)に置いたんだ。首は斬られて、頭は胸の上に置かれた」

 AFP通信によると、トランプ氏は、9月15日発売の暴露本「RAGE(怒り)」の著者であるワシントン・ポスト紙の調査ジャーナリスト、ボブ・ウッドワード氏のインタビューに対し、そう話したという。

 本当なら、金氏はトランプ氏に“叔父の斬首”について告白したことになる。

 叔父とは、2013年12月に、国家転覆陰謀罪のために特別軍事裁判で死刑宣告を受け、粛清された金委員長の叔父にあたる張成沢(チャン・ソンテク)氏のことだ。

 北朝鮮は張氏がどう粛清されたかは公式に発表していないが、高射砲が使われたいう話は出ていた。しかし、張氏の斬首について言及されたのはこれが初めてのことだという。

 なぜトランプ氏はウッドワード氏に斬首話をしたのか?

 金氏がそんな話までしてくれるほど、自身と金氏はブロマンス関係(男性同士の強い友情)で結ばれていることを自慢したかったからだろうか?

 実際、同著では、金氏からトランプ氏に送られた書簡も明らかにされている。両氏は少なくとも27通もの書簡を交換したという。

 その中には、金氏のおべっかともいえる内容もあるようだ。例えば、金氏がトランプ氏に送ったある書簡には、韓国の非武装地帯でトランプ氏と握手した歴史的会合について「全世界が大きな関心を持って見守る中、美しく神聖な場所で閣下の手を固く握った歴史的瞬間」と記されていたり、別の書簡には「深く特別な友情は、北朝鮮とアメリカの間で魔法の力となり、発展をもたらす過程で直面するすべての障害を取り払うだろう」などと記されていたりするという。

 書簡をやりとりしていたのは事実としても、嘘の数を更新し続けているトランプ氏のこと、金氏が本当に斬首話をしたのかはわからない。

 そのため、斬首話については、米ニュースサイト「デイリー・ビースト」で、専門家が様々な考察をしている。

 「金氏がトランプ氏にそんな話をしたとは思えない」という声もあるし、「トランプ氏の作り話や誇張話ではないか」という指摘もある。

 「トランプ氏は、金氏との関係が良好なことや金氏に信頼されていることの証明にもなる斬首話をすることで、ウッドワード氏を印象づけようとしたのではないか」という見方もある。

 逆に、金氏の側からすると、トランプ氏に気に入られるために斬首話をしたのではないかという指摘もある。金氏は、トランプ氏が権力というものに熱狂していることを熟知しており、斬首話をすることで自身は叔父さえ斬首するほど権力があることを誇示したというのだ。

 また、金氏はトランプ氏と特別な関係を作るために、話をスピンさせたのではないかという見方もある。

 北朝鮮はめったに悪行を認めないが、事態をドラマティックに好転させたい時は例外的だという。金氏は非常事態から脱するためには、トランプ氏との交渉を成立させる必要があると考え、信頼関係構築のために斬首話をしたのかもしれないという指摘もある。

 いずれにせよ、自画自賛の多いトランプ氏のこと、自分は金氏から「閣下」と慕われ、斬首話まで告白されるほど偉大なのだとウッドワード氏に自慢したかったのだろう。それだけ、金氏のおべっかや斬首話はトランプ氏の虚栄心を満たしていたのかもしれない。金氏はトランプ氏の性格をよく読んでいたといえる。

 しかし、現状、トランプ氏は虚栄心が満たされただけで終わっている状況だ。本来の目的である北朝鮮の非核化は全然進んでいない。それどころか、北朝鮮はいまだ核開発を続けている。

 国連安全保障理事会の北朝鮮制裁委員会の専門家パネルが、8月に出した報告書によると、北朝鮮は高濃縮ウランの生産や実験用軽水炉建設の継続を含め、核計画を続けており、弾道ミサイルに搭載可能な核兵器の小型化を「恐らく実現した」という。

 結局のところ、トランプ氏は、金氏にバカにされてしまったということか?

 トランプ大統領北朝鮮が3年前にICBMを発射した際米国は核兵器80発の発射を検討 

朝鮮日報 2020年9月14日(月)9時00分配信

 米朝の緊張状態が高まった2017年、米国は北朝鮮の政権交代を念頭に置いた「作戦計画5027」について検討したが、この計画には核兵器80発を使用する可能性が含まれていたことがわかった。

 南北の全面戦に備えた韓米連合司令部の計画「作計5027」に核兵器80発の使用が含まれていることは今回はじめて明らかになった。

 米国は2017年7月、北朝鮮が大陸間弾道ミサイル(ICBM)を発射した直後、北朝鮮に警告を行うため、金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長が視察していた発射場を攻撃するためにそこまでの距離を正確に計算し、この距離と同じだけ離れた東海に戦略ミサイルを落としたという。

 これらの内容は「ウォーターゲート事件」の特ダネ記者、ボブ・ウッドワード氏がトランプ大統領に18回インタビューを行った内容に基づいて執筆された新刊『RAGE 怒り』に記載されている。同書は15日(現地時間)に発行予定だ。

 13日に本誌が入手したこの本の内容によると、ウッドワード氏は「(2017年当時)ジェームス・マティス国防長官は、トランプ大統領が北朝鮮に先制攻撃を行うとは考えていなかったが、その戦争のための計画は準備されていた」と伝えている。

 当時、米ネブラスカ州オマハにある米戦略司令部は、北朝鮮の政権交代を目指す作戦計画5027を慎重に検討し研究していたが、これには(北朝鮮による)攻撃に対する米国の対応策として、80発の核兵器を使用する方策も含まれていたというのだ。ウッドワード氏は「(北朝鮮)指導部を攻撃する作戦計画5015もアップデートされていた」とも伝えた。

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 2017年、当時のマティス国防長官は米軍と国家安保チームがセキュリティ通信ラインで行う緊急会議「最高位機密カンファレンス」を通じ、北朝鮮によるミサイル発射について6回ほどリアルタイムでモニターしたという。

 北朝鮮は移動と隠ぺいが可能な移動式発射車両に数十個の核兵器を保有しているが、トランプ大統領はマティス長官に対し、米国に向かってくるいかなる北朝鮮ミサイルも迎撃する権限を与えたとウッドワード氏は伝えた。四ツ星将軍出身のマティス氏は、トランプ政権の初代国防長官だった。

 2017年7月4日、北朝鮮は金正恩氏が直接見守る中、平安北道亀城の芳峴飛行場周辺から米本土への攻撃が可能なICBM「火星14型」をはじめて発射した。これを受けビンセント・ブルックス韓米連合司令官(当時)はマティス長官の承認の下、翌日ただちに南北の境界に近い東海岸で示威と警告目的の作戦に乗り出した。海岸から火を噴いて発射した米軍の戦術ミサイルは、186マイル(約299.33キロ)先の東海上に落下した。

 ウッドワード氏は同書の中で「それは米国がミサイルを発射した地点から北朝鮮のミサイル発射場、金正恩氏がミサイル発射を見守る写真が撮影されたテントまでの正確な距離だった」と説明した。当時、米第8軍が東海に向けATACMSミサイルを発射した事実は知られていたが、金正恩氏を攻撃するための距離を計算して発射されたことは今回はじめて伝えられた。

 ウッドワード氏は「その意味ははっきりしている。金正恩氏は自らの個人的な安全を懸念する必要があった」と書いた。また米軍のミサイルが非常に簡単に発射場と金正恩氏を狙えるという事実について、これを北朝鮮が悟ったことを示す情報が収集されていないこともウッドワード氏は伝えている。米軍がATACMSミサイルを発射する方向を北西に変えるだけで、金正恩氏に命中させられるという事実を北朝鮮は理解できていなかったということだ。

 また2017年8月29日、北朝鮮が発射したミサイルは日本の北海道上空を越えて太平洋に落下した。当時のマティス長官は北朝鮮に確実なメッセージを伝えるため、北朝鮮の港を実際に爆撃すべきか悩んだが、全面戦争を懸念して取りやめたという。17年9月4日、北朝鮮は6回目の核実験を行った。

 米国は9月23日、戦略爆撃機B1Bや戦闘機F15Cなど20機以上を東海の北方限界線(NLL)を越えて飛ばす武力示威を行った。

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 このような中、トランプ大統領の衝動的な命令でマティス長官がさらに頭を痛めたこともウッドワード氏は伝えている。マティス長官は私的な席で「私はトランプ大統領が何を言っても我関せずだった」「たまに行われるツイートを除けば、通常はいかなる指揮も受けなかった」と述べたという。

 トランプ大統領はウッドワード氏とのインタビューで、「北朝鮮と本当に戦争直前まで行ったと聞いているが」との質問に「その通りだ。みんなが知っているよりもはるかに近づいていた。本当に近かった」と話したという。

 ウッドワード氏が「北朝鮮がICBMを発射すればどうなっていたか」と尋ねると、トランプ大統領は「彼(金正恩氏)にはあまりにも大きな問題が生じると言っておく。誰も以前に経験したことのない大きくて大きな問題だ」と答えた。金正恩氏も2018年4月、当時米中央情報局(CIA)局長だったポンペオ国務長官が訪朝した際「われわれは本当に(戦争に)近づいていた」と語ったことをウッドワード氏は伝えている。

 一方でポンペオ国務長官は北朝鮮との複数回にわたる会談後「在韓米軍は中国に対する牽制になるため、金正恩氏は引き続き駐屯することを望んでいる」との結論を下したとウッドワード氏は指摘した。米朝による複数回の会談や軍幹部ら同士の書簡において、金正恩氏は韓国に米軍が駐留することについては直接にも間接にも、また一度たりとも問題視していないというのだ。

 ウッドワード氏は「それはその地に米軍を置くべきもう一つの理由だった」と説明した。ウッドワード氏は金与正(キム・ヨジョン)氏が金正恩氏を「偉大な指導者」「最高指導者」と呼ぶ一方で、一回も「お兄さん」と呼んでいないことも伝えている。

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2020年5月 3日 (日)

【金正恩】“影武者”✍健在アピール?「肥料工場視察」配信

金正恩最新写真」が物語る、北朝鮮の異変消えない健康不安

現代ビジネス 2020年5月3日(日)7時01分配信/牧野愛博(朝日新聞編集委員)

透けて見える北朝鮮の思惑

 北朝鮮の朝鮮中央通信は5月2日朝、金正恩朝鮮労働党委員長が、1日に行われた同国西部・平安南道(ピョンアンナムド)の順川(スンチョン)リン酸肥料工場の竣工式に出席したと報じた。

 金正恩氏が公の場に姿を現すのは、4月11日に平壌で行われた党政治局会議出席以来、20日ぶりのことだ。これで、一部に流れた金正恩氏の死亡説や重体説、植物人間説などは一掃されたことになる。

 朝鮮中央テレビも2日、竣工式の映像を伝えた。そこでは拍手し、参加者たちに手を振り、時には笑みを浮かべる金正恩氏の姿が映っていた。歩いたり、階段を上り下りしたりする動作に問題はない様子で、タバコを指先に挟みながら幹部たちに指示を飛ばす場面も映っていた。

 ただ、関係国の政府関係者や専門家らに取材してみると、事態はそう単純ではなさそうだ。

 関係者らが注目したのは、朝鮮中央通信が正恩氏の公開活動の記事に添えた21枚の写真だった。

 写真でも正恩氏の竣工式のひな壇に座った姿、テープカットする姿、幹部たちに囲まれて笑顔を見せる姿などが映っていた。共通するのは、「最高指導者の健康状態に問題はありません」と強調し、アリバイ作りをしたい北朝鮮の思惑である。

 正恩氏が座るひな壇の後方には、「順川リン酸肥料工場竣工式 2020年5月1日」という標示板が掲げられていた。通常、北朝鮮では最高指導者の機密を守るため、国営メディアは公開活動の日付を明らかにしないで伝える場合がほとんどだ。しかも、年月日について、「主体109年(2020年)」というように表示する。

 メーデーが国際行事だったということを差し引いても、写真からは、北朝鮮国内はもちろん、正恩氏の健康について疑念の目を向けてきた西側諸国に対して、金正恩氏が5月1日に確かに現地にいたことを証明したい思惑が透けて見える。

国内の動揺を抑える必要があった

 同じように、金正恩氏らがひな壇にいるとき、上方からひな壇や式典参加者らを一緒に俯瞰するような写真も掲載された。朝鮮中央テレビの映像には、工場内の建物の屋上でカメラを構える関係者の姿が映り込んでいた。北朝鮮では通常、最高指導者の保安のため、狙撃される可能性がある上方からの撮影が許可されることはめったにない。これも、前述したことと同様、「金正恩氏が5月1日に順川にいた」ということを強調したい意図がありそうだ。

 5月1日はメーデー。北朝鮮では労働者の祝日として公休日になっている。これまでもメーデーでは記念行事がしばしば行われてきたが、「1号行事」と呼ばれる最高指導者が出席する記念行事はほとんど行われてこなかった。めぼしいところでは、1960年代半ば、唯一指導体系を確立した直後に金日成(キム・イルソン)主席が出席して、平壌の金日成広場でパレードを行った程度だ。

 確かに順川リン酸肥料工場は、正恩氏が1月にも訪れた重要施設ではある。北朝鮮では「肥料1キロでコメ1キロ」という言葉があるくらい、肥料は重要な物資だ。新型コロナの感染問題によって、今年に入って北朝鮮が中国から輸入した肥料はわずか4000トン程度にとどまっているという未確認情報もある。その意味で、竣工式に正恩氏が出席しても不自然ではない。

 しかし、5月1日に竣工式に出る余裕があるのなら、金正恩氏が正統性の唯一の根拠としている「白頭山血統」を誇示するため、4月15日の金日成主席生誕記念日に金主席らの遺体が安置されている錦繡山(クムスサン)太陽宮殿を参拝することや、金主席が創設した朝鮮人民革命軍創建記念日にあたる4月25日に記念行事を行うことの方がより重要だろう。

 日米韓はこの間、金正恩氏の動静を確認する決定的な写真や証言は入手していなかった模様だ。状況証拠から推測するしかないため、限界が伴うが、やはり健康状態が回復したために、急ぎ適当な式典を選んで出席したとみる方が合理的だと思われる。北朝鮮国内でも最近、脱北者などが流していた「死亡説」「植物人間説」などが入り込み、平壌や地方都市で出回っていた。一部に広がる動揺を抑える必要に迫られていたとみるべきだろう。

顔や手首のむくみ

 米国政府はトランプ大統領やポンペオ国務長官らが、具体的な発言こそ避けていたものの、金正恩氏の健康状態に注目していた。日本政府も「正恩氏が従来、高血圧や高い血糖値という健康状態であったことを考えれば、脳や心臓に異常があった可能性は否定できない」(関係者)と分析していた。

 実際、朝鮮中央通信が2日に公開した写真や映像を見ると、4月12日に公開された写真と比べ、正恩氏の顔や手首が若干むくんで見える。韓国で長年、北朝鮮問題を担当した元高官は「これから写真の詳細な分析が行われるだろうが、心疾患が起きた可能性がある」と語る。元高官によれば、金正日(キム・ジョンイル)総書記も晩年、心疾患のため、血液が体の末端に十分行き渡らず、手や足がむくむ症状が現れていたという。

 また、日本の医療関係者は「詳細な情報がないために断言はできないが、20日間、公の場に出てこなかったことや写真の様子を見る限り、軽い心筋梗塞を患った可能性がある」と指摘した。「その場合、北朝鮮はおそらく海外から取り寄せた医薬品による投薬治療を行っただろうが、その間は面会謝絶としていただろう」とも語った。投薬治療は比較的時間がかかるうえ、心肺機能に負担をかけないよう、体を動かさないようにするほか、外部からの刺激をできる限り避ける必要があるという。

 実際、平壌と情報をやり取りする高位脱北者によれば、北朝鮮では4月半ばから一時期、最高指導者の決裁書である「1号提議書」に正恩氏の親筆が見られなくなるという現象が起きていた。

 4月22日には日本周辺で米軍の戦略爆撃機B1Bと航空自衛隊による合同訓練も行われたが、北朝鮮は全く反応しなかった。韓国の安保専門家は2日、「少なくとも、正恩氏は4月11日の会議に出席した後、日米合同訓練の頃までは、通常の業務をこなせない状況に陥っていたと疑わざるを得ない」と語った。

「出たくても出られなかった」

 金正恩氏は2014年9月から10月にかけて約40日間、公開の活動をしなかったことがある。当時は足首にできた腫瘍を取り除く手術を受けたとされる。今回、公開活動がなかった期間は半分の20日だったが、前述の元韓国政府高官は「健康問題に限れば、今回の方が深刻だ」と語る。

 当時は張成沢(チャン・ソンテク)元国防副委員長が2013年12月に処刑されてから1年も経たない時期にあたり、北朝鮮の権力層に動揺がみられたという。2015年4月末には玄永哲(ヒョン・ヨンチョル)人民武力相が処刑されたといわれる。

 元高官によれば、当時の韓国政府は「足首の手術というよりも、権力が不安定だったため、正恩氏は平壌から離れられず、現地指導もできない状況だった」と分析したという。

 この元高官は「正恩氏は愛民政治を掲げており、自分を犠牲にしても人民のために尽くす政治スタイルを取っている。実際、正恩氏が足を引きずる映像も公開されている。2014年当時に公開の席にしばらく出てこなかったのは、健康の障害というよりも、非公開で党内協議などを重ねる必要性に迫られていたからだと思う」と分析する。そのうえで、「今回は平壌ではなく、江原道(カンウォンド)元山(ウォンサン)にいたわけだから、権力に不安があったわけではない。公開の場に出たくても出られない状態だった、とみるべきだ」とも語った。

 一部には、新型コロナウイルスの感染を恐れて元山に滞在しているという指摘も出ていた。正恩氏が本当に心疾患を抱えていれば、新型コロナに感染した場合に重篤化する恐れが強く、警戒していたことは間違いないとみられる。ただ、正恩氏が1日、北朝鮮西部の平安南道順川を訪れたことで、感染問題が元山滞在の唯一の理由だったとは説明しにくい状況になっている。

 正恩氏はまだ30代半ばだが、持病が悪化し、常に健康問題の不安を抱えることになった可能性がある。

隣に座る金与正氏の役割

 それは、朝鮮中央通信が2日に公開した写真からも見て取れる。ひな壇で、金正恩氏の横には実妹の金与正(キム・ヨジョン)党副委員長が座っていた。北朝鮮関係筋は「今回であれば、通常考えられる出席者は、首相や党軽工業部長、党平安南道委員長らだろう。党の組織指導部あるいは宣伝扇動部を統括しているとみられる金与正氏が出席する必要はない」と語る。

 実は金正日総書記が2008年8月に脳卒中で倒れた後にも、今回と同じような現象が見られた。金総書記が健康を回復した後に行った現地指導の映像に、1人の女性が映り込むようになったのだ。金総書記の実妹、金敬姫(キム・ギョンヒ)氏だった。

 敬姫氏は現地指導の隊列に加わらず、後方で1人、所在なげにたたずんだり、周囲を歩き回ったりしていた。当時の米韓両政府は「金正日総書記が再び倒れた場合の緊急対応ができるよう、金敬姫氏がそばについている」と分析していた。

 金正恩氏も以前から健康に不安を抱え、2月にはドイツから医師団が派遣されて治療にあたったとされる。4月の朝鮮労働党政治局会議で、金与正氏が党政治局員候補に選ばれたのも、正恩氏の業務量を減らし、与正氏に分担させる狙いがあるとみられる。

 金正恩氏の健康不安が現実のものであれば、今後、与正氏を政治局員に昇進させ、正恩氏の補佐ないし緊急事態での対応を図る体制をより整備していくことになるだろう。金正恩氏の公開活動が減っていけば、再び健康不安説が頭をもたげることにもなる。関係国は2日に公開された写真や映像の詳細な分析を急ぐとともに、正恩氏の今後の公開活動や与正氏の役割の変化などに注目している。

否定も肯定もできないが…

 一方、金正恩氏の登場を受け、韓国統一省は2日、死亡説などを唱えた脱北者の発言や報道などを念頭に、「今回、北韓と関係して、根拠のない内容で我々の社会に経済、安保、社会など、様々な分野で不必要な混乱を惹起させた」などとする論評を発表した。また韓国メディアによれば、大統領府は2日、「金正恩氏の健康に異常はない」とし、死亡説を唱えた一部脱北者らを「無責任だ」と批判した。 ただ、韓国政府が「金正恩氏の健康に異常はない」と断言できる確実な情報もまた存在しない。

 日米関係筋の1人は「状況証拠しか得られていない状況のなか、どの国もNCND(Neither Confirm Nor Deny=否定も肯定もしない)を貫くべきだ。韓国の姿勢は、政治的に過度に楽観的な分析を行っていると疑われてしまう」と語る。韓国の安保専門家の1人は「韓国も北朝鮮情報のほとんどを米国に頼っている。あまり政治的な発言が続くと、今後、米国からの情報提供が難しくなるかもしれない」と語った。

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トランプ氏「適切な時期に話す金正恩健在報道、慎重に見極め

毎日新聞 2020年5月2日(土)19時09分配信

 重篤説が浮上していた北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長の「健在」が北朝鮮国営メディアで報じられたのを受け、米政府は状況を慎重に見極める構えだ。トランプ米大統領は1日、ホワイトハウスで記者団に「まだコメントは控える。適切な時期に話す」と述べるにとどめた。金委員長が生きているか否かについては「彼については話したくない」と答えた。

 米CNNテレビは4月20日、米政府関係者の話に基づき、金委員長が最近受けた手術の後に合併症を発症、重篤な状態に陥ったとの情報があると報道。その後、金委員長の動静が確認されない中、トランプ氏は「報道は不正確だと思う。古い情報を基にしたものだとの報告を受けている」などと指摘していた。金委員長の健康状態についても「大体分かっている。近いうちにあなたたちも知ることになるだろう」などと述べていた。

金正恩健在報道、脱北者の韓国国会議員「金正恩の背後“車両”が気になる」…父・金正日が脳卒中で倒れた際に使用した“車両”と同じ

WoW!Korea 2020年5月2日(土)16時15分配信

 北朝鮮のキム・ジョンウン(金正恩)国務委員長が“身辺異常説”の後、マスコミに登場した中、北朝鮮から亡命した韓国のテ・ヨンホ(太永浩)国会議員当選者は今日(2日)「北朝鮮の最高指導者の身辺に関する情報は“最高機密事項”だということが今回改めてわかった」と語った。そして自身が主張していた身辺異常説が間違いだったという事実を認めた。

 テ当選者はこの日、自身のフェイスブックに“金正恩の突然の登場に関する声明文”をあげ「今日、金正恩が北朝鮮メディアに突然登場し、この間広まっていた健康異常説は一旦払拭されたものとみている」と伝えた。

 また「キム・イルソン(金日成)、キム・ジョンイル(金正日)の死亡当時に私が経験した事例を根拠として今回の状況を分析した」とし「また北朝鮮の最高指導者の身辺は北朝鮮の最高幹部たちも正確に知ることができない“最高機密事項”のため、一部で正確な状況を診断するのには限界があるという点を一貫して強調していた」とも伝えた。

 つづけて「しかし、国際社会でこれだけ“健康異常説”が話題となる中、北朝鮮当局が長期間沈黙していたこと自体が“異例”だという事実、またこのような記事が世界各国に出されることに備えて北朝鮮の海外公館にある対応マニュアルなどを照らし合わせてみても、今回の北朝鮮の反応は特異なものである」と指摘した。

 そして「この20日間キム委員長の健康には異常がなかったのだろうか」と疑心を表し「私の気になる点は、今日北朝鮮によって公開された写真の中でキム委員長の後ろにあった“車両”である」と指摘した。

 テ当選者は「すなわち彼の父、故キム・ジョンイル(金正日)総書記が2008年に脳卒中で倒れた際、短い距離も歩けない中、現地指導の時ごとに使用していた車両が再び登場したことで、私の疑心はなくならない」と伝えた。

 一方、テ・ヨンホ(太永浩)氏は、北朝鮮の元外交官。2016年7月、英国ロンドンで北朝鮮の公使として在任中、韓国に亡命した人物だ。先月の韓国総選挙で野党の未来統合党から立候補し、韓国の国会議員に当選した。

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金正恩”20日ぶりに活動公開、肥料工場完工式で健在誇示

産経新聞 2020年5月2日(土)7時18分配信

 北朝鮮国営メディアは2日、金正恩朝鮮労働党委員長がメーデーの1日に中部、順川(スンチョン)のリン酸肥料工場の完工式に出席したと伝えた。米メディアの報道で重体説が持ち上がっていた正恩氏の公開活動が伝えられるのは20日ぶり。北朝鮮メディアは、正恩氏が幹部と談笑するなどの写真や映像を大きく報じ、健在を誇示した。

 正恩氏は4月11日の党政治局会議への出席を最後に公の場に姿を見せず、金日成主席の生誕記念日の15日にも毎年行ってきた金主席らの遺体を安置した宮殿への参拝を見送ったことから健康不安説が浮上。米CNNテレビは20日に正恩氏が手術後に重体に陥ったとの情報を報じ、脳死や死亡説まで取り沙汰された。

 今回の現地視察報道は、内外の健康不安説を払拭する狙いもありそうだ。

 正恩氏は完工式でテープカットを行い、歓声を上げる労働者らに手を振って応えた。工場内も見て回り、工場の完工について「(昨年末の)党中央委員会総会以降、最初の成果で、わが国の化学工業を跳躍させる重要な契機となる」と強調した。妹の金与正党第1副部長や朴奉珠党副委員長、金才竜首相らが同行した。1月7日にも、今年最初の現地指導先としてこの工場の建設現場を訪れたことが報じられていた。

 正恩氏の健康不安説が拡散する中、韓国当局は、正恩氏が東部、元山(ウォンサン)の別荘に滞在しながら正常に政務をこなしているとの見方を示してきた。

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関連エントリ 2020/04/26 ⇒ 【金正恩】死去(享年36歳)✍4月15日「脳死」確認。

 

2020年4月26日 (日)

【金正恩】死去(享年36歳)✍4月15日「脳死」確認。

金正恩委員長、人民革命軍記念日に五里霧中…北朝鮮メディア沈黙

中央日報 2020年4月26日(日)9時48分配信

「健康不安説」が出ている北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長の公開活動の知らせは人民革命軍創建88周年記念日である25日夜まで出ていない。

北朝鮮国営メディアの朝鮮中央通信と朝鮮中央テレビ、朝鮮中央放送、労働新聞などは25日、人民革命軍創建88周年記念日関連報道に集中した。金委員長の公開活動と関連した内容は一切報道していない。

この日北朝鮮メディアは金日成(キム・イルソン)主席が率いた満州抗日遊撃隊である人民革命軍が1932年4月25日に組織されたことを強調し、「革命武力」宣伝にだけ集中する様相だった。

金委員長は2週間にわたり行方がはっきりしない状態だ。11日に平壌(ピョンヤン)の労働党中央委員会本部庁舎で党政治局会議を主宰する姿を最後に公開活動が見られていない。金日成主席誕生日だった15日に錦繍山(クムスサン)太陽宮殿参拝まで姿を見せておらず「健康異常説」が内外で増幅された。

韓国合同参謀本部関係者は「北朝鮮が主張する人民革命軍創建記念日と関連し北朝鮮国内で注目される特異動向は見られなかった」と明らかにした。

ロイター通信は25日に現地消息筋の話として、23日に中国政府が医療専門家を含めた代表団を北朝鮮に派遣したと報道した。韓国消息筋の話としては「金委員長は生きており、近く大衆の前に姿を表わすだろう」と伝えたりもした。

一方、1978年から北朝鮮は毎年4月25日を人民軍創建日に定めている。金正恩委員長の執権後は正規人民軍が実際に創設された1948年2月8日を建軍節として公式化している。

金正恩「術後重体」報道、CIAがリークした裏で繰り広げられた情報戦

デイリー新潮 2020年4月25日(土)17時00分配信

祖父、父、そして息子も心臓病

 世紀の大スクープか、大誤報か――。アメリカのCNNは4月21日、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長(36)が手術後、重体に陥ったとの情報があると伝えた。日本のマスコミも大きく報道したが、まずは新聞各紙の同日夕刊に掲載された記事の見出しをご覧いただこう。

 ***
◇ 読売新聞「正恩氏『手術受け重篤』 米報道 『容体好転』別報道も」
◇ 毎日新聞「北朝鮮:金正恩氏に重篤説 『心臓手術後合併症』 CNN報道」
(註:引用はデイリー新潮の表記法に合わせた、以下同)

 次に共同・時事の通信社と、翌22日の朝刊で報じた産経新聞の見出しだ。

◇ 共同通信「金正恩氏、手術受け重体との情報 米CNN報道、韓国は異変を否定」
◇ 時事通信「金正恩氏、術後に重体情報=別荘で治療中の報道も、韓国『特異動向なし』-米CNN」
◇ 産経新聞「『正恩氏、手術後に重体』 米報道、韓国政府は否定」

 衝撃的なニュースであることは言うまでもないが、共同・時事・産経各紙の見出しにもある通り、韓国は情報を否定した。

 菅義偉官房長官(71)は21日の会見で、「アメリカと連携し、情報の収集と分析」を行うとした。素っ気ない印象を持った向きも少なくないはずで、「CNNの報道は本当なのか?」と疑問に感じた方もいるだろう。

 北朝鮮情勢に詳しい東京通信大学の重村智計教授に取材を依頼すると、「日本、韓国、そしてアメリカの3か国は、『金正恩氏が手術を行った』ことについては、確証を持っていると思います」と解説する。

 歴史を振り返ると、祖父の金日成(1912~1994)、父の金正日(1941~2011)も急性心筋梗塞で死亡したとされる。つまり心臓病の家系なのだ。

「金正恩氏は心臓病と糖尿病を患っており、かなり状態が良くないと言われています。またCNNが報道を行った前日の4月20日、韓国のデイリーNKは金氏が心血管系の手術を受け、地方で治療を受けていると報じました」(同・重村氏)

 北朝鮮トップの健康管理は、フランスの医療機関が伝統的に関与してきた。北朝鮮国内の医師が担当した場合、たとえ病死であっても、処刑の必要が生じてしまうからだという。

「金正恩氏は昨年にペースメーカーを入れたという情報があり、更に今年2月にはフランスの医師が心臓手術を勧告したという話もありました。ただ、最近の正恩氏は重要な行事でも動静が伝えられないなど、不審な点が多かったのです。そのため、かなり急を要する手術が、北朝鮮の医師によって執刀された可能性が浮上しているのです」(同・重村氏)

 動静の混乱を報道から振り返ってみよう。共同通信が4月16日に配信した「北朝鮮、金正恩氏動静伝えず 太陽宮殿にも姿なし」からご紹介する。

《北朝鮮の朝鮮中央通信は16日、故金日成主席生誕108年を迎えた15日、朝鮮労働党や政府、軍の幹部らが金日成氏の遺体が安置されている平壌の錦ス山太陽宮殿を訪問したと伝えた。例年、幹部らと共に訪問してきた金正恩党委員長の姿はなく、日米韓は動向を注視している。

 金正恩氏が名実ともに最高指導者となった2012年以降、北朝鮮メディアは毎年4月15日か、その翌日には金正恩氏の太陽宮殿訪問を伝えており、報道がないのは初めて。

 金正恩氏は今月11日に党政治局会議に出席したことが12日に報じられて以降、動静は明らかになっていない。12日に開かれた国会に当たる最高人民会議でも姿を見せなかった》

 重村氏は「最高人民会議における不在は当初、北朝鮮で新型コロナが蔓延しており、その感染予防の一環だと考えられていました」と指摘する。

「そもそも最高人民会議は10日に開かれる予定だったのですが、実際は2日遅れで行われました。理由は現在に至るまで発表されていません。最高人民会議には約600人が出席することから、当初は『全員にPCR検査を実施したところ、何人かに陽性反応が出たのではないか』と見られていたのです」

 ところが、金日成の誕生日に金正恩の動静が伝えられなかったことから、日韓米は“異常事態”の発生を分析したという。

デイリーNK“スクープ”“の背景

 何しろ金正恩にとって金日成の遺体安置場所の訪問は、国家統治の“正当性”を保証する最重要の儀式の1つだ。欠席などあり得ない。

「北朝鮮も国家のトップに心臓疾患のリスクがあることから、対策を練ってきました。東京都内にある総合病院の助力などを受け、平壌に総合病院の『金萬有病院』を建設しています。心臓病の手術、治療に必要な最新機材を揃え、都内の総合病院とは人的な交流も行っています。アメリカは偵察衛星で金萬有病院を監視しているはずですから、人や車の移動を把握、手術の確証を掴んだと思われます」(同・重村氏)

 朝鮮中央通信が掲載した金正恩の“近影”も興味深い。同紙は10日、正恩が砲撃訓練を指導する姿と、11日に開催された朝鮮労働党政治局会議に出席した時の写真を掲載した。

 このうち、少なくとも会議の写真は「去年の写真を使い回した」可能性が取り沙汰されているという。

 いずれにしても、正恩の手術情報は、韓国とアメリカの諜報機関が、それぞれ異なる必要性から、マスコミへのリークを行ったと見られる。

「北朝鮮との融和路線を志向する文在寅大統領(67)は一貫して、国内の対北諜報部門を冷遇しています。一例を挙げれば、北のスパイを検挙する権限を剥奪してしまいました。これほどの政治的圧力を加えているのですから、諜報部門が北朝鮮にとって不利な情報を大統領府に報告すると、たちまち左遷させられると言われています。つまり金正恩氏の手術情報をキャッチしても、今の政権では有効活用できません。そのために諜報機関は、デイリーNKにリークしたと考えられます」(同・重村氏)

 一方のアメリカは、北朝鮮国内のスパイから得た情報や、衛星の監視などと合わせ、トランプ大統領(73)も重要な役割を担ったようだ。

「トランプ大統領は4月18日の会見で、金正恩氏から『書簡を受け取った』と明らかにしました。ところが北朝鮮の朝鮮中央通信は翌19日、書簡を送った事実はないと全否定します。大統領からすると赤っ恥をかかされたわけですが、この件に関して大統領だけでなくスタッフも沈黙を守っています。こうしたことから18日の発言は、いわゆる“観測気球”であり、北朝鮮の反応を見るための発言だったということでしょう」(同・重村氏)

 いつもの北朝鮮であれば、朝鮮中央通信の報道を通して否定のメッセージを伝えるにしても、もっと勇ましい調子になる。

 だが、今回は極めて淡々とした文面だった。このことからアメリカは「正恩氏の容体は、かなり悪いのではないか」と判断した可能性があるという。

「ただ、アメリカの場合、『正恩氏が手術を受けたが、経過は良好だ』という内容ですと、せっかくリークしても、メディアが報じない可能性があるわけです。CIAといったアメリカの諜報機関がCNN側に手術情報を漏らす際、確実に放送してもらうため、ことさらに重体だと強調した可能性はあります。現時点で冷静に情報を総合すると、手術は事実ですが、体調は快癒から重体まで幅があると見るべきでしょう」(同・重村氏)

 韓国政府は過去に、金日成の死亡説を発表したが、後に誤報だったことが判明している。

 韓国の中央日報(日本語版)は23日、電子版の記事として「【コラム】CNNは『金正恩委員長が重篤』…韓米情報に差(1)」を掲載した。

 この記事に、かつて金日成暗殺説を発表した経緯が紹介されている。

《1986年11月中旬、ソウルでは「金日成(キム・イルソン)襲撃死亡」という衝撃的な報道があった。北朝鮮の金日成主席が暗殺されたというニュースに国際社会は騒々しくなった。大統領が緊急閣僚会議を開き、北朝鮮軍最前方部隊に弔旗が掲揚されたとか金日成主席の死を意味する歌が流れているという国防部の報告が続いて、死亡は事実のように見なされた。しかし報道の2日後の同月18日、金日成主席は平壌(ピョンヤン)を訪問したモンゴルの人民革命党書記長を出迎えるために順安(スンアン)飛行場に姿を現した。米軍盗聴部隊の誤った諜報が震源という主張から、国防部責任論、北朝鮮工作説などが続いたが、ミステリーとして残った。韓国では屈指の大型誤報事態に挙げられる》

たとえ死亡でも国家は安泰

 もし金正恩が手術後、健康を回復していたとすれば、祖父の時と同じような“サプライズ”を再現しようと考えても不思議ではない。

「重体説が流れている金氏が颯爽と登場し、例えばトランプ大統領と電撃的に会談を行ったり、中国を訪問したりすれば、韓国やアメリカの諜報機関に大恥をかかせることができます。何よりも自身の政治基盤を強化させることにもつながるはずです。これは決して“現実性ゼロ”と片付けられないシナリオだと思います」(同・重村氏)

 これほど情報が錯綜しているのは、特にアメリカや韓国が故意に虚偽の情報を流していることも関係しているようだ。

「今、北朝鮮国内では大規模で苛烈なスパイ狩りが行われているはずです。金正恩氏の健康状態に関する情報は文字通りの国家機密で、それを漏らした者は極刑に値します。アメリカや韓国は情報源を秘匿、保護するため、意図的に間違った情報をマスコミに書かせているのです」(同・重村氏)

 まさに熾烈な情報戦というわけだが、たとえ金正恩が死亡したとしても、北朝鮮の国家体制が揺らぐ可能性は低いという。

「クーデターや国民が蜂起する可能性は低く、幹部も相互に依存しているため、内部抗争も起きることもないでしょう。仮に金正恩氏が死亡したとして、金ファミリーの家族会、労働党と軍の幹部、合わせて10人くらいで後継者を決めるはずです」(同・重村氏)

 ちなみに後継者の候補としては、兄である金正哲(38)のほか、3人いると言われる正恩の実子などが取り沙汰されている。他にも父親・金正日や自身の隠し子も、対象者となる可能性があるという。

 妹の金与正(31)を候補者候補として報道したメディアもあるが、重村氏は「現実性は乏しい」と指摘する。

女性の地位向上など、全く考えていない国家です。そういう点は非常に保守的なのです」

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岡村隆史「お金を稼がないと苦しい女性が風俗にくることは楽しみ」異常な発言を撤回すべきではないか

Yahoo!コラム 2020年4月26日(日)13時50分配信/藤田孝典(NPOほっとプラス理事)

岡村隆史「お金を稼がないと苦しい女性が風俗にくることは楽しみ」発言

心の底から嫌悪感を生じる発言を目にしてしまった。閲覧注意なので気分が悪くなった方は読まなくていい。

岡村隆史の以下のラジオにおける発言である。

新型コロナウイルスは様々な醜悪さを明らかにしてくれるが、なかでも最悪レベルの下劣さである。

女性の貧困化を待ち望み性的搾取を待ちわびる下劣さ

岡村は新型コロナウイルスの影響で仕事もなくなり、女性が貧困に陥り、性を商品化して売らなければならないことを「コロナが収束したら絶対面白いことある」と表現する。

また岡村は「短期間でお金を稼がないと苦しいですから」と女性の困窮状態を想像し、性の商品化を歓迎する。

そして「集中的にかわいい子がそういうところでパッと働いてパッとやめます」と性を仕方なく売らなければならない女性が短期間で稼いで辞めていくことも嬉しそうに予想する。

皆さんはどう感じるだろうか。

私は絶対にこういう発言は許してはいけないと思っている。

このような発言を面白おかしく取り上げてきたメディアも猛省すべきである。

現在、例えば10代の女性は「家にいてください」と言われても、性虐待や家庭内暴力を受け、家庭に居場所を失い、各支援団体に救いの手を求めている。

リーマンショックでも東日本大震災でも、人々のストレスが高まると、家庭内での虐待や性暴力につながる事例が多数報告されている。

今回も同様だ。

支援団体がかかわらなければ、岡村がいうように、路頭に迷っている女性を商品化し、性産業に利用するスカウトが声をかけていく。

児童福祉関連の制度やシステムを改善、拡充して手厚くする方向性ではなく、性産業に従事するような構造が作り上げられてしまっている

これを「福祉の敗北」などと批判する者もいるが、日本における性産業、性の商品化の需要は凄まじく、異常なほど女性の性的搾取に執着する構造が福祉の拡大や拡充を阻止している実態がある。

つまり、金がない女性は身体を市場で売れ、という野蛮な社会が至るところにあり、岡村のような思想、価値観が福祉の拡充を阻んでいる。

専門学校生や大学生、大学院生たちからの生活相談も止まない。

日本の学費は先進国でトップレベルに高額で、なおかつ給付型奨学金(スカラシップ)がほぼ皆無である。

だから、家庭に余裕がなければ、性産業に従事して、学費や生活費を稼がなくてはならない環境が広がっている。

近年は性産業の門戸も広がり、セックスワークに入職しやすい「簡単、安全、高収入」というイメージ戦略もとられ、ハードルが大幅に引き下げられている。

セックスワークへの誘導はするが、学業支援生活支援社会保障を整備しない社会だ。

日本社会は女性たちに性的搾取を強いてきたし、21世紀に入っても、このような人権無視の環境が広がっている。

困窮女性に対し、福祉や生活保障を充実させて解放するような方向性には一貫して動いていない。

誤解してほしくないのは、生活困窮者支援をするなかで、今回の緊急時だから女性が「性の商品化」をされているのではなく、日常的にそうなっている社会構造があるということだ。日常的に問題視されてこなかったものである。

岡村隆史を含めて「性の商品化」を待ち望み、女性の生活困窮や貧困を支援、縮小に向けて取り組むのではなく、待ち望む下劣な購入者たちが市場で待っている。

なぜ岡村のような力ある大人たち、力ある社会の構成員たちは女性の福祉拡充、生活支援の拡充を望まないのだろうか。 

そろそろ、貧困や生活困窮を利用し、苦しい立場に置かれている人々を温存するようなことは無くしていく方向に舵を切らないだろうか。

本稿ではセックスワークの是非を議論することはしないが、なぜこれほどまでに女性を性的搾取することに執着し、生活困窮や貧困から解放するのではなく、待ち望む野蛮な社会になっているのか。

このような女性の性を購入する人々の問題を「見える化」し、改めて社会福祉や生活保障をしていく社会への転換を図るべきであろう。

止むに止まれず、10代の女性、学生、シングルマザーなど生活に苦しむ人たちが性を売らなくても生活が可能な社会への転換こそ必要である。

岡村がいうような野蛮で下劣な社会のままにしておくのはもう止めていこう。

岡村隆史風俗自粛「神様は乗り越えられない試練は作らない」

FLASH 2020年4月26日(日)6時31分配信

 4月23日放送の『ナインティナイン岡村隆史のオールナイトニッポン』(ニッポン放送)で、岡村隆史が新型コロナウイルス感染拡大で風俗通いを自粛していることを語った。

 リスナーからの「コロナの影響で、今後しばらくは風俗に行けない?」とのメールに、岡村は「今は辛抱。『神様は人間が乗り越えられない試練は作らない』って言うてはりますから。ここは絶対、乗り切れるはずなんです」とコメント。

 さらに「コロナが収束したら、もう絶対面白いことあるんです」と希望を持っていうという。それは「収束したら、なかなかのかわいい人が短期間ですけれども、お嬢(風俗嬢)やります」と、風俗店に美女が入店する可能性が高いと持論を披露。

 岡村は「短期間でお金を稼がないと苦しいですから3カ月の間、集中的にかわいい子がそういうところでパッと働いてパッとやめます」と予測。そのため「『え? こんな子入ってた?』っていう子たちが絶対入ってきますから。だから、今、我慢しましょう。我慢して、風俗に行くお金を貯めておき、仕事ない人も切り詰めて切り詰めて、その3カ月のために頑張って、今、歯を食いしばって踏ん張りましょう」と呼びかけていた。

 また、岡村は自身について「俺なんか、絶対気をつけとかんと。もし僕が(新型コロナウイルスに)感染したら、『絶対、アイツ五反田(の風俗店)行きよった』ってなるやん。そこは歯を食いしばってアレ(我慢)するしかないから」と語っていた。

 岡村は4月9日の同番組では「とにかく仕事がもうないんですよ。全部休止、延期で家にずっといる」と外出を自粛していることを告白。食事も「ほぼUberEATSで松屋ばっかりです」と明かしていた。

「風俗野郎Aチーム」を自称する岡村も、現在は「STAY HOME」を自身に課しているのだ。

職場の貧困女子電気代も払えず、冷蔵庫が使えない日々…

SPA! 2020年3月29日(日)8時55分配信/中村敦彦(ノンフィクション作家)

 日本社会の格差がますます広がる中で、人間が安心して暮らすための基盤である“家”の存在が揺らいでいる。貧困に喘ぎ苦しむ人たちの劣悪住宅事情をリポートした! 今回は普通のアパート生活でも光熱費が払えず電気が止められている女性を取材した。

ブラックな職場で疲弊し孤立…“普通の部屋”に住む隠れ貧困女性

▽ 小谷香さん(仮名) 34歳 非正規介護職員

 群馬県在住の介護士、小谷香さん(仮名・34歳)も貧困にあえぐ女性の一人。彼女が住む部屋は木造アパートの1階にある、家賃4万8000円のワンルームだ。

「狭い部屋ですが、ここが唯一安心できる場所。お金には困っているけど住む家がある分、私はマシなほうです。でも実は光熱費が払えず電気は止められています。冷蔵庫が使えないので、食事はスーパーの見切り品ばかり。ネットは隣の部屋のWi-Fiに無断接続しています」

 小谷さんの手取りは、資格手当込みで月15万円程度だが、その業務内容は過酷そのもの。

「夜勤は月3回、17時~翌10時までの17時間勤務です。夜勤のときは一人で40人の施設利用者を見ているので、仮眠も取りづらい。暴言や暴力も日常茶飯事ですね。体力的にきつく、休日は夕方まで寝て終わってしまいます」

 日々の激務で疲れ切っており、仕事以外の時間は家で横になって過ごしているという小谷さん。新たな出会いを探す気力もなく、隣の家のWi-Fiを無断で使って見るYouTube動画が今の小谷さんの唯一の心の癒やしだという。

結婚なんて夢のまた夢……今日生きていくので精いっぱい

 異性との出会いはおろか、女友達に会う機会も激減、休日は常に一人で過ごしている。

「学生時代の友達は、結婚して育児やパートに忙しく、疎遠になってしまいました。女子会があっても着ていく服がないし、話題にもついていけないので肩身が狭い。“家の電気が止まっている”なんて絶対に言えません」

 電気が通っていないため、冷蔵庫はただの食料庫。菓子パンだけで空腹をしのぐこともあるという。

可視化されにくい女性の貧困

 脱法シェアハウス、ゴミ屋敷、車中泊……と劣悪な環境で生活する低所得者たち。女性の貧困の場合はまた違う事情がある。『東京貧困女子。』の著者で、これまで数多くの貧困女性の取材を行ってきたノンフィクション作家の中村淳彦氏は「貧困女性の住宅問題は男性よりも可視化されにくい」と指摘する。

「男性は住む場所がなくなれば、ホームレスになる人もいるので、かえって行政の支援も届きやすい。一方、貧困女性はどんなに困窮していても、セキュリティの問題から部屋だけは死守しようとすることが多いんです」

 彼女たちは、たとえば2階建ての小さな普通のアパートのようなところで暮らしており、一見すると生活に困っているようにはとても思えない。しかし、実際には、給与のほとんどを家賃にもっていかれ、生活が崩壊しているパターンも多いという。

「よくよく聞いてみると、公共料金を滞納して電気を止められていたり、洗濯機が壊れていて、洗濯板で衣類を洗っていたりと悲惨な状況でしたね。そうした女性の多くは、介護職や地方の団体職員として働く低賃金労働者でした」

 職場と家の往復のみの生活から人間関係が希薄になり孤立してしまうのは、小谷さんに限ったことではない。

「僕はこれまで、ラブホテルを宿代わりにしてカラダを売る中年女性軍団など極端な例も見てきました。それ以外にも月1万円強の公営団地に住むシングルマザーもいましたが、彼女たちは自分たちのコミュニティの中で助け合って暮らしているぶん、貧困女性の中ではいいほうかもしれません」

孤独な低賃金女性、結婚での貧困脱出も困難?

 一方、普通のアパートに暮らす低賃金労働者の女性は、孤独と過重労働のストレスで、人知れずメンタルを病んでいくのだという。

「圧倒的な孤立状態のせいで、生活保護制度を知らなかったり、そもそも自分が貧困であることを自覚していない女性もいます。結婚して貧困から脱する手段もありそうなものですが、疲弊しきっていて、そもそも結婚という発想に至らないようです」

 真面目に働いている女性が安く買い叩かれる――。彼女たちの貧困は、そんな歪んだ社会構造によって生み出されたものなのだ。

 

2020年4月23日 (木)

【金正恩】「すでに死亡説」流布✍重篤説、トランプ氏「情報ない」。

トランプ氏「良い手紙」発言の狙い 数日後の金正恩「重篤報道の関係

J-CASTニュース 2020年4月22日(水)17時10分配信

 北朝鮮の金正恩・朝鮮労働党委員長が「外科手術後に重篤な状態にあるとの情報を米国が注視している」という2020年4月21日のCNNの報道は、「情報を直接知る米当局者」が情報源だとされている。

 そこで焦点になりそうなのが、米国の動向だ。トランプ大統領は、正恩氏の動静報道が途絶えた後に、正恩氏から「良い手紙」を受け取ったなどと発言し、北朝鮮側は事実関係を否定したという経緯がある。米側が観測気球を上げた可能性もありそうだ。

写真付きの動静報道は4月12日が最後

 国営メディアが正恩氏の動静を写真つきで最後に報じたのは4月12日。北朝鮮は14日に日本海に向けて短距離ミサイルとみられる飛しょう体を発射し、15日には故・金日成主席の誕生日に「太陽節」を迎えたが、国営メディアの現時点での報道を見る限りでは、いずれも正恩氏の姿は確認されていない。

 トランプ氏は、正恩氏の動静が途絶えて1週間近く経った18日(米東部時間)の記者会見で、北朝鮮の動向について問われて

「北朝鮮は短距離ミサイルの試験をしているようだ。最近彼(正恩氏)から、良い手紙を受け取った。良い手紙だった。私たちはよくやっていると思う。もし自分が(大統領に)当選していなかったら、今頃北朝鮮とは戦争していただろう」

などと発言し、両者の良好な関係を強調。北朝鮮側の反応を探った可能性もある。

 これに対して、北朝鮮外務省は翌19日(日本時間)、国営メディアを通じて

「最近わが最高指導部は米大統領にいかなる書簡も送ったことがない。われわれは、事実無根の内容をメディアに流す米指導部の企図を集中分析する計画である。朝米両首脳の関係は決して、いつでも余談として持ち出す話題ではなく、さらに利己的な目的に利用されてはならないであろう」

などと事実関係を否定する異例の声明を出した。なお、朝鮮中央通信は20日、正恩氏がキューバのミゲル・ディアスカネル大統領(国家主席)に還暦の祝電を送ったことを伝えている。

 いずれの記事も写真がないため正恩氏の様子は明らかではないが、北朝鮮側としては、正恩氏が自らの動静の公表を承認するなどの執務が可能だということをアピールする狙いもあるとみられる。

金正日氏の死去は2日以上も伏せられた

 ただ、北朝鮮の首脳をめぐる健康不安説や死亡説はたびたび浮上しては消えてきた。

 正恩氏の父、金正日総書記(当時)が死去したのは2011年12月17日午前8時半だと発表されているが、北朝鮮が死去を公表したのは12月19日正午。丸2日以上にわたって米国、韓国、日本は正日氏の死去を察知できなかった、という経緯もある。

 今回の正恩氏の重篤説をめぐっては、韓国の聯合ニュースは20年4月22日、大統領府(青瓦台)高官の話として

「金委員長は現在、側近たちと地方に滞在していると把握している」「健康異常を裏付ける特異な動向は把握されていない」

などと伝えている。

 トランプ氏は21日(米東部時間)の記者会見で、

「報道があったが、(その内容は)我々は知らない。知らない。金氏とは良い関係を保ってきた。健康を願う、としか言えない」

などと事実関係の確認を避けている。

韓国財閥国有化に動く文在寅…“持たざる者の怨念”で総選挙圧勝を追い風に、まず「大韓航空」

デイリー新潮 2020年4月21日(火)16時31分配信/鈴置高史(元日経新聞ソウル特派員)

 総選挙で大勝した文在寅(ムン・ジェイン)政権が財閥国有化に動く――と、韓国観察者の鈴置高史氏は読む。

左派独裁の時代

鈴置:4月15日投開票の韓国の国会議員選挙で、与党「共に民主党」が圧勝しました。比例区の衛星政党「共に市民党」を含めれば、300議席中180議席を獲得したのです。

 これで憲法改正以外はどんな法案も通せます。検察官や裁判官、高級公務員を狙い撃ちにする「高官不正捜査庁」――韓国語を直訳すると「高位公職者犯罪捜査処(公捜処)」も7月の発足が可能になりました(「文在寅政権が韓国の三権分立を崩壊させた日 『高官不正捜査庁』はゲシュタポか」参照)。

 文在寅政権が行政に加え司法、立法の三権を握り、やりたい放題できる「左派独裁の時代」が到来したのです。

――「新型肺炎に世界でもっとも上手に対処した」との宣伝が選挙に効いたのですね。

鈴置:ええ、「コロナ対策で『文在寅』の人気急上昇 選挙を控え『韓国すごいぞ!』と国民を“洗脳”」で指摘した、政権側のシナリオ通りになりました。

 ただ、翌々日の4月17日から「左派が勝った原因は『コロナ』だけではない。そもそも韓国人は保守に愛想を尽かしている。というのに、保守の側がそれに気が付いていないのだ」といった論調が急速に広がりました。

保守の没落は構造的

――「保守に愛想を尽かした」となぜ、言えるのですか? 

鈴置:2016年の総選挙、2017年の大統領選挙、2018年の地方選挙に続き、今回の総選挙で保守が左派に4連敗したことが証拠です。

 政治コンサルタント会社「ミン」のパク・ソンミン代表は中央日報のインタビュー「保守はすでに非主流なのに、彼らだけは自らを主流と思い込んでいる」(4月17日、韓国語版)で、そう指摘しています。

 確かに「4連敗」は珍しく、それなりに説得力があります。韓国では「大統領に保守が当選すると、次の総選挙では野党が勝つ」あるいは、その逆になることが多い。

 1987年まで続いたいわゆる「軍事独裁体制」への否定的な記憶から、国民は1つの政党が圧倒的な力を持つのを本能的に嫌うのだ、と説明されてきました。

 朝鮮日報の2人の政治記者、キム・ヒョンウォン氏とイ・スルビ氏が書いた「まだ保守が多数と錯覚…強硬な支持層に振り回され中道層を失う」(4月17日、韓国語版)。この記事は得票率や議席数から保守の劣勢が明白になった、と主張しています。訳します。

・このところ、2強の構図で実施された大統領選挙では、それぞれの陣営の単一候補がきわどい拮抗を続けてきた。2013年の大統領選挙では保守候補(朴槿恵=パク・クネ)が51・55%、進歩候補(文在寅)が48・02%を得た。

・2002年の大統領選挙では反対に、進歩候補(盧武鉉=ノ・ムヒョン)が48・91%、保守候補(李会昌=イ・ヘチャン)が46・58%の得票率だった。3%前後の僅差で勝敗が決まったのだ。

・しかし、今回の総選挙では保守陣営全体が議席の36・6%(110議席)を得るに留まった。有権者の陣営の構図が再編されたのではないかとの観測が出ている。きわどい均衡を維持してきた社会の理念の地形が変わり、保守よりも進歩層が厚い時代に入ったということだ。

「持たざる者」を見捨てた

――なぜ、「保守が構造的に没落した」のでしょうか。

鈴置:朝鮮日報の楊相勲(ヤン・サンフン)主筆は「持たざる者が増えたからだ」と言い切りました。「2大政党ではなく日本式の『1・5党体制』の入口だ」(4月17日、韓国語版)を翻訳します。

・「共に民主党」の得票は、強固な全羅道の大量票と、30-40歳代を中心とする若年層の反・未来統合党票、そして韓国社会の格差が拡大するにつれて「持つ者」に反感を抱くようになった広範囲の階層の連合だ。

・1997年のIMF危機以降、韓国社会は本格的に両極化の道をたどり始めた。1995年に全人口の70%を超えていた中産層が、昨年は52%前後に下がった。自らを中産層だと思っている人は52%よりもさらに少ない。韓国社会の衝撃的な構造変化だ。この大きな変化が政治の地形に影響を与えないなら、それこそおかしい。

・「3040世代」は1980年前後に生まれた人々で、民主化後に成長した世代だ。大学進学率は80%に達する。彼らが10-20歳代だった時、IMF通貨危機に見舞われた。経済の高度成長が止まったため、当然だった就職が夢物語となる苦痛を、身をもって経験した世代だ。

「持たざる者」の増加が保守の凋落を呼んだ、という見方はほかの記事でも共通しています。パク・ソンミン代表は「保守はすでに非主流なのに、彼らだけは自らを主流と思い込んでいる」で、以下のように語っています。

・富が一方に偏ったことに憤る人々が増えているというのに、保守は「市場に任せねばならぬ」と壊れたレコードのように唱えるばかり……。

世界と逆行、市場主義を信仰

――「市場に任せる」ことが問題、なのですか? 

鈴置:韓国での市場原理主義の浸透ぶりは日本の比ではありません。1997年の通貨危機の後、労働者の解雇は法律的にも社会的にも極めて容易になった。

「毎年、査定で下から10%の社員は自動的に馘首(かくしゅ)する」と宣言する企業も登場しました。それまで日本の終身雇用をモデルにしていた韓国の企業社会が一転、米国式の市場原理を導入したのです。社会に恨みを持つ人が増えて当たり前です。

――今頃、「持たざる者」の投票行動に焦点が当たるのは? 

鈴置:いい質問です。世界中で貧富格差が問題化し、政治に与える影響が注目されている。資本主義の中心地、米国でさえ大統領の予備選挙にサンダース(Bernie Sanders)という社会主義者が出馬、かなりの支持を集めたのです。

 というのに、なぜ韓国では今になってようやく「持たざる者」の投票行動が注目されるのか――。パク・ソンミン代表の以下の発言にヒントがあります。

・韓国の保守は1950年代から80年代までは安保保守が、90年代には市場保守が社会を主導した。その後は新しい保守が登場できないでいる。安保・市場保守が時代の流れを見逃したと見るべきだ。

 韓国では通貨危機以降、市場原理主義が正義となった。その唱道者として保守は力を保ってきた――との説明です。つまり、世界で市場原理主義に対する疑問が盛り上がる最中に、韓国人は逆にそれへの「信仰」を深めてきたということです。

 そして今、韓国でもようやく市場原理主義への疑問が頭をもたげ始め、その結果、投票行動への影響が注目されるようになったわけです。

日本式にしがみつく日本人

――なぜ、韓国では市場原理主義が「正義」に? 

鈴置:通貨危機で国家が破綻しかけたからです。底から脱出するには、厳しいリストラを実施して企業をスリムにするしか手がなかった。そこで指導層は「市場原理主義こそが正しい理念」と国民に思い込ませたのです。一種の洗脳です。

 もちろん自分を解雇した会社に激しく抗議する人はいます。でも、昔のように広い同情は集めなくなった。新たな正義たる「市場原理」によるものだからです。

 そもそも、「解雇自由」は韓国初の左派、金大中(キム・デジュン)政権が導入したのです。左派も表立っては市場原理主義に反対しにくい。

 韓国人が日本を見下すようになったのも、日本の経済成長が止まったからだけではありません。市場原理主義者からすれば「新たな理念に臆病で、古臭いやり方にしがみついている日本」は、とんでもなく遅れた存在に見えるのです。

時流に乗ろうと押し合いへしあい

――「理念」がそんなに大事なのですか? 

鈴置:とてつもなく大事なのです、儒教社会では。理念が命なのです。それに加え、韓国人には根深い先進国コンプレックスがあって、自分たちが「時代の流れ」に乗っているかを異様に気にします。

――パク・ソンミン代表も「時代の流れを見逃した」と言っていますね。

鈴置:韓国人はしばしば「時代精神」という単語を使います。時代ごとにその時代を主導する特定の精神――理念がある、との発想です。そして皆がその「時代精神」にいち早く乗ろうと、押し合いへしあいするのが韓国社会です。要は「時流」に乗る競争です。

 19世紀末、西洋化に出遅れたばかりに、それに先んじた日本に植民地化されたというトラウマからです。この心の傷は容易に癒しがたいものがあります。

 だから、韓国を眺める者は韓国紙に「保守の時代が終わった」「持たざる者を代弁する進歩――左派こそが主流だ」との記事が載るのを、見落としてはならないのです。

 本当にそうなのかは分からない。しかし、皆が言い始めると「時代精神」に昇華し、本当に国がその方向に動くことが多いからです。

CPを買わない韓国銀行

――具体的にはどう動くのですか? 

鈴置:財閥征伐――国有化です。財閥こそは市場原理主義の象徴だからです。今、各国政府が企業の救済に動いています。ところが韓国政府は、中小企業は助けても大企業の救済には冷淡です。

 多くの国で、大企業が発行するCP(コマーシャル・ペーパー)を中央銀行が大量に買って資金を供給しているのに、韓国銀行は一切、動かない。

 韓銀は「法律上難しい」と説明しますが、やりようはいくらでもある。文在寅政権が、韓銀の財閥救済に歯止めをかけている、との見方が一般的です。

 そこを社説で突いたのが朝鮮日報です。「このままでは数か月もすれば大企業も倒れる」(4月10日、韓国語版)、「コロナ危機支援にも『反大企業か』」(4月14日、韓国語版)と、繰り返し「大企業が倒れれば元も子もない」と政策転換を迫りました。が、文在寅政権は馬耳東風。

――最後まで助けないつもりでしょうか、文在寅政権は。

鈴置:財閥を破綻させるか、その寸前まで追い詰め、オーナーから経営権を取り上げるつもり、と韓国の保守は見ています。

 この政権がスタートした時に「100大国政課題」を定めましたが、その1つが「財閥総帥一家の専横防止と所有・支配構造の改善」です。

 この「財閥征伐」は容易ではないので手付かずでしたが、大企業の資金繰りが苦しくなった今、発動する可能性が高まりました。

 中央日報も「巨大与党背負った文在寅政権、これからは経済立法? 支配構造改革押し進めるか」(4月19日、日本語版)でそれを指摘しました。

国有化は大韓航空から? 

――すべての財閥を国有化するというのですか? 

鈴置:さすがに、それは難しい。まず、血祭りにあげるのは資金繰りが苦しいうえ、国民から反感を買っている財閥です。韓国では、大韓航空に注目が集まっています。

 大韓航空は「NO JAPAN運動」で経営が苦しくなっていたところに新型肺炎が追い打ちをかけました。オーナー一族の間でお家騒動も起きています。

 中央日報の「流動性危機が迫る大韓航空」(4月18日、日本語版)は以下のように報じました。

・売り上げは急減する中(中略)満期が今月到来の社債だけでも2400億ウォン(約213億円)にのぼる。事実上、今月中に資金が底を突くということだ。

――大韓航空と言えば「ナッツリターン」で有名ですね。

鈴置:オーナー一族の専横を絵に描いたような事件でした。大韓航空から一族を追い出して国有化しても、反対する人はまあ、いない。ほとんどの国民が拍手喝さいするでしょう。

 そんな会社だから2018年以降、文在寅政権は大株主である国民年金基金を通じ、経営への介入に動いてきたのです(「文在寅で進む韓国の『ベネズエラ化』、反米派と親米派の対立で遂に始まる“最終戦争”」参照)。

 もちろん、大韓航空は手始め。財閥国有化の本丸はサムスン電子と見る人が多い。それはいつかじっくりとお話しますが。

「ベネズエラ化」に期待する人々

――国有化と言えば、左右対立が激化して混乱するベネズエラにますます似てきます……。

鈴置:ええ、韓国の保守が懸念していた通りです。先に引用したパク・ソンミン代表が興味深い指摘をしています。

・優秀と自認する彼ら(保守)が座って語るのは『文在寅政権という異常な奴らのために国が滅び、ベネズエラのようになる、ああ嘆かわしい』に尽きる。彼らはすでに非主流になったのに、彼らだけは自らを主流だと思い込んでいるのだ。

 パク・ソンミン代表は「ベネズエラ化」がいいとか悪いとか言ってはいません。「ベネズエラ化を恐れる人ばかり」と思い込んでいる保守の傲慢を叱ったのです。

――「ベネズエラ化していい」と言う韓国人もいるのですか? 

鈴置:「持たざる者」の中には、そう考える人もいます。ネットの書き込みで散見されます。失うものがない人にとって、現状変更はすなわちチャンスなのです。

歴史的圧勝文在寅政権、“検事総長捜査”と“経済危機

Foresight 2020年4月23日(木)17時00分配信

 4月15日投開票だった韓国総選挙で、左派系の与党「共に民主党」が保守系の最大野党「未来統合党」を抑え圧勝した。系列の比例代表政党「共に市民党」と合わせて改選前の128議席から52議席伸ばし、定数300のうち180議席を獲得した。

 国会で法案処理が極めて有利になる5分の3の議席を占める「巨大与党」の誕生は、1987年の民主化以降初で、文在寅(ムン・ジェイン)大統領は、残り約2年の任期を与党の圧倒的多数の安定した環境で、国政運営ができることになった。

歴史的圧勝の背景は

 選挙戦は新型コロナウイルスの世界的な感染拡大で不安が高まる中、与党優勢で進んでいた。まさに「国難」の最中に国の方向を決めると言っていいものだった。韓国の有権者は結局、「国難克服」に力を注ぐ文在寅政権による安定的な国政運営を選んだ。

 文在寅政権下の韓国は、経済が低迷の一途をたどっている。本来、国民の最大の関心事は「暮らし」であるにもかかわらず、有権者の多くは与党による政治を選択したわけだ。

 韓国では4割ほどの文在寅支持層がいると言われており、文在寅大統領の支持率は、これまで最低でも40%をわずかに割ることが数えるほどしかなかった。

 また、小選挙区では伝統的に左派志向が強い南西部の全羅道(チョルラド)で、与党は今回も完勝。全有権者の半数近くを占めるソウル首都圏でも圧勝した。ソウルの選挙区では、富裕層が多い江南(カンナム)区とその周辺の数カ所を除いて、与党が議席を獲得した。

 与党圧勝の背景には、新型コロナウイルス対策と、地域的な確実な支持のほか、「格差に対する一般的な国民の不満」もうかがえる。

 ソウルの江南区など金持ちや豊かな人々が多い選挙区では、保守の第1野党が勝ったが、それ以外の選挙区では惨敗した。これは象徴的である。富裕層に対する目は、羨望を超えて反感になっていると言ってもいい。この傾向は今回、一層強まったかたちだ。

 また、選挙では高齢層で今回も野党への支持が高かったのに対し、30~40代の世代で与党支持の傾向があったと言われる。こうした比較的若い世代には与党そのものよりもむしろ、保守系野党への反感や拒否感が強かったとの分析もある。

最も驚いたのは政権与党

 今回の選挙の投票率は前回2016年の選挙より8.2ポイント伸び66.2%。1992年の総選挙以来の高さで、有権者の関心を物語っている。それよりも驚くべきは、議席の6割を席捲した与党系の獲得議席だ。

 与党「共に民主党」は有利に展開していた選挙戦中、獲得議席「130プラスアルファ」と予測していた。ところが、フタを開けてみれば「プラスアルファ」どころではない。同党は改選前、128議席だったが、系列のミニ政党「共に市民党」と合わせて50議席以上伸ばし180議席。韓国紙には「スーパー議席」との表現も見られた。

 2016年の前回総選挙、17年の大統領選挙、18年の統一地方選挙、そして今回の総選挙での歴史的圧勝と、現与党はなんと4連勝だ。この、韓国民主化(1987年)以降、国民から最大の支持を集めた「偉業」に、最も驚いているのは政権与党自身であろう。

 文在寅大統領は、与党の議席大幅増と圧勝について、

「決しておごらず、さらに謙虚に国民の声に耳を傾ける」

 と述べた。さらに、

「新型コロナの感染が世界的に広がる中、予定通り国内全土で選挙ができたのは主要国で韓国が唯一だ。世界を驚かせた」

 と強調し、国民の協力に感謝した。

 また、勝利した「共に民主党」の李海瓚(イ・ヘチャン)代表は、

「選挙勝利を喜ぶ前に重い責任を感じる」

 と語り、

「党はもっと気を引き締めなければならない。国政に重い責任感で臨むべきだ」

 と強調した。

 さらに、今回の選挙で野党「未来統合党」の代表、黄教安(ファン・ギョアン)氏との一騎打ちで勝ち、2年後の大統領選挙の最有力候補の座を固めた李洛淵(イ・ナギョン)共同常任選挙対策委員長も、

「重く恐ろしい責任を感じる」

 と思いを口にした。

 大統領、与党代表、そして次期大統領の候補と見なされている5期目のベテラン議員のいずれもが予想外の大勝利に驚いたが、共通して発したのは、

「謙虚な姿勢で国民の声を聴く、国民に配慮する」

 だった。「勝って兜の緒を締めよ」というところだろう。

与党の独壇場に

 前述の通り「共に民主党」は系列政党も含め180議席を獲得したわけだが、他の左派系政党や議員を含めると、韓国国会300議席のうち190を左派系が占めることになった。

 韓国では通常、全体の5分の3以上の議員の賛成なしに法案を採決できないが、6割の議席を得たことで、与党は今後、この規定に縛られない。憲法改正以外は、法案処理で極めて有利になり、やりやすくなる。

 このため、与党は今後少なくとも4年間、さらに思い通りに国政を動かすことが予想される。

 まず考えられるのが、対北朝鮮融和政策の促進だ。文在寅大統領は今年初め、韓国人の北朝鮮への個人旅行、南北保健協力、非武装地帯(DMZ)の平和ベルト構築などを推進する考えを表明している。

 また、2032年のソウル・平壌五輪共同招致の考えも示しており、与党は南北経済協力や、中断している金剛山観光、開城(ケソン)工業団地の事業再開を推進する意向を表明している。問題は、金剛山観光や開城工業団地再開が国連安保理の対北制裁決議に違反することで、米国などから反対される可能性は高い。

 国内的に起こり得ることは、より現実的で生々しいものになりそうだ。

 野党は、親族らの不正疑惑で昨年辞任した曺国(チョ・グク)前法相の選挙介入疑惑を政権与党への攻撃材料にしたが、感染問題で曺国問題は吹き飛んでしまった。

 与党の圧倒的な議席は、むしろ曺国問題とからみ文在寅政権が進める検察改革に影響を及ぼす。

 与党と左派の小政党は昨年12月末、大統領直属の高位公職者犯罪捜査処(公捜処)の設置法案を強行採決した。この公捜処は、捜査対象を公務員に限定した機関で、曺前法相の疑惑を捜査している検察も捜査を免れなくなる。法案の廃棄を狙っていた野党が後退したことにより、与党の過半数獲得で公捜処は予定通り7月に発足することになる。

徹底的な報復も

 公捜処の設置により、曺国疑惑の捜査の指揮をとっている検察トップ、尹錫悦(ユン・ソンヨル)検事総長への捜査も現実のものとなってくる。

 曺前法相の息子を大学に入学させるための文書偽造で在宅起訴された崔康旭(チェ・ガンウク)前大統領府公職紀綱秘書官は、今回の選挙で左派の小政党の比例で当選した。崔氏は選挙中から、

「尹錫悦が私の起訴をはじめ、法に背いたのは一度や二度ではない。公捜処が尹錫悦を捜査するだろう」

 と予告していた。

 崔氏を含め、曺国疑惑の事件(選挙への介入など)で起訴された元大統領府高官や警察幹部は3人いる。与党内部で特に尹錫悦氏への恨みを募らせているのは、彼らが公言しているように確実だ。

 尹氏の腹心の検察幹部や検事は、すでに「検察改革」を名目に地方に異動させられた。最終的には検察トップの尹氏の捜査、そして逮捕というシナリオが現実となるのは見えている。

 与党は今後、検察だけでなく、選挙で徹底的に叩きのめした保守勢力、文在寅政権を攻撃してきた野党の現職、元職議員への報復に出る可能性が高い。

 選挙での圧勝を受け、与党幹部は国政の安定に向け野党に協力を呼びかけてはいる。しかし、180人の与党議員、そしてその支持層が黙っているはずはない。

 この懸念は、韓国の内政に限ったものではない。

 日本との関係だ。

 韓国の対日政策にも与党内部からの声は、間違いなく新たにマイナスの影響を及ぼしそうなことが起きている。

日韓関係、一層泥沼に

 選挙で与党系の「共に市民党」の比例代表区で名簿7位の尹美香(ユン・ミヒャン)氏が予想通り初当選した。尹氏は元慰安婦の女性を支援する「正義記憶連帯」(旧・韓国挺身隊問題対策協議会)で長年、代表を務めてきた人物だ。

 尹氏は、ソウルの日本大使館前で毎週水曜日に行われている日本政府への抗議集会を主導し、今年に入っても集会で「反省しない日本の姿を世界に知らしめよう」などと叫んでいる姿を見かけた。

 慰安婦問題の完全かつ不可逆的な解決で日韓両政府が約束した2015年の合意に真っ先に反対し、破棄を主張したのも尹氏。合意に基づき日本政府が拠出した10億円で韓国政府が設立した、元慰安婦のための財団を解散に追い込んだのも尹氏が中心となった集団だ。

 尹氏の主張に与党内部で反対する者は、まずいないと言っていい。党内には日本政府拠出の元慰安婦のための10億円を「日本に突き返すべきだ」という意見が圧倒的に多い。

 選挙公約に従い、与党は今後、「女性人権平和財団」を設立し、慰安婦問題に関する調査や研究を行う見通しだ。当然、尹氏はこれに直接関わるどころか、主導権を握るものと見られている。

 また、いわゆる元徴用工をめぐる問題の見通しも暗い。元徴用工訴訟で日本企業に賠償を命じた2018年の韓国最高裁判決に基づき、韓国では日本企業の資産の現金化が時間の問題となっている。文在寅大統領は「司法判断を尊重する」との立場を変えておらず、「時間がない」とまで語っている。

 この日韓関係の根底を決定的に揺るがすことが、与党・左派勢力の圧力であり、ますます現実的になってきた。悪化の一途をたどってきた日韓関係は、当面、改善しそうにない。現状のままよりも、一層の悪化、泥沼化が必至な情勢だ。

韓国経済が破綻しても

 新型コロナへの感染対策で「世界が韓国を評価している」と大統領を筆頭に喜んでいる韓国。だが、新型コロナを克服した後への深刻な懸念がある。低迷している経済の一層の悪化だ。

 韓国統計庁が選挙2日後の4月17日に発表した3月雇用動向では、同月の就業者数は前年比で19万5000人減少した。世界金融危機(リーマンショック)を受けた2009年5月(24万人減少)以来の減少規模という。中でも20代の就業者数の減少がひどく、17万6000人減った。青年層の4分の1以上が失業状態に置かれている。

 成長の鈍化、輸出と投資のマイナス続き、雇用減少など、韓国経済は悪化の一途をたどっている。そこに新型コロナが加わった。韓国では日本以上に、財界、企業関係者が今後、自国経済に起こるであろうことに戦々恐々としている。

 ただ、文在寅政権はこれまで、「所得主導経済」と称した経済政策で、国民の不満をかわしてきた。一言で言えば、大衆受けする「バラマキ政策」だ。親労組で企業の力を弱め、財政をも悪化させる。このバラマキが韓国の財政への負担となっており、経済専門家や財界は懸念を強めているのだが、場当たり的でも、大衆受けするものは庶民からは受ける。問題はこれがいつまで続けられるかだ。

 韓国経済が破綻するようなことがあったとしても、文在寅政権の支持層、特に左派勢力は政権を批判せず、批判の対象を他のものに見出すことだろう。自分たちの選んだ指導者、政治家を真っ向否定はできない。

 そんな中、文在寅大統領は4月18日夜、ドナルド・トランプ米大統領と電話会談した際、

「韓国は新型コロナ対応で最高の模範を示した」

 と称賛されたという。本格的な経済危機の足音が聞こえているにもかかわらず、韓国は米大統領からの誉め言葉に嬉々としている。

 

2020年1月22日 (水)

【日韓軋轢】文在寅<核を持った統一朝鮮(高麗連邦)>画策か

金王朝は3代目で強制終了?イラン司令官“斬首”に恐怖する正恩、韓国は異様な反米”姿勢…文在寅「核を持った統一朝鮮」画策か

夕刊フジ 2020年1月22日(水)16時56分配信/佐々木類(産経新聞論説委員)

 朝鮮半島情勢がきな臭くなってきた。北朝鮮が2月16日の「光明星節」に合わせて、長距離弾道ミサイル(ICBM)発射などの挑発行為に出る危険性があるためだ。米国はこれを厳重警戒しているが、何と、韓国の文在寅(ムン・ジェイン)政権は「南北協力」に前のめりになり、反米姿勢をあらわにしている。

 光明星節とは、金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長の実父、金正日(キム・ジョンイル)総書記の誕生日を祝う記念日だ。米朝交渉が停滞するなか、正恩氏による軍事的パフォーマンスが危惧されている。

 そんな正恩氏の心胆を寒からしめたのは、米軍によるイラン革命防衛隊の精鋭「コッズ部隊」のガーセム・ソレイマニ司令官殺害だろう。イラクにいたソレイマニ氏を、米軍の無人機がピンポイントで爆殺したのだ。

 米空軍は、核兵器搭載可能で「死の鳥」と恐れられる戦略爆撃機B52や、最新鋭ステルス戦闘機F35を朝鮮半島上空にたびたび飛来させている。洋上から米海軍特殊部隊(シールズ)を潜入させる原子力潜水艦「ミシガン」も韓国に何度も寄港している。正恩氏にとって、いつ何時、斬首されるのか分かったものではない。恐怖以外の何物でもなかろう。

 北朝鮮が最近、新型ロケットエンジンの実験に踏み切った兆候が、米国の衛星などで確認されている。果たして、正恩氏がICBM発射を再開する胆力を持ち合わせているかどうか。

 短距離ミサイル発射には無関心だったドナルド・トランプ米大統領も、米本土到達可能なICBMの発射再開となれば、黙ってはいまい。トランプ氏は昨年12月、北大西洋条約機構(NATO)首脳会議のために訪英し、正恩氏を再び「ロケットマン」と呼び、警告している。

 北朝鮮高官は、トランプ氏を「老いぼれのもうろく状態が再発した」などとやり返したが、これを「いつもの罵り合い」と矮小(わいしょう)化してはならない。トランプ氏は、ソレイマニ氏殺害で「軍事オプションの選択」に自信を持っている。北朝鮮の出方次第では、金王朝は3代目でシャットダウン、強制終了だって十分あり得るのだ。

 こうしたなか、「従北」とされる韓国の文政権が最近、異様な「反米姿勢」を取っている。

 同盟国・米国が要請した「韓国軍の中東派遣」を了承しないだけでなく、北朝鮮との「南北協力」加速化を訴え、それに異議を唱えたハリー・ハリス駐韓米国大使に対し、政府・与党支持者が追放運動を始めたのだ。米国や米軍を妨害する気なのか。

 「北朝鮮の非核化」など絵空事である。北朝鮮の狙いは自らが核を維持し、米国の核を半島の射程圏内から追い出すことだろうからだ。文政権も「核を持った統一朝鮮」を目指している可能性がある。

 光明星節に向けた南北朝鮮の動きは、ソレイマニ氏殺害による北朝鮮への抑止効果と、文政権の魂胆を見極める機会となりそうだ。

ハリス駐韓大使への人種差別行為、米国で韓国を糾弾

JBpress 2020年1月22日(水)6時00分配信/高濱 賛(在米ジャーナリスト)

ヒゲが朝鮮総督の亡霊を連想させる

 昨年末から米国から見ていて呆れ返っていることがある。文在寅大統領とその周辺、与野党、メディアの異常な言動だ。

 以下は米メディアがソウル発で報じた関連記事だ。

 (https://www.reuters.com/article/us-southkorea-usa/u-s-ambassador-becomes-moustachioed-face-of-south-korean-discontent-idUSKBN1ZG12H)

 (https://www.cnn.com/2020/01/17/asia/harry-harris-mustache-intl-hnk/index.html)

 (https://www.upi.com/Top_News/World-News/2020/01/17/South-Korea-presidents-office-reprimands-US-ambassador-for-remarks/9131579220647/)

 「呆れ返ったこと」の一つは一国の特命全権大使、特に同盟国の大使を朝野を挙げて口汚く罵り、国外追放まで言いだす輩まで出ていることだ。

 人種差別もさることながら外交儀礼の欠如も甚だしい。

 もう一つ、「呆れ返っていること」は、北朝鮮に罵詈雑言を浴びせられても韓国は朝野で申し合わせたように一切反論しないことだ。

 韓国情勢に詳しい米主要シンクタンクの上級研究員はこの2つのケースを一言で片づける。

 「まさにこれぞ、サウス・コリアン・メンタリティ―(韓国人の心理)というものだ」
 同上級研究員は続ける。

 問題の核心について「アメリカ人の論理」(これは先進民主主義国間の論理と言った方がいいかもしれない)でこう説明する。

 「まず、ハリー・ハリス大使(元海軍大将、前米太平洋軍司令官)の身体的な特徴(ヒゲを生やしている)をことさら取り上げ、あざ笑い、(日韓併合当時の)朝鮮総督を彷彿させると大人げないいちゃもんをつけている」

 「米メディアも指摘しているが、明らかに人種差別的行為だ」

 「軍人出身のハリス大使はいわゆるキャリア外交官(職業外交官)とは異なる。単刀直入な対韓要求をするのはそのためだ」

 「東アジアの米軍を総括してきた経歴から米韓同盟で今何が必要かを熟知している。しかもドナルド・トランプ大統領の意向を十二分に知っている。彼の言っていることはトランプ大統領が考えていることだ」

 「問題は彼が韓国人が考えるアメリカ人のイメージ、つまり白人ではないこと。しかも韓国人が嫌いな日本人の血を受け継いでいる日系人だということだ」

 「韓国人は日韓併合ということもあって日本人を完全な外国人とは見られない。かっての支配者と被支配者、愛憎相半ばする親戚のような関係から抜け出せずにいる」

 「しかもアメリカに対しては、朝鮮戦争終結以降、庇護者と被庇護者の関係が続いてきた。守られながらも屈辱を味わってきた」

 「親米でありながら反米という複雑な韓国人独特のサイコロジーが続いている。ハリス大使バッシングにはこうした文化人類学的な要素に加え、人種的多様性のない韓国人社会の均質性が拍車をかけている」

袋小路に入った文在寅の対米外交

 ハリス大使バッシングの背景には危険水域に達している米韓同盟関係がある。

 在韓米軍防衛費分担交渉は膠着状態から抜け出せない。1月14、15日交渉が再開されたが、進展はない。

 米国は、石油輸入の70%を中東地域に依存している韓国に対し、ホルムズ海峡防衛のための有志連合への参加を要求している。

 米中の板挟みになっているTHAAD(終末高高度防衛ミサイル)追加配備問題、さらには文在寅政権が要求する戦時作戦統制権移管問題がある。

 (https://crsreports.congress.gov/product/pdf/IF/IF10165)

 こうした懸案を抱えながら、(あるいは抱えているからこそ目先を変えるために)文在寅政権は北朝鮮との非核化交渉とは切り離して、対北朝鮮個別観光などを促進すると言い出している(米側は対北朝鮮制裁に抵触する可能性があると批判的だ)。

 トランプ政権はこれら懸案で満額回答を求めている。

 だが反米機運(より正確に言うと米国の言いなりにはなりたくないというコンセンサスだ)の強い国内世論を抱え、文在寅大統領としては絶対にのめない。

 4月には総選挙が控えている。ここで米側に全面的に譲歩することにでもなれば、韓国世論を敵に回してしまう。

 任期半ばにして完全にレイムダック化してしまう。政権崩壊の可能性すらある。

 ところがハリス大使はこれら懸案に韓国が全面譲歩するよう公式非公式の場で見境なく繰り返してきた。

 3(注:陸海空に加えて海兵隊と湾岸警備隊を入れれば5)軍の最高司令官・トランプ大統領の意向を軍人らしくストレートに韓国側にぶつけている。いわゆる外交的配慮に欠けると指摘する向きもあった。

 (現に米国内には外交専門家筋の間では、外交経験のない、しかも日系人を在韓大使に指名したトランプ大統領の見識のなさを批判する向きも出ている)

 テレビ・インタビューに登場するハリス大使は、韓国人から見れば「日本人」だ。アメリカ人(白人)ではない。

 対韓で強硬発言をする在韓大使は「日本人」なのだ。これほど一般庶民に分かりやすいものはない。

 韓国朝野のハリス大使バッシングはまさに「坊主(日本人)憎けりゃ、袈裟(日系人)まで」ということになるのだろう。

 2015年にはハリス大使の前任者のマーク・リッパート大使が韓国人暴漢に襲われ、重傷を負ったり、2019年には過激派学生がハリス大使館公邸に侵入した。

 これら学生を韓国当局は一切逮捕してない。その意味ではここ数年在韓米大使は危険な赴任先ということになる。

北朝鮮は「放蕩息子」?唯一の合法的な朝鮮民族国家? 

 北朝鮮についてはどうか。

 なぜ、21世紀でも最も独裁国家の一つである北朝鮮(正式名は朝鮮民主主義人民共和国)が昨年来、(ハノイでの米朝首脳会談決裂以降)文在寅政権を「茹でた牛頭」「おじけづいた犬」と口を極めてなじっているのに韓国は一切反論も批判もしないのか、だ。

 北朝鮮の外交最高責任者の一人、金桂冠外務省顧問は1月11日には、こうまで罵倒している。

 「南朝鮮は、われわれが南北対話に復帰するだろうというむなしい夢を見ずに、馬鹿な境遇に置かれないために自重しろ」

 「南朝鮮が(トランプ大統領と金正恩委員長との間の)親交に割り込もうとするのは生意気千万だ」

 それでも文在寅大統領をはじめ青瓦台高官も外交当局も、公式にはおろか非公式に何ら反応を示していない。韓国メディアも一切反応していない。

 この疑問を在米韓国人社会の実力者Aさんにぶつけてみた。Aさんは筆者にこう答えた。

 「韓国人にとって日本人は兄貴分(Big Brother)。北朝鮮は弟と考えている。だから弟が少々悪いことをしても兄に食ってかかろうとそこは大目に見てやれ、という不文律のようなものがある」

 「北朝鮮が共産主義国家だろうと、独裁国家だろうと、そこは同じ朝鮮民族。他の国家との付き合い方とは異なってしかるべきだというわけだ」

 「何やら聖書に出てくる放蕩息子の話*1を連想させられるが・・・(笑)。財産を使い果たし、やりたい放題のことをやってきた息子でも回心すれば父親も兄も受け入れるというたとえ話だ」 *1=新約聖書「ルカの福音書」(15:11-32)に出てくるキリストの語った神の哀れみ深さを示す聖句。

 「最近、在米韓国人の間では新たな動きがある」

 「一つは反文在寅政権の急先鋒、保守系の朝鮮日報の米州版が(本紙の論説は載せずに)親文在寅政権の論説を掲載し始めたことだ」

 「米韓関係の亀裂で、米国内に広がる反文在寅色に朝鮮民族として反発するためか、どうか」

 「文在寅大統領がやろうとする南北朝鮮和解→南北朝鮮統一を妨害する外国勢力は許せない、という基本スタンスをとるものが在米韓国人の間にも広がっている証左かもしれない」

 ちょっとナイーブすぎる。少なくとも北朝鮮はそうは見ていないのではないのか。

 筆者は、米朝関係に長年携わってきた元国務省高官の一人にも聞いてみた。この元高官は、北朝鮮の対韓高圧姿勢をこう分析した。

 「北朝鮮は韓国を英語で表記する時に『south Korea』と書いている。『South Korea』と書かない。あくまでの小文字だ」

 「これはかってホー・チ・ミン初代ベトナム民主共和国主席が南ベトナムを『south Vietnam』と書き、エーリッヒ・ホネッカー・ドイツ民主共和国国家評議会議長が西ドイツを『west Germany』と書いたのと同じ倫理だ」

 「つまり朝鮮半島の唯一の国家は北朝鮮であり、韓国が外国勢力が作った傀儡政権だという認識からくる」

 「金正恩委員長の南北朝鮮統一は北朝鮮主導の下でしか実現しないし、それこそが朝鮮半島における唯一の合法的な朝鮮民族国家だと考えている」

 「北朝鮮が韓国を何事につけ蔑視し、馬鹿にしているのはこのためだ」

 「ところが左翼民族主義者の文在寅大統領は南北朝鮮統一を究極の目標としている。どんな形で統一させるのかという具体的な考えはないのではないのか」

 冒頭に掲げた年末から年頭にかけて起こっている2つの「呆れ返った出来事」を米国サイドから取材してみると、以上のような点が浮かび上がった。

 筆者にしてみれば、ハリス大使は日本生まれ、母上が日本人でもあることから捨て置けない、けしからん話だ。日系人に対する差別と偏見は日本人に対してのものでもある。

 もう一つの、北朝鮮にこれほど罵倒されても韓国人は反論しない件。

 これはコリアン同士(朝鮮人同士)の話だから第三者としてどうこう言うべき話ではない。そうした現実があることを受け入れる以外ない。

 韓国を罵倒し、日本を完全無視する北朝鮮が、口が裂けてもトランプ大統領を名指しでは批判しないという「現実」。

 そのことからも北朝鮮が外交とはどうあるべきかを熟知していることが分かる。

 北朝鮮にとってトランプ大統領は非核化交渉を続ける上での唯一の命綱。制裁緩和の取引相手はトランプ氏しかいないのだ。

 今週12日からそのトランプ大統領の上院弾劾裁判が始まる。弾劾は回避できたとしても秋の大統領選で再選されるという保証はない。

 民主党大統領が誕生する可能性の方が大かもしれない。その辺りを北朝鮮はどう見ているか。

 東アジア政策研究の保守派重鎮、エドウィン・フルナー氏(ヘリテージ財団創設者)はこう明言している。同氏は今もトランプ政権中枢と太いパイプを持っている。

 「トランプ氏が大統領選で敗れたとしても米国がブッシュ・オバマ時代に再び戻るということはないだろう」

 (http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2020/01/17/2020011780130.html)

 その心は、米国は北朝鮮が非核化を受け入れない限り、対北朝鮮制裁を緩和することはない、ということだ。

母親が日本人だから」ハリス駐韓大使を批判する、噴飯物の韓国

JBpress 2020年1月22日(水)6時00分配信

 総選挙を控えて北朝鮮との関係改善に全力を注いでいる文在寅(ムン・ジェイン)政権が、北朝鮮に対する個別観光を全面許可しようとして米国側と対立している。

 北朝鮮観光事業を進めようとする文大統領の発言に対し、ハリス駐韓米国大使は「米国と協議すべき」と主張。するとハリス大使に向かって文政府と与党からの糾弾が殺到し、文政権支持者たちの間でにわかに「反米感情」が高まっているのだ。

北朝鮮個別観光を実現させたい文政権

 事の発端は、1月14日、文在寅大統領は年頭記者会見で、米朝対話の進展とは別途に南北間の協力を模索する意思を明かし、具体的には「国際制裁に該当しない」として、「対北朝鮮の個別観光の許可」を取り上げたことだった。

 実は、2008年7月11日、金剛山(クムガンサン)観光に参加した主婦のパク・ワンジャ氏が、北朝鮮軍の射撃によって死亡するという事件があった。これを契機に、韓国政府は韓国人の北朝鮮観光を全面禁止しているのだ。

 現在も北朝鮮はこの事件に対する一切の謝罪を拒否しており、韓国国民の間では金剛山観光再開に対する賛否が分かれている。だが、文在寅政権は北朝鮮の個別観光を推進する考えを明確にし、韓国国民とメディアに向けては「米国側も支持を表明した」と、あたかも国際社会からも理解を得られているように主張した。

 「韓国と米国の間には異論はない」(文大統領)

 「米国側も、我々の意志と希望事項について十分理解している」(姜京和外交部長官)

 ところが、ハリス在韓米国大使がこの発言に水を差したのだ。ハリス大使は16日に開かれた外信記者懇談会で、文在寅政権の構想に対し、「制裁の枠組み内で旅行は認められる」と述べながらも、「旅行者が(北朝鮮に)持って行くものの一部が制裁にひっかかる恐れがある」「国連や米国の独自制裁に抵触する誤解を避けるためにも、米韓間のワーキンググループを通じて(協議を)進めなければならない」と主張した。米国側と協議しない個別観光はセカンダリーボイコットの対象になり得るとの警告とも受け取れる発言だ。

 韓国人による北朝鮮観光は、北側に大きな経済効果をもたらす可能性がある。そのカネが核やミサイル開発に費やされることを懸念するのは、米国大使として当然だろう。

自制呼びかける米大使に官民挙げて大反発

 だが、このハリス大使の発言に、大統領府や与党関係者は即座に反発した。

 「大使が駐在国の大統領の発言についてマスコミの前で公開的に言及したことは非常に不適切だ。南北協力は(韓国)政府が決める事案だ」(大統領府)

 「対北朝鮮政策は韓国の主権に当たるという点を改めて強調する」(統一部)

 「同盟国に対する礼儀を守れ」(李在禎・共に民主党スポークスマン)

 「内政干渉のような発言は同盟関係にも役に立たない」(薛勳・共に民主党の最高議員)

 「(ハリス)大使は朝鮮総督なのか」(宋永吉・共に民主党の重鎮議員)

 「このように険しいことを言って主権を侵害する行動をとれば、ペルソナ・ノン・グラータ(PNG=Persona Non Grata)、すなわち忌避人物に分類され、排斥の対象になりうる」(丁世鉉・元統一部長官)

 反発したのは大統領府や与党だけではない。政府寄りのメディアも社説を通じてハリス批判に乗り出した。

 「ハリス大使の対北朝鮮個別観光に対する牽制発言は主権侵害だ」(京郷新聞)

 「傲慢極まりないハリス大使の主権侵害発言」(ハンギョレ)

 「度を越す駐韓米大使発言は、韓米同盟に何の役にも立たない」(韓国日報)

 「ハリス大使の反外交的な言動が韓米同盟を害する」(ソウル新聞)

「母親が日本人だから」でハリス大使を批判

 これほどハリス大使および米国批判が高まった背景として、米国をはじめとする外国メディアは「韓国には、ハリス大使の母親が日本人であることを問題視する世論がある」と分析する。実際、韓国の「進歩系」と分類される議員たちがハリス大使の日系血統を問題視しているのだ。

 金大中(キム・デジュン)政府時代、大統領秘書室長と文化部長官を歴任した朴智元(パク・ジウォン)議員は、「ハリス大使は、韓日関係においても、いつも韓国が間違ったと話している。GSOMIA(日韓軍事情報保護協定)に関連しても、ハリス大使の見解は正確に日本と一致していた」と述べて、ハリス大使が日本側の肩を持っていると主張した。その上で、「彼の任命当時から、母親が日本人であることについていろんな話があった」と述べ、政治家の間で彼の血統に対する批判が少なからず存在したことを示唆している。

 朴範界(パク・ボムゲ)共に民主党議員は、自分のFacebookに「文大統領の個別観光提案に北朝鮮が応じる可能性が高い」という泰永鎬(テ・ヨンホ)元英国駐在北朝鮮公使の展望が掲載された記事を載せ、「それで自ら日系と称するハリス米大使の無礼が炸裂したのか?」というコメントを書き込んだ。つまり、日系人のハリス大使は南北関係の改善を好まない、という意味なのだろう。

 鄭在浩(チョン・ジェホ)共に民主党議員も、Facebookで「ハリス大使は1956年、日本で生まれた。母親が日本人だ。すなわち日系米国人だ」と強調している。

 いずれも、「ハリス大使は日本人とのハーフだから、日本政府の意を呈して文在寅政権を妨害しようとしているのだ」といったレベルの、根拠なき主張だ。

 だが問題なのは、国民の中にある反日感情を、ハリス大使や米国に対する批判に結びつけようとする点だろう。実際、政界のこのような雰囲気が、文在寅政権支持者たちの米国とハリス大使に対する反発心を強く刺激している。

大使館周辺で糾弾集会

 GSOMIAと在韓米軍の費用交渉をめぐって米韓の摩擦が激しくなった2019年10月には、青年団体会員の17人が「在韓米軍撤収」を主張し、ハリス大使の私邸に侵入する事件が起きている。12月には、「ハリス大使は、『文在寅大統領は従北左派に囲まれている』と発言した」というニュースが報じられた後、在韓米国大使館近くで、進歩団体による大使を糾弾する「ハリス斬首大会」が開催された。

 ハリス大使の今回の発言以来、文政権を支持する進歩系団体は連日のように反米集会を開催している。「朝鮮日報」によると、これらの団体は「21世紀の朝鮮総督、ハリー・ハリスを糾弾する」という声明文を出し、「(ハリスは)追放されたくなかったら、口をつぐんで過ごすのがいいだろう」などと叫びながら、ソウルの在韓米国大使館付近で毎日、朝と夕に反米集会を開催しているという。

 2015年3月、当時のマーク・リッパート元駐韓米国大使は、ソウル市内で白昼、左派団体の代表者が振り回した刃物で刺されるというテロに遭った。リパート大使に向かって刃物を振り回した人物は、「南北首脳会談を妨害する韓米軍事演習に反対する」と主張した。

 ハリス大使や米国に対する韓国民の反米感情をこれ以上刺激しないためにも、まずは、文在寅政権の関係者が感情を抑制する大人の対応を見せる必要があろう。

 

2019年12月 2日 (月)

【習的中國】トランプ氏「香港人権・民主主義法案」✍署名に報復措置

香港人権法を起草した米議員、中国入国許されない

読売新聞オンライン 2019年11月29日(金)21時20分配信

 中国外務省の耿爽(グォンシュアン)副報道局長は29日の定例記者会見で、米国で成立した「香港人権・民主主義法」を巡り、法案の起草に関わった米議員に対する中国入国ビザ発給を制限することを示唆した。中国が予告してきた米国への報復措置の可能性がある。

 耿氏は、記者からの質問に答える形で「歓迎されざる者の(中国への)入境はもちろん許されない。ビザを発給するかどうかは一国の主権の問題で、誰を入境させないかは中国政府が決める権利を持つ」と語った。

中国、香港人権法に対抗措置 軍艦寄港拒否、NGOも制裁

時事通信 2019年12月2日(月)16時21分配信

 中国政府は2日、米国の「香港人権・民主主義法」成立に対抗し、米軍の艦艇や航空機が整備のため香港に立ち寄ることを一時拒否する措置を決定し、即日実施したと発表した。

 香港の民主派デモを支援する米NGOにも制裁を科すが、具体的な内容は明らかにしなかった。

 中国外務省の華春瑩報道局長は2日の記者会見で、米側は「中国の断固とした反対を顧みず」同法に署名、成立させたと非難し、「米国は誤りを正し、香港への介入や中国の内政に干渉する言動をやめるよう促す」と強調。さらに「情勢の進展に基づき一層の必要な行動を取る」と述べ、米側の対応次第で追加制裁を行う方針を示した。

 制裁対象のNGOは、国家民主基金、国際共和研究所、国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウオッチ、人権団体フリーダムハウスなど。華氏はこれらのNGOが「中国に反対し香港を乱す分子を支持し、極端な暴力犯罪行為に従事するよう教唆し、香港独立の分裂活動を扇動した」と断定。「今の香港の混乱状況に重大な責任があり、相応の代償を払わなければならない」と主張した。 

香港内乱現実化 南北朝鮮同時クーデター?火薬庫と化す東アジア

現代ビジネス 2019年11月28日(木)7時01分配信/大原 浩(国際投資アナリスト)

香港は「ベルリンの壁」になった

 激しい市民のデモが続く中、香港で11月24日投票が行われた区議会議員選挙で、民主派が圧勝した。香港メディアによれば、民主派は全452議席のうち8割強を押さえる結果となり、選挙前の約3割から大きく躍進することになる。

 これにより、香港におけるデモが「自由と民主主義」を守る闘いであることが国際社会に表明され、丸腰の参加者に実弾を発砲した警官隊の行為を「正当防衛」などと述べた中国共産党の欺瞞が、世界中の良識ある人々の目に明らかとなった。

 もっとも、香港市民の区議会議員選挙における大勝利も、残念ながら、1国2制度とは言いながら、行政長官の「普通選挙」(市民が自由に立候補したり投票できる選挙)さえ実現されていない、「共産党一党独裁地域」」においては、小さな1歩かもしれない。

 現在の行政長官、林鄭月娥(キャリー・ラム)の任期は2022年までだが、政権運営はますます難しくなる。一時は中国共産党が彼女を更迭するという話も出ていた(日本の知事を考えればわかるが、政府が行政長官を更迭するなどということ自体とんでもない話である)が、ここまでくると、彼女をトカゲのしっぽという最終兵器にするということも考えられる。

 したがって、本人がやめたくても、当面は共産党が辞めさせないかもしれない。

 すべての責任をキャリー・ラム氏に押し付け、かといって、5大要求を飲まないよう圧力をかければ、「香港内乱」が現実のものとなるであろう。

 もちろん、11月26日公開の「習近平を『国賓』で呼ぶのは日本の国益に反すると断言できる理由」で述べた様に、日本は習近平氏の招聘などという恥ずべきことを行うのではなく、官民をあげて香港を支援すべきである、

 また、11月6日の記事「米国は変わった、とうとう高官が共産主義中国を『寄生虫』呼ばわり」で述べた様に、トランプ大統領よりもむしろ民主党左派の方が共産主義中国に対して厳しい態度を取り始めている。

 また、米議会下院は11月20日、中国の香港に対する介入を牽制するための「香港人権・民主主義法案」を「全会一致」で可決した。上院ではすでに可決しており、27日、トランプ大統領が署名したことで成立した。「全会一致」ということは、米国内では誰も意を唱えない明確な意思であるということだ。

 貿易依存度40%の共産主義中国にとって、香港は「自由貿易都市」として極めて重要だが、香港の特別な地位が失われれば、10月21日の記事「経済成長率6%を割った共産主義中国は生き残れるのか?」で述べたような崩壊への道をたどるかもしれない。

地球温暖化対策よりも人権対策が大事だ

 トランプ大統領就任以後、特にこの1~2年で世界の政治・経済構造は劇的に変化したし、これからしばらくは、そのスピードが落ちるどころか益々加速するであろう。

 はっきり言えるのは、これからは明らかに、「価値観」を共有できる国(企業)どうししか取引ができなくなるということだ。

 口先だけのESGがはびこっているが、「人権侵害国家に協力した」と名指しされるリスクの重大さを、日本企業は理解していない。

 10月22日の記事「日本人が知らない『温暖化対策』巨額すぎる無駄なコスト」で述べた様に、根拠の無い「温暖化対策」に馬鹿げた巨額の費用を支払うのなら、少々売り上げや利益が減っても「人権侵害国家」との取引をすぐにやめるべきである。

 そもそも、世界最大の二酸化炭素排出国である中国は、温暖化対策(効果があるかどうかは疑問だが……)を全くと言ってよいほどしてない。

 「新・悪の帝国」である中国に媚びたとして激しく非難しされたNIKE、あるいナチス・ドイツから叙勲されたものの非難を浴びて慌てて返還したIBM(初代ワトソン氏)のケースに学ぶべきである。

日本企業は「世界情勢の劇的変化」を見誤っている

 11年前に発刊した拙著「韓国企業はなぜ中国から夜逃げするか」(講談社)において、夜逃げをする韓国企業と、夜逃げせざるを得ない共産主義中国の政治・経済体制を取り上げ、日本企業に警鐘を鳴らした。

 ところが、その後も多くの日本企業が、「中国はすごい」という甘言に踊らされて、進出を続けた。たぶん今になって、目の前の好調な経済しか見ていなかった愚かさを思い知っているはずである。

 香港市民が実弾を発砲する警官隊に勇気を持って立ち向かい、校内に立てこもった学生たちが遺書まで書いて抵抗するのも、「香港が、共産党が一党独裁を行う大陸中国のような場所になるのなら死んだ方がまし」だからである。

 日本のオールドメディアの偏った情報しか知らないと、大げさだと思うかもしれないが、例えば、これまでも「天井の無いアウシュビッツ」と呼ばれてきたウイグル問題がある。

 英国政府は11月25日、新疆ウイグル自治区に、国連監視団が「即時かつ無制限にアクセス」できるよう、中国政府に求めた。

 この要求が行われたのは、中国の公文書が流出し、何十万人ものウイグル人が、新疆ウイグル自治区の収容施設で虐待されている状況が判明したからである。

 米国FOXテレビでも、収容所のおぞましい内部映像が放映されている。ディレクターが、そのあまりの残虐さに放送をためらったほどで、コメンテイターたちもショックのあまり茫然としていた。

 筆者もこの映像を見たが、まさに「天井の無いアウシュビッツ」であり、多くの米国民が戦後、ナチス・ドイツの収容所の内部写真・映像が公開された時と同じ嫌悪感を抱いたと思う。

 過去、中国大陸でも、大躍進や文化大革命で8000万人もの人々が「虐殺」(西側推計、人為的飢饉による死者を含む)で亡くなったとされるが、そのような時代が人々の頭の中によぎったはずだ。

GSOMIA迷走の韓国にもレッドカードが

 GSOMIAを「やめるのをやめます」という、まるでお笑いのような混迷ぶりで、いったい誰の味方なんだと米国から思われているのが韓国・文在寅政権だ。日本から見てもそうだが、米国から見ても「ゲゲゲの鬼太郎のねずみ男」以上に信頼できる存在ではないであろう。

 さらに、脱北者2人を、拷問・虐殺されるであろう北朝鮮に送還したのは重大な人権侵害だ。最初はこっそり実行しようと思ったようだが、情報が漏れてしまい、「16人の仲間を虐殺した危険人物」であるから送還したと韓国政府が発表した。

 しかし、2人で16人もの仲間を殺すというのは極めて不自然だし、即時送還であるからまともな取り調べをしていない。従北の文在寅政権の人権感覚が北朝鮮に近づいているとしか言いようがない。

 また、韓国においても外資系企業だけではなく、富裕層も「何の躊躇もなく」脱出を始めている。彼らは、良く言えば国際人、自国への執着=「愛国心」を持たないから当然とも言えるが……。

 その中で、日本企業だけが取り残されている。確かに長期的視点で辛抱強く投資を行うのが「日本企業の美風」だが、それも相手による。実際、長期的に良好な関係を築こうとして行ってきた多大な支援・思いやりに対して、中韓は「恩をあだで返してきた」と、筆者には思える。

 改革・開放の初期に、共産革命で「走資派」を殺戮し、資本主義・市場経済のノウハウを持たなかった中国に、日本政府はもとより、多くの民間企業がほぼ無償で援助を行った。例えば、中国(本土)の株式市場設立には、日本の大手証券会社などが全面的に協力し、そのシステムは日本にルーツがある。

 しかし、共産党政府は、その日本の恩に「天安門事件以降の反日運動」で応えた。

 韓国についても多くの議論がある。あまりにも多くの議論があるので、ここでは深入りしないが、多くの日本人が「できる限り親切に対応したのに、恩をあだで返されたと感じていること」は間違いないであろう。

 なお、八幡和郎氏の人間経済科学研究所への寄稿・研究レポート「日韓条約破棄なら日本資産の返還要求が可能」も参照いただきたい。

南北同時クーデターもあり得る

 11月13日の記事「中国も韓国も北朝鮮も、いよいよ東アジア経済が『自滅』しそうなワケ」で述べた様に、どの国も年末に向かって追い込まれている。

 特に朝鮮半島の北においては、もともと「米国との交渉期限を年末までと一方的に区切っていた」が、これは年末までしか政権が持たないという米国へのサインでもある。

 またGSOIMA騒動で日本や米国だけではなく、国民や軍部の信頼も失った文政権も年末まで持ち応えるかどうかわかない。もし、万が一「やめるのをやめるのをやめた」などと、再度破棄しようものなら、軍部のクーデターを誘発するであろうし、今回のGSOMIA問題に関する米国の態度から考えれば、そのクーデターを是認する可能性が高い。

 つまり、南北同時クーデターの可能性がそれなりにあり、米国はそれを待っているのかもしれない。

 なぜなら、金王朝の正統な後継者である金正男氏の長男は、FBIの保護下にあり、金正男氏同様自由主義思想の持ち主であるとされるからである。

 北朝鮮にとっては正当な後継者、そして左翼・従北の文在寅氏よりも自由主義・民主主義のキム・ハンソル氏というのは、朝鮮半島有事に誕生するかもしれない「統一朝鮮」を取り仕切る強力な切り札になると思える。

日本企業は今すぐ脱出すべきだ

 繰り返すが、日本企業の長所は、長期的な視野で、辛抱図良く事業を進めていくところにある。

 確かに、これは美風であるが、「相手を選ばなければならない」のも事実だ。

 今彼らに援助の手を差し伸べて将来なにか良いことがかえってくるのであろうか? これまでの歴史を見る限り、その答えは「ノ―」であるといえる。

 日本企業の経営者には、冷静かつ正しい判断を望みたい。

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関連エントリ 2019/12/01 ⇒ 【第45代大統領】上下両院✍全会一致<香港人権・民主主義法>署名

関連エントリ 2019/11/20 ⇒ 【習的中國】✍米議会上院で「香港人権・民主主義法案」が可決

関連エントリ 2019/11/16 ⇒ 【特別読み物】いま✍世界を席巻する<経歴詐称>のムーブメント!!

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2019年9月10日 (火)

【日韓軋轢】文在寅<たまねぎ男の法相✍任命>強行!!

北朝鮮、未詳の飛翔体2発射=韓国軍当局

聯合ニュース 2019年9月10日(火)7時34分配信

 韓国軍合同参謀本部は10日、北朝鮮が同日午前、平壌北方の平安南道の内陸から東に向け未詳の飛翔(ひしょう)体を2発発射したと明らかにした。韓国軍は追加の発射に備え、関連動向を追跡監視しながら、準備態勢を維持しているという。

文在寅大統領「国民統合無視の任命強行 国論分裂の加速認める

産経新聞 2019年9月9日(月)19時13分配信

 韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領が強行したチョ・グク氏の法相任命は「国民統合」を掲げてきた文政権の目標に反し、韓国社会の分裂を加速させている。

 任命は当初、開催が危ぶまれていた国会の聴聞会の有無にかかわらず、文氏により強行されることが必然視されていた。文氏の要請で開かれた聴聞会では「チョ氏の明白な違法行為が確認されず」(文氏)、形式上、問題はなかった。

 しかし、文氏は「チョ氏への疑惑提起や妻の起訴で、任命への賛成と反対が激しく対立している」と指摘。「国民の分裂が続きかねない状況を見つつ、大統領として深く心配をせざるを得なかった」と法相指名以降、意に反して国論分裂が進んだことを認めた。

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 娘が特別待遇を受けたと疑われているチョ氏の騒動を通し、文氏は「公平と公正の価値に対する国民の要求と喪失感を再び切実に感じた」とし、「韓国政府は国民の要求を深く受け入れる」と国民に理解を求めた。ただ、この呼びかけを文氏の支持者はともかく、どれだけの国民が信じ、歓迎しているのかは判然としない。

 保守系最大野党の自由韓国党は「韓国の法治主義は死んだ」「憲政史上、最悪の人事」などと非難。国会ボイコットやチョ氏の解任建議案提出など、あらゆる手段で争う構えだ。

 チョ氏起用での文氏の最終決定は、政界のほか、大統領府と検察、国民レベルでも対立に一層、拍車をかけている。

徴用工問題 韓国政府が05年に下した意外な判断

毎日新聞 2019年9月8日(日)10時00分配信

 韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領が青瓦台(韓国大統領府)幹部として支えた盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権は2005年、強制動員犠牲者の救済問題は「韓国政府に道義的責任がある」として死傷者に追加支援を行う方針を決めた。日韓請求権協定で解決済みとされる範囲はどこまでか、専門家を含む「官民共同委員会」を発足して検証した結果だった。

 日本企業に賠償を命じた昨年10月の最高裁判決は、この決定に矛盾しないのだろうか。韓国外務省が最近、矛盾するという認識は「誤解」だと説明した。当時、ソウル特派員として追加支援を発表する記者会見に出ていた私も、この点は引っかかっていた。14年前の外交判断と最高裁判決の間にある「溝」の背景を検証してみた。

 ◇ 光復節演説で「実質的救済」に触れたものの……

 「我々は過去にとどまることなく、日本とともに被害者の苦しみを実質的に癒やすために取り組んできました」

 文大統領は今年8月15日の光復節の演説で、日本による植民地時代に苦痛を負った被害者救済のため、韓国政府が日本と協力してきた事実に一言だけ触れた。

 ただし、1980年代末から日韓協力で続いたサハリン残留韓国人の帰還問題や韓国人被爆者への人道的支援なのか、盧政権による追加支援を指すのか、慰安婦問題解決のための日韓合意も含むのか、具体的な説明は一切ない。今後取り組むかの言及もない。「実質的に」という表現に、法的責任は別問題という認識がにじんでいた。

 文大統領は05年の追加支援には、司法担当の首席秘書官として法案の制定過程から関与してきた。最高裁判決はこの追加支援について「道義的措置にすぎない」(広報官室報道資料)と判断した。判決によって勝訴した原告の賠償額(1人1億ウォン、約890万円)と支援法に基づく死傷者への慰労金(1人最高2000万ウォン、約177万円)との間に処遇の違いが生まれたが、文大統領は三権分立を理由に発言を控えてきた。

 6月に日本政府に提案したという日韓の企業が拠出する財団方式の和解案も、新たな日韓協力による道義的措置が徴用工問題の法的解決にどう結びつくのか、はっきりしない。韓国政府の政治外交的立場が定まらないまま「対話の入り口に」という流れで提案されたため、混沌(こんとん)としている状況だ。

 ◇ 最高裁判決は05年政府見解の「延長線」

 実は光復節演説の3日前、韓国外務省は国内メディアを対象に05年の政府見解と昨年の最高裁判決が矛盾するというのは「誤解」であり、「判決は05年見解の延長線上にある」と説明した。朝鮮日報などが、従来の政府見解を覆した判決ではないかと指摘する検証記事を報道したことを受けた対応だった。

 アジア経済新聞によると、当局者は05年の政府見解は「請求権協定に政治的補償が含まれるということであって、反人道的不法行為に伴う賠償請求は可能だと明示している」と強調。誤解の素地が生まれたのは、①慰安婦②サハリン残留韓国人③韓国人被爆者については請求権協定に含まれないと言及したが、徴用工については触れなかったためだと説明した。

 私は05年当時、ソウル特派員としてこの問題を取材した。私も記者会見を聞いて、韓国の支援法によって徴用工問題全体が政治的に解決されると理解していた。私の報道が、韓国政府から誤報だと指摘されることもなかった。

 私は今回、当時の報道資料を読み直してみた。サハリン残留韓国人問題と原爆被害者は、交渉過程で議題にならなかった経緯から「協定の対象外」とされた。国家権力が関与した反人道的不法行為については「日本政府に法的責任が残っている」として、慰安婦問題と海南島虐殺事件を例示した。中国・海南島で日本軍占領下に起きた住民虐殺事件だが、真相調査の必要性を指摘しただけだった。従って、会見前後の補足説明で韓国政府当局者はたびたび、外交問題として残る課題は「慰安婦、サハリン、被爆者の3点セット」と強調していた。

 ◇ 徴用工問題の対日要求は資料協力

 実際の韓国政府の法的整理はどうだったのか。07年10月に発表された国務総理室の韓日修交会談文書公開等対策企画団活動白書に官民共同委員会や次官会議の報告がある。

 05年08月26日の官民共同委員会の報告によると、徴用工問題は①民事的債権債務問題②強制動員の被害補償③国家権力による不法行為の損害賠償請求権――の3分野に分けて議論し、①②については日本に法的補償を要求するのは難しいと判断する一方、③は人権問題であり、「韓国政府に法的責任はない。被害者救済のための外交保護権も行使できる」と記されている。

 ただし、その法的整理を踏まえた政策決定段階の説明では、その課題は消える。日本政府に対する要求項目は、追加支援法施行時に必要な供託金名簿や死傷者の記録などの資料提供を求めることに絞られていた。

 その理由について白書には言及がない。当時の政策過程をよく知る韓国外務省元高官は「支援法は韓国内の措置なので協力してほしいと日本に求めていた。徴用工問題を慰安婦問題のように扱うことは、新たな外交摩擦の火種になるので先送りした」と話す。

 実際、強制動員被害者への追加支援を決めた直後の05年10月、訪日した潘基文(バン・キムン)外相は町村信孝外相に朝鮮半島出身者の厚生年金名簿など関連資料の引き渡しを求めたが、町村氏は個人情報保護など「法的な制約がある」と消極的態度を見せた。05年は盧大統領が竹島問題を「外交戦争」と位置づけて対日強硬姿勢を見せ始めた時期だったこともあり、日本政府は支援法が外交問題化しないよう警戒心を強めていた。

 ◇ 05年を踏まえた政治外交的解決とは

 盧政権は、強制動員犠牲者救済では、韓国政府による追加支援を通じた未払い賃金や死傷者への補償を優先する一方、生存者に対する慰労金支給は大統領拒否権を発動して阻止した。生存者の名誉回復より、失った命の重みを重視したと言える。

 何を優先するかはその国の政策判断であり、選択だ。ただ一つ言えるのは、今起きている徴用工訴訟は、当時の支援法では救済されなかった生存者の名誉回復、人権問題が訴訟という形で巡り巡って来た側面がある。そのツケは日本企業だけが負って解決するものではない。

 05年の政府見解と追加支援について今、文大統領がどう思っているのか。追加支援の被害認定作業を担った韓国人研究者の友人らと何度も議論したが、結論はいつも「よく分からない」だった。

 最高裁判決が05年の延長線上にあるなら、韓国が提案する日韓企業の財団による和解案は、あのとき救われなかった被害者を癒やすプロセスになるのだろうか。

 政府として最高裁判決をどう政策につなげ、「被害者中心主義」の中心をどこに置くのか。盧大統領が拒否権を発動して救済する被害者の範囲を狭めた時、傍らで見ていた文大統領だからこそ語れる言葉を、韓国人の友人と一緒に聞ける日を待っている。

文在寅も同じ運命!? 自殺、逮捕…韓国歴代大統領の悲惨な末路

FRIDAY DIGITAL 2019年9月8日(日)11時01分配信

娘の大学不正入学、妻への巨額投資疑惑……。最側近・曺国氏(チョ・グク)の相次ぐスキャンダルで、韓国の文在寅(ムン・ジェイン)政権が揺れている。発足当初は80%以上あった支持率は50%を切るまでに凋落。大阪市立大学大学院の朴一(パク・イル)教授は「過去の政権と同じ運命をたどりかねない」と話す。

「前大統領・朴槿恵(パク・クネ)政権の末期と似ています。朴氏には、腹心女性の娘が大学に不正入学した疑惑が浮上。反発が強まり失職し、懲役25年の実刑判決を受けました。文政権は、朴氏を批判する若者の支持を得て発足した。にもかかわらず、文政権でも側近の娘に不正入学疑惑が発覚。支持者は失望し怒りが増幅しています。疑惑をうやむやにすれば、朴氏と同じ運命をたどることになるでしょう」

韓国大統領は、スキャンダルやクーデターで悲惨な末路を迎えることが多い。あらためて歴代トップの最期を振り返る。

朴正熙(パク・チョンヒ。第5~9代大統領)

クーデターにより軍事政権を樹立。民主化運動が激化すると、「弾圧が生ぬるい!」と側近の金載圭(キム・ジェギュ)氏を激しく叱責。’79年10月、歌手やモデルを招いた晩餐会中に、恨みを持っていた金氏に至近距離からピストルで銃殺される。近くにいた腹心も死亡。

全斗煥(チョン・ドファン。第11、12代大統領)

‘83年10月にミャンマーのアウンサン廟を訪れた際、北朝鮮の工作員による爆弾テロ事件に遭う。全氏は難を逃れたが外務大臣ら21人が爆死。言論基本法を制定し、在任中は政権批判を一切禁止するなど「独裁者」と呼ばれた。退任後に言論弾圧や不正蓄財の罪に問われ、’97年4月に無期懲役、追徴金約196億円の判決を受ける(後に特赦)。

金大中(キム・デジュン。第15代大統領)

在任中の’02年5月に三男が、翌月には長男と次男が、それぞれ数十億円にのぼる賄賂を企業から受け取っていとことが発覚し逮捕される。金氏は息子たちに代わり国民に謝罪。

廬武鉉(ノ・ムヒョン。第16代大統領)

’08年2月の退任後、贈賄容疑などで側近や親族の逮捕が相次ぐ。支援者である製造会社の社長から夫人に約1億円、実兄の嫁に約5億円が供与されていたことも発覚。検察は盧氏の逮捕を検討する。’09年5月、逮捕を恐れた盧氏は自宅近くにある巨大な岩から飛び降り自殺。遺書には「大統領になろうとしたことが間違いだった」と書かれてあった。

李明博(イ・ミョンパク。第17代大統領)

在任中に事実上オーナーを務める会社の訴訟費をサムソングループに肩代わりさせるなど、約10億円の収賄疑惑が浮上。’18年3月に逮捕され、同年10月に懲役15年、約13億円の罰金を科せられた。有罪判決を受けた韓国の大統領は5人にのぼる。

なぜ韓国大統領は悲惨な末路をたどるのだろか。ジャーナリストの高月靖氏が解説する。

「理由は三つあります。一つ目は’80年代までの大統領に当てはまる、軍事政権から民主化への混沌とした時代の流れです。政情不安で暗殺されることもあった。二つ目は、任期5年で長期政権になること。発足当初は支持率が高くても、後半はレームダック(死に体)化し野党との足の引っ張りあいでスキャンダルが発覚しやすくなるんです。三つ目が、韓国での地縁や血縁のつながりの強さ。仲間意識が濃く大統領の便宜を図ろうとする周囲の意識が、不正につながっています」

就任から2年余り。任期後半を迎えレームダック化しつつある文在寅政権が、側近のスキャンダルで歴代大統領と同じ運命を歩もうとしている。

 

2019年8月24日 (土)

【日韓軋轢】韓国✍自爆攻撃か<GSOMIAの破棄>日本へ通告㊦

GSOMIA破棄、トランプ氏「韓国で何が起きるか見守ろう

今朝2発の飛翔体、北朝鮮のミサイル発射引き続き問題視せず

産経新聞 2019年8月24日(土)16時29分配信

 トランプ米大統領は23日夜、北朝鮮が短距離弾道ミサイルとみられる飛翔体を発射したことに関し、「(北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長は)ミサイル実験が好きだ。米朝は短距離ミサイルの(発射)制限で合意したことはない」と述べ、これまで通り問題視しない考えを改めて表明した。フランスでの先進7カ国(G7)首脳会議(サミット)へ出発する直前、ホワイトハウスで記者団に語った。

 トランプ氏は今月上旬、金氏が書簡で米韓合同軍事演習(8月5~20日実施)の終了後はミサイル発射をやめると表明したと語っていたが、北朝鮮は今回の発射でトランプ氏との「約束」を破った形となる。

 しかし、トランプ氏は「他の多くの国も同様の発射実験をしている。米国も最近、大型ミサイルの実験を行った」と述べるなど、約束違反を意に介さない立場を示した。

 トランプ氏はまた、「米朝関係は非常に良好だ。金氏は私に対して非常に率直だ」と強調した。

 トランプ政権高官は「引き続き情勢を監視する。同盟国である韓国と日本と緊密に協議している」との声明を発表した。

 一方、トランプ氏は韓国による日本との軍事情報包括保護協定(GSOMIA)破棄の決定に関しては「韓国で何が起きるか見守ろう」と述べるにとどめた。

韓国国民の怒りの矛先は、日本よりもチョ・グク疑惑

JBpress 2019年8月24日(土)6時10分配信

 韓国社会では、8月15日を境に、あれほど沸き上がっていた「不買運動」や「日本経済報復」についての関心が次第に薄れていっているような気がする。「リトル文在寅」と呼ばれる元大統領府の民情秘書室長で、現在は法務部長官内定者であるチョ・グク氏をめぐる不正疑惑が次々と浮上し、韓国国民の怒りの矛先が日本ではなく文在寅政権に向かっているからだ。

チョ・グク氏周辺は「疑惑の山」

 チョ氏は、文政権誕生直後から2年半も大統領府秘書室の民情首席秘書官を務めてきた人物。民情首席秘書官とは、政府高官の監視と司法機関を統括するポストで、政府高官や大統領の親戚など、権力層に対する捜査や、組閣のための候補者推薦と人事検証などを主要業務とするだけに、大統領府秘書官の中でも大統領と最も近い関係にある。そのため、「政権のNo.2」と見る向きもある。なにより文在寅大統領自身が、盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権時代に、民情首席秘書官を務めている。つまり民情首席秘書官は、大統領の「最側近」なのだ。

 8月9日、そのチョ・グク氏を、文在寅大統領は政権をあげて推進している「司法改革」の適任者として、法務部長官に内定、国会に任命同意案を提出した。

 韓国では、首相や長官などの公選によらない任命職の公職者を大統領が任命する際には、国会が人事聴聞会を開いて候補者を検証した後、任命同意案を表決することを原則としている。ただ、任命同意案が否決されても、人事権は大統領の固有の権限であるため、大統領が任意に任命することができなくはない。実際、文在寅政権では、国会の同意を得ていない状態でも16人もの任命を強行してきているため、文大統領の後継者ともいわれるチョ氏の法務部長官任命もまた、国会の同意に関係なく、既成事実として受け止められていた。

 ところが、チョ・グク氏の内定直後から彼と彼の家族をめぐる疑惑が毎日のようにメディアを賑わせ、韓国国民の世論が急激に悪化してしまった。今や「チョ・グク問題」は、文在寅政権をレームダック化させかねないほどの悪材料としてクローズアップされるほどになっている。

 チョ・グク氏をめぐる疑惑は、韓国メディアが「疑惑の山」と呼ぶほど巨大で複雑だ。

 まず、チョ氏の家族が営む学園財団の理事長だった父親が死んだ際、相続の過程で、負債は返済せず、財産だけ相続しようとして、家族間で「偽装訴訟」を起こすという奇抜な債務逃れの手法を使ったという疑いだ。結局、チョ氏と弟は、相続した財産内で借金を返すという「相続限定承認」という手法を使い、父親が残した42億ウォンの債務に対し、相続した全資産21ウォン(! )だけを返済した。その上でチョ氏の弟は、自身が経営する建設会社が学園から工事費を受け取っていないとして学園を訴えた。この訴訟で学園側はまったく反論せず、敗訴。チョ氏の弟の会社は、51億ウォンの債権を受け取れることになった。これらが全て、巨額の遺産を相続できるようにするための偽装工作ではないのか、という疑惑が浮上しているのだ。

 さらにこの過程で、弟夫婦は実際には同居し続けているにも関わらず、財産を守るための「偽装離婚」をしたという疑惑も報道された。

 また、高級公職者財産申告書には、全財産が56億ウォンのチョ氏だが、民情首席になってから2カ月後には74億ウォンのヘッジファンド投資を約定し、現在まで10億ウォンを投資。チョ氏はこの投資を通じて政府の公共工事を受注する中小企業の筆頭株主になり、その企業はわずか1年で売上高75%増の急成長を見せたという疑惑も持たれている。

 さらには、妻の財産を隠すために妻名義の不動産を、離婚した弟の妻の名義に変える「偽装売買」をしたという疑惑もメディアの取材で続々と明るみになった。

二週間のインターンで論文の筆頭著者に

 それらの中でも、韓国人をもっとも憤らせた疑惑は、チョ氏の娘の不正入学疑惑だ。チョ氏の娘のAさんは外国語専門高校を卒業した2010年に、「韓国の早稲田」と呼ばれる高麗大学の理工系学科に入学した。つづいて2015年には釜山大学医学専門大学院に入学、現在4年生に在学中だ。医学専門大学院とは、6年コースの医科大学の課程を4年に学ぶ専門大学院で、大学卒業者たちに入学資格が与えられる。

 ところがチョ・グク氏の法務部長官に内定をきっかけに、医学専門大学院までとんとん拍子で進学してきたAさんのこれまでの入学過程において「不正」が働いていたのでは、という疑惑が浮上してきたのだ。

 8月20日の「東亜日報」は、「チョ氏の娘のA氏が高校在学中だった2008年、大韓病理学会に提出された英語論文に『筆頭著者』として名前を登録した事実が確認された」という記事をスクープした。当時、外国語高校の2年生に在学中だったAさんは、檀国大学医学部医科学研究所で2週間ほどインターンを経験していたが、このとき檀国大学医学部教授のB氏が中心になって行っていた実験に参加した。その後、B教授が責任著者になって作成された研究論文が、2008年12月に大韓病理学会へ提出されて学会誌に掲載されている。

 ところが、この論文に「筆頭著者」として記載されているのがAさんの名前とされ、Aさんはこの「スペック」(入試のための資格や経歴)を用いて高麗大学に無試験で入学したというのだ。高校2年生のインターンが、医学博士たちで構成された研究陣が6年以上も準備してきた研究にたった2週間参加しただけで、他の研究員たちをゴボウ抜きして実験や論文の主導者として認められる「筆頭著者」に名前が挙げられるような不自然な事態に、疑惑の目が向けられているのだ。

 これについて、論文の責任著者のB教授は、東亜日報のインタビューで「Aがチョ氏の娘とは知らなかった。海外大学へ留学すると言われて善意でやったことだ」と弁明した。しかし、その後、B教授の息子とAさんが同じ高校の同級生だったことや、チョ氏の妻とB教授の妻との間に親交があるという事実が明らかになり、不正疑惑に一気に火がついた。しかも、B教授の息子が高校在学中にチョ・グク氏が教授を務めていたソウル大学のロースクールでインターンシップを行っていたことも明らかになり、「交換スペック」との憶測も呼んでいる。

 さらに21日の「朝鮮日報」は、Aさんが高校3年生の時に、公州大学の生命工学科のインターンシップに3週間参加し、日本で開かれた国際鳥類学会で発表された論文に「第三著者」として名前が載れている事実を暴露した。当時の指導教授のC教授は、Aさんの母親(チョ・グク氏の妻)と大学の同級生で、インターンシップ面接にも母親が同行したと明らかにした。

 また、Aさんが、高校在学中に、高校生には応募資格を与えない国連のインターンシップに参加したことを始め、一般の高校生には到底不可能な各種のスペックを重ねてきたという疑惑も次々と浮上。結局、彼女は、親の地位を利用して不正にスペックを積み上げ、高麗大学の環境生態工学部に無試験で入学し、卒業後は、これまたこのスペックを利用して筆記試験で振るわなかったにもかかわらず、釜山大学医学専門大学院に無事入学するようになった、というのが韓国メディアの指摘だ。

 医学専門大学に入学したAさんは、これまで2度も落第するなど、学業成績は最下位圏にある。しかし、不思議にも6回も奨学金を授与されている。Aさんに個人的に奨学金を授与していた指導教授は、韓国メディアとのインタビューで、「落第後に勉強を放棄しようとしていたので、彼女を励ますために(奨学金を)与えた」と述べた。そして、偶然にもこの指導教授は、2019年、釜山市が運営する釜山医療院の院長として赴任することになった。

 22日の「韓国経済新聞」は、「釜山大学医学専門大学院がチョ・グク氏の娘・Aさんが落第の危機に直面した際、落第対象になっていた生徒全員を集団救済したことがある、との内部告発があった」と報じた。この内部告発者は、「当時はチョ・グク氏が民情首席として強大な権力を握った後だったので、教授の間ではそういった措置は“チョ・グクの娘を救うため”という言葉が出ていた」と述べたという。

超格差社会・韓国では入試の不正は怒りの種

 記憶に新しい朴槿恵(パク・グネ)前大統領の弾劾事件は、チョン・ユラ氏の入試不正事件がひとつの端緒となった。朴前大統領の友人の崔順実(チェ・スンシル)氏の娘チョン・ユラ氏が、梨花女子大学入学の過程で不正な特権を受けたという疑惑によって、弾劾の引き金となった「ろうそくデモ」が全国民に広がった。朴大統領の弾劾後、チョン・ユラ氏は外国で逮捕されて韓国に引き渡され、裁判を受けた。実刑判決こそ受けなかったが、大学入学と高校卒業の資格は取り消された。ちなみに梨花女子大学の関係者5人は実刑を言い渡されている。

 チョン・ユラ氏事件について辛辣な批判を展開して注目を集めたチョ・グク氏だったが、娘の不正入学疑惑には、「国民情緒と多少の乖離があるのは認めるが、法的には問題がない」と開き直っている。与党の「共に民主党」と文政権の関係者も「マスコミがフェイクニュースを用いて政権を揺さぶっている」と主張し、「チョ・グク死守」の立場を堅持している。

 しかし、他のことならともかく、入試問題にだけは「不正」や「疑惑」が許せない韓国国民の怒りはとどまることを知らない。超格差社会の韓国社会では教育だけが、「身分上昇」の唯一の手段だからだ。特に「公正」を最も重要な価値として重んじている若者たちの失望や怒りは生半可なものではない。

 23日の午後から、チョ・グク氏の母校のソウル大学やチョ氏の娘の母校の高麗大学では、それぞれ数百人の学生が集まって「チョ・グクout」を叫ぶろうそくデモが行われた。論文疑惑に関わった檀国大学でも、該当教授の辞職を求める集会が行われるなど、若者たちの怒りが大学街へと急速に広まっている。ろうそくデモをきっかけに誕生した「ろうそく政権」が、今度は自らがその「ろうそく」の審判に晒される羽目になった。今や文政権の命運は「風前の灯」なのかも知れない。

 

2019年8月20日 (火)

【輸出規制】韓国外交<四面楚歌>孤立を招いた文在寅大統領

「四世紀ぶりの孤立」招いた文在寅日本と北朝鮮から挟み撃ち

デイリー新潮 2019年8月20日(火)18時00分配信/鈴置高史(元日経新聞ソウル特派員)

 文在寅(ムン・ジェイン)大統領に元気がない。日本に対する罵倒もトーンダウンした。北朝鮮に侮辱されても揉み手するばかり。「外交の天才」を自認していたというのに、どうしたのか。

また、日本にケンカを売った韓国

鈴置:韓国がまた、日本にケンカを売りました。国民年金公団の理事長が「日本の戦犯企業の株は売り払うことを検討する」と宣言したのです。

 キム・ソンジュ理事長がFT(フィナンシャル・タイムズ)の取材に答え、語りました。FTの「Korean pension fund reviews Japan investments over ‘war crimes’」(8月12日)から、発言部分を引用します。

・“We are in the process of adopting a new guideline of responsible investment and we are reviewing whether Japanese ‘war crime companies’ should be excluded from our investment list,” Kim Sung-joo, NPS chair, told the Financial Times in Seoul.

 「戦犯企業」とは韓国での呼び方で、第2次世界大戦中に当時の朝鮮人を徴用したとされる日本企業を指します。

2018年10月30日、韓国の最高裁判所が「戦犯企業」である新日鉄住金(現・日本製鉄)に対し、自称・元徴用工に慰謝料を支払うよう命じました。韓国の裁判所は三菱重工業など「戦犯企業」に相次ぎ、同様の判決を下しています。

これに対し日本政府は「日韓請求権協定で解決済みの問題だ」と強く反発し、韓国政府に「国際法違反の状態の是正」を求めています。

逆襲呼ぶ「日本株売り」

――日韓関係悪化の原因の一つですね。

鈴置:その通りです。韓国では、国民のカネを運用する国民年金公団が「戦犯企業」の株を保有すべきではない、との声が出ていました。そうした空気の下、キム・ソンジュ理事長は「売却を検討中」と語ったのです。

 この発言に飛びあがって驚いたのが、保守系紙でした。中央日報は翌8月13日の社説「政権側は大統領の『感情的な対応の自制』を無視するつもりか」(韓国語版)で厳しく批判しました。理由を説いたのが以下の部分です。要約しつつ引用します。

・韓国政府認定の戦犯企業は299社ある。国民年金はそのうちの75社に、1兆2300億ウォン(約1082億円)を投資している。三菱、トヨタ、住友、日立、東芝など日本有数の企業が含まれる。

・これら企業への投資を撤回、あるいは中断する場合、日本との葛藤を金融・投資分野に拡大することになろう。日本の公的年金(GPIF)は韓国資本市場で約7兆ウォン(約6200億円)投資している。

・これらの資金が韓国から引き揚げられれば、他の外国からの資金はもちろん、その他の領域での動きまでも刺激しかねない。ただでさえ困難に直面している我が国の経済が、新たな不確実性までを甘受する必要はない。

 朝鮮日報の社説「国民年金を収益率向上以外の目的で使うな」(8月15日、韓国語版)も「金融分野での日本の反撃を呼ぶ」と、同じ理由で理事長発言を批判しました。

・もし、韓国の国民年金が(日本企業から)投資資金を引き揚げれば、韓国企業に投資中の日本の公的年金も同じ方式で報復に出るであろう。

財閥経営に介入する国民年金

――キム・ソンジュ理事長は本気で言っているのでしょうか。

鈴置:韓国では「本気」と受け止められました。この人は経済の専門家ではありません。盧武鉉(ノ・ムヒョン)、文在寅両氏の選挙運動に参加し、今のポストを得た左派の政治家です。

 2017年11月の理事長就任以来、キム・ソンジュ氏は国民年金が大株主であることをテコに、財閥の経営に介入し始めました(「文在寅で進む韓国の『ベネズエラ化』、反米派と親米派の対立で遂に始まる〝最終戦争〟」参照)。

 「脅すことで財閥を政権の支配下に置く狙い」と韓国の保守は見ています。「財閥国有化の一歩」と警戒する人もいる。もちろん「財閥叩き」により、国民の拍手喝采を得る狙いもあるでしょう。

 キム・ソンジュ理事長は、文在寅大統領の喜びそうなことなら、結果など考えずに何でもやると見られている。保守系紙が「そんなバカなことをすれば、資本逃避が起きるぞ」と慌てて止めに回ったのも当然なのです。

韓国企業まで韓国脱出

――「日本株売り」宣言に、大統領は喜んだのでしょうか。

鈴置:普通の状態なら「よくやった」と頭をなでたでしょう。しかし今は緊急事態です。

 米中経済戦争のあおりを受け、韓国株とウォンは売られています。それに日韓経済戦争が拍車をかけました。韓国では、日本との戦争を始めた文在寅政権に対し批判が高まっています(「韓国株・為替ともに急落 日韓経済戦争の『戦犯』文在寅に保守から『やめろ』コール」参照)。

 韓国証券市場で外国人は7月31日以来、連日、売り越しています。8月19日には「13営業日連続」の記録を作りました。

 KOSPI(韓国株価総合指数)は8月2日に心理的抵抗線とされた2000を割り込んだ後は、その水準を回復できないままです。

 ウォンも8月5日に「防衛線」とされてきた1ドル=1200ウォンをあっさり突破。1210ウォンを挟んで動く展開になっています。

 朝鮮日報は社説「米中経済戦争が拡大、より深刻な事態に」(韓国語版、8月10日)で「韓国企業までが韓国から逃げ出し始めた」と指摘しました。

・すでに証券市場と為替市場から外国人が離脱する兆しが見えている。韓国経済が直面するリスクを避けようと、海外に移る企業も増えている。

 この社説はそれ以上説明していませんが、工場を海外に移転する韓国企業が増えていることを指していると思われます。

慌てて前言を撤回

――韓国企業まで逃げだすとは……。

鈴置:そんな時に、キム・ソンジュ理事長が韓国の弱点である金融市場を日本との新たな戦場に設定してしまったのです。その「無知」と「過剰忠誠」には青瓦台(大統領府)も頭を抱えたと思われます。

 FTの記事が出た翌8月13日の夕刻、左派系紙のソウル新聞に「独自ダネ」と称してキム・ソンジュ理事長のインタビュー記事が載りました。「国民年金理事長 『日本の戦犯企業への投資制限は絶対にあってはならぬこと』」(韓国語)です。

――180度、変わりましたね。

鈴置:「日本株売り」宣言の軌道修正を図ったのです。青瓦台から命じられた可能性が高い。キム・ソンジュ理事長は、ソウル新聞には「韓国の国民年金が日本から資金を引き揚げれば、日本も同じように動くかも知れず、そうすると韓国がより損をする」と説きました。

――国民年金の理事長がそんなことにも気づかず、「日本株を売る」と宣言していたということですか……。

鈴置:この政権は経済を全く知らない人が経済を担当するので危ないこと極まりありません。空気が読めない人でもあるのでしょう。

 文在寅政権は8月5日から対日姿勢を微妙に変えていました。というのに、キム・ソンジュ理事長はその後のFTとのインタビューで強硬姿勢を打ち出してしまったのです。

 韓国がいわゆる「ホワイト国」から外された8月2日、文在寅大統領は日本を「盗人猛々しい」と猛烈に非難しました。

 しかし、強硬姿勢は損になると判断したと思われます。「日本との勝てない戦争を始めた」戦犯に認定され、「やめろ」コールに見舞われたためです(「韓国株・為替ともに急落 日韓経済戦争の『戦犯』文在寅に保守から『やめろ』コール」(8月5日)。

GSOMIAで米国から警告

 そこで文在寅大統領の日本に向けた発言は8月5日を期に、急におとなしくなりました。米国から「警告」があったのかも知れません。

 東亜日報は「米国務省の局長級の高官が8月上旬に訪韓し、日本とのGSOMIA(軍事情報包括保護協定)を破棄しないよう求めた」と報じました。「米、韓国に『軍事協定の継続を』要請」(8月15日、日本語版)です。

 文在寅政権は、米国を味方に付けて日本を叩く作戦でした。日韓GSOMIA破棄はその最強カードのつもりだったようですが、逆に米国からは「そんなバカなことするな」と警告されてしまったのです。

 文在寅大統領の8月15日の光復節演説に、激しい対日批判の文言が入らなかったのも、不思議ではないのです。

――日本の新聞でも「軟化」が話題になりました。

鈴置:もちろん、文在寅政権が基本的な対日姿勢を変えたわけではありません。金融という自らの弱点に火が燃え移りかけたので、それを消すため「問題の鎮静化に動くフリ」をしているだけです。

 その証拠に、韓国外交部は英独仏伊の4カ国に外交官を送り、日本の輸出管理強化の不当性を訴える、と中央日報は報じています。

「韓国外交部、欧州に外交官を派遣して日本輸出規制の不当性を伝達」(8月14日、日本語版)です。日本に対しては「話し合おう」と言いつつ、世界では日本を批判して回っているのです。

「犬」扱いされた青瓦台

――要は「苦渋の光復節演説」だったのですね。

鈴置:ええ。「苦渋」と言えば、対日だけではなく、北朝鮮に関しても「苦渋」の演説だったのです。北朝鮮は短距離弾道ミサイルと多連装ロケット砲を撃ちまくっています。

 最近の「ミサイル挑発」は韓国への恫喝が目的です。射程が短いことから、トランプ(Donald Trump)大統領も黙認の姿勢を明確にしています(「日・ロ・中・朝から袋叩きの韓国 米韓同盟の終焉を周辺国は見透かした」参照)。

 露骨な「韓国孤立作戦」でもあるのです。というのに8月15日、光復節演説で文在寅大統領は北朝鮮に対話を訴えました。

 翌8月16日、北朝鮮から直ちに「回答」が来ました。韓国時間・午前8時過ぎに北朝鮮は2発の短距離弾道ミサイルを発射。7月25日以降の22日間で、6回目の発射となりました。

 さらに、対韓国窓口機関である祖国平和統一委員会が「私たちは南朝鮮(韓国)の当局者らとこれ以上語ることもなく、再び対座する考えもない」との報道官談話を発表したのです。

 文在寅大統領を嘲笑するくだりもありました。以下、「我が民族同士」の「祖平統代弁人、朝鮮に言い掛かりをつけた南朝鮮当局者の妄言を糾弾」(8月16日、日本語版)から、文章を整えて引用します。

・南朝鮮でわれわれに反対する合同軍事演習が盛んに行われている時に、対話の雰囲気だの、平和経済だの、平和体制だのという言葉を、いったいどの面をさげて吐いているのか。

・公然と北南間の「対話」をうんぬんする人の思考が、果たしてまともなのか、疑わしい。実にまれに見る、厚かましい人である。

――文在寅大統領の人格攻撃に及びましたね。

鈴置:これはまだ、おとなしいほうです。「朝鮮外務省米国担当局長、軍事演習のため北南接触が困難と強調」(8月11日、日本語版)では青瓦台は「怖気づいた犬がもっとも騒がしく吠える」と、犬扱いされていました。

文在寅の「食い逃げ」に怒る金正恩

――北朝鮮はなぜ、こんなに怒っているのでしょうか。

鈴置:韓国の裏切りが原因です。2018年6月の史上初の米朝首脳会談は、両国の情報機関が水面下で交渉し実現にこぎつけました。

 ここに韓国が割り込んで入り、自分が仕切ったフリをしました。もし、初の米朝首脳会談に関係しなければ、「自分たちの運命がかかった会談にも我々は蚊帳の外だ」との国民の不満が爆発しかねなかったからです。

 北朝鮮もこれを受け入れ、文在寅政権に仕切ったフリをさせてやった。見返りにはドルを貰うとの約束があったに違いありません。

 なぜならその後、文在寅政権は米国や日本、欧州の反対を押し切って「ドルの送金パイプ」である開城工業団地や金剛山観光開発を再開しようとしたからです。しかし、トランプ政権の拒絶により送金計画は頓挫しました。

 2019年4月11日のワシントンでの米韓首脳会談が実質2分間で終わってしまったのも、文在寅大統領が開城工業団地などの再開要求を持ち出すのを防ぐためでした(「金正恩が文在寅を〝使い走り以下〟の存在と認定 韓国『ペテン外交』の大失敗」参照)。

 さらには、文在寅政権は「金正恩(キム・ジョンウン)政権の使い走り」「北朝鮮の核武装を幇助する危険な政権」と世界から見切られました。

 文在寅大統領も動きが取れなくなりました。3月1日の「3・1節演説」では「開城工業団地と金剛山観光開発の再開」に言及しました(「米国にケンカ売る文在寅、北朝鮮とは運命共同体で韓国が突き進む〝地獄の一丁目〟」参照)。

 しかし8月15日の「光復節演説」では一切触れなかった。そこで北朝鮮は「食い逃げ」された、とさらに怒ったのです。

ドルを寄こさない韓国とは対話せず

――なるほど! 「食い逃げ」ですか。

鈴置:北朝鮮から漏れてくる情報によれば、金正恩委員長は米国との首脳会談に応じることで韓国からドルを得るつもりだった。しかし韓国は約束のドルをくれないし、米国は経済制裁を緩めない。

 北朝鮮の経済は苦しくなる一方で、金正恩政権への不満が高まっている。金正恩政権は韓国に「早くドルを送れ!」となりふり構わず叫ぶしかないのです。

 先に引用した「祖平統代弁人、朝鮮に言い掛かりをつけた南朝鮮当局者の妄言を糾弾」(8月16日、日本語版)には、北朝鮮の憤まんと焦りが顔をのぞかせています。朝鮮語特有の言い回しが残っていますが、そのまま引用します。

・歴史的な板門店(パンムンジョム)宣言の履行が膠着状態に陥り、北南対話の動力が喪失されたのは全的に南朝鮮当局者の恣行の所産であり、自業自得であるだけだ。

・南朝鮮当局が今回の合同軍事演習が終わった後、何の計算もなしに季節が変わるように自然と対話の局面が訪れると妄想しながら今後の朝米対話から漁夫の利を得ようと首を長くしてのぞいているが、そのような不実な未練はあらかじめ諦める方がよかろう。

 「約束通りにドルを寄こさない韓国」を非難したうえ「再び対座する考えもない」との結論につなげたのです。

新羅も避けた「南北挟撃」

――韓国と北朝鮮の関係は完全におかしくなっているのですね。

鈴置:注目すべきはそこです。両国は対立関係に戻りました。文在寅政権の「和解」プロパガンダに騙されてはいけません。

 一方、韓国は日本とも厳しく敵対しました。要は、韓国は北側の国とも南側の国とも対立し、挟撃――挟み撃ちされる境遇に陥ったのです。

 朝鮮半島の国家は本能的に、国の滅亡に直結する「南北挟撃」を避けてきました。日本と敵対していた新羅も、高句麗や唐の力が強くなると、対日関係の改善に力を注ぎました。朴正煕(パク・チョンヒ)政権の韓国も、北朝鮮に対抗するため日本と国交を正常化して手を握ったのです。

 どの国も「挟撃」状態に陥ることは避けようとしますが、ことに韓国人には苦い記憶があります。李氏朝鮮は16世紀末の文禄・慶長の役で日本に攻め込まれ、国が極度に疲弊。それが癒える間もなく今度は清と戦い、滅亡寸前まで行きました。

 そんな「民族の記憶」があるのに、文在寅政権は「南北挟撃」の状態を創り出してしまった。四世紀ぶりです。

 本来なら同盟国である米国が助けてくれるべきところです。しかし、文在寅政権は米国よりも中国の言うことを聞く。核武装を続ける北朝鮮にカネを送ろうとする。そんな韓国を助けるほど、米国はお人よしではありません。

「島国一族」から蔑み

――北朝鮮にすれば「しめた!」という感じなのでしょうね。

鈴置:北朝鮮も「孤立した韓国」をからかっています。「朝鮮外務省米国担当局長、軍事演習のため北南接触が困難と強調」(8月11日、日本語版)では「米朝蜜月」を誇ってみせました。

・米大統領までわれわれの通常兵器開発試験をどの国でも行うたいへん小さなミサイル試験だと言って、事実上、主権国家としてのわれわれの自衛権を認めた。

「祖平統代弁人、朝鮮に言い掛かりをつけた南朝鮮当局者の妄言を糾弾」(8月16日、日本語版)では、文在寅大統領の光復節演説を評するなかで「日本の輸出管理強化に手も足も出ない韓国」をあざ笑いました。文章を整えて引用します。

・島国一族から受ける蔑みを晴らすための明確な対策も、崩壊する経済状況を打開するこれといった方案もなしに弁舌を振るった。

 お分かりと思いますが、「島国一族」とは日本人の蔑称です。

左派からも文在寅批判

――これだけバカにされて、韓国人は怒らないのでしょうか。

鈴置:保守は烈火のごとくに怒っています。北朝鮮に対してだけではありません。「犬」扱いされても、ミサイルやロケット砲を連日のように撃たれても、対話路線を掲げる文在寅政権に対して、です。

 保守政党と保守系紙は、ことあるごとに文在寅政権の弱腰を非難します。興味深いのは、左派からも文在寅政権への不満が漏れ始めたことです。

 例えば、8月16日の「祖平統代弁人、朝鮮に言い掛かりをつけた南朝鮮当局者の妄言を糾弾」に対し、左派の少数野党である正義党は「我が政府も、もう少し強いメッセージで北を対話に引き出すべきだ」と論評しました。

 文在寅政権を支持していた人々も「悪口を言われっぱなし」「ミサイルを撃たれっぱなし」の状態にフラストレーションを高めています。彼らと話していても、ツイッターなどを覗いても、それがはっきりしてきました。

 文在寅政権から支持層が離れて行く前触れなのかもしれません。この政権にとって深刻な問題になるでしょう。

 日本との経済戦争を理由に政権を批判する人も増えていますが、多くは保守層。もともと反文在寅の人たちなのです。それに加え、支持層までが批判に回ったら大変です。

「安倍よりよくやっている」

――なぜ、文在寅政権は「言われっぱなし」なのでしょうか。

鈴置:この政権の存在意義が「北朝鮮との和解」にあるからです。「言い返し」て、北朝鮮との関係が悪化すれば、過去の保守政権と何ら変わりがなくなってしまう。

 ことに、「この政権が――韓国が、対立していた米朝を仲介して歴史的な首脳会談を実現した」という神話を、国民に広めてしまった後なのです。

 政権に近い韓国人は、文在寅大統領の「外交の天才ぶり」を日本人にも誇りました。日本の専門家の中には、これを真に受け「安倍よりもよくやっている」と褒めそやす人もいました。

 北朝鮮に罵倒されようが、嘲笑されようが、文在寅政権は「天才的な仲介者」のフリを続けねばなりません。その化けの皮が剥がれたら、「我々はまたしても肝心な時に自分の運命を決められなかった」との怒りが政権に向けられるでしょう。

オンドルの上で死ねるか

――でも、米朝双方からこれだけ軽んじられているのです。自らが「仲介者」であると信じる韓国人がまだいるのですか? 

鈴置:確かに、化けの皮ははがれ始めました。でも政権としては、今さら後戻りできない。最後まで「平和を呼んだ仲介者」の演技を続けるしかないのです。傍目にはそれがいかに見苦しい猿芝居でも。

 韓国の歴代大統領の末路は哀れです。畳の上で――韓国には畳はないので、オンドルの上で死んだ大統領はいません。

 歴代政権もそれは分かっているから「とてつもない大きな成果」をあげ、それを盾に下野後の安泰を図る。

 文在寅大統領も「仲介者」の称号は、どんなにぼろぼろになっても絶対に手放さないでしょう。

韓国8月15日 文在寅大統領退陣要求集会には、安倍政権批判集会以上の参加者か

Newsweek日本版 2019年8月20日(火)18時31分配信

──文在寅大統領の退陣を要求する大規模な集会が行われた......

日本統治からの独立記念日である光復節2019年8月15日午後、ソウル光化門広場で文在寅大統領の退陣を要求する大規模な集会が行われた。

韓国のキリスト教総連合会(韓基総)が主催した集会に、複数の保守系団体から合わせて主催者発表5万人、警察推計4万人が参加した。前日には日韓基本条約に基づいて韓国政府が日本から受け取った補償金の支払いを求める訴訟も提起されている。

安倍政権を批判する集会も行われているが

韓国では年間を通じてさまざまなデモや集会が行われている。大規模なデモや集会は光化門広場とソウル駅前で主に開催され、朴槿恵前大統領の罷免を要求する「ろうそく集会」もこの2箇所が主会場となっている。

日本を対象とする大規模なデモや集会は、それほど多くはない。日本人が巻き込まれる恐れがあるのは、毎週水曜日に日本大使館敷地前で行われている「水曜集会」と毎年3月1日の抗日運動記念日、8月15日の光復節前後に各地で発生するデモや集会である。

2019年の光復節は日本政府が韓国をホワイト国から除外する決定を行った直後で、折しもボイコットジャパン運動が広がっている。

光復節に大規模な集会が計画されているという発表を受けた在韓日本大使館は8月9日と8月13日、韓国に居住する日本人に向けて注意を呼びかけるメールを配信、外務省も海外安全情報で、韓国各地で日本関連のデモ・集会等が予定されているという注意喚起を行った。ソウル警察庁の発表は日時と場所、予定規模のみで主催者や目的は公表されない。時期的に反日集会と推定した。

日本大使館前で8月14日に開催された水曜集会には主催者発表で2万人が集まり、15日の夜にも安倍政権を批判する集会も行われた。

文在寅大統領の退陣と米韓同盟の強化を訴える

「8.15文在寅左派独裁政権退陣の日」と銘打った集会には野党の代表や議員、前青瓦台民政首席をはじめ、議員や弁護士、学生団体などが参加し、文在寅大統領の退陣と米韓同盟の強化を訴えた。

また、日本には韓国を統治した見返りに金銭を請求する一方、なぜ北朝鮮に朝鮮戦争の賠償を請求しないのかなど、文在寅政権の北朝鮮政策を批判する声も上がっている。

前日8月14日には、統治時代の徴兵被害者遺族83人が、憲法裁判所に1965年の日韓基本条約に基づいて日本から受け取った補償金を遺族に支給しないのは違憲だという申し立てを行った。

韓国政府は徴兵の死者、行方不明者に2000万ウォン(約174万円)、負傷者には2000万ウォン以下の慰労金を支給したが、条約締結に際して韓国政府が日本に要求したリストに含まれていた被害者への補償金は国民に対して支給されていない。遺族らは、韓国政府が日本から受け取った無償有償5億ドルのなかから補償金を払うことなく、経済協力資金として使ったのは横領に当たると主張する。

日本製品の不買運動には不参加を表明

文在寅大統領の退陣を要求する保守層は、朴槿恵前政権時のいわゆる告げ口外交や李明博元大統領の竹島上陸を支持するなど、保守政権下では反日の旗を振ってきた層でもある。

個々の日本人に対しても謝罪を要求し、領土問題で議論を求めてきたが、現在、韓国で広がっている日本製品の不買運動には不参加を表明する。

日本人に文政権批判への同意を求めるなど、文在寅政権と対立する日本や日本人に歩み寄る姿勢を見せている。韓国の主要メディアは退陣要求デモを報道していない。

 

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