武漢ウイルス

2021年4月 7日 (水)

【コロナ第4波】大阪府<緊急事態解除後>最多878人「9日連続」東京を上回る

 大阪府聖火リレー全域中止 万博記念公園で代替措置 

共同通信 2021年4月7日(水)15時30分配信

 大阪府の吉村洋文知事は7日の記者会見で、新型コロナウイルスの感染者急増を受け府民に不要不急の外出自粛を要請するのに伴い、府内全域で公道を走る東京五輪聖火リレーを中止すると表明した。代替措置として、13、14両日に同府吹田市内の万博記念公園を閉め切って実施する案を大会組織委員会と協議していると明らかにした。

 吉村氏は会見で「不要不急の外出自粛を要請している場合、公道の聖火リレーは中止するという基準がある」と説明。「府内で聖火リレーするのは明らかに密をつくることになり、適切ではないと判断した」と述べた。

 全国新規感染者3000人1月30日以来水準 

FNNプライムオンライン 2021年4月7日(水)17時18分配信

 新型コロナウイルスの全国の新規感染者が、3,000人を超えた。

 大阪府では7日、過去最多の878人の感染が確認され、555人の新規感染者が確認された東京都を9日連続で上回った。

 そのほか、兵庫、奈良、和歌山、新潟の4つの県で過去最多となり、これまでに確認された新規感染者は3,027人。

 3,000人を超えるのは、1月30日以来。

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変異株新規感染1カ月14倍子供の割合増加

朝日新聞デジタル 2021年4月7日(水)21時21分配信

 新型コロナウイルスの変異ウイルスによる新たな感染者数は1週間あたりで、2月末から3月末にかけて全国で14倍に急増した。コロナ対策を厚生労働省に助言する専門家組織は7日、関西圏を中心に変異株が感染急拡大に影響しているとして、不要不急の移動を避けるなど警戒の強化を求めた。

 変異株は従来のウイルスより感染力が強いとされる。全国の変異株の感染者数は2月22~28日に56人だったが、毎週増え続け、直近の3月22~28日は767人となった。

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 特に関西圏が多く、直近は兵庫県が最多の201人、大阪府が次いで180人。一部の新型コロナの感染者に検査をしたところ、兵庫県で75%、大阪府で54%、東京都では3%が変異株だった。ゲノム解析の結果、兵庫は100%、大阪は96%が「英国型」だった。首都圏はいまのまま増え続けると、5月1日ごろに変異株の割合が7割を超える可能性があると指摘した。

 兵庫県と大阪府の5市は「まん延防止等重点措置」の対象となっている。専門家組織は「大阪市内以外や近隣の京都、奈良、和歌山でも感染が急速に拡大している」として、人の移動に伴う変異株の他地域への流出をできるだけ防ぐために不要不急の外出、移動を避ける対策が必要だとした。

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 変異株では、従来のウイルスに比べ10歳未満の子どもの感染割合が高いのも特徴だ。4月6日時点の変異株の年代別の感染者は、40代がもっとも高く15%。10歳未満は10%。従来株では10歳未満は3%と低いが、原因は分かっていない。また、1人が何人に感染させるかを表す実効再生産数は、2月1日から3月22日の平均が、変異株は従来株の1・32倍で、感染力の高さが際だった。

 変異株を見誤り対応が追い付かず…まん延防止東京でも警戒感 

東京新聞 2021年4月2日(金)6時00分配信

 政府は1日、新型コロナウイルス対策の「まん延防止等重点措置」の初適用を決めたが、多くの専門家は「変異株の拡大の速さを見誤り、対応が遅れた」と指摘する。感染力は推計で従来株の約1.5倍。想定外の速さで従来株と置き換わっているという。首都圏ではまだそれほどの広がりはないとはいえ、東京でも警戒感が強まっている。

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陽性者の相当部分が変異株

「(重点措置を)もっと早く発出すべきだったという指摘は複数あった」。この日の基本的対処方針分科会の会合後、釜萢敏・日本医師会常任理事はそう明かした。初適用のため、準備に時間がかかった面もあるが、変異株の拡大の速さに対応が追いつかなかったことは反省点だという。

 大阪府の1日当たりの感染者数は、緊急事態宣言が解除された2月28日は54人だったが、3月31日には10倍以上の599人になり、1日は616人とさらに増えた。

 厚生労働省によると、3月15~21日の抽出検査で、兵庫県では新規感染者の約60%、大阪府では約30%が変異株への感染と確認された。分科会メンバーで、国立感染症研究所感染症疫学センター長の鈴木基氏は「大阪、兵庫は(陽性者の)相当部分が変異株に置き換わっている」と分析する。

近いうちに東京でも

 首都圏での変異株の確認数はまだ多くない。厚労省の3月30日時点でのまとめでは、大阪の130人、兵庫の181人に対し、東京は18人。

 この差について、国立感染症研究所の脇田隆字所長は「関西では感染者が減ったところに、変異株が入り込んで広がったのでは」と説明する。東京は宣言解除後も日々の新規感染者が300~400人で、従来株の市中感染が続いており、変異株が入り込む余地が少なかったという仮説だ。

 東京都による3月22~28日の抽出検査で、変異株の確認は全体の約3%。ただし、都内では最近は連日、変異株の感染者が確認され、3月30日には初の死者も報告されている。

 国立国際医療研究センターの大曲貴夫国際感染症センター長は1日、「大阪との人の移動を考えると、近いうちに東京で変異株が広がる可能性は相当高い。非常に強い危機感を持っている」と語った。

子どもにも

 変異株は約1・5倍という感染力に加え、従来株では少なかった子どもが周りに感染させるケースが多く報告されている。重点措置による対策は、これまでのように飲食店の時短営業が中心となるが、変異株に置き換わっている状況からすると、学校などでの対策も必要になる可能性がある。

 「今回の措置の適用は、変異株を防ぐための対策だと(政府は)明確に言うべきだ」と鈴木氏は強調する。政府が変異株に対する危機感を市民に示し、それぞれが感染予防により気を配るように促すべきだと訴える。釜萢氏も感染拡大を抑えられるかは、「危機感やサプライズ効果があるかにかかっている」と訴えている。

 大阪府2日連続最多878人 公道での聖火リレー中止 

スポーツ報知 2021年4月8日(木)6時00分配信

 東京五輪・パラリンピック組織委員会は7日、大阪府で13、14両日に実施予定だった公道での五輪聖火リレーを中止すると発表した。3月25日に福島県をスタート後、公道での走行が中止されるのは初めて。

 代替措置として聖火ランナーは同府吹田市の万博記念公園で走る。府では新型コロナウイルス感染者数が7日も878人を記録。2日連続で過去最多を更新した。大阪市に出していた不要不急の外出自粛要請を府全域に拡大したため、全域での中止決定を迫られた。

 1回目の緊急事態宣言発令から丸1年。昨年4月7日の大阪は新規感染者数53人だったが、この日はその約16・5倍となる878人にまで増加した。重症病床使用率も最大確保数224床中、入院患者158人で70・5%となり、感染状況の可視化の指針となる「大阪モデル」の赤信号ライン(70%)を突破。吉村洋文府知事(45)は昨年12月3日以来、2度目の「医療非常事態宣言」を発出した。

 吉村氏は「当然“第4波”と認識している。イギリス型変異株の影響も強く出ている。感染の速度もそうだが、重症化のスピードが既存株より速い」と説明した。

 このため、受け入れ医療機関に臨時増床などを要請するとともに、4月8日から5月5日まで大阪府民への不要不急の外出・移動の自粛を要請。今月5日に実施を始めた「まん延防止等重点措置」に加え、感染抑止力をさらに強めた形だ。

 勢いが止まらない感染再拡大は、聖火リレーにも影響を及ぼすこととなった。重点措置適用地域の大阪市内での中止は既に決まっているが、府全域で中止することが決まった。

 府内でのリレーは今月13日に堺市から吹田市まで9市を回り、翌14日に泉佐野市を手始めに大阪市を含む9市町を巡る予定だった。吉村氏は「聖火リレーそのものに反対しているわけではない。

 対策上、明らかに密を作ることになり、公道ではやるべきではない」と、セレブレーション(終了後のイベント)も併せて万博記念公園を封鎖して無観客で実施するプランを披露。丸川珠代五輪担当相(50)、橋本聖子組織委会長(56)らにもこの日、その旨を伝え、組織委から了承された。約180人の走者の希望者全員が参加可能となる。

 今年1月31日に開催され、参加選手が長居公園周回路コースを約15周した「第40回大阪国際女子マラソン」も似た代替措置。「同じところをぐるぐる回るのがリレーとして成り立つのか? はあるかもしれない。地元を走れないのではやめるという方もいるかもしれないが、最低限の人数で完結させたい」と吉村氏。異例の形で、希望の灯をつなぐことになりそうだ。

京大・宮沢孝幸准教授「高齢者施設で感染広がっている」

 大阪府の新規感染者数が過去最多となったことについて、京大ウイルス・再生医科学研究所の宮沢孝幸准教授は「大阪では、重症化リスクが高い高齢者向けの施設で感染が広がっている」と分析した。「各地の新規感染者数の予測をしているが、大阪は想定の範囲内だ。最大1100人と予測していたが、そこまではいかないだろう」との見通しを示した。

 新型コロナの国内での広がりについては、冬場に感染者が増え始め、4月までに減少し、6月ごろは気温が下がることで若干上がる可能性があるという。宮沢氏は「大阪府の発症日別の数字をみると、4月3日がピークだった。感染者数が増えた1月と比較すると、今回は発症率が低く、高齢者を中心とする重症者数が増加している」と指摘し、高齢者施設での対策が必要とした。

 また、東京都では2か月ぶりに500人を超え、555人となった。宮沢氏は「都が公開している発熱センターへの相談件数をみると、今後の兆候をつかみやすい。3月12日が一番少なく、その後、徐々に増えているが、急激に何かが起きている傾向はない」と強調。変異株の影響についてもウイルスは変異するもので、感染力が強くなると弱毒化することが考えられるウイルスの特性を踏まえれば、ある県で感染者数が1日1万、2万人になるということは考えられないと述べた。

 大阪府、病床逼迫一刻争う2度目の医療非常事態宣言 

産経新聞 2021年4月7日(水)22時32分配信

 大阪府が7日、新型コロナウイルスの感染急拡大に伴い、昨年12月に続く2度目の「医療非常事態宣言」を発令した背景には、このままでは確保病床を超える数の重症者が発生し「医療崩壊」に至るとの危機感がある。3月1日の緊急事態宣言の解除から1カ月余り。変異株の影響などで昨秋~2月末の「第3波」を上回る急速な感染拡大に直面し、短期間で対応の見直しを余儀なくされた。

 府によると、直近7日間の新規感染者数は3月23日は961人だったが、2週間後の今月6日に4146人となり、約4・3倍に増えた。昨年6月以降の第2波と同10月以降の第3波の増加速度を上回っている。

 重症病床の使用率をみると、緊急事態宣言解除直後の3月1日は39・4%。同18日に24・1%まで下がった後、今月7日には70・5%にまで「垂直的」に上昇した。昨年10月19日から徐々に上がり、初の「医療非常事態宣言」を出した12月3日に66・0%に達した第3波とは異なる。

 府の分析によると、第3波では重症者が約80人増えるまで35日間かかったが、3月以降の「第4波」では15日間という短期間に。府幹部は「経験のないスピードで病床が埋まっている。病床の確保は一刻を争う」と危機感をあらわにする。

 こうした状況を踏まえ、府は7日までに重症者を受け入れている24病院に対し、新たに約70床を確保するよう緊急要請を発出。軽症・中等症患者を診療している24病院には、重症化した際に転院させず、約30床を上限に入院を継続するよう、5日付で求めている。

 ただ現状は、感染拡大のスピードに確保が追い付いていかない状況だ。府幹部は対策本部会議で「比較的短い期間で(重症者は)確保病床(の224床)を上回る」との見方を示した。

 背景には、変異株の影響がある。府の簡易検査では確定前の変異株陽性者は7日時点で計1100人。3日までの7日間に陽性が判明したのは前週比32・5%増の224人に上った。

 会議では変異株感染者は重症化しやすく、重症化率が高い傾向も示された。既存株と比べると、発症から重症化までの期間は平均6日と2日早く、重症化率は4・7%で2ポイント程度高い。

 病床拡充が進まない別の要因として、看護師確保の問題もある。7日の対策本部会議では「異動や新規採用など、慣れない職員も多い。急に重症病床を増やすのは困難」との専門家の意見が示された。

 重症者向け臨時施設「大阪コロナ重症センター」も全30床の稼働に必要な看護師約120人のうち、現在配置可能なのは70人にとどまる。府幹部は「今後2週間で、全30床を運用できるまでの人員を確保したい」と述べた。

危機意識共有難しい吉村知事

 府は7日、「大阪モデル」の赤信号を点灯させ、「医療非常事態宣言」を発令した。新型コロナウイルスの感染状況を可視化し、府民との危機意識共有を目的に全国に先駆けて策定した独自策だが、赤信号と同宣言の発令はいずれも2度目。府民に行動変容を促すメッセージが伝わるか、懸念もある。

 「感染が拡大すれば自粛をお願いし、収まれば社会経済を動かしていくことを繰り返してきた。危機意識の共有が難しくなっている部分はあると思う」。7日の記者会見で、吉村洋文知事はこう指摘した。

 大阪モデルは昨年5月に策定。感染経路不明者数と陽性率、重症病床使用率の3指標をもとに、赤、黄、緑の信号を点灯させ、府民に自粛要請の解除基準を明示する「出口戦略」の位置づけだ。

 だが、同月下旬には「実態にそぐわない」(吉村氏)として指標を一部変更。7月には「7日間の新規感染者数」を導入するなどし、赤信号点灯中の12月には、黄信号への引き下げ目安も修正した。刻々と状況が変わる中で感染拡大の兆候を正確に捉え、行動変容を促す適切なタイミングを見極めるためだったが、「分かりやすさ」が失われたことは否めない。

 一方、吉村氏は「感染速度が速く、重症化率も高い変異株も出ており、今までと同じやり方はリスクコミュニケーションとして難しい」と言及。大阪モデルの変更も示唆した。

 大阪府変異株は重症化率もく、若い人も重症化しやすい」 

Lmaga.jp 2021年4月7日(水)21時43分配信

 大阪府は7日、新型コロナウイルスの陽性者を新たに878人確認したと発表。20代が27%、30代が16%を占めている。

 4月6日の719人を上回り、2日連続で過去最多を更新した7日。府は午後におこなわれた対策本部会議にて、重症病床の使用率は66.5%と、独自の基準「大阪モデル」で70%を超える可能性があることから「赤信号」を点灯させるとともに、「医療非常事態宣言」を出した。

 吉村知事はツイッターで「変異株は感染速度だけでなく、重症化率も高く、若い人も重症化しやすいです。第三波の陽性者40代以上の重症化率は5.5%でしたが、変異株10.7%。全体でも3.2%が変異株4.7%(現在値)。大阪府全域での不要不急の外出自粛にご協力お願いします」と感染拡大防止を訴えた。

 政府「蔓延防止措置東京に適用へ 沖縄・京都など同時適用も 

産経新聞 2021年4月8日(木)1時03分配信

 政府は、東京都に新型コロナウイルス特別措置法に基づく「蔓延防止等重点措置」を適用する方針を固めた。

 小池百合子都知事が7日、感染状況の悪化を受け「国への要請の準備に入る段階にあると考えている」と表明。政府は都から正式な要請があり次第、対応する構えで、9日にも対策本部を開いて適用を決める。沖縄、京都など感染が拡大している他の府県への適用も検討している。

 菅義偉首相は7日、小池氏の意向を受け「新規感染者数や病床の状況を勘案し、自治体と専門家の意見を聞きながら決定したい」と記者団に述べた。

 東京都の7日の新規感染者数は555人となった。500人を超えるのは2月6日(639人)以来。都関係者によると、23区と多摩地域の一部を対象にすることを想定している。

 厚生労働省に新型コロナ対策を助言する7日の専門家会合では、脇田隆字(たかじ)座長が緊急事態宣言の解除後、東京では夜間の滞留人口が増加しているとして「感染拡大のスピードが上がってくるのではないか」と指摘した。「(全国的に)新たな感染拡大が始まったことは間違いない」とも述べた。

 政府は都から8日に要請があれば9日に適用を決定する方向だ。ほかに政府が適用を検討している京都府の西脇隆俊知事は7日、記者団に「適用も視野に入れて対策の検討を進める」と述べた。

 一方、大阪府は7日、878人が感染したと発表した。800人超は初めてで、2日連続で最多を更新した。府は7日の対策本部会議で、医療体制の非常事態宣言発出を決めた。大阪市に出していた不要不急の外出自粛要請の対象は、8日から府内全域に拡大する。

 直近1週間の新規感染者は4425人で、2週間前の4倍。政府の対策分科会が示す「ステージ4(爆発的感染拡大)」の指標を複数満たし、会議で府幹部は「緊急事態宣言レベル」と説明した。

 兵庫県も7日、過去最多となる328人の感染を発表した。

 

2021年4月 1日 (木)

【コロナショック】WHO報告書「“起源”は野生動物か」中国に残る懸念

 コロナ起源野生動物?WHO報告書。未だ飼育認める中国への懸念 

NATIONAL GEOGRAPHIC 2021年3月31年(水)18時06分配信/DINA FINE MARON

食用以外なら中国は容認、新たな感染症が広がるリスクも

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の起源を調査するために2021年1月に中国を訪れた世界保健機関(WHO)は、ウイルスは複数の異なる動物種を経てヒトに感染した可能性が最も高いとする報告書を3月30日に発表した。また、最初に由来する動物はコウモリかセンザンコウであり、研究所からウイルスが漏れた可能性は非常に低いとしている。

 コウモリやセンザンコウから別の動物(中間宿主)を経てヒトに感染した可能性が高いという結論について、「我々の多くがずっとそう考えてきました」と、米コロンビア大学感染症免疫学センター長で、2020年1月に中国で仕事をしていたイアン・リプキン氏は言う。だが氏は、「中間宿主を特定しておらず、まだ不確実です」とも付け加えた。

 報告書によれば、2019年末から感染爆発が起きた武漢華南市場は、最初の症例とは無関係であり、ヒトへの感染が初めて起きた場所ではないという。ただし、華南市場にどのようにしてウイルスが持ち込まれたかや、その役割については結論を述べていない。また、どの動物が関わったのかをはっきりさせるよう、畜産農場と野生動物農場双方のルートを調査するよう提唱している。

コロナ以前の野生動物農場の実態

 パンデミック以前に中国にたくさんあった、小さな肉食用野生動物農場を訪ねたときのことを、動物愛護団体「ヒューメイン・ソサエティ・インターナショナル」の中国政策専門家であるピーター・リ氏はこう振り返る。

 長くふさふさとした尾を持ち、顔にはアライグマのような模様があるハクビシンが、10匹ほど同じ囲いの中に入れられていた。その飼育場は豚舎を転用したものだった。ハクビシンは8~12カ月ほどそこで飼われた後、売却されていた。野生動物が密集した不衛生な状態で飼育されていれば、病気が蔓延する可能性は非常に高いと、米ヒューストン大学ダウンタウン校の東アジア政治学教授でもあるリ氏は述べる。

 こうしたハクビシンの一部は最終的に、高級レストランで高価なスープの材料になったとみられる。中国では、ハクビシンは一部の人たちからごちそうとして珍重されている。

 パンデミック以前は、こうした野生動物農場から、中国の野生動物市場に生きたハクビシン、タケネズミ、ワニ、ヤマアラシ、ヘビなどが供給され、主に飲食店に向けて販売されていた。

 多くの飼育場があった中国南部の雲南省ではまた、人間の間で流行している新型コロナウイルスとほとんど変わらないウイルスがコウモリから発見されている。一部の野生動物農場では、ハクビシンなど、コロナウイルスに感染する可能性がある別の動物も販売されていたため、科学者らは、そうした種は新型コロナウイルスにも感染しやすいのではないかと考えている。

「可能性としては、そうした動物の一部が飼育場で感染し、その後ウイルスを市場に持ち込んだことが考えられます」と、WHO調査団を率いたデンマーク人の食品安全の専門家ピーター・ベン・エンバレク氏は2月、「サイエンス」誌に語っていた。

 多くの野生動物農場は原生地域に隣接しており、飼育されている動物たちは近くにすむ感染したコウモリの排泄物から容易に感染しうる状況にあった。そのうえ、リ氏によると、一部の飼育場ではおそらく、捕獲販売する野生個体の不足をカバーするために繁殖を行い、それらを販売していたと思われる。

 ウイルスが飼育下にある個体(野生由来であれ繁殖されたものであれ)に入り込んでしまえば、それは個体から個体へと感染し、その過程で変異していく。そうした個体が市場に到着するころには、ウイルスはまた別の種、つまりはヒトに感染できるまでに進化していたかもしれない。

 今回のパンデミックを受けて、中国は2020年2月、食用の野生動物の販売と消費を禁止した。2020年末にはさらに、政府は新型コロナウイルスへの対応の一環として、食用の飼育場をすべて閉鎖したと発表した。だが、毛皮や伝統薬など、その他の目的での飼育は容認している。

 これはつまり、捕獲された野生動物から病気が広がるリスクは消えていないことを意味すると、英国ロンドンのNGO「環境調査エージェンシー」に所属し、中国に200カ所以上あるトラ牧場の調査を行っているデビー・バンクス氏は言う。

 とくに懸念されるのは毛皮を採取するための飼育場だ。たとえば、完全な野生動物ではないものの、ミンクは新型コロナウイルスに対して脆弱で、ヒトに感染させる可能性がある。中国のミンク飼育場においてすでに、欧米にある数百の飼育場と同じようなコロナウイルスの集団感染が起こっているかどうかは定かではないが、中国のミンク市場の規模は大きく、2019年には1100万匹分以上の毛皮が生産されている。

感染ルートの特定は困難でも重要

 野生動物の飼育場は新型コロナウイルスの感染源になり得るものの、もし強力な証拠が存在すれば「非常に驚きだ」とリプキン氏は言う。

 自分が知る限り、飼育場が動物からヒトへの新型コロナウイルスの感染をうながすきっかけとなったことを証明する検査は行われていないと、リプキン氏は言う。また、たとえ今ウイルスが飼育場で発見されたとしても、その場所が初期の流行において重要な役割を果たしたのか、あるいはそこの動物たちが最近になって感染したのかを見極めることはできない。

 パンデミックからすでに1年以上が経過しており、感染ルートを特定する証拠を得るのは難しいように思われる。それでも、ウイルスがどのように人間に感染したのかという知識の空白を埋めることは、新型コロナウイルス感染症のパンデミックを理解し、将来的に動物由来の感染症と闘ううえで非常に重要だ。

 120ページに及ぶWHOの報告書では、感染源となった地域やヒトへの感染がどのように始まったのかは、結局のところ明らかにされなかった。WHOのテドロス事務局長は「すべての仮説がテーブルの上に残っています」と声明で述べ、引き続き調査を続けるという。

 コロナ起源調査共通の懸念」日米など14カ国声明 

朝日新聞デジタル 2021年3月31日(水)10時00分配信

 世界保健機関(WHO)が新型コロナウイルスの起源を中国・武漢で現地調査した報告書について、日米など14カ国の政府は30日に共同声明を出した。声明は「調査が大幅に遅れ、完全な元データや検体へのアクセスが欠如していた」とし、WHOの中国での調査について「共通の懸念」を示した。

 30日に公開されたWHOの報告書は「(武漢の)研究所から流出した可能性は極めて低い」と指摘。元々ウイルスを持っていた動物から、別の動物を介して感染した可能性などがあると結論づけた。ただ、中国側に「初期の患者の生データを求めたが得られなかった」と証言する調査団のメンバーもいた。

 14カ国は声明で、新型コロナの起源を追究することは大切だとした上で、「干渉や不当な影響を受けず、透明性のある独立した分析、評価」が必要だと指摘。今後も未知の病原体が世界的な感染症をもたらす可能性を踏まえ、WHOとすべての加盟国に対し、起源の調査では、アクセスと透明性の確保、適切なタイミングでの実施ができる体制を整えるように求めた。

 声明には日米のほか、オーストラリアとカナダ、チェコ、デンマーク、エストニア、イスラエル、ラトビア、リトアニア、ノルウェー、韓国、スロベニア、英国が名前を連ねた。

 米ホワイトハウスのサキ大統領報道官は30日、会見で中国は調査に十分協力したかを問われ、「彼らは透明性を欠いていた。基礎となるデータを提供していない。協力とは言えない」と語った。

 WHO報告書「中国研究所からウイルス流出」説ほぼ否定、再調査も 

産経新聞 2021年3月31日(水)7時44分配信

 世界保健機関(WHO)は30日、新型コロナウイルスの起源解明のため中国湖北省武漢市で調査を行った国際調査団の報告書を公表しした。報告書は、「中間宿主」となる動物を介した感染が最も可能性が高いとし、中国の研究所からウイルスが流出したとの仮説をほぼ否定した。人に感染が広がった経緯について明確な結論は下せず、WHOのテドロス事務局長は中国に調査団を再び派遣する可能性を示した。

 報告書では、人への感染経路に関し、4つの仮説を検証。その結果、有力な仮説の順番を、(1)ウイルスを宿した動物から別の動物「中間宿主」を介した感染(2)野生動物からの直接感染(3)冷凍食品などの食品流通網を経由した感染(4)研究所からの流出と結論づけた。

 報告書では、(1)の仮説について、中間宿主を介したウイルス感染は他にも事例があることなどから「可能性が非常に高い、もしくは高い」と評価した。ただ、中間宿主の特定には至らず、新型コロナに似たコロナウイルスはコウモリやセンザンコウから検出されたものの、ミンクやネコが感染しやすいことから他の動物の可能性もあるとした。

 (2)の仮説については、コウモリとの接触が多い人からコウモリのコロナウイルスに対する抗体が発見されたことなどを根拠に「可能性が高い、もしくは可能性がある」とした。

 (3)の仮説については、実際に輸入した冷凍製品の包装の外側から新型コロナが見つかった例があることから「可能性がある」と分析した。

 最後に、(4)の「中国科学院武漢ウイルス研究所」などの研究所からウイルスが流出した仮説について「極めて可能性が低い」とした。根拠として、各施設の安全管理が行き届いていたと指摘。中国当局が武漢で初症例を確認したとする2019年12月より前に、研究員らに新型コロナの症状が確認されていないことを挙げた。

 テドロス氏は30日、調査結果を受け、「今 回の調査が十分とは考えておらず、より確かな結論にたどり着くためにさらなるデータや調査が必要となる」とし、現地での追加調査に意欲を示した。

 冷凍食品に付着したウイルスが国外から流入した(3)の仮説を支持していた中国の外務省は同日、声明で「科学的で専門的な精神を示した」と報告書を称賛した。一方、日本や米国など14カ国は31日未明、WHO調査に対し「懸念を表明する」との共同声明を出した。

 中国の主張に沿ったコロナ報告書…WHOは不満、強い権限なく 

産経新聞 2021年3月31日(水)12時47分配信

 世界保健機関(WHO)と中国が共同執筆した新型コロナウイルスの起源に関する報告書の発表を受けて、WHOと中国側の見解の相違が表面化した。中国側は同国の主張にほぼ沿った報告書を称賛したが、WHOは調査が十分にできなかったと不満を表明した。情報開示に消極的な中国の姿勢を背景に、強い調査権限を持たないWHOの改革が喫緊の課題となっている。

 WHOが30日に発表した報告書では「武漢起源」説を否定したい中国の意向を尊重する見解が目立った。

 人への感染経路をめぐる有力な仮説と位置付けた「『中間宿主』の動物を介した感染」や「野生動物からの直接感染」に関して、報告書は調査範囲を中国だけではなく、他国にも広げるべきだと指摘した。ウイルスを宿した動物が密輸ルートで中国内に入った可能性も視野に調査するためだという。

 さらに、報告書は、冷凍食品に付着したウイルスが国外から流入した仮説を排除せず、世界各地の食品業者などを調べる必要性を示した。中国の研究所からウイルスが流出したとの仮説もほぼ否定し、「報告書は中国が思い描くシナリオに限りなく近い内容になった」(英与党・保守党議員)とみられている。

 中国外務省は30日の声明で「科学的で専門的な精神を示した」と報告書を絶賛した。

 一方、WHOは「武漢起源」説を警戒する中国の姿勢に同調しない方針を示した。WHO国際調査団のベンエンバレク団長は同日の記者会見で、新型コロナの起源をめぐる調査について「引き続き武漢に注目している」と強調した。

 それにもかかわらず、報告書で中国側の主張が色濃く出たのは、「WHOが中国側の見解に反論するだけのデータを持ち合わせておらず、押し切られてしまったためだ」(感染症の英専門家)。

 WHOのテドロス事務局長はこの日、報告書について「(中国側から)データを十分に提供されず、広範囲にわたる分析が行われたとは思えない」と不満を示した。報告書でほぼ否定された中国の研究所からのウイルス流出説についても「さらなる調査が必要だ」と訴えた。

 調査団が新型コロナの起源を探った今回の調査をめぐっては、中国側が初期の感染例について生データ提供を拒否した。WHOの調査は対象国の同意が前提で強制権がないことから、調査団は中国の意向に従わざるをえなかった。

 新型コロナ対応を検証する独立委員会はWHOの権限不足を問題視しており、米国などの加盟国は権限を強化する改革が必要との見方を強めている。

 受容できぬ「WHO武漢調査団」報告書 

Japan In-depth 2021年4月2日(金)23時06分配信/島田洋一(福井県立大学教授)

【まとめ】

WHO調査団が研究所発生源説否定。中共の宣伝工作に利用されただけ
中国を民主的で透明性のある体制に変えない限り、真相は不明のまま
WHO調査団の報告書は受け入れないを国際的な共通認識に

 世界保健機関(WHO)が3月30日、新型コロナウイルスの発生源の解明などを目的に今年1月から2月にかけて中国の武漢を訪れた国際調査チームの報告書を公表した。チームは17人の国際研究者と17人の中国人研究者によって構成された。

 現地調査は中国共産党政権(以下、中共)の徹底した管理の下で行われ、当初からその宣伝工作に利用されるだけに終わるのではないかと危惧されていた。残念ながら危惧が現実化したと言わざるを得ない。

 とりわけ問題なのは、報告書が、新型コロナウイルスが武漢ウイルス研究所から漏れ出た可能性を「極めて低い」(extremely unlikely)と結論づけたことである。同研究所は、大量感染が確認された市場から数キロの距離にある。

 報告書はそう判断した理由を、同研究所が安全面で「よく管理され、所員の健康チェックもなされている」からだと説明する。

 しかし国際調査チームの一員でアメリカ人のピーター・ダスザク氏は、メディアの質問に対し、中国側研究者の説明をそのまま受け入れたに過ぎない旨を告白している。なお同氏は武漢ウイルス研究所と共同研究を行ってきた過去があり、かねて「利益相反」関係を指摘されてきた人物である。いわば中共とWHOの癒着を象徴する存在と言える。

 実際、武漢ウイルス研究所は、コロナウイルスに関して、危険度の高い「機能獲得」(gain of function)実験を行っていた。2018年に現場を視察した米国政府職員は、専門知識を持った技術者が不足しており、管理がずさんでパンデミックを招きかねないとの報告を上げている。

 中国語に堪能なマット・ポティンジャー前大統領安保副補佐官は、3月28日、米CBSテレビのインタビューに答え、「中国政府は認めていないが、中国軍と武漢ウイルス研究所は一連の共同研究を行ってきた。我々はそのデータを持っており、私自身そのデータを見た」と証言している。

 ポティンジャー氏はまた、米政府が得た情報によれば、武漢ウイルス研究所では、「特に、COVID-19ウイルス同様、人間の肺においてACE2受容体と結合するコロナウイルスの研究を行っていた」という。

 2019年秋には研究所で、新型コロナ感染症と類似した症状に陥った職員が出たとの情報も米政府は公にしている。

 従って、「状況証拠に照らせば、(パンデミック発生は)何らかの人的エラーに因ると考える方が、自然発生的現象と考えるより遥かに理にかなっている」とポティンジャー氏は主張する。

 日米英など14か国の政府は30日、WHO報告書に関して、「国際的な専門家による調査が大幅に遅れ、完全なデータやサンプルにアクセスできなかったことに懸念を表明する」とした共同声明を発した。

 その通りだが、ただしWHOに同様の枠組みでの再調査をさせても無意味である。結局のところ、中国を民主的で透明性のある体制に変えない限り、真相は明らかにならないだろう。

 とりあえず、WHO国際調査団の報告書を受け入れないことを国際的な共通認識としたい。

 国務長官✋中国への懲罰措置消極的、コロナ対応で 

産経新聞 2021年3月29日(月)10時38分配信

 ブリンケン米国務長官は28日放送されたCNNテレビの報道番組で、中国による新型コロナウイルス危機への初動対応が不適切だと問題視されていることに関し、中国に懲罰的措置を取ることに消極的な立場を示した。

 ブリンケン氏は「過去(の行動)について説明責任を果たすことは重要だ」としつつ、世界保健機関(WHO)が近く公表する中国でウイルスが発生した経緯や感染経路などに関する調査報告書の内容を確認したいとした。

 ただ、報告書に関しては「中国政府が報告書の執筆を手助けしたとみられる」と指摘するなど多くの問題があるとし、「(調査の)手法やプロセスを真剣に懸念している」と語った。

 同氏は一方で「私たちにとっての課題は、次なる感染症の拡大阻止のために全力を挙げることだ」と指摘。「WHOを含め、透明性や情報共有、初動時の国際的専門家の(感染地域への)アクセスなどが確保される形で、より強力な(感染症対策の)システムを構築することに焦点を当てる必要がある」と強調した。

 中国にも対策強化に向けて一層の取り組みを要求するとも語った。

 トランプ前大統領は「中国が初動の段階で感染拡大を食い止めることができるのにしなかった」と非難し、「中国には代償を払わせる」と警告していた。

 ブリンケン氏は、米中関係自体については「敵対的な要素が一層強まっているのは明らかだ」と指摘し、中国に対して「強い立場から取り組んでいく必要がある」と強調した。

 

2021年3月31日 (水)

【コロナ第4波】大阪府<緊急事態宣言✍解除後>最多599人「マンボウ」適用要請へ

 大阪府まん延防止等重点措置適用を要請へ―全国初 

Bloomberg 2021年3月31日(水)17時39分配信

 新型コロナウイルスの感染者急増を受け、大阪府は「まん延防止等重点措置」の適用を全国で初めて国に要請する。31日の対策本部会議で決めた。

 共同通信によると、政府は早ければ4月1日にも決定する方向で調整に入った。

 吉村洋文知事は対策本部と記者会見で、遅くとも4月5日から開始し、期間は3週間程度必要だとの考えを示した。午後8時までの飲食店の営業時間短縮などの対策を大阪市内で集中して実施する。

 同措置は緊急事態宣言を発令していなくても都道府県知事が飲食店に営業時間短縮を命じ、拒否した場合は過料を科すなど強い対策を実施できる制度。政府が期間や区域を決定する。

 大阪府では31日、宣言解除後で最多となる599人の新規感染が確認された。

大阪新た599人感染2日連続東京上回る

読売新聞オンライン 2021年3月31日(水)15時36分配信

 大阪府内で31日に新たに確認された新型コロナウイルス感染者が599人に上ることがわかった。東京都の新規感染者数を2日連続で上回った。599人は、政府に「緊急事態宣言」の発令を求めた1月上旬と同水準。

 米国感染状況「これから大変なことに=米CDC所長 

BBC News 2021年3月30日(火)14時32分配信

 新型コロナウイルスのワクチン接種が進むアメリカで、感染者や入院患者が増えている事態を受け、米疾病対策センター(CDC)所長が29日、「これから大変なことになる」と警告した。

 CDCのロシェル・ワレンスキー所長はホワイトハウスで記者会見中、予定された発言の「原稿から離れて」話すと前置きし、「これから大変なことになるという暗澹(あんたん)たる気持ちが、繰り返しやってくる」と述べた。「前向きになるべき理由はたくさんあるものの、現時点で私は怖い」とも言い、多くの欧州諸国で新型コロナウイルスの感染者や死者が再び急増している事態がアメリカでも起きないか心配だと話した。

 29日にはジョー・バイデン米大統領がホワイトハウスからテレビ演説をし、各州知事に公共の場でのマスク着用を再び義務化するよう呼びかけた。大統領はさらに、4月半ばまでにはアメリカの全成人の9割が少なくとも1回目のワクチン接種を受けられるようになると約束した。

 CDCによると、アメリカではこの1週間、前週から7%増となる1日約6万人の新規感染が連日報告されている。

 米紙ニューヨーク・タイムズによると、とりわけミシガン州や、ニューヨーク州、コネチカット州など東北部で感染が急激に拡大している。

 アメリカでは新型ウイルス対策のルールは州ごとに異なる。マスク着用義務を解除した州もある。

いま気を緩めないで

 ホワイトハウスからテレビ演説をしたバイデン大統領は、「いま気を緩めたら、ウイルスの状況は改善するどころか、今よりもっと悪くなる」と警告した。

 バイデン氏は、社会的距離やマスクなどの指針に引き続き従うよう促し、「最後まで闘おう」、「いま手を抜いたらだめだ」などと強調した。

 その上で大統領は、アメリカのワクチン接種事業が予定を大幅に前倒しして成功していると説明。4月半ばまでにはアメリカの全成人の9割が少なくとも1回目のワクチン接種対象となるほか、接種会場は必ず自宅から8キロ以内に用意されると述べた。

 バイデン氏はこれまでに、アメリカの全成人が5月1日までに接種に登録できるようになると話している。

 CDCによると、アメリカではすでに65歳以上の7割以上が少なくとも1度の接種を受けているほか、成人の約4割が少なくとも1度の接種を受けている。2度の接種を終えた成人は20%を超えた。

 誰がワクチン接種対象になるかについて、ルールは州ごとに異なるが、ほとんどの州で医療従事者や65歳以上の接種は数カ月前から始まっている。ニューヨーク・タイムズによると、ジョージア州やアリゾナ州など一部の州ではすでに16歳超の全員に、ワクチンを提供している。

ブラジル過去最多「1日で10万人超コロナ感染

ロイター 2021年3月26日(金)9時41分配信

 ブラジルで25日、新型コロナウイルスの新規感染者数が24時間で10万0158人に達し、過去最多を更新した。ボルソナロ大統領のコロナ対応を巡り、批判がいっそう強まっている。

 25日に発表された死者数は2777人。累計の死者数は前日に30万人を突破し、米国に次ぐ多さとなっている。

 ブラジルの新規感染者数は、ワクチン接種を巡る課題や一貫性のない感染対策、変異株の出現などを背景に週間で最多記録を更新してきた。

 ボルソナロ大統領はこれまでも、ロックダウン(都市封鎖)を阻止しようとする措置やマスク軽視、ワクチンへの懐疑的な姿勢などを巡り批判を浴びてきた。だが、感染拡大が止まらない中、ボルソナロ氏に近い有力議員からも、大統領の対応を非難する声がいっそう強まっている。

ブラジル1日のコロナ死者数4000人は“すぐそこ”

BUSINESS INSIDER 2021年3月30日(火)8時10分配信

 ブラジルの新型コロナウイルス感染症(COVID-19)による週平均の死者数は、世界全体の26%を占めている。

 AP通信によると、状況は厳しく、悪化の一途をたどりそうだ。

 4000人という1日あたりの死者数は「すぐそこ」だとサンパウロのある医師は警鐘を鳴らしている。

 ブラジルが新型コロナウイルスにあえいでいる。報道によると、死者数が急増し、火葬場はパンクしているという。

 ブラジルの1日あたりの死者数は現在、世界中の他のどの国よりも多いとAP通信は報じた。

 Worldometersによると、ブラジルでは3月27日(現地時間)、3368人の新型コロナウイルス関連死が報告されたという。

 その週平均の死者数 ── 1日あたり2542人 ── は、Our World In Dataによると、世界全体の26%を占めている。

 あまりにも死者が多いため、サンパウロの墓地では2、3分ごとに埋葬が行われているとCNNは報じた。

 火葬場はパンクしているという。ある施設では、1日あたりに対応できる数の3倍もの需要があると、CNNは伝えている。

 状況は厳しく、専門家によると、それは悪化の一途をたどりそうだ。

「公的医療制度、効果的な予防接種キャンペーンの歴史があり、どこにも負けない医療従事者のいる国で、想像もしたことのないレベルをわたしたちは上回っている」とデューク大学の神経生物学の教授ミゲル・ニコレリス(Miguel Nicolelis)氏はAP通信のインタビューで語った。

次は医療制度の崩壊だ

 ブラジルの医療制度はプレッシャーに負けそうになっているとAP通信は報じた。ほぼ全ての集中治療室(ICU)の病床が埋まっているもしくはほぼ埋まりそうな状況だという。

 1日あたりの死者数もすぐに4000人に到達する恐れがあると、ある専門家はAP通信に語った。「1日あたり4000人という死者数は、すぐそこまで迫っているように見える」とサンパウロ病院のスーパーバイザーの1人、ホセ・アントニオ・クリアチ(Jose Antonio Curiati)氏は話している。

 人から人へ非常に広がりやすい変異ウイルスが大惨事をもたらし、ブラジルの死者数は30万人を超えた。

 これには、ボルソナロ大統領がロックダウン(都市封鎖)措置の導入に抵抗しているせいだとの批判の声もある。

 大統領は、ロックダウンは経済にとって実行可能ではないと繰り返し主張し、根拠のないCOVID-19の治療法を奨励し続けていると、ニューヨーク・タイムズは報じた。

 そして、ロックダウン措置を導入しようとした州知事や市長らを「独裁者」と呼んだとBBCは報じている。

 3月上旬には国民に対し、ウイルスについて「泣き言を言うのは止めろ」と言い放った。

 ルラ元大統領を含め、ボルソナロ大統領を批判する人々は、大統領のコロナ対応に反対の声を上げてきた。

「これはわたしたちの歴史上、最大のジェノサイド(大量虐殺)だ」とルラ元大統領は語った。

 変異株拡大のハンガリーコロナ死亡率=世界最高 

AFPBB News 2021年3月26日(金)12時59分配信

 新型コロナウイルス変異株の感染者が急増しているハンガリーで、直近1週間の人口当たり死亡率が世界最高を記録したことが25日、AFPの集計で明らかになった。医療機関の逼迫度もかつてなく上昇している。

 人口980万人のハンガリーではこの1週間で死者数が41%超増加し、25日には過去最多の272人が死亡した。人口10万人当たりの直近7日間の平均死亡率は世界最高の15.7で、チェコ(12.7)、ボスニア・ヘルツェゴビナ(12)、スロバキア(10.5)、ブルガリア(10.5)を大きく上回っている。

 ハンガリーでは2月から感染力のより強い英国型の変異株が流行し始め、感染者数が急増。政府統計に基づく25日の新規感染者数は9637人だった。入院患者数は約1万2000人で、うち約1500人が人工呼吸器を使用している。

 専門家によると、現在は新規感染者数の80~90%を英国型の変異株が占めており、新型コロナ関連の入院件数は4月にピークを迎えると予想される。

 ハンガリー医師会議所(MOK)は今週、医療現場では病床も人手も不足しつつあると警鐘を鳴らした。MOK関係者は、1年前に欧州で最初の感染拡大が起きたイタリア北部ベルガモ(Bergamo)と同様の医療崩壊が起きる恐れがあると指摘している。

 報道機関には医療機関への立ち入りを認められていないが、医療従事者らは地元メディアに逼迫した状況を訴えている。

 ハンガリーは、欧州連合(EU)域内でワクチン接種率が2番目に高い。EUが供給する欧米製ワクチンに加え、中国医薬集団(シノファーム、Sinopharm)製ワクチンやロシアの「スプートニクV(Sputnik V)」が既に使用されているほか、今週には新たに中国製とインド製のワクチン2種が承認された。

 グヤーシュ・ゲルゲイ(Gulyas Gergely)首相府長官は25日、総人口の18%以上に相当する約170万人がワクチン接種を受け、うち50万人以上が既に2回目の接種を終えたことを明らかにした。

 

 

2021年3月25日 (木)

【緊急事態宣言】解除(21日)後「第3波」超える「第4波」急拡大の様相

全国で1500人超感染確認  リバウンドへの警戒感 

FNNプライムオンライン 2021年3月24日(水)0時16分配信

 23日、全国で新たに1,503人の新型コロナウイルスへの感染が確認された。

 各地で「リバウンドへの警戒」が強まっている。

 東京都で23日、新たに感染が確認されたのは337人で、4日連続で前の週の同じ曜日の感染者数を上回った。

 発症前に大学の卒業旅行に行っていた人が数人いたということで、都の担当者は「緊急事態宣言が解除され、人の流れが増えていて、さらに感染が広がらないか心配だ」と、リバウンドへの警戒感を示している。

 また、大阪府では183人の感染が確認された。

 180人を超えるのは2月6日以来。

 このほか、宮城県で過去2番目の多さとなる121人、沖縄県ではおよそ2カ月ぶりに70人を超える75人など、23日、全国では1,503人の感染が確認されている。

 感染再拡大宣言解除、その意味今後見通し 

JBpress 2021年3月24日(水)6時01分配信

 新型コロナウイルス感染症の感染がわずかながら再拡大に転じた中、緊急事態宣言が解除された。それが意味することと今後やるべきことを讃井將満医師(自治医科大学附属さいたま医療センター副センター長)が考察する。

 一都三県の緊急事態宣言が解除されました。解除をめぐっては、「もっと感染を抑え込んでからの解除でなければ、すぐにリバウンドが起こる。解除反対」「もはや緊迫感がなくなっているので、緊急事態宣言を続けても効果は薄い。解除賛成」「そもそも緊急事態宣言の再々延長に意味がなかった」などさまざまな意見があり、そのどれもが一定の妥当性をもっています。

 混乱の一因として、3月7日になぜ再々延長して21日になぜ解除したのか、整合性が見えないこともあるでしょう。私自身、解除やむなしと思っていますが、解除が正解だとまで断言することはできず、正直モヤモヤしている部分もあります。

データから整理する解除の意味と今後の見通し

 そこで、データをもとに、解除の意味と今後の見通しを整理してみました(データは3月17日現在の埼玉県のものですが、首都圏ならびに全国でも相当程度共通する傾向があると考えられます)。

 新規陽性者数 1週間移動平均で見ると、1月上旬から中旬にかけては500人を超えていたが、2月下旬には約100人にまで減少した。しかし、3月初旬からわずかながら再び増加に転じた。現在、レベルとしては12月初旬に相当。

 PCR陽性率 1週間移動平均で、1月上旬には約11%だったものが、3%台前半まで低下。なお、PCR陽性率とはPCR検査において陽性と判定される人の割合で、PCR陽性率が低いほど、感染者の捕捉率が高い=見逃しが少ない、すなわち検査数が相対的に足りていることを示す。

 病床使用率 1月上旬から60%以上が続き、一時は75%を超えたが(1月31日75.5%、うち重症58.6%)、入院患者数の減少(最大約1000人から500人台に減少)および確保病床の増加により、約37%に低下した。重症病床使用率も約20%に低下。

 年齢別動向 3月に入り、10代・20代の新規陽性者が増加。

 感染経路の動向 3月に入り、それまでなかなか減らなかった高齢者施設における発生が減少。一方で、学校での発生が顕著に増加。1月下旬以降大きく減少していた飲食店・会食での発生も、3月に入り再び増加に転じた。また、2月中旬から昼カラオケでの高齢者の感染が増えている。感染経路不明割合は減少傾向で、3月17日時点で34.5%。

 死亡率 第2波以降、全体の死亡率は下がっている。

 変異株陽性者数 埼玉県内の確認件数は累計57人と多いので注意が必要(イギリス株42人、ブラジル株15人。全国では、イギリス株374人、ブラジル株17人、南アフリカ株8人、総計399人)。事業所、家庭、子ども施設、スポーツ団体競技で小さいクラスターが発生しているが、まだその周囲には広がっていない。クラスター対策で追えている。

 以上のデータをまとめると、第一に、緊急事態宣言により感染状況が落ち着いてきているのは確かだと言えるでしょう。10万人当たりの新規陽性者数、病床使用率、PCR陽性率、感染経路不明割合などの指標は、すべてステージ3相当まで下がりました。

 一方で、3月上旬に新規陽性者数がわずかながら増加に転じ、実効再生産数(1人の感染者が何人に感染が広がるかを示す指標。1人を下回れば感染は収束へと向かう)も1を上回ってしまいました。感染は再拡大し始めたと考えられます。

 気になるのは、感染が十分下げ切らないうちに再拡大が始まってしまったことです。埼玉県では3月5日に、政府に宣言解除を求める際の目安を独自に公表しました。「(1)入院患者数が1週間平均で500人以下、(2)1週間の人口10万人当たり新規陽性者が7人以下」というものでしたが、その目安をクリアする前に再拡大に転じてしまいました。実際、医療現場でも入院患者の減少が止まった印象を受けています。

 感染者をゼロに抑え込まない限り、宣言を解除すれば感染者は増加します。ましてや感染拡大に転じた中での宣言解除は、急激なリバウンドを起こすリスクがあります。その観点では、今回の宣言解除は理屈に合っていないと言えます。しかし一方で、感染が下げ止まった後に拡大に転じたのは、緊急事態宣言の効果が薄れてしまったからだと見ることもできます。

 私は、今まで以上の強い措置をとらない(とれない)なら、緊急事態宣言をこれ以上続けても効果はあまり期待できないと考えます。国民の自粛疲れは限界に近く、2月下旬頃から人流が増え、宣言の効果が薄れつつあります。

 ただし、宣言解除後も、引き続き人びとの行動を抑制する施策は続ける必要があると思います。直近の報道では、解除後も「まん延防止等重点措置」により時短命令が出ること、解除後も「Go To トラベル」は当面再開されないことが伝えられています。だとすれば、宣言解除は人びとの気の緩みを助長する面はあるにしても、人流に大きな変化はないかもしれません。第3波を引き起こした要因には、12月28日まで「Go To キャンペーン」が続いたり、飲食の機会が増えたことがあったのではないでしょうか。同じような明確なアクセラレーターがなければ、感染者数の増加は避けられないものの、急激な増加はない──やや楽観的かもしれませんが、そう期待しています。

時間稼ぎになった再々延長の2週間

 では、そもそも2週間の再々延長に意味はあったのでしょうか。データは、その間に新規陽性者が増加に転じた一方で、入院者数は減少して一定程度に落ち着いたことを示しています。同時に病床の増床も進みました。

 データには現れませんが、高齢者施設に対する施設内感染対策の指導教育をあらためて徹底することもできました。また、高齢者施設の職員を対象とした定期的なPCR検査も拡充できました。いずれも、3月に入って急激に減少した高齢者施設での感染発生を低水準のまま維持するため、そして今後来るかもしれないリバウンド時に高齢者施設でクラスターを発生させないためです。重症化しやすい高齢者の感染は、医療の逼迫に直結します。それを防止することはきわめて重要なのです。

 そのほか、診療体制を改善する継続的な取り組みとして、さらに病床の確保を進めるとともに、新型コロナウイルス感染症の診療の質と安全性を向上させるために、医療従事者向けに月2回程度のウェブ勉強会も行われています(参考資料はこちら)。

 以上から、再々延長の2週間は、ある程度時間稼ぎになったのではないかと思います。何のための時間稼ぎかといえば、それはワクチン接種が広がるまでの時間稼ぎです。厚生労働省は、高齢者へのワクチン接種を4月に開始し、6月末までに高齢者約3600万人の2回接種分を供給する見込みだとしています。感染状況が悪化する前に、なんとか高齢者へのワクチン接種を進めることができれば、医療の逼迫を回避でき、3回目の緊急事態宣言の必要可能性は小さくなると考えます。

宣言解除後もやることは変わらない

 繰り返しになりますが、宣言解除によって感染者の増加がおそらく避けられないだろう中、高齢者にワクチンが行き渡る6月末までに感染爆発を起こさせないことが重要です。成否のカギは、政治・行政、医療機関、そして国民一人ひとりの行動です。

 埼玉県では、宣言解除後に4つの「P」に取り組むとしています。

 Proactive(攻めの対策):店舗に二酸化炭素濃度測定器を設置してもらうなど感染防止対策の拡充、PCRなど検査の拡充、変異株対策など。

 Protective(守りの対策):病床及び宿泊療養施設のさらなる確保、県内経済・産業の支援、誹謗中傷、あるいは風評被害対策など。

 Proposal(国への要請):ワクチンの確保および接種への支援、財政支援、など。

 PR(県民の皆さんへのお願い):あらためて飛沫対策を徹底すること、とくに昼飲み・昼カラに注意、テレワークのさらなる推進、など。

 政治・行政には、これまで十分とはいえなかった具体的な目標の提示、きめ細かい施策を望みます。医療機関は、今まで以上の連携、柔軟な対応により、医療逼迫の閾値を高めていかなければなりません。そして皆さんには、宣言解除後も「やることは変わらない」という意識を持っていただき、「マスク、手洗い、三密を避ける」といった感染予防策を引き続きお願いしたいと思います。

ここに記す内容は所属組織学会と離れ、讃井教授個人の見解であることをご承知おきくださいヒューモニー編集部)。

 宮城コロナなぜ拡大?専門家「多様な要因が複合的に作用」 

河北新報 2021年3月24日(水)11時02分配信

 宮城県内の新型コロナウイルス感染症の急速なリバウンド(感染再拡大)を受け、行政や医療現場が対応に追われている。全国的に患者の減少傾向が続く中、なぜ宮城は感染拡大に歯止めがかからないのか。専門家らは2月以降の首都圏との往来や、会食の場での感染増などの要因が複合的に作用したと指摘する。

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 県内の新規感染者の推移はグラフの通り。感染は2月に入って落ち着き、県は同7日に仙台市全域の酒類提供店への時短営業要請を解除した。だが、2月末ごろから右肩上がりとなり、リバウンドの状態が続く。

 急増の理由について、東北大大学院の小坂健教授(公衆衛生学)は「多くの要因が複合的に作用したと考えられる。2月中旬以降、政府の緊急事態宣言が出ていた首都圏からの往来が増えた影響も大きいのではないか」と指摘する。

 小坂氏は背景として、大学入試や東日本大震災の関連行事のため、首都圏からの来訪者が増えたことなどを挙げる。2月13日に発生した最大震度6強の地震で、復旧や被害査定の関係者が県外から数多く来訪したことも影響したとみる。

「PCR検査体制をさらに拡充させ、保健所など逼迫(ひっぱく)する現場に人的資源などを集中させる必要がある」と強調する。

 感染対策が不十分な環境での会食が、感染拡大につながったとの見方も根強い。県内では2月23日に飲食業支援策「Go To イート」のプレミアム付き食事券が再販売され、3月16日に販売中止となった。

 県疾病・感染症対策室の担当者は「気の緩みによる人出の増加が要因として考えられるが、プレミアム食事券との関連も否定できない」と説明。飲食店での感染者やクラスター(感染者集団)の発生が目立つ状況も変わらないという。

 感染者数が突出している仙台市では、若年層を中心に、保健所の調査に行動歴を明かさないケースも目立ち始めている。県の感染対策に携わる厚生労働省の担当者は「保健所の推測では、飲食店や昼カラオケでの感染が背景にある、との話も聞いた」と語る。

 感染を抑え込むためには行動歴の調査が欠かせない。郡和子仙台市長は「県外から保健師や看護師の応援をもらい、徹底して調査をしている。協力してほしい」と呼び掛けている。

 宮城県仙台市歓楽街の人出増と“風活”の関連性 

日刊ゲンダイDIGITAL 2021年3月24日(水)9時06分配信

 新型コロナウイルス対策の緊急事態宣言を22日午前0時で全面解除したのを受け、政府が特にリバウンド(感染再拡大)を警戒しているのが宮城県だ。

 同県では3月に入って感染者が急増し、ここ数日、100人を超える日が続いている。政府は、直近1週間の人口10万人当たりの新規感染者数を感染状況の目安とする指標の一つとしており、「25人以上」となれば、4段階のうち最も深刻な「ステージ4」に相当する。

 加藤官房長官は22日の会見で、同県の感染状況について「直近1週間の人口10万人当たりの新規感染者数は約27人、病床使用率も20%を超え、仙台市を中心に感染が拡大している」と説明。23日の会見では、同県に対して緊急事態宣言に準じた対策が可能となる「まん延防止等重点措置」の適用を含めた対応を検討する方針を示した。

 同県と同市はすでに18日に独自の「緊急事態宣言」を発出。市内の一部飲食店を対象に、25日から4月11日にかけて営業時間を午後9時までとする要請を行うことを決めている。接待を伴う店や、酒類を提供する飲食店など約1万店が対象となる見込みだ。

感染経緯を明かさない20~30代の感染者も

 それにしても、なぜ、東北地方の中でも宮城県の新規感染者が急増しているのか。

「ソフトバンク子会社のAgoop(アグープ)によると、東北一の繁華街と呼ばれる青葉区国分町の人出(午後10~11時台)は、昨年末に始まった時短要請が2月上旬に終了した直後から増加傾向にあり、市保健所の調査では20~30代の感染者の中には感染経緯を明かさない人もいるようです。感染者が増えている理由として、宮城県が東北地方のハブ(中心地)であることなどが挙げられていますが、実際はよく分かっていません」(宮城県政担当者)

 飲食店の昼カラオケなども感染増の背景にあるとされているが、その他に地元で囁かれている要因のひとつが「風俗」だという。歓楽街である国分町一帯には、キャバクラ店などの多種多様な風俗店舗が3000店ほどあるからだ。

 風俗ライターの蛯名泰造氏がこう言う。

「これは国分町の風俗店に限らない事ですが、コロナ禍になる前、入店希望の女性は対面による面接が一般的でした。ところが、コロナ禍後はZoomなどによるオンライン面接に変わり、全国幅広く風俗嬢を募集できるようになったのです。いわゆる『風活』ですが、これは女性にとっては店に足を運ばず、秘密裏に面接できるわけで、業界に足を入れるハードルがぐっと下がった一方、店側にとっても店を転々とする“風俗慣れ”した人ではない女性をスカウトするチャンスになりました。店側は『良い人がいれば採用したい』と考えていて、そのためには交通費負担もいとわない。仙台市は東京からの夜行バスも運行しており、それほどコストはかかりませんからね。そのため、コロナ禍で収入が減った東京などのOLやシングルマザーが『風活』を利用しているのではないでしょうか」

 やはり、PCR検査の徹底と無症状感染者の隔離以外に封じ込め策はないようだ。

 仙台市コロナ感染者急増PCR検査4~5日待ち 

KHB東日本放送 2021年3月23日(火)20時52分配信

 新型コロナウイルスの感染が宮城県内で急拡大し、特に仙台市内ではPCR検査が4、5日待ちの状況になっています。

 郡仙台市長「ご自宅で不安なお気持ちで検査を待っておられる方々が増えているということを大変申し訳なく思います」。

 現在の検査態勢では、発熱などの症状がありコールセンターに相談があった場合や、感染者の濃厚接触者や検査対象者は仙台市の検査を受けます。

 市内の平日1日当たりの検査対応数は150~200件ですが、感染者の急増で4、5日検査を待つ状況が続いています。

 一方で、一般の医療機関など市の検査以外で判明する陽性者が急増しています。3月のおとといまでの市の検査での陽性は237件でしたが、医療機関などでの陽性はその2倍以上の580件です。

 第3波と言われた2020年12月でも1・2倍ほどに留まっていました。

 若林区の七郷クリニックでは民間の医療機関として去2020年7月からPCR検査を行ってきました。

 阿部基院長は、3月に入っての感染急増を実感しています。多くを占めるのは、職場などで感染者が出た場合に念のため受ける人ですが、症状があるのに市の検査を受けられず受診する人もいます。

阿部院長「保健所であなたは濃厚接触者だと言われても、その検査が4日ないし5日かかると、それでその検査(結果)がでるのにさらに1日かかると、それじゃ待ってられない」。

 仙台市は検査待ちを解消するため、県結核予防会に委託して3月中にも無症状者を対象とした臨時の採取施設を設ける考えです。

 羽生結弦1年わなくてもれなかったコーチとの師弟愛 

NEWSポストセブン 2021年3月25日(木)16時05分配信

 出発前夜、宮城県沖を震源とする最大震度5強の地震が発生。東日本大震災の復興支援に力を注いできた羽生結弦選手(26才)にとって、後ろ髪を引かれる思いだったに違いない──3月21日、羽生選手が世界フィギュアスケート選手権の開催地、スウェーデンの首都・ストックホルムに到着した。

「愛用のCLEVERの高性能マスクの上に不織布のマスクを重ねていて、感染対策はバッチリ。表情にもかなり気合が入っていました」(現地ジャーナリスト)

 現地入り後の羽生選手は、「バブル方式」と呼ばれる完全隔離の状態に置かれ、25日のSP、27日のフリーに挑む。

「開催地を大きな泡ですっぽり覆うように、期間中は選手や関係者と外部との接触を遮断するシステムです。今回はホテルと試合会場がつながっているので、その間の行き来しかできません。食事も選んだメニューが部屋の前に置かれるスタイルで、人との接触はほとんどない状態になります」(前出・ジャーナリスト)

 メンタル面での調整も重要な鍵になりそうだが、注目されているのが、ブライアン・オーサーコーチ(59才)の動向だ。

 カナダ人のオーサーは1984年のサラエボ、1988年のカルガリーと2大会連続で五輪銀メダルを獲得。1988年に引退し、プロスケーターとして活躍した。その後、2006年にキム・ヨナのコーチに就任し、2010年のバンクーバー五輪で金メダルに導くと、2012年から羽生選手の指導をすることに。羽生選手にとっては10代半ばから教えを乞い、2度の五輪王者に導いてくれた、かけがえのない恩師だ。

 しかし、オーサーは新型コロナ拡大の影響で、2020年3月にエストニアで開かれた世界ジュニア選手権以来、一切海外渡航をしていない。仙台を拠点に練習を続ける羽生選手とは1年以上も会わない状態が続いていた。

「コーチ不在ともいえる状況で、振り付けや音楽の構成も含めて、羽生選手がすべてを自分でやらなければいけなくなりました。そのプレッシャーから精神的に落ち込み、苦悩した時期もあったようです。

 また、2019年11月にNHK杯で優勝した直後には、“いつかロシア人コーチに師事してみたい”と発言し、コーチ変更を示唆したとして大きな波紋を呼びました。昨年12月の全日本選手権への出場もオーサーには一切連絡せずに決めたようで、一時は関係解消が噂されました」(フィギュアスケート関係者)

 オーサーは2018年に中国のフィギュアスケート連盟と契約し、中国人スケーターの育成に熱心になっている。そんな経緯もあって、羽生選手のオーサー離れがますます加速しているとの見方もあった。だが、実際には2人の間に溝が入ったわけではない。

「羽生選手は喘息持ちなので、コロナに感染したら大変なことになる。オーサーはさまざまな選手と接するため、双方が理解したうえで直接会うことを控えるようにしたそうです。昨年10月末頃からは、画面越しにリモートで指導を受ける形になりました。一時、羽生選手が精神的に乱れたのは事実のようですが、全日本選手権ではしっかりと乗り越え、結果を出した。いまはかなりの手応えを持っていると思います」(スポーツジャーナリスト・折山淑美さん)

 ここ半年は、24時頃に地元・仙台のリンクに姿を現し、深夜練習を重ねていた。

「オーサーのいるカナダ・トロントとは13時間の時差があるため、彼の時間に合わせて、リアルタイムで指導を受けていたようです」(別のフィギュアスケート関係者)

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 1年間直接会わなくても、決して崩れなかったオーサーとの師弟愛。今大会では試合が始まる前に、彼と羽生選手との再会が注目されていた。

「オーサーは、中国人選手のコーチとして大会に来ていて、羽生選手と約1年ぶりの再会を果たしました。

 全日本選手権をひとりで乗り切ったことで、彼は大きな自信をつけた。それでも、いざというときに頼れる人が隣にいないというメンタル面での不安はまだ残っているはず。今回、直接指導を受けられるかどうかは別として、3度目の世界選手権金メダルを約束したオーサーが現地にいることは、羽生選手にとって精神面でとても大きいのでは」(別のフィギュアスケート関係者)

 羽生結弦最大限貢献したい」五輪代表3枠の獲得 

日刊スポーツ 2021年3月24日(水)7時13分配信

 フィギュアスケート世界選手権(24日開幕、ストックホルム)で4年ぶり3度目の優勝が懸かる男子の羽生結弦(26=ANA)が22日(日本時間23日)、公式練習に初参加した。

 出国前の20日に、東日本大震災の余震に見舞われていたことやコーチとの再会など近況を報告。目標は22年北京五輪の「枠取り」を挙げ、男子は4大会連続となる3枠の出場権獲得へ「最大限貢献する」ことを約束した。

  ◇   ◇   ◇

 羽生がスウェーデン入国後、初めて氷に乗った。昼の練習はスキップし、夜の公式練習に登場。曲かけでフリー曲「天と地と」を流し、ジャンプなしで銀盤の感触、ステップ、スピンを確かめた。体が温まると、4回転トーループからの連続ジャンプなどを跳んだ。

「割と淡々としてるというか。出るまで自分自身いろいろ思うことはあったんですけど」。オンライン取材では21年初の肉声。コロナ禍で初の海外遠征の迷いを打ち明けたが「でも現地に来て滑るからには何かしら意味のあるものにはしたい。目指す良い演技を重ねていって、グラデーションのように良くなっていってくれれば」と切り替えた。

 通称「バブル」の中で送る隔離生活も「マスクとか手指の消毒とか僕にとっては普段通り」と不安なし。一方で出国直前は予定が狂った。現在は主に出身の仙台市を拠点とする中で20日午後6時9分、宮城県などで最大震度5強の地震が発生。「本来は新幹線で来る予定だったけど、使えなくなったりして。飛行機も変えたり、ちょっと大変でした。練習プランとしては少しズレたかな」と影響を明かしたが、すぐ修正した。「こっちの氷と、しっかり対話できた」。序盤は乱れもあったジャンプも終盤は安定感を取り戻していた。

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 再会もあった。リンク脇でオーサー、ウィルソン両コーチと意見交換。今季は拠点のカナダへ戻れず、1人で昨年末の全日本選手権(長野)へ調整した。リモートでは相談してきたが、直接指導は昨年2月の4大陸選手権(韓国)以来。「そばでサポートしてくれる人がいることはありがたい」と実感しつつ「しっかり話を聞きながら、でも自分のペースも守りながら」と自立した姿も示した。

 目標は北京五輪の「枠取り」で「今はそれだけ」に集中する。13年の世界選手権は左膝や右足首の負傷を抱えながら強行出場し、日本勢最高の4位でソチ五輪に最大3枠をもたらした。当時も含め、男子は4大会連続となる3枠確保へ「最大限、貢献したい」が初日の抱負だった。

フィギュアスケート男女の北京五輪出場枠 今回の日本のように五輪前年の世界選手権に3人が出場する場合、上位2人の順位合計が「13」以内なら最大3枠を獲得。「14~28」なら2枠となる。今回で24枠が決定。残り6枠は9月のネーベルホルン杯(ドイツ・オーベルストドルフ)で。

 

2021年3月14日 (日)

【新型肺炎】世界各地で<コロナ変異株>発見!そして急拡大

米国新たな  コロナ変異株  急増危険度不明

NATIONAL GEOGRAPHIC 2021年3月12日(金)18時09分配信

変異が蓄積するペースが速まり、感染力が増しているのは明らかと専門家

 ワクチン接種が進む米国で、急速に脅威を増しつつあるものがある。新型コロナウイルスの変異株だ。

 現在、米国保健当局は、カリフォルニア州やニューヨーク市をはじめ、米国内で検出されたいくつかの変異株の脅威を測ろうとしている。感染症の専門家であるアンソニー・ファウチ氏は、先月マンハッタンで最初に検出されたB.1.526という変異株が広まっていることを懸念している。なぜならこの変異株に対しては、従来の新型コロナワクチンの効果がなく、ほかの治療法の効果もない可能性があるからだ。

 2月23日付けで査読前の論文を投稿するサイト「bioRxiv」に発表された米カリフォルニア工科大学の研究チームの論文によると、2月にニューヨーク地域で収集され、ゲノム配列が決定された新型コロナウイルスのおよそ4分の1がこの変異株であったという。また、2月25日付けで同じく「medrRxiv」に投稿された米コロンビア大学の研究チームによる査読前論文には、「この数週間、私たちの患者集団の中でこの新しい変異株が急増していることに憂慮している」と記された。

 また、カリフォルニアでは現在、2020年7月に南カリフォルニアで初めて確認されたもののその後10月まで検出されなかったCAL.20C(B.1.429)という変異株が流行している。この変異株は感染力が強い可能性があり、今年1月のカリフォルニア州における新型コロナ感染症の35%を占めていた。米シダーズ・サイナイ医療センターの研究グループが2月11日付けで医学誌「米国医師会雑誌 (JAMA) 」に発表した研究結果だ。

国外の変異株も上陸

 一方、この数カ月間、米国の保健当局は国外の危険な変異株にも注目していた。昨年12月には、英国からB.1.1.7(VOC-202012/01)という変異株が報告された。その後、南アフリカで最初に見つかった変異株B.1.351(501Y.V2)がワクチンにあまり反応しないことが明らかになった。また、ブラジルで出現したP.1(501Y.V3)については、従来株による感染症から回復した人が再感染するおそれがあることを示す研究結果が出ている。

 3種類の変異株は、いずれも米国に上陸している。米国疾病対策センター(CDC)の3月9日付けの集計によると、米国内のB.1.1.7は3701例、B.1.351は108例、P.1は17例記録されている(編注:厚生労働省が発表した日本の国内事例は3月9日の時点でそれぞれ260例、8例、3例)。

 英国政府は、昨年報告されたB.1.1.7という変異株に感染した人は従来株に比べて重症化しやすいというレポートを2月12日付けで発表した。また、3月10日付けで医学誌「BMJ」に発表された論文によると、英国における調査では致死リスクが従来株より64%高かったというが、この見解は、遺伝子配列の報告だけでなく、病院のカルテや濃厚接触者の追跡調査などから導かれたものだ。

 対して、米ミシガン大学の感染症専門家であるアダム・ローリング氏は、詳細が明らかになるまでは、新たな変異株をむやみに怖がらないようにと注意している。米国は遺伝子サーベイランスを強化しはじめたばかりで、変異株の現状を把握するために必要なデータはまだ揃っていない。

 米国の研究の規模は小さく、解明しなければならない点はまだまだ多いとローリング氏は言う。「何が問題で、何が問題でないかを知るのは難しいのです」

似た性質の理由

 米ジョンズ・ホプキンス大学医学部でRNAウイルスの進化を研究しているスチュアート・C・レイ氏によると、パンデミックの初期よりも新型コロナウイルスの変異が蓄積するペースが速まり、感染力が増しているのは明らかだという。

 多くの科学者は、英国、南アフリカ、ブラジルで報告された変異株のすべてが、ウイルスのスパイクタンパク質(ウイルスがヒトの細胞に侵入するのに用いる部位)の性質を変える変異をもっていることに強い関心を寄せている。レイ氏は、「わずか数カ月のうちに、3つの大陸で、それぞれに変異が起きたのです」と語る。同様の変異はニューヨークとカリフォルニアで報告された変異株にも見られた。

 米ロックフェラー大学のウイルス学者であるポール・ビエニアス氏は、このような変化はランダムに起きているように見えるが、実際にはもっと大きな力が働いていると指摘する。「似たような環境に置かれたり圧力を受けたりした生物が、同じような性質を独自に進化させる『収斂進化』と呼ばれるものです」

 これまでに多くの人が新型コロナウイルスに感染していて、ウイルスが変異し、複製し、進化する機会は数えきれないほどあった。その中で、感染力を強めたり、抗体から逃れやすくなったりする変異をもつウイルスは、より広まりやすく、消滅させるのが困難になる。現在懸念されている変異株のすべてがスパイクタンパク質に変異をもっているのはそのせいだとビエニアス氏は言う。

 同氏のチームは、昨年10月28日付けで学術誌「eLife」に発表した研究で、新型コロナウイルスがスパイクタンパク質を変異させることで中和抗体から逃れられるようになることを示すモデルを発表している。

 ビエニアス氏は、こうした変異株の出現により、現行のワクチンによって誘導される抗体がウイルスを認識しにくくなったり、従来株に感染して回復した人々に再感染してパンデミックが長期化したりすることを懸念している。

 良いニュースもある。ほとんどの人は数十種類の抗体をもっていて、現時点では、変異株に対して効果がないのはそのうちの一部だけであるようだ。

「つまり、良いワクチンはまだ有効だということです。今後も有効かどうかは、まだわかりませんが」とビエニアス氏は言う。

もっと追跡調査を

 米国政府は、国内のゲノム解析能力を高めて新しい変異株の出現を追跡するために、約2億ドル(約217億円)を拠出すると約束した。ホワイトハウスに提出された報告書では、遺伝子解析企業や官民の研究機関がバイデン政権に「全米規模のゲノムサーベイランス体制を迅速に整備する」ことを求め、陽性サンプルの5%の配列を決定することを目標に掲げている。

 しかし、配列データは、新型コロナウイルスがどのように広がるかを知る手掛かりの1つにすぎない。米ロックフェラー財団のパンデミック予防・対応部門のリック・ブライト上級副部門長は、「もっと多くの配列を決定する必要があるのは本当ですが、ウイルス自体と、ウイルスに変異と変化を引き起こしている原因を特定するためには、採取対象をうまく選ぶ必要があります」と言う。「ニューヨークだけでなく農村部まで、幅広い地域からまんべんなく採取しなければなりません」

 そうすることで、ワクチン接種を受けた人々の間や、ウイルス感染が広がりやすいコミュニティーでのウイルスのスナップショットが得られる。例えば、カリフォルニア大学サンフランシスコ校が2月22日に発表した研究によると、サンフランシスコのミッション地区のラテン系住民が多い地区では、昨年11月には感染者の16%がCAL.20C変異株に感染していたのに対し、今年1月には感染者の半数以上がこの変異株に感染していたという。これは、変異株の感染拡大を阻止しようとする公衆衛生当局にとって非常に重要な情報だ。

「ウイルスの5歩後ろをついて行く代わりに、2歩前を歩けるようにしてくれる情報です」とブライト氏は言う。

 現時点で最も重要なのは、人々がワクチンを接種し、新型コロナウイルス感染症の広がりを抑え、変異の速度を遅らせることだとレイ氏は言う。変異を抑えられなければ、ウイルスにさらなる耐性を進化させる機会を与えてしまうことになる。「そうなると、私たちはより大きな問題を抱えることになります」

 現在、ワクチンメーカーは、変異株別の追加接種用ワクチンの研究と製造を急いでおり、バイデン政権は5月末までに米国のすべての成人にワクチンを提供することを約束している。

 フィリピン変異株初確認成田到着の60代男性 

産経新聞 2021年3月12日(金)20時20分配信

 厚生労働省は12日、2月にフィリピンから成田空港に到着した60代男性が、新たなタイプの新型コロナウイルス変異株に感染していたと発表した。

 感染力が強いとされる英国型や南アフリカ型、ブラジル型と共通の変異を持ち、国立感染症研究所は「同程度の脅威と考えられる」としている。

 厚労省によると、男性は2月25日に成田空港に到着。検疫で新型コロナの感染が確認され、国立感染症研究所で検体をゲノム解析したところ、新たな変異株と確認された。無症状で、現在は検疫所が用意した施設で療養中という。

 フィリピン型には、英国型などと同様に感染力が強まったり、ワクチンが効きにくくなったりする恐れのある変異が入っている。

 感染研によると、この変異株はフィリピンではすでに34例が報告されているが、同国以外での確認は初めてという。感染力が強まると懸念される「N501Y」という変異と、免疫やワクチンの効果を低下させる可能性が指摘される「E484K」という変異を持つことが確認されている。

 フィリピン国内での確認が相次いでおり、厚労省は同国を水際対策の強化対象国に指定することを検討している。

新型コロナ“英国変異株致死率が格段に高い

ロイター 2021年3月11日(木)0時07分配信

 英国で昨年9月に見つかった新型コロナウイルス変異株について、それまでに感染の主流だった他の新型コロナ株と比べて致死率が30─100%高いことが10日、英医学誌ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル(BMJ)に掲載された論文で明らかになった。

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 英変異株「B117」は遺伝情報の23カ所に変異があり、すでに100カ国以上で感染が確認されている。感染率は従来株より40─70%高いとされているが、今回の研究結果で致死率も「格段に高い」ことが確認された。

 論文によると、英変異株の感染者5万4906人のうち、227人が死亡。これに対し、それまでに主流だった他の新型コロナ株に感染した同数の患者のうち、死亡したのは141人だった。

 研究に参加したエクセター大学のロバート・チャレン氏は「感染力の高さに加え、致死率も高いことで、この変異株の脅威を深刻に受け止める必要がある」と述べた。

 ウォーリック大学のウイルス学者、ローレンス・ヤング教授は、英変異株の致死率の高さの詳細な要因はまだ明らかになっていないとしながらも、「高水準のウイルス複製と強い感染力が関連している可能性がある」と指摘。欧州でこのところ見られている感染再拡大は英変異種が要因になっている恐れがあるとの見方を示した。

 変異株の脅威「第4波」対策必至!水際対策強化もザル入国”管理 

夕刊フジ 2021年3月8日(月)16時56分配信

 新型コロナウイルス緊急事態宣言は2週間延長されたが、最大の懸念材料が変異株の市中感染だ。一部ではクラスター(感染者集団)も発生しており、「第4波」を引き起す恐れもある。対策はこのままでいいのか。

 厚生労働省の5日時点の指標では、1週間の新規感染者数の前週比が18県で1以上となった。首都圏で千葉県が1・03、神奈川県が1・08と増加に転じたほか、埼玉県は0・97、東京都は0・96と1に近づいた。東北や中部、関西などでも増加が目立つ。

 感染症に詳しい関西福祉大の勝田吉彰教授(渡航医学)は、「世界保健機関(WHO)の調査で、世界の感染者数は1月から6週間程度減少傾向だったが、3月初頭に7%増に転じた。変異株と制限の緩和、自粛疲れが背景にあるとされ、日本もいつかはこの趨勢に乗るだろう」との見通しを示す。

 東京医療保健大の菅原えりさ教授(感染制御学)は、「現状の対策では東京都の1日の新規感染者数を200~300人から下げるのは厳しい。さらに懸念される変異株の増加もあり、このままでの宣言解除ではリバウンドは避けられないのではないか」と分析する。

 変異株の英国型は感染力が高いため、高齢者層に広がれば重症者も増え、再び医療が逼迫する懸念がある。南アフリカ型には免疫逃避の変異もあり、ワクチンが効きにくくなる恐れもあるという。政府は英国、南ア、ブラジルなど17カ国を変異株の流行国に指定、水際対策を強化するが、変異株は120カ国・地域で確認されており、「ザル入国」状態は続く。

 変異株の脅威について、海外でも悲観論が広がっている。ロイター通信は変異株はワクチンの効果を弱める可能性だけでなく、過去の感染者の自然免疫もくぐり抜ける恐れがあることを示したと報じた。

 勝田氏は、「全陽性者数のうちの変異株の比率を発表していくべきだ。欧米では50%を超えて蔓延といえる状況の国もある。陽性者数や病床使用率を注視しながら、柔軟な対応が求められる」と指摘する。

 菅原氏は「宣言解除後の新規感染者の増加をできるだけ緩やかにするために、現状の同患者数を減らす必要がある。例えば、この2週間は全イベントを中止するといった踏み込んだ対策が必要ではないか」と強調した。

 “ザル入国”2月だけで1万人の外国人再入国自宅待機の要請のみ 

夕刊フジ 2021年3月10日(水)16時56分配信

 新型コロナウイルスの「水際対策」として、外国人の入国がビジネス目的の往来も含めて原則ストップするなか、2月だけで、日本での在留資格があれば認められる「再入国」などで計約1万4000人の外国人が日本に入国していたことが分かった。ただ、入国後の自宅待機などの対策は相変わらず強制力がない。感染力の高い変異株の流入拡大が警戒されるなか、こんな「ザル入国」を許していて大丈夫なのか。

 「日本は、入国後の外国人らの管理もあくまで自主性任せ。先進国の中でもかなり緩く、甘すぎる。これでは国民の不安は収まらない」

 「ヒゲの隊長」こと自民党の佐藤正久外交部会長は5日朝、水際対策を話し合う党内の会合で、こう語った。

 出入国在留管理庁が同日、公表した資料では、2月は外国人入国者数が1万3824人いた。このうち1469人が人道上の配慮が必要な場合などの「特段の事情」での入国者で、残りの1万2355人が査証(ビザ)を持つ「再入国者」だった。

 佐藤氏は「『特段の事情』での入国は公益性を考え、外交官やワクチン関連などに、かなり限定した形で審査を行い、2月は1月よりも約1000人減った。だが、問題は『再入国者』だ。在留資格がありさえすれば入国できるのでは困る。こちらも、より厳しく対処すべきだ」と指摘する。

 ここ半年の外国人入国者数(総数)の推移は別表の通り。2月の「再入国」の内訳では、中国人が約3000人、韓国人も約1700人いた。

 世界では約60カ国・地域で変異株が確認されている。日本では、英国や南アフリカ、ブラジルに由来する3種類の変異株を監視しており、4日までに19都府県で変異株が検出された。中国や韓国でも変異株は見つかっている。

 政府が水際対策に失敗すれば、経済の回復は遅れ、東京五輪・パラリンピックの開催にも悪影響を及ぼしかねない。

 前出の佐藤氏は「政府は外国人の入国後の位置情報確認アプリ導入など逐次、対策を進めているが、まだ不十分だ。しかも、変異株が確認された国への対応も『今後、強化策を検討する』と言うのでは遅すぎる。『いかに入国させないか』という視点で対応を急ぐべきだ」と語っている。

 コロナワクチン医師接種による長期リスク低い 

AERAdot. 2021年3月14日(日)8時02分配信

 国内で新型コロナウイルスワクチンの先行接種が始まり、3月10日までに医療従事者約14万9千人が接種した。

 今月初め、国立病院機構東京病院(清瀬市)の接種会場を訪れた。同病院では、職員628人の87%が接種を希望している。

 接種希望者が、問診からワクチンを接種するまでの時間は2~3分。1時間ほどで36人がワクチンを打ち終えた。

 この日接種した30代の看護師の女性は、接種するか少し悩んだという。

「看護師でも怖いと感じているので、一般の人はもっと怖いと思う。だから私たちが先に接種して、何もなかったって言いたい。ワクチン接種が進めば、遠くの両親にも会えますしね」

 同病院感染症科部長の永井英明医師によると、これまで副反応などで問題は起きていないという。

 2月中に希望者全員の接種を終えた国立病院機構三重病院(津市)。感染症が専門の谷口清州医師に接種者の様子を聞くと、痛みがあったのが約8割。このうち5割が軽度で、強い痛みがあったのが約3割だった。谷口医師は、ワクチンを接種した理由をこう話す。

「当院は新型コロナの重点医療機関なので、常にコロナの患者さんが入院しています。そのため一般の医療機関より感染リスクが高い。もちろん、接種前に今回のワクチンのことは調べました。有効性も副反応もわかった上で決めたことで、危ないと思ったら打ちません」

 昨今、後遺症の問題が深刻化している。それも接種を決めた一因だ。

効果安全性

 現在、国内での接種が始まった米ファイザーと、製造販売の承認を厚生労働省に申請した米モデルナのワクチン(武田薬品工業が輸入、販売)は、いずれもm(メッセンジャー)RNAを用いている。このワクチンは、新型コロナウイルスの表面にあるスパイクたんぱくの遺伝子を人工的に複製して作られたもの。体内でこの遺伝子を元にたんぱくが合成され、このたんぱくに反応し、コロナに対する免疫ができる。

 対して、英アストラゼネカ(承認申請中)や、米国で接種が始まった米ジョンソンエンドジョンソンのワクチンは、ウイルスベクターを用いている。これは、感染力はあるが病原性のないウイルス(今回はアデノウイルス)の一部に、スパイクたんぱくの遺伝子を組み込んだワクチンで、mRNAワクチンと同じようにたんぱくが作られ、コロナの免疫ができる。

 ファイザーとモデルナ、アストラゼネカのワクチンは、2回接種が基本。ジョンソンエンドジョンソンは1回での接種が始まっている。

 ワクチンを打つかどうかを判断する材料となるのが、有効率と安全性だ。

 有効率について、免疫に詳しい宮坂昌之医師(大阪大学免疫学フロンティア研究センター招へい教授)が説明する。

「ワクチンの有効率は、“ワクチンを接種したグループと、接種しなかったグループを比較して、どれくらい発症者を減らせたか”を見たものです。95%が予防できるという意味ではありません」

 ファイザーの臨床試験を例にとると、ワクチンを接種したときの発症率が、接種しないときよりも95%減ったということだ。

 この臨床試験で見ているのは発症者で、感染者ではない。感染が予防できたかを知りたいところだが、宮坂医師が語る。

「例えば、モデルナは一部の被験者にPCR検査を実施した結果、感染が著しく減ったことを報告しています。イスラエルなどのデータからも、ワクチンには感染や重症化も予防できるという結果が上がってきています」

 一方、先の臨床試験では、局所反応(接種場所の痛みや赤み、腫れなど)、全身反応(発熱や頭痛、吐き気、嘔吐(おうと)、筋肉痛、関節痛など)が報告されている。

 国内で先行接種した約3万人では、皮膚や口腔(こうくう)内のアレルギー反応、冷感・悪寒戦慄(ふるえ)、じんましんがそれぞれ1人。3月2日には60代の女性がワクチン接種後にくも膜下出血で亡くなったと報じられたが、ワクチンとの因果関係は不明だ。

 副反応のなかには、「免疫ができる際に表れる症状も含まれる」と谷口医師が答える。

「これを“応答型反応”と言い、免疫ができる反応が強いほど、痛みや腫れといった反応が出ます。防御効果が強ければ、それができる際の反応が強いのも自然なことです」

 副反応で気を付けておきたいのが、アナフィラキシーだ。

 体内に異物が入ったときに短時間で全身に表れる急性のアレルギー反応で、皮膚の症状や血圧低下、意識の低下、呼吸困難などが生じる。

 厚労省によると、国内では、10日までに接種した医療関係者ら約14万9千人のうち、計25人にアナフィラキシーの症状が出た。投薬を受けるなどして、全員症状は改善しているという。

 国内の臨床試験では、アナフィラキシーを起こした約95%が女性で、アナフィラキシーの既往がある人が約40%だった。米国の報告では、発生頻度は100万回接種あたり4・5となっているが、国内では、10日時点では約6千人に1人の計算になる。

 感染症治療に詳しい埼玉医科大学総合医療センター(川越市)総合診療内科教授の岡秀昭医師が言う。

「アナフィラキシーはほかのワクチンや治療薬でも起こりえる副反応で、コロナワクチンで起こる頻度は、抗菌薬のペニシリンと変わりません。接種後の待機中によく観察して、発症したら速やかにエピネフリンという治療薬を注射すれば、大事に至る心配はありません」

 とはいえ、mRNAワクチンは世界初だけに、長期的な健康問題を危惧する声も。この点について、谷口医師はこう話す。

「mRNAワクチンは10年以上の研究からできたワクチンです。mRNAは体内に入ると速やかに分解され細胞核の中に入り込むことはないので、理論的にはヒトの遺伝子に影響を及ぼしません。長期で何かが起こるリスクは低いと考えています」

高齢者や妊婦への接種は?

 先行接種に続き、来月から高齢者への接種が始まる予定だ。

 まず後期高齢者にあたる80~90代以降の高齢者。海外の臨床試験ではその年代の被験者の数が少なかったため、検討したほうがいいという意見もある。

 政府の新型コロナウイルス対策分科会メンバーで、川崎市健康安全研究所の岡部信彦所長は、「健康状態がよければ接種できるでしょう。むしろコロナによる重症化を予防するメリットが大きい」と話す。

 宮坂医師も高齢者への接種を推奨する。今までのワクチンは高齢者には免疫がつきにくかったが、コロナワクチンではその常識をくつがえす結果が出ているためだ。

 一方で慎重になったほうがいいのは、フレイルなどで体力が著しく落ちている人、寝たきりの人たち。

「高齢者施設などでは、こうした高齢者よりもむしろ、ウイルスを持ち込む可能性が高い介護職員や看護師が先に接種すべきでしょう」(宮坂医師)

  妊婦の場合はどうか。岡部所長が言う。

「mRNAワクチンは生ワクチンのように胎児に影響を与えるようなことはないとされています。また、臨床試験や一般接種のなかで妊娠していることに気付かず接種を受けた、あるいは接種後まもなく妊娠した女性もおられます。そういう女性もフォローされていますが、今のところ問題は起きていません。ただし、積極的に妊娠中に接種を推奨する段階ではありません」

 岡医師も、まだ接種は控えたほうがいいかもしれないと考える。

「特に、妊娠初期や不妊治療を行っている女性は待ったほうがいいでしょう。妊娠早期は自然に流産することも少なくありません。ワクチンが安全だとしても、その時期に接種するのは、リスクが大きいです」

ワクチンはいつ届く?

 日本では、ファイザーから1億4400万回分、モデルナから5千万回分、アストラゼネカから1億2千万回分、計3億1400万回分(1億5700万人分)の供給を受ける予定だが、いつまでに、どれくらいの量が確保できるかは不透明だ。

 現場でも、ワクチンがいつ届くかの情報が入ってこなかったという。

 2月17日から接種を始めた東京病院の場合、上部機関の国立病院機構本部から「ワクチンが届く」というメールでの連絡を受けたのは前日だった。配送時間がわかったのは当日の午前11時で、到着は予定時刻から1時間後の午後2時。実際に接種を始められたのは同5時だったと、永井医師は振り返る。

「とにかく、いつワクチンが入ってくるかわからないので、予定が立てられない。先行接種は何とかなりましたが、今後は、医療従事者と高齢者がほぼ同時に接種することになる可能性があります。この状態では現場が混乱するのは、容易に想像がつきます」

 そもそも今の先行接種でいわゆる国立病院から一律に始めたこと自体、「現場の意見が反映されていない」と前出の岡医師が憤る。

「普通に考えればコロナ対応を行っている医療機関、医療従事者から接種を開始するべきでしょう。潤沢にワクチンが入っていないわけですから、そこは医療従事者の間でも優先順位をしっかり決めて対応してほしい」

第4波に間に合うか

 実際に接種をするにあたって、どんな問題が想定されるだろうか。

 まずは人員の確保。川崎市は1月、体育館で集団接種訓練を実施した。

「問診をするのは医師で、ワクチンを接種するのは看護師。待機中の対応も看護師が行い、必要なら会場にいる医師を呼ぶという態勢を考えています。ワクチンが届いたらすぐに実際の接種が始められる態勢を作っておきたい」(岡部所長)

 接種者には、感染症やワクチンに詳しい医師以外も対応することとなる。1会場で1日医師2人、看護師4人、薬剤師1人が必要になる。市はこの確保を進めているという。

 次に時期の問題だ。第3波が落ち着いてきた今が、ワクチン接種の好機とみる専門家が多い。感染が流行している時期だと、医療機関は治療とワクチン接種の両方を行うこととなる。人手もいり時間もかかり、結果、負担が大きくなってしまうからだ。

「流行中であれば、医療従事者は診断や治療に手を取られますし、接種を受ける場所に感染者が紛れ込んでしまうと、感染リスクが高まります」(同)

 だからこそ、専門家らは緊急事態宣言が明けることによるリバウンドだけは起こしてはならないと口をそろえる。

 今の接種ペースだと第4波が先に来てしまう可能性も否定できない。そのときは五輪どころではなくなる。変異株が蔓延する前に多くの人が接種を終えることが理想だが、厚労省の調査結果では、3月9日時点で21都府県で計271人の変異株感染が確認されている。1カ月前から4倍以上に増えており、専門家も拡大傾向にあるとの見方を示している。

 最後に、もしもワクチン接種による被害が起きてしまった場合だが、改正された予防接種法ではコロナワクチンは臨時接種という位置付けで、健康被害に対する救済も国が持つ。副反応で死亡した場合は4420万円が支払われ、1級の障害が生じた場合などでも障害年金が支給される。

 最終的に「打つ」「打たない」の判断は本人に任されている。さまざまな情報を確認し、決めていただきたい。

 

2021年3月 7日 (日)

【コロナ第3波】“収束”見通せず✍1都3県「緊急事態宣言」2週間延長へ

 菅首相「リバウンドの懸念も…」1都3県での緊急事態宣言2週間延長 

HUFFPOST 2021年3月6日(土)11時13分配信

 菅義偉首相は3月5日夜の記者会見で、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県の1都3県での新型コロナウイルスの緊急事態宣言を2週間延長すると発表した。緊急事態宣言は7日までの予定だったが、21日までとなる。

 菅首相は冒頭発言で以下のように話した。

「感染者数は減少傾向にあるものの、そのスピードは鈍化しています。人出が増加している地域もあり、いわゆるリバウンドの懸念も高まっています。2週間は、感染拡大を抑え込むと同時に、状況を更に慎重に見極めるために必要な期間であります。こうした点を冷静に、そして総合的に考慮し、内閣総理大臣として延長の判断をいたしました」

 目算なき宣言延長菅政権正念場「再々」なら五輪に影響 

西日本新聞 2021年3月6日(土)10時48分配信

 菅義偉首相は5日、首都圏1都3県の緊急事態宣言について、21日まで2週間の再延長を正式決定した。解除基準はクリアしているものの、解除した後のリバウンドの懸念や、病床が安定的に確保できるかを見極めるため「安全策」(政府関係者)を取った形。総務省接待問題が尾を引く中、政権が望みを託す東京五輪の聖火リレーは延長期限の4日後、25日にスタートする。宣言を全面解除した環境で迎えて期待を高められるか、正念場だ。

 午後9時に始まった記者会見の冒頭、首相は1月のピーク時から漸進的に改善してきた感染状況のデータを示しながら、国民に感謝を伝えた。「皆さま方の踏ん張りと、心を一つにして懸命に取り組んでいただいた結果です」。そして低姿勢のまま、生活のさまざまな場面における自粛の継続を訴えた。「今、私がすべきことはリバウンドを阻止し、宣言を解除できるようにすること。一層の協力を心からお願いする」

 1月7日の緊急事態宣言再発出から約2カ月がたった。内閣支持率は、新型コロナの感染状況と対策に直結して上下している。次の2週間で感染を下火に抑え込めず、21日の期限を泥縄式に再々延長するような事態に陥れば、聖火リレーに冷や水を浴びせるだけでなく、東京五輪・パラリンピックの開催機運をさらにしぼませてしまう。

 感染状況のリバウンドは、政権がウイルス対策の「切り札」と位置付けるワクチン接種にも痛撃だ。4月から高齢者向けの接種開始を予定しているが、コロナ治療で医療提供体制が逼迫ていると、医師、看護師のマンパワーを集団接種に十分に回せなくなる。ワクチン調達もはかどっておらず、接種計画の繰り延べは不安を増幅しかねない。

 政権は、首相の長男が勤める放送事業会社「東北新社」の総務省幹部接待問題にも直面している。内閣広報官が辞職しても鎮火に至らず、NTTによる高額接待にまで延焼して着地点が見えない。与党議員による銀座クラブ会食や、五輪組織委員会会長の辞任・交代劇の難題もあった。側近は「次から次へと。もう同情しかない」と首相を案じ、こう続ける。「コロナさえ、うまく抑え込めればな-」

 ウイルス“第4波”の種火を鎮圧し、国民に安全安心を届けて政権浮揚につなげられるか、否か。「勝負の2週間」が始まる。

 苦境菅政権えぬ全面解除根拠なき2週間延長 

時事通信 2021年3月6日(土)8時32分配信

 菅義偉首相は、東京、神奈川、埼玉、千葉の4都県に発令している緊急事態宣言の再延長に踏み切った。ただ、新型コロナウイルス感染の状況は一進一退を繰り返しており、2週間での全面解除は見通せない。「第4波」への懸念も漏れる中、再々延長となれば出口がさらに不透明になるのは必至で、首相の苦境は続きそうだ。

 延長に急旋回

 「国民には大変申し訳ない思いだが、一層の協力を心からお願いする」。首相は5日夜の記者会見で再延長についてこう語り、深く頭を下げた。

 感染拡大抑止の「最後のカード」として首都圏に出された緊急宣言は1月8日の発令後、1カ月延長され、既に2カ月近くが経過。年初と比較して感染者数は大きく減少し、一定の効果を発揮してきたようにも見える。実際、首相は今月7日の全面解除に意欲的だった。

 潮目が変わったのは3日夕だ。首相は西村康稔経済再生担当相や田村憲久厚生労働相ら関係閣僚と官邸で協議する中で自ら「2週間程度」の延長案を提示。この後、記者団に「病床が逼迫(ひっぱく)している状況、ぎりぎりの指標もある」と指摘し、宣言の再延長方針を表明した。

 当初の考えを軌道修正した背景には、東京都の小池百合子知事らが政府に再延長を要請する動きを見せたことがある。これを察知した首相は、機先を制する形で表明。与党幹部は「知事の動きを見れば延長しない方がリスクだ」と語り、今回の首相の判断を支持する。

 ◇ 出口なくなる

 ただ、「2週間の再延長」とした根拠は判然としない。4都県の感染状況を示す指標は、解除の目安であるステージ3相当をクリアしているためだ。首相は会見で「2週間は感染拡大を抑え込むと同時に、状況をさらに慎重に見極めるために必要な期間」と強調したが、複数の政府高官は「根拠はない」と語り、あくまで政治判断だったと明かす。

 「延長幅」をめぐっては各方面から異論や疑問も相次いでいる。感染症などの専門家による5日の基本的対処方針等諮問委員会では、出席者から「もっと長く延期した方がいい」との意見が出された。政府関係者の一人も「2週間後に数値が悪化していたら出口がなくなる」と指摘する。

 野党からは、再延長に理解を示しつつも「(判断の)基準は何だったのか」(幹部)との声が上がった。

 ◇ 五輪さらにピンチに

 感染状況に改善傾向が見られなければ、夏の東京五輪・パラリンピックにも影響が及ぶのは避けられない。25日からは国内で五輪の聖火リレーが始まるが、ここに来て変異ウイルスや「第4波」への警戒が強まっており、緊急宣言の新たな期限となる21日に全面解除に至らなければ、開催を危ぶむ声が一段と高まることも予想される。 

 自民党の下村博文政調会長は4日のBS番組で、海外から選手が入国できなければ「国際オリンピック委員会(IOC)も考えざるを得ない」と述べ、中止の可能性に言及した。

 新型コロナへの対応に加え、与党議員による緊急宣言中の深夜のクラブ訪問や、首相自身の長男の総務省幹部接待などの問題が相次ぎ発覚し、発足からまもなく半年の菅政権は揺れている。「国民に明るい展望も示せず、この先どうなるのか」。政府関係者は不安げにこう漏らした。

 批判の的だったGoToトラベル 中止後の観光地 別府市の危機的状況 

HARBOR BUSINESS 2021年3月6日(土)8時34分配信/若杉優貴(都市商業研究所)

街ごと消えてしまうという危機感も

「今日も終末世界!」

 大分県別府市の中心商店街で飲食店を営む男性は、コロナ禍で真っ暗になった街を見渡してそう呟いた。

「コロナ禍で苦しいのは何も観光地だけじゃない、東京や大阪も同じだ」と思う人も多いかも知れない。しかし、別府市中心部の「暗さ」は想像以上。

 実際にかつて観光客で賑わっていた駅近くのリゾートホテル街を歩いてみると、殆どのホテルや旅館、飲食店が「休館中」の貼り紙を出しており、その暗さは歩くのが怖くなるほどだ。

 「このままでは街ごと消えてしまう」という危機感を抱く市民も多い。

人気店でも生きられないーー別府市民に走る衝撃

 コロナ禍が続くこの冬、別府市民に衝撃的なニュースが飛び込んできた。JR別府駅近くにある市内で一番人気だった老舗ジェラート店が、突然の「無期限休業」を発表したのだ。その理由は「商品が売れないため品質が保てないこと」。

 関係者によると、今後は通信販売を中心に不定期に一部商品のみを販売するが営業再開の目途は立っていないという。

 同店は毎年夏の休日には地元民と観光客が並ぶほどの有名店だっただけに、市民に「コロナ禍では人気店でさえ生き残ることができない」という現実を見せつけるものとなった。

 東京などの大都市圏と比較すると、別府市がある大分県は比較的感染状況が落ち着いており、地域独自のものも含めて昨年春以降に緊急事態宣言が出ることもなかった。

 その一方で、観光都市であり交流人口が多い別府市では年末年始に中心商業地の飲食店に対する独自の休業要請を実施。合わせて支援金の交付を実施するとともに、飲食店従業員が無料でPCR検査を受けれるようにするなど、様々な感染対策と支援策をおこなってきた。

 しかしそうした様々な支援策を以てしても、市内の飲食店は「人気店でも生き残るのが難しい」状況となっている。もちろん、観光客の消滅で大きな影響を受けているのは観光施設や飲食店のみに留まらない。

 別府市内ではGoToトラベル事業の休止以降、多くのホテル・旅館・飲食店が長期休業に突入。3月現在は市内で休業要請などは行われていないものの、そのまま長期休業を続けている例も少なくなく、百貨店や一部のスーパーも時短営業を続けている。

 とくに半分以上の宿泊施設や店舗が休業したままの別府市中心部の北浜温泉旅館街は、あまりの暗さに「終末世界」と呼びたくなるのも無理はない状態だ。

あらゆる産業が観光と結びついてきた別府市

 人口約12万人の別府市は「市内全域が温泉地」であり、日本最大の温泉地であることはもちろんのこと、観光を主業とする都市としても「日本最大」の規模で、あらゆる産業が観光業と結びつくことで発展を遂げてきた。

 別府市によると「別府市は働く人の9割近くが観光関連産業」であるとしており、それゆえ観光施設のみならず全市域にある百貨店・スーパー・ドラッグストア・家電量販店など殆どの小売店が売り上げ減少に悩まされていることはもちろんのこと、それ以外にも土産品やそのパッケージを製造する企業、ホテルの運営に欠かせない清掃業、クリーニング業、警備業など、市内のありとあらゆる「ほぼ全ての業種」がコロナ禍の影響を受けている。

 また、複数の大学や短期大学が立地する別府市は学園都市としての側面も持っているため、観光客の減少によって学生バイトが激減するなか「学生への支援」についても大きな課題となっている。

 しかし、「コロナ禍で苦しい全ての者に補償を」といっても、小さな地方自治体が無い袖を振れるはずがない。

 別府市では、市内のほぼ全ての産業が振るわない状況では税収の大幅減少は避けられないとして、それを見越した予算編成に転換。

 2021年度予算(予算案)は財政調整用基金を取り崩すことなく編成をおこなったものの、市立図書館の移転・建て替え計画が延期されることとなったほか、観光施設の整備予算、イベント予算などといった「観光地の基幹産業に影響する予算」もコロナ対策費と市内の事業者支援のために消えており、長引くコロナ禍は観光都市の財政を揺るがす事態となっている。

GoToで儲けただろうにーー批判を浴びた観光地

 市の財政が苦しくなるなか、市内の多くの事業者が何らかのかたちで恩恵を受けていたのが、昨年末まで実施されていた政府による支援策「GoToトラベル事業」であった。

 しかし、同事業はコロナ禍の終息がみえないなか、再開の見込みが立っていない。

 別府温泉をはじめ、全国各地の観光地からは「感染拡大の終息後にGoToを再開して欲しい」という声も少なくない。

 しかしその反面、大都市圏や一部のメディアからは「国民が厳しい時期に観光関連産業だけが優遇されることは利権だ」として、さらに地方からは「観光地は大都市圏からコロナを呼び込む厄介な存在だ」として、GoTo政策が、さらには観光地自体が批判を浴びていたという経緯もあり、例え感染状況が落ち着いたとしても観光地からは大々的に再開を望む声を上げづらい状況だ。

 ある市民は「例えGoToが大企業や大リゾート地ほど得をする政策やと言われても、大きなホテルほど(地域に)観光客を来させよったし、そこで働きよん人も多いのに……」と話す。別府市には大手企業の運営・もしくは大手と提携しているホテルや旅館が複数あるが、それらの殆どが2月時点も長期休業したままだった。

このままではマチが消えるーー危機感を抱く市民

 狭い可住地域に約12万人が住む別府市は、常に多くの観光客と学生が滞在しており、「人口以上の都市規模」であり続けた。それゆえ、それらの存在がなければ普通の10万都市…どころか、それ未満の存在でしかない。

 別府市民は、徒歩圏に温泉があるのは勿論のこと、周辺に遊園地や動物園などの観光施設が豊富にあることを(今や地方では遊園地が存在しない県も少なくない)当然のように思ってきた。それだけではない。

 別府駅には全ての電車が停車し、駅近くに家電量販店や百貨店、ショッピングセンター、複数のスーパー、そして大手雑貨店や大手カフェチェーンがあり、主要道路には路線バスが約10分おきに走る――という、地方でありながら「ギリギリ都会に近い、そこそこ便利な日常生活」が送れることも当たり前のことだと思ってきた。

 そして、温泉をはじめとした観光施設の多さや生活の利便性から、近年は「駅チカなら車が無くても生活できる」「子や孫の遊び場も多い」として、大都市圏から別府市内に移住してくる人が少なくなかった。

 しかし、そうした「便利な日常」が送れていたのは、市内を訪れる多くの観光客たちや、市内に住む多くの学生たちのおかげでもあった。

 別府市は戦災に遭っておらず、戦時中は療養拠点として、そして戦後は米軍の駐留拠点としてもにぎわいを見せた。そのため、こうした「市内にほぼ地元住民しか居ない」、そして「多くの店舗が休業してしまう」ような状況は「明治時代以来初のこと」だと言われている。

 日に日に歯抜けになっていく商店街、増えていく「閉店」の貼り紙――頭をよぎる「街が消えてしまう」ことへの危機感。

 しかし、この街は到底地元住民だけで支えられる都市規模ではない。このままコロナ禍が続き、店が減り続け、また公共交通機関の減便・廃止なども続けば、「観光するにも不便な街」となり、そして移住してくる人はおろか、街を離れていく人も増え、さらに衰退のスパイラルに陥って「都市の維持」さえ困難になっていくであろう。

コロナ禍のなか進出する大手企業ーー復活の起爆剤となるか

 一方で、別府市中心部では明るい動きもある。

 この冬、JR別府駅近くに国内の大手企業2社が相次いで大型ホテルを新規出店する方針であることが判明したのだ。

 この2ヶ所はいずれも駅から徒歩2分以内の一等地でありながら、10年以上も有効活用策が決まらずに「平面駐車場」となっていた場所だ。

 JR別府駅近くではここ数年地価が上昇傾向にあったが、コロナ禍以降は急速に空き店舗が増えつつあり、「コロナ禍による地価の上げ止まり」が大手の事業者を呼び込むことに繋がった可能性もある。

 言うなれば、コロナ禍による「怪我の功名」であるのかも知れない。

 大手企業によるホテル進出は、近隣の宿泊事業者にとっては競争が増すことに繋がるものの、コロナ禍の影響がとくに深刻であった中心商業地の飲食店、土産品店など他の観光業従事者にとってはプラスに働くものであり、また大きな雇用先を生むことにもなる。

 それ以上に、永年空き地だった場所の活用策が決まったことは「街が消えること」への危機感を抱いていた市民にとって明るい希望の1つになろう。

 とはいえ、出口が見えないコロナ禍は、その「希望」も打ち砕くほどに長すぎるトンネルだ。

 長いトンネルを抜けるまで生き残り、いつか復活を遂げた温泉街の姿を見ることが叶うのか――商店主たちは、そして市民たちは、今日も薄暗い「終末世界」で不安な日々を過ごしている。

 緊急事態再延長78%評価内閣支持率9p増の48% 

Bloomberg 2021年3月8日(月)8時14分配信

 菅義偉内閣の支持率は前回調査から9ポイント上昇し48%だったと、8日付の読売新聞朝刊が世論調査の結果を報じた。不支持率は同2ポイント低下し42%で、昨年12月26-27日の調査以来初めて支持が不支持を上回った。

 社員の慢心を戒め続けたカリスマ会長退任スズキは“電動化”時代に生き残れるのか 

日刊工業新聞 2021年2月28日(日)15時19分配信

一度赤字になると坂をころがり落ちる

 スズキの鈴木修会長が6月に退任する。スズキを浜松市の軽自動車メーカーから、世界的な小型車メーカーに育てた。

 米ゼネラル・モーターズ(GM)や独フォルクスワーゲン(VW)との提携・解消、インドへの進出と、軽メーカーにとどまらない存在感を示す企業に育て上げた。その先見性と流れを読む力は、自動車業界のトップでも抜きんでていた。

 一方で、大企業になってからも「スズキは中小企業」と言い続けるなど、堅実経営を貫くカリスマ経営者だった。自動車の大変革期を迎え、スズキは新たな経営陣で新たな潮流をつかむ。

「卒寿も白寿も関係ない。年齢を数えるとしわが増えるだけ」。88歳の米寿を迎えた2018年1月、鈴木修会長は余裕で笑い飛ばした。20年1月30日の90歳の誕生日は、浜松市内で地元の経済人ら90人が盛大に祝った。

 鈴木会長がその一人一人に送ったお礼の手紙には「これまでもこれからも、会社のために昼夜を問わず一生懸命働き、休日は趣味のゴルフに打ち込みたい」と書かれていた。

 20年はスズキの創立100周年の年でもあった。誕生日会の後、新型コロナウイルスの感染が急拡大し、経営環境は厳しさを増したが、「危機を乗り切り、これをバネとして過去最高の業績を打ち立てるのが目標」と意欲を燃やしていた。

 鈴木会長は創業家の娘婿として、48歳で社長に就任。国内でほとんど最下位だったスズキを一代で世界有数の小型車メーカーへと育て上げた。80年代初頭、誰も出ていない国へ行けば一番になれるとインド進出を決断。当時、まだ牛が道路を闊歩していた10億人市場を切り拓き、今では収益の大黒柱となっている。

 経営者として人生を全うする情熱の火は決して消えない。一方で、企業の存続を考えた時、そのカリスマ性ゆえに後継者問題には悩み続けていた。

交代しようと思うといろいろ起こる」。鈴木会長の苦悩を初めて聞いたのは07年、後継者として通商産業省(現経済産業省)から迎え入れた小野浩孝氏(当時専務)が急逝した時だ。小野氏は鈴木会長の娘婿でもあり、リーダーとしての資質にあふれていた。

 鈴木会長はその先見性と卓越した外交力で格上のGMやドイツのVWとも対等に提携交渉した。約20年にわたり提携関係を続けたGMと提携解消し、後ろ盾を失った08年には「火中の栗は自分で拾う」と、社長兼任を発表。15年に長男の鈴木俊宏社長にバトンタッチした。

 俊宏社長が就任した15年に国際仲裁裁判でもめていたVWとの提携解消が実現し、「強い後ろ盾を得て将来の道筋をつける」のが、最後の大仕事となった。

 環境技術や自動運転など次世代自動車の開発競争が激化する中、鈴木会長が意を決して向かった先は創業家同士の親交があるトヨタ自動車。その業務提携、資本提携へとこぎ着け、ほっと安堵したに違いない。

中小企業の新しい経営計画

「ウチみたいな中小企業は一度赤字になると坂をころがり落ちる」。08年のリーマン・ショック時、世界の自動車メーカーが軒並み赤字に陥る中で、スズキはわずかながら黒字を確保。

 業績が良くても「うちは浜松の中小企業」と繰り返し、どんなに業績が好調でも「この程度の成功で満足しているようでは危ない」と社員の慢心を戒め続けた。

「おふくろが作った雪だるまの根っこ(芯)は固かった」。18年秋には私財を投じて創業者の名を冠した「鈴木道雄記念財団」を設立。創業者の努力を「周りが溶けても残っていた」という雪だるまの芯に例え、自身の功績は「普通に努力すれば大きくできる」と謙遜した。

 スズキは修会長の退任発表と同時に26年3月期の売上高が20年3月期比約4割増で過去最高の4兆8000億円、営業利益率5・5%を目指す新中期経営計画を発表した。25年までに電動化技術を確立し30年にかけ全車種で電動化対応するほか、国内での登録車販売を21年3月期比1・5倍に伸ばす目標などを盛り込んだ。

 出遅れていた電動化対応を最大のテーマとして、トヨタとも連携しながら取り組みを加速する

 4月からの新中計では走行時二酸化炭素(CO2)と製造時CO2の排出削減、高品質の維持の三つを柱とした。中でも最重点に置くのが、電動化だ。エンジンとモーターを使い分けて走行する「ストロングハイブリッドシステム」を自社開発するほか、商用車用ハイブリッドシステムやプラグインハイブリッド車(PHV)、電気自動車(EV)の開発も進める。5年で1兆円の研究開発費を計画するが「ほぼ全額に近い所を電動化に投じる」(鈴木社長)。

 資本提携するトヨタとはEV用車体といった電動化技術や、アフリカでの物流・サービス体制構築などのほか「部品の共通化でコストダウンできる所は一緒にやりたい」(同)と、連携を深める。

 販売では新興国を今後も成長の柱に位置付け、主力のインドでは取り込めていない農村部などを開拓する。26年3月期の4輪車販売目標は、20年3月期比約3割増となる370万台とした。

 鈴木社長は「いま一度社是の原点に立ち返り創業者の『お客様のためならどんなことをしてでもこたえろ。頑張れば、できるもんだ』を決意として取り組んでいく」と抱負を語る。

修会長は会見で何を語ったか

 中計を16年に作り、21年に終わるタイミング。ちょうど21年4月から長期計画をつくることになった。カーボンニュートラルが国家政策として受けとめられている。

 世界各国のCO2排出規制が厳格化されたこともありHV、EVなど電動化が一層必要と考えている。100万台におよぶ大規模なリコールを出した。品質向上、ならびに不具合の早期対応も当社にとっては生き残りをかけるところにきている。

 21年1月に電動化と品質向上を二本柱とする新たな中計、初年度における22年3月期の基本方針を取りまとめた。取締役、経営幹部に同意を得て本日、取締役会で承認を受けた。

 今回、策定した中計は30年、50年の基礎を作るものだ。本計画の着実な実行を推進するため役員体制を一新する。本計画の経営方針に忠実に実行するために、相談役に就くこととした。

 

2021年3月 2日 (火)

【新型肺炎】新規感染者再び増加✍WHO「ワクチン頼み」警告。

 世界のコロナ新規感染者再び増加 WHO事務局長ワクチン頼みは間違い 

SciencePortal 2021年3月2日(火)17時48分配信

 1月中旬以降減少傾向にあった新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界全体の新規感染者数が、2月下旬の集計で再び増加に転じたことが分かった。世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長が日本時間1日の記者会見で明らかにした。テドロス氏は「ワクチン頼みは間違いだ」と警告し、改めて基本的な感染防止対策の徹底を求めている。

 WHOによると、世界の1週間当たりの新規感染者は2月28日付の暫定値で260万人を上回った。1月10日付集計で過去最多の495万人に達したが、その後減少が続き、2月14日付では272万人に、同月21日付では245万人になっていた。これは昨年10月ごろの水準だった。

 しかし最新集計となる先週金曜日付では265万人を記録。世界全体で6週続けて減少してきたが、先週は7週間ぶりに再び増加に転じた。日本を含むWHO西太平洋のほか、南北アメリカ、欧州など、WHOの世界6地域管内のうち4地域管内で増加が確認された。

 記者会見でテドロス氏は「ワクチンは命を救うことには役立つが、国がワクチンだけに頼るなら、その国は間違いを犯していることになる」と述べ、人が密集しているところを避け、人との距離を確保し、手指消毒やマスクをする、といった基本的な感染防止対策を掲げた。

 テドロス氏は「ガーナとコートジボワールがCOVAXを通じて供給されたワクチン接種を始めた最初の国になった」と強調。先進各国に対し、引き続きCOVAXへの貢献に期待を寄せた。COVAXとはCOVID-19のワクチンを共同出資・購入して発展途上国にも行き渡らせる国際枠組みで、92カ国・地域にワクチンを無償提供する。その第1便となるワクチンが2月24日に西アフリカのガーナに到着していた。現時点ではWHOが緊急使用を承認した米ファイザーと英アストラゼネカが、それぞれ開発したワクチンが発展途上国に振り向けられることになっている。

 またWHOでCOVID-19の緊急事態対応を担当するライアン氏は同じ記者会見で「年内にCOVID-19と決別できると考えるのは現実的でない」と指摘し、ワクチンの普及に期待しつつも、感染収束は来年以降に持ち越す可能性が高いとの見方を示した。

 米ジョンズ・ホプキンズ大学が集計した日本時間2日午前時点での世界の感染者は1億1440万人に達している。

 世界最速アポなし接種OK イスラエルからリポート 

AERAdot. 2021年3月3日(水)8時02分配信/Nissim Otmazgin(国立ヘブライ大学教授)

 1カ月ほど前、私はエルサレムの自宅からそれほど遠くない診療所に、ファイザー社の新型コロナワクチンの接種を受けに行きました。

 そのときの政府のガイドラインでは、ワクチン接種の資格は年齢が50歳以上で、まだ40代後半の私にはワクチンを受ける資格はありませんでした。私が診療所に到着したときはすでに夕方で、私はワクチン管理の30代ぐらいの男性に「まだ50歳に達していないが、予防接種を受けることができるでしょうか」と尋ねました。

 彼は数秒間私を見た後「OK」と言い、予防接種を受けるために私を案内してくれました。その間彼は、資格がない私がワクチンを受けられる理由は「いくつか予備のワクチンが残っているため」で、「喜んであなたに接種を許可します」と説明してくれました。

 このエピソードは、イスラエル人の国民性とこの国の物事の管理の仕方について多くのことを伝えています。イスラエル人は即興性を好み、柔軟性とルールを曲げる傾向がありますが、新型コロナウイルスのワクチン接種の場合、これが利点になりました。逆に普段ルールを無視することに慣れていない日本では、私のような場合、接種を受けられなかっただろうと思います。

 イスラエルは、新型コロナウイルスのワクチン接種キャンペーンを開始した最初の国の一つであり、開始1カ月後には、イスラエルの人口(約900万人)の約3分の1が、少なくとも1回の接種を受けました。これは世界で最も速い接種スピードです。人々は各都市の診療所、病院、および特別に設けられた指定の公共スペースでワクチンを接種できるようになっています。

 またイスラエルのニュースやソーシャルメディアは、人々にワクチン接種を行うよう呼びかけています。WhatsApp と呼ばれるLINEに似たメッセージアプリには、ワクチンに関する情報が提供され、予定した接種者がやってこずワクチンが余った場合、その日のうちにメッセージで誰でも来られる人に呼びかけます。 また年老いた両親に付き添いワクチン接種会場にやってきた人々にも、彼/彼女が基準を満たす年齢でなくても接種させてくれます。

 イスラエルで迅速なワクチンの接種キャンペーンができたのにはいくつかの理由があります。第一に、その即興的な対応です。困難な状況に直面した場合、日本人はおそらく最初はそれを避ける傾向があるでしょうが、イスラエル人はそれを挑戦と見なします。そしてイスラエル人の即興性がその困難に立ち向かいます。

 おそらく即興性に関して、イスラエル人は世界一です。イスラエル人は混沌の中で繁栄するため、新しいものを発明し、ルールを回避して動き、解決策を「型破りな」方法で考えます。この点でイスラエル人の動きは素早く、形式を無視し、その困難な状況に対面しつつ、走りながら問題を解決していきます。

 この柔軟な国民性は、ビジネスシーンで最もよく見られます。イスラエルは現在、イノベーションと「型破りな」思考を必要とする新興企業(スタートアップ)の世界的リーダーです。しかし、長期的な管理を必要とするグローバル企業の管理にはいまだ成功していません。スタートアップにはイノベーションが必要ですが、確立された企業を所有するには「忍耐」が必要で、この特性をイスラエル人は持っていません。

 イスラエルの迅速な予防接種を助けた二つ目の要因は、プライバシーについての考え方です 。またはプライバシーに対する意識の欠如、とも言い換えられます。迅速なワクチン接種には情報の共有が必須です。例えば、ファイザー社のワクチン接種は、3週間の間隔をあけて2回行います。しかし2回目を受けるために必ずしも同じ診療所に行く必要はありません。

 なぜならイスラエルの医療システムはほぼ完全にコンピューター化されているので、関係者相互に情報が共有されているからです。これはプライバシー情報に対する懸念を提起しますが、イスラエル人は日本人よりも、便利になるのであれば多少の妥協は受け入れることが必要だと思っています。

 私が日本に住んでいたとき、人々のプライバシーを守ることがいかに重要だったかを覚えています。例えばある本を読んだ後、その著者である大学教授にコンタクトを取りたかったのですが、その人の連絡先(Eメールなど)をオンライン上で入手することができませんでした。

 大学のオフィスに連絡してもその人のプライバシーを理由に拒否され、話したい教授に連絡できないことがありました。プライバシーはもちろん大事ですが、それをあまりに強く保持することは時には逆効果になることもあるのです。 

 第三の理由として、イスラエルは、日本と同じように、公的医療制度が完備されていることです。イスラエルの医療制度は、1950年代から1960年代に確立しました。

 その時代のイスラエル政府は強い社会主義的方針で、すべての市民が医療サービスにアクセスできる政策をとりました。米国とは異なり、イスラエルの医療システムは国家の義務であり、比較的安価に、すべての人がアクセス可能となっています。また政府が中央集中型の公的医療システムを持つことは、全国の新型コロナワクチン接種の管理上の利点にもなりました。

 イスラエルや日本のような公的医療制度が完備された国は、米国やそれがない他の国々に比べて優位に立っていると私は思います。日本に住んでいたころ、私は日本の公的医療制度とその高いアクセシビリティーに非常に感銘を受けました。

 私が学生時代に加入していた国民健康保険制度は、比較的安くて使いやすいものでした。訪れた病院は設備が整っており、ちょっとした病気やサッカーで足首を捻挫したときにかかった近所の診療所は、とても親切で便利でした。

 もう一つ、政治との関係もあります。イスラエルでワクチン接種キャンペーンを前進させることには、強い政治的意志が働いています。現在、長期政権を続けるベンヤミン・ネタニヤフ首相は、コロナによって国の経済が大きな打撃を受けたため、3月に行われる総選挙の結果、再任されない可能性が高くなっています。

 そのためネタニヤフ首相は選挙前にいくつかの成果を国民に示し、選挙を有利に持っていきたいと考えています。したがって、彼はこのワクチン接種キャンペーンを指導し、官僚の困難の解決を助け、さらに多くのワクチンを確保するためにファイザー社やモデルナ社と自身で交渉さえ行っています。

 最後に、ワクチンの接種を受けることへの多くの人の心配について答えたいと思います。イスラエルでもワクチン接種キャンペーンが始まる前に、人々が協力せず、ワクチン接種を受けに来ないのではないかという懸念がありました。しかし今のところ、それは起こっていません。

 多くのイスラエル人がワクチン接種を希望してやってきました。このイスラエルの経験に鑑みると、科学者たちにワクチン接種が安全であることを説明してもらうだけでは不十分です。コミュニティーのリーダーがそのコミュニティーの人々にワクチンの接種を奨励することも、とても重要な要素です。

 願わくば、イスラエルがコロナ禍からの回復の道を歩んでいることを期待します。そして日本で順調にワクチンの接種が進み、オリンピック開催の時期には国民に行き渡り、ワクチンの効果が有効になっていることを願います。

 バイデン大統領、1年後“正常化”期待—ワクチン供給増強 

Bloomberg 2021年3月3日(水)7時40分配信

 バイデン米大統領は2日、5月末までに全ての成人の接種に十分な量の新型コロナウイルスワクチンを確保できるとの見通しを示し、米国が「来年の今ごろまでには」正常化していると期待していると表明した。

 米製薬会社メルクは同業ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)が開発した1回接種型の新型コロナワクチンの生産を支援することで合意したと確認した。

 ホワイトハウスのサキ報道官はこの日、来週の新型コロナワクチンの州への出荷量が1520万回分と、今週の1450万回分から増加すると発表。連邦政府はさらに、J&J製ワクチン280万回分が州に送られたことを明らかにした。

 メルケル独首相と各州首相は一部制限措置を緩和するものの、ロックダウン(都市封鎖)の大部分を3月28日まで延長することで合意する見通しだ。ブルームバーグ・ニュースが提案書草稿を確認した。

 イタリアのドラギ新政権は近く、追加経済対策の承認を議会に求める可能性がある。新型コロナワクチンの接種が進まず、変異株の感染が拡大する中で財政頼みの状況が続く。

伊政府、財政赤字拡大承認求める公算-新型コロナ見通し悪化で

 チェコでは新型コロナの重症入院者が過去最多となった。

 アジアではインドのモディ首相が新型コロナワクチンの接種を受けた後、接種の登録者が急増した。中国疾病予防コントロールセンター(中国CDC)はワクチン接種率を現在の約3.5%から6月末までに40%に引き上げる目標を設定した。

 米ジョンズ・ホプキンズ大学とブルームバーグの集計データによると、世界の感染者数は1億1460万人を超え、死者数は254万人を上回った。ワクチン接種は全世界で2億4500万回を突破した。

 米テキサス州のアボット知事は州内の新型コロナ入院者が減少し、感染率が低下する中でマスク着用義務などの措置を解除した。サンフランシスコ市のブリード市長は店舗内飲食や映画館、ジムの再開を制限付きで認めると述べた。

 ニューヨーク市のデブラシオ市長は順調に行けば6月までに500万人へのワクチン接種を終えるとの見通しを示した。

 欧州連合(EU)の欧州医薬品庁(EMA)は、ヒト用医薬品委員会(CHMP)がJ&J製ワクチン承認の可否に関する勧告を今月11日に決めると発表した。

 メルクは新型コロナ治療薬「MK-7110」の追加臨床試験の準備を進めている。既に第3相試験を実施したが、米食品医薬品局(FDA)から可否判断を下すには結果が不十分だとされていた。

米国自国第一」ワクチンのメキシコへの転売拒否

時事通信 2021年3月3日(水)7時19分配信

新型コロナウイルスのワクチン確保で、バイデン米政権は「自国第一」の立場を貫いている。

 製薬企業からの直接購入で苦戦するメキシコは、米政府が調達した分の買い取りを希望。バイデン大統領とメキシコのロペスオブラドール大統領による1日のテレビ首脳会談でも話し合われたもようだが、米側は「米国民への接種が優先」として応じない構えだ。

 メキシコからの報道によると、ロペスオブラドール氏は首脳会談前の記者会見で、バイデン氏に「転売」を直接持ち掛けると説明。「われわれ多くに関わる問題だ」と力を込めた。

 米ジョンズ・ホプキンス大の集計で、メキシコの新型コロナによる死者数は米国、ブラジルに次いで世界3位。各国がワクチン争奪戦を展開する中、左派出身のロペスオブラドール氏は貧しい諸国が後回しにされる現状に批判を強めている。

 だが、サキ米大統領報道官は1日の記者会見で、メキシコへのワクチン売却の可能性について「大統領は、すべての米国民が確実にワクチンへアクセスできることに集中している」と指摘。他国へのワクチン供給は、米国民の分を確保した上で検討する考えを示した。バイデン政権は7月末までに、大半の国民へ行き渡るだけのワクチンを調達する計画だ。

 ワシントン・ポスト紙によれば、ロペスオブラドール氏はトランプ前大統領にもワクチン調達で協力を要請していたが、トランプ氏は拒否し、昨年12月に「ワクチン配布での米国民優先」を命じる大統領令を出した。バイデン氏は前政権が掲げた「米国第一主義」を批判しているが、国民の生死に関わるワクチン確保をめぐっては、国際協調も後回しにせざるを得ないようだ。 

 聴衆大熱狂のトランプ演説バイデン政権の憂鬱 

JBpress 2021年3月3日(水)8時01分配信/古森 義久(産経新聞客員特派員)

 米国のドナルド・トランプ前大統領が2月28日、退任後の初めての演説で次回の大統領選挙への出馬を示唆した。トランプ氏は支持者たちの熱狂的な声援を受けながら、ジョセフ・バイデン現大統領の新政策に激しい非難をぶつけた。

 共和党はトランプ氏を中心に民主党と戦っていく体制を明確にしたわけだが、民主党側の現状は、バイデン大統領の控え目な国民への語りかけに加えて、同党のホープとされたニューヨーク州のアンドリュー・クオモ知事が大規模なスキャンダルにまみれるなど、気勢を上げる共和党とは対照的である。

不正選挙糾弾に聴衆が熱狂

 トランプ前大統領は米国の保守勢力連合体「保守政治行動会議(CPAC)」の総会の最終日に基調演説者として登場した。会場は米国南部フロリダ州のオーランド市のホテルだった。トランプ氏は1時間半以上にわたって熱気を込めた演説をして、満場の聴衆を沸かし続けた。

 CPACのこの年次総会は、毎年、共和党の上下両院議員はじめ党組織の中枢の活動家たちを全米から集めて、保守主義の拡大や連邦、各州レベルの選挙戦略を討議する。今年(2021年)は2月25日から28日まで数千人が参加して開かれた。

 74歳のトランプ氏は元気な様子で最終日に登場して基調演説を行った。同氏の公開の場での発言や演説は1月20日に大統領を退任してから初めてである。トランプ氏は用意した草稿からたびたび離れて、自由自在に語るという大統領時代の演説スタイルで話し続けた。

 トランプ氏のこの演説での要点は以下のとおりである。

 「ジョセフ・バイデンは就任以来の1カ月、アメリカの近年の歴史でも最悪の大統領となった。雇用への反対、家族への反対、国境への反対、エネルギーや女性、科学への反対などがその統治の特徴だ。バイデン政権はわずか1カ月で『アメリカ第一』を『アメリカ最後』にしてしまった」

 「バイデン氏は私たちの国境を除去して、私たちの政権が国境に構築した安全保障の措置や管理のシステムも撤去してしまった。その結果、不法移民、難民のアメリカ合衆国への巨大な流入を引き起こした。こんな出来事はアメリカの長い歴史でも初めてのことだ」

 トランプ氏は以上のようにバイデン大統領に非難を浴びせ続け、さらに「2020年の大統領選は不正選挙だった。だからバイデン氏には大統領の資格はない」とする主張を表現を変えながら繰り返した。

 満場の参加者たちは、トランプ氏が「不正選挙」を糾弾するたびに大きな拍手や熱狂的な声援を送った。その光景は、トランプ氏支持者たちの大多数が今なおバイデン大統領を合法的な大統領とみなしておらず、米国全体の政治的な分裂や対立が一層険しくなっているという実態を伝えていた。

共和党の中核として戦い続ける

 トランプ氏は演説で、今後も自分が共和党の中核にあって対民主党への挑戦を続けていくことを宣言し、そのうえで次のように述べた。

 「私は新しい政党をつくる考えはない。私たちには共和党が存在する。共和党の団結を強め、これからかつてない強固な政党にしていく。私が新政党をつくるという情報はフェイクニュースだ。私が新しい政党を立ち上げて、票が分散して、選挙で負ける。民主党にとってはなんと素晴らしい考えではないか」

 「これからの4年間、この場の勇気ある共和党員たちが、過激な民主党員たちを抑える試みの中核になっていくのだ。その戦いではフェイクニュースメディアや有毒な『キャンセル文化』に対しても挑むこととなる。そしてみなさんには、私があなた方とともに戦い続けていくことを知ってほしい」

 トランプ氏がここで口にした「キャンセル文化」とは、アメリカの伝統や歴史を、現在のリベラル志向の基準からみて否定し抹殺していくという風潮を指す。現在のアメリカで過激な民主党左派を中心に進められている政治運動である。保守主義派は当然この流れに猛反対している。

次期大統領選への出馬を示唆

 さて、トランプ氏の演説で最も注目されたのは、トランプ氏が次回の2024年大統領選挙に出馬するかどうかだった。この点についてトランプ氏は断言はしなかった。だが出馬の意向を示唆したことは明確だった。

 「次の大統領選では、共和党の大統領がホワイトハウスに勝利の復帰を果たすだろう。連邦議会でも共和党は下院を奪回し、上院も多数を制するだろう。その際の大統領が一体誰なのか。誰なのか。私もいぶかるところだ」

 トランプ氏は笑みを浮かべながら、愉快そうにそんな言葉を繰り返した。この言動は、聴衆から同氏が大統領出馬を十二分に考えている証拠として受け取られた。

 今回のCPAC参加者全体に対する非公式な意見調査では、次の大統領選での候補者として支持する人物にはトランプ氏が全体の55%と首位を占めている。第2位は集会の地元のフロリダ州知事、ロン・デサンティス氏(21%)だった。そうした調査結果からも、共和党内が少なくとも現時点においてトランプ氏主導で支持が一致している可能性はきわめて大きい。

 ただし、今回のトランプ氏の再登場に対して、ニューヨーク・タイムズやCNNテレビといった年来民主党を支持してきた大手メディアの伝え方は、「トランプ氏はまた虚構の主張を繰り返した」という調子で、冷淡だった。今なお衰えないトランプ氏の人気や次回の大統領選挙への出馬の展望をまるで認めないような、相変わらず敵対的な報道であった。

落ちた偶像クオモ知事

 一方、こうした共和党側の気勢とは対照的に、民主党側の現状は勢いや熱気をまったく感じさせない。

 1つには、バイデン新大統領が自分の言葉で国民に直接語りかける機会がほとんどないからだ。バイデン政権は、トランプ前政権の政策を逆転させる施策を大統領令の形でいくつも出してきた。しかし、大統領自身による説明や訴えがほとんどない。いずれも準備された短い公式声明を読み上げるだけで、記者との質疑応答もなく退場してしまう。

 さらに民主党にとっては、かつて同党の希望の星とされたニューヨーク州のアンドリュー・クオモ氏がすっかり「落ちた偶像」となったことも暗い材料となっている。

 クオモ氏は新型コロナウイルスが全米に広まった2020年前半から、感染の中心地となったニューヨーク州での防疫対策で積極果敢な措置をとってきた。その過程では、共和党のトランプ大統領とコロナ対策をめぐって頻繁に論争してきた。その独自性が民主党を支持する米国民の多くにアピールして、全米で人気が高まった時期もあった。

 ところが最近になって、クオモ知事が老人ホームなどでの新型コロナ死亡者を過少に発表していたことが発覚し、非難を浴びている。昨年3月ごろからニューヨーク州内ではコロナウイルス感染者が急増し、一般病院では感染者の収容や治療が十分にできなくなった。そこで患者を一般病院から高齢者用介護施設に搬送した。だが、介護施設側の受け入れ態勢が整っていない段階で、クオモ知事は強引に搬送を実行させたという。その措置の結果、州内の多くの介護施設で新型コロナ感染者や死者が急増した。だが同知事はその実態を隠蔽し、犠牲者の数を一部しか公表しなかったという。

 さらに2021年に入って、クオモ知事に対する一連のセクハラ告発が起きた。その複数の女性たちは、ほとんどが同知事と職務を通じて接触のあった人物であり、実名を出しての刑事告発が相次いだ。

 クオモ知事のそうしたコロナ下での隠蔽やセクハラ事件は、民主党支持のメディアも含む全米の報道機関によって広範かつ詳細に報じられた。民主党にとっては党全体のイメ―ジを大きく傷つけられる手痛い報道だった。共和党側は、クオモ事件を民主党のスキャンダルとして攻撃し、政治利用する動きを見せ始めた。息巻く共和党と逆風にさらされる民主党。競合するアメリカの2大政党は、今のところくっきりと明暗をわける形となっている。

 

2021年2月18日 (木)

【新型肺炎】コロナワクチン接種後の「行動」どうなるのか??

 マスク、集会、旅行など、コロナワクチン接種の行動どう変わる?

NATIONAL GEOGRAPHIC 2021年2月17日(水)18時11分配信

一般的な行動のリスクがどう変わるのか、専門家に聞いた

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミック(世界的大流行)が始まってから約1年が経過した。世界の死亡者が240万人超、米国内だけで50万人弱という驚異的な数に達する中、希望をもたらしてくれるのは、記録的な速さで開発された複数のワクチンだ。

 ワクチン接種を受けた人の数が日に日に増え続ける中、ワクチンを打つと日々の暮らしぶりがどう変わるのかについて疑問を持っている人も少なくないだろう。屋内で友人たちと会ったり、マスクをせずに買い物をしたりといった、これまで危険とされてきた行動は、ワクチン接種を受ければ安全になるのだろうか。

 ここでは、ワクチン接種後の一般的な行動におけるリスクについて、専門家の意見をいくつか紹介していこう。

ワクチン接種後、どのくらいたてば完全な免疫が発揮される?

 現在、米国で承認されている米モデルナ製および米ファイザー・独ビオンテック製のmRNAワクチンは、3~4週間の間隔を空けて2回の接種を行う。COVID-19に対する最大レベルの防御力が達成されるまでには、2度目の接種から1~2週間かかる。これらのワクチンの臨床試験では、それぞれ約95%の発症予防効果が確認されている。

「これまでのところ、どのワクチンも重症化、入院、死亡に対して非常に高い防御力を発揮しています」。米ジョンズ・ホプキンス大学ブルームバーグ公衆衛生大学院国際ワクチンアクセスセンター所長のウィリアム・モス氏はそう語る。

 ただし現時点では、ワクチンを完全に接種した後で、免疫力がどのくらいの期間持続するかは不明であり、その答えを明らかにするには時を待つしかない。COVID-19のワクチンは今後、インフルエンザと同じように、年に1度の予防接種として受けることになる可能性もある。その効果の持続期間は、1年より短いかもしれないし、それより長いかもしれない。

ワクチン接種後は、感染しても無症状となって、ワクチンを受けていない人にウイルスを広げることがある?

 この質問は非常に重要だが、まだ厳密な研究は行われていない。これまでに得られたデータが示唆しているのは、ワクチン接種は、無症状の感染者数を有意に抑えたということだ。モデルナの第3相臨床試験では、2回目接種前の診断検査の時点で、有症状および無症状の感染例が1回目の接種によって89.6%予防されたことが示されている。

 英オックスフォード・アストラゼネカ製ワクチンの第3相試験の予備的な結果からは、ワクチン接種後のスワブ検査の陽性率が67%減少したことがわかる。

 この結果は「非常に有望」だと、米カリフォルニア大学バークレー校公衆衛生学部の臨床名誉教授ジョン・スワルツバーグ氏は言う。「これを踏まえれば、わたしは責任をわきまえた一人の人間として、より安全にほかの人たちの近くにいられるでしょう」

ワクチン接種を受けた人たちが集まるのは安全?

 ワクチン接種を受けた人たちが集まってよいかどうかを判断するのに必要なのは簡単な“計算”だと、スワルツバーグ氏は言う。この計算でいま考慮すべきは、参加者一人ひとりが新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)にさらされる可能性であって、その人がワクチン接種を受けたかどうかは関係ない。なぜなら、たとえワクチン接種を受けた人でも、感染する可能性が多少はあるからだ。

 時間がたつにつれて、集団のなかでより多くの人がワクチン接種を受け、感染者が減少を続けていけば、ワクチン接種を受けた人たちが集まることは「安全な行動」となり、その後も安全性は増していくだろうと、モス氏は言う。

「安全を図るなら、ワクチンがより広範に行き渡るまではもうしばらくの間、できる限り社会的距離を保つ対策を続けるべきでしょう」。米コーネル大学の免疫学准教授シンシア・リーファー氏はそう語り、大勢で集まるのを避け、マスクを着用し、相手から十分な距離(厚労省は2メートルを推奨)を取るというガイドラインに従うことを勧めている。

 また、まだ発見されていない新たな変異株に対して、ワクチンがどの程度の効果を発揮するかは未知数だ。

「現在のCOVID-19の流行が拡大するほど、変異株が発生する可能性は高まります。ワクチンが効かない新たな変異株がいつ出現するかを予想することはできません」とリーファー氏は言う。

 まだ承認されていないノババックス社のワクチンは、南アフリカで発見され、その後他国にも広まった変異株に対して、有効率が89.3%から49.4%へと大幅に低下した。ファイザーとモデルナは、英国で最初に発見された感染力の高い変異株に対して、それぞれのワクチンがどの程度効果を発揮するかについて、現在もテストを進めている。

ワクチン接種後もまだ公共の場でマスクを着用すべき?

 少なくとも当分の間は、だれもがマスクを着用する必要があるという点において、専門家の意見は一致している。ワクチンを接種した人かどうかはほかの人からはわからず、そのせいで混乱した状況を招くかもしれない。また、ワクチンに対する免疫反応は人によって異なる可能性がある。

「つまり、100人にワクチンを接種したとしても、ワクチンに対する反応のレベルは人によってさまざまです。自分の体を守れるだけの反応が起こらない人もいるかもしれません」と、リーファー氏は言う。自分の体がワクチンに対してどのように反応したかを知るすべはなく、マスクは依然として体を守る手段の一つになる。さらには、ワクチン接種を受けた人はウイルスをどの程度他人に感染させうるのかという、まだ答えのわからない課題も残っている。

「わたしは、ワクチンは大きなばんそうこうのようなものだと考えています。しかし、自分たちの身を守るためのばんそうこうはほかにもあります」と、スワルツバーグ氏は言う。そうしたばんそうこうの一つがマスクであり、だれしもマスクの使用をやめるべきではないと、氏は考えている。

ワクチン接種を受ければ、遠くまで移動しても安全?

 多くの人が現在、親戚や友人と直接顔をあわせたのはもう何カ月も前という状態にあるが、ワクチン接種を受ければ、世界中を旅するのが安全になるわけではない。

「最終的には、人々が何に安心感を得るかという問題になるのだとは思いますが、忘れてはならないのは、現状、新規変異株がいつ、どこで発生するのか、そしてワクチン接種を受けた人たちに防御力があるのかどうかを予測できないということです」とリーファー氏は言う。「ワクチン接種を受ければ、その場で無敵の盾を手に入れられるわけではありません」

 スワルツバーグ氏は、そう遠くないうちに、ワクチンを接種した人同士が少人数で集まるのは安全に感じられるようになるものの、飛行機での移動はまた別の話だと述べている。「空港や飛行機の中にはだれがいるかわかりません。あの飛行機やあの空港にはワクチン接種を受けていない人はあまりいないはずだと自信を持って言えるようになるまでには、まだ長い時間がかかるでしょう」

十分な数の人がワクチン接種を受けて普通の生活が戻るまでにはどのくらいかかる?

 気楽に過ごしていた2019年の世界はもはや遠い記憶のように感じられるかもしれないが、ワクチン接種が進行していることを考えれば、レストランでの食事、通学、友人とのカラオケといった普通の生活の一端は、少しずつ手の届くものになっていくと思われる。

 集団免疫に至るまでの途上でも、普通の生活が戻ってくる兆しは感じられるだろう。

「おそらく段階的な移行をへてパンデミック前の時代に戻っていくのではないかと、わたしは考えています」とモス氏は言う。最初のステップは、ワクチン接種によって感染者、入院者、死者の数を減らし、徹底した接触者追跡を効果的に実施できるようにすることだ。「追跡については過去にも検討されましたが、実際には米国全土で感染者数があまりに多くなり、追跡システムが圧倒されてしまったのです」

 現在までのところ、ワクチンを接種した人は世界中で1億700万人以上にのぼる。米国では、人口の約3%がワクチン接種を完全に済ませている。現在のペースで進めた場合、9月中旬までには米国の人口の70%が、少なくとも部分的にワクチン接種を受けることになると推定される。研究者によると、集団免疫を確立するには、人口の75~80%の人がワクチン接種を受ける必要があるという。

 リーファー氏は、創造的な流通・製造計画によって、ワクチン接種のスピードが上がることを期待している。「夏の終りまでにはこれを実現して、学生たちが学校に戻れるようになってほしいと思っています」

 ワクチンはどこへでも出かけられるようになる魔法のチケットではない。だが、ワクチンのおかげで、人々はリスクを減らして愛する人たちのもとへ早く戻れる手段を手にすることができるだろう。

 コロナワクチン副反応4割が深刻な影響、女性男性2 

Newsweek日本版 2021年2月12日(金)18時52分配信

いよいよ日本でも開始が近づいたコロナワクチン接種。気になる副反応の実態は?

 スイスでは、昨年末から新型コロナウイルスのワクチン接種が始まり、現在までに人口の4.8%にあたる約41万3千人が接種した。スイスの治療薬の認可監督機関スイスメディックは、1月22日にワクチン副反応に関する初の報告書を発表し、2月5日、その情報を更新した。現時点での副反応は63件で、そのうち26件が深刻だと判断された。

<20件が呼吸困難や血管性浮腫、6件が死亡>

 副反応63件のうち37件(59%)は頭痛、発熱、悪寒など軽いものだった。26件(41%)は深刻で、20件が呼吸困難、皮膚の腫れ(血管浮腫)や皮膚炎(アレルギー反応)、インフルエンザの症状などで、6件が死亡だった。死亡者は85歳から92歳で、みな持病(現病歴)があり、ワクチン接種が死因だったという具体的な証拠はなかった。

 性別では32%が男性で、57%が女性だった(一部の届け出には性別の記載なし)。スイスメディックは、引き続き、ワクチンの有効性はリスクを上回るとしている。

 スイスでは、まず米ファイザー・独ビオンテック製のワクチンが、次いで1月に米モデルナ製が承認された。届け出された副反応の多くはファイザー製によるものだという。これは単に、ファイザー製が先でモデルナ製が後から始まったためだ(フリーペーパーの20ミヌーテン)。スイスメディックは、目下、英アストラゼネカ製のワクチン承認を検討している。

 現在1日あたりの新規感染者数は、減少傾向にある。スイスは1月中旬から感染予防措置が厳しくなり、飲食店に加えて生活必需品以外の商店や文化施設・スポーツ施設は閉鎖、原則的に在宅勤務義務付けというセミロックダウンに入った。これは2月末まで続くが、変異株による感染者急増が警戒されているため延長される可能性がある。

<接種希望者が増加>

 スイスでは、ワクチン接種希望者が増えている。1月初旬に新型コロナウイルス世論調査の第6回目が実施されたが、「すぐに接種する」と答えた割合は41.4%で、10月の第5回目調査の15.6%から劇的に変化した。

 世論調査責任者のミカエル・ヘルマン氏は「前回の調査時は予防接種に懐疑的な人たちが非常に多かったですが、いまは、少なくとも国民の一部は予防接種ユーフォリア(ものすごく接種を受けたい)という状態になっているといえます」と話した。接種しないと答えた人は前回の28%から24%に減った。

 接種派が増えている様子は、先の20ミヌーテンのワクチン接種に関するオンラインアンケートからもうかがえる。2月7日の時点で、42%が「すぐに接種する」と回答した。「開発までのスピードが心配だが受ける」19%、「予防接種は全般的に嫌だが今回は接種する」6%を合わせると接種派は67%になった。

医療現場 ワクチン接種希望者ばかりではない

 ワクチン接種は、とりわけ医療現場で働く人たちには推奨される。しかし、医療現場にもワクチンに懐疑的な人たちはいる。スイスの医療従事者向け情報サイトのメドインサイドは、ワクチン接種が始まる前、(1)医師、(2)看護スタッフ、(3)医療助手(患者情報や医療品の管理ほか採血や注射、X線撮影などを行う)、医療セラピスト、病院総務従事者の計約700人((1)(2)(3)の比は3分の1ずつ)にアンケートを行った。その結果、「すぐに接種する」の回答は30%強で、「すぐに接種しない」の回答は55%近かった。

 またスイス放送協会によると、ワクチン接種開始前、250人の看護スタッフが働くある高齢者施設では、ワクチンを接種すると決めているスタッフは20%しかいなかったという。

 メドインサイドは、1月、心臓外科医、集中治療室スタッフ、内視鏡検査専門家、精神科医、高齢者施設スタッフ、スイスメディックのスタッフなど200人にもアンケートを実施した。もしもワクチン接種が義務になったとしたら、それは辞職する理由になり得ると答えた人は53%にも上った。

 だがメドインサイドでは、接種に対する考え方にはばらつきがあり、少なくともチューリヒ州など一部の地域では医療従事者は接種にとても積極的だとしている。これについて精神分析家のベーター・シュナイダー氏は、接種を拒絶する人たちは1日で接種賛成派に変わることはないとしつつ、ワクチン接種が現実的になればなるほど受けようという気分になるだろうとコメントしている。

 メドインサイドは、医療現場でのインフルエンザの予防接種率が低いことにもふれている。その理由として以下を挙げている。

インフルエンザワクチンの有効性は、年によっては50%未満である
病院のスタッフは、インフルエンザの予防に関しては、手指消毒やマスクの着用などほかの対策がより効果的だと考えている
外部者が看護スタッフの間でインフルエンザの予防接種率が低いことを指摘し、接種すべきだと言うことで、多くの看護スタッフはプレッシャーを感じ抵抗感を覚えている
自分は強くて健康な体をもっていると信じている
自分の体について決定を下す権利は自分にある
看護スタッフが予防接種を受けたら、その看護スタッフへの信頼が薄らぐのではないかと心配だ

 しかし、新型コロナウイルスはインフルエンザと異なる点がいろいろある。有効性が格段に高い新型コロナウイルスのワクチン接種は、スイスの医療現場でどこまで広まるだろうか。

 米軍の3分の1コロナワクチン接種を拒否 

AFPBB News 2021年2月18日(木)12時38分配信

 米軍人の約3分の1が新型コロナウイルスワクチンの接種を拒んでいると、ジェフ・トリバー(Jeff Taliaferro)統合参謀本部副作戦部長(空軍少将)が17日に開かれた下院軍事委員会の公聴会で明らかにした。

 トリバー副作戦部長は、数値は「非常に初期のもの」だと強調した上で、「接種に同意した人の割合は、およそ3分の2といったところだ」と証言。接種拒否の割合が高いのは、新型コロナウイルスワクチンが米食品医薬品局(FDA)の全面的な承認を得ていないため国防総省が接種を任意としているためだと説明した。

 一方、米国防総省のジョン・カービー(John Kirby)報道官は、ワクチン接種に関する米軍全体の詳細なデータはないものの、これまでに91万6500人以上が接種を済ませたと明らかにし、米軍で接種を拒否している人の割合は、これまでに供給されたワクチンの量が軍とほぼ同じ水準にとどまっている一般社会と同じ程度だと述べた。

 収束へ「ワクチンは史上最大の作戦」成否は五輪に影響 

西日本新聞 2021年2月18日(木)11時19分配信

 菅義偉政権が新型コロナウイルス対策の「切り札」と位置付けるワクチンの国内接種が17日、始まった。コロナ対応の「後手」批判で体力を削られた政権にとって、国民の期待感が跳ね上がっているワクチンプロジェクトは成功が義務付けられた「史上最大の作戦」(政府高官)。その成否は、夏の東京五輪・パラリンピックの開催可否にも影響しそうだ。

「(ワクチンは)感染拡大防止の決め手になる。しっかり接種を行い、何としても収束に向かわせたい」。この日、医療従事者への先行接種が始まったワクチンについて菅首相は、衆院予算委員会の集中審議で率直な希望を答弁に乗せた。

 コロナ禍が支持率落下につながった首相はかねて、周囲に「ワクチンで雰囲気が良くなるはずだ」と伝え、早期の接種開始にこだわってきた。年初の記者会見の際に「2月下旬」としていた時期を、2月2日の会見では前倒しして「2月中旬」と表明。確かな前進の一歩の裏側には紆余曲折があった。

 複数の関係者によると、官邸は1月中旬までは国内接種体制の構築に集中する傍ら、ワクチンの海外調達は厚生労働省に任せきりにしていた。その結果、米ファイザー製ワクチンを製造するベルギーからの輸入時期が不透明になるなど「トラブル続きだった」(首相周辺)。厚労省が当初、ファイザー日本法人だけを窓口としていたことも一因だった。

 そこで、てこ入れに入った官邸スタッフはファイザー米国本社とコンタクト。さらに1月18日にワクチン特命担当に任命された河野太郎行政改革担当相が自ら本社との直接交渉に乗り出し、調達を迅速化する道を開いたという。首相周辺は「役所任せでは駄目だ。国民の期待が高い分、失敗は絶対に許されないんだ」と官邸主導の成果を強調する。

 今後、4月1日以降に65歳以上の高齢者向け接種を始めたいとする政府。だが、ワクチン争奪戦は世界規模で展開されており、その安定供給や、副反応など未経験のリスクも含めて課題は多い。河野氏も16日の会見で、「われわれも自治体もやったことがない大きなプロジェクト。必ず何かが起きる」「1から100まで計画がビシッとあるより、柔軟に対応できるほうが強い」と繰り返し、トラブル発生に予防線を張った。

 日本がスムーズに“集団免疫”獲得に進めるかは、政権の命運が懸かる東京五輪に向けた国民のムードに直結する。3月25日には聖火リレーがスタートし、その後、会場の観客をどうするかの判断を下す重大局面が来る。政府関係者は「万が一、ワクチンでつまずけば、五輪実現の機運はさらにしぼむ。『菅降ろし』の政局となりかねない」と話す。

国連事務総長「不公平ワクチン接種75僅か10カ国で実施

読売新聞オンライン 2021年2月18日(木)10時37分配信

 国連安全保障理事会は17日、閣僚級の公開会合をオンラインで開き、新型コロナウイルスワクチンの公平な分配について協議した。議長国を務める英国のドミニク・ラーブ外相は、内戦が続くシリアなどを念頭に、紛争地でのワクチン接種推進のために停戦を求める決議案を速やかに採択するよう求めた。

 アントニオ・グテレス国連事務総長は会合の冒頭で、世界のワクチン接種の75%がわずか10か国で行われているなどとして「不公平だ」と指摘した。公平な接種推進に向けた国際的な計画策定の必要性を訴えた。

 英政府によると、紛争や政情不安が続くシリアやイエメンなどでは計1億6000万人超がワクチンを接種できない恐れがある。ラーブ氏は「ワクチン接種を可能にするには停戦が不可欠だ」と訴えた。英国は決議案を近く理事国に配布する方針だ。

 一方、米国のブリンケン国務長官は、コロナ対策の司令塔となる世界保健機関(WHO)に対し、今月末までに約2億ドル(約212億円)を拠出する意向を表明した。米国は最大の資金拠出国だ。バイデン大統領は先月、トランプ前大統領が表明したWHOからの脱退方針を撤回していた。

 英国ワクチン開始2カ月で分かったこと 混乱と喜び 

東洋経済オンライン 2021年2月18日(木)10時01分配信/ピネガー由紀(看護師)

「この前、やっとワクチン1回目を接種したよ!」勤務先の病院で先ごろ、目をキラキラ輝かせてこう話す患者に遭遇した。一人暮らしの高齢者で、コロナによる移動制限でまともに娘夫婦と孫と会えない日が何カ月も続いていたそうだ。

 イギリスで新型コロナウイルスのワクチン接種が始まってから、2カ月強。これまでに1回目の接種を終えた人は1500万人を超えた。ようやく接種が始まった日本ではワクチンへの抵抗感がある人も少なくないと聞くが、イギリスでは前向きに捉えている人が多い。

接種期間を12週間に拡大めぐり議論

 とはいえ、ワクチンをめぐる混乱も少なくなかった。

 「イギリスではワクチン接種は、1回目と2回目の接種間隔を3週間から12週間後とする」。ワクチン接種が始まってすぐ、政府は2021年明け早々に世界中が驚くような決定を出した。

 1日の感染者が5万人を超え、死亡件数も増える中で、国は1人でも多くの人に1回目のワクチン接種をすることが重要であり、3週間以内の2回目接種は「最優先ではない」とした。政府が「有効性には自信がある」とする一方、当時のファイザーは「12週間での臨床試験は行っていない、したがって安全性と有効性は未確認」と発表。イギリス国内でも議論が噴出した。

 それでも、2回目のワクチン接種を12週間後にすることが強行された。すでに1回目の接種を済ませ、3週間後に2回目の予約が入っている人はごく一部を除いて、ほとんどが12週間後に変更をされた。筆者は1月14日に1回目を接種して、2回目の予約は4月2で入れてもらった。

 ここでイギリスのワクチン状況に触れたいと思う。ワクチンの優先順位としてイギリス政府は国民を年齢と職業によって9つのグループにわけた。第一優先が高齢者施設の入居者と職員、第二優先が80代以上の人と医療福祉分野のフロント職員、第三が75歳以上、第四が70歳以上だ。

 この優先上位4グループのワクチン1回目の接種を2月半ばまでに、そしてすべての50代以上の人のワクチン1回目を5月までに、との目標が設定された。この目標を達成するべく、ワクチンは予定を前倒しで次々に出荷されていった。ここへアストラゼネカのワクチンも新たに加わり、そのスピードはさらに増す。

 しかし、ワクチンを受け取る医療機関側は、1月は悲鳴を上げる事態となった。

ワクチン配送されますという突然の告知

 「ワクチンの予約ができると診療所から連絡がきたけれど、それが翌々日と言われたんだ。近所に住む娘夫婦に車での送迎をお願いしたら、急に言われても仕事の休みの調整が大変だ! と怒られたよ」ワクチンの会場で順番待ちの高齢者が、マスク越しにこんな会話を交わしている。

 国はスケジュール前倒しでワクチンを大量に出荷をしているが、その日程は配達直前まで医療機関側に知らされない。突然、短い告知で「お宅の診療所にx百本のワクチンが配送されます」と連絡が来る。

 ファイザーのワクチンは医療機関では冷蔵庫温度で摂氏2~8度で保存し、医療機関に到着してから5日以内に使用しなければならない。つまり医療機関側は、短期間にワクチン分の患者の予約を入れなければならないのだ。こうした事態が各地で起こった。

 したがって患者側も「3日後に」「明日」などでワクチン接種の連絡を受ける。幸いロックダウン中で高齢者はほぼ家にいるから、多くの人が短期間での連絡でも、予約を受け入れられているようだ。

 連絡は携帯メッセージと電話が使われる。携帯メッセージの場合には予約リンクのURLが貼ってあり、そこから予約を入れるようにと言われる。ただ、高齢者の患者の場合には電話で予約を希望することが多い。

 なお、筆者は勤務先の病院で接種をしたので、勤務用のメールアドレスに予約のURLが貼ってあり、そこから予約を入れた。予約を入れる時にウェブ上で問診の記入、副反応やその対処法の説明書がある。

 最終ページで「以上の注意点をすべて読み、理解をしたうえで同意します」というチェックボックスにチェックを入れることで、予約が完了をする。私の病院では、これが「同意書」とみなされたが、ほかの医療機関ではワクチンの会場で手書きの同意書を求める場合もある。

 ワクチン当日、予約の時間よりも5分くらい早めに行ったが、受付で並ばされた。ID確認をしてQRコードを見せ、この時に2回目の接種の予約も入れてもらった。

 受付が終わると待合室に案内をされたが、これが非常に面白い。待合室1で待っていると、職員から声がかかり、廊下を横切って同じ階にある別の待合室2に進む。そして最終的にはワクチン接種をする部屋の外にあるベンチで待つように言われた。

 まるでスゴロクであがりを目指す感覚だ。人が密になることを避けるためだが、建物の構造によっていろいろな方法が取られている。筆者の勤務先では巨大な外来スペースを使ったために、個室が十分にある。

翌日の朝は腕を上げられず

 実際の注射も個室で看護師と1対1で行われた。ID、アレルギー、服用薬、当日の体調を口頭で確認される。予約をした時に同意にチェックをしているわけだが、ワクチンを実際に注射する看護師が口頭でも必ず副反応とその対処法、万が一体調が悪化したり、心配事があった場合の連絡先を説明する。また、同じ説明が書かれているリーフレットもその場でもらう。

 ワクチン接種が終わった後は別の部屋で15分ほど経過観察。と言っても筆者の場合を含めて全員が病院職員のため、特に見張りや問診もなく、15分経過したら自己判断で帰宅が許される。一般患者の場合、例えば診療所などではこの場所を確保するために、敷地内の庭にテントを設営してそこで15分の経過観察をするところもある。

 筆者の副反応は、ワクチン当日は問題はなし。翌日の朝はワクチン接種をした腕がかなり痛く、肩より上には上げられなかった。体調は軽い二日酔いのような、少し頭が重く感じられたが、それ以外の大きな問題は感じられずに通常出勤をした。車通勤のために、ハンドルを切ることが辛く感じた。

 昼以降に頭痛をハッキリと感じ出したが、仕事が16時上がりだったので続行した。ちょうどワクチン接種24時間を経過した17時頃には頭痛、悪寒、倦怠感に襲われた。これは事前に説明をされていた通りで、もらったリーフレットにも書かれていた内容通りだ。

 勤務から帰宅後はすぐに横になったが、頭痛はますます酷くなった。そこで説明されている対処方にしたがい、アセトアミノフェンの鎮痛剤を服用してまた横になった。

 その晩遅くからさらに翌日昼までは頭痛は消え、体調は回復したかと思ったが、また午後から悪寒と頭痛に襲われた。この時には迷わずにすぐに鎮痛剤を服用して横に。副反応はワクチン接種から丸2日間、断続的に続いたが鎮痛剤を服用することで症状は抑えられた。3日目は通常の生活に戻ることができた。今振り返っても、痛みを感じたら我慢せずにすぐに鎮痛剤を服用すれば、そこまで苦しむことはなかったと思う。

 大量のワクチン接種を進めていくうえで、欠かせないのがスタッフだ。2020年11月の時点でワクチン接種の医療従事者の募集をかなり見かけるようになった。特に定年退職をした医師、看護師には積極的に声がかかった。

 臨床から遠ざかっていた彼らには特別な訓練プログラムが組まれている。また現役の医療従事者であってもワクチンを接種する場合には国から事前研修プログラムを受けることを言い渡されている。

 この研修には、ワクチンの保存の仕方や、患者への副作用と対処法の説明、実際の技術、万が一に備えてのアナフィラキシーショック対応や急変対応なども組み込まれている。

ワクチンは希望のカギと見る人少なくない

 イギリスでは、2020年3月下旬から全土でロックダウンが始まり、現在3回目のロックダウンの最中だ。筆者には学校に通う子どもが2人いるのだが、この1年間で学校に普通に通えたのは9月から12月までの4カ月弱。大学生などは親元を離れて大学の寮に入寮しているのに、授業はオンラインがほとんどだ。

 一方、高齢者の多くはこの1年間、断続的に自宅隔離をしている。お茶会やジムの体操クラス、週末の家族や親戚との食事、夏の旅行など、何十年も習慣化されてきた生活が突然なくなり、孤立した生活が続いてきた。

 先が見えない毎日に皆が鬱々とした気分になっている。ワクチンはそんな生活に終わりを告げる、希望のカギと見る人は少なくない。イギリスでワクチン接種率が高いのは副反応への不安よりも、「消えてしまった普通の日常」を渇望する思いのほうが圧倒的に強いからだろう。

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 QAコロナワクチン何時何処接種 

産経新聞 2021年2月15日(月)18時21分配信

 米製薬大手ファイザー製の新型コロナウイルス感染症ワクチンが、日本でも正式に承認され、17日から接種が始まることになった。感染収束の“切り札”と期待されているワクチン。スケジュールや手続きなど、接種前に知っておくべきことをまとめた。

 接種開始はいつから?

 今月から医療従事者、4月以降に高齢者

 接種は感染や重症化のリスクが高い人を優先的に進める。まずは17日以降、国立病院機構など公的100病院の医療従事者1万~2万人が先行接種し、副反応などの安全性を確認する。

 次は新型コロナ診療に携わる医療従事者ら約370万人が対象。患者と接する機会が多い救急隊員、保健所職員らも含まれる。4月以降は65歳以上の高齢者約3600万人に優先接種を行う。3カ月以内に1人2回ずつの接種を目指す。

 一般への接種は6月以降の見込み。基礎疾患(持病)のある人や高齢者施設の従事者が優先される。

 供給スケジュールは?

 契約は3・1億回分、供給はEUの承認次第

 政府は米英の製薬会社3社と計3億1400万回分(1億5700万人分)の供給契約を結んでいる。

 承認されたファイザー社とは年内に1億4400万回分の供給を受ける契約。国際的に獲得競争が激化する中、製造元がある欧州連合(EU)の輸出承認が必要になり、具体的な供給スケジュールは見通せない。

 1億2千万回分の供給契約を結ぶ英アストラゼネカ社は承認申請中で、承認されれば9千万回分の原液を国内メーカーが製造する。5千万回分で契約した米モデルナ社は1月に国内での治験を始めたばかりだ。

 どうすれば受けられる?

 接種券届いたら電話・ネットで予約

 高齢者は3月以降、一般の人には4月以降に届く「接種券」が必要になる。

 接種希望者は病院、診療所、体育館など指定の会場を決め、電話やインターネットで日時を予約する。当日は接種券と身分証明書を持参。本人確認の後、予診票を提出し、問診を受けてから接種する。基礎疾患の有無は自己申告になる。

 接種は原則、住民票のある市区町村で受ける。高齢者施設の入所者らは施設での接種も可能。単身赴任や長期入院など正当な理由があれば他の自治体での接種も認められる見込み。職場での接種も検討される。

 効果はどれぐらい続く?

 接種後、6カ月は抗体減少せず

 まだ長期的な経過観察ができていないので、どれくらい効果が続くか分かっていない。ただ、ワクチンの治験に参加した人に対する追跡調査では、接種後6カ月の時点で、免疫の抗体(体内に侵入したウイルスを退治する機能)の減少がみられなかった。

 一方、感染して治癒した人を対象とした調査では、治癒後6カ月の時点でかなりの人が、免疫は機能していても抗体の数が減っていた。そのため今回のワクチンによる免疫は、治癒によって自然に獲得したものよりも、長く続く可能性が高いとみられている。

 ファイザー、モデルナなどのワクチンは同じもの?

 共通点は「遺伝子情報」の利用

 日本に供給される予定の米ファイザー、モデルナ、英アストラゼネカのワクチンは、新型コロナのタンパク質を作る遺伝情報を利用する点が共通している。

 ファイザーとモデルナは遺伝情報を伝えるメッセンジャーRNA(mRNA)という物質を人工合成し、体内で免疫反応を起こさせる。ファイザーは有効率94・5%で、保管温度マイナス75度。モデルナは同94・1%、同マイナス20度だ。

 アストラゼネカは、遺伝情報を人間に無害なウイルスに組み込む。有効率は66%で、2~8度での冷蔵保管となっている。

 なぜ筋肉注射なの?

 副反応少なく、抗体ができやすい

 新型コロナのワクチンは上腕の筋肉に注射する。日本のワクチンは皮下注射が中心だが、開発元の製薬会社が筋肉注射で効果を確認し、国内の承認審査でもそのデータを参考にしているため、筋肉注射で行わなければならない。

 皮下注射は斜めに針を刺すが、筋肉は皮下組織の下にあるので、針を真っすぐに深く刺す。海外の治験では7~8割が注射箇所の痛みを訴えたとされる。だるさや頭痛などの報告もあるが、通常数日以内に治まる。筋肉注射は副反応が少なく、抗体ができやすいメリットもあるという。

 副反応のリスクは?

 ごく一部にあるが、重症化はまれ

 mRNAワクチンは、副次的に起きる反応のうち、接種後15~30分でショック症状が起きるアナフィラキシーショックがやや多いとされる。米疾病対策センター(CDC)によると、100万人に約2~5人で、インフルエンザ(100万人に1人程度)に比べると頻度は高い。ただ、発症はごくわずかで、治療法も確立している。医師が確認していれば問題はない。

 このほか、治験では神経まひや脳炎の報告はない。また、抗体が症状を悪化させる抗体依存性感染増強現象(ADE)が起きる可能性も低いとみられている。

 既に感染した人の接種は?

 米では当面打たなくてよし、日本は審査踏まえ今後判断

  米国では感染していない人が優先で、既に感染して治った人は当面打たなくていいことになっているが、日本は「承認時の審査の内容を踏まえ、今後判断していく」(厚生労働省)という姿勢を示している。

 無症状の感染者が接種した場合、免疫が強まり過ぎて体調が悪化するのではないかとの懸念はあるが、悪影響が出るとは考えられていない。

 イスラエルで行われた接種状況の調査では、1回接種後に発症、重症化した人よりも、2回接種後に重症化した人の方がはるかに少なく、抗体の増加で発症予防効果は高まっていた。

 子供・妊婦も接種できる?

 当面は16歳以上、妊娠12週までは避けて

 子供が接種対象となるかは、安全性や有効性の情報などを見極めて検討される。国内で承認された米ファイザー社のワクチンは15歳以下の治験データが少ないため、当面は16歳以上が接種対象となる。

 妊婦や胎児、出生児への安全性もはっきりしていない。日本産科婦人科学会などは、妊婦を接種対象から外さないとする提言をまとめた。接種を希望する場合は事前に十分な説明を行って同意を得た上で、母子の適切な管理ができる産婦人科施設などで受ける。妊娠12週までは接種を避けることなども求めている。

 変異ウイルスに効果ある?

A 全く効かなくなることはない

 最近の調査で、南アフリカの変異ウイルスに対してはワクチンの効果が下がったと報告されており、効きが悪くなるケースはあるようだ。

 だが、ワクチン接種で作られる新型コロナのタンパク質は、体内に何十種類もの抗体を生み出す。ウイルスが変異したとしても、効果を失うのはこのうち数種類にとどまるとみられ、残りについては免疫が機能する。

 全ての抗体が一度に機能しなくなることはあり得ないので、ウイルスの変異が続いたとしても、ワクチンが全く効かなくなることはないとみられている。

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2021年2月12日 (金)

【新型肺炎】ファイザー製“ワクチン第1便”40万回分✈成田に到着。

 新型コロナワクチン第1便約40万回分承認を今日審議 

ABEMA TIMES 2021年2月12日(金)13時10分配信

 12日午前、日本に到着したファイザー社製の新型コロナウイルスのワクチンは約40万回分にのぼることがわかった。

 来週半ばからの接種開始に向け、ファイザー社製ワクチンの「第一便」が12日午前、ベルギーのブリュッセルから成田空港に着陸した。政府はファイザー社と年内に1億4400万回分の供給を受ける契約を結んでいる。政府関係者によると、今回空輸されたのは約40万回分だということだ。

 厚生労働省では午後6時から、ファイザー社のワクチンの審査会が開かれる。審議会で了承されれば、田村大臣が正式に承認する見通し。

 政府は17日から、一部の医療関係者1万人から2万人を対象に先行接種をスタートさせる方針だ。

日本ファイザーワクチン第1便到着「承認すぐ接種開始

中央日報 2021年2月12日(金)15時56分配信

 米国製薬会社ファイザーと独ビオンテックが共同開発した新型コロナウイルス感染症(新型肺炎)ワクチンが12日午前10時20分ごろ、成田国際空港に到着した。日本に初めて届いた新型コロナワクチンだ。

 NHKなど現地メディアによると、このワクチンは11日夜、ベルギーのブリュッセル空港を出発し、航空便で輸送された。ワクチンは40万回分に上り、当初の計画より2日早く到着した。日本厚生労働省は、ファイザーと新型コロナワクチンを1億4400万回分(7200万人分)契約した。

 ワクチンが計画よりも早く到着したことで、日本政府のワクチン使用承認の可否決定も早まるものと見られる。

 日本厚生労働省はこの日、専門部会を開き、ファイザー新型コロナワクチンを特例承認するかどうか審議する。特例承認とは、審査の過程を簡略化するための手順だ。

 すでに日本の医薬品審査機関・医薬品医療機器総合機構(PMDA)がファイザーワクチンの安全性と有効性に特別な問題がなく、特例承認を認めるという報告書を提出している。

 この日、厚労省が報告書を通過させれば、田村憲久厚労相はファイザーワクチンの使用を即刻承認する方針だ。田村厚労相は「承認後すぐに接種を開始する」と述べた。

 当初、日本政府は17日から医療従事者1万人を対象に接種を開始し、4月には高齢者や基礎疾患のある人、高齢者施設従事者に順次接種する計画だった。田村厚生相の承認が早まれば、接種開始日程も早まる可能性がある。

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 ただし、注射器購入の手違いによりファイザーワクチンを接種できる人数が20%近く減少する状況が発生したことから、接種日程に支障が出るという懸念も出ている。

 ファイザー製ワクチンスピード承認の背景 

読売新聞オンライン 2021年2月12日(金)23時36分配信

 米ファイザーの新型コロナウイルスワクチンが国内で承認される見通しとなった。通常10年前後かかるワクチン開発が、流行開始から1年あまりで「スピード承認」されるのは、遺伝物質「メッセンジャーRNA(mRNA)」を活用した画期的な新技術が背景にある。

 ワクチンは、免疫にウイルスの特徴を覚えさせ、実際にウイルスが侵入したときに素早く抗体で攻撃させる方法だ。ファイザーのワクチンは、新型コロナ表面の突起部分を作る設計図となるmRNAを主成分としている。mRNAは人工合成が容易で、短期間で大量生産できる。

 従来のワクチンは、ウイルスそのものや突起のたんぱく質などを工場で作る必要があった。mRNAワクチンは、体内で突起のたんぱく質を作らせる。いわば、細胞を「体内工場」にする方法だ。東京医科歯科大の位高啓史教授(核酸医薬)は、「新型コロナの解決の切り札の一つになると思う」と期待を寄せる。

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開発企業の潜在力

 ただ、mRNAは体内で分解されやすい。ファイザーと共同でワクチンを開発した独バイオ企業ビオンテックはmRNAを安定化させる高度な技術を開発した。2008年創業の同社は、これまでmRNAを使った医薬品研究を先導し、潜在力があった。

 設計や合成が簡単なmRNAワクチンは、変異ウイルスに対する改良が、パソコンソフトをアップデートするように容易なことも利点だ。

 ファイザーは、英国型や南アフリカ型の変異ウイルスに対しても、十分な効果が見込めるとする論文を発表したが、変異が積み重なると、効果が減弱する恐れもある。ビオンテックのウグル・サヒン最高経営責任者(CEO)は、改良が必要になった場合、6週間で生産できると自信を見せる。

 NY株最高値米政権ファイザーワクチン追加購入契約追い風 

時事通信 2021年2月13日(土)6時38分配信

 週末12日のニューヨーク株式相場は、終盤に買い戻す動きが強まり、反発した。優良株で構成するダウ工業株30種平均は前日終値比27.70ドル高の3万1458.40ドルで終了、史上最高値を更新した。ハイテク株中心のナスダック総合指数も同69.70ポイント高の1万4095.47と、最高値で引けた。

 ダウ平均は高値への警戒感から、利益を確定させる売りが先行し、マイナス圏でもみ合う展開となった。ただ、バイデン米政権が打ち出す1兆9000億ドル規模の大型経済対策への期待から、終盤にプラスへ浮上した。

 バイデン大統領が前日、米ファイザーなどと新型コロナウイルスワクチンの追加購入契約を結んだと発表したことも、相場を下支えした。 

 ファイザーワクチン有効率95%”…効果を解説 

朝日新聞デジタル 2021年2月12日(金)20時41分配信

 米製薬大手ファイザーなどが開発した新型コロナウイルスのワクチンが近く、承認される。国内で新型コロナの患者が確認されてから1年あまり。米国や英国からは約2カ月おくれたが、17日にも医療従事者から接種が始まる見通しだ。

 臨床試験(治験)では高い有効性が報告され期待が高まるが、副反応への対応なども課題となる。

 今回のワクチンは「RNAワクチン」と呼ばれ、ウイルスの遺伝情報を使う。従来のワクチンに比べて早く開発できる。ワクチンは4万人あまりが参加した治験で「95%の有効性」が報告されている。事前の予想を超える高い有効性は、世界でも驚きをもって受け止められた。

 ただ、ワクチンには感染を防げる「感染予防」、感染しても発症を防げる「発症予防」、発症しても重症化を防げる「重症化予防」の主に三つの効果が期待されるが、現時点ではっきりしているのは「発症予防」の効果。95%も発症予防についての効果だ。

 新型コロナは無症状の感染者も多く、感染予防の効果を治験で実証するのは難しい。重症化予防については治験でもみている。

 治験の期間中に新型コロナで重症化した人は偽薬(生理食塩水)をうったグループで9人、ワクチンをうったグループで1人。ワクチンをうったグループで少ないため重症化予防もありそうだが、結論づけるには数が少なく、日本感染症学会も「評価は今後の課題」としている。

 とはいえ、インフルエンザのワクチンの場合、発症予防の効果は2~6割と言われている。新型コロナワクチンの数字はかなり高いことがわかる。

なぜ国産のワクチン開発は遅れているのか?

日刊ゲンダイDIGITAL 2021年2月13日(土)9時06分配信/奥田研爾(横浜市立大学名誉教授)

 国内での新型コロナウイルスのワクチン接種を巡っては、米ファイザーとモデルナ、英アストラゼネカの3社が決まっている。一方、国産ワクチンは開発に出遅れており、実用化のめどは立っていない。約40年にわたりワクチン開発に従事している奥田先生に聞いてみた。

Q:なぜ国産の開発は遅れているのか

A:「そもそも国産ワクチンの生産が遅れているのは、日本には研究設備もワクチン研究者も足りないからです」

 国内の製薬会社で治験に入っているのは2社だ。先行しているのが、「アンジェス」で、大阪大などと共同で開発している。今年3月までに国内の治験で500人に接種する方針で、その後、海外を含め数万人規模の最終治験を実施する予定だ。

 もう1社が、「塩野義製薬」で、こちらは年末までに3000万人分の生産体制を整える方針。昨年12月から200人以上を対象に治験を始めているが……。

「ワクチン開発は、その過程で病原体を取り扱います。そのため、安全性が確保された実験室を使用するのですが、その数は限られています。また、実験室はウイルス危険度によってP1~4の段階がありますが、防護服の着用や排気方法に規制のある封じ込め実験室であるP3(鳥インフルエンザ、SARSウイルス、ヒト免疫不全ウイルスなど)で稼働中なのは東大や阪大など20カ所余り。さらに高度な封じ込め実験室となるP4(エボラウイルスなど)で稼働中なのは現在、国立感染症研究所(感染研)しかありません。全国に複数点在するのはP2(インフルエンザ、C型肝炎、デングウイルスなど)と呼ばれるタイプで、人や動物に対し、病気を起こす可能性の低い微生物や起こしても重大な影響を与えない微生物を扱うことができる実験室なのです」

 研究者の数も306人(2018年)で、職員全体で1万5000人規模の米疾病対策センター(CDC)とは比べものにならないレベルだ。

「CDCには常に新種のウイルスに備えた研究室と、安全に防護服を着用し検査に挑めるトレーニングを受けた研究者が、新型コロナウイルスの発生時のようにすぐに現地に飛べる体制ができている。日本にはその体制が整っておらず、医学部生にも、感染症やワクチン開発研究は不人気。マンパワーも足りないので、新型コロナワクチンの出遅れは当然の結果です」

Q:国内でできるとすればいつごろか?国産は安全なものができるのか

A:「アンジェスと阪大が研究しているのは、DNA(デオキシリボ核酸)ワクチンと呼ばれるもので、ワクチンを接種すると体内にウイルス表面のスパイク(無害なタンパク質)のみを発現させ抗体を作る仕組み。こちらも、mRNAと同じく、病原体を使わない点では安全ですが、効力はmRNAほど強くないと考えられています。それにこれから数万人規模の治験の必要があるので、実用化には数年かかるでしょう。塩野義製薬は、国立感染症研究所などと『遺伝子組み換えタンパクワクチン』の開発を進めています。これは、インフルエンザなどで実用化している手法で、体内で人間の免疫を引き出す『抗原』となるタンパク質を蚕の幼虫を使って作るワクチンです。ただし、大規模な治験はこれからで、新型コロナウイルスへの効果と安全性は未知数。これも、治験が終わるまで数年規模でかかるでしょう。そもそもファイザーなどのワクチンの接種が始まれば、数万規模の人がわざわざ今治験に参加するか疑問です。ワクチンが必要なのは今すぐであり、すでにmRNAも90%以上の予防効果が認められていますから、国産のワクチンを待つ必要はないでしょう。むしろ、日本は治療薬の開発に本腰を入れてもらいたい」

 厚労省の日本医療研究開発機構(AMED)は、ワクチン開発支援に478億円(2021年度予算)計上しているが、遅きに失した感じだ。

Q:新型コロナを終焉させるには世界の何割が接種すべきか

A:「欧米や日本といった先進国は国民の6~7割が接種できれば感染拡大に歯止めがかかると考えられます。ただし、ワクチンの種類にもよります。主要ワクチンのファイザーやモデルナの『mRNA』は90%以上(2回接種)ですが、アストラゼネカの『ウイルスベクターワクチン』は82%程度(2回接種)と効かないケースもあるようです。ほかに中国医薬集団(シノファーム)のワクチンは有効性が79%と発表し、東南アジアを中心に普及させていますが、本当にそれだけの効果があるかは不明です。それにアフリカ諸国ではワクチン接種自体がどの程度現実的かわからない。そういった意味で、終焉には時間がかかるでしょうね」

 窮地に立たされたアストラゼネカ製ワクチンの秘策 

Newsweek日本版 2021年2月8日(月)20時03分配信/木村正人(ジャーナリスト)

マクロン仏大統領には65歳以上にはほとんど効果がないと切り捨てられ、南アフリカでは急遽接種が中止されたワクチンの問題とは

 英オックスフォード大学と英製薬大手アストラゼネカが共同で開発・製造する新型コロナウイルスのワクチンが厳しい逆風にさらされている。欧州連合(EU)の欧州医薬品庁(EMA)が18歳以上への緊急使用を承認したにもかかわらず、ドイツやフランスなどEU加盟国が次々と65歳以上への接種を見送った。アメリカは承認すらしていない。

 さらに免疫を回避する南アフリカ変異株への有効性が22%に低下することも分かり、南アはアストラゼネカ・ワクチンの接種を中止した。ワクチン開発を指揮するオックスフォード大学ジェンナー研究所のセーラ・ギルバート教授は7日、英BBC放送で「秋までには南ア変異株に効くワクチンを準備できる」と語り、秋に3度目の接種を行う秘策をにおわせたのだが......。

 イギリスではワクチン接種が同日時点で1200万人を超え、2月15日までに70歳以上と基礎疾患を持つハイリスクグループ、介護施設職員、医療従事者らへの1回目接種を終える目標に着々と近づいている。これに対してドイツやフランスなどEU加盟国は完全に出遅れた。EUがワクチンの青田買いに失敗したからだ。これにアストラゼネカの納期遅れが加わり、EU加盟国を激怒させてしまった。

 エマニュエル・マクロン仏大統領は1月29日、EMAがアストラゼネカ・ワクチンの18歳以上への使用を推奨する数時間前、「現時点で65歳以上にはほとんど効果がない。初期の結果は60~65歳を勇気付けていない」と切り捨てた。独ロベルト・コッホ研究所予防接種常任委員会も65歳未満にのみ接種すべきだと勧告した。

 アストラゼネカのワクチンについて65歳未満に限って推奨としたのはフランス、ドイツのほか、オーストリア、スウェーデン、ノルウェー(EU非加盟)、デンマーク、オランダ、スペイン、ポーランド。55歳未満のみ推奨としたのはイタリアとベルギー。スイス(EU非加盟)は承認しなかった(BBCまとめ)。

アストラゼネカ・ワクチンの3つの問題点とは

 筆者の見るところ、アストラゼネカのワクチンが抱える問題は3つある。

(1)第3相試験の結果が不十分
(2)大量生産に問題が生じた
(3)免疫を回避する「E484K」の変異を起こした南ア変異株への有効性が低い

 オックスフォード大学やアストラゼネカは昨年11月、イギリス、ブラジルの18歳以上2万3千人超(うち発症者131人)が参加した第3相試験の中間結果を発表。1回目の摂取量を半分にして1カ月後に全用量の2回目を接種したグループ(被験者2741人)では90%の有効性を、2回とも全用量を接種したグループ(同8895人)では62%の有効性を示した。平均すると70.4%だった。

いちばん手頃なワクチン

 今月3日には、南アを加えた被験者1万7177人(うち発症者332人)を対象にした査読前論文の分析結果を発表した。それによると、最初の接種後、22~90日目の有効性は76%。12週間以上置いた2回目の接種で有効性は82%に増えた。また、1回の接種で感染は67%減少するとともに、1回目の接種から22日以上経てば重症化や入院を100%防げることが改めて確認された。

 m(メッセンジャー)RNAテクノロジーを使った米ファイザー・独ビオンテック、米モデルナのワクチンに比べるとオックスフォードワクチンの有効性は低いものの、これまでのインフルエンザワクチンに比べると有効性は格段に高い。しかも冷凍庫のコールドチェーンが必要なmRNAワクチンと違って普通の冷蔵庫で保管でき、1回分の価格もコーヒー1杯とさほど変わらないほど安い。

 コロナ危機の今だからこそ割高なmRNAワクチンが重宝されているが、コロナの流行がインフルエンザのように毎年の恒例行事になれば、値段が手頃で診療所や薬局でも扱えるアストラゼネカ・ワクチンの需要が増すのは必至。なのに、欧米諸国の評価が非常に厳しいのは、致死率が高い肝心の高齢者のデータが限られているからだ。

オックスフォード大教授いずれ高齢者への有効性は証明される」>

 アストラゼネカ関係者の1人は「ロックダウン(都市封鎖)の状況下で被験者を募ったので、どうしても高齢者が少なくなってしまった」と打ち明ける。実際、被験者に占める56~69歳の割合は約8%、70歳以上は3~4%。これが「65歳以上にはほとんど効果がない」と主張するマクロン大統領の根拠なのだが、「被験者数が少ないこと・イコール・効果がない」ことではない。

 オックスフォードワクチンは第2相試験で56~69歳と70歳以上のグループと18~55歳とで同じような中和抗体価とT細胞応答を示した。ギルバート教授はBBCで「高齢者は政府のガイドラインに従って厳格な社会的距離をとっているため、発症者が一定の水準に達しないという側面がある。しかしアメリカでの治験でデータがそろえば、高齢者への有効性も証明されるだろう」と話した。

 オックスフォードワクチンの臨床試験への信頼性が揺らいでいるのは、接種用量と接種間隔に一貫性を欠いているからだ。大学内の製造施設が追いつかず、イタリアの製造業者に外注したもののワクチン濃度の測定方法が異なっていたため、イタリアで生産したワクチンの濃度は2倍あるように見えた。実際はその用量で良かったにもかかわらず半分にしてしまった。

採算度外視の原価販売を約束

 この間違いが幸いし、1回目に半用量、2回目に全用量を接種すると有効性が90%まで上昇することが偶然分かった。しかしデータはふぞろいになった。英政府が接種者数をとにかく増やすため、1回目と2回目の接種間隔を3週間から12週間にいきなり延ばしたことも、欧米諸国の不信感を増幅させる結果を招いた。英政府のワクチン政策は「見切り発車」と見られてしまったのだ。

 しかもチンパンジーのアデノウイルスを「運び屋」として使う生物学的製剤のアストラゼネカ・ワクチンの生産は計算通りには行かないという根本的な難しさを抱えている。EUへの納入量は3月末までに1億回分だったのに実際にできるのはわずか2500万回分。これにファイザーやモデルナのワクチンの納入遅れが加わり、EUは域外へのワクチン輸出を許可制にする緊急措置をとった。

 さらにここに来て臨床試験に参加した南アのズウェリ・ムキゼ保健相が「アストラゼネカのワクチンの有効性は南ア変異株に対しては22%に低下する」と発言、同国内での接種を7日に急遽(きゅうきょ)中止した。米ジョンソン・エンド・ジョンソンや米ノババックスなど他のワクチンでは南ア変異株に対しても57~60%の有効性を示している。

 これに対し、ギルバート教授は「アストラゼネカのワクチンは重症化、入院、死亡を防ぐという意味ではまだ有効だ。無症状者や軽症者は防げなくても、医療システムの逼迫は回避できる。秋には南ア変異株にも効くワクチンを開発できる」と説明した。しかし南ア変異株に絞った臨床試験はさらに難しさを増すのは避けられまい。

 アストラゼネカは今月5日、ワクチンの製造販売承認を日本でも申請した。ワクチンの原液は中堅製薬が受託生産し、1億2千万回分のうち9千万回分以上を日本国内で生産する見通しだ。採算を度外視し、ワクチンの「原価販売」を宣言したオックスフォード大学とアストラゼネカの真価が問われるのはこれからだ。

 ワクチン争奪戦日本世界から締め出される 

現代ビジネス 2021年2月9日(火)7時01分配信/町田 徹(経済ジャーナリスト)

ワクチン後進国に転落した

 新型コロナウイルス・ワクチンの接種担当である河野太郎・行政改革担当大臣は2月2日の記者会見で、「供給スケジュールに影響が出ている」と述べ、米製薬大手ファイザーのワクチン確保に暗雲が立ち込めているという事実を明らかにした。EUが域内で製造しているワクチンに輸出規制を導入したためだ。

 世界ではすでに、日本以外のG7(主要7カ国)はもちろん、61の国と地域がワクチンの接種を開始した。日本の出遅れは明らかだ。

 振り返れば、歴史的なワクチン行政の体たらくで、日本は「ワクチン後進国」に転落、新型コロナで日の丸ワクチンの早期開発に失敗した。次いで外国製ワクチン争奪戦の緒戦に敗れ、ワクチン接種の早期開始ができなかった。

 さらに今、河野大臣は、EUのようなワクチン・ナショナリズムの台頭によって、日本政府のワクチン接種計画の縮小や遅延が懸念される事態に直面したことを示唆したのである。

 ワクチン接種はコロナ危機克服の切り札とされている。後れを取れば、集団免疫の確立で後れをとり、世界的に交流再開の機運が生まれた時に、日本が締め出される懸念がある。

 なぜ、これほど深刻な事態に陥ったのか。現状と原因、対策を考えてみたい。

歴史的な経験を踏まえて

 そもそもワクチンとは何なのか。

 起源は、2000年前後も昔の中国やインドで行われていた天然痘の予防策「人痘接種」に遡るとされている。人痘接種は、健康な人の皮膚を傷つけて、すりつぶした天然痘患者のかさぶたの一部を擦り込むなどして、健康な人を意図的に感染させて体内に抗体を作り免疫を獲得させるというものだ。

 死者も出たし、感染が広がることもある乱暴な方法だったが、ヨーロッパを含めて世界各地に広がっていったという。

 その後、1796年に画期的な発見があった。英国人医師エドワード・ジェンナーが弱毒化した牛痘ウイルス株の接種によって天然痘を予防できることを証明したのだ。牛痘は当時、主に牛から人に感染していた軽度の感染症だった。

 その数十年後、牛痘法は改良され、人痘接種の代わりとして普及した。約200年後の1980年、世界保健機関(WHO)が根絶を宣言、人類は天然痘を克服した。

 ジェンナーの発明は、天然痘にとどまらず、インフルエンザ、はしか、ポリオ、狂犬病、破傷風、腸チフス、黄熱病、子宮頸がんなど、さまざまな感染症の蔓延を防ぐ、今日のワクチン接種に繋がった。

 感染してから治療するより、ワクチンで蔓延を防ぐ方が個人の身体と財布にやさしいし、社会的コストも小さいというのが、多くの国で半ば常識となっている。

 こうした歴史的な経験を踏まえて、諸外国はワクチン接種にしのぎを削っている。これまでに開発された新型コロナワクチンの効果の持続性や変異株への有効性などは十分に解明されたと言い切れないものの、差し迫ったパンデミックへの対応を優先しているのである。

副反応への対応不足は明確だった

 こうした背景を考えれば、河野大臣が示唆した日本の現状の深刻さは明らかだ。ワクチン接種の流れに乗り遅れれば、その分だけ、日本に住む我々の命の危機が長引く。

 海外に「集団免疫」確立で遅れをとり、日本からの入国を認めないとか、入国後に隔離措置が必要になるなど、ビジネスマンが機動的に海外に渡航できず、ビジネスチャンスを失う事態も懸念せざるを得ない。

 ワクチン行政の闇は深く、歴史的な問題だ。発端は、1970年代から80年代にかけて、天然痘ワクチンを接種した後の脳炎などワクチンを巡る様々な副反応(副作用)に政府が十分な補償を行わなかったことに遡る。

 結果として、各地で集団訴訟が相次いだ。本来ならば、予め予防接種1本につきいくらという具合に副反応に備えた基金を設け、被害が生じた時には迅速に十分な補償をする体制を整えておくべきだった。

 これを怠ったことが元凶なのに、政府が責任を受け入れず争ったため、多くの裁判がいたずらに長期化・泥沼化、マスメディアからも集中砲火を浴びた。

 ワクチン行政は改善するどころか、益々後ろ向きになった。「病気で死んでも責任は問われないが、健康な人にワクチンの副反応が出たら行政が責められる」と、ワクチンの導入・普及に消極的になったのだ。日本はインフルエンザ・ワクチンぐらいしか広く接種されない国と化し、製薬会社は多いのに、ワクチン開発に積極的な製薬会社は激減した。

 江戸時代、緒方洪庵らが天然痘の治療に尽力し、昭和にかけて感染症研究で多くの世界的な業績を生みだしてきた伝統も途絶え、「ワクチン後進国」と呼ばれる体たらくを招いたのである。

 例をあげると、日本で子供のひどい下痢の原因であるロタウイルスのワクチンが定期接種になったのは、米国の13年遅れの去年10月だ。おたふく風邪のワクチンが定期接種になっていないのも先進国で日本くらいと言われている。

河野大臣が懸念する輸出規制

 挽回のチャンスは2000年代半ばにあった。海外の製薬会社の働きかけがあり、厚生労働省が子宮頸(けい)がんワクチンを定期接種ワクチンに指定したのだ。この指定を受けると、国には接種を勧奨する義務が生じ、市町村が実際の接種を行うことになっている。

 ところが、またも副反応対応が甘く、再び集団訴訟が起きた。そして、子宮頸がんワクチンを「積極的な接種推奨を一時的に控える」というワケの分からない位置づけにして逃げたのだ。WHOの2019年の調査によると、国内の接種率は1%以下。子宮頸がんは年間1万人程度が発症し、3000人近くが亡くなるとされている。きちんと定期接種を定着させるべきだろう。

 話をワクチン開発に移すと、日の丸印ワクチンの開発の遅れは目を覆うばかりだ。米英3社に加えて、ロシア、中国、インドでも開発した企業があるのに、日の丸印はまだない。WHOによると、現在63のワクチンが臨床試験をしているが、ここでも日本製は1つしかないという。

 諸外国が戦争やテロに匹敵する安全保障問題と捉えて、平時から巨費を投じてきたのに、日本が放置してきたことのツケが回った格好で、英米3社からの供給が日本の頼みの綱になっている。

 そうした中で、世界的な争奪戦が激化、国際協調が崩れているのが欧州だ。バルカン半島のEU加盟国候補のセルビアは、中国のシノファーム社のワクチンを購入、1月半ばから接種をスタートした。今や、ワクチン接種率で欧州大陸トップという。

 その隣国のハンガリーは、EU加盟国で初めてシノファーム・ワクチンの承認に踏み切った。同国はロシア製導入にもEU加盟国として初めて合意。オルバン首相は「EUは遅すぎる」と国際協調よりも自国民の生命を優先する考えを強調した。

 こうした加盟国の結束の乱れをEUは容認できない。河野大臣が懸念する輸出規制は、英アストラゼネカ社がワクチン供給の大幅削減を通告したことに対抗、EU域内で製造したワクチンが英国に優先的に供給されるのを防ぎ、EUの必要量を確保する狙いとされる。

 ここへきて、欧州委員会の高官が「EU域内から日本へのワクチン輸出が認可された」との報道もあるが、十分な数量が確保されたかは定かになっていない。

早急な立て直しが必要

 その一方で、中国製のように治験データに不透明感が残るものもあるが、米英製ワクチン供給の遅れや混乱に乗じて、中国、ロシア、インドはワクチンをアメに安全保障や経済関係を強化する「ワクチン外交」に余念がない。

 「河野発言」に先立ち、厚生労働省は1月20日、米ファイザー社との正式契約を発表した。その内容が「今年6月末までに6000万人分」だった基本合意と異なり、「年内に7200万人分」に変更され、供給と接種の時期が遅れる懸念が出ている。

 ベンチャー企業がアストラゼネカからライセンス供与を受けて日本で生産するワクチンに期待が集まっている半面、ファイザー社との契約変更が「今年前半までに全国民に供給できる数量の確保を目指す」という政府の方針の実現を難しくする可能性は否定できない。安倍、菅両政権の失態になりかねない問題だ。

 新型コロナ対策としてはもう間に合わないだろうが、いつ、新たな感染症のパンデミックが起きても不思議はない。日本にとって、ワクチン戦略の立て直しは差し迫った重要な課題である。

 

2021年2月 6日 (土)

【新型肺炎】“ワクチン接種後”の世界✍考え得る3つのシナリオ

 新型コロナワクチンその特性と接種後世界 

Yahoo!コラム 2021年2月6日(土)8時30分配信/高山義浩(内科医)

 アメリカの製薬大手ファイザーが開発した新型コロナウイルスに対するワクチンについて、間もなく国内承認される見通しとなりました。筋肉内への注射による投与で、21日の間隔を空けて2回接種となります。

 まず、今月中には医療従事者(370万人)に先行して接種が始まり、来月以降、高齢者(約3,600万人)、基礎疾患を有する者(約820万人)、高齢者施設従事者(約200万人)へと順次接種が進められます。

 なお、接種の対象者は当面16歳以上とし、過去にワクチン成分で重いアレルギー反応が出た方への使用は認められない方針です。

ワクチンの作用と効果

 このファイザー社のワクチンは、人間に対するワクチンとしては新しいタイプのもので、mRNA(メッセンジャー・アールエヌエー)というタンパク質を生成するための設計図が封じ込められています。

 これを接種すると私たちのマクロファージという細胞内に取り込まれ、そこでコロナウイルスの表面にある「スパイク」というトゲトゲした突起の部分に該当するタンパク質を作ります。

 このトゲトゲが細胞表面に出てくることで、コロナウイルスに対する免疫が誘導され、私たちの免疫細胞がウイルスの侵入を早期に認識できるようになり、コロナウイルスを中和する抗体を大量に産生する準備も整います。

 なお、このmRNAは細胞内でタンパク質を作りますが、私たちの遺伝情報が入っている細胞核に入ることはなく、つまり、私たち自身のDNAが書き換えられることはありえません。

 このワクチン、臨床研究によって発症予防効果 95%という結果が確認されています。これは「プラセボ(偽薬)群よりも、ワクチン接種群の発症率が95%少なかった」というもので、まあ、ビックリするぐらい高い有効性ですね。少なくとも、インフルエンザワクチンとは比較にならないほど期待してよいと思われます。

 また、この臨床研究では、重症化した10名のうち1例がワクチン接種群、9例がプラセボ群だったとのことで、どうやら重症化も予防しているようだと考えられます。

 発症を防ぐ効果は明らかですが、感染そのものを防ぐ効果があるかどうか、まだ分かってはいません。ワクチン接種後に感染した場合、周囲に感染させなくなるかも分かっていません。ただ、mRNAワクチンには、侵入早期に反応する細胞性免疫までもを活性化する作用機序があるため、感染予防効果まで期待できるのではないかと言われています。

 一方、気になる副反応ですが、接種した部位の痛みは強いようですね。8割ぐらいの人が12~24時間の痛みを訴えています。しかも、かなり痛い・・・ らしいです。また、2回目の接種後には11~16%の方に38以上の発熱があったそうです。免疫をつけている証拠なんでしょう。

 さらに、アメリカCDCによると、190万人に1回目の接種をしたところ21人にアナフィラキシー反応が起こったとのこと。接種後30分ぐらいは、気分が悪くなったりしないかを確認し、医療従事者のいるところで休んだ方が良さそうです。

ワクチン接種後の世界

 ワクチン接種が進んだあと、私たちの暮らしは元に戻るのか・・・? よく聞かれますが、誰にも分かりません。ただ、先が真っ暗よりは、何らかの道標があった方が良いかもしれません。

シナリオA国民7割以上への接種が完了し、集団免疫を達成

 もっとも楽観的なシナリオですね。ワクチン接種が進んで集団免疫が達成されれば、地域流行しなくなることが期待できます。

 米国のファウチ博士は、「ワクチンによる集団免疫は70~90%が目標になる」と言ってますが、その根拠は明白ではありません。実際は、ワクチンの感染防御効果と持続期間によると思いますが、いずれにせよ数年はかかるでしょう。それまでは、次のシナリオBのような状態が続くと考えます。

 なお、ワクチン接種が進んでいない国においては、ウイルスが定着して風土病になることも考えられます。こうした国から就労や長期滞在を目的として日本を訪れる場合には、事前ワクチン接種を推奨するとともに、出国前のPCR検査、入国後14日間の自己隔離を求めるようになるかもしれません。

シナリオB十分な接種率に至らず、国内で散発的流行が続く

 比較的安全なワクチンが開発されたと思ってますが、それでも、若者たちが接種してくれるかは不明です。このあたり、冒頭で紹介したように、ワクチンに期待される効果を正確に読み取り、副反応のリスクについて適切に情報提供することが必要です。

 報道の在り方などにより、ワクチン忌避の風潮が高まってしまえば、おそらく集団免疫には至りません。ワクチンの感染防御効果や持続期間が不十分であった場合にも、集団免疫には至らないでしょう。

 その場合でも、ハイリスク者や医療介護従事者への接種を着実に進めていくことが必要です。あるいは、飲食店や小売店、あるいは観光事業者など接客にあたる方々についても接種に協力いただくことを期待します。

 そうなれば、ワクチンによって重症者や死亡者を抑え込んでいくことが期待できます。ワクチン効果の持続期間が短い場合でも、年に1回など定期接種にすることで免疫維持できるでしょう。さらに、一般の方々へと接種への協力が広がれば、集団免疫に至らなくとも、地域流行の規模や頻度は減らしていけると思います。

 こうして、社会全般に求めるような自粛要請は行われなくなり、地域流行を認めたときには、一般にはマスク着用や手指衛生を呼びかけるレベルで済むかもしれません。多少の緊張感は残しつつも、ある意味、社会は日常を取り戻していくことでしょう。

 ただし、社会福祉施設や病院は相変わらず大変だと思います。疑われる患者さんが出たときに、念のため、さっとゾーニングを確立したり、そこで設定されたレッドゾーンに入るときの防護具を適切に着脱できたり・・・ といった感染対策が日常になっていくかもしれません。

シナリオCワクチン耐性の変異株が発生し、世界的流行が続く

 微生物との闘いは、しばしば進化とのイタチごっこになります。治療薬を開発すれば耐性ウイルスが出現し、ワクチンを開発すれば耐性株へと置き換わります。流行している状況で使えば、さらに耐性株が選択されやすくなります。とくに、遺伝子変異の活発なRNAウイルスでは、そのリスクが高まります。

 すでに世界では、3種類の変異株を認めています。イギリス変異株は、国内でも市中感染を認めていますが、幸いなことにワクチンへの耐性は生じていないようです。しかし、南アフリカ変異株とブラジル変異株については、従来型の抗体への活性が低下しているようで、ワクチンについても有効性が低下している懸念があります(結論は出ていません)。

 ワクチン接種による集団免疫の獲得が、耐性株の出現に間に合わなければ、世界的流行が繰り返されることになります。病原性が上がったり、あるいは小児への感染性が高まれば、より悲劇的なことが生じるかもしれません。

 そのとき世界は・・・ このウイルスを封じ込めるしかないでしょう。国際的な協調のもとで人の移動を制限し、活動を自粛して、封じ込めた状態を世界的に維持しながら、ワクチンの再開発とともに、ワクチン接種プログラムを途上国を含めて迅速な実施する・・・ というオペレーション。

 あまり想像したくはないのですが、そうしたシナリオも考えておく必要があるかもしれません。まあ、耐性株が広がる前に、さっさと皆が接種して封じ込めるのが、変異の速度も低下するし、制御しやすくなるし、一番だと私は思ってます。

 コロナワクチン接種から3週間感染拡大抑制との報告 

Bloomberg 2021年2月6日(土)4時05分配信

 新型コロナウイルス感染症(COVID19)ワクチンの接種率が世界で最も高いイスラエルでは、米ファイザーとドイツのビオンテックのワクチンの接種開始から新規感染者と入院者数の伸びが抑制され始めるまでに要した期間は3週間だった。昨年12月20日に始まった全国的な接種プログラムについて研究者が暫定的な所見を報告した。

ワクチン接種開始から感染拡大の抑制まで3週間、イスラエルが報告

 韓国は社会的距離の規制を緩和する。ソウル首都圏以外の地域ではレストランやカフェ、ジムなどの営業が午後10時まで認められる。丁世均首相が6日発表した。カラオケバーの営業や訪問販売なども可能になる。韓国では1日当たりの感染者数がこの1週間で300人程度に減少。昨年12月末には1000人を超えていた。

 米カリフォルニア州ではコロナ検査の陽性率の14日平均が6.6%に低下した。昨年11月30日以来の低水準で、1カ月前は12.7%だった。同州でこれまでに実施されたコロナ検査は計4340万件に達した。

 州保健当局のウェブサイトによると、4日に報告された新規感染者数は1万4021人と、14日移動平均の1万7600人を下回った。死者数は558人と、同平均の518人を上回った。累計の感染者数は330万人を超え、死者数は4万3024人に達した。

 スペインは英アストラゼネカのコロナワクチン接種対象を55歳未満に限定する。保健省が発表した。「科学的エビデンス」に基づいた判断だとしている。同社のワクチンについては欧州連合(EU)加盟国の間で高齢者への接種を推奨しない動きが広がっており、ドイツやフランス、イタリアも同様の制限を設けた。

 アストラゼネカのワクチンは、英国で出現した変異株に対しても同等の効果があることが、同ワクチンを共同開発した英オックスフォード大学の研究で示された。

 世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長は、医療従事者と高齢者の接種が終わった国々は残りのワクチンを他国に回すべきだと述べた。これまでに行われた接種の4分の3余りは、世界の国内総生産(GDP)の約60%を占める10カ国に集中しており、総人口25億人の約130カ国ではまだ1回の接種も行われていないと指摘した。

 米ジョンズ・ホプキンズ大学のデータによると、世界の感染者数は1億530万人を超え、死者数は230万人に近づいている。ブルームバーグの集計データによれば、世界のワクチン接種回数は1億2400万回を超えた。

 アストラゼネカワクチンも承認申請、大半を日本国内生産 

朝日新聞デジタル 2021年2月5日(金)17時34分配信

 新型コロナウイルスのワクチンについて英アストラゼネカは5日、製造販売の承認を厚生労働省に申請した。政府が供給契約を結んだ計3社の中で、発症を防ぐ効果はやや劣るとされる。一方で大半を国内生産するため安定供給を見込めることや、より高い温度で保管でき接種する人数や地域を広めやすいことが利点だ。国内での申請は米ファイザーに続き二つ目。

 申請を受け、田村憲久厚労相は「安全性、有効性を審査した上で承認を決定したい。コロナワクチンなので最優先に審査する」と述べた。

 ワクチンは供給への不安が高まり、各国で奪い合いが起きている。接種が始まった欧州連合(EU)は輸出に許可制を導入。日本への供給に影響を及ぼす可能性がある。政府が契約したファイザーと米モデルナのワクチンは、すべて海外から輸入される予定だ。

 日の丸ワクチン最前線年内3000万人分製造 

FNNプライムオンライン 2021年2月5日(金)18時24分配信

 国内第1弾となるアメリカ・ファイザー社のワクチンに続き、5日、イギリスの製薬大手・アストラゼネカ社が、厚労省にワクチンの承認を申請した。3月中に日本で行った臨床試験の主要データを提出する予定だという。

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 こうした中、厚労省は5日、過去に新型コロナウイルスに感染したことのある人の割合を調べる抗体検査の結果を公表した。

田村厚労相「(抗体保有率は1%足らずということで、多くの方々がかかって、集団免疫という話はもう全然ない

 検査は2020年12月、東京や大阪など5つの都府県で行われ、東京都の抗体保有者は0.91%。2020年6月の0.1%からは9倍に増えたが、それでもまだ1%に満たない数字。こうしたことからも、より重要となるワクチン。では、海外に続く国産ワクチン作りはどうなっているのか。

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 FNNが訪れたのは、岐阜・池田町にある医薬品製造工場「UNIGEN」。

 大手製薬会社「塩野義製薬」が開発するワクチンの生産ラインを準備している。UNIGEN 戦略渉外部・福岡真マネジャー「タンクの容量は2万1,000リットル。遠心分離機で、重いもの・軽いものに分けて、欲しい方を取り出す」

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これはワクチンのもととなる、タンパク質を作るための世界最大級のタンク。

 シオノギ製薬では、2020年4月に国産ワクチンの開発をスタートさせ、12月から臨床試験に入っている。医薬品の生産ラインを整備するのは、通常、製品化が決まってからとされ、今回は異例のスピードだという。

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UNIGEN 戦略渉外部・福岡マネジャー「開発が終わってない中で工場を作る。そのやり方自体が異例。1日でも早く届けるためには、こういう方法をとらなきゃいけない」

 塩野義製薬が開発しているのは、遺伝子組み換え技術を応用したワクチン。安全性などを含め、すでに実用化されている技術で製造できるという。

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塩野義製薬 広報部・中川慎也さん「12月末には、年間3,000万人分のワクチンを製造できる生産体制の構築を進めています」

 ワクチンが、新型コロナ収束への切り札となるのか。東京都では5日、新たに577人の感染が確認された。1日の感染者が1,000人を切るのは、8日連続で、1月29日と比べると、3割以上減少。重症者の数は、4日より2人増えて117人だった。

 現役医師断言「日本コロナ対策くのった 

PRESIDENT Online 2021年2月6日(土)11時16分配信/大和田潔(総合内科専門医)

 日本のコロナ対策は失敗だったのか。医師の大和田潔氏は「海外では厳しい規制をかけても大きな被害が出た。日本の対応はメディアに否定的に報道されているが、緩やかな規制と人々の協力で被害は小さく、最適解だったといえる」という――。

日本人の気質

 私たち日本人は、謙遜と謙譲を美徳としてきました。つらくても努力し続け、その上で評価を待つ。自らを鍛え、成果をあげて人から評価されることを受動的に待つことを教えられて育ちます。

 目的と手段が本末転倒になり、最短で目的が達成するよりも努力し続ける非効率さが美徳とされることもよくあります。細かいところまで気を配り、「石橋をたたいて渡る」ことが日常茶飯事です。さらに武士道の文化もあわさり、自己研鑽(けんさん)の美徳と統合されています。

 たとえうまくいっても「それほどでも」と謙遜し、決して「うまくいったでしょ!  スゴイでしょ」なんて自慢しません。みんなで一緒に行動することを良しとし、誰かが独り占めすることを良しとしません。少ない国土でも多くの国民が公平に平和に暮らせる、奥ゆかしさの工夫の中で培われた知恵だと思っています。

 これまでの日本の新型コロナウイルスへの対応は否定的に報道されたり、考えている人が多く見受けられます。しかし私は完璧だと考えています。

 「イヤイヤ全然ダメでしょ」と即座に否定されそうです。

 でも現実を見てみましょう。

 日本は先進国の中ではとりわけ新型コロナによる被害は少なく、流行は下火になっています。人々のいさかいもほとんどありません。政府と人々の対立もなく、みんなで協力してなんとか乗り越えたと言えるでしょう。

 私は、新型コロナは蔓延後に収束しすでに「季節性ウイルス」になったと考えています。国内では抗原検査は不要になりつつあると思っています。陰性を証明しないと、食事や観光などができないのは理に合いません。季節性になっている新型インフルエンザも通年で存在していますが検査は行われないからです。

日本の3つの勝因

 私は、日本の勝因は3つに整理できると考えています。

 1つ目は、日本の保険医療システムが充実し基礎疾患を日頃からあまねく管理できていたことや、重篤化した人々も医療者が献身的に治療できたことだと思います。高度な医療機材や治療薬を有して使えることや、国民の教育度も高いことも含まれます。

 教育度が高いことは、ウイルスの概念を理解しマスクの必要性を実感したり、飲食店での飛沫経口感染を予防するための緊急事態宣言を国民全体で実行することにつながります。

 2つ目は、清潔観念が徹底していることです。疫病が繰り返しはやることに対応し、靴を脱いで入浴が好きで部屋にあがり手洗いうがいをするといった個人個人の日常保清、下水道などの都市設計、ネズミや蚊など媒介動物を駆除などもふくめた人間を守る公衆衛生の総合力です。

 3つ目は、季節性コロナウイルスにさらされてきたことと公的補助による小児ワクチンと高齢者の肺炎球菌ワクチンの徹底などによる獲得免疫の恩恵が大きいと思っています。

 この3つの条件がそろっていたため、実効性をもちつつ経済被害を最小限にする「ユルユル対策」が奏功したのだと思っています。乳児から高齢者まで健康管理やフリーアクセスをあまねく提供してくれている国民皆保険による保険医療制度を、今後も大切にしなくてはいけません。

 新型コロナは、日本人が普段から積み重ねてきたこうした努力によって、甚大な健康被害を減らすことができることを教えてくれたと思っています。

厳重な管理は効果が少ない

 日本とは比較にならない厳格な対応をしている海外の国々は沢山あります。

 中国では、武漢で新型コロナウイルスが発生した際に新設病院を短期間で造り、全国の軍隊所属の医療班を招集し制圧し、感染を完全に鎮圧したと考えられていました。

 ところが2021年1月になり、患者が発生した都市を容赦無くロックダウンし、市民が困窮していることが報道されました。2月近くになっても情け容赦無くプライバシーも無く、肛門から検体を採取するという徹底した検査もおこなわれています。

 欧州でも、強力な措置が取られました。

 ドイツでは、10万人あたり新規感染者が200人以上の場合は移動制限になります。1400万都市東京では、1日に3万人という規模です。500人を目標にしている東京が、世界的にみてどれだけ完璧すぎるか良くわかる実例です。

 フランスでは、夜間外出禁止令も出されており大型ショッピングモールの閉鎖が指示されています。全土で夜間外出制限が命じられ午後6時までに帰宅という厳しい措置が取られています。

 オランダでは、1月23日から夜間外出禁止令が発令されました。それに呼応し、規制を行う国側と市民が衝突。各地で放火などを伴う暴動が起きています。

ロックダウンは解決にならない

 イギリスでは、1月に3度目のロックダウンを行いました。それでも長引く規制にもかかわらず、死者が10万人を超え国民に大きな不満が蓄積しています。

 オーストラリアは、厳しい外出制限とほぼ鎖国に近い状態により市中感染が起きないところまできていました。ところが、2021年になり市中で変異ウイルス感染の感染拡大が再発しました。

 2021年になり暴動を抱えながらも厳しい行動制限を国民に課しているオランダから、ロックダウンは意味がなかったという分析報告がありました。

 新型コロナウイルスに対して、人間は完全に封じ込める力をもたないことを証明しています。厳しい制限をして発生数を減らすことはできるかもしれません。けれども一時ゼロにまで持っていってもどこかで発生してきます。

 PCR検査を無限にやっても陽性者の隔離を厳密に行っても、封じ込めはできません。濃厚接触の掘り起こし追跡調査の終了は賢明な判断です。流行は下火になりました。昨年9月の「感染者ゼロを前提にすると、新型コロナは終わらない」で予想したとおりの経過をたどっています。

厳しいロックダウンで窮地のインド

 JETROで、世界最大の厳しいロックダウンを課したインドの窮状が伝えられています。この報告の中で、インドを含め米国や欧州ドイツに比べて日本が大変に緩い規制だった調査結果がグラフで示されています。

 自粛を強要する警察が、生活のためにやむなく家から出た国民を暴行している映像も流れました。

 2020年3月にはすでに厳しい取り締まりが開始されていますが、1日に10万人以上の陽性者を出した9月中旬まで増加しつづけました。その後ゆっくり自然減少に転じていきました。これだけ厳しく取り締まっても、コロナの死亡者は15万人を超えロックダウンによる経済被害と合わせ甚大な被害は免れませんでした。

 立法して警察組織が厳しく刑事罰を科しても、流行の急速な沈静化はできなかったのです。

 さてここで、日本の流行を見てみましょう。

 2019年末の計測できなかった大流行はさておいて、冬の流行は多い時でも1日に7000人ほどですでに下火になりました。こちらも昨年予想した2月ごろまでに急減するとお示しした通りに推移します。

 皆さんご存じの通り、昨年4月の緊急事態宣言に引き続き2回目が出されています。1回に比べると国民は緩い対応をしています。前回はGDP30%実質14兆円の損害を出したのに比べ、今回は半分の被害で済んでいます。

 菅義偉首相は2日、栃木県を除く10都府県で3月7日まで延長することを表明しましたが、流行が落ち着くにつれ一つずつ規制が解かれていくのではないかと思っています。

コロナウイルス対策による被害の要因

 まとめると、新型コロナウイルスによる被害は以下の3点に要約されると思います。

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1. 人類は、完全に封じ込めることはできない必ず、散発し蔓延する
2. その国の医療体制の普及充実度や国民の公衆衛生に依存する
3. 季節性コロナウイルスやワクチンによる獲得免疫が影響する
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 日本では、2と3が完備されていたので、1に対応したユルユル型の管理が功を奏しました。とてもよい方策だったと考えています。欧州では医療費削減により2が、インドは2と3が十分ではなかったことが推測されます。

 日本では、厳しい規制を行うとそれによる被害の方が大きくなってしまいます。1年以上経過し、国民の集団免疫は上昇しました。疫病は、ふつうは国土に広まった最初が一番被害が大きいものです。変異型にも、この期間に追加獲得した免疫による交差免疫で対応できることでしょう。

緩い日本のコロナ対策はむしろ多くの命を救った

 リアルな生活は人を守ります。

 私は、緊急事態宣言でも通勤電車に乗り診療を続けました。患者さんもがんばってクリニックを受診されました。採血、検尿、心電図、画像などの外来検査で大病が発見できた方がたくさんいらっしゃいました。

 胆石による閉塞性胆管炎、虫垂炎、尿管結石の方もいました。心臓にステントを入れたり、大動脈や膵臓、婦人科の手術をされた方もいました。緊急を要する脳の病気がMRIで判明した方もいらっしゃいます。リモート診療では行えない判断でした。

 コロナで混乱・遅延する外来をかき分け、総合病院の先生方と協力して加療しました。感謝される患者さんの電話をひきつぐスタッフも皆、クリニックを開け続けたことを誇らしく思ってくれています。医療現場では、感染症の一部にすぎないコロナ以外の病気対応の方がはるかに多かったのです。

 もし、欧米のような厳しいロックダウン(都市封鎖)が長期間なされ、私がクリニックに行けなかったり、患者さんが家で症状を過剰に我慢してしまったりしていたら手遅れになっていました。日本のコロナ対策がユルいからこそ、むしろ多くの命を救うことができたのです。

 また、私のクリニックには妊婦の患者さんが来院されます。コロナ禍と言われる最中でも、新しい命の誕生に携わることができました。今、お子さんの誕生を待っている患者さんも複数いらっしゃいます。最近では、ある栄養士さんは出産を経て、元気に復職されました。医師としてうれしいエピソードです。

 このように管理のユルさで得た恩恵がたくさんあったのです。掘り起こしPCRで市中の無症状陽性者を発見し、警察が取り締まったりしていたら、悪影響の方が甚大でした。診療も出産(計画)も見送らざるを得なかったかもしれません。

変わらない日常が心身を守る

 診療以外でも、私は何も気にせず新型コロナのPCR検査で陽性だった方や濃厚接触者になった方とも普段通り仕事をしてきました。

 先日、ある方から「先月コロナ陽性だったのですが、お伺いしても良いですか? 」と尋ねられた時は驚きました。「気にしないで一緒にお会いして仕事しましょう」と答えたところ、「普通に仕事していいかどうか心配でした。感動です」とおっしゃっていました。咽頭炎や胃腸炎、インフルが治ったことを気にする人はいないでしょう。新型コロナも、それと同じ話です。

 感染が国内で広がり始めたころ、1歩でも外に出たらウイルスを吸い込むかのようにメディアが視聴者を脅していた時期がありました。しかし私は基準を守り仕事を続けました。私のように、フェイクを排してファクトに基づいて同じペースで仕事を継続してきた方も多いでしょう。

 国が国民を信頼しちょうどいい制限を与え、民度の高い国民がそれに応えた日本式の勝利だと思っています。陽性者数とPCR検査を連呼するメディアは有害無用でした。

 私は食材を買いにスーパーに出かけ食事に気をつけ外で外気の中で運動し、コロナ中に体調を整えました。海外のように、厳格にひきこもりを強要されていたら体だけでなく心の健康も損なっていたに違いありません。

 実際、ロックダウンなどの行動制限を強力に科しているフランスではうつ病が2倍に増えています(注18)。人間は、外に出て光を浴びて自然の中でリフレッシュしたり人々と会話をしたりして心身の健康を保っています。

 強力な感染拡大予防対策やプライバシーの無い検査強要は、人間の尊厳や生き生きした生活を奪います。法律のもとに東京駅前や銀座で突然検閲が始まり肛門PCRのためにおしり出せと強要されて、何らかのウイルス陽性で隔離。それが平気でいられますか? 

罪なき疾患で罰するべきではない

 日本人は、よく同調圧力が高いと自嘲(じちょう)ぎみに話します。私は、決してそんなふうに思いません。「出る杭は打たれる」文化などと語られますが、海外における優れた人への妬みや中傷は日本の比ではありません。

 日本の外出制限は、「自粛の要請」にとどまり、ユルユルで罰則もありません。しかし日本人の多くが早く自宅に帰ります。そういう国民に対し、コロナ関連法案で刑事罰まで検討された際にはハラハラしました。幸い刑事罰はなく行政罰のみになりましたが(注19)私はそれも必要ないと思っています。

 無症状で広がる罪のない感冒疾患に国家が介入し個人を罰すること自体が問題です。弱い感染症や他の理由で、国民が恣意的に隔離されていく危険をはらんでいます。

 もし次の感染症が流行したら、無症状で平和に暮らしている国民の生活に国家の取り締まりが乗り込んできて暮らしが破壊されていくことでしょう。今回はPCR検査でしたが、うかがいしれない他の検査にとってかわるかもしれません。

日本は正解を選んだ

 今回、新型コロナで学んだことは多岐にわたります。

 そのひとつは、国民の自主性に任せて緩い管理をした政府・自治体と、それに応じて国民が自主的に頑張ったことです。ワクチンがやって来れば鬼に金棒です。

 法律を作って個人を取り締まることは解決にならないことも学びました。人々は、鎖国もロックダウンも解決にならないことを学びました。

 日本にとっては、実践してきたユルユル型対応が実は正解だったのです。必要以上の経済被害や国民の暴動を抑えながらも、集団免疫を獲得していく理にかなったものだったのです。

 無症状のまま広がって行くこのウイルス(注19)に対し緩い対策をとっても、日本では被害が少なく過ぎ去りました。今後、ウイルスが存在しても発症者が少ないなら迷惑な隣人ではありません。

 ヒステリックに「角を矯めて牛を殺す」ことにならなくて本当に良かったです。日本の対応は評価されて良いものだと思っています。専門家は、国民の自由な生活や移動の制限、生活の否定が主な仕事になってしまっています。人生で1度しかない修学旅行は中止しないでもらいたいと願っています。

 奥ゆかしさと謙虚さといった日本人の気質、日本のコロナ対策の長所についてはなかなか語られることはありません。私は臨床の現場にずっと身を置いて、日本の伝統や民度、医療制度の普及と継続の大切さを明言すべきだと実感しています。

 不十分な情報で比較的正確に未来を予測できた「日本のコロナウイルスは終わった。さあ旅にでよう」を今でもお伝えしたい気持ちです。

 私たちは、一周してさらに学びましました。

 日本はこのまま順調に再興し、コロナ以前よりも繁栄することが約束されています。元気よく暮らしていきましょう。

 

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